(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】蓄電装置からの活物質の回収方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/54 20060101AFI20231120BHJP
C22B 7/00 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
H01M10/54
C22B7/00 C
(21)【出願番号】P 2023052669
(22)【出願日】2023-03-29
【審査請求日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2022060609
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000173809
【氏名又は名称】一般財団法人電力中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】伊達 安基
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06180278(US,B1)
【文献】特開2014-194873(JP,A)
【文献】特開2014-127417(JP,A)
【文献】国際公開第2021/152302(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/54
C22B1/00
C22B7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活物質が付着した電極を含む蓄電装置における前記電極の少なくとも一部が、波状形状となるように加工する加工工程
と、
前記加工工程後に、前記電極に対して外部刺激を与えて、前記電極から前記活物質を剥離する剥離工程と、
を有
し、
前記蓄電装置が、リチウムイオン二次電池であり、
前記電極が、銅、銅合金、アルミニウム、及びアルミニウム合金の少なくともいずれかであることを特徴とする蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項2】
前記波状形状が、全体が波状形状、端部のみが波状形状、及び全体における一方向と前記一方向とは異なる方向が波状形状の少なくともいずれかである、請求項
1に記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項3】
前記波状形状の曲率半径が、0mm
超5mm以下である、請求項1から2のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項4】
前記波状形状の曲率半径が、0mm
超0.5mm以下である、請求項1から2のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項5】
前記剥離工程が、0℃以上200℃以下で行われる、請求項
1から
2のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項6】
前記外部刺激が気流である、請求項
1から
2のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項7】
前記気流を、風速が5m/s以上100m/s以下、時間が0.5分以上2.0分以下の条件で前記電極に与える、請求項
6に記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項8】
前記外部刺激が水流である、請求項
1から
2のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項9】
前記水流を、流速が0.05m/s以上10m/s
以下、時間が0.1分以上5.0分以下の条件で前記電極に与える、請求項
8に記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項10】
前記外部刺激が衝撃波である、請求項
1から
2のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【請求項11】
前記衝撃波を、印可電圧が10kV以上200kV以下、電気パルス装置の対電からの距離が0.5cm以上30cm以下、パルス回数が1回以上100回以下の条件で前記電極に与える、請求項
10に記載の蓄電装置からの活物質の回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置からの活物質の回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電装置の1種であるリチウムイオン電池は、自動車の電動化や再エネの利用拡大により、優れた蓄電性能を有するため使用量が増加しており、前記リチウムイオン電池に使用されるコバルトやニッケル等は、資源価値の変動が大きく、リサイクルによる供給確保が期待されている。
【0003】
リチウムイオン電池は、従来のニッケル水素電池などと比較して、電池全体としての資源価値が低いため、投入エネルギーの少ないリサイクルプロセスが望まれており、前記リサイクルプロセスとしては、例えば、電池を焙焼炉で焼却する焙焼プロセス、電池を溶融する溶融プロセス、電池を焙焼炉で焼却しない非焙焼プロセス等が挙げられるが、国内におけるリチウムイオン電池のリサイクルプロセスとしては、焙焼プロセスが主体となっている。
しかしながら、焙焼プロセスと溶融プロセスは、電池を高温処理するため、天然ガスや重油等の化石燃料や電気エネルギーの消費と、電池を構成する有機電解液とプラスチックの熱分解により、多くの二酸化炭素が発生するという問題がある。また、焙焼プロセスと溶融プロセスは、材料を高温処理するため、電池から回収される素材の多くが酸化、混合することで、素材ごとの分離が困難となり、非焙焼プロセスに比べてリサイクル可能な活物質の種類が少ない、素材価値が低下するなどの問題がある。
一方で、海外では電池の焼却処理が忌避される欧州を中心として、焼却に依らない非焙焼のリチウムイオン電池のリサイクル技術が種々検討されており、例えば、リチウムイオン電池の電極をミルカッターなどで裁断し、裁断した前記電極に気流を与えて、電極を容器内で衝突させることで、活物質を電極から剥離する方法が知られている(例えば、非特許文献1など)。
また、前記電極を水中に分散し、水流中で攪拌することで活物質を電極から剥離する方法が知られている(例えば、非特許文献2など)。
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載されている方法では、効率よく活物質を剥離するために電極を10mm程度にまで裁断する必要があること、強固に活物質が電極に密着している場合は活物質の剥離率が低いこと、長時間の処理では電極が衝突するたびに電極が変形、微細化してしまい効率よく活物質を回収することができないこと(不純物であるアルミニウム、銅などが混ざる、よって分離に複雑な工程が必要となる)が問題であった。
また、非特許文献2に記載されている方法では、電極を裁断する寸法に制限はなく、剥離において電極が変形又は微細化せずに効率よく不純物の少ない活物質を回収できるが、強固に活物質が電極に密着している場合において、活物質の剥離率が低いことやプロセスに水を使用することによるコストが問題であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】https://www.duesenfeld.com/recycling_en.html
【文献】平成30年度省CO2型リサイクル等設備技術実証事業「電動車の駆動用電池のリユース・リサイクル技術開発実証事業(中部電力株式会社)」、環境省、平成31年2月28日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、蓄電装置から、高効率かつ高純度で活物質を回収することができる蓄電装置からの活物質の回収方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、前記電極を波状形状に加工することで、簡単に電極から前記活物質を剥離することができる。
また、電極が衝突をしても変形し難い形状に加工することで、気流処理において電極が変形しないため、従来から用いられていた10mmより大きい比較的大きな電極であっても電極の中央部に付着する活物質を剥離することができ、活物質の回収率が高くなる。また、金属箔の微細化を抑えることができるため、回収する活物質への不純物の混入を低減することができる。
また、前記蓄電装置の電極が多層である場合は、各層同士を剥離して単層とすることができ、後の工程(素材分別工程など)をより行い易くすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための手段としては、以下の通りである。すなわち、
<1> 活物質が付着した電極を含む蓄電装置における前記電極の少なくとも一部が、波状形状となるように加工する加工工程を有することを特徴とする蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<2> 前記加工工程後に、前記電極に対して外部刺激を与えて、前記電極から前記活物質を剥離する剥離工程を有する、前記<1>に記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<3> 前記波状形状が、全体が波状形状、端部のみが波状形状、及び全体における一方向と前記一方向とは異なる方向が波状形状の少なくともいずれかである、前記<2>に記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<4> 前記波状形状の曲率半径が、0mm以上5mm以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<5> 前記波状形状の曲率半径が、0mm以上0.5mm以下である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<6> 前記剥離工程が、0℃以上200℃以下で行われる、前記<2>から<5>のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<7> 前記外部刺激が、気流である、前記<2>から<6>のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<8> 前記気流を、風速が5m/s以上100m/s以下、時間が0.5分以上2.0分以下の条件で前記電極に与える、前記<7>に記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<9> 前記外部刺激が、水流である、前記<2>から<6>のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<10> 前記水流を、流速が0.05m/s以上10m/s以下、時間が0.1分以上5.0分以下の条件で前記電極に与える、前記<9>に記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<11> 前記外部刺激が、衝撃波である、前記<2>から<6>のいずれかに記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
<12> 前記衝撃波を、印可電圧が10kV以上200kV以下、電気パルス装置の対電からの距離が0.5cm以上30cm以下、パルス回数が1回以上100回以下の条件で前記電極に与える、前記<11>に記載の蓄電装置からの活物質の回収方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、蓄電装置から、高効率かつ高純度で活物質を回収することができる蓄電装置からの活物質の回収方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の活物質の回収方法を説明するフローチャートの一例である。
【
図2】
図2は、本発明において、外部刺激として気流を用いた実施形態の一例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明において、外部刺激として水流を用いた実施形態の一例を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明において、外部刺激として衝撃波を用いた実施形態の一例を示す概略図である。
【
図5】
図5は、実施例1において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図5(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図5(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図6A】
図6Aは、実施例2-Aにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図6A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図6A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図6B】
図6Bは、実施例2-Bにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図6B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図6B(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図6B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図6C】
図6Cは、実施例2-Cにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図6C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図6C(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図6C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図6C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図7】
図7は、実施例3において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図7(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図7(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図8A】
図8Aは、実施例4-Aにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図8A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図8A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図8B】
図8Bは、実施例4-Bにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図8B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図8B(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図8B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図8C】
図8Cは、実施例4-Cにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図8C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図8C(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図8C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図8C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図9】
図9は、実施例5において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図9(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図9(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図10A】
図10Aは、実施例6-Aにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図10A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図10A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図10B】
図10Bは、実施例6-Bにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図10B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図10B(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図10B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図10C】
図10Cは、実施例6-Cにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図10C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図10C(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図10C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図10C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図11】
図11は、実施例7において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図11(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図11(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図12】
図12は、実施例8において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図12(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図12(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図13】
図13は、実施例9において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図13(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図13(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図14】
図14は、実施例10において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図14(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図14(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図15】
図15は、実施例11において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図15(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図15(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図16】
図16は、実施例12において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図16(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図16(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図17】
図17は、実施例13において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図17(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図17(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図18】
図18は、実施例14において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図18(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図18(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図19】
図19は、実施例15において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図19(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図19(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図20】
図20は、実施例16において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図20(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図20(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図21】
図21は、実施例17において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図21(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図21(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図22】
図22は、実施例18において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図22(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図22(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図23】
図23は、実施例19において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図23(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図23(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図24A】
図24Aは、実施例20-Aにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図24A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図24A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図24B】
図24Bは、実施例20-Bにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図24B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図24B(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図24B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図24C】
図24Cは、実施例20-Cにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図24C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図24C(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図24C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図24C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図25】
図25は、実施例21において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図25(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図25(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図26A】
図26Aは、実施例22-Aにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図26A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図26A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図26B】
図26Bは、実施例22-Bにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図26B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図26B(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図26B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図26C】
図26Cは、実施例22-Cにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図26C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図26C(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図26C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図26C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図27】
図27は、実施例23において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図27(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図27(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図28A】
図28Aは、実施例24-Aにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図28A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図28A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【
図28B】
図28Bは、実施例24-Bにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図28B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図28B(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図28B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図28C】
図28Cは、実施例24-Cにおいて、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図28C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図28C(b)が一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図28C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図28C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【
図29】
図29は、実施例25において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図29(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図29(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図29(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図30】
図30は、実施例26において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図30(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図30(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図30(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図31】
図31は、実施例27において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図31(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図31(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図31(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図32】
図32は、実施例28において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図32(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図32(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図32(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図33】
図33は、実施例29において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図33(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図33(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図33(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図34】
図34は、実施例30において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図34(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図34(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図34(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図35】
図35は、実施例31において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図35(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図35(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図35(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図36】
図36は、実施例32において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図36(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図36(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図36(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図37】
図37は、実施例33において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図37(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図37(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図37(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図38】
図38は、実施例34において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図38(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図38(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図38(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図39】
図39は、実施例35において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図39(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図39(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図39(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図40】
図40は、実施例36において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図40(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図40(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図40(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図41】
図41は、実施例37において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図41(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図41(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図41(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図42】
図42は、実施例38において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図42(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図42(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図42(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図43】
図43は、実施例39において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図43(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図43(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図43(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図44】
図44は、実施例40において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図44(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図44(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図44(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図45】
図45は、実施例41において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図45(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図45(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図45(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図46】
図46は、実施例42において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図46(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図46(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図46(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図47】
図47は、実施例43において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図47(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図47(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図47(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図48】
図48は、実施例44において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図48(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図48(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図48(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図49】
図49は、実施例45において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図49(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図49(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図49(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図50】
図50は、実施例46において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図50(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図50(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図50(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図51】
図51は、実施例47において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図51(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図51(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図51(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図52】
図52は、実施例48において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図52(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図52(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図52(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図53】
図53は、実施例49において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図53(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図53(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図53(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図54】
図54は、実施例50において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図54(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図54(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図54(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図55】
図55は、実施例51において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図55(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図55(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図55(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図56】
図56は、実施例52において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図56(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図56(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図56(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図57】
図57は、実施例53において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図57(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図57(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図57(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図58】
図58は、実施例54において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図58(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図58(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図58(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図59】
図59は、実施例55において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図59(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図59(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図59(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図60】
図60は、実施例56において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図60(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図60(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図60(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図61】
図61は、実施例57において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図61(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図61(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図61(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図62】
図62は、実施例58において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図62(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図62(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図62(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図63】
図63は、実施例59において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図63(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図63(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図63(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図64】
図64は、実施例60において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図64(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図64(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図64(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図65】
図65は、実施例61において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図65(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図65(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図65(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図66】
図66は、実施例62において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図66(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図66(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図66(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図67】
図67は、実施例63において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図67(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図67(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図67(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図68】
図68は、実施例64において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図68(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図68(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図68(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図69】
図69は、実施例65において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図69(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図69(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図69(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図70】
図70は、実施例66において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図70(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図70(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図70(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図71】
図71は、実施例67において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図71(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図71(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図71(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図72】
図72は、実施例68において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図72(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図72(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図72(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図73】
図73は、実施例69において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図73(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図73(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図73(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図74】
図74は、実施例70において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図74(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図74(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図74(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図75】
図75は、実施例71において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図75(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図75(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図75(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図76】
図76は、実施例72において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図76(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図76(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図76(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【
図77】
図77は、比較例1において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図77(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図77(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【
図78】
図78は、比較例2において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図78(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図78(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【
図79】
図79は、比較例3において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図79(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図79(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【
図80】
図80は、比較例4において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図80(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図80(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【
図81】
図81は、比較例5において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図81(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図81(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【
図82】
図82は、比較例6において、回収された活物質の外観を示す写真であり、
図82(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図82(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(蓄電装置における活物質の回収方法)
本発明の蓄電装置における活物質の回収方法は、加工工程を含み、剥離工程及び乾燥工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
【0012】
また、本発明の有価物の回収方法は、従来技術では、電極の気流処理において、電極が衝突するたびに変形してしまい効率よく活物質を回収することができないという、本発明者らの知見に基づくものである。
【0013】
そこで、本発明者は、変形が起こらない形状(例えば、波状形状等)に加工された電極に外部刺激を与えることで、電極が変形しないため(丸まらないため)、電極の中央部に付着する活物質を剥離することができ、活物質の回収率が高くなる。また、電極の微細化を抑えることができるため、回収する活物質への不純物の混入を低減することができる(純度の高い活物質を回収することができる)ことを知見した。
【0014】
本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法は、蓄電装置から活物質を回収する方法であって、加工工程を有し、剥離工程を有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の工程を有する。
本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法は、回収対象となる蓄電装置を放電して分解する非焙焼プロセスであるため、焙焼のための燃料及び電気が不要であり、有機電解液、プラスチックなどの熱分解による二酸化炭素が発生せず環境への影響が少ないという利点がある。また、本発明は、回収対象となる蓄電装置を溶融する溶融プロセスや、焙焼して破砕する焙焼プロセスに比べて、蓄電電池を構成する素材の酸化又は熱による劣化を抑えられることから、回収素材の種類が多く、品質や純度に優れるという利点がある。
【0015】
従来の非焙焼プロセスを用いた回収方法では、容器内に収容した蓄電装置の電極から、気流によって活物質を剥離する剥離工程のときに、電極が容器の壁面に衝突することで電極が変形するため、活物質の回収率が低下するという問題があった。また、衝突によって剥がれた集電体であるアルミニウムや銅が回収された活物質に混入し、活物質の純度が低下するという問題があった。
【0016】
本発明は、剥離工程の前に蓄電装置の電極を波状形状となるように加工する加工工程を有することで、その後の剥離工程において、前記電極に外部刺激を与えても前記電極が変形しにくく、活物質の高い回収率と純度を実現することができる。
【0017】
<加工工程>
前記加工工程は、活物質が付着した電極を含む蓄電装置における前記電極の少なくとも一部が、波状形状となるように加工する工程である。前記加工工程を行うことで、後述の剥離工程において、前記電極に対して外部刺激を与えても電極に加わる力積が局所的に集中せずに全体に分散するため、前記電極が変形せず、高効率で前記活物質を前記電極から剥離することができる。また、前記電極の端部が削れにくくなるため前記電極の破片の混入を抑え、高純度の活物質を回収することができる。
また、前記加工工程の回数としては、複数回行っても良い。
前記加工工程を行うことで、金属箔と正極材の密着が強い蓄電装置であったとしても、金属箔と正極材を剥離しやすくし、高効率で活物質を電極から剥離して回収することができる。
【0018】
前記電極の少なくとも一部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電極の全体、前記電極の端部のみなどが挙げられる。これらの中でも、剥離工程における前記電極の変形を抑えることができる点から、前記電極の全体が好ましい。前記電極の全体としては、例えば、一方向のみ、一方向及び前記一方向とは異なる方向などが挙げられる。これらの中でも、全体における一方向及び前記一方向とは異なる方向が好ましい。
【0019】
前記電極の全体における一方向及び前記一方向とは異なる方向が波状形状である場合において、前記一方向と前記異なる方向の角度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30度以上が好ましく、90度(直交方向)がより好ましい。
【0020】
前記加工工程を複数回行う場合は、2回目以降の加工工程では、1回目の加工工程における一方向に対して、45度の角度で加工を行うことができる。更に3回目以降の加工工程では、135度の角度で加工を行うことができる。
【0021】
前記波状形状の曲率半径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0mm以上5mm以下が好ましく、0.1mm以上2mm以下がより好ましく、0.1mm以上0.5mm以下が特に好ましい。前記曲率半径が、0.1mm以上であると電極の折れ曲がりや破断を防止することができ、前記曲率半径が、2mm以下であると外部刺激による電極の変形を抑制でき、電極の微細化を防止することができる。また、前記曲率半径が、1mm以下であると、電極を構成する電極と活物質の剥離を局所的に発生させることで剥離効率が向上し、外部刺激を与える時間が短縮できるため、高いエネルギー効率が得られる。
前記曲率半径が小さいほど、波状形状の加工によって、電極の表面と活物質(微粒子層)がわずかに剥離するため前記活物質の剥離回収効率が高くなる。また、前記曲率半径が小さいほど、回収される活物質の純度が高くなる。
特に、前記曲率半径が、0.1mm以上0.5mm以下であると、剥離工程を行わなくても活物質を電極から高効率で剥離することができる。
また、前記加工工程を複数回行う場合は、曲率半径を変えなくてもよいし、曲率半径を変えてもよい。これにより、前記活物質をより剥離させることができる。
【0022】
前記波状形状の曲率半径は、例えば、非接触式測定方法、触針式測定方法などにより測定することができる。前記非接触式測定方法に用いる機器としては、例えば、NH-3Ps(三鷹光器株式会社)などが挙げられる。また、上記以外の方法としては、前記電極の断面図を接写し、記録した断面形状の画像から近似的に曲率を算出する方法などが挙げられる。
【0023】
前記加工工程における加工の方法としては、前記電極を波状形状に加工することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、専用の器具を用いて加工する方法、波状形状の板材で前記電極を挟持し圧迫する方法などが挙げられる。これらの中でも、前記電極の一部を加工できる点や操作が簡便である点から、平面基材を波状形状に加工する機器を用いて加工する方法が好ましい。
【0024】
前記専用の器具としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、歯車形状(例えば、GSWD18、グリーンスタッフワールド 波板ストレート製造器 ミニチュア用ツール)、ラック形状などを用いることができる。
前記専用の器具としては、市販品を用いてもよいし、3Dプリンターによって作成したものを用いてもよい。前記3Dプリンターとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Photon Mono SE(ANYCUBIC社製)などを用いることができる。
【0025】
<<活物質>>
前記活物質とは、廃棄せずに取引対象たりうるものを意味し、例えば、炭素(C)、コバルト、ニッケル、マンガン、リチウム、チタン、鉄、リン、硫黄、フッ素などが挙げられる。
【0026】
-蓄電装置-
前記蓄電装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、全固体電池、全樹脂電池などが挙げられる。
【0027】
前記蓄電装置は、例えば、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池であり、例えば、正極と、負極と、セパレーターと、電解質及び有機溶剤を含有する電解液と、正極、負極、セパレーター及び電解液を収容する電池ケースである外装容器(アルミニウム製や鉄製のものが一般的である)とを備えたものが挙げられる。なお、本発明が対象とするリチウムイオン二次電池は、正極や負極などが脱落した状態であってもよい。
前記蓄電装置としては、前記正極、前記負極、及び前記セパレーターが積層した積層型でもよいし、前記積層型の蓄電装置が巻回した巻回型でもよい。
また、前記正極、前記負極、及び前記セパレーターは、それぞれ交互に積層する構造でもよい。
【0028】
本発明で活物質の回収対象となる蓄電装置の形状、構造、大きさなどは、特に制限はない。蓄電装置の形状としては、例えば、ラミネート型、円筒型、ボタン型、コイン型、角型、平型などが挙げられる。
また、蓄電装置の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バッテリーセル、バッテリーモジュール、バッテリーパックなどが挙げられる。ここで、バッテリーモジュールは、単位電池であるバッテリーセルを複数個接続して一つの筐体にまとめたものを意味し、バッテリーパックとは、複数のバッテリーモジュールを一つの筐体にまとめたものを意味する。また、バッテリーパックは、制御コントローラーや冷却装置を備えたものであってもよい。
【0029】
--正極--
正極は、正極集電体上に正極材及び活物質層を有する構造であり、その形状としては、例えば、平板状などが挙げられる。
前記正極集電体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50μm以上100μm以下などが挙げられる。
前記活物質層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100μm以上150μm以下などが挙げられる。
なお、本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法としては、前記正極集電体の厚み及び前記活物質層の厚み以外の電池においても高効率で活物質を回収することができる。
【0030】
正極集電体としては、その形状、構造、大きさなどについて特に制限はない。正極集電体の構造としては、例えば、多層構造(積層体)などが挙げられる。正極集電体の形状としては、例えば、箔状などが挙げられる。正極集電体の材質としては、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが好ましい。リチウムイオンがドープしないことや、コストや導電性などの点からアルミニウムが広く使用されている。また、所望の特性を付与するために、アルミニウムに他の金属(ケイ素やマンガンなど)を添加したアルミニウム合金も使用されている。本発明で有価物の回収対象となるリチウムイオン二次電池は、正極集電体としてこのようにアルミニウムを含むものである。
【0031】
正極材は、例えば、希少有価物を含有する正極活物質を少なくとも含み、必要により導電剤と、結着樹脂とを含んでいる。希少有価物としては、特に制限はないが、本発明の有価物の回収方法の回収対象としては、高価であることからコバルト、ニッケルの少なくともいずれかであることが好ましい。
【0032】
前記正極活物質としては、例えば、LMO系と称されるマンガン酸リチウム(LiMn2O4)、LCO系と称されるコバルト酸リチウム(LiCoO2)、3元系やNCM系と称されるLiNixCoyMnzO2(x+y+z=1)、NCA系と称されるLiNixCoyAlz(x+y+z=1)、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、コバルトニッケル酸リチウム(LiCo1/2Ni1/2O2)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)などが挙げられる。また、正極活物質としては、これらの材料を組合せて用いてもよい。
【0033】
前記導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、金属炭化物などが挙げられる。
【0034】
前記結着樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、アクリロニトリル、エチレンオキシド等の単独重合体または共重合体、スチレン-ブタジエンゴムなどが挙げられる。
【0035】
--負極--
負極は、負極集電体上に負極材及び活物質層を有する構造である。負極の形状としては、例えば、平板状などが挙げられる。
前記負極集電体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50μm以上100μm以下などが挙げられる。
前記活物質層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100μm以上150μm以下などが挙げられる。
なお、本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法としては、前記負極集電体の厚み及び前記活物質層の厚み以外の電池においても高効率で活物質を回収することができる。
負極集電体としては、その構造、大きさなどに特に制限はない。負極集電体の材質としては、リチウムイオンがドープしないことや、コストや導電性の点から銅が広く使用されている。また、所望の特性を付与するために、銅に他の金属を添加した銅合金も使用されている。また負極集電体の形状は、箔状のものが広く使用されている。本発明で有価物の回収対象となるリチウムイオン二次電池は、例えば、このように負極集電体として銅箔を含むものである。なお、銅箔が銅合金から成る場合は、後述する湿式選別工程で軽産物として銅合金が得られるが、この合金を銅と他の金属成分などに更に分離する必要がある場合もある。そのため、負極集電体として銅から成る銅箔を含むリチウムイオン二次電池が、本発明における有価物の回収対象として好適である。ここで、本明細書で用いる「銅箔」には、銅合金(Cu≧70%)の箔も含む。箔の厚さは1μm~100μmが好ましい。
【0036】
負極材は、例えば、負極活物質を少なくとも含み、必要により導電剤と、結着樹脂とを含んでいる。前記負極活物質としては、容量やコストなどの点からグラファイト、ハードカーボン等の炭素材、チタネイト、シリコン、およびそれぞれの複合物などが広く用いられている。本発明が回収対象とするリチウムイオン二次電池は、この中でも負極活物質としてカーボンを含むものであることが好ましい。
【0037】
なお、正極集電体と、負極集電体とは積層体の構造をとっていることが一般的である。
【0038】
--電解質--
前記電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非水電解液、固体電解質などが挙げられる。
【0039】
---非水電解液---
前記非水電解液としては、例えば、リチウム塩と、有機溶媒とを含有する非水電解液などが挙げられる。
【0040】
前記リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六フルオロリン酸リチウム、四フルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エチレンカーボネート及びジメチルカーボネートの混合溶媒が、前記リチウム塩の溶解性が高い点で、好ましい。
【0042】
---固体電解質---
前記固体電解質としては、電池反応を担うキャリアであるリチウムイオンの伝導性を有する固体の電解質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質などが挙げられる。
【0043】
前記酸化物系固体電解質としては、例えば、ペロブスカイト型酸化物、NASICON型酸化物、LISICON型酸化物、ガーネット型酸化物などが挙げられる。
【0044】
前記硫化物系固体電解質としては、例えば、Li2S-P2S5、Li2S-SiS2、Li7P3S11、Li2S-SiS2-Li3PO4などが挙げられる。
【0045】
また、リチウムイオン二次電池の外装容器(筐体)の材質としては、特に制限はなく、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレススチール、樹脂(プラスチック)などが挙げられる。
【0046】
<剥離工程>
前記剥離工程としては、前記電極に対して外部刺激を与えて、前記電極から前記活物質を剥離することである。前記剥離工程としては、前記加工工程の後に行われる。
【0047】
<<外部刺激>>
前記外部刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、気流、水流、衝撃波などが挙げられる。これらの中でも、剥離工程において水を使用しない点から、気流が好ましい。
【0048】
前記気流の風速としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5m/s以上100m/s以下が好ましい。前記風速が、5m/s以上であると、前記活物質を効率よく剥離することができ、前記風速が、100m/s以下であると、前記電極の端部の削れを防止することができ、前記電極の破片の混入を抑え、高純度の活物質を回収することができる。なお、前記風速とは、平均風速を意味する。
【0049】
前記気流による剥離工程の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5分間以上2.0分間以下が好ましい。前記時間が、0.5分間以上であると、前記活物質を効率よく剥離することができ、2.0分間以下であると、前記電極の端部の削れを防止することができ、前記電極の破片の混入を抑え、高純度の活物質を回収することができる。
【0050】
図2は、外部刺激として、気流を用いた場合の本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法の一例を示す概略図である。
気流を用いた場合の本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法では、上部にメッシュ3を備えた容器2中に電極4を入れ、前記電極4に対して外部刺激としての気流を与える。前記気流は、気流ノズル1から矢印の方向に発生させる。前記気流ノズル1を走査することで、気流5の方向を変更することができる。
なお、前記気流5の方向としては、電極4に外部刺激を与えることができれば特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0051】
前記水流の流速としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05m/s以上10m/s以下が好ましく、1m/s以上5m/s以下がより好ましい。前記風速が、5cm/s以上であると、前記活物質を効率よく剥離することができ、前記風速が、100cm/s以下であると、前記電極の端部の削れを防止することができ、前記電極の破片の混入を抑え、高純度の活物質を回収することができる。なお、前記流速とは、平均流速を意味する。
【0052】
前記水流による剥離工程の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1分間以上5.0分間以下が好ましい。前記時間が、0.1分間以上であると、前記活物質を効率よく剥離することができ、5.0分間以下であると、前記電極の端部の削れを防止することができ、前記電極の破片の混入を抑え、高純度の活物質を回収することができる。
【0053】
図3は、外部刺激として、水流を用いた場合の本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法の一例を示す概略図である。
水流を用いた場合の本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法では、容器2中の水7の中に電極4を入れ、前記電極4に対して外部刺激としての水流を与える。前記水流は、撹拌部位を水中4に入れた撹拌機6によって発生させる。前記撹拌機6の撹拌部位を回転させることで水流7を発生させることができる。
なお、前記水流7の方向としては、電極4に外部刺激を与えることができれば特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0054】
前記衝撃波の印加電圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10kV以上200kV以下が好ましい。
【0055】
前記衝撃波を与える際の電気パルス装置の対電からの距離としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5cm以上30cm以下が好ましい。
【0056】
前記衝撃波を与える際のパルス回数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1回以上100回以下が好ましい。
【0057】
図4は、外部刺激として、衝撃波を用いた場合の本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法の一例を示す概略図である。
衝撃波を用いた場合の本発明の蓄電装置からの活物質の回収方法では、容器2中の水7の中に電極4を入れ、前記電極4に対して外部刺激としての衝撃波を与える。前記衝撃波12は、電源装置11に接続された高電圧電気パルス発生装置9の絶縁破壊発生用対電極10を水中4に入れ、前記絶縁破壊発生用対電極10から発生させる。
【0058】
前記剥離工程の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃以上200℃以下が好ましい。前記電極が乾燥している状態の方が、前記活物質が剥離しやすい。
【0059】
<乾燥工程>
前記乾燥工程としては、前記電極に熱を与えて、前記電極を乾燥させる工程である。前記乾燥工程としては、前記剥離工程の前に行うことが好ましい。
前記乾燥工程を行うことで、蓄電装置に含まれる有機溶媒の飛散を低減させることができ、また、前記電極からの活物質をより剥離させることができる。
【0060】
前記乾燥工程の乾燥条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50℃以上で15分間以上の乾燥などが挙げられる。
【0061】
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、放電工程、裁断工程などが挙げられる。
【0062】
前記放電工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2Ωの固定抵抗で6時間以上放電することで、0.1V以下の電圧を2時間以上維持して放電を完了とすることができる。
材料リサイクルに供する蓄電装置には、多くの場合、電気的エネルギーが残存しており、電気的エネルギーが多く残存する程、作業中に電池の発熱、発火等を生じる可能性があるため、放電工程を行うことで作業中の電池の発熱、発火等リスクを低減することができる。例えば、3.7Vの蓄電装置の単セルの場合、0.3V以下であると安全に解体が可能であり、0.1V以下であるとより安全に解体が可能である。
複数のセルが複合した電池パックでは、各セルの放電状態が均一でない場合があることから、パックを構成する各セルの電圧を計測するか、安全係数を設定した電圧までの放電を行うことが好ましい。
【実施例】
【0063】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0064】
(実施例1)
<放電工程>
蓄電装置としての車載用のリチウムイオン電池A(プリウスPHV、21.5Ah:3時間率、正極集電体の厚み:100μm、正極の活物質層の厚み:100μm、負極集電体の厚み:100μm、負極の活物質層の厚み:100μm)を、2Ωの固定で6時間放電し、0.1V以下の電圧を2時間以上維持して放電を行った。
【0065】
<裁断工程>
前記リチウムイオン電池Aを、上丸鋸(K-210、ホーザン)を用いて中身の部分を取り出し、その後、カッターを用いて前記中身の部分の集電部を切断し、4cm×4cmの電極を得た。
【0066】
<加工工程>
得られた電極のうち正極(4cm×4cm)を、加工用の治具を用いて、前記電極の全体が、曲率半径2mmの波状形状となるように電極に加工を行った。その後、加工工程後の前記容器内の活物質を回収した。
図5に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図5(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図5(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0067】
(実施例2-A)
実施例1において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例1と同様にして、活物質の回収を行った。
図6Aに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図6A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図6A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0068】
(実施例2-B)
実施例1において、加工を一方向及び前記一方向に対して45度の方向に変更した以外は、実施例1と同様にして、活物質の回収を行った。
図6Bに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図6B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図6B(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図6B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0069】
(実施例2-C)
実施例1において、加工を一方向、前記一方向に対して45度の方向、前記一方向に対して135度の方向に変更した以外は、実施例1と同様にして、活物質の回収を行った。
図6Cに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図6C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図6C(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図6C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図6C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0070】
(実施例3)
実施例1において、加工形状の曲率半径を、1mmに変更した以外は、実施例1と同様にして、活物質の回収を行った。
図7に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図7(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図7(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0071】
(実施例4-A)
実施例3において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例3と同様にして、活物質の回収を行った。
図8Aに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図8A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図8A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0072】
(実施例4-B)
実施例3において、加工を一方向及び前記一方向に対して45度の方向に変更した以外は、実施例3と同様にして、活物質の回収を行った。
図8Bに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図8B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図8B(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図8B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0073】
(実施例4-C)
実施例3において、加工を一方向、前記一方向に対して45度の方向、前記一方向に対して135度の方向に変更した以外は、実施例3と同様にして、活物質の回収を行った。
図8Cに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図8C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図8C(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図8C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図8C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0074】
(実施例5)
実施例1において、加工形状の曲率半径を、0.5mmに変更した以外は、実施例1と同様にして、活物質の回収を行った。
図9に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図9(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図9(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0075】
(実施例6-A)
実施例5において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例5と同様にして、活物質の回収を行った。
図10Aに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図10A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図10A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0076】
(実施例6-B)
実施例5において、加工を一方向及び前記一方向に対して45度の方向に変更した以外は、実施例5と同様にして、活物質の回収を行った。
図10Bに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図10B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図10B(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図10B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0077】
(実施例6-C)
実施例5において、加工を一方向、前記一方向に対して45度の方向、前記一方向に対して135度の方向に変更した以外は、実施例5と同様にして、活物質の回収を行った。
図10Cに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図10C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図10C(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図10C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図10C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0078】
(実施例7)
実施例1において、加工対象を負極に変更した以外は、実施例1と同様にして、活物質の回収を行った。
図11に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図11(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図11(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0079】
(実施例8)
実施例2において、加工対象を負極に変更した以外は、実施例2と同様にして、活物質の回収を行った。
図12に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図12(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図12(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0080】
(実施例9)
実施例3において、加工対象を負極に変更した以外は、実施例3と同様にして、活物質の回収を行った。
図13に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図13(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図13(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0081】
(実施例10)
実施例4において、加工対象を負極に変更した以外は、実施例4と同様にして、活物質の回収を行った。
図14に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図14(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図14(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0082】
(実施例11)
実施例5において、加工対象を負極に変更した以外は、実施例5と同様にして、活物質の回収を行った。
図15に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図15(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図15(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0083】
(実施例12)
実施例6において、加工対象を負極に変更した以外は、実施例6と同様にして、活物質の回収を行った。
図16に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図16(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図16(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0084】
(実施例13)
実施例1において、加工対象を正極と負極の積層体に変更した以外は、実施例1と同様にして、活物質の回収を行った。
図17に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図17(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図17(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0085】
(実施例14)
実施例2において、加工対象を正極と負極の積層体に変更した以外は、実施例2と同様にして、活物質の回収を行った。
図18に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図18(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図18(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0086】
(実施例15)
実施例3において、加工対象を正極と負極の積層体に変更した以外は、実施例3と同様にして、活物質の回収を行った。
図19に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図19(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図19(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0087】
(実施例16)
実施例4において、加工対象を正極と負極の積層体に変更した以外は、実施例4と同様にして、活物質の回収を行った。
図20に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図20(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図20(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0088】
(実施例17)
実施例5において、加工対象を正極と負極の積層体に変更した以外は、実施例5と同様にして、活物質の回収を行った。
図21に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図21(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図21(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0089】
(実施例18)
実施例6において、加工対象を正極と負極の積層体に変更した以外は、実施例6と同様にして、活物質の回収を行った。
図22に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図22(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図22(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0090】
(実施例19)
実施例1において、電池を車載用のリチウムイオン電池B(RAV4、51Ah:3時間率、正極集電体の厚み:50μm、正極の活物質層の厚み:150μm、負極集電体の厚み:50μm、負極の活物質層の厚み:150μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、活物質の回収を行った。
図23に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図23(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図23(b)が加工工程を行った後の電極である。なお、前記リチウムイオン電池Bは、前記リチウムイオン電池Aよりも金属箔と正極材の密着が強い蓄電装置である。
【0091】
(実施例20-A)
実施例2において、電池を車載用のリチウムイオン電池Bに変更した以外は、実施例2と同様にして、活物質の回収を行った。
図24Aに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図24A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図24A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0092】
(実施例20-B)
実施例19において、加工を一方向及び前記一方向に対して45度の方向に変更した以外は、実施例19と同様にして、活物質の回収を行った。
図24Bに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図24B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図24B(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図24B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0093】
(実施例20-C)
実施例19において、加工を一方向、前記一方向に対して45度の方向、前記一方向に対して135度の方向に変更した以外は、実施例19と同様にして、活物質の回収を行った。
図84に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図24C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図24C(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図24C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図24C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0094】
(実施例21)
実施例3において、電池を車載用のリチウムイオン電池Bに変更した以外は、実施例3と同様にして、活物質の回収を行った。
図25に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図25(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図25(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0095】
(実施例22-A)
実施例4において、電池を車載用のリチウムイオン電池Bに変更した以外は、実施例4と同様にして、活物質の回収を行った。
図26Aに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図26A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図26A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0096】
(実施例22-B)
実施例21において、加工を一方向及び前記一方向に対して45度の方向に変更した以外は、実施例21と同様にして、活物質の回収を行った。
図26Bに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図26B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図26B(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図26B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0097】
(実施例22-C)
実施例21において、加工を一方向、前記一方向に対して45度の方向、前記一方向に対して135度の方向に変更した以外は、実施例21と同様にして、活物質の回収を行った。
図26Cに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図26C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図26C(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図26C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図26C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0098】
(実施例23)
実施例5において、電池を車載用のリチウムイオン電池Bに変更した以外は、実施例5と同様にして、活物質の回収を行った。
図27に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図27(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図27(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0099】
(実施例24-A)
実施例6において、電池を車載用のリチウムイオン電池Bに変更した以外は、実施例6と同様にして、活物質の回収を行った。
図28Aに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図28A(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図28A(b)が加工工程を行った後の電極である。
【0100】
(実施例24-B)
実施例23において、加工を一方向及び前記一方向に対して45度の方向に変更した以外は、実施例23と同様にして、活物質の回収を行った。
図28Bに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図28B(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図28B(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図28B(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0101】
(実施例24-C)
実施例23において、加工を一方向、前記一方向に対して45度の方向、前記一方向に対して135度の方向に変更した以外は、実施例23と同様にして、活物質の回収を行った。
図28Cに回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図28C(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図28C(b)が前記一方向に加工工程を行った後の電極であり、
図28C(c)が更に前記45度の方向に加工工程を行った後の電極であり、
図28C(d)が更に前記135度の方向に加工工程を行った後の電極である。
【0102】
(実施例25)
<剥離工程>
実施例1において、加工工程に次いで、加工を行った電池Aの電極である正極を容器(材質:ステンレス、18L)内に入れ、前記容器の上部に金網を設置した。前記容器の上部から送風機(GBL800E ブロア BOSCH)を用いて、外部刺激として気流を送風し、前記電極を前記容器内で浮遊、衝突させた。その後、剥離工程後の前記容器内の活物質を回収した。
図29に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図29(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図29(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図29(c)が剥離工程を行った後の電極である。
前記GBL800E ブロア BOSCHの設定条件を下記に示す。
[設定条件]
・回転数 :0~16,000min
-1(回転/分)
・最大風量 :4.5m
3/min
・最大風圧 :7.2kPa
・平均風速 :43m/s
・時間 :0.5分間
【0103】
(実施例26)
実施例25において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例25と同様にして、活物質の回収を行った。
図30に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図30(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図30(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図30(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0104】
(実施例27)
実施例25において、加工形状の曲率半径を、1mmに変更した以外は、実施例25と同様にして、活物質の回収を行った。
図31に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図31(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図31(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図31(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0105】
(実施例28)
実施例27において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例27と同様にして、活物質の回収を行った。
図32に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図32(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図32(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図32(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0106】
(実施例29)
実施例25において、加工形状の曲率半径を、0.5mmに変更した以外は、実施例25と同様にして、活物質の回収を行った。
図33に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図33(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図33(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図33(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0107】
(実施例30)
実施例29において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例29と同様にして、活物質の回収を行った。
図34に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図34(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図34(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図34(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0108】
(実施例31)
実施例25において、電極を負極に変更した以外は、実施例25と同様にして、活物質の回収を行った。
図35に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図35(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図35(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図35(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0109】
(実施例32)
実施例26において、電極を負極に変更した以外は、実施例26と同様にして、活物質の回収を行った。
図36に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図36(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図36(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図36(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0110】
(実施例33)
実施例27において、電極を負極に変更した以外は、実施例27と同様にして、活物質の回収を行った。
図37に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図37(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図37(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図37(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0111】
(実施例34)
実施例28において、電極を負極に変更した以外は、実施例28と同様にして、活物質の回収を行った。
図38に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図38(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図38(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図38(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0112】
(実施例35)
実施例29において、電極を負極に変更した以外は、実施例29と同様にして、活物質の回収を行った。
図39に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図39(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図39(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図39(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0113】
(実施例36)
実施例30において、電極を負極に変更した以外は、実施例30と同様にして、活物質の回収を行った。
図40に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図40(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図40(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図40(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0114】
(実施例37)
実施例25において、電極を正極および負極に変更した以外は、実施例25と同様にして、活物質の回収を行った。
図41に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図41(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図41(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図41(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0115】
(実施例38)
実施例26において、電極を正極および負極に変更した以外は、実施例26と同様にして、活物質の回収を行った。
図42に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図42(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図42(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図42(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0116】
(実施例39)
実施例27において、電極を正極および負極に変更した以外は、実施例27と同様にして、活物質の回収を行った。
図43に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図43(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図43(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図43(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0117】
(実施例40)
実施例28において、電極を正極および負極に変更した以外は、実施例28と同様にして、活物質の回収を行った。
図44に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図44(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図44(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図44(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0118】
(実施例41)
実施例29において、電極を正極および負極に変更した以外は、実施例29と同様にして、活物質の回収を行った。
図45に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図45(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図45(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図45(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0119】
(実施例42)
実施例30において、電極を正極および負極に変更した以外は、実施例30と同様にして、活物質の回収を行った。
図46に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図46(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図46(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図46(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0120】
(実施例43)
実施例25において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例25と同様にして、活物質の回収を行った。
図47に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図47(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図47(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図47(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0121】
(実施例44)
実施例26において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例26と同様にして、活物質の回収を行った。
図48に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図48(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図48(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図48(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0122】
(実施例45)
実施例27において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例27と同様にして、活物質の回収を行った。
図49に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図49(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図49(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図49(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0123】
(実施例46)
実施例28において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例28と同様にして、活物質の回収を行った。
図50に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図50(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図50(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図50(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0124】
(実施例47)
実施例29において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例29と同様にして、活物質の回収を行った。
図51に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図51(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図51(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図51(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0125】
(実施例48)
実施例30において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例30と同様にして、活物質の回収を行った。
図52に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図52(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図52(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図52(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0126】
(実施例49)
<剥離工程>
実施例1において、加工工程に次いで、加工を行った電池Aの電極である正極を容器(材質:プラスチック、5L水)内に入れ、前記容器の上部から撹拌機(装置名:マゼラZZ-2321、東京理化器機株式会社製)を用いて、外部刺激として水流を付与し、前記電極を前記容器内で浮遊、衝突させた。その後、剥離工程後の前記容器内の活物質を回収した。
図53に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
前記撹拌機の設定条件を下記に示す。
図53(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図53(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図53(c)が剥離工程を行った後の電極である。
[設定条件]
・回転数 :500rpm
・平均流速 :300m/分(5m/秒)
・時間 :1分間
【0127】
(実施例50)
実施例49において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例49と同様にして、活物質の回収を行った。
図54に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図54(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図54(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図54(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0128】
(実施例51)
実施例49において、加工形状の曲率半径を、1mmに変更した以外は、実施例49と同様にして、活物質の回収を行った。
図55に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図55(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図55(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図55(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0129】
(実施例52)
実施例51において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例51と同様にして、活物質の回収を行った。
図56に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図56(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図56(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図56(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0130】
(実施例53)
実施例49において、加工形状の曲率半径を、0.5mmに変更した以外は、実施例49と同様にして、活物質の回収を行った。
図57に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図57(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図57(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図57(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0131】
(実施例54)
実施例53において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例53と同様にして、活物質の回収を行った。
図58に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図58(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図58(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図58(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0132】
(実施例55)
実施例49において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例49と同様にして、活物質の回収を行った。
図59に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図59(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図59(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図59(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0133】
(実施例56)
実施例50において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例50と同様にして、活物質の回収を行った。
図60に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図60(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図60(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図60(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0134】
(実施例57)
実施例51において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例51と同様にして、活物質の回収を行った。
図61に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図61(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図61(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図61(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0135】
(実施例58)
実施例52において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例52と同様にして、活物質の回収を行った。
図62に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図62(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図62(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図62(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0136】
(実施例59)
実施例53において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例53と同様にして、活物質の回収を行った。
図63に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図63(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図63(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図63(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0137】
(実施例48)
実施例60において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例54と同様にして、活物質の回収を行った。
図64に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図64(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図64(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図64(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0138】
(実施例61)
<剥離工程>
実施例1において、加工工程に次いで、加工を行った電池Aの電極である正極を容器(材質:ステンレス、5L水)内に入れ、前記容器の上部から電気パルス発生装置(柴田科学株式会社製)を用いて、衝撃波を発生させし、前記電極に付与した。その後、剥離工程後の前記容器内の活物質を回収した。
図65に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図65(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図65(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図65(c)が剥離工程を行った後の電極である。
前記電気パルス発生装置の設定条件を下記に示す。
[設定条件]
・印加電圧 :60kV
・パルス数 :30回
・電気パルス装置の対電からの距離 : 5cm
【0139】
(実施例62)
実施例61において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例61と同様にして、活物質の回収を行った。
図66に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図66(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図66(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図66(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0140】
(実施例63)
実施例61において、加工形状の曲率半径を、1mmに変更した以外は、実施例61と同様にして、活物質の回収を行った。
図67に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図67(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図67(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図67(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0141】
(実施例64)
実施例63において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例63と同様にして、活物質の回収を行った。
図68に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図68a)が加工工程を行う前の電極であり、
図68(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図68(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0142】
(実施例65)
実施例61において、加工形状の曲率半径を、0.5mmに変更した以外は、実施例61と同様にして、活物質の回収を行った。
図69に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図69(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図69(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図69(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0143】
(実施例66)
実施例65において、加工を一方向及び直交方向に変更した以外は、実施例65と同様にして、活物質の回収を行った。
図70に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図70(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図70(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図70(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0144】
(実施例67)
実施例61において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例61と同様にして、活物質の回収を行った。
図71に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図71(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図71(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図71(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0145】
(実施例68)
実施例62において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例62と同様にして、活物質の回収を行った。
図72に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図72(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図72(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図72(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0146】
(実施例69)
実施例63において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例63と同様にして、活物質の回収を行った。
図73に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図73(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図73(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図73(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0147】
(実施例70)
実施例64において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例64と同様にして、活物質の回収を行った。
図74に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図74(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図74(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図74(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0148】
(実施例71)
実施例65において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例65と同様にして、活物質の回収を行った。
図75に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図75(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図75(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図75(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0149】
(実施例72)
実施例66において、電池を電池Bに変更した以外は、実施例66と同様にして、活物質の回収を行った。
図76に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図76(a)が加工工程を行う前の電極であり、
図76(b)が加工工程を行った後かつ剥離工程を行う前の電極であり、
図76(c)が剥離工程を行った後の電極である。
【0150】
(比較例1)
実施例25において、加工工程を行わなかった以外は、実施例25と同様にして、活物質の回収を行った。
図77に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図77(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図77(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【0151】
(比較例2)
実施例31において、加工工程を行わなかった以外は、実施例31と同様にして、活物質の回収を行った。
図78に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図78(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図78(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【0152】
(比較例3)
実施例37において、加工工程を行わなかった以外は、実施例37と同様にして、活物質の回収を行った。
図79に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図79(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図79(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【0153】
(比較例4)
実施例43において、加工工程を行わなかった以外は、実施例43と同様にして、活物質の回収を行った。
図80に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図80(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図80(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【0154】
(比較例5)
実施例55において、加工工程を行わなかった以外は、実施例55と同様にして、活物質の回収を行った。
図81に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図81(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図81(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【0155】
(比較例6)
実施例67において、加工工程を行わなかった以外は、実施例67と同様にして、活物質の回収を行った。
図82に回収された活物質の外観を示す写真を示す。
図82(a)が加工工程を行っていない電極であり、
図82(b)が加工工程を行わずに剥離工程を行った後の電極である。
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
<評価>
実施例1~72及び比較例1~6における、活物質の回収効率(%)及び活物質の純度を以下のようにして評価した。結果を表5~8に示す。
【0161】
<活物質の回収効率(1)(%)>
実施例1~72及び比較例1~6において、加工工程で回収された活物質の回収量(g)と、剥離工程前の電極の重量(g)から、下記式に基づき活物質の回収効率(%)を算出した。
[式]
活物質の回収効率(%)=加工工程の活物質の回収量(g)/電極に付着する活物質量(g)×100
<活物質の回収効率(2)(%)>
実施例1~72及び比較例1~6において、剥離工程で回収された活物質の回収量(g)と、剥離工程前の電極の重量(g)から、下記式に基づき活物質の回収効率(%)を算出した。
[式]
活物質の回収効率(%)=剥離工程の活物質の回収量(g)/電極に付着する活物質量(g)×100
<活物質の純度>
実施例1~72及び比較例1~6において回収された活物質に含まれるアルミニウムと銅の含有率を誘導結合プラズマ発光法で測定し、下式に基づき活物質の不純物量を重量パーセントで評価した。(マイクロ波+酸熱分解で活物質の含有金属を溶液化して測定)
[式]
100-(活物質のアルミニウム含有率(%)+活物質の銅含有率(%))
なお、活物質のアルミニウム含有率(%)=活物質のアルミニウム含有量(g)/活物質の重量(g)×100
活物質の銅含有率(%)=活物質の銅含有量(g)/活物質の重量(g)×100
<電極の微細化>
実施例1~72及び比較例1~6において回収された活物質を目視で観察を行い、下記表か評価基準に基づき、電極の微細化を評価した。下記評価基準において、「○」及び「△」が実用可能である。
[評価基準]
○:目視可能な微細化した集電体が存在しない
△:目視可能な微細化した集電体が存在するが、篩での分離が容易
×:目視可能な微細化した集電体が存在するが、篩での分離が困難
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【符号の説明】
【0166】
1 気流ノズル
2 容器
3 メッシュ
4 電極
5 気流
6 撹拌機
7 水
8 水流
9 高電圧電気パルス発生装置
10 絶縁破壊発生用対電極
11 電源装置
12 衝撃波