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特許7395644基板処理システムにおける再循環を低減するためのカラー、円錐形シャワーヘッド、および/または、トッププレート
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  • 特許-基板処理システムにおける再循環を低減するためのカラー、円錐形シャワーヘッド、および/または、トッププレート 図1
  • 特許-基板処理システムにおける再循環を低減するためのカラー、円錐形シャワーヘッド、および/または、トッププレート 図2
  • 特許-基板処理システムにおける再循環を低減するためのカラー、円錐形シャワーヘッド、および/または、トッププレート 図3
  • 特許-基板処理システムにおける再循環を低減するためのカラー、円錐形シャワーヘッド、および/または、トッププレート 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】基板処理システムにおける再循環を低減するためのカラー、円錐形シャワーヘッド、および/または、トッププレート
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20231204BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20231204BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/205
C23C16/44 B
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022066232
(22)【出願日】2022-04-13
(62)【分割の表示】P 2017130741の分割
【原出願日】2017-07-04
(65)【公開番号】P2022095877
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】15/207,035
(32)【優先日】2016-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・フィリップス
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・ブラキエール
(72)【発明者】
【氏名】シャンカー・スワミナタン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-012891(JP,A)
【文献】特表2009-524244(JP,A)
【文献】特開平08-148439(JP,A)
【文献】特表2000-511701(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0198417(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/205
C23C 16/44
C23C 16/455
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムにおける処理チャンバであって、
上面、側壁、および底面と、
前記処理チャンバの前記上面に結合され、前記上面から下向きに延伸するシャワーヘッドであって、ステム部分およびベース部分を含む、シャワーヘッドと、
前記処理チャンバの前記上面および前記側壁に隣接して配置されている逆円錐面であって、(i)水平方向から下向き方向に、および(ii)前記ベース部分の半径方向外側部分と前記処理チャンバの前記側壁との間のギャップに、前記シャワーヘッドの上方のガス流を向け直すよう配置されている傾斜面を備える、逆円錐面と
前記シャワーヘッドを前記処理チャンバの前記上面に結合するカラーと、を備え、前記カラーは、前記カラーの半径方向内側の面と前記シャワーヘッドの前記ステム部分との間にガスチャネルを規定し、前記カラーは、前記ガスチャネルから前記シャワーヘッドの上方の領域にパージガスを方向付けるよう配置されている1または複数のスリットを備え、前記半径方向内側の面は、前記処理チャンバの前記上面からの垂直距離が長くなるにつれて増加する直径を有する、処理チャンバ。
【請求項2】
請求項1に記載の処理チャンバであって、
前記ベース部分は、ガスプレナムを規定し、前記ステム部分は、前記ガスプレナムと流体連通するガスチャネルを規定する、処理チャンバ。
【請求項3】
請求項1に記載の処理チャンバであって、
前記シャワーヘッドは、前記処理チャンバにガスを分配するよう配置されているフェースプレートを備える、処理チャンバ。
【請求項4】
請求項に記載の処理チャンバであって、
前記1または複数のスリットは、前記パージガスを前記水平方向に方向付ける、処理チャンバ。
【請求項5】
請求項に記載の処理チャンバであって、
前記傾斜面は、前記水平方向に対して鋭角に配置されている、処理チャンバ。
【請求項6】
請求項に記載の処理チャンバであって、
前記傾斜面は、前記水平方向に対して30°~60°の間の角度で配置されている、処理チャンバ。
【請求項7】
請求項に記載の処理チャンバであって、
前記傾斜面は、前記水平方向に対して40°~50°の間の角度で配置されている、処理チャンバ。
【請求項8】
請求項に記載の処理チャンバであって、
前記逆円錐面の半径方向内側の縁部は、前記カラーから離間されている、処理チャンバ。
【請求項9】
請求項に記載の処理チャンバであって、さらに、
前記シャワーヘッドの前記ステム部分に対して前記カラーの位置を維持するよう配置されているスペーサを備える、処理チャンバ。
【請求項10】
請求項に記載の処理チャンバであって、
前記スペーサは、前記シャワーヘッドの前記ベース部分上の、前記シャワーヘッドの前記ステム部分の周りに配置されている環状ベース部分を備える、処理チャンバ。
【請求項11】
請求項10に記載の処理チャンバであって、
前記スペーサは、前記環状ベース部分から上向きに突出した2以上のアームを備え、前記2以上のアームの上端は、上向き外方向に前記カラーを付勢する、処理チャンバ。
【請求項12】
請求項1に記載の処理チャンバであって、さらに、
前記逆円錐面を前記処理チャンバの前記上面に結合する留め具を備える、処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システムに関し、特に、再循環を低減するためのカラー、円錐形シャワーヘッド、および/または、トッププレートを備える基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で提供されている背景技術の記載は、本開示の背景を概略的に提示する。ここに名を挙げられている発明者の業績は、この背景技術に記載された範囲において、出願時に従来技術として通常見なされえない記載の態様と共に、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術として認められない。
【0003】
半導体ウエハなどの基板上に膜を蒸着、エッチング、または、その他の処理を行うために、基板処理システムが利用されうる。基板処理システムは、通例、処理チャンバ、シャワーヘッドなどのガス分配装置、および、基板支持体を備える。処理中、基板は、基板支持体の上に配置される。異なるガス混合物が処理チャンバに導入され、熱または高周波(RF)プラズマが、化学反応を活性化するために一部の処理中に利用されうる。
【0004】
処理チャンバは、一般的に、上面、下面、および、側壁を備える。シャワーヘッドは、通常、ガスプレナムを規定する円筒形のベース部分を備える。フェースプレートは、ガスプレナムの片側に配置されており、複数の離間したスルーホールを備える。シャワーヘッドは、さらに、一方の端部で処理チャンバの上面に結合され、反対側の端部で円筒形ベースの中心に結合された空洞ステム部分を備える。シャワーヘッドのステム部分は、処理ガスを円筒形ベースのガスプレナムに供給する。ガスは、フェースプレートの離間スルーホールを通して流れ、シャワーヘッドの下方に配置された基板支持体上に載置された基板に対して均一に分散される。
【0005】
ステム部分の周りに配置されたカラーは、シャンデリア型シャワーヘッドを備える隣接する処理ステーションを隔離するためのガーテンガスの供給に利用されうる。カラーは、ステム部分を処理チャンバの上面に結合するためにも利用されうる。カラーは、処理中に円筒形ベース部分と処理チャンバの上面との間に二次パージガスを供給する1または複数のガススリットを備えうる。ギャップが、シャワーヘッドの円筒形ベース部分の半径方向外側の縁部と処理チャンバの側壁との間に規定される。二次パージガスは、カラー上のスリットとギャップとを通して流れ、その後、排気ポートを介して排気される。シャワーヘッドの対称的な構成は、二次パージガスの再循環を引き起こしうる。粒子が、処理中にシャワーヘッド上方の再循環ガスによって捕捉され、欠陥を引き起こしうる。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムは、処理チャンバと、フェースプレート、ステム部分、および、円筒形ベース部分を備えているシャワーヘッドと、を備える。カラーは、シャワーヘッドを処理チャンバの上面に結合させる。カラーは、二次パージガスを受け入れるためのガスチャネルと、ガスチャネルからの二次パージガスを半径方向外向き下方向に方向付けるための複数のガススリットとを規定する。円錐面が、円筒形ベースに隣接して、シャワーヘッドのステム部分の周りに配置されている。逆円錐面が、処理チャンバの上面および側壁に隣接して配置されている。円錐面および逆円錐面は、複数のガススリットから円筒形ベース部分の半径方向外側部分と処理チャンバの側壁との間に規定されたギャップまでの傾斜ガスチャネルを規定する。
【0007】
別の特徴において、ガスチャネルは、一定の幅を有すると共に、複数のガススリットから流れる二次パージガスの方向に平行である流路を規定する。円錐面は、中空であり、シャワーヘッドのステム部分およびベース部分の少なくとも一方に取り付けられている。円錐面は、中実であり、シャワーヘッドのステム部分およびベース部分の少なくとも一方に取り付けられている。
【0008】
別の特徴において、円錐面は、シャワーヘッドのステム部分およびベース部分の少なくとも一方と一体化されている。逆円錐面は、中空であり、処理チャンバの上面および側壁の少なくとも一方に取り付けられている。逆円錐面は、中実であり、処理チャンバの上面および側壁の少なくとも一方に取り付けられている。
【0009】
別の特徴において、逆円錐面は、処理チャンバの上面および側壁の少なくとも一方と一体化されている。円錐面は、ステム部分を受け入れるための中央開口部を備える。複数のガススリットは、カラーに沿って半径方向および軸方向に離間されている。
【0010】
基板処理システムは、処理チャンバと、フェースプレート、ステム部分、および、円筒形ベース部分を備えるシャワーヘッドと、を備えている。カラーは、シャワーヘッドを処理チャンバの上面に結合させる。カラーは、ガスチャネルを規定し、半径方向内側の面、半径方向外側の面、および、複数のガススリットを備える。二次パージガスが、ガスチャネルからガススリットを通して半径方向外向きに流れる。半径方向内側の面は、円筒形ベース部分までの軸方向距離が短くなるにつれて単調増加する内径を規定する。
【0011】
別の特徴において、カラーの半径方向内側の面およびシャワーヘッドのステム部分は、それらの間にガスチャネルを規定する。逆円錐面が、処理チャンバの上面に隣接して配置されており、逆円錐面は、ガススリットから流れる二次パージガスを外向き下方向に向け直す。
【0012】
別の特徴において、スペーサが、ステム部分に対するカラーの位置を維持するためにステム部分の周りに配置されている。スペーサは、円筒形ベース部分に隣接して配置された環状ベース部分と、カラーの半径方向内側の面を付勢するために上向きに伸びる複数のアームと、を備える。
【0013】
別の特徴において、複数のガススリットは、カラーに沿って半径方向および軸方向に離間されている。
【0014】
詳細な説明、特許請求の範囲、および、図面から、本開示を適用可能なさらなる領域が明らかになる。詳細な説明および具体的な例は、単に例示を目的としており、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示は、詳細な説明および以下に説明する添付図面から、より十分に理解できる。
【0016】
図1】本開示に従って、基板処理システムの一例を示す機能ブロック図。
【0017】
図2】基板処理システムの一例を示す側断面図。
【0018】
図3】本開示に従って、基板処理システムの一例を示す側断面図。
【0019】
図4】本開示に従って、基板処理システムの別の例を示す側断面図。
【0020】
図面において、同様および/または同一の要素を特定するために、同じ符号を用いる場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示に従うカラー、円錐形シャワーヘッド、および/または、トッププレートは、シャワーヘッドと処理チャンバの上面との間にガス層流を生成して、欠陥捕獲再循環領域を最小化するために用いられる。一部の例において、カラー、円錐形シャワーヘッド、および/または、トッププレートは、原子層蒸着(ALD)リアクタ内で対称のトッププレートと併用されるが、その他のタイプのリアクタが用いられてもよい。
【0022】
ここで、図1を参照すると、基板処理システム10は、上面、下面、および、側壁を有する処理チャンバ12を備える。一部の例において、基板処理システム10は、ALDを実行するが、その他のタイプの基板処理システムおよび/またはその他の処理(化学蒸着(CVD)、エッチングなど)が実施されてもよい。ガス分配デバイス(シャワーヘッド14など)が、処理チャンバ12内に配置される。基板支持体16(静電チャック、ペデスタル、または、その他の基板支持体など)が、シャワーヘッド14の下方に配置される。基板18が、処理中に基板支持体16上に載置される。
【0023】
基板処理システム10は、さらに、1または複数のガス源22-1、22-2、・・・22-N(集合的に、ガス源22)を備えるガス供給システム20を備えており、ここで、Nはゼロより大きい整数である。1または複数のバルブ24-1、2-2、・・・、および、2-Nと、マスフローコントローラ26-1、26-2、・・・、および、26-Nが、ガス源22からマニホルド30へのガスの流れおよびガス流量を制御するために用いられてよい。マニホルド30の出力は、シャワーヘッド14と流体連通する。
【0024】
コントローラ40および/または温度コントローラ42が、基板支持体16の温度を制御するために用いられてよい。コントローラ40および/または温度コントローラ42は、加熱および/または冷却を実行しうる。基板支持体16は、基板支持体16の1または複数の区域の加熱および/または冷却を制御する1または複数の抵抗ヒータ、流体チャネル、熱電素子(TED)もしくは、その他のデバイスを備えてよい。温度センサおよび/または圧力センサなどの1または複数のセンサ41が、基板18、基板支持体16、もしくは、処理チャンバ12の内面または外面の温度および/または圧力の値を検知するために用いられてよい。コントローラ40は、センサ41の出力を受信し、それらに基づいて処理動作パラメータを制御する。コントローラ40は、さらに、処理中に所定の間隔で処理ガスおよび/またはパージガスを供給するように、ガス供給システム20を制御する。
【0025】
コントローラ40は、選択的に、プラズマ発生器46に処理チャンバ12内でプラズマを発生させプラズマを消化させる。コントローラ40は、任意選択的なバルブ50およびポンプ52を制御して、処理チャンバ12内の圧力を制御および/または処理チャンバ12から反応物質を除去する。一部の例において、ポンプ52は、ターボ分子ポンプを含んでよい。
【0026】
プラズマ発生器46は、RF電力を供給するRF源60と、RF源60のインピーダンスとプラズマ発生器46の出力とを整合する整合回路網64と、を備える。一部の例において、プラズマ発生器46はシャワーヘッド14にRF電力を出力し、基板支持体16内の電極(図示せず)は接地される。他の例において、シャワーヘッド14は接地され、RF電力は基板支持体16内の電極に出力される。コントローラ40は、プラズマ発生器46と通信し、プラズマの点火および消火を含むプラズマ発生器46の動作を制御する。後に詳述するように、パージガス源80およびバルブ82が、二次パージガスをカラー84に選択的に供給するためにコントローラ40によって用いられてよい。
【0027】
ここで、図2を参照すると、基板処理システム100は、上面112、側壁114、および、底面116を有する処理チャンバ110を備える。カラー122は、ベース部分124と、ベース部分124から下方に伸びるステム部分126と、を備える。カラー122は、ガスチャネル128を規定する。一部の例において、ガスチャネルは、カラー122とシャワーヘッドのステム部分との間に規定される。その他の例において、カラー122が単独でガスチャネルを規定する。一部の例において、ガスチャネル128は、環状である。流入口129が、二次パージガスなどのガス源をガスチャネル128に接続するために用いられてよい。ステム部分126は、処理チャンバ110の上面112に対して平行な方向でガスチャネル128から半径方向外向きにガスを方向付ける1または複数のガススリット130を規定する。
【0028】
シャワーヘッド144は、円筒形ベース部分146およびステム部分152を備える。円筒形ベース部分146は、ステム部分152から半径方向外向きに伸びて、側壁114に対してギャップを規定する。円筒形ベース部分146は、さらに、ガスプレナム156を規定する。ステム部分152は、円筒形ベース部分146のガスプレナム156と流体連通する円筒形ガスチャネル157を規定する空洞の円筒形を有してよい。ガス分散プレート158が、ステム部分152から円筒形ベース部分146へ流れるガスを分散させるために用いられてよい。シャワーヘッド144は、さらに、複数の離間スルーホール162を規定するフェースプレート160を備えてよい。フェースプレート160は、フェースプレート160の下方の基板支持体168上に配置された基板166に対して比較的均一に処理ガスを分散させる。
【0029】
動作中、処理ガスは、ステム部分152のガスチャネル15を通して円筒形ベース部分146のガスプレナム156へ供給される。ガスは、フェースプレート160の離間スルーホール162を通してガスプレナム156の外に流れる。処理のいくつかの部分の間、二次パージガスが、カラー122のガスチャネル128に供給されてよい。二次パージガスの一部は、169に示すように、ガスチャネル128およびガススリット130を通して流れる。ガスチャネル128内の二次パージガスの残りは、円筒形ベース部分146に向かって下方に流れ、170に示すように半径方向外向きに流れる。
【0030】
円筒形ベース部分146と処理チャンバ110の上面112との間に位置する二次パージガスは、174に示すように、円筒形ベース部分146と側壁114との間のギャップを通して流れる。二次パージガスの少なくとも一部は、172に示すように、再循環される。上述のように、再循環する二次パージガスは、欠陥を引き起こしうる粒子を捕捉しうる。
【0031】
再循環を防ぐために二次パージガスの速度または流量を調節することは困難である。ペクレ数を超えるガス流は、シャワーヘッドからのガスがシャワーヘッドの背面に逆拡散する(これは、二次パージガスの作用である)ことを防ぐ。この効果がなければ、粒子は、(再循環のあるなしにかかわらず)背面に到達する。
【0032】
ここで、図3を参照すると、本開示に従った基板処理システム200は、上面212、側壁214、および、底面216を有する処理チャンバ210を備える。特定のプラズマ処理チャンバが図示されているが、他の処理チャンバが用いられてもよい。カラー222は、ベース部分224およびステム部分226を備える。カラー222は、半径方向外側の面および半径方向内側の面を備える。半径方向内側の面は、ガスチャネル228を規定する。一部の例において、ガスチャネル228は、環状である。流入口229が、二次パージガスなどのガス源をガスチャネル228に接続するために用いられてよい。ステム部分226は、後に詳述するように、処理チャンバ210の上面212に平行なラインに対して下向きの角度にガスチャネル228からのガスを方向付ける1または複数のガススリット230を規定する。単に例として、ガススリット230は、カラー222の周りで放射方向に離間される。単に例として、ガススリット230は、カラー222に沿って軸方向に離間される。
【0033】
シャワーヘッド244は、円筒形ベース部分246およびステム部分252を備える。円筒形ベース部分246は、ガスプレナム256を規定する。ステム部分252は、円筒形ベース部分246のガスプレナム256と流体連通する円筒形ガスチャネル257を規定する空洞の円筒形を有してよい。ガス分散プレート258が、ステム部分252から円筒形ベース部分246へ流れるガスを分散させるために用いられてよい。シャワーヘッド244は、さらに、複数の離間スルーホール262を規定するフェースプレート260を備えてよい。フェースプレート260は、基板支持体268上のフェースプレート260の下方に配置された基板266に対して比較的均一にガスを分散させる。
【0034】
円錐面274が、ステム部分252の一部および円筒形ベース部分246に沿って配置されている。単に例として、円錐面274は、空洞(図示せず)または中実であってよい。単に例として、円錐面274は、シャワーヘッド244と一体化されてもよいし、(図のように)シャワーヘッド244に取り付けられた別個の面であってもよい。円錐面274は、カラー222のステム部分252を受け入れるための中央開口部276を備える。円錐面274は、さらに、円筒形ベース部分246の上面と隣接配置されたおよび/またはそれに結合された半径方向外側の縁部278を備える。
【0035】
逆円錐面282が、処理チャンバ210の上面212および/または側壁214に隣接配置および/または結合される。単に例として、留め具284が用いられてよい。単に例として、逆円錐面282は、中空または中実であってよい。単に例として、逆円錐面282は、上面212および/または側壁214と一体化されてもよいし、(図示のように)それに取り付けられた別個の面であってもよい。円錐面274および逆円錐面282は、フローチャネル290を規定する対向する面286および288をそれぞれ備えてよい。一部の例において、フローチャネル290の対向面286および288は、略一定のギャップを規定し、略平行である。別の例において、対向面286および288によって規定されるフローチャネル290の角度は、ガススリット230から流れ出る二次パージガスによって規定される角度とおおよそ同じである。
【0036】
動作中、処理ガスは、ステム部分252の円筒形ガスチャネル257を通して円筒形ベース部分246のガスプレナム256へ供給される。ガスは、離間スルーホール262を通してガスプレナム256の外に流れる。
【0037】
処理のいくつかの部分の間、二次パージガスが、カラー222のガスチャネル228に供給されてよい。二次パージガスは、269に示すように、ガスチャネル228およびガススリット230を通して流れる。フローチャネル290内の二次パージガスは、292に示すように、円筒形ベース部分246と側壁214との間のギャップを通過する。以上からわかるように、図3の構成は、二次パージガスの実質的な層流を保証し、これにより、再循環および欠陥が低減される。
【0038】
一部の例において、円錐面274は、円筒形ベース部分246の半径方向外側の縁部からシャワーヘッド244のステム部分252の半径方向外側の縁部まで伸びる。別の例において、円錐面274は、円筒形ベース部分246の半径方向外側の縁部の近くの点からシャワーヘッド244のステム部分252の半径方向外側の縁部まで伸びる。換言すると、ギャップが、円筒形ベース部分246に隣接して形成されうる。別の例において、円錐面274は、円筒形ベース部分246の半径方向外側の縁部からシャワーヘッド244のステム部分252の半径方向外側の縁部の近くの点まで伸びる。換言すると、ギャップが、シャワーヘッド244に隣接して形成されうる。さらに別の例では、ギャップが、円錐面274の両側に形成される。
【0039】
一部の例において、逆円錐面282は、側壁214からカラー222のステム部分226の半径方向外側の縁部まで伸びる。一部の例において、逆円錐面282は、側壁214の近くの点からカラー222のステム部分226の半径方向外側の縁部まで伸びる。換言すると、ギャップが、逆円錐面282と壁214との間に形成されうる。一部の例において、逆円錐面282は、側壁214からカラー222のステム部分226の半径方向外側の縁部の近くの点まで伸びる。換言すると、ギャップが、逆円錐面282とカラー222との間に形成されうる。さらに別の例では、ギャップが、逆円錐面282の両側に形成される。
【0040】
ここで、図4を参照すると、本開示に従った基板処理システム300は、上面312、側壁314、および、底面316を有する処理チャンバ310を備える。特定のプラズマ処理チャンバが図示されているが、他の処理チャンバが用いられてもよい。
【0041】
カラー322は、ベース部分324およびステム部分326を備える。カラー322は、半径方向外側の面および半径方向内側の面を備える。カラー322は、ガスチャネル328を規定する。一部の例において、ガスチャネル328は、環状である。流入口329が、パージガスなどのガス源を環状のガスチャネル328に接続するために用いられてよい。ステム部分326は、ガスチャネル328から処理チャンバ310内へカラー322を通して二次パージガスを方向付けるステム部分326の周りに配置された1または複数のガススリット330-1、330-2、・・・、330-S(集合的に、ガススリット330)を規定する。カラー322は、さらに、ガスチャネル328への下側開口部を規定してよい。利用される場合、二次パージガスは、カラー322の下側開口部にも流れる。
【0042】
シャワーヘッド344は、円筒形ベース部分346およびステム部分352を備える。円筒形ベース部分346は、ガスプレナム356を規定する。ステム部分352は、円筒形ベース部分346のガスプレナム356と流体連通するガスチャネル357を規定する空洞の円筒形を有してよい。ガス分散プレート358が、ステム部分352から円筒形ベース部分346へ流れるガスを分散させるために用いられてよい。シャワーヘッド344は、さらに、複数の離間スルーホール362を規定するフェースプレート360を備えてよい。フェースプレート360は、基板支持体368上のフェースプレート360の下方に配置された基板366に対して比較的均一にガスを分散させる。
【0043】
一部の例において、カラー322のステム部分326上のガススリット330は、処理チャンバ310の上面312に対して略平行な方向にガスチャネル328からのガスを方向付ける。一部の例において、カラー322のステム部分326の内面331は、円筒形ベース部分346までの垂直距離が短くなるにつれて単調増加する直径を有する。内面331は、カラー322とステム部分352との間に単調増加するギャップを規定する。一部の例において、ガススリット330の内の隣接するスロット、カラー322のステム部分326の、および、シャワーヘッド344のステム部分352に囲まれた領域332-1、332-2、・・・、33-Sは、台形断面を有する略環状の形状である。一部の例において、台形断面の半径方向内側の角は、おおよそ直角であり、領域332の半径方向外側の面は、上部から底部まで単調増加する直径を有する。
【0044】
逆円錐面382が、処理チャンバ310の上面312に隣接配置および/または結合される。単に例として、留め具384が用いられてよい。逆円錐面382は、水平のガス流を下方向に向け直す傾斜面386を備える。一部の例において、傾斜面386は、ガススリット330からの流れに対して鋭角に配置される。一部の例において、傾斜面386は、ガススリット330からの流れに対して30°~60°の間の角度に配置される。一部の例において、傾斜面386は、ガススリット330からの流れに対して40°~50°の間の角度に配置される。一部の例において、逆円錐面382の半径方向内側の縁部は、カラー322から離間されている。一部の例において、逆円錐面382の半径方向外側の縁部の底部は、円筒形ベース部分346の上面以上の高さに配置される。
【0045】
スペーサ370が、シャワーヘッド344のステム部分352に対するカラー322の位置を維持するために提供されてよい。スペーサ370は、ステム部分352の周りに配置され、円筒形ベース部分346上に載った環状ベース部分371を備えてよい。スペーサ370は、さらに、環状ベース部分371から上方に突出した2以上のアーム372を備える。アーム372の上端は、上向き外方向にステム部分326の内面を付勢する。
【0046】
動作中、処理ガスは、ステム部分352のガスチャネル357を通して円筒形ベース部分346のガスプレナム356へ供給される。ガスは、離間スルーホール362を通してガスプレナム356の外に流れる。
【0047】
処理のいくつかの部分の間、二次パージガスが、カラー322のガスチャネル328に供給されてよい。二次パージガスは、369に示すように、ガスチャネル328およびガススリット330を通して流れる。ガス流369は、シャワーヘッド344と側壁314との間のギャップ387に向かって逆円錐面382の傾斜面386によって略下方に向け直される。二次パージガスの他の部分は、ステム部分326の底部から下向きに流れ、側壁314に向かって外側に流れる。以上からわかるように、逆円錐面382およびカラー322の組みあわせは、シャワーヘッド344の上方の領域における再循環を低減する。
【0048】
上述の記載は、本質的に例示に過ぎず、本開示、応用例、または、利用法を限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施されうる。したがって、本開示には特定の例が含まれるが、図面、明細書、および、以下の特許請求の範囲を研究すれば他の変形例が明らかになるため、本開示の真の範囲は、それらの例には限定されない。方法に含まれる1または複数の工程が、本開示の原理を改変することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載された特徴の内の任意の1または複数の特徴を、他の実施形態のいずれかに実装することができる、および/または、組み合わせが明確に記載されていないとしても、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すると、上述の実施形態は互いに排他的ではなく、1または複数の実施形態を互いに置き換えることは本開示の範囲内にある。
【0049】
要素の間(例えば、モジュールの間、回路要素の間、半導体層の間)の空間的関係および機能的関係性が、「接続される」、「係合される」、「結合される」、「隣接する」、「近接する」、「の上部に」、「上方に」、「下方に」、および、「配置される」など、様々な用語を用いて記載されている。第1および第2要素の間の関係性を本開示で記載する時に、「直接」であると明確に記載されていない限り、その関係性は、他に介在する要素が第1および第2の要素の間に存在しない直接的な関係性でありうるが、1または複数の介在する要素が第1および第2の要素の間に(空間的または機能的に)存在する間接的な関係性でもありうる。本明細書で用いられているように、「A、B、および、Cの少なくとも1つ」という表現は、非排他的な論理和ORを用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、および、Cの少なくとも1つ」という意味であると解釈されるべきではない。
【0050】
いくつかの実施例において、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってよい。かかるシステムは、1または複数の処理ツール、1または複数のチャンバ、処理のための1または複数のプラットフォーム、および/または、特定の処理構成要素(ウエハペデスタル、ガスフローシステムなど)など、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および、処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、システムの様々な構成要素または副部品を制御しうる。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/または特定のシステムと接続または結合されたロードロックの内外へのウエハ移動など、本明細書に開示の処理のいずれを制御するようプログラムされてもよい。
【0051】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含みうる。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて、半導体ウエハに対するまたは半導体ウエハのための特定の処理を実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、ウエハの1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ダイの加工中に1または複数の処理工程を達成するために処理エンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0052】
コントローラは、いくつかの実施例において、システムと一体化されるか、システムに接続されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、もしくは、それらの組み合わせでシステムに結合されたコンピュータの一部であってもよいし、かかるコンピュータに接続されてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは、複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べうる。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワーク(ローカルネットワークまたはインターネットを含みうる)を介してシステムに処理レシピを提供してよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えてよく、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1または複数の動作中に実行される処理工程の各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、実行される処理のタイプならびにコントローラがインターフェース接続するまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であってよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワーク化されて共通の目的(本明細書に記載の処理および制御など)に向けて動作する1または複数の別個のコントローラを備えることなどによって分散されてよい。かかる目的のための分散コントローラの一例は、チャンバでの処理を制御するために協働するリモートに配置された(プラットフォームレベルにある、または、リモートコンピュータの一部として配置されるなど)1または複数の集積回路と通信するチャンバ上の1または複数の集積回路である。
【0053】
限定はしないが、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層蒸着(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの加工および/または製造に関連するかまたは利用されうる任意のその他の半導体処理システムを含みうる。
【0054】
上述のように、ツールによって実行される1または複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは、半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、の内の1または複数と通信してもよい。
図1
図2
図3
図4