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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】液晶組成物及び液晶表示素子
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/38 20060101AFI20231205BHJP
   C09K 19/54 20060101ALI20231205BHJP
   C09K 19/12 20060101ALI20231205BHJP
   C09K 19/14 20060101ALI20231205BHJP
   C09K 19/16 20060101ALI20231205BHJP
   C09K 19/18 20060101ALI20231205BHJP
   C09K 19/20 20060101ALI20231205BHJP
   C09K 19/30 20060101ALI20231205BHJP
   C07C 69/73 20060101ALI20231205BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20231205BHJP
   G02F 1/1337 20060101ALI20231205BHJP
   C08L 101/02 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
C09K19/38
C09K19/54 Z
C09K19/12
C09K19/14
C09K19/16
C09K19/18
C09K19/20
C09K19/30
C09K19/54 C
C09K19/54 D
C07C69/73 CSP
G02F1/13 500
G02F1/1337 520
C08L101/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019188622
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021063179
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】間宮 純一
(72)【発明者】
【氏名】木村 正臣
(72)【発明者】
【氏名】高地 学
【審査官】福山 駿
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/116901(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/116902(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/161669(WO,A1)
【文献】特開2012-077200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 19/00-19/60
C07C 69/73
G02F 1/13
G02F 1/1337
C08L 101/02
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一成分として、一般式(i)
【化1】
(式中、Ai1及びAi2は、それぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレンジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基又はデカヒドロナフタレンジイル基(ナフタレンジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、前記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基又はPi3-Si3-で置換されていても良く、
i1、Pi2及びPi3は、それぞれ独立して、式(R-1)から式(R-15)
【化2】
で表される重合性基を表すが、 i1 及びP i2 の少なくとも一方が、式(R-1)から選択され、もう一方が式(R-2)~(R-15)から選択され、
i3は、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良く、
i1は1又は2を表し、
i2が複数存在する場合は、同一であっても異なっていても良い。)で表される重合性化合物を含有し、
第二成分として、一般式(RM-22)又は一般式(RM-23)
【化3】
(式中、P、P、PおよびPは、それぞれ独立して、式(R-1)から式(R-15)
【化4】
で表される重合性基を表し、S、S、S及びSは、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良く、AからAはそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子を表し、BからB12はそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子を表す。)で表される重合性化合物を含有する液晶組成物。
【請求項2】
更に、一般式(N-01)、一般式(N-02)、一般式(N-03)、一般式(N-04)及び一般式(N-05)
【化5】
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、該基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていても良く、Zは、それぞれ独立して、単結合、-CHCH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、mは、それぞれ独立して、1又は2を表す。)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項3】
更に、一般式(NU-01)から一般式(NU-08)
【化6】
(式中、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61、RNU62、RNU71、RNU72、RNU81及びRNU82は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、該基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていても良い。)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する請求項2に記載の液晶組成物。
【請求項4】
第一成分、第二成分、一般式(N-01)から一般式(N-05)で表される化合物群から選ばれる化合物、一般式(NU-01)から一般式(NU-08)で表される化合物群から選ばれる化合物の含有量の合計が80質量%から100質量%である請求項3に記載の液晶組成物。
【請求項5】
第一成分、第二成分、一般式(N-01)から一般式(N-05)で表される化合物群から選ばれる一種以上の化合物、及び一般式(NU-01)から一般式(NU-08)で表される化合物群から選ばれる一種以上の化合物、並びに、任意に含有される酸化防止剤、任意に含有される紫外線吸収剤、任意に含有される光安定剤、及び任意に含有される赤外線吸収剤からなる請求項3に記載の液晶組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶組成物を用いた液晶表示素子。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶組成物を用いたアクティブマトリックス駆動用液晶表示素子。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶組成物を用いたPSA型又はPSVA型の液晶表示素子。
【請求項9】
一般式(i)
【化7】
(式中、Ai1及びAi2は、それぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレンジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基又はデカヒドロナフタレンジイル基(ナフタレンジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、前記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基又はPi3-Si3-で置換されていても良く、
i1、Pi2及びPi3は、それぞれ独立して、式(R-1)から式(R-15)
【化8】
で表される重合性基を表すが、 i1 及びP i2 の少なくとも一方が、式(R-1)から選択され、もう一方が式(R-2)~(R-15)から選択され、
i3は、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良く、
i1は1又は2を表し、
i2が複数存在する場合は、同一であっても異なっていても良い。)で表される重合性化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶組成物及びこれを使用した液晶表示素子、ならびに重合性化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電率異方性Δεが負の値を示す液晶組成物を用いた液晶表示素子は、PSAやPSVA型の液晶TVや液晶モニター等が普及しており、これに好適な液晶組成物として、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4または特許文献5等で様々な重合性化合物とこれを含有する液晶組成物が開示されている。
【0003】
しかしながら、これまで常用されていた重合性化合物含有液晶組成物の特性では、4Kや8Kといった高精細な液晶TVには不十分である。具体的には、4Kや8Kの液晶表示素子は、高精細の画素が必要になり、配線や遮光部の領域が増えることでかなりのUV光がカットされる。このため、PSA型やPSVA型の液晶表示素子の製造におけるUV照射工程で、重合性化合物が十分に重合せず多くの重合性化合物が残存してしまう。これによりチルト形成が不十分となり応答速度の悪化や配向性悪化による残像、また、残存した重合性化合物が、駆動時に徐々に重合してチルトが変化することで焼き付き(IS)という表示不良が確認されている。
【0004】
以上のことから、高精細の液晶テレビや液晶モニター等のPSAまたはPSVA型の液晶表示素子には、従来の技術とは一線を画す極めて高い特性が要求されており、従来よりも弱いまたは少ないUV光で安定的に製造できるような液晶組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-216747
【文献】特許第4803320号
【文献】特許第6008065号
【文献】特許第6233550号
【文献】特許第5743132号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、速い重合速度、適切なチルト形成、高いチルト安定性、高い電圧保持率(VHR)を同時に達成できる重合性化合物含有液晶組成物およびこれを用いた焼き付き(IS)が十分に抑制された、又は、発生しないPSA型またはPSVA型の液晶表示素子、ならびに上記重合性化合物含有液晶組成物の調製に好適な重合性化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが鋭意検討した結果、特定の化学構造を有する重合性化合物を2種または2種以上含有する液晶組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0008】
本発明の液晶組成物は、速い重合速度、適切なチルト形成、高いチルト安定性、高い電圧保持率VHRを同時に達成でき、これを用いた焼き付き(IS)が十分に抑制された、又は、発生しない、優れた表示品位を示す高精細のPSA型またはPSVA型の液晶表示素子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、本発明の重合性化合物含有液晶組成物について説明する。なお以下の説明において、「総量」とは「総質量」を意味し、各化合物の含有量の単位「%」とは「質量%」を意味する。
【0010】
本発明の液晶組成物は、第一成分として、一般式(i)
【0011】
【化1】
【0012】
(式中、Ai1及びAi2は、それぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレンジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基又はデカヒドロナフタレンジイル基(ナフタレンジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、前記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基又はPi3-Si3-で置換されていても良く、
i1、Pi2及びPi3は、それぞれ独立して、式(R-1)から式(R-15)
【0013】
【化2】
【0014】
で表される重合性基を表すが、Pi1及びPi2はそれぞれ異なるものを表し、
i3は、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良く、
i1は1又は2を表し、
i2が複数存在する場合は、同一であっても異なっていても良い。)で表される重合性化合物を含有し、
第二成分として、一般式(RM-22)又は一般式(RM-23)
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、P、P、PおよびPは、それぞれ独立して、式(R-1)から式(R-15)
【0017】
【化4】
【0018】
で表される重合性基を表し、S、S、S及びSは、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良く、AからAはそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子を表し、BからB12はそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子を表す。)で表される重合性化合物を含有する。
【0019】
本発明の液晶組成物は、PSA型またはPSVA型の液晶表示素子を作製する場合に好適であり、NPS型の液晶表示素子を作製する場合にも好適である。また、配向膜を有さないことを特徴とするPI-less型液晶表示素子を作成する場合にも好適である。
(重合性化合物)
本発明の液晶組成物には、上記一般式(i)で表される重合性化合物を1種又は2種以上含有する。
【0020】
本発明によれば、一般式(i)で表される重合性化合物は液晶組成物への溶解性に優れ析出が少なく、該重合化合物の重合速度が十分に速く且つ十分に重合反応が進むため、重合後の未反応の重合性化合物の残留量が少ない重合性化合物含有液晶組成物とすることができる。
【0021】
上記一般式(i)で表される重合性化合物において、Ai1及びAi2は、それぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び、
(c) ナフタレンジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基又はデカヒドロナフタレンジイル基(ナフタレンジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)からなる群より選ばれる基を表す。
【0022】
ここで、Ai1及びAi2が取り得るナフタレンジイル基とは、1~8位から選択される2箇所のうち一方でPi1、Pi2、又はAi2が複数存在する場合はAi2と結合し、他方で上記一般式(i)中の下記式で表される構造部位(以下、特定構造部位とする。)と結合する基である。
【0023】
【化5】
【0024】
(上記式中、★でAi2と結合し、★★でAi1と結合する。)
ナフタレンジイル基としては、例えばナフタレン-1,2-ジイル基、ナフタレン-1,3-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、ナフタレン-1,5-ジイル基、ナフタレン-1,6-ジイル基、ナフタレン-1,7-ジイル基、ナフタレン-1,8-ジイル基、ナフタレン-2,3-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基等が挙げられる。
【0025】
また、Ai1及びAi2が取り得る1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基とは、1~8位から選択される2箇所のうち一方でPi1、Pi2、又はAi2が複数存在する場合はAi2と結合し、他方で一般式(i)中の上述した特定構造部位と結合する基である。1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンジイル基としては、例えば1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,5-ジイル基等が挙げられる。また、Ai1及びAi2が取り得るデカヒドロナフタレンジイル基とは、1~10位から選択される2箇所のうち一方でPi1、Pi2、又はAi2が複数存在する場合はAi2と結合し、他方で一般式(i)中の上述した特定構造部位と結合する基である。デカヒドロナフタレンジイル基としては、例えばデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基等が挙げられる。
【0026】
上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基又はPi3-Si3-で置換されていても良い。
【0027】
中でも上記Ai1及びAi2は、それぞれ独立して、下記のいずれかの構造を表すことが好ましい。
【0028】
【化6】
【0029】
(式中、Ri2及びRi3は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、フッ素原子又はPi3-Si3-を表す。)
上記Ai1及びAi2は、それぞれ独立して、1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-1,4-フェニレン基、2-メトキシ-1,4-フェニレン基、3-メトキシ-1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又はナフタレン-2,6-ジイル基であることがより好ましく、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基又は3-フルオロ-1,4-フェニレン基であることが更に好ましく、1,4-フェニレン基であることが特に好ましい。
【0030】
上記一般式(i)においてAi1で表される環は1つである。一方、上記一般式(i)においてAi2で表される環はni1の数に応じて1つまたは2つである。上記一般式(i)で表される重合性化合物は、このような構造を有することで、液晶組成物への溶解性が向上し、その結果析出しにくくなるものと推量される。上記Ai2が2つある場合、2つのAi2は同一の基であってよく、異なる基であっても良い。
【0031】
上記一般式(i)において、Pi1、Pi2及びPi3は、それぞれ独立して、上述したとおり、下記式(R-1)から式(R-15)から選ばれる基を表す。
【0032】
【化7】
【0033】
ここで、Pi1及びPi2はそれぞれ異なるものを表す。また、Pi1及びPi2の少なくとも一方が、式(R-1)から選択され、もう一方が式(R-2)~(R-15)から選択されることが好ましい。このように、Pi1及びPi2の少なくとも一方がアクリルオキシ基とし、もう一方がアクリルオキシ基以外とすることで、重合速度が向上し、紫外線照射後のプレチルト角の変化による表示不良が発生しにくくすることができる。さらに、Pi1及びPi2の少なくとも一方が、式(R-1)であり、もう一方が式(R-2)又は(R-3)であることがより好ましい。Pi1が式(R-1)であり、Pi2が式(R-2)であることが特に好ましい。
【0034】
i3は、式(R-1)又は式(R-2)であることが好ましく、式(R-1)がより好ましい。
【0035】
上記一般式(i)において、Si3は、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基を表す。該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良い。中でもSi3は、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基であることが好ましく、単結合であることが特に好ましい。Si3が単結合である場合、紫外線照射後の重合性化合物の残留量が十分に少なく、プレチルト角の変化による表示不良がより発生しにくくなる。
【0036】
上記一般式(i)において、ni1は1又は2を表すが、液晶組成物に対する溶解性がより良好となることからni1は1であることが特に好ましい。
【0037】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物には、第一成分として、一般式(i)で表される重合性化合物を1種又は2種以上、具体的には、下述する式(i-1)~(i-22)から選択される重合性化合物を1種又は2種以上含有するが、本発明の液晶組成物中の第一成分の含有量の下限は、0.01質量%が好ましく、0.02質量%が好ましく、0.03質量%が好ましく、0.04質量%が好ましく、0.05質量%が好ましく、0.06質量%が好ましく、0.07質量%が好ましく、0.08質量%が好ましく、0.09質量%が好ましく、0.1質量%が好ましく、0.12質量%が好ましく、0.15質量%が好ましく、0.17質量%が好ましく、0.2質量%が好ましく、0.22質量%が好ましく、0.25質量%が好ましく、0.27質量%が好ましく、0.3質量%が好ましく、0.32質量%が好ましく、0.35質量%が好ましく、0.37質量%が好ましく、0.4質量%が好ましく、0.42質量%が好ましく、0.45質量%が好ましく、0.5質量%が好ましく、0.55質量%が好ましい。
【0038】
また、本発明の液晶組成物中の第一成分の含有量の上限は、5質量%が好ましく、4.5質量%が好ましく、4質量%が好ましく、3.5質量%が好ましく、3質量%が好ましく、2.5質量%が好ましく、2質量%が好ましく、1.5質量%が好ましく、1質量%が好ましく、0.95質量%が好ましく、0.9質量%が好ましく、0.85質量%が好ましく、0.8質量%が好ましく、0.75質量%が好ましく、0.7質量%が好ましく、0.65質量%が好ましく、0.6質量%が好ましく、0.55質量%が好ましく、0.5質量%が好ましく、0.45質量%が好ましく、0.4質量%が好ましい。
【0039】
更に詳述すると、重合性化合物の少ない残留量又は高い電圧保持率(VHR)を得るには、本発明の液晶組成物中の第一成分の含有量は0.2質量%から1.5質量%の範囲内が好ましい。また、低温における重合性化合物の析出の抑制を重視する場合には、本発明の液晶組成物中の第一成分の含有量は0.01質量%から1.0質量%の範囲内が好ましい。さらに、本発明の液晶組成物が、一般式(i)で表される重合性化合物を複数含有する場合は、それぞれの含有量が0.01質量%から0.6質量%の範囲内であることが好ましい。従って、これら全ての課題を解決するためには、本発明の液晶組成物中の第一成分を0.1質量%から1.0質量%の範囲で調整することが特に望ましい。
【0040】
上記一般式(i)で表される重合性化合物として、具体的には、式(i-1)~(i-22)から選択される重合性化合物を1種又は2種以上用いることが好ましい。
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】
上記、式(i-1)~式(i-22)で表される化合物のうち、液晶組成物に対する溶解性が良好となる観点から式(i-1)、(i-3)、(i-6)、(i-10)、(i-11)、(i-14)、(i-17)、(i-20)から選択される重合性化合物を1種又は2種以上用いることが更に好ましい。更に上述の観点に加えてチルト安定性が高く(焼き付きが起こりにくい)、且つ速い速度で十分に重合可能である観点から式(i-1)、(i-3)、(i-6)、(i-11)、(i-14)から選択される重合性化合物を1種又は2種以上用いることが好ましく、式(i-1)、式(i-3)、式(i-6)で表される化合物を用いることがより好ましく、式(i-1)、式(i-6)で表される化合物を用いることが更に好ましく、式(i-1)で表される化合物を用いることが特に好ましい。
【0046】
本発明の液晶組成物には、上記一般式(i)で表される重合性化合物以外に、第二成分として、上記一般式(RM-22)又は一般式(RM-23)から選択される重合性化合物を1種又は2種以上含有する。
【0047】
第二成分として、一般式(RM-22)で表される重合性化合物は、一般式(RM-2221)から(RM-2229)、一般式(RM-221)から(RM-225)および一般式(RM-22M1)から(RM-22M9)で表される合性化合物であることが好ましい。
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
(式中、PおよびPは、それぞれ独立して、式(R-1)から式(R-15)
【0053】
【化16】
【0054】
で表される重合性基を表し、SおよびSは、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良い。)
上記、一般式(RM-2221)から(RM-2229)、一般式(RM-221)から(RM-225)および一般式(RM-22M1)から(RM-22M9)で表される合性化合物中、PおよびPは、それぞれ独立して、式(R-1)~式(R-3)から選択される基が好ましく、式(R-1)又は式(R-2)から選択される基が好ましい。また、SおよびSは、単結合が好ましい。
【0055】
第二成分として、一般式(RM-23)で表される重合性化合物は、一般式(RM-2331)から(RM-2355)で表される合性化合物であることが好ましい。
【0056】
【化17】
【0057】
【化18】
【0058】
【化19】
【0059】
(式中、PおよびPは、それぞれ独立して、式(R-1)から式(R-15)
【0060】
【化20】
【0061】
で表される重合性基を表し、SおよびSは、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良い。)
上記、一般式(RM-2331)から(RM-2355)で表される合性化合物中、PおよびPは、それぞれ独立して、式(R-1)~式(R-3)から選択される基が好ましく、式(R-1)又は式(R-2)から選択される基が好ましい。また、SおよびSは、単結合が好ましい。
【0062】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物には、第二成分として、一般式(RM-22)又は一般式(RM-23)から選択される重合性化合物を1種又は2種以上、具体的には、上記一般式(RM-2221)から(RM-2229)、一般式(RM-221)から(RM-225)および一般式(RM-22M1)から(RM-22M9)、一般式(RM-2331)から(RM-2355)から選択される重合性化合物を1種又は2種以上含有するが、第二成分の含有量は、下限値として、0.20質量%であって、0.22質量%であることが好ましく、0.23質量%であることが好ましく、0.24質量%であることが好ましく、0.26質量%であることが更に好ましい。また、上限値として、0.50質量%であって、0.45質量%であることが好ましく、0.40質量%であることが好ましく、0.35質量%であることが好ましく、0.30質量%であることが好ましく、0.28質量%であることが更に好ましい。
【0063】
本発明の液晶組成物中の第一成分と第二成分の合計の含有量は、下限値として、0.21質量%であって、0.24質量%であることが好ましく、0.26質量%であることが好ましく、0.28質量%であることが好ましく、0.30質量%であることが好ましく、0.40質量%であることが好ましい。また、上限値として、0.60質量%であって、0.50質量%であることが好ましく、0.48質量%であることが好ましく、0.45質量%であることが好ましく、0.42質量%であることが好ましく、0.40質量%であることが好ましく、0.35質量%であることが好ましく、0.30質量%であることが更に好ましい。本発明の液晶組成物は、重合性化合物として第一成分と第二成分を併用するが、第二成分の含有量が少ないと、液晶組成物の配向規制力が弱い又は経時的に弱くなってしまうなどの問題が発生し、一方で、第二成分の含有量が多すぎると硬化後に残存する量が多くなる、硬化に時間がかかる、液晶の信頼性が低下する等の問題が生じる。このため、これらのバランスを考慮し第一成分と第二成分の含有量を設定する。
【0064】
本発明の液晶組成物は、下記一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に負の異方性を有する化合物に該当する。これらの化合物は、Δεの符号が負で、その絶対値が2より大きい値を示す。なお、化合物のΔεは、25℃において誘電的にほぼ中性の組成物に該化合物を添加した組成物の誘電率異方性の測定値から外挿した値である。
【0065】
本発明の液晶組成物は、下記一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)及び(N-04)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
【0066】
【化21】
【0067】
一般式(N-01)~(N-05)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基、炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、該基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていても良く、Zは、それぞれ独立して、単結合、-CHCH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、mは、それぞれ独立して、1又は2を表す。
【0068】
一般式(N-01)~(N-05)中、R21は、炭素原子数1から8のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1から4のアルキル基が更に好ましい。但し、Zが単結合以外を表す場合は、R21は、炭素原子数1~3のアルキル基が好ましい。
【0069】
一般式(N-01)~(N-05)中、R22は、炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1から8のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基がより好ましく、炭素原子数1~4のアルコキシ基が更に好ましい。
【0070】
一般式(N-01)~(N-05)中、R21及びR22は、アルケニル基である場合は、式(R1)から式(R5)
【0071】
【化22】
【0072】
(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましく、式(R1)又は式(R2)が更に好ましい。但し、R21及びR22がアルケニル基である化合物の含有量はできる限り少ない方が良く、含有しない方が好ましい。
【0073】
一般式(N-04)中、Zは、それぞれ独立して、単結合、-CHCH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表すが、単結合、-CHCH-、-OCH-、-CHO-が好ましく、単結合又は-CHO-がより好ましい。
【0074】
mが1のとき、Zは単結合であることが好ましい。
【0075】
mが2のとき、Zは-CHCH-又は-CHO-であることが好ましい。
【0076】
一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)で表される化合物のフッ素原子は、同じハロゲン族である塩素原子で置換されていても良い。但し、塩素原子で置換された化合物の含有量はできる限り少ない方が良く、含有しない方が好ましい。
【0077】
一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)で表される化合物の環上に存在する水素原子は、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良いが、塩素原子は好ましくない。
【0078】
一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)で表される化合物は、Δεが負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。具体的には、R22は、炭素原子数1から8のアルコキシ基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1から4のアルコキシ基が特に好ましい。
【0079】
本発明の液晶組成物は、一般式(N-01)で表される化合物として、一般式(N-01-1)、一般式(N-01-2)、一般式(N-01-3)及び一般式(N-01-4)
【0080】
【化23】
【0081】
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、それぞれ独立して、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
【0082】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-01-1)から一般式(N-01-4)で表される化合物群から選ばれる化合物を一種または二種以上含有することが好ましい。
【0083】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-01-1)で表される化合物および一般式(N-01-4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0084】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-01-3)で表される化合物および一般式(N-01-4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0085】
本発明の液晶組成物は、一般式(N-02)で表される化合物として、一般式(N-02-1)、一般式(N-02-2)、及び一般式(N-02-3)
【0086】
【化24】
【0087】
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、それぞれ独立して、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
【0088】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-02-1)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0089】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-02-1)で表される化合物および一般式(N-02-3)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0090】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-02-1)で表される化合物および一般式(N-01-4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0091】
本発明の液晶組成物は、一般式(N-03)で表される化合物として、一般式(N-03-1)
【0092】
【化25】
【0093】
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
【0094】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-03-1)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0095】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-03-1)で表される化合物および一般式(N-01-4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0096】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-03-1)で表される化合物および一般式(N-02-1)で表される化合物および一般式(N-01-1)を含有することが好ましい。
【0097】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-03-1)で表される化合物および一般式(N-01-3)で表される化合物および一般式(N-01-4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0098】
本発明の液晶組成物は、一般式(N-04)で表される化合物として、一般式(N-04-1)
【0099】
【化26】
【0100】
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
【0101】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-04-1)で表される化合物を同時に含有することが好ましい。
【0102】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-04-1)で表される化合物および一般式(N-01-4)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
【0103】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-04-1)で表される化合物および一般式(N-01-3)で表される化合物および一般式(N-01-4)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
【0104】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-04-1)で表される化合物および一般式(N-01-4)で表される化合物および一般式(N-03-1)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
【0105】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-04-1)で表される化合物および一般式(N-02-1)で表される化合物および一般式(N-03-1)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
【0106】
本発明の液晶組成物は、第一成分である重合性化合物および第二成分である重合性化合物および一般式(N-04-1)で表される化合物および一般式(N-01-4)で表される化合物および一般式(N-02-1)で表される化合物および一般式(N-03-1)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
【0107】
本発明の液晶組成物は、一般式(N-05)で表される化合物として、式(N-05-1)から式(N-05-3)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有しても良い。
【0108】
【化27】
【0109】
本発明の液晶組成物の総量に対して、一般式(N-01)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%であり、15%であり、10%である。
【0110】
本発明の液晶組成物の総量に対して、一般式(N-02)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%であり、15%であり、10%である。
【0111】
本発明の液晶組成物の総量に対して、一般式(N-03)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%であり、15%であり、10%である。
【0112】
本発明の液晶組成物の総量に対して、一般式(N-04)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%であり、15%であり、10%である。
【0113】
本発明の液晶組成物の総量に対して、式(N-05)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0114】
本発明の液晶組成物は、更に、一般式(N-06)で表される化合物を1種又は2種以上含有しても良い。
【0115】
【化28】
【0116】
(式中、R21及びR22は先述と同じ意味を表す。)
一般式(N-06)で表される化合物は、種々の物性を調整したい場合に有効であるが、大きな屈折率異方性(Δn)、高いTNI、大きなΔεを得るために使用することができる。
【0117】
本発明の液晶組成物の総量に対して、式(N-06)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、5%である。
【0118】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)から一般式(NU-08)
【0119】
【化29】
【0120】
(式中、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61、RNU62、RNU71、RNU72、RNU81およびRNU82は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、該基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていても良い。)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する。
更に詳述すると、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61、RNU62、RNU71、RNU72、RNU81およびRNU82は、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から5のアルコキシ基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基が更に好ましい。応答速度を重視する場合には、少なくとも1個のRNU11、RNU21、RNU41およびRNU51は、炭素原子数2から3のアルケニル基であることが好ましく、上述する式(R2)で表されるアルケニル基が好ましい。
【0121】
アルケニル基を有する化合物は、本発明の液晶組成物の総量に対して、30%以下が好ましく、25%以下が好ましく、20%以下が好ましく、15%以下が好ましく、10%以下が好ましく、5%以下が好ましい。高いVHRを重視する場合には、アルケニル基を有する化合物は10%以下が好ましく、5%以下が好ましく、1%以下が好ましく、含有しないことが好ましい。
【0122】
更に詳述すると、RNU11、RNU21、RNU31、RNU41、RNU51、RNU61、RNU71、RNU81は、炭素原子数1から5のアルキル基が特に好ましく、RNU12、RNU22、RNU32、RNU42、RNU52、RNU62、RNU72およびRNU82は、炭素原子数1から5のアルキル基または炭素原子数1から5のアルコキシ基が特に好ましい。
【0123】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物および一般式(NU-02)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0124】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物および一般式(NU-03)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0125】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-03)で表される化合物および一般式(NU-04)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0126】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-03)で表される化合物および一般式(NU-05)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0127】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物および一般式(NU-06)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0128】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物および一般式(NU-07)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0129】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物および一般式(NU-08)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0130】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物および一般式(NU-02)で表される化合物および一般式(NU-04)で表される化合物を含有することが更に好ましい。
【0131】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物を含有することが更に好ましい。ここで一般式(NU-01)中、RNU51は炭素原子数1から5のアルキル基が特に好ましく、RNU52は炭素原子数1から5のアルキル基が特に好ましい。
【0132】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物および一般式(NU-05)で表される化合物を含有することが更に好ましい。ここで一般式(NU-01)中、RNU51は炭素原子数1から5のアルキル基が特に好ましく、RNU52は炭素原子数1から5のアルキル基が特に好ましい。
【0133】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物および一般式(NU-02)で表される化合物および一般式(NU-05)で表される化合物を含有することが更に好ましい。ここで一般式(NU-01)中、RNU51は炭素原子数1から5のアルキル基が特に好ましく、RNU52は炭素原子数1から5のアルキル基が特に好ましい。
【0134】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)で表される化合物および一般式(NU-02)で表される化合物および一般式(NU-03)で表される化合物および一般式(NU-05)で表される化合物を含有することが更に好ましい。
【0135】
一般式(NU-01)で表される化合物の含有量は、1~60質量%であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましく、15~40質量%であることが更に好ましい。
【0136】
一般式(NU-02)で表される化合物の含有量は、1~40質量%であることが好ましく、5~25質量%であることがより好ましく、5~25質量%であることが更に好ましい。
【0137】
一般式(NU-03)で表される化合物の含有量は、1~20質量%であることが好ましく、1~15質量%であることがより好ましく、1~10質量%であることがより好ましく、1~10質量%であることが更に好ましい。
【0138】
一般式(NU-04)で表される化合物の含有量は、1~30質量%であることが好ましく、3~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることが更に好ましい。
【0139】
一般式(NU-05)で表される化合物の含有量は、1~30質量%であることが好ましく、1~20質量%であることがより好ましく、3~20質量%であることが更に好ましい。
【0140】
一般式(NU-06)で表される化合物の含有量は、1~30質量%であることが好ましく、3~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることが更に好ましい。
【0141】
一般式(NU-07)で表される化合物の含有量は、1~30質量%であることが好ましく、3~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることが更に好ましい。
【0142】
一般式(NU-08)で表される化合物の含有量は、1~30質量%であることが好ましく、3~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることが更に好ましい。
【0143】
本発明の液晶組成物は、特許文献4(特許第6233550号)の段落0236から0509に記載の誘電率異方性が正の化合物を1種類又は2種類以上含有することができる。更に好ましくは、ターフェニル構造又はテトラフェニル構造を有し、誘電率異方性Δεが+2より大きい化合物が好ましい。なお、化合物のΔεは、25℃において誘電的にほぼ中性の組成物に該化合物を添加した組成物の誘電率異方性の測定値から外挿した値である。該化合物は、例えば、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、屈折率異方性などの所望の性能に応じて組み合わせて使用するが、特に、重合性化合物を含有された液晶組成物中の重合性化合物の反応性を加速させることができる。
【0144】
ターフェニル構造又はテトラフェニル構造を有し、誘電率異方性Δεが+2より大きい化合物は、本発明の液晶組成物の総量に対して、好ましい含有量の下限値は、0.1%であり、0.5%であり、1%であり、1.5%であり、2%であり、2.5%であり、3%であり、4%であり、5%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では20%であり、15%であり、10%であり、9%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、4%であり、3%である。
【0145】
本発明の液晶組成物は、特許文献4(特許第6233550号)の段落0624から0642に記載の誘電率異方性がほぼ中性(Δεが-2~+2)の化合物を1種類又は2種類以上含有することができる。
【0146】
本発明の液晶組成物は、上述の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤又は赤外線吸収剤等を含有しても良い。
【0147】
酸化防止剤として、一般式(H-1)から一般式(H-4)で表されるヒンダードフェノールが挙げられる。
【0148】
【化30】
【0149】
一般式(H-1)から一般式(H-3)中、RH1は、それぞれ独立して、炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシ基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルケニルオキシ基を表すが、基中に存在する1個の-CH-又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立的に-O-又は-S-に置換されても良く、また、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立的にフッ素原子又は塩素原子に置換されても良い。更に具体的には、炭素原子数2から7のアルキル基、炭素原子数2から7のアルコキシ基、炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数3から7のアルキル基又は炭素原子数2から7のアルケニル基であることが更に好ましい。
【0150】
一般式(H-4)中、MH4は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-に置換されていても良い。)、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-CFO-、-OCF-、-CFCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-C≡C-、単結合、1,4-フェニレン基(1,4-フェニレン基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換されていても良い。)又はトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表すが、炭素原子数1から14のアルキレン基であることが好ましく、揮発性を考慮すると炭素原子数は大きい数値が好ましいが、粘度を考慮すると炭素原子数は大き過ぎない方が好ましいことから、炭素原子数2から12が更に好ましく、炭素原子数3から10が更に好ましく、炭素原子数4から10が更に好ましく、炭素原子数5から10が更に好ましく、炭素原子数6から10が更に好ましい。
【0151】
一般式(H-1)から一般式(H-4)中、1,4-フェニレン基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH=は-N=によって置換されていても良い。また、1,4-フェニレン基中の水素原子はそれぞれ独立的に、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。
【0152】
一般式(H-2)および一般式(H-4)の中の、1,4-シクロヘキシレン基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-は-O-又は-S-によって置換されていても良い。また、1,4-シクロヘキシレン基中の水素原子はそれぞれ独立的に、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。
【0153】
更に具体的には、例えば、式(H-11)から式(H-15)が挙げられる。
【0154】
【化31】
【0155】
本発明の液晶組成物は、酸化防止剤を含有する場合、その下限は10質量ppmが好ましく、20質量ppmが好ましく、50質量ppmが好ましく、その上限は10000質量ppmであるが、1000質量ppmが好ましく、500質量ppmが好ましく、100質量ppmが好ましい。
【0156】
本発明の液晶組成物は、ネマチック相-等方性液体相転移温度(TNI)が60℃から120℃であるが、70℃から100℃がより好ましく、70℃から85℃が特に好ましい。なお、本発明においては、60℃以上をTNIが高いと表現している。
【0157】
液晶テレビ用途の場合、TNIは70から80℃が好ましく、モバイル用途の場合、TNIは80から90℃が好ましく、PID(Public Information Display)等の屋外表示用途の場合、TNIは90から110℃が好ましい。
【0158】
本発明の液晶組成物は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14であるが、0.09から0.13がより好ましく、0.09から0.12が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。なお、本発明の液晶組成物は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.098から0.118であることが特に好ましい。
【0159】
本発明の液晶組成物は、20℃における回転粘性(γ)が50から160mPa・sであるが、55から160mPa・sであることが好ましく、60から160mPa・sであることが好ましく、80から150mPa・sであることが好ましく、90から140mPa・sであることが好ましく、90から130mPa・sであることが好ましく、90から115mPa・sであることが好ましい。
【0160】
本発明の液晶組成物は、20℃における誘電率異方性(Δε)が-1.7から-4.0であるが、-1.7から-3.5が好ましく、-1.8から-3.5がより好ましく、-1.9から-3.3がより好ましい。
【0161】
本発明の液晶組成物は、第一成分の重合性化合物および第二成分の重合性化合物を含有し、更に一般式(N-01)、一般式(N-02)、一般式(N-03)、一般式(N-04)、一般式(N-05)及び必要に応じて一般式(N-06)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有し、更に一般式(NU-01)から(NU-08)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、これらの含有量の合計の上限値は、100質量%、99質量%、98質量%、97質量%、96質量%、95質量%、94質量%、93質量%、92質量%、91質量%、90質量%、89質量%、88質量%、87質量%、86質量%、85質量%、84質量%であることが好ましく、これらの含有量の合計の下限値が、78質量%、80質量%、81質量%、83質量%、85質量%、86質量%、87質量%、88質量%、89質量%、90質量%、91質量%、92質量%、93質量%、94質量%、95質量%、96質量%、97質量%、98質量%、99質量%、100質量%であることが好ましい。
【0162】
本発明の液晶組成物は、第一成分の重合性化合物および第二成分の重合性化合物を含有し、更に一般式(N-01)、一般式(N-02)、一般式(N-03)及び一般式(N-04)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有し、更に一般式(NU-01)から(NU-08)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが特に好ましく、これらの含有量の合計の上限値は、100質量%、99質量%、98質量%、97質量%、96質量%、95質量%、94質量%、93質量%、92質量%、91質量%、90質量%、89質量%、88質量%、87質量%、86質量%、85質量%、84質量%であることが好ましく、これらの含有量の合計の下限値が、78質量%、80質量%、81質量%、83質量%、85質量%、86質量%、87質量%、88質量%、89質量%、90質量%、91質量%、92質量%、93質量%、94質量%、95質量%、96質量%、97質量%、98質量%、99質量%、100質量%であることが好ましい。
【0163】
本発明の液晶組成物は、十分に速い重合速度と十分に大きなプレチルト角を付与することができる。また、本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子は、重合後の液晶表示素子中の重合性化合物の残存量が少なく、4Kや8Kといった高精細なPSA型またはPSVA型の液晶表示素子のIS(Image Sticking)等の表示不良が発生しないか、顕著に抑制できる。以上のことから、4Kや8Kといった高精細なPSA型またはPSVA型の液晶表示素子の生産効率を顕著に向上でき、産業上の利用価値が非常に高い。
【0164】
本発明の液晶組成物は、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、PSA、PSVA、PS-IPS、PS-FFS、NPSまたはPI-less等の液晶表示素子に用いることができる。
【0165】
本発明の液晶表示素子は、対向に配置された第1の基板および第2の基板と、前記第1の基板または前記第2の基板に設けられる共通電極と、前記第1の基板または前記第2の基板に設けられ、薄膜トランジスタを有する画素電極と、前記第1の基板と第2の基板間に設けられる液晶組成物を含有する液晶層と、を有することが好ましい。必要により前記液晶層と当接するように第1の基板および/または第2の基板の少なくとも一つの基板の対向面側に、液晶分子の配向方向を制御する配向膜を設けてもよい。該配向膜としては、液晶表示素子の駆動モードに併せて、垂直配向膜や水平配向膜など適宜選択することができ、ラビング配向膜(例えば、ポリイミド)または光配向膜(分解型ポリイミドなど)などの公知の配向膜を使用することができる。さらに、カラーフィルターを、第1の基板または第2の基板上に適宜設けてもよく、また前記画素電極や共通電極上にカラーフィルターを設けることができる。
【0166】
本発明の液晶表示素子に使用される液晶セルの2枚の基板はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムスズオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。
【0167】
カラーフィルターは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作成することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作成することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード、金属絶縁体金属比抵抗素子等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
【0168】
前記第1の基板および前記第2の基板を、共通電極や画素電極層が内側となるように対向させることが好ましい。
【0169】
第1の基板と第2の基板との間隔はスペーサーを介して、調整してもよい。このときは、得られる調光層の厚さが1~100μmとなるように調整するのが好ましい。1.5から10μmが更に好ましく、偏光板を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。又、二枚の偏光板がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料等が挙げられる。その後、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させる。
【0170】
2枚の基板間に液晶組成物を狭持させる方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができる。
【0171】
本発明の液晶組成物に含まれる重合性化合物を重合させる方法としては、液晶の良好な配向性能を得るためには、適度な重合速度で重合することが望ましいので、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を単一又は併用又は順番に照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2枚の基板間に挟持させた状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、更に活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。特に紫外線露光する際には、液晶組成物に直流電界または交流電界を印加しながら紫外線露光することが好ましい。なお、印加する交流電界は、周波数1Hzから10kHzの交流が好ましく、周波数60Hzから10kHzがより好ましく、電圧は液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。つまり、印加する電圧により液晶表示素子のプレチルト角を制御することができる。PSA型またはPSVA型の液晶表示素子においては、配向安定性及びコントラストの観点からプレチルト角を80度から89.9度に制御することが好ましい。さらに、プレチルト角が80度から89度と大きく適切なチルトが付与されるように制御することがより好ましい。PSA型またはPSVA型の液晶表示素子においては、素子の製造後に重合性化合物が重合せずにそのまま残存していると焼き付き(IS)が発生する。この残存している重合性化合物の量は150ppm以下が好ましく、140ppm以下が好ましく、130ppm以下が好ましく、120ppm以下が好ましく、110ppm以下が好ましく、100ppm以下が特に好ましい。
【0172】
本発明の液晶組成物に含まれる重合性化合物を重合させる際に使用する紫外線又は電子線等の活性エネルギー線の照射時の温度は特に制限されることはない。例えば、配向膜を有する基板を備えた液晶表示素子に本発明の液晶組成物を適用する場合は、前記液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。すなわち、15~50℃で重合させることが好ましい。
【0173】
紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができ、USHIO社の超高圧UVランプ、TOSHIBA社の蛍光形紫外線ランプが好ましい。また、照射する紫外線の波長としては、液晶組成物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて、紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm~100W/cmが好ましく、2mW/cm~50W/cmが更に好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cmから500J/cmが好ましく、100mJ/cmから200J/cmが更に好ましい。
【実施例
【0174】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は「質量%」を意味する。実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
【0175】
各物性値は、特別の記載がない限り、電子情報技術産業協会規格 JEITA ED-2521B 2009年3月改正 社団法人 電子情報技術産業協会発行 に記載の方法に基き測定した。
【0176】
(側鎖)
-n -C2n+1 炭素数nの直鎖状のアルキル基
n- C2n+1- 炭素数nの直鎖状のアルキル基
-On -OC2n+1 炭素数nの直鎖状のアルコキシ基
nO- C2n+1O- 炭素数nの直鎖状のアルコキシ基
-V -CH=CH
V- CH=CH-
-V1 -CH=CH-CH
1V- CH-CH=CH-
-F -F
-OCF3 -OCF
(連結基)
-1O- -CH-O-
-O1- -O-CH
-2- -CH-CH
-COO- -COO-
-OCO- -OCO-
- 単結合
(環構造)
【0177】
【化32】
【0178】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0179】
Tni :ネマチック相-等方性液体相転移温度(℃)
Δn :20℃における屈折率異方性
Δε :20℃における誘電率異方性
γ :20℃における回転粘性(mPa・s)
RM :313nmの照度3mW/cmのUV光を60分照射した後の液晶表示素子の中の残存モノマー量(ppm)
Tilt :313nmの照度3mW/cmのUV光を2分照射した後の液晶表示素子のプレチルト角(°)
IS :313nmの照度3mW/cmのUV光を60分照射した後の液晶表示素子を用意し、駆動状態を一定時間維持した後のプレチルト角の変化量を100倍した値
VHR :313nmの照度3mW/cmのUV光を60分照射した後の液晶表示素子を用意し、1V、60Hz、60℃で測定したときの電圧保持率(%)
(重合性化合物の合成)
(RM-13の合成)
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)フェノール 47g(240ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン 37g(288ミリモル)、塩化メチレン 650mlを仕込み、氷冷バスにて5℃以下に反応容器を保ち。窒素ガスの雰囲気下で塩化アクリロイル 25g(276ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し5時間反応させた。反応液に塩化メチレン 280mlを加え、塩酸水溶液で洗浄し、続けて水で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のアルミナカラムにより精製を行い、(1)に示す化合物59gを得た。
【0180】
【化33】
【0181】
次いで撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、式(1)に示す化合物59g、テトラヒドロフラン 300ml、濃塩酸 1ml、メタノール 5mlを仕込み、室温で12時間反応させた。反応液に酢酸エチル 630mlを加え、水で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、10倍量(重量比)のシリカカラムにより精製を行い、(2)に示す化合物34gを得た。
【0182】
【化34】
【0183】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、4-ブロモフェノール 125g(723ミリモル)、アクリル酸t-ブチル 116g(903ミリモル)、炭酸カリウム 150g(1.1モル)、酢酸パラジウム 8.11g(36ミリモル)、N-メチル-2-ピロリドン 1230mlを仕込み、125℃で5時間反応させた。反応液に酢酸エチル 1390mlを加え、塩酸水溶液で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカカラムにより精製を行い、塩化メチレン/ヘキサンによる再結晶により(3)に示す化合物106gを得た。
【0184】
【化35】
【0185】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、式(3)に示す化合物 106g(482ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン 75g(579ミリモル)、塩化メチレン 1410mlを仕込み、氷冷バスにて5℃以下に反応容器を保ち。窒素ガスの雰囲気下で塩化メタクリロイル 58g(555ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し5時間反応させた。反応液に塩化メチレン 600mlを加え、塩酸水溶液で洗浄し、続けて水で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカカラムにより精製を行い、(4)に示す化合物132gを得た。
【0186】
【化36】
【0187】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、式(4)に示す化合物 132g(458ミリモル)、ギ酸 330ml、塩化メチレン 330mlを仕込み、40℃で8時間反応させた。反応液に水を加えて固体を析出させて、ろ取した後に乾燥させ、(5)に示す化合物92gを得た。
【0188】
【化37】
【0189】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、式(2)に示す化合物 5g(30ミリモル)、式(5)に示す化合物 7g(30ミリモル)、ジメチルアミノピリジン 480mg(3.9ミリモル)、塩化メチレン 48mlを仕込み、氷冷バスにて5℃以下に反応容器を保ち。窒素ガスの雰囲気下でジイソプロピルカルボジイミド 4.9g(39ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し5時間反応させた。反応液をろ過した後、ろ液に塩化メチレン23mlを加え、塩酸水溶液で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、10倍量(重量比)のシリカカラムにより精製を行い、塩化メチレン/ヘキサンによる再結晶により式(RM-13)に示す目的の化合物6.1gを得た。
【0190】
【化38】
【0191】
H-NMR(溶媒:重クロロホルム):δ: 2.08(s,3H),5.79(d,1H),6.03(dd,1H),6.29-6.37(m,2H),6.57-6.64(m,2H),7.17-7.22(m,6H),7.63(d,2H),7.86(d,1H)
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr):1760-1700,1640,1600cm-1 融点:140℃
(RM-14の合成)
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)フェノール 100g(515ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン 80g(618ミリモル)、塩化メチレン 1380mlを仕込み、氷冷バスにて5℃以下に反応容器を保ち。窒素ガスの雰囲気下で塩化メタクリロイル 62g(592ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し5時間反応させた。反応液に塩化メチレン 590mlを加え、塩酸水溶液で洗浄し、続けて水で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のアルミナカラムにより精製を行い、塩化メチレン/メタノールによる再結晶により(6)に示す化合物116gを得た。
【0192】
【化39】
【0193】
次いで撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、式(6)に示す化合物116g、テトラヒドロフラン 600ml、濃塩酸 2ml、メタノール 10mlを仕込み、室温で12時間反応させた。反応液に酢酸エチル 1260mlを加え、水で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカカラムにより精製を行い、塩化メチレン/ヘキサンによる再結晶により(7)に示す化合物71gを得た。
【0194】
【化40】
【0195】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、式(3)に示す化合物 106g(482ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン 75g(579ミリモル)、塩化メチレン 1410mlを仕込み、氷冷バスにて5℃以下に反応容器を保ち。窒素ガスの雰囲気下で塩化アクリロイル 50g(555ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し5時間反応させた。反応液に塩化メチレン 600mlを加え、塩酸水溶液で洗浄し、続けて水で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、2倍量(重量比)のシリカカラムにより精製を行い、(8)に示す化合物132gを得た。
【0196】
【化41】
【0197】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、式(4)に示す化合物 132g(482ミリモル)、ギ酸 330ml、塩化メチレン 330mlを仕込み、40℃で8時間反応させた。反応液に水を加えて固体を析出させて、ろ取した後に乾燥させ、(9)に示す化合物97gを得た。
【0198】
【化42】
【0199】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に、式(7)に示す化合物 8.1g(45ミリモル)、式(9)に示す化合物 9.4g(43ミリモル)、ジメチルアミノピリジン 720mg(5.9ミリモル)、塩化メチレン 72mlを仕込み、氷冷バスにて5℃以下に反応容器を保ち。窒素ガスの雰囲気下でジイソプロピルカルボジイミド 7.5g(59ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応容器を室温に戻し5時間反応させた。反応液をろ過した後、ろ液に塩化メチレン34mlを加え、塩酸水溶液で洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、10倍量(重量比)のシリカカラムにより精製を行い、塩化メチレン/メタノールによる再結晶により式(RM-14)に示す目的の化合物6.5gを得た。
【0200】
【化43】
【0201】
H-NMR(溶媒:重クロロホルム):δ: 2.07(s,3H),5.76-7.77(m,1H),6.05(dd,1H),6.30-6.37(m,2H),6.57-6.66(m,2H),7.15-7.23(m,6H),7.61-7.63(m,2H),7.86(d,1H)
赤外吸収スペクトル(IR)(KBr):1750-1700,1640cm-1 融点:144℃
(液晶組成物の調製と評価結果)
液晶組成物(LC-1)から(LC-5)を調製し、その物性値を測定した。これらの液晶組成物の成分比とその物性値は表1のとおりであった。
【0202】
【表1】
【0203】
これらの液晶組成物と下記式(RM-11)~式(RM-17)、式(RM-21)~式(RM-23)で表される重合性化合物を混合した実施例(E-01)から(E-06)、比較例(C-01)から(C-02)を用意し、RM、Tilt、IS、VHRを評価した結果は以下の表のとおりであった。
【0204】
【化44】
【0205】
【化45】
【0206】
【表2】
【0207】
実施例1(E-01)から実施例6(E-20)は、RMが十分に小さな値であり、Tiltが適切な値であり、ISが小さい値であり、VHRが十分に高い値であることを確認した。以上のことから、これらの実施例は本発明の課題を解決していることを確認した。
【0208】
これに対して、本発明の第二成分の重合性化合物のみを含有する比較例1(C-01)はRMが大きく、液晶表示素子の信頼性が低下することが確認された。また、比較例2(C-02)の液晶組成物は、本発明の第二成分の重合性化合物を含有するものの、本発明の第一成分とは構造が異なる重合性化合物を用いていることからVHRが低い結果となった。以上のことから、これらの比較例は本発明の課題を解決できないことを確認した。
【0209】
更に、実施例7(E-07)から実施例14(E-14)を用意し、評価した結果は下記表のとおりであった。
【0210】
【表3】
【0211】
実施例7(E-07)から実施例14(E-14)は、RMが十分に小さな値であり、Tiltが適切な値であり、ISが小さい値であり、VHRが十分に高い値であることを確認した。以上のことから、これらの実施例は本発明の課題を解決していることを確認した。
【0212】
更に、実施例15(E-15)から実施例20(E-20)を用意し、評価した結果は下記表のとおりであった。
【0213】
【表4】
【0214】
実施例15(E-15)から実施例20(E-20)は、RMが十分に小さな値であり、Tiltが適切な値であり、ISが小さい値であり、VHRが十分に高い値であることを確認した。以上のことから、これらの実施例は本発明の課題を解決していることを確認した。