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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】追加ユニット、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20231205BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231205BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G03G21/16 152
G03G21/16 147
B41J29/00 T
H05K5/02 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020048103
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021148922
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207181
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 朋
(72)【発明者】
【氏名】勝山 悟朗
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-160034(JP,A)
【文献】特開2017-157729(JP,A)
【文献】特開2011-203371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
B41J 29/00
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に接続される追加ユニットであって、
筐体と、
前記筐体の前面に設けられた押下部と、
前記押下部の押下により導通する第1の基板と、
前記第1の基板からの電気信号を前記表示部に伝達する第2の基板と、
前記表示部に固定される連結部材と、
固定部と、を備え、
前記固定部が、積層された前記第1の基板および前記第2の基板と、前記連結部材とを固定することを特徴とする追加ユニット。
【請求項2】
前記表示部と前記第2の基板とを電気的に接続する接続部をさらに有し、
前記第2の基板は切り欠き部を有し、
前記第2の基板は前記切り欠き部で前記接続部に接続される請求項1記載の追加ユニット。
【請求項3】
前記表示部に対する接続方向において、前記切り欠き部は、前記第2の基板の中央位置よりも前記表示部側とは反対側に形成される請求項2記載の追加ユニット。
【請求項4】
前記連結部材は、前記第1の基板の長手方向の中央位置に対向して配置される請求項1から3いずれか1項に記載の追加ユニット。
【請求項5】
前記連結部材は、前記第2の基板の長手方向の中央位置に対向して配置される請求項1から4いずれか1項に記載の追加ユニット。
【請求項6】
第1の基板の長手方向において、前記第2の基板の一方側の端部が、前記第1の基板の一方側の端部に隣接して設けられる請求項1から5いずれか記載の追加ユニット。
【請求項7】
前記第1の基板の長手方向において、前記筐体は、その背面に、前記一方側から前記他方側へ向けて、前記筐体の厚みを小さくする方向へ傾斜した傾斜面を有する請求項6記載の追加ユニット。
【請求項8】
前記第1の基板の長手方向の一方側の端部が、前記筐体の当該方向の端部に隣接して設けられる請求項1から7いずれか1項に記載の追加ユニット。
【請求項9】
前記筐体は、前記第1の基板よりも前記長手方向一方側に電線収納部を有する請求項8記載の追加ユニット。
【請求項10】
前記筐体の背面側部分に対して着脱可能に設けられ、前記背面側部分に装着状態で前記筐体の一部を構成する蓋部材をさらに有し、
前記連結部材が着脱可能に設けられ、
前記連結部材を取り外し、前記蓋部材を装着した状態で、前記筐体の背面側部分および前記蓋部材が画像形成装置に対する載置面を構成する請求項1から9いずれか1項に記載の追加ユニット。
【請求項11】
前記表示部を備え、
前記表示部に対して請求項1から10いずれか1項に記載の追加ユニットを着脱する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、追加ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、操作画面を表示し、画像形成動作の実行等の操作指示を受け付けるタッチパネル方式の表示部が設けられる。この表示部には、オプションとして、テンキー装置などの追加ユニットを装着することができる。
【0003】
テンキー装置を表示部に装着することで、タッチパネル上にテンキーを表示させる動作を省略して数字の入力が可能になる等、表示部の操作機能を拡張してその操作性を改善することができる。
【0004】
例えば特許文献1(特開2011-203371号公報)では、カードリーダーユニットを画像形成装置本体の操作パネルユニットの側面に装着する発明が開示されている。操作パネルユニット側に延びる連結部を操作パネルユニットに挿入したり、あるいは、カードリーダーユニットに固定された取付金具をビスによって操作パネルユニット側面に固定することで、カードリーダーユニットを操作パネルユニットに連結することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
追加ユニット本体と表示部とを連結する連結部材の連結強度が十分でないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は、表示部に接続される追加ユニットであって、筐体と、前記筐体の前面に設けられた押下部と、前記押下部の押下により導通する第1の基板と、前記第1の基板からの電気信号を前記表示部に伝達する第2の基板と、前記表示部に固定される連結部材と、固定部と、を備え、前記固定部が、積層された前記第1の基板および前記第2の基板と、前記連結部材とを固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、連結部材の連結強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の斜視図である。
図2】テンキー装置を連結した状態の画像形成装置の斜視図である。
図3】表示操作部およびテンキー装置の背面側を示す斜視図である。
図4】テンキー装置の本体部の分解斜視図である。
図5】本体部を背面側から見た斜視図である。
図6図5の本体部から第1の蓋部材および第2の蓋部材を取り外した状態の斜視図である。
図7図6の本体部に接続部を接続した状態の斜視図である。
図8図7の本体部に支柱を取り付けた状態の斜視図である。
図9】背面カバーを取り外した状態の表示操作部の背面側からの斜視図である。
図10図9の表示操作部に連結骨格を連結した状態の斜視図である。
図11図10の状態から、連結骨格と本体部とを連結した状態の斜視図である。
図12図11の状態から、本体部と表示操作部との配線作業を終えた状態の斜視図である。
図13図12の状態から、第1の蓋部材と連結カバーを取り付けた状態の斜視図である。
図14図13の状態から、背面カバーを取り付けた状態の斜視図である。
図15】連結骨格を連結する金属製のフレームを示す斜視図である。
図16】本体部および連結骨格の背面側の斜視図である。
図17図16から後外装を取り外した状態の斜視図である。
図18】本体部内側を右側面から見た図である。
図19】異なる実施形態の画像形成装置の斜視図である。
図20図19の画像形成装置において、表示操作部とテンキー装置を示す斜視図である。
図21】第1の蓋部材を一体化した形態の連結カバーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。以下の説明では、追加ユニットの一例として、画像形成装置の操作表示部に接続されるテンキー装置について説明する。
【0010】
図1に示す画像形成装置1は、原稿搬送部2と、画像情報に基づいて記録媒体としての用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部に用紙を供給する給紙部3と、画像が形成された用紙を外部に排出する排紙部と、印刷指示や各種設定の入力等を行う表示操作部10等を備える複写機である。なお、本発明に係る画像形成装置は、複写機に限らず、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
【0011】
表示部としての表示操作部10は、支持部11を介して、画像形成装置1本体右側面の前方側に設けられている。表示操作部10は、その液晶部分に操作画面などを表示すると共に、その表面に触れて画面を操作することのできるタッチパネルである。
【0012】
図2に示すように、表示操作部10の右側面には、追加ユニットとしてのテンキー装置20が取り付けられる。テンキー装置20を表示操作部10に取り付けることにより、表示操作部10にキー画面を表示することなくテンキー等のキー入力が可能になる。また、ボタン操作に慣れているユーザーの操作性を向上させることができる。従って、表示操作部10の操作機能を拡張してその操作性を向上させることができる。また、テンキー装置20の前面は、表示操作部10の前面と面一になっている。これにより、テンキー装置20の見栄えを良くし、テンキー装置20の操作性を向上させることができる。
【0013】
図2および図3に示すように、テンキー装置20は、追加ユニット本体としての本体部21と連結部22とを有する。本体部21は、その前面側に複数のキー28(図2参照)が設けられる。本体部21は、作業者がキー28を押下することで、押下されたキー28に対応する電気信号を表示操作部10へ入力する部分である。
【0014】
連結部22は、表示操作部10に連結される部分である。連結部22は、連結部材としての連結骨格41(図10参照)と連結カバー42とを有する。連結骨格41は、本体部21を表示操作部10に連結するための部材であり、例えば金属製の板材を加工して形成され、本実施形態では、その剛性を上げるための絞り加工が施されている。連結カバー42は、連結骨格41を外側から覆うカバー部材である。
【0015】
連結部22により、テンキー装置20を表示操作部10に連結することで、表示操作部10の姿勢変更に合わせて、テンキー装置20を一緒に移動させることができる。従って、テンキー装置20の表示操作部10に接続される配線に余分な長さを必要としなかったり、表示操作部10の姿勢変更時に表示操作部10に接続される配線が、例えば表示操作部10と画像形成装置の筐体との間に噛みこまれることを防止できる。
【0016】
図4は、本体部21を構成する主な部材の分解斜視図で、本体部21の背面側から見た図である。図の両矢印X方向を本体部21(あるいはテンキー装置20)の前後方向とし、X1方向を前方向、X2方向を後方向とする。また、両矢印Y方向を本体部21(あるいはテンキー装置20)の左右方向とし、Y1方向を右方向、Y2方向を左方向とする。Z方向を本体部21(あるいはテンキー装置20)の上下方向とし、Z1方向を上方向、Z2方向を下方向とする。以下、これらの方向を、単に、前後方向、左右方向、上下方向とも呼ぶ。
【0017】
図4に示すように、本体部21は、その前方側から、前外装23と、第1の基板としてのキー基板24と、第2の基板としての配線基板25と、後外装26と、第1の蓋部材27と、第2の蓋部材40とを主に有する。
【0018】
前外装23の前面側には、複数の、押下部としてのキー28(図2参照)が設けられている。キー28としては、0~9の数字、+、-、*、/、Enter、印刷ジョブのスタートボタンやストップボタン等が含まれる。但し、これらに限らず、必要なボタンを適宜その構成に含むことができる。
【0019】
前外装23は、複数の(本実施形態では20個の)孔部23bを有する。各キー28はその前面側で、各孔部23bに対応する位置に設けられる。前外装23は、キー基板24の4隅に対応する位置に被締結部23aを有する。
【0020】
キー基板24は、それぞれのキー28あるいは孔部23bに対応する位置に、電気接続点を有する。作業者がいずれかのキー28を押下することにより、対応する電気接続点が導通して電気信号を生成する。
【0021】
キー基板24は、その4隅にネジを締結するための孔部24aを有する。またキー基板24は、4つの被締結部24bと4つの被締結部24cとを有する。被締結部24b、24cは、ネジを締結するためのナット部である。
【0022】
配線基板25は、キー基板24で生成された電気信号を表示操作部10に伝達する基板である。配線基板25は、切り欠き部25aと、4つの孔部25bと4つの孔部25cと、被接続部としての接続端子25dとを有する。接続端子25dは切り欠き部25aに設けられる。孔部25bはキー基板24の被締結部24bに、孔部25cは被締結部24cに、それぞれ対応した位置に設けられる。
【0023】
配線基板25は、配線29によりキー基板24と電気的に接続される。
【0024】
後外装26は、本体側プラグ30c(図7参照)を外側へ引き出すための開口部26aを有する。
【0025】
第1の蓋部材27および第2の蓋部材40は、後外装26(後述する筐体の背面側部分)に対して着脱可能に設けられる。
【0026】
図5は、以上の部材を組み立てた本体部21を背面側から見た斜視図である。なお、各基板の固定構造などについては後述する。図5に示すように、前外装23と、後外装26と、第1の蓋部材27と、第2の蓋部材40とが、本体部21の筐体50を構成し、各基板や配線などが筐体50内に収納される。
【0027】
次に、配線基板25と表示操作部10とを電気的に接続するための配線作業について図6および図7を用いて説明する。
【0028】
配線作業時には、まず、本体部21の背面側の第1の蓋部材27を取り外す。 図6に示すように、第1の蓋部材27を取り外すことで、テンキー装置20内に設けられた、電線収納部としての配線スペースAおよび接続端子25dが外部に露出し、配線作業が可能な状態になる。また図6では、第2の蓋部材40を取り外している。第2の蓋部材40を取り外すことで、キー基板24と、配線基板25との中央部分が露出し、後述するテンキー装置20と表示操作部10との連結作業が可能になる。
【0029】
図7に示すように、接続部30は、配線30aと、配線30aの両側に設けられた基板側プラグ30bと本体側プラグ30cとを有する。
【0030】
配線作業としては、第1の蓋部材27を取り外した状態で、基板側プラグ30bを配線基板25の接続端子25dに接続する。そして、本体側プラグ30cを開口部26aから後外装26の外側へ露出させる。最後に、余分な配線30aを配線スペースA内に収納する。以上により、本体部21側での配線作業が完了する。そして、本体側プラグ30cを表示操作部10に接続することで(図12参照)、接続部30により、配線基板25と表示操作部10とが電気的に接続される。
【0031】
前述のように、作業者がキーを押下すると、キー基板24の電気接続点が導通して電気信号が生成される。生成された電気信号は、配線29(図4参照)を介して配線基板25に伝達され、配線基板25から配線30aを介して表示操作部10に伝達される。表示操作部10は、電気信号を受け取り、押下されたキーの入力を受け付ける。
【0032】
次に、テンキー装置20の連結部を表示操作部10に連結する作業手順について説明する。なお、本体部21は、その配線作業が終わり、本体側プラグ30cを外側へ露出させ(つまり、図7の状態になっており)、本体側プラグ30cは表示操作部10に接続されていない状態である。
【0033】
まず、図8に示すように、4つの支柱33を、配線基板25を貫通させてキー基板24に固定する。つまり、各支柱33を、配線基板25の孔部25c(図4参照)に挿通し、各支柱33の一端に設けられた雄ネジ部を、キー基板24の被締結部24bに締結する。
【0034】
次に、表示操作部10側の連結作業を行う。
【0035】
まず、表示操作部10の背面カバー12(図3参照)を取り外し、図9に示すように、表示操作部10の背面側を露出させる。
【0036】
図15に示すように、表示操作部10は、その前面側から、液晶パネルと、液晶パネルを保持する金属製のパネル保持フレーム13と、メイン基板14と、メイン基板14を保持するための金属製のフレーム15と、表示操作部10を支持部11に固定するための固定フレーム16(図9参照)等が設けられる。なお、図15は表示操作部の筐体や液晶パネル、固定フレーム16は記載していない。
【0037】
次に、図10および図15に示すように、連結骨格41をフレーム15に固定する。具体的には、複数のネジ90を、連結骨格41に設けられた孔部を介してフレーム15の孔部に締結する。これにより、連結骨格41とフレーム15とが固定される。表示操作部10の強度の高い部分、つまり、金属製のフレーム15に連結骨格41を固定することで、連結部22の表示操作部10に対する連結強度を高めることができる。
【0038】
そして、図11および図16に示すように、連結骨格41の各孔部41aを貫通して、ネジ90を各支柱33のナット部に締結する。これにより、連結骨格41が本体部21に固定される。つまり、連結骨格41を介して、本体部21が表示操作部10に連結および固定される。なお、便宜上、図11では配線30aおよび本体側プラグ30cの記載を省略し、図16(および後述の図17)では配線30aの記載を省略しているが、配線30aおよび本体側プラグ30cは図7の状態になっている。
【0039】
次に、図12に示すように、本体側プラグ30cを表示操作部10に接続し、配線基板25と表示操作部10とを電気的に接続する。
【0040】
そして、図13に示すように、連結カバー42を連結骨格41に取り付け、4箇所にネジ90を締結する。また、第1の蓋部材27を後外装26に取り付ける。
【0041】
最後に、図14に示すように、表示操作部10に背面カバー12に取り付ける。テンキー装置20に連結カバー42や第1の蓋部材27を取り付けることで、本体部21の外側への開口部をできるだけ小さくすることができる。
【0042】
以上により、テンキー装置20を表示操作部10に連結することができる。
【0043】
また、テンキー装置20の表示操作部10からの取り外し作業は、上記と逆の手順で行われる。まず、ネジ90による締結を解除することにより、表示操作部10から背面カバー12を、テンキー装置20から連結カバー42を取り外す。そして、第1の蓋部材27を取り外して図12の状態になる。次に、本体側プラグ30cを表示操作部10から抜き出し、連結骨格41と支柱33とを連結するネジ90の締結を解除する。これにより、本体部21が連結骨格41から取り外され、表示操作部10の側は図10の状態になり、本体部21の側は図8の状態になる。表示操作部10の側は、その後、連結骨格41とフレーム15とを連結するネジ90の締結を解除し、連結骨格41を取り外す(図9参照)。最後に、背面カバー12をネジの締結により取り付けることで、表示操作部10は元の状態になる。本体部21の側は、支柱33のキー基板24に対する締結を解除して取り外し(図7参照)、基板側プラグ30bを抜き出して接続部30を取り除く(図6参照)。最後に、第1の蓋部材27および第2の蓋部材40を後外装26に取り付けて、図5の状態になる。
【0044】
次に、本体部の各部材の固定構造、および、連結骨格との固定構造についてより詳細に説明する。
【0045】
図17および図18に示すように、前外装23に設けられた4つの被締結部23aに対して、キー基板24を介してネジ90が締結される。つまり、キー基板24がその4隅で前外装23に固定される。そして、キー基板24に設けられた4つの被締結部24bに対して、配線基板25を介してネジ90が締結される。つまり、配線基板25がその4隅でキー基板24に固定される。このように、キー基板24が4隅で前外装23に固定され、固定されたキー基板24に対して配線基板25が4隅で固定されている。従って、重ね合わせされたそれぞれの基板が本体部21の筐体に対して確実に固定される。
【0046】
また、前述のように、各支柱33の一端側(図18の下側)の雄ネジ部が、配線基板25を貫通してキー基板24の被締結部24cに4箇所で締結されている。つまり、支柱33がキー基板24および配線基板25に固定される。そして、4つの支柱33の他端側(図18の上側)のナット部に対して、連結骨格41を介してネジ90が締結される。つまり、連結骨格41が支柱33に固定される。以上のように、支柱33とネジ90とは、積層されたキー基板24および配線基板25と、連結骨格41とを固定する固定部材であり、支柱33とネジ90とにより固定部51を構成する。
【0047】
以上のように、積層された2枚の基板に対して連結骨格41を固定することで、連結骨格41と本体部21との連結強度を高めることができ、キー操作に対する連結部22の荷重剛性を高めることができる。つまり、作業者がキー28を押下してテンキー装置20に前方向から後方向への荷重がかかった場合でも、連結部22がその荷重を支持することができ、剛性不足による連結部22の変形やテンキー装置20の位置ズレを防止できる。
【0048】
また前述のように、積層された2枚の基板は、本体部21の筐体に対して確実に固定されており、連結骨格41の本体部21の筐体に対する連結強度を高めることができる。
【0049】
特に本実施形態では、図18に示すように、キー基板24の上下方向(キー基板24の長手方向でもある)の中央位置を線D1、配線基板25の上下方向(配線基板25の長手方向でもある)の中央位置を線D2とすると、連結骨格41が中央位置D1、D2に対向して設けられる。また、上下方向の2箇所に設けられた支柱33が、中央位置D1、D2を挟むようにして設けられる。つまり、連結骨格41のキー基板24あるいは配線基板25に対する固定位置が、中央位置D1、D2を挟んでその両側に設けられる。これにより、本体部21が上下方向の中央側で荷重を支持することができるため、連結部22の本体部21に対する連結強度をより高めることができる。
【0050】
また、表示操作部10と本体部21とを連結する部材として、剛性の高い金属製の連結骨格41を採用することで、連結部22の剛性を高めることができる。また、この連結骨格41を本体部21と表示操作部10との間に橋架することで、本体部21の面積の最も大きな面(側面ではない面)と表示操作部10の面積の最も大きな面(側面ではない面)とを連結することができる。従って、本体部21と表示操作部10とが、側面同士、あるいは少なくとも一方が側面で連結される場合と比較すると、テンキー装置20の表示操作部10に対する連結強度を高めることができる。
【0051】
なお、支柱33の高さにより、連結骨格41が、表示操作部10の背面側の筐体部分に干渉せず、より後方側(図17の上側)で本体部21と表示操作部10とを橋架することができる。また図15に示すように、連結骨格41も、フレーム15に固定される部分と橋架部分との高さが異なる段差構造になっている。
【0052】
次に、本体部21のレイアウトについて図17および図18を用いて説明する。
【0053】
キー基板24は、本体部21の前面側に配置された各キー28(図2参照)に対応した位置に電気接続点を配置し、各キー28が押下された際に対応する電気接続点を導通させる必要がある。つまり、キー基板24はキー28が配置された範囲に対応して配置される必要がある。
【0054】
従来は、本体部21の基板を単一の基板としていたため、その面積が大きくなっていた。これに対して本実施形態では、キー基板24と配線基板25とに分離し、これらを重ね合わせする配置とした。これにより、キー基板24を従来よりも小型化することができる。そして、図17および図18に示すように、キー基板24を前外装23の下側に寄せて配置することで、言い換えると、キー基板24の下端(キー基板24の長手方向の他方側端部でもある)を前外装23の下端に隣接した位置に配置することで、本体部21の筐体内の上方側に、部材の配置されていないスペースAを設けることができる。そして、この部分を配線作業および余った配線を収納するための配線スペースAとした。これにより、基板側プラグ30bの抜き差しや配線30aを収納する作業をこのスペースを使って行うことができ、その作業性が向上する。また余った配線30aを配線スペースAに収納することが可能になり、本体部21が長さの違う複数の配線にも対応することができる(図7参照)。なお、キー基板24はその機能上、本体部21の前方側に配置する必要がある。従って、キー基板24を本体部21の前方側、配線基板25を後方側に配置している。
【0055】
また本実施形態では、配線基板25をキー基板24の上端に揃える。言い換えると、配線基板25の上端(キー基板24の長手方向において、配線基板25の一方側端部でもある)をキー基板24の上端に隣接して配置し、配線基板25を本体部21の上下方向の中央側に配置している。これにより、前述のように、支柱33の間に配線基板25の中央位置D2を配置することができ、連結部22の連結強度を高めることができる。
【0056】
さらに図18に示すように、配線基板25の上記中央配置により、後外装26に、上方から下方(キー基板24の長手方向でもあり、図の左方向から右方向)へ向けて本体部21の厚みを小さくする方向(図の下方向)へ傾斜する傾斜面26bを形成することができる。つまり、配線基板25をより上方側に配置することで、本体部21の下方側の厚みを小さくできるため、傾斜面26bを形成できる。
【0057】
表示操作部10が画像形成装置の上面に載置され、その表面が上方から下方へ傾斜した構成の場合(図20a参照)、傾斜面26bを設けることで、表示操作部10の前面と本体部21の前面とを揃えることができ、テンキー装置20の見栄えを良くし、その操作性を良くすることができる。
【0058】
また図17に示すように、配線基板25には基板側プラグ30bを挿入するための切り欠き部25aが設けられる。これにより、基板側プラグ30bを本体部21のより下方側(図の右側)に配置することができ、配線スペースAをより広く設けることができる。つまり、切り欠き部25aを設けることで、配線基板25の前述した中央配置と配線スペースの確保を両立できる。
【0059】
また切り欠き部25aは、配線基板25の左右方向の中央位置よりも右側(テンキー装置20の表示操作部10に対する接続方向の中央位置よりも表示操作部10と反対側で図17の手前側)に配置される。これにより、基板側プラグ30bの接続位置を本体側プラグ30cの接続位置からより遠い位置に配置することができる。従って、基板側プラグ30bの抜き差しや配線30aの収納の作業性を向上させることができる。また、基板側プラグ30bを配線基板25に接続した際に、基板側プラグ30bの一部が連結骨格41から露出するように、切り欠き部25aの深さが設定されている。これにより、基板側プラグ30bの配線基板25に対する挿抜動作の作業性が向上する。また、切り欠き部25aを必要最小限の大きさにすることで、配線基板25の剛性を極力損なわないようにすることができる。従って、前述した連結部22の支持剛性を極力損なわないようにすることができる。
【0060】
以上のように、各部材を本体部21の筐体内に配置することで、前述した配線スペースの確保や連結部22の剛性を高める効果を得る、あるいは、テンキー装置20の見栄えを良くすることができると共に、本体部21を可能な限り小型化することができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0062】
以上の実施形態では、テンキー装置20を、連結部22により表示操作部10に固定する場合を説明した。しかし、本実施形態のテンキー装置20を、連結部22により連結せずに画像形成装置に載置してもよい。
【0063】
例えば、図19に示すように、本実施形態の画像形成装置1では、表示操作部10が画像形成装置の前面側中央に設けられる。表示操作部10は、画像形成装置1本体に対してその傾きを変更することができる。
【0064】
テンキー装置20は、画像形成装置1本体の上面に載置され、表示操作部10に隣接して配置される。この場合、テンキー装置20は連結部22が取り付けられず、背面側には第2の蓋部材40が取り付けられた状態(図5参照)で、その背面が画像形成装置1に載置される。つまり、後外装26、第1の蓋部材27、および第2の蓋部材40によって形成される筐体の背面が画像形成装置に対する載置面になる。
【0065】
配線作業時には、テンキー装置20の第1の蓋部材27が取り外され、基板側プラグ30b(図7参照)が配線基板25に接続される。そして、配線30aが第1の蓋部材27の孔部27a(図5参照)に挿通され、本体側プラグ30cおよび配線30aの一部が外部に露出した状態で、第1の蓋部材27が閉じられる。
【0066】
図20(a)に示すように、露出した配線30a(図のハッチング部参照)は、表示操作部10の背面側から画像形成装置1本体内部を通り、表示操作部10の右側面の側から再び画像形成装置1外へ露出して本体部21に接続されている。図20(b)に示すように、配線30aを十分な長さで設けることで、表示操作部10の姿勢変更にも対応することができる。
【0067】
本実施形態では、本体側プラグ30cが挿抜方向に延びる接続部分と、接続部分からその垂直方向に延びる部分とを有するL字状をなす。これにより、表示操作部10の姿勢を変えた際に、本体側プラグ30cがテンキー装置20に引っ掛かりにくく、本体側プラグ30cの破損を防止できる。
【0068】
以上の実施形態では、テンキー装置20に連結部22を装着していない状態(図5の状態)とテンキー装置20に連結部22を装着して表示操作部10と連結した状態(図14の状態)とで、共通して第1の蓋部材27を利用し、テンキー装置20の背面側を覆うものとしたが、本発明はこれに限らない。つまり、図21に示すように、連結カバー42に第1の蓋部材27に相当する部分42aを設けてもよい。この場合、テンキー装置20に連結部22を装着して表示操作部10と連結する場合には、第1の蓋部材27は後外装26に装着されず、連結カバー42が第1の蓋部材27に相当する部分を覆うことができる。そしてこの場合、第2の蓋部材40を後外装26から外した状態で、第1の蓋部材27を単体で本体部21に取り付ける必要がないため、第1の蓋部材27と第2の蓋部材40とを一体の部材として形成することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 画像形成装置
10 表示操作部(表示部)
20 テンキー装置(追加ユニット)
21 本体部(追加ユニット本体)
22 連結部
23 前外装
24 キー基板(第1の基板)
25 配線基板(第2の基板)
25a 切り欠き部
26 後外装
26b 傾斜面
27 第1の蓋部材
28 キー(押下部)
30 接続部
33 支柱(固定部材)
40 第2の蓋部材
41 連結骨格(連結部材)
50 筐体
51 固定部
90 ネジ(固定部材)
A 配線スペース(電線収納部)
D1 キー基板の中央位置
D2 配線基板の中央位置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【文献】特開2011-203371号公報
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