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特許7395920情報処理装置、情報提供システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報提供システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20231205BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H04L67/02
G08B27/00 B
G08B27/00 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019181548
(22)【出願日】2019-10-01
(65)【公開番号】P2021056937
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】福田 道隆
(72)【発明者】
【氏名】松下 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 勉
(72)【発明者】
【氏名】細川 潤
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-129522(JP,A)
【文献】特開2018-124954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G08B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送設備から放送される放送情報に応じた表示情報を端末装置に表示させる情報処理装置であって、
前記放送情報に含まれる音波の情報と、前記放送情報に応じた前記表示情報との対応関係を管理する管理部と、
前記放送情報を受信したときに前記表示情報を表示する前記端末装置に、前記音波の情報と前記表示情報とを含むコンテンツデータを配信する配信部と、
前記音波を出力する音波出力装置に、前記放送情報に含まれる前記音波の出力操作を受け付ける操作画面を表示するための操作画面情報を提供する提供部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記音波の情報は、前記音波が表す識別情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記管理部は、1つ以上の施設に対応する前記対応関係を管理し、
前記配信部は、前記端末装置に対応する施設の前記対応関係に基づいて、前記コンテンツデータを前記端末装置に配信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記管理部は、前記放送情報に対応する放送内容をさらに管理し、
前記操作画面は、前記放送内容と、前記放送内容に対応する前記音波の出力操作を受け付ける表示要素とを含む、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記管理部は、1つ以上の施設に対応する前記対応関係を前記施設の階層ごとに管理し、
前記操作画面は、前記階層を選択する選択欄を含む、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記放送設備は、前記音波出力装置が出力する音波を含む前記放送情報を放送し、
前記端末装置は、前記音波を含む前記放送情報を受信したときに、前記コンテンツデータを用いて、前記放送情報に応じた前記表示情報を表示画面に表示する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記放送設備は、防災用の放送設備である、請求項1乃至のいずれか一項の情報処理装置。
【請求項8】
放送設備から放送される放送情報に応じた表示情報を端末装置に表示させる情報提供システムであって、
前記放送情報に含まれる音波の情報と、前記放送情報に応じた前記表示情報との対応関係を管理する管理部と、
前記放送情報を受信したときに前記表示情報を表示する前記端末装置に、前記音波の情報と前記表示情報とを含むコンテンツデータを配信する配信部と、
前記音波を出力する音波出力装置に、前記放送情報に含まれる前記音波の出力操作を受け付ける操作画面を表示するための操作画面情報を提供する提供部と、
を有する、情報提供システム。
【請求項9】
放送設備から放送される放送情報に応じた表示情報を端末装置に表示させるコンピュータに、
前記放送情報に含まれる音波の情報と、前記放送情報に応じた前記表示情報との対応関係を管理する処理と、
前記放送情報を受信したときに前記表示情報を表示する前記端末装置に、前記音波の情報と前記表示情報とを含むコンテンツデータを配信する処理と、
前記音波を出力する音波出力装置に、前記放送情報に含まれる前記音波の出力操作を受け付ける操作画面を表示するための操作画面情報を提供する処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報提供システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害が発生した場合等に、利用者が利用する端末装置に避難経路等の情報を提供する情報提供システムが知られている。
【0003】
例えば、屋内にいるサービス利用者の位置に応じた避難経路の情報を、サーバ装置から端末装置に対して、通信ネットワークを介して提供する情報提供システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、災害等が発生したときには、ネットワーク環境が被害を受け、通信ネットワークを介して通信が行えなくなる可能性がある。従って、例えば、特許文献1に開示された技術のように、オンライン環境を前提としたシステムでは、災害時などに通信ネットワークを介して通信が行えなくなった場合に、端末装置に適切な避難情報等を提供できなくなる恐れがある。
【0005】
本発明の実施の形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、利用者が利用する端末装置に様々な提供情報を提供する情報提供システムにおいて、通信ネットワークを介して通信が行えない場合でも、利用者に適切な提供情報を提供できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、放送設備から放送される放送情報に応じた表示情報を端末装置に表示させる情報処理装置であって、前記放送情報に含まれる音波の情報と、前記放送情報に応じた前記表示情報との対応関係を管理する管理部と、前記放送情報を受信したときに前記表示情報を表示する前記端末装置に、前記音波の情報と前記表示情報とを含むコンテンツデータを配信する配信部と、前記音波を出力する音波出力装置に、前記放送情報に含まれる前記音波の出力操作を受け付ける操作画面を表示するための操作画面情報を提供する提供部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施の形態によれば、利用者が利用する端末装置に様々な提供情報を提供する情報提供システムにおいて、通信ネットワークを介して通信が行えない場合でも、利用者に適切な提供情報を提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報提供システムのシステム構成の例を示す図である。
図2】一実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図3】一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係る情報提供システムの機能構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る情報処理装置が管理する情報のイメージを示す図である。
図6】一実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すフローチャートである。
図7】一実施形態に係る端末装置の処理の例を示すフローチャートである。
図8】一実施形態に係る端末装置の表示画面の例を示す図である。
図9】一実施形態に係る防災用端末の処理の例を示すフローチャートである。
図10】一実施形態に係る防災用端末の操作画面の例を示す図(1)である。
図11】一実施形態に係る防災用端末の操作画面の例を示す図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0010】
<システムの構成>
図1は、一実施形態に係る情報提供システムのシステム構成の例を示す図である。情報提供システム100は、例えば、情報処理装置101、端末装置102、防災用端末103、及び管理用端末104等を含む。情報処理装置101、端末装置102、防災用端末103、及び管理用端末104は、例えば、災害等の被害を受けていない平常時には、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク107を介して、互いに通信可能である。
【0011】
一方、例えば、火災や地震等の災害が発生したときには、例えば、停電、ネットワーク機器の損傷等により、通信ネットワーク107が利用できなくなる恐れがある。このような場合でも、例えば、施設等に設置された防災用の放送設備110(例えば、防災用放送装置112、及び複数のスピーカ111a、111b、・・・等)を用いて、防災用の音声メッセージ等を放送することができるものとする。なお、防災用の放送設備110は、例えば、施設等に予め設置された防災用の放送設備であっても良いし、地方自治体等が屋外に設置した防災用の放送設備等であっても良い。
【0012】
情報提供システム100は、例えば、災害等により、通信ネットワーク107が利用できなくなったときでも、放送設備110を用いて、利用者106が利用する端末装置102に、災害による被害状況、避難経路等の様々な提供情報を提供するシステムである。
【0013】
情報処理装置101は、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。情報処理装置101は、放送設備110から放送される音声メッセージ(以下、放送メッセージと呼ぶ)と、表示情報と、音波の情報と、音波データとの対応関係を管理している。
【0014】
ここで、放送メッセージは、例えば、災害が発生したときなどに、防災担当者等が放送設備110で放送する音声メッセージであり、施設等によって、どのような災害が発生したときに、どのような放送メッセージを放送するかが、予め定められているものとする。表示情報は、放送メッセージに対応する表示画面を端末装置102に表示するための情報であり、例えば、放送メッセージと同様の内容の文字列、発信元を示す文字列、背景色等の情報が含まれ得る。
【0015】
音波の情報には、例えば、放送メッセージと共に放送される音波が表す識別情報等が含まれる。ここでは、放送設備110は、災害等が発生したときに、予め定められた放送メッセージと、放送メッセージに対応する識別情報を表す音波とを含む放送情報を放送するものとする。音波データは、放送メッセージに対応する識別情報を表す音波を出力するための音波データである。
【0016】
また、情報処理装置101は、上述した対応関係に基づいて、放送情報に含まれる音波の情報と、音波の情報に対応する表示情報とを含むコンテンツデータを作成し、端末装置102に配信する。例えば、情報処理装置101は、平常時に、通信ネットワーク107を介して、端末装置102に作成したコンテンツデータを配信する。
【0017】
さらに、情報処理装置101は、上述した対応関係に基づいて、識別情報を表す音波の出力操作を受け付ける操作画面を表示するための情報(以下、操作画面情報と呼ぶ)を作成し、防災用端末103に提供する。例えば、情報処理装置101は、放送内容(例えば、放送メッセージの文言等)と、放送内容に対応する識別情報を表す音波を出力するための音波データとを含む操作画面情報を作成し、平常時に、通信ネットワーク107を介して、防災用端末103に提供する。
【0018】
なお、識別情報を表す音波を出力するための音波データは、情報処理装置101が生成しても良いし、例えば、音波データを配信する外部サーバ105等から取得しても良い。
【0019】
防災用端末103は、例えば、施設等の防災センター等に勤務する防災担当者等が利用する、ノートPC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等の情報端末である。防災用端末103は、例えば、情報提供システム100に対応する防災端末用のプログラムを実行することにより、平常時に、通信ネットワーク107を介して、情報処理装置101から、前述した操作画面情報をダウンロードし、記憶部等に記憶しておく。
【0020】
これにより、防災用端末103は、例えば、災害等により、通信ネットワーク107が利用できないときでも、放送内容と、放送内容に対応する識別情報を表す音波の出力操作を受け付ける操作ボタン等の表示要素とを含む操作画面を表示することができる。
【0021】
また、防災担当者等は、例えば、防災用端末103の音声出力端子と、防災用放送装置112の音声入力端子とをケーブルで接続し、放送設備110で放送メッセージをアナウンスするときに、操作画面から放送内容に対応する操作ボタン等を選択する。これにより、防災用端末103から、防災用放送装置112に、放送内容に対応する識別情報を表す音波が入力され、放送設備110から、防災担当者等が発話した放送メッセージと、識別情報を表す音波とを含む放送情報が放送される。
【0022】
端末装置102は、利用者106が利用する、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等の情報端末である。端末装置102は、情報提供システム100に対応するアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行することにより、平常時に、通信ネットワーク107を介して、情報処理装置101から前述したコンテンツデータを取得し、記憶部等に記憶しておく。
【0023】
また、端末装置102は、端末装置102が備えるマイクで周辺の音波を取得し、取得した音波から、コンテンツデータに含まれる識別情報が抽出された場合、識別情報に対応する表示情報を表示画面に表示する。
【0024】
管理用端末104は、例えば、情報提供システム100を管理する管理者等が利用するPC、タブレット端末等の情報端末である。管理者等は、管理用端末104を用いて、情報処理装置101が管理する情報のうち、放送メッセージ、表示情報等を定義した定義情報を、情報処理装置101に登録することができる。
【0025】
情報処理装置101は、例えば、定義情報が登録されると、定義情報に含まれる表示情報(例えば、放送メッセージ対応する文字列等)にメッセージIDを付与すると共に、メッセージIDを表す音波データを、例えば、外部サーバ105等から取得する。また、情報処理装置101は、定義情報に含まれる放送メッセージ及び表示情報と、メッセージIDと、音波データとを対応づけて管理する。
【0026】
上記の構成により、情報提供システム100の防災用端末103は、災害等により、通信ネットワーク107が利用できない場合でも、防災用の放送設備110が稼動していれば、指定したメッセージIDを表す音波を出力することができる。
【0027】
また、端末装置102は、災害等により、通信ネットワーク107が利用できない場合でも、放送設備110から放送される音波が表すメッセージIDに対応する提供情報(例えば、災害の情報、避難経路の情報等)を表示することができる。
【0028】
従って、本実施形態によれば、利用者106が利用する端末装置102に所定の情報を提供する情報提供システム100において、通信ネットワーク107を介して通信が行えない場合でも、利用者106に適切な提供情報を提供できるようになる。
【0029】
なお、図1に示す情報提供システム100のシステム構成は一例である。例えば、利用者に提供する提供情報を表示する端末装置102は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等の可搬型の情報端末に限られず、例えば、デジタルサイネージ等の据置き型の表示装置等であっても良い。
【0030】
この場合、例えば、デジタルサイネージが備えるセットトップボックスにマイクを設けて、端末装置102と同様の処理を実行させることにより、通信ネットワーク107を介して通信が行えない場合でも、適切な避難情報等を表示できるようになる。
【0031】
また、防災用端末103は、識別情報を表す音波を出力する音波出力装置の一例である。音波出力装置は、例えば、防災用放送装置112等であっても良い。
【0032】
<ハードウェア構成>
続いて、情報提供システム100に含まれる各装置のハードウェア構成の例について説明する。
【0033】
(端末装置のハードウェア構成)
図2は、一実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の例を示す図である。図2に示されているように、端末装置102は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、ストレージデバイス204、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ205、撮像素子I/F(Interface)206、加速度・方位センサ207、メディアI/F209、GPS(Global Positioning System)受信部210を備えている。
【0034】
これらのうち、CPU201は、所定のプログラムを実行することにより端末装置102全体の動作を制御する。ROM202は、例えば、IPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。ストレージデバイス204は、例えば、SSD(Solid State Drive)、フラッシュROM等によって実現され、OS(Operating System)、アプリ等のプログラム、及び各種のデータ等を記憶する大容量の不揮発性の記憶装置である。
【0035】
CMOSセンサ205は、CPU201の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、端末装置102は、CMOSセンサ205に代えて、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段を有していても良い。撮像素子I/F206は、CMOSセンサ205の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ207は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F209は、フラッシュメモリ等の記録メディア208に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部210は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0036】
また、端末装置102は、遠距離通信回路211、遠距離通信回路211のアンテナ211a、CMOSセンサ212、撮像素子I/F213、マイク214、スピーカ215、音入出力I/F216、ディスプレイ217、外部機器接続I/F218、近距離通信回路219、近距離通信回路219のアンテナ219a、及びタッチパネル220を備えている。
【0037】
これらのうち、遠距離通信回路211は、例えば、通信ネットワーク107を介して、他の装置と通信する回路である。CMOSセンサ212は、CPU201の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F213は、CMOSセンサ212の駆動を制御する回路である。マイク214は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ215は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F216は、CPU201の制御に従ってマイク214及びスピーカ215との間で音波信号の入出力を処理する回路である。
【0038】
ディスプレイ217は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F218は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路219は、例えば、NFC(Near Field Communication)や、BLE等の近距離無線通信を行う回路を含む。タッチパネル220は、利用者がディスプレイ217を押下することで、端末装置102を操作する入力手段の一種である。
【0039】
また、端末装置102は、バスライン221を備えている。バスライン221は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等を含む。
【0040】
(情報処理装置、防災用端末、及び管理用端末のハードウェア構成)
情報処理装置101は、例えば、図3に示すようなコンピュータ300の構成を有している。或いは、情報処理装置101は、複数のコンピュータ300により構成されている。また、防災用端末103、及び管理用端末104は、例えば、図3に示すようなコンピュータ300の構成を有している。
【0041】
図3は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ300は、例えば、CPU301、ROM302、RAM303、HD(Hard Disk)304、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F307、ネットワークI/F308、キーボード309、ポインティングデバイス310、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ312、メディアI/F314、音出力I/F315、及びバスライン316等を備えている。
【0042】
これらのうち、CPU301は、コンピュータ300の全体の動作を制御する。ROM302は、例えば、IPL等のCPU301の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ305は、CPU301の制御に従ってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0043】
ディスプレイ306は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F307は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。外部機器には、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。ネットワークI/F308は、通信ネットワーク107を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0044】
キーボード309は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス310は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ312は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW311に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW311は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であっても良い。メディアI/F314は、フラッシュメモリ等のメディア313に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0045】
音出力I/F315は、音波信号、又は音波を出力するためのインタフェースである。バスライン316は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0046】
(他の装置のハードウェア構成)
防災用放送装置112、外部サーバ105等は、周知のシステムを利用することを想定しているため、ここでは説明を省略する。
【0047】
<機能構成>
続いて、情報提供システム100の機能構成について説明する。図4は、一実施形態に係る情報提供システムの機能構成の例を示す図である。
【0048】
なお、防災用放送装置112、外部サーバ105等は、周知のシステムを利用することを想定しているため、ここでは説明を省略する。また、管理用端末104は、一般的なウェブブラウザ、表計算アプリケーション等を実行可能なコンピュータであれば良いので、ここでは説明を省略する。
【0049】
(情報処理装置の機能構成)
情報処理装置101は、例えば、図3のCPU301で所定のプログラムを実行することにより、通信部401、管理部402、配信部403、提供部404、及び記憶部405等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0050】
通信部401は、例えば、図3のネットワークI/F308等を用いて、情報処理装置101を通信ネットワーク107に接続し、端末装置102、防災用端末103、管理用端末104、及び外部サーバ105等と通信を行う。
【0051】
管理部402は、放送設備110が放送する放送情報に含まれる音波の情報と、当該放送情報に応じた表示情報との対応関係を管理する。具体的な一例として、管理部402は、図5(A)に示すような対応情報411、及び図5(B)に示すような施設情報412を、記憶部405等に記憶して管理する。
【0052】
図5(A)の例では、対応情報411には、管理用端末104等から登録される情報である定義情報501と、管理部402が設定する項目502とが含まれる。
【0053】
定義情報501には、項目として、例えば、「放送メッセージ」、「主メッセージ」、「詳細メッセージ」等が含まれる。「放送メッセージ」は、例えば、地震、火災等の災害が発生したときに、防災担当者等が放送設備110で放送する音声メッセージの文言を示す文字列である。「主メッセージ」は、「放送メッセージ」が放送されたときに、端末装置102に表示させる文字列の一例であり、例えば、図5(A)の例では、放送メッセージの内容の概要を示している。「詳細メッセージ」は、「放送メッセージ」が放送されたときに、端末装置102に表示させる文字列の別の一例であり、図5(A)の例では、放送メッセージの内容の詳細を示している。
【0054】
好ましくは、定義情報501には、例えば、主メッセージ、及び詳細メッセージに対応する「属性」、「発信元」、「背景色」等の情報が含まれている。「属性」は、主メッセージ、詳細メッセージ等の属性を示す情報である。「発信元」は、主メッセージ、詳細メッセージ等の発信元を示す情報である。「背景色」は、主メッセージ、詳細メッセージ等を表示する際の背景色を指定する情報である。
【0055】
好ましくは、定義情報501には、「音波形式」、「発報形態」等の情報が含まれる。「音波形式」は、例えば、詳細メッセージ等に対応する識別情報を表す音波の音波形式を指定する情報である。「発報形態」は、例えば、詳細メッセージ等に対応する識別情報を表す音波の出力形態を表す情報である。「音波形式」、「発報形態」等の情報は、例えば、管理部402が音波データを取得(又は生成)する際に用いられる。
【0056】
好ましくは、定義情報501には、「施設ID」等の情報が含まれる。「施設ID」は施設を識別する識別情報である。これにより、管理部402は、施設ごとに異なる定義情報501や、対応情報411を管理することができる。なお、施設IDは一例であり、例えば、法人を識別する法人ID、事業者を識別する事業者ID、テナントを識別するテナントID等の様々な識別情報であって良い。
【0057】
また、管理部402が設定する項目502には、「メッセージID(主メッセージ)」、「メッセージID(詳細メッセージ)」、「音波データ(主メッセージ)」、「音波データ(詳細メッセージ)」等が含まれる。
【0058】
「メッセージID(主メッセージ)」は、「主メッセージ」を識別する識別情報である。また、「メッセージID(詳細メッセージ)」は、「詳細メッセージ」を識別する識別情報である。管理部402は、定義情報501が登録されると、新たな「メッセージID(主メッセージ)」、及び「メッセージID(詳細メッセージ)」を採番して、対応情報411に記憶する。
【0059】
「音波データ(主メッセージ)」は、「メッセージID(主メッセージ)」を表す音波を出力するための音波データである。「音波データ(詳細メッセージ)」は、「メッセージID(詳細メッセージ)」を表す音波を出力するための音波データである。
【0060】
例えば、管理部402は、音波形式とメッセージIDとを指定して、音波データを配信する外部サーバ105に音波データの取得を要求し、外部サーバ105から返信されるメッセージIDを表す音波データを対応情報411に記憶する。ただし、これに限られず、管理部402は、外部サーバ105を利用せずに、情報処理装置101内で音波データを生成しても良い。
【0061】
好ましくは、定義情報501には、項目として、「固定/可変」の情報が含まれる。例えば、固定/可変の項目が「可変」になっている場合、図5(A)の「火災」に対応する列に示すように、放送メッセージ、及び詳細メッセージに、「○」、「□」等の記号で表される可変部分が含まれる。この可変部分は、例えば、図5(B)に示されるような施設情報412に基づいて、複数の値が設定される。例えば、図5(B)の例では、施設ID「ID0001」の施設は、1階から4階までの4つのフロア(階層)があることが示されている。また、施設ID「ID0002」の施設は、1号館、2号館のそれぞれに、1階から5階までの5つのフロアがあることが示されている。
【0062】
例えば、図5(A)に示すように、施設IDが「ID0001」であり、「○」を含むメッセージを含む定義情報501が登録された場合、管理部402は、施設情報412を参照して、施設に1階、2階、3階、4階の4つのフロアがあることを特定する。また、管理部402は、図5(A)に示すように、各フロアに対応するメッセージIDを付与すると共に、各フロアに対応する音波データを取得して対応情報411に記憶する。
【0063】
同様に、施設IDが「ID0002」の施設のように、1号館、2号館のそれぞれに、1階から5階までの5つのフロアがある場合、管理部402は、1号館1階、1号館2階、・・・2号館5階までの10フロア分のメッセージIDと音波データを登録する。
【0064】
配信部403は、例えば、平常時に、通信ネットワーク107を介して、端末装置102に、音波の情報と表示情報とを含むコンテンツデータを配信する。例えば、配信部403は、図5(A)に示すような対応情報411のうち、メッセージID(主メッセージ、詳細メッセージ)と、メッセージ(主メッセージ、詳細メッセージ)とを含むコンテンツデータを作成し、端末装置102に配信する。
【0065】
提供部404は、防災用端末(音波出力装置)103に、放送情報に含まれる識別情報を表す音波の出力操作を受け付ける操作画面を表示するための操作画面情報を提供する。この操作画面情報には、例えば、図5(A)に含まれる対応情報411のうち、放送メッセージ、及び音波データ(主メッセージ、詳細メッセージ)等の情報が含まれる。なお、防災用端末103が表示する操作画面については後述する。
【0066】
記憶部405は、例えば、図3のCPU301で実行されるプログラム、及びHD304、HDDコントローラ305等によって実現され、対応情報411、施設情報412、及び音波データ413等の様々な情報を記憶する。
【0067】
(端末装置の機能構成)
端末装置102は、例えば、図2のCPU201で、所定のプログラム(アプリ等)を実行することにより、通信部421、コンテンツデータ管理部422、音波取得部423、表示制御部424、操作受付部425、及び記憶部426等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0068】
通信部421は、例えば、図2の遠距離通信回路211等を用いて、端末装置102を通信ネットワーク107に接続し、情報処理装置101等と通信を行う。
【0069】
コンテンツデータ管理部422は、例えば、平常時等に、通信ネットワーク107を介して、情報処理装置101から配信されるコンテンツデータを取得し、記憶部426に記憶して管理する。例えば、コンテンツデータ管理部422は、端末装置102で、情報提供システム100に対応するアプリが起動したとき等に、情報処理装置101からコンテンツデータ414の更新情報を取得する。また、コンテンツデータ管理部422は、新たなコンテンツデータ414がある場合、情報処理装置101からコンテンツデータ414を取得し、記憶部426に記憶しておく。
【0070】
音波取得部423は、例えば、図2のマイク214、音入出力I/F216等を用いて、端末装置102の周辺の音波を取得して解析し、音波が表す識別情報(メッセージID等)を抽出する。
【0071】
表示制御部424は、アプリの表示画面を、例えば、図2のディスプレイ等に表示させる。また、表示制御部424は、記憶部426に記憶したコンテンツデータ414と、音波取得部423が抽出したメッセージIDとに基づいて、メッセージIDに対応するメッセージを表示画面に表示させる。
【0072】
例えば、コンテンツデータ414に、主メッセージ「地震はおさまりました」と、メッセージID(主メッセージ)「ID1001」とが対応づけて記憶されており、音波取得部423が抽出した識別情報が「ID1001」であったものとする。この場合、表示制御部424は、メッセージID(主メッセージ)「ID1001」に対応する主メッセージ「地震はおさまりました」を、アプリの表示画面に表示させる。
【0073】
操作受付部425は、表示制御部424が表示するアプリの表示画面に対する、利用者106の入力操作、選択操作等を受け付ける。
【0074】
記憶部426は、例えば、図2のCPU201で実行されるプログラム、及びストレージデバイス204、RAM203等によって実現され、コンテンツデータ管理部422が管理するコンテンツデータ414等の様々な情報を記憶する。
【0075】
(防災用端末の機能構成)
防災用端末103は、例えば、図3のCPU301で、所定のプログラムを実行することにより、通信部431、操作画面情報管理部432、表示制御部433、操作受付部434、音波出力部435、及び記憶部436等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0076】
通信部431は、例えば、図3のネットワークI/F308等を用いて、防災用端末103を通信ネットワーク107に接続し、情報処理装置101等と通信を行う。
【0077】
操作画面情報管理部432は、例えば、情報処理装置101が提供する操作画面情報をダウンロードし、ダウンロードした操作画面情報415を記憶部436に記憶しておく。この操作画面情報415には、例えば、前述したように、図5(A)に含まれる対応情報411のうち、放送メッセージ、及び音波データ(主メッセージ、詳細メッセージ)等の情報が含まれる。
【0078】
表示制御部433は、記憶部436に記憶した操作画面情報415を用いて、例えば、放送メッセージと、放送メッセージに対応する音波(放送メッセージに対応するメッセージIDを表す音波)を出力するための表示要素(例えば、「出力」ボタン等)を表示する操作画面を表示する。なお、操作画面の例については後述する。
【0079】
操作受付部434は、表示制御部433が表示する操作画面に対する防災担当者等の選択操作等を受け付ける。
【0080】
音波出力部435は、例えば、図3の音出力I/F315等を用いて、識別情報を表す音波信号を出力する。この音波信号は、例えば、防災用放送装置112に入力され、複数のスピーカ111a、111bにより、識別情報を表す音波として出力される。つまり、音波出力部435は、放送設備110を利用して、所定の識別情報を含む音波を出力させることができる。例えば、操作受付部434が、放送メッセージに対応する音波を出力する「出力」ボタン等の選択操作を受け付けた場合、音波出力部435は、放送メッセージに対応するメッセージIDを表す音波を、放送設備110を介して出力する。
【0081】
記憶部436は、例えば、図3のCPU301で実行されるプログラム、及びHD304、HDDコントローラ305等によって実現され、操作画面情報415等の様々な情報を記憶する。
【0082】
なお、図4に示す情報提供システム100の機能構成は一例である。例えば、情報処理装置101が有する各機能は複数の情報処理装置によって実現されるものであっても良い。
【0083】
<処理の流れ>
(情報処理装置の処理)
図6は、一実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、管理用端末104等から、定義情報501が登録されたとき等に、情報処理装置101が実行する処理の例を示している。
【0084】
ステップS601において、情報処理装置101の管理部402は、管理用端末104等から受け付けた定義情報501を、例えば、図5(A)に示すような対応情報411に記憶する。
【0085】
ステップS602において、管理部402は、対応情報411に記憶した定義情報501に含まれる「主メッセージ」、「詳細メッセージ」等のメッセージに、それぞれ、メッセージIDを付与する。これにより、例えば、図5(A)に示すように、「メッセージID(主メッセージ)」、「メッセージID(詳細メッセージ)」が、対応情報411に記憶される。
【0086】
ステップS603において、管理部402は、ステップS602で付与されたメッセージIDに対応する音波データを取得する。例えば、管理部402は、「メッセージID(主メッセージ)」を指定して、音波データを配信する外部サーバ105に音波データの取得を要求する。また、管理部402は、外部サーバ105から返信されるメッセージID(主メッセージ)を表す音波データを、対応情報411の「音波データ(主メッセージ)」に記憶する。
【0087】
また、管理部402は、定義情報501に含まれる「音波形式」、「発報形態」と、「メッセージID(詳細メッセージ)」とを指定して、音波データを配信する外部サーバ105に音波データの取得を要求する。また、管理部402は、外部サーバ105から返信されるメッセージID(詳細メッセージ)を表す音波データを、対応情報411の「音波データ(詳細メッセージ)」に記憶する。
【0088】
ステップS604において、管理部402は、端末装置102に配信するコンテンツデータ414を生成する。例えば、管理部402は、図5(A)に示すような対応情報411に含まれる複数の項目のうち、「メッセージID(主メッセージ)」、「主メッセージ」、「メッセージID(詳細メッセージ)」、及び「詳細メッセージ」等を含むコンテンツデータ414を生成する。好ましくは、コンテンツデータ414には、例えば、「属性(主メッセージ)」、「発信元(主メッセージ)」、「背景色(主メッセージ)」、「属性(詳細メッセージ)」、「発信元(詳細メッセージ)」、「背景色(詳細メッセージ)」等の情報も含まれる。
【0089】
なお、この処理は、例えば、配信部403が、端末装置102にコンテンツデータ414を配信するとき等の別のタイミングで実行しても良い。
【0090】
ステップS605において、防災用端末103に提供する操作画面情報415を生成する。例えば、管理部402は、図5(A)に示すような対応情報411に含まれる複数の項目のうち、「放送メッセージ」、「音波データ(主メッセージ)」、及び「音波データ(詳細メッセージ)」を含む操作画面情報415を生成する。なお、この処理は、例えば、提供部404が、防災用端末103に操作画面情報415を提供するとき等の別のタイミングで実行しても良い。
【0091】
上記の処理により、情報処理装置101は、管理用端末104等から登録された定義情報501に基づいて、例えば、図5に示すような対応情報411を管理することができる。また、情報処理装置101は、対応情報411に基づいて、端末装置102に配信するコンテンツデータ414、及び防災用端末103に提供する操作画面情報415を生成することができる。
【0092】
(端末装置の処理)
図7は、一実施形態に係る端末装置の処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、端末装置102で、情報提供システム100に対応するアプリを起動したとき等に端末装置102が実行する処理の例を示している。
【0093】
ステップS701において、端末装置102のコンテンツデータ管理部422は、予め設定された施設ID等を含む更新情報の取得要求を送信し、施設ID等に対応するコンテンツデータの更新情報を取得する。なお、施設IDは、一例であり、前述したように、法人ID、事業者ID、テナントID等の識別情報であっても良い。
【0094】
ステップS702において、端末装置102のコンテンツデータ管理部422は、施設ID等に対応する新たなコンテンツデータ414があるか否かを判断する。新たなコンテンツデータがない場合、コンテンツデータ管理部422は、処理をステップS704に移行させる。一方、新たなコンテンツデータがある場合、コンテンツデータ管理部422は、処理をステップS703に移行させる。
【0095】
ステップS703に移行すると、コンテンツデータ管理部422は、情報処理装置101から、施設ID等に対応する新たなコンテンツデータ414を取得し、記憶部426に記憶する。
【0096】
ステップS704に移行すると、端末装置102の音波取得部423は、端末装置102の周辺の音波を取得すると共に、取得した音波を解析して、音波に含まれるコンテンツIDを抽出する。
【0097】
ステップS705において、音波取得部423は、コンテンツIDが抽出されたか否かを判断する。コンテンツIDが抽出された場合、音波取得部423は、処理をステップS706に移行させる。一方、コンテンツIDが抽出されない場合、音波取得部423は、処理をステップS708に移行させる。
【0098】
ステップS706に移行すると、端末装置102の表示制御部424は、抽出されたコンテンツIDが、記憶部426に記憶したコンテンツデータ414に登録されているか否かを判断する。抽出されたコンテンツIDがコンテンツデータ414に登録されていない場合、表示制御部424は、処理をステップS708に移行させる。一方、抽出されたコンテンツIDがコンテンツデータ414に登録されている場合、表示制御部424は、処理をステップS708に移行させる。
【0099】
ステップS707に移行すると、端末装置102の表示制御部424は、抽出されたコンテンツIDに対応するメッセージを含む、例えば、図8(A)に示すような非常時の表示画面810を、図2のディスプレイ217等に表示させる。
【0100】
図8(A)の例では、非常時の表示画面810には、コンテンツデータ414に含まれる「主メッセージ」、「属性(主メッセージ)」、「発信元(主メッセージ)」、「背景色(主メッセージ)」等の情報に基づいて、主メッセージ811が表示されている。また、表示画面810には、コンテンツデータ414に含まれる「詳細メッセージ」、「属性(詳細メッセージ)」、「発信元(詳細メッセージ)」、「背景色(詳細メッセージ)」等の情報に基づいて、詳細メッセージ812が表示されている。
【0101】
一方、ステップS708に移行すると、端末装置102の表示制御部424は、例えば、図8(B)に示すような平常時の表示画面820を、図2のディスプレイ217等に表示させる。図8(B)の例では、情報提供システム100に対応するアプリが防災アプリである場合の平常時の表示画面820の一例が示されている。ただし、情報提供システム100に対応するアプリは、防災アプリ以外のアプリであっても良いし、平常時の表示画面820は、任意のデザインであって良い。
【0102】
好ましくは、ステップS703で取得したコンテンツデータ414は、例えば、図2のストレージデバイス204等に記憶され、アプリを終了したときや、端末装置102の電源がオフされたとき等にも消去されない。
【0103】
従って、端末装置102は、アプリを1度起動させた後は、例えば、災害等によって通信ネットワーク107が利用できなくなった場合でも、図8(A)に示すような非常時の表示画面810を表示することができる。
【0104】
(防災用端末の処理)
図9は、一実施形態に係る防災用端末の処理の例を示すフローチャートである。この処理は、防災用端末103が実行する処理の一例を示している。
【0105】
ステップS901において、防災用端末103の操作画面情報管理部432は、情報処理装置101から、操作画面情報415の更新情報を取得する。なお、この処理は、例えば、アプリを起動したとき等に実行しても良いし、所定の時間、又は所定の時間ごとに実行するもの等であっても良い。
【0106】
ステップS902において、操作画面情報管理部432は、新たな操作画面情報415があるか否かを判断する。新たな操作画面情報415がない場合、操作画面情報管理部432は、処理をステップS904に移行させる。一方、新たな操作画面情報415がある場合、操作画面情報管理部432は、処理をステップS903に移行させる。
【0107】
ステップS903に移行すると、操作画面情報管理部432は、情報処理装置101から、新たな操作画面情報415を取得し、記憶部436に記憶する。
【0108】
この状態で、防災用端末103の操作受付部434が、例えば、ステップS904において、操作画面の表示操作を受け付けると、ステップS905以降の処理が実行される。
【0109】
ステップS905において、防災用端末103の表示制御部433は、記憶部436に記憶した操作画面情報415に基づいて、例えば、図10に示すような操作画面1000を、図3のディスプレイ306等に表示させる。
【0110】
図10の例では、「地震のとき」の表示欄1010には、操作画面情報415に含まれる、地震に対応する「放送メッセージ」に基づいて、放送メッセージ1001が表示されている。また、放送メッセージ1001の隣には、放送メッセージ1001に対応するメッセージIDを表す音波を出力するための「出力」ボタン1002が表示されている。
【0111】
また「火災のとき」の表示欄1020には、操作画面情報415に含まれる、火災に対応する「放送メッセージ」に基づいて、放送メッセージ1021が表示されている。また、放送メッセージ1021の隣には、放送メッセージ1021に対応するメッセージIDを表す音波を出力するための「出力」ボタン1022が表示されている。さらに、放送メッセージ1021には、前述した可変部分「○」が含まれているので、操作画面情報415に含まれる、「メッセージID(詳細メッセージ)」等に基づいて、可変部分を選択するための選択欄1023が表示されている。
【0112】
別の一例として、図11に、放送メッセージに複数の可変部分が含まれている場合の操作画面の例を示す。図11に示す操作画面1100の「火災のとき」の表示欄1110には、操作画面情報415に含まれる、火災に対応する「放送メッセージ」に基づいて、放送メッセージ1111が表示される。また、放送メッセージ1111の隣には、放送メッセージ1111に対応するメッセージIDを表す音波を出力するための「出力」ボタン1112が表示されている。さらに、放送メッセージ1111には、「□」、「○」の2つの可変部分が含まれている。
【0113】
例えば、施設が、図5(B)の施設情報412の施設ID「ID0002」の施設である場合、当該施設には、1号館1階~5階、2号館1~5階の10のフロアがある。この場合、「火災のとき」の表示欄1110には、1号館1階~5階、2号館1~5階の10のフロアから、1つのフロアを選択するための選択欄1113が表示される。
【0114】
ここで、図9に戻り、フローチャートの説明を続ける。
【0115】
ステップS906において、防災用端末103の操作受付部434は、表示制御部433が表示した操作画面1000(又は操作画面1100)において、いずれかの「出力」ボタンが選択されたか否かを判断する。「出力」ボタンが選択されていない場合、操作受付部434は、処理をステップS908に移行させる。一方、「出力」ボタンが選択された場合、操作受付部434は、処理をステップS907に移行させる。
【0116】
ステップS907に移行すると、防災用端末103の音波出力部435は、選択された「出力」ボタンに対応する音波データを用いて音波を出力する。例えば、図10に示すような操作画面1000において、「選択」ボタン1012が選択された場合、音波出力部435は、放送メッセージ1011に対応するメッセージIDを表す音波データを用いて、音波信号を生成し、防災用放送装置112に入力する。これにより、放送設備110から、メッセージID「ID1001」を表す音波と、メッセージID「ID1101」を表す音波とが放送される。
【0117】
ステップS908に移行すると、防災用端末103の操作受付部434は、防災担当者等による終了操作を受け付けたか否かを判断する。終了操作を受け付けていない場合、防災用端末103は、例えば、ステップS906以降の処理を再び実行する。一方、終了操作を受け付けた場合、防災用端末103は処理を終了する。
【0118】
上記の各処理により、情報提供システム100の防災用端末103は、災害等により、通信ネットワーク107が利用できない場合でも、防災用の放送設備110が稼動していれば、指定したメッセージIDを表す音波を出力することができる。
【0119】
また、端末装置102は、災害等により、通信ネットワーク107が利用できない場合でも、放送設備110から放送される音波が表すメッセージIDに対応するメッセージ(例えば、災害の情報、避難経路の情報等)を表示することができる。
【0120】
以上、本実施形態によれば、利用者が利用する端末装置102に様々な提供情報を提供する情報提供システム100において、通信ネットワーク107を介して通信が行えない場合でも、利用者に適切な提供情報を提供できるようになる。
【0121】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0122】
<応用例>
なお、本発明は、上記で説明した各実施形態に限られず、様々な応用、変形等が可能である。例えば、上記で説明した各実施形態では、情報処理システム1は、災害が発生したときに、災害に関する災害情報を端末装置102に表示するものとして説明を行った。ただし、これに限られず、情報処理システム1は、緊急性が高い事象が発生したことを示す緊急情報や、災害の未然防止、拡大防止、及び災害復旧等の防災に関する防災情報等を提供する場面にも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0123】
100 情報提供システム
101 情報処理装置
102 端末装置
103 防災用端末(音波出力装置)
110 放送設備
402 管理部
403 配信部
810 非常時の表示画面(表示画面)
1000、1100 操作画面
1012、1022、1112 「出力」ボタン(表示要素)
1023、1113 選択欄
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【文献】特開2016-130899号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11