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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】データ収集システム及びデータ収集方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 69/18 20220101AFI20231121BHJP
【FI】
H04L69/18
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022501590
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 JP2020007248
(87)【国際公開番号】W WO2021166261
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】谷口 友宏
(72)【発明者】
【氏名】玉置 真也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 徹也
(72)【発明者】
【氏名】木村 康隆
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-260778(JP,A)
【文献】特開2014-110638(JP,A)
【文献】特開2019-032800(JP,A)
【文献】特開2013-152557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 69/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末からデータ収集部への通信を1又は複数の通信プロトコルで行うデータ収集システムであって、
前記端末は、センシングデータ及び機器情報を検出するセンサーデバイス以外の検出部を持ち、前記検出部が検出した情報であるメタデータを、前記センシングデータ又は前記機器情報を送信する前記通信プロトコルで規定されるフレーム内の、前記通信プロトコルで規定される拡張領域に格納し、
前記データ収集部は、前記フレームに記載される前記端末を識別する情報に基づいて、前記センシングデータと前記機器情報と前記メタデータとを関連付けており、
前記メタデータは検出対象の位置情報、設置者情報、設置状態の情報及び環境情報であり、
前記拡張領域は、設定により独自用途で使用可能な領域であ
ことを特徴とするデータ収集システム。
【請求項2】
前記端末は、前記拡張領域に収まるように前記メタデータを加工して格納することを特徴とする請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項3】
前記端末は、前記拡張領域に収まるように前記メタデータを分割して複数のフレームに格納することを特徴とする請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項4】
前記端末は、前記検出部が検出した情報を一定期間蓄積した記録、又は特定の計算を行った結果を前記メタデータとすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項5】
前記端末は、前記検出部が検出する種別、及び前記検出部が情報を検出するタイミングの少なくとも1つを自発的又は前記データ収集部からの指示で変更することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項6】
前記メタデータを格納するフレームの前記通信プロトコルがLLDP(Link Layer Discovery Protocol)又はHTIP(Home-network Topology Identifying Protocol)であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項7】
前記端末は、前記フレームの送信周期を自発的又は前記データ収集部からの指示で変更することを特徴とする請求項6に記載のデータ収集システム。
【請求項8】
端末からデータ収集部への通信を1又は複数の通信プロトコルで行うデータ収集方法であって、
前記端末において、センシングデータ及び機器情報を検出するセンサーデバイス以外の検出部で検出した情報であるメタデータを取得すること、
前記端末において、前記センシングデータ又は前記機器情報を送信する前記通信プロトコルで規定されるフレーム内の、前記通信プロトコルで規定される拡張領域に前記メタデータを格納すること、及び
前記データ収集部において、前記フレームに記載される前記端末を識別する情報に基づいて、前記センシングデータと前記機器情報と前記メタデータとを関連付けること
行い、
前記メタデータは検出対象の位置情報、設置者情報、設置状態の情報及び環境情報であり、
前記拡張領域は、設定により独自用途で使用可能な領域である
こと特徴とするデータ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、IoT(Internet of Things)におけるセンシングデータ収集に関する。
【背景技術】
【0002】
標準規格化されており、かつ、高い性能を要求しない軽量の通信プロトコルで、端末や機器のネットワーク構成情報や機器情報を取得する。例えば、非特許文献1では、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)を用いた方法が報告されている。
【0003】
IoTにおいては、数多くのセンサー端末をネットワーク接続し、それらが生成するデータ(センシングデータ)を収集する必要がある。また、IoTにおけるデータ活用においては、センサー端末が生成するセンシングデータそのものだけではなく、メタデータと呼ばれる、センシングデータに関するデータの重要性が報告されており(非特許文献2など)、センシングデータとメタデータを合わせて取得且つ流通させることで、利用者がセンシングデータを安全かつ容易に活用することが期待されている。例えば、非特許文献1に開示されるLLDPを利用すれば、経済的なシステム構成で、センシングデータに関するメーカ名や型番などのメタデータ(機器情報)を収集できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】美原 義行、山崎 毅文、岡本 学、佐藤 敦、「ホームネットワークマップ特定プロトコルHTIPの設計と診断ツールへの適用」、情報処理学会論文誌 コンシューマ・デバイス&システム、Vol.2、 No.3、 pp.34-45、Dec. 2012.
【文献】小田 利彦、今井 紘、内藤 丈嗣、竹林 一、「センシングデータ流通市場におけるメタデータの定義・生成・活用の一方式」、2018年度人工知能学会全国大会(第32回)、June 2012.
【文献】IEEE Std 802.1AB-2016, “IEEE Standard for Local and metropolitan area networks-Station and Media Access Control Connectivity Discovery”
【文献】TTC標準 JJ-300.00、「ホームNW接続構成特定プロトコル 第3.0版」、2017年5月25日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メタデータとしては、製品名/型番などの機器情報だけではなく、センサ機器の設置位置/設置者などの設置条件に関するものや、センサー装置が観測する対象に関するものも含まれる(例えば、非特許文献2を参照。)。
【0006】
これらの機器情報以外の情報であるメタデータの収集方法としては、専用のシステムを開発/構築して収集するか、人手で収集した上で、別途収集したセンシングデータと関連付けることが考えられる。しかし、この手法には以下のような困難性がある。
(1)複数システムの開発/構築や人手の収集稼働によるコストの増大や運用の煩雑化が発生する。
(2)別個に取得したセンシングデータとメタデータの関連付けの際のエラー発生(例えば、ヒューマンエラー)が発生する。
【0007】
これらの困難性を解決する収集方法が期待されるが、具体的な手段は明らかにされていない。そこで、本発明は、上記課題を解決するために、既存の通信プロトコルでセンシングデータや機器情報以外の各種のメタデータを収集することができ、且つエラー無くセンシングデータと機器情報とメタデータとを関連付けることができるデータ収集システム及びデータ取集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るデータ収集システムは、センター端末が、センシングデータまたは機器情報の収集に用いる既存の通信プロトコルの拡張またはオプション機能を用いて各種のメタデータを送信することとした。
【0009】
具体的には、本発明に係るデータ収集システムは、端末からデータ収集部への通信を1又は複数の通信プロトコルで行うデータ収集システムであって、
前記端末は、センシングデータ及び機器情報を検出するセンサーデバイス以外の検出部を持ち、前記検出部が検出した情報であるメタデータを、前記センシングデータ又は前記機器情報を送信する前記通信プロトコルで規定されるフレーム内の、前記通信プロトコルで規定される拡張領域に格納し、
前記データ収集部は、前記フレームに記載される前記端末を識別する情報に基づいて、前記センシングデータと前記機器情報と前記メタデータとを関連付ける
ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るデータ収集方法は、端末からデータ収集部への通信を1又は複数の通信プロトコルで行うデータ収集方法であって、
前記端末において、センシングデータ及び機器情報を検出するセンサーデバイス以外の検出部で検出した情報であるメタデータを取得すること、
前記端末において、前記センシングデータ又は前記機器情報を送信する前記通信プロトコルで規定されるフレーム内の、前記通信プロトコルで規定される拡張領域に前記メタデータを格納すること、及び
前記データ収集部において、前記フレームに記載される前記端末を識別する情報に基づいて、前記センシングデータと前記機器情報と前記メタデータとを関連付けること
を特徴とする。
【0011】
センター端末が、既存の通信プロトコルの拡張またはオプション機能を用いて各種のメタデータを送信するため、データ収集部はセンシングデータと機器情報と各種のメタデータを一括して収集することができる。このため、従来の方法で課題となっていた、コスト向上や運用の煩雑化、および、センシングデータと機器情報とメタデータの関連付けの際のエラー発生を回避して、経済的かつ信頼性の高いシステムを実現できる。
【0012】
従って、本発明は、既存の通信プロトコルでセンシングデータや機器情報以外の各種のメタデータを収集することができ、且つエラー無くセンシングデータと機器情報とメタデータとを関連付けることができるデータ収集システム及びデータ取集方法を提供することができる。
【0013】
標準規格化された通信プロトコルのフレームでは拡張領域の大きさに制限がある。このため、前記端末は、前記拡張領域に収まるように前記メタデータを加工して格納すること、又は前記拡張領域に収まるように前記メタデータを分割して複数のフレームに格納することが好ましい。
【0014】
また、前記端末は、前記検出部が検出した情報を一定期間蓄積した記録、又は特定の計算を行った結果を前記メタデータとしてもよい。
【0015】
前記端末は、前記検出部が検出する種別、及び前記検出部が情報を検出するタイミングの少なくとも1つを自発的又は前記データ収取部からの指示で変更してもよい。
【0016】
前記メタデータを格納するフレームの前記通信プロトコルがLLDP(Link Layer Discovery Protocol)又はHTIP(Home-network Topology Identifying Protocol)であることが好ましい。LLDPやHTIPは、IoTのデータ収集システムにおいて標準規格化されており、かつ、高い性能を要求しない軽量の通信プロトコルである。この通信プロトコルを採用することで、システムコストの上昇や運用の煩雑化を回避することができる。
【0017】
この場合、前記端末は、前記フレームの送信周期を自発的又は前記データ収取部からの指示で変更することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、既存の通信プロトコルでセンシングデータや機器情報以外の各種のメタデータを収集することができ、且つエラー無くセンシングデータと機器情報とメタデータとを関連付けることができるデータ収集システム及びデータ取集方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係るデータ収集システムを説明する図である。
図2】本発明に係るデータ収集システムが備える端末を説明する図である。
図3】本発明に係るデータ収集システムが備えるデータ取集部を説明する図である。
図4】本発明に係るデータ収集システムを説明する図である。
図5】本発明に係るデータ収集システムが備える端末を説明する図である。
図6】本発明に係るデータ収集システムが備えるデータ取集部を説明する図である。
図7】本発明に係るデータ収集システムがフレームへ機器情報及びメタデータを格納する例を説明する図である。
図8】本発明に係るデータ収集システムがフレームへ機器情報及びメタデータを格納する例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0021】
(実施形態1)
図1は、本実施形態のデータ収集システム301を説明する図である。データ収集システム301は、端末11からデータ収集部12への通信を1又は複数の通信プロトコルで行うデータ収集システムであって、
端末11は、センシングデータ及び機器情報を検出するセンサーデバイス11a以外の検出部11eを持ち、検出部11eが検出した情報であるメタデータを、前記センシングデータ又は前記機器情報を送信する前記通信プロトコルで規定されるフレーム内の、前記通信プロトコルで規定される拡張領域に格納し、
データ収集部12は、前記フレームに記載される端末11を識別する情報に基づいて、前記センシングデータと前記機器情報と前記メタデータとを関連付ける
ことを特徴とする。
【0022】
データ収集ネットワーク15は、特定の範囲に存在するセンサー端末11とデータ収集部12とを接続するネットワークである。データ収集ネットワーク15は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、フィールドエリアネットワーク(FAN)、IoTエリアネットワークなどである。
【0023】
センサー端末11は、観測対象に関するセンシングを行い、センシングデータを生成する。同じデータ収集ネットワーク15内に、単一種類のセンサー端末11が複数存在する場合と、複数種類のセンサー端末が存在する場合がある。センサー端末11は、1つ又は複数の通信プロトコルを用いてセンシングデータ、機器情報、及びメタデータを一括してデータ収集部13に送信する。センサー端末11の詳細については後述する。
【0024】
通信プロトコルは、無線(Wi-Fi、LPWA)や導線(イーサネット(登録商標)、PLC、シングルペアイーサネット)、光ファイバ(イーサネット、PON)などのデータ通信用の各種プロトコルの他、LLPDなどの機器情報収集用の各種プロトコル、HTIPなどのホームネットワークプロトコル、などが例示できる。また、データ収集ネットワーク15内で用いられる通信プロトコルは、単一種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
【0025】
データ収集部12は、例えば、IoTゲートウェイ、アクセスポイント、その他の各種収容装置である。データ収集部12は、収集したセンシングデータ、機器情報、及びメタデータをセンサー端末11に関連付けた状態の情報とし、データ分析部13へ渡す。データ収集部12の詳細についても後述する。
【0026】
データ分析部13は、データ収集部12から渡された前記情報を保管し、分析に供する。データ分析部13は、データ収集部12と同一装置内にある場合と別装置内にある場合がある。別装置内の場合は、ネットワークを介してデータ収集部12から離れた場所にあってもよい。
【0027】
図2は、センサー端末11を説明する図である。センサー端末11は、センサーデバイス11a、機器情報格納処理部11b、センシングデータ格納処理部11c、プロトコル動作部11d、検出部11e、及びメタデータ格納処理部11fを有する。センサーデバイス11aは、観測対象に関するセンシングを行う。機器情報格納処理部11bは、観測対象の機器情報(例えば、機器のメーカ名、機種名、型番等)を収集し、フレームの所定位置(プロトコルで規定される“拡張領域”や“オプション領域”等の独自用途で使用可能な領域)に当該情報を格納する。センシングデータ格納処理部11cは、センサーデバイス11aからのセンシングデータをフレームの所定位置(プロトコルで規定されるペイロード部分など)に格納する。
【0028】
検出部11eは、機器情報以外の情報(メタデータ)を取得する。機器情報以外の情報とは、本実施形態であれば、検出対象の位置情報、設置者情報及び環境情報である。ただし、本発明は機器情報以外の情報をこれらに限定しない。検出部11eは、これらの情報を取得するために、位置情報検出部11e、設置者検出部11e、及び環境情報検出部11eを有する。位置情報検出部11eは、例えば、GPS、加速度センサ、ジャイロセンサ、あるいはWi-Fi信号やBLEビーコン信号などのRSSI受信器である。設置者検出部11eは、例えば、設置者を識別する場合、指紋センサ、静脈センサ、カメラ(顔/虹彩認識)、又はマイク(声紋検出)であり、設置者の状況を確認する場合、設置者が身に着けているセンサの出力値(血圧、心拍、移動速度、発言、会話など)を受信する受信器である。環境情報検出部11eは、例えば、カメラ(映像情報)や、温度、湿度、照度、気圧、音、赤外線/紫外線などの環境センサである。
なお、検出部11eは、複数の検出対象のうち全てを検出してもよいし、任意の1つを検出してもよい。
【0029】
メタデータ格納処理部11fは、検出部11eが検出したデータをメタデータとして通信プロトコルで設定されているフレーム内の拡張領域又はオプション領域に格納する。
【0030】
プロトコル動作部11dは、所定領域にセンシングデータや機器情報が格納され、拡張領域又はオプション領域にメタデータが格納されたフレームをデータ収集部12へ送信する。なお、センシングデータが格納されたフレームの通信プロトコルと、機器情報が格納されたフレームの通信プロトコルとは、同一であっても異なっていてもよい。後者の場合、メタデータ格納処理部11fは、メタデータをいずれか1つの通信プロトコルのフレーム(センシングデータが格納されたフレーム又は機器情報が格納されたフレーム)に格納してもよいし、両方の通信プロトコルのフレーム(センシングデータが格納されたフレーム及び機器情報が格納されたフレーム)に格納してもよい。
【0031】
メタデータ格納処理部11fは、フレームの独自拡張領域の様式/制限に適合するように、メタデータを、ある短縮コードに変換して格納したり、分割して複数フレームに分けて格納(フラグメンテーション)するなど、加工した後にフレームに格納してもよい。
【0032】
メタデータ格納処理部11fは、メタデータをフレームに格納する格納タイミングを任意に設定することができる。例えば、当該格納タイミングをメタデータ更新の都度とすることもできるし、メタデータを逐次格納ではなく一定期間蓄積したタイミングで格納してもよい。また、メタデータ格納処理部11fは、メタデータを一定期間蓄積した場合、その記録(ログ)や、特定の計算/統計処理をした結果をフレームに格納してもよい。
【0033】
フレームに格納するメタデータの種別や格納タイミングは固定されていても変動してもよい。センサー端末11自身の判断、データ分析部13やデータ収集部12からの指示でメタデータの種別や格納タイミングを動的に変更してもよい。
【0034】
図3は、データ収集部12を説明する図である。データ収集部12は、プロトコル動作部12a、収集データ処理部12b及びデータ一括送信部12cを有する。プロトコル動作部12aは、センサー端末11からの独自拡張領域にメタデータが格納されたフレームを受信する。収集データ処理部12bは、受信したフレームからセンシングデータ、機器情報、及びメタデータを取り出し、これらをセンサー端末11の個体を識別する情報(例:MACアドレス)を基にデータベースに整理する。データ一括送信部12cは、所定のタイミングで、前記データベースに整理されたデータをフレームのペイロード部分に格納し、当該フレームをデータ分析部13へ送信する。データ一括送信部12cは、データ分析部13の要件に応じて、前記データベース内の一部のデータのみを送信してもよいし、全てのデータを送信してもよい。
【0035】
(実施形態2)
図4は、本実施形態のデータ収集システム302を説明する図である。データ収集システム302は、センサー端末11の代替としてセンサー端末21を、データ収取部12の代替としてデータ収集部22を備え、前記メタデータを格納するフレームの前記通信プロトコルがLLDP又はHTIPであることが図1のデータ収集システム301との相違点である。本実施形態では、実施形態1のデータ収集システム301との相違部分を説明する。
【0036】
図5は、センサー端末21を説明する図である。センサー端末21は、センサー端末11の通信プロトコル動作部11dの代替としてセンシングデータ用通信プロトコル動作部11dとLLDPプロトコル動作部11dを有する。
【0037】
センシングデータ用通信プロトコル動作部11dは、センシングデータ格納処理部11cによりセンシングデータが格納されたフレームを任意の通信プロトコル(例えば、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi、LPWA等)でデータ収集部22へ送信する。
【0038】
LLDPプロトコル動作部11dは、機器情報格納処理部11bによりセンサー端末21の製品名/型番などの機器情報やネットワーク構成情報が格納され、メタデータ格納処理部11fにより各種のメタデータが格納されたフレームをLLDP又はHTIPを用いてデータ収集部22へ送信する。機器情報格納処理部11bとメタデータ格納処理部11fがどのようにこれらの情報をフレームに格納するかについては後述する。なお、LLDPプロトコル動作部11dは、前記フレームの送信周期を固定としてもよいし、自発的又は前記データ収取部からの指示で変更してもよい。
【0039】
図6は、データ収集部22を説明する図である。データ収集部22は、データ収集部12のプロトコル動作部12aの代替として、センシングデータ用通信プロトコル動作部12aとLLDPプロトコル動作部12aを有する。センシングデータ用通信プロトコル動作部12aは、各センサー端末21から送信されてきたセンシングデータが格納されたフレームを受信する。LLDPプロトコル動作部12aは、各センサー端末21から送信されてきた機器情報やメタデータが格納されたフレームを受信する。
【0040】
収集データ処理部12bは、受信したそれぞれのフレームからセンシングデータ、機器情報、及びメタデータを取り出し、これらをセンサー端末11の個体を識別する情報を基にデータベースに整理する。センサー端末11の個体を識別する情報とは、例えば、センシングデータ用の通信プロトコルとLLDPプロトコルで共通で用いるMACアドレスである。収集データ処理部12bは、このMACアドレスを基にセンシングデータと機器情報とメタデータとを関連付ける。
【0041】
図7は、LLDPプロトコル動作部11dが通信プロトコルとしてLLDP(例えば非特許文献3を参照。)を採用する場合、フレームへ機器情報とメタデータを格納する例を説明する図である。図7(A)は、LLDPのフレーム構成を説明する図である。LLDPのフレームは、ヘッダーとデータユニットで構成される。図7(B)は、データユニットのフォーマットを説明する図である。データユニットは、必須TLV、任意TLV、及び終端TLVで構成される。図7(C)は、1つの任意TLVのフォーマットを説明する図である。任意TLVは、TLVタイプ、TLV長、及び情報領域で構成される。図7(D)は、任意TLVのタイプの一覧である。TLVタイプに“1”~“8”を入力すると、当該任意TLVの情報領域に装置名、メーカー名、MACアドレス、あるいはIPアドレスなどの各種情報を機器情報として格納することができる。また、TLVタイプに“127”を入力すると、当該任意TLVの情報領域が拡張領域となり、メタデータを格納することができる。
【0042】
図8は、LLDPプロトコル動作部11dが通信プロトコルとしてHTIP(例えば非特許文献4を参照。)を採用する場合、フレームへ機器情報とメタデータを格納する例を説明する図である。図8(A)は、HTIPのフレーム構成を説明する図である。HTIPのフレームは、TLVタイプや長さを記述する領域とデータ領域で構成される。図8(B)は、データ領域のフォーマットを説明する図である。データ領域は、機器情報ID、機器情報データ長、及び機器情報で構成される。図8(C)は、機器情報IDの一覧である。機器情報IDに“1”~“4”、“20”~“27”、“50”~“54”を入力すると、当該データ領域の機器情報領域に装置名、メーカー名、MACアドレス、あるいはIPアドレスなどの各種情報を機器情報として格納することができる。また、機器情報IDに“255”を入力すると、当該データ領域の機器情報領域がベンダ独自拡張領域となり、メタデータを格納することができる。
【0043】
(他の実施形態)
上述したセンサー端末(11、21)及びデータ収集部(12、22)は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
11、21:センサー端末
11a:センサーデバイス
11b:機器情報格納処理部
11c:センシングデータ格納処理部
11d:プロトコル動作部
11d:センシングデータ用通信プロトコル動作部
11d:LLDPプロトコル動作部
11e:検出部
11e:位置情報検出部
11e:設置者検出部
11e:環境情報検出部
11f:メタデータ格納処理部
12、22:データ収集部
12a:プロトコル動作部
12a:センシングデータ用通信プロトコル動作部
12a:LLDPプロトコル動作部
12b:収集データ処理部
12c:データ一括送信部
13:データ分析部
15:データ収集ネットワーク
301、302:データ収集システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8