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特許7391090香料として使用するための第三級アルカノールのエーテル及びエステル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】香料として使用するための第三級アルカノールのエーテル及びエステル
(51)【国際特許分類】
   C11B 9/00 20060101AFI20231127BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20231127BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20231127BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20231127BHJP
   A23L 27/20 20160101ALI20231127BHJP
【FI】
C11B9/00 G
A61K8/33
A61Q13/00 101
A23L27/00 Z
A23L27/20 D
A23L27/00 C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021520545
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2019077992
(87)【国際公開番号】W WO2020079011
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】18200677.5
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュトック,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ブル ロイク,ミリアム
(72)【発明者】
【氏名】ペルツァー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ガルリヒス,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ダンツ,マヌエル
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-537064(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00652809(GB,A)
【文献】米国特許第02564035(US,A)
【文献】特表2019-520452(JP,A)
【文献】国際公開第2017/214446(WO,A1)
【文献】英国特許出願公告第01331204(GB,A)
【文献】米国特許第04168248(US,A)
【文献】特表2015-537065(JP,A)
【文献】特開平07-238296(JP,A)
【文献】米国特許第03484386(US,A)
【文献】ZAHORSZKY, U. I. et al.,Organic Mass Spectrometry,(1976), vol.11,pp.1254-1261
【文献】QUELET, R. et al.,Bulletin de la Societe Chimique de France,(1967),pp.1503-1511
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 9/00- 9/02
C11D 1/00-19/00
A61K 9/00-47/69
A23L 9/00- 9/22
A23L27/00-27/60
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
FSTA(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
(式中、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2C 3 -アルキルであり、
R4は、メチル又はエチルである)
の化合物、
又は2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、
又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物
の、香料としての使用。
【請求項2】
R1がエチルである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
2種以上の式(I)の化合物の混合物の、香料としての使用である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物の、フレグランス組成物の香り特性を変更するための使用。
【請求項5】
芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、及び作物保護組成物からなる群から選択される組成物中での、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の、式(I)の化合物若しくは2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物、並びに
- 少なくとも1種のさらなる香料及び/又は非香料キャリ
含む、香料組成物。
【請求項7】
非香料キャリアが、界面活性剤、油成分、及び溶媒からなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される、請求項6又は7に記載の組成物。
【請求項9】
フレグランス組成物を調製する方法であって、請求項1から3のいずれか一項に記載の、式(I)の化合物若しくは2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物を、前記組成物に組み込む工程を含む、方法。
【請求項10】
フレグランス組成物の香り特性を変更する方法であって、請求項1から3のいずれか一項に記載の、式(I)の化合物若しくは2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物を、前記組成物に組み込む工程を含む、方法。
【請求項11】
一般式(I.a)
【化2】
(式中、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2C 3 -アルキルであり、
R4aは、エチルである)
の化合物であって、化合物3-エトキシ-3-エチル-ヘキサン、3-エトキシ-3-メチル-ペンタン及び3-エトキシ-3-エチル-ペンタンが除外される、化合物若しくはその立体異性体、
又は
一般式(I.b)
【化3】
(式中、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2C 3 -アルキルであり、
R4aは、エチルである)
の化合物であって、3-エトキシ-3-メチル-ペンタ-1-エンが除外される、化合物、若しくはその立体異性体。
【請求項12】
3-エトキシ-2,3-ジメチル-ペンタンである、請求項11に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第三級アルカノールのエーテル若しくはエステル、又は2種以上の第三級アルカノールのエーテル若しくはエステルの混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物の、香料としての使用;フレグランス組成物の香り特性を変更するためのその使用;第三級アルカノールのエーテル若しくはエステル、又は2種以上の第三級アルカノールのエーテル若しくはエステルの混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物を含む香料組成物;フレグランス組成物を調製する、又はフレグランス組成物の香り特性を変更する方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、特定の第三級アルカノールのエーテル又はエステルに関する。
【背景技術】
【0003】
香料、特にフレグランス(fragrances)は、特に化粧品並びに洗浄及び洗濯用組成物の分野において、強い関心が持たれている。天然由来のフレグランスは大抵高価であり、多くの場合その利用可能な量が制限されており、環境条件が変動することによって、その含有量、純度等が変動することもある。したがって、これらの望ましくない要素を回避するために、より高価な天然のフレグランスに似ている官能的特性を有するか、又は新規で興味深い官能的プロファイルを有する合成物質を作成することに強い関心が持たれている。
【0004】
多数の既存の合成香料(フレグランス及び香味料(flavorings))にもかかわらず、極めて多様な領域の用途に望ましい多数の特性を満たすことを可能とするために、新規な成分に対する一定の必要性が存在する。これらは第1に、官能的特性を含み、すなわち、化合物は、都合のよい、芳香を放つ(odiferous)(嗅覚(olfactory))特性又は味覚特性を有するべきである。さらに、香料はまた、追加の有益な二次特性、例えば、効率的な調製方法、他のフレグランスとの相乗効果の結果としてより良い感覚プロファイルをもたらす可能性、特定の適用条件下でのより高い安定性、より高い拡張性(extendability)、より良い持続性(substantivity)等を有するべきである。
【0005】
しかしながら、化学構造の少しの変化でさえ、感覚特性、例えば匂い及びさらに味の大きな変化をもたらすので、特定の感覚特性、例えば特定の匂いを有する物質を対象とした探索は、極めて困難である。したがって、新規なフレグランス及び香味料の探索は、ほとんどの場合、所望の匂い及び/又は味を有する物質が実際に発見すらされるかどうかが分からず、困難且つ労力を要する。
【0006】
US9,434,676 B2は、(1-エチル-1,4,5-トリメチル-ヘキサ-4-エニル)アセテートの、香味フレグランス材料、及びこの化合物を含む香味フレグランス配合物としての使用について記載している。
【0007】
US2007/0219102 A1は、3,7-ジメチルノン-6-エン-3-オール(1,2ジヒドロ-エチルリナロール)の低級エーテル及びエステル、並びにこれらの化合物を含有するフレグランス配合物及びフレグランス生成物について記載している。
【0008】
WO2014/056851は、(1,5-ジメチル-1-ビニル-ヘキシル)アセテート及びその誘導体の、香味フレグランス材料、及び前記化合物を含む香味フレグランス配合物としての使用について記載している。
【0009】
US9,567,286 B2は、テトラヒドロリナリルアセテート((1-エチル-1,5-ジメチル-ヘキシル)アセテート)、1,2-ジヒドロリナリルアセテート((1-エチル-1,5-ジメチル-ヘキシル)アセテート)及びその誘導体の、香味フレグランス材料、及び前記化合物を含む香味フレグランス配合物としての使用について記載している。
【0010】
GB1331204は、フレグランス化合物1,1-ジエチルアリル2-メチルブタノエート、及び前記化合物を含むフレグランス組成物について記載している。
【0011】
さらに、リナリルアセテート((1,5-ジメチル-1-ビニル-ヘキサ-4-エニル)アセテート)及びテトラヒドロリナリルアセテート((1-エチル-1,5-ジメチル-ヘキシル)アセテート)は、フレッシュフルーティ及びフローラルの匂いを有することが公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、新規な香料を提供することであった。これらは、感じのよい(pleasant)官能的特性を有するべきである。本発明のさらなる目的は、すぐに使用できる組成物中で香料として使用できる物質を提供することであった。特に、感じのよい匂いを有する匂いの強い物質が求められている。さらに、それらは、他の香料と組み合わせることができ、新規な都合のよい感覚プロファイルを作ることを可能とするべきである。加えて、これらの香料は、容易に利用可能な出発材料から得ることができ、それらの速く経済的な製造を可能とするべきであり、且つ毒物学的な懸念がない状態であるべきである。
【0013】
本発明のさらなる特定の目的は、目立ったフルーティ、スウィート及び/又はフローラルの匂いのノートを有する特定の化合物又は化合物の混合物を提供することであった。
【0014】
この目的は、以下に示されるような式(I)の化合物若しくはその混合物、又はその立体異性体により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、一般式(I)
【0016】
【化1】
(式中、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C1~C4-アルキル又はC1~C4-アルカノイルである)
の化合物、
又は2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、
又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物
の、香料としての使用に関する。
【0017】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物の、フレグランス組成物、例えば、すぐに使用できるフレグランス組成物の香り特性を変更するための使用である。
【0018】
本発明のまた別の態様は、式(I)の化合物若しくは2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物並びに化合物(I)とは異なるさらなる香料及び非香料キャリアからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる化合物を含み、非香料キャリアが、界面活性剤、油成分、及び溶媒からなる群から特に選択される、組成物である。
【0019】
本発明はまた、フレグランス組成物、例えばすぐに使用できるフレグランス組成物を調製するため、又はフレグランス組成物、例えばすぐに使用できるフレグランス組成物の香り特性を変更する方法であって、式(I)の化合物若しくは2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物を、前記組成物に組み込む(incorporating)工程を含む、方法に関する。
【0020】
さらに、本発明は、一般式(I.a)
【0021】
【化2】
(式中、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4aは、C2~C4-アルキルである)
の化合物であって、化合物3-エトキシ-3-エチル-ヘキサン、3-エトキシ-3-メチル-ペンタン及び3-エトキシ-3-エチル-ペンタンが除外される、化合物若しくはその立体異性体、
又は
一般式(I.b)
【0022】
【化3】
(式中、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4aは、C2~C4-アルキルである)
の化合物であって、化合物3-エトキシ-3-メチルヘプタ-1-エン及び3-エトキシ-3-メチル-ペンタ-1-エンが除外される、化合物若しくはその立体異性体に関する。
【0023】
本発明はまた、式(I.a)若しくは(I.b)の化合物又は2種以上の式(I.a)及び/若しくは(I.b)の化合物の混合物、或いはその立体異性体又は2種以上のその立体異性体の混合物を調製する方法に関する。
【0024】
式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、有利な官能的特性、特に感じのよい匂いを持つ。したがって、それらは、例えば芳香組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物を含む)、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物(食器洗い用組成物を含む)、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、作物保護組成物及び他のすぐに使用できる組成物に香料として有利に使用することができる。
【0025】
それらの物理的性質により、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、フレグランス組成物、例えば特に芳香組成物中の香料及び他の通例の成分に対して、特に良好で実質的に普遍的な溶媒特性を有する。したがって、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、香料と有利に組み合わせ可能であり、特に、新規な都合のよい感覚プロファイルを有するアロマ組成物、特にフレグランス組成物の生成を可能とする。
【0026】
さらに、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、容易に利用可能な出発化合物から出発するわずか1つの工程しか一般に必要としない単純な合成によって、良い収率及び純度で生成できる。したがって、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、大規模、及び単純且つコスト効率の良い様式で生成できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
2種以上の式(I)の化合物の混合物において、2種以上の異なる化合物(I)は、R1、R2、R3及びR4基のうちの少なくとも1つの定義が異なる。
【0028】
本発明の文脈では、本明細書で使用する場合の「アルキル」という用語は、1~3個(「C1~C3-アルキル」)、1~4個(「C1~C4-アルキル」)、2~4個(「C2~C4-アルキル」)又は2~5個(「C2~C5-アルキル」)の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を指す。C1~C3-アルキルは、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルである。C1~C4-アルキルは、さらにn-ブチル、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)又は1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)である。C2~C5-アルキルは、例えばエチル、プロピル及びイソプロピル、n-ブチル、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-エチルプロピル、1,3-ジメチルプロピル、2,3-ジメチルプロピル、3,3-ジメチルプロピル等である。
【0029】
本発明の文脈では、「C1~C5-アルカノイル」という用語は、カルボニル[(C=O)]基を介して分子の残部へと結合した、水素原子又は上に定義されたようなC1~C4-アルキル基を表す。「C2~C5-アルカノイル」という用語は、カルボニル[(C=O)]基を介して分子の残部へと結合した、上に定義されたようなC1~C4-アルキル基を表す。C1~C5-アルカノイルは、ホルミル、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、1-メチルプロピルカルボニル、2-メチルプロピルカルボニル又は1,1-ジメチルエチルカルボニルである。
【0030】
「立体異性体」という用語は、光学異性体、例えばエナンチオマー又はジアステレオマー(後者は、分子中に2つ以上の立体中心があるために存在する)を包含する。式(I)の化合物は、R1、R2及びR3基が異なる意味を有する場合、1つの立体中心、すなわちR1、R2及びR3基を有するα-炭素原子を有することもある。さらに、R3基はまた、R3が1-メチルプロピルから選択される場合、立体中心を有することもある。さらに、R4基はまた、例えばR4が、1-メチルプロピル又は1-メチルプロピルカルボニルから選択される場合、立体中心を有することもある。本発明は、純粋なエナンチオマー又はジアステレオマー、及びその混合物の両方、並びに化合物(I)の純粋なエナンチオマー若しくは純粋なジアステレオマー、又はそれらの混合物の、本発明に従う使用を提供する。
【0031】
本文脈において、「化合物(I)」又は「式(I)の化合物」という用語は、特定の立体異性体又は立体異性体の特定の混合物として定義されていない場合、それを生成するために使用される非立体選択的方法で得られるような化合物の形態を指す。しかしながら、その用語は、化合物(I)の立体化学をより詳細に特定することが必要でない又は可能でない場合にも使用される。
【0032】
好ましくは、R1はエチルである。
【0033】
好ましくは、R2は、メチル又はエチル、特にエチルである。
【0034】
好ましくは、R3は、C2~C3-アルキル、特にエチル又はイソプロピルである。
【0035】
本発明の第1の好ましい実施形態は、一般式(I)
【0036】
【化4】
(式中、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C1~C4-アルキルである)
の化合物、
又は2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、
又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物
の、香料としての使用に関する。
【0037】
好ましくは、この第1の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C1~C4-アルキル、特にC1~C3-アルキルである。
【0038】
より好ましくは、この第1の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C1~C3-アルキル、特にメチル又はエチルである。
【0039】
さらにより好ましくは、この第1の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2~C3-アルキルであり、
R4は、C1~C3-アルキル、特にメチル又はエチルである。
【0040】
特に、この第1の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、エチル又はイソプロピルであり、
R4は、メチル又はエチル、特にメチルである。
【0041】
本発明の第2の好ましい実施形態は、一般式(I)
【0042】
【化5】
(式中、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C2~C4-アルキルである)
の化合物
又は2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、
又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物
の、香料としての使用に関する。
【0043】
好ましくは、この第2の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C2~C4-アルキル、特にC2~C3-アルキルである。
【0044】
より好ましくは、この第2の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C2~C3-アルキル、特にエチルである。
【0045】
特に、この第2の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、
R4は、C2~C3-アルキル、特にエチルである。
【0046】
本発明の第3の好ましい実施形態は、一般式(I)
【0047】
【化6】
(式中、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C1~C4-アルカノイルである)
の化合物、
又は2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、
又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物
の、香料としての使用に関する。
【0048】
好ましくは、この第3の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C2~C3-アルカノイルである。
【0049】
より好ましくは、この第3の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C2~C3-アルカノイルである。
【0050】
さらにより好ましくは、この第3の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2~C3-アルキルであり、
R4は、C2~C3-アルカノイルである。
【0051】
特に、この第3の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、エチル又はイソプロピルであり、
R4は、C2~C3-アルカノイル、特にアセチル又はプロピオニルである。
【0052】
特に、この第3の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、エチル又はイソプロピルであり、
R4は、アセチル又はプロピオニルである。
【0053】
本発明の第4の好ましい実施形態は、一般式(I)
【0054】
【化7】
(式中、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C2~C4-アルカノイルである)
の化合物、
又は2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、
又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物
の、香料としての使用に関する。
【0055】
好ましくは、この第4の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C3~C4-アルカノイルである。
【0056】
より好ましくは、この第4の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4は、C3~C4-アルカノイルである。
【0057】
特に、この第4の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、
R4は、C3~C5-アルカノイル、特にC3~C4-アルカノイルである。
【0058】
特に、この第4の好ましい実施形態の化合物(I)において、
R1は、エチル又はエテニルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、エチル又はイソプロピルであり、
R4は、C3~C4-アルカノイル、特にプロピオニルである。
【0059】
香料として都合よく使用できる好ましい化合物(I)は、例えば
3-メトキシ-2,3-ジメチル-ペンタン、
3-エトキシ-2,3-ジメチル-ペンタン、
3-エチル-3-メトキシ-ペンタン、
3-エチル-3-エトキシ-ペンタン、
3-メトキシ-3,4-ジメチル-ペンタ-1-エン、
3-エトキシ-3,4-ジメチル-ペンタ-1-エン、
3-エチル-3-メトキシ-ペンタ-1-エン、
3-エチル-3-エトキシ-ペンタ-1-エン、
(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテート、
(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)プロパノエート、
(1-イソプロピル-1-メチル-アリル)アセテート、
(1-イソプロピル-1-メチル-アリル)プロパノエート、
1,1-ジエチルプロピルアセテート、
1,1-ジエチルプロピルプロパノエート、
1,1-ジエチルアリルアセテート、
1,1-ジエチルアリルプロパノエート、又は
前述の好ましい化合物(I)の混合物
である。
【0060】
香料として都合よく使用できるより好ましい化合物(I)は、例えば
3-メトキシ-2,3-ジメチル-ペンタン、
3-エチル-3-メトキシ-ペンタン、
3-エチル-3-メトキシ-ペンタ-1-エン、
(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテート、
(1-イソプロピル-1-メチル-アリル)アセテート、
1,1-ジエチルプロピルアセテート、
1,1-ジエチルプロピルプロパノエート、
1,1-ジエチルアリルアセテート、又は
前述の好ましい化合物(I)の混合物
である。
【0061】
香料として都合よく使用できる特に好ましい化合物(I)は、例えば
(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテート、
1,1-ジエチルプロピルアセテート、
1,1-ジエチルアリルアセテート、
1,1-ジエチルプロピルプロパノエート、
3-メトキシ-2,3-ジメチル-ペンタン、
3-エチル-3-メトキシ-ペンタン、又は
前述の化合物(I)の混合物
である。
【0062】
本発明のさらに好ましい実施形態は、本明細書で定義されたような2種以上の式(I)の化合物の混合物の、香料としての使用に関する。
【0063】
上で指し示されているように、これらの混合物における2種以上の異なる化合物(I)は、R1、R2、R3及びR4基のうちの少なくとも1つの定義が異なる。好ましくは、これらの混合物における2種以上の異なる化合物(I)は、R1及びR4基のうちの少なくとも1つの定義が異なる。特定の実施形態は、R1基の定義が異なる本明細書で定義されたような2種の式(I)の化合物の混合物の、香料としての使用に関する。
【0064】
好ましい混合物は、例えば
3-エチル-3-メトキシ-ペンタン及び3-エチル-3-メトキシ-ペンタ-1-エンの混合物、
1,1-ジエチルプロピルアセテート及び1,1-ジエチルアリルアセテートの混合物、並びに
(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテート及び(1-イソプロピル-1-メチル-アリル)アセテートの混合物
である。
【0065】
上に定義されたような、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、香料として有用である。
【0066】
本発明の文脈では、「アロマ」という用語は、知覚特性を指し、匂い及び/又は香味を含む。
【0067】
「香料」という用語は、感覚印象、より正確に言えば嗅覚又は香味の印象、特にフレグランス又は香味の印象を得るために使用される物質を表す。「嗅覚」という用語は、あらゆる肯定的又は否定的な判断のない匂いの印象を表す一方で、「フレグランス」(「芳香」又は「香り」とも呼ばれる)という用語は、感じのよいものとして一般に感じられる匂いの印象に関係する。香味は、味の印象を引き起こす。
【0068】
「アロマプロファイル」という用語は、香料の全体的なアロマの印象を表し、香料の個別のアロマの印象で構成される。
【0069】
本明細書で使用する場合の「アロマ組成物」又は「香料組成物」という用語は、アロマを引き起こす組成物を指す。アロマ組成物という用語は、「匂い組成物」及び/又は「香味組成物」を含む。匂い組成物は、匂いの印象を優位に引き起こす組成物であり、香味組成物は、味の印象を優位に引き起こす組成物である。
【0070】
「匂い組成物」という用語は、感じのよいものとして一般に感じられる匂いの印象を優位に引き起こす「フレグランス組成物」又は「香り組成物」(本明細書で互換的に使用される)を含む。
【0071】
「化合物」及び「物質」という用語は、本発明を通じて同義で使用される。
【0072】
「持続性」という用語は、特に後に表面を処理した後、例えば洗浄した後の、香料と表面、例えば皮膚又は繊維製品の相互作用について記載している。持続性は、例えば、繊維製品を、香料を含む繊維用洗剤組成物で洗浄すること、並びに後に、洗浄直後の繊維製品の嗅覚評価(湿った繊維製品)及び長期保管後の乾燥した繊維製品の評価により判定できる。
【0073】
「安定性」という用語は、酸素、光及び/又は他の物質と接触した際の香料の挙動について記載している。高い安定性を有する香料は、長期間にわたり、好ましくは多様な組成物で、及び様々な保存条件下で、そのアロマプロファイルを維持する。
【0074】
本明細書で使用する場合の「感覚印象」という用語は、匂いの印象及び/又は味の印象、特に匂いの印象を指す。
【0075】
「感じのよい匂い」、「感じのよい匂いの印象」、「感じのよい芳香を放つ特性」は、香料により伝えられる匂いの印象の心地よさ(niceness)及び簡明さ(conciseness)を説明する快楽表現である。「都合のよい感覚特性」又は「都合のよい官能的特性」という、より一般的な快楽表現は、香料により伝えられる官能的印象の心地よさ及び簡明さを説明する。「心地よさ」及び「簡明さ」は、当業者、香料製造者になじみ深い用語である。心地よさは、一般に、自然にもたらされ、肯定的に知覚される、感じのよい感覚印象を指す。しかしながら、「心地よい」は、「甘い(sweet)」と同義である必要はない。「心地よい」はまた、ジャコウ(musk)又はビャクダン(sandalwood)の匂いであってもよい。「簡明さ」は、一般に、同じ試験パネルに対して、特定の何かを再現性よく同一に思い出させる、自然にもたらされる感覚印象を指す。例えば、物質は、「リンゴ」の匂いを自然に連想させる匂いを有することができ、それゆえ、その匂いは、簡明に「リンゴ」の匂いになるであろう。このリンゴの匂いが、例えば、甘く、完熟したリンゴを連想させるので非常に感じのよかった場合は、その匂いは「心地よい」と呼ばれるであろう。しかしながら、典型的には、酸味のあるリンゴの匂いも、簡明になり得る。両方の反応が、物質の匂い、この例ではしたがって心地よく簡明なリンゴの匂いをかぐ際に発生する場合、この物質は、特に都合のよい感覚特性を有する。
【0076】
「匂いの強い物質」という用語は、強い匂いの印象を示す物質又は香料を指す。強い匂いの印象は、気体空間濃度が非常に低い場合であっても際立った知覚を可能とする、香料のそれらの特性を意味していると理解される。強さは、しきい値測定により測定できる。しきい値は、もはやそれを定義する必要はないが、匂いの印象が代表的な試験パネルにより依然としてちょうど知覚できる関連する気体空間中の物質の濃度である。最も匂いの強い公知の物質クラスにおおかた属する、すなわち、非常に低い匂いのしきい値を有する物質クラスは、チオールであり、そのしきい値は、多くの場合、ppb/m3の範囲である。
【0077】
好ましくは、上に定義されたような、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、フレグランスとして使用される。
【0078】
特に、(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテートは、フルーティ、ガルバナム、カンファー(camphorous)、ルーティ(rooty)及びアーシーのノートを付与するために使用されるか、又はフルーティ、ガルバナム、カンファー、ルーティ及びアーシーのノートを用いて香りを生成するために使用される。
【0079】
特に、1,1-ジエチルプロピルアセテートは、ファーニードル、カンファー、フレッシュ及びナチュラルのノートを付与するために使用されるか、又はファーニードル、カンファー、フレッシュ及びナチュラルのノートを用いて香りを生成するために使用される。
【0080】
特に、70重量%の1,1-ジエチルアリルアセテート、及び25重量%の1,1-ジエチルプロピルアセテートを含む混合物は、フローラル、ハニー及びドライフルーツ(dried fruit)のノートを付与するために使用されるか、又はフローラル、ハニー及びドライフルーツのノートを用いて香りを生成するために使用される。
【0081】
特に、1,1-ジエチルプロピルプロパノエートは、フルーティ、カンファー、スウィート、チェリー及びソルベント(solvent)のノートを付与するために使用されるか、又はフルーティ、カンファー、スウィート、チェリー及びソルベントのノートを用いて香りを生成するために使用される。
【0082】
特に、3-メトキシ-2,3-ジメチル-ペンタンは、エシリアル(ethereal)、スウィート、モールディ、ヘイ、チョコレート、ユーカリ及びリーフィ(leafy)のノートを付与するために使用されるか、又はエシリアル、スウィート、モールディ、ヘイ、チョコレート、ユーカリ及びリーフィのノートを用いて香りを生成するために使用される。
【0083】
特に、3-エチル-3-メトキシ-ペンタンは、モールディ、ウッディ、シダーウッド及びガルバナムのノートを付与するために使用されるか、又はモールディ、ウッディ、シダーウッド、ガルバナムのノートを用いて香りを生成するために使用される。
【0084】
特に、85重量%の(1-イソプロピル-1-メチル-アリル)アセテート及び10重量%の(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテートを含む混合物は、ラベージ、スウィート、ウッディ及びフルーティのノートを付与するために使用されるか、又はラベージ、スウィート、ウッディ及びフルーティのノートを用いて香りを生成するために使用される。
【0085】
特に、90重量%の3-エチル-3-メトキシ-ペンタ-1-エン及び10重量%の3-エチル-3-メトキシ-ペンタンを含む混合物は、アニマリック、ブラックカラント、スウィート及びテクニカル(technical)のノートを付与するために使用されるか、又はアニマリック、ブラックカラント、スウィート及びテクニカルのノートを用いて香りを生成するために使用される。
【0086】
上に定義されたような、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、一般に、すぐに使用できる組成物中で、特にすぐに使用できるフレグランス組成物中で使用される。「すぐに使用できるフレグランス組成物」は、本明細書で使用する場合、感じのよい匂いの印象を優位に引き起こす、すぐに使用できる組成物を指す。
【0087】
すぐに使用できるフレグランス組成物は、例えば、パーソナルケア、ホームケア、工業的用途で使用される組成物、及び他の用途で使用される組成物、例えば医薬組成物又は作物保護組成物である。
【0088】
好ましくは、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、芳香組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物を含む)、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物(食器洗い用組成物を含む)、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、並びに作物保護組成物からなる群から選択される組成物中で使用される。式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、香料として、好ましくはフレグランスとして、上記の組成物中で使用される。
【0089】
特に、(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテートは、フルーティ、ガルバナム、カンファー、ルーティ及びアーシーのノートを、上に列挙された組成物に付与するために使用される。
【0090】
特に、1,1-ジエチルプロピルアセテートは、ファーニードル、カンファー、フレッシュ及びナチュラルのノートを、上に列挙された組成物に付与するために使用される。
【0091】
特に、70重量%の1,1-ジエチルアリルアセテート、及び25重量%の1,1-ジエチルプロピルアセテートを含む混合物は、フローラル、ハニー及びドライフルーツのノートを、上に列挙された組成物に付与するために使用される。
【0092】
特に、1,1-ジエチルプロピルプロパノエートは、フルーティ、カンファー、スウィート、チェリー及びソルベントのノートを、上に列挙された組成物に付与するために使用される。
【0093】
特に、3-メトキシ-2,3-ジメチル-ペンタンは、エシリアル、スウィート、モールディ、ヘイ、チョコレート、ユーカリ及びリーフィのノートを、上に列挙された組成物に付与するために使用される。
【0094】
特に、3-エチル-3-メトキシ-ペンタンは、モールディ、ウッディ、シダーウッド及びガルバナムのノートを、上に列挙された組成物に付与するために使用される。
【0095】
特に、85重量%の(1-イソプロピル-1-メチル-アリル)アセテート及び10重量%の(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテートを含む混合物は、ラベージ、スウィート、ウッディ及びフルーティのノートを、上に列挙された組成物に付与するために使用される。
【0096】
特に、90重量%の3-エチル-3-メトキシ-ペンタ-1-エン及び10重量%の3-エチル-3-メトキシ-ペンタンを含む混合物は、アニマリック、ブラックカラント、スウィート及びテクニカルのノートを、上に列挙された組成物に付与するために使用される。
【0097】
上に列挙された組成物の詳細は、以下に示す。
【0098】
したがって、本発明の別の態様は、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物の、フレグランス組成物の香り特性を変更するための使用に関する。
【0099】
嗅覚特性に加えて、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、有利な二次特性を示す。
【0100】
例えば、それらは、他のフレグランスとの相乗効果の結果として、より良い感覚プロファイルを提供でき、これは、それらが他のフレグランスに対するブースター(booster)効果を提供できることを意味する。したがって、それらは、他のフレグランスのためのブースターとして使用できる。
【0101】
したがって、本発明の別の態様は、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物の、他のフレグランスのためのブースター(booster)としての使用に関する。
【0102】
ブースター効果は、物質が、芳香性配合物中で、混合物の全体的な印象を増強する及び強めることを意味する。ミントの範囲では、例えば、メンチルメチルエーテルが、ハッカ油の芳香又は味の混合を強め、特に、トップノートにおいては、格段により強くより複雑な知覚を著しくもたらすが、当該エーテルそれ自体は純粋な物質であり、特定の強い匂いを全く発生させないことは公知である。フレグランス用途において、純粋物質として軽いフローラルジャスミンノートしか示さないHedione(登録商標)(メチルジヒドロジャスモネート)は、匂いブースターとして、芳香組成物の拡散、新鮮さ、及び量(volume)を増強する。ブースター効果は、トップノートが特徴的な用途が要求される場合に特に望まれ、ここで、匂いの印象は、例えばデオドラント、エアフレッシュナーにおいて、又はチューインガムの味の部門において、特に迅速且つ強く伝えられ得る。
【0103】
そのようなブースター効果を達成するために、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物は、フレグランス混合物の合計重量に対して、一般に、0.1~20重量%の総量で、好ましくは0.5~5重量%の量で、特に0.6~3重量%の量で使用される。
【0104】
さらに、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、さらに、それらが使用される組成物に対してさらに肯定的な効果を有し得る。例えば、それらは、それらが混合される組成物の全体的な性能、例えば安定性、例えば組成物の配合安定性、拡張性(extendability)、又は持続性(substantivity)を増強できる。
【0105】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物を含む香料組成物に関する。「香料組成物」という用語は、本明細書で使用する場合、感じのよい匂いの印象を引き起こす組成物を指す。
【0106】
好ましくは、香料組成物は、
- 式(I)の化合物若しくは2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物、並びに
- 少なくとも1種のさらなる香料及び/又は非香料キャリアであって、非香料キャリアが、界面活性剤、油成分、及び溶媒からなる群から特に選択される、香料及び/又は非香料キャリア
を含む。
【0107】
さらなる香料は、式(I)の化合物又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物とは、当然異なる。
【0108】
それらの物理的性質により、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、フレグランス組成物、例えば特に芳香組成物中の香料及び他の通例の成分に対して、及びそれらにおいて、特に良好で実質的に普遍的な溶媒特性を有する。したがって、それらは、香料と十分に組み合わせ可能であり、特に新規な都合のよい感覚プロファイルを有するアロマ組成物、特にフレグランス組成物の生成を可能にする。さらに、既に上で説明したように、それらは、他のフレグランスのためのブースター効果を提供できる。
【0109】
したがって、好ましい一実施形態では、香料組成物は、上に定義されたような、式(I)の化合物又は2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物、及び少なくとも1種のさらなる香料を含む。
【0110】
さらなる香料は例えば、
ゲラニルアセテート(3,7-ジメチル-2,6オクタジエン-1イルアセテート)、アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート(Phenirat1)、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、メチルジヒドロジャスモネート(好ましくは、シス型異性体の含量が60重量%超である)(Hedione9、Hedione HC9)、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン(Galaxolid3)、テトラヒドロリナロオール(3,7-ジメチルオクタン-3-オール)、エチルリナロオール、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール(Lysmeral4)、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセテート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセテート(Herbaflorat1)、シトロネロール、シトロネリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、バニリン、リナリルアセテート、スチロリルアセテート(1-フェニルエチルアセテート)、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタレン(Iso E Super3)、ヘキシルサリチレート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート(Oryclone1)、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート(Agrumex HC1)、アルファ-イオノン(4-(2,2,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン)、n-アルファ-メチルイオノン、アルファ-イソメチルイオノン、クマリン、テルピニルアセテート、2-フェニルエチルアルコール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド(Lyral3)、アルファ-アミルシンナムアルデヒド、エチレンブラシレート、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン(Muscenon9)、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド(Globalide1)、15-シクロペンタデカノリド(Macrolide1)、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン(Tonalid10)、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(Florol9)、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(Sandolen1)、cis-3-ヘキセニルアセテート、trans-3-ヘキセニルアセテート、trans-2/cis-6-ノナジエノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド(Vertocitral1)、2,4,4,7-テトラメチルオクタ-6-エン-3-オン(Claritone1)、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール(Melonal2)、ボルネオール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール(Florhydral2)、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール(Helional3)、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール(Florazon1)、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン(Calone9)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート(好ましくは、シス型異性体の含量が、70重量%以上である)及び2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2-オール(Ambrinol S1)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール(Bourgeonal4)、エチル2-メチルペンタノエート(Manzanate4)、エトキシメトキシシクロドデカン(Amberwood1)、2,4-ジメチル-4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン(Magnolan1)、(2-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート(Verdox3)及び3-[5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]シクロヘキサン-1-オール(Sandela4)からなる群から選択される1種の香料、好ましくは2種、3種、4種、5種、6種、7種又は8種以上の香料であってよい。したがって、本発明の文脈において、上記香料(複数可)は、好ましくは、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物と組み合わせられる。
【0111】
上記において商標が示されている場合、これらは、以下の供給元を指す。
1ドイツ、Symrise GmbHの商標、
2スイス、Givaudan AGの商標、
3アメリカ、International Flavors & Fragrances Inc.の商標、
4BASF SEの商標、
9スイス、Firmenich S.A.の商標、
10オランダ、PFW Aroma Chemicals B.V.の商標。
【0112】
本発明の好ましい実施形態は、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、並びにメチルベンゾエート、ベンジルアセテート、ゲラニルアセテート、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、リナロール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール及びメチルベンゾエートからなる群から選択される、少なくとも1種のさらなる香料を含む組成物に関する。
【0113】
上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物を組み合わせて、例えば本発明による組成物を与え得るさらなる香料は、例えば、自費出版されたS. Arctander、Perfume and Flavor Chemicals、第I巻及び第II巻、Montclair, N. J.、1969又はK. Bauer、D. Garbe及びH. Surburg、Common Fragrance and Flavor Materials、第4版、Wiley- VCH、Weinheim 2001において見出すことができる。具体的には、
【0114】
天然原料から得た抽出物、例えば精油、凝固物、アブソリュート、樹脂、レジノイド、バルサム、チンキ、例えば、
【0115】
アンバーグリスチンキ、アミリス油、アンゼリカ種油、アンゼリカ根油、アニス油、吉草根油、メボウキ油、ウッドモスアブソリュート、ベイ油、ヨモギ油、ベンゾイン樹脂、ベルガモット油、蜜蝋アブソリュート、バーチタール油、ビターアーモンド油、セイバリー油、ブークリーフ油、カブリューバ油、カデ油、ショウブ油、ショウノウ油、カナンガ油、カルダモン油、カスカリラ油、カッシャ油、カッシャアブソリュート、カストリュームアブソリュート、シダーリーフ油、シダーウッド油、ゴジアオイ油、シトロネラ油、レモン油、コパイババルサム、コパイババルサム油、コリアンダー油、コスタスルート油、クミン油、シプレス油、ダバナ油、イノンドハーブ油、イノンド種子油、オードブルアブソリュート(Eau de brouts absolute)、オークモスアブソリュート、エレミ油、エストラゴン油、ユーカリプトスシトリオドラ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、松葉油、ガルバナム油、ガルバナム樹脂、ゼラニウム油、グレープフルーツ油、グアヤックウッド油、ガージャンバルサム、ガージャンバルサム油、ムギワラギクアブソリュート、ムギワラギク油、ショウガ油、イリス根アブソリュート、イリス根油、ジャスミンアブソリュート、ショウブ油、ブルーカモミル油、ローマカモミール油、ニンジン種子油、カスカリラ油、松葉油、スペアミント油、キャラウェー油、ラブダナム油、ラブダナムアブソリュート、ラブダナム樹脂、ラバンジンアブソリュート、ラバンジン油、ラベンダーアブソリュート、ラベンダー油、レモングラス油、ロベージ油、蒸留ライム油、圧搾ライム油、リナロール油、リトセアキュベバ油、ローレル(laurel)リーフ油、メース油、マジョラム油、マンダリン油、マッソイバーク油、ミモザアブソリュート、ジャコウ種子油、ジャコウチンキ、クラリセージ油、ナツメグ油、ミルラアブソリュート、ミルラ油、ミルテ油、丁子葉油、丁子花油、ネロリ油、乳香アブソリュート、乳香油、オポパナックス(opopanax)油、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジ油、オリガナム油、パルマローザ油、パッチュリ油、エゴマ油、ペルーバルサム油、パセリ葉油、パセリ種子油、プチグレン油、ペパーミント油、胡椒油、ピメント油、パイン油、ペニーローヤル油、ローズアブソリュート、ボアドローズ油、ローズ油、ローズマリー油、ダルマチアセージ油、スペインセージ油、白檀油、セロリ種子油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、エゴ油、タゲテス油、ファーニードル油、ティーツリー油、テレピン油、タイム油、トルーバルサム、トンカアブソリュート、チュベローズアブソリュート、バニラ抽出物、バイオレットリーフアブソリュート、バーベナ油、ベチバ油、ジュニパーベリー油、ワイン澱油、アブサン油、ウィンターグリーン(winter green)油、ヒソップ油、シベットアブソリュート、シナモンリーフ油、シナモンバーク油及びこれらの画分又はこれらから単離される成分、
【0116】
炭化水素の群からの個別のフレグランス、例えば3-カレン、アルファ-ピネン、ベータ-ピネン、アルファ-テルピネン、ガンマ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギフォレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、スチレン、ジフェニルメタン、
【0117】
脂肪族アルコール、例えばヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール、1-オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールとの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オール、
【0118】
脂肪族アルデヒド及び脂肪族アルデヒドのアセタール、例えばヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナールジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、(E/Z)-1-(1-メトキシプロポキシ)-ヘキサ-3-エン、脂肪族ケトン及び脂肪族ケトンのオキシム、例えば2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、
【0119】
脂肪族硫黄含有化合物、例えば3-メチルチオヘキサノール、3-メチルチオヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキサノール、3-メルカプトヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキシルブチレート、3-アセチルチオヘキシルアセテート、1-メンテン-8-チオール、
【0120】
脂肪族ニトリル、例えば2-ノネンニトリル、2-ウンデセンニトリル、2-トリデセンニトリル、3,12-トリデカジエンニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、
【0121】
脂肪族カルボン酸のエステル、例えば(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルホルメート、エチルアセトアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート、3-メチル-2-ブテニルアセテート、(E)-2-ヘキセニルアセテート、(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルアセテート、オクチルアセテート、3-オクチルアセテート、1-オクテン-3-イルアセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルイソブチレート、ヘキシルクロトネート、エチルイソバレレート、エチル2-メチルペンタノエート、エチルヘキサノエート、アリルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、アリルヘプタノエート、エチルオクタノエート、エチル(E,Z)-2,4-デカジエノエート、メチル2-オクチネート、メチル2-ノニネート、アリル2-イソアミルオキリアセテート、メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート、4-メチル-2-ペンチルクロトネート、
【0122】
非環式テルペンアルコール、例えばゲラニオール、ネロール、リナロール、ラバンジュロール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、並びにこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエート、
【0123】
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えばゲラニアール、ネラール、シトロネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、ゲラニルアセトン、並びにゲラニアール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル-及びジエチルアセタール、環状テルペンアルコール、例えばメントール、イソプレゴール、アルファ-テルピネオール、テルピン-4-オール、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロールオキシド、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチベロール、グアイオール(guajol)、並びにこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエート、
【0124】
環状テルペンアルデヒド及びケトン、例えばメントン、イソメントン、8-メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、ショウノウ、フェンコン、アルファ-イオノン、ベータ-イオノン、アルファ-n-メチルイオノン、ベータ-n-メチルイオノン、アルファ-イソメチルイオノン、ベータ-イソメチルイオノン、アルファ-イロン、アルファ-ダマスコン、ベータ-ダマスコン、ベータ-ダマセノン、デルタ-ダマスコン、ガンマ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、ノートカトン、ジヒドロノートカトン、4,6,8-メガスチグマトリエン-3-オン、アルファ-シネンサール、ベータ-シネンサール、アセチル化シダーウッド油(メチルセドリルケトン)、
【0125】
環状アルコール、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、
【0126】
脂環式アルコール、例えばアルファ-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール、
【0127】
環状及び脂環式エーテル、例えばシネオール、セドリルメチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、1,1-ジメトキシシクロドデカン、(エトキシメトキシ)シクロドデカン、アルファ-セドレンエポキシド、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ-[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン、ローズオキシド、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン、
【0128】
環状及び大環状ケトン、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-4-シクロペンタデセノン、3-メチル-5-シクロペンタデセノン、3-メチルシクロペンタデカノン、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン、4-tert-ペンチルシクロヘキサノン、5-シクロヘキサデセン-1-オン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、8-シクロヘキサデセン-1-オン、7-シクロヘキサデセン-1-オン、(7/8)-シクロヘキサデセン-1-オン、9-シクロヘプタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノン、
【0129】
脂環式アルデヒド、例えば2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、2-メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、
【0130】
脂環式ケトン、例えば1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン、2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン、メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン、tert-ブチル(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトン、
【0131】
環状アルコールのエステル、例えば2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、デカヒドロ-2-ナフチルアセテート、2-シクロペンチルシクロペンチルクロトネート、3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート、デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルプロピオネート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルイソブチレート、4,7-メタノオクタヒドロ-5又は6-インデニルアセテート、
【0132】
脂環式アルコールのエステル、例えば1-シクロヘキシルエチルクロトネート、
【0133】
脂環式カルボン酸のエステル、例えばアリル3-シクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、cis-及びtrans-メチルジヒドロジャスモネート、cis-及びtrans-メチルジャスモネート、メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート、エチル2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、
【0134】
芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール、
【0135】
芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル、例えばベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルイソブチレート、ベンジルイソバレレート、2-フェニルエチルアセテート、2-フェニルエチルプロピオネート、2-フェニルエチルイソブチレート、2-フェニルエチルイソバレレート、1-フェニルエチルアセテート、アルファ-トリクロロメチルベンジルアセテート、アルファ,アルファ-ジメチルフェニルエチルアセテート、アルファ,アルファ-ジメチルフェニルエチルブチレート、シンナミルアセテート、2-フェノキシエチルイソブチレート、4-メトキシベンジルアセテート、
【0136】
芳香脂肪族エーテル、例えば2-フェニルエチルメチルエーテル、2-フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、ヒドロアトロパアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、
【0137】
芳香族及び芳香脂肪族アルデヒド、例えばベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドロアトロパアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4-メチルフェニルアセトアルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、アルファ-ブチルシンナムアルデヒド、アルファ-アミルシンナムアルデヒド、アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド、3-メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール、
【0138】
芳香族及び芳香脂肪族ケトン、例えばアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)エタノン、2-ベンゾフラニルエタノン、(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン、ベンゾフェノン、1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン、6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン、1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン、5',6',7',8'-テトラヒドロ-3',5',5',6',8',8'-ヘキサメチル-2-アセトナフトン、
【0139】
芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸並びに芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸のエステル、例えば安息香酸、フェニル酢酸、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ゲラニルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、メチルシンナメート、エチルシンナメート、ベンジルシンナメート、フェニルエチルシンナメート、シンナミルシンナメート、アリルフェノキシアセテート、メチルサリチレート、イソアミルサリチレート、ヘキシルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、cis-3-ヘキセニルサリチレート、ベンジルサリチレート、フェニルエチルサリチレート、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、エチル3-フェニルグリシデート、エチル3-メチル-3-フェニルグリシデート、
【0140】
窒素含有芳香族化合物、例えば2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン、シンナモニトリル、3-メチル-5-フェニル-2-ペンテノニトリル、3-メチル-5-フェニルペンタノニトリル、メチルアントラニレート、メチル-N-メチルアントラニレート、メチルアントラニレートと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒドとのシッフ塩基、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec-ブチルキノリン、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン、
【0141】
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、例えばエストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲニルメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、ベータ-ナフチルメチルエーテル、ベータ-ナフチルエチルエーテル、ベータ-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、オイゲニルアセテート、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール、p-クレシルフェニルアセテート、
【0142】
複素環式化合物、例えば2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン、
【0143】
ラクトン、例えば1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,5-ドデカノリド、4-メチル-1,4-デカノリド、1,15-ペンタデカノリド、cis-及びtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド、cis-及びtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン1,12-ドデカンジオエート、エチレン1,13-トリデカンジオエート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリン
を挙げることができる。
【0144】
少なくとも1種の非香料キャリアは、感覚特性又は注目に値する感覚特性を有さない化合物、化合物の混合物又は他の添加剤であり得る。典型的には、少なくとも1種の非香料キャリアは、本発明による香料組成物に存在する場合、感覚特性又は注目に値する感覚特性を有さない化合物、化合物の混合物又は他の添加剤である。非香料キャリアは、香料組成物に含まれる香料(複数可)、すなわち式(I)の化合物、及び、上に定義されたような化合物(I)とは異なる、任意選択で1種以上のさらなる香料の希釈及び/又は定着に役立つ。
【0145】
適切なキャリア材料は、液体又は油状キャリア材料、及びワックス状又は固体キャリア材料であり得る。
【0146】
好ましくは、非香料キャリアは、本発明による組成物に存在する場合、界面活性剤、油成分及び溶媒からなる群から選択される。
【0147】
したがって、本発明のさらなる態様は、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、並びに界面活性剤、皮膚軟化剤(油成分)及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む、組成物を対象とする。
【0148】
本発明の一実施形態は、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、及び少なくとも1種の溶媒を含む、組成物を対象とする。
【0149】
本発明の文脈では、「溶媒」は、それ自体がアロマを有さず、本発明によって使用される上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、並びに/或いは組成物の任意のさらなる成分の希釈に役立つ。
【0150】
1種以上の溶媒は、本組成物に対して0.01~99重量%で本組成物中に存在し得る。本発明の好ましい実施形態において、本組成物は、本組成物に対して0.1~90重量%、好ましくは0.5~80重量%の溶媒(複数可)を含む。溶媒(複数可)の量は、本組成物に応じて選択することができる。本発明の一実施形態において、本組成物は、本組成物に対して0.05~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.2~3重量%を含む。本発明の一実施形態において、本組成物は、本組成物に対して20~70重量%、好ましくは25~50重量%の溶媒(複数可)を含む。
【0151】
適切な溶媒は、例えばエタノール、イソプロパノール、ジプロピレングリコール(DPG)、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチルフタレート(DEP)、イソプロピルミリステート(IPM)、トリエチルシトレート(TEC)及びベンジルベンゾエート(BB)である。
【0152】
好ましい溶媒は、エタノール、ジプロピレングリコール(DPG)、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチルフタレート(DEP)、イソプロピルミリステート(IPM)、トリエチルシトレート(TEC)及びベンジルベンゾエート(BB)である。
【0153】
特に好ましい溶媒は、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート及びイソプロピルミリステートからなる群から選択される。
【0154】
本発明の好ましい実施形態において、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート及びイソプロピルミリステートからなる群から選択される。
【0155】
さらなる態様によれば、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、界面活性剤含有組成物中での使用に適している。これは、その特徴的な香りプロファイルに従って、特に例えば洗浄剤(特に、ランドリーケア用品及び多目的洗浄剤)等の界面活性剤含有組成物の香り付けのために使用することができる。
【0156】
したがって、本発明の一実施形態は、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、及び少なくとも1種の界面活性剤を含む、組成物を対象とする。
【0157】
界面活性剤(複数可)は、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は両性若しくは双性界面活性剤から選択されてもよい。例えばシャワージェル、泡入浴剤(foam bath)、シャンプー等の界面活性剤含有組成物は、好ましくは、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含有する。
【0158】
本発明による組成物は通常、界面活性剤(複数可)を全体として(in the aggregate)、本組成物の総重量に対して0~40重量%の量、好ましくは0~20重量%の量、より好ましくは0.1~15重量%の量、特に0.1~10重量%の量で含有する。非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシ化トリグリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、任意選択により部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、コムギを主体とした植物性生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート並びにアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有する場合、非イオン性界面活性剤は、従来のホモログ分布を有してもよいが、好ましくは、範囲が狭いホモログ分布を有する。
【0159】
双性界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基及び少なくとも1個の-COO(-)又は-SO3 (-)基を含有する、表面活性化合物である。特に適切な双性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、アルキル基又はアシル基中に8~18個の炭素原子を含有する、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタインのCTFA名で知られた脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい。
【0160】
両性界面活性剤は、特に共界面活性剤としても適している。両性界面活性剤は、C8~C18アルキル又はアシル基の他にも、分子中に少なくとも1個の遊離アミノ基及び少なくとも1個の-COOH-基又は-SO3H-基を含有し、内塩を形成することができる、表面活性化合物である。適切な両性界面活性剤の例は、アルキル基中に約8~18個の炭素原子を含有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びアシルサルコシンである。
【0161】
アニオン性界面活性剤は、水溶性化作用のあるアニオン性基、例えばカルボキン酸基、硫酸基、スルホン酸基又はリン酸基及び親油性基を特徴とする。皮膚科学的に安全なアニオン性界面活性剤は、開業医には、関連する教本から多数知られており、市販されている。アニオン性界面活性剤は特に、アルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアルカノールアンモニウム塩の形態のアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネート、直鎖状C12~C18アルキル基又はアシル基を含有するアシルタウリン、並びに、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩の形態のスルホスクシネート及びアシルグルタメートである。
【0162】
特に適切なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物、好ましくはアンモニウムのハロゲン化物、より特定すると塩化物及び臭化物、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。さらに、容易に生分解され得る第四級エステル化合物、例えば、Stepantexeの名称で販売されているジアルキルアンモニウムメトスルフェート及びメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキル(dialkoyloxyalkyl)アンモニウムメトスルフェート並びに対応するDehyquart(登録商標)シリーズという製品が、カチオン性界面活性剤として使用されてもよい。「エステルクォート(esterquat)」は一般に、第四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩であると理解される。エステルクォートは、本組成物に格別の柔らかさを付与することができる。エステルクォートは、関連する有機化学的な方法によって調製された、公知の物質である。本発明による使用に適した他のカチオン性界面活性剤は、第四級化タンパク質加水分解物である。
【0163】
本発明の一実施形態は、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、及び少なくとも1種の油成分を含む、組成物を対象とする。
【0164】
油成分は一般的に、本組成物に対して0.1~80重量%の総量、好ましくは0.5~70重量%の総量、より好ましくは1~60重量%の総量、さらにより好ましくは1~50重量%の総量、特定すると1~40重量%の総量、より特定すると5~25重量%の総量、具体的には5~15重量%の総量で存在する。
【0165】
油成分は例えば、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールを主体としたゲルベアルコール並びに他のさらなるエステル、例えばミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート及びエルシルエルケートから選択されてもよい。同様に適しているものは、C18~C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖状又は分岐状C6~C22脂肪アルコール、特により特定するとジオクチルマレートとのエステル、直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオール若しくはトリマートリオール)とのエステル、C6~C10脂肪酸を主体としたトリグリセリド、C6~C18脂肪酸を主体とした液体状モノ-、ジ-及びトリグリセリド混合物、C6~C22脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、より特定すると安息香酸とのエステル、ジカルボン酸と2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシル基を含有するポリオールとのエステル、植物油、分岐状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状及び分岐状C6~C22脂肪アルコールカルボネート、例えばジカプリリルカルボネート(Cetiol(登録商標)CC)、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールを主体としたゲルベカルボネート、安息香酸と直鎖状及び/又は分岐状C6~C22アルコール(例えば、Finsolv(登録商標)TN)とのエステル、アルキル基1個当たり6~22個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状の対称又は非対称ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオール及び炭化水素との開環生成物或いはこれらの混合物である。
【0166】
本発明の別の実施形態は、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、並びに少なくとも1種の抗酸化剤を含む組成物を対象とする。
【0167】
抗酸化剤は、酸素の効果及び他の酸化過程によって引き起こされる、保護される組成物における望ましくない変化を阻害又は予防することを可能にする。抗酸化剤の効果は、ほとんどの場合、抗酸化剤が自動酸化中に生じる遊離基に対する遊離基スカベンジャーとして作用することにある。
【0168】
抗酸化剤は、例えば
- アミノ酸(例えばグリシン、アラニン、アルギニン、セリン、トレオニン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、
- イミダゾール(例えばウロカニン酸)及びその誘導体、
- ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン(=β-アラニル-L-ヒスチジン)及びその誘導体、
- カロテノイド、カロテン(例えばアルファ-カロテン、ベータカロテン、リコペン、ルテイン)又はその誘導体、
- クロロゲン酸及びその誘導体、
- リポ酸及びその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、
- アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、ガンマ-リノレイル、コレステリル及びそのグリセリルエステル)並びにその塩、
- ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、
- スルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)、
- (金属)キレート剤(例えばアルファ-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、
- アルファ-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、
- フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、ボルジン(=植物ペウムス・ボルドゥス(Peumus boldus)からのアルカロイド、ボルドー抽出物、
- EDTA、EGTA及びその誘導体、
- 不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えばガンマ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、
- 葉酸及びその誘導体、
- ユビキノン及びユビキノール並びにその誘導体、
- ビタミンC及び誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、
- トコフェロール及び誘導体(例えばビタミンEアセテート)、
- ビタミンA及び誘導体(例えばビタミンAパルミテート)、
- ガムベンゾインのコニフェリルベンゾエート、ルチン酸(rutic acid)及びその誘導体、アルファ-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、
- ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、
- ノルジヒドログアイアシン酸(nordihydroguaiacic acid)、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、
- スーパーオキシドディスムターゼ、
- 亜鉛及びその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、
- セレン及びその誘導体(例えばセレノメチオニン)並びに
- スチルベン及びその誘導体(例えばスチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)からなる群から選択され得る。
【0169】
好ましい実施形態では、抗酸化剤は、ペンタエリスリチル、テトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート、ノルジヒドログアイアレチン酸、フェルラ酸、レスベラトロール、プロピルガレート、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビルパルミテート及びトコフェロールからなる群から選択される。
【0170】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して0.001~25wt%の量、好ましくは0.005~10wt%の量、好ましくは0.01~8wt%の量、好ましくは0.025~7wt%の量、好ましくは0.05~5wt%の量で抗酸化剤を含み得る。
【0171】
上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物は、消臭組成物とも共に使用できる。
【0172】
消臭組成物(デオドラント及び制汗剤)は、体の匂いを中和する、マスキングする、又は解消する。体の匂いは、アポクリン発汗時の皮膚細菌の作用を介して形成され、これにより、不快な匂いのする分解生成物が形成される。
【0173】
本発明の別の実施形態は、したがって、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、並びに少なくとも1種のデオドラント活性剤を含む組成物を対象とする。
【0174】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのデオドラント活性剤は、制汗剤、エステラーゼ阻害剤及び抗菌剤からなる群から選択される。
【0175】
適切な制汗剤は、アルミニウム、ジルコニウム又は亜鉛の塩からなる群から選択され得る。例は、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレート及び例えば1,2-プロピレングリコールとのその錯体化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルタレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート及び例えばアミノ酸例としてグリシンとのその錯体化合物である。アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート及びその錯体化合物が、好ましくは使用される。
【0176】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレート、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルタレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート及びアルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレートからなる群から選択される少なくとも1種の制汗剤を含む。
【0177】
本発明による組成物は、組成物の固形分に対して、制汗剤を1~50wt%の量、好ましくは5~30wt%の量、より詳細には10~25wt%の量で含み得る。
【0178】
汗がわきの下の領域に存在する場合、細胞外酵素であるエステラーゼ、主にプロテアーゼ及び/又はリパーゼが細菌により形成され、汗に存在するエステルを分裂させ、この工程の際に匂いが放出される。適切なエステラーゼ阻害剤は、例えばトリアルキルシトレート、例としてトリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート、特にトリエチルシトレートである。エステラーゼ阻害剤は、酵素活性を阻害するので、匂いの発生を抑える。遊離酸は、おおかたクエン酸エステルの切断により放出され、皮膚のpH値を、酵素がアシル化により不活化される程度まで低下させる。他のエステラーゼ阻害剤は、ステロールスルフェート又はホスフェート、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロールスルフェート又はホスフェート、ジカルボン酸及びそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル、ヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステル並びに亜鉛グリシネートである。
【0179】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレートトリエチルシトレート、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール、シトステロールスルフェート、シトステロールホスフェート、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸、マロン酸ジエチルエステル、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酒石酸ジエチルエステル及び亜鉛グリシネートからなる群から選択される少なくとも1つのエステラーゼ阻害剤を含む。
【0180】
本発明による組成物は、組成物の固形分に対して、0.01~20wt%の量、好ましくは0.1~10wt%の量、より詳細には0.5~5wt%の量でエステラーゼ阻害剤を含み得る。
【0181】
本明細書で使用する場合の「抗菌剤」という用語は、殺菌及び/又は静菌特性を有する物質を包含する。典型的には、これらの物質は、グラム陽性菌に対して作用し、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸並びにその塩及びエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロルヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド(TTC)、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド、例えばサリチル酸-n-オクチルアミド又はサリチル酸-n-デシルアミドである。
【0182】
好ましい実施形態では、抗菌剤は、キトサン、フェノキシエタノール、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェンオキシ)-フェノール、4-ヒドロキシ安息香酸並びにその塩及びエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロルヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド(TTC)、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミドからなる群から選択される。
【0183】
本発明による組成物は、組成物の固形分に対して、0.01~5wt.%の量、好ましくは0.1~2wt%の量で抗菌剤を含み得る。
【0184】
上に定義されたような、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物は、多種多様なアロマ組成物中で使用することができる。嗅覚特性、物質特性(通常の溶媒への可溶度及びこのような組成物に属するさらなる通常の構成要素との適合性等)、並びに式(I)の化合物、及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物の毒物学的容認度は、記載してきた使用目的及び組成物に対する特段の適性を際立たせている。
【0185】
したがって、本発明の好ましい実施形態では、香料組成物は、匂い組成物、より好ましくはフレグランス組成物である。
【0186】
本発明による組成物は、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択され得るが、それらに限定されない。
【0187】
芳香組成物は、ファインフレグランス、液体形態、ゲル状の形態又は固体キャリアに塗布された形態のエアフレッシュナー、エアロゾルスプレー、香り付き洗浄剤、香りキャンドル、及びオイル、例えばランプオイル又はメッセージ用オイルから選択することができる。
【0188】
ファインフレグランスの例は、香水抽出物(perfume extracts)、オードパルファン、オードトワレ、オーデコロン、オードソリッド及びエクストレパルファン(Extrait Parfum)である。
【0189】
ボディケア組成物は、化粧品組成物を含み、アフターシェーブ、プレシェーブ製品、スプラッシュコロン、固体石けん及び液体石けん、シャワージェル、シャンプー、ひげ剃り用石けん、シェービングフォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型の化粧品用エマルション、例えばスキンクリーム及びスキンローション、フェイスクリーム及びフェイスローション、日焼け止めクリーム及び日焼け止めローション、日焼けケア用クリーム及び日焼けケア用ローション、ハンドクリーム及びハンドローション、フットクリーム及びフットローション、脱毛クリーム及び脱毛ローション、アフターシェーブクリーム及びアフターシェーブローション、日焼けクリーム及び日焼けローション、ヘアケア製品、例えばヘアスプレー、ヘア用ジェル、整髪ローション、ヘアコンディショナー、ヘアシャンプー、パーマネント型及びセミパーマネント型の毛染め剤、ヘアシェイピング用組成物、例えばコールドウェーブ用薬剤(cold wave)及びヘアスムージング用組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローション、消臭剤及び制汗剤、例えばわきの下用のスプレー剤、ロールオン、消臭スティック及び消臭クリーム、装飾化粧品、例えばアイライナー、アイシャドウ、マニキュア液、メーキャップ、口紅及びマスカラから選択することができる。
【0190】
口腔及び歯科衛生用品は、例えば練り歯磨き、デンタルフロス、マウスウォッシュ、ブレスフレッシュナー、デンタルフォーム、デンタルジェル、及びデンタルストリップを含む。
【0191】
衛生用品は、線香、殺虫剤、防虫剤、噴射剤、さび取り剤、香り付きふき取りシート(perfumed freshening wipe)、わきパッド、赤ちゃん用おむつ、生理用ナプキン、トイレットペーパー、化粧品ふき取りシート(cosmetic wipe)、ポケットティッシュ、食洗機及び脱臭剤から選択することができる。
【0192】
洗浄組成物、例えば固体表面のための洗浄剤は、香り付きの酸性、アルカリ性及び中性洗浄剤、例えば床用洗浄剤、窓用洗浄剤、手洗い用及び機械洗浄用の食器洗い用洗剤、浴室用洗浄剤及びサニタリー用洗浄剤、スカーリングミルク(scouring milk)、固体型及び液体型トイレ用洗浄剤、粉末型及び泡型カーペット用洗浄剤、ワックス及び磨き剤、例えば家具用磨き剤、床用ワックス、靴クリーム、消毒剤、表面消毒剤及びサニタリー用洗浄剤、ブレーキ用洗浄剤、パイプ用洗浄剤、水垢除去剤、グリル用及びオーブン用洗浄剤、藻類除去剤及びコケ除去剤、カビ除去剤、ファサード洗浄剤(facade cleaner)から選択することができる。
【0193】
繊維用洗剤組成物は、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯用前処理剤、例えば漂白剤、漬け置き剤及び染み除去剤、繊維柔軟剤、洗濯用石けん、洗濯用錠剤から選択することができる。
【0194】
食品は、食べることができる生の、調理済みの若しくは加工済みの物質、氷、飲料、又は、人間の消費のために全体若しくは一部が使用される若しくは使用されることが意図された成分、或いは、チューインガム、グミ、ゼリー及び菓子類を意味する。
【0195】
栄養補助食品は、さらなる栄養価を飲食物に加えるように意図された食用成分を含有する、摂取が意図された製品である。食用成分は、次の物質、すなわち、ビタミン、ミネラル、ハーブ又は他の植物性薬品、アミノ酸、合計飲食物摂取量の増大によって飲食物を補助することを目的とした人々が使用するための飲食物用物質、濃縮物、代謝物質、構成要素又は抽出物のうちの1つ又は任意の組合せであってもよい。栄養補助食品は、錠剤、カプセル、軟質ゲル、ジェルキャップ、液体又は粉末等の数多くの形態で見出され得る。
【0196】
医薬組成物は、疾患の診断、治療、軽減、処置又は予防における使用のために意図された組成物、及び、人間又は他の動物の身体の構造又は何らかの機能に影響するように意図された(食品以外の)物品を含む。
【0197】
作物保護組成物は、農業作物及び森林を損なう植物病害、雑草及び他の有害生物(脊椎動物と無脊椎動物との両方)の管理のために意図された、組成物を含む。
【0198】
本発明による組成物は、1種以上の物質、例えば、保存料、研磨剤、抗にきび剤、皮膚の老化を抑えるための作用物質、抗細菌剤、脂肪沈着防止剤、フケ防止剤、抗炎症剤、刺激予防剤、刺激緩和剤、抗菌剤、抗酸化剤、収れん剤、発汗抑制剤、消毒剤、静電気防止剤、結合剤、緩衝材、キャリア材料、キレート化剤、細胞刺激物質、洗浄剤、手入れ用物質(care agent)、脱毛剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、フィルム形成剤、保留剤(fixative)、泡形成剤、泡安定剤、発泡を予防するための物質、発泡増進剤、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、ヘアシェイピング剤、ヘアスムージング剤、水分付与剤、加湿物質、湿潤剤物質、漂白剤、補強剤、染み除去剤、蛍光増白剤、含浸剤、汚れ忌避剤(soil repellent)、摩擦低減剤、滑沢剤、加湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、磨き剤、光沢剤、ポリマー、粉末、タンパク質、加脂剤(refatting agent)、スクラブ剤、シリコーン、皮膚鎮静剤、皮膚洗浄剤、スキンケア剤、皮膚治癒剤、皮膚美白剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤(warming agent)、皮膚加温剤、安定剤、紫外線吸収剤、紫外線フィルター、繊維柔軟剤、懸濁剤、日焼け剤、増粘剤、ビタミン、油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ不飽和又はポリ不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、着色防止剤(color-protection agent)、顔料、防食剤、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒又はシリコーン誘導体をさらに含むことができる。
【0199】
上に定義されたような、式(I)の化合物及び2種以上の式(I)の化合物の混合物、その立体異性体及びその立体異性体の混合物、並びにそれらを含む本発明の香料組成物は、マイクロカプセル封入された形態、噴霧乾燥形態、包接錯体の形態、又は押出製品の形態であってもよい。より目標を絞った香気の放出に関する特性は、適切な材料を用いたいわゆる「コーティング」によって、さらに最適化することが可能であり、この目的ために、好ましくは、例えばポリビニルアルコール等のワックス状合成物質が使用される。
【0200】
マイクロカプセル封入は例えば、いわゆるコアセルベーション法によって、例えばポリウレタン状物質又は軟ゼラチンから製造されたカプセル材料を用いて実施することができる。噴霧乾燥された香油は、例えば、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、及び本発明の以上の方法により得られる組成物を含むエマルション又は分散物を噴霧乾燥させることによって製造することができ、使用され得るキャリア物質は、変性デンプン、タンパク質、デキストリン、及び植物性ガムである。包接錯体は、例えば、フレグランス組成物及びシクロデキストリン又は尿素誘導体の分散物を適切な溶媒、例えば水に導入することによって、調製することができる。押出製品は、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は本発明の以上の方法により得られる組成物を、任意選択により適切な溶媒、例えばイソプロパノールに取り込ませた状態で、適切なワックス状物質と一緒にして溶融させ、押出した後に固化させることによって、製造することができる。
【0201】
一般的に、本発明の香料組成物中の、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物の合計量は、典型的には特定の使用目的又は意図する用途に適合され、よって、広範囲にわたって変化し得る。原則として、従来の標準的な市販品の香りの量が用いられる。
【0202】
本発明による組成物は、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物を、本組成物の合計重量に対して0.001~99.9重量%、好ましくは0.01~90重量%、より好ましくは0.05~80重量%、特に0.1~60重量%、より特定すると0.1~40重量%、例えば0.1~10重量%又は0.1~15重量%の総量で含むことができる。
【0203】
本発明の一実施形態では、本組成物は、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物を、本組成物の合計重量に対して0.001~5重量%、好ましくは0.01~2重量%の総量で含む。
【0204】
本発明のさらなる態様は、香料組成物、特にフレグランス組成物、とりわけ芳香組成物を調製する方法、又は香料組成物、特にフレグランス組成物、とりわけすぐに芳香組成物の香り特性を変更する方法であって、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくはその2種以上の立体異性体の混合物を、前記組成物に組み込む工程を含む、方法を対象とする。
【0205】
特に、本発明は、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物を調製する方法であって、上に定義されたような、式(I)の化合物若しくは2種以上の一般式(I)の化合物の混合物、又はその立体異性体若しくは2種以上のその立体異性体の混合物を、前記芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含ませる工程を含む、方法を対象とする。
【0206】
一実施形態では、本発明は、フルーティ、ガルバナム、カンファー、ルーティ及びアーシーのノートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に含ませる工程を含む、方法を対象とする。
【0207】
別の実施形態では、本発明は、ファーニードル、カンファー、フレッシュ及びナチュラルのノートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、1,1-ジエチルプロピルアセテートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に含ませる工程を含む、方法を対象とする。
【0208】
別の実施形態では、本発明は、フローラル、ハニー及びドライフルーツのノートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、70重量%の1,1-ジエチルアリルアセテート、及び25重量%の1,1-ジエチルプロピルアセテートを含む混合物を、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に含ませる工程を含む、方法を対象とする。
【0209】
別の実施形態では、本発明は、フルーティ、カンファー、スウィート、チェリー及びソルベントのノートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、1,1-ジエチルプロピルプロパノエートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に含ませる工程を含む、方法を対象とする。
【0210】
別の実施形態では、本発明は、エシリアル、スウィート、モールディ、ヘイ、チョコレート、ユーカリ及びリーフィのノートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、3-メトキシ-2,3-ジメチル-ペンタンを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に含ませる工程を含む、方法を対象とする。
【0211】
別の実施形態では、本発明は、モールディ、ウッディ、シダーウッド及びガルバナムのノートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、3-エチル-3-メトキシ-ペンタンを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に含ませる工程を含む、方法を対象とする。
【0212】
別の実施形態では、本発明は、ラベージ、スウィート、ウッディ及びフルーティのノートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、85重量%の(1-イソプロピル-1-メチル-アリル)アセテート及び10重量%の(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテートを含む混合物を、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に含ませる工程を含む、方法を対象とする。
【0213】
別の実施形態では、本発明は、アニマリック、ブラックカラント、スウィート及びテクニカルのノートを、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、90重量%の3-エチル-3-メトキシ-ペンタ-1-エン及び10重量%の3-エチル-3-メトキシ-ペンタンを含む混合物を、芳香組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯科衛生用品、衛生用品、洗浄組成物、繊維用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に含ませる工程を含む、方法を対象とする。
【0214】
式(I)の化合物は、有機化学の標準方法によって調製できる。
【0215】
より正確に言えば、化合物(I)(式中、R4は、C1~C4-アルカノイルから選択される)は、例えば、式(II)
【0216】
【化8】
(式中、R1、R2及びR3は、上に示した意味のうちの1つを有する)
のアルコールを、エステル化触媒の存在下でC1~C4-カルボン酸若しくはC1~C4-カルボン酸無水物と、又は塩基の存在下でC1~C4-カルボン酸クロリドと反応させることによって効率的に調製できる。
【0217】
この反応に適用できる適切なエステル化触媒は、当業者に周知である。適切なエステル化触媒は、例えば金属系触媒、例えば、金属の形態の鉄、カドミウム、コバルト、鉛、亜鉛、アンチモン、マグネシウム、チタン、及び錫の触媒、金属酸化物、若しくは金属塩、例えば、金属アルコキシレート、鉱酸、例えば、硫酸、塩酸、若しくはリン酸、又は、有機スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸若しくはパラ-トルエンスルホン酸である。
【0218】
適切な塩基は、好ましくは、有機塩基から選択される。使用できる適切な有機塩基は、例えば、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン等、又は塩基性N-複素環、例えば、モルホリン、ピリジン、ルチジン、DMAP、DABCO、DBU、又はDBNである。
【0219】
一般式(I)のエステル化合物を調製するための別個の反応条件は、当業者に周知である。
【0220】
化合物(I)(式中、R4は、C1~C4-アルキルから選択される)は、例えば式(II)
【0221】
【化9】
(式中、R1、R2及びR3は、上に示した意味のうちの1つを有する)
のアルコールを、塩基の存在下でアルキル化試薬R4-Y(R4は、C1~C4-アルキルから選択され、Yは、ハロゲン、例えばCl、Br又はI、スルホネート、例えばトシレート、メシレート、トリフレート又はノナフレート、スルフェート、例えばメチルスルフェート又はエチルスルフェート及びカーボネート、例えばメチルカーボネート又はエチルカーボネートから選択される脱離基を表す)と反応させることによって効率的に調製できる。
【0222】
適切な塩基は、典型的には、無機塩基及び有機塩基から選択される。
【0223】
このアルキル化反応で使用できる適切な無機塩基は、例えば、アルカリ金属炭酸塩、例えば、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、又はCs2CO3、アルカリ金属水酸化物、例えば、LiOH、NaOH、又はKOH、及び水素化物供与体、例えば、NaH、LiAlH4、又はNaBH4である。
【0224】
このアルキル化反応で使用できる適切な有機塩基は、例えば、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン等、又は塩基性N-複素環、例えば、モルホリン、ピリジン、ルチジン、DMAP、DABCO、DBU、又はDBNである。
【0225】
アルキル化反応は、当業者に周知の従来のアルキル化反応条件下で実施される。
【0226】
アルコール化合物(II)は市販されている、又はそれらは、当技術分野において十分記載されているプロセスを使用することにより、容易に入手可能な前駆体から調製できる。
【0227】
例えば、一般式(II.a)
【0228】
【化10】
(式中、R2及びR3は、上に示した意味のうちの1つを有する)
のアルコールは、スキーム1(工程i))で描写されている式(III)の対応するシクロケトンのエチニル化、続いてこのように得られるアセチレン性不飽和アルコール(IV)(工程ii))の部分的(選択的)水素化により調製できる。
【0229】
スキーム1:
【0230】
【化11】
典型的には、工程i)は、強塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例として水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、又はアルカリ金属アルコキシド、例としてカリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド若しくはナトリウムイソプロポキシドの存在下で実施される。無機塩基は、カルボニル化合物(III)の量に対して、通常0.1~5当量に及ぶ量で適用される。エチニル化は、典型的には、過剰なアセチレン(エチン)の存在下で、すなわち1~50barの範囲のアセチレン圧力で実施される。通常、アセチレン圧力は、エチニル化反応の間、適切な値で維持される。
【0231】
エチニル化は、通常不活化溶媒、すなわちエチニル化に適用される出発材料、中間体及び試薬と、又は得られた生成物と反応しない溶媒中で実施される。適切な溶媒は、例えばアルコール、例としてメタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノール;芳香族及び置換芳香族炭化水素、例えばベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン;並びに脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、リグロイン及び石油エーテル、ハロゲン化脂肪族炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン及びテトラクロロメタン、エーテル、例えばジブチルエーテル、THF、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、並びにそれらの混合物である。
【0232】
アルキニル化反応が溶媒としてのアンモニア中で行われる一方、強塩基が触媒量でのみ適用される同様のプロセスは、例えばEP1532092 B1及びUS2015/0246868 A1に記載されている。
【0233】
工程ii)における部分的(選択的)水素化は、典型的には、水素化触媒の存在下で、水素を有する液相において実施されるが、気相においても実施できる。好ましくは、工程ii)における部分的(選択的)水素化は、液相において実施される。水素化触媒及び反応条件は、炭素-炭素三重結合が対応する炭素-炭素二重結合へと、部分的にのみ水素化されるように選択される。
【0234】
化合物(IV)の三重結合の部分水素化に適用され得る適切な水素化触媒は、炭素-炭素三重結合の炭素-炭素二重結合への水素化において通例使用されるものである。水素化触媒は、均一系水素化触媒及び不均一系水素化触媒から選択され得る。好ましくは、水素化触媒は、不均一系水素化触媒から選択される。不均一系水素化触媒が工程ii)における部分的(選択的)水素化に使用される場合、不均一系水素化触媒は、典型的には顆粒又は微粉末の形態で、又はより大きい成形体、例えば、1~数ミリメートル、例えば1、2、5又は10ミリメートルの定義された粒径を有する成形体の形態で適用される。不均一系水素化触媒が使用される場合、工程ii)における部分的(選択的)水素化は、好ましくは懸濁液式又は固定床式で実施される。
【0235】
不均一系水素化触媒は、好ましくは、第VIII族の少なくとも1種の金属を含む。適切な第VIII族の金属は、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム及び白金からなる群、好ましくはルテニウム、ニッケル、パラジウム及び白金からなる群から選択される。不均一系水素化触媒は、特に、触媒活性種としてのパラジウムを含む。
【0236】
さらに、化合物(IV)の三重結合の部分水素化に適用され得る不均一系水素化触媒は、典型的には、触媒活性金属に加えて、得られたオレフィン化学種のさらなる水素化を予防するために、触媒毒、すなわち触媒の活性/有効性を低下させる物質を含有する。適切な触媒毒は、例えば触媒活性金属以外の金属、例としてSn、Pb、Zn、Cd、Sb若しくはBi;無機アニオンの金属塩、例として硫酸バリウム若しくは炭酸カルシウム;無機化合物、例としてCO、CO2、H2O、H2S、CS2、SO2若しくは硫黄;又は有機化合物、例として窒素含有複素環、例えばキノリン及びピリジン若しくはチオール、例としてエタンチオールである。
【0237】
好ましくは、化合物(IV)の三重結合の部分的水素化において適用され得る不均一系水素化触媒は、担持不均一系水素化触媒である。担体は、触媒活性材料がコーティングされていてもよい任意の様々な材料であり得る。典型的には、かなり高い表面積を有し、適用される反応下で、また必要に応じて、適用される再生条件下で安定な担体材料が好ましい。適切な材料は、例えば鉱物素材、例として天然及び合成鉱物、金属酸化物、ガラス若しくはセラミック、炭素、例えば活性炭素若しくはカーボンブラック、プラスチック、例えば合成若しくは天然ポリマー又はそれらの組合せである。好ましい担体材料は、例えば活性炭素、二酸化ケイ素、特に非晶質二酸化ケイ素、アルミナ、二酸化チタン、二酸化クロム、並びにまた、アルカリ土類金属の硫酸塩及び炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸バリウム、及び硫酸バリウムである。担持不均一系水素化触媒は、粉末、粒子、ペレット、モノリス、ハニカム、充填層、フォーム、エアロゲル、顆粒、ビーズ、ピル、シリンダー、トリローブ(trilobe)、押出物、球若しくは他の丸い形状の形態で、又は他の製造された構造体の形態で使用され得る。
【0238】
工程ii)における部分水素化に適用される反応温度は、一般に10~100℃、好ましくは15~70℃、特に20~50℃である。水素圧は、一般に1~20barの絶対圧(0.1~2MPa)、好ましくは1~10barの絶対圧(0.1~1MPa)である。水素化は、この目的に関して公知の様々な反応器、例えば撹拌タンク反応器、固定床反応器及びトリクルベッド反応器で実施できる。固定床反応器又は撹拌タンク反応器が優先される。
【0239】
水素化反応は、不活化溶媒の存在下又は非存在下で実施できる。好ましくは、水素化反応は、不活化溶媒の存在下で実施される。適切な不活化溶媒は、上に定義された通りである。
【0240】
同様に、一般式(II.b)
【0241】
【化12】
(式中、R2及びR3は、上に示した意味のうちの1つを有する)のアルコールは、例えばスキーム2(工程i))で描写されている式(III)の対応するシクロケトンのエチニル化、続いてこのように得られたアセチレン性不飽和アルコール(IV)(工程iii))の完全水素化により調製できる。
【0242】
スキーム2:
【0243】
【化13】
工程iii)における触媒水素化は、典型的には、水素化触媒の存在下で水素を有する液相において実施されるが、気相においても実施できる。好ましくは、工程iii)における触媒水素化は、液相において実施される。
【0244】
適切な水素化触媒は、炭素-炭素三重結合の炭素-炭素単結合への水素化(完全水素化)において通例使用されるものである。水素化触媒は、均一系水素化触媒及び不均一系水素化触媒から選択され得る。好ましくは、水素化触媒は、不均一系水素化触媒から選択される。不均一系水素化触媒が工程iii)における触媒水素化に使用される場合、不均一系水素化触媒は、典型的には顆粒又は微粉末の形態で、又は上に定義されたようなより大きい成形体の形態で適用される。不均一系水素化触媒が使用される場合、水素化は、好ましくは懸濁液式又は固定床式で実施される。
【0245】
水素化触媒は、好ましくは少なくとも1種の第VIII族、また、第VIIa族の金属を含む。適切な第VIII族の金属は、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム及び白金からなる群から選択される。特に適切な第VIII族の金属は、鉄、ルテニウム、ニッケル、パラジウム及び白金である。第VIIa族の適切な金属は、レニウムである。金属は、例えば2種以上の第VIII族の金属の混合物の形態でも使用できる。第VIII族の金属はまた、さらなる金属、例えば、第VIIa族の金属、特にレニウム、又は第Ib族の金属、すなわち、銅、銀、又は金を含むこともある。触媒は、とりわけ、触媒活性種としてのパラジウムを含む。
【0246】
工程iii)における触媒水素化に適用される不均一系水素化触媒は、担持されていてもよく、又は担持されていなくてもよい。好ましくは、工程iii)における触媒水素化に適用される不均一系水素化触媒は、担持不均一系水素化触媒である。適切な担体は、上に定義された通りである。
【0247】
不均一系触媒が使用される場合、これは、好ましくは微細化された形態、すなわち微細顆粒又は微粉末の形態で存在する。微細化された形態は、例えば、以下のように達成される:
a)ブラック触媒:触媒として使用する直前に、金属を、その塩のうちの1種の溶液から還元的に析出させる。
b)アダムス触媒:金属酸化物、特に白金及びパラジウムの酸化物を、水素化に使用される水素によりその場で還元する。
c)骨格又はラネー触媒:触媒を、金属(特にニッケル又はコバルト)のアルミニウム又はケイ素との2成分合金から、一方のパートナーを酸又はアルカリで浸出させることにより、「金属スポンジ(metal sponge)」として調製する。本来の合金パートナーの残留物は、相乗的に作用することが多い。
d)担持触媒:ブラック触媒を、担体物質の表面上に析出させることもできる。適切な担体及び担体材料は、以下に記載される。
【0248】
反応温度は、一般に10~100℃、好ましくは15~70℃、特に20~50℃である。水素圧は、一般に2~100barの絶対圧(0.2~10MPa)、好ましくは5~50barの絶対圧(0.5~5MPa)である。水素化は、この目的に関して公知の様々な反応器で実施できる。固定床反応器、特にトリクルベッド反応器が優先される。
【0249】
工程iii)における触媒水素化反応は、不活化溶媒の存在下又は非存在下で実施できる。好ましくは、水素化反応は、不活化溶媒の存在下で実施される。適切な不活化溶媒は、上に定義された通りである。
【0250】
一般に、反応混合物は、例えば水と混合し、反応混合物を中和し、反応に酸及び塩基が適用される場合、相を分離し、生成物を有機相から単離し、適切な場合、通常の方法、例えば、蒸留法、抽出法、又はクロマトグラフィー法により粗生成物を精製することにより、従来の様式で後処理される。反応が固定床式で実行されず、不均一系触媒、例えば不均一系水素化触媒が反応に適用される場合、触媒は、後処理前に濾去される。
【0251】
別の態様では、本発明は、一般式(I.a)
【0252】
【化14】
(式中、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4aは、C2~C4-アルキルである)
の化合物であって、化合物3-エトキシ-3-エチル-ヘキサン、3-エトキシ-3-メチル-ペンタン及び3-エトキシ-3-エチル-ペンタンが除外される、化合物若しくはその立体異性体
又は
一般式(I.b)
【0253】
【化15】
(式中、
R2は、C1~C3-アルキルであり、
R3は、C2~C4-アルキルであり、
R4aは、C2~C4-アルキルである)
の化合物であって、化合物3-エトキシ-3-メチルヘプタ-1-エン及び3-エトキシ-3-メチル-ペンタ-1-エンが除外される、化合物若しくはその立体異性体に関する。
【0254】
好ましくは、これらの化合物(I.a)及び(I.b)において、R2は、メチル又はエチルである。
【0255】
好ましくは、これらの化合物(I.a)及び(I.b)において、R3は、エチル、n-プロピル、イソプロピル又はn-ブチル、より好ましくは、エチル、n-プロピル又はイソプロピル、特にエチル又はイソプロピル、特にイソプロピルである。
【0256】
好ましくは、これらの化合物(I.a)及び(I.b)において、R4aは、C2~C3-アルキル、特にエチルである。
【0257】
特に、本発明は、3-エトキシ-2,3-ジメチル-ペンタンに関する。
【0258】
一般式(I.a)及び(I.b)の化合物は、一般式(I)のエーテル化合物について上に記載したように調製できる。
【0259】
したがって、本発明はまた、上に定義されたような式(I.a)若しくは(I.b)の化合物又は2種以上の式(I.a)及び/若しくは(I.b)の化合物の混合物、或いはその立体異性体又はその立体異性体の混合物を調製する方法であって、以下の工程:
(i)式(III)(式中、R2は、C1~C3-アルキルであり、R3は、C2~C4-アルキルである)のケトンを用意する工程、
(ii)工程(i)で用意したケトンを、塩基の存在下で、アセチレンと反応させて、一般式(IV)(式中、R2は、C1~C3-アルキルであり、R3は、C2~C4-アルキルである)のアセチレン性不飽和アルコールを得る工程、
(iii)工程(ii)で得られたアセチレン性不飽和アルコール(IV)を、水素化触媒の存在下で、水素で部分的に又は完全に水素化して、一般式(II.a)(式中、R2は、C1~C3-アルキルであり、R3は、C2~C4-アルキルである)の飽和アルコール(完全水素化)又は一般式(II.b)(式中、R2は、C1~C3-アルキルであり、R3は、C2~C4-アルキルである)のオレフィン性アルコール(部分水素化)を得る工程、
(iv)工程(iii)で得られたアルコール(II.a)又は(II.b)を、塩基の存在下で、アルキル化試薬R4a-Y(式中、R4aは、C2~C4-アルキルであり、Yは、ハロゲン、例えばCl、Br又はI、スルホネート、例えばトシレート、メシレート、トリフレート又はノナフレート、スルフェート、例えばメチルスルフェート又はエチルスルフェート及びカーボネート、例えばメチルカーボネート又はエチルカーボネートから選択される脱離基を表す)と反応させて、未精製生成物混合物を得る工程、並びに
(v)工程(iv)で得られた未精製生成物混合物を精製工程に供する工程
を含む、方法に関する。
【0260】
適切且つ好ましい試薬及び反応条件、並びにR2、R3及びR4aの好ましい意味は、上に記載されている通りである。
【0261】
本発明は、以下の例により例示される。
【実施例
【0262】
略語:
GC:ガスクロマトグラフィー
RT:保持時間
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
MTBE:メチルtert.-ブチルエーテル
【0263】
分析:
生成物の純度を、ガスクロマトグラフィーにより、面積%に基づいて測定した:
GC-システム:Agilent 7890 B;
GC-カラム:DB-WAX (30m(長さ)、0.32mm(ID)、0.25マイクロメーター(フィルム));
温度プログラム:5°/分で85℃~230℃
【0264】
生成物を、13C NMRにより同定した。
【0265】
1.調製例
1.1 3,4-ジメチルペンタ-1-イン-3-オールの調製
5lオートクレーブにおいて、ナトリウムメトキシド308.5g(5.5mol)をテトラヒドロフラン1500ml中に懸濁し、窒素でパージする。オートクレーブを10℃で窒素2bar及びアセチレン18barで加圧する。3-メチル-2-ブタノン5molを10℃で16hかけて連続的に添加しながら、20barの圧力を維持する。混合物を0℃でさらに5時間撹拌してから、圧力を解放する。水500mlを慎重に添加しながら、温度を30℃未満に維持する。有機相を分離し、pHをリン酸でpH7に調整し、そのように得られた粗生成物を分画し、蒸留して、純粋3,4-ジメチルペンタ-1-イン-3-オールを得る。
【0266】
1.2 2,3-ジメチルペンタン-3-オールの調製
スチール製オートクレーブに、例1.1で得られた3,4-ジメチルペンタ-1-イン-3-オール25g及びメタノール50mlを入れた。触媒(5%Pd/C)2gを添加し、水素化を30barの水素圧及び60℃で行った。完全な変換(GCにより確認)の後で、反応を停止させ、触媒をセライトで濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物、すなわち2,3-ジメチルペンタン-3-オールを以下の工程で直接使用した。
【0267】
1.3 3-エチルペンタ-1-イン-3-オールの調製
5lオートクレーブにおいて、ナトリウムメトキシド308.5g(5.5mol)をテトラヒドロフラン1500ml中に懸濁し、窒素でパージする。オートクレーブを、10℃で、窒素2bar及びアセチレン18barで加圧する。3-ペンタノン5molを10℃で16hかけて連続的に添加しながら、圧力を20barで維持する。混合物を0℃でさらに5時間撹拌してから、圧力を解放する。水500mlを慎重に添加しながら、温度を30℃未満に維持する。有機相を分離し、pHをリン酸でpH7に調整し、そのように得られた粗生成物を分画し、蒸留して、純粋3-エチルペンタ-1-イン-3-オールを得る。
【0268】
1.4 3-エチルペンタ-1-エン-3-オールの調製
スチール製オートクレーブに、13-エチルペンタ-1-イン-3-オール24.8g、メタノール125g及びLindlar-触媒(炭酸カルシウム上Pd、鉛で被毒、例えばSigma-Aldrichから市販)0.15gを入れた。水素化を4barの水素圧及び25℃の温度で行った。20分の反応時間後、出発材料の完全な変換を観察した。部分的水素化を80%(GC面積%)の選択性で観察した。
【0269】
反応を停止させた。触媒を濾去し、溶媒を減圧で蒸発させた。反応生成物、すなわち3-エチルペンタ-1-エン-3-オールと3-エチルペンタン-3-オールの混合物は、さらなる精製をせずに次の工程で直接適用した。
【0270】
1.5 3-エチルペンタン-3-オールの調製
スチール製オートクレーブに、例1.3で得られた3-エチルペンタ-1-イン-3-オール25g及びメタノール50mlを入れた。触媒(5%Pd/C)2gを添加し、水素化を水素圧30bar及び80℃で行った。完全な変換(GCによる確認)の後で、反応を停止させ、触媒をセライトで濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物、すなわち3-エチルペンタン-3-オールを、以下の工程に直接適用した。
【0271】
1.6 (1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテートの調製
【表1】
DMAPを、RTでアルコールのTHF溶液に添加した。混合物を還流させ(53℃)、無水酢酸(1.2eq)をこの温度でゆっくり添加した。23時間後、63%アルコール変換をGCにより観察した。反応を室温に冷却し、水50mLでゆっくりクエンチした。酢酸エチル50mLを次いで添加した。有機相を分離し、NaHCO3及びブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後で、GC(面積%)によれば約52%のアセテートを含有する粗生成物20.4gを得た。生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。対応するアセテートを、99%(GC面積%)の純度で得た。生成物の同定は、NMRにより確認した。
【0272】
【化16】
(1-エチル-1,2-ジメチルプロピル)アセテート: 13C NMR (125 MHz, CDCl3):
δ = 7.73, 16.96, 17.08, 22.03, 27.93, 33.51, 87.92, 170.42
【0273】
1.7 1,1-ジエチルプロピルアセテートの調製
【0274】
【表2】
DMAPを、RTで3-エチル-3-ペンタノールのTHF溶液に添加した。混合物を還流させ(53℃)、無水酢酸(1.2eq)をこの温度でゆっくり添加した。167時間後、93%アルコール変換をGCにより観察した。反応を室温に冷却し、水50mLでゆっくりクエンチした。酢酸エチル50mLを次いで添加した。有機相を分離し、NaHCO3及びブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後で、GC(面積%)によれば約89%のアセテートを含有する粗生成物17.6gを得た。生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。対応するアセテートを99%(GC面積%)の純度で得た。生成物の同定は、NMRにより確認した。
【0275】
【化17】
1,1-ジエチルプロピルアセテート:13C NMR (125 MHz, CDCl3):
δ = 7.70 (C1/ C5/ C7), 22.17 (C9), 26.58 (C2/ C4/ C6), 88.12 (C3), 170.22 (C8)
【0276】
1.8 1,1-ジエチルアリルアセテートの調製
【0277】
【表3】
DMAPを、RTで、例1.4で得られた3-エチルペンタ-1-エン-3-オール及び3-エチルペンタン-3-オールの混合物のTHF溶液に添加した。混合物を還流させ(53℃)、無水酢酸(1.2eq)をこの温度でゆっくり添加した。71時間後、反応を室温に冷却し、水50mLでゆっくりクエンチした。酢酸エチル50mLを次いで添加した。有機相を分離し、NaHCO3及びブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後で、GC(GC面積%)によれば約30%のアセテートと共に約40%の化合物1,1-ジエチルプロピルアセテートを含有する粗生成物9.6gを得た。生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。1,1-ジエチルプロピルアセテートが25%の混合物における70%(GC面積%)の純度を有する対応するアセテートを評価した。生成物の同定は、NMRにより確認した。
【0278】
【化18】
1,1-ジエチルアリルアセテート:13C NMR (125 MHz, CDCl3):
δ = 6.50 (C1/ C9), 20.91 (C11), 27.63 (C2/ C8), 85.35 (C3), 112.93 (C5), 139.30 (C4), 169.23 (C7)
【0279】
1.9 1,1-ジエチルプロピルプロパノエートの調製
【0280】
【表4】
DMAPを、RTでアルコールのTHF溶液に添加した。混合物を還流させ(53℃)、無水プロピオン酸(1.2eq)をこの温度でゆっくり添加した。23時間後、約70%アルコール変換をGCにより観察した。反応を室温に冷却し、水50mLでゆっくりクエンチした。酢酸エチル50mLを次いで添加した。有機相を分離し、NaHCO3及びブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後で、GC(面積%)によれば約50%のプロピオネートを含有する粗生成物22gを得た。生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。対応するプロピオネートを、>98%(GC面積%)の純度で得た。生成物の同定は、NMRにより確認した。
【0281】
【化19】
1,1-ジエチルプロピルプロピオネート:13C NMR (125 MHz, CDCl3):
δ = 7.48, 9.35, 26.60, 28.56, 87.58, 173.42
【0282】
1.10 3-メトキシ-2,3-ジメチルペンタンの調製
【0283】
【表5】
THF75mL中の水素化ナトリウム(1.3eq)の分散体に、THF30mL中の2,3-ジメチルペンタン-3-オールの溶液を0℃でゆっくり添加した。混合物を0℃で30分撹拌した。この後、ヨウ化メチル1.3eqをRTでゆっくり添加した。添加後、混合物を40℃で4.5時間撹拌した。この後、反応混合物を0℃に冷却し、NaH0.25eq、続いてヨウ化メチル0.25eqの添加を繰り返した。混合物を次いで40℃で18時間撹拌した。この時、反応を水50mLでゆっくりクエンチした。有機相をMTBE50mLで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、NH3溶液50mL及び50mLブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後で、GC(面積%)によれば99%のメチルエーテル誘導体を有する粗生成物11.3gを得た。生成物を、蒸留により精製した。対応するエーテルを純度99%で得た。生成物の同定は、NMRにより確認した。
【0284】
【化20】
3-メトキシ-2,3-ジメチル-ペンタン:13C NMR (125 MHz, CDCl3):
δ = 7.22, 16.86, 17.63, 17.75, 26.70, 32.92, 48.36, 78.69.
【0285】
1.11 3-エチル-3-メトキシ-ペンタンの調製
【0286】
【表6】
THF75mL中の水素化ナトリウム(1.3eq)の分散体に、THF30mL中の3-エチル-3-ペンタノールの溶液を0℃でゆっくり添加した。混合物を0℃で30分撹拌した。この後、ヨウ化メチル1.3eqをRTでゆっくり添加した。添加後、混合物を40℃で4時間撹拌した。この後、反応混合物を0℃に冷却し、NaH0.25eq、続いてヨウ化メチル0.25eqの添加を繰り返した。混合物を、次いで40℃で18時間撹拌した。この時、反応を水50mLでゆっくりクエンチした。有機相をMTBE50mLで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、NH3溶液50mL及び50mLブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後で、GC(面積%)によれば99%のメチルエーテル誘導体を有する粗生成物8gを得た。生成物を、蒸留により精製した。対応するエーテルを>99%の純度で得た。生成物の同定は、NMRにより確認した。
【0287】
【化21】
3-エチル-3-メトキシ-ペンタン:13C NMR (125 MHz, CDCl3):
δ = 7.43, 25.57, 48.14, 78.82.
【0288】
1.12 (1-イソプロピル-1-メチル-アリル)アセテートの調製
【0289】
【表7】
DMAPを、RTで3,4-ジメチルペンタ-1-エン-3-オール及び2,3-ジメチルペンタン-3-オールの混合物(82:10)のTHF溶液に添加した。混合物を還流させ(53℃)、無水酢酸(1.2eq)をこの温度でゆっくり添加した。23時間後、反応を室温に冷却し、水50mLでゆっくりクエンチした。酢酸エチル50mLを次いで添加した。有機相を分離し、NaHCO3及びブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後で、GC(GC面積%)によれば約42%のアセテートを含有する粗生成物13.5g。生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。80%(GC面積%)の純度を有する対応するアセテートを、10%の(1-エチル-1,2-ジメチル-プロピル)アセテートとの混合物中で評価した。生成物の同定は、NMRにより確認した。
【0290】
【化22】
(1-イソプロピル-1-メチル-アリル)アセテート:13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 16.94 (C11), 17.10 (C1), 19.33 (C8), 22.22 (C10), 36.28 (C2), 85.84 (C3), 114.12 (C5), 140.10 (C4), 169.98 (C7).
【0291】
1.13 3-エチル-3-メトキシ-ペンタ-1-エンの調製
【0292】
【表8】
THF75mL中の水素化ナトリウム(1.3eq)の分散体に、THF30mL中の3-エチルペンタ-1-エン-3-オール及び3-エチル-3-ペンタノール(80:20)の混合物の溶液を0℃でゆっくり添加した。混合物を0℃で30分撹拌した。この後、ヨウ化メチル1.3eqをRTでゆっくり添加した。添加後、混合物を40℃で4時間撹拌した。この後、反応混合物を0℃に冷却し、NaH0.25eq続いてヨウ化メチル0.25eqの添加を繰り返した。混合物を、次いで40℃で18時間撹拌した。この時、反応を水50mLでゆっくりクエンチした。有機相を、MTBE50mLで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、NH3溶液50mL及びブライン溶液50mLで洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後で、GC(面積%)によれば約70%のメチルエーテル誘導体を有する粗生成物8gを得た。生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。90%(GC面積%)の純度を有する対応するメチルエーテルを、10%の3-エチル-3-メトキシ-ペンタンとの混合物中で評価した。生成物の同定は、NMRにより確認した。
【0293】
【化23】
3-エチル-3-メトキシ-ペンタ-1-エン: 13C NMR (125 MHz, CDCl3):
δ = 7.41 (C1, C9), 26.51 (C2, C8), 49.41 (C7), 79.75 (C3), 115.42 (C5), 142.04 (C4).
【0294】
2.嗅覚評価:
本発明の化合物(I)の匂いの質及び強さを試験するために、香りストリップ試験(scent strip test)を実施した。
【0295】
この目的のために、吸収紙のストリップを、エタノール中1~10重量%の試験される化合物(I)の溶液を含有する溶液へと浸漬させた。溶媒を蒸発させた後(約30秒)、香りの印象を、熟練のパフューマーにより嗅覚で評価した。
【0296】
香り試験の結果は、表1で要約されている。
【0297】
【表9】