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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】パルス照明回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20231204BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20231204BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20231204BHJP
   G05F 1/56 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
H05K1/02 N
H05K1/18 S
H01L33/00 J
G05F1/56 310M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019156644
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021034682
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大庭 信男
(72)【発明者】
【氏名】大竹 貴久
(72)【発明者】
【氏名】松井 大樹
(72)【発明者】
【氏名】夏 愛明
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-059929(JP,A)
【文献】特開2007-059635(JP,A)
【文献】特開2000-286513(JP,A)
【文献】国際公開第2019/092926(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/18
H01L 33/00
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板に一対の接続端子が接続された光源素子と、前記基板に充放電回路を形成する複数の回路要素と、を有し、
複数の前記回路要素は、一対の前記接続端子の近傍に一対の前記接続端子を通る基準線に沿って配置されていることを特徴とするパルス照明回路基板。
【請求項2】
請求項1に記載したパルス照明回路基板において、
複数の前記回路要素のうち少なくともいずれかは、複数の素子を並列接続して形成された素子群であることを特徴とするパルス照明回路基板。
【請求項3】
請求項2に記載したパルス照明回路基板において、
前記回路要素を形成する前記素子群のうち少なくともいずれかは、前記基準線に沿って整列されていることを特徴とするパルス照明回路基板。
【請求項4】
請求項3に記載したパルス照明回路基板において、
前記回路要素を形成するいずれかの前記素子群と、他のいずれかの前記素子群とが、前記基準線に沿って延びる中継部で接続されていることを特徴とするパルス照明回路基板。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載したパルス照明回路基板において、
複数の前記回路要素のうち少なくともいずれかは、他の前記回路要素に対して前記基準線を挟んで反対側に配置されていることを特徴とするパルス照明回路基板。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載したパルス照明回路基板において、
複数の前記回路要素のうち少なくともいずれかは、他の前記回路要素に対して前記基板の反対側に配置されていることを特徴とするパルス照明回路基板。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載したパルス照明回路基板において、
複数の前記回路要素は、コンデンサ要素、スイッチング素子要素、検出抵抗要素、および保護ダイオード要素を含むことを特徴とするパルス照明回路基板。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載したパルス照明回路基板において、
前記光源素子は、前記基板から交差方向に起立する光源基板の前面に配置され、
前記接続端子は、前記光源素子から前記光源基板を経由して前記基板に接続され、
前記光源基板の後面には、放熱体が接続されていることを特徴とするパルス照明回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパルス照明回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
測定用の光学機器においては、指定されたタイミングでごく短い時間幅の光照射を行うパルス照明が行われる(特許文献1参照)。
照明用の光源としては、発光ダイオード(LED)やエレクトロルミネッセンス(EL)素子、半導体レーザなどの半導体発光素子が用いられている。なかでもLEDは、応答性が高く、光量が大きく、取り扱いが容易で比較的安価あり、パルス照明の光源として多用されている。
【0003】
特許文献1のような測定用のパルス照明では、測定精度を高めるために、より短い照射時間としつつ、光量を確保する必要がある。そのために、光源に用いる素子の電源回路としては、瞬間的に大電流を供給することが必要である。
例えば、LED光源素子に、コンデンサ、スイッチング素子を含む充放電回路を接続し、外部電源からコンデンサに充電し、所定のタイミングでスイッチング素子を導通させ、コンデンサからLEDに大電流を流す構成が用いられている。
なお、特許文献1の測定装置などの高速パルス照明を行う場合、パルス照明の発光タイミングを高精度に制御する必要があり、充放電回路には充放電状態の検出抵抗が設置される。また、LEDには、必要に応じて導通方向が逆向きの保護ダイオードが並列に設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-189702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、特許文献1のような測定用の光学機器に用いる場合、パルス照明の発光タイミングを高精度に制御する必要がある。そのため、パルス照明回路基板においては、光源素子の正負一対の接続端子が直付けされるとともに、基板上の充放電回路の経路短縮が図られている。
しかし、特許文献1では、70kHz程度の高速パルス照明を高精度に行う必要があり、このような高速・高精度な用途においては、パルス照明回路基板の充放電回路に配置される各素子の寄生抵抗や寄生インダクタンスが問題になる。
【0006】
本発明の目的は、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパルス照明回路基板は、基板と、前記基板に一対の接続端子が接続された光源素子と、前記基板に充放電回路を形成する複数の回路要素と、を有し、複数の前記回路要素は、一対の前記接続端子を通る基準線に沿って配置されていることを特徴とする。
【0008】
このような本発明では、複数の回路要素により基板上に充放電回路が形成され、基板に接続された光源素子でパルス照明を行うことができる。この際、複数の回路要素が、一対の接続端子を通る基準線に沿って配置されているため、複数の回路要素を一対の接続端子の近傍に配置して充放電回路を短縮でき、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板として好適である。
【0009】
本発明のパルス照明回路基板において、複数の前記回路要素のうち少なくともいずれかは、複数の素子を並列接続して形成された素子群であることが好ましい。
このような本発明では、複数の素子を並列接続して回路要素とするため、回路要素としての寄生抵抗や寄生インダクタンスを低減し、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板として好適である。
【0010】
本発明のパルス照明回路基板において、前記回路要素を形成する前記素子群のうち少なくともいずれかは、前記基準線に沿って整列されていることが好ましい。
このような本発明では、回路要素を構成する複数の素子が、基準線に沿って整列され、各々の接続経路を短く揃えることができ、回路としての寄生抵抗や寄生インダクタンスを低減し、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板として好適である。
【0011】
本発明のパルス照明回路基板において、前記回路要素を形成するいずれかの前記素子群と、他のいずれかの前記素子群とが、前記基準線に沿って延びる中継部で接続されていることが好ましい。
このような本発明では、別の回路要素がそれぞれ多数の素子で構成される素子群であっても、それぞれを基準線に沿って整列させつつ、互いの接続を確保することができる。従って、充放電回路40の経路を短縮でき、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板1とすることができる。
【0012】
本発明のパルス照明回路基板において、複数の前記回路要素のうち少なくともいずれかは、他の前記回路要素に対して前記基準線を挟んで反対側に配置されていることが好ましい。
このような本発明では、基板上のスペースを有効に利用して充放電回路の経路を短縮でき、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板として好適である。
【0013】
本発明のパルス照明回路基板において、複数の前記回路要素のうち少なくともいずれかは、他の前記回路要素に対して前記基板の反対側に配置されていることが好ましい。
このような本発明では、基板の表裏のスペースを有効に利用して充放電回路の経路を短縮でき、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板として好適である。
【0014】
本発明のパルス照明回路基板において、複数の前記回路要素は、コンデンサ要素、スイッチング素子要素、検出抵抗要素、および保護ダイオード要素を含むことが好ましい。
このような本発明では、コンデンサ要素およびスイッチング素子要素により、光源素子をパルス発光させる充放電回路の基本機能が得られるとともに、検出抵抗要素により発光タイミングの検出機能が得られ、保護ダイオード要素により光源素子としてLEDを用いた場合の保護機能が得られる。
【0015】
本発明のパルス照明回路基板において、前記光源素子は、前記基板から交差方向に起立する光源基板の前面に配置され、前記接続端子は、前記光源素子から前記光源基板を経由して前記基板に接続され、前記光源基板の後面には、放熱体が接続されていることが好ましい。
このような本発明では、光源基板により、光源素子の接続端子を基板に接続しつつ、光源素子の背面に放熱体を設置することができ、放熱体により光源素子を冷却して発光効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態のパルス照明回路基板の側面図。
図2】本実施形態のパルス照明回路基板の正面図。
図3】本実施形態における充放電回路の回路図。
図4】本実施形態の基板上面における回路要素の配置図。
図5】本実施形態の基板下面における回路要素の配置図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2には、本発明に基づくパルス照明回路基板1が示されている。
図1および図2において、パルス照明回路基板1は基板10を有する。基板10は表面実装用のプリント基板である。基板10の上面101には図示省略した回路部品が多数実装されている。基板10の下面102には光源基板20が下向きに接続されている。
【0019】
光源基板20の前面には、高出力LED製の光源素子21が設置されている。光源素子21は光源基板20から上向きに延びる一対の接続端子22に接続され、一対の接続端子22は基板10に固定されたソケット12に差し込まれている。
光源基板20は、これらの接続端子22およびソケット12により基板10に支持されている。光源基板20は、接続端子22をソケット12から抜き出すことで、基板10から取り外し可能である。
【0020】
光源基板20の後面には、アルミニウム合金製の放熱体30が設置されている。
放熱体30は、外面に図示省略した多数の放熱フィンを有する。放熱体30と光源基板20の後面との隙間には伝熱性材料31が充填されている。これにより、光源素子21の動作発熱が放熱体30に伝達され、放熱体30から外気に放散できる。
なお、伝熱性材料31は、基板10の下面102に設置された発熱部品(後述するスイッチング素子42)との間にも充填されている。
【0021】
光源素子21をパルス発光させるために、基板10には充放電回路40が形成されている。
図3において、充放電回路40は、回路要素として充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44を有する。
【0022】
充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43は、高出力LED製の光源素子21とともに環状に直列接続され、これらにより放電ループ401が形成されている。
充放電コンデンサ41には、充電用の直流電源45および入力段フィルタ46が接続され、電流検出抵抗43とともに環状に直列接続され、これらにより充電ループ402が形成されている。
スイッチング素子42は、FET(電界効果トランジスタ)などの半導体スイッチであり、制御回路47に入力される外部トリガに従って駆動回路48により遮断状態および導通状態が切り替えられる。
【0023】
充電ループ402においては、前述したスイッチング素子42が遮断された状態で、直流電源45からの電流により充放電コンデンサ41が充電される。
放電ループ401においては、スイッチング素子42を遮断した状態で充放電コンデンサ41が充電され、スイッチング素子42を導通させた際に充放電コンデンサ41からの電流が光源素子21に供給され、所定のタイミングでのパルス発光を行うことができる。
保護ダイオード44は、LEDである光源素子21に並列逆向きに接続されている。
【0024】
ここで、放電ループ401は、光源素子21に大電流を正確なタイミングで供給する必要がある。しかし、放電ループ401には、回路要素である充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44の各素子、および配線経路に起因する寄生抵抗403および寄生インダクタンス404が発生する。
【0025】
このような寄生抵抗403および寄生インダクタンス404を低減するために、本実施形態のパルス照明回路基板1においては、回路要素である充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44の各々を、複数の素子を並列接続して形成された素子群で構成している。
【0026】
さらに、本実施形態のパルス照明回路基板1においては、充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44の各々を構成する素子群を、光源素子21の接続端子22を通る基準線Rの反対側、および基板10の表裏に区分配置し、各区画において各素子を基準線Rに沿って配列している。
【0027】
図4において、基板10の上面101には導体膜の回路パターンが形成され、図示省略した回路部品を含む多数の回路部品が実装されている。回路パターンとして、上面101の図中左側には、直流電源部51、光源正極部52、光源負極部53、グランド部54、中継部55が形成されている。
直流電源部51は、充放電回路40の直流電源45(図3参照)に接続されている。
直流電源部51と光源正極部52との間には、充放電回路40の入力段フィルタ46としてのフィルタ素子461が接続されている。
【0028】
光源正極部52および光源負極部53には、下面102に接続された一対のソケット12(図1および図2参照)の一部が上面101まで基板10を貫通して延長され、各々ソケット12を介して光源素子21の接続端子22に接続されている。
光源正極部52と光源負極部53との間には、保護ダイオード素子441が2個並列に接続されている。各保護ダイオード素子441には、それぞれ抵抗442が直列に接続されている。
【0029】
光源正極部52の一部は、一対の接続端子22(接続端子22が接続されるソケット12)を通る基準線Rに沿った辺縁とされ、この辺縁に沿って短冊状に中継部55が形成され、中継部55の反対側にはグランド部54の辺縁が形成されている。
中継部55とこれに対向する光源正極部52の辺縁との間には、8個のコンデンサ素子411が並列接続されている。8個のコンデンサ素子411は、基準線Rに沿って均等に配列されている。
中継部55とこれに対向するグランド部54の辺縁との間には、4個の電流検出抵抗素子431が並列接続されている。4個の電流検出抵抗素子431は、基準線Rに沿って均等に配列されている。
【0030】
図5において、基板10の下面102には導体膜の回路パターンが形成され、下面102の図中右側には、光源正極部56、光源負極部57、グランド部58、中継部59が形成されている。
これら下面102の光源正極部56、光源負極部57、グランド部58、および中継部59は、上面101の光源正極部52、光源負極部53、グランド部54、および中継部55とそれぞれ対応するものどうしがスルーホールなどで電気的に導通されている。
【0031】
中継部59、および中継部59を挟んで対向する光源正極部56の辺縁、グランド部58の辺縁は、それぞれ前述した基準線Rに沿って形成されている。
中継部59とこれに対向する光源正極部56の辺縁との間には、8個のコンデンサ素子412が並列接続されている。8個のコンデンサ素子412は、基準線Rに沿って均等に配列されている。
中継部59とこれに対向するグランド部58の辺縁との間には、4個の電流検出抵抗素子432が並列接続されている。4個の電流検出抵抗素子432は、基準線Rに沿って均等に配列されている。
光源負極部57とグランド部58との間には、2個の半導体スイッチ422が接続されている。2個の半導体スイッチ422は、基準線Rに沿って均等に配列されている。
【0032】
本実施形態では、上面101および下面102に設置された各素子群により、充放電回路40の回路要素が構成されている。
上面101に設置された8個のコンデンサ素子411および下面102に設置された8個のコンデンサ素子412により、充放電コンデンサ41が構成されている。この際、コンデンサ素子411およびコンデンサ素子412は、充放電コンデンサ41として必要な容量値の16分の1とされ、16個を並列接続することで所期の性能の充放電コンデンサ41が構成される。
【0033】
上面101に設置された4個の電流検出抵抗素子431および下面102に設置された4個の電流検出抵抗素子432により、電流検出抵抗43が構成されている。この際、電流検出抵抗素子431および電流検出抵抗素子432は、電流検出抵抗43として必要な抵抗値の8倍とされ、8個を並列接続することで所期の性能の電流検出抵抗43が構成される。
【0034】
上面101に設置された2個の保護ダイオード素子441により、保護ダイオード44が構成されている。この際、2個の保護ダイオード素子441は、保護ダイオード44として必要な許容電流値の2分の1とされ、2個を並列接続することで所期の性能の保護ダイオード44が構成される。
【0035】
下面102に設置された2個の半導体スイッチ422により、スイッチング素子42が構成されている。2個の半導体スイッチ422は、同じ制御回路47および駆動回路48により並列駆動される。
【0036】
本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
本実施形態では、複数の回路要素(充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44)により基板10上に充放電回路40が形成され、この充放電回路40により光源素子21をパルス発光させることができる。
この際、複数の回路要素が、光源素子21の一対の接続端子22を通る基準線Rに沿って配置されているため、複数の回路要素を一対の接続端子22の近傍に配置し、充放電回路40を短縮でき、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板1とすることができる。
【0037】
本実施形態では、前述した複数の回路要素のうち、充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44を、それぞれ複数の素子(上下各8個のコンデンサ素子411,412、2個の半導体スイッチ422、上下各4個の電流検出抵抗素子431,432、2個の保護ダイオード素子441)を並列接続して形成された素子群であるとした。このため、充放電回路40における寄生抵抗403および寄生インダクタンス404を低減し、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板1とすることができる。
【0038】
本実施形態では、回路要素(充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44)を形成する素子群(コンデンサ素子411,412、半導体スイッチ422、電流検出抵抗素子431,432)を、それぞれ基準線Rに沿って整列させた。
このため、素子群つまり回路要素を構成する複数の素子が、基準線Rに沿って整列され、各々の接続経路を短く揃えることができ、充放電回路40における寄生抵抗403および寄生インダクタンス404を低減し、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板1とすることができる。
【0039】
本実施形態では、複数の回路要素を形成するいずれかの素子群(コンデンサ素子411,412)と、他のいずれかの素子群(電流検出抵抗素子431,432)とを、基準線Rに沿って延びる中継部55,59により接続した。
このため、別の回路要素がそれぞれ多数の素子で構成される素子群であっても、それぞれを基準線Rに沿って整列させつつ、互いの接続を確保することができる。従って、充放電回路40の経路を短縮でき、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板1とすることができる。
【0040】
本実施形態では、複数の回路要素のうち少なくともいずれか(保護ダイオード44)を、他の回路要素(充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43)に対して基準線Rを挟んで反対側に配置した。
このため、基板10の上面101でのスペースを有効に利用して充放電回路40の経路を短縮でき、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板1とすることができる。
【0041】
本実施形態では、複数の回路要素のうち少なくともいずれか(充放電コンデンサ41のコンデンサ素子411、保護ダイオード44、電流検出抵抗43の電流検出抵抗素子431)を、他の回路要素(充放電コンデンサ41のコンデンサ素子412、スイッチング素子42、電流検出抵抗43の電流検出抵抗素子432)に対して、基板10の反対側(上面101側と下面102側と)に配置した。
このため、基板10の表裏のスペースを有効に利用して充放電回路40の経路を短縮でき、高速なパルス照明を高精度に行えるパルス照明回路基板1とすることができる。
とくに、大電流が通る充放電コンデンサ41および電流検出抵抗43を構成する素子群を表裏に分配することで、コンデンサ素子411,412および電流検出抵抗素子431,432を細分化しつつ、基板10の上面101および下面102の光源素子21に近い領域を最大限に利用して経路短縮を図ることができる。
【0042】
本実施形態では、複数の回路要素は、コンデンサ要素(充放電コンデンサ41)、スイッチング素子要素(スイッチング素子42)、検出抵抗要素(電流検出抵抗43)、および保護ダイオード要素(保護ダイオード44)を含むようにした。
このため、コンデンサ要素およびスイッチング素子要素により、光源素子21をパルス発光させる充放電回路40の基本機能が得られるとともに、検出抵抗要素により発光タイミングの検出機能が得られ、保護ダイオード要素により光源素子21としてLEDを用いた場合の保護機能が得られる。
【0043】
本実施形態では、光源素子21は、基板10から交差方向に起立する光源基板20の前面に配置され、接続端子22は、光源素子21から光源基板20を経由して基板10に接続され、光源基板20の後面には、放熱体30が接続される構成とした。
このため、光源基板20により、光源素子21の接続端子22を基板10に接続しつつ、光源素子21の背面に放熱体30を設置することができ、放熱体30により光源素子21を冷却して発光効率を高めることができる。
【0044】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前記実施形態では、充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44を、それぞれ複数の素子(上下各8個のコンデンサ素子411,412、2個の半導体スイッチ422、上下各4個の電流検出抵抗素子431,432、2個の保護ダイオード素子441)を並列接続して形成された素子群であるとした。ただし、充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44は、いずれかを複数の素子群とし、他は単体の素子で構成してもよく、いずれも単体の素子であるとしてもよい。一方、前記実施形態では単体のフィルタ素子461とされていた入力段フィルタ46を、複数の素子で構成してもよい。
【0045】
回路要素として並列接続される素子群としては、全て同じ素子(容量や抵抗値などの電気的特性あるいは規格などが等しい素子)を並列に用いるものに限らず、異なる規格を混在させてもよく、容量や抵抗値が異なるものを組み合わせて用いてもよく、回路要素として必要な電気的特性が得られるものであればよい。
【0046】
前記実施形態では、回路要素(充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44)を形成する素子群(コンデンサ素子411,412、半導体スイッチ422、電流検出抵抗素子431,432)を、それぞれ基準線Rに沿って整列させた。ただし、これらのいずれかが基準線Rに沿って整列しない構成であってもよく、あるいは2個の保護ダイオード素子441を基準線Rに沿って整列させてもよい。
【0047】
前記実施形態では、複数の回路要素を形成するいずれかの素子群(コンデンサ素子411,412)と、他のいずれかの素子群(電流検出抵抗素子431,432)とを、基準線Rに沿って延びる中継部55,59により接続したが、中継部55,59は本発明に必須ではない。ただし、素子群(コンデンサ素子411,412)と他のいずれかの素子群(電流検出抵抗素子431,432)とが基準線Rに沿って平行に配列される構成においては、中継部55,59を用いることで互いの接続を確保するうえで好適である。
【0048】
前記実施形態では、複数の回路要素のいずれかとして、保護ダイオード44を基準線Rの一方の側に配置し、他の充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43を基準線Rの反対側に配置した。ここで、基準線Rを挟んで反対側に配置する要素の組み合わせは任意であり、例えば、保護ダイオード44および充放電コンデンサ41を基準線Rの一方の側に配置し、スイッチング素子42および電流検出抵抗43を基準線Rの反対側に配置するなどとしてもよい。
【0049】
前記実施形態では、複数の回路要素のいずれか(充放電コンデンサ41のコンデンサ素子411、保護ダイオード44、電流検出抵抗43の電流検出抵抗素子431)を上面101に配置し、他の回路要素(充放電コンデンサ41のコンデンサ素子412、スイッチング素子42、電流検出抵抗43の電流検出抵抗素子432)を下面102に配置することで、2つの素子群を基板10の反対側(上面101側と下面102側と)に配置した。ここで、基板10の反対側に配置する素子群の組み合わせは任意であり、例えば、保護ダイオード44および充放電コンデンサ41を基板10の一方の面に配置し、スイッチング素子42および電流検出抵抗43を基板10の裏側に配置するなどとしてもよい。
【0050】
前記実施形態では、光源素子21として高出力LEDを用いたが、他の発光方式の光源であってもよい。
前記実施形態では、光源素子21を発光させる回路として、充放電コンデンサ41、スイッチング素子42、電流検出抵抗43、保護ダイオード44を含む充放電回路40を用いたが、これらの回路要素は光源素子21の形式などによって適宜変更してよい。
前記実施形態では、基板10から交差方向に起立する光源基板20、および、光源基板20の後面に接続される放熱体30を有するパルス照明回路基板1を構成したが、放熱体30の形式や基板10における配置などは適宜変更してよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明はパルス照明回路基板に関し、パルス照明を行う光学装置に利用できる。
【符号の説明】
【0052】
1…パルス照明回路基板、10…基板、101…上面、102…下面、12…ソケット、20…光源基板、21…光源素子、22…接続端子、30…放熱体、31…伝熱性材料、40…充放電回路、401…放電ループ、402…充電ループ、403…寄生抵抗、404…寄生インダクタンス、41…充放電コンデンサ、411,412…コンデンサ素子、42…スイッチング素子、422…半導体スイッチ、43…電流検出抵抗、431,432…電流検出抵抗素子、44…保護ダイオード、441…保護ダイオード素子、442…抵抗、45…直流電源、46…入力段フィルタ、461…フィルタ素子、47…制御回路、48…駆動回路、51…直流電源部、52,56…光源正極部、53,57…光源負極部、54,58…グランド部、55,59…中継部、R…基準線。
図1
図2
図3
図4
図5