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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】レーザ源におけるスマートガス温度制御
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
G03F7/20 505
G03F7/20 521
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022520655
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 US2020055723
(87)【国際公開番号】W WO2021080842
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】62/925,811
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ミナカイス,マシュー
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-015831(JP,A)
【文献】特開2006-049839(JP,A)
【文献】特表2006-505960(JP,A)
【文献】特表2017-506816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
H01S 3/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレーザビームを発生させるように構成された第1のレーザチャンバと、
前記第1のレーザビームを受け取るように、及び、第2のレーザビームを発生させるために前記第1のレーザビームを増幅するように構成された第2のレーザチャンバと、
前記第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、
前記第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータと、
度制御システムと、
を備え、
前記第1及び第2の温度アクチュエータの各々は、水冷却システム及び加熱システムを含み、
前記温度制御システムは、前記第1及び第2の温度アクチュエータから、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含むデータを受信して、前記データに基づいて前記加熱システムをオンにするための下限閾値と、前記加熱システムをオフにするための上限閾値とを含む閾値を決定するように構成され、
前記閾値は、前記第1及び第2の温度を制御する際に前記第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される、
レーザ源。
【請求項2】
前記温度制御システムは、
第1の時間期間中の、前記対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた前記位置データを監視するように、
前記第1の時間期間中の、前記レーザ源の状況を決定するように、及び、
前記レーザ源の前記状況が前記レーザ源がオン状態になかったことを示すとき、前記水冷却システムの前記1つ以上の弁に関連付けられた前記位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定するように、
構成される、請求項に記載のレーザ源。
【請求項3】
前記温度制御システムは、
前記第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定するように更に構成され、前記外れ値部分は1つ以上のデータ閾値に基づいて決定され、
前記温度制御システムは、
前記第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定するように、
低域移動平均フィルタを前記エンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定するように、及び、
前記フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、前記下限及び上限閾値を決定するように、
更に構成される、請求項に記載のレーザ源。
【請求項4】
前記温度制御システムは、前記第1及び第2のレーザチャンバがそれぞれ前記第1及び第2のレーザビームを発生させないことに応答して、前記加熱システムがオンになるように、前記下限閾値を決定するように構成される、請求項に記載のレーザ源。
【請求項5】
前記温度制御システムは、
前記第1のレーザチャンバに関連付けられたチャンバショットカウントを決定するように、
前記チャンバショットカウントが第1のカウント閾値より大きい旨の決定に応答して、前記第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される前記閾値を、前記第1及び第2の温度アクチュエータに通信するように、
前記チャンバショットカウントが第2のカウント閾値より大きく、前記第1のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、
変調された閾値を決定するために、前記第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される前記閾値を変調するように構成され、前記変調された閾値は所望のデューティサイクルを達成し、
前記変調された閾値を前記第1の温度アクチュエータに通信するように、及び、
前記チャンバショットカウントが前記第2のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、前記第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられたデフォルト閾値を使用するために、前記第1及び第2の温度アクチュエータと通信するように、
構成される、請求項1に記載のレーザ源。
【請求項6】
放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
前記放射ビームに付与されたパターンを基板上に投影するように構成された投影システムと、
を含む、リソグラフィ装置であって、
前記照明システムはレーザ源を含み、
前記レーザ源は、
第1のレーザビームを発生させるように構成された第1のレーザチャンバと、
前記第1のレーザビームを受け取り、第2のレーザビームを発生させるために前記第1のレーザビームを増幅するように構成された第2のレーザチャンバと、
前記第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、
前記第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータと、
度制御システムと、
を含
前記第1及び第2の温度アクチュエータの各々は、水冷却システム及び加熱システムを含み、
前記温度制御システムは、前記第1及び第2の温度アクチュエータから、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含むデータを受信して、前記データに基づいて前記加熱システムをオンにするための下限閾値と、前記加熱システムをオフにするための上限閾値とを含む閾値を決定するように構成され、
前記閾値は、前記第1及び第2の温度を制御する際に前記第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される、
リソグラフィ装置。
【請求項7】
前記温度制御システムは、前記レーザチャンバの各々について、
第1の時間期間中の、前記対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた前記位置データを監視するように、
前記第1の時間期間中の、前記レーザ源の状況を決定するように、
前記レーザ源の前記状況が前記レーザ源がオン状態になかったことを示すとき、前記対応する水冷却システムの前記1つ以上の弁に関連付けられた前記位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定するように、及び、
前記第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定するように、
構成され、前記外れ値部分は1つ以上のデータ閾値に基づいて決定される、
請求項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項8】
前記温度制御システムは、前記レーザチャンバの各々について、
前記第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定するように、
低域移動平均フィルタを前記エンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定するように、及び、
前記フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、前記下限及び上限閾値を決定するように、
更に構成される、請求項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項9】
前記温度制御システムは、
前記第1のレーザチャンバに関連付けられたチャンバショットカウントを決定するように、
前記チャンバショットカウントが第1のカウント閾値より大きい旨の決定に応答して、前記第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される前記閾値を、前記第1及び第2の温度アクチュエータに通信するように、
前記チャンバショットカウントが第2のカウント閾値より大きく、前記第1のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、
変調された閾値を決定するために、前記第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される前記閾値を変調するように構成され、前記変調された閾値は所望のデューティサイクルを達成し、
前記変調された閾値を前記第1の温度アクチュエータに通信するように、及び、
前記チャンバショットカウントが前記第2のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、前記第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられたデフォルト閾値を使用するために、前記第1及び第2の温度アクチュエータと通信するように、
構成される、請求項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項10】
第1のレーザチャンバにおいて、第1のレーザビームを発生させることと、
第2のレーザチャンバにおいて、第2のレーザビームを発生させるために前記第1のレーザビームを増幅させることと、
第1の水冷却システム及び第1の加熱システムを含む第1の温度アクチュエータを使用して、前記第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御することと、
第2の水冷却システム及び第2の加熱システムを含む第2の温度アクチュエータを使用して、前記第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御することと、
温度制御システムにおいて、前記第1及び第2の温度アクチュエータから、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含むデータを受信することと、
前記温度制御システムを使用して、前記受信したデータに基づいて前記第1の加熱システムおよび/または前記第2の加熱システムをオンにするための下限閾値と、前記第1の加熱システムおよび/または前記第2の加熱システムをオフにするための上限閾値とを含む閾値を決定することであって、前記閾値は、前記第1及び第2の温度を制御する際に前記第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される、閾値を決定することと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記第1及び第2の温度アクチュエータから前記データを受信することは、第1の時間期間中の、前記対応する水冷却システムの前記1つ以上の弁に関連付けられた前記位置データを監視することを含み、
前記閾値を決定することは、
前記第1の時間期間中の、レーザ源の状況を決定することと、
前記レーザ源の前記状況が前記レーザ源がオン状態になかったことを示すとき、前記水冷却システムの前記1つ以上の弁に関連付けられた前記位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定することと、
前記第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定することであって、前記外れ値部分は1つ以上のデータ閾値に基づいて決定される、第2のフィルタ処理データを決定することと、
を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記閾値を決定することは、
前記第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定することと、
低域移動平均フィルタを前記エンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定することと、
前記フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、前記下限及び上限閾値を決定することと、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、
第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータと、
度制御システムと、
を含
前記第1及び第2の温度アクチュエータの各々は、水冷却システム及び加熱システムを含み、
前記温度制御システムは、前記第1及び第2の温度アクチュエータから、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含むデータを受信して、前記データに基づいて前記加熱システムをオンにするための下限閾値と、前記加熱システムをオフにするための上限閾値とを含む閾値を決定するように構成され、
前記閾値は、前記第1及び第2の温度を制御する際に前記第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される、
装置。
【請求項14】
前記温度制御システムは、
第1の時間期間中の、前記対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた前記位置データを監視するように、
前記第1の時間期間中の、前記装置の状況を決定するように、及び、
前記装置の前記状況が前記装置がオン状態になかったことを示すとき、前記水冷却システムの前記1つ以上の弁に関連付けられた前記位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定するように、
構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
第1の水冷却システム及び第1の加熱システムを含み、第1のチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、
第2の水冷却システム及び第2の加熱システムを含み、第2のチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータと、
温度制御システムと、
を含む、装置であって、
前記温度制御システムは、
前記第1及び第2の温度アクチュエータから、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含むデータを受信するように構成され、
前記受信したデータに基づいて、前記第1の加熱システムをオンにするための下限閾値と、前記第1の加熱システムをオフにするための上限閾値とを含む第1の閾値を決定するように構成され、前記第1の閾値は、前記第1の温度を制御する際に前記第1の温度アクチュエータによって使用され、
前記受信したデータに基づいて、前記第2の加熱システムをオンにするための下限閾値と、前記第2の加熱システムをオフにするための上限閾値とを含む第2の閾値を決定するように構成され、前記第2の閾値は、前記第2の温度を制御する際に前記第2の温度アクチュエータによって使用される、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2019年10月25日出願のSMART GAS TEMPERATURE CONTROL IN A LASER SOURCEという名称の米国出願第62/925,811号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、例えば、リソグラフィ装置及びシステムにおいて使用するための、レーザ源におけるガス温度を制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、形成されるICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又はいくつかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0004】
[0004] レーザ源は、例えば、パターニングデバイスを照明するための照明放射を発生させるために、リソグラフィ装置と共に使用可能である。レーザ源は、リソグラフィ装置内で使用するためのレーザを発生させるためにガスを使用することができる。したがって、レーザによって生成される放射に影響を与えるレーザ源内のガスの温度及び他の態様を制御するための、システム及び方法が求められている。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示において、ガス温度制御のシステム及び方法の実施形態を説明する。
【0006】
[0006] 本開示の一態様は、第1のレーザビームを発生させるように構成された第1のレーザチャンバと、第1のレーザビームを受け取るように、及び、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅するように構成された第2のレーザチャンバとを含む、レーザ源を提供する。レーザ源は、第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータとを、更に含む。レーザ源は、第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように、及び、受信したデータに基づいて第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を決定するように構成された温度制御システムも含む。閾値は、第1及び第2の温度を制御する際に第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態において、第1及び第2の温度アクチュエータの各々は冷却システム及び加熱システムを含み、第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは対応する冷却システムに関連付けられたデータを含み、閾値は加熱システムに関連付けられた閾値を含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態において、冷却システムは水冷却システムを含み、冷却システムに関連付けられたデータは、水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含む。いくつかの実施形態において、加熱システムに関連付けられた閾値は、加熱システムをオンにするための下限閾値と、加熱システムをオフにするための上限閾値とを含む。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態において、温度制御システムは、第1の時間期間中の、水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを監視するように、第1の時間期間中の、レーザ源の状況を決定するように、及び、レーザ源の状況がレーザ源がオン状態になかったことを示すとき、水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定するように、構成される。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態において、温度制御システムは、第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定するように、更に構成される。外れ値部分は、1つ以上のデータ閾値に基づいて決定される。温度制御システムは、第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定するように、低域移動平均フィルタをエンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定するように、及び、フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、下限及び上限閾値を決定するように、更に構成される。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態において、第1の温度アクチュエータは、第1のレーザチャンバに関連付けられた第1の冷却システム及び第1の加熱システムを含む。第2の温度アクチュエータは、第2のレーザチャンバに関連付けられた第2の冷却システム及び第2の加熱システムを含む。第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは、それぞれ、第1及び第2の冷却システムに関連付けられたデータを含む。閾値は、第1の加熱システムに関連付けられた第1の閾値、及び、第2の加熱システムに関連付けられた第2の閾値を含む。第1の閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用され、第2の閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態において、温度制御システムは、第1のレーザチャンバに関連付けられたチャンバショットカウントを決定するように構成される。チャンバショットカウントが第1のカウント閾値より大きい旨の決定に応答して、温度制御システムは、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を、第1及び第2の温度アクチュエータに通信するように構成される。チャンバショットカウントが第2のカウント閾値より大きく、第1のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、温度制御システムは、変調された閾値を決定するために、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を変調するように構成され、変調された閾値は所望のデューティサイクルを達成する。温度制御システムは、変調された閾値を第1の温度アクチュエータに通信するように構成される。チャンバショットカウントが第2のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、温度制御システムは、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられたデフォルト閾値を使用するために、第1及び第2の温度アクチュエータと通信するように構成される。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態において、閾値を決定するために、温度制御システムは、受信したデータに基づいて、第1の温度アクチュエータに関連付けられた第1の下限閾値及び第1の上限閾値を決定するように構成される。温度制御システムは、受信したデータに基づいて、第2の温度アクチュエータに関連付けられた第2の下限閾値及び第2の上限閾値を決定するように、更に構成される。第1の下限閾値及び第1の上限閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用される。第2の下限閾値及び第2の上限閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される。
【0014】
[0014] 本開示の別の態様は、放射ビームを調節するように構成された照明システムと、放射ビームに付与されたパターンを基板上に投影するように構成された投影システムとを含む、リソグラフィ装置を提供する。照明システムはレーザ源を含む。レーザ源は、第1のレーザビームを発生させるように構成された第1のレーザチャンバと、第1のレーザビームを受け取り、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅するように構成された第2のレーザチャンバとを、含む。レーザ源は、第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータとを、更に含む。レーザ源は、第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように、及び、受信したデータに基づいて第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を決定するように構成された温度制御システムも含む。閾値は、第1及び第2の温度を制御する際に第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される。
【0015】
[0015] 本開示の別の態様は、第1のレーザチャンバにおいて第1のレーザビームを発生させること、及び、第2のレーザチャンバにおいて第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅させることを含む、方法を提供する。方法は、第1の温度アクチュエータを使用して、第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御すること、及び、第2の温度アクチュエータを使用して、第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御することを、更に含む。方法は、温度制御システムにおいて、第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信すること、及び、温度制御システムにおいて、受信したデータに基づいて第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を決定することも、含む。閾値は、第1及び第2の温度を制御する際に第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される。
【0016】
[0016] 本開示の別の態様は、プロセッサによって実行されたときにプロセッサに動作を実行させる命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。動作は、第1の時間期間中の、レーザ源の水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを受信することを含む。動作は、第1の時間期間中の、レーザ源の状況を決定すること、及び、レーザ源の状況が、レーザ源がオン状態になかったことを示すとき、水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを発生させることを、更に含む。方法は、第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを発生させること、及び、第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定することも含む。方法は、低域フィルタをエンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定すること、及び、フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、レーザ源の加熱システムに関連付けられた第1及び第2の閾値を決定することも含む。第1及び第2の閾値は、少なくとも1つのレーザチャンバ内のガス温度を制御するために使用される。
【0017】
[0017] 本開示の別の態様は、装置を提供する。装置は、第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータ、及び、第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータを含む。装置は、第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように、及び、受信したデータに基づいて、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を決定するように構成された温度制御システムを更に含む。閾値は、第1及び第2の温度を制御する際に第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態において、第1のレーザチャンバは第1のレーザビームを発生させるように構成され、第2のレーザチャンバは、第1のレーザビームを受け取るように、及び、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅するように構成される。
【0019】
[0019] 本開示の別の態様は、第1のレーザビームを発生させるように構成された第1のレーザチャンバと、第1のレーザビームを受け取り、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅するように構成された第2のレーザチャンバとを含む、レーザ源を提供する。レーザ源は、第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータとを、更に含む。レーザ源は、温度制御システムも含む。温度制御システムは、第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように、及び、受信したデータに基づいて、第1の温度アクチュエータに関連付けられた第1の下限閾値及び第1の上限閾値を決定するように、構成される。温度制御システムは、受信したデータに基づいて、第2の温度アクチュエータに関連付けられた第2の下限閾値及び第2の上限閾値を決定するように、更に構成される。第1の下限閾値及び第1の上限閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用され、第2の下限閾値及び第2の上限閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される。
【0020】
[0020] 本開示の別の態様は、第1のチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、第2のチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータとを含む、装置を提供する。装置は温度制御システムも含む。温度制御システムは、第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように、及び、受信したデータに基づいて、第1の温度アクチュエータに関連付けられた第1の閾値を決定するように、構成される。第1の閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用される。温度制御システムは、受信したデータに基づいて、第2の温度アクチュエータに関連付けられた第2の閾値を決定するように、更に構成される。第2の閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される。
【0021】
[0021] 様々な実施形態の更なる特徴並びに構造及び動作を、添付の図面を参照しながら下記で詳細に説明する。本開示は、本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。こうした実施形態は、本明細書において例示の目的でのみ提示される。当業者であれば、追加の実施形態は本明細書に含まれる教示に基づいて明らかとなろう。
【0022】
[0022] 本明細書に組み込まれ本明細書の一部を形成する添付の図面は本開示を図示し、説明と共に、更に本開示の実施形態の原理を説明する働き、及び、当業者が本開示の実施形態を作成及び使用できるようにする働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】[0023] 例示的な実施形態に係る反射型リソグラフィ装置の概略図である。
図2】[0024] 例示的な実施形態に係る透過型リソグラフィ装置の概略図である。
図3】[0025] 例示的な実施形態に係るリソグラフィセルの概略図である。
図4A】[0026]本開示のいくつかの実施形態に係る温度制御システムを有するレーザ源の概略を示す図である。
図4B】[0027]本開示のいくつかの実施形態に係る、冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データに基づく加熱システム状況を示す図である。
図5】[0028]本開示のいくつかの実施形態に係る、時間期間中の、冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データ、及び、関連付けられたフィルタ処理エンベロープデータを示す、例示的グラフである。
図6A】[0029]本開示のいくつかの実施形態に係る、時間期間中の、冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データ、及び、加熱システムに関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を示す、例示的グラフである。
図6B】[0029]本開示のいくつかの実施形態に係る、時間期間中の、冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データ、及び、加熱システムに関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を示す、例示的グラフである。
図7】[0030]本開示のいくつかの実施形態に係る、加熱システムに関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定するための方法の一例を示すフローチャートである。
図8】[0031]本開示のいくつかの実施形態に係る、加熱システムに関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定するための方法の一例を示すフローチャートである。
図9】[0032]本開示のいくつかの実施形態に係る、加熱システムに関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を通信するための方法の一例を示すフローチャートである。
図10A】[0033]本開示のいくつかの実施形態に係る、時間期間中の、レーザ源の状況を示す例示的グラフである。
図10B】[0034]本開示のいくつかの実施形態に係る、時間期間中の、加熱システムの状況を示す例示的グラフである。
図11】[0035]いくつかの実施形態又はその一部を実装するための、例示的コンピュータシステムを示す図である。
【0024】
[0036] 本発明の特徴及び利点は、同様の参照符号は全体を通して対応する要素を識別する図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことで更に明白になるであろう。図面では、一般に、同様の参照番号が同一の、機能が類似した、及び/又は構造が類似する要素を示す。更に、一般に、参照番号の左端の桁は、参照番号が最初に表示される図面を識別する。他に示されない限り、本開示を通じて提供される図面は縮尺通りの図面として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0037] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示される1つ又は複数の実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は、開示される1つ又は複数の実施形態に限定されない。本発明の幅及び範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるものである。
【0026】
[0038] 記載された1つ又は複数の実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、1つ又は複数の実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。更に、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。更に、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
【0027】
[0039] 「下(beneath)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(above)」、「上(on)」、「上(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、図に示すように、ある要素又は機能と別の1つ又は複数の要素又は1つ又は複数の機能との関係を説明するのを容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの様々な方向を包含することを意図している。装置は、他の方法で方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転されてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0028】
[0040] 本明細書で使用される「約」という語は、特定の技術に基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定の技術に基づいて、「約」という語は、例えばその値の10~30%(例えば、その値の±10%、±20%、又は±30%)の範囲内で変化する所与の量の値を示す可能性がある。
【0029】
[0041] 本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実施可能である。また、本開示の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取り及び実行され得る機械読み取り可能媒体上に記憶された命令としても実施することができる。機械読み取り可能媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は送信するためのいずれかの機構を含み得る。例えば、機械読み取り可能媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、及び他のものを含むことができる。更に、一定の動作を実行するものとして本明細書ではファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令を記載することができる。しかしながらそのような記載は単に便宜上のものであり、そういった動作は実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスから得られることは認められよう。
【0030】
[0042] このような実施形態を詳述する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
【0031】
[0043] 例示的なリソグラフィシステム
[0044] 図1及び図2は、それぞれ本発明の実施形態が実装され得るリソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’の概略図である。リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’はそれぞれ以下の、放射ビームB(例えば深紫外放射(DUV))を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク、レチクル、又は動的パターニングデバイス)MAを支持するように構成されるとともに、パターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成されるとともに、基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続されたテーブル(例えばウェーハテーブル)WTなどの基板ホルダと、を備える。リソグラフィ装置100及び100’は、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つ以上のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された投影システムPSも有する。リソグラフィ装置100では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは反射型である。リソグラフィ装置100’では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは透過型である。
【0032】
[0045] 照明システムILは、放射ビームBを誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0033】
[0046] 支持構造MTは、基準フレームに対するパターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置100及び100’のうちの少なくとも1つの設計等の条件、及びパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、機械的、真空、静電、又は他のクランプ技術を使用して、パターニングデバイスMAを保持することができる。支持構造MTは、例えば、フレーム又はテーブルでもよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。センサを使用することにより、支持構造MTは、パターニングデバイスMAが、例えば、投影システムPSに対して確実に所望の位置に来るようにできる。
【0034】
[0047] 「パターニングデバイス」MAという用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成するために放射ビームBの断面にパターンを付与するのに使用され得る何らかのデバイスを指すものと広義に解釈されるべきである。放射ビームBに付与されたパターンは、集積回路を形成するためにターゲット部分Cに生成されるデバイスにおける特定の機能層に対応する可能性がある。
【0035】
[0048] パターニングデバイスMAは、(図2のリソグラフィ装置100’におけるように)透過型であっても、(図1のリソグラフィ装置100におけるように)反射型であってもよい。パターニングデバイスMAの例には、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、又はプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、又はハーフトーン型位相シフトマスク、更には多様なハイブリッドマスクタイプなどのマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、それぞれが入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜され得る小さいミラーのマトリクス配列を採用する。傾斜されたミラーは、小さいミラーのマトリクスにより反射される放射ビームBにパターンを付与する。
【0036】
[0049] 「投影システム」という語は、使用される露光放射、あるいは、基板W上での液浸液の使用又は真空の使用などの他の要因に適切な、屈折、反射、反射屈折、磁気、電磁、及び静電の光学システム、又はそれらの任意の組み合わせを含む、任意のタイプの投影システムを包含することができる。したがって、真空壁及び真空ポンプの助けにより、ビームパス全体に真空環境を提供することができる。
【0037】
[0050] リソグラフィ装置100及び/又はリソグラフィ装置100’は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブルWT(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプであってよい。このような「マルチステージ」マシンにおいては、追加の基板テーブルWTが並行して使用されるか、あるいは1つ以上の基板テーブルWTが露光に使用されている間に、1つ以上の他のテーブルで準備工程が実行されてよい。ある状況では、追加のテーブルは基板テーブルWTでなくてもよい。
【0038】
[0051] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野でよく知られている。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
【0039】
[0052] 図1及び図2を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。例えば放射源SOがエキシマレーザである場合には、放射源SOとリソグラフィ装置100、100’とは別個の物理的実体であってよい。この場合、放射源SOはリソグラフィ装置100又は100’の一部を構成するとは見なされず、放射ビームBは放射源SOから、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを備えたビームデリバリシステムBD(図2)を介してイルミネータILへ通過する。他の場合、例えば放射源SOが水銀ランプである場合には、放射源SOはリソグラフィ装置100、100’の一体部分であってよい。放射源SOとイルミネータILとは、またビームデリバリシステムBDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射システムと呼ばれることがある。
【0040】
[0053] イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタAD(図2)を備えてよい。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ「σ-outer」及び「σ-inner」と呼ばれる)を調整することができる。加えてイルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネント(図2)を備えてもよい。イルミネータILは、ビーム断面における所望の均一性及び強度分布を得るべく放射ビームBを調節するのに使用することができる。
【0041】
[0054] 図1を参照すると、放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン付与される。リソグラフィ装置100では、放射ビームBはパターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSは放射ビームBを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けによって、基板テーブルWTを(例えば、放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサIF1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して、パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wを位置合わせすることができる。
【0042】
[0055] 図2を参照すると、放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されたパターニングデバイス(例えばマスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン付与される。マスクMAを横断した後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。投影システムは、照明システム瞳IPUと共役な瞳PPUを有する。放射の一部は、照明システム瞳IPUにおける強度分布から生じ、マスクパターンにおいて回折の影響を受けることなくマスクパターンを横切り、照明システム瞳IPUにおいて強度分布の像を作り出す。
【0043】
[0056] 投影システムPSは、マスクパターンMPの像MP’を投影する。像MP’は、強度分布からの放射によりマスクパターンMPから生成された回折ビームによって、基板W上に被覆されたフォトレジスト層上に形成される。例えば、マスクパターンMPには、ラインとスペースのアレイが含まれてよい。アレイでの放射回折でゼロ次回折でないものからは、ラインと垂直な方向に方向が変わった誘導回折ビームが生成される。非回折ビーム(すなわち、いわゆるゼロ次回折ビーム)は、伝搬方向が変化することなくパターンを横断する。ゼロ次回折ビームは、投影システムPSの共役な瞳PPUの上流にある投影システムPSの上部レンズ又は上部レンズグループを横断して、共役な瞳PPUに到達する。ゼロ次回折ビームに関連する共役な瞳PPUの面における強度分布の部分が、照明システムILの照明システム瞳IPUの強度分布の像である。開口デバイスPDは、例えば投影システムPSの共役な瞳PPUを含む平面に又は概ね平面に配置される。
【0044】
[0057] 投影システムPSは、レンズ又はレンズグループLを用いて、ゼロ次回折ビームのみならず、1次又はより高次の回折ビーム(図示せず)も、キャプチャするように配置される。いくつかの実施形態において、ダイポール照明の解像度向上効果を利用するために、ラインと垂直な方向に延在するラインパターンを結像させるためのダイポール照明が使用され得る。例えば、1次回折ビームは、ウェーハWのレベルで対応するゼロ次回折ビームに干渉し、可能な最高解像度及びプロセスウィンドウ(すなわち、許容露光ドーズ偏差と組み合わせて使用可能な焦点の深度)において、ラインパターンMPの像を作成する。
【0045】
[0058] 第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けにより、(例えば放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、(例えばマスクライブラリの機械的な取り出し後又はスキャン中に)第1のポジショナPMと別の位置センサ(図2に図示せず)とを使用して、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。
【0046】
[0059] 一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けを借りて実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現することができる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0047】
[0060] マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAは、真空チャンバV内にあってよい。真空内ロボットIVRを用いて、マスクなどのパターニングデバイスを真空チャンバ内及び外に移動させることができる。代替的に、マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAが真空チャンバの外側にある場合、真空内ロボットIVRと同様に、様々な輸送作業のために真空外ロボットを用いることができる。真空内及び真空外ロボットは、共に中継ステーションの固定されたキネマティックマウントへの任意のペイロード(例えばマスク)のスムーズな移動のために較正される必要がある。
【0048】
[0061] 図示のリソグラフィ装置100及び100’は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0049】
[0062] 1.ステップモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
【0050】
[0063] 2.スキャンモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
【0051】
[0064] 3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームBに付与されたパターンをターゲット部分Cに投影する。パルス放射源SOを使用することができ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、必要に応じて更新される。この動作モードは、プログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0052】
[0065] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0053】
[0066] 例示的なリソグラフィセル
[0067] 図3は、リソセル又はクラスタと呼ばれることもあるリソグラフィセル300を示している。リソグラフィ装置100又は100’はリソグラフィセル300の一部を構成することがある。また、リソグラフィセル300は、基板に露光前プロセス及び露光後プロセスを実行する1つ以上の装置を含んでよい。従来から、これらにはレジスト層を堆積させるためのスピンコータSC、露光したレジストを現像するためのデベロッパDE、冷却プレートCH、及びベークプレートBKが含まれる。基板ハンドラ、すなわちロボットROが、入出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、それらを様々なプロセス装置間で移動させ、リソグラフィ装置100又は100’のローディングベイLBに引き渡す。これらのデバイスは、まとめてトラックと呼ばれることも多く、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。TCU自体は監視制御システムSCSによって制御され、SCSはリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。したがって、これらの様々な装置はスループット及び処理効率を最大化するように動作させることができる。
【0054】
[0068] 例示的な温度制御システム及び方法
[0069] 図4Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、温度制御システム430を有するレーザ源400の概略を示す図である。いくつかの実施形態において、レーザ源400は、リソグラフィ装置100又は100’のソースSOの一部として、又はこれに加えて、使用可能である。追加又は代替として、レーザ源400は、リソグラフィ装置100又は100’あるいは他のDUVリソグラフィ装置において使用されるべきDUV放射を発生させる際に使用可能である。
【0055】
[0070] 図4Aに示されるように、レーザ源400はデュアルチャンバレーザ源を含むことができる。例えば、レーザ源400は、第1のレーザチャンバ403a及び第2のレーザチャンバ403bを含むことができる。例示的一実施形態において、第1のレーザチャンバ403aは主発振器を含むか、又はその一部であることが可能である。例えば、レーザ源400は、主ソースが第1のレーザチャンバ403aを含む主発振器を含むことができる。この例では、第2のレーザチャンバ403bは、パワー増幅器を含むか、又はその一部であることが可能である。例えばレーザ源は、パワー増幅器が第2のレーザチャンバ403bを含むパワー増幅器を含むことができる。いくつかの実施形態はデュアルチャンバレーザ源に関して考察されるが、本開示の実施形態はこれらの例に限定されない。本開示の実施形態は、1つのチャンバを備えるレーザ源に、又は複数のレーザチャンバを備えるレーザ源に、適用可能である。
【0056】
[0071] いくつかの実施形態によれば、第1のチャンバ403aは第1のレーザビーム409を発生させ、これが第2のレーザチャンバ403bに向けて送られ、第2のレーザビーム411を生成するために第1のレーザビーム409が増幅される。第2のレーザビーム411は、リソグラフィ装置(例えば、リソグラフィ装置100及び/又は100’)に出力される。
【0057】
[0072] いくつかの実施形態によれば、各レーザチャンバ403a及び403bは、ガスの混合物を含む。例えばエキシマレーザ源において、第1のレーザチャンバ403a及び第2のレーザチャンバ403bは、合計すると全圧になる異なる部分圧力において、アルゴン、ネオン、及び場合によってはその他などの他のガスと共に、ハロゲン、例えばフッ素を含むことができる。レーザチャンバ403a及び403bは、レーザビームを生成及び増幅する際に使用される他のガスを含むことができる。レーザチャンバ403a及び403bは、同じか又は異なるガスの混合物を含むことができる。
【0058】
[0073] いくつかの実施形態において、レーザ源400は、ガス源(例えば、ガス容器)420a及び420bを含むことができる(又は結合可能である)。例えば、ガス源420aは、第1のレーザビーム409を発生させるために使用されるガス混合物を提供するために、第1のレーザチャンバ403aに結合可能である。加えて、ガス源420bは、第2のレーザビーム411を発生させるために使用されるガス混合物を提供するために、第2のレーザチャンバ403bに結合可能である。いくつかの例において、ガス源420a及び420bは、それぞれ、弁(図示せず)を介してレーザチャンバ403a及び403bに結合可能である。制御システム(例えば、制御システム410)は、ガス源420a及び420bからレーザチャンバ403a及び403bへガスを送るための弁を制御するために使用可能である。
【0059】
[0074] いくつかの実施形態において、ガス源420aは、フッ素、アルゴン、及びネオンを含むが限定されない、ガスの混合物を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、ガス源420bは、アルゴン、ネオン、及び/又は他のガスの混合物を含むが、フッ素は含まないことが可能である。しかしながら、他のガス混合物はガス源420a及び420b内で使用可能である。
【0060】
[0075] いくつかの実施形態によれば、レーザチャンバ403a及び403b内のガスの温度は、1つ以上の温度アクチュエータを使用して管理可能である。いくつかの例において、1つ以上の温度アクチュエータは、加熱システム405a及び405b(集合的に、加熱システム405)及び冷却システム407a及び407b(集合的に、冷却システム407)を含むことができる。図4Aに示された実施形態において、第1のレーザチャンバ403aは、加熱システム405a及び冷却システム407aを含む第1の温度アクチュエータを含む。加熱システム405a及び冷却システム407aを含む第1の温度アクチュエータは、第1のレーザチャンバ403a内のガスの温度を制御することができる。同様に、第2のレーザチャンバ403bは、加熱システム405b及び冷却システム407bを含む第2の温度アクチュエータを含む。加熱システム405b及び冷却システム407bを含む第2の温度アクチュエータは、第2のレーザチャンバ403b内のガスの温度を制御することができる。
【0061】
[0076] いくつかの実施形態において、温度アクチュエータ(例えば、加熱システム405及び冷却システム407)は、第1のレーザチャンバ403a内のガス温度に基づいて、及び第2のレーザチャンバ403b内のガス温度とは無関係に、第1のレーザチャンバ403a内のガス温度を制御することができる。代替として、温度アクチュエータ(例えば、加熱システム405及び冷却システム407)は、第2のレーザチャンバ403b内のガス温度に基づいて、第1のレーザチャンバ403a内のガス温度を制御することができるか、又はその逆が可能である。いくつかの実施形態において、温度アクチュエータは、両方のレーザチャンバ内のガス温度に基づいて、レーザチャンバのうちの1つにおけるガス温度を制御することができる。
【0062】
[0077] いくつかの実施形態によれば、加熱システム405は、対応するレーザチャンバ内のガスを加熱するように構成された1つ以上のコイルを含むことができる。いくつかの例において、1つ以上のコイルは、コイルに印加される電圧の二乗に比例する熱を発生させることが可能な抵抗負荷とすることができる。しかしながら他の加熱システムも使用可能である。いくつかの実施形態によれば、冷却システム407は、対応するレーザチャンバ内のガスを冷却するための水冷却システムを含むことができる。いくつかの例において、水冷却システムは、対応するレーザチャンバを横切って冷水を移送することが可能なパイプ又は一連のパイプを含むことが可能であるため、伝導性熱伝達が発生し、同時に(又はほぼ同時に)水を加熱し、レーザチャンバを冷却することになる。次いで、加熱された水はシステム外に排出され、新しい冷水に置き換えられる。冷却の量は、弁又は弁のセットによって制御されるパイプ内への水の流量に比例し得る。
【0063】
[0078] いくつかの実施形態によれば、制御システム410は、レーザチャンバ403a及び403b(集合的に、レーザチャンバ403)内のガス温度を制御するために使用される。例えば、制御システム410は、ガス温度を検出するためにレーザチャンバ403内の1つ以上の温度センサに接続可能である。例えば、レーザチャンバ403内のガス温度について設定される設定点、及び感知された温度にも依存して、制御システム410は、加熱システム405及び/又は冷却システム407を制御するように構成される。
【0064】
[0079] いくつかの例において、冷却システム407a、407bは温度アクチュエータ内の1次アクチュエータである。これらの例において、冷却システム407は、その対応するレーザチャンバ(例えば、冷却システム407aは第1のレーザチャンバ403a、及び冷却システム407bは第1のレーザチャンバ403b)内のガス温度を、設定点の閾値内に維持する。非限定的な例において、冷却システム407は、その対応するレーザチャンバ内のガス温度を、設定点の1℃周辺内に維持する。しかしながら、設定点の他の閾値も使用可能である。いくつかの例において、冷却システム407は徐々に増加又は減少するように制御される。加えて加熱システム405は、いくつかの例において、温度アクチュエータ内のコースアクチュエータとすることができる。これらの例において、加熱システム405は、冷却システム407が適切に機能するための十分なマージンを有するように、その対応するレーザチャンバを十分暖かく維持するように構成可能である。いくつかの例において、加熱システム405は、(例えば、その最大容量まで)オン又はオフのいずれかである。
【0065】
[0080] いくつかの例において、加熱システム405の各々のオン/オフ状態は、その対応する冷却システム407の状態に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、冷却システム407は水冷却システムを含むことができる。冷却システム407が水冷却システムを含むとき、冷却システム407の状態(例えば、冷却システム407に関連付けられたデータ)は、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含むことができる。冷却システム407の弁は、制御システム410によって監視及び制御可能である。例えば、冷却システム407の弁は、徐々に開くか又は閉じるように、制御システム410によって監視及び制御可能である。いくつかの実施形態によれば、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データは、1つ以上の弁がどのように開くかを示すことができる。例えば、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データは、1つ以上の弁の弁の開口を(例えば、パーセンテージで)示すことができる。
【0066】
[0081] 前述のように、加熱システム405の各々のオン/オフ状態は、その対応する冷却システム407の状態(例えば、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データ)に基づいて決定される。例えば、冷却システム407aの状態がその限界のうちの1つまで閉じている場合、加熱システム405aは補償するように状態を変更し得る。例えば、制御システム410が、冷却システム407aの1つ以上の弁に関連付けられた監視された位置データが下限弁位置閾値よりも低い(1つ以上の弁がほぼ完全に閉じられる)と決定した場合、制御システム410は加熱システム405aにオンにするように命じることができる。これは、第1のレーザチャンバ403aが相対的に冷たいものと制御システム410が決定したためである。
【0067】
[0082] これは、例えば図4Bに示されている。図4Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データに基づく加熱システム状況を示す。グラフ450は、弁開口451(パーセンテージ、例えば冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データ)としてのx軸、及び、加熱システム453の状況(例えば、オン又はオフ)としてのy軸を含む。一例において、制御システム410が、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた監視された位置データ(例えば、弁開口451)が下限弁位置閾値455より低いと決定した場合、制御システム410は加熱システム405にオンにするように命じることができる。
【0068】
[0083] 別の例において、制御システム410が、冷却システム407aの1つ以上の弁に関連付けられた監視された位置データが上限弁位置閾値より高い(1つ以上の弁がほぼ完全に開かれる)と決定した場合、制御システム410は加熱システム405aにオフにするように命じることができる。これは、第1のレーザチャンバ403aが相対的に熱いものと制御システム410が決定したためである。いくつかの例において、制御システム410は、加熱システム405及び/又は冷却システム407を制御するために、このヒステリシス制御を提供する。例えば図4Bに示されるように、制御システム410が、
冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた監視された位置データ(例えば、弁開口451)が上限弁位置閾値457より高いと決定した場合、制御システム410は加熱システム405にオフにするように命じることができる。
【0069】
[0084] いくつかの例において、下限及び上限の弁位置閾値455及び457は、固定デフォルト値とすることができる。例えば、下限弁位置閾値はおよそ30%の弁開口であり得、上限弁位置閾値はおよそ70%の弁開口であり得る。しかしながら、これらは例示的な閾値であり、これらの下限及び上限の弁位置閾値には他の値が使用可能である。いくつかの例において、固定されたデフォルトの下限及び上限の弁位置閾値は結果として、エネルギーの浪費を生じさせる可能性がある。例えばレーザチャンバ403は、冷却システム407に十分なマージンを提供するために必要であるよりも加熱され得る。いくつかのシステム(例えば、高利用率システム)において、チャンバブロワー(図示せず)及び高発火率は、レーザチャンバ403内部に十分な熱を作り出すことが可能であるため、浪費エネルギーも高くなる。
【0070】
[0085] いくつかの実施形態によれば、制御システム410に関連する温度制御システム430は、下限及び上限の弁位置閾値455及び457を動的に調整するように構成される。これらの実施形態において、温度制御システム430は、加熱システム405に関連付けられた1つ以上の閾値(例えば、下限及び上限の弁位置閾値)を動的に制御するために、レーザチャンバ403のガス温度、冷却システム407の性能、レーザ源400の状況、及び/又はレーザ源400の性能を監視するように構成される。いくつかの実施形態によれば、加熱システム405に関連付けられた1つ以上の閾値を動的に制御することによって、加熱システム405は不要であればオフにすることが可能であり、したがって、レーザ源400のエネルギー及び電力消費を節約する。
【0071】
[0086] いくつかの実施形態によれば、温度制御システム430は、温度アクチュエータ(例えば、前述の第1及び第2の温度アクチュエータ)からデータを受信するように構成される。前述のように、第1の温度アクチュエータは加熱システム405a及び冷却システム407aを含むことができ、第2の温度アクチュエータは加熱システム405b及び冷却システム407bを含むことができる。いくつかの実施形態において、温度制御システム430は、温度アクチュエータから制御システム410を介して(例えば、接続433を介して)、データを受信するように構成される。追加又は代替として、温度制御システム430は、温度アクチュエータから直接データを受信することができる。
【0072】
[0087] いくつかの実施形態において、温度アクチュエータから受信したデータは、冷却システム407に関連付けられたデータを含むことができる。例えば、冷却システム407に関連付けられたデータは、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データ(例えば、弁開口データ)を含むことができる。いくつかの実施形態において、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データは、時間期間にわたって温度制御システム430(及び/又は制御システム410)によって監視された位置データを含む。時間期間は、約数時間、約1日、およそ10日、約1か月、約1年などを含むことができる。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データを監視するために他の時間期間が使用可能である。
【0073】
[0088] いくつかの実施形態によれば、温度アクチュエータから受信したデータ(例えば、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データ)を使用して、温度制御システム430は、温度アクチュエータに関連付けられた1つ以上の閾値を決定するように構成される。温度アクチュエータは、レーザチャンバ403内のガス温度を制御するために、決定された閾値を使用することができる。例えば、温度制御システム430は、温度アクチュエータの加熱システム405に関連付けられた1つ以上の閾値を決定するように構成される。1つ以上の閾値は、前述の下限及び上限の弁位置閾値を含むことができる。例えば、下限閾値は、加熱システム405をオンにするための閾値(例えば、前述の下限弁位置閾値)を含む。上限閾値は、加熱システム405をオフにするための閾値(例えば、前述の上限弁位置閾値)を含むことができる。
【0074】
[0089] いくつかの例示の実施形態において、加熱システム405a及び405bの両方は、同じ下限閾値(例えば、前述の下限弁位置閾値)及び同じ上限閾値(例えば、前述の上限弁位置閾値)を使用する。言い換えれば、第1のレーザチャンバ403a/冷却システム407aは、第2のレーザチャンバ403b/冷却システム407bとは異なる要件、測定、及び性能を有し得るが、加熱システム405a及び405bは同じ閾値を使用する。代替として、加熱システム405a及び405bは、異なる第1及び第2の閾値を使用することができる。いくつかの実施形態において、第1の加熱システムに関連付けられた第1の閾値及び第2の加熱システムに関連付けられた第2の閾値が存在し、第1の閾値は第1の温度を制御しながら第1の温度アクチュエータによって使用され、第2の閾値は第2の温度を制御しながら第2の温度アクチュエータによって使用される。いくつかの実施形態において、第1の閾値は、加熱システム405aに関連付けられた下限及び上限の閾値を含み、第2の閾値は、加熱システム405bに関連付けられた下限及び上限の閾値を含む。
【0075】
[0090] いくつかの実施形態によれば、温度アクチュエータから受信したデータ(例えば、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データ)に加えて、温度制御システム430は、温度アクチュエータの加熱システム405に関連付けられた1つ以上の閾値を決定するために、レーザ源400の状況を使用するように構成される。この例において、温度制御システム430は、レーザ源400の状況が、レーザ源400がオン状態になかったことを示すとき、受信したデータの一部(例えば、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データの一部)をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定する(例えば、発生させる)ように構成される。言い換えれば、いくつかの実施形態によれば、温度制御システム430は、レーザ源400がオフ又はスタンバイ状態になかったとき、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データを考慮しない。いくつかの実施形態によれば、レーザ源400は多くの状態を有することができる。例えばレーザ源400は、オン状態(例えば、「レーザON」)、スタンバイ状態、又はオフ状態(例えば、「レーザOFF」)にあることができる。いくつかの実施形態において、スタンバイ状態及び/又はオフ状態の間、第1のチャンバ403aは第1のレーザビーム409を発生させず、及び/又は、第2のレーザチャンバ403bは第2のレーザビーム411を生成しない。温度制御システム430は、オフ及びスタンバイの両方の状態に関連付けられたデータをフィルタ除去することができる。
【0076】
[0091] 図5は、本開示のいくつかの実施形態に係る、時間期間中の、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データ、及び、関連付けられたフィルタ処理エンベロープデータを示す、例示的グラフである。グラフ500は、弁開口をパーセンテージで示すy軸501、及び、時間を示すx軸503を含む。グラフ500は、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データ509を示す。
【0077】
[0092] この例示的実施形態において、前述のように温度制御システム430は、いくつかの実施形態によれば、レーザ源400がオン状態になかったとき(例えば、オフ又はスタンバイ状態にあったとき)、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データを考慮しない。この位置データは、グラフ500上でデータ点513として示される。
【0078】
[0093] いくつかの実施形態によれば、温度制御システム430が、レーザ源400がオン状態になかったとき、受信したデータの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定した(例えば、発生させた)後、温度制御システム430は更に、第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定する(例えば、発生させる)。いくつかの例において、温度制御システム430は、1つ以上のデータ閾値に基づいて外れ値部分を決定するように構成される。追加又は代替として、温度制御システム430は、第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去するために、1つ以上の外れ値フィルタリング方法を実行するように構成される。いくつかの例において、外れ値部分を決定することは、データ閾値の上の値を無視すること、平均値からの特定数の標準偏差外にある値を無視すること、単一の外れ値の影響を低減させるためにいくつかのデータ点の平均を使用すること、非現実的又は物理的に不可能な事象を表す値(例えば、0から100の間ではないパーセンテージ)を無視することなどを、含むことができる。例えば、図5のグラフ500に示されるように、温度制御システム430は、外れ値データ点511をフィルタ除去するように構成される。
【0079】
[0094] いくつかの実施形態によれば、第2のフィルタ処理データを決定した後、温度制御システム430は、第2のフィルタ処理データに基づいてエンベロープデータを決定するように構成される。いくつかの例において、エンベロープデータは、第2のフィルタ処理データを略述するデータであり、第2のフィルタ処理データの振幅の概念を一般化することができる。例えばエンベロープデータは、第2のフィルタ処理データの底部から、第2のフィルタ処理データの頂部の直下まで広がるように、(温度制御システム430によって)決定される。温度制御システム430は、第2のフィルタ処理データに基づいてエンベロープデータを決定しているため、エンベロープデータは、レーザ源がオフ又はスタンバイ状態だったとき、温度アクチュエータから受信したデータの一部(例えば、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データ)を除外し、いくつかの実施形態によれば、外れ値データも除外する。
【0080】
[0095] いくつかの実施形態において、エンベロープデータを決定した後、温度制御システム430は、エンベロープデータにフィルタを適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを更に決定する。例えば、温度制御システム430は、フィルタ処理エンベロープデータがロバストであり、性能における一時的シフトに敏感でないことが可能であるように、また、フィルタ処理エンベロープデータがロバストであり、フィルタ処理エンベロープデータ内のデータ上のノイズに敏感でないことが可能であるように、エンベロープデータにフィルタを適用する。いくつかの例において、温度制御システム430は、低域移動平均フィルタをエンベロープデータに適用する。しかしながら、本開示の実施形態は、フィルタ処理エンベロープデータをノイズ及び性能変動に対してよりロバストにするために、エンベロープデータに適用される他のフィルタを含むことができる。例えば温度制御システム430は、図5に示されるように、フィルタ処理エンベロープデータ505及び507を発生させるように構成される。この例では、フィルタ処理エンベロープデータは、下位値(例えば、エッジ)505及び上位値(例えば、エッジ)507を含む。
【0081】
[0096] 決定されたフィルタ処理エンベロープデータを使用して、温度制御システム430は、いくつかの実施形態によれば、温度アクチュエータの1つ以上の閾値(例えば、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値)を決定するように構成される。
【0082】
[0097] 前述のように、加熱システム405に関連付けられた上限弁位置閾値は、加熱システムオフ閾値とすることができる。言い換えれば、冷却システム407に関連付けられた弁位置が上限弁位置閾値より大きいとき、加熱システム405はオフにされる。一実施形態において、温度制御システム430は、加熱システム405に関連付けられた上限弁位置閾値を、フィルタ処理エンベロープデータの下限値(例えば、エッジ)の直下となるように決定(例えば、設定)するように構成される。これは例えば、図6A及び/又は図6Bに示される。
【0083】
[0098] 図6A及び図6Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、時間期間中の、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データ、及び、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を示す、例示的グラフである。グラフ600(又は620)は、弁開口をパーセンテージで示すy軸601(又は621)及び時間を示すx軸603(又は623)を含む。グラフ600(又は620)は、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた位置データ609(又は629)を示す。
【0084】
[0099] この例では、グラフ600(又は620)は、加熱システム405に関連付けられた上限弁位置閾値(例えば、加熱システムオフ閾値)607(又は627)も示す。また、グラフ600(又は620)は、加熱システム405に関連付けられた下限弁位置閾値(例えば、加熱システムオン閾値)605(又は625)も示す。一実施形態において、温度制御システム430は、加熱システム405に関連付けられた上限弁位置閾値607(又は627)を、フィルタ処理エンベロープデータの下限値(例えば、エッジ)(例えば、図5の下限値505)の直下となるように決定(例えば、設定)するように構成される。
【0085】
[0100] 図6A及び図6Bにおいて、下限弁位置閾値605、625は同じであり、上限弁位置閾値607、627も同じであることがわかる。前述のように、いくつかの実施形態において下限弁位置閾値605、625は異なり得、いくつかの実施形態において上限弁位置閾値607、627は異なり得る。したがって、第1のレーザチャンバ403a及び第1の加熱システム405aに関連付けられた下限及び上限の閾値、並びに、第2のレーザチャンバ403b及び第2の加熱システム405bに関連付けられた、別々の下限及び上限の閾値が存在し得る。
【0086】
[0101] 追加又は代替として、温度制御システム430は、レーザ源400がオフ又はスタンバイ状態に遷移するとき、加熱システム405がオンになるように、加熱システム405に関連付けられた下限弁位置閾値605(又は625)を決定(例えば、設定)するように構成される。前述のように、加熱システム405に関連付けられた下限弁位置閾値は、加熱システムオン閾値とすることができる。言い換えれば、冷却システム407に関連付けられた弁位置が下限弁位置閾値よりも低いとき、加熱システム405はオンにされる。
【0087】
[0102] 本開示は本方法に限定されず、他の方法は、決定されたフィルタ処理エンベロープデータに基づいて温度アクチュエータの1つ以上の閾値を決定するように構成された温度制御システム430によって使用可能であることに留意されたい。例えば、温度制御システム430は、加熱システム405に関連付けられた上限弁位置閾値(例えば、加熱システムオフ閾値)を決定するために、フィルタ処理エンベロープデータの上限値(例えば、エッジ)(例えば、図5の507)を使用することができる。例えば、温度制御システム430は、加熱システム405に関連付けられた上限弁位置閾値を、フィルタ処理エンベロープデータの上限値(例えば、エッジ)に等しいか又はそれよりも大きくなるように決定(例えば、設定)することができる。
【0088】
[0103] 図6A及び図6Bに示されるように、温度制御システム430は、第1のレーザチャンバ403aの冷却システム407aに関連付けられた第1のデータセット(位置データ609)と、第2のレーザチャンバ403bの冷却システム407bに関連付けられた第2のデータセット(位置データ629)との、2つのデータセットを、温度アクチュエータから受信することができる。いくつかの実施形態において、温度制御システム430は、第1のレーザチャンバ403aについての第1の下限及び上限の弁位置閾値と、第2のレーザチャンバ403bについての第2の下限及び上限の弁位置閾値とを、決定することができる。これらの例では、温度制御システム430は、第1及び第2の閾値セットを使用して、下限及び上限の弁位置閾値を決定することができる。例えば温度制御システム430は、上限弁位置閾値を、第1及び第2の最低限の上限弁位置閾値として決定することができる。また、一例として、温度制御システム430は、下限弁位置閾値を、第1及び第2の最低限の下限弁位置閾値として決定することができる。追加又は代替として、第1の下限及び上限の弁位置閾値は第1のレーザチャンバ403a内のガス温度を制御するために使用され、第2の下限及び上限の弁位置閾値は第2のレーザチャンバ403a内のガス温度を制御するために使用される。いくつかの例において、第1の下限及び上限の弁位置閾値は第2の下限及び上限の弁位置閾値と同じである。代替として、第1の下限及び上限の弁位置閾値は、第2の下限及び上限の弁位置閾値とは異なる。
【0089】
[0104] 加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定した後、温度制御システム430は、これらの閾値を制御システム410に(例えば、接続431を介して)通信することができる。制御システム410は、第1及び第2のレーザチャンバ403a及び403b内のガス温度を制御する際に、これらの閾値を使用する。代替又は追加として、温度制御システム430は、データを監視(例えば、受信)するため、及び制御データ/命令を送信するために、温度アクチュエータ(加熱システム405及び冷却システム407を含む)と直接通信することができる。いくつかの実施形態によれば、加熱システム405に関連付けられた1つ以上の閾値を直接制御することによって、レーザ源400内のエネルギー及び電力消費を節約することができる。
【0090】
[0105] いくつかの実施形態によれば、温度制御システム430は、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を定期的に決定するように構成される。一例において、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定するための期間は、温度制御システム430においてユーザによって設定可能である。別の例において、温度制御システム430は、温度アクチュエータに関連付けられ、データ内の変化に依存するデータを分析することが可能であり、温度制御システム430は、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定するための期間を設定又は変更することができる。他の実施形態において、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定するための期間は、固定期間又は変動期間とすることができる。いくつかの実施形態において、温度制御システム430は、ユーザから、制御システム401から、及び/又は、リソグラフィ装置100及び/又は100’の他の部分から受信した命令に基づいて、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定することができる。
【0091】
[0106] 図7は、本開示のいくつかの実施形態に係る、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定するための例示的方法700を示す。図7は、限定的ではなく便宜的に、図1から図6に関して説明することができる。方法700は、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定するための、温度制御システム430の動作を表し得る。方法700は、図4Aの温度制御システム430及び/又は図11のコンピュータシステム1100によって実行され得る。しかし方法700は、それらの図に示される特定の実施形態に限定されず、当業者であれば理解されるように、方法を実行するために他のシステムが使用され得る。すべての動作が必要なわけではなく、動作は、図7に示される順序と同じ順序で実行されなくてよいことを理解されたい。
【0092】
[0107] 702において、レーザ源の第1のレーザチャンバの第1の冷却システムに関連付けられたデータは、第1の時間期間中に監視される。例えば温度制御システム430は、第1の時間期間中に、レーザ源400の第1のレーザチャンバ403aの冷却システム407a(例えば、水冷却システム)に関連付けられた弁位置データを(直接及び/又は制御システム410を介して)監視する。
【0093】
[0108] 704において、レーザ源の第2のレーザチャンバの第2の冷却システムに関連付けられたデータは、第1の時間期間中に監視される。例えば温度制御システム430は、第1の時間期間中に、レーザ源400の第2のレーザチャンバ403bの冷却システム407b(例えば、水冷却システム)に関連付けられた弁位置データを(直接及び/又は制御システム410を介して)監視する。
【0094】
[0109] 706において、第1の時間期間中のレーザ源の状況が決定される。例えば温度制御システム430は、第1の時間期間中に、レーザ源400がオン状態、オフ状態、又はスタンバイ状態にあったかどうか、及び/又はそれらの時点を(直接及び/又は制御システム410を介して)決定する。
【0095】
[0110] 708において、第1のレーザチャンバの第1の加熱システム及び第2のレーザチャンバの第2の加熱システムに関連付けられた1つ以上の閾値は、監視されたデータ及びレーザ源の状況に基づいて決定される。例えば温度制御システム430は、加熱システム407についての下限弁位置閾値(例えば、加熱システムオン閾値)を決定するため、及び、加熱システム407についての上限弁位置閾値(例えば、加熱システムオフ閾値)を決定するために、冷却システム405に関連付けられた監視された弁位置データ及びレーザ源400の状況も使用する。
【0096】
[0111] いくつかの実施形態によれば、温度制御システム430は、加熱システム407aについての第1の下限弁位置閾値及び第1の上限弁位置閾値を決定するために、冷却システム405aに関連付けられた監視された弁位置データ及びレーザ源400の状況も使用する。この例では、温度制御システム430は、加熱システム407bについての第2の下限弁位置閾値及び第2の上限弁位置閾値を決定するために、冷却システム405bに関連付けられた監視された弁位置データ及びレーザ源400の状況も使用する。その後、温度制御システム430は、加熱システム407a及び407bの両方についての下限及び上限の弁位置閾値を決定するために、第1及び第2の下限及び上限の弁位置閾値を使用する。しかしながら、下限及び上限の弁位置閾値を決定するために本開示において考察される他の方法も使用可能である。
【0097】
[0112] いくつかの実施形態によれば、1つ以上の閾値(例えば、下限及び上限の弁位置閾値)を決定した後、これらの閾値は制御システム410に通信され、レーザチャンバ403内のガス温度を制御するための加熱システム407を制御するために使用される。それぞれのレーザシステムについての異なる閾値、又は、両方のレーザシステムについての上限及び下限閾値の単一セットが存在し得る。
【0098】
[0113] 図8は、本開示のいくつかの実施形態に係る、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定するための例示的方法800を示す。図8は、限定的ではなく便宜的に、図1から図7に関して説明することができる。方法800は、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定するための、温度制御システム430の動作を表し得る。方法800は、図4Aの温度制御システム430及び/又は図11のコンピュータシステム1100によって実行され得る。しかし方法800は、それらの図に示される特定の実施形態に限定されず、当業者であれば理解されるように、方法を実行するために他のシステムが使用され得る。すべての動作が必要なわけではなく、動作は、図8に示される順序と同じ順序で実行されなくてよいことを理解されたい。
【0099】
[0114] いくつかの実施形態によれば、方法800は、図7の方法700のステップ708の一部とすることができる。いくつかの実施形態において、802において、第1のフィルタ処理データは、レーザ源の状況が、レーザ源がオン状態になかった(例えば、オフ状態又はスタンバイ状態にあった)ことを示すとき、第1及び/又は第2の冷却システムに関連付けられたデータの一部をフィルタ除去することによって決定される。前述のように、一例において、第1及び/又は第2の冷却システムに関連付けられたデータは、冷却システム407に関連付けられた弁位置データを含む。802において、例えば温度制御システム430は、レーザ源400の状況が、レーザ源400がオン状態になかったことを示すとき、受信したデータの一部(例えば、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた弁位置データの一部)をフィルタ除去することによって第1のフィルタ処理データを決定する(例えば、発生させる)。言い換えれば、温度制御システム430は、いくつかの実施形態によれば、レーザ源400がオフ状態又はスタンバイ状態にあったとき、冷却システム407の1つ以上の弁に関連付けられた弁位置データを考慮しない。
【0100】
[0115] 804において、第2のフィルタ処理データは、第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって決定される。例えば、温度制御システム430は更に、第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定する(例えば、発生させる)。いくつかの例において、温度制御システム430は、1つ以上のデータ閾値に基づいて外れ値部分を決定するように構成される。追加又は代替として、温度制御システム430は、第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去するための1つ以上の外れ値フィルタリング方法を実行するように構成される。
【0101】
[0116] 806において、第2のフィルタ処理データに基づいてエンベロープデータが決定される。例えば温度制御システム430は、第2のフィルタ処理データに少なくとも部分的に基づいてエンベロープデータを決定する。いくつかの例において、エンベロープデータは、第2のフィルタ処理データを略述するデータであり、第2のフィルタ処理データの振幅の概念を一般化することができる。例えばエンベロープデータは、第2のフィルタ処理データの底部から、第2のフィルタ処理データの頂部の直下まで広がるように、(温度制御システム430によって)決定される。
【0102】
[0117] 808において、フィルタ処理エンベロープデータは、低域移動平均フィルタをエンベロープデータに適用することによって決定される。例えば、温度制御システム430は、低域移動平均フィルタをエンベロープデータに適用する。いくつかの実施形態は低域移動平均フィルタを用いて考察されるが、本開示の実施形態は、フィルタ処理エンベロープデータをノイズ及び性能変動に対してよりロバストにするために、エンベロープデータに適用される他のフィルタを含むことができる。
【0103】
[0118] 810において、1つ以上の閾値は、フィルタ処理エンベロープデータに少なくとも部分的に基づいて決定される。例えば温度制御システム430は、フィルタ処理エンベロープデータに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の閾値を決定する。一例において、1つ以上の閾値は、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を含む。一実施形態において、温度制御システム430は、加熱システム405に関連付けられた上限弁位置閾値(例えば、加熱システムオフ閾値)を、フィルタ処理エンベロープデータの下限値(例えば、エッジ)の直下となるように決定(例えば設定)する。追加又は代替として、温度制御システム430は、レーザ源400がオフ又はスタンバイモードに遷移するとき、加熱システム405がオンになるように、加熱システム405に関連付けられた下限弁位置閾値を決定(例えば設定)する。
【0104】
[0119] 図9は、本開示のいくつかの実施形態に係る、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を通信するための例示的方法900を示す。図9は、限定的ではなく便宜的に、図1から図8に関して説明することができる。方法900は、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を通信するための、温度制御システム430の動作を表し得る。方法900は、図4Aの温度制御システム430及び/又は図11のコンピュータシステム1100によって実行され得る。しかし方法900は、それらの図に示される特定の実施形態に限定されず、当業者であれば理解されるように、方法を実行するために他のシステムが使用され得る。すべての動作が必要なわけではなく、動作は、図9に示される順序と同じ順序で実行されなくてよいことを理解されたい。
【0105】
[0120] いくつかの実施形態によれば、加熱システム405に関連付けられた下限及び上限の弁位置閾値を決定することに加えて、温度制御システム430は、レーザチャンバ403の使用年数に基づいて、(制御システム410を介して)加熱システム405を制御するように更に構成可能である。いくつかの実施形態において、レーザチャンバ403の使用年数は、そのレーザチャンバに関連付けられたチャンバショットカウントに基づいて決定可能である。
【0106】
[0121] 例えば、チャンバ寿命の初期にあるレーザチャンバの場合、温度制御システム430は、温度制御システム430によって決定された下限及び上限の弁位置閾値の代わりに、デフォルトの下限及び上限の弁位置閾値を使用するように、制御システム410に命じることができる。
【0107】
[0122] チャンバ寿命の中間にあるレーザチャンバの場合、温度制御システム430は、温度制御システム430によって決定された変調された下限及び上限の弁位置閾値を使用するように、制御システム410に命じることができる。温度制御システム430は、いくつかの例によれば、所望のデューティサイクルを達成するために変調された閾値を発生させるように、下限及び上限の弁位置閾値を変調するように構成される。
【0108】
[0123] チャンバ寿命の中間以降にあるレーザチャンバの場合、温度制御システム430は、いくつかの実施形態によれば、温度制御システム430によって決定された下限及び上限の弁位置閾値を使用するように、制御システム410に命じることができる。
【0109】
[0124] いくつかの実施形態によれば、902において、レーザ源の第1及び第2のレーザチャンバに関連付けられたチャンバショットカウントが決定される。例えば、温度制御システム430は、レーザ源400の第1のレーザチャンバ403aに関連付けられた第1のチャンバショットカウント、及び、レーザ源400の第2のレーザチャンバ403bに関連付けられた第2のチャンバショットカウントを決定することができる。いくつかの例において、チャンバショットカウントは、レーザ源内へのチャンバの設置以降、チャンバ内に発生したレーザショットの数を示すことができる。
【0110】
[0125] 904において、決定されたチャンバショットカウントは第1のカウント閾値と比較される。例えば、温度制御システム430は、決定されたチャンバショットカウントと第1のカウント閾値とを比較する。別々の第1のカウント閾値をレーザチャンバの各々に関連付けることができるか、又は、組み合わされた2つのレーザチャンバに関連付けられた第1のカウント閾値が存在し得る。決定されたチャンバショットカウントが第1のカウント閾値よりも大きい場合、温度制御システム430は、レーザチャンバがライフサイクル中間以降にあるものと決定することができる。この例では、方法は906へと続行可能であり、ここで温度制御システム430は、温度制御システム430によって決定された下限及び上限の弁位置閾値のうちの1つ以上を制御システム410に通信する。追加又は代替として、温度制御システム430は、下限及び上限の弁位置閾値のうちの1つ以上を使用するように、制御システム410に命じることができる。いくつかの例において、第1のカウント閾値は、およそ10の10億パルス(Bps)又はそれ以上の値とすることができる。いくつかの例において、第1のカウント閾値は、およそ15Bps又はそれ以上の値とすることができる。いくつかの例において、第1のカウント閾値は、およそ18Bps又はそれ以上の値とすることができる。いくつかの例において、第1のカウント閾値は、およそ20Bpsの値とすることができる。しかしながら、第1のカウント閾値についてのこれらの値は例として与えられたものであり、他の値が使用可能である。
【0111】
[0126] 908において、決定されたチャンバショットカウントが第1のカウント閾値よりも大きくないと決定された場合、方法900は908へと移動する。908において、決定されたチャンバショットカウントが第2のカウント閾値より大きいかどうかが決定される。例えば、温度制御システム430は、決定されたチャンバショットカウントが第2のカウント閾値より大きいかどうかを決定する。温度制御システム430が、決定されたチャンバショットカウントが第2のカウント閾値よりも小さいと決定した場合、温度制御システム430は、レーザチャンバがライフサイクルの初期にあるものと決定することができる。この例では、方法900は910に移動する。
【0112】
[0127] 910において温度制御システム430は、制御システム410が、温度制御システム430によって決定された下限及び上限の弁位置閾値の代わりに、デフォルト/元の閾値を使用するように、制御システム410に通信する。一例において、温度制御システム430は、温度制御システム430によって決定された下限及び上限の弁位置閾値のうちの1つ以上を制御システム410に通信し得るが、それらを使用しないように制御システム410に命じること、及び代わりにデフォルト/元の閾値を使用することができる。代替として、温度制御システム430は、温度制御システム430によって決定された下限及び上限の弁位置閾値のうちの1つ以上を制御システム410に通信せず、制御システム410はデフォルト/元の閾値を使用する。
【0113】
[0128] いくつかの実施形態によれば、温度制御システム430によって決定された下限及び上限の弁位置閾値の代わりに、デフォルト/元の閾値を使用することによって、温度制御システム430は、コールドスタートのリスクを回避するか又は改善することができる。コールドスタートのリスクは、システム効率の一時的喪失と、レーザチャンバガス温度及び/又はレーザチャンバ使用年数に関係することが可能な、それに続く長期間のレーザアイドル時間を指すことができる。いくつかの例において、第2のカウント閾値は、およそ0.5Bps又はそれ以上の値とすることができる。いくつかの例において、第2のカウント閾値は、およそ1Bps又はそれ以上の値とすることができる。いくつかの例において、第2のカウント閾値は、およそ2Bps又はそれ以上の値とすることができる。しかしながら、第2のカウント閾値に関するこれらの値は例として与えられ、他の値が使用可能である。
【0114】
[0129] 908において、決定されたチャンバショットカウントが第2のカウント閾値と第1のカウント閾値との間であると決定された場合、温度制御システム430は、レーザチャンバがライフサイクルの中間であると決定することができる。この例では、方法900は912に移動する。912において、温度制御システム430は、変調された下限弁位置閾値を発生させるために下限弁位置閾値を変調するように構成される。温度制御システム430は、変調された上限弁位置閾値を発生させるために、上限弁位置閾値を変調するように構成される。温度制御システム430は、所望のデューティサイクルを達成するために変調された下限及び上限の弁位置閾値を発生させるように構成される。914において、温度制御システム430は、温度制御システム430によって決定された変調された下限及び上限の弁位置閾値のうちの1つ以上を、制御システム410に通信する。
【0115】
[0130] いくつかの実施形態によれば、制御システム410は、デフォルト/元の閾値と、温度制御システム430によって決定された閾値(例えば、変調前の閾値)との間で、加熱システム405の制御を切り替えるために、変調された下限及び上限の弁位置閾値を使用する。言い換えれば、温度制御システム430は、デューティサイクルを達成するための頻度で、閾値の新しいセットを通信するように構成される。例えば閾値のセットは、(1)決定された下限及び上限の弁位置閾値、及び、(2)デフォルト/元の下限及び上限の弁位置閾値を含む。温度制御システム430は、デューティサイクルを達成するための頻度で、(1)決定された下限及び上限の弁位置閾値と、(2)デフォルト/元の下限及び上限の弁位置閾値との間で、切り替える。例えば、50%のデューティサイクル値の場合、制御システム410は、デフォルト/元の閾値、時間の50%を使用すること、及び、加熱システム405を制御するために、温度制御システム430によって決定された閾値、時間の他方の50%を使用することができる。この例では、温度制御システム430及び/又は制御システム410は、有効なデューティサイクルを維持するために、温度制御システム430によって決定された閾値を変調することができる。
【0116】
[0131] 別の例として、及び40%のデューティサイクルを達成するために、温度制御システム430及び/又は制御システム410は、加熱システム405が10分間オンであり、その後15分間オフであり、10分間オンであるなどのように、温度制御システム430によって決定された閾値を変調することができる。この例は図10A及び図10Bに示される。
【0117】
[0132] 図10Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、時間期間中の、レーザ源400の状況を示す例示的グラフである。図10Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、時間期間中の、加熱システム405の状況を示す例示的グラフである。グラフ1000は、レーザ源400のレーザ状況1001を示すy軸と、時間を示すx軸1003とを含む。グラフ1000は、レーザ源400がオフ又はスタンバイ状態である、時間期間1005を示す。同様に、グラフ1020は、加熱システム405の加熱システム状況1021を示すy軸と、時間を示すx軸1023とを含む。
【0118】
[0133] グラフ1020は、加熱システム405a(例えば、例えば主発振器(MO)に関連付けられた第1のレーザチャンバ403aに関連付けられた加熱システム)についての、及び、加熱システム405b(例えば、例えばパワー増幅器(PA)に関連付けられた第2のレーザチャンバ403bに関連付けられた加熱システム)についての、加熱システム状況1021を示す。グラフ1020は、加熱システムがオンである時間期間1025を示す。時間期間1025は、レーザ源400がオフ又はスタンバイ状態にある図10Aの時間期間1005に対応する。時間期間1025以外に、温度制御システム430によって決定された閾値は、40%のデューティサイクルを達成するために変調され、加熱システム405は10分間オンであり、その後15分間オフであり、10分間オンであるという具合である。
【0119】
[0134] いくつかの実施形態によれば、デューティサイクル値はユーザによって温度制御システム430に提供される。追加又は代替として、温度制御システム430は、例えばレーザチャンバのチャンバショットカウントに基づいて、デューティサイクル値を決定する。温度制御システム430によって決定された閾値を変調することによって、温度制御システム430はコールドスタートのリスクを回避又は改善させることができる。
【0120】
[0135] いくつかの実施形態によれば、方法900は第1のレーザチャンバ403a及び第2のレーザチャンバ403bに対して実行される。いくつかの例において、第1のレーザチャンバ403a及び第2のレーザチャンバ403bは同じライフサイクルにあることができる。例えば、どちらもライフサイクルの初期にある、どちらもライフサイクルの中間にある、又はどちらもライフサイクルの中間以降にある。他の例では、第1のレーザチャンバ403a及び第2のレーザチャンバ403bは異なるライフサイクルにあることができる。第1のレーザチャンバ403a及び第2のレーザチャンバ403bが異なるライフサイクルにある場合、いくつかの実施形態によれば、方法900は控えめに実行され得る。例えば方法900は、下位のチャンバショットカウントを有するレーザチャンバに基づいて実行され得る。代替として方法900は、いくつかの例において、高位のチャンバショットカウントを有するレーザチャンバに基づいて実行され得る。
【0121】
[0136] 本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装され得る。本開示の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取られて実行され得る、機械可読媒体上に記憶される命令としても実装され得る。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形で情報を記憶又は伝送するための任意のメカニズムを含み得る。例えば、機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響、又は他の形の伝搬信号、その他を含み得る。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令は、本明細書では特定のアクションを実行するものとして説明され得る。しかしながら、こうした説明は単に便宜的なものであり、こうしたアクションは実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、あるいは、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令を実行する他のデバイスによって生じることを理解されたい。
【0122】
[0137] 様々な実施形態は、例えば、図11に示されるコンピュータシステム1100などの、1つ以上のコンピュータシステムを使用して実装可能である。コンピュータシステム1100は、図4Aの制御システム410又は温度制御システム430などの、本明細書で説明する機能を実行することが可能な任意の周知のコンピュータとすることができる。コンピュータシステム1100は、プロセッサ1104などの1つ以上のプロセッサ(中央処理ユニット、又はCPUとも呼ばれる)を含む。プロセッサ1104は、通信インフラストラクチャ1106(例えば、バス)に接続される。コンピュータシステム1100は、ユーザ入力/出力インターフェース1102を介して通信インフラストラクチャ1106と通信する、モニタ、キーボード、ポインティングデバイスなどの、ユーザ入力/出力デバイス1103も含む。コンピュータシステム1100は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメイン又は1次メモリ1108も含む。メインメモリ1108は、1つ以上のレベルのキャッシュを含み得る。メインメモリ1108は、制御論理(例えば、コンピュータソフトウェア)及び/又はデータを内部に記憶している。
【0123】
[0138] コンピュータシステム1100は、1つ以上の2次記憶デバイス又はメモリ1110も含み得る。2次メモリ1110は、例えば、ハードディスクドライブ1112及び/又は取り外し可能記憶デバイス又はドライブ1114を含み得る。取り外し可能記憶ドライブ1114は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、光記憶デバイス、テープバックアップデバイス、及び/又は任意の他の記憶デバイス/ドライブであり得る。
【0124】
[0139] 取り外し可能記憶ドライブ1114は、取り外し可能記憶ユニット1118と対話し得る。取り外し可能記憶ユニット1118は、コンピュータソフトウェア(制御論理)及び/又はデータを記憶しているコンピュータ使用可能又は読み取り可能な記憶デバイスを含む。取り外し可能記憶ユニット1118は、フロッピーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク、DVD、光記憶ディスク、及び/又は、任意の他のコンピュータデータ記憶デバイスであり得る。取り外し可能記憶ドライブ1114は、周知の様式で取り外し可能記憶ユニット1118から読み取り及び/又は書き込む。
【0125】
[0140] いくつかの実施形態によれば、2次メモリ1110は、コンピュータプログラム及び/又は他の命令及び/又はデータがコンピュータシステム1100によってアクセス可能になるための、他の手法、手段、又は他のやり方を含み得る。こうした手法、手段、又は他のやり方は、例えば、取り外し可能記憶ユニット1122及びインターフェース1120を含み得る。取り外し可能記憶ユニット1122及びインターフェース1120の例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに見られるものなど)、取り外し可能メモリチップ(EPROM又はPROMなど)、及び関連付けられたソケット、メモリスティック、及びUSBポート、メモリカード及び関連付けられたメモリカードスロット、及び/又は、任意の他の取り外し可能記憶ユニット及び関連付けられたインターフェースを含み得る。
【0126】
[0141] コンピュータシステム1100は、通信又はネットワークインターフェース1124を更に含み得る。通信インターフェース1124は、コンピュータシステム1100を、リモートデバイス、リモートネットワーク、リモートエンティティなどの任意の組み合わせと(個別に、及び参照番号1128によって示されるように集合的に)通信及び対話可能にする。例えば、通信インターフェース1124は、コンピュータシステム1100を、ワイヤード及び/又はワイヤレスであり得、LAN、WAN、インターネットなどの任意の組み合わせを含み得る、通信経路1126を介して、リモートデバイス1128と通信可能にし得る。制御論理及び/又はデータは、通信経路1126を介して、コンピュータシステム1100との間で伝送され得る。
【0127】
[0142] 前述の実施形態における動作は、多種多様な構成及びアーキテクチャ内で実装可能である。したがって、前述の実施形態における動作のいくつか又はすべては、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実行され得る。いくつかの実施形態において、有形の非一時的な装置又は製品は、有形の非一時的な、制御論理(ソフトウェア)を記憶した、コンピュータ使用可能又は可読媒体を含み、本明細書ではコンピュータプログラム製品又はプログラム記憶デバイスとも呼ばれる。これは、コンピュータシステム1100、メインメモリ1108、2次メモリ1110、及び取り外し可能記憶ユニット1118及び1122、並びに、それらの任意の組み合わせを具体化する有形の製品を含むが、限定されない。こうした制御論理は、1つ以上のデータ処理デバイス(コンピュータシステム1100など)によって実行されるとき、こうしたデータ処理デバイスを本明細書で説明するように動作させる。
【0128】
[0143] 本開示に含まれる教示に基づき、当業者であれば、図11に示された以外のデータ処理デバイス、コンピュータシステム、及び/又はコンピュータアーキテクチャを使用して、本開示の実施形態をどのように作成及び使用するかが明らかとなろう。特に、実施形態は、本明細書で説明する以外のソフトウェア、ハードウェア、及び/又はオペレーティングシステムの実装と共に、動作し得る。
【0129】
[0144] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCD、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジユニット及び/又はインスペクションユニットで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0130】
[0145] 本明細書中の言い回し又は専門用語は説明を目的とするものであって限定を目的とするものではないことが理解されるべきであり、したがって、本明細書の専門用語又は言い回しは、本明細書中の教示に照らして当業者によって解釈されるべきである。
【0131】
[0146] 本明細書で使用される「基板」という用語は、その上に材料層が追加される材料を記述する。一部の実施形態では、基板自体にパターンが付与されると共に、その上に追加された材料にもパターンが付与されるか、又はパターン付与されないままである場合がある。
【0132】
[0147] 以下の例はこの開示の実施形態を説明するものであるが限定的ではない。本技術分野で通常見られ、当業者に自明と思われる各種の条件及びパラメータのその他の適切な変更形態及び適応形態も本開示の趣旨及び範囲内にある。
【0133】
[0148] 本文では、ICの製造における本発明による装置及び/又はシステムの使用について特に言及しているが、そのような装置及び/又はシステムは他の多くの可能な用途を有することを明確に理解されるべきである。例えば、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、LCDパネル、薄膜磁気ヘッドなどに使用できる。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」という、より一般的な用語と置き換えられると見なしてよいことが当業者には認識される。
【0134】
[0149] 本開示の特定の実施形態が上に記載されているが、本開示は、記載されている以外の方法で実施され得ることが理解されるであろう。この開示は、本発明を限定することを意図するものではない。
【0135】
[0150] 特許請求の範囲を解釈するには、「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項を使用するよう意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者が想定するような1つ以上の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、したがって本実施形態及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないものとする。
【0136】
[0151] 以上では、特定の機能の実施例を例示する機能的構成要素及びその関係を用いていくつかの実施形態について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的境界を画定することができる。
【0137】
[0152] 特定の実施形態の前述の説明は、本実施形態の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲に入るものとする。
【0138】
[0153] 本発明の他の態様を、下記の番号付けされた条項に示す。
1.第1のレーザビームを発生させるように構成された第1のレーザチャンバと、
第1のレーザビームを受け取るように、及び、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅するように構成された第2のレーザチャンバと、
第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、
第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータと、
第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように、及び、受信したデータに基づいて第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を決定するように、構成された温度制御システムと、
を備え、
閾値は、第1及び第2の温度を制御する際に第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される、
レーザ源。
2.第1及び第2の温度アクチュエータの各々は、冷却システム及び加熱システムを含む、条項1に記載のレーザ源。
3.第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは、対応する冷却システムに関連付けられたデータを含み、閾値は加熱システムに関連付けられた閾値を含む、条項2に記載のレーザ源。
4.冷却システムの各々は水冷却システムを含み、
対応する冷却システムに関連付けられたデータは、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含み、
加熱システムに関連付けられた閾値は、加熱システムをオンにするための下限閾値と、加熱システムをオフにするための上限閾値とを含む、
条項3に記載のレーザ源。
5.温度制御システムは、
第1の時間期間中の、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを監視するように、
第1の時間期間中の、レーザ源の状況を決定するように、及び、
レーザ源の状況がレーザ源がオン状態になかったことを示すとき、水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定するように、
構成される、条項4に記載のレーザ源。
6.温度制御システムは、
第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定するように更に構成され、外れ値部分は1つ以上のデータ閾値に基づいて決定され、
温度制御システムは、
第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定するように、
低域移動平均フィルタをエンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定するように、及び、
フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、下限及び上限閾値を決定するように、
更に構成される、条項5に記載のレーザ源。
7.温度制御システムは、フィルタ処理エンベロープデータの下限値に等しいか又はそれよりも小さくなるように、上限閾値を決定するように構成される、条項6に記載のレーザ源。
8.温度制御システムは、フィルタ処理エンベロープデータの上限値に等しいか又はそれよりも大きくなるように、上限閾値を決定するように構成される、条項6に記載のレーザ源。
9.温度制御システムは、第1及び第2のレーザチャンバがそれぞれ第1及び第2のレーザビームを発生させないことに応答して、加熱システムがオンになるように、下限閾値を決定するように構成される、条項6に記載のレーザ源。
10.第1の温度アクチュエータは、第1のレーザチャンバに関連付けられた第1の冷却システム及び第1の加熱システムを含み、
第2の温度アクチュエータは、第2のレーザチャンバに関連付けられた第2の冷却システム及び第2の加熱システムを含み、
第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは、それぞれ、第1及び第2の冷却システムに関連付けられたデータを含み、
閾値は、第1の加熱システムに関連付けられた第1の閾値と、第2の加熱システムに関連付けられた第2の閾値とを含み、第1の閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用され、第2の閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される、
条項1に記載のレーザ源。
11.温度制御システムは、
第1のレーザチャンバに関連付けられたチャンバショットカウントを決定するように、
チャンバショットカウントが第1のカウント閾値より大きい旨の決定に応答して、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を、第1及び第2の温度アクチュエータに通信するように、
チャンバショットカウントが第2のカウント閾値より大きく、第1のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、
変調された閾値を決定するために、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を変調するように構成され、変調された閾値は所望のデューティサイクルを達成し、
変調された閾値を第1の温度アクチュエータに通信するように、及び、
チャンバショットカウントが第2のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられたデフォルト閾値を使用するために、第1及び第2の温度アクチュエータと通信するように、
構成される、条項1に記載のレーザ源。
12.閾値を決定するために、温度制御システムは、
受信したデータに基づいて、第1の温度アクチュエータに関連付けられた第1の下限閾値及び第1の上限閾値を決定するように構成され、第1の下限閾値及び第1の上限閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用され、
受信したデータに基づいて、第2の温度アクチュエータに関連付けられた第2の下限閾値及び第2の上限閾値を決定するように構成され、第2の下限閾値及び第2の上限閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される、
条項1に記載のレーザ源。
13.放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
放射ビームに付与されたパターンを基板上に投影するように構成された投影システムと、
を含む、リソグラフィ装置であって、
照明システムはレーザ源を含み、
レーザ源は、
第1のレーザビームを発生させるように構成された第1のレーザチャンバと、
第1のレーザビームを受け取り、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅するように構成された第2のレーザチャンバと、
第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、
第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータと、
第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように、及び、受信したデータに基づいて第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を決定するように構成された温度制御システムであって、閾値は、第1及び第2の温度を制御する際に第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される、温度制御システムと、
を含む、
リソグラフィ装置。
14.第1及び第2の温度アクチュエータの各々は、水冷却システム及び加熱システムを含み、
第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含み、
閾値は、加熱システムをオンにするための下限閾値と、加熱システムをオフにするための上限閾値を含む、
条項13に記載のリソグラフィ装置。
15.温度制御システムは、レーザチャンバの各々について、
第1の時間期間中の、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを監視するように、
第1の時間期間中の、レーザ源の状況を決定するように、
レーザ源の状況がレーザ源がオン状態になかったことを示すとき、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定するように、及び、
第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定するように、
構成され、外れ値部分は1つ以上のデータ閾値に基づいて決定される、
条項14に記載のリソグラフィ装置。
16.温度制御システムは、レーザチャンバの各々について、
第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定するように、
低域移動平均フィルタをエンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定するように、及び、
フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、下限及び上限閾値を決定するように、
更に構成される、条項15に記載のリソグラフィ装置。
17.温度制御システムは、レーザチャンバの各々について、
レーザ源がオフになること又はスタンバイ状態に遷移することに応答して、加熱システムがオンになるように、下限閾値を決定するように、及び、
上限閾値を、フィルタ処理エンベロープデータの下限値に等しいか又は小さいように決定するように、
構成される、条項15に記載のリソグラフィ装置。
18.温度制御システムは、
第1のレーザチャンバに関連付けられたチャンバショットカウントを決定するように、
チャンバショットカウントが第1のカウント閾値より大きい旨の決定に応答して、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を、第1及び第2の温度アクチュエータに通信するように、
チャンバショットカウントが第2のカウント閾値より大きく、第1のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、
変調された閾値を決定するために、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を変調するように構成され、変調された閾値は所望のデューティサイクルを達成し、
変調された閾値を第1の温度アクチュエータに通信するように、及び、
チャンバショットカウントが第2のカウント閾値より小さいか又は等しい旨の決定に応答して、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられたデフォルト閾値を使用するために、第1及び第2の温度アクチュエータと通信するように、
構成される、条項13に記載のリソグラフィ装置。
19.第1の温度アクチュエータは、第1のレーザチャンバに関連付けられた第1の冷却システム及び第1の加熱システムを含み、
第2の温度アクチュエータは、第2のレーザチャンバに関連付けられた第2の冷却システム及び第2の加熱システムを含み、
第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは、それぞれ、第1及び第2の冷却システムに関連付けられたデータを含み、
閾値は、第1の加熱システムに関連付けられた第1の閾値と、第2の加熱システムに関連付けられた第2の閾値とを含み、第1の閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用され、第2の閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される、
条項13に記載のリソグラフィ装置。
20.第1のレーザチャンバにおいて、第1のレーザビームを発生させること、
第2のレーザチャンバにおいて、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅させること、
第1の温度アクチュエータを使用して、第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御すること、
第2の温度アクチュエータを使用して、第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御すること、
温度制御システムにおいて、第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信すること、及び、
温度制御システムにおいて、受信したデータに基づいて第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を決定することであって、閾値は、第1及び第2の温度を制御する際に第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される、閾値を決定すること、
を含む、方法。
21.第1及び第2の温度アクチュエータの各々は、水冷却システム及び加熱システムを含み、
第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含み、
閾値は、加熱システムをオンにするための下限閾値と、加熱システムをオフにするための上限閾値とを含み、
第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信することは、第1の時間期間中の、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを監視することを含み、
閾値を決定することは、
第1の時間期間中の、レーザ源の状況を決定すること、
レーザ源の状況がレーザ源がオン状態になかったことを示すとき、水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定すること、及び、
第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定することであって、外れ値部分は1つ以上のデータ閾値に基づいて決定される、第2のフィルタ処理データを決定すること、
を含む、
条項20に記載の方法。
22.閾値を決定することは、
第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定すること、
低域移動平均フィルタをエンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定すること、及び、
フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、下限及び上限閾値を決定すること、
を更に含む、条項21に記載の方法。
23.第1の温度アクチュエータは、第1のレーザチャンバに関連付けられた第1の冷却システム及び第1の加熱システムを含み、
第2の温度アクチュエータは、第2のレーザチャンバに関連付けられた第2の冷却システム及び第2の加熱システムを含み、
第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは、それぞれ、第1及び第2の冷却システムに関連付けられたデータを含み、
閾値を決定することは、
第1の加熱システムに関連付けられた第1の閾値を決定すること、及び、
第2の加熱システムに関連付けられた第2の閾値を決定すること、
を含み、
第1の閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用され、第2の閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される、
条項20に記載の方法。
24.プロセッサによって実行されたときにプロセッサに動作を実行させる命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体であって、動作は、
第1の時間期間中の、レーザ源の水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを受信すること、
第1の時間期間中の、レーザ源の状況を決定すること、
レーザ源の状況が、レーザ源がオン状態になかったことを示すとき、水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを発生させること、
第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを発生させること、
第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定すること、
低域フィルタをエンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定すること、及び、
フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、レーザ源の加熱システムに関連付けられた第1及び第2の閾値を決定すること、
を含み、
第1及び第2の閾値は、少なくとも1つのレーザチャンバ内のガス温度を制御するために使用される、
非一時的コンピュータ可読媒体。
25.第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、
第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータと、
第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように、及び、受信したデータに基づいて、第1及び第2の温度アクチュエータに関連付けられた閾値を決定するように構成された温度制御システムであって、閾値は、第1及び第2の温度を制御する際に第1及び第2の温度アクチュエータによって使用される、温度制御システムと、
を含む、装置。
26.第1のレーザチャンバは、第1のレーザビームを発生させるように構成され、
第2のレーザチャンバは、第2のレーザビームを発生させるように構成され、第2のレーザチャンバは、第1のレーザビームを受け取るように、及び、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅するように構成される、
条項25に記載の装置。
27.第1及び第2の温度アクチュエータの各々は、冷却システム及び加熱システムを含む、条項25に記載の装置。
28.第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは対応する冷却システムに関連付けられたデータを含み、閾値は加熱システムに関連付けられた閾値を含む、条項27に記載の装置。
29.冷却システムの各々は水冷却システムを含み、
対応する冷却システムに関連付けられたデータは、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを含み、
加熱システムに関連付けられた閾値は、加熱システムをオンにするための下限閾値と、加熱システムをオフにするための上限閾値とを含む、
条項28に記載の装置。
30.温度制御システムは、
第1の時間期間中の、対応する水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データを監視するように、
第1の時間期間中の、レーザ源の状況を決定するように、及び、
装置の状況が装置がオン状態になかったことを示すとき、水冷却システムの1つ以上の弁に関連付けられた位置データの一部をフィルタ除去することによって、第1のフィルタ処理データを決定するように、
構成される、条項29に記載の装置。
31.温度制御システムは、
第1のフィルタ処理データの外れ値部分をフィルタ除去することによって、第2のフィルタ処理データを決定するように更に構成され、外れ値部分は1つ以上のデータ閾値に基づいて決定され、
温度制御システムは、
第2のフィルタ処理データに基づいて、エンベロープデータを決定するように、
低域移動平均フィルタをエンベロープデータに適用することによって、フィルタ処理エンベロープデータを決定するように、及び、
フィルタ処理エンベロープデータに基づいて、下限及び上限閾値を決定するように、
更に構成される、条項30に記載の装置。
32.第1の温度アクチュエータは、第1のチャンバに関連付けられた第1の冷却システム及び第1の加熱システムを含み、
第2の温度アクチュエータは、第2のチャンバに関連付けられた第2の冷却システム及び第2の加熱システムを含み、
第1及び第2の温度アクチュエータからのデータは、それぞれ、第1及び第2の冷却システムに関連付けられたデータを含み、
閾値は、第1の加熱システムに関連付けられた第1の閾値と、第2の加熱システムに関連付けられた第2の閾値とを含み、第1の閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用され、第2の閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される、
条項25に記載の装置。
33.第1のレーザビームを発生させるように構成された第1のレーザチャンバと、
第1のレーザビームを受け取り、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅するように構成された第2のレーザチャンバと、
第1のレーザチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、
第2のレーザチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータと、
温度制御システムと、
を含む、レーザ源であって、
温度制御システムは、
第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように構成され、
受信したデータに基づいて、第1の温度アクチュエータに関連付けられた第1の下限閾値及び第1の上限閾値を決定するように構成され、第1の下限閾値及び第1の上限閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用され、
受信したデータに基づいて、第2の温度アクチュエータに関連付けられた第2の下限閾値及び第2の上限閾値を決定するように構成され、第2の下限閾値及び第2の上限閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される、
レーザ源。
34.第1のチャンバ内のガスの第1の温度を制御するように構成された第1の温度アクチュエータと、
第2のチャンバ内のガスの第2の温度を制御するように構成された第2の温度アクチュエータと、
温度制御システムと、
を含む、装置であって、
温度制御システムは、
第1及び第2の温度アクチュエータからデータを受信するように構成され、
受信したデータに基づいて、第1の温度アクチュエータに関連付けられた第1の閾値を決定するように構成され、第1の閾値は、第1の温度を制御する際に第1の温度アクチュエータによって使用され、
受信したデータに基づいて、第2の温度アクチュエータに関連付けられた第2の閾値を決定するように構成され、第2の閾値は、第2の温度を制御する際に第2の温度アクチュエータによって使用される、
装置。
35.第1のチャンバは、第1のレーザビームを発生させるように構成された第1のレーザチャンバを含み、
第2のチャンバは、第1のレーザビームを受け取るように、及び、第2のレーザビームを発生させるために第1のレーザビームを増幅するように構成された第2のレーザチャンバを含む、
条項34に記載の装置。
【0139】
[0154] 本実施形態の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるものである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11