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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20231205BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231205BHJP
   B41J 2/21 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B41J2/175 121
B41J2/01 307
B41J2/175 503
B41J2/21
B41J2/175 143
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020023672
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2020142506
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2019038924
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中村 大輔
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0271517(US,A1)
【文献】特開2004-136497(JP,A)
【文献】実開昭63-113648(JP,U)
【文献】特開2017-209844(JP,A)
【文献】特開2016-094014(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0102998(KR,A)
【文献】特開2006-007612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給される液体を収容する収容部材と、前記収容部材を保持する保持部材とを有し、互いに異なる傾きで装置内に設けられる液体吐出モジュールを複数備え、
前記複数の液体吐出モジュールのそれぞれの前記保持部材は、装置内における前記液体吐出ヘッドに対する前記収容部材の鉛直方向の位置を調節する第一の調節部を有することを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項2】
前記保持部材は、液体が吐出される被吐出体が搬送される搬送面から遠ざかる方向に延びる第一の保持部材を有し、
前記第一の調節部は、前記搬送面から遠ざかる方向における、前記第一の保持部材に対する前記収容部材の保持位置を調節することを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
【請求項3】
前記それぞれの前記保持部材は、前記収容部材の回転方向の位置を調節する第二の調節部を有することを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
【請求項4】
前記保持部材は、
液体が吐出される被吐出体が搬送される搬送面から遠ざかる方向に延びる第一の保持部材と、
前記収容部材を保持するとともに前記第一の保持部材に保持される第二の保持部材と、を有することを特徴とする請求項3に記載の液体を吐出する装置。
【請求項5】
前記第一の調節部は、前記搬送面から遠ざかる方向における、前記第一の保持部材に対する前記第二の保持部材の位置を調節し、
前記第二の調節部は、被吐出体の搬送方向および液体の吐出方向と直交する軸を中心とした、前記第二の保持部材に対する前記収容部材の回転方向の位置を調節することを特徴とする請求項4に記載の液体を吐出する装置。
【請求項6】
前記第一の保持部材は、前記搬送面から遠ざかる方向に並ぶ複数の第一の取り付け部を有し、
前記第二の保持部材は、前記複数の第一の取り付け部のいずれかに取り付けられることを特徴とする請求項4または5に記載の液体を吐出する装置。
【請求項7】
前記第二の保持部材は、被吐出体の搬送方向および液体の吐出方向と直交する軸を中心として周方向に並ぶ複数の第二の取り付け部を有し、
前記収容部材は、前記複数の第二の取り付け部のいずれかに取り付けられることを特徴とする請求項4乃至6のうちのいずれか一項に記載の液体を吐出する装置。
【請求項8】
前記収容部材は、前記保持部材に着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の液体を吐出する装置。
【請求項9】
複数の前記液体吐出モジュールは、液体が吐出される被吐出体が搬送される搬送面の曲面に応じた傾きで前記搬送面に沿って並べて設けられることを特徴とする請求項1乃至8のうちの何れか一項に記載の液体を吐出する装置。
【請求項10】
前記収容部材は側面に可撓膜を有し、
前記液体吐出ヘッドは所定方向に並ぶノズル列を有し、
前記側面は前記所定方向を向いていることを特徴とする請求項1乃至9のうちの何れか一項に記載の液体を吐出する装置。
【請求項11】
前記複数の液体吐出モジュールはそれぞれ、前記収容部材から前記液体吐出ヘッドに対して液体を供給する液体供給路を有することを特徴とする請求項1乃至10のうちの何れか一項に記載の液体を吐出する装置。
【請求項12】
装置内における複数の液体吐出モジュールの傾きは、前記液体吐出ヘッドから吐出される液体の色ごとに異なることを特徴とする請求項1乃至11のうちの何れか一項に記載の液体を吐出する装置。
【請求項13】
前記複数の液体吐出モジュールのそれぞれの前記保持部材は、装置内における前記液体吐出ヘッドに対する前記収容部材の鉛直方向の位置が前記複数の液体吐出モジュール間で互いに揃うように前記収容部材を保持することを特徴とする請求項1乃至12のうちの何れか一項に記載の液体を吐出する装置。
【請求項14】
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給される液体を収容する収容部材と、前記収容部材を保持する保持部材とを有し、互いに異なる傾きで装置内に設けられる液体吐出モジュールを複数備え、
前記複数の液体吐出モジュールのそれぞれの前記保持部材は、装置内における前記液体吐出ヘッドに対する前記収容部材の鉛直方向の位置が前記複数の液体吐出モジュール間で互いに揃うように、前記収容部材を保持することを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項15】
液体を吐出する吐出面を有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給される液体を収容する収容部材と、前記収容部材を保持する保持部材とを有し、互いに異なる傾きで装置内に設けられる液体吐出モジュールを複数備え、
前記複数の液体吐出モジュールのそれぞれの前記保持部材は、前記吐出面の垂線と装置が設置される水平面とのなす角度が小さいほど、前記液体吐出ヘッドの前記吐出面と前記収容部材との前記垂線の方向における距離が大きくなるように、前記収容部材を保持することを特徴とする液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット記録装置では、搬送される記録用紙に液体吐出ヘッドからインク液を液滴として吐出することにより画像の形成を行う。
【0003】
各液体吐出ヘッドへのインク液の供給はメインタンクからインク液が補充されるサブタンクで負圧を発生させることにより行われる。例えば、特許文献1には、アレイベースにヘッド面の向きを揃えて千鳥に並べられた2列のヘッド列の構成において、ヘッド列毎にサブタンクを設けたものが開示されている。特許文献1に開示の構成によれば、ヘッド列がアレイベースごと傾斜して配置されている場合、アレイベース上に千鳥に並べられている2列の間で水頭差が生じるため、各サブタンクが鉛直方向の適切な高さ位置に設けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば搬送ドラムのような曲面上の記録用紙に各種の液滴を吐出する場合、その曲面に応じて、例えばインク色など吐出する液体別に使用される各液体吐出ヘッドを、異なる傾きで曲面に対向配置する。従って、異なる傾きで配置されたヘッド間で水頭差がばらつくことになる。このため、画像を形成するヘッド列の位置に応じて形成される画像の画質にばらつきが生じるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、液体吐出ヘッドの異なる傾きに応じて形成される画像の画質のばらつきを簡易な構成により抑えることが可能な液体を吐出する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施の形態の液体を吐出する装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給される液体を収容する収容部材と、前記収容部材を保持する保持部材とを有し、互いに異なる傾きで装置内に設けられる液体吐出モジュールを複数備え、前記複数の液体吐出モジュールのそれぞれの前記保持部材は、装置内における前記液体吐出ヘッドに対する前記収容部材の鉛直方向の位置を調節する第一の調節部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ヘッド間の画質のばらつきを簡易な構成により抑えることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る液体を吐出する装置の全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施の形態に係る液体吐出モジュールの構成の一例を示す外観斜視図である。
図3図3は、サブタンク1つ当たりの構成の一例を示す図である。
図4図4は、液体吐出モジュールにおけるサブタンクの取り付け位置を説明するための図である。
図5図5は、第2の実施の形態に係る液体吐出モジュールの構成の一例を示す図である。
図6図6は、液体吐出モジュールに対して外付け用のブラケット(ベースブラケット)を取り付けた状態を示す図である。
図7図7は、ベースブラケットに調節用ブラケットを取り付けた状態を示す図である。
図8図8は、サブタンクを高さ調節して取り付ける場合の取り付け位置の一例を示す図である。
図9図9は、サブタンクを高さ調節して取り付ける場合の取り付け位置のその他の一例を示す図である。
図10図10は、サブタンクを回転方向に調節して取り付ける場合の取り付け位置の一例を示す図である。
図11図11は、サブタンクを回転方向に調節して取り付ける場合の取り付け位置のその他の一例を示す図である。
図12図12は、ベースブラケットおよび調節用ブラケットを使用して液体吐出モジュールにサブタンクを装着した装着状態の一例を示す図である。
図13図13は、搬送ドラムの外周面に合わせて異なる角度で設置された液体吐出モジュールのサブタンクの設定の一例を示す図である。
図14図14は、第2の実施の形態の変形例に係る液体吐出モジュールの構成の一例を示す図である。
図15図15は、1つの液体吐出モジュール本体に対して複数のサブタンクを装着する場合の装着状態の一例を示す図である。
図16図16は、1つの液体吐出モジュール本体に対して複数のサブタンクを装着する場合の装着状態の一例を示す図である。
図17図17は、第1の実施の形態の変形例にかかる液体吐出モジュールにおけるサブタンクの取り付け位置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、実施の形態に係る液体を吐出する装置について詳細に説明する。なお、以下に示すものは一例であり、実施の形態をこれに限定するものではない。
【0010】
(実施の形態)
本願において「液体吐出ヘッド」は、ノズルから液体を吐出、噴射する機能部品である。吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0011】
本願において「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0012】
「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0013】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0014】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0015】
上記「液体が付着可能なもの(「被吐出体」に相当)」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0016】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0017】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0018】
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0019】
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。「液体吐出ユニット」は、少なくとも液体吐出ヘッドにサブタンクなどの収容部材と当該収容部材を保持する保持部材とを組み合わせたものである。収容部材は、液体吐出ヘッドに供給される液体を収容する。
【0020】
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
【0021】
以下、実施の形態に係る「液体を吐出する装置」について画像形成装置を例に説明する。なお、適宜、各図に設定した3次元直交座標軸(X軸,Y軸,Z軸)を参照して説明する。
【0022】
(全体構成)
図1に示す画像形成装置1は、給紙部20と、レジスト調整部30と、画像形成部10と、乾燥部40と、排紙部50とを備えている。画像形成装置1は、給紙部20から排紙部50の各部に亘り、給紙部20から排紙部50に被吐出体の一例の記録用紙22を搬送する搬送手段を備えている。画像形成装置1は、図1に示すように記録用紙22の搬送経路に沿って各種手段を備えている。画像形成装置1は、搬送手段や各種手段の制御により、記録用紙22に画像形成を行うための一連の動作を行う。図1に示す各部について次に詳述する。
【0023】
給紙部20には、記録用紙22を積載する給紙トレイ26と、記録用紙22を1枚ずつレジスト調整部30へ供給する供給手段とが含まれる。図1には、記録用紙22をエアー方式で1枚ずつに分離するエアー分離部24を使用した例を示している。エアー分離部24により記録用紙22の束にエアーを吹き付けて記録用紙22を1枚ずつに分離する。1枚ずつに分離された記録用紙22は供給手段のピックアップローラが1枚ずつピックアップしてレジスト調整部30へ供給する。なお、記録用紙22の分離方式には、エアーに限らず任意の方式を使用することができる。例えばピックアップローラによりピックアップされた記録用紙22の束を分離ローラが1枚ずつに分離する方式などを使用することができる。
【0024】
レジスト調整部30にはレジストローラ32が含まれる。レジストローラ32は、給紙部20から送られてきた記録用紙22をレジスト調整(タイミング調整)して画像形成部10へと送り出す。
【0025】
画像形成部10には、記録用紙22を吸着して一方向に送る搬送ドラム12と、その記録用紙22に対して液滴(一例としてインク液滴とする)を吐出することにより画像を形成する複数の液体吐出モジュール(「液体吐出ユニット」の一例)14とが含まれる。
【0026】
搬送ドラム12は、円筒の形状を有するものであり、図1に円の形状で示す部分は円筒の上面部に相当する。円筒の側面部に設けられている外周面(「搬送面」に相当)は、上面部の円の縁に沿って紙面奥行き方向に構成されており、円の縁に沿って1周する。搬送ドラム12は、レジスト調整部30から送られてきた記録用紙22の先端を用紙クランパ16でくわえ、図1の例では反時計回りに回転する。搬送ドラム12は、外周面に複数のエアー吸引孔が形成されており、吸引ポンプにより記録用紙22の背面側を吸引しながら回転する。搬送ドラム12は、記録用紙22を、搬送ドラム12の外周面に密着させ、外周面に沿わせて反時計回りの方向へ搬送する。つまり、この例では、外周面の曲面の形状が、記録用紙22が配置される面の形状に相当する。
【0027】
各液体吐出モジュール14は、液体(この例ではインク液)を吐出する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに供給されるインク液を収容する収容部材と、収容部材を保持する保持部材とを備える。各液体吐出ヘッドは、図1において紙面奥行方向に1列に並んだノズルの孔(ノズル列)を1列または複数列有する。各液体吐出モジュール14は、搬送ドラム12により搬送される記録用紙22に対して各液体吐出ヘッドのノズル列から液体を吐出して画像を形成する。図1に示す例において、用紙クランパ16は搬送ドラム12の外周上3か所に設けられている。このため、搬送ドラム12の1回転で3枚の記録用紙22への画像形成が可能である。なお、液体吐出モジュール14の詳細については後に図を用いて改めて説明する。
【0028】
乾燥部40には乾燥ユニット42が含まれる。乾燥ユニット42は、画像形成部10から送られてくる画像形成済みの記録用紙22を乾燥させ、記録用紙22のカールを防止する。記録用紙22は乾燥ユニット42を通過することによりインクの水分が蒸発して乾燥する。
【0029】
なお、図1に示す例は、両面印刷に対応した機構も含んでいる。両面印刷を行う場合、乾燥後、用紙反転部60により記録用紙22を反転して搬送方向を画像形成部10の方向に切替え、反転された記録用紙22を用紙反転搬送部62により画像形成部10へ送り込む。画像形成部10に送り込まれた記録用紙22は、搬送ドラム12に送り込まれる手前でレジストローラ64によりタイミング調整が行われ、裏面の画像形成のために搬送ドラム12に再び送られる。
【0030】
排紙部50には、乾燥部40から排紙された記録用紙22を積載する排紙トレイ52が含まれる。排紙トレイ52は、記録用紙22の幅方向を規制する一対のサイドフェンスと記録用紙22の先端を規制するエンドフェンスとを備えている。
【0031】
(液体吐出モジュールの第1の実施の形態)
次に、液体吐出モジュール14の第1の実施の形態に係る構成について詳しく説明する。第1の実施の形態に係る液体吐出モジュール14は、液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに供給されるインク液を収容する収容部材と、保持部材143(図2参照)とを有する。収容部材としては、インク液が不足するとメインタンクからインク液が圧送されてインク液が補充されるサブタンク142(図2参照)を例に説明する。
【0032】
図2は、第1の実施の形態に係る液体吐出モジュールの構成の一例を示す外観斜視図である。図2に示す液体吐出モジュール14は、液体吐出ヘッド141と、サブタンク142と、保持部材143とを有する。保持部材143は、液体吐出ヘッド141に対してサブタンク142を所定の位置に固定する部材である。図2には図示を省略しているが、使用時は、メインタンクからサブタンク142にインク液を送るためのインクチューブや、サブタンク142から液体吐出ヘッド141にインク液を送るためのインクチューブなどが接続される。
【0033】
図2の液体吐出モジュール14において、液体吐出ヘッド141が備える吐出面は下側(-Z方向)の端面、つまり底に位置している。図2においては吐出面が底に位置するため見えないが、吐出面において+Y方向に1列にノズルの孔が並んでいる。また、吐出面には平行に複数(例えば2列)のノズル列を設けている。液体吐出モジュール14には液体吐出ヘッド141の一例として、第一の供給口から第一のインク液を第一のノズル列に供給し、第二の供給口から第二のインク液を第二のノズル列に供給する構造のものを示している。なお、第一のインク液と第二のインク液は同じインク液でもよいし、異なるインク液でもよい。
【0034】
第一のサブタンク142aおよび第二のサブタンク142bは、それぞれに対応する供給口(第一の供給口および第二の供給口)から液体吐出ヘッド141の内部に各インク液を供給する。各インク液は、液体吐出ヘッド141の内部の互いに隔てられた流路や液室などを通じて、それぞれ別のノズル列(第一のノズル列および第二のノズル列)から液滴として吐出される。
【0035】
図2に示す第一のサブタンク142aおよび第二のサブタンク142bは、液体吐出ヘッド141に対する相対的な位置(例えば高さなど)や姿勢(向き)が共に同じになるように保持部材143で取り付ける。例えば、図2に示すXZ平面で平面視した場合に中心位置が重なり、姿勢も同じになるようにする。図2に示す例では、第一のサブタンク142aおよび第二のサブタンク142bは、保持位置が液体吐出ヘッド141から共に同じ高さで、それぞれの可撓膜が、共に吐出面においてノズルが並ぶ方向を向くように取り付けてある。
【0036】
(サブタンク)
次にサブタンクの構成について説明する。第一のサブタンク142aおよび第二のサブタンク142bは共に同様の構成を有する。ここではサブタンク一つ当たりの構成について説明する。
【0037】
図3は、サブタンク1つ当たりの構成の一例を示す図である。図3(a)は、サブタンクの側面図であり、図3(b)は、サブタンクの内部構造を説明するための部分切断図である。なお、図3には、説明を分かり易くするため、一部の構成を省略するなどして示している。省略した箇所などの説明については図2を適宜参照する。
【0038】
図3(a)および図3(b)に示すサブタンク142には、インク液を収容する収容部の構造が本体80側に形成されており、その開口部を、可撓膜(一例として可撓性を有するフィルム状部材82とする)で接着又は溶着などにより封止することにより、サブタンク142の内部にインク収容部81を構成している。図3(b)に示すインク収容部81の形状は、図3(a)に示す正面側から見た場合、フィルム状部材82の外形と同様に略円形である。
【0039】
本体80とフィルム状部材82の間、つまりインク収容部81内部には、フィルム状部材82を外方に付勢する弾性部材(例えばバネなど)83が設けられている。ここで、フィルム状部材82や、弾性部材83や、後述する大気開放弁機構132などが「負圧発生手段」に相当する。「負圧発生手段」の負圧発生の原理については後述する。
【0040】
本体80下部には、インク供給口84が設けられている。インク供給口84には、着脱自在の連結部を連結することにより、メインタンクから連結部に圧送されたインク液が送り込まれ、インク収容部81へ補充される。メインタンクとサブタンク142との間にはメインタンクからサブタンク142にインク液を圧送する送液ポンプ(送液部)が構成されている。インク供給口84には、送液ポンプによりメインタンクからインク液が送り込まれる。
【0041】
本体80上部には、インク排出口85が設けられている。インク排出口85は、サブタンク142から液体吐出ヘッド141に供給するインク液を負圧の発生により排出する。インク排出口85と液体吐出ヘッド141の供給口とをインクチューブなどにより接続することによりサブタンク142から排出されたインク液が液体吐出ヘッド141に供給される。
【0042】
本体80上部には、サブタンク142内の密閉状態及び大気開放状態を切り替える大気開放手段である大気開放弁機構132(図2参照)を設けている。インク収容部81に空気流路を通じて連通する大気開放孔を大気開放弁機構132により開閉することによりサブタンク142内の密閉状態と大気開放状態とを切り替える。大気開放弁機構132の開閉の制御により、大気開放孔の開閉が行われる。
【0043】
また、本体80内部にはインク液を蓄積する蓄積部を設けている。装置本体が傾けられたり、揺らされたりしたときに、空気流路内にインクが侵入する可能性が高くなる。このため、空気流路から侵入したインクを蓄積部で蓄積できるようにしている。これにより、大気開放孔及び大気開放弁機構132内にインクが侵入したり、侵入したインクが固まって作動不良になったりすることを防止している。
【0044】
また、本体80上部には、サブタンク142内のインク量が所定量以下になったこと(この状態を「インク無し」とする)を検知するための2本の検知電極91、92(図2参照)を装着している。検知電極91、92がいずれもインクに浸されている状態と、少なくとも一方がインクに浸されていない状態とを検知電極91、92間の導通状態の変化によって検知することによってインク無し状態を判別することができる。
【0045】
(インク液の補充処理)
サブタンク142でのインク液の補充処理について説明する。例えばサブタンク142内のインク量が下限閾値以下であることが検知された場合に、インク供給処理を開始し、サブタンク142内のインク量が上限閾値以上であることが検知された場合に、インク供給処理を停止する形態とすることもできる。
【0046】
まず、サブタンク142の大気開放弁機構132を開状態にすることにより、サブタンク142内を大気解放状態にする。そして、メインタンクから送液ポンプによってインクをサブタンク142に送液して補充する。このとき、サブタンク142内の空気は、大気開放孔から外部に排出されることになる。フィルム状部材82には、弾性部材83の付勢力が掛かっているため、サブタンク142内に負圧が発生する。
【0047】
このように、フィルム状部材82と弾性部材83とによってサブタンク142内に負圧を発生させることができるので、負圧発生機構が簡単になる。
【0048】
(サブタンクの取り付け位置)
図4は、液体吐出モジュール14におけるサブタンク142の取り付け位置を説明するための図である。図4には、サブタンク142の取り付け位置を分かり易く説明するために、搬送ドラム12と各液体吐出モジュール14のモジュール構成とを図1に示すものと同様の方向から模式図で表している。図4において、サブタンク142は側面(可撓膜側)が紙面手前側に向いて装着されている。従ってサブタンク142はインク収容部81が略円形のため円で表している。サブタンク142の円の中心部に負圧を形成する弾性部材83が配置されている。ここで、サブタンク142において負圧を形成する円の中心部を「負圧形成位置」と呼ぶ。各液体吐出ヘッド141の吐出面1400においてノズル列はサブタンク142の側面と同じ方向に形成されている。
【0049】
図4に示すように、各液体吐出モジュール14は、液体吐出ヘッド141の吐出面1400が搬送ドラム12の外周面に向い合せになるように、搬送面に沿って互いに異なる傾きで装置内の画像形成部10に設けられている。液体吐出ヘッド141は各液体吐出モジュール14に所定の配置で装着される。一例では、図4に示すように、各液体吐出モジュール14は、液体吐出ヘッド141の装着時に吐出面1400からの垂線が搬送ドラム12の回転軸上に直交するようにそれぞれ異なる角度で搭載する。複数の液体吐出モジュール14のそれぞれの保持部材143は、吐出面1400の垂線(図中の一点鎖線である)と画像形成装置1が設置される水平面600とのなす角度が小さいほど、液体吐出ヘッド141の吐出面1400と収容部材142との垂線方向における距離が大きくなるように、収容部材142を保持する。なお、吐出面1400から搬送ドラム12の回転軸上に直交する垂線は、例えば吐出面1400のノズルが形成されている領域(ノズル形成領域)のうち、ノズル列が1列であれば、そのノズル列上とすることが望ましい。また、ノズル列が複数平行に設けられている場合は、複数のノズル列のうちの両端のノズル列(つまり最も外側にある2組のノズル列)から等距離の位置(中心線上)などとすることが望ましい。
【0050】
また、図4には、各液体吐出モジュール14がそれぞれ異なる傾きで設けられた場合にサブタンク142の取り付け位置を調節する例を示している。各液体吐出モジュール14において、各液体吐出ヘッド141に対するサブタンク142の鉛直方向の位置が各液体吐出モジュール14間で略同じか或いは揃うようにサブタンク142の取り付け位置を調節する。ここで、鉛直方向とは、画像形成装置1が設置される水平面600に直交する方向である。具体的には、各液体吐出モジュール14において、各液体吐出ヘッド141のノズル列の位置とサブタンク142の負圧形成位置との高さ方向(鉛直方向)の差である水頭差が各液体吐出モジュール14間で略同じか或いは揃うように、それぞれサブタンク142の鉛直方向の位置を調節する。
【0051】
例えば、図4に示すように、2つの液体吐出モジュール14A、14Bの液体吐出ヘッド141の吐出面1400にノズル列17A、17Bが配置されているとする。この場合、各液体吐出モジュール14A、14Bにおいて、それぞれ、ノズル列17A、17Bの位置を基準に、吐出面1400から垂線に沿ってサブタンク142を取り付ける距離を変える。つまり、各吐出面1400から垂線方向にサブタンク142を取り付ける距離をそれぞれ個別に調節することによりサブタンク142の鉛直方向の位置を調節し、各液体吐出モジュール14における水頭差が各液体吐出モジュール14間で略同じか或いは揃うようにする。
【0052】
このように、各液体吐出モジュール14間で水頭差が揃うようにサブタンク142の鉛直方向の位置を調節する。各液体吐出モジュール14において、液体吐出ヘッド141の吐出面から垂線方向において同じ距離にサブタンク142を装着してしまうと、それぞれ液体吐出モジュール14が異なる傾きで設けられているために、各液体吐出モジュール14間で水頭差がばらついてしまう。しかし、サブタンク142を吐出面に対して垂線方向に調節することにより、高さ方向において各ノズル列と各負圧形成位置との高さを略同じか或いは一定値Lに揃えることもでき、各液体吐出モジュール14間の水頭差のばらつきを抑えることができる。
【0053】
保持部材143(図2参照)は、サブタンク142を保持し、サブタンク142を所定位置で固定する部材であり、サブタンク142を保持する位置(保持位置)を吐出面に対して垂線方向に調節する部材である。サブタンク142は、保持部材143に対して着脱可能となっている。サブタンク142を保持する位置の調節は、例えば、保持部材143として高さ方向に伸縮可能なものを使用するなどして行う。これにより、吐出面1400に対して垂線方向にサブタンク142の距離を調節することが可能になり、画像形成部10においてサブタンク142が高さ方向(鉛直方向)に調節される。
【0054】
なお、保持部材143を含む液体吐出モジュール14(図2参照)は、予め画像形成部10に装着されて提供されてもよいし、画像形成部10の搭載位置にユーザやメンテナス業者が後から保持部材143を選択して装着してもよい。
【0055】
また、伸縮可能な方向は、液体吐出モジュール14が、液体吐出ヘッド141の吐出面1400を搬送ドラム12の外周面に向い合せになるように設けられた場合に、搬送ドラム12の外周面から遠ざかる(或いは近づく)方向のことを指す。例えばサブタンク142を吐出面に対して垂線方向の何か所かに移動して取り付ける取り付け部を第一の調節部として設ける。この場合、1つの保持部材143で複数の位置へ移動して取り付けることに対応させることが可能になる。
【0056】
また、サブタンク142を、負圧形成位置を中心に円の周方向に回動させる手段を設けてもよい。例えば、円の周方向に向きを変えて位置決めする構造(例えばねじで締結するための構造など)を複数箇所に設ける。この場合、液体吐出モジュール14の傾きによらず、インク排出口85を常に上方に位置させることが可能になる。このようにすることで、サブタンク142までのインク供給経路の気泡をサブタンク142内に残すことなく排出することが容易になる。
【0057】
以上のように、第1の実施の形態では、簡易な構成により複数の液体吐出モジュールで収容部材の鉛直方向の位置を調節でき、ヘッド間の吐出のばらつきを簡易な方法で抑えることができる。例えば、記録用紙に液滴を吐出する位置が搬送ドラムのような曲面である場合、その曲面の形状に応じて例えばインク液の色毎に液体吐出モジュールを傾けて上記曲面に対して対向させて配置する。そのような場合でも、異なる傾きのヘッド列間の水頭差が揃うように、保持部材によりサブタンクの高さを調節することができる。よって、画像を形成するヘッド列の位置に応じて形成される画像の画質のばらつきを抑えることが可能になる。
【0058】
(液体吐出モジュールの第2の実施の形態)
続いて、液体吐出モジュールの第2の実施の形態として、インクジェットのヘッドアッセンブリとしての液体吐出モジュールの構成を示す。第2の実施の形態に係る液体吐出モジュールは、液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに供給されるインク液を収容する収容部材と、保持部材143の一例であるベースブラケットおよび調節用ブラケットを有する。ヘッドアッセンブリとしての液体吐出モジュールは、第1の実施の形態に示した液体吐出モジュールとは異なり、液体吐出ヘッドを多数装着して、その組み合わせに応じて例えば同じ列に並ぶ液体吐出ヘッドに1つのサブタンクから液体を供給することも可能である。ヘッドアッセンブリとしての液体吐出モジュールについても第1の実施の形態に示す液体吐出モジュールと同様に、それぞれ搬送ドラム12の外周面に液体吐出ヘッドの吐出面が対向する向きになるように搬送面に沿って互いに異なる傾きで画像形成部10に設置される。
【0059】
図5は、第2の実施の形態に係る液体吐出モジュールであるヘッドアッセンブリとしての液体吐出モジュールの構成の一例を示す図である。図5(a)には、図1に示す画像形成装置1(正面とする)に対する当該液体吐出モジュールの装着状態(正面側の装着状態)の構成を示している。図5(b)には、当該液体吐出モジュールの側面の構成と、当該液体吐出モジュールのサブタンクにインク液を補給するメインタンクとを示している。なお、図5は当該液体吐出モジュールの1つ当たりの構成を示すものである。ここでは全体の構成を概略的に説明し、当該液体吐出モジュールの各部の詳しい説明については、より詳しい図を用いて後述する。
【0060】
ヘッドアッセンブリとしての液体吐出モジュール100は、本体下部に示すヘッド装着板(ヘッドフレーム)101に多数の液体吐出ヘッドを装着して使用することができる。本体上部にはインクマニホルド150が構成されており、インクマニホルド150のインク共通流路151から、各装着位置103に装着された各液体吐出ヘッド141への分岐路152を通じて、各液体吐出ヘッド141にインク液を分配することができる。ここで、インクマニホルド150が「液体供給路」に相当する。
【0061】
液体吐出モジュール100の正面側の板には、本体にサブタンク142を装着するための外付け用のブラケット(ベースブラケット)200と調節用ブラケット250とが取り付けられており、これらによりサブタンク142が装着される。ここで、ベースブラケット200が「第一の保持部材」に相当し、調節用ブラケット250が「第二の保持部材」に相当する。ブラケット(ベースブラケット)200および調節用ブラケット250からなる保持部材143は、液体吐出ヘッド141とサブタンク142とを保持する。
【0062】
インク液は、図5(a)および図5(b)に示す配管を通じて各部に送られる。メインタンク300からは供給管(インクチューブなど)71によりインク液がインクフィルタ61に送られ、インクフィルタ61を通ったインク液が供給管72によりサブタンク142の下部に位置するインク供給口84に送られてインク収容部81が補充される。サブタンク142のインク液はサブタンク142の上部に位置するインク排出口85から配管73を通じてインクマニホルド150のインク共通流路151に送られ、分岐路152から各液体吐出ヘッド141へ供給される。
【0063】
図6および図7は、液体吐出モジュール100本体への各装着段階における外観斜視図を示している。まず、図6を用いて図7にも示す液体吐出モジュール100の共通の要素について説明する。
【0064】
図6に示す液体吐出モジュール100は、24個の液体吐出ヘッド141を装着することができるものである。液体吐出モジュール100の本体下部に示すヘッド装着板101は、図6に示すY方向において1列につき6個分、Y方向に延在する構造体102を中央として両側に片側2列分ずつの計4列分の液体吐出ヘッドを装着することができるように形成されている。液体吐出ヘッドは吐出面が-Z方向(この配置では下向き)になるように装着され、ヘッド装着板101の開口104から吐出面を-Z方向に覗かせる。図6には、一例として2個の液体吐出ヘッド141を装着した状態を示している。片側2列分の第1~第6の装着位置103のうち第1の装着位置103にそれぞれ液体吐出ヘッド141を装着している。その他の装着位置103の装着状態は図示を省略しているが、各装着位置103についても液体吐出ヘッド141が装着されて使用される。
【0065】
本体上部には、インクマニホルド150が構成されている。インクマニホルド150は、インク液のインク共通流路151から、各装着位置103に装着された各液体吐出ヘッド141への分岐路152を介して、それぞれの液体吐出ヘッド141へインク液を分配する。
【0066】
図6には、さらに、液体吐出モジュール100に対してサブタンク142(図5参照)の位置や姿勢の調節を可能にする外付け用のブラケット(ベースブラケット)200を取り付けた状態を示している。また、図7には、図6に示したベースブラケット200にさらにサブタンク142の位置や姿勢を調節する調節用ブラケット250を取り付けた状態を示している。サブタンク142を装着する際には、調節用ブラケット250の使用により、サブタンク142の位置や姿勢を調節する。ここでは一例として上下方向(図7のZ方向)への調節と、負圧形成位置を中心軸とする正または負の方向への回転調節を行う場合の使用例について示す。なお、ここで説明する上下方向とは、液体吐出モジュール100が、液体吐出ヘッド141の吐出面1400を搬送ドラム12の外周面に向い合せになるように設けられたときに、「上」が搬送ドラム12の外周面から遠ざかる方向であり、「下」が搬送ドラム12の外周面に近づく方向とする。また、上記中心軸は、液体吐出モジュール100が、液体吐出ヘッド141の吐出面1400を搬送ドラム12の外周面に向い合せになるように設けられた場合に、被吐出体の搬送方向および液体の吐出方向と直交する軸とする。
【0067】
(ブラケットの使用方法)
まず、ベースブラケット200および調節用ブラケット250についてそれらの構成について説明し、続いてそれらの使用方法について例を挙げて説明する。図6に示すようにベースブラケット200は、上方向(Z方向)、つまり搬送ドラム12の外周面から遠ざかる方向に延びている板状部材であり、図7に示す調節用ブラケット250の取り付け位置を上下方向(Z方向)に調節することができるように、上下方向への各取り付け位置に対応させて複数のねじ孔201を設けている。調節用ブラケット250を外周面から遠ざかる方向に並ぶねじ孔201を変えて取り付けることにより、搬送ドラム12の外周面から遠ざかる方向においてサブタンク142の保持位置を調節することができる。また、図7に示す調節用ブラケット250には、サブタンク142を負圧形成位置を中心軸として正または負の周方向へ回転させて保持することができるようにサブタンク142の回転方向(周方向)に沿って複数の孔部251を設けている。
【0068】
ここで、ベースブラケット200の複数のねじ孔201が「第一の調節部」や「第一の取り付け部」などの一例である。また、調節用ブラケット250の複数の孔部251などが「第二の調節部」や「第二の取り付け部」などの一例である。なお、「第一の調節部」や、「第一の取り付け部」や、「第二の調節部」や、「第二の取り付け部」は、これに限定されず、その他の形態であってもよい。
【0069】
液体吐出モジュール100にサブタンク142を装着する場合、液体吐出モジュール100にベースブラケット200をねじで締結するなどして取り付け、そのベースブラケット200に対して調節用ブラケット250を高さ調節してねじの締結により取り付ける。サブタンク142は調節用ブラケット250に孔部251を介してねじで締結するなどして保持される。このように、サブタンク142はベースブラケット200に対するねじの着脱により着脱可能になっている。なお、ベースブラケット200については、液体吐出モジュール100に予め取り付けられていてもよいし、液体吐出モジュール100の本体の一部として一体に構成されていてもよい。
【0070】
図8および図9は、サブタンク142を高さ調節して取り付ける場合の取り付け位置の一例を示す図である。図8(a)には、サブタンク142を低い位置に取り付ける場合のベースブラケット200と調節用ブラケット250との取り付け位置の対応関係を示している。図8(b)には、図8(a)の位置関係で取り付けた結果を示している。図9(a)には、サブタンク142を高い位置に取り付ける場合のベースブラケット200と調節用ブラケット250との取り付け位置の対応関係を示している。図9(b)には、図9(a)の位置関係で取り付けた結果を示している。
【0071】
図8(a)(または図9(a))に示すように、ベースブラケット200には、3段階の高さ調節が可能なように3段階の高さ調節を行う各位置に対応させてねじ孔201を設けている。図8(または図9)に示すように、調節用ブラケット250の6カ所に開けられている孔部202を、ベースブラケット200の取り付ける高さの6カ所のねじ孔201に合わせ、その位置で調節用ブラケット250をベースブラケット200にねじで締結する。サブタンク142は、調節用ブラケット250をベースブラケット200にねじで締結する前などに、調節用ブラケット250の所定の孔部251の位置でねじで締結する。
【0072】
図10および図11は、サブタンク142を回転方向に調節して取り付ける場合の取り付け位置の一例を示す図である。図10(a)には、ベースブラケット200に対しサブタンク142を小さい回転角で取り付ける場合の取り付け位置の対応関係を示している。図10(b)には、図10(a)の位置関係で取り付けた結果を示している。図11(a)には、ベースブラケット200に対しサブタンク142を大きな回転角で取り付ける場合の取り付け位置の対応関係を示している。図11(b)には、図11(a)の位置関係で取り付けた結果を示している。なお、図10および図11には、共にサブタンク142に対して調節用ブラケット250を傾けた場合の図を示している。図10(b)および図11(b)に示す調節用ブラケット250がベースブラケット200の上下方向に調節される方向は、それぞれ図10(b)および図11(b)にZ方向で示す。
【0073】
図10(a)(または図11(a))に示すように、調節用ブラケット250には、サブタンク142を負圧形成位置を中心軸として正または負の周方向へ回転させて保持することができるように回転方向(周方向)に沿って複数の孔部251が並んでいる。サブタンク142には、調節用ブラケット250の4箇所の孔部251を介してねじで締結することができるように、4箇所にねじ孔255を設けている。図10(a)(または図11(a))に示すように、サブタンク142に設けられている4箇所のねじ孔255を、調節用ブラケット250の複数の孔部251のうちの取り付ける回転角に対応する4カ所の孔部251に合わせ、その位置で調節用ブラケット250にサブタンク142をねじで締結する。この締結により、サブタンク142を保持した状態の調節用ブラケット250をZ方向で高さ調節してベースブラケット200に取り付ける。
【0074】
図12は、ベースブラケット200および調節用ブラケット250を使用して液体吐出モジュール100にサブタンク142を装着した装着状態の一例を示す図である。図12(a)、図12(b)、および図12(c)に一例として3つの装着例を示している。図12(a)、図12(b)、および図12(c)には、互いの配置関係が分かるように破線および矢印を付している。
【0075】
図12(a)は、液体吐出モジュール100の低い位置にサブタンク142を装着した場合の装着例である。図12(b)は、液体吐出モジュール100の高い位置にサブタンク142を装着した場合の装着例である。図12(a)に示す低い位置に対し図12(b)の矢印の方向に示される高い位置に装着される。図12(c)は、液体吐出モジュール100の高い位置で且つサブタンク142を所定の回転角で回転させて装着した場合の装着例である。図12(c)に矢印で示すように水平から所定の回転角で回転して装着される。
【0076】
図13は、搬送ドラム12(図1参照)の外周面に合わせて異なる角度で設置された液体吐出モジュール100のサブタンク142の設定の一例を示す図である。液体吐出モジュール100は、それぞれ画像形成部10に搬送ドラム12の外周面に合わせて異なる角度で設置される。つまり、設置された液体吐出モジュール100はそれぞれ傾きが異なる。従って、各液体吐出モジュール100において液体吐出ヘッド141とサブタンク142の位置関係が同じであると、水頭差がばらつくことになる。図12(a)、図12(b)、および図12(c)に3つの装着例を示したが、高さや回転角は適宜調節してサブタンク142を設定する。
【0077】
具体的には、図13に示すように液体吐出モジュール100の設置位置に応じて、つまり液体吐出モジュール100の傾きに応じて、ベースブラケット200および調節用ブラケット250を使用することにより、サブタンク142の高さを調節して組み付ける。また、液体吐出モジュール100の傾きに応じて、図13に示すようにインク排出口85が常に上方に位置するようにサブタンク142の回転角を調節して組み付ける。図13に示すサブタンク142の設定では、液体吐出モジュール100の傾きが大きい位置ほどサブタンク142を高い位置に装着することにより、水頭差を一定値L(図4参照)に保つようにしている。また、液体吐出モジュール100の傾きが大きい位置ほどサブタンク142をより大きく回転して装着することによりインク排出口85が常に上方に位置するようにしている。
【0078】
以上のように第2の実施の形態でも、簡易な構成により複数の液体吐出モジュールで収容部材の鉛直方向の位置を調節でき、ヘッド間の吐出のばらつきを簡易な方法で抑えることができる。
【0079】
また、ベースブラケット200のように、液体が吐出される被吐出体が搬送される搬送面から遠ざかる方向に延びる保持部材を使用することにより、搬送面から遠ざかる方向における収容部材の保持位置を調節すればよいので調節作業が容易である。
【0080】
また、調節用ブラケット250において収容部材の回転方向の位置を調節する第二の調節部を設けることにより、収容部材を保持する構造を簡素なものにできる。
【0081】
また、ベースブラケット200と調節用ブラケット250との組み合わせのように、収容部材の鉛直方向の位置と回転方向の保持位置を別の機構で調節可能とすることにより、調節作業が容易で構造を簡易なものにできる。
【0082】
また、ベースブラケット200のように搬送面から遠ざかる方向に並ぶ複数のねじ孔201を設けることにより、収容部材の鉛直方向の位置を調節する作業が視覚的にわかりやすく行えるようになる。
【0083】
また、調節用ブラケット250のように周方向に並ぶ複数の孔部251を設けることにより収容部材の回転方向の位置を調節する作業が視覚的にわかりやすく行えるようになる。
【0084】
また、収容部材を着脱可能にすることにより収容部材の交換作業を容易に行うことができるようになる。
【0085】
(第2の実施の形態の変形例)
続いて、第2の実施の形態の変形例として、1つの液体吐出モジュールの本体において種類の異なるインク液(例えば異なる色のインク液)を吐出させる場合の液体吐出モジュールの構成について説明する。なお、ここでは、第2の実施の形態に示した液体吐出モジュールの構成とは異なる箇所について説明する。
【0086】
図14は、第2の実施の形態の変形例に係る液体吐出モジュールの構成の一例を示す図である。図14(a)および図14(b)には、共に同じ構成の変形例の液体吐出モジュール500を示している。ここでは、変形例に係る液体吐出モジュール500の外形および内部構成を分かり易くするために、正面つまり図1に示す画像形成装置1(正面とする)に対する液体吐出モジュール500の装着状態と同じ正面から、奥行方向の各位置に装着されている液体吐出ヘッド141を示している。図14(a)と図14(b)との違いは、サブタンクの装着数である。サブタンク142については接続関係を示すために模式的に示している。
【0087】
図14(a)(図14(b)も同様)に示す変形例の液体吐出モジュール500は、第2の実施の形態に示した液体吐出モジュール100と比較すると、ヘッド装着板101において、構造体102を境に片側2列(even)と、他方の片側2列(оdd)とで吐出面1400の向きが異なるように装着できるようになっている。具体的には、ヘッド装着板101が構造体102を境に液体吐出ヘッド141の吐出面1400が搬送ドラム12の外周面に向い合せになるように左右で異なる角度で傾斜して形成されている。図14(a)(図14(b)も同様)に示すように、液体吐出モジュール500に装着された各液体吐出ヘッド141は、構造体102を境に、左右で吐出面1400がそれぞれの位置で搬送ドラム12の外周面に向い合せになる方向に向くようになる。
【0088】
図14(a)には、1列毎にサブタンク142を装着した場合の接続例を示している。液体吐出モジュール500の本体上部には液体吐出ヘッド141の1列毎にインクマニホルド150(図6参照)が構成されており、それぞれのインク共通流路151(図6参照)にインク液を供給するサブタンク142を個別に装着する。つまり、図14(a)の接続例では、4つのサブタンク142を装着する。例えば、4種類のインク液(CMYKなど)を列毎に割り当てて使用する。
【0089】
図14(b)には、片側2列毎にサブタンク142を装着した場合の接続例を示している。液体吐出モジュール500の本体上部には液体吐出ヘッド141の1列毎にインクマニホルド150(図6参照)が構成されており、それぞれのインク共通流路151(図6参照)を片側2列毎に集合して2列単位に1つのサブタンク142を装着する。つまり、図14(b)の接続例では、2つのサブタンク142を装着する。例えば、2種類のインク液(2色など)を各2列に割り当てて使用する。
【0090】
図15および図16は、1つの液体吐出モジュール500本体に対して複数のサブタンク142を装着する場合の装着状態の一例を示す図である。1つの液体吐出モジュール500本体への複数のサブタンク142の装着は、サブタンク142の装着数に合わせて調節用ブラケット250を増設すればよい。ここでは一例として2つのサブタンク142を装着する例を示す。
【0091】
図15は、液体吐出モジュール500本体を正立させた状態つまり傾けずに画像形成部10に設置される位置の2つのサブタンク142の装着状態を示す図である。図15(a)に2つのサブタンク142の装着状態を斜視図で示し、図15(b)に、2つのサブタンク142の装着状態を上方から見下ろしたときの図(平面図)で示している。
【0092】
図15(a)に示すように、液体吐出モジュール500本体に対する1つ目のサブタンク142の装着は、これまで説明してきたように、ベースブラケット200に対して調節用ブラケット250(250-1)を取り付けることにより行う。液体吐出モジュール500本体に対する2つ目のサブタンク142の装着は、ベースブラケット200に取り付けた1つ目のサブタンク142のさらに外側に、さらに調節用ブラケット250(250-2)をベースブラケット200に取り付けることにより行う。ここでは、1つ目の調節用ブラケット250-1よりも一回り大きい調節用ブラケット250-2を使用した例を示している。2つ目の調節用ブラケット250-2についても1つ目の調節用ブラケット250-1と機能は同じである。つまり、ベースブラケット200に対し上下移動して取り付けたり、サブタンク142を周方向に傾けて取り付けたりすることができる。
【0093】
図15(a)および図15(b)に示す例では、液体吐出モジュール500本体が正立した状態にあれば、構造体102(図14(b)参照)を境とする片側2列と、他方の片側2列とで、サブタンク142のZ方向の配置を同じにすることで構造体102を境とする片側2列と、他方の片側2列とで水頭差を揃えることができる。
【0094】
図16は、液体吐出モジュール500本体を傾けた状態で画像形成部10に設置される位置における2つのサブタンク142の装着状態を示す図である。図16(a)に2つのサブタンク142の装着状態を斜視図で示している。図16(b)には、液体吐出モジュール500本体を傾けた状態で設置される位置における水頭差を示している。
【0095】
液体吐出モジュール500本体は、傾けて設置されるとそれ自体が構造体102を境とする片側2列と、他方の片側2列とで水頭差が変わるため、それぞれ、片側2列において他の液体吐出モジュール500で設定された水頭差の一定値Lに揃うようにサブタンク142の取り付け位置をずらす必要がある。従って、図16(a)に示すように、片側2列にインク液を供給するサブタンク142と、他方の片側2列にインク液を供給するサブタンク142とで調節用ブラケット250-1と、調節用ブラケット250-2とによるベースブラケット200に対する取り付け位置が上下にずれている。また、液体吐出モジュール500本体は、傾けて設置されると、その傾きに応じて、サブタンク142のインク排出口85の向きが変わる。このため、その傾きに応じて、各サブタンク142を負圧形成位置を中心に円の周方向に同じ回転量だけ回転させて取り付けている。これによりインク排出口85の向きが常に上方に位置するようにしている。
【0096】
このようにして、図16(b)に示すように、液体吐出モジュール500本体が傾けて設置される位置の片側2列と、他方の片側2列とで水頭差を一定値Lに揃えるようにしている。なお、図16(b)には、片側2列の間の境界線において水頭差を一定値Lに揃えたことを示している。
【0097】
ここでは一例として構造体102(図14(b)参照)を境とする片側2列と、他方の片側2列とでそれぞれサブタンク142を共通にして2個のサブタンク142を装着する場合を示した。なお、列毎にサブタンク142を装着する場合、つまり図14(a)に示すように4個のサブタンクを装着する場合は、各列の吐出面1400のノズル形成領域の水頭差が一定値Lになるように各サブタンク142をそれぞれずらして装着する。なお、4個のサブタンク142を装着する場合も、同様に、それぞれを大きさを一回り大きくした調節用ブラケット250により順次外側に重ねて装着する。その他、1つの調節用ブラケット250の板に複数のサブタンク142を装着することができるようにしてもよい。
【0098】
なお、各液体ヘッドから吐出するインク液は、例えばブラックK、シアンC、マゼンタM、イエローYの4色と、その他の特殊液などを使用することができる。なお、液体の種類をこれに限定するものでもない。
【0099】
(第1の実施の形態の変形例)
図17は、第1の実施の形態の変形例にかかる液体吐出モジュール14におけるサブタンク142の取り付け位置を説明するための図である。図17に示すように、各液体吐出モジュール14は、液体吐出ヘッド141の装着時に吐出面1400からの垂線が搬送ドラム12の回転軸上に直交するようにそれぞれ異なる角度で設けられる。すなわち、各液体吐出モジュール14は、水平面600に対する液体吐出モジュール14の長手方向がそれぞれ異なる角度となるように、画像形成部10内に設けられる。
【0100】
複数の液体吐出モジュール14a、14b、14cのそれぞれの保持部材143は、吐出面1400の垂線(図中の一点鎖線である)と画像形成装置1が設置される水平面600とのなす角度θ1、θ2、θ3が小さいほど、液体吐出ヘッド141の吐出面1400と収容部材との垂線方向における距離D1,D2,D3が大きくなるように、収容部材142を保持する。本変形例の場合、複数の液体吐出モジュール14a、14b、14cにおける各液体吐出ヘッド141に対するサブタンク142の鉛直方向の位置は互いに異なるものの、なす角度θ1、θ2、θ3によらず距離D1,D2,D3を一定とする場合に比べて、各液体吐出モジュール14間の水頭差のばらつきを抑えることができる。すなわち、サブタンク142を吐出面1400に対して垂線方向に調節することにより、複数の液体吐出モジュール14間で鉛直方向における各ノズル列と各負圧形成位置との高さのばらつきを抑えることができる。これにより、各液体吐出モジュール14間の水頭差のばらつきを抑えることができる。
【0101】
本変形例では、5つの液体吐出モジュールのすべてについて上記のなす角と距離との関係を満たすようにしているが、これに限られない。たとえば、図17において中央の1つの液体吐出モジュールとその隣の液体吐出モジュールとの2つを対象に、水平面600とのなす角度θ1、θ2が小さいほど、液体吐出ヘッド141の吐出面1400と収容部材との垂線方向における距離D1,D2が大きくなるように、保持部材143が収容部材142を保持する構成としてもよい。
【0102】
なお、上記の各実施形態においては搬送ドラム12に対向して複数の液体吐出モジュール14を配置した例を説明したが、これに限られない。ドラムに代えて曲面状の搬送ガイド板を設け、搬送ローラなどの機構によって当該搬送ガイド面上に用紙が搬送される構成において、搬送ガイド板に対向して複数の液体吐出モジュールを設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 画像形成装置
10 画像形成部
12 搬送ドラム
14 液体吐出モジュール
91、92 検知電極
132 大気開放弁機構
141 液体吐出ヘッド
142 サブタンク
142a 第一のサブタンク
142b 第二のサブタンク
143 保持部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【文献】特開2007-209844号公報
図1
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図17