(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】TCPエッチングチャンバ内での統合原子層パッシベーションおよびインサイチュエッチング-ALP方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20231128BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20231128BHJP
C23C 16/01 20060101ALI20231128BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101C
H05H1/46 L
C23C16/01
C23C16/455
(21)【出願番号】P 2020505880
(86)(22)【出願日】2018-07-17
(86)【国際出願番号】 US2018042560
(87)【国際公開番号】W WO2019027672
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-07-16
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ・シァン
(72)【発明者】
【氏名】カンプ・トム・エー.
(72)【発明者】
【氏名】キムラ・ヨシエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ドゥミン
(72)【発明者】
【氏名】スー・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ドリウェリー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレックス
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0178920(US,A1)
【文献】特表2009-512206(JP,A)
【文献】特開2017-130665(JP,A)
【文献】特開2004-327606(JP,A)
【文献】特表2017-516318(JP,A)
【文献】特表2014-523635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
C23C 16/01
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマチャンバ内で基板をエッチングするための方法であって、
前記プラズマチャンバ内で下部電極上に前記基板を受け入れる工程であって、前記基板は、フィーチャを形成するためにエッチングされる材料を有し、エッチングされる前記フィーチャの位置を規定するために、マスクが前記基板の上に提供されている、工程と、
前記プラズマチャンバ内で、プラズマエッチング処理を用いて前記材料の第1エッチングを実行する工程であって、前記第1エッチングは、プラズマエッチングガスを用いて、前記材料内に第1深さまでフィーチャを形成する、工程と、
前記プラズマチャンバ内で、前記マスクと、前記第1エッチング中に形成された前記フィーチャとの上に、共形パッシベーション膜を堆積させるために、原子層パッシベーション(ALP)処理を実行する工程であって、前記ALP処理は、
(a)前記マスクおよび前記フィーチャを前駆体でコーティングするために、シリコンを含む前記前駆体の蒸気を前記プラズマチャンバ内に導入する工程と、
(b)前記マスクおよび前記フィーチャの上にコーティングされた前記前駆体の存在下で、前記プラズマチャンバ内でプラズマを生成する工程であって、前記プラズマは、酸素ガスおよびRF電力を用いて生成され、前記プラズマは、前記前駆体を硬化させて1つの単原子層を形成し、前記1つの単原子層は、前記共形パッシベーション膜の第1単原子層である、工程と、
(c)前記共形パッシベーション膜の前記第1単原子層を前記前駆体でコーティングするために、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を前記プラズマチャンバに導入する工程と、
(d)第1単原子層の上にコーティングされた前記前駆体の存在下で、前記プラズマチャンバ内でプラズマを生成する工程であって、前記プラズマは、前記酸素ガスおよび前記RF電力を用いて生成され、前記プラズマは、前記前駆体を硬化させて1つの単原子層を形成し、前記1つの単原子層は、前記共形パッシベーション膜の第2単原子層である、工程と、を備え、
前記前駆体の前記蒸気を導入する工程および前記プラズマを生成する工程は、前記プラズマエッチング処理を用いて前記材料の第2エッチングを実行する工程であって、前記第2エッチングは、プラズマエッチングガスを用いて、前記材料内に第2深さまでフィーチャを形成し、前記共形パッシベーション膜は、前記第2エッチング中に前記マスクと前記フィーチャの側壁とを保護するよう構成されている、前記材料の前記第2エッチングを実行する工程の前に、第3単原子層またはより多くの単原子層を含む少なくとも1つの追加の単原子層を形成するために、前記共形パッシベーション膜が目標厚さを有するまで繰り返され、前記共形パッシベーション膜は、前記フィーチャの前記側壁と前記マスクとの上に堆積され、前記各1つの単原子層は、前記フィーチャの前記側壁の材料の消費を減少させる、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記共形パッシベーション膜は、a)最小限のクリティカルディメンションロス、b)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のCDローディング、もしくは、c)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のプロファイルローディング、のいずれかで、前記第2深さまで前記フィーチャをエッチングすることを可能にするよう構成されている、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気は、液体供給システムを用いて前記プラズマチャンバ内に導入され、前記プラズマエッチングガスは、エッチングガス供給システムを用いて前記プラズマチャンバ内に導入され、前記液体供給システムおよび前記エッチングガス供給システムは、前記材料の前記第1エッチングおよび第2エッチング中に前記プラズマエッチングガスを導入し、前記ALP処理中に前記前駆体の前記蒸気を導入するように、コントローラによって制御されるマニホルドに接続されている、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記ALP処理中、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を導入する工程および前記前駆体の存在下で前記プラズマチャンバ内でプラズマを生成する工程の実行後に、前記プラズマチャンバのパージが実行され、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を導入する工程および前記前駆体の存在下で前記プラズマチャンバ内でプラズマを生成する工程が繰り返されるごとに、1回のALPサイクルが完了する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記ALP処理中、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を導入する工程および前記前駆体の存在下で前記プラズマチャンバ内でプラズマを生成する工程が繰り返されるごとに、前記共形パッシベーション膜の1つの単原子層が形成され、前記共形パッシベーション膜の厚さは、前記1つの単原子層または複数の単原子層によって規定される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記第2エッチングの後に、1または複数回のさらなるエッチングを実行する工程を備え、
それぞれのさらなるエッチングが実行される前に、それぞれの共形パッシベーション膜を形成するために、ALP処理が実行され、
前記共形パッシベーション膜は、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を導入する工程および前記前駆体の存在下で前記プラズマチャンバ内でプラズマを生成する工程を複数回繰り返して前記共形パッシベーション膜の前記目標厚さに到達することによって規定される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、エッチングされる前記材料は、シリコン、シリコンゲルマニウム、または、ゲルマニウムで構成され、前記共形パッシベーション膜は、前記フィーチャの前記側壁の材料の有意な量を消費せず、異なる材料の上に実質的に同質のパッシベーションを形成する、方法。
【請求項8】
プラズマチャンバ内で基板をエッチングするための方法であって、
前記プラズマチャンバ内で下部電極上に前記基板を受け入れる工程であって、前記基板は、フィーチャを形成するためにエッチングされる材料を有し、エッチングされる前記フィーチャの位置を規定するために、マスクが前記基板の上に提供されている、工程と、
前記プラズマチャンバ内で、プラズマエッチング処理を用いて前記材料の第1エッチングを実行する工程であって、前記第1エッチングは、プラズマエッチングガスを用いて、前記材料内に第1深さまでフィーチャを形成する、工程と、
前記プラズマチャンバ内で、前記マスクと、前記第1エッチング中に形成された前記フィーチャとの上に、共形パッシベーション膜を堆積させるために、原子層パッシベーション(ALP)処理を実行する工程であって、前記ALP処理は、
(a)前記フィーチャおよび前記マスクを前駆体でコーティングするために、シリコンを含む前記前駆体の蒸気を前記プラズマチャンバに導入する工程と、
(b)前記プラズマチャンバ内でO
2プラズマフラッシュ処理を用いる工程であって、前記O
2プラズマフラッシュ処理は、前記フィーチャおよび前記マスクの上にコーティングされた前記前駆体の存在下で、前記プラズマチャンバ内でプラズマを生成する工程を含み、前記プラズマは、酸素ガスおよびRF電力を用いて生成され、前記プラズマは、前記前駆体を硬化させて前記共形パッシベーション膜の第1単原子層を形成させる工程と、
(c)前記共形パッシベーション膜の前記第1単原子層を前記前駆体でコーティングするために、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を前記プラズマチャンバに導入する工程と、
(d)前記プラズマチャンバ内でO
2プラズマフラッシュ処理を用いる工程であって、前記O
2プラズマフラッシュ処理は、前記共形パッシベーション膜の前記第1単原子層の上にコーティングされた前記前駆体の存在下で、前記プラズマチャンバ内でプラズマを生成する工程を含み、前記プラズマは、酸素ガスおよびRF電力を用いて生成され、前記プラズマは、前記前駆体を硬化させて前記共形パッシベーション膜の第2単原子層を形成させる工程と、を含む工程と、
前記プラズマチャンバ内で、前記プラズマエッチング処理を用いて前記材料内に第2深さまで前記フィーチャを形成する前記材料の第2エッチングを実行する工程であって、前記共形パッシベーション膜は、前記第2エッチング中に前記マスクと前記フィーチャの側壁とを保護するよう構成されている、工程と、
を備える、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記共形パッシベーション膜は、a)最小限のクリティカルディメンションロス、b)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のCDローディング、もしくは、c)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のプロファイルローディング、のいずれかで、前記第2深さまで前記フィーチャをエッチングすることを可能にするよう構成されている、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、前記ALP処理は、さらに、
(e)目標厚さを有する共形パッシベーション膜が形成されるまで、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を導入する工程および前記O
2プラズマフラッシュ処理を用いる工程を繰り返す工程と、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法であって、シリコンを含む前駆体の前記蒸気は、液体供給システムを用いて前記プラズマチャンバ内に導入され、前記プラズマエッチングガスは、エッチングガス供給システムを用いて前記プラズマチャンバ内に導入され、前記液体供給システムおよび前記エッチングガス供給システムは、前記材料の前記第1エッチングおよび前記第2エッチング中に前記プラズマエッチングガスを導入し、前記ALP処理中にシリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を導入するように、コントローラによって制御されるマニホルドに接続されている、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、前記ALP処理中、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を導入する工程および前記O
2プラズマフラッシュ処理を用いる工程の実行後に、前記プラズマチャンバのパージが実行され、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を導入する工程および前記O
2プラズマフラッシュ処理を用いる工程が繰り返されるごとに、1回のALPサイクルが完了する、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、各ALPサイクルは、1つの単原子層を生成し、特定の目標厚さを有する共形膜が、特定の回数の前記ALPサイクルを実行することによって、異なる材料および異なるアスペクト比において実質的に同じ厚さおよび実質的に同じ質で形成されうる、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、前記ALP処理中、シリコンを含む前記前駆体の前記蒸気を導入する工程および前記O
2プラズマフラッシュ処理を用いる工程が繰り返されるごとに、前記共形パッシベーション膜の1つの単原子層が形成され、前記共形パッシベーション膜の厚さは、前記1つの単原子層または複数の単原子層によって規定される、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体製造では、高アスペクト比プラズマエッチングのために、例えば、フラッシュおよびエッチング副生成物再蒸着の形態のプラズマパッシベーションが、側壁プロファイルを維持すると共にデバイス領域への横方向エッチングを回避するために、利用されてきた。これらのプラズマパッシベーション技術は、アスペクト比依存(結果として、孤立したフィーチャと密度の高いフィーチャとの間のローディングが生じる)だけではなく、材料依存(結果として、異なる材料の間のローディングが生じる)でもある。また、プラズマパッシベーション(例えば、O2フラッシュ)は、酸化により目標フィーチャ上の材料を消費することにより、クリティカルディメンション(CD)ロスを引き起こす。
【0002】
現在の半導体製造処理では、エッチングおよび原子層堆積(ALD)処理が、別個のプラットフォームで実行される。或るチャンバから別のチャンバへのウエハの移動は、真空の中断を伴い、望ましくない粒子がウエハと接触する可能性を高めることから、問題になりうる。さらに、洗浄処理は、通例は、希HF酸性洗浄であり、マスクに影響することにより、性能に悪影響を及ぼす。別個のチャンバの利用も、スループットに悪影響を及ぼす。
【0003】
実施形態は、この文脈に起因する。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態例において、プラズマチャンバ内で基板をエッチングするための方法が、プラズマチャンバ内で下部電極上に基板を受け入れる工程を備える。基板は、フィーチャを形成するためにエッチングされる材料を有しており、マスクが、エッチングされるフィーチャの位置を規定するために基板の上に提供される。方法は、さらに、プラズマチャンバ内で、プラズマエッチング処理を用いて材料の第1エッチングを実行する工程を備える。第1エッチングは、プラズマエッチングガスを用いて、材料内に第1深さまでフィーチャを形成する。第1エッチングの後、方法は、プラズマチャンバ内で、マスクと、第1エッチング中に形成されたフィーチャとの上に、共形パッシベーション膜を堆積させるために、原子層パッシベーション(ALP)処理を実行する工程を備える。ALP処理は、(a)マスクおよびフィーチャの上に或る量の前駆体をコーティングするために、液体前駆体の蒸気をプラズマチャンバ内に導入する工程と、(b)共形パッシベーション層の単原子層を形成するために、或る量の前駆体を硬化させる工程と、(c)プラズマチャンバから基板を取り出すことなしに、目標厚さを有する共形パッシベーション膜が形成されるまで、(a)において液体前駆体の蒸気を導入する工程および(b)において或る量の前駆体を硬化させる工程を繰り返す工程と、を含む。ALP処理の後に、方法は、さらに、プラズマチャンバ内で、プラズマエッチング処理を用いて材料の第2エッチングを実行する工程を備える。第2エッチングは、プラズマエッチングガスを用いて材料内に第2深さまでフィーチャを形成し、共形パッシベーション膜は、第2エッチング中にマスクとフィーチャの側壁とを保護するよう構成されている。
【0005】
一実施形態において、共形パッシベーション膜は、a)最小限のクリティカルディメンションロス、b)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のCD(クリティカルディメンション)ローディング、もしくは、c)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のプロファイルローディング、のいずれかで、第2深さまでフィーチャをエッチングすることを可能にするよう構成されている。
【0006】
一実施形態において、前駆体の蒸気は、液体供給システムを用いてプラズマチャンバ内に導入され、プラズマエッチングガスは、エッチングガス供給システムを用いてプラズマチャンバ内に導入される。液体供給システムおよびエッチングガス供給システムは、材料の第1エッチングおよび第2エッチング中にプラズマエッチングガスを導入し、ALP処理中に液体前駆体の蒸気を導入するように、コントローラによって制御されるマニホルドに接続されている。
【0007】
一実施形態において、ALP処理中に、或る量の前駆体を硬化させる工程は、プラズマフラッシュ処理を実行するために、酸素ガスと共にプラズマチャンバの電極に高周波(RF)電力を印加する工程を含む。プラズマフラッシュ処理は、約0.5秒~約4秒の期間にわたって処理されてよく、RF電力は、約200ワット~約3,000ワットの電力レベルで印加されてよい。
【0008】
一実施形態において、ALP処理中、工程(a)および(b)の実行後に、プラズマチャンバのパージが実行され、工程(a)および(b)が繰り返されるごとに、1回のALPサイクルが完了する。一実施形態において、各ALPサイクルは、1つの単原子層を生成し、特定の目標厚さを有する共形膜が、特定の回数のALPサイクルを実行することによって形成されうる。一実施形態において、APL処理中、工程(a)および(b)が繰り返されるごとに、共形パッシベーション膜の1つの単原子層が形成され、共形パッシベーション膜の厚さは、1つの単原子層または複数の単原子層によって規定される。
【0009】
一実施形態において、方法は、さらに、第2エッチングの後に、1または複数回のさらなるエッチングを実行する工程を備え、それぞれのさらなるエッチングが実行される前に、それぞれの共形パッシベーション膜を形成するために、ALP処理が実行される。共形パッシベーション膜は、工程(a)および(b)を複数回繰り返して共形パッシベーション膜の目標厚さに到達することによって規定される。一実施形態において、共形パッシベーション膜は、フィーチャの側壁の材料の有意な量を消費することなしに、フィーチャの側壁とマスクとの上に堆積される。一実施形態において、エッチングされる材料は、シリコン、シリコンゲルマニウム、または、ゲルマニウムで構成され、共形パッシベーション膜は、フィーチャの側壁の材料の有意な量を消費せず、異なる材料の上に実質的に同質のパッシベーションを形成する。
【0010】
別の実施形態例において、プラズマ処理システムが、処理領域を含むチャンバと、チャンバ内で処理領域の下に配置された下部電極と、処理領域の上かつ下部電極の上方に配置された誘電体窓と、を備える。コイルが、処理領域に高周波(RF)電力を供給するために誘電体窓の上方に配置されている。プラズマ処理システムは、さらに、下部電極の上に配置された時に基板の材料の第1エッチングを実行してフィーチャを形成するために用いられる1または複数のガス源に接続されたエッチングガス供給システムを備える。エッチングガス供給システムは、マニホルドに接続された出力を有する。プラズマ処理システムは、さらに、液体前駆体源と、液体前駆体源に接続された液体流量コントローラと、液体流量コントローラに接続された蒸発器と、を備えた液体供給システムを備える。液体供給システムは、マニホルドに接続された出力を有し、マニホルドは、コントローラによって制御される。コントローラは、第1エッチングを実行するために、エッチングガス供給システムを作動させるよう構成され、第1エッチングの後に原子層パッシベーション(ALP)処理を実行して、第1エッチング中に形成されたフィーチャを共形パッシベーション膜でコーティングするために、少なくとも液体供給システムを作動させるよう構成される。ALP処理は、1または複数回実行されてよく、各回で、共形パッシベーション膜の1つの単原子層が形成される。コントローラは、さらに、フィーチャの第2エッチングを実行するために、エッチングガス供給システムを作動させるよう構成されており、共形パッシベーション膜は、第2エッチング中にマスクとフィーチャの側壁とを保護するよう構成されている。
【0011】
一実施形態において、共形パッシベーション膜は、a)最小限のクリティカルディメンションロス、b)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のCDローディング、もしくは、c)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のプロファイルローディング、のいずれかで、第2深さまでフィーチャをエッチングすることを可能にするよう構成されている。
【0012】
一実施形態において、ALP処理中に、コントローラは、液体流量コントローラおよび蒸発器を作動させ、次いで、蒸発器によって生成されてフィーチャ上に塗布された或る量の前駆体を硬化させるために、コイルにRF電力を印加するよう構成されており、RF電力は、酸素ガスと共に印加される。
【0013】
一実施形態において、チャンバは、ALP処理が完了した各回の後に、コントローラによって作動されうる真空システムを備える。一実施形態において、バイアス電力が、第1エッチングおよび第2エッチング中、ならびに、蒸発器によって生成されてフィーチャ上に塗布された或る量の前駆体の硬化中に、下部電極に結合される。バイアス電力は、第1エッチング、第2エッチング、および、ALP処理を処理するために、コントローラに結合される。
【0014】
一実施形態において、インジェクタが、誘電体窓に配置される。インジェクタは、マニホルドの出力をチャンバに接続する経路を提供する。一実施形態において、1または複数のサイドインジェクタが、チャンバの側壁に配置され、1または複数のサイドインジェクタは、マニホルドの出力1または複数の経路に接続される。一実施形態において、マニホルドは、第1エッチングおよび第2エッチング中に供給されるガスならびにALP処理中に供給される蒸気を切り替えるための複数のバルブを備える。
【0015】
一実施形態において、第1エッチング、第2エッチング、および、ALP処理は、第2エッチング中にフィーチャの側壁を保護する共形パッシベーション膜を形成するために、チャンバから基板を取り出すことなしに、チャンバ内で実行される。
【0016】
さらに別の実施形態例において、プラズマチャンバ内で基板をエッチングするための方法が、プラズマチャンバ内で下部電極上に基板を受け入れる工程を備える。基板は、フィーチャを形成するためにエッチングされる材料を有しており、マスクが、エッチングされるフィーチャの位置を規定するために基板の上に提供される。方法は、さらに、プラズマチャンバ内で、プラズマエッチング処理を用いて材料の第1エッチングを実行する工程を備える。第1エッチングは、プラズマエッチングガスを用いて、材料内に第1深さまでフィーチャを形成する。第1エッチングの後、方法は、プラズマチャンバから基板を取り出すことなしにプラズマチャンバ内で、マスクと、第1エッチング中に形成されたフィーチャとの上に、共形パッシベーション膜を堆積させるために、原子層パッシベーション(ALP)処理を実行する工程を備える。ALP処理は、液体前駆体からの蒸気を用いて、フィーチャおよびマスクの上に共形パッシベーション膜を形成する。ALP処理の後に、方法は、プラズマチャンバ内で、プラズマエッチング処理を用いて材料内に第2深さまでフィーチャを形成する材料の第2エッチングを実行する工程を備え、共形パッシベーション膜は、第2エッチング中にマスクとフィーチャの側壁とを保護するよう構成されている。
【0017】
一実施形態において、ALP処理は:(a)マスクおよびフィーチャの上に或る量の前駆体をコーティングするために、液体前駆体の蒸気をプラズマチャンバ内に導入する工程と、(b)共形パッシベーション層の原子層を形成するために、或る量の前駆体を硬化させる工程と、(c)目標厚さを有する共形パッシベーション膜が形成されるまで、(a)において液体前駆体の蒸気を導入する工程および(b)において或る量の前駆体を硬化させる工程を繰り返す工程と、を含む。
【0018】
一実施形態において、前駆体の蒸気は、液体供給システムを用いてプラズマチャンバ内に導入され、プラズマエッチングガスは、エッチングガス供給システムを用いてプラズマチャンバ内に導入される。液体供給システムおよびエッチングガス供給システムは、材料の第1エッチングおよび第2エッチング中にプラズマエッチングガスを導入し、ALP処理中に液体前駆体の蒸気を導入するように、コントローラによって制御されるマニホルドに接続されている。
【0019】
一実施形態において、ALP処理中、工程(a)および(b)の実行後に、プラズマチャンバのパージが実行され、工程(a)および(b)が繰り返されるごとに、1回のALPサイクルが完了する。一実施形態において、各ALPサイクルは、1つの単原子層を生成し、特定の目標厚さを有する共形膜が、特定の回数のALPサイクルを実行することによって、異なる材料および異なるアスペクト比において実質的に同じ厚さおよび実質的に同じ質で形成されうる。一実施形態において、ALP処理中、工程(a)および(b)が繰り返されるごとに、共形パッシベーション膜の1つの単原子層が形成され、共形パッシベーション膜の厚さは、1つの単原子層または複数の単原子層によって規定される。
【0020】
本開示のその他の態様および利点については、本発明の原理を例示した添付図面を参照しつつ行う以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態に従って、エッチング動作に利用されるプラズマ処理を示す概略断面図。
【0022】
【
図2A】一実施形態に従って、ガスインジェクタの断面図を示す図。
【
図2B】一実施形態に従って、ガスインジェクタの底面図を示す図。
【0023】
【
図3A】一実施形態に従って、エッチング動作に利用されるプラズマ処理を示す概略断面図。
【0024】
【
図3B】一実施形態に従って、液体供給システムのさらなる詳細を示す概略図。
【0025】
【
図4A】一実施形態例に従って、基板のエッチングで実行される方法の動作を示すフローチャート。
【0026】
【
図4B】一実施形態例に従って、基板のエッチングで実行される原子層パッシベーション(ALP)動作に関するさらなる詳細を示すフローチャート。
【0027】
【
図5】一実施形態に従って、同じチャンバ内で、STIフィーチャがエッチングされ、ALP膜が堆積された、シャロートレンチアイソレーション(STI)フィーチャの上に堆積された共形原子層パッシベーション(ALP)膜を有するSTIフィーチャの一例を示す図。
【0028】
【
図6A】エッチング処理のためのパッシベーションとして、従来の処理技術に従って、同じエッチングチャンバ内で実行されるO
2フラッシュの利用を示し、それにより、アスペクト比依存およびパッシベーション依存のパッシベーションの形成がどのように起きるのかを示す図。
【0029】
【
図6B】エッチング処理のためのインサイチュ原子層パッシベーション(ALP)の利用を示し、一実施形態に従って、それにより、アスペクト比非依存および材料非依存のパッシベーションの形成がどのように起きるのかを示す図。
【0030】
【
図7】本発明の実施形態を実施するためのコンピュータシステムを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の説明では、実施形態例の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。しかしながら、当業者にとって明らかなように、実施形態例は、これらの具体的な詳細事項の一部がなくとも実施することが可能である。また、処理動作および実装の詳細については、すでに周知であれば、詳述していない。
【0032】
本発明の実施形態は、プラズマエッチングチャンバ内での原子層パッシベーション(ALP)の利用を提供する。1)別個のチャンバで実行される原子層堆積(ALD)でも、2)プラズマを用いたパッシベーションでもなく、インサイチュ原子層パッシベーション(ALP)を利用することにより、高アスペクト比の異なる材料の同時エッチングに対するプロセスウィンドウが広くなる。さらに、ALPにおいて、パッシベーション材料は、制御された化学組成で供給され、その結果、有意な量の材料がエッチング構造から消費されることがない。対照的に、プラズマパッシベーションスキームでは、パッシベーション材料は、基板材料を消費する酸化または窒化のいずれかによって形成される。さらに、パッシベーション材料がエッチング副生成物によって形成された場合、化学組成の制御が欠如する。さらにまた、ALP処理は、共形であるため、高アスペクト比に依存しないが、プラズマパッシベーションは、アスペクト比に依存する。
【0033】
図1は、一実施形態に従って、エッチング動作に利用されるプラズマ処理を示す概略断面図である。システムは、チャンバ本体114と、チャック116と、誘電体窓106とを備えたチャンバ132を備える。チャンバ132は、処理領域を含み、誘電体窓106は、処理領域の上に配置されている。チャック116は、基板112を支持するための静電チャックであってよく、チャンバ内で処理領域の下に配置されている。いくつかの実施形態において、内部ファラデーシールド(図示せず)が、チャンバ100内で誘電体窓106の下に配置される。TCPコイル134が、誘電体窓106の上に配置され、整合回路102に接続されている。
【0034】
システムは、バイアスRF発生器120を備えており、バイアスRF発生器120は、1または複数の発生器から規定されうる。複数の発生器が提供される場合、異なる周波数を用いて、様々な同調特性を達成することができる。バイアス整合回路118が、RF発生器120と、チャック116を規定するアセンブリの導電板との間に接続されている。チャック116は、ウエハのチャックおよびデチャックを可能にするために、静電電極も備える。概して、フィルタおよびDCクランプ電源が提供されうる。ウエハをチャック116から持ち上げるための他の制御システムが提供されてもよい。
【0035】
第1ガスインジェクタ104が、処理ガスまたは液体前駆体(蒸気の形態)の2つの別個の流れをチャンバの上部からチャンバへ注入するための2つの異なる流路を提供する。様々なタイプの動作(ウエハに対する処理動作、ウエハレス自動洗浄(WAC)、および、その他の動作など)のために、チャンバに異なるガスを供給するための複数のガス供給部が提供されてよいことを理解された。第2ガスインジェクタ110が、上部からではなく、側面を通してチャンバに入る別のガス流を提供する。
【0036】
供給システム128が、一実施形態において、エッチングガス供給システム127および液体供給システム129を備える。マニホルド122が、それぞれの供給システムからの出力を選択、切り替え、および/または、混合するために利用される。後に詳述するように、エッチングガス供給システムは、基板の1または複数の材料層のエッチングに最適化されたエッチャントガスを出力するよう構成される。マニホルド122は、原子層パッシベーション(ALP)を実行するために、コントローラ108からの制御に応答して、さらに最適化される。原子層パッシベーション(ALP)処理は、一実施形態において、1または複数のサイクルで実行され、ここで、各サイクルは、基板上でエッチングされるフィーチャ上に自己制限的な単原子層を生成する。ALP処理では、液体前駆体が蒸気化され、蒸気の形態でチャンバ132内に供給され、飽和するまでウエハ表面にドーズする。飽和するまでウエハ表面にドーズすることは、飽和するまでウエハ表面を「浸漬」することとしても知られる。ウエハに前駆体がドーズされると、蒸気の供給が、マニホルド122によって停止される。ドーズされたウエハは、フラッシュ処理を受け、その処理は、前駆体を硬化させるために、RF発生器121および120を用いてチャンバに電力供給すると共に、チャンバに酸素(O2)を供給することを含む。このフラッシュ処理は、RF電力が供給される時間が比較的短いので(例えば、約0.5秒~約4秒の間)、「O2フラッシュ」動作と呼ばれる。O2フラッシュ動作が完了すると、チャンバがパージされる。
【0037】
ALP処理では、共形原子層を形成できる任意の適切な液体前駆体を利用できる。非限定的な例において、液体前駆体は、一般型C(x)H(y)N(z)O(a)Si(b)の組成を有しうる。いくつかの実施形態において、液体前駆体は、以下の組成の内の1つを有する:C6H19N3Si、C8H22N2Si、C9H23NO3Si、および、C12H28O4Si。
【0038】
各サイクルがそれぞれの自己制限的なALP層を形成する複数回のサイクルが処理されると、エッチング動作が再開される。概して、エッチングガスは、基板のフィーチャをエッチングするのに必要な種のソースである反応ガスとも呼ばれる。反応ガスの例は、塩素(Cl2)、臭化水素(HBr)、および、六フッ化硫黄(SF6)を含むが、その他の反応ガスが用いられてもよい。
【0039】
図1の実施形態では、独立したガス流が、チャンバに供給されてよい。1つの流れが、インジェクタ104の中心を通して注入されうる。第2の流れも、インジェクタ104を通して注入されうるが、インジェクタ104の中心を取り巻く別の流路を通る。第3の流れが、サイドインジェクタ110を介してチャンバのサイドに注入されうる。一実施形態において、ガスインジェクタ104は、例えば、光アクセス窓を通して処理チャンバの外側の診断エンドポイントから軸方向通路に沿って、処理チャンバへの光アクセスも提供する。チャンバへの光アクセスの詳細については、2011年4月19日発行の米国特許第7,928,366号「Methods of and Apparatus for Accessing a Process Chamber Using a Dual Zone Gas Injector with Improved Optical Access」に記載されており、その開示は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0040】
エッチングガスおよび/または液体前駆体を様々な位置からチャンバ内に供給できることを説明するために、チャンバへガスを注入する様々な方法について記載した。一部の例では、インジェクタ104のみが利用される。他の例では、サイドインジェクタ110のみが利用される。他の例では、インジェクタ104およびサイドインジェクタ110の両方が利用されてもよい。一構成において、マニホルド122は、どのガスが3つの異なるガスラインの各々に供給されるのかを制御する。マニホルド122は、任意のタイプのガス(反応ガス、調製ガス、前駆体、など)を、3つの異なるガスラインのいずれかに提供することを可能にする。いくつかの実施形態において、調製ガスは、酸素(O2)、ヘリウム(He)、および、メタン(CH4)などのガスを含みうる。ガスは、混合せずにチャンバに送られてもよいし、チャンバへの導入前に他のガスと混合されてもよい。
【0041】
図2Aおよび
図2Bは、一実施形態に従って、ガスインジェクタ104の断面図および底面図をそれぞれ示す。インジェクタ104は、以下の2つの異なるガスチャネルを備える:中心を通してチャンバに第1流れを導入するための第1ガスチャネル304、および、外側チャネル(例えば、エッジチャネル)を通して第2ガス流を導入するための第2ガスチャネル306。第2ガスチャネル306は、インジェクタ104の底部に規定された複数の流出口を備えてよい。
図2Bに示す実施形態において、第2ガスチャネル306は、インジェクタ104の底部に規定された8つの流出口を有し、流出口は、インジェクタの底部の外周に沿って約45度ずつ離間されている。
【0042】
図1に戻ると、動作プラズマ処理中、真空圧制御、および、チャンバからのガス副生成物の除去を可能にするために、真空ポンプ130がチャンバ132に接続されている。バルブ126が、チャンバに印加される真空吸引の量を制御するために、排気口124と真空ポンプ130との間に配置されている。
【0043】
誘電体窓106は、セラミック材料またはセラミックタイプの材料から規定されうる。半導体エッチングチャンバの条件に耐えうる限りは、その他の誘電体材料も可能である。通例、チャンバは、0℃~約200℃の範囲の高温で動作する。温度は、エッチング処理動作および個々のレシピに依存する。また、チャンバ132は、約1mTorr(mT)~約500mTorr(mT)の範囲の真空条件で動作する。本明細書で用いられている「約」および「およそ」という用語は、特定のパラメータが合理的な許容範囲内(例えば、±20%)で変更されうることを意味する。
【0044】
すべてが具体的に図示されてはいないが、チャンバ132は、通例、クリーンルームまたは製造施設のいずれかの中に設置される時に、設備に接続される。設備は、特に、処理ガス、真空、温度制御、および、環境粒子制御を提供する配管を備える。これらの設備は、対象となる製造施設に設置される時に、チャンバ132に接続される。さらに、チャンバ132は、オートメーションを用いてロボット技術により半導体ウエハをチャンバ132の内外に移送することを可能にする移送チャンバに接続されてよい。
【0045】
プログラム可能なコントローラ108が、チャンバ132およびその関連構成要素の動作の制御を提供する。概して、コントローラ108は、レシピによって規定されたチャンバ動作を実行するようプログラムできる。所与のレシピが、TCPコイルへの電力の印加、チャンバへのガスの流量、および、真空の印加など、動作のための様々なパラメータを指定してよい。タイミング、持続期間、大きさ、もしくは、任意のその他の調節可能パラメータまたは制御可能な特性が、チャンバ132およびその関連構成要素の動作を制御するために、レシピによって規定され、コントローラによって実行されうることを理解されたい。さらに、一連のレシピが、コントローラ108へプログラムされてもよい。一実施形態において、レシピは、エッチング動作を処理するために構成され、各エッチング動作の合間に実行される1または複数サイクルの原子層パッシベーション(ALP)処理を含む。
【0046】
一実施形態において、コントローラは、第1エッチングを実行するためにエッチングガス供給システムを作動させるよう構成される。この実施形態において、コントローラは、さらに、第1エッチング後に原子層パッシベーション(ALP)処理を実行することで、第1エッチング中に形成されたフィーチャを共形パッシベーション膜で被覆するために、少なくとも液体供給システムを作動させるよう構成される。一実施形態において、フィーチャは、パッシベーション膜を形成するために、前駆体で飽和するまでウエハ表面に最初にドーズを行った後に前駆体を硬化させることによって被覆される。ALP処理は、1または複数回実行されてよく、各回で、共形パッシベーション膜の1つの単原子層が形成される。一実施形態において、コントローラは、さらに、フィーチャの第2エッチングを実行するためにエッチングガス供給システムを作動させるよう構成される。第2エッチング中、共形パッシベーション膜は、フィーチャのマスクおよび側壁を保護することで、最小限のクリティカルディメンション(CD)ロス、異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のCDローディング、ならびに、異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のプロファイルローディングで、第2エッチング中にフィーチャを規定することを可能にする。一実施形態において、コントローラは、またさらに、液体流量コントローラおよび蒸発器を作動させ、その後、蒸発器によって生成されフィーチャに適用された或る量の前駆体を硬化させるためにコイルへRF電力を印加するよう構成される。この実施形態において、RF電力は、酸素ガスと共に印加され、酸素ガスは、エッチングガス供給システムを用いて供給されてよい。一実施形態において、コントローラは、チャンバをパージするために、ALP処理が完了するたびに真空システムまたはターボポンプを作動させるよう構成される。
【0047】
図3Aは、一実施形態に従って、エッチング動作に利用されるプラズマ処理を示す概略断面図である。
図3Aに示すように、チャック116は、チャンバ本体114内に配置され、チャンバ本体104には、誘電体窓106が備えられている。一実施形態において、チャック116は、基板112を支持するための静電チャックである。TCPコイル134が、誘電体窓106の上に配置され、整合回路102に接続されており、整合回路102は、RF発生器121に接続されている。
図3Aの実施形態において、供給システム128は、エッチングガス供給システム127および液体供給システム129を備える。エッチングガス供給システム127は、導管303を介してマニホルド122にエッチングガスを供給する。液体供給システム129は、
図3Bを参照して以下でより詳細に説明するように、導管301を介してマニホルド122に液体前駆体を(蒸気の形態で)供給する。マニホルド122は、コントローラ108からの制御に応答して、例えばガスおよび/または蒸気の間の切り替えのための複数のバルブを用いて、出力を選択、切り替え、および/または、混合することにより、適切な時に、それぞれの供給システムからの出力が導管305を介してチャンバ本体114に流れることを可能にする。それぞれの供給システムからの出力は、チャンバ本体の上部に配置されたガスインジェクタ104を介して導管305からチャンバ本体114へ流れ込む。チャンバのパージを容易にするために、チャンバ本体114のベースには、流出口115が設けられており、流出口115は、ポンプ117と流体連通するように接続されている。一実施形態では、ポンプ117は、ターボポンプである。当業者であれば、チャンバ本体114のベースには、適切なポンプに各々が接続された複数の流出口が設けられてもよいことがわかる。
【0048】
図3Bは、一実施形態に従って、液体供給システムのさらなる詳細を示す概略図である。
図3Bに示すように、液体供給システム129は、液体前駆供給源体308、液体流量コントローラ310、および、蒸発器312を備える。液体前駆体供給源308は、適切な液体前駆体を提供する施設と流体連通するように接続されうる。上述のように、共形単原子層を形成できる任意の液体前駆体が利用されてよい。液体前駆体は、供給源308から液体流量コントローラ310へ流れ、液体流量コントローラ310は、コントローラ108(例えば、
図3A参照)から受信した命令に基づいて流量を調節する。一実施形態において、液体前駆体の量は、約50マイクロリットル~約1,000マイクロリットルの範囲である。液体前駆体は、液体流量コントローラ310から蒸発器312へ流れ、蒸発器312は、液体前駆体を液体状体から蒸気状態へ変換する。蒸気化された前駆体は、マニホルド122へ流れ、マニホルド122は、コントローラ108から受信した制御に基づいて、蒸気前駆体を適切な時にガスインジェクタ104(例えば、
図1を参照)へ供給する。蒸気前駆体は、ガスインジェクタ104を通して、チャンバ本体114(例えば、
図1を参照)によって規定されたチャンバ132へ流れる。
【0049】
図4Aは、一実施形態例に従って、基板のエッチングで実行される方法の動作を示すフローチャートである。動作400において、基板(例えば、ウエハ)が、周知の技術に従ってエッチングされる。一実施形態において、基板は、プラズマチャンバ(例えば、TCPエッチングチャンバ)において下部電極上に受け入れられる。基板は、材料内にフィーチャを形成するためにエッチングされる材料(例えば、導電体)を有しており、マスクが、エッチングされるフィーチャの位置を規定するために基板の上に提供される。プラズマエッチング処理は、プラズマエッチングガスを用いて、材料内にフィーチャを形成する。一実施形態において、第1エッチングが、第1深さまで材料内にフィーチャを形成するために実行される。第1深さは、最終深さの任意の適切な割合(例えば、20%、30%、40%、50%など)でありうる。後に詳細に説明するように、次に、第2エッチングが、第2深さまで材料内にフィーチャを形成するために実行されてよい。一実施形態において、第2深さは、最終深さであるが、最終深さまでフィーチャを規定するために、3回以上のエッチング処理が実行されてもよいことが、当業者には理解される。エッチング動作(例えば、第1エッチング)の完了後、動作402で、チャンバはパージされる。
図3Aに戻ると、一実施形態において、チャンバは、ポンプ117と流体連通するよう接続された流出口115を介してパージされる。
【0050】
チャンバがパージされると、動作404で、原子層パッシベーション(ALP)が、プラズマチャンバ内で実行される。ALP動作では、共形パッシベーション層が、マスクと、エッチング動作(例えば、第1エッチング)中に形成されたフィーチャとの上に堆積される。ALP動作に関するさらなる詳細を、
図4Bを参照して以下に記載する。ALP動作(単一の単原子層よりも大きい厚さを有するパッシベーション膜を形成するために複数回繰り返されうる)の完了後、動作400-2で、プラズマエッチング処理を用いた材料の第2エッチングが、第2深さまで材料内にフィーチャを規定するために実行される。第2エッチング中、共形パッシベーション層は、フィーチャのマスクおよび側壁を保護して、第2深さまでのフィーチャのエッチングを可能にする。
【0051】
図4Bは、一実施形態例に従って、基板のエッチングで実行される原子層パッシベーション(ALP)動作に関するさらなる詳細を示すフローチャートである。一実施形態において、ALP動作(
図4Aの動作404を参照)は、動作404-1、404-2、404-3、および、404-4を含む。動作404-1において、液体前駆体が、飽和するまで基板表面にドーズするように基板の表面に供給される。適切な前駆体の例については、
図1の記載と関連して上で列挙した。一実施形態において、液体供給システム(LDS)が、チャンバに液体前駆体を供給するために利用される。例として、例えば、
図3Aおよび
図3Bに示した液体供給システム(LDS)129が、チャンバに液体前駆体を供給するために利用されてよい。上述のように、LDS129は、液体前駆体を蒸気化して、蒸気化した前駆体をチャンバに供給する。基板(例えば、ウエハ)が前駆体をドーズされると、動作404-2において、前駆体を硬化させて、マスクと、プラズマエッチング処理(例えば、第1エッチング)中に材料に形成されたフィーチャとの上に共形パッシベーション単原子層を形成するために、O
2フラッシュが実行される。O
2フラッシュは、プラズマチャンバのRF発生器(例えば、
図1に示したRF発生器121および120)に電力供給しつつチャンバに酸素(O
2)を導入することによって実行される。例として、酸素は、例えば
図1および
図3Aに示したエッチングガス供給システム127を用いてチャンバに導入されうる。一実施形態において、酸素は、約500sccm~約2,500sccmの範囲の流量でチャンバに導入される。一実施形態において、RF電力は、約200ワット~約3,000ワットの間の電力レベルで印加される。通例、約0.5秒~約4秒掛かるO
2フラッシュの完了後、動作404-3において、チャンバがパージされる。チャンバは、チャンバの流出口と流体連通する適切なポンプを用いてパージされうる。例として、流出口115と流体連通する様子が図示されたポンプ117(
図3A参照)が、チャンバをパージするために用いられてよい。一実施形態において、ポンプ117は、ターボポンプである。一実施形態において、パージ動作は、約2秒かかり、ALP動作の1サイクルは、約4秒~約15秒の範囲の期間にわたって持続する。
【0052】
動作404-4において、さらなるALP単原子層が形成されるべきか否かに関して決定がなされる。さらなるALP単原子層が必要ない場合、基板をエッチングする方法は、
図4Aに示したように、ALP動作400からエッチング動作400-2へ進む。さらなるALP単原子層が形成される場合、別のALP単原子層を形成するために、動作404-1、404-2、および、404-3が繰り返される。動作404-1、404-2、および、404-3を実行することによるALP単原子層の形成は、特定の応用例に対して十分なレベルのパッシベーションを達成するために、複数サイクルにわたって繰り返されてよい。各ALP単原子層は、通例、約1.0オングストローム~約1.3オングストロームの範囲の厚さを有するので、ALP動作は、所望の目標厚さ(例えば、5オングストローム、10オングストローム、20オングストロームなど)を有するパッシベーション膜全体を形成するために複数回のサイクルを含みうる。一実施形態において、ALP動作は、1~100サイクルを含む。別の実施形態において、ALP動作は、1~10サイクル、10~60サイクル、20~30サイクルなどを含みうる。
【0053】
図5は、一実施形態に従って、同じチャンバ内で、STIフィーチャがエッチングされ、ALP膜が堆積された、シャロートレンチアイソレーション(STI)フィーチャの上に堆積された共形原子層パッシベーション(ALP)膜を有するSTIフィーチャの一例を示す。
図5に示すように、STIフィーチャは、複数の構造504を規定するために導電材料(例えば、シリコン)にエッチングされた複数のトレンチ502を含む。エッチング処理中に利用されるマスク506は、構造504の各々の上部領域上に残る。一実施形態において、マスク506は、窒化シリコンで形成されるが、その他の適切なマスク材料が利用されてもよい。ALP膜508は、共形にトレンチ502および構造504の表面を覆う。
図5の下側の厚さの表示で示すように、トレンチ502の底部付近の領域にある共形ALP膜508aは、約52オングストロームの厚さを有する。
図5の中間の厚さの表示で示すように、構造504の側壁に沿った領域にある共形ALP膜508bも、約52オングストロームの厚さを有する。
図5の上側の厚さの表示で示すように、マスク506を囲む領域にある共形ALP膜508cは、約56オングストロームの厚さを有する。したがって、構造の上部に位置する、構造の側壁に沿って位置する、および、構造の底部付近に位置する厚さの表示は、構造上に堆積されたALP膜の共形の性質を示す。ALPは、異なるアスペクト比でも同じ量を堆積し、基板(例えば、ウエハ)にわたって一様に堆積することに注意されたい。
【0054】
上述のように、典型的なALP単原子層は、約1.0オングストローム~約1.3オングストロームの範囲の厚さを有する。したがって、
図5の例に示したように約50オングストロームの厚さを有する共形ALP膜を堆積するためには、ALP動作を少なくとも35~40サイクル繰り返す必要がある(ALP単原子層が約1.3オングストロームの厚さを有すると仮定する)。
【0055】
図6Aは、エッチング処理のためのパッシベーションとして、従来の処理技術に従って、同じエッチングチャンバ内で実行されるO
2プラズマフラッシュの利用を示し、それにより、アスペクト比依存およびパッシベーション依存のパッシベーションの形成がどのように起きるのかを示す図である。
図6Aは、第1エッチング処理が、プラズマエッチングチャンバ内で基板に実行された後に基板600に規定された複数の構造602および603を示す。2つのタイプのトランジスタ(例えば、n型およびp型)の形成を可能にするために、構造602(左側の2つの構造)は、基板材料とは異なる化学組成を有する材料(例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe))から形成され、構造603(右側の2つの構造)は、基板材料(例えば、シリコン)で形成される。エッチング処理中に利用されるマスク604の一部は、構造602および603の各々の上に配置される。第1エッチングは、基板600の材料内に第1深さまで伸び、第1深さは、1または複数のさらなるエッチング処理で到達するエッチング処理全体の最終深さよりも浅い。第1エッチングが実行された後、O
2プラズマフラッシュが、同じプラズマエッチングチャンバ内でパッシベーションのために利用される。RF電力が酸素ガスの存在下で印加されるO
2プラズマフラッシュ中、こうして形成されたプラズマ内の酸素が、基板に酸化を起き起こす。例えば、構造603は、シリコンで形成されており、酸素と反応することで、SiO
xパッシベーション膜603-1を形成する。同様に、構造602は、異なる材料(例えば、SiGe)で形成されており、酸素と反応することで、パッシベーション膜602-1(例えば、SiGeO
x)を形成する。
【0056】
O
2フラッシュが実行された後、第2エッチング処理が、第2深さまで構造602および603を規定するために用いられる。第2エッチング中、パッシベーション膜602-1および603-1がエッチング除去される。O
2フラッシュ中のこれらのパッシベーション膜の生成が、構造602および603から材料を消費したので、高密度領域における構造602、602-2(シリコンで形成されている)、および、603は、材料の喪失および側壁のエッチングにより、エッチング処理後には湾曲した側壁の構成を有する。特に、O
2フラッシュから形成されたSiGeO
xパッシベーションは、SiO
xパッシベーションよりも弱く、第2エッチング中にSiO
xよりも早く腐食する。結果的に、第2エッチング後にプロファイルの差がある。例えば、
図6Aにおいて、例えばSiGeで形成された領域602は、例えばSiで形成された領域602-2よりも湾曲している。これらの湾曲プロファイルは、FinFETトランジスタでは許容できないので問題になる。分離(「iso」)領域に隣接して位置する構造603(右端の構造603)は、酸素ラジカルへの暴露が多いので、テーパ状のプロファイルを持つ厚い領域603-2を有する。特に、分離(「iso」)領域の比較的開けた性質は、より多くの酸素ラジカルが構造に到達することを可能にし、より多くのパッシベーションの形成を引き起こす。このパッシベーションのレベルの増大は、第2エッチング後の「iso」領域におけるよりテーパ状のシリコンプロファイルにつながる。
【0057】
図6Bは、エッチング処理のためのインサイチュ原子層パッシベーション(ALP)の利用を示し、一実施形態に従って、それにより、アスペクト比非依存および材料非依存のパッシベーションの形成がどのように起きるのかを示す図である。
図6Aと同様に、
図6Bは、第1エッチング処理が、プラズマエッチングチャンバ内で基板に実行された後に基板600に規定された複数の構造602および603を示す。構造602(左側の2つの構造)は、基板材料とは異なる化学組成を有する材料(例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe))から形成され、構造603(右側の2つの構造)は、基板材料(例えば、シリコン)で形成される。エッチング処理中に利用されるマスク604の一部は、構造602および603の各々の上に配置される。第1エッチングは、基板600の材料内に第1深さまで伸び、第1深さは、1または複数のさらなるエッチング処理で到達するエッチング処理全体の最終深さよりも浅い。第1エッチングが実行された後、基板600は、プラズマエッチングチャンバ内に残り、インサイチュ原子層パッシベーション(ALP)処理を受ける。本明細書に記載のように、基板600は、液体前駆体の蒸気からの自己制限的な単原子層でコーティングされ、その後、前駆体は、プラズマフラッシュ処理を実行するために、酸素ガスと共にプラズマチャンバの電極にRF電力を印加することによって硬化される。ALP処理は、結果として、構造602および603ならびにマスク604を均一にコーティングするパッシベーション膜605-Aの形成を引き起こし、膜の厚さは、実行されたALPサイクル回数の関数である。ALP処理が完了して、プラズマエッチングチャンバがパージされると、プラズマエッチングチャンバから基板を取り出すことなしに、構造602および603を第2深さまで規定するために、第2エッチング処理が基板600に実行される。第2エッチング中、パッシベーション膜605-Aがエッチング除去される。
図6Aに示したパッシベーション膜と対照的に、ALP処理が、外部のパッシベーション源、すなわち、蒸気の形態でプラズマエッチングチャンバに供給される液体前駆体、を提供するので、パッシベーション膜605-Aの除去は、重要な材料の損失を全く伴わない。したがって、クリティカルディメンション(CD)のすべてのロスが最小限であるため、高密度領域にある構造602および603は、エッチング後に実質的に均一な構成を有する。この最小限のCDロスは、半導体製造処理中に満たす必要のある設計ルール違反を減少させる。分離(「iso」)領域に隣接して位置する構造603(右端の構造603)は、領域603-Bを含む。
図6Aに示した領域603-2の厚さが増したのと対照的に、「iso」フィーチャ上に形成されたパッシベーションの量は、ALPで高密度フィーチャ上に形成されたパッシベーションの量と同じであるので、
図6Bに示す領域603-Bは、実質的に均一な構成を有する。
【0058】
図6Bに示すように、ALPは、パッシベーションが材料非依存なので、SiとSiGeとの間で同じクリティカルディメンション(CD)を可能にする。すなわち、SiおよびSiGeの両方の上のALPが、後続のエッチング工程中に同じ腐食速度を有する。さらに、ALPは、SiとSiGeとの間のプロファイルの差をなくし、すなわち、これらの異なる材料で形成されたフィーチャの間にはテーパ/湾曲の差がない。
【0059】
ALP処理は、プラズマエッチングチャンバ内にある間に基板へのパッシベーション膜の堆積を伴うので、プラズマエッチングチャンバは、定期的に洗浄されることが好ましい。一実施形態において、プラズマエッチングチャンバは、ウエハ処理の合間に実行されるウエハレス自動洗浄(WAC)を用いて洗浄される。一実施形態において、WAC処理は、各ウエハが処理された後に実行される。別の実施形態において、WAC処理は、各ロットのウエハが処理された後に実行される。当業者であれば、WAC処理が、特定の応用例のニーズを満たすのに適した任意の間隔(例えば、各ウエハ後、1ウエハおきに、10ウエハごと、ウエハのロットごと、など)で実行されうることがわかる。
【0060】
いくつかの実施例において、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってよい。かかるシステムは、1または複数の処理ツール、1または複数のチャンバ、処理のための1または複数のプラットフォーム、および/または、特定の処理構成要素(ウエハペデスタル、ガスフローシステムなど)など、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および、処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、システムの様々な構成要素または副部品を制御しうる。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/または特定のシステムと接続または結合されたロードロックの内外へのウエハ移動など、本明細書に開示の処理のいずれを制御するようプログラムされてもよい。
【0061】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含みうる。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて、半導体ウエハに対するまたは半導体ウエハのための特定の処理を実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、ウエハの1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ダイの加工中に1または複数の処理工程を達成するために処理エンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0062】
コントローラは、いくつかの実施例において、システムと一体化されるか、システムに接続されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、もしくは、それらの組み合わせでシステムに結合されたコンピュータの一部であってもよいし、かかるコンピュータに接続されてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは、複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べうる。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワーク(ローカルネットワークまたはインターネットを含みうる)を介してシステムに処理レシピを提供してよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えてよく、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。一部の例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1または複数の動作中に実行される処理工程の各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、実行される処理のタイプならびにコントローラがインターフェース接続するまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であってよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワーク化されて共通の目的(本明細書に記載の処理および制御など)に向けて動作する1または複数の別個のコントローラを備えることなどによって分散されてよい。かかる目的のための分散コントローラの一例は、チャンバでの処理を制御するために協働するリモートに配置された(プラットフォームレベルにある、または、リモートコンピュータの一部として配置されるなど)1または複数の集積回路と通信するチャンバ上の1または複数の集積回路である。
【0063】
限定はしないが、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの加工および/または製造に関連するかまたは利用されうる任意のその他の半導体処理システムを含みうる。
【0064】
上述のように、ツールによって実行される1または複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは、半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、の内の1または複数と通信してもよい。
【0065】
図7は、本発明の実施形態を実施するためのコンピュータシステムを示す概略図である。本明細書に記載の方法は、従来の汎用コンピュータシステムなどのデジタル処理システムを用いて実行されてよいことを理解されたい。あるいは、1つの機能のみを実行するよう設計またはプログラムされた専用コンピュータが用いられてもよい。コンピュータシステム1000は、中央処理装置(CPU)1004を備えており、CPUは、バス1010を介して、ランダムアクセスメモリ(RAM)1028、リードオンリーメモリ(ROM)1012、および、マスストレージデバイス1014に接続されている。システムコントローラプログラム1008が、ランダムアクセスメモリ(RAM)1028に格納されているが、マスストレージデバイス1014に格納されてもよい。
【0066】
マスストレージデバイス1014は、フロッピーディスクドライブまたは固定ディスクドライブなどの永続データ記憶装置であり、ローカルであってもリモートであってもよい。ネットワークインターフェース1030が、ネットワーク1032を介して接続を提供し、他のデバイスとの通信を可能にする。CPU1004は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、または、特別にプログラムされた論理デバイスとして実装されうることを理解されたい。入力/出力(I/O)インターフェース1020が、様々な周辺機器との通信を提供しており、バス1010を介して、CPU1004、RAM1028、ROM1012、および、マスストレージデバイス1014に接続されている。周辺機器の例は、ディスプレイ1018、キーボード1022、カーソルコントロール1024、リムーバブルメディアデバイス1034などである。
【0067】
ディスプレイ1018は、本明細書に記載のユーザインターフェースを表示するよう構成される。キーボード1022、カーソルコントロール(マウス)1024、リムーバブルメディアデバイス1034、および、その他の周辺機器は、CPU1004に命令選択の情報を通信するために、I/Oインターフェース1020に接続される。外部デバイスとのデータのやりとりは、I/Oインターフェース1020を介して通信されてよいことを理解されたい。実施形態は、有線または無線ネットワークを通して接続された遠隔処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施されてもよい。
【0068】
実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなど、様々なコンピュータシステム構成で実施されてもよい。実施形態は、ネットワークを通して接続された遠隔処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施されてもよい。
【0069】
上述の実施形態を念頭に置いて、本実施形態は、コンピュータシステムに格納されたデータを含め、コンピュータに実装された様々な動作を利用できることを理解されたい。これらの動作は、物理量の物理操作を必要とするものである。本実施形態の一部を形成する本明細書で説明した動作はいずれも、有用な機械動作である。本実施形態は、さらに、これらの動作を実行するためのデバイスまたは装置に関する。装置は、専用コンピュータなど、必要とされる目的向けに特別に構築されてよい。専用コンピュータとして規定された場合、コンピュータは、特殊目的に含まれない他の処理、プログラム実行、または、ルーチンも実行しつつ、特殊目的のために動作することができる。あるいは、動作は、コンピュータメモリ、キャッシュに格納されたまたはネットワークを介して取得された1または複数のコンピュータプログラムによって選択的にアクティベートまたは構成された汎用コンピュータで処理されてもよい。データがネットワークを介して取得されると、そのデータは、ネットワーク(例えば、コンピューティングリソースのクラウド)上の他のコンピュータによって処理されてもよい。
【0070】
1または複数実施形態は、コンピュータ読み取り可能な媒体上にコンピュータ読み取り可能なコードとして製造されてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータシステムによって読み出し可能であるようにデータを格納できる任意のデータ記憶装置である。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、および、その他の光学および非光学式のデータ記憶装置が挙げられる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能なコードが分散的に格納および実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステム上に分散されたコンピュータ読み取り可能なタンジブル媒体を含みうる。
【0071】
方法の動作は特定の順番で記載されているが、オーバーレイ動作の処理が望ましく実行される限りは、他のハウスキーピング動作が動作の合間に実行されてもよいし、動作が若干異なる時間に実行されるように調整されてもよいし、処理に関連した様々な間隔で処理動作が起きることを許容するシステムに分散されてもよいことを理解されたい。
【0072】
したがって、実施形態例の開示は、以下の請求項およびそれらの等価物に記載される開示の範囲の例示を意図するものであるが、それらを限定するものではない。理解を深めるために、開示の実施形態例について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの変更および変形を行ってもよいことは明らかである。以下の特許請求の範囲において、要素および/または工程は、請求項の中で特に言及せず、また、本開示によって暗に求められていない限り、全く特定の動作順序を示すものではない。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
プラズマチャンバ内で基板をエッチングするための方法であって、
前記プラズマチャンバ内で下部電極上に前記基板を受け入れる工程であって、前記基板は、フィーチャを形成するためにエッチングされる材料を有し、エッチングされる前記フィーチャの位置を規定するために、マスクが前記基板の上に提供されている、工程と、
前記プラズマチャンバ内で、プラズマエッチング処理を用いて前記材料の第1エッチングを実行する工程であって、前記第1エッチングは、プラズマエッチングガスを用いて、前記材料内に第1深さまでフィーチャを形成する、工程と、
前記プラズマチャンバ内で、前記マスクと、前記第1エッチング中に形成された前記フィーチャとの上に、共形パッシベーション膜を堆積させるために、原子層パッシベーション(ALP)処理を実行する工程であって、前記ALP処理は、
(a)前記マスクおよび前記フィーチャの上に或る量の前駆体をコーティングするために、液体前駆体の蒸気を前記プラズマチャンバ内に導入する工程と、
(b)前記共形パッシベーション層の単原子層を形成するために、前記或る量の前駆体を硬化させる工程と、
(c)前記プラズマチャンバから前記基板を取り出すことなしに、目標厚さを有する共形パッシベーション膜が形成されるまで、(a)において前記液体前駆体の前記蒸気を導入する工程および(b)において前記或る量の前駆体を硬化させる工程を繰り返す工程と、を含む、工程と、
前記プラズマチャンバ内で、前記プラズマエッチング処理を用いて前記材料の第2エッチングを実行する工程であって、前記第2エッチングは、プラズマエッチングガスを用いて、前記材料内に第2深さまでフィーチャを形成し、前記共形パッシベーション膜は、前記第2エッチング中に前記マスクと前記フィーチャの側壁とを保護するよう構成されている、工程と、
を備える、方法。
適用例2:
適用例1の方法であって、前記共形パッシベーション膜は、a)最小限のクリティカルディメンションロス、b)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のCDローディング、もしくは、c)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のプロファイルローディング、のいずれかで、前記第2深さまで前記フィーチャをエッチングすることを可能にするよう構成されている、方法。
適用例3:
適用例1の方法であって、液体前駆体の前記蒸気は、液体供給システムを用いて前記プラズマチャンバ内に導入され、前記プラズマエッチングガスは、エッチングガス供給システムを用いて前記プラズマチャンバ内に導入され、前記液体供給システムおよび前記エッチングガス供給システムは、前記材料の前記第1エッチングおよび第2エッチング中に前記プラズマエッチングガスを導入し、前記ALP処理中に前記液体前駆体の前記蒸気を導入するように、コントローラによって制御されるマニホルドに接続されている、方法。
適用例4:
適用例1の方法であって、前記ALP処理中に、前記或る量の前駆体を硬化させる工程は、プラズマフラッシュ処理を実行するために、酸素ガスと共に前記プラズマチャンバの電極に高周波(RF)電力を印加する工程を含み、前記プラズマフラッシュ処理は、約0.5秒~約4秒の期間にわたって処理され、前記RF電力は、約200ワット~約3,000ワットの電力レベルで印加される、方法。
適用例5:
適用例1の方法であって、前記ALP処理中、工程(a)および(b)の実行後に、前記プラズマチャンバのパージが実行され、工程(a)および(b)が繰り返されるごとに、1回のALPサイクルが完了する、方法。
適用例6:
適用例4の方法であって、各ALPサイクルは、1つの単原子層を生成し、特定の目標厚さを有する共形膜が、特定の回数の前記ALPサイクルを実行することによって形成されうる、方法。
適用例7:
適用例1の方法であって、前記APL処理中、工程(a)および(b)が繰り返されるごとに、前記共形パッシベーション膜の1つの単原子層が形成され、前記共形パッシベーション膜の厚さは、前記1つの単原子層または複数の単原子層によって規定される、方法。
適用例8:
適用例1の方法であって、さらに、
前記第2エッチングの後に、1または複数回のさらなるエッチングを実行する工程を備え、
それぞれのさらなるエッチングが実行される前に、それぞれの共形パッシベーション膜を形成するために、ALP処理が実行され、
前記共形パッシベーション膜は、工程(a)および(b)を複数回繰り返して前記共形パッシベーション膜の前記目標厚さに到達することによって規定される、方法。
適用例9:
適用例1の方法であって、前記共形パッシベーション膜は、前記フィーチャの前記側壁の材料の有意な量を消費することなしに、前記フィーチャの前記側壁と前記マスクとの上に堆積される、方法。
適用例10:
適用例9の方法であって、エッチングされる前記材料は、シリコン、シリコンゲルマニウム、または、ゲルマニウムで構成され、前記共形パッシベーション膜は、前記フィーチャの前記側壁の材料の有意な量を消費せず、異なる材料の上に実質的に同質のパッシベーションを形成する、方法。
適用例11:
適用例1の方法であって、前記ALP処理中に、前記或る量の前駆体を硬化させる工程は、プラズマフラッシュ処理を実行するために、酸素ガスと共に前記プラズマチャンバの電極に高周波(RF)電力を印加する工程を含む、方法。
適用例12:
プラズマ処理システムであって、
処理領域を含むチャンバと、
前記チャンバ内で前記処理領域の下に配置された下部電極と、
前記処理領域の上かつ前記下部電極の上方に配置された誘電体窓と、
前記処理領域に高周波(RF)電力を供給するために前記誘電体窓の上方に配置されたコイルと、
前記下部電極の上に配置された時に基板の材料の第1エッチングを実行してフィーチャを形成するために用いられる1または複数のガス源に接続されたエッチングガス供給システムであって、マニホルドに接続された出力を有する、エッチングガス供給システムと、
液体前駆体源と、前記液体前駆体源に接続された液体流量コントローラと、前記液体流量コントローラに接続された蒸発器と、を備えた液体供給システムであって、前記液体供給システムは、前記マニホルドに接続された出力を有し、前記マニホルドは、コントローラによって制御される、液体供給システムと、
を備え、
前記コントローラは、前記第1エッチングを実行するために、前記エッチングガス供給システムを作動させるよう構成され、前記第1エッチングの後に原子層パッシベーション(ALP)処理を実行して、前記第1エッチング中に形成された前記フィーチャを共形パッシベーション膜でコーティングするために、少なくとも前記液体供給システムを作動させるよう構成され、前記ALP処理は、1または複数回完了され、各回に、前記共形パッシベーション膜の1つの単原子層が形成され、
前記コントローラは、前記フィーチャの第2エッチングを実行するために、前記エッチングガス供給システムを作動させるよう構成され、前記共形パッシベーション膜は、前記第2エッチング中にマスクと前記フィーチャの側壁とを保護するよう構成されている、プラズマ処理システム。
適用例13:
適用例12のプラズマ処理システムであって、前記共形パッシベーション膜は、a)最小限のクリティカルディメンションロス、b)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のCDローディング、もしくは、c)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のプロファイルローディング、のいずれかで、第2深さまで前記フィーチャをエッチングすることを可能にするよう構成されている、プラズマ処理システム。
適用例14:
適用例12のプラズマ処理システムであって、前記ALP処理中に、前記コントローラは、前記液体流量コントローラおよび前記蒸発器を作動させ、次いで、前記蒸発器によって生成されて前記フィーチャ上に塗布された或る量の前駆体を硬化させるために、前記コイルに前記RF電力を印加するよう構成され、前記RF電力は、酸素ガスと共に印加される、プラズマ処理システム。
適用例15:
適用例12のプラズマ処理システムであって、前記チャンバは、真空システムを備え、前記真空システムは、前記ALP処理が完了した各回の後に、前記コントローラによって作動される、プラズマ処理システム。
適用例16:
適用例12のプラズマ処理システムであって、バイアス電力が、前記第1エッチングおよび第2エッチング中、ならびに、前記蒸発器によって生成されて前記フィーチャ上に塗布された或る量の前駆体の硬化中に、前記下部電極に結合され、前記バイアス電力は、前記第1エッチング、前記第2エッチング、および、前記ALP処理を処理するために前記コントローラに結合される、プラズマ処理システム。
適用例17:
適用例12のプラズマ処理システムであって、インジェクタが、前記誘電体窓に配置され、前記インジェクタは、前記マニホルドの出力を前記チャンバに接続する経路を提供する、プラズマ処理システム。
適用例18:
適用例17のプラズマ処理システムであって、1または複数のサイドインジェクタが、前記チャンバの側壁に配置され、前記1または複数のサイドインジェクタは、前記マニホルドの出力1または複数の経路に接続されている、プラズマ処理システム。
適用例19:
適用例12のプラズマ処理システムであって、前記マニホルドは、前記第1エッチングおよび前記第2エッチング中に供給されるガスならびに前記ALP処理中に供給される蒸気を切り替えるための複数のバルブを備える、プラズマ処理システム。
適用例20:
適用例12のプラズマ処理システムであって、前記第1エッチング、前記第2エッチング、および、前記ALP処理は、前記第2エッチング中に前記フィーチャの前記側壁を保護する前記共形パッシベーション膜を形成するために、前記チャンバから前記基板を取り出すことなしに、前記チャンバ内で実行される、プラズマ処理システム。
適用例21:
プラズマチャンバ内で基板をエッチングするための方法であって、
前記プラズマチャンバ内で下部電極上に前記基板を受け入れる工程であって、前記基板は、フィーチャを形成するためにエッチングされる材料を有し、エッチングされる前記フィーチャの位置を規定するために、マスクが前記基板の上に提供されている、工程と、
前記プラズマチャンバ内で、プラズマエッチング処理を用いて前記材料の第1エッチングを実行する工程であって、前記第1エッチングは、プラズマエッチングガスを用いて、前記材料内に第1深さまでフィーチャを形成する、工程と、
前記プラズマチャンバから前記基板を取り出すことなしに前記プラズマチャンバ内で、前記マスクと、前記第1エッチング中に形成された前記フィーチャとの上に、共形パッシベーション膜を堆積させるために、原子層パッシベーション(ALP)処理を実行する工程であって、前記ALP処理は、液体前駆体からの蒸気を用いて、前記フィーチャおよび前記マスクの上に共形パッシベーション膜を形成する、工程と、
前記プラズマチャンバ内で、前記プラズマエッチング処理を用いて前記材料内に第2深さまで前記フィーチャを形成する前記材料の第2エッチングを実行する工程であって、前記共形パッシベーション膜は、前記第2エッチング中に前記マスクと前記フィーチャの側壁とを保護するよう構成されている、工程と、
を備える、方法。
適用例22:
適用例21の方法であって、前記共形パッシベーション膜は、a)最小限のクリティカルディメンションロス、b)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のCDローディング、もしくは、c)異なる材料の間および異なるアスペクト比の間の最小限のプロファイルローディング、のいずれかで、前記第2深さまで前記フィーチャをエッチングすることを可能にするよう構成されている、方法。
適用例23:
適用例21の方法であって、前記ALP処理は、
(a)前記マスクおよび前記フィーチャの上に或る量の前駆体をコーティングするために、前記液体前駆体の前記蒸気を前記プラズマチャンバ内に導入する工程と、
(b)前記共形パッシベーション層の原子層を形成するために、前記或る量の前駆体を硬化させる工程と、
(c)目標厚さを有する共形パッシベーション膜が形成されるまで、(a)において前記液体前駆体の前記蒸気を導入する工程および(b)において前記或る量の前駆体を硬化させる工程を繰り返す工程と、
を含む、方法。
適用例24:
適用例21の方法であって、液体前駆体の前記蒸気は、液体供給システムを用いて前記プラズマチャンバ内に導入され、前記プラズマエッチングガスは、エッチングガス供給システムを用いて前記プラズマチャンバ内に導入され、前記液体供給システムおよび前記エッチングガス供給システムは、前記材料の前記第1エッチングおよび前記第2エッチング中に前記プラズマエッチングガスを導入し、前記ALP処理中に前記液体前駆体の前記蒸気を導入するように、コントローラによって制御されるマニホルドに接続されている、方法。
適用例25:
適用例23の方法であって、前記ALP処理中、工程(a)および(b)の実行後に、前記プラズマチャンバのパージが実行され、工程(a)および(b)が繰り返されるごとに、1回のALPサイクルが完了する、方法。
適用例26:
適用例25の方法であって、各ALPサイクルは、1つの単原子層を生成し、特定の目標厚さを有する共形膜が、特定の回数の前記ALPサイクルを実行することによって、異なる材料および異なるアスペクト比において実質的に同じ厚さおよび実質的に同じ質で形成されうる、方法。
適用例27:
適用例23の方法であって、前記ALP処理中、工程(a)および(b)が繰り返されるごとに、前記共形パッシベーション膜の1つの単原子層が形成され、前記共形パッシベーション膜の厚さは、前記1つの単原子層または複数の単原子層によって規定される、方法。