(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】基板モジュール、又は、発光モジュール
(51)【国際特許分類】
H05K 1/18 20060101AFI20231122BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231122BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20231122BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231122BHJP
F21V 29/10 20150101ALI20231122BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20231122BHJP
F21V 29/508 20150101ALI20231122BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20231122BHJP
H01S 5/022 20210101ALI20231122BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20231122BHJP
H05K 3/36 20060101ALI20231122BHJP
F21Y 107/70 20160101ALN20231122BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231122BHJP
【FI】
H05K1/18 S
F21S2/00 371
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V23/00 117
F21V23/00 200
F21V29/10
F21V29/503
F21V29/508
F21V29/70
H01S5/022
H05K1/14 C
H05K3/36 Z
F21Y107:70
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020101645
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2021-07-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼鶴 一真
【合議体】
【審判長】篠塚 隆
【審判官】山澤 宏
【審判官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-127154(JP,A)
【文献】特開2013-105794(JP,A)
【文献】特開平11-344720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H05K 1/18
H05K 3/36
H01S 5/022
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、下面と、を有し、上面に複数の配線領域が設けられた基板と、
前記複数の配線領域に含まれる複数の第1配線領域に配置され、外部から電力の供給を受ける1以上の被給電装置と、
前記複数の第1配線領域と電気的に接続し前記複数の配線領域に含まれる複数の第2配線領域に配置され、第1接続部を有する第1接続部品と、
前記基板の上面に配置され、前記被給電装置の動作環境において保護される対象となる被保護部品と、
を備え、
前記被保護部品は、上面視で、前記第1接続部品の第1方向に係る両端を通り第1方向に垂直な第2方向に進む2つの直線の間、かつ、第2方向に対向する前記被給電装置の側面と前記第1接続部品の側面とをそれぞれ含む2つの平面の間、に配置され、
前記複数の配線領域は、前記第2配線領域から前記第1方向に離れた位置に設けられる1または複数の第3配線領域と、前記第2配線領域から前記第1方向に離れた位置であって1または複数の第3配線領域とは反対の位置に設けられる1または複数の第4配線領域と、を含み、
前記第1配線領域は、上面視で、前記第2配線領域から前記第2方向に離れた位置に設けられ、
前記1または複数の第3配線領域及び1または複数の第4配線領域は、前記第1接続部品を介することを要せずに、前記複数の第1配線領域と電気的に接続し、
前記1または複数の第3配線領域及び1または複数の第4配線領域は、前記複数の第2配線領域と電気的に接続する基板モジュール。
【請求項2】
前記被給電装置は、発光装置である請求項1に記載の基板モジュール。
【請求項3】
前記被保護部品は、サーミスタである請求項1または2に記載の基板モジュール。
【請求項4】
前記第1接続部に接続する第2接続部と、前記被保護部品の上方に配置される保護部と、を有し、前記被給電装置へと電力を供給する第2接続部品と、
をさらに備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板モジュール。
【請求項5】
前記保護部は、上面視で、前記第2接続部と重なる領域と、前記第2接続部と重ならない領域と、を有し、前記第2接続部と重ならない領域が前記被保護部品の上方に配置される請求項4に記載の基板モジュール。
【請求項6】
前記第2接続部品は、さらに配線部を有し、
前記第2接続部は、前記配線部の下面と接続し、
前記保護部は、前記配線部の上面と接続し、上面視で、前記配線部と重なる領域と、前記配線部と重ならない領域と、を有し、前記配線部と重ならない領域が前記被保護部品の上方に配置される請求項4または5に記載の基板モジュール。
【請求項7】
前記配線部は、フレキシブルプリント回路基板である請求項6に記載の基板モジュール。
【請求項8】
上面と、下面と、を有し、上面に複数の配線領域が設けられた基板と、
前記複数の配線領域に含まれる複数の第1配線領域に配置され、外部から電力の供給を受ける1以上の発光装置と、
前記基板の上面に配置され、前記発光装置の動作環境において光から保護される対象となる被保護部品と、
前記複数の第1配線領域と電気的に接続し前記複数の配線領域に含まれる複数の第2配線領域に配置され、第1接続部を有する第1接続部品と、
を備え、
前記被保護部品は、上面視で、前記第1接続部品の第1方向に係る両端を通り第1方向に垂直な第2方向に進む2つの直線の間、かつ、第2方向に対向する前記発光装置の側面と前記第1接続部品の側面とをそれぞれ含む2つの平面の間、に配置され、
前記複数の配線領域は、前記第2配線領域から前記第1方向に離れた位置に設けられる1または複数の第3配線領域と、前記第2配線領域から前記第1方向に離れた位置であって1または複数の第3配線領域とは反対の位置に設けられる1または複数の第4配線領域と、を含み、
前記第1配線領域は、上面視で、前記第2配線領域から前記第2方向に離れた位置に設けられ、
前記1または複数の第3配線領域及び1または複数の第4配線領域は、前記第1接続部品を介することを要せずに、前記複数の第1配線領域と電気的に接続し、
前記1または複数の第3配線領域及び1または複数の第4配線領域は、前記複数の第2配線領域と電気的に接続する発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板モジュール、又は、発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光装置への給電のために、発光装置とコネクタが実装された発光モジュールが開示されている。コネクタを備え付けておくことで、発光装置との電気的な接続を簡便に行うことができる。また、発光装置には、動作時の温度を測定するためにサーミスタが設けられることがある。特許文献1では、サーミスタが発光装置の内部に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、サーミスタが発光装置の外からの光から保護されているが、発光装置の外にサーミスタを配置する場合であっても、サーミスタを外光から保護することが求められる場合がある。また、保護の対象はサーミスタに限らず、何から保護するかの対象も光に限らない。外因から保護される可能性のある部品について、必要に応じて簡便に保護できるように、モジュールを設計しておくことが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に開示される基板モジュールは、上面と、下面と、を有し、上面に複数の配線領域が設けられた基板と、前記複数の配線領域に含まれる複数の第1配線領域に配置され、外部から電力の供給を受ける1以上の被給電装置と、前記基板の上面に配置され、前記被給電装置の動作環境において保護される対象となる被保護部品と、前記複数の第1配線領域と電気的に接続し前記複数の配線領域に含まれる複数の第2配線領域に配置され、第1接続部を有する第1接続部品と、を備え、前記被保護部品は、上面視で、前記第1接続部品の第1方向に係る両端を通り第1方向に垂直な第2方向に進む2つの直線の間、かつ、第2方向に対向する前記被給電装置の側面と前記第1接続部品の側面とをそれぞれ含む2つの平面の間、に配置される。
【0006】
実施形態に開示される発光モジュールは、上面と、下面と、を有し、上面に複数の配線領域が設けられた基板と、前記複数の配線領域に含まれる複数の第1配線領域に配置され、外部から電力の供給を受ける1以上の発光装置と、前記基板の上面に配置され、前記発光装置の動作環境において光から保護される対象となる被保護部品と、前記複数の第1配線領域と電気的に接続し前記複数の配線領域に含まれる複数の第2配線領域に配置され、第1接続部を有する第1接続部品と、を備え、前記被保護部品は、上面視で、前記第1接続部品の第1方向に係る両端を通り第1方向に垂直な第2方向に進む2つの直線の間、かつ、第2方向に対向する前記発光装置の側面と前記第1接続部品の側面とをそれぞれ含む2つの平面の間、に配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、対象の部品を保護する構造を備えたモジュールを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る発光モジュールの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1とは異なる方向からみた、第1実施形態に係る発光モジュールの斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る発光モジュールの上面図である。
【
図4】
図4は、被保護部品が保護された状態における第1実施形態に係る発光モジュールの上面図である。
【
図5】
図5は、被保護部品が保護された状態における第1実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る発光装置の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6とは異なる方向からみた、第1実施形態に係る発光装置の斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る発光装置の上面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る発光装置の内部構造を説明するための上面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る第2接続部品を上面側からみた斜視図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る第2接続部品を下面側からみた斜視図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る発光モジュールの斜視図である。
【
図13】
図13は、
図12とは異なる方向からみた、第2実施形態に係る発光モジュールの斜視図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る発光モジュールの上面図である。
【
図15】
図15は、被保護部品が保護された状態における第2実施形態に係る発光モジュールの上面図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態に係る発光モジュールの六面図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態に係る発光装置の六面図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係る発光モジュールの六面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書または特許請求の範囲において、三角形や四角形などの多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本明細書及び特許請求の範囲で記載される“多角形”の解釈に含まれるものとする。
【0010】
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸など、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、“辺”の解釈には加工された部分も含まれる。なお、部分的な加工のない“多角形”や“辺”を、加工された形状と区別する場合は“厳密な”を付して、例えば、“厳密な四角形”などと記載するものとする。
【0011】
また、本明細書または特許請求の範囲において、ある構成要素に関し、これに該当するものが複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に“第1”、“第2”と付記して区別することがある。また、本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象や観点が異なる場合、本明細書と特許請求の範囲との間で、同一の付記が、同一の対象を指さない場合がある。
【0012】
例えば、本明細書において“第1”、“第2”、“第3”と付記されて区別される対象があり、本明細書の“第1”及び“第3”のみを対象として特許請求の範囲を記載する場合に、特許請求の範囲において“第1”、“第2”と付記された対象が、本明細書において“第1”“第3”と付記された対象を指すことがある。
【0013】
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、示される形態は、本発明の技術思想が具体化されたものではあるが、本発明を限定するものではない。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、重複した説明は適宜省略することがある。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、理解の便宜を図るために誇張していることがある。
【0014】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る基板モジュールについて説明する。
図1乃至
図5は、基板モジュールの例示的な一形態を説明するための図面である。なお、図には、基板モジュールの例示的な一形態である発光モジュール1が記されている。
図1は、発光モジュール1の斜視図である。
図2は、
図1の対角方向からみた発光モジュール1の斜視図である。
図3は、発光モジュール1の上面図である。
図4は、第2接続部品が接続された状態の発光モジュール1の一例を示す上面図である。
図5は、
図4に対応する発光モジュール1の側面図である。
【0015】
図6乃至
図9は、基板モジュールに実装される被給電装置の例示的な一形態を説明するための図面である。なお、図には、被給電装置の例示的な一形態である発光装置20が記されている。
図6は、発光装置20の斜視図である。
図7は、
図6の対角方向からみた発光装置20の斜視図である。
図8は、発光装置20の上面図である。
図9は、発光装置20において発光素子24が配置される領域の上面図である。
【0016】
図11及び
図12は、基板モジュールにおける第2接続部品50の例示的な一形態を説明するための図面である。
図11は、第2接続部品50を上面側からみた斜視図である。
図12は、第2接続部品50を下面側からみた斜視図である。
【0017】
基板モジュールは、基板10、1以上の被給電装置、被保護部品、及び、接続部品40を有する。図示される発光モジュール1では、被給電装置として発光装置20が採用されている。また、被保護部品としてサーミスタ30が採用されている。
【0018】
また、基板モジュールは、接続部品40と接続する、別の接続部品50をさらに有してもよい。これら2つの接続部品を区別して説明するときは、第1接続部品40、第2接続部品50と呼ぶものとする。以下、各構成要素について説明してから、基板モジュールを説明する。
【0019】
(基板10)
基板10は、上面と、下面と、を有する。また、基板10は、板状の形状で形成され、上面視で長方形の外形を有する。基板10の上面には、他の構成要素が配置される。基板10の上面には、複数の配線領域11が設けられる。基板10には、上下方向に貫通する1または複数の貫通孔15が空いている。
【0020】
(被給電装置)
被給電装置は、下面を有する。被給電装置は、外部から電力の供給を受けて作動する装置である。また、被給電装置は、外部電源から電気の供給を受けることで作動する電子部品を備える。図示される発光モジュール1では、電子部品として発光素子24が採用されているが、発光素子24に限らなくてもよい。また、電子部品は発光機能を有さない部品であってもよい。
【0021】
(被保護部品)
被保護部品は、下面を有する。被保護部品は、基板モジュールにおいて、被給電装置が動作している環境下で保護すべき対象の部品である。被保護部品は、被給電装置の動作している環境下で、被給電装置による影響から、または、基板モジュールの外部の影響から、保護すべき対象の部品である。図示される発光モジュール1では、被保護部品してサーミスタ30が採用されているが、サーミスタ30に限らなくてもよい。例えば、ツェナーダイオードを被保護部品とすることもあり得る。
【0022】
(第1接続部品40)
第1接続部品40は、下面を有する。また、第1接続部品40は、接続部41を有する。接続部41には、第2接続部品50が接続される。接続部41は、第1接続部品40の上面側に設けられる。なお、接続部41は、第1接続部品40の側面側に設けられてもよい。
【0023】
(第2接続部品50)
第2接続部品50は、第1接続部品40に接続する接続部51を有する。第1接続部品40と第2接続部品50の接続部を区別して説明する時は、それぞれ第1接続部41、第2接続部51と呼ぶものとする。第2接続部51には、第1接続部品40が接続される。また、第2接続部51は、第1接続部41に接続する。
【0024】
第2接続部品50は、保護部52を有する。保護部52は、第2接続部51の上方に設けられる。また、保護部52は、上面視で、第2接続部51よりも大きいサイズである。また、保護部52は、上面視で、第2接続部51を覆う。
【0025】
保護部52は、被給電装置が動作している環境下で、被保護部品を保護する。従って、保護部52は、被保護部品を保護する特性を有する。例えば、保護部52は、遮光性を有する。これにより、光の影響から被保護部品を保護する。また例えば、保護部52は、放熱性に優れた材料である。これにより、熱の影響から被保護部品を保護する。例えば、保護部52は板状の金属で形成することができる。
【0026】
第2接続部品50は、配線部53を有する。配線部53は、例えば、フレキシブルプリント回路基板である。配線部53は、第2接続部51と電気的に接続している。第2接続部51は、配線部53の下面に配される。
【0027】
また、配線部53の上面に、保護部52が配される。保護部52は、配線部53の上面と接続する。配線部53は、上面視で細長い形状で形成される。細長く伸びる先端部で、第2接続部51は、配線部53の下面と接続する。保護部52は、第2接続部51が接続する先端のさらに先まで延びる。従って、保護部52は、上面視で、第2接続部51と重なる領域と、第2接続部51と重ならない領域と、を有する。また、上面視で、第2接続部51は露出しない。また、保護部52は、上面視で、配線部53と重なる領域と、配線部53と重ならない領域と、を有する。また、上面視で、配線部53は露出しない。
【0028】
(基板モジュール)
基板モジュールにおいて、1以上の被給電装置、被保護部品、及び、第1接続部品40が、基板10の上に実装される。基板10の上面に、被給電装置の下面が接合される。基板10の上面に、被保護部品の下面が接合される。基板10の上面に、第1接続部品40の下面が接合される。
【0029】
また、1以上の被給電装置及び第1接続部品40は、基板10の複数の配線領域11に配置される。これにより、1以上の被給電装置と第1接続部品40とは電気的に接続する。また、被保護部品及び第1接続部品40は、基板10の複数の配線領域11に配置される。これにより、被保護部品と第1接続部品40とは電気的に接続する。
【0030】
ここで、複数の配線領域11のうち、被給電装置が配される配線領域11を第1配線領域12とよび、第1接続部品40が配される配線領域11を第2配線領域13と呼び、被保護部品が配される配線領域11を第3配線領域14と呼んで区別するものとする。
【0031】
基板10は、複数の第1配線領域12を有し、1以上の被給電装置は、複数の第1配線領域12に配置される。また、基板10は、複数の第2配線領域13を有し、第1接続部品40は、複数の第2配線領域13に配置される。また、基板10は、複数の第3配線領域14を有し、被保護部品は、複数の第3配線領域14に配置される。複数の第1配線領域12と複数の第2配線領域13とが電気的に接続する。また、複数の第2配線領域13と複数の第3配線領域14とが電気的に接続する。
【0032】
被保護部品は、上面視で、1以上の被給電装置と第1接続部品40との間に配置される。被給電装置及び第1接続部品40の互いに向かい合う2つの側面に、被保護部品は挟まれる。被保護部品は、上面視で、対向する被給電装置の側面と第1接続部品40の側面とをそれぞれ含む2つの平面の間に配置される。
【0033】
ここで、上面視で、被給電装置と対向する第1接続部品40の側面に平行な方向を第1方向、垂直な方向を第2方向とする。このとき、被保護部品は、上面視で、第1接続部品40の第1方向に係る両端を通り第2方向に進む2つの直線の間に配置される。
【0034】
また、被保護部品は、上面視で、1以上の被給電装置の第1方向に係る両端を通り第2方向に進む2つの直線の間に配置される。上面視で、第1接続部品40の側面と対向する1以上の被給電装置の側面は、第1方向に平行である。
【0035】
上面視で、第1方向に平行な直線であって、第1配線領域12を通過する仮想的な直線は、第2配線領域13を通過しない。また、上面視で、第1方向に平行な直線であって、第1配線領域12を通過する仮想的な直線は、第3配線領域14を通過しない。また、上面視で、第1方向に平行な直線であって、第2配線領域13を通過する仮想的な直線は、第3配線領域14を通過しない。
【0036】
また、上面視で、第2方向に平行な直線であって、第1配線領域12及び第2配線領域13を通過する仮想的な直線は存在する。つまり、第1配線領域12は、上面視で、第2配線領域13から第1方向と直交する方向に離れた位置に設けられる。また、上面視で、第2方向に平行な直線であって、第1配線領域12、第2配線領域13、及び、第3配線領域14を通過する仮想的な直線は存在する。つまり、第3配線領域14は、上面視で、第2配線領域13から第1方向と直交する方向に離れた位置に設けられる。
【0037】
上面視で、複数の第2配線領域13のうち第3配線領域14と電気的に接続する複数の第2配線領域は、第1配線領域12と電気的に接続する2つの第2配線領域13の間に設けられる。第3配線領域14と電気的に接続する複数の第2配線領域は、第1方向に関して、この2つの第2配線領域13の間に設けられる。
【0038】
複数の配線領域11には、第1配線領域12、第2配線領域13、及び、第3配線領域14とは別に、複数の第2配線領域13から第1方向に離れた位置に設けられる複数の配線領域11が含まれる。この複数の配線領域11には、第1方向に関して、複数の第2配線領域13を間に挟む、1または複数の一対の配線領域11が含まれる。
【0039】
一対の配線領域11はそれぞれ、第1配線領域12と電気的に接続する。また、一対の配線領域11はそれぞれ、第3配線領域14と電気的に接続する。また、1または複数の一対の配線領域11は、複数の第2配線領域13と電気的に接続する。
【0040】
この一対の配線領域11によって、第1接続部品40を介さずに、被給電装置と電気的に接続することができる。また、この一対の配線領域11によって、第1接続部品40を介さずに、被保護部品と電気的に接続することができる。この一対の配線領域11は、例えば、第1接続部品40を介さずに被給電装置または被保護部品の動作確認をしたい場合に用いることができる。
【0041】
1または複数の一対の配線領域11はそれぞれ、一方の配線領域11が、第2配線領域13から第1方向に離れた位置に設けられ、他方の配線領域11が、第2配線領域13から第1方向に離れた位置であって一方の配線領域11とは反対の位置に設けられる。
【0042】
1以上の被給電装置、被保護部品、及び、第1接続部品40が実装された基板モジュールには、第2接続部品50が接続される。第2接続部51を第1接続部41に接続することで、第2接続部品50は、1以上の被給電装置と電気的に接続する。また、第2接続部品50を介して、1以上の被給電装置へと電力が供給される。また、第2接続部品50は被保護部品と電気的に接続し、第2接続部品50を介して被保護部品へと電力が供給される。
【0043】
第1接続部品40と第2接続部品50とが接続すると、保護部52が、被保護部品の上方に配置される。また、保護部52において、上面視で、第2接続部51と重ならない領域が被保護部品の上方に配置される。また、保護部52において、上面視で、配線部53と重ならない領域が被保護部品の上方に配置される。
【0044】
また、保護部52は、1以上の被給電装置とは接触しない位置に配置される。被保護部品が、1以上の被給電装置と第1接続部品40との間に配置されることで、保護部52を有する第2接続部品50により、被保護部品の保護を図ることができる。
【0045】
第2接続部品50が接続された状態の基板モジュールは、上面視で、被保護部品が保護部52に覆われる。また、基板10の上面から第1接続部品40と接続した第2接続部品50の保護部52までの高さは、基板10の上面から被保護部品の上面までの高さよりも大きい。これにより、保護部52は、被保護部品との接触を避けつつ、被保護部品を保護することができる。
【0046】
また、基板10の上面から第1接続部品40と接続した第2接続部品50の保護部52までの高さは、基板10の上面から被給電装置の上面までの高さよりも小さい。これにより、被給電装置の上面よりも低い位置に保護部52を設けることができ、被給電装置による影響から被保護部品を保護することができる。例えば、図示される発光モジュールのように被給電装置が発光装置20である場合、保護部52の方が被給電装置の上面よりも高いと、発光装置20の上面から出射された光の一部が保護部52の下面に照射され、被保護部品へと進む可能性がある。
【0047】
ここで、被給電装置の一例である発光装置20について説明する。発光装置20は、構成要素として、パッケージ21、1または複数の発光素子24、1または複数の反射部材25、複数の配線26、光学部材27、及び、接着剤28を有する。
【0048】
また、パッケージ21は、基部22、及び、蓋部材23を有し、発光素子24及び反射部材25が基部22に配置された状態で、基部22に蓋部材23を接合することで、発光素子24は封止される。これにより、発光素子24を真空あるいは気密封止された閉空間に配置することができる。
【0049】
図示される発光装置20の例では、4つの発光素子24が並べて配置されている。また、4つの反射部材25が並べて配置されている。発光素子24と反射部材25とが一対一に対応して設けられている。また、発光素子24は、複数の配線26によって、パッケージ21と電気的に接続する。これにより、発光素子24は、パッケージ21を介して、外部から電力の供給を受けることができる。
【0050】
発光素子24から出射された光は、反射部材25によって反射され、上方へと進む。上方へと進んだ光は、蓋部材23を通過して、パッケージ21の外部へと出射される。また、パッケージ21の外部へと出射された光は、光学部材27を通過し、光学部材27のレンズ面から上方へと出射される。
【0051】
光学部材27の上面には、各発光素子24に一対一に対応するレンズ面が設けられる。このレンズ面を通過することで、発光素子24から出射された光は、コリメート光となって、光学部材27から出射される。
【0052】
光学部材27は、接着剤28により蓋部材23と接合する。また、光学部材27と蓋部材23との接合には、2種類の接着剤28、第1接着剤281及び第2接着剤282が用いられる。例えば、第1接着剤281は紫外線硬化樹脂であり、第2接着剤282は熱硬化樹脂である。なお、第1接着剤281と第2接着剤282の組み合わせはこれに限らない。
【0053】
発光素子24には、半導体レーザ素子を採用することができる。また、例えば、青色の光を出射する半導体レーザ素子を採用することができる。なお、青色以外の光を出射する半導体レーザ素子であってもよい。ここで、青色の光は、その発光ピーク波長が420nm~494nmの範囲内にある光をいうものとする。青色の光を発する半導体レーザ素子として、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNを用いることができる。
【0054】
発光装置20及びサーミスタ30が基板10に実装される発光モジュール1では、発光装置20の上面から上方に向かって出射された光がその先で反射され、基板モジュールへと戻ってくることがある。このとき、第2接続部品50の保護部52によって、サーミスタ30を戻り光から保護することができる。なお、保護の対象はサーミスタ30に限らなくてもよい。発光モジュール1における被保護部品は、発光装置の動作環境において光から保護される対象となる部品である。
【0055】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る基板モジュールについて説明する。
図12乃至
図15は、基板モジュールの例示的な一形態を説明するための図面である。なお、図には、基板モジュールの例示的な一形態である発光モジュール2が記されている。
図12は、発光モジュール2の斜視図である。
図13は、
図12の対角方向からみた発光モジュール2の斜視図である。
図14は、発光モジュール2の上面図である。
図15は、第2接続部品が接続された状態の発光モジュール2の一例を示す上面図である。
【0056】
基板モジュールは、複数の被給電装置が、第1方向に並べて配置される点が、基板モジュールと異なる。図示される発光モジュール2の例では、2つの被給電装置が第1方向に並べて配置されている。なお、基板モジュールにおいて、並べられる被給電装置の数は、2つに限らなくてよい。
【0057】
第1接続部品40の側面と対向する複数の被給電装置の側面は、同一平面上に設けられる。また、第2方向に関して、対向する第1接続部品40の側面と被給電装置の側面との間の距離は、複数の被給電装置のそれぞれにおいて同じである。
【0058】
また、複数の被給電装置は、上面視で、第2方向に平行な直線に対して、線対称に配置される。図示される発光モジュール2の例では、光学部材27のレンズ面が互いに近付くようにして、発光装置20は配置される。また、上面視で、光学部材27は、発光装置20の一方の側面に寄って配置されている。
【0059】
複数の被給電装置には、被保護部品までの距離が同じ2つの被給電装置が含まれる。また、複数の被給電装置には、第1接続部品40までの距離が同じ2つの被給電装置が含まれる。また、被保護部品までの距離が同じ2つの被給電装置と、第1接続部品40までの距離が同じ2つの被給電装置と、は同じ2つの被給電装置である。第1方向に並ぶ複数の被給電装置と、被保護部品及び第1接続部品40とをこのように配置することで、基板モジュールに対しても、第2接続部品50を第1接続部品40に接続することで、同様にして、保護部52は被保護部品を保護することができる。
【0060】
以上、説明してきたが、明細書により開示された技術的特徴を有した本発明は、明細書の実施形態で説明した構造に限られるわけではない。例えば、実施形態に開示のない構成要素を有する基板モジュールにおいても本発明は適用され得るものであり、開示された構造と違いがあることは本発明を適用できないことの根拠とはならない。また、発明を完成させるための最小の構成要素という観点でみれば、実施形態により開示された基板モジュールが有する構成要素の中には、必須でない構成要素も含まれ得るといえる。
【0061】
このことはつまり、本明細書の実施形態により開示される基板モジュールには、発明の完成という観点の他、一つの利用形態を想定した合理的構成の開示という観点も含まれるということである。発明の適用はその例示的な利用形態に限られるものではない一方で、その利用形態に適用することで効果的に作用する側面もある。
【0062】
このような点から、本発明(特許請求の範囲)において、一実施形態において開示された全ての構成要素を備えることは必須ではないこともあり得る。例えば、特許請求の範囲に、実施形態により開示された基板モジュールの一部の構成要素が記載されていなかった場合、その構成要素については、本実施形態に開示されたものに限らず、代替、省略、形状の変形、材料の変更などといった当業者による設計の自由度を認め、その上で特許請求の範囲に記載された発明が適用されることを請求するものである。
【0063】
また、各発光モジュール及び発光装置の具体的な一形態の構造をより詳細に特定するために、
図16乃至
図18に、それぞれ、発光モジュール1、発光装置20、及び、発光モジュール2の六面図を記す。なお、発光素子24が半導体レーザ素子である発光装置20はレーザパッケージと呼んでもよい。また、発光素子24が半導体レーザ素子である発光装置20を備える発光モジュール1及び発光モジュール2は、レーザパッケージモジュールと呼んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
実施形態に記載の発光モジュールは、プロジェクタに利用することができる。つまり、プロジェクタは、本発明が適用される一つの利用形態といえる。なお、本発明は、これに限らず、車載ヘッドライト、ヘッドマウントディスプレイ、照明、ディスプレイ等に利用することができる。さらに、基板モジュールについては、電子回路の基板モジュールなど、コンピュータなどの情報処理装置にも利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1、2 発光モジュール
10 基板
11 配線領域
12 第1配線領域
13 第2配線領域
14 第3配線領域
15 貫通孔
20 発光装置
21 パッケージ
22 基部
23 蓋部材
24 発光素子
25 反射部材
26 配線
27 光学部材
28 接着剤
281 第1接着剤
282 第2接着剤
30 サーミスタ
40 第1接続部品
41 第1接続部
50 第2接続部品
51 第2接続部
52 保護部
53 配線部