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特許7388795光学装置、光学アセンブリ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】光学装置、光学アセンブリ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/26 20060101AFI20231121BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/42
【請求項の数】 44
(21)【出願番号】P 2020535031
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 GB2018053737
(87)【国際公開番号】W WO2019122914
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】1721814.0
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プサイラ、 ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、 グレアム
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド、 ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル、 ポール
(72)【発明者】
【氏名】ヘスケス、 マーク
(72)【発明者】
【氏名】トレーナー、 アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ラミング、 リチャード
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0258359(US,A1)
【文献】特開2008-009098(JP,A)
【文献】特開平07-120630(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0083699(US,A1)
【文献】国際公開第01/001176(WO,A1)
【文献】特開2005-134493(JP,A)
【文献】特開2006-113566(JP,A)
【文献】特開2003-131053(JP,A)
【文献】国際公開第02/073256(WO,A1)
【文献】特開昭61-121014(JP,A)
【文献】DESMET, A. et al.,Laser printed glass planar lightwave circuits with integrated fiber alignment structures,PROCEEDINGS OF SPIE,米国,2018年02月22日,Vol. 10538,pp. 1053812-1~1053812-9,https://www.spiedigitallibrary.org/conference-proceedings-of-spie/10538/2288232/Laser-printed-glass-planar-lightwave-circuits-with-integrated-fiber-alignment/10.1117/12.2288232.short,doi:10.1117/12.2288232
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12 - 6/14
G02B 6/26 - 6/27
G02B 6/42 - 6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号をルーティングするための光学装置であって、
材料から成る本体と、
前記材料のレーザ改質によって前記本体内に形成された導波路と、
前記本体の材料よりも低い屈折率を有しかつ領域と前記導波路との間の界面を画定する領域とを含み、
前記導波路及び前記界面は、前記導波路と前記界面との間で前記光信号をルーティングしかつ前記界面で前記光信号を反射するために互いに対して位置合わせされ、
前記界面及び前記導波路の出口は、動作中に前記光信号が前記界面に到達する前に少なくともある程度まで発散するビームとして前記導波路の出口を出るように離され、
前記領域は、前記本体の第1の表面から前記領域の底部まで前記本体を部分的に貫通し、
前記界面は、前記光信号が前記第1の表面を通って前記本体に出入りするように配置される、光学装置。
【請求項2】
光信号をルーティングするための光学装置であって、
材料から成る本体と、
前記材料のレーザ改質によって前記本体内に形成された導波路と、
前記本体の材料よりも低い屈折率を有しかつ領域と前記導波路との間の界面を画定する領域とを含み、
前記導波路及び前記界面は、前記導波路と前記界面との間で前記光信号をルーティングしかつ前記界面で前記光信号を反射するために互いに対して位置合わせされ、
前記界面及び前記導波路の出口は、動作中に前記光信号が前記界面に到達する前に少なくともある程度まで発散するビームとして前記導波路の出口を出るように離され、
前記本体は、少なくとも第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面とを含み、
前記領域は、前記本体を部分的に通って前記第2の表面から垂直に延びる管部分と、前記第2の表面に対して鋭角に前記管部分から前記本体を通って延びる更なる管部分とを有し、
前記更なる管部分は、前記界面を含み、
前記界面は、前記光信号が前記第1の表面を通って前記本体に出入りするように配置される、光学装置。
【請求項3】
光信号をルーティングするための光学装置であって、
材料から成る本体と、
前記材料のレーザ改質によって前記本体内に形成された導波路と、
前記本体の材料よりも低い屈折率を有しかつ域と前記導波路との間の界面を画定する領域とを含み、
前記導波路及び前記界面は、前記導波路と前記界面との間で前記光信号をルーティングしかつ前記界面で前記光信号を反射するために互いに対して位置合わせされ、
前記界面及び前記導波路の出口は、動作中に前記光信号が前記界面に到達する前に少なくともある程度まで発散するビームとして前記導波路の出口を出るように離され、
1の前記領域は、前記本体の第1の表面から前記本体を部分的に貫通して延び、第1の前記導波路との間の第1の前記界面を画定し、
2の前記領域は、前記本体の第2の表面から前記本体を部分的に貫通して延び、第2の前記導波路との間の第2の前記界面を画定し、
前記第1及び第2の表面は、前記本体の反対の表面であり、
前記第1の界面及び前記第2の界面は、前記光信号が前記第1の界面及び前記第2の界面の間を伝搬できるように互いに向かい合う、光学装置。
【請求項4】
前記導波路及び前記界面は、全内部反射を支援するために前記光信号が臨界角よりも大きい角度で前記界面に入射するように互いに対して位置合わせされる、請求項1から3のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項5】
前記界面は、a)前記ビームが実質的に前記ビームの全幅にわたって前記臨界角よりも大きい角度で前記界面に入射する、b)実質的に前記ビームの全幅にわたって前記界面で全内部反射が得られるのうちの少なくとも1つであるように前記導波路に対して成形及び配向される、請求項4に記載の光学装置。
【請求項6】
前記導波路の中心線は、前記本体を通って前記本体の3つの直交方向の成分を含む方向に延び、かつ/又は前記導波路は、前記本体を通って湾曲した経路をたどる、請求項1から5のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項7】
少なくとも前記導波路の前記界面に近接する部分は、前記本体の少なくとも1つの表面 に対して非平行である、請求項1から6のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項8】
前記第1の表面は、前記本体の底面又は上面である、請求項1から7のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項9】
前記領域は空洞を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項10】
前記界面は、前記本体の材料又は前記本体の材料に取り付けられた層と前記空洞内の空気又は他のガス又は真空との間の界面を含む、請求項9に記載の光学装置。
【請求項11】
前記導波路は、前記光信号が前記界面で反射される前に低い屈折率の前記領域を通って伝播しないように前記本体内に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項12】
前記導波路及び前記界面は、前記光信号が前記本体の表面と前記導波路との間に画定されたビーム経路に沿っていずれかの方向又は両方の方向に伝播することを可能にするように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項13】
前記界面は、前記表面と前記導波路との間で前記光信号を反射するように構成される、請求項12に記載の光学装置。
【請求項14】
前記界面は、前記本体の表面に対して鋭角に配向される、請求項12又は13に記載の光学装置。
【請求項15】
前記界面は、前記光信号の特性を変更するために成形される、請求項1から14のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項16】
前記特性は、前記光信号の発散、収束、ビーム形状、及び他の任意の特性のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の光学装置。
【請求項17】
前記界面は、凹面、凸面、非平面、曲面、アキシコン、フレネルレンズ、収差補償器、位相パターン又は位相形状、回折素子、及び他のビーム整形デバイスのうちの少なくとも1つを含む、請求項15又は16に記載の光学装置。
【請求項18】
前記導波路及び前記界面は、前記光信号の特性が変更されるように構成される、請求項1から17のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項19】
前記導波路及び前記界面は、それらの相対的な位置決め前記光信号の特性を変更するように構成される、請求項18に記載の光学装置。
【請求項20】
前記界面及び前記導波路は、収束光信号、平行光信号又は発散光信号を形成するために前記光信号を変更するように構成される、請求項18又は19に記載の光学装置。
【請求項21】
複数の前記導波路、及び、前記複数の導波路との間の複数の前記界面を形成する少なくとも1つの前記領域を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項22】
前記複数の界面は、前記本体内で前記光信号の伝播方向を変更するように構成され、前記複数の界面は、前記光信号の伝播方向に水平方向の移動をもたらすように構成される、請求項21に記載の光学装置。
【請求項23】
前記導波路は、多モード導波路と単一モード導波路の少なくとも一方を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項24】
複数の導波路と、少なくとも1つの界面とを含み、
前記複数の導波路は、前記複数の導波路を通る複数の光信号の伝播を支援する、請求項1から23のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項25】
前記光信号を操作するために前記本体内又は前記本体上に配置された少なくとも1つの光学コンポーネントを含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの光学コンポーネントはビーム整形デバイスを含み、前記ビーム整形デバイスはレンズを含む、請求項25に記載の光学装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つの光学コンポーネントはフィルタを含む、請求項25又は26に記載の光学装置。
【請求項28】
前記界面の表面上にコーティングを含み、前記コーティングは金属コーティングを含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項29】
前記本体に前記光信号を送信することと前記本体から前記光信号を受信することの少なくとも一方のために前記本体に結合された少なくとも1つのフォトニックコンポーネントを含み、
前記少なくとも1つのフォトニックコンポーネントは、検出器、レーザ、半導体デバイスのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項30】
請求項1から29のいずれか一項に記載の光学装置と、第1のデバイス及び第2のデバイスの少なくとも一方とを含み、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスは、前記光学装置によって結合され、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間で光信号を通信するように構成される、光学アセンブリ。
【請求項31】
光信号をルーティングするための光学装置の製造方法であって、
材料から成る本体を提供することと、
前記材料のレーザ改質によって前記本体内に導波路を形成することと、
前記材料を改質して、前記本体の材料よりも低い屈折率を有する領域を形成することとを含み、
前記領域は、前記領域と前記導波路との間の界面を画定し、
前記導波路及び前記界面は、前記導波路と前記界面との間で前記光信号をルーティングしかつ前記界面で前記光信号を反射するために互いに対して位置合わせされ、
前記界面及び前記導波路の出口は、動作中に前記光信号が前記界面に到達する前に少なくともある程度まで発散するビームとして前記導波路の出口を出るように離され、
前記領域は、前記本体の第1の表面から前記領域の底部まで前記本体を部分的に貫通し、
前記界面は、前記光信号が前記第1の表面を通って前記本体に出入りするように配置される、方法。
【請求項32】
光信号をルーティングするための光学装置の製造方法であって、
材料から成る本体を提供することと、
前記材料のレーザ改質によって前記本体内に導波路を形成することと、
前記材料を改質して、前記本体の材料よりも低い屈折率を有する領域を形成することとを含み、
前記領域は、前記領域と前記導波路との間の界面を画定し、
前記導波路及び前記界面は、前記導波路と前記界面との間で前記光信号をルーティングしかつ前記界面で前記光信号を反射するために互いに対して位置合わせされ、
前記界面及び前記導波路の出口は、動作中に前記光信号が前記界面に到達する前に少なくともある程度まで発散するビームとして前記導波路の出口を出るように離され、
前記本体は、少なくとも第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面とを含み、
前記領域は、前記本体を通って前記第2の表面から垂直に延びる管部分と、前記第2の表面に対して鋭角に前記管部分から前記本体を通って延びる更なる管部分とを有し、
前記更なる管部分は、前記界面を含み、
前記界面は、前記光信号が前記第1の表面を通って前記本体に出入りするように配置される、方法。
【請求項33】
光信号をルーティングするための光学装置の製造方法であって、
材料から成る本体を提供することと、
前記材料のレーザ改質によって前記本体内に導波路を形成することと、
前記材料を改質して、前記本体の材料よりも低い屈折率を有する域を含む領域を形成することとを含み、
前記領域は、前記領域と前記導波路との間の界面を画定し、
前記導波路及び前記界面は、前記導波路と前記界面との間で前記光信号をルーティングしかつ前記界面で前記光信号を反射するために互いに対して位置合わせされ、
前記界面及び前記導波路の出口は、動作中に前記光信号が前記界面に到達する前に少なくともある程度まで発散するビームとして前記導波路の出口を出るように離され、
1の前記領域は、前記本体の第1の表面から前記本体を部分的に貫通して延び、第1の前記導波路との間の第1の前記界面を画定し、
2の前記領域は、前記本体の第2の表面から前記本体を部分的に貫通して延び、第2の前記導波路との間の第2の前記界面を画定し、
前記第1及び第2の表面は、前記本体の反対の表面であり、
前記第1の界面及び前記第2の界面は、前記光信号が前記第1の界面及び前記第2の界面の間を伝搬できるように互いに向かい合う、方法。
【請求項34】
レーザ加工システムで前記本体を改質し、その後、改質された前記材料をエッチングによって除去することによって、前記領域を形成することを含む、請求項31から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記導波路を、及び前記領域を前記レーザ加工システムで改質する段階で形成することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
刃の付いた用具を用いて前記領域を形成することを含む、請求項31から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
レーザアブレーション、レーザ加工、ウェットエッチング、ドライエッチング、イオンビームミリングのうちの少なくとも1つを行うように構成された材料除去システムを用いて前記領域を形成することを含む、請求項31から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記材料のレーザ改質によって前記本体内に複数の導波路を形成することを含む、請求項31から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記本体内に複数の領域を形成することを含む、請求項31から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記導波路を形成することは、前記本体内に1次元導波路、2次元導波路、又は3次元導波路のうちの少なくとも1つを形成することを含む、請求項31から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記界面の少なくとも1つの特性を変更するために前記界面を処理することを含む、請求項31から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記界面を処理することは前記界面を平滑化することを含み、任意選択で、平滑化は、火炎研磨、COレーザ研磨、エッチングのうちの少なくとも1つを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記界面を処理することは、前記界面を金属でコーティングすることを含む、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
前記光学装置を少なくとも1つのフォトニックコンポーネントに結合することを含み、任意選択で、前記少なくとも1つのフォトニックコンポーネントは、検出器、レーザ、半導体デバイスのうちの少なくとも1つを含む、請求項31~43のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、限定されるものではないが、光通信システムなどのために光信号をルーティング又は操作するのに使用される光学装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトニックコンポーネントが、導波路又は光ファイバなどのルーティング構造又は光操作構造を用いて互いに光通信して提供されることができる。フォトニックコンポーネントは、このようなルーティング構造又は光操作構造を用いて他のフォトニックコンポーネントと光通信して提供される、VCSELS、フォトダイオード、表面格子結合器などの送信コンポーネント及び/又は受信コンポーネントを含むことができる。ルーティング構造又は光操作構造は、例えば、光通信システムなどで使用されることができるように、フォトニックコンポーネント間の光信号の伝播を支援することができる。
【0003】
一部のフォトニックコンポーネントは、所望の光路方向と直交する方向に光信号を送信又は受信することができる。一部の光学システムは、光信号が大きな角度、例えば90度転向されるように、光信号のルーティングを必要とする場合がある。このルーティングは、光信号を導波路内に、又は任意の所望の方向に発射するために使用することができる。小さな設置面積(例えば、垂直に及び/又は水平に)で光信号のルーティングを提供し、標準的な光パッケージ内に統合することは、困難な場合がある。
【0004】
従来の導波路プラットフォーム、例えば、リソグラフィにより画定されたガラス導波路又はポリマー導波路内でこれを達成するための多くのアプローチがある。これらのアプローチは、例えば、半導体式のウエハエッチング、又はバルク材料をダイシングする機械的ブレードを用いて、光信号を反射するためのマイクロミラー構造を製造することを含む。マイクロミラー構造は、例えば、90度又は任意の所望の方向に光信号を反射するために使用することができる。
【0005】
既知のアプローチは、それらが提供できる導波路及びミラー形状の配置において、及び/又は得られる反射の効率において制限される可能性があり、例えば、ビームの少なくとも一部がミラーに対して臨界角を下回り、それによって反射効率が制限される。リソグラフィにより形成された層状構造における導波路及び反射器の可能な配置に対する制限は、特により複雑な光通信又は電気光学回路に対する需要が高まるにつれて、重大な制約を表し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光学装置、光学アセンブリ、及びそれらの製造方法が提供される。光学装置は、限定されるものではないが、光通信などのための光信号のルーティング又は操作に使用することができる。
【0007】
光学装置、光学アセンブリ、及びそれらの製造方法は、比較的コンパクトな装置を提供しかつ/又は比較的コンパクトな装置と共に使用される、フォトニックコンポーネント(例えば、第1及び第2のデバイス)間の簡単な位置合わせを提供する、製造が比較的容易かつ/又は費用対効果が高い、光信号をルーティング又は操作するための柔軟性のある設計オプションを提供する、他のフォトニックコンポーネントとの統合及び/又は結合を可能にする、他のフォトニックコンポーネントと統合及び/又は結合するのに必要なコンポーネントの数を減らす、光損失を減少させる、更なる光学デバイスのためのスペースを提供するなどのうちの少なくとも1つであることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によれば、光信号をルーティングするための光学装置が提供される。光学装置は、本体を含むことができる。本体は、材料から成ることができる。光学装置は、材料のレーザ改質によって本体内に形成された導波路を含むことができる。光学装置は、本体の材料よりも低い屈折率を有する領域を含むことができ、領域と導波路との間の界面を画定することができる。導波路及び界面は、導波路と界面との間で光信号をルーティングしかつ界面で光信号を反射するために互いに対して位置合わせされることができる。
【0009】
導波路及び界面は、全内部反射を支援するために光信号が臨界角よりも大きい角度で界面に入射するように互いに対して位置合わせされることができる。
【0010】
界面及び導波路の出口は、動作中に光信号が界面に到達する前に少なくともある程度まで発散するビームとして導波路の出口を出るように離されることができ、界面は、
a)ビームが実質的にビームの全幅にわたって臨界角よりも大きい角度で界面に入射する、
b)実質的にビームの全幅にわたって界面で全内部反射が得られる
のうちの少なくとも1つであるように導波路に対して成形及び配向されることができる。
【0011】
導波路の中心線は、本体を通って3つの直交方向に延びることができ、かつ/又は導波路は、本体を通る湾曲した経路をたどることができる。
【0012】
少なくとも導波路の界面に近接する部分は、本体の少なくとも1つの表面に対して非平行であることができる。
【0013】
本体は、少なくとも第1の表面と異なる第2の表面とを含むことができる。領域は、第1の表面から本体を通って延びることができる。界面は、光信号が第2の表面を通って本体に出入りするように配置されることができる。
【0014】
第1の表面及び第2の表面は、対向する表面であることができ、任意選択で底面及び上面であるか又はその逆であることができる。
【0015】
領域は空洞を含むことができる。空洞は、本体内に設けられることができる。
【0016】
界面は、本体の材料又は本体の材料に取り付けられた層と空洞内の空気又は他のガス又は真空との間の界面を含むことができる。
【0017】
導波路は、光信号が界面で反射される前に低い屈折率の領域を通って伝播しないように本体内に配置されることができる。
【0018】
領域は、レーザ加工システムで材料を改質し、その後、改質された材料をエッチングによって除去することによって形成されることができる。
【0019】
領域は、刃の付いた用具を使用して材料を除去することによって形成されることができる。
【0020】
導波路及び界面は、光信号が本体の表面と導波路との間に画定されたビーム経路に沿っていずれかの方向又は両方の方向に伝播することを可能にするように構成されることができる。
【0021】
界面は、表面と導波路との間の光信号を反射するように構成されることができる。
【0022】
界面は、本体の表面に対して鋭角に配向されることができる。
【0023】
界面は、光信号の特性を変更するために成形されることができる。特性は、光信号の発散、収束、ビーム形状、及び他の任意の特性のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0024】
界面は、凹面、凸面、非平面、曲面、アキシコン、フレネルレンズ、収差補正器、位相パターン又は位相形状、回折素子、及び他のビーム整形デバイスのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
導波路及び界面は、光信号の特性が変更されるように構成されることができる。特性は、光信号の発散、収束、ビーム形状、及び他の任意の特性のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0026】
導波路及び界面は、それらの相対的な位置決め及び位置合わせが光信号の特性を変更するように構成されることができる。
【0027】
界面及び導波路は、収束光信号、平行光信号又は発散光信号を形成するために光信号を変更するように構成されることができる。
【0028】
光学装置は、光信号をルーティングするための複数の界面を形成する少なくとも1つの領域を含むことができる。
【0029】
複数の界面は、本体内で光信号の伝播方向を変更するように構成されることができ、任意選択で、複数の界面は、光信号の伝播方向に横方向の変化をもたらすように構成されることができる。
【0030】
導波路は、多モード導波路と単一モード導波路の少なくとも一方を含むことができる。
【0031】
光学装置は、複数の導波路と少なくとも1つの界面とを含むことができる。複数の導波路は、複数の導波路を通る複数の光信号の伝播を支援することができる。
【0032】
光学装置は、光信号を操作するために本体内又は本体上に配置された少なくとも1つの光学コンポーネントを含むことができる。
【0033】
少なくとも1つの光学コンポーネントはビーム整形デバイスを含むことができ、任意選択で、ビーム整形デバイスはレンズを含むことができる。
【0034】
少なくとも1つの光学コンポーネントは、フィルタを含むことができる。
【0035】
光学装置は、界面の表面上にコーティングを含むことができ、任意選択で、コーティングは金属コーティングを含むことができる。
【0036】
光学装置は、第1のデバイス及び第2のデバイスの少なくとも一方を含むことができる。第1のデバイスは、界面を通して光信号を送信及び/又は受信するように動作することができる。例えば、界面は、光信号を反射して、光信号が本体を通って導波路と第1のデバイスとの間を伝播することを可能にすることができる。第2のデバイスは、導波路を通して光信号を送信及び/又は受信するために、導波路に結合されることができる。したがって、界面は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間で光信号を案内するように作用することができる。
【0037】
光学装置は、本体に光信号を送信することと本体からの光信号を受信することの少なくとも一方のために本体に結合された少なくとも1つのフォトニックコンポーネントを含むことができ、任意選択で、少なくとも1つのフォトニックコンポーネントは、検出器、レーザ、半導体デバイスのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0038】
一態様によれば、光学アセンブリが提供される。光学アセンブリは、本明細書に記載の任意の態様、実施例又は実施形態の光学装置と、第1のデバイス及び第2のデバイスの少なくとも一方とを含むことができ、第1のデバイス及び第2のデバイスは、第1のデバイスと第2のデバイスとの間で光信号を通信するように構成される。
【0039】
第1及び第2のデバイスは、少なくとも1つのフォトニックコンポーネントを含むことができ、任意選択で、少なくとも1つのフォトニックコンポーネントは、検出器、レーザ、半導体デバイスのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0040】
一態様によれば、光信号をルーティングするための光学装置の製造方法が提供される。方法は、材料から成る本体を提供することを含むことができる。方法は、材料のレーザ改質によって本体内に導波路を形成することを含むことができる。方法は、本体の材料よりも低い屈折率を有する領域を形成するために材料を改質することを含むことができる。領域は、領域と導波路との間の界面を画定することができる。導波路及び界面は、導波路と界面との間で光信号をルーティングしかつ界面で光信号を反射するために互いに対して位置合わせされることができる。
【0041】
方法は、レーザ加工システムで本体を改質し、その後、改質された材料をエッチングによって除去することによって、領域を形成することを含むことができる。
【0042】
方法は、導波路及び領域を同じレーザ加工ステップで形成することを含むことができる。
【0043】
方法は、刃の付いた用具を用いて領域を形成することを含むことができる。
【0044】
方法は、レーザアブレーション、レーザ加工、ウェットエッチング、ドライエッチング、イオンビームミリングのうちの少なくとも1つを行うように構成された材料除去システムを用いて領域を形成することを含むことができる。
【0045】
方法は、材料のレーザ改質によって本体内に複数の導波路を形成することを含むことができる。
【0046】
方法は、本体内に複数の領域を形成することを含むことができる。導波路を形成することは、本体内に1次元導波路、2次元導波路、又は3次元導波路のうちの少なくとも1つを形成することを含むことができる。
【0047】
方法は、界面の少なくとも1つの特性を変更するために界面を処理することを含むことができる。界面を処理することは、界面を平滑化することを含むことができ、任意選択で、平滑化は、火炎研磨、CO2レーザ研磨、エッチングのうちの少なくとも1つを含むことができる。界面を処理することは、界面を金属でコーティングすることを含むことができる。
【0048】
方法は、光学装置を少なくとも1つのフォトニックコンポーネントに結合することを含むことができ、任意選択で、少なくとも1つのフォトニックコンポーネントは、検出器、レーザ、半導体デバイスのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0049】
一態様によれば、光信号をルーティングするための光学装置であって、
本体と、
本体内に設けられ、光信号を案内するように構成された導波路と、
本体の空洞内に設けられた反射面と
を含む光学装置が提供される。反射面は、本体と空洞との間の界面を通して導波路と空洞との間で光信号をルーティングするように構成されることができる。導波路及び界面は、光信号が界面を通して送信されることを可能にするために、互いに対して位置合わせされることができる。
【0050】
反射面は、反射が(例えば、本体内ではなく)空洞内で生じるように、光信号を反射するように構成されることができる。反射面での光信号の反射は、光信号が、空洞を通して光信号を送信及び/又は受信するように動作するフォトニックコンポーネントなどのデバイスと導波路との間でルーティングされることを可能にする。言い換えると、反射面は、空洞を通して、任意選択で空洞への開口部を通して光信号を案内し、界面を通してデバイスと導波路との間の光通信を提供するように作用することができる。光信号の反射は、例えば、光信号が反射面で外部反射を受けることができるように、領域内に存在する接着剤などの任意の媒体から独立していることができる。
【0051】
このような接着剤又は光学装置の製造に関与する他の任意の材料の存在は、接着剤が空気のような媒体よりも高い屈折率を有することがあるため、界面における反射特性の変化を引き起こす場合がある。光学装置の領域における接着剤の存在は、反射面の反射特性に大きな影響を与えない場合があり、反射面の反射特性は、(例えば、金属コーティングなどによる)外部反射に依存する場合がある。光信号のルーティングを提供するために外部反射を利用することは、フォトニックコンポーネントのようなデバイスと組み合わせた光学装置の構築に関連する製造時間、複雑さ及び/又はコストを低減することができ、かつ/又は光学装置の本体内の他のコンポーネントのための追加の空間を提供することができる。
【0052】
反射面は、空洞内で光信号を反射することによって光信号をルーティングするように構成されることができる。
【0053】
反射面は、導波路と空洞への開口部との間で光信号を案内するように構成されることができる。空洞への開口部は、本体の表面に形成されることができる。
【0054】
反射面は、導波路と、例えば空洞への開口部を通して、光信号を送信及び/又は受信するように動作する第1のデバイスとの間の光信号の通信を提供するために、空洞内の光信号の伝播方向を変更するように構成されることができる。光学装置は、光信号を送信及び/又は受信するように動作する第1のデバイスをさらに含むことができる。
【0055】
光学装置は、第1のデバイス及び第2のデバイスの少なくとも一方を含むことができる。第1のデバイス及び第2のデバイスは、それらの間で光信号を通信するように構成されることができる。第2のデバイスは、導波路を通して光信号を送信及び/又は受信するために、導波路に結合されることができる。反射面は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間で光信号を案内するように作用することができる。第1のデバイス及び第2のデバイスの少なくとも一方は、フォトニックコンポーネントを含むことができる。
【0056】
第1のデバイスは、第1のデバイスによって送信及び/又は受信される光信号が(例えば、反射面を通して第1のデバイスと界面との間で)空洞を通って伝播することができるように、少なくとも部分的に空洞の内部に配置されることができる。第1のデバイスは、第1のデバイスによって送信及び/又は受信される光信号が(例えば、反射面を通してかつ空洞への開口部を通して第1のデバイスと界面との間で)空洞を通って伝播することができるように、空洞の外側に配置されることができる。
【0057】
反射面は、空洞の表面又は側面に設けられることができる。反射面は、界面に対して空洞の反対側にあるか、又は少なくとも部分的に界面に対して空洞の反対側を含むことができる。
【0058】
第1のデバイスは、本体と第1のデバイスとの間に設けられた接着剤によって光学装置に結合されることができる。空洞への開口部を含む本体の表面は、光学装置を第1のデバイスに結合するために接着剤を受け入れることができる。
【0059】
空洞は、少なくとも部分的に接着剤で満たされることができる。
【0060】
導波路は、レーザ刻印によって形成されることができる。
【0061】
空洞は、本体の一部分のレーザ改質及びその後の(例えば、選択エッチングなどによる)レーザ改質部分の除去によって形成されることができる。レーザ改質は、任意の形状の空洞を提供することができる。例えば、(レーザ改質部分の除去後に)結果として生じる空洞の表面は、曲面状部分などの任意の形状を含むことができる。
【0062】
結果として生じる空洞の表面は、反射面を提供することができ、及び/又は反射面を提供するように適切に改質されることができる。結果として生じる表面の形状は、光信号の所望のビーム操作(例えば、フォーカス、デフォーカス、コリメート、ビーム整形など)を提供するように画定されることができる。
【0063】
反射面は曲面状部分を含むことができる。曲面状部分は、例えば、光信号をフォーカス、デフォーカス、コリメート、ビーム整形するか又は他の方法で光信号の空間特性を変化させるための曲面鏡の機能を提供することができる。
【0064】
反射面は、空洞の表面に設けられた反射材料を含むことができる。反射材料は、空洞の表面をコーティング(例えば、スピンコーティングなど)することによって提供されることができる。反射材料は、金、銀などの金属を含むことができる。
【0065】
空洞は、本体の一部分が反射面の製造中に反射面の材料が界面に接触するのを防ぐためのバリアを提供するように成形されることができる。
【0066】
空洞は、界面を含む空洞の側面が空洞への開口部を含む本体の表面に対してある角度をなす(傾斜する)ように成形されることができる。
【0067】
空洞の側面の角度は、反射面が形成されるときにバリアの下の界面が反射面の材料によって直接コーティングされるのを防ぐ、表面のレベルのバリアを提供することができる。
【0068】
空洞は、界面又は界面に平行な平面が、空洞への開口部を含む本体の表面と上記角度で交差するように成形されることができる。空洞は、側面又は側面に平行な平面が、空洞への開口部を含む本体の表面と上記角度で交差するように成形されることができる。側面と表面との交差の角度は、界面と表面との間に画定される角度と実質的に同じであるか又は異なることができる。例えば、角度が実質的に同じである場合、界面及び界面を含む側面は同じ平面内に位置することができ、又は、角度が異なる場合、界面及び側面の界面を含まない部分は同じ平面内に位置しないことができる。
【0069】
角度は90度未満であることができる。例えば、角度は、85度、80度、75度、65度、60度、55度、50度、45度、40度、35度、30度のうちの少なくとも1つより小さいことができる。
【0070】
本体の一部分は、界面の少なくとも一部が突出部の下の空洞内に位置するように、本体の表面の近位に突出部を画定することができる。
【0071】
一態様によれば、光信号をルーティングするための光学装置の製造方法であって、
本体を提供することと、
光信号を案内するように構成される導波路を本体内に提供することと、
本体の空洞内に反射面を提供することと
を含む方法が提供される。反射面は、本体と空洞との間の界面を通して導波路と空洞との間で光信号をルーティングするように構成されることができる。導波路及び界面は、光信号が界面を通して送信されることを可能にするために、互いに対して位置合わせされることができる。
【0072】
一態様によれば、本明細書に記載の任意の態様又は実施形態の光学装置を使用して、又は本明細書に記載の任意の態様又は実施形態に従って製造された光学装置を使用して、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でデータ搬送光信号を伝送することを含むデータ通信方法が提供される。
【0073】
方法は、光学装置内に設けられた導波路を通してデータ搬送光信号を送信することを含むことができる。第2のデバイスは、導波路を通して光信号を送信及び/又は受信するように動作することができる。
【0074】
方法は、光学装置の本体の空洞内の反射面における反射と光学装置の本体と本体の領域との間の界面における反射の少なくとも一方によって、導波路と第1のデバイスとの間で光信号をルーティングすることを含むことができる。
【0075】
光学装置及び/又は方法の少なくとも1つの特徴は、本明細書に記載された他の任意の光学装置及び/又は方法の任意の対応する特徴に取って代わることができる。光学装置及び/又は方法の少なくとも1つの特徴は、他の任意の光学装置及び/又は方法と組み合わせることができる。本明細書に記載された任意の光学装置及び/又は方法の任意の特徴への参照は、本明細書に記載された他の任意の光学装置及び/又は方法に関連して提供されることができる。本明細書に記載された任意の方法の任意の特徴は、本明細書に記載された任意の光学装置の一部として提供され、本明細書に記載された任意の光学装置に取って代わり、又は本明細書に記載された任意の光学装置と組み合わせることができ、かつ/又は本明細書に記載された任意の装置の任意の特徴は、本明細書に記載された任意の方法の一部として提供され、本明細書に記載された任意の方法に取って代わり、又は本明細書に記載された任意の方法と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
添付の図面を参照して、例としてのみ説明が提供される。
図1】一実施形態による光学装置の断面図である。
図2図1の光学装置を含む光学アセンブリの断面図である。
図3図1の光学装置の拡大断面図である。
図4】更なる実施形態による光学装置の拡大断面図である。
図5】別の実施形態による光学装置を含む光学アセンブリの断面図である。
図6】更なる実施形態による光学装置を含む光学アセンブリの断面図である。
図7】更なる実施形態による光学装置の断面図である。
図8】別の実施形態による光学装置の断面図である。
図9】更なる実施形態による光学装置の断面図である。
図10】別の実施形態による光学装置の断面図である。
図11】更なる実施形態による光学装置の断面図である。
図12】別の実施形態による光学装置の正面図である。
図13】更なる実施形態による光学装置の正面図である。
図14】一実施形態による光学アセンブリを製造するための様々なステップを示す。
図15】一実施形態による光学装置を製造するためのツールを概略的に示す。
図16】更なる実施形態による光学装置の断面図である。
図17】更なる実施形態による光学装置の断面図である。
図18】更なる実施形態による光学装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図1は、光ビームの形態であり得る光信号12をルーティングするための光学装置10を示す。光学装置10は、ガラスを含む本体14を含むが、他の任意の適切な材料を使用することができる。導波路16が、ガラスのレーザ改質によって本体14内に形成される。導波路16は、例えば、超高速レーザを用いてガラスにパターンを刻み込み、所望の導波路構造(例えば、1次元、2次元又は3次元導波路構造)を形成することにより形成されることができる。導波路16は、任意の適切な形態、例えば、単一モード導波路、多モード導波路などで提供されることができる。
【0078】
また、本体14には、本体14よりも低い屈折率を有する領域18が形成される。本実施形態では、領域18は、ガラスよりも低い屈折率を有するガス/空気で満たされる。領域18は、本体14の表面22から領域18の底部34(例えば、領域18の表面22から最も遠い部分)まで本体14を部分的に貫通して鋭角に延びる管状の空洞20の形態である。しかし、当然のことながら、領域18は、例えば、開口部、穴、溝のような空洞などの任意の形態を取ることができる。
【0079】
領域18は、ガラスを改質するために(すなわち、バルクガラスに対してその構造特性を変更するために)レーザ、例えば超高速レーザを使用することによって形成され、その後、改質されたガラスを除去するためにエッチングされる。改質されたガラスは、エッチングに対する耐性が低く、したがって、バルクの未改質ガラスよりも高速でエッチングされて領域18を形成する。レーザを使用してエッチングされる領域18の任意の所望の形状を画定することによって、領域18は、要件に応じて任意の所望の形状とすることができる。
【0080】
領域18は、領域18と導波路16との間の界面24を画定する。前述のように、導波路16及び領域18の両方は、任意の所望の方法で形成されることができる。本実施形態では、領域18は、平面でありかつ表面22に対して鋭角である界面24を含む。本体14を通って伝播し、界面24に入射する光信号12は、界面24で(例えば、全内部反射によって)反射されることができる。導波路16及び界面24は、それらの相対的な位置合わせによって光信号12が界面24と導波路16との間でルーティングされることが可能になるように形成されることができる。本実施形態では、少なくとも導波路16の界面24に近接する部分(この場合、導波路16の出口/入口は界面24に最も近く、したがって界面24に近接する)は、表面22に対して非平行である。一実施形態では、界面に最も近い導波路16の出口/入口は、導波路16から/への光信号12の出力/入力を制御するように構成されたビーム整形素子を含むことができる。ビーム整形素子は、光信号12を制御するためのテーパー状要素、周期的に分割された導波路、又は他の任意のビーム整形素子を含むことができる。ビーム整形素子は、光信号12のビーム発散(例えば、導波路16から出力又は導波路16に結合されるビーム)を増加又は減少させるか、さもなければ、光信号12が導波路16から出力又は導波路16に結合される方法を制御することができる。
【0081】
要件に応じて、光信号12は、(i)表面22を通して本体14に入り、本体14の一部を通って伝播し、導波路16を通って伝播するために界面24で導波路16に向かって反射される、(ii)導波路16を通して本体14に入り、本体14の一部を通って伝播し、表面22を通って本体14を出るために界面24で表面22に向かって反射される、のいずれか又は両方であることができる。したがって、光信号12は、図1の破線矢印によって示されるように、光学装置10を通っていずれかの方向又は両方の方向に伝播し得る。
【0082】
図2に示されるように、光学装置10は、フォトニックコンポーネント26’(例えば、レーザ、半導体デバイスなど)が別のフォトニックコンポーネント26(例えば、検出器、半導体デバイスなど)に結合されることを可能にし、導波路16及び界面24によって画定される光信号12経路を通してそれらの間の光通信を提供することができる。フォトニックコンポーネント26は第1のデバイスの一例であり、フォトニックコンポーネント26’は第2のデバイスの一例である。光学装置10は、フォトニックコンポーネント26、26’を互いに結合して、本体14内に任意の所望の光信号12経路を形成する能力により比較的コンパクトであり得る光学アセンブリ28を形成することができる。光学装置10は、フォトニックコンポーネント26、26’間に直接光結合を提供するように構成されることができる。このような配置は、フォトニックコンポーネント26、26’間の光信号12経路の長さを最小化することができ、光学アセンブリ28が比較的小さな設置面積を有することを可能にする。代わりに又は加えて、光学装置10は、フォトニックコンポーネント26、26’の間の簡単な位置合わせを提供する、製造が比較的容易かつ/又は費用対効果が高い、光信号12をルーティング又は操作するための柔軟性のある設計オプションを提供する、他のフォトニックコンポーネント26との統合及び/又は結合を可能にする、他のフォトニックコンポーネント26、26’と統合及び/又は結合するのに必要な部品(例えば、光ファイバー、レンズなど)の数を減らす、光学的損失を減少させる、更なる光学デバイスのためのスペースを提供するなどのうちの少なくとも1つであることができる。
【0083】
図3は、図1の光学装置10の一部の拡大図を示す。導波路16及び界面24は、導波路16の出口29から送信される光信号12が、ガラスの屈折率と領域18内の空気の屈折率との比によって定められる臨界角θcよりも大きい入射角θiで界面24に向けられるように、本体14内に形成される。このような構成では、光信号12は全内部反射される。大きな転向角(例えば、90度又は他の大きな転向角)が必要とされる場合、光信号12の全内部反射は、例えば、光信号12の方向を(例えば、曲げ損失などにより)90度だけ変化させる曲げを組み込んだ導波路に比べて、反射時の光損失を低くすることができる。当然のことながら、光信号12が図3に示される方向とは反対方向に伝播する場合、出口29は、導波路16の入口を画定することができる。
【0084】
図4は、図3の実施形態よりも導波路16の出口29が界面24からさらに離れている実施形態による別の光学装置10を示す。3つの破線は、光信号12のための様々な可能なビーム経路を示す(それぞれの示されたビーム経路は同じ発散光ビームの一部を形成する)。光信号12は、光信号12のいくつかの部分が臨界角を超えて、臨界角で、又は臨界角未満で界面24に入射するように発散する。光信号12の1つの発散部分は、界面24に入射せず、表面22を通って出る。光信号12の別の発散部分は、臨界角未満で界面24に入射し、実質的に領域18内に伝播する。したがって、光信号24の発散部分は、電力損失を受けるか、又は界面24に入射しない可能性がある。したがって、導波路16の出口29から送信される任意の光信号24の発散は、導波路16と界面24との間の相対的な離間を設計する際の要因となり得る。光信号24が界面24に入射するときに発散又は収束する場合、界面24に入射する角度の範囲が存在し得る。界面24の臨界角によっては、光信号24の一部は、界面24から(例えば、全内部反射によって)反射されない場合がある。光学装置10を設計する際に、導波路16と界面24との間の間隔、臨界角、光信号24の発散/収束、導波路14と界面24との間の相対角度のうちの少なくとも1つを考慮する必要がある場合がある。
【0085】
図5は、装置10と同様の機能を有する一実施形態による別の光学装置110を示す。同一又は類似の特徴に対する符号は、図1から図4の光学装置10に比べて100だけ増分される。更なる特徴については後述する。
【0086】
図2の(フォトニックコンポーネント26に結合される)表面22から延びる領域18の代わりに、本実施形態では、領域118が本体114の別の表面(本実施形態では、表面22の反対側の非接触表面123)から本体114内の適切な位置まで延びている。領域118は、本体114を部分的に通って非接触表面123から垂直に延びる管部分120と、本体114を通って管部分120から鋭角に延びる更なる管部分121とを含む。更なる管部分121(鋭角の)は、装置10に関して説明したのと同じ方法で、導波路116へ/から光信号112を反射/ルーティングするための界面124を含む。本実施形態では、少なくとも導波路116の界面124に近接する部分(この場合、導波路16の出口/入口は界面124に最も近く、したがって界面124に近接する)は、表面122及び123に対して非平行である。フォトニックデバイス126’(第2のデバイスの一例)は、導波路116を通して光信号112を送信及び/又は受信するために導波路116に結合される。
【0087】
当然のことながら、領域118は、例えば、開口部、穴、溝などの任意の形態を取ることができ、図5に示されるように異なる角度で延びる異なる部分120、121を含んでも含まなくてもよい。例えば、図6は、図5の装置110に類似する一実施形態による別の光学装置110aを(図5と異なる構成要素を除いて同じ符号で)示す。図5とは対照的に、光学装置110aは、1つの管部分120aのみを有する領域118aを含む(すなわち、図5とは異なり、領域118aは、2つの管部分を有さない)。領域118aは、領域18が表面22から鋭角に延びる図1から図4の実施形態と同様に、表面123から鋭角に延びる(ただし、表面123は非接触表面である)。領域18、118、118aは、例えば、コーティング又は研磨などの工程が領域18、118、118aの表面(例えば、内面など)で行われることを可能にするために、ミラー(すなわち、界面24によって)及びアクセスチャネルを提供するとみなすことができる。当然のことながら、領域18、118、118aの対向する表面は、図1から図6に示されるように必ずしも互いに平行である必要はない。むしろ、例えば、図7から図11に示され、本明細書に記載されるように、領域18、118、118aの表面間に任意の適切な関係を提供することができる。
【0088】
非接触表面123から延びる領域118、118aを設けることにより、光学アセンブリ128の組み立てに関わる接着剤又は他の物質(例えば、溶剤など)が領域118に入ることなく、フォトニックコンポーネント126(第1のデバイスの一例)を表面122に接着させるか又は表面122に近接して配置することが可能になる。このような材料を入れるように設計されていない限り、領域18、118、118aに入る任意の材料(例えば、気体、液体、固体)は、界面24、124に悪影響を与え、界面24、124の反射特性を変化させる可能性がある。特定の場合において、材料は、本体14、114と領域18、118、118aとの間の屈折率比を臨界角が増加する程度まで減少させることがある(これは、光学装置10、110を通る光信号12、112の不適切な又は非効率なルーティングを引き起こす恐れがある)。当然のことながら、非接触表面123である表面123への言及は、必ずしも表面22、122がフォトニックコンポーネントをそれに接着させるか又はそれに近接して配置することを可能にするように構成可能な接触表面であることを意味しない。表面122からではなく、いわゆる非接触表面123から延びる領域118、118aの提供は、例えば、アセンブリ128の一部を形成する1つ又は複数のフォトニックコンポーネント126、126’がさもなければ悪影響を受けるか又は表面22、122に近接して接着又は配置することが難しい恐れがある場合に、光学装置110、110aの特定の構成の制約を低減することができる。
【0089】
図7は、装置10と同様の機能を有する一実施形態による別の光学装置210を示す。同一又は類似の特徴に対する符号は、図1から図4の光学装置10に比べて200だけ増分される。更なる特徴については後述する。
【0090】
装置210は、界面224が非平面であるように成形される領域218を含む。本実施形態では、界面224は、導波路216から界面224に入射する光信号212が本体214の表面222よりも上で本体214の外部に位置する焦点230に反射(及び集束)されるように成形される(本実施形態では凹面である)。図7に示されるように、導波路216の出口229は、光信号212の焦点230が界面224から距離d2だけ離間するように、界面224から距離d1だけ離間する。本実施形態では、距離d2はd1未満である。このような構成は、VCSEL、格子結合器などのような発散コンポーネントへの光結合を高めることができる。導波路216、界面224、及び表面222の間に所定の光学配置を提供することにより、(例えば、光信号212の収束、発散、ビームウエストサイズ、焦点スポットサイズなどを制御するべく)光学装置210の光信号出力又は光信号入力のための最適な結合のために光学装置210を調整することが可能であり得る。例えば、VCSELのような発散光信号源を含むフォトニックコンポーネントは、光信号212を導波路229に結合するために出力光信号が最適に整列される(かつ収束する)ように、表面222に光学的に結合されることができる(出口229は、本実施形態では光入力を定めることができる)。当然のことながら、光学装置210は、光学装置210に結合されたフォトニックコンポーネントの特定の構成に応じて、光信号212が導波路216を通っていずれかの方向又は両方の方向に伝播できるように構成されることができる。
【0091】
図8は、例えば、発散、平行又は収束の光信号ビーム特性を有するフォトニックコンポーネント間の光結合を可能にするために、装置210と同様の機能を有する一実施形態による別の光学装置310を示す。同一又は類似の特徴に対する符号は、図7の光学装置210に比べて100だけ増分される。更なる特徴については後述する。
【0092】
図7とは対照的に、図8の導波路316及び界面324は、光信号312が界面324から表面322への反射の際にコリメートされる(又は、反対方向に伝播する場合、導波路316に向かって反射されると収束する)ように構成される。当然のことながら、光学装置310は、光学装置310に結合されたフォトニックコンポーネントの特定の構成に応じて、光信号312が導波路316を通っていずれかの方向又は両方の方向に伝播できるように構成されることができる。
【0093】
図9は、界面324を使用して光信号312をコリメートすることができるという点で図8の光学装置310と同様の一実施形態による別の光学装置310aを示す(ただし、当然のことながら、界面324は、光信号312をコリメートしてもしなくてもよい)。必要に応じて同じ符号を使用する。異なる/追加の特徴は、文字「a」を含む符号によって区別される。光学装置310aは、光信号312aを操作するために本体314上(すなわち、表面322上)に配置された光学コンポーネントを含む。本実施形態の光学コンポーネントは、表面322の真上の焦点330aに光信号312を集束させるためのレンズ332aの形態のビーム整形デバイスを含む。光学装置310aは、図7の光学装置210と同様の機能を提供することができる。レンズ332aは、自由空間光学コンポーネントであることができ、又は本体314の一部として提供されることができる。当然のことながら、レンズ332aは、代替的に本体314内に配置される(例えば、本体314に埋め込まれるなど)か又は他の方法で本体314内又は本体314上に提供されることができる。さらに、当然のことながら、異なる機能(例えば、フィルタリングなど)を行うために(レンズ332aに加えて又は代わりに)他の光学コンポーネントを提供することができる。光学コンポーネントは、自由空間光学コンポーネントとして定義されることができ、又は本体314の一部として提供されるか又は本体314と一体化されることができる。
【0094】
図10は、例えば、発散、平行又は収束の光信号ビーム特性を有するフォトニックコンポーネント間の光結合を可能にするために、装置310と同様の機能を有する一実施形態による別の光学装置410を示す。同一又は類似の特徴に対する符号は、図8の光学装置310に比べて100だけ増分される。更なる特徴については後述する。
【0095】
図10において、光学装置410は、横方向にずらされかつ横方向に間隔を置いて配置された2つの導波路416、417を含む本体414を含み、2つの導波路416、417は、光信号412を2つの導波路416、417の間に向けるように構成された2つの領域418、419によって光学的に結合される。領域418は、本体414の第1の表面422から本体414を部分的に貫通して延びる。領域419は、本体414の第2の表面423から本体414を部分的に貫通して延びる。第1及び第2の表面422は、本体414の反対の表面である。領域418、419は互いに対向し、向かい合っている。各領域418、419は、界面424、425からの反射の際に光信号412の発散特性を変化させるように動作可能な凹面を含む界面424を含む。界面424、425は、光信号412が界面424、425の間を伝播できるように互いに向かい合っている。本実施形態では、導波路416は、発散光信号412を界面424に向けて送信し、界面424は、光信号412を変化させて、光信号412の全体的な伝播方向に垂直に、他方の領域419の界面425に向かって伝播する平行光ビーム412’を形成する。本実施形態では界面424と形状が同一である界面425は、平行光信号412’を変化させて、導波路417を伝播させるために導波路417に向かって平行光信号412’に概ね垂直な方向に伝播する収束光信号412”を形成する。
【0096】
光学装置410は、光信号412の横方向の移動(例えば、垂直、水平など)を提供することができ、それにより、さもなければ曲げ損失を誘発する恐れがある単一の導波路における鋭い曲げを提供する必要を回避することができる。加えて又は代わりに、光学装置410内に光学的特徴を提供することが不可能であるか、又は光学装置410内に光学的特徴を提供するための空間が限られている場合がある。2つの領域418、419を提供することは、本体414内に提供される他の光学的特徴又は光学デバイスのための空間を提供することができ、又は光学装置410内の光学レイアウトの設計に関して少なくとも柔軟性を提供することができる。当然のことながら、光学装置410は、光学装置410に結合されたフォトニックコンポーネントの特定のタイプ又は構成に応じて、光信号412が導波路416、417を通っていずれかの方向又は両方の方向に伝播できるように構成されることができる。
【0097】
図11は、図10の光学装置410に類似する一実施形態による別の光学装置410aを示す。必要に応じて同じ符号を使用する。異なる/追加の特徴は、文字「a」を含む符号によって区別される。光学装置410aは、光信号412aを操作するために本体414内に配置された光学コンポーネントを含む。本実施形態の光学コンポーネントは、フィルタ432a(例えば、光信号412を光学的にフィルタリングするための薄膜フィルタなど)を含む。フィルタ432aは、その中にフィルタ432aを受け入れるための空間が本体414内に形成された後に、本体内に配置されることができる。空間は、本明細書に記載されるように、領域418が形成される方法と同一又は類似の方法で形成されることができる。当然のことながら、フィルタ432aは、代わりに本体314上に配置される(例えば、少なくとも1つの導波路416、417の入口/出口に設けられる)ことができ、又は他の方法で本体414内又は本体414上に設けられることができる。当然のことながら、フィルタ432aは、所定の位置に(例えば、恒久的に)固定されることができるか、又は異なるフィルタ432a又は他の光学コンポーネントがフィルタ432aのための空間内に配置されることを可能にするように変更可能であることができる。さらに、当然のことながら、異なる機能(例えば、ビーム整形、集束、デフォーカスなど)を実行するために、(フィルタ432aに加えて又はその代わりに)他の光学コンポーネントを設けることができる。光学コンポーネントは、自由空間光学コンポーネントとして定義されることができ、又は本体414の一部として提供されるか又は一体化されることができる。
【0098】
図12は、一実施形態による別の光学装置510を示す。同一又は類似の特徴に対する符号は、図1の光学装置10に比べて500だけ増分される。図1の断面図は、光学装置510の断面図(繰り返しを避けるためにここでは示されていない)と同一である。しかしながら、光学装置510の表面522の正面図が、光学装置510と光学装置10との間のいくつかの違いを示す図12によって提供される。更なる特徴については後述する。
【0099】
光学装置510は、横方向に間隔を置いて配置された複数の導波路516(本実施形態では3つの導波路516a、516b、516c)と、横方向に間隔を置いて配置された複数の領域518(本実施形態では3つの領域518a、518b、518c)とを含む。各導波路516a~516cは、光信号512a~512cがそれぞれ対応する領域518a~518cのそれぞれの界面524a、524b、524cによって表面522又はそれぞれの導波路516a~516cに個別に反射されるように、それぞれの光信号512a、512b、512cを送信及び/又は受信するように動作可能である。光学装置510の本体514内に設けられた部分は点線で表される。光信号512a~512cの伝播方向は、それぞれの光信号512a~512cを反射するそれぞれの界面524a、524b、524c上の位置を指す破線の矢印で表される。それぞれの界面524a、524b、524c上の各位置は、光信号512a~512cが表面522から出る場所を表す点を含む。領域518a~518cに関連する円形の実線は、表面522における領域518a~518cの開口部を示す。光学装置510は、ここでは複数のフォトニックコンポーネント(図示せず)が少なくとも1つの他のフォトニックコンポーネント(図示せず)に結合されることを可能にすることができる。例えば、3つのフォトニックコンポーネントが、3つの光信号512a~512cを送信及び/又は受信するように動作可能であり得る。光学装置510は、任意の望ましい方法で少なくとも1つの光信号をルーティングするという点で柔軟性を提供することができる。
【0100】
図13は、図12の光学装置510に類似する一実施形態による別の光学装置510aを示す。必要に応じて同じ符号を使用する。3つの別個の領域(518a、518b、518c)を示す図12の実施形態とは対照的に、本体515の一方の側面515aから他方の側面514bまで延びる1つの領域518のみが存在する。本実施形態では、領域518は、側面515a、515bの間の領域518が、図13の高い位置から見たときに導波路516a~516cに対して垂直になるように、本体514を横切って横方向に延びる。領域518は、本体514を貫通しかつその全長に沿って平面である単一の界面524を画定するスロット又は溝を画定することができる。なお、光学装置510aの本体514内に設けられた部分は点線で表される(図1の底部34と同様の領域518の底部534を含む)。光信号512a~512cの伝播方向は、それぞれの光信号512a~512cを反射する界面524上の位置を指す破線の矢印で表される。それぞれの界面524a、524b、524c上の各位置は、光信号512a~512cが表面522から出る場所を表す点を含む。当然のことながら、領域518は、界面524が界面524で反射される複数の光信号に対する共通の界面であるように、任意の適切な形態を取ることができる。例えば、領域518は、側面518aから518bまで延びる溝の形態でなくてもよい。領域518は、領域518の界面524が複数の光信号に対する共通の界面であるように、任意の適切な形状を有しかつ/又は任意の適切な方法で本体514内に又は本体514を通って延びることができる。
【0101】
図14は、光学装置10及び光学アセンブリ28を製造するための工程ステップを示す。第1のステップ40において、本体14を提供する。第2のステップ42において、レーザ加工を用いて本体14を改質し、少なくとも1つの導波路16を提供する。第3のステップ44において、レーザ加工を用いて本体14を改質し、本体14の少なくとも1つの領域18を画定する。次いで、被エッチング材を提供して本体14の改質された部分をエッチングし、少なくとも1つの領域18を提供する(それにより少なくとも1つの界面24を形成する)。第3のステップ44に加えて又はその代わりに、ステップ46は、刃の付いた用具を使用して本体14の一部を除去し、本体14の少なくとも1つの領域18を提供することを含むことができる。ステップ44、46に加えて又はその代わりに、別のステップ48の一部として、レーザアブレーション、レーザ加工、ウェットエッチング、ドライエッチング、イオンビームミリングなどのうちの少なくとも1つを用いて、本体14の少なくとも1つの領域18を形成することができる。ステップ44、46、48のいずれかを単独で又は組み合わせて使用して、少なくとも1つの領域18を提供することができる。
【0102】
更なるステップ50において、少なくとも1つの導波路16及び少なくとも1つの領域18を含む光学装置10を提供する。更なるステップ52において、少なくとも1つのフォトニックコンポーネント26、26’を(例えば、取り付け、接着などによって)光学装置10に結合し、光学アセンブリ28を形成する。当然のことながら、これらの工程ステップは、本明細書に記載された任意の光学装置10、110、210、310、410、510の製造及び/又は任意の関連する光学アセンブリの製造に適用可能である。
【0103】
図15は、本明細書に記載するように少なくとも1つの導波路16がレーザ改質によって形成される光学装置10を製造するためのツール60を示す。図15はまた、領域18を形成するための方法/システムの3つの実施形態(図15の右側の上部から下部へのオプション(i)、(ii)及び(iii)を参照)を示す。
【0104】
ツール60は、本体14を保持及び/又は移動するための支持体62と、(例えば、少なくとも1つの導波路16を形成しかつ/又は少なくとも1つの領域18を画定するために)少なくとも1つのレーザ加工ステップを実行するためのレーザ加工ツール64とを含む。レーザ加工ツール64は、レーザビーム66(動かされても動かされなくてもよい)を生成するための超高速及び/又は短パルス及び/又は超短パルスレーザ(又は本体14の材料を改質するための他の任意の適切なレーザ)を含む。レーザビーム66の焦点68は、(例えば、レーザビーム66及び/又は本体14が互いに対して動かされるとき、又はレーザビーム66及び/又は本体14が静止している間に)本体14を構造的及び/又は化学的に改質し、本体14の改質された部分を形成することができる。
【0105】
導波路及び/又は領域を生成するために使用されることができるレーザ加工技術の例は、国際公開第2008/155548号及び国際公開第2011/154701号に記載されており、それらの内容は、参照により本明細書に含まれるものとする。
【0106】
少なくとも1つの導波路16及び少なくとも1つの領域18の形成は、同じレーザ加工ステップで行うことができ、これは、少なくとも1つの導波路16と少なくとも1つの領域18との間の位置合わせにおける誤差を制御又は低減するのに役立ち得る。代わりに、少なくとも1つの導波路16及び少なくとも1つの領域18は、別々のステップで形成されることができる。本明細書に記載された実施形態では、領域18は、本体14の表面から延びる。しかし、当然のことながら、領域18は、任意の適切な方法で提供されることができる。
【0107】
図15の右上の実施形態(i)では、示されたシステムは、レーザ加工ツール64による画定された領域18の改質後に領域18を形成する。本実施形態では、本体14の表面に設けられた被エッチング材72(例えば、水酸化カリウム(KOH)、フッ化水素(HF)など)を用いて、画定された領域18をエッチングすることができる。レーザ加工に続くKOHを用いたエッチングプロセスの例は、Applied Surface Science 255(2009)、pp 9758-9760、Matsuoらの「KOHの水溶液によるパイレックス(登録商標)ガラスのフェムト秒レーザ支援エッチング」に記載され、その内容は参照によりその全体が本明細書に含まれるものとする。レーザ加工された領域18は、領域18のみがエッチング除去されるか、又は少なくとも本体14の未改質の材料が領域18の改質された材料よりも遅い速度でエッチング除去されるように、本体14のバルク材料よりもエッチングに対する耐性が低いことができる。
【0108】
図15の右中央の実施形態(ii)では、示されたシステムは、レーザ改質によって導波路16が形成される前、形成される間、又は形成された後に領域18を形成することができる。本実施形態では、少なくとも1つの領域18は、ドリルビット、ダイヤモンドドリル、ダイヤモンドダイシングブレード、ナイフ、鋸、又は他の任意の適切な切断デバイスなどの刃の付いた用具70を使用して形成されることができる。
【0109】
図15の右下の実施形態(iii)では、示されたシステムは、レーザ改質によって導波路16が形成される前、形成される間、又は形成された後のいずれかで領域18を形成することができる。少なくとも1つの領域18は、少なくとも1つの領域18を形成するために本体14の材料にレーザアブレーション、レーザ加工、ウェットエッチング、ドライエッチング、イオンビームミリングなどのうちの少なくとも1つを行うように構成された材料除去システム74を用いて形成されることができる。
【0110】
当然のことながら、図示された実施形態(i)から(iii)のシステム及び/又は方法はいずれも、領域18を形成又は提供するために組み合わせられかつ/又は変更されることができる。さらに、当然のことながら、レーザ加工ツール64は、領域18を形成又は画定するために使用されてもされなくてもよい。図15の実施形態(i)では、レーザ加工ツール64を使用して、(例えば、領域18の材料を改質することによって)最初に領域18を画定し、次にエッチングを用いて、画定された領域18内の改質された材料を除去する。図15の実施形態(ii)及び(iii)では、領域18からの材料の一掃又は除去は、導波路16の形成とは無関係に行われることができる。しかし、当然のことながら、(例えば、レーザ加工ツール64を用いた)領域18のレーザ加工は、図15に示された実施形態のいずれかと組み合わせて行うことができる。さらに、当然のことながら、レーザ加工ツール64を使用して導波路16及び領域18を提供する場合、様々なレーザビームパラメータ(例えば、パルスエネルギー、照射時間、光ビームの焦点特性など)を使用して、本体14の材料を改質して導波路16及び領域18を提供することができる(導波路16及び領域18のそれぞれが異なる構造特性及び/又は化学特性を有することができる)。
【0111】
図16に示されるように、界面24は、その少なくとも1つの特性を変更するように処理されることができる。図示の実施形態では、界面24は、界面24を処理するように構成された表面処理ツール78によって改質される。一実施形態では、表面処理ツール78は、火炎研磨、CO2レーザ研磨、エッチングなどのうちの少なくとも1つを行うことによって界面24を平滑化するように構成されることができる。加えて又は代わりに、表面処理ツール78は、例えば、界面24の反射特性を向上させるために、界面を金属76でコーティングするように構成されることができる。
【0112】
図17は、それぞれ図7及び図8の装置210、310と同様の機能を有する一実施形態による別の光学装置610を示す。同一又は類似の特徴に対する符号は、図7の光学装置210に比べて400だけ増分される。更なる特徴については後述する。
【0113】
装置610は、光学装置610の本体614に形成された空洞618内に位置する反射面680を含む。空洞618と本体614との間に界面624が画定される。本体614は、レーザで刻まれた導波路616を含む。しかしながら、先の実施形態とは対照的に、導波路616及び界面624は、光信号612が界面624を通して送信されることができるように互いに対して位置決めされる。反射面680は、光信号612が送信される界面624に反射面680が面するように、空洞618の界面624側とは反対側に配置される。言い換えれば、反射面680は、反射が本体614内ではなく空洞618内で生じるように光信号612を反射するように構成される。反射面680での光信号612の反射により、光信号612は、導波路616と、空洞618を通して光信号612を送信及び/又は受信するように動作可能なフォトニックコンポーネント626を含む第1のデバイスとの間でルーティングされることが可能になる。更なるフォトニックコンポーネント626’(第2のデバイスの一例)が、導波路616を通して光信号612を送信及び/又は受信するために導波路616に結合される。空洞618は、先に記載した方法と同様に、例えば、レーザ刻印及びその後のエッチング又は他の任意の適切な方法によって形成されることができる。反射面680は、高い反射率を提供するために金属のようなコーティングを含む。本実施形態では、空洞618の表面は、反射面680を形成するようにコーティングされたときに、それぞれ図7及び図8の光学装置210、310に関して記載されたものと同様の曲面鏡の機能を提供する曲面状部分を含む。
【0114】
有利には、反射面680は、光信号612が導波路616とフォトニックコンポーネント626との間でルーティングされることを可能にし、本体614とフォトニックコンポーネント626の組み立てを支援することができる。本実施形態では、フォトニックコンポーネント626は、空洞618への開口部619を含む本体614の表面622に接着剤682を用いて結合される。接着剤682はまた、空洞618を少なくとも部分的に充填し、界面624に接触する場合がある。図1から図4に示されるような実施形態では、光学装置610の製造に関与するそのような接着剤又は他の任意の材料の存在は、接着剤が空気などの空洞118を通常占有する媒体よりも高い屈折率を有するため、界面における反射特性の変化を引き起こす可能性がある。光学装置610の空洞618内の接着剤682の存在は、全内部反射ではなく(例えば、金属コーティングなどによる)外部反射に依存する反射面680の反射特性に有意に影響しないことができる。したがって、光学装置610は、例えば、接着剤682又は他の材料が空洞618内に存在するときに反射面680における光学的損失を回避又は低減することによって、導波路616とフォトニックコンポーネント626との間の光信号612のルーティングを容易にすることができる。図5及び図6の光学装置110、110aでは、接着剤682又は界面124の全内部反射特性に影響を与える他の材料に関する問題は、フォトニックデバイスが本体に結合されるときに接着剤が空洞118に入らないように本体114の異なる表面を通して(すなわち、表面122とは反対側に)空洞118を形成することによって克服される。本実施形態では、光学装置610は、(例えば、図5及び図6のものに比べて)空洞618のサイズを減少させることによって、製造時間、複雑さ及び/又はコストを減少させることができ、かつ/又は本体614内の他の構成要素のための追加の空間を提供することができる。
【0115】
図18は、図17の装置610と同様の機能を有する一実施形態による別の光学装置710を示す。同一又は類似の特徴に対する符号は、図17の光学装置610に比べて100だけ増分される。簡略化のために、すべての機能に符号が付いているわけではない。更なる特徴については後述する。
【0116】
空洞718内に反射面780を形成するステップ中に、界面724が、例えば、界面724を通る光信号712の送信に影響を与える可能性がある金属粒子でコーティングされる恐れがある。したがって、空洞718は、反射コーティングが界面724に到達するリスクを減らすように形成される。本実施形態では、空洞718は、反射面780の製造中に反射面780の材料が界面に接触するのを防ぐためのバリア784を本体714の一部分が提供するように成形される。詳細には、空洞718は、界面724を含む空洞718の側面が、空洞718への開口部719を含む本体714の表面722に対して角度θ(例えば、90度未満)になるように成形される。界面724を含む空洞718の側面の角度により、バリア784を提供する本体714の一部分は、界面724の少なくとも一部が突出部の下の空洞718内に位置するように、本体714の表面722の近位に突出部を画定する。
【0117】
本明細書に記載される光学装置及び/又は方法には、様々な変更を加えることができる。光学装置のうちの1つの少なくとも1つの特徴は、方法における任意の対応する特徴に取って代わることができる。光学装置及び/又は方法の少なくとも1つの特徴は、他の任意の光学装置及び/又は方法と組み合わせることができる。
【0118】
例えば、界面及び/又は反射面は、(例えば、非対称形状を含む曲面を界面に提供することによって)非点収差ビームのような非ガウスビーム形状を生成するための任意の表面又は形状部分を含むことができる。このような構成は、非対称導波路などとの最適な光通信を提供するために、非点収差集束などを提供するために有用であり得る。代わりに又は加えて、(例えば、楕円形、円筒形、放物線形などを含む曲面を界面に提供することによって)他の任意のタイプのビーム。界面及び/又は反射表面は、ベッセルビーム発生などのためのアキシコン形状の面を含むことができる。界面及び/又は反射面は、集束ビームなどを効率的に生成するためのフレネルレンズ形状の面を含むことができる。界面及び/又は反射面は、位相パターン又は位相形状、回折素子などを含むことができる。したがって、位相パターン又は位相形状、回折素子などは、(例えば、少なくとも1つの入力光信号の反射/回折後に)1つ以上の出力光信号を生成することができる。
【0119】
本明細書における領域へのあらゆる言及は、空洞を指すことができる。同様に、本明細書における空洞へのあらゆる言及は、領域を指すことができる。
【0120】
任意の数の導波路及び/又は領域及び/又は空洞を、任意の所望の構成で提供することができる。少なくとも1つの領域及び/又は空洞によって形成される界面及び/又は反射面は、任意の所望の方法で少なくとも1つの光信号を反射するための任意の特定の構成を有することができる。同じ領域及び/又は空洞は、(例えば、異なる導波路からの)複数の光信号を反射するための同じ界面及び/又は反射面を含むことができる。
【0121】
当業者は、少なくとも1つのフォトニックコンポーネントのための光通信及び/又は光結合を提供するために、光学装置内に様々な光学設計を提供するための様々な可能性があることを理解するであろう。当業者はさらに、レーザ加工(及び任意選択でエッチング又は切断と組み合わせて)を用いて、本明細書に記載された導波路及び領域及び/又は空洞以外の光学デバイス又は光学構造を作ることができることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18