IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧 ▶ 古河AS株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電源システム 図1
  • 特許-電源システム 図2
  • 特許-電源システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20231130BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B60R16/02 620S
H02J1/00 309U
H02J1/00 304H
B60R16/02 620A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020054766
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021154786
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐見 雄大
(72)【発明者】
【氏名】杉村 竹三
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-065485(JP,A)
【文献】特開2018-065484(JP,A)
【文献】国際公開第2017/222077(WO,A1)
【文献】特開2000-016197(JP,A)
【文献】特開2018-074707(JP,A)
【文献】特開2017-185996(JP,A)
【文献】特開2018-001861(JP,A)
【文献】国際公開第2017/222067(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/222058(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
H02J 1/00 - 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品においてノイズを放出する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
電源から供給される電力を前記複数の電装品において少なくとも車両の安全性に係る第2電装品へ電力を供給する第2配線経路と、
を備え
前記第1配線経路には、前記ノイズに対してノイズ耐性を有する第3電装品が接続される電源システム。
【請求項2】
前記第1配線経路に設けられた電気接続箱を介して前記第1電装品へ電力が供給され、
前記電気接続箱は、前記第1配線経路の入口及び出口にノイズを低減するノイズ低減部を備える
請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記ノイズ低減部を備える前記電気接続箱の数は1つである
請求項に記載の電源システム。
【請求項4】
前記第1配線経路は、金属製のシールドを有する
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の電装品に電力を供給するための発明として、例えば特許文献1に開示された車両用回路体がある。この車両用回路体は、電力を供給する幹線と、幹線に接続された制御ボックスとを備えており、制御ボックスには複数の電装品が枝線で接続されている。幹線は、複数のリッツ線からなる電源ラインと複数のリッツ線からなるアースラインとがツイストされた状態で絶縁被覆により覆われている配索材を有する。配索材から供給された電力は、制御ボックスで分岐されて枝線を介して電装品に供給される。配索材においては、リッツ線同士が密着するため、効率よくノイズが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/222067号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
制御ボックスに接続される電装品については、安全に関する電装品も多いため、配索材の他にも、ノイズによる誤動作を防ぐための技術が求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ノイズの影響を受けることが好ましくない電装品に対して、ノイズによる誤動作を抑える技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る電源システムは、電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品においてノイズを放出する第1電装品へ供給する第1配線経路と、電源から供給される電力を前記複数の電装品において少なくとも車両の安全性に係る第2電装品へ電力を供給する第2配線経路と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路には、前記ノイズに対してノイズ耐性を有する第3電装品が接続されることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路に設けられた電気接続箱を介して前記第1電装品へ電力が供給され、前記電気接続箱は、前記第1配線経路の入口及び出口にノイズを低減するノイズ低減部を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記ノイズ低減部を備える前記電気接続箱の数は1つであることを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路は、金属製のシールドを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノイズの影響を受けることが好ましくない電装品に対して、ノイズによる誤動作を抑えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1実施形態に係る電源システムの配索を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
図3図3は、第2実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素については適宜同一の符号を付している。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電源システム1Aの車両2における配索の一例を示す図である。図2は、電源システム1Aの車両2における配索を模式的に示す平面図である。以下の説明においては、車両2の前進方向を前側、車両2の後進方向を後側、運転席から前方を見て右方を右側、運転席から前方を見て左方を左側と称する。
【0015】
電源システム1Aは、車両2が有する二次電池BATから供給される電力を車両2が有する複数の電装品へ供給するシステムである。電源システム1Aは、分配部FM、複数の電気接続箱、及び複数のケーブルを有する。二次電池BATは、繰り返し充電及び放電が可能な二次電池である。二次電池BATの電圧は、例えば12Vであり、車両2が有する図示省略したオルタネータにより充電され、複数の電装品へ電力を供給する。なお、二次電池BATの位置は、図示した位置に限定されるものではなく、車両2内の他の位置に配置されていてもよい。
【0016】
電源システム1Aにより電力が供給される電装品は、例えば、ヘッドランプ、テールランプ、ストップランプ、ターンランプなどの灯火系の機器や、ディスプレイ装置、カーオーディオ、計器パネルなどの運転席周辺の機器、パワーウインドウ、ワイパー、シートヒーター、ドアロック、電動ミラー、リアデフロスター、リアワイパーなどの機器、アクチュエータ、ECU(Electronic Control Unit)、各種センサーなどである。なお、図面が煩雑になるのを防ぐため、図1においては複数の電装品の図示を省略している。また、車両2においては、ECUが各種電装品と通信を行うための通信ケーブルが配索されているが、図面が煩雑になるのを防ぐため、図示を省略している。
【0017】
電源システム1Aは、複数のケーブルとして、ケーブルBW、ケーブルRW、ケーブルLW、ケーブルRW1、ケーブルLW1、ケーブルRW11及びケーブルLW11を有する。これらのケーブルは、車両2内に配置された各電装品へ電力を供給するための太径のケーブルである。これらのケーブルは、例えば、撚り線の形態の扁平電線、平型電線、丸電線、又はこれらの電線の組み合わせとしてもよい。
【0018】
分配部FMは、ケーブルBWを介して二次電池BATに接続されている。また、分配部FMには、ケーブルRWとケーブルLWが接続されている。ケーブルRWは、車両2の右側に配置される電気接続箱へ電力を供給するためのケーブルであり、ケーブルLWは、車両2の左側に配置される電気接続箱へ電力を供給するためのケーブルである。分配部FM内においては、ケーブルRWとケーブルBWとが電気的に接続されており、ケーブルLWとケーブルBWとが電気的に接続されている。分配部FMは、二次電池BATに近い位置に配置されるのが好ましい。
【0019】
電源システム1Aは、複数の電気接続箱として、電気接続箱FR、電気接続箱FL、電気接続箱MR、電気接続箱ML、電気接続箱RR及び電気接続箱RLを有する。これらの電気接続箱は、電力を供給するための前述のケーブルが接続される端子、電装品と電気接続箱を接続して電装品へ電力を供給するケーブルが接続される端子、電装品への電力供給を制御する制御部、リレー回路、ヒューズ、スイッチング回路、平滑回路などを有する。これらの電気接続箱は、接続されるケーブル同士を電気的に接続又は非接続とするスイッチ機能を有していてもよい。
【0020】
電気接続箱FRは、車両2の前部右側に配置されており、ケーブルRWが接続されている。電気接続箱FRは、例えば車両2の前部に配置されたk個(kは2以上の整数)の電装品60~電装品60へケーブルEW6で電気的に接続されており、ケーブルRWから供給される電力を接続されている電装品60~電装品60へ供給する。また、電気接続箱FRには、車両2の右側に配置されたケーブルRW1が接続されている。電気接続箱FR内においては、ケーブルRWとケーブルRW1が電気的に接続されている。
【0021】
電気接続箱FLは、車両2の前部左側に配置されており、ケーブルLWが接続されている。電気接続箱FLは、例えば車両2の前部に配置されたz個(zは2以上の整数)の電装品90~電装品90へ電気的に接続されており、ケーブルLWから供給される電力を接続されている電装品90~電装品90へ供給する。また、電気接続箱FLには、車両2の左側に配置されたケーブルLW1が接続されている。電気接続箱FL内においては、ケーブルLWとケーブルLW1が電気的に接続されている。
【0022】
電気接続箱MRは、車両2の右側でカウルの近傍に配置されており、ケーブルRW1と車両2の右側に配置されたケーブルRW11が接続されている。電気接続箱MR内においては、ケーブルRW1とケーブルRW11とが電気的に接続されている。電気接続箱MRは、例えば車両2のカウルの近傍や前部と後部との間に配置されているn個(nは2以上の整数)の電装品50~電装品50へケーブルEW2で電気的に接続されており、ケーブルRW1から供給される電力を接続されている電装品50~電装品50へ供給する。
【0023】
電気接続箱MLは、車両2の左側でカウルの近傍に配置されており、ケーブルLW1と車両2の左側に配置されたケーブルLW11が接続されている。電気接続箱ML内においては、ケーブルLW1とケーブルLW11が電気的に接続されている。電気接続箱MLは、例えば車両2のカウルの近傍や前部と後部との間に配置されているy個(yは2以上の整数)の電装品80~電装品80へケーブルEW1で電気的に接続されており、ケーブルLW1から供給される電力を接続されている電装品80~電装品80へ供給する。
【0024】
電気接続箱RRは、車両2の後部右側に配置されており、ケーブルRW11が接続されている。電気接続箱RRは、例えば車両2の後部に配置されたm個(mは2以上の整数)の電装品40~電装品40へケーブルEW4で電気的に接続されており、ケーブルRW11から供給される電力を接続されている電装品40~電装品40へ供給する。
【0025】
電気接続箱RLは、車両2の後部左側に配置されており、ケーブルLW11が接続されている。電気接続箱RLは、例えば車両2の後部に配置されたx個(xは2以上の整数)の電装品70~電装品70へケーブルEW3で電気的に接続されており、ケーブルLW11から供給される電力を接続されている電装品70~電装品70へ供給する。
【0026】
電装品40~電装品40、電装品50~電装品50及び電装品60~電装品60は、第1電装品の一例であり、ノイズを放出する電装品やノイズを受けても動作に影響がない電装品である。ノイズを放出する電装品とは、例えばPWM制御されるモータを備える電装品である。ノイズを受けても動作に影響がない電装品とは、例えば、PWM制御に起因するノイズを受けても動作に影響がない電装品であり、一例としてはオーディオ機器がある。オーディオ機器で再生するオーディオ信号の周波数は20kHz以下であるため、PWM制御に起因するMHz以上の高周波ノイズを受けても再生への影響がない。ノイズを受けても動作に影響がない電装品とは、ノイズ耐性がある第3電装品の一例である。なお、図2は、配索を模式的に示す図であるため、電装品40~電装品40、電装品50~電装品50及び電装品60~電装品60の実際の配置位置は、図2に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0027】
電装品70~電装品70、電装品80~電装品80及び電装品90~電装品90は、第2電装品の一例であり、例えば、第1電装品が発するノイズを受けるのが好ましくない電装品である。具体的には、第2電装品とは、自動運転や安全運転支援、安全装備等の車両2の安全性に係る電装品であり、電動パーキングブレーキ、カメラ、センサー、自動運転用のECU等である。なお、図2は、配索を模式的に示す図であるため、電装品70~電装品70、電装品80~電装品80及び電装品90~電装品90の実際の配置位置は、図2に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0028】
電源システム1Aは、第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて右側に配置されているケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱RRを介して電力を供給する。ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱RRは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。
【0029】
また、電源システム1Aは、第2電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて左側に配置されているケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱RLを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱RLは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0030】
例えば、一つの配線経路で第1電装品と第2電装品の両方へ電力を供給する構成の場合、第1電装品が駆動してノイズが発生すると、発生したノイズが配線経路を介して第2電装品へ伝わり、第2電装品において誤動作が発生する虞がある。
【0031】
これに対し、電源システム1Aにおいては、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電力を供給される第1電装品がノイズを発しても、第1配線経路とは別である第2配線経路へのノイズの伝搬が抑えられ、第2電装品を安定して動作させ、第2電装品について誤動作の発生を抑えることができる。
【0032】
また、電源システム1Aにおいては、第1電装品と第2電装品へ同じ配線経路で電力を供給する構成と比較すると、第1電装品から第2電装品へのノイズの伝搬が抑えられるため、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路において、EMC(Electromagnetic Compatibility)対策を軽減することができる。
【0033】
なお、電源システム1Aにおいては、車両2の左側にある電気接続箱から第1電装品へ電力を供給し、車両2の右側にある電気接続箱から第2電装品へ電力を供給する構成としてもよい。例えば、ケーブルEW1に電装品50~電装品50を接続し、ケーブルEW3に電装品40~電装品40を接続し、ケーブルEW5に電装品60~電装品60を接続する。また、ケーブルEW2に電装品80~電装品80を接続し、ケーブルEW4に電装品70~電装品70を接続し、ケーブルEW6に電装品90~電装品90を接続する。
【0034】
この構成においては、ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱RRを介して第2電装品へ電力が供給され、ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱RRが第2配線経路となる。
【0035】
また、この構成においては、ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱MLを介して第1電装品へ電力が供給され、ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱RLが第1配線経路となる。
【0036】
この構成においても、第1電装品へ電力を供給する経路と、第2電装品へ電力を供給する経路とが分けられているため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電力を供給される第1電装品がノイズを発しても、第1配線経路とは別である第2配線経路へのノイズの伝搬が抑えられ、第2電装品へ安定して動作させ、第2電装品について誤動作の発生を抑えることができる。
【0037】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る電源システム1Bの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第2実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第2実施形態において第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点について説明する。なお、図3は、配索を模式的に示す図であるため、電装品40~電装品40、電装品50~電装品50、電装品60~電装品60、電装品70~電装品70、電装品80~電装品80及び電装品90~電装品90の実際の配置位置は、図3に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0038】
電源システム1Bは、ケーブルW1と電気接続箱CEを有する。ケーブルW1は、分配部FM内においてケーブルBWへ電気的に接続されている。電気接続箱CEは、第1電装品へ電力を供給するケーブルであり、ケーブルW1が接続されている。電気接続箱CEは、電装品40~電装品40、電装品50~電装品50及び電装品60~電装品60へケーブルEW7を介して電力を供給する。電気接続箱CEは、電気接続箱FL、電気接続箱FR、電気接続箱ML、電気接続箱MR、電気接続箱RL及び電気接続箱RRのそれぞれとの距離ができるだけ長くなるように配置するのが好ましい。
【0039】
電気接続箱FLは、車両2の前部左側に配置された第2電装品である電装品90や電装品90などへケーブルEW5で電気的に接続されており、ケーブルLWから供給される電力を接続されている第2電装品へ供給する。
【0040】
電気接続箱FRは、車両2の前部右側に配置された第2電装品である電装品90z-1や電装品90などへケーブルEW6で電気的に接続されており、ケーブルRWから供給される電力を接続されている第2電装品へ供給する。
【0041】
電気接続箱MLは、車両2の左側に配置された第2電装品である電装品80や電装品80などへケーブルEW1で電気的に接続されており、ケーブルLW1から供給される電力を接続されている第2電装品へ供給する。
【0042】
電気接続箱MRは、車両2の右側に配置された第2電装品である電装品80y-1や電装品80などへケーブルEW2で電気的に接続されており、ケーブルRW1から供給される電力を接続されている第2電装品へ供給する。
【0043】
電気接続箱RLは、車両2の後部左側に配置された第2電装品である電装品70や電装品70などへケーブルEW3で電気的に接続されており、ケーブルLW11から供給される電力を接続されている第2電装品へ供給する。
【0044】
電気接続箱RRは、車両2の後部右側に配置された第2電装品である電装品70x-1や電装品70などへケーブルEW4で電気的に接続されており、ケーブルRW11から供給される電力を接続されている第2電装品へ供給する。
【0045】
電源システム1Bは、第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルW1及び電気接続箱CEを介して電力を供給する。ケーブルW1及び電気接続箱CEは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。
【0046】
また、電源システム1Aは、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2において左側に配置されているケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱RLを介して第2電装品へ電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱RLは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0047】
また、電源システム1Aは、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2において右側に配置されているケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱RRを介して第2電装品へ電力を供給する。ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱RRも、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0048】
電源システム1Bにおいても、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電力を供給される第1電装品がノイズを発しても、第1配線経路とは別である第2配線経路へのノイズの伝搬が抑えられ、第2電装品を安定して動作させ、第2電装品について誤動作の発生を抑えることができる。
【0049】
また、電源システム1Bにおいても、第1電装品と第2電装品へ同じ配線経路で電力を供給する構成と比較すると、第1電装品から第2電装品へのノイズの伝搬が抑えられるため、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路において、EMC対策を軽減することができる。
【0050】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0051】
上述した各実施形態においては、第1電装品へ電力を供給する電気接続箱において、例えば、ノイズ低減部としてフェライトビーズを電力供給の入口及び出口に設けてノイズ対策を行うようにしてもよい。また、第1電装品へ電力を供給する電気接続箱については、筐体を金属製とし、ノイズの放出を防ぐようにしてもよい。
【0052】
上述した各実施形態においては、第1配線経路を構成するケーブルについて、銅テープ、銅線網組又はアルミテープなどで静電遮蔽を行う構成としてもよい。また、第1配線経路に加えて第2配線経路についても、第1配線経路を構成するケーブルについて、銅テープ、銅線網組又はアルミテープなどで静電遮蔽を行う構成としてもよい。第1配線経路や第2配線経路を静電遮蔽する場合、電気接続箱と静電遮蔽されたケーブルとの間の隙間が狭いほど好ましい。
【0053】
上述した各実施形態においては、第1電装品においてPWM制御が行われる電装品が複数ある場合、PWM制御のタイミングが重ならないようにしてもよい。
【0054】
二次電池BATの電圧は、12Vに限定されるものではなく、例えば48Vであってもよい。二次電池BATの電圧を48Vとした場合、二次電池BATの電圧が12Vである場合と比較して、電力を供給する各ケーブルの径を細くすることができる。
【符号の説明】
【0055】
1A、1B 電源システム
2 車両
40~40 電装品
50~50 電装品
60~60 電装品
70~70 電装品
80~80 電装品
90~90 電装品
BAT 二次電池
FM 分配部
FR、FL、MR、ML、RL、RR 電気接続箱
BW、RW、LW ケーブル
RW1、RW11 ケーブル
LW1、LW11 ケーブル
EW1~EW7 ケーブル
W1 ケーブル
図1
図2
図3