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特許7394966サンプル保存装置、その作動方法及び作動プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】サンプル保存装置、その作動方法及び作動プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/60 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
G06T11/60 100D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022511533
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(86)【国際出願番号】 JP2020047779
(87)【国際公開番号】W WO2021199533
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】P 2020064615
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 幸典
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-090447(JP,A)
【文献】特開2007-312058(JP,A)
【文献】特開2005-049939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備えており、
前記プロセッサは、
テンプレートと画像とを合成することにより作成されたアルバムを取得する取得処理と、
前記アルバム内の画像に含まれる人物の顔を個人の特定が困難な状態に加工する加工処理と、
前記加工処理を施した前記アルバムを、サンプルとしてデータベースに保存する保存処理と、を実行するサンプル保存装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記加工処理において、前記画像に含まれる人物の顔を模式的な顔に置き換える請求項1に記載のサンプル保存装置。
【請求項3】
前記模式的な顔は、イラスト、アニメ及びアバターのうちのいずれかである請求項2に記載のサンプル保存装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記加工処理において、前記画像に含まれる人物の顔に対してモザイク処理を施す請求項1に記載のサンプル保存装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、予め設定された保存条件に基づいて、取得された前記アルバムを前記サンプルとして保存するか否かを決定する請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載のサンプル保存装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、取得した前記アルバムと保存済みの前記サンプルとの類似度が予め設定された閾値以上の場合には、取得された前記アルバムを前記サンプルとして保存しない請求項5に記載のサンプル保存装置。
【請求項7】
取得した前記アルバムが、前記加工処理が施された前記サンプルに基づいて作成されている場合において、
前記プロセッサは、基となる前記サンプルに対する、取得した前記アルバムの編集量が予め設定された閾値以下の場合は、取得した前記アルバムを前記サンプルとして保存しない請求項5又は請求項6に記載のサンプル保存装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、さらに、ユーザによって入力された検索条件に基づいて、前記データベースに保存された前記サンプルの中から検索条件に合致するサンプルを検索し、検索した前記サンプルを前記ユーザに提示する請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載のサンプル保存装置。
【請求項9】
前記検索条件は、前記サンプルに使用されている前記テンプレートの種類、前記サンプルの作成者、前記サンプルに含まれる前記画像が撮影された会場、及び前記サンプルに対する評価のうちの少なくとも1つを含む請求項8に記載のサンプル保存装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記検索条件として、ユーザが作成予定の前記アルバムに使用する予定のユーザ画像を受け付けることが可能であり、
前記ユーザ画像と前記サンプルに含まれている前記画像との類似度を算出し、
算出した前記類似度が相対的に高い前記サンプルを前記類似度が相対的に低い前記サンプルに対して優先して前記ユーザに提示する請求項8又は請求項9に記載のサンプル保存装置。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサを備えており、
前記プロセッサは、
テンプレートと画像とを合成することにより作成されたアルバムを取得する取得処理を実行し、
前記アルバム内の画像に含まれる人物の顔を個人の特定が困難な状態に加工する加工処理を実行し、
前記加工処理を施した前記アルバムを、サンプルとしてデータベースに保存する保存処理を実行するサンプル保存装置の作動方法。
【請求項12】
コンピュータに、
テンプレートと画像とを合成することにより作成されたアルバムを取得する取得処理と、
前記アルバム内の画像に含まれる人物の顔を個人の特定が困難な状態に加工する加工処理と、
前記加工処理を施した前記アルバムを、サンプルとしてデータベースに保存する保存処理と、を実行させるための
サンプル保存装置の作動プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、サンプル保存装置、その作動方法及び作動プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
結婚式などで撮影された複数枚の写真をテンプレートに貼り付けてアルバムを作成するアルバム作成サービスが知られている。特開2007-026422号公報には、テンプレートを用いたアルバム作成を支援するアルバム作成装置が記載されている。テンプレートは、写真が貼り付けられる台紙として機能し、写真が嵌め込まれる複数の枠を有し、枠のサイズ、数及び枠の頁内でのレイアウトなどを規定したものである。
【発明の概要】
【0003】
アルバム作成装置には、テンプレートのどの枠にどのような写真を貼り付けるかという写真の選択をプログラムによって行うものもあるが、こうした写真の選択を、アルバムの編集者であるユーザのマニュアル操作に委ねるものも多い。
【0004】
ユーザは、複数枚の写真の中から、写真を一枚ずつ目視で確認して、アルバムの全体的な構成及び流れを考えながら、テンプレート内の各枠に嵌め込む写真を選択する編集作業を行う。アルバムの全体的な構成及び流れとは、どのような写真をどのような順番で配置していくかといったアルバムの編集方針を意味する。特に、結婚式等の場合はアルバムに使用する写真の枚数が非常に多くなることが多い。その場合は、大量の写真の中からアルバムに使用する写真を選択する編集作業は非常に時間が掛かる。また、結婚式等の場合は、会場が異なったり、あるいは、同じ会場でも神前式か教会式かなどの様式が異なったりするなど、各種の態様があり、こうした各種の態様に応じて、アルバムの編集方針も大きく変わってしまうことがある。アルバムの完成度だけを考えれば、各種の態様に最適化させることが好ましいが、そうすると、編集作業には余計に時間が掛かってしまうことが多い。
【0005】
テンプレートは、このような編集作業の時間を短縮するための工夫として利用される。しかし、写真を嵌め込む枠だけを規定したテンプレートだけが用意されていても、それだけでは、アルバムの全体的な構成及び流れのイメージが沸きにくく、どの枠にどの写真を嵌め込むかといった写真の選択には依然として時間が掛ってしまう。
【0006】
そこで、アルバムの編集作業の際に、テンプレートだけではなく、写真が嵌め込まれた作成済みのアルバムをサンプルとして利用することが考えられる。写真が嵌め込まれたサンプルであれば、どのような写真をどのような順番で配置するといったアルバムの全体的な構成及び流れのイメージが分かりやすいため、編集作業の時間短縮化には有効である。
【0007】
しかしながら、作成済みのアルバムをサンプルとして利用する方法には次のような問題がった。まず、大手のアルバム作成業者などであれば、業者内に大量のアルバムの蓄積があるため、これらを業者の社員がサンプルとして使用しやすい。また、大手のアルバム作成業者では、決まった会場との契約関係を前提に同じ会場で行われる結婚式のアルバム作成を継続的に行う場合が多い。そのため、大手のアルバム作成業者は、同じ会場のアルバム作成を請け負うことが多いため、その会場に適したサンプルを収集しやすい。これに対して、結婚式で撮影を行ったカメラマン自身又は個人事業者などの小規模の事業者がアルバム作成を請け負う場合は、サンプルの蓄積が非常に少ないため、自ら利用できるサンプルの種類が少ない場合が多い。特に、小規模の事業者の場合は、同じ会場の結婚式のアルバム作成を継続的に請け負うことは少なく、日々会場が異なることが多く、様々な会場に適したサンプルを利用しにくいという事情もある。
【0008】
そこで、小規模なアルバム作成業者同士で、サンプルを共有することが考えられるが、異なる業者間で、写真付きのサンプルを共有することには、アルバム作成依頼者のプライバシーの保護の観点で問題があった。
【0009】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、アルバムのサンプルに含まれる写真提供者のプライバシーを保護しつつ、各種のサンプルを共有することが可能なサンプル保存装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示によるサンプル保存装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、プロセッサは、テンプレートと画像とを合成することにより作成されたアルバムを取得する取得処理と、アルバム内の画像に含まれる人物の顔を個人の特定が困難な状態に加工する加工処理と、加工処理を施したアルバムを、新しいアルバムの作成に使用されるサンプルとして格納部に保存する保存処理と、を実行する。
【0011】
本開示のサンプル保存装置の作動方法は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、 プロセッサは、テンプレートと画像とを合成することにより作成されたアルバムを取得する取得処理を実行し、アルバム内の画像に含まれる人物の顔を個人の特定が困難な状態に加工する加工処理を実行し、加工処理を施したアルバムを、新しいアルバムの作成に使用されるサンプルとして格納部に保存する保存処理を実行する。
【0012】
本開示のサンプル保存装置の作動プログラムは、少なくとも1つのプロセッサを含むコンピュータをサンプル保存装置として機能させるための作動プログラムにおいてテンプレートと画像とを合成することにより作成されたアルバムを取得する取得処理と、アルバム内の画像に含まれる人物の顔を個人の特定が困難な状態に加工する加工処理と、加工処理を施したアルバムを、新しいアルバムの作成に使用されるサンプルとして格納部に保存する保存処理と、をプロセッサに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】サンプル保存装置の収集機能を説明する概略図である。
図2】サンプル保存装置の提示機能を説明する概略図である。
図3】サンプル保存装置のブロック図である。
図4】収集処理の概要を示す説明図である。
図5】不特定化処理の一例を示す説明図である。
図6】保存サンプル情報の説明図である。
図7】提示処理の概要を示す説明図である。
図8】メイン画面の一例を示す図である。
図9】第1実施形態における検索画面の一例を示す図である。
図10】リスト表示画面の一例を示す図である。
図11】サンプル表示画面の一例を示す図である。
図12】編集画面の一例を示す図である。
図13】収集処理の処理手順を示すフローチャートである。
図14】提示処理の処理手順を示すフローチャートである。
図15】不特定化処理の他の一例を示す説明図である。
図16】不特定化処理のさらに他の一例を示す説明図である。
図17】不特定化処理のさらに他の一例を示す説明図である。
図18】第2実施形態における検索画面の一例を示す図である。
図19】ユーザ画像とサンプルの類似度の算出方法の概要図である。
図20】第2実施形態におけるリスト表示画面の一例を示す図である。
図21】第3実施形態の説明図である。
図22】記憶媒体に格納した作動プログラムをサンプル保存装置にインストールする例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
図1に一例として示すサンプル共有システム1は、例えば、複数のユーザが作成したアルバムALを、新しくアルバムALを作成する際のサンプルSPとしてユーザ間で共有させるためのシステムである。サンプル共有システム1は、例えばインターネットなどの通信ネットワークを通じて複数のユーザからアクセス可能である。ユーザは、例えばアルバムALの作成のみを請け負う事業者、及び/又は、写真撮影とアルバムALの作成の両方を請け負うカメラマン等である。アルバムALは、例えば、枠FRと枠FRに対応付けられた画像PHとを含む1以上のページからなる。また、アルバムALは、枠FRのレイアウトを定めるテンプレートTPの情報を含む。更に、画像PHは、例えば、写真を表すデジタルデータである。アルバムALは、例えば、結婚式の様子を撮影した画像PHを使用した婚礼用のアルバムALである。本例においては、婚礼用のアルバムALを例に説明する。また、サンプルSPは、枠FRと、枠FRに対応付けられた画像であり個人の特定が困難な状態に加工された画像と、を含む1以上のページからなる。また、サンプルSPは、枠FRのレイアウトを定めるテンプレートTPの情報を含む。
【0015】
サンプル共有システム1は、サンプル保存装置2を備える。サンプル保存装置2は、ユーザが作成したアルバムALをサンプルSPとして収集する収集機能(図1参照)と、ユーザからのサンプルの提示要求を受けて、サンプルSPをユーザに提示するサンプル提示機能(図2参照)とを有する。
【0016】
先ず図1を参照して、サンプル保存装置2の収集機能について説明する。図1において、サンプル保存装置2には、テンプレートTP及びサンプルSPを保存するためのデータベース4が接続されている。データベース4には、複数のテンプレートTPを保存するテンプレートフォルダ5と、サンプルSPをそのサンプルSPに使用されているテンプレートTP毎に分類して保存する複数のサンプルフォルダ9とが設けられている。なおテンプレートTPとは、アルバムALを作成する際に画像PHを嵌め込んでいく枠FRを規定したファイルである。テンプレートTPは、複数の枠FRを有しており、ページ毎に各枠FRのサイズ、数及びレイアウトが規定されている。サンプル共有システム1では、枠FRの数及びレイアウトが異なる各種のテンプレートTPが用意されている。ユーザは任意のテンプレートTPをデータベース4からダウンロードして使用できる。
【0017】
図1において、テンプレートTP、サンプルSP、及びアルバムALの符号に(A)及び(A1)といった符号が付されているが、これは個々のテンプレートTP等を区別するために使用する細別符号である。例えば、図1においては、アルバムAL(AN)のAは、テンプレートTP(A)を使用したアルバムALであることを示している。アルバムALの細別符号(AN)のNは、例えば、テンプレートTP(A)を使用した複数のアルバムAL(A1)、アルバムAL(A2)・・・を区別するためのシリアルナンバーである。Nは、1以上の整数である。また、サンプルSPに付される細別符号(AN)についても同様であり、サンプルSP(A1)は、アルバムAL(A1)に基づいて作成されたサンプルSPであることを示している。
【0018】
図1において、例えばユーザXは、写真撮影とアルバムALの作成との両方を請け負うカメラマンである。ユーザXは、依頼者6から結婚式での写真撮影とアルバムALの作成とを依頼されている。ユーザXは、依頼者6から撮影する写真及び作成するアルバムALについての希望を聞き、依頼者6の希望に沿って写真撮影とアルバムALの作成とを行う。
【0019】
ユーザXは、写真撮影を行った後、PC(Personal Computer)などのユーザ端末7を用いて、撮影した画像PHを使用してアルバムALを作成する。ユーザXは、依頼者6の希望に沿ったテンプレートTPを選択し、選択したテンプレートTPをユーザ端末7にダウンロードする。具体的には、ユーザXはユーザ端末7を通じてサンプル共有システム1にアクセスして、複数のテンプレートTPを閲覧し、希望するテンプレートTPを選択する。サンプル保存装置2は、ユーザ端末7からテンプレート配信要求を受け付けると、データベース4のテンプレートフォルダ5からテンプレートTPを読み出して、ユーザ端末7に配信する。
【0020】
ユーザXは、ダウンロードしたテンプレートTPを使用してアルバムALを作成する。具体的には、テンプレートTPの枠FRに対して撮影した画像PHを嵌め込む編集作業を行うことにより、例えばアルバムAL(A1)を完成させる。ユーザXは、完成したアルバムAL(A1)を依頼者6に納品する。このように、アルバムALはテンプレートTPと画像PHとを合成することにより作成される。
【0021】
また、サンプル保存装置2は、ユーザXが作成したアルバムALをサンプルSPとして収集するために、ユーザXから、作成済みのアルバムALの提供を受けることができる。ユーザXは、後述するサンプル登録機能を用いて、サンプル保存装置2にアルバムALをサンプルSPとして登録する。図1の例では、ユーザXによって、作成済みのアルバムAL(A1)が提供され、サンプル保存装置2は、提供されたアルバムAL(A1)をサンプルSP(A1)として登録している。
【0022】
サンプル保存装置2は、作成済みのアルバムALに対して、アルバムALに含まれる画像PHを被写体の個人の特定が困難な状態に加工する加工処理を実行する。加工処理が行われたアルバムALは、サンプルSPとして、データベース4のサンプルフォルダ9に保存される。
【0023】
次に図2を参照して、サンプル保存装置2のサンプルSPの提示機能について説明する。図2において、ユーザYは、ユーザXとは別のユーザである。以下、ユーザX及びYを区別して説明する必要がない場合には、単に「ユーザ」と称する。ユーザYは、例えばアルバムALの編集作業でサンプルSPを使用したい場合に、ユーザ端末7は、ユーザYによる操作に応じてサンプル共有システム1にアクセスし、サンプル保存装置2に対してサンプルSPの提示要求を送信する。サンプル保存装置2は、提示要求に応じてサンプルSPを要求元のユーザ端末7に提示する。ユーザ端末7は、ユーザYによる操作に応じて、所望のサンプルSPとして、例えばサンプルSP(A1)をダウンロードする。ユーザYは、ダウンロードされたサンプルSP(A1)を新しいアルバムALの作成に使用する。
【0024】
一例として図3に示すように、サンプル保存装置2は、プロセッサ12、メモリ13、ストレージ14、通信I/F16、及び外部機器I/F18を含む。これらはバスライン20を介して相互接続されている。
【0025】
メモリ13は、プロセッサ12が処理を実行するための作業用メモリである。プロセッサ12は、ストレージ14に記憶された作動プログラム22をメモリ13へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、収集部26及び提示部28として機能する。プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。さらに、収集部26は、取得部26A、加工部26B、及び保存部26Cとして機能する。通信I/F16は、ネットワークと接続するためのインターフェースである。ネットワークは、インターネット等のWAN(Wide Area Network)又はWifi等のLAN(Local Area Network)であり、接続方式は、有線方式でも無線方式であっても良い。サンプル保存装置2は、例えば、通信I/F16を介してデータベース4とのデータの伝送制御を行う。外部機器I/F18は、外部機器との接続のためのインターフェースであって、例えば、USB(Universal Serial Bus)I/F等である。サンプル保存装置2は、例えば、外部機器I/F18を介して各ユーザのPC等を含む外部機器とのデータの伝送制御を行う。
【0026】
データベース4は、サンプルSPなどのデータを保存する格納部の一例である。具体的には、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブなどのストレージデバイスである。データベース4は、ストレージ機能を有するサーバ装置に含まれていてもよい。
【0027】
プロセッサ12の収集部26は、ユーザが作成したアルバムALを加工してサンプルSPとして保存する収集処理(図13参照)を実行する。収集処理において、取得部26Aは、作成済みのアルバムALを取得する取得処理を実行する。加工部26Bは、取得した作成済みのアルバムALに含まれる画像PHを被写体の個人の特定が困難な状態に加工する加工処理を実行する。保存部26Cは、加工処理を施したアルバムALを新しいサンプルSPとしてデータベース4に保存する保存処理を実行する。
【0028】
図4に一例として示すように、加工処理では、加工部26Bは、先ずメモリ13からアルバムALを読み出す。なお図4では、図の煩雑化を避けるため、アルバムALの中の1ページが代表して図示されているが、アルバムALは複数ページ存在し、加工部26BはアルバムALの全部のページに対して加工処理を行う。
【0029】
加工部26Bは、読み出したアルバムALから画像PHを抽出する。アルバムALには複数の画像PHが含まれており、加工部26Bは、例えば、アルバムALの中から、各ページに嵌め込まれている画像PHをすべて抽出する。図4の例で表示されているページには、4枚の画像PHが嵌め込まれており、これらの画像PHがすべて抽出される。
【0030】
加工部26Bは、抽出した各画像PHに対して顔認識処理を施すことにより画像PHに含まれる人物の顔FAを検出する。顔認識処理としては、輪郭抽出及びパターンマッチングなどによって行われる画像解析処理が行われる。加工部26Bは、顔認識処理によって、画像PHから人物の顔FAが検出された場合は、次の不特定化処理を施す。人物の顔FAが含まれない画像PHについては、不特定化処理をスキップする。図4の例においては、4枚の画像PHのうち、2枚の画像PHについては、人物の顔FAが含まれている。人物の顔FAが含まれている2枚の画像PHに対しては不特定化処理が施される。不特定化処理は、アルバムAL内の画像PHに含まれる人物の顔FAを個人の特定が困難な状態に加工する加工処理である。なお、個人の特定が困難な状態とは、例えば、再加工等の処理がなされないと個人の特定が不可能な状態を示す。
【0031】
図5に一例として示すように、加工部26Bは、本例の不特定化処理では、画像PHに含まれている人物の顔FAを模式的な顔FASに置き換える。例えば、加工部26Bは、顔FAを含む矩形の領域を顔画像として切り出して、この部分に、予め用意した顔を示す模式的な画像である模式的な顔FASを合成する。模式的な顔FASは、例えば、個人の特定が困難なイラストの形態である。
【0032】
加工部26Bは、不特定化処理の後、不特定化処理が施された画像PHを元のアルバムALに再度嵌め込む画像嵌め込み処理を実行する。加工部26Bは、模式的な顔FASに置き換えた画像PHを、アルバムALの元の画像PHに対応する枠FRに嵌め込む。人物の顔FAを含まない画像PHについては、不特定化処理が施されないため、元の状態のまま、アルバムALの元の枠FRに嵌め込まれる。加工部26Bは、同様の処理をアルバムALの全てのページについて実行する。
【0033】
なお、本例では、加工処理において、加工部26Bは、アルバムALから画像PHをいったん抽出し、抽出した画像PHに対して不特定化処理を施して、その後、画像PHを再度アルバムALに嵌め込む処理を行っているが、これは一例であり、加工処理としては各種の態様が考えられる。例えば、加工部26Bは、アルバムALから画像PHを抽出せずに、枠FRに画像PHが合成されたページ画像に対して、顔認識処理と不特定化処理とを施してもよい。また、アルバムALのデータ形式として、テンプレートTPのデータと、画像PHのデータとを別々に保存する形式もありうる。この場合は、画像PHを嵌め込む枠情報を規定したレイアウトデータに基づいて、アルバムALが再生される度に、テンプレートTPと画像PHとが合成される。アルバムALのデータ形式がこうした形式の場合は、抽出も再度の嵌め込みも不要である。なお、枠情報は、例えば、ページ内の枠FRの位置情報及び大きさ情報等を含む。
【0034】
保存部26Cは、加工処理を施したアルバムALを、新しいアルバムALの作成に使用されるサンプルSPとして、格納部の一例であるデータベース4に保存する保存処理を実行する。また、保存部26Cは、サンプルSPの保存処理が終了した後、メモリ13にロードされてサンプルSPを作成する基として使用されたアルバムALを、メモリ13内から消去する。なお、本実施形態において、保存部26Cは、サンプルSPを作成する基として使用されたアルバムALを、メモリ13内から消去するとしたが、サンプルSPを作成する基となったアルバムALをストレージ14及び/又はデータベース4に記録しておいても良い。例えば、アルバムALとアルバムALを使用できるユーザとを対応付けて記録しておき、サンプルSPを読み出す際に、提示要求の要求元であるユーザ端末7を使用しているユーザが、サンプルSPを作成する基となったアルバムALを使用できるユーザであれば、サンプルSPの代わりにアルバムALを読み出すようにしても良い。言い換えると、アルバムALに対応付けられたユーザ以外によるアルバムALの閲覧は制限される。アルバムALを使用できるユーザは、例えば、アルバムALをサンプル保存装置2にアップロードしたユーザである。
【0035】
図6に一例として示すように、データベース4には、保存した複数のサンプルSPの情報を記録した保存サンプル情報29が格納される。保存サンプル情報29は、例えば、ユーザによって入力された検索条件に合致するサンプルSPを検索するために使用される。保存サンプル情報29は、サンプルSP毎に、作成者、日付、テンプレートの種類、式場名、様式、及び評価値といった、各サンプルSPの属性を示す項目を記録したレコードを有している。作成者は、サンプルSPを作成する基となったアルバムALを作成したユーザ名である。日付は、例えば、サンプルSPの作成日又はサンプルSPがサンプル保存装置2に登録された登録日である。また、日付は、アルバムALに含まれる画像PHに対応付けられるExif(Exchangeable Image File Format)情報等の付加情報に含まれる画像の撮影日であってもよい。テンプレートの種類は、サンプルSPに使用されているテンプレートTPの種類である。式場名は、サンプルSPに含まれる画像PHが撮影された式場名である。様式は、サンプルSPの画像PHに示されている婚礼の様式である。本例では、様式には、「和式」及び「洋式」の2種類を例示している。さらに、様式として、「人前式」などを加えてもよい。評価値は、各サンプルSPに付与された評価値である。評価値は、例えば、サンプルSPが使用された回数、及びサンプルSPに与えられたユーザの人気投票の結果などに基づいて決定される。なお、これらの保存サンプル情報29は、ユーザによって入力されても、サンプルSPに含まれる画像PHに対して画像解析処理を行うことでサンプル保存装置2によって入力されても良い。
【0036】
例えば、サンプルSP(A1)では、作成者が「ユーザX」、日付が「2020/1/20」、テンプレートの種類が「A」、式場名が「式場HA」、式の様式が「洋式」、評価値が「90」となっている。また、サンプルSP(A1)とサンプルSP(B2)とでは、式場は「HA」で同じであり、かつ、様式は「洋式」で同じあるが、テンプレートの種類が異なっている。また、サンプルSP(A1)とサンプルSP(A2)とでは、式場が同じであり、かつ、テンプレートの種類が同じであるが、様式が「洋式」と「和式」とで異なっている。保存サンプル情報29に示すように、データベース4には、多様なサンプルSPが保存されている。なお、保存サンプル情報29に示した各サンプルSPの属性を示す項目は一例であり、他の項目を含んでいてもよい。
【0037】
また、本例では、各サンプルSPのデータとは別に、保存サンプル情報29が設けられ、保存サンプル情報29に各サンプルSPの属性を示す情報が記録されているが、各サンプルSPの付帯情報として、属性を示す情報が記録されてもよい。この場合は、各サンプルSPとは別に保存サンプル情報29が設けられなくてもよい。
【0038】
図7に一例として示すように、プロセッサ12の提示部28は、データベース4に保存したサンプルSPをユーザに提示する提示処理を実行する。提示処理は、一例として、リスト配信処理と、サンプル配信処理とを含む。
【0039】
提示処理は、ユーザ端末7からの提示要求に基づいて開始される。提示要求は、例えば、ユーザによって入力されるサンプルSPの検索指示を含む。検索指示を入力する際には、まず、ユーザ端末7は、ユーザのアカウントでサンプル共有システム1にアクセスする。ユーザ端末7がサンプル共有システム1にアクセスすると、サンプル共有システム1に対する操作画面がユーザ端末7のモニタ8に表示される。
【0040】
図8に、ユーザ端末7がサンプル共有システム1にアクセスした場合の操作画面の一例を示す。図8に示す操作画面は、サンプルSPに関する操作を行う場合のメイン画面30の一例である。メイン画面30には、サンプルSPの登録とサンプルSPの閲覧とを行うためのメニューが機能ボタンの形式で表示される。本例のメイン画面30においては、機能ボタンとして、登録ボタン31と閲覧ボタン32との2つが設けられている。
【0041】
登録ボタン31は、ユーザが作成した作成済みのアルバムALをサンプルSPとして登録するための指示を入力するためのボタンである。登録ボタン31には、「サンプルを登録する」と表示されている。登録ボタン31がクリックされると、例えば、登録する作成済みのアルバムALを選択する選択ウインドウが、ユーザ端末7のモニタ8に表示される(図示せず)。選択ウインドウにおいて、登録する作成済みのアルバムALが選択されて、かつ、図示しない実行ボタンがクリックされると、選択されたアルバムALがサンプル保存装置2にアップロードされる。
【0042】
閲覧ボタン32は、データベース4に保存されたサンプルSPをユーザが閲覧するための指示を入力するためのボタンである。閲覧ボタン32には、「サンプルを閲覧する」と表示されている。
【0043】
図9は検索画面33の一例を示す。図8に示すメイン画面30において、ユーザによって閲覧ボタン32が、マウスなどの操作デバイスによってクリックされると、メイン画面30が検索画面33に遷移する。ユーザは、ユーザ端末7のモニタ8に表示された検索画面33を通じて、サンプルSPの検索条件を入力する。検索画面33には、式場選択用、様式選択用、テンプレート選択用、及び作成者選択用の4つの項目をそれぞれ検索条件として入力するための条件入力ボックス35が設けられている。例えば、各条件入力ボックス35の右端の矢印ボタンがクリックされると、プルダウンメニューが表示される。例えば、式場選択用の条件入力ボックス35の場合は、プルダウンメニューには、「式場HA」及び「式場HB」といった式場名が表示される。
【0044】
ユーザは、条件入力ボックス35に対して、希望するサンプルSPの検索条件を入力する。図9の例では、式場選択用の条件入力ボックス35に「式場HA」が入力されており、様式選択用の条件入力ボックス35に「洋式」が入力されている。ユーザは、すべての入力ボックス35に検索条件を入力する必要はなく、希望する検索条件のみ入力することができる。検索条件が入力された後、検索実行ボタン34がクリックされると、入力された検索条件を含む検索指示がサンプル保存装置2に対して送信される。言い換えると、検索指示は、保存サンプル情報29の少なくともいずれかの項目を指定する情報を含む。
【0045】
図7において、検索指示を受け付けると、提示部28は、リスト配信処理を行う。リスト配信処理では、提示部28は、ユーザによって入力された検索条件に基づいて、格納部の一例であるデータベース4に保存された複数のサンプルSPの情報を記録した保存サンプル情報29において、ユーザに指定された検索条件に合致するサンプルSPを検索する検索処理を実行する。提示部28は、この検索の際に、例えば、図6に示した保存サンプル情報29を使用する。提示部28は、検索条件に合致するサンプルSPを一覧表示するリスト10を検索結果としてユーザ端末7に配信する。
【0046】
図10に一例として示すように、リスト10は、モニタ8に表示されるリスト表示画面37に表示される。リスト10は、検索された複数のサンプルSPを一覧表示している。リスト10には、図9の検索画面33で選択した検索条件に合致するサンプルSPに関する情報が表示されている。リスト10において、複数のサンプルSPに関する情報の表示順は、日付順と評価値順との間で選択が可能である。ラジオボタン47は、表示順を選択するための選択ボタンである。図10の例では、日付順が選択されている。日付順では、検索条件に合致するサンプルSPに関する情報は、例えば日付の新しい順に表示されるが、設定により日付の古い順に表示されてもよい。また、評価値順が選択されると、検索条件に合致するサンプルSPに関する情報は、評価値が高い順に表示される。評価値としては、図6に示した評価値が使用される。
【0047】
リスト10において、各サンプルSPのサンプル名には、それぞれのサンプルを閲覧するためのリンク情報が付与されている。リスト表示画面37において複数のサンプルSPのいずれかがクリックにより選択されると、図7に示すように、選択されたサンプルSPの配信要求が、ユーザ端末7からサンプル保存装置2に送信される。サンプルSPの配信要求には、例えば、ユーザが選択したサンプルSPのサンプル番号が含まれる。提示部28は、サンプルSPの配信要求を受け付けると、サンプル配信処理を行う。
【0048】
サンプル配信処理では、提示部28は、選択されたサンプルSPをデータベース4から読み出す。より具体的には、提示部28は、ユーザによる選択に応じたサンプルSPの配信要求に含まれるサンプルSPのサンプル番号に基づき、選択されたサンプルSPをデータベース4から読み出す。提示部28は、読み出したサンプルSPを要求元のユーザ端末7に配信する。例えば図10において、サンプルSP(A1)が選択された場合は、サンプルSP(A1)がユーザ端末7に配信される。配信されたサンプルSPはユーザ端末7のモニタ8に表示される。
【0049】
図11に一例として示すように、サンプル表示画面38では、中央にサンプルSPが表示される。サンプルSPの上部には、表示されているサンプルSP(本例は(A1))の保存サンプル情報29、例えば、サンプル名、作成者、式場、様式、及び評価値が表示される。サンプルSPは見開き2ページ毎に表示される。サンプルSPの画像PHに含まれる人物の顔FAは模式的な顔FASに変更されている。モニタ8上で、ページ戻しボタン39がクリックされるとサンプル表示画面38は前のページへ戻り、ページ送りボタン40がクリックされるとサンプル表示画面38は次のページへ進む。また、決定ボタン43は、表示されているサンプルSPを使用することを決定した場合にクリックされる。決定ボタン43がクリックされると、表示サンプルSPがユーザ端末7に保存される。これによりユーザは保存したサンプルSPを使用して新しいアルバムALの作成を行うことができる。
【0050】
復帰ボタン41は、サンプル表示画面38から図10に示すリスト表示画面37に復帰するためのボタンである。ユーザが別のサンプルSPを表示したい場合は、リスト表示画面37で表示するサンプルSPを選択しなおす。
【0051】
図12は、アルバムALの作成を支援するアルバム作成支援プログラムの編集画面44の一例である。本例においては、ユーザ端末7は、アルバムALの編集作業について、ASP(Application Service Provider)型のアルバム作成支援サービスの提供を受ける。ASP型のサービスの場合は、アルバム作成支援プログラムはサーバにインストールされており、ユーザ端末7は例えばWEBブラウザを通じてASP型のサービスを提供するサーバにアクセスする。そして、ユーザ端末7は、サーバから編集画面44の配信を受ける。ユーザ端末7は、サーバと通信を行いながらアルバムALの編集作業を進める。本例のアルバム作成支援サービスを提供するサーバはサンプル共有システム1と連携しており、サンプル共有システム1が配信するサンプルSPの形式に対応している。なお、アルバム作成支援プログラムは、本実施形態のサンプル保存装置2にインストールされていても良い。つまり、サンプル保存装置2が、アルバム作成支援プログラムの編集作業におけるサーバとして動作しても良い。
【0052】
なお、本例では、アルバムALの編集について、ASP型のサービスを例に説明するが、もちろん、アルバム作成支援プログラムは、ユーザ端末7にインストールされるソフトウェアの形式であってもよい。
【0053】
本例の編集画面44は、サンプル表示領域44A、編集領域44B、及び画像表示領域44Cを有している。サンプル表示領域44Aは、サンプル共有システム1から配信されたサンプルSPを表示する領域である。本例では、サンプル表示領域44Aには、サンプルSP(A1)が表示されている。編集領域44Bは、新しいアルバムALを作成する領域であり、編集領域44Bには、サンプルSPが使用するテンプレートTPと同じテンプレートTPが表示される。本例においては、編集領域44Bには、テンプレートTP(A)が表示されている。画像表示領域44Cには、新たに作成するアルバムALに使用する予定のユーザの画像PH(以下、ユーザ画像PHUという)が複数枚表示される。なお、ユーザ画像PHUは、本開示の技術に係る「ユーザ画像」を表すデジタルデータである。
【0054】
編集画面44において、新たに作成するアルバムALのテンプレートTPとサンプルSPとが並べて表示されるため、ユーザは、サンプルSPを見ながらアルバムALの編集作業を行うことができる。
【0055】
次に、図13及び図14を参照して、上記構成による作用について説明する。作動プログラム22が起動されると、図3に示したように、サンプル保存装置2のプロセッサ12が収集部26及び提示部28として機能する。
【0056】
図13に一例を示すように、収集処理において、サンプル保存装置2は、ユーザ端末7から作成済みのアルバムALがアップロードされるのを待機する(ステップST10)。作成済みのアルバムALがサンプル共有システム1に登録される場合は、ユーザ端末7は、ユーザによる操作に応じて、ユーザのアカウントでサンプル共有システム1にアクセスして、図8に示すメイン画面30をユーザ端末7のモニタ8に表示する。そして、ユーザが、メイン画面30において登録ボタン31をクリックし、かつ、選択ウインドウで作成済みのアルバムALを登録するアルバムALとして選択すると、ユーザ端末7は、作成済みのアルバムALのサンプル保存装置2へのアップロードを実行する。なお、アルバムALが、ユーザ端末7ではなく、データベース4に保存されている場合はユーザ端末7からのアルバムALのサンプルSPへの利用許可に基づいて、アルバムALがデータベース4からサンプル保存装置2にアップロードされてもよい。
【0057】
取得部26Aは、ユーザ端末7から作成済みのアルバムALがアップロードされた場合は(ステップST10でYES)、アップロードされたアルバムALを一旦メモリ13に記憶する(ステップST11)。
【0058】
加工部26Bは、図4に示すように、メモリ13に記憶された作成済みのアルバムALを読み出す。そして、加工部26Bは、読み出したアルバムALから画像PHを抽出する(ステップST13)。さらに加工部26Bは、抽出した各画像PHに対して顔認識処理を施して画像PHに含まれる人物の顔FAを検出する(ステップST14)。加工部26Bは、画像PHに対して、検出した人物の顔FAを模式的な顔FASに置き換える不特定化処理を施す(ステップST15)。加工部26Bは、加工した画像PHをアルバムALの元の枠FRに戻す(ステップST16)。なお、ステップST14において人物の顔FAが検出されなかった画像PHについては、ステップST15がスキップされる。
【0059】
保存処理において、保存部26Cは、加工処理が行われたアルバムALをサンプルSPとしてデータベース4に保存する(ステップST17)。
【0060】
ステップST17で保存処理が終了すると、保存部26Cは、メモリ13からアルバムALを消去する消去処理を行う(ステップST18)。
【0061】
ステップST19において、収集部26は、収集処理を継続する場合は(ステップST19でYES)、ステップST10に戻り、アップロードの待機を継続する。収集処理を終了する場合は(ステップST19でNO)、収集処理を終了する。
【0062】
図14に一例を示すように、提示処理においては、提示部28は、ステップST20において、ユーザからの提示要求の一例である検索指示を待機する。ユーザはサンプルSPを閲覧する場合は、ユーザ端末7に示すメイン画面30(図8参照)において、閲覧ボタン32をクリックする。そうすると、ユーザ端末7に図9に示す検索画面33が表示される。ユーザは、検索画面33においてサンプルSPの検索条件を入力した後、検索実行ボタン34をクリックする。そうすると、検索指示がサンプル保存装置2に送信される。
【0063】
検索指示には、図9に示すようにサンプルSPの検索条件が含まれている。提示部28は、検索指示を受け付けた場合に(ステップST20でYES)、データベース4に保存されている複数のサンプルSPの中から、検索条件に合致するサンプルSPを検索する(ステップST21)。そして、図10に示したように、サンプルSPの検索結果のリスト10を表示するリスト表示画面37をユーザ端末7に配信する(ステップST22)。
【0064】
次に、ユーザはリスト10の中から閲覧を希望するサンプルSPのサンプル名をクリックする。そうすると選択されたサンプルSPの配信要求がサンプル保存装置2に送信される。提示部28は、ステップST23において配信要求を待機しており、配信要求を受け付けた場合は(ステップST23でYES)、ステップST24に移行する。
【0065】
ステップST24において、提示部28は、選択されたサンプルSPをデータベース4から読み出す。そして、提示部28は、読み出したサンプルSPをユーザ端末7へ配信する(ステップST25)。ユーザ端末7において、配信されたサンプルSPは、図11に示したサンプル表示画面38に表示される。
【0066】
ユーザはサンプル表示画面38においてサンプルSPを閲覧する。ユーザがページ送りボタン40をクリックした場合、ユーザ端末7はサンプルSPのページを送る。ユーザが、ページ戻しボタン39をクリックした場合、ユーザ端末7はサンプルSPのページを戻す。ユーザは、サンプルSPを閲覧することにより、サンプルSPが、新規に作成しようとするアルバムALのサンプルSPとして適切かを見極めることができる。サンプル表示画面38には、サンプルSPの作成者、式場、及び様式の他に、評価値も表示される。ユーザはこうした情報をサンプルSPの選択の際の参考に使用することができる。また、サンプルSPは不特定化処理が施されているため、サンプルSPにおいて、画像PHに写る人物は模式的な顔FASになっているため、個人が特定されることはない。
【0067】
ユーザは、別のサンプルSPを閲覧したい場合は、復帰ボタン41によってリスト表示画面37をモニタ8に表示させ、別のサンプル名に張られたリンクをクリックする。これにより、ユーザは、別のサンプルSPを閲覧することができる。
【0068】
ユーザは、使用するサンプルSPが決定した場合は、サンプル表示画面38の決定ボタン43をクリックする。そうすると、ユーザ端末7に選択したサンプルSPが保存される。
【0069】
提示部28は、ステップST25でサンプルSPを配信した後、ステップST26において、ユーザ端末7との通信を行うことにより、ユーザ端末7におけるリスト表示画面37の表示が終了したか否かを監視する。そして、リスト表示画面37が終了しない場合は(ステップST26でNO)は、ステップST23に復帰し、別のサンプルSPの配信要求を待機する。また、ステップST26において、リスト表示画面37が終了した場合は(ステップST26でYES)、提示部28は、ステップST27に移行する。ステップST27において、提示部28は、提示処理を継続する場合は(ステップST27でYES)、ステップST20に復帰し、提示処理を終了する場合は(ステップST27でNO)、提示処理を終了する。
【0070】
アルバム作成に使用するサンプルSPを決定したユーザは、サンプルSPを使用してアルバムの編集作業を行う。サンプルSPは図12に示した編集画面44に表示される。編集画面44において、サンプルSPとサンプルSPに使用したテンプレートTPとが並べて表示される。サンプルSPは、過去に作成されたアルバムALに基づいて作成されており、単なるテンプレートTPではなく、アルバムALに使用された画像PHが枠FRに嵌め込まれている。そのため、ユーザは、サンプルSPを通じてアルバムALの全体の構成及び流れを把握することができる。
【0071】
編集領域44Bには、サンプルSPで使用されたテンプレートTPと同じテンプレートTPが表示される。そのため、ユーザは、サンプルSPを見ながら、どのページのどの枠FRにどのようなユーザ画像PHUを嵌め込めばよいかを容易に確認することができる。ユーザは、サンプルSPで確認した画像PHと同じような内容のユーザ画像PHUを画像表示領域44Cから探して、テンプレートTPに嵌め込む。これにより、アルバムALの編集作業において非常に時間が掛っていたユーザ画像PHUの選択に要する時間を短縮することができる。
【0072】
しかも、本例のサンプル保存装置2は、テンプレートTPと画像PHとを合成することにより作成された作成済みのアルバムALを取得する取得処理を実行し、アルバムAL内の画像PHに含まれる人物の顔FAを、不特定化処理によって、個人の特定が困難な状態に加工する加工処理を実行する。そして、サンプル保存装置2は、加工処理が施されたサンプルSPを格納部の一例であるデータベースに保存する保存処理を実行する。そのため、アルバムALのサンプルSPに含まれる画像提供者のプライバシーを保護しつつ、各種のサンプルSPを共有することが可能となる。すなわち、アルバムAL内の画像PHに含まれる人物の顔FAを個人の特定が困難な状態に加工することにより、サンプルSPを複数のユーザ間で共有することが可能となる。
【0073】
また、プライバシーが保護されることにより、サンプルSPを作成する基となる作成済みのアルバムALの提供を受けやすくなると考えられるため、サンプルSPの収集も進む。そのため、小規模の事業者のユーザ間において利用価値の高いサンプルSPを増加させることができる。
【0074】
また、本例のサンプル保存装置2は、画像PHに含まれる人物の顔FAを個人の特定が困難な状態に加工する処理として、人物の顔FAを模式的な顔FASに置き換える。そのため、画像の置換という簡単な処理で不特定化処理を実行することができる。
【0075】
「不特定化処理の変形例」
上記実施形態では、模式的な顔FASとして、図5に示すイラストの形態の画像が使用されたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、模式的な顔FASとしては、図15に示すようなアバターが使用されてもよい。アバターとは、予め用意された複数の顔型パーツ、髪型パーツ、目パーツ、鼻パーツ、及び口パーツから画像PHの人物の顔FAに近いものをそれぞれ選択し、選択されたパーツを組み合わせることで作成される似顔絵のことである。また図15の例では、加工部26Bは、置き換える人物の顔FAとして、顔領域及び頭髪領域を含む頭部全体をアバターに置き換えている。もちろん、加工部26Bは、アバターを使用する場合において、図5で示すように、目、鼻、及び口を含む部分のみをアバターに置き換えてもよい。また、加工部26Bは、アバターの他、アニメの形態の画像を使用してもよい。
【0076】
また、不特定化処理としては、例えば図16に示すように、加工部26Bは、加工処理において、画像PHに含まれる人物の顔FAに対してモザイク処理(図16においてハッチングで示す)を施してもよい。モザイク処理は、画像PHの人物の顔FAを模式的な顔FASに置き換える処理よりも簡単に行うことができる。
【0077】
さらに、不特定化処理としては、例えば図17に示すように、加工部26は、加工処理において、画像PHの顔を含む人物画像の全体に対して模式的な人物画像PANと置き換えるようにしても良い。なお、加工部26は、不特定化処理を実施するにあたって、人物の種別を特定できるような特定情報を画像PHに付加するようにしても良い。人物の種別とは、例えば、新婦、新郎、親族、友人等の情報であり、画像解析やユーザ入力によって画像PHに付加される。また、画像PHに特定情報を付加するとは、例えば、人物種別を示す文字情報等を付加することを示す。図17の例では、人物の種別の特定情報として、「新郎」と「新婦」の文字が画像PH内の人物画像PANに付加されている。
【0078】
「検索条件の種々の態様」
また、上記実施形態において、サンプル保存装置2は、ユーザによって入力された検索条件に基づいて、格納部の一例であるデータベース4に保存されたサンプルSPの中から検索条件に合致するサンプルSPを検索し、検索したサンプルSPをユーザに提示する。このため、ユーザの希望に沿ったサンプルSPを検索しやすい。
【0079】
また、上記実施形態において、サンプルSPの検索条件として、図9に示すように、サンプルSPに使用されているテンプレートTPの種類、サンプルSPの作成者、及びサンプルSPに含まれる画像PHが撮影された会場の一例として式場などを例示した。検索条件は、これ以外でもよく、例えば、サンプルSPに対する評価でもよい。この場合は、例えば、図6に示す保存サンプル情報29に記録されている各サンプルSPの評価値が使用される。また、保存サンプル情報29に記録されているサンプルSPの日付が検索条件として使用されてもよい。日付はサンプルSPの登録日又は作成日である。このような各種の項目を検索条件とすることで、様々な観点でサンプルSPを使用することができる。
【0080】
[第2実施形態]
図18図20に示す第2実施形態のサンプル保存装置2は、さらに、検索条件として、ユーザが作成予定のアルバムALに使用する予定のユーザ画像PHUを使用する形態である。第2実施形態は、第1実施形態と基本的な構成は同様なので、相違点のみ説明する。ユーザ画像PHUは、例えば、図12の編集画面44の画像表示領域44Cに表示されるユーザ画像PHUである。提示部28は、検索条件として、ユーザ画像PHUを受け付けることが可能である。
【0081】
この場合は、例えば、図18に示すように、検索画面33Aに、ユーザ画像入力用の条件入力ボックス48を設ける。条件入力ボックス48には、例えばユーザ画像PHUのファイル名が入力される。また、複数のユーザ画像PHUが格納されているフォルダ名を条件入力ボックス48に入力してもよい。条件入力ボックス48にユーザ画像PHUのファイル名又はフォルダ名が入力されると、ユーザ端末7から選択されたユーザ画像PHUがサンプル保存装置2に送信される。
【0082】
そして、提示部28は、検索条件としてユーザ画像PHUを受け付けた場合には、ユーザ画像PHUとサンプルSPに含まれている画像PHとの類似度を算出し、算出した類似度が相対的に高いサンプルSPを類似度が相対的に低いサンプルSPに対して優先してユーザに提示する。
【0083】
図19に示すように、提示部28は、例えば、ユーザ画像PHUとサンプルSPに含まれる画像PHとが複数枚ある場合は、1枚ずつ、すべての組み合わせについて照合を行って、各組み合わせの個別の類似度SMを算出する。図19の例では、ユーザ画像PHUとサンプルSPの画像PHが3枚ずつあった場合は、3×3で9通りの組み合わせになるため、提示部28は、9個の個別類似度SM11~SM33を算出する。個別類似度SMの算出は、例えば画像PHに写っている人物が新郎であるか新婦であるか、人物の顔FAの大きさ、及び人物の人数などに基づいて算出する。そして、提示部28は、組み合わせ毎の個別の類似度SM11~SM33を総合し、総合類似度TSMを算出する。総合類似度TSMの算出に当たっては、ユーザ画像PHUの枚数とサンプルSPの画像PHの枚数との類似性などを考慮してもよい。提示部28は、こうした処理を、サンプルSP毎に行う。そして、提示部28は、サンプルSP毎に算出された総合類似度TSMに基づいて、ユーザ画像PHUに類似する画像PHを含むサンプルSPを検索する。
【0084】
なお、こうしたユーザ画像PHUとサンプルSPとの総合類似度TSMの算出は、非常に複雑であるため、提示部28は、すべての画像の組み合わせを比較するのではなく、特定のシーンの画像に絞って個別類似度SMを算出し、その結果のみを使用して総合類似度TSMを算出してもよい。例えば、提示部28は、結婚式であれば指輪の交換、披露宴であればケーキカットなど重要なシーンの画像を選択しておき、重要なシーンの画像同士だけ照合を行って総合類似度TSMを算出する。また、総合類似度TSMの算出には機械学習モデルが利用されてもよい。
【0085】
そして、提示部28は、図20に示すリスト表示画面37Aに一例として示すように、サンプルSP毎に算出した総合類似度TSMを、サンプルSP毎の類似度としてリスト10に表示する。またリスト表示画面37Aでは、ラジオボタン47によって、表示順として類似度順が選択できる。図20に示す例では、複数のサンプルSPが、類似度が相対的に高い順に表示されている。また、提示部28は、表示するサンプルSPの数が多い場合には、予め設定された閾値以上の類似度を有するサンプルSPのみをリスト10に表示し、閾値未満の類似度を有するサンプルSPは表示しない処理を行ってもよい。このように、提示部28は、ユーザ画像PHUとサンプルSPに含まれている画像PHとの総合類似度TSMを算出し、算出した総合類似度TSMが相対的に高いサンプルSPを総合類似度TSMが相対的に低いサンプルSPに対して優先してユーザに提示する。これにより、ユーザ画像PHUに適したサンプルSPを検索しやすい。
【0086】
[第3実施形態]
図21に示す第3実施形態のサンプル保存装置2は、保存部26Cが、予め設定された保存条件に基づいて、取得されたアルバムALをサンプルSPとして保存するか否かを決定する態様である。取得部26Aは、ユーザ端末7からアップロードされたアルバムALを取得する。本例の保存部26Cは、取得部26Aによって取得されたアルバムALと保存済みのサンプルSPとを比較して、両者の類似度を算出する。そして、算出した類似度が予め設定された閾値以上の場合には、取得されたアルバムALをサンプルSPとして保存しない。
【0087】
つまり、保存済みのサンプルSPと似たようなアルバムALが新たにサンプルSPとして追加されても、内容が重複するサンプルSPの数が増えるだけで、サンプルSPの内容的なバリエーションが増加するわけではない。保存部26Cがこうした判定を行うことで、似たようなサンプルSPの重複が回避されることになり、無用なサンプルSPが増加することを抑制することができる。
【0088】
保存条件としては、これ以外でもよい。例えば、取得されたアルバムALと保存済みのサンプルSPとを比較した場合において、両者の様式が「和式」と「洋式」とで異なっている、又は、式場が異なっているなど、予め設定された条件が異なっている場合は、仮に類似度が閾値以上であったとしても、保存すると決定する、といった保存条件が考えられる。これは、式場又は様式が異なっていれば、サンプルSPのバリエーションは増加すると考えられるためである。
【0089】
なお上記実施形態では婚礼のアルバムのサンプルを共有するシステムについて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。サンプル共有システム1で共有されるサンプルは、卒業アルバム等、人物の顔を含むアルバムのサンプルであれば何のアルバムのサンプルであってもよい。
【0090】
また上記実施形態において、ユーザはカメラマンなど小規模の事業者を例に説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、事業者が営利目的で使用するのではなく、結婚する当事者が非営利のユーザとしてサンプル共有システム1を利用してもよい。また、結婚する当事者が自らアルバムALを作成する目的ではなく、アルバムALの作成を依頼する事業者を選定するのにサンプル共有システム1を利用してもよい。サンプル保存装置2によれば、図9で示すように、依頼者6は、検索条件としてサンプルSPの作成者を指定することができる。依頼者6は、複数の作成者のサンプルSPを見比べることで、好みの事業者を選定することができる。また、その際に、依頼者6は、各サンプルSPに評価を付けることが好ましい。
【0091】
このような利用法は、アルバムALを作成する事業者から見れば、自分たちが作成したアルバムALをサンプルSPとしてデータベース4に保存しておくことで仕事を受任する契機ともなる。そのため、アルバム作成の依頼先の選定の際に利用する利用法を推奨することにより、営業効果を期待してサンプルSPが集まりやすくなるという効果も考えられる。
【0092】
さらに上記実施形態において、ユーザがサンプルSPをダウンロードする毎に、そのユーザには一定の料金が課金され、さらにダウンロードされたサンプルSPの作成者には一定の料金が支払われるようにしてもよい。これによれば、ユーザが品質の良いアルバムALをサンプルSPとして提供するモチベーションが働き、データベース4に保存されるサンプルSPの品質の向上が期待できる。
【0093】
上記実施形態において、例えば、サンプル保存装置2の収集部26及び提示部28の各種の処理を実行するコンピュータのハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。各種のプロセッサには、ソフトウェア(作動プログラム22)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(上記実施形態のプロセッサ12の一例)に加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、および/またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。FPGAの代わりにGPU(Graphics Processing Unit)を用いても良い。
【0094】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、および/または、CPUとFPGAとの組み合わせもしくはCPUとGPUとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0095】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0096】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。
【0097】
また、上記第1実施形態では、ストレージ14に作動プログラム22が記憶されているが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として図22に示すように、SSD又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの任意の可搬型の記憶媒体60に作動プログラム22が記憶されていてもよい。この場合、記憶媒体60に記憶されている作動プログラム22がサンプル保存装置2にインストールされる。プロセッサ12は、インストールされた作動プログラム22に従って、各種の処理を実行する。
【0098】
また、通信網(図示省略)を介してサンプル保存装置2に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部に作動プログラム22を記憶させておき、サンプル保存装置2の要求に応じてこのプログラムがサンプル保存装置2にダウンロードされるようにしてもよい。この場合、プロセッサ12は、ダウンロードされた作動プログラム22に従って、各種の処理を実行する。
【0099】
上記実施形態で説明した通り、本開示のサンプル保存装置は、以下の付記項の内容が追加されてもよい。
[付記項1]
プロセッサは、加工処理において、画像に含まれる人物の顔を模式的な顔に置き換えてもよい。
[付記項2]
模式的な顔は、イラスト、アニメ及びアバターのうちのいずれかであってもよい。
[付記項3]
プロセッサは、加工処理において、画像に含まれる人物の顔に対してモザイク処理を施してもよい。
[付記項4]
プロセッサは、予め設定された保存条件に基づいて、取得されたアルバムをサンプルとして保存するか否かを決定してもよい。
[付記項5]
プロセッサは、取得したアルバムと保存済みのサンプルとの類似度が予め設定された閾値以上の場合には、取得されたアルバムをサンプルとして保存しなくてもよい。
[付記項6]
取得したアルバムが、加工処理が施されたサンプルに基づいて作成されている場合において、プロセッサは、基となるサンプルに対する、取得したアルバムの編集量が予め設定された閾値以下の場合は、取得したアルバムをサンプルとして保存しなくてもよい。
[付記項7]
プロセッサは、さらに、ユーザによって入力された検索条件に基づいて、格納部に保存されたサンプルの中から検索条件に合致するサンプルを検索し、検索したサンプルをユーザに提示してもよい。
[付記項8]
検索条件は、サンプルに使用されているテンプレートの種類、サンプルの作成者、サンプルに含まれる画像が撮影された会場、及びサンプルに対する評価のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
[付記項9]
プロセッサは、検索条件として、ユーザが作成予定のアルバムに使用する予定のユーザ画像を受け付けることが可能であり、ユーザ画像とサンプルに含まれている画像との類似度を算出し、算出した類似度が相対的に高いサンプルを類似度が相対的に低いサンプルに対して優先してユーザに提示してもよい。
【0100】
本開示の技術は、上述の種々の実施形態および/または種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
【0101】
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0102】
本明細書において、「A及び/又はB」は、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、AおよびBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
【0103】
2020年3月31日に出願されたに日本国特許出願2020-064615号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
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