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特許7389092情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231121BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021174168
(22)【出願日】2021-10-25
(65)【公開番号】P2023063999
(43)【公開日】2023-05-10
【審査請求日】2023-03-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池上 武
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/039079(WO,A1)
【文献】特開2001-350846(JP,A)
【文献】特開2005-196353(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103639171(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0064747(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者によって使用された使用済みの不織布製品の回収量を示す回収情報と、当該使用者によって使用される不織布製品の補充量を示す補充情報とを、当該使用者が利用する施設毎に取得する取得部と、
前記回収情報と、前記補充情報とに基づいて、前記使用済みの不織布製品の回収量に基づく回収と、前記不織布製品の補充量に基づく補充とに関する作業を前記施設毎に実行するための作業情報であって、当該回収と当該補充との作業スケジュールを示す作業情報を提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部によって取得された回収情報と、前記補充情報とに基づいて、前記施設から回収する前記使用済みの不織布製品の回収量と、前記施設に対して補充する前記不織布製品の補充量とを推定する推定部をさらに備え、
前記提供部は、
前記回収量と、前記補充量とに基づいて、前記作業情報を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記回収情報と、前記補充情報と、前記使用済みの不織布製品及び前記不織布製品を配送する移動体に関する情報とに基づいて、前記回収量と、前記補充量とを推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記回収情報と、前記補充情報と、前記移動体に関する情報として、前記移動体の積載可能な積載量とに基づいて、前記回収量と、前記補充量とを推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記回収情報と、前記補充情報と、前記移動体に関する情報として、前記移動体の積載可能な重量とに基づいて、前記回収量と、前記補充量とを推定する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記作業情報として、前記不織布製品の補充に関する作業を前記施設毎に実行するための補充作業情報を、前記不織布製品を補充する事業者に対して提供する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記作業情報として、前記使用済みの不織布製品をリサイクル対象として前記施設毎に回収するための回収作業情報を、前記使用済みの不織布製品を回収する事業者に対して提供する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記回収情報に基づいて、前記施設のランキングに関するランキング情報を生成する生成部をさらに備え、
前記提供部は、
前記ランキング情報を前記施設に対してさらに提供する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、
前記使用済みの不織布製品がリサイクルされる過程に関する情報をさらに取得し、
前記生成部は、
前記過程に関する情報に基づいて、前記使用済みの不織布製品がリサイクルされる過程を示す情報である追跡情報をさらに生成し、
前記提供部は、
前記追跡情報を前記施設に対してさらに提供する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記回収情報と、前記補充情報とに基づいて、不織布製品に関する情報を前記施設毎に管理する管理部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記管理部は、
前記不織布製品に関する情報として、使用者によって使用された使用済みの不織布製品の量を前記施設毎に管理する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記管理部は、
前記不織布製品に関する情報として、使用者によって使用される不織布製品の数である在庫数を前記施設毎に管理する
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記管理部は、
前記不織布製品を使用する使用者の数を前記施設毎に管理する
ことを特徴とする請求項10~12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記提供部は、
前記不織布製品の補充が行える前記施設に、前記使用済みの不織布製品を回収する前に訪問するような作業スケジュールを示す前記作業情報を提供する
ことを特徴とする請求項1~13のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
使用者によって使用された使用済みの不織布製品の回収量を示す回収情報と、当該使用者によって使用される不織布製品の補充量を示す補充情報とを、当該使用者が利用する施設毎に取得する取得工程と、
前記回収情報と、前記補充情報とに基づいて、前記使用済みの不織布製品の回収量に基づく回収と、前記不織布製品の補充量に基づく補充とに関する作業を前記施設毎に実行するための作業情報であって、当該回収と当該補充との作業スケジュールを示す作業情報を提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
使用者によって使用された使用済みの不織布製品の回収量を示す回収情報と、当該使用者によって使用される不織布製品の補充量を示す補充情報とを、当該使用者が利用する施設毎に取得する取得手順と、
前記回収情報と、前記補充情報とに基づいて、前記使用済みの不織布製品の回収量に基づく回収と、前記不織布製品の補充量に基づく補充とに関する作業を前記施設毎に実行するための作業情報であって、当該回収と当該補充との作業スケジュールを示す作業情報を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の施設で使用者によって使用された使用済みの不織布製品を回収計画に沿って回収する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-53202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、所定の施設で使用済みの不織布製品を回収計画に沿って回収するに過ぎず、使用者に使用される不織布製品の配送と、使用済みの不織布製品の回収とを効率的に実行する余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、不織布製品の配送と、使用済みの不織布製品の回収とを効率的に実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、使用者によって使用された使用済みの不織布製品の回収に関する回収情報と、当該使用者によって使用される不織布製品の補充に関する補充情報とを、当該使用者が利用する施設毎に取得する取得部と、前記回収情報と、前記補充情報とに基づいて、前記使用済みの不織布製品の回収と、前記不織布製品の補充とに関する作業を前記施設毎に実行するための作業情報を提供する提供部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、不織布製品の配送と、使用済みの不織布製品の回収とを効率的に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る管理情報記憶部の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る使用者情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る追跡情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置が実行する管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
使用者によって使用された使用済みの不織布製品の回収に関する回収情報と、当該使用者によって使用される不織布製品の補充に関する補充情報とを、当該使用者が利用する施設毎に取得する取得部と、前記回収情報と、前記補充情報とに基づいて、前記使用済みの不織布製品の回収と、前記不織布製品の補充とに関する作業を前記施設毎に実行するための作業情報を提供する提供部とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【0011】
このような情報処理装置によれば、例えば、子供や、高齢者等の使用者によって使用された使用済みの不織布製品(例えば、おむつ等)の回収に関する回収情報と、使用者によって使用される不織布製品の補充に関する補充情報とを、使用者が利用する施設毎に取得する。ここで、施設とは、子供や、高齢者が利用する施設であり、例えば、幼稚園や、保育園や、介護施設等である。
【0012】
続いて、情報処理装置は、取得した回収情報と、補充情報とに基づいて、使用済みの不織布製品の回収と、不織布製品の補充とに関する作業を施設毎に実行するための作業情報を提供する。これにより、情報処理装置は、不織布製品の配送と、使用済みの不織布製品の回収とを効率的に実行することができる。
【0013】
一般に、施設の事業者等は、所定の費用を負担して、使用済みの不織布製品を回収する回収業者に回収依頼を行うことで、使用済みの不織布製品を廃棄している場合が多い。また、例えば、焼却施設を有する介護施設等の施設であれば、使用済みの不織布製品を自施設で廃棄することが可能ではあるが、焼却の手間がかかる場合がある。また、例えば、保育園等の施設では、保育士が、使用者を養護する利用者に対して使用済みの不織布製品を持ち帰ってもらうために、使用済みの不織布製品を一時的に保管したり、利用者に持ち帰るための手配をしたりしなければならず、手間がかかる場合がある。さらに、保育士にとって、使用済みの不織布製品を一時的に保管したりすることは衛生的に不安な点もある。このような場合、使用済みの不織布製品を廃棄するための費用や、手間を減らすことが好ましい。
【0014】
また、施設に配送されてきた新しい不織布製品の荷受けと、使用済みの不織布製品の廃棄の手間を1つの業務の流れとして実行及び完結できると、施設の事業者等の業務負担が減ることが想像される。
【0015】
また、新しい不織布製品を施設に配送する際に、配送に利用したトラック等の移動体の荷が空で戻ってくる場合が多い。このため、配送時の移動体が施設から戻ってくる際に、使用済みの不織布製品も回収するのであれば、物流効率が上がることが想像される。また、同時に、使用済みの不織布製品の回収コストが下がることも容易に想像することができる。
【0016】
このように、情報処理装置は、使用者が利用する施設毎に取得した回収情報と、補充情報とに基づいて、使用済みの不織布製品の回収と、不織布製品の補充とに関する作業を施設毎に実行するための作業情報を提供することで、不織布製品の配送と、使用済みの不織布製品の回収とを効率的に実行することができる。これにより、情報処理装置は、施設の事業者等の手間を省くことができる。また、情報処理装置は、使用済みの不織布製品の回収コストを低減することができる。
【0017】
また、情報処理装置は、前記取得部によって取得された回収情報と、前記補充情報とに基づいて、前記施設から回収する前記使用済みの不織布製品の量である回収量と、前記施設に対して補充する前記不織布製品の量である補充量とを推定し、前記回収量と、前記補充量とに基づいて、前記作業情報を提供する。
【0018】
このような情報処理装置によれば、例えば、回収情報が示す使用済みおむつの回収量を回収量として推定する。また、情報処理装置は、おむつを在庫として管理可能な枚数である所定数から在庫数の差分を補充量として推定する。これにより、情報処理装置は、不織布製品の配送と、使用済みの不織布製品の回収とを適切なタイミングで実行することができる。
【0019】
また、情報処理装置は、前記回収情報と、前記補充情報と、前記使用済みの不織布製品及び前記不織布製品を配送する移動体に関する情報とに基づいて、前記回収量と、前記補充量とを推定する。
【0020】
このような情報処理装置によれば、例えば、回収情報と、補充情報と、使用済みおむつ及び新しいおむつを配送する移動体の積載可能な積載量や、重量等に関する情報とに基づいて、回収量と、補充量とを推定するため、使用済みの不織布製品及び不織布製品を配送する効率を高めることができる。
【0021】
また、情報処理装置は、前記回収情報と、前記補充情報と、前記移動体に関する情報として、前記移動体の積載可能な積載量とに基づいて、前記回収量と、前記補充量とを推定する。
【0022】
このような情報処理装置によれば、例えば、トラック等の移動体の積載量を考慮した回収量と、補充量とを推定する。これにより、情報処理装置は、例えば、使用済みおむつのような規則的に折りたためない物品に対してもトラックの積載量を考慮して回収量と、補充量とを推定するため、使用済みのおむつ及び新しいおむつを配送する効率を高めることができる。
【0023】
また、情報処理装置は、前記回収情報と、前記補充情報と、前記移動体に関する情報として、前記移動体の積載可能な重量とに基づいて、前記回収量と、前記補充量とを推定する。
【0024】
このような情報処理装置によれば、例えば、トラック等の移動体の積載可能な重量を考慮した回収量と、補充量とを推定する。これにより、情報処理装置は、使用済みおむつのように排泄物を吸収し、重くなった物品に対してもトラックの積載可能な重量を考慮して回収量と、補充量とを推定するため、使用済みのおむつ及び新しいおむつを配送する効率を高めることができる。
【0025】
また、情報処理装置は、前記作業情報として、前記不織布製品の補充に関する作業を前記施設毎に実行するための補充作業情報を、前記不織布製品を補充する事業者に対して提供する。
【0026】
このような情報処理装置によれば、例えば、施設に対しておむつを補充する補充量が所定の量以上である場合、1週間後に、補充量分のおむつを施設に対して補充するといった作業スケジュールに関する情報を作業情報としておむつを補充する事業者に対して提供する。これにより、情報処理装置は、不織布製品の配送を効率的に実行することができる。
【0027】
また、情報処理装置は、前記作業情報として、前記使用済みの不織布製品をリサイクル対象として前記施設毎に回収するための回収作業情報を、前記使用済みの不織布製品を回収する事業者に対して提供する。
【0028】
このような情報処理装置によれば、例えば、施設から使用済みおむつを回収する回収量が所定の量以上である場合、1週間後に、回収量分の使用済みおむつを施設から回収するといった作業スケジュールに関する情報を作業情報として回収する事業者に対して提供する。これにより、情報処理装置は、使用済みの不織布製品の回収を効率的に実行することができる。
【0029】
また、情報処理装置は、前記回収情報に基づいて、前記施設のランキングに関するランキング情報を生成し、前記ランキング情報を前記施設に対してさらに提供する。
【0030】
このような情報処理装置によれば、例えば、施設から回収された使用済みおむつの回収量に基づいて、施設が、回収量が多い順番に順位付けられたランキング情報を生成する。続いて、情報処理装置は、生成したランキング情報を施設に対して提供する。これにより、情報処理装置は、施設のリサイクルに対する貢献度を可視化することができる。
【0031】
また、情報処理装置は、前記使用済みの不織布製品がリサイクルされる過程に関する情報をさらに取得し、前記過程に関する情報に基づいて、前記使用済みの不織布製品がリサイクルされる過程を示す情報である追跡情報をさらに生成し、前記追跡情報を前記施設に対してさらに提供する。
【0032】
このような情報処理装置によれば、例えば、使用済みおむつが回収される施設の住所又は位置情報や、使用済みおむつを配送している移動体の位置情報や、使用済みおむつのリサイクル処理を行うリサイクル工場のリサイクル業者が管理するサーバから取得された状況に関する情報を取得する。続いて、情報処理装置は、取得した位置情報及び状況に関する情報に基づいて、回収された使用済みおむつが現在どの場所に位置するかを示す地図情報を追跡情報として生成する。そして、情報処理装置は、生成した追跡情報を施設に対してさらに提供する。このように、情報処理装置は、使用済みの不織布製品をリサイクルすることに関する意識を施設の事業者や、施設を利用する使用者に対して高めることができる。
【0033】
また、情報処理装置は、前記回収情報と、前記補充情報とに基づいて、不織布製品に関する情報を前記施設毎に管理する。
【0034】
このような情報処理装置によれば、例えば、各種情報として、施設が有するおむつの在庫に関する在庫情報や、施設から回収された使用済みおむつの量に関する情報を管理する。これにより、情報処理装置は、不織布製品の在庫数及び使用済みの不織布製品の量を適切に管理することができる。
【0035】
また、情報処理装置は、前記不織布製品に関する情報として、使用者によって使用された使用済みの不織布製品の量を前記施設毎に管理する。
【0036】
このような情報処理装置によれば、例えば、施設から回収された使用済みおむつの量に関する情報を管理する。これにより、情報処理装置は、使用済みの不織布製品の量を適切に管理することができる。
【0037】
また、情報処理装置は、前記不織布製品に関する情報として、使用者によって使用される不織布製品の数である在庫数を前記施設毎に管理する。
【0038】
このような情報処理装置によれば、例えば、施設が有するおむつの在庫に関する在庫情報を管理する。これにより、情報処理装置は、不織布製品の在庫管理を適切に実行することができる。
【0039】
また、情報処理装置は、前記不織布製品を使用する使用者の数を前記施設毎に管理する。
【0040】
このような情報処理装置によれば、例えば、施設にておむつを使用する使用者の数を管理する。これにより、情報処理装置は、使用者の数を適切に管理することができる。
【0041】
以下に、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0042】
[実施形態]
〔1.情報処理装置が示す情報処理の一例〕
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の一例を示す図である。なお、図1に示すステップは、便宜上、自然人の行動等を含む。
【0043】
図1では、使用者が子供又は高齢者である例を示す。図1の例では、子供が利用する施設として、保育園KI1と、高齢者が利用する施設として、介護施設NU1とを挙げて説明する。なお、施設毎で各種情報を管理するサーバを施設サーバ10と表記する。図1の例では、保育園KI1で各種情報を管理するサーバが施設サーバ11であり、介護施設NU1で各種情報を管理するサーバが施設サーバ12である。
【0044】
図1に示す情報処理の一例の概要を示す。まず、情報処理装置100が、保育園KI1と、介護施設NU1とから、子供又は高齢者である使用者によって使用されるおむつ(不織布製品の一例)の補充に関する補充情報と、使用者によって使用された使用済みおむつの回収に関する回収情報とを取得する。次に、情報処理装置100が、補充情報と、回収情報とに基づいて、使用済みおむつの回収と、おむつの補充とに関する作業を保育園KI1と、介護施設NU1とに対して実行するための作業情報を提供する。そして、配送業者SH1が作業情報に基づいて、保育園KI1と、介護施設NU1とに対して、使用済みおむつの回収と、おむつの補充とを行う。以下では、図1を用いて、情報処理装置100が実行する情報処理の詳細について説明する。
【0045】
まず、情報処理装置100は、補充情報と、回収情報とを施設毎に取得する(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、補充情報として、おむつの在庫に関する在庫数に関する情報と、回収情報として、使用済みおむつの回収量に関する情報とを保育園KI1の施設サーバ11から取得する。また、情報処理装置100は、補充情報として、おむつの在庫に関する在庫数に関する情報と、回収情報として、使用済みおむつの回収量に関する情報とを介護施設NU1の施設サーバ12から取得する。
【0046】
続いて、情報処理装置100は、取得した補充情報と、回収情報とに基づいて、各種情報を管理する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、各種情報として、おむつの在庫情報や、使用済みおむつの量に関する情報等を管理する。
【0047】
そして、情報処理装置100は、取得した補充情報と、回収情報とに基づいて、各施設から回収する使用済みおむつの回収量と、各施設に対して補充するおむつの補充量とを推定する(ステップS3)。例えば、情報処理装置100は、補充情報として、保育園KI1の在庫数に関する情報と、回収情報として、保育園KI1の回収量に関する情報とに基づいて、保育園KI1から回収する使用済みおむつの回収量と、保育園KI1に対して補充するおむつの補充量とを推定する。
【0048】
より具体的な例を挙げると、情報処理装置100は、回収情報が示す使用済みおむつの回収量を回収量として推定する。また、情報処理装置100は、保育園KI1がおむつを在庫として管理可能な枚数である所定数から在庫数の差分を補充量として推定する。
【0049】
また、情報処理装置100は、補充情報として、介護施設NU1の在庫数に関する情報と、回収情報として、介護施設NU1の回収量に関する情報とに基づいて、介護施設NU1から回収する使用済みおむつの回収量と、介護施設NU1に対して補充するおむつの補充量とを推定する。
【0050】
より具体的な例を挙げると、情報処理装置100は、回収情報が示す使用済みおむつの回収量を回収量として推定する。また、情報処理装置100は、介護施設NU1がおむつを在庫として管理可能な枚数である所定数から在庫数の差分を補充量として推定する。
【0051】
続いて、情報処理装置100は、推定した回収量と、補充量とに基づいて、使用済みおむつの回収と、おむつの補充とに関する作業を保育園KI1と、介護施設NU1とに対して実行するための作業情報を配送業者サーバ20に提供する(ステップS4)。
【0052】
例えば、保育園KI1から使用済みおむつを回収する回収量が所定の量以上であり、且つ、保育園KI1に対しておむつを補充する補充量が所定の量以上であるものとする。この場合、情報処理装置100は、1週間後に、回収量分の使用済みおむつを保育園KI1から回収し、補充量分のおむつを保育園KI1に対して補充するといった作業スケジュールに関する情報を作業情報として配送業者サーバ20に提供する。
【0053】
また、介護施設NU1から使用済みおむつを回収する回収量が所定の量以上であり、且つ、介護施設NU1に対しておむつを補充する補充量が所定の量以上であるものとする。この場合、情報処理装置100は、1週間後に、回収量分の使用済みおむつを介護施設NU1から回収し、補充量分のおむつを介護施設NU1に対して補充するといった作業スケジュールに関する情報を作業情報として配送業者サーバ20に提供する。
【0054】
このように、情報処理装置100は、各施設に対応する作業情報を配送業者サーバ20に提供する。なお、情報処理装置100は、作業を実行する対象である施設毎の作業情報を一括して提供してもよいし、所定のタイミング毎に、各施設の作業情報を逐次提供してもよい。
【0055】
また、作業情報は、施設毎や、不織布製品の種類毎に分類された状態で使用済みの不織布製品を回収する作業指示を含んでもよい。
【0056】
ここで、配送業者サーバ20を管理する配送業者SH1は、如何なる配送業者であってもよく、例えば、自治体に指定されている配送業者や、情報処理装置100を管理する事業者によって指定された配送業者や、施設の事業者によって指定された配送業者等である。
【0057】
また、配送業者SH1は、トラック等の移動体を利用して使用済みおむつの回収と、おむつの配送とを行う。例えば、移動体に積載される使用済みおむつと、補充するおむつとは、セパレーション等を用いて、使用済みおむつが補充するおむつに影響等を与えないように分離される。なお、ここでいう移動体は、任意の大きさである。例えば、移動体は、小型のトラックや、中型のトラック等である。
【0058】
そして、配送業者SH1は、各施設や、各小売店舗等に配送するおむつを管理している物流センターLO1から、各施設に補充するおむつを取得する(ステップS5)。例えば、配送業者SH1は、作業スケジュールに関する情報に従って、配送するおむつの補充量分のおむつを物流センターLO1から取得する。
【0059】
続いて、配送業者SH1は、介護施設NU1に対して、使用済みおむつの回収と、おむつの配送とを行う(ステップS6)。例えば、配送業者SH1は、作業スケジュールに関する情報に従って、使用済みおむつの回収と、おむつの配送とを介護施設NU1に対して行う。この場合、配送業者SH1は、介護施設NU1から、使用済みおむつをリサイクル対象として回収する。
【0060】
そして、配送業者SH1は、保育園KI1に対して、使用済みおむつの回収と、おむつの配送とを行う(ステップS7)。例えば、配送業者SH1は、作業スケジュールに関する情報に従って、使用済みおむつの回収と、おむつの配送とを介護施設NU1に対して行う。この場合、配送業者SH1は、介護施設NU1から、使用済みおむつをリサイクル対象として回収する。
【0061】
ステップS6~S7では、配送業者SH1は、例えば、大人用の不織布製品と、子供用の不織布製品とを分類して回収する。これにより、情報処理装置100は、施設毎や、不織布製品の種類毎に分類された状態で使用済みの不織布製品を回収することができる。
【0062】
続いて、配送業者SH1は、使用済みおむつをリサイクル工場FO1に配送する(ステップS8)。そして、リサイクル工場FO1にてリサイクル処理を行うリサイクル業者は、使用済みおむつに対してリサイクル処理を行う。このように、回収された使用済みおむつがリサイクル工場FO1にてリサイクルされる。
【0063】
なお、ここでいうリサイクル業者は、如何なるリサイクル業者であってもよく、例えば、自治体に指定されているリサイクル業者や、情報処理装置100を管理する事業者によって指定されたリサイクル業者や、施設の事業者によって指定されたリサイクル業者等である。
【0064】
従来、所定の施設で使用済みの不織布製品を回収計画に沿って回収するに過ぎず、使用者に使用される不織布製品の配送と、使用済みの不織布製品の回収とを効率的に実行することができない場合があった。そこで、情報処理装置100は、回収情報と、補充情報とを、使用者が利用する施設毎に取得する。そして、情報処理装置100は、回収情報と、補充情報とに基づいて、使用済みの不織布製品の回収と、不織布製品の補充とに関する作業を施設毎に実行するための作業情報を提供する。このように、情報処理装置100は、不織布製品の配送と、使用済みの不織布製品の回収とを効率的に実行することができる。
【0065】
また、情報処理装置100は、各施設において必要となる新たな不織布製品の配送を行いつつ、同施設にて使用済みの不織布製品を同一のタイミングで回収することができる。また、情報処理装置100は、例えば、大人用の不織布製品と、子供用の不織布製品とを分類して回収することで、施設毎や、不織布製品の種類毎に分類された状態で使用済みの不織布製品を回収することができる。これにより、情報処理装置100は、リサイクルしやすい状態で使用済みの不織布製品を回収することができる。このため、情報処理装置100は、使用済みの不織布製品を効率的にリサイクルすることを促すことができる。
【0066】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理システム1は、施設サーバ10と、配送業者サーバ20と、情報処理装置100とを含む。施設サーバ10、配送業者サーバ20及び情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図2に示す情報処理システム1には、複数台の施設サーバ10や、複数台の配送業者サーバ20や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0067】
施設サーバ10は、施設に関する情報を管理する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、施設サーバ10は、施設を利用する使用者に関する情報や、施設で使用する不織布製品に関する在庫情報や、施設で回収した使用済みの不織布製品に関する情報等を管理する。なお、施設サーバ10は、施設の事業者によって管理される。例えば、施設の事業者は、所定の入力装置を用いて、施設を利用する使用者に関する情報や、施設で使用する不織布製品に関する在庫情報や、施設で回収した使用済みの不織布製品に関する情報等を施設サーバ10に記憶する。
【0068】
また、施設サーバ10は、各種情報を管理することが可能な機能を有する装置であるならば、端末装置等であってもよい。例えば、端末装置は、ブラウザに表示されるウェブコンテンツやアプリケーション用のコンテンツ等のコンテンツにアクセスする施設業者によって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0069】
配送業者サーバ20は、施設に対して、使用済みの不織布製品の回収と、不織布製品の補充を行う配送業者によって管理される情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、配送業者サーバ20は、情報処理装置100によって提供された作業情報を受付ける。そして、配送業者は、作業情報に従って、使用済みの不織布製品を施設に対して回収する。また、配送業者は、作業情報に従って、不織布製品を施設に対して補充する。
【0070】
情報処理装置100は、インターネット等のネットワークNを介して、各種の装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置100は、ネットワークNを介して、他の各種装置と通信可能に接続される。
【0071】
〔3.情報処理装置の構成〕
また、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図2に、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0072】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0073】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、管理情報記憶部121と、使用者情報記憶部122と、追跡情報記憶部123とを有する。
【0074】
(管理情報記憶部121について)
管理情報記憶部121は、施設に関する各種情報を記憶する。ここで、図3に、実施形態に係る管理情報記憶部121の一例を示す。図3に示した例では、管理情報記憶部121は、「施設ID(Identifier)」、「管理情報」といった項目を有する。例えば、「管理情報」は、「住所」、「配送業者ID」、「商品ID」、「種別」、「サイズ」、「商品」、「在庫数」、「回収量」、「回収履歴」といった項目を有する。
【0075】
「施設ID」は、施設を識別する識別子である。「住所」は、「施設ID」に対応付けられた施設の住所に関する情報や、施設が示す位置情報である。「配送業者ID」は、「施設ID」に対応付けられた配送業者を識別する識別子である。例えば、配送業者は、自治体によって指定されている配送業者や、施設によって指定される配送業者や、情報処理装置100を管理する事業者と契約された配送業者等である。
【0076】
「商品ID」は、商品を識別する識別子である。「種別」は、「商品ID」に対応付けられた商品の種別に関する情報である。例えば、商品がおむつであるものとする。この場合、おむつの種別は、子供用のおむつや、大人用のおむつ等である。また、おむつの種別は、テープ型のおむつや、パンツ型のおむつ等である。また、おむつの種別は、標準的なおむつや、肌荒れを防ぐ機能を有するおむつ等である。
【0077】
「サイズ」は、「商品ID」に対応付けられた商品のサイズに関する情報である。例えば、サイズは、S、M、L等である。「商品」は、「商品ID」に対応付けられた商品に関する情報である。「在庫数」は、「商品ID」に対応付けられた商品の在庫数に関する情報である。例えば、在庫数は、施設で管理している不織布製品の枚数である。
【0078】
「回収量」は、「施設ID」に対応付けられた回収された商品の量に関する情報である。「回収履歴」は、「施設ID」に対応付けられた情報であって、これまでに回収された商品の量の履歴に関する情報である。例えば、回収履歴は、回収された日時と、回収された商品の量とが対応付けられた情報である。また、回収履歴は、回収された使用済みおむつがリサイクルされたか否かに関する情報や、回収された使用済みおむつがリサイクルされたことを示す回数に関する情報を含んでもよい。なお、回収履歴は、これまでに回収された商品の総量に関する情報であってもよい。
【0079】
例えば、図3では、施設IDによって識別された「F1」は、住所が「AD1」であり、配送業者IDが「SH1」であり、商品IDが「M1」であり、種別が「CA1」であり、サイズが「SZ1」であり、商品が「MA1」であり、在庫数が「PM1」である。また、「F1」は、回収量が「AR1」であり、回収履歴が「HR1」である。
【0080】
なお、図3に示した例では、住所等を、「AD1」等の抽象的な符号で表現したが、住所等は、数値や、文字列や、住所等に関する情報を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0081】
(使用者情報記憶部122について)
使用者情報記憶部122は、使用者に関する各種情報を記憶する。ここで、図4に、実施形態に係る使用者情報記憶部122の一例を示す。図4に示した例では、使用者情報記憶部122は、「使用者ID」、「使用者情報」といった項目を有する。例えば、「使用者情報」は、「施設ID」、「商品ID」、「種別」、「サイズ」、「商品」、「使用数」、「回収量」といった項目を有する。
【0082】
「使用者ID」は、使用者を識別する識別子である。「施設ID」は、「使用者ID」に対応付けられた施設を識別する識別子である。ここで、施設とは、使用者が利用する施設である。
【0083】
「商品ID」は、商品を識別する識別子である。「種別」は、「商品ID」に対応付けられた商品の種別に関する情報である。例えば、商品がおむつであるものとする。この場合、おむつの種別は、子供用のおむつや、大人用のおむつ等である。また、おむつの種別は、テープ型のおむつや、パンツ型のおむつ等である。また、おむつの種別は、標準的なおむつや、肌荒れを防ぐ機能を有するおむつ等である。
【0084】
「サイズ」は、「商品ID」に対応付けられた商品のサイズに関する情報である。例えば、サイズは、S、M、L等である。「商品」は、「商品ID」に対応付けられた商品に関する情報である。「使用数」は、「使用者ID」に対応付けられた使用者に使用された不織布製品の数に関する情報である。例えば、使用数は、1日に使用者によって使用された不織布製品の数に関する情報である。「回収量」は、「使用者ID」に対応付けられた回収した不織布製品の量に関する情報である。
【0085】
例えば、図4では、使用者IDによって識別された「U1」は、施設IDが「F1」であり、商品IDが「M1」であり、種別が「CA1」であり、サイズが「SZ1」であり、商品が「MA1」であり、使用数が「AU1」であり、回収量が「AR1」である。
【0086】
なお、図4に示した例では、種別等を、「CA1」等の抽象的な符号で表現したが、種別等は、数値や、文字列や、種別等に関する情報を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0087】
(追跡情報記憶部123について)
追跡情報記憶部123は、使用済みの不織布製品がリサイクルされる過程に関する各種情報を記憶する。例えば、使用済みの不織布製品がリサイクルされる過程に関する情報とは、使用済みの不織布製品がリサイクルされる過程を追跡可能な追跡情報等である。
【0088】
ここで、図5に、実施形態に係る追跡情報記憶部123の一例を示す。図5に示した例では、追跡情報記憶部123は、「追跡情報ID」、「施設ID」、「寄与度」、「追跡情報」、「ランキング情報」といった項目を有する。
【0089】
「追跡情報ID」は、追跡情報を識別する識別子である。「施設ID」は、「追跡情報ID」に対応付けられた施設を識別する識別子である。「寄与度」は、「施設ID」に対応付けられた寄与度に関する情報である。ここで、寄与度とは、環境負荷の低減への貢献度を示すスコアである。
【0090】
「追跡情報」は、「追跡情報ID」に対応付けられた使用済みの不織布製品がリサイクルされる過程を追跡可能な追跡情報である。「ランキング情報」は、「追跡情報ID」に対応付けられた施設のランキングに関する情報である。
【0091】
例えば、ランキング情報は、施設から回収された使用済みの不織布製品の回収量に基づいて順位付けられたランキングに関する情報である。また、ランキング情報は、施設から回収された使用済みの不織布製品の質に基づいて順位付けられたランキングに関する情報である。また、ランキング情報は、施設の寄与度に基づいて順位付けられたランキングに関する情報である。
【0092】
例えば、図5では、追跡情報IDによって識別された「T1」は、施設IDが「F1」であり、寄与度が「CO1」であり、追跡情報が「IT1」であり、ランキング情報が「LI1」である。
【0093】
なお、図5に示した例では、寄与度等を、「CO1」等の抽象的な符号で表現したが、寄与度等は、数値や、文字列や、寄与度等に関する情報を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0094】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0095】
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、管理部132と、推定部133と、生成部134と、提供部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0096】
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。具体的には、取得部131は、使用者によって使用された使用済みおむつの回収に関する回収情報と、使用者によって使用されるおむつの補充に関する補充情報とを、使用者が利用する施設毎に取得する。
【0097】
例えば、取得部131は、補充情報として、おむつの在庫に関する在庫数に関する情報と、回収情報として、使用済みおむつの回収量に関する情報とを施設サーバ10から取得する。そして、取得部131は、かかる補充情報と、回収情報とを管理情報記憶部121に記憶する。
【0098】
他の例として、取得部131は、補充情報として在庫数に関する情報の他に、おむつの種別に関する情報や、おむつのサイズに関する情報等を取得してもよい。そして、取得部131は、取得したおむつの種別に関する情報や、おむつのサイズに関する情報等を管理情報記憶部121に記憶してもよい。
【0099】
取得部131は、回収情報として使用済みおむつの回収量に関する情報の他に、これまでに使用済みおむつを回収した履歴を示す回収履歴に関する情報等を取得してもよい。そして、取得部131は、取得した回収履歴を管理情報記憶部121に記憶してもよい。
【0100】
(管理部132について)
管理部132は、各種情報を管理する。具体的には、管理部132は、取得部131によって取得された補充情報と、回収情報とに基づいて、各種情報を施設毎に管理する。例えば、管理部132は、各種情報として、おむつの在庫情報や、使用済みおむつの量に関する情報等を施設毎に管理する。より具体的な例を挙げると、管理部132は、管理情報記憶部121に記憶される各種情報として、おむつの在庫数に関する情報や、使用済みおむつの回収量に関する情報等を施設毎に管理する。
【0101】
(推定部133について)
推定部133は、取得部131によって取得された回収情報と、補充情報とに基づいて、施設から回収する使用済みおむつの量である回収量と、施設に対して補充するおむつの量である補充量とを推定する。
【0102】
図3の例では、推定部133は、管理情報記憶部121に記憶される施設IDが「F1」によって識別される施設「F1」のおむつの在庫数に関する情報と、管理情報記憶部121に記憶される施設「F1」の使用済みおむつの回収量に関する情報とに基づいて、施設「F1」から回収する使用済みおむつの回収量と、施設「F1」に対して補充するおむつの補充量とを推定する。
【0103】
より具体的な例を挙げると、推定部133は、回収情報が示す使用済みおむつの回収量を回収量として推定する。また、推定部133は、施設「F1」がおむつを在庫として管理可能な枚数である所定数から在庫数の差分を補充量として推定する。
【0104】
また、推定部133は、管理情報記憶部121に記憶される回収履歴に基づいて、施設毎に寄与度を推定してもよい。そして、推定部133は、推定した寄与度を追跡情報記憶部123に記憶する。
【0105】
例えば、推定部133は、回収履歴のうち、回収された使用済みおむつがリサイクルされたことを示す回数が多いほど、寄与度が高くなるような任意の数式に基づいて、寄与度を推定する。すなわち、使用済みおむつがリサイクルされたことを示す回数が高いほど推定される施設の寄与度は、高くなる。一方、使用済みおむつがリサイクルされたことを示す回数が低いほど推定される施設の寄与度は、低くなる。
【0106】
(生成部134について)
生成部134は、各種情報を生成する。具体的には、生成部134は、各種情報に基づいて、リサイクルされる過程に関わる事業者であって、使用済みおむつが回収される施設の事業者に対して、順位付けを行ったランキングに関するランキング情報を生成する。
【0107】
例えば、生成部134は、施設から回収された使用済みおむつの回収量に基づいて、施設が、回収量が多い順番に順位付けられたランキング情報を生成する。また、生成部134は、施設を利用する使用者毎に回収された使用済みおむつの回収量に基づいて、使用者が、回収量が多い順番に順位付けられたランキング情報を生成してもよい。
【0108】
他の例では、生成部134は、施設から回収された使用済みおむつの質に基づいて、施設が、質が高い順番に順位付けられたランキング情報を生成する。ここで、使用済みおむつの質とは、リサイクル処理が行いやすい度合いによって決定される。例えば、使用済みおむつに排泄物以外の髪・使用済みおむつを包む紙や新聞紙等の不純物が含まれている場合に、質が低くなる。また、使用済みおむつに含まれる排泄物のうち、便の量が所定量以上である場合に、質が低くなる。また、使用済みおむつに含まれる排泄物が尿のみである場合に、質が高くなる。また、使用済みおむつを廃棄する際に使用済みおむつを封入したゴミ袋がリサイクルしやすい素材で作成されたゴミ袋(例えば、紙製のゴミ袋や、パルプ材が使用されたゴミ袋等)である場合に、質が高くなる。このような傾向に基づいて、使用済みの不織布製品の質がスコアリングされる。なお、使用済みおむつが種別毎、サイズ毎、大人用又は子供用毎に分類されて回収されている場合、使用済みの不織布製品の質が高いとスコアリングされてもよい。
【0109】
より具体的な例を挙げると、リサイクル業者が管理するサーバから、回収された使用済みおむつの質に関する情報が提供されるものとする。この場合、生成部134は、提供された使用済みおむつの質に関する情報に基づいて、施設が、質が高い順番に順位付けられたランキング情報を生成する。
【0110】
また、生成部134は、推定部133によって推定された寄与度に基づいて、施設が順位付けられたランキング情報を生成してもよい。
【0111】
また、生成部134は、使用済みおむつがリサイクルされる過程に関する情報に基づいて、使用済みおむつがリサイクルされる過程を示す情報である追跡情報を生成する。
【0112】
例えば、リサイクルされる過程に関わる事業者が管理するサーバから、使用済みおむつがリサイクルされている状況に関する情報を常時、又は、定期的に取得するものとする。この場合、取得部131は、使用済みおむつが回収される施設サーバ10が示す住所に関する情報又は位置情報や、使用済みおむつを配送している移動体の位置情報や、リサイクル工場FO1のリサイクル業者が管理するサーバから取得された状況に関する情報等を取得する。
【0113】
より具体的な例を挙げると、取得部131は、使用済みおむつの回収量に関する情報や、回収された使用済みおむつが現在どの場所に位置するかといった情報や、リサイクル工場FO1でリサイクルされる各種工程(例えば、分解中、洗浄中、分解後の新たなおむつへ生まれ変わる最中等)のうち、現在、どの工程が実施されているかといった情報等を取得する。そして、生成部134は、取得部131によって取得された位置情報及び状況に関する情報に基づいて、回収された使用済みおむつが現在どの場所に位置するかを示す地図情報を生成する。なお、生成部134によって利用される地図情報は、地図情報を提供する所定の外部サーバから取得するものとする。
【0114】
また、地図情報は、使用済みおむつの位置を示す所定のアイコンが地図に重畳されるように表示された地図情報である。このようにして、生成部134は、地図情報を追跡情報として生成する。そして、生成部134は、生成した地図情報を追跡情報記憶部123に記憶する。
【0115】
ここで、地図情報には、どのような事業者が使用済みおむつのリサイクルに関わっているかを示す情報が表示されてもよい。この場合、地図情報には、使用済みおむつのリサイクルに関わっている施設が表示される。
【0116】
また、地図情報には、使用済みおむつを回収した施設毎に、これまで回収された回収量や、回収された使用済みおむつをリサイクルして作成された新しいおむつの量等に関する情報が表示されてもよい。なお、回収された使用済みおむつをリサイクルして作成された新しいおむつの量に関する情報は、リサイクル業者から提供されるものとする。
【0117】
(提供部135について)
提供部135は、各種情報を提供する。具体的には、提供部135は、回収情報と、補充情報とに基づいて、使用済みおむつの回収と、おむつの補充とに関する作業を施設毎に実行するための作業情報を配送業者サーバ20に提供する。
【0118】
例えば、提供部135は、管理情報記憶部121によって記憶される施設「F1」から使用済みおむつを回収する回収量が所定の量以上であり、且つ、施設「F1」に対しておむつを補充する補充量が所定の量以上である場合、回収量及び補充量が所定の条件を満たすと判定する。この場合、提供部135は、1週間後に、回収量分の使用済みおむつを施設「F1」から回収し、補充量分のおむつを施設「F1」に対して補充するといった作業スケジュールに関する情報を作業情報として配送業者サーバ20に提供する。
【0119】
一方、提供部135は、管理情報記憶部121によって記憶される施設「F1」から使用済みおむつを回収する回収量が所定の量未満であり、且つ、施設「F1」に対しておむつを補充する補充量が所定の量以上である場合、回収量及び補充量が所定の条件を満たさないと判定する。また、提供部135は、管理情報記憶部121によって記憶される施設「F1」から使用済みおむつを回収する回収量が所定の量以上であり、且つ、施設「F1」に対しておむつを補充する補充量が所定の量未満である場合、回収量及び補充量が所定の条件を満たさないと判定する。また、提供部135は、管理情報記憶部121によって記憶される施設「F1」から使用済みおむつを回収する回収量が所定の量未満であり、且つ、施設「F1」に対しておむつを補充する補充量が所定の量未満である場合、回収量及び補充量が所定の条件を満たさないと判定する。これらの場合、提供部135は、作業情報を配送業者サーバ20に提供しない。
【0120】
なお、上記例では、提供部135が、回収量及び補充量が所定の条件を満たすか否かを判定する例について説明したが、これに限定されなくともよい。例えば、提供部135は、回収量又は補充量のいずれか一方が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、提供部135は、回収量又は補充量のいずれか一方が所定の条件を満たすと判定した場合、作業情報を配送業者サーバ20に提供してもよい。
【0121】
より具体的な例を挙げると、提供部135は、回収量が所定の閾値以上である場合、且つ、補充量が所定の閾値未満である場合、作業情報を提供してもよい。また、提供部135は、回収量が所定の閾値未満である場合、且つ、補充量が所定の閾値以上である場合、作業情報を提供してもよい。
【0122】
また、提供部135は、生成部134によって生成された追跡情報や、ランキング情報を施設サーバ10にさらに提供する。また、提供部135は、使用者が利用する施設の追跡情報や、ランキング情報等を、使用者を養護する利用者によって利用される端末装置にさらに提供してもよい。
【0123】
また、提供部135は、ランキング情報を提供する提供先の施設が、上位5位以内である場合に、環境保全に貢献していることを示すメッセージをさらに提供してもよい。例えば、提供部135は、「施設Xの取り組みのおかげで、木をY本切らずに済みました!」や、「施設Xの取り組みのおかげで、COの排出がZ%抑えることができました!」といったメッセージを施設サーバ10にさらに提供してもよい。
【0124】
〔4.処理手順(1)〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する管理処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0125】
図6に示すように、取得部131は、回収情報と、補充情報とを取得する(ステップS101)。続いて、管理部132は、回収情報と、補充情報とに基づいて、各種情報を管理する(ステップS102)。
【0126】
〔5.処理手順(2)〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する提供処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0127】
図7に示すように、取得部131は、回収情報と、補充情報とを取得する(ステップS201)。続いて、推定部133は、回収量と、補充量とを推定する(ステップS202)。
【0128】
そして、提供部135は、回収量と、補充量とが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、提供部135は、回収量と、補充量とが所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS203;No)、ステップS201の前まで戻る。例えば、提供部135は、回収量が所定の閾値未満である場合、且つ、補充量が所定の閾値以上である場合、ステップS201の前まで戻る。
【0129】
一方、提供部135は、回収量と、補充量とが所定の条件を満たすと判定した場合(ステップS203;Yes)、作業情報を提供する(ステップS204)。例えば、提供部135は、回収量が所定の閾値以上である場合、且つ、補充量が所定の閾値以上である場合、作業情報を提供する。
【0130】
〔6.変形例〕
上述した情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0131】
〔6-1.不織布製品〕
上記実施形態では、不織布製品がおむつである例について説明したが、これに限定されない。例えば、不織布製品は、生理用品、軽度の失禁用のパッド、尿取りパッド、おしりふき、ベッドシート等であってもよい。また、不織布製品は、使用者を養護する親や、兄弟や、親族等の利用者が予め契約しているサブスクリプションサービスによって提供された不織布製品であってもよい。
【0132】
他の例として、不織布製品は、ペットが使用するおむつや、ペットシート等であってもよい。この場合、不織布製品は、動物病院、生体を取り扱うペットショップ、トリマー施設、ペットを一時的に預かる施設等のペット関連施設等においてペットに対して使用される。
【0133】
〔6-2.情報処理〕
上記実施形態では、提供部135が配送業者サーバ20に対して作業情報を提供する例について説明したが、これに限定されない。例えば、提供部135は、使用済みの不織布製品を回収する回収業者と、不織布製品を補充する補充業者とにそれぞれ作業情報を提供してもよい。
【0134】
例えば、提供部135は、作業情報として、不織布製品の補充に関する作業を実行するための補充作業情報を、補充業者に対して提供してもよい。そして、提供部135は、作業情報として、使用済みの不織布製品をリサイクル対象として回収するための回収作業情報を、回収事業者に対して提供してもよい。
【0135】
〔6-3.作業情報〕
上記実施形態では、作業情報が使用済みおむつの回収と、おむつの補充とに関する作業を施設毎に実行するための作業情報である例について説明したが、これに限定されない。例えば、作業情報は、先におむつの配送が行える施設に優先的に訪問するような作業スケジュールを含んでもよい。
【0136】
また、作業情報は、おむつの配送及び使用済みおむつの回収を行う優先順位が高い施設から先におむつの配送及び使用済みおむつの回収を行う作業スケジュールを含んでもよい。より具体的な例を挙げると、作業情報は、幼稚園や保育園から先におむつの配送と、使用済みおむつの回収とを行い、そして、介護施設におむつの配送と、使用済みおむつの回収とを行う作業スケジュールを含んでもよい。すなわち、作業スケジュールは、子供が排出した使用済みおむつを先に回収し、大人が排出した使用済みおむつを後に回収する作業スケジュールである。
【0137】
また、作業情報は、まず、各施設におむつを配送した後に、各施設に対して使用済みおむつを回収する作業スケジュールを含んでもよい。
【0138】
また、作業情報は、おむつの配送だけを行う施設と、おむつの配送及び使用済みおむつの回収を行う施設とに対する作業スケジュールが含まれる作業情報であってもよい。より具体的な例を挙げると、介護施設が使用済みおむつを焼却できる焼却施設を有するものとする。この場合、作業情報は、介護施設に対しておむつの配送だけを行い、他の施設に対しておむつの配送及び使用済みおむつの回収を行う作業スケジュールを含んでもよい。
【0139】
また、作業情報は、図1に示す介護施設NU1と、保育園KI1とにおむつの配送と、使用済みおむつの回収とを行った後に、再度、物流センターLO1に戻り、補充するおむつを取得し、さらに他の施設におむつの配送と、使用済みおむつの回収とを行い、そして、リサイクル工場FO1に行く作業スケジュールを含んでもよい。このように、作業情報は、物流センターLO1で複数回の補充を含む作業情報であってもよい。
【0140】
また、作業情報は、図1に示す介護施設NU1と、保育園KI1とにおむつの配送と、使用済みおむつの回収とを行った後でリサイクル工場FO1に行き、その後、他の施設におむつの配送と、使用済みおむつの回収とを行う作業スケジュールを含んでもよい。
【0141】
また、施設によっておむつを受取る時間帯が指定されている場合、作業情報は、かかる時間帯におむつの配送が行えるような作業スケジュールを含んでもよい。
【0142】
また、作業情報は、1台の移動体に対する作業スケジュールだけでなく、複数台の移動体に対する作業スケジュールを含んでもよい。例えば、おむつの配送と、使用済みおむつの回収とを行う施設が移動体毎に割り振られているものとする。この場合、作業情報は、複数台の移動体に対する作業スケジュールを含んでもよい。また、作業情報は、複数台の移動体がおむつの配送と、使用済みおむつの回収とを効率的に行えるための配送ルートを含む作業情報であってもよい。この場合、配送ルートは、移動体毎に指定される。
【0143】
また、各施設から回収された使用済みおむつは、一度、所定の場所に集められてもよい。そして、配送業者SH1は、所定の場所から、大型のトラックを利用してリサイクル工場FO1に使用済みおむつを配送してもよい。このとき、作業情報は、各施設から回収された使用済みおむつを所定の場所に集めるような作業スケジュールを含んでもよい。
【0144】
〔6-4.回収装置〕
上記実施形態では、施設から使用済みおむつを回収する例について説明したが、これに限定されない。例えば、使用済みおむつは、施設に設置された所定の回収装置に回収されてもよい。
【0145】
例えば、回収装置は、回収装置内部に使用済みおむつを収容する収容部や、内部に収容される複数のおむつの重量又は在庫数を検出するための検出センサ等を有するリサイクル箱であってもよい。
【0146】
より具体的な例を挙げると、回収装置が蓋を有し、密閉可能な箱であるものとする。また、回収装置が蓋を空けるためのボタンを有するものとする。この場合、回収装置は、施設の事業者によって回収装置が有するボタンが押下された場合に、蓋を開く。続いて、施設の事業者が使用済みおむつを回収装置に廃棄する。そして、回収装置は、施設の事業者によって回収装置が有するボタンが押下された場合に、蓋を閉める。
【0147】
また、回収装置は、検出センサとして、加重センサや、圧力センサ等を用いて、加重センサや、圧力センサ等によって検知された検知情報に基づいて、使用済みおむつの枚数を算出する。
【0148】
また、回収装置は、各装置と双方向に通信を行うための通信部等を有する。例えば、通信部は、LTE(Long Term Evolution)や、LTE-Advanced等の4G(Generation)や、5Gや、Bluetooth(登録商標)や、Wifi(登録商標)(Wireless Fidelity)等の無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信又は各種の有線通信でネットワークNと接続され、ネットワークNを介して各種の装置と通信を行う。これにより、取得部131は、使用済みおむつの回収量に関する情報を回収装置から直接取得してもよい。
【0149】
また、回収装置は、各種従来技術を用いることにより、使用済みおむつに対してリサイクルするためのリサイクル前処理(リサイクル処理のための一次処理)をさらに行ってもよい。
【0150】
例えば、回収装置は、おむつを構成する高吸水性樹脂に対して排泄物(特に、尿や、便)を分離するための多価金属塩、特にアルカリ土類金属塩、たとえばカルシウム塩を含む化合物、例えば塩化カルシウム、もしくはこれらの塩を含む水溶液や、洗浄用のアルコールや、排泄物の臭いを低減させる薬剤等の処理剤を用いて、リサイクル前処理を行う。
【0151】
また、回収装置は、使用済みおむつに対して処理剤を用いたリサイクル前処理を行うことで、使用済みおむつの体積を減少させる。これにより、回収装置は、配送業者SH1が使用済みおむつをリサイクル工場FO1に配送するときに、より多くの使用済みおむつを一度に配送することができる。このように、回収装置は、配送業者SH1に対して、リサイクル対象を輸送する手間を低減させることができる。
【0152】
〔6-5.移動体の考慮〕
上記実施形態では、推定部133が取得部131によって取得された回収情報と、補充情報とに基づいて、施設から回収する使用済みおむつの量である回収量と、施設に対して補充するおむつの量である補充量とを推定する例について説明したが、これに限定されない。具体的には、推定部133は、回収情報と、補充情報と、使用済みの不織布製品及び不織布製品を配送する移動体に関する情報とに基づいて、回収量と、補充量とを推定してもよい。ここで、移動体とは、例えば、トラック等の荷物を配送する自動車等である。
【0153】
例えば、移動体に関する情報として、トラックの積載可能な積載量に関する情報が記憶部120に予め記憶されているものとする。この場合、推定部133は、おむつの在庫数に関する情報と、使用済みおむつの回収量と、トラックの積載量とに基づいて、回収量と、補充量とを推定してもよい。
【0154】
より具体的な例を挙げると、推定部133は、回収情報が示す使用済みおむつの回収量を回収量として推定する。また、推定部133は、施設がおむつを在庫として管理可能な枚数である所定数から在庫数の差分を補充量として推定する。そして、推定部133は、トラックの積載量を考慮して、推定した回収量及び補充量を変動させる。
【0155】
このようにして、推定部133は、トラックの積載量を考慮した回収量と、補充量とを推定する。これにより、推定部133は、使用済みおむつのような規則的に折りたためない物品に対してもトラックの積載量を考慮して回収量と、補充量とを推定するため、使用済みのおむつ及び新しいおむつを配送する効率を高めることができる。
【0156】
また、移動体に関する情報として、トラックの積載可能な重量に関する情報が記憶部120に予め記憶されているものとする。この場合、推定部133は、回収情報と、補充情報と、トラックの積載可能な重量とに基づいて、回収量と、補充量とを推定してもよい。
【0157】
より具体的な例を挙げると、推定部133は、回収情報が示す使用済みおむつの回収量を回収量として推定する。また、推定部133は、施設がおむつを在庫として管理可能な枚数である所定数から在庫数の差分を補充量として推定する。そして、推定部133は、トラックの積載可能な重量を考慮して、推定した回収量及び補充量を変動させる。
【0158】
このようにして、推定部133は、トラックの積載可能な重量を考慮した回収量と、補充量とを推定する。これにより、推定部133は、使用済みおむつのように排泄物を吸収し、重くなった物品に対してもトラックの積載可能な重量を考慮して回収量と、補充量とを推定するため、使用済みのおむつ及び新しいおむつを配送する効率を高めることができる。
【0159】
このように、推定部133は、回収情報と、補充情報と、使用済みの不織布製品及び不織布製品を配送する移動体に関する情報とに基づいて、回収量と、補充量とを推定するため、使用済みの不織布製品及び不織布製品を配送する効率を高めることができる。なお、推定部133は、おむつの在庫数に関する情報と、使用済みおむつの回収量と、トラックの積載量と、トラックの積載可能な重量とに基づいて、回収量と、補充量とを推定してもよい。
【0160】
〔6-6.追跡情報〕
上記実施形態では、生成部134が、使用済みおむつがリサイクルされる過程に関する情報に基づいて、使用済みおむつがリサイクルされる過程を示す情報である追跡情報を生成する例について説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置100は、ブロックチェーン技術を用いて、リサイクルされる過程を示す情報を他の事業者と共有してもよい。
【0161】
より具体的な例を挙げると、リサイクルされる過程に関わる事業者が管理するサーバが、ブロックチェーンを利用する所定のプラットフォームに接続可能であるものとする。この場合、各事業者が、施設の位置情報や、移動体の位置情報や、使用済みおむつがリサイクルされている状況に関する情報等を所定のプラットフォームを介して共有することで、情報処理装置100は、リサイクルされる過程を示す情報を取得してもよい。
【0162】
〔6-7.使用情報〕
また、取得部131は、使用者に関する使用者情報を施設サーバ10からさらに取得してもよい。例えば、取得部131は、使用者情報として、使用者によって使用されるおむつに関する情報や、おむつの種別に関する情報や、おむつのサイズに関する情報や、1日におむつを使用する使用数に関する情報や、使用者によって使用された使用済みのおむつの回収量に関する情報等を取得する。そして、取得部131は、取得した使用者情報を使用者情報記憶部122に記憶する。さらに、管理部132は、使用者情報を管理してもよい。また、管理部132は、使用者の数を施設毎に管理してもよい。
【0163】
また、取得部131は、さらに、使用者情報として、使用者の年齢や、性別や、体重や、身長等に関する情報等を取得してもよい。そして、取得部131は、さらに取得した使用者情報を使用者情報記憶部122に記憶する。
【0164】
また、推定部133は、使用者情報記憶部122に記憶される使用済みのおむつの回収量に関する情報に基づいて、使用者毎に寄与度を推定してもよい。続いて、生成部134は、推定部133によって推定された寄与度に基づいて、使用者が順位付けられたランキング情報を生成してもよい。そして、提供部135は、使用者のランキング情報を端末装置にさらに提供してもよい。また、提供部135は、ランキング情報を提供する提供先の端末装置を利用する利用者が養護している使用者が、上位5位以内である場合に、環境保全に貢献していることを示すメッセージを提供してもよい。例えば、提供部135は、「あなたの行動の結果、木をX本切らずに済みました!」や、「あなたの行動の結果、COの排出がY%抑えることができました!」といったメッセージを端末装置に提供してもよい。
【0165】
〔6-8.リサイクル後の処理〕
また、配送業者SH1は、使用済みおむつに対してリサイクル工場FO1にてリサイクル処理を行った後、リサイクル処理されることで得られたパルプ材を、情報処理装置100を管理する事業者に提供してもよい。この場合、配送業者SH1は、パルプ材を提供する代わりに所定の報酬を、情報処理装置100を管理する事業者から受けてもよい。
【0166】
また、情報処理装置100を管理する事業者は、配送業者SH1によって提供されたパルプ材を用いて、リサイクルされた不織布製品を作成してもよい。この場合、情報処理装置100を管理する事業者は、例えば、高齢者等の大人用のおむつからリサイクルされたパルプ材を利用して、子供用のおむつを作成してもよい。このとき、提供部135は、大人用のおむつを回収した施設に対して、回収されたおむつから子供用のおむつが作成され、子供達のためになっているといった旨のメッセージを提供してもよい。
【0167】
また、情報処理装置100を管理する事業者は、例えば、子供用のおむつからリサイクルされたパルプ材を利用して、子供用のおむつを作成してもよい。また、情報処理装置100を管理する事業者は、例えば、大人用のおむつからリサイクルされたパルプ材を利用して、大人用のおむつを作成してもよい。また、情報処理装置100を管理する事業者は、例えば、子供用のおむつからリサイクルされたパルプ材を利用して、大人用のおむつを作成してもよい。
【0168】
〔6-9.インセンティブ〕
また、提供部135は、生成部134によって生成されたランキング情報に基づいて、インセンティブに関する情報を提供してもよい。例えば、提供部135は、施設のランキング情報が示すランキングのうち、所定の順位以上である施設に対してインセンティブに関する情報を提供してもよい。
【0169】
ここで、インセンティブに関する情報とは、1つ以上の不織布製品に関する情報等である。例えば、インセンティブに関する情報とは、1つ以上の無料で提供可能なおむつに関する情報や、1つ以上の無料で提供可能なおしりふきに関する情報等である。これにより、提供部135は、施設の事業者に対して、リサイクルする動機付けを与えることができる。
【0170】
また、提供部135は、使用者のランキング情報が示すランキングのうち、所定の順位以上である使用者に対してインセンティブに関する情報を提供してもよい。これにより、提供部135は、使用者及び使用者を養護する利用者に対して、リサイクルする動機付けを与えることができる。また、提供部135は、使用者及び利用者に対して、ゲーミング性を提供することで、使用済みおむつをリサイクルすることへの心理的な障害を低減することができる。
【0171】
〔6-10.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0172】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。
【0173】
また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組合せて実行されてもよい。
【0174】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、提供部は、提供手段や提供回路に読み替えることができる。
【0175】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る施設サーバ10や、配送業者サーバ20や、情報処理装置100は、例えば、図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0176】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0177】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0178】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0179】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0180】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現することとなる。
【0181】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。
【符号の説明】
【0182】
N ネットワーク
1 情報処理システム
10 施設サーバ
20 配送業者サーバ
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 管理情報記憶部
122 使用者情報記憶部
123 追跡情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 管理部
133 推定部
134 生成部
135 提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8