(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】レーザー放電チャンバ内で金属フッ化物塵埃をトラップするための充填層フィルタ
(51)【国際特許分類】
H01S 3/036 20060101AFI20231130BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H01S3/036
G03F7/20 505
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2022534646
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 US2020064374
(87)【国際公開番号】W WO2021133568
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-07-29
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ニーマン,ウールリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ガレスピー,ウォルター,デール
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-021380(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107673606(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101638529(CN,A)
【文献】特開平07-226550(JP,A)
【文献】特開2001-129338(JP,A)
【文献】特開2006-140381(JP,A)
【文献】特開2019-006610(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0107870(US,A1)
【文献】国際公開第2016/052440(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00 - 3/30
G03F 7/20 - 7/24
B03C 3/00 - 3/88
B01D 46/00 - 46/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバを備える光増幅器であって、前記ガス放電媒体は光ビームを出力する、光増幅器と、
前記光増幅器の周囲に光共振器を形成するように構成された光学要素のセットと、を備える、ガス放電ステージと;
前記ガス放電ステージで発生する金属フッ化物塵埃をトラップするように構成された金属フッ化物トラップであって、前記金属フッ化物トラップは、
静電集塵器と、
前記静電集塵器の周囲に配置された充填層フィルタであって、
金属フッ化物塵埃を吸収するように構成された複数のビーズを含む、充填層フィルタと、を備える、金属フッ化物トラップと、
を備える、光源装置。
【請求項2】
前記充填層フィルタは、バッフルによって分離された複数の充填層フィルタを備える、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記複数の充填層フィルタの各々は、異なる表面積を有する、請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記複数の充填層フィルタの各々は、異なる充填密度を有する、請求項2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記複数のビーズは、第1の複数のビーズと、前記第1の複数のビーズとは異なる第2の複数のビーズとを含む、請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
前記ガス放電媒体は、F
2、ArF、KrF、及び/又はXeFを含む、請求項1に記載の光源装置。
【請求項7】
前記光学要素のセットは、
前記チャンバの第1の光ポートに光学的につながった光結合器(OC)と、
前記チャンバの第2の光ポートに光学的につながった線幅狭隘化モジュール(LNM)とを備える、請求項1に記載の光源装置。
【請求項8】
前記ガス放電ステージに結合され、前記金属フッ化物トラップの入力ポートを通って、前記充填層フィルタを通って、及び前記金属フッ化物トラップの1つ以上の出力ポートを通って流れるように、前記ガス放電媒体の一部分を導くように構成された、圧力制御システムを更に備える、請求項1に記載の光源装置。
【請求項9】
ガス放電ステージのガス放電媒体中で生成された金属フッ化物塵埃をトラップするように構成された金属フッ化物トラップであって、前記金属フッ化物トラップは、
静電集塵器と、
前記静電集塵器の周囲に配置された充填層フィルタであって、
前記充填層フィルタは、前記ガス放電媒体中の金属フッ化物塵埃を吸収するように構成された複数のビーズを含む、充填層フィルタと、を備える、金属フッ化物トラップ。
【請求項10】
前記複数のビーズは、ガラス様成分、結晶性成分、金属、及び/又は酸化物を含む、請求項9に記載の金属フッ化物トラップ。
【請求項11】
前記複数のビーズは、アルミニウム、ジュラルミン、アルミナ、ニッケル、モネル、真ちゅう、銅、亜鉛、ホウ化カルシウム、及び/又はフッ化カルシウムを含む、請求項9に記載の金属フッ化物トラップ。
【請求項12】
前記ガス放電媒体は、F
2
、ArF、KrF、及び/又はXeFを含む、請求項9に記載の金属フッ化物トラップ。
【請求項13】
ガス放電ステージのガス放電媒体中で生成された金属フッ化物塵埃を、金属フッ化物トラップ内でトラップする方法であって、前記方法は、
第1の管端部支持体と第2の管端部支持体との間に複数の集塵管を備える集塵管アセンブリを組み立てることと、
前記集塵管アセンブリにおいて静電集塵器の周囲に複数の充填層フィルタを組み立てて、充填層フィルタアセンブリを形成することであって、各充填層フィルタは、前記ガス放電媒体中の金属フッ化物塵埃を吸収するように構成された複数のビーズを含む、ことと、
前記充填層フィルタアセンブリを前記金属フッ化物トラップ内へと挿入することと、
前記金属フッ化物トラップを通って流れるように前記ガス放電媒体を導くことと、
前記充填層フィルタアセンブリ内に金属フッ化物塵埃をトラップすることと、を含む、方法。
【請求項14】
前記複数の充填層フィルタを組み立てることは、前記複数の集塵管の間に前記複数のビーズを充填することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記充填層フィルタアセンブリから前記複数のビーズを除去することと、前記複数のビーズを洗浄することと、前記複数のビーズを前記充填層フィルタアセンブリ内に再組み立てすることと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2019年12月23日に出願された「PACKED-BED FILTER FOR METAL FLUORIDE DUST TRAPPING IN LASER DISCHARGE CHAMBERS」と題する米国特許出願第62/953,101号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、光源装置及びシステム、例えば、リソグラフィ装置及びシステム用の金属フッ化物トラップを有する光源に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板上に所望のパターンを適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用することができる。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク、レチクル)のパターンを、基板上に提供された放射感応性材料(フォトレジスト、又は単に「レジスト」)の層上に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用する場合がある。この放射の波長は、基板上に形成できるフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外(EUV)線を使用するリソグラフィ装置を使用して、例えば、157nm又は193nm又は248nmの波長を有する深紫外(DUV)線を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成することができる。
【0005】
[0005] 主発振器パワー増幅器(MOPA)は、高干渉性増幅光ビームを生成する2ステージ光共振器構成である。MOPAの性能は、主発信器(MO)に強く依存する可能性がある。ガス放電媒体を取り囲むMOの電極が、時間の経過と共に劣化し、金属フッ化物塵埃を発生させる可能性がある。金属フッ化物塵埃は、MOの光学窓上に積もる可能性があり、光学的損傷をもたらす可能性がある。更に、MOにおける金属フッ化物塵埃の循環が更に、電極からの放電電圧の低下及びレーザー性能の低下をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006] したがって、金属フッ化物塵埃トラップ容量を増加させ、ガス放電媒体中の及び光学窓上の金属フッ化物塵埃を減らし、金属フッ化物トラップを通る流れ分布の制御を改善し、金属フッ化物トラップ構成要素の効率的な洗浄及び/又は交換を提供し、主発信器の耐用寿命を延ばす必要がある。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、光源装置は、ガス放電ステージ及び金属フッ化物トラップを含む。ガス放電ステージは、光増幅器と、光学要素のセットとを含む。光増幅器は、ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバを含み、ガス放電媒体は、光ビームを出力する。光学要素のセットは、光増幅器の周囲に光共振器を形成するように構成されている。金属フッ化物トラップは、ガス放電ステージで発生する金属フッ化物塵埃をトラップするように構成されている。金属フッ化物トラップは、静電集塵器と、静電集塵器の周囲に配置された充填層フィルタとを含む。充填層フィルタは、金属フッ化物塵埃を吸収するように構成された複数のビーズを含む。吸収は、ビーズ間の隙間空間における塵埃粒子の機械的トラップ、及び/又はビーズ表面との化学的相互作用(例えば、吸着)を含んでもよい。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、充填層フィルタは、金属フッ化物トラップを通るガス放電媒体の流量を制御するように構成された総表面積を有する。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、充填層フィルタは、バッフルによって分離された複数の充填層フィルタを含む。いくつかの実施形態では、複数の充填層フィルタの各々は異なる。いくつかの実施形態では、複数の充填層フィルタの各々は異なる表面積を有する。いくつかの実施形態では、複数の充填層フィルタの各々は異なる充填密度を有する。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、複数のビーズの各々は球形であり、滑らかに研磨された外面を有する。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、フッ化物耐食性材料を含む。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、第1の複数のビーズと、第1の複数のビーズとは異なる第2の複数のビーズとを含む。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、ガス放電媒体は、エキシマ媒体及び/又はエキシプレックス媒体(これは、エキシマ媒体とも呼ばれる場合がある)を含む。いくつかの実施形態では、ガス放電媒体は、F2、ArF、KrF、及び/又はXeFを含む。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、光学要素のセットは、チャンバの第1の光ポートに光学的につながった光結合器(OC)と、チャンバの第2の光ポートに光学的につながった線幅狭隘化モジュール(LNM)とを含む。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、光源装置は、ガス放電ステージに結合され、金属フッ化物トラップの入力ポートを通って、充填層フィルタを通って、そして金属フッ化物トラップの1つ以上の出力ポートを通って流れるように、ガス放電媒体の一部分を導くように構成された、圧力制御システムを更に含む。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、ガス放電ステージのガス放電媒体中で生成された金属フッ化物塵埃をトラップするように構成された金属フッ化物トラップは、静電集塵器と、静電集塵器の周囲に配置された充填層フィルタとを含む。充填層フィルタは、ガス放電媒体中の金属フッ化物塵埃を吸収するように構成された複数のビーズを含む。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、充填層フィルタは、金属フッ化物トラップを通るガス放電媒体の流量を制御するように構成された総表面積を有する。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態では、複数のビーズの各々は球形である。いくつかの実施形態では、各ビーズは、約1mm~約10mmの直径を有する。いくつかの実施形態では、各ビーズは、滑らかに研磨された外面を含む。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態では、複数のビーズは、フッ化物耐食性材料を含む。いくつかの実施形態では、フッ化物耐食性材料は、ガラス様成分、結晶性成分、金属、及び/又は酸化物を含む。いくつかの実施形態では、フッ化物耐食性材料は、アルミニウム、ジュラルミン、アルミナ、ニッケル、モネル、真ちゅう、銅、亜鉛、ホウ化カルシウム、及び/又はフッ化カルシウムを含む。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、複数のビーズは、第1の複数のビーズと、第1の複数のビーズとは異なる第2の複数のビーズとを含む。いくつかの実施形態では、第1の複数のビーズは、第1の寸法を有し、第2の複数のビーズは、第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する。いくつかの実施形態では、第1の複数のビーズは、第1の材料を含み、第2の複数のビーズは、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態では、ガス放電ステージのガス放電媒体中で生成された金属フッ化物塵埃を、金属フッ化物トラップ内でトラップする方法は、第1の管端部支持体と第2の管端部支持体との間に複数の集塵管を備える集塵管アセンブリを組み立てることを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、集塵管アセンブリにおいて静電集塵器の周囲に複数の充填層フィルタを組み立てて、充填層フィルタアセンブリを形成することと、を更に含む。各充填層フィルタは、ガス放電媒体中の金属フッ化物塵埃を吸収するように構成された複数のビーズを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、充填層フィルタアセンブリを金属フッ化物トラップ内へと挿入することを更に含む。いくつかの実施形態では、この方法は、金属フッ化物トラップを通って流れるようにガス放電媒体を導くことを更に含む。いくつかの実施形態では、この方法は、金属フッ化物塵埃を充填層フィルタアセンブリでトラップすることを更に含む。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態では、複数の充填層フィルタを組み立てることは、複数の集塵管の間に複数のビーズを充填することを含む。いくつかの実施形態では、充填することは、内側の複数の集塵管の間に内側の複数のビーズを充填することと、外側の複数の集塵管の間に内側の複数のビーズとは異なる外側の複数のビーズを充填することと、を含む。いくつかの実施形態では、外側の複数のビーズは、内側の複数のビーズとは異なる表面積及び/又は充填密度を有する。
【0021】
[0021] いくつかの実施形態では、この方法は、充填層フィルタアセンブリから複数のビーズを除去することと、複数のビーズを洗浄することと、複数のビーズを充填層フィルタアセンブリ内に再組み立てすることと、を更に含む。いくつかの実施形態では、この方法は、充填層フィルタアセンブリから複数のビーズを除去することと、第2の複数のビーズを充填層フィルタアセンブリ内に再組み立てすることと、を更に含む。
【0022】
[0022] 上述した、いずれかの技術の実現形態は、EUV光源、DUV光源、システム、方法、プロセス、デバイス、及び/又は装置を含んでもよい。1つ以上の実現形態の詳細が、添付の図面及び以下の明細書に記述されている。他の特徴が、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0023】
[0023] 実施形態の更なる特徴及び例示的な態様、並びに様々な実施形態の構造及び動作が、添付の図面を参照して以下に詳細に記載されている。実施形態は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。そのような実施形態は、説明目的のためにのみ、本明細書で提示される。本明細書に含まれる教示に基づいて、更なる実施形態が、当業者には明らかになるであろう。
【0024】
[0024] 本明細書に組み込まれ本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明を例示し、また、説明文と併せて、本発明の原理を説明し、当業者が本発明を実施し使用できるように更に機能する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】[0025]一実施形態による反射型リソグラフィ装置の概略図である。
【
図2】[0026]一実施形態による、光源装置の概略図である。
【
図3】[0027]一実施形態による、
図2に示す光源装置の金属フッ化物トラップの概略断面図である。
【
図4】[0028]一実施形態による、
図3に示す金属フッ化物トラップの充填層フィルタアセンブリの概略断面図である。
【
図5】[0029]一実施形態による、金属フッ化物塵埃をトラップするためのフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0030] 実施形態の特徴及び例示的な態様は、図面と併せて以下に記載する詳細な説明から、より明らかになるであろう。図面では、同様の参照符号は、全体を通じて対応する要素を特定する。図面では、同様の参照番号は一般的に同一の、機能的に類似の、かつ/又は構造的に類似の要素を示す。加えて、一般に、参照番号の最も左の桁は、参照番号が最初に現れる図面を特定している。特に断りの無い限り、本開示を通じて提供される図面は、縮尺通りの図面として解釈されるべきではない。
【0027】
[0031] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態について開示する。開示される実施形態は、本発明を単に例示するに過ぎない。本発明の範囲は、開示される実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0028】
[0032] 記載される実施形態、及び「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」、「例としての実施形態」等への明細書中での言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、必ずしも全ての実施形態が、その特定の特徴、構造、又は特性を含んでいなくてもよい。更に、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態を指してはいない。更に、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性が説明される場合、明示的に説明されていようといまいと、そのような特徴、構造、又は特性を他の実施形態に関連してもたらすことは、当業者の知識の範囲内であると理解される。
【0029】
[0033] 「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上」、「上側」などの空間的に相対的な用語を、説明を簡単にするために使用して、図に示すような1つの要素又は特徴の、別の要素又は特徴に対する関係を説明することがある。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる向きを包含することを意図している。装置は、それ以外の方向に向けられ(90度回転され又は他の向きにされ)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子もそれに応じて同様に解釈されてもよい。
【0030】
[0034] 本明細書で使用される場合、「約」又は「実質的に」又は「およそ」という用語は、特定の技術に基づいて変動する可能性がある所与の数量の値を示す。特定の技術に基づいて、「約」又は「実質的に」又は「およそ」という用語は、例えば、値の1~15%(例えば、値の±1%、±2%、±5%、±10%、又は±15%)内で変動する所与の数量の値を示す場合がある。
【0031】
[0035] 本明細書で使用する場合、「吸収する」又は「吸収」という用語は、吸着する及び吸着を含むことができる。
【0032】
[0036] 本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。本開示の実施形態はまた、機械可読媒体に記憶された命令として実装されてもよく、命令は、1つ以上のプロセッサにより読み出され実行されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)により読み出し可能な形式で情報を記憶又は送信するための任意のメカニズムを含んでもよい。例えば、機械可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);磁気ディスク記憶媒体;光学的記憶媒体;フラッシュメモリデバイス;電気的、光学的、音響的又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、及びその他、を含んでもよい。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令は、本明細書では、特定のアクションを実行するものとして説明される場合がある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは、実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスから生じることが理解されるべきである。
【0033】
[0037] しかしながら、そのような実施形態をより詳細に説明する前に、本開示の実施形態を実現することができる例示的な環境を提示することが有益である。
【0034】
[0038] 例示的なリソグラフィシステム
[0039]
図1は、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備えるリソグラフィシステムを示す。放射源SOは、EUV及び/又はDUV放射ビームBを生成し、EUV及び/又はDUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成されている。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を支持するように構成された支持構造MT、投影システムPS、及び基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTを備える。
【0035】
[0040] 照明システムILは、EUV及び/又はDUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前に、EUV及び/又はDUV放射ビームBを調整するように構成されている。これに加えて、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を含んでもよい。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は一緒に、所望の断面形状及び所望の強度分布を有するEUV及び/又はDUV放射ビームBを供給する。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、又はその代わりに、他のミラー又はデバイスを含んでもよい。
【0036】
[0041] このように調整された後、EUV及び/又はDUV放射ビームBは、パターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用は(図示するように)反射性である場合があり、これはEUV放射にとって好ましい場合がある。この相互作用は透過性である場合があり、これはDUV放射にとって好ましい場合がある。この相互作用の結果として、パターン形成されたEUV及び/又はDUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターン形成されたEUV及び/又はDUV放射ビームB’を基板W上へと投影するように構成されている。その目的のために、投影システムPSは、パターン形成されたEUV及び/又はDUV放射ビームB’を基板テーブルWTによって保持された基板W上へと投影するように構成された複数のミラー13、14を備えてもよい。投影システムPSは、パターン形成されたEUV及び/又はDUV放射ビームB’に縮小係数を適用し、したがって、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さいフィーチャを有するイメージを形成してもよい。例えば、4又は8の縮小係数を適用してもよい。投影システムPSは、
図1では2つのミラー13、14のみを有するものとして示されているが、投影システムPSは、異なる数のミラー(例えば、6つ又は8つのミラー)を含んでもよい。
【0037】
[0042] 基板Wは、以前に形成されたパターンを含んでもよい。この場合、リソグラフィ装置LAは、パターン形成されたEUV及び/又はDUV放射ビームB’によって形成されたイメージを、基板W上に以前に形成されたパターンに位置合わせする。
【0038】
[0043] 例示的な光源装置
[0044] 上で論じたように、主発振器パワー増幅器(MOPA)は、2ステージ光共振器構成である。主発振器(MO)(例えば、第1の光共振器ステージ)は、高干渉性光ビームを生成する。パワー増幅器(PA)(例えば、第2の光共振器ステージ)は、ビーム特性を維持しながら、光ビームの光パワーを増加させる。MOは、ガス放電チャンバ、光結合器(OC)、及び線幅狭隘化モジュール(LNM)を含むことができる。OC及びLNMは、ガス放電チャンバを取り囲んで光共振器を形成することができる。
【0039】
[0045] MOPAの性能は、MOに、例えば光ビームを出力するMOの光学窓に、強く依存する可能性がある。エキシマレーザは、エキシマ媒体を利用して、極端紫外(EUV)線及び/又は深紫外(DUV)線を出力する。他のガスレーザが、他の媒体(例えば、F2レーザ)を使用する場合がある。エキシマは、同じ種の2つの原子(例えば、Ar2、Kr2、Xe2)から形成される短寿命の分子(「励起二量体」)である。エキシマという用語はまた、短寿命の分子が3種以上の種(例えば、ArF、KrCl、KrF、XeBr、XeCl、XeF)から形成されるエキシプレックス媒体(「励起錯体」)も指す。ガス放電媒体(例えば、F2、ArF、KrF、及び/又はXeF)を取り囲むMOの電極が、時間の経過と共に劣化し、金属フッ化物塵埃(例えば、平均直径が約2.0μm)を発生させる可能性がある。金属フッ化物塵埃は、MOの光学窓上に積もり、光学的損傷(例えば、局所的な熱吸着及び/又は加熱)をもたらす可能性がある。更に、MOにおける金属フッ化物塵埃の循環が更に、電極からの放電電圧の低下及びレーザー性能の低下をもたらす可能性がある。
【0040】
[0046] いくつかの実施形態では、金属フッ化物トラップ(MFT)を、MOのチャンバに結合させて、ガス放電媒体中の汚染を減らすことができる。例えば、特定のMFTが、2001年5月29日に発行された米国特許第6,240,117号、及び2010年10月26日に発行された米国特許第7,819,945号に以前に記載されており、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。ガス放電媒体の一部分がMFTを通過するにつれて、汚染されたガス放電媒体中の金属フッ化物塵埃がトラップフィルタで吸収され、残っているあらゆる粒子が静電集塵器により収集される。静電集塵器は、強力な電界(例えば、数kVの印加電位)を介して、MFTを流れる塵埃粒子に静電荷を誘起する。例えば、集塵管(例えば、円筒形)を軸方向に通過する中心ワイヤに電圧を印加することができ、これにより集塵管の内面に静電荷が生成される。残っているあらゆる金属フッ化物塵埃が、集塵管の内面に付着する。得られた清浄ガスを、光学窓ハウジングを通して循環させてMOチャンバ内へと戻して、窓に塵埃が存在しないようにすることができる。
【0041】
[0047] いくつかの実施形態では、MFTメカニズムは、静電集塵器を有するメッシュスクリーン(例えば、真ちゅう織りメッシュ)の層を使用する。しかしながら、メッシュスクリーンは使用後に簡単に洗浄できない場合があり、時間の経過に伴い交換される場合がある。また、メッシュスクリーンは、金属フッ化物塵埃の収集が時間の経過に伴い不均衡になる(例えば、高密度領域のホットスポット)可能性があり、それがMFTを通る流量に影響を及ぼす。時間の経過に伴い塵埃トラップ容量(例えば、総表面積)が減少する可能性があり、これは、レーザーの寿命に対する、及び、例えばDUVリソグラフィ装置に出力される光ビームに対する決定的な制限要因である。
【0042】
[0048] いくつかの実施形態では、充填層フィルタを使用して、媒体、例えばガス放電媒体、をフィルタリングすることができる。一般に、充填層フィルタは、化学処理(例えば、化学反応器、蒸留、スクラバー)及び環境工学(例えば、空気濾過、水濾過、廃棄物濾過)で使用されてきた。一般に、化学用途では、充填層は、熱プロセス又は触媒プロセスに起因する流体の化学変換のための最大表面積を提供し、その後、充填材料に残留物を一切残すことなく、流体を流れに戻すために使用される。充填層フィルタは、構造化された充填物(例えば、ラシヒリング、カラムなど)及び/又は触媒粒子又は吸収剤(例えば、ゼオライトペレット、活性炭、砂、砂利など)を含むことができる。例えば、吸収剤(例えば、球)を容器にランダムに追加して振ると、それらは一般に、意図的に組み立てられていない場合の最高充填密度である「不規則な」又は「ぎっしり詰め込んだ」充填構成として知られるものを形成することになる。この不規則な充填は一般に、約64%の密度を有することになる。エキシマシステム用の充填層フィルタは、一般的な充填層フィルタとは異なる場合がある。例えば、エキシマシステムの充填層フィルタは、腐食(例えば、F2、Cl2など)への耐性を有するべきであり、ガス放電媒体を汚染すべきではない。
【0043】
[0049] いくつかの実施形態では、複数のビーズ(例えば、真ちゅう、アルミナ、結晶性、ガラス様など)を含む充填層フィルタを有するMFTは、(1)金属フッ化物塵埃トラップ能力を増加させる(例えば、以前のトラップ、例えば真ちゅう織りメッシュ、よりも大きな表面積)、(2)ビーズのタイプ及び/又はビーズの分布に起因するMFT内の流れ分布の制御(例えば、均一及び/又は最適化された流れ)を提供する、(3)カスタマイズされたビーズ及び/又はビーズの様々な構成(例えば、サイズ、形状、材料、粗さ、表面積、充填密度、機能化)を使用することにより、MFTにおける流量、トラップ容量、及び/又は流れ分布を調整及び/又は最適化する、及び(4)金属フッ化物塵埃の十分な吸着後に、充填層フィルタの効率的な洗浄及び/又は交換を可能にする、ことができる。
【0044】
[0050] いくつかの実施形態では、複数のビーズを含む充填層フィルタは、不規則な充填構成(例えば、約64%の充填密度)を有することができる。例えば、得られたボイド率をMFTの内部体積及び流入流量と併せて使用して、MFTを通るチャンバガスの流速を計算することができる。いくつかの実施形態では、空間を占有する物体(例えば、より小さなビーズ又はサブビーズ)を追加して、MFTを通るチャンバガスの流速を調整することができる。
【0045】
[0051] いくつかの実施形態では、複数のビーズを含む充填層フィルタは、ランダム疎充填(RLP)、ランダム最密充填(RCP)(例えば、「不規則」充填構成)、モノサイズ球充填(例えば、面心立方(FCC))、マルチサイズ球充填(例えば、空孔を埋めるためのより小さな直径のビーズを用いたFCC)などで配置することができる。例えば、複数のビーズは、RLP(例えば、約60%の充填密度)、RCP(例えば、約64%の充填密度)、モノサイズ球充填(例えば、約74%の充填密度)、及び/又はマルチサイズ球充填(例えば、約93%の充填密度)で配置することができる。
【0046】
[0052] いくつかの実施形態では、複数のビーズ(例えば、球体)を含む充填層フィルタは、粒子トラップ能力と、チャンバガスの流れが詰まる可能性とを最適化することができるようなビーズ直径を有することができる。例えば、詰まり(例えば、チョーク流れ)及び/又は完全な閉塞の可能性が最小化されるように、ビーズ直径とトラップされる塵埃粒子の好ましい量とを決定することができる(例えば、流れは、ビーズの接触点の近くで最も支配的に減速されるという事実に基づいて、モデル及び/又は計算を最小化することができる。接触点では、ほとんど停滞した流れ状態により、粒子が流れから分離し、ビーズの表面に最初に付着し、続いて塵埃粒子が凝集することが可能になる)。
【0047】
[0053] いくつかの実施形態では、複数のビーズ(例えば、球体)を含む充填層フィルタの機能は、化学用途のための上述した一般的な充填層フィルタの反対であり、MFT内の充填層フィルタのビーズは、塵埃粒子を吸収及び/又は捕捉するための表面を提供する(例えば、その後、充填材料上にいかなる残留物も残すことなく塵埃粒子を流れに戻すのではなく)。
【0048】
[0054] いくつかの実施形態では、複数のビーズ(例えば、球)を含む充填層フィルタの効果は、ランダムな及び/又は変化する流路を可能にすることにより、混合が改善されることである。このような流路は、優先される表面上で飽和し捕捉効率が低下した表面的バイパスフローを引き起こすことになるスクリーン(例えば、真ちゅう織りメッシュ)にとって有利である。例えば、ビーズの寸法制御された充填密度(例えば、約64%の充填密度を有する不規則な充填構成)に起因するトラップ効率の変化なく、最小流動抵抗を有する経路により、流れを動的にバランスさせることができる。
【0049】
[0055] いくつかの実施形態では、複数のビーズ(例えば、球体)を含む充填層フィルタは、事前に組み立てて、MFT内に滑り込ませることができる円筒形のリングカートリッジにすることができる。例えば、円筒形のリングカートリッジは、MFTの機能性に影響を及ぼす可能性がある振動及び/又は操作にMFT全体をさらすことなく、充填層を組み立てて充填するための更なる選択肢を提供することができる。
【0050】
[0056] 以下に論じられる光源装置及びシステムの実施形態は、金属フッ化物塵埃トラップ容量を増加させ、ガス放電媒体中の及び光学窓上の金属フッ化物塵埃を低減させ、金属フッ化物トラップを通る流れ分布の制御を改善し、金属フッ化物トラップ構成要素の効率的な洗浄及び/又は交換を提供し、主発信器の耐用寿命を延ばして、エキシマレーザビームを、例えばDUVリソグラフィ装置に提供することができる。
【0051】
[0057]
図2~
図4は、様々な例示的な実施形態による、光源装置200を示す。
図2は、例示的な一実施形態による、光源装置200の概略図である。
図3は、例示的な一実施形態による、
図2に示す光源装置200の金属フッ化物トラップ300の概略断面図である。
図4は、例示的な一実施形態による、
図3に示す金属フッ化物トラップ300の充填層フィルタアセンブリ400の概略断面図である。
【0052】
[0058]
図2は、様々な例示的な実施形態による、光源装置200を示す。光源装置200は、ガス放電ステージ210(例えばMO)における金属フッ化物塵埃汚染を減らし、例えば高干渉性で整列した光ビーム(例えば、光ビーム202)を、DUVリソグラフィ装置(例えばLA)に提供するように構成することができる。光源装置200は、第1及び第2の光学窓218、220における金属フッ化物塵埃の蓄積を低減させ、ガス放電ステージ210(例えばMO)の耐用寿命及びレーザー性能を向上させるように更に構成することができる。光源装置200が、スタンドアロン型の装置及び/又はシステムとして
図2に示されているが、本開示の実施形態は、放射源SO、リソグラフィ装置LA、及び/又は他の光学システムなどであるが、これらに限定されない、他の光学システムと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、光源装置200は、リソグラフィ装置LAにおける放射源SOであり得る。例えば、EUV及び/又はDUV放射ビームBは、光ビーム202であり得る。いくつかの実施形態では、光源装置200は、ガス放電ステージ210(例えば、MO)と、パワーリング増幅器(PRA)ステージ(例えば、PA)(図示せず)とにより形成されるMOPAであり得る。
【0053】
[0059]
図2に示すように、光源装置200は、ガス放電ステージ210、電圧制御システム230、圧力制御システム240、及び金属フッ化物トラップ(MFT)300を含むことができる。いくつかの実施形態では、上で列挙された構成要素の全てを、3次元(3D)フレーム201内に収容することができる。例えば、3Dフレーム201は、金属(例えば、アルミニウム、鋼など)、セラミック、及び/又は任意の他の好適な剛性材料を含むことができる。
【0054】
[0060] ガス放電ステージ210は、高干渉性光ビーム(例えば、光ビーム202)を出力するように構成することができる。ガス放電ステージ210は、光増幅器206、光結合器(OC)250、及び線幅狭隘化モジュール(LNM)260を含むことができる。いくつかの実施形態では、OC250が、第1の光共振器要素252を含むことができ、LNM260が、第2の光共振器要素262を含むことができる。光共振器270は、OC250(例えば、第1の光共振器要素252を介して)及びLNM260(例えば、第2の光共振器要素262を介して)により定義することができる。光共振器270を形成するために、第1の光共振器要素252は、部分的に反射性(例えば、部分ミラー)にすることができ、第2の光共振器要素262は、反射性(例えば、ミラー、回折格子など)にすることができる。光共振器270は、光増幅器206により生成された光を、固定数のパスにわたって光増幅器206内へと導いて、光ビーム202を形成することができる。いくつかの実施形態では、ガス放電ステージ210は、光ビーム202を、MOPA構成の一部としてのPRAステージ(図示せず)に出力することができる。
【0055】
[0061]
図2に示すように、光増幅器206は、チャンバ211、第1の光学窓218、及び第2の光学窓220を含むことができる。チャンバ211は、第1及び第2の光学窓218、220内にガス放電媒体213を保持するように構成することができる。チャンバ211は、電極204、金属フッ化物塵埃208、ブロワ212、ガス放電媒体213、MFT300の方に向いた入力ポート214、第1の光学窓218の方に向いた第1の出力ポート222、及び第2の光学窓220の方に向いた第2の出力ポート224を含むことができる。入力ポート214は、ガス放電媒体213の一部分をチャンバ211内の金属フッ化物塵埃208と共に、MFT300内へと移送するように構成することができる。第1及び第2の出力ポート222、224は、MFT300からのガス放電媒体213の一部分(例えば、金属フッ化物塵埃208が除去された清浄ガス)を、再びチャンバ211に通して、それぞれ第1及び第2の光学窓218、220に移送するように構成することができる。
【0056】
[0062] 光増幅器206は、OC250及びLNM260に光学的に結合することができる。光増幅器206は、光ビーム202を出力するように構成することができる。光ビーム202は、OC250及びLNM260によって規定される光共振器270のチャンバ211内の電極204間のガス放電媒体213中で生成することができる。チャンバ211は、MFT300と、第1及び第2の光学窓218、220に結合することができる。ガス放電媒体213を、ブロワ212により、チャンバ211内の電極204の間で循環させることができる。いくつかの実施形態では、ブロワ212は、横流ブロワであり得る。ガス放電媒体213の一部分を、ブロワ212の下流の入力ポート214において引き込み、MFT300を通して導くことができる。清浄ガスを、第1及び第2の光学窓218、220を通して循環させてチャンバ211内へと戻して、清浄ガスにレーザデブリ(例えば、金属フッ化物塵埃208)が存在しないようにできる。いくつかの実施形態では、ブロワ212及び/又は圧力制御システム240(例えば、真空ライン244)は、チャンバ211からMFT300(例えば、入力ポート214)内への流量を約100sccmに維持することができる。
【0057】
[0063] ガス放電媒体213は、例えば放電により、励起されて光が出力され、光はレーザキャビティ内で増幅されて光ビーム202(例えば、157nm又は193nm又は248nm)を生成することができる。いくつかの実施形態では、ガス放電媒体213は、エキシマレイジング用のガス(例えば、Ar2、Kr2、F2、Xe2、ArF、KrCl、KrF、XeBr、XeCl、XeFなど)を含むことができる。例えば、ガス放電媒体213は、ArFを含むことができ、チャンバ211内で取り囲んでいる電極204からの励起(例えば、印加電圧)により、第1及び第2の光学窓218、220を通して光ビーム202(例えば、157nm又は193nm又は248nm)を出力する。いくつかの実施形態では、ガス放電媒体213は、エキシマ媒体を含むことができる。例えば、ガス放電媒体213は、F2、ArF、KrF、及び/又はXeFを含むことができる。
【0058】
[0064] OC250は、第2の光学窓220と光学的につながるように構成することができる。いくつかの実施形態では、OC250は、光ビームを部分的に反射し、光共振器270の一部を形成するように構成することができる。例えば、OCは、2011年2月8日に発行された米国特許第7,885,309号に以前に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図2に示すように、OC250は、第1の光共振器要素252を含んで、光増幅器206からの光(例えば、光ビーム202)を導いて、光増幅器206内へと戻すこと、及び/又は光ビーム202を出力することができる。第1の光共振器要素252は、調整する(例えば、傾斜させる)ことができる。
【0059】
[0065] LNM260は、第1の光学窓218と光学的につながるように構成することができる。いくつかの実施形態では、LNM260は、光ビームにスペクトル線の狭隘化を提供し、光共振器270の一部を形成するように構成することができる。例えば、LNMは、2012年2月28日に発行された米国特許第8,126,027号に以前に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図2に示すように、LNM260は、第2の光共振器要素262を含んで、光増幅器206からの光(例えば、光ビーム202)をOC250に向かって導いて、光増幅器206内へと戻すことができる。第2の光共振器要素262は、調整する(例えば、傾斜させる、角度を付ける)ことができる。
【0060】
[0066] 電圧制御システム230は、チャンバ211内の電極204の両端に高電圧電気パルスを印加して、ガス放電媒体213を励起させて、光ビーム202(例えば、157nm、193nm、又は248nm)を出力するように構成することができる。電圧制御システム230は、電圧供給ライン232を含むことができる。いくつかの実施形態では、電圧制御システム230は、電極204の両端に高電圧電気パルスを提供するために、高電圧電源(図示せず)、電圧圧縮増幅器(図示せず)、パルスエネルギーモニタ(図示せず)、及び/又はコントローラ(図示せず)を含むことができる。例えば、電圧制御システムは、2001年5月29日に発行された米国特許第6,240,117号に以前に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
[0067] 圧力制御システム240は、チャンバ211内のフッ素濃度を制御し、ガス放電媒体213をチャンバ211に提供するように構成することができる。圧力制御システム240は、ガス放電ライン242及び真空ライン244を含むことができる。ガス放電ライン242は、ガス放電媒体213の1種以上のガス成分(例えば、He、Ne、Ar、Kr、Xe,F2、Br2、Cl2など)をチャンバ211に供給するように構成することができる。真空ライン244は、例えば、1つ以上のガス成分をガス放電ライン242を介してガス放電媒体213に注入している間に、チャンバ211内のガス放電媒体213の一部分に負圧を印加する(例えば、引き出す)ように構成することができる。いくつかの実施形態では、圧力制御システム240は、チャンバ211内のフッ素濃度を制御し、チャンバ211内にガス放電媒体213を補充するために、1つ以上のガス源(図示せず)、1つ以上の圧力調整器(図示せず)、真空ポンプ(図示せず)、フッ素(F2)トラップ若しくは他のハロゲントラップ、及び/又はコントローラ(図示せず)を含むことができる。例えば、圧力制御システムは、2001年5月29日に発行された米国特許第6,240,117号に以前に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、圧力制御システム240は、ガス放電ステージ210に結合され、ガス放電媒体213の一部分を金属フッ化物塵埃208と共に、MFT300の入力ポート214を通して、MFT300(例えば、充填層フィルタアセンブリ400)を通して、そしてMFT300の第1及び/又は第2の出力ポート222、224を通して流すように構成することができる。
【0062】
[0068] 例示的な金属フッ化物トラップ(MFT)
[0069]
図3は、例示的な実施形態による、
図2に示す光源装置200のMFT300の(
図2のIII-IIIで示す平面に沿った)概略断面図である。
図4は、例示的な実施形態による、
図3に示すMFT300の充填層フィルタアセンブリ400の(
図3のIV-IVで示す平面に沿った)概略断面図である。
【0063】
[0070] いくつかの実施形態では、MFT300は、ガス放電ステージ210のチャンバ211内のガス放電媒体213中で生成された金属フッ化物塵埃208をトラップするように構成することができる。MFT300は、第1及び第2の光学窓218、220における金属フッ化物塵埃208の蓄積を低減させ、ガス放電ステージ210(例えば、MO)の耐用寿命及びレーザー性能を向上させるように更に構成することができる。MFT300が、スタンドアロン型の装置及び/又はシステムとして
図3に示されているが、本開示の実施形態は、放射源SO、リソグラフィ装置LA、光源装置200、及び/又は他の光学システムなどであるが、これらに限定されない、他の光学システムと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、MFT300は、光源装置200の3Dフレーム201の外部にあり得る。例えば、MFT300は、入力ポート214と、MFT300が3Dフレーム201の外部に存在するように延ばすことができる第1及び第2の出力ポート222、224とを介して、チャンバ211に接続することができる。
【0064】
[0071] いくつかの実施形態では、MFT300は、MFTフレーム301、チャンバ211に結合された入力ポート214、チャンバ211及び第1の光学窓218に結合された第1の出力ポート222、チャンバ211及び第2の光学窓220に結合された第2の出力ポート224、静電集塵器320、及び充填層フィルタアセンブリ400を含むことができる。いくつかの実施形態では、MFTフレーム301は円筒形であり得る。例えば、MFTフレーム301は、約10mm(直径)×約100mm(長さ)であり得る。
【0065】
[0072] いくつかの実施形態では、入力ポート214は、ガス放電媒体213の一部分をチャンバ211内の金属フッ化物塵埃208と共に、MFT300内へと移送するように構成することができる。
図3に示すように、ガス放電媒体213は、充填層フィルタアセンブリ400を通って静電集塵器320に向かって流れることができ、金属フッ化物塵埃208は、充填層フィルタアセンブリ400に吸収され得る。第1及び第2の出力ポート222、224は、充填層フィルタアセンブリ400及びMFT300の静電集塵器320を通過したガス放電媒体213の一部分(例えば、金属フッ化物塵埃208が除去された清浄ガス)を、再びチャンバ211に通して、それぞれ第1及び第2の光学窓218、220に移送するように構成することができる。
【0066】
[0073] いくつかの実施形態では、静電集塵器320は、MFT300を通って流れる金属フッ化物塵埃208中に電荷を誘起し、残っている金属フッ化物塵埃208の吸着を促進するように構成することができる。静電集塵器320は、中心ワイヤ322、集塵管324、及び高電圧供給部328を含むことができる。中心ワイヤ322と集塵管324の内面326(例えば、接地された)との間に強い電界を発生させるために、高電圧供給部328を介して、高電圧(例えば、数kV)を中心ワイヤ322に印加することができる。いくつかの実施形態では、内面326に静電荷を形成するために、中心ワイヤ322が集塵管324(例えば、円筒形)を軸方向に通過することができる。中心ワイヤ322と内面326との間に高電圧差(例えば、数kV)が印加されると、充填層フィルタアセンブリ400を通って流れた後に残っているあらゆる金属フッ化物塵埃208が、内面326に付着する可能性がある。静電集塵器320は、充填層フィルタアセンブリ400の第1及び第2の管端部支持体416、418を超えてMFT300の長さを延ばすことができる。
【0067】
[0074] いくつかの実施形態では、充填層フィルタアセンブリ400は、MFT300を通って流れる金属フッ化物塵埃208を吸収するように構成することができる。充填層フィルタアセンブリ400は、充填層フィルタ402、404及び集塵管アセンブリ410を含むことができる。充填層フィルタ402、404は、金属フッ化物塵埃208を吸収するように構成されたビーズ406、408を含むことができる。いくつかの実施形態では、
図3及び
図4に示すように、充填層フィルタ402、404は、静電集塵器320の周囲に配置することができる。いくつかの実施形態では、充填層フィルタ402、404は、ビーズ406、408によって定義される総表面積(例えば、金属フッ化物トラップ容量)を有する。いくつかの実施形態では、総表面積は、MFT300を通るガス放電媒体213の流量を制御するように構成することができる。
【0068】
[0075] いくつかの実施形態では、充填層フィルタアセンブリ400は、バッフル(例えば、第2の集塵管414)によって分離された複数の充填層フィルタ402、404を含むことができる。例えば、
図3及び
図4に示すように、充填層フィルタアセンブリ400は、第2の集塵管414によって分離された第1の(外側)充填層フィルタ402及び第2の(内側)充填層フィルタ404を含むことができる。いくつかの実施形態では、充填層フィルタアセンブリ400は、異なる充填層フィルタ402、404を含むことができる。例えば、
図3及び
図4に示すように、充填層フィルタアセンブリ400は、第1の複数のビーズ406(例えば、より大きな直径、より小さな表面積、より低い充填密度、第1の材料、第1の粗さなど)を有する第1の(外側)充填層フィルタ402と、第1の(外側)充填層フィルタ402とは異なる第2の複数のビーズ408(例えば、より小さな直径、より大きな表面積、より高い充填密度、第2の材料、第2の粗さなど)を有する第2の(内側)充填層フィルタ404と、を含むことができる。例えば、第1及び第2の充填層フィルタ402、404は、異なる直径、異なる表面積、異なる充填密度、及び/又は異なる材料を有する異なるビーズ406、408を有することができる。更に、3つ以上の充填層フィルタを有する実装形態も企図される。
【0069】
[0076] いくつかの実施形態では、第1の複数のビーズ406を有する第1の充填層フィルタ402及び第2の複数のビーズ408を有する第2の充填層フィルタ404は同じであり得る。例えば、第1及び第2の複数のビーズ406、408は同一であり得る(例えば、形状、サイズ、材料など)。いくつかの実施形態では、第1の複数のビーズ406を有する第1の充填層フィルタ402及び第2の複数のビーズ408を有する第2の充填層フィルタ404は異なり得る。例えば、第1及び第2の複数のビーズ406、408は異なり得る(例えば、形状、サイズ、材料など)。
【0070】
[0077] いくつかの実施形態では、第1及び第2の複数のビーズ406、408は、充填層フィルタ402、404内に、ランダム疎充填(RLP)、ランダム最密充填(RCP)(例えば、振とう)、モノサイズ球充填(例えば、面心立方(FCC))、マルチサイズ球充填(例えば、空孔を満たすためのより小さな直径のビーズを用いたFCC)などで配置することができる。例えば、第1及び第2の複数のビーズ406、408は、RLP(例えば、約60%の充填密度)、RCP(例えば、約64%の充填密度)、モノサイズ球充填(例えば、約74%の充填密度)、及び/又はマルチサイズ球充填(例えば、約93%の充填密度)で配置することができる。いくつかの実施形態では、第1の充填層フィルタ402及び/又は第2の充填層フィルタ404は、第1及び第2の複数のビーズ406、408の両方を含むことができる。例えば、第1及び第2の複数のビーズ406、408は、第1の充填層フィルタ402が、第2の充填層フィルタ404とは異なる充填密度及び総表面積を有するように、第1及び第2の充填層フィルタ402、404内に異なって配置することができる。
【0071】
[0078] いくつかの実施形態では、ビーズ406、408は球形であり得る。例えば、ビーズ406、408は、約1mm~約10mmの直径を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の複数のビーズ406は、約5mm~約10mmの直径を有することができ、第2の複数のビーズ408は、約1mm~約5mmの直径を有することができる。例えば、第1の複数のビーズ406は、約5mmの直径を有することができ、第2の複数のビーズ408は、約2mmの直径を有することができる。いくつかの実施形態では、ビーズ406、408は、滑らかに研磨された外面を有することができる。例えば、ビーズ406、408は、ボールベアリングであり得る。いくつかの実施形態では、ビーズ406、408は、フッ化物耐食性材料を含むことができる。例えば、ビーズ406、408は、ガラス様成分、結晶性成分、金属、及び/又は酸化物を含むことができる。例えば、ビーズ406、408は、アルミニウム、ジュラルミン、アルミナ、ニッケル、モネル、真ちゅう、銅、亜鉛、ホウ化カルシウム、フッ化カルシウム、及び/又はそれらのいくつかの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、ビーズ406、408は、異なる材料を有することができる。例えば、第1の複数のビーズ406は、第1の材料(例えば、真ちゅう)を含むことができ、第2の複数のビーズ408は、第2の材料(例えば、アルミナ)を含むことができる。
【0072】
[0079] いくつかの実施形態では、集塵管アセンブリ410は、充填層フィルタアセンブリ400内にビーズ406、408を組み立てるように構成することができる。集塵管アセンブリ410は、集塵管412、414、第1の管端部支持体416、及び第2の管端部支持体418を含むことができる。集塵管412、414は、第1の管端部支持体416と第2の管端部支持体418との間に配置することができる。いくつかの実施形態では、集塵管アセンブリ410は円筒形であり得る。例えば、集塵管412、414、並びに第1及び第2の管端部支持体416、418は、円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、集塵管アセンブリ410は、充填層フィルタアセンブリ400内のガス放電媒体213の流れを充填層フィルタアセンブリ400の全長に沿って導くように構成された1つ以上のバッフルを含むことができる。例えば、
図3に示すように、集塵管412、414は、集塵管412、414と第1及び第2の管端部支持体416、418との間にギャップを形成するために、集塵管412、414の遠位端に小さな開口部420、422(例えば、スロット、ノッチ、アパーチャなど)を含むことができる。
【0073】
[0080] いくつかの実施形態では、集塵管アセンブリ410は、第1の管端部支持体416と第2の管端部支持体418との間に複数の集塵管412、414を含むことができる。例えば、集塵管アセンブリ410は、第1の集塵管412及び第2の集塵管414を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の集塵管412、414は同心であり得る。例えば、第1の(外側の)集塵管412は、第2の(内側の)集塵管414の周りに配置することができる。いくつかの実施形態では、集塵管アセンブリ410は、ガラス様成分、結晶性成分、金属、及び/又は酸化物を含むことができる。例えば、集塵管412、414は、アルミニウム、ジュラルミン、アルミナ、ニッケル、モネル、真ちゅう、銅、亜鉛、ホウ化カルシウム、フッ化カルシウム、及び/又はそれらのいくつかの組み合わせを含むことができる。
【0074】
[0081] 例示的なフロー図
[0082]
図5は、一実施形態による、ガス放電ステージ210において金属フッ化物塵埃208をトラップするための流れ
図500を示す。本明細書で提供される開示を実行するために、
図5の全てのステップが必要とは限らないことを理解されたい。更に、いくつかのステップは、同時に、連続して、及び/又は
図5に示すものとは異なる順序で実行されてもよい。流れ
図500は、
図2~
図4を参照して説明されることになる。しかしながら、流れ
図500は、それらの例示的な実施形態に限定されない。
【0075】
[0083] ステップ502において、
図3及び
図4に示すように、第1の管端部支持体416と第2の管端部支持体418との間に第1及び第2の集塵管412、414を含む集塵管アセンブリ410を組み立てることができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の集塵管412、414は、集塵管アセンブリ410内で同心円状に配置することができる。例えば、第1の(外側の)集塵管412は、第2の(内側の)集塵管414の周りに配置することができる。いくつかの実施形態では、集塵管アセンブリ410は、第1及び第2の複数のビーズ406、408を分離するための1つ以上のバッフルを含むことができる。例えば、第2の集塵管414は、短縮された長さを有して開口部(例えば、第1及び第2の小さな開口部420、422)を形成することができ、第1の複数のビーズ406と第2の複数のビーズ408との間に配置されたバッフルとして利用することができる。
【0076】
[0084] ステップ504において、
図3及び
図4の例に示すように、集塵管アセンブリ410内の複数の充填層フィルタ402、404を、静電集塵器320の周囲に組み立てて、充填層フィルタアセンブリ400を形成することができる。各充填層フィルタ402、404は、ガス放電媒体213中の金属フッ化物塵埃208を吸収するように構成された複数のビーズ406、408を含む。いくつかの実施形態では、複数の充填層フィルタ402、404を組み立てることは、複数の集塵管412、414の間に複数のビーズ406、408を充填することを含む。例えば、第1の複数のビーズ406を、第1の集塵管412と第2の集塵管414との間に充填することができ、第2の複数のビーズ408を、第2の集塵管414と静電集塵器320との間に充填することができる。いくつかの実施形態では、充填することは、第2の集塵管414と静電集塵器320との間に充填された第2の複数のビーズ408とは異なる第1の複数のビーズ406を、第1の集塵管412と第2の集塵管414との間に充填することを含む。例えば、第1の複数のビーズ406は、第2の複数のビーズ408とは異なる直径、異なる表面積、異なる充填密度、異なる材料、及び/又は異なるビーズの組み合わせを有することができる。
【0077】
[0085] ステップ506において、
図3及び
図4の例に示すように、充填層フィルタアセンブリ400を、MFT300内へと挿入することができる。
【0078】
[0086] ステップ508において、
図2~
図4の例に示すように、MFT300を貫流するようにガス放電媒体213を導くことができる。
【0079】
[0087] ステップ510において、
図2~
図4の例に示すように、金属フッ化物塵埃208を充填層フィルタアセンブリ400内にトラップすることができる。
【0080】
[0088] いくつかの実施形態では、この方法は、充填層フィルタアセンブリ400から複数のビーズ406、408を除去することと、複数のビーズ406、408を洗浄することと、複数のビーズ406、408を充填層フィルタアセンブリ400内に再組み立てすることと、を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、充填層フィルタアセンブリ400から複数のビーズ406、408を除去することと、第2の複数のビーズ(例えば、ビーズ406、408と同様の新しいビーズ)を充填層フィルタアセンブリ400内に再組み立てすることと、を更に含むことができる。
【0081】
[0089] 本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的に言及されている可能性があるが、本明細書で説明するリソグラフィ装置は、磁区メモリ、フラットパネルディスプレイ、LCD、薄膜磁気ヘッド等のためのガイダンス及び検出パターン、集積光学システムの製造などの、他の用途を有することがあることを理解されたい。当業者であれば、そのような代替の用途の文脈において、本明細書での「ウェーハ」又は「ダイ」という用語の使用は、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」というより一般的な用語の同義としてみなすことができることを、理解するであろう。本明細書で言及される基板は、露光の前又は後で、例えば、トラックユニット(通常、レジストの層を基板に塗布し、露光されたレジストを現像するツール)、計測ユニット及び/又は検査ユニットで処理されることがある。適用可能である場合、本明細書の開示は、そのような他の基板処理ツールに適用することができる。更に、基板は、例えば多層ICを生成するために2度以上処理されることがあり、その結果、本明細書で使用する基板という用語は、複数の処理済層を既に包含している基板を指すこともある。
【0082】
[0090] 光リソグラフィに関連して、実施形態の使用について上記で具体的に言及してきたが、実施形態は他の用途、例えばインプリントリソグラフィにおいても使用することができ、状況が許せば、光リソグラフィに限定はされないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが、基板上に生成されるパターンを規定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジストの層にプレスされることがあり、基板上では、電磁放射、熱、圧力、又はそれらの組み合わせを印加することにより、レジストが硬化される。パターニングデバイスはレジストから外部に移動され、レジストが硬化された後でレジストにパターンを残す。
【0083】
[0091] 本明細書の語句又は用語は、説明の目的のためのものであり、限定するものではなく、本明細書の用語又は語句は、関連技術分野の当業者によって、本明細書の教示に照らし合わせて解釈されるべきものであることを、理解されたい。
【0084】
[0092] 本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、その上に材料層が追加される材料を表す。いくつかの実施形態では、基板自体がパターン形成されてもよく、基板の上部に追加された材料もまたパターン形成されてもよく、又はパターン形成されないままであってもよい。
【0085】
[0093] 以下の例は、本開示の実施形態の例示であるが、限定するものではない。当分野で通常遭遇する、及び関連技術分野の当業者には明らかとなるであろう、様々な条件及びパラメータの他の好適な修正及び適合が、本開示の趣旨及び範囲内にある。
【0086】
[0094] 本明細書では、ICの製造における装置及び/又はシステムの使用について具体的に言及されている場合があるが、そのような装置及び/又はシステムには多くの他の可能な用途があることを明確に理解すべきである。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、LCDパネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造に使用できる。当業者であれば、そのような代替の用途との関連において、本明細書における「レチクル」、「ウェーハ」、又は「ダイ」という用語の使用は、それぞれ、「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」という、より一般的な用語で置き換えられると考えるべきであることを理解するであろう。
【0087】
[0095] 具体的な実施形態について上記で説明したが、本実施形態は、説明したものとは別の態様で実施されてもよいことが理解されるであろう。説明は、特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。
【0088】
[0096] 「発明の概要」及び「要約」の章ではなく、「発明を実施するための形態」の章が、請求項を解釈するために使用されるように意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約」の章は、発明者らによって企図された例示的な実施形態の、全てではないが1つ又は複数を記載していることがあり、従って、いかなる態様でも、実施形態及び添付の特許請求の範囲を限定することを意図していない。
【0089】
[0097] 具体的な機能の実装及びそれらの関係を示す機能的構成ブロックの助けを借りて実施形態を上述してきた。これらの機能的構成ブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書では任意に規定される。特定の機能及びそれらの関係が適切に実行される限り、代替の境界を規定することができる。
【0090】
[0098] 特定の実施形態についての前述の説明は、実施形態の一般的性質を完全に明らかにしているので、当分野の技術の範疇の知識を応用することによって、他者が、実施形態の一般的な概念から逸脱することなく、不適当な実験を行うことなしに、そのような特定の実施形態を容易に修正する及び/又は様々な用途へ適合させることができる。従って、そのような適合及び修正は、本明細書で提示された教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の均等物の趣旨及び範囲の内部にあることが意図されている。
【0091】
[0099] 本発明の他の態様が、以下の番号付けされた条項に記載される。
条項1.
ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバを備える光増幅器であって、ガス放電媒体は光ビームを出力する、光増幅器と、
光増幅器の周囲に光共振器を形成するように構成された光学要素のセットと、を備える、ガス放電ステージと;
ガス放電ステージで発生する金属フッ化物塵埃をトラップするように構成された金属フッ化物トラップであって、金属フッ化物トラップは、
静電集塵器と、
静電集塵器の周囲に配置された充填層フィルタであって、
金属フッ化物塵埃を吸収するように構成された複数のビーズを含む、充填層フィルタと、
を備える、金属フッ化物トラップと、
を備える、光源装置。
条項2.
充填層フィルタは、金属フッ化物トラップを通るガス放電媒体の流量を制御するように構成された総表面積を有する、条項1に記載の光源装置。
条項3.
充填層フィルタは、バッフルによって分離された複数の充填層フィルタを備える、条項1に記載の光源装置。
条項4.
複数の充填層フィルタの各々は異なる、条項3に記載の光源装置。
条項5.
複数の充填層フィルタの各々は、異なる表面積を有する、条項4に記載の光源装置。
条項6.
複数の充填層フィルタの各々は、異なる充填密度を有する、条項4に記載の光源装置。
条項7.
複数のビーズの各々は球形であり、滑らかに研磨された外面を含む、条項1に記載の光源装置。
条項8.
複数のビーズは、フッ化物耐食性材料を含む、条項1に記載の光源装置。
条項9.
複数のビーズは、第1の複数のビーズと、第1の複数のビーズとは異なる第2の複数のビーズとを含む、条項1に記載の光源装置。
条項10.
ガス放電媒体は、エキシマ媒体を含む、条項1に記載の光源装置。
条項11.
ガス放電媒体は、F2、ArF、KrF、及び/又はXeFを含む、条項10に記載の光源装置。
条項12.
光学要素のセットは、
チャンバの第1の光ポートに光学的につながった光結合器(OC)と、
チャンバの第2の光ポートに光学的につながった線幅狭隘化モジュール(LNM)と、を備える、条項1に記載の光源装置。
条項13.
ガス放電ステージに結合され、金属フッ化物トラップの入力ポートを通って、充填層フィルタを通って、そして金属フッ化物トラップの1つ以上の出力ポートを通って流れるように、ガス放電媒体の一部分を導くように構成された、圧力制御システムを更に備える、条項1に記載の光源装置。
条項14.
ガス放電ステージのガス放電媒体中で生成された金属フッ化物塵埃をトラップするように構成された金属フッ化物トラップであって、金属フッ化物トラップは、
静電集塵器と、
静電集塵器の周囲に配置された充填層フィルタであって、
充填層フィルタは、ガス放電媒体中の金属フッ化物塵埃を吸収するように構成された複数のビーズを含む、充填層フィルタと、を備える、金属フッ化物トラップ。
条項15.
充填層フィルタは、金属フッ化物トラップを通るガス放電媒体の流量を制御するように構成された総表面積を有する、条項14に記載の金属フッ化物トラップ。
条項16.
複数のビーズの各々は球形である、条項14に記載の金属フッ化物トラップ。
条項17.
各ビーズは、約1mm~約10mmの直径を有する、条項16に記載の金属フッ化物トラップ。
条項18.
各ビーズは、滑らかに研磨された外面を含む、条項16に記載の金属フッ化物トラップ。
条項19.
複数のビーズは、フッ化物耐食性材料を含む、条項14に記載の金属フッ化物トラップ。
条項20.
フッ化物耐食性材料は、ガラス様成分、結晶性成分、金属、及び/又は酸化物を含む、条項19に記載の金属フッ化物トラップ。
条項21.
フッ化物耐食性材料は、アルミニウム、ジュラルミン、アルミナ、ニッケル、モネル、真ちゅう、銅、亜鉛、ホウ化カルシウム、及び/又はフッ化カルシウムを含む、条項19に記載の金属フッ化物トラップ。
条項22.
複数のビーズは、第1の複数のビーズと、第1の複数のビーズとは異なる第2の複数のビーズとを含む、条項14に記載の金属フッ化物トラップ。
条項23.
第1の複数のビーズは、第1の寸法を有し、第2の複数のビーズは、第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する、条項22に記載の金属フッ化物トラップ。
条項24.
第1の複数のビーズは、第1の材料を含み、第2の複数のビーズは、第1の材料とは異なる第2の材料を含む、条項22に記載の金属フッ化物トラップ。
条項25.
ガス放電ステージのガス放電媒体中で生成された金属フッ化物塵埃を、金属フッ化物トラップ内でトラップする方法であって、方法は、
第1の管端部支持体と第2の管端部支持体との間に複数の集塵管を備える集塵管アセンブリを組み立てることと、
集塵管アセンブリにおいて静電集塵器の周囲に複数の充填層フィルタを組み立てて、充填層フィルタアセンブリを形成することであって、各充填層フィルタは、ガス放電媒体中の金属フッ化物塵埃を吸収するように構成された複数のビーズを含む、ことと、
充填層フィルタアセンブリを金属フッ化物トラップ内へと挿入することと、
金属フッ化物トラップを通って流れるようにガス放電媒体を導くことと、
充填層フィルタアセンブリ内に金属フッ化物塵埃をトラップすることと、を含む、方法。
条項26.
複数の充填層フィルタを組み立てることは、複数の集塵管の間に複数のビーズを充填することを含む、条項25に記載の方法。
条項27.
充填することは、内側の複数の集塵管の間に内側の複数のビーズを充填することと、外側の複数の集塵管の間に内側の複数のビーズとは異なる外側の複数のビーズを充填することと、を含む、条項26に記載の方法。
条項28.
外側の複数のビーズは、内側の複数のビーズとは異なる表面積及び/又は充填密度を有する、条項27に記載の方法。
条項29.
充填層フィルタアセンブリから複数のビーズを除去することと、複数のビーズを洗浄することと、複数のビーズを充填層フィルタアセンブリ内に再組み立てすることと、を更に含む、条項25に記載の方法。
条項30.
充填層フィルタアセンブリから複数のビーズを除去することと、第2の複数のビーズを充填層フィルタアセンブリ内に再組み立てすることと、を更に含む、条項25に記載の方法。
【0092】
[0100] 実施形態の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ規定されるべきである。