(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】プラズマ処理のための制御のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20231206BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20231206BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
H01L21/302 101C
H01L21/31 C
H05H1/46 L
(21)【出願番号】P 2021507606
(86)(22)【出願日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 US2019045756
(87)【国際公開番号】W WO2020036806
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-06-16
(32)【優先日】2018-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ランジャン,アロック
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンツェク,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】大秦 充敬
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0130018(US,A1)
【文献】特開2017-069542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0105443(US,A1)
【文献】特表2016-511551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/32
H05H 1/46
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムであって、
真空チャンバと、
前記真空チャンバにおいてプラズマを発生させるための電力を提供するように構成されており、ソース電力パルス(SPパルス)を前記プラズマに結合するようにさらに構成されている第1の結合電極と、
前記真空チャンバに配置されており、基板を支持するように構成されている基板ホルダと、
バイアス電力パルス(BPパルス)を前記基板に結合するように構成されている第2の結合電極と、
前記SPパルスの後縁と対応する前記BPパルスの先縁との間の第1のオフセット期間を制御するように構成されており、前記BPパルスの各々は、
前記SPパルスの後縁と次のSPパルスの前縁との間に、サブパルス幅を有する複数のBPサブパルスと、BPサブパルス間隔とを含み、前記BPパルスの後縁と対応する前記SPパルスの先縁との間に第2オフセット期間がある、コントローラと、
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項2】
前記第1の結合電極が、前記プラズマに容量結合され、前記プラズマ処理システムが、容量結合型プラズマ処理システムを含むか、又は
前記第1の結合電極が、前記プラズマに誘導結合され、前記プラズマ処理システムが、誘導結合型プラズマ処理システムを含むか、又は
前記第1の結合電極が、マイクロ波導波管及びスロットアンテナを通して前記プラズマに結合されており、前記プラズマ処理システムが、表面波プラズマ処理システムを含む、請求項1に記載のプラズマ処理システム。
【請求項3】
前記プラズマ処理システムは、前記SPパルスを発生させるように構成されている第1の関数発生器をさらに備え、
前記コントローラは、
前記第1のオフセット期間を発生させるように構成されているタイミング回路と、
前記第1の関数発生器の入力に結合される第1の出力、及び前記タイミング回路に結合される第2の出力を含む、第1のパルス変調回路と、を含む、請求項1に記載のプラズマ処理システム。
【請求項4】
前記プラズマ処理システムは、
前記タイミング回路に結合される第2のパルス変調回路と、
前記第2のパルス変調回路に結合され、前記BPパルスを発生させるように構成される、第2の関数発生器と、
をさらに備える、請求項3に記載のプラズマ処理システム。
【請求項5】
前記タイミング回路が、前記BPパルスと前記SPパルスとの間の第2のオフセット期間を制御するようにさらに構成されている、請求項3に記載のプラズマ処理システム。
【請求項6】
前記第1のパルス変調回路が、第1のパルス周波数を受信するように構成されている第1の入力と、第1のパルス幅を受信するように構成されている第2の入力と、を含み、前記第1のパルス変調回路が、前記第1のパルス周波数及び前記第1のパルス幅に基づいてSPパルス信号を出力において発生させるようにさらに構成されている、請求項3に記載のプラズマ処理システム。
【請求項7】
前記タイミング回路が、時間遅延を受信するように構成されるタイミング回路入力を含み、前記タイミング回路が、前記時間遅延に基づいて前記第1のオフセット期間を設定するようにさらに構成されている、請求項3に記載のプラズマ処理システム。
【請求項8】
前記第1の関数発生器が、前記第1のパルス変調回路から受信したSPパルス信号を第1の周波数で発生された交流(AC)信号で変調することによって、前記SPパルスを発生させるように構成されている、請求項3に記載のプラズマ処理システム。
【請求項9】
前記タイミング回路に結合され、BPパルス信号を発生させるように構成されている、第2のパルス変調回路と、
前記第2のパルス変調回路に結合され、前記BPパルス信号を第2の周波数で発生されたAC信号で変調することによって前記BPパルスを発生させるように構成されている、第2の関数発生器であって、前記第2の周波数が、約15MHzよりも小さく、前記第1の周波数が、約10MHzより大きい、前記第2の関数発生器と、
をさらに備える、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項10】
装置であって、
真空チャンバと、
ソース電力(SP)供給ノードに結合され、SPパルスの第1のシーケンスを用いて前記真空チャンバ内でプラズマを発生させるように構成されている、結合電極と、
バイアス電力(BP)供給ノードに結合され、前記真空チャンバ内に配置される基板ホルダであって、前記基板ホルダが、前記プラズマによって処理されるべき基板を支持するように構成されており、BPパルスの第2のシーケンスが、前記プラズマのイオンを前記基板に向かって加速するように構成されている、前記基板ホルダと、
を備え、
前記SPパルスの第1のシーケンスと前記BPパルスの第2のシーケンスとは、前記BPパルスが前記SPパルスに対して第1のオフセット期間だけ遅延し、前記第1のオフセット期間は、前記第1のシーケンスの前記SPパルスの後縁と対応する前記BPパルスの先縁との間にあり、前記BPパルスの各々は、
前記SPパルスの後縁と次のSPパルスの前縁との間に、サブパルス幅を有する複数のBPサブパルスと、BPサブパルス間隔とを含み、前記BPパルスの後縁と対応する前記SPパルスの先縁との間に第2オフセット期間がある、ように構成されている、装置。
【請求項11】
第1のSPパルス及び前記BPパルスが、時間的に少なくとも部分的にオーバラップしない、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記結合電極が、共振結合電極である、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
関数発生器と、
前記共振結合電極に直接結合される出力及び前記関数発生器に直接結合される入力を含む、方向性結合器と、
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記共振結合電極が、螺旋共振器アンテナである、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
関数発生器と、
前記関数発生器に結合されるインピーダンス整合ネットワークと、
前記インピーダンス整合ネットワークに結合される入力を含む方向性結合器であって、前記結合電極が、非共振結合電極であり、前記方向性結合器が、前記非共振結合電極に結合される出力をさらに含む、前記方向性結合器と、
をさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
プラズマ処理の方法であって、
第1のパルス変調回路を用いて第1の信号を第1の関数発生器に出力することと、
前記第1の信号を前記出力することに応答して、前記第1の関数発生器を用いて第1のソース電力パルス(第1のSPパルス)を発生させることと、
プラズマを発生させるために真空チャンバの第1の結合電極において前記第1のSPパルスを提供することと、
前記第1のSPパルスに対して第1のオフセット期間だけ遅延をトリガすることによって、バイアス電力パルス(BPパルス)を発生させることであって、前記第1のオフセット期間は、前記第1のSPパルスの後縁と対応する前記BPパルスの先縁との間にあり、前記BPパルスの各々は、
前記第1のSPパルスの後縁と次のSPパルスの前縁との間に、サブパルス幅を有する複数のBPサブパルスと、BPサブパルス間隔とを含み、前記BPパルスの後縁と対応する前記SPパルスの先縁との間に第2オフセット期間がある、ことと、
前記真空チャンバの第2の結合電極において前記BPパルスを提供することと、
前記真空チャンバに配置された基板上でプラズマ成膜又はエッチングプロセスを実行することであって、前記BPパルスを提供することによって、前記プラズマから前記基板に向かってイオンを加速する、前記実行することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記遅延が、約15μs~約20μsのオフセット期間を含み、
前記BPパルスの前縁が、前記第1のSPパルスの後縁から前記オフセット期間だけ離れている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の関数発生器を用いて第2のSPパルスを発生させることであって、前記BPパルスの後縁が、前記第2のSPパルスの前縁から0秒より大きいオフセット期間だけ離れている、前記発生させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の関数発生器を用いて第2のSPパルスを発生させることであって、前記BPパルスの後縁が、0秒より大きいオフセット期間だけ前記第2のSPパルスの前縁とオーバラップする、前記発生させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の関数発生器を用いて第2のSPパルスを発生させることであって、前記第1のSPパルスの前縁が、前記第2のSPパルスの前縁から約200μs~約1000μsであるパルス変調周期だけ離れている、前記発生させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月14日に出願された米国仮特許出願第62/718,454号、2018年8月30日に出願された米国仮特許出願第62/724,879号、2018年12月13日に出願された米国非仮特許出願第16/219,535号の優先権を主張し、該出願は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概してプラズマ処理に関し、特定の実施形態において、プラズマ処理のための制御のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの製造は、基板上の多くの材料層の形成、パターニング、及び除去を含む一連の技術に関わる。現在の及び次世代の半導体デバイスの物理的及び電気的仕様を満足するためには、構造的完全性を維持しつつ加工寸法を減少させることを可能にする処理フローが、様々なパターニングプロセスに対して望ましい。歴史的に、微細加工により、トランジスタは、1つの平面内に生成され、その上に配線/メタライゼーションが形成され、したがって、トランジスタは、2次元(2D)回路又は2D製作物として特徴付けられている。微細化の取り組みにより、2D回路内の単位面積当たりのトランジスタ数は、大幅に増加したものの、微細化がナノメートルスケールの半導体デバイス製作ノードに入るにつれて、微細化の取り組みは、より大きな課題に直面している。したがって、トランジスタが互いの上に積層される3次元(3D)半導体デバイスに対する要望が存在する。
【0004】
デバイス構造が垂直方向に高密度化され展開されるにつれて、高精度の材料処理に対する要望が、より切実なものになる。プラズマプロセスにおける選択性、プロファイル制御、フィルムコンフォマリティ、及び均一性の間のトレードオフは、管理することが困難であり得る。したがって、精密に材料を操作し、高度な微細化の課題を満たすためには、隔離し、エッチング及び成膜則に最適なプロセス条件を制御する機器及び技術が望ましい。
【0005】
プラズマプロセスは、一般に半導体デバイスの製造において使用される。例えば、プラズマエッチング及びプラズマ成膜は、半導体デバイス製作の間の共通プロセスステップである。ソース電力及びバイアス電力の組み合わせは、プラズマ処理の間にプラズマを発生させ、方向付けするために使用され得る。
図16は、プラズマ処理中のソース電力及びバイアス電力の印加についての従来のタイミング図を示す。一番上の図には、ソース電力又はバイアス電力についてのはっきりしたパルスが存在しない。中央の図では、連続的なバイアス電力がパルスなしで印加される一方、100μsのソースパルスが印加される。一番下の図では、連続的なソース電力がパルスなしで印加される一方、80μsのバイアスパルスが印加される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、プラズマ処理システムは、真空チャンバと、第1の結合電極と、真空チャンバ内に配置される基板ホルダと、第2の結合電極と、コントローラと、を含む。基板ホルダは、基板を支持するように構成される。第1の結合電極は、真空チャンバにおいてプラズマ発生のための電力を提供するように構成される。第1の結合電極は、ソース電力パルスをプラズマに結合するようにさらに構成される。第2の結合電極は、バイアス電力パルスを基板に結合するように構成される。コントローラは、ソース電力パルスとバイアス電力パルスとの間の第1のオフセット期間を制御するように構成される。
【0007】
別の実施形態によれば、装置は、真空チャンバ、結合電極、及び基板ホルダを含む。結合電極は、ソース電力供給ノードに結合され、ソース電力パルスの第1のシーケンスを用いて真空チャンバ内でプラズマを発生させるように構成される。基板ホルダは、バイアス電力供給ノードに結合され、真空チャンバ内に配置される。基板ホルダは、プラズマによって処理されるべき基板を支持するように構成される。バイアス電力パルスの第2のシーケンスが、プラズマのイオンを基板に向かって加速するように構成される。
【0008】
さらに別の実施形態によれば、プラズマ処理の方法は、第1のパルス変調回路を用いて第1の信号を第1の関数発生器に出力することと、第1の信号を出力することに応答して、第1の関数発生器を用いて第1のソース電力パルスを発生させることと、プラズマを発生させるために真空チャンバの第1の結合電極において第1のソース電力パルスを提供することと、第1のソース電力パルスに対して遅延をトリガすることによって、バイアス電力パルスを発生させることと、真空チャンバの第2の結合電極においてバイアス電力パルスを提供することと、真空チャンバに配置された基板上でプラズマ成膜又はエッチングプロセスを実行することと、を含む。バイアス電力パルスを提供することによって、プラズマから基板に向かってイオンを加速する。
【0009】
本発明のより完全な理解及びその利点について、添付図面と併せて用いられる以下の説明に対して参照が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態による、ソース電力パルス及びバイアス電力パルスを含む例としてのプラズマ処理の方法のパルスシーケンスの概略タイミング図及び対応する定性グラフを示す。
【
図2】本発明の実施形態による、ソースパルス変調回路及びパルス変調タイミング回路を含む例としてのプラズマ処理システムのブロック図を示す。
【
図3】本発明の実施形態による、ソースパルスに対する正及び負の前方オフセットを有するバイアスパルスを含む例としてのプラズマ処理の方法の概略タイミング図を示す。
【
図4】本発明の実施形態による、ソースパルスに対する負及び正の後方オフセットを有するバイアスパルスを含む例としてのプラズマ処理の方法の概略タイミング図を示す。
【
図5】本発明の実施形態による、ソースパルスに対する動的オフセットを有するバイアスパルスを含む例としてのプラズマ処理の方法の概略タイミング図を示す。
【
図6】本発明の実施形態による、バイアス電力パルス列を含む例としてのプラズマ処理の方法の概略タイミング図を示す。
【
図7】本発明の実施形態による、特定のガス流に関連するソースパルス及びバイアスパルスタイミングを含む例としてのプラズマ処理の方法の概略タイミング図を示す。
【
図8】本発明の実施形態による、プラズマ処理の方法を実行するために使用され得る例としての容量結合プラズマ処理システムの概略図を示す。
【
図9】本発明の実施形態による、プラズマ処理の方法を実行するために使用され得る例としての誘導結合型プラズマ処理システムの概略図を示す。
【
図10】本発明の実施形態による、プラズマ処理の方法を実行するために使用され得る例としての表面波プラズマ処理システムの概略図を示す。
【
図11】本発明の実施形態による、プラズマ処理の方法を実行するために使用され得る例としてのリモートプラズマ処理システムの概略図を示す。
【
図12】本発明の実施形態による、非共振ソース電力結合電極を含む例としてのプラズマ処理システムのブロック図を示す。
【
図13】本発明の実施形態による、共振ソース電力結合電極を含む例としてのプラズマ処理システムのブロック図を示す。
【
図14】本発明の実施形態による、例としての螺旋共振器プラズマ処理システムの概略図を示す。
【
図15】本発明の実施形態による、例としてのプラズマ処理の方法を示す。
【
図16】ソース電力及びバイアス電力を含む複数の従来のタイミング図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
異なる図面における対応する数字及び記号は、概して、特に指示のない限り、対応する部分を参照する。図面は、実施形態の関連態様を明瞭に示すように描かれ、必ずしも縮尺通りに描かれていない。図面に描かれる特徴の端部は、特徴の範囲の終端を必ずしも示していない。
【0012】
様々な実施形態を作成すること及び使用することが、以下に詳述される。しかしながら、本明細書で説明される様々な実施形態は、多種多様な具体的文脈において適用可能であると理解されるべきである。述べられる具体的実施形態は、様々な実施形態を作成及び使用する具体的なやり方を単に例示するものであり、限定された範囲において解釈されるべきではない。
【0013】
本明細書で説明される様々な技術が、エッチング及び成膜プロセスを含む、高精度プラズマ処理技術を用いたデバイス製作に関係する。複数の例が、半導体製造において、材料が高精度で操作されるべきである、前工程(FEOL、例えば、トランジスタ製作)から後工程(BEOL、例えば、配線製作)までの両方に現れる。従来のプラズマ処理装置及び方法は、反応副産物だけでなく、ラジカルポピュレーション及び混合物の制御、イオンポピュレーションの制御、並びに電子ポピュレーションの制御を含むプラズマ特性の制御が不足することがあり、よって、高度な微細化要件を満たすことが不十分である。
【0014】
高度なデバイストポロジのためにプラズマを用いて加工対象物表面上においてナノメートルスケールで材料を操作するとき、例えば、イオンエネルギー分布(IEDF)、イオン温度(Ti)、イオン角度分布(IADF)、電子エネルギー分布(EEDF)、電子温度(Te)などの1つ又は複数のプラズマ特性を精密に制御することが望ましい場合がある。ガス圧力、電力などの従来のプラズマプロセスパラメータ、及びより具体的には、電磁場がプラズマを形成するためにガス環境に結合される方法(例えば、容量性結合、誘導性結合など)が、これらのプラズマ特性に影響を及ぼし得る。しかしながら、現在の及び将来の最先端のデバイス製作のニーズを満たすためには、IEDF、Ti、IADFなどのプラズマ特性が、製作対象物に対する差別化された目標成果を達成するために効率的に操作され得るように、比較的より複雑な方法論が有益であり得る。
【0015】
例えば、プラズマ処理中にマイクロエレクトロニクスデバイスのトポグラフィカルフィーチャに対するイオン入射角度を制御するための能動的な制御メカニズムは当技術分野において存在しないということが広く受け入れられている。完全に垂直なイオン又は実質的に垂直なイオンを基板表面に送出することが有益であり得る。加えて、パターン化構造の側壁上での散乱について考慮及び/又は補正しつつ、構造内に送出されるイオンビーム角度を制御することも有益であり得る。例えば、このイオン分布角度の制御は、高アスペクト比コンタクト(HARC)型エッチング及びパターニング適用並びに他のエッチング/成膜プロセスに役立ち得る。
【0016】
本明細書で説明される様々な実施形態は、反応性イオンエッチング又はプラズマ成膜などにおけるプラズマ処理についてイオン送出のためのプラズマ特性を制御するシステム及び方法を提供する。様々な実施形態は、プラズマ処理のための逆位相の、非同期の、及び/又は位相がずれたソース電力及びバイアス電力のパルス化を提供し得る。パルス化は、ソース電力及びバイアス電力両方についてのパルス幅、周波数、及び振幅、並びにパルス間の1つ又は複数のオフセットを含むプラズマ処理パラメータを用いて制御され得る。プラズマ処理パラメータを用いて、バイアス電力パルスは、ソースプラズマから遅延して、又はソースプラズマと同時に、パルス化され得る。イオン温度Ti、電子温度Te、電子密度ne、シース電圧降下Vsheath、プラズマバルク電位VPなどの様々なプラズマ特性が、本明細書で説明されるシステム及び方法の実施形態を用いて変調及び制御され得る。
【0017】
以下で与えられる実施形態は、プラズマ処理システムを動作させる様々なシステム及び方法、特に、ソース電力パルス及びバイアス電力パルスを含むプラズマ処理方法を説明する。以下の説明は、実施形態を説明する。ソース電力パルス及びバイアス電力パルスを含むプラズマ処理のための制御方法の実施形態の例としての概略タイミング図及び定性グラフが、
図1を用いて説明される。ソースパルス変調回路及びパルス変調タイミング回路を含むプラズマ処理システムの実施形態が、
図2を用いて説明される。ソースパルスに対する正及び負の前方オフセットを有するバイアスパルスを含むプラズマ処理の方法の2つの実施形態が、
図3を用いて説明される。ソースパルスに対する負及び正の後方オフセットを有するバイアスパルスを含むプラズマ処理の方法の2つの実施形態が、
図4を用いて説明される。動的オフセットを有するバイアスパルスを含むプラズマ処理の方法の実施形態が、
図5を用いて説明される。バイアス電力パルス列を含むプラズマ処理の方法の実施形態が、
図6を用いて説明される。特定のガス流に関連するソースパルス及びバイアスパルスタイミングを含むプラズマ処理の方法の実施形態が、
図7を用いて説明される。プラズマ処理システムの複数の実施形態が、
図8~
図11を用いて説明される。ソースパルス変調回路及びパルス変調タイミング回路を含むプラズマ処理システムの2つの実施形態が、
図12及び
図13を用いて説明される。螺旋共振器プラズマ処理システムの実施形態が、
図14を用いて説明される。プラズマ処理の方法の実施形態が、
図15を用いて説明される。
【0018】
図1は、本発明の実施形態による、ソース電力パルス及びバイアス電力パルスを含むプラズマ処理のための制御の例としての方法のパルスシーケンスの概略タイミング図及び対応する定性グラフを示す。ソース電力は、プラズマ処理システムのプラズマ処理チャンバに結合され、マイクロエレクトロニクス加工対象物の処理のためのプラズマを発生させるために使用される。バイアス電力も、プラズマ処理チャンバに結合され、他の機能に加えてマイクロエレクトロニクス加工対象物の表面に向かってイオンを加速するために使用され得る。
【0019】
図1を参照すると、タイミング
図100は、イオンを発生させマイクロエレクトロニクス加工対象物(例えば、半導体ウェハ)に送出するためにパルス化された、ソース電力1及びバイアス電力2を含む。具体的には、タイミング
図100は、時間的に少なくとも部分的にオーバラップしない、1つ又は複数のソース電力(SP)パルス11及びバイアス電力(BP)パルス12を有するパルスシーケンスを含む。例えば、ソース電力1は、SPパルス11を発生させるようにオン状態とオフ状態との間で切り替えられる交流(AC)電力であってもよい(AC電力の周波数はSPパルス11の周波数より高い)。同様に、バイアス電力2も、AC電力であってもよい。代替として、ソース電力1及びバイアス電力2のうちの1つ又は両方が、DC電力であってもよい。
【0020】
様々な実施形態において、パルスシーケンスは、パルス変調周期5で周期的であり、複数のSPパルス11及びBPパルス12を含む。しかしながら、場合によっては、パルスシーケンスは、単一のSPパルス及び単一のBPパルスを指してもよい。さらに、周期性は有益であり得るが、パルスシーケンスが周期的であるか、又はSPパルスがBPパルスと同一の周期を有するという厳密な要件はない。
【0021】
グラフ102に示されるように、発生されたプラズマの温度曲線31及び密度曲線32は、タイミング
図100の印加ソース電力1に従って変化する。SPパルス11は、電子密度n
e、電子温度T
e、及びイオン温度T
iなどの様々なプラズマパラメータにおける増加によって特徴付けられるプラズマグロー位相を発生させる。SPパルス11の最初の印加は、プラズマ温度(例えばT
e及びT
i)におけるスパイク21をもたらし得る。スパイク21は緩和して残りのSPパルスの間、偽平衡状態23になる。SPパルスが終了した後、プラズマは、イオン及び電子が冷却してその結果T
e、T
iの低下をもたらし得る、アフタグロー位相に入る。電子及びイオンが、両極性拡散によって壁に拡散してn
eの低下をもたらす。様々な実施形態では、アフタグロー位相の間、BPパルスが、発生されたイオンをマイクロエレクトロニクス加工対象物の表面に向かって加速するように印加される。
【0022】
グラフ102に示されるように、Te及びTiは、アフタグロー位相においてneよりも急速に低下し得る。電子密度neは利用可能なイオンと相関するため、アフタグロー位相の間のBPパルスの印加は、マイクロエレクトロニクス加工対象物の表面に低温イオンを加速するために特に有効であり得る。アフタグロー位相の間、プラズマ電流も減少し得る。バイアス電力が(例えば、BPパルスを用いて)印加されるときに、この電流降下が、プラズマシースにわたる大きな電位差Vp及びアフタグロー位相におけるVDC(RF DC自己バイアス電圧)を見込み得る。より低いイオン温度と共に増加した電位差Vp及び時間平均降下dc電圧降下VDCは、イオン流束の指向性を改善し得る。
【0023】
したがって、SPパルス及びBPパルスは、時間的に少なくとも部分的にオーバラップしない。一実施形態では、SPパルス及びBPパルスは、タイミング
図100に示されるように、完全に位相が異なる。他の実施形態では、SPパルス及びBPパルスは、部分的にオーバラップしてもよい。したがって、方法の実施形態は、ソース電力1がその間バイアス電力2なしで印加される非ゼロ時間間隔を含み、同様にバイアス電力2がその間ソース電力1なしで印加される非ゼロ時間間隔を含む。
【0024】
図1をさらに参照すると、タイミング
図100のパルスシーケンスは、パルス変調プロセスパラメータを用いて発生され得る。パルス変調プロセスパラメータは、ソース電力1シーケンスに対応するSPパルス幅3及びSPパルス振幅4、並びにバイアス電力2シーケンスに対応する前縁バイアスオフセット6、BPパルス幅7、BPパルス振幅8、及び後縁バイアスオフセット9を含み得る。特に、各SPパルス11は、SPパルス幅3及びSPパルス振幅4を含み、各BPパルス12は、BPパルス幅7及びBPパルス振幅8を含む。特に断りのない限り、本明細書で使用される振幅は、所与のパルスの平均頂点間振幅を指すことに言及されるべきである。
【0025】
SPパルス11及びBPパルス12の両方について、所与のパルス変調周期5の間のデューティサイクル(%)を選ぶことによって、特定のパルス幅が実施され得る。例えば、パルス変調周期が150μsに設定される場合、56%のソース電力デューティサイクル(%)及び28%のバイアス電力デューティサイクル(%)は、84μsのSPパルス幅及び42μsのBPパルス幅をもたらす。一実施形態では、ソース電力1及びバイアス電力2は、同一のパルス変調周期を有する。代替として、ソース電力1及びバイアス電力2が、別々のパルス変調周期で動作してもよい。様々な実施形態では、SPパルス11及びBPパルス12のいずれかのデューティサイクル(%)は、約3%~約90%の範囲に及び得る。一実施形態では、SPパルス11のデューティサイクル(%)は、約5%である。別の実施形態では、SPパルス11のデューティサイクル(%)は、約50%である。さらに別の実施形態では、SPパルス11及びBPパルス12両方のデューティサイクル(%)が、約40%である。SPパルス11及びBPパルス12について適当なデューティサイクル(%)は、所与のプラズマプロセスの具体的特性に従って選ばれ得る。
【0026】
本明細書で説明されるパルス幅のいずれかの期間は、所与のプラズマプロセスの特定パラメータに基づいて選ばれるように任意の適当な値を有し得る。例えば、SPパルス幅3は、約10μs~約100μsの範囲に及び得る。代替として、SPパルス幅3は、より大きくてもよく、又はより小さくてもよい。例えば、SPパルス幅3は、いくつかの実施形態においてミリ秒のオーダであってもよい。同様に、BPパルス幅7は、10μs~約100μsの範囲に及び得るが、SPパルス幅3と同様に、より大きくてもよく、又はより小さくてもよい。さらに、SPパルス幅3及びBPパルス幅7は、所与のプラズマプロセスに従って独立して選ばれ得る。
【0027】
図1に示されるように、SPパルス11とBPパルス12との間の遅延は、前縁バイアスオフセット6と呼ばれ得る。前縁バイアスオフセット6は、パルス変調周期5のパーセンテージとして実施され得る。例えば、前縁バイアスオフセットは、パルス変調周期5の-10%~+10%の間で変動し得る。代替として、前縁バイアスオフセット6は、特定の時間値として設定してもよい。例えば、ソース電力1及びバイアス電力2が150μsに設定された同一パルス変調周期を有する上記の場合を続けると、10%の前縁バイアスオフセットが、SPパルスの後縁とBPパルスとの間に15μsの遅延をもたらす。前述の例では、前縁バイアスオフセット6は、正に設定される。しかしながら、前縁バイアスオフセット6は、また、0又は負であってもよい。
【0028】
同様に、BPパルス12とSPパルス11との間の遅延は、後縁バイアスオフセット9と呼ばれてもよく、SPパルス幅3、前縁バイアスオフセット6、及びBPパルス幅7の組み合わせを通して実施され得る。上記の例を続けると、56%のソース電力デューティサイクル(%)、10%の前縁バイアスオフセット、及び28%のバイアス電力デューティサイクル(%)が、全パルス変調周期の94%を占める。したがって、この具体例では、BPパルスの後縁とSPパルスの前縁との間にパルス変調周期の6%に等しい遅延が存在する。パルス変調周期は150μsであるため、後縁バイアスオフセット9であるこの遅延は、9μsに等しい。前縁バイアスオフセット6と同様に、後縁バイアスオフセット9は、正である必要はなく、0又は負であってもよい。
【0029】
本明細書で説明されるオフセットのいずれかの期間は、所与のプラズマプロセスの特定パラメータに基づいて選ばれる、任意の適当な値を有し得る。例えば、前縁バイアスオフセット6は、約-50μs~約50μsの範囲に及んでもよい。様々な実施形態では、前縁バイアスオフセット6は、約-15μs~約20μsの間であってもよい。一実施形態では、前縁バイアスオフセット6は、約20μsである。別の実施形態では、前縁バイアスオフセット6は、約10μsである。さらに別の実施形態では、前縁バイアスオフセット6は、約1μsである。
【0030】
パルス振幅は、対応する高振幅状態及び低振幅状態を有し得る。例えば、高振幅及び低振幅は、電圧レベルであってもよい。具体的には、SPパルス11のそれぞれが、SP低振幅状態13とSP高振幅状態14との間で振動し、BPパルス12のそれぞれが、BP低振幅状態17とBP高振幅状態18との間で振動し得る。それぞれの高振幅及び低振幅が望ましいレベルになるように、正又は負のDCバイアスは、ソース電力1又はバイアス電力2の1つ又は両方に印加され得る。
【0031】
温度曲線31及び密度曲線32の両方は本来定性的であることに言及されるべきである。したがって、その両方が、Te、Ti、及びneなどのプラズマパラメータに対するパルスシーケンスの効果に関連する重要な現象を示し得るが、いずれも、特定のスケールで描かれるように意図されず、又は定性的に正確であるように意図されない。さらに、明確化するために簡略化されていてもよい。例えば、Teが冷プラズマにおいて少なくともTiよりも大きな規模であっても曲線の形状は類似であるため、電子温度Te及びイオン温度Tiは、グラフ102において単一の曲線として表されている。
【0032】
図2は、本発明の実施形態による、ソースパルス変調回路及びパルス変調タイミング回路を含む例としてのプラズマ処理システムのブロック図を示す。
図2のプラズマ処理システムは、例えば
図1の方法などの、本明細書で説明される方法の実施形態のいずれかを実行するために使用され得る。
【0033】
図2を参照すると、プラズマ処理システム200は、プラズマ処理チャンバ210に結合されるSP結合電極15を含む。例えば、プラズマ処理チャンバ210は、真空チャンバを含み得る。SP結合電極は、プラズマ処理チャンバ210へのソース電力の印加を可能にして、プラズマ60の発生をもたらし得る。様々な実施形態では、SP結合電極15は、プラズマ処理チャンバ210の周りに位置する導電コイルであり、一実施形態では1/4波長螺旋共振器である。別の実施形態では、SP結合電極15は、半波螺旋共振器である。代替として、他のSP結合電極、例としてアンテナ、平板電極、又は導波管などが使用されてもよい。
【0034】
プラズマ処理システム200は、プラズマ処理チャンバ210に結合されるBP結合電極19をさらに含む。BP結合電極19は、処理されているマイクロエレクトロニクス加工対象物へのバイアス電力の印加を可能にし得る。様々な実施形態では、BP結合電極19は、基板ホルダであり、一実施形態では静電チャックである。
【0035】
ソース電力は、SPパルス変調回路51を含むSP制御経路201を用いてプラズマ処理チャンバ210に結合され得る。SPパルス変調回路51は、SP高振幅状態14とSP低振幅状態13との間でソース信号を変調し得る。例えば、変調ソース信号は、
図1を参照して説明されたような、SPパルス11に対応し得る。変調ソース信号は、変調ソース信号上に波形を重畳し得るSP関数発生器20によって受信され得る。当業者が認識し得るように、SPパルス変調回路51などのパルス変調回路が、例えば、AVTECH AVOZ-D2-Bパルス発生器型回路などの、レーザダイオードのための高電力パルスを発生させることが可能なレーザドライバを用いて、実施され得る。
【0036】
SP関数発生器20は、1つの具体例では2235A HP関数発生器などの、当業者に知られることとなる任意の関数発生器を用いて実施されてもよく、変調ソース信号の振幅を増加させるように構成される、RF増幅器などの増幅回路も任意選択で含んでもよい。様々な実施形態では、SP関数発生器20は、信号発生器であってもよく、一実施形態では、無線周波数(RF)信号発生器であってもよい。代替として、SP関数発生器20は、マイクロ波関数発生器であってもよい。一実施形態では、SP関数発生器20は、任意波形発生器(AWG)であってもよい。
【0037】
SP関数発生器20などの関数発生器は、発振回路を含む回路であってもよい。1つより多くの発振回路が、関数発生器に含まれてもよい。波形は、デジタル信号処理を用いて関数発生器によって発生され得る。デジタル出力は、次いで、アナログ波形を作り出すためにデジタルアナログ変換器で変換され得る。関数発生器は、振幅変調、周波数変調、又は位相変調などの変調関数も含んでもよい。
【0038】
重畳した波形の周波数は、パルス変調周波数より高くてもよい。様々な実施形態では、重畳した波形の周波数は、RF周波数であってもよく、一実施形態では約13.56MHzである。結果として、結果として得られるSPパルスのそれぞれが、重畳した波形の複数サイクルを含み得る。波形形状は、正弦波、矩形波、鋸波などの周期的波形を含み得る。代替として、波形形状は、任意波形形状を発生させるように、様々な周波数の複数の正弦波の重畳などの非周期波を含んでもよい。
【0039】
SP制御経路201は、任意選択のSPインピーダンス整合ネットワーク25を含み得る。当業者は、SPインピーダンス整合ネットワーク25などのインピーダンス整合ネットワークが、例えば米国特許出願公開第2009/0000942号明細書に記載されているような、補償信号をインピーダンス測定に基づいて位相シフトするフィードバック制御回路を用いて実施され得ると認識し得る。整合回路は、L型及びT型ネットワークの変形であってもよい。例えば、インピーダンス整合ネットワークは、インダクタ、コンデンサ、及び/又は可変コンデンサを含んでもよい。周波数同調、即ち、アンテナプラズマ共振と整合するための駆動周波数の調整は、整合の別の手段である。パルス化モードにおける周波数同調は、フィードバック制御を使用してプラズマインピーダンスと相関する電力又は電圧測定を利用し得る。
【0040】
SP関数発生器20によって発生されるSPパルスは、SP結合電極15によってプラズマ処理チャンバ210に結合される前に、任意選択のSPインピーダンス整合ネットワーク25を通過し得る。任意選択のSPインピーダンス整合ネットワーク25は、SP結合電極15がプラズマ60に誘導結合される共振構造であるときなどの、あるプラズマ処理システムにおいて省略されてもよい。逆に、任意選択のSPインピーダンス整合ネットワーク25は、SP結合電極15が非共振であるときに含まれてもよい。任意選択のSPインピーダンス整合ネットワーク25は、負荷のインピーダンスを供給のインピーダンスと整合させることによってソース電力がプラズマ60に有効に結合されることを保証するために使用され得る。
【0041】
図2をさらに参照すると、バイアス電力が、BP制御経路202を用いてプラズマ処理チャンバ210に結合され得る。BP制御経路202は、パルス変調タイミング回路52を通してSP制御経路201に結合され得る。パルス変調タイミング回路52は、SP制御経路201によって発生されるSPパルスのタイミングに対するBPパルスのタイミングを判断し得る。パルス変調タイミング回路52は、SPパルス変調回路51から信号を受信し、SPパルスの前縁又は後縁のいずれかによってトリガされる遅延を導入し得る。SPパルス変調回路51からパルス変調タイミング回路52への信号は、例として、SPパルス又はSPパルスを示すクロック信号であってもよい。代替として、SPパルス及びBPパルスは、クロックシグナリングを用いて実施され得るタイミングスケジュールに基づいて、互いにオフセットされ得る。例として、前縁バイアスオフセットパラメータがパルス変調周期の8%に設定される場合に、パルス変調タイミング回路52は、SPパルスの後縁によってトリガされた後でパルス変調周期の8%に等しい遅延を導入し得る。代替として、パルス変調タイミング回路52がSPパルスの前縁によってトリガされるように構成される場合に、パルス変調周期の8%+ソース電力デューティサイクル(%)の遅延が、パルス変調タイミング回路52によって導入され得る。さらなる代替として、パルス変調タイミング回路52は、BP制御経路202によって発生されるBPパルスのタイミングに対するSPパルスのタイミングを判断し得る。
【0042】
当業者が認識し得るように、パルス変調タイミング回路52などのタイミング回路は、任意のタイミング回路を用いて実施され得る。1つの具体例では、Highland Technology T560 4チャンネルコンパクトデジタル遅延及びパルス発生器回路が、使用され得る。
【0043】
SP制御経路201と同様に、BP制御経路202は、パルス変調タイミング回路52によってトリガされる任意選択のBPパルス変調回路53を含み得る。任意選択のBPパルス変調回路53は、BP高振幅状態とBP低振幅状態との間でバイアス信号を変調し得る。例えば、変調バイアス信号は、
図1を参照して説明されたように、BPパルス12に対応し得る。代替として、任意選択のBPパルス変調回路53は省略されてもよく、遅延された変調ソース信号は、BPパルスに対応してもよい。
【0044】
変調バイアス信号は、任意選択のBP関数発生器30によって受信され得る。任意選択のBP関数発生器30は、変調バイアス信号上に波形を重畳し得る。波形は、変調ソース信号上に重畳した波形に類似してもよく、又は異なってもよく、前述のような任意の所望の波形形状を有してもよい。任意選択のBP関数発生器30は、変調バイアス信号の振幅を増加させるために、増幅回路も任意選択で含んでもよい。一実施形態では、プラズマ処理チャンバ210に送出されるバイアス電力は、DC電力である。この場合、任意選択のBP関数発生器30は、省略されてもよい。増幅が必要とされるが関数発生は必要とされないいくつかの場合において、増幅回路が、任意選択のBP関数発生器30の代わりに含まれてもよい。
【0045】
BPインピーダンス整合ネットワーク35も、任意選択のBP関数発生器30とBP結合電極19との間のBP制御経路202に含まれる。BPインピーダンス整合ネットワークは、負荷のインピーダンスを供給のインピーダンスに整合させることによってバイアス電力がプラズマ処理チャンバ210に有効に結合されることを保証するために使用され得る。
【0046】
SP関数発生器20及び任意選択のSPインピーダンス整合ネットワーク25は、ソース電力を受信しSPパルスをSP結合電極15に提供するSP発生器回路240に含まれ得る。同様に、任意選択のBP関数発生器30及びBPインピーダンス整合ネットワーク35は、バイアス電力を受信しBPパルスをBP結合電極19に提供するBP発生器回路245に含まれ得る。
【0047】
上述された要素のうちの1つ又は複数が、コントローラに含まれ得る。例えば、
図2に示されるように、SPパルス変調回路51、パルス変調タイミング回路52、及び任意選択のBPパルス変調回路53が、コントローラ250に含まれ得る。コントローラ250は、プラズマ処理チャンバ210に対してローカルに配置され得る。代替として、コントローラ250は、プラズマ処理チャンバ210に対してリモートに配置されてもよい。コントローラ250は、SP制御経路201及びBP制御経路202に含まれる要素のうちの1つ又は複数とデータを交換することが可能であり得る。インピーダンス整合ネットワークのそれぞれが、コントローラ250によって制御されてもよく、又は個々のコントローラを含んでもよい。
【0048】
コントローラ250は、プラズマを発生させること、及びイオンをマイクロエレクトロニクス加工対象物の表面に送出することに関連する様々な制御パラメータを設定し、モニタリングし、及び/又は制御するように構成され得る。制御パラメータは、ソース電力及びバイアス電力の両方についての電力レベル、周波数、及びデューティサイクル(%)、並びにバイアスオフセットパーセンテージを含み得るが、それらに限定されない。他の制御パラメータセットも用いられてもよい。例えば、SPパルス及びBPパルスのパルス幅、並びにバイアスオフセットが、パルス変調周期のデューティサイクル(%)として表わされるのではなく、直接入力されてもよい。
【0049】
図3は、本発明の実施形態による、ソースパルスに対する正及び負の前方オフセットを有するバイアスパルスを含むプラズマ処理の例としての方法の概略タイミング図を示す。
図3のタイミング図は、例えば、
図1のタイミング
図100などの他の実施形態のタイミング図の具体的実施であり得る。同様に、ラベルが付与された要素は、前述の通りであってもよい。
【0050】
図3を参照すると、タイミング
図300は、SPパルス11の高振幅状態と、パルスシーケンスにおいて隣接SPパルス11と時間的にオーバラップしていない非オーバラップBPパルス312の高振幅状態との間に、正の前縁(+LE)バイアスオフセット306を含む。非オーバラップBPパルス312は、また、非オーバラップBPパルス幅307を含み、後縁バイアスオフセット9だけ後続のSPパルス11から離れている。
【0051】
これに対して、タイミング
図320が、SPパルス11の高振幅状態と、パルスシーケンスにおいて隣接SPパルス11と時間的に部分的にオーバラップする-LE BPパルス322の高振幅状態との間に、負の前縁(-LE)バイアスオフセット326を含むことを除いて、タイミング
図320はタイミング
図300に類似している。例えば、+LEバイアスオフセット306及び-LEバイアスオフセット326の両方が、それぞれのSPパルス11の後縁に対して測定される。その結果、-LEバイアスオフセット326などの負のオフセットは、-LE BPパルス322をもたらす。-LE BPパルス322は、また、オーバラップBPパルス幅327を含み、後縁バイアスオフセット9だけ後続のSPパルス11から離れている。
【0052】
図4は、本発明の実施形態による、ソースパルスに対する負及び正の後方オフセットを有するバイアスパルスを含むプラズマ処理の例としての方法の概略タイミング図を示す。
図4のタイミング図は、例えば、
図1のタイミング
図100などの他の実施形態のタイミング図の具体的実施であり得る。同様に、ラベルが付与された要素は、前述の通りであってもよい。
【0053】
図4を参照すると、タイミング
図400は、+LEバイアスオフセット306に加えて、負の後縁(-TE)バイアスオフセット409を含む。パルスシーケンスのそれぞれの結果として得られる-TE BPパルス412は、-TE BPパルス幅407を有し、先行のSPパルス11とは時間的にオーバラップしないが、後続のSPパルス11とは時間的に部分的にオーバラップする。オフセットについてのこの例示において採用された慣例によれば、負のオフセット値は、隣接パルスとのオーバラップを示す。したがって、所与のパルスの後縁オフセットの場合、負のオフセットは、例えばタイミング
図400中の-TEバイアスオフセット409について示されるように、パルスの後縁と次のパルスの前縁との間にオーバラップをもたらす。
【0054】
同様に、タイミング
図420は、SPパルス11の高振幅状態と、パルスシーケンスの先行及び後続のSPパルス11の両方と部分的にオーバラップするオーバラップBPパルス422の高振幅状態との間の-LEバイアスオフセット326に加えて負の-TEバイアスオフセット409を含む。オーバラップBPパルス422は、SPパルス11の各SPパルス幅3よりも長い期間の、オーバラップBPパルス幅427を含む。
【0055】
図5は、本発明の実施形態による、ソースパルスに対する動的オフセットを有するバイアスパルスを含むプラズマ処理の例としての方法の概略タイミング図を示す。
図5のタイミング図は、例えば
図1のタイミング
図100などの他の実施形態のタイミング図の具体的実施であり得る。同様に、ラベルが付与された要素は、前述の通りであってもよい。
【0056】
図5を参照すると、タイミング
図500は、パルス変調周期5を有するSPパルス11及び動的に変化し得る可変前方オフセットバイアスオフセット(509、519、529)を有するBPパルス12を含む。具体的には、BPパルス12のそれぞれの前縁バイアスオフセットは、パルスシーケンスの各SPパルス11毎に変化し得る。正、0、及び負の前方又は後方オフセットのいかなる組み合わせでも可能である。例えば、第1のBPパルス12は、正の可変オフセット509と共に示され、第2の及び第3のBPパルス12は、0値の可変オフセット519及び負の可変オフセット529と共にそれぞれ示される。オフセットはパルス変調周期5毎に変化し得るが、オフセットは、複数のパルス変調周期の間その時点で同一のままであってもよく、又は徐々に変化してもよい。例えば、大きな正のオフセットは、それが0になり、その後負になるまで、周期毎に大きさが徐々に減少してもよい。
【0057】
図6は、本発明の実施形態による、バイアス電力パルス列を含むプラズマ処理の例としての方法の概略タイミング図を示す。
図6のタイミング図は、例えば
図1のタイミング
図100などの他の実施形態のタイミング図の具体的実施であり得る。同様に、ラベルが付与された要素は、前述の通りであってもよい。
【0058】
図6を参照すると、タイミング
図600は、SPパルス11、及びBPパルス列幅607を有するBPパルス列612を含む。BPパルス列612は、前述の通り、BPパルス12の具体的実施形態であってもよい。BPパルス列612は、BPサブパルス622、並びに対応するBPサブパルス幅617及びBPサブパルス間隔619を含む。BPサブパルス622のそれぞれが、BPパルス12に類似して実施されてもよい。様々な実施形態では、BPサブパルス622は、ACパルスであり、一実施形態ではRFパルスである。別の実施形態では、BPサブパルス622は、DCパルスである。
【0059】
図7は、本発明の実施形態による、特定のガス流に関連するソースパルス及びバイアスパルスタイミングを含むプラズマ処理の例としての方法の概略タイミング図を示す。
図7のタイミング図は、
図1のタイミング
図100などの他の実施形態のタイミング図の1つ又は複数の具体的実施を組み込み得る。例えば、所与のプラズマプロセスは、複数の種類のガスを使用してもよく、そのそれぞれが、それに関連するタイミング図の実施形態の具体的実施を有し得る。同様に、ラベルが付与された要素は、前述の通りであってもよい。
【0060】
図7を参照すると、タイミング
図700は、ソース電力1及びバイアス電力2に加えてガス源701を含む。ガス源701は、複数のガス及び/又はガスの混合物を含み得る。例えば、タイミング
図700に示されるように、ガス源701は、第1のガス(G1)流期間735を有するG1ガス流731、及び第2のガス(G2)流期間765を有するG2ガス流761を含む。G1ガス流731及びG2ガス流761は、ガス流オフセット740だけ時間的に離れている。代替として、第2のガスは、G1ガス流731の間に導入されてもよく、G2ガス流761は、G1ガス流731と部分的にオーバラップしてもよい。
【0061】
それぞれのガスは、それぞれのガス流期間に関連するパルスシーケンスを有し得る。具体的には、プラズマ処理パラメータのセットは、特定のガスがプラズマ処理チャンバに提供されている間、特定のガスについて具体的に適合されるパルスシーケンスを発生させるために、例えば
図1及び
図3~
図6などの先行実施形態から各ガスに対して選択され得る。
【0062】
タイミング
図700に示されるように、G1ガス流731に関連するG1パルスシーケンス71は、G1 SPパルス幅703を有するG1 SPパルス711、並びにG1 BPパルス幅707及びG1 BPパルス振幅708を有するG1 BPパルス712を含む。G1 BPパルス712は、G1 LEバイアスオフセット706及びG1 TEバイアスオフセット709によって、G1 SPパルス711に対して時間的に画定される。G1パルスシーケンス71は、G1パルス変調周期705を有し、G1 LEソースオフセット736だけG1ガス流731の前縁からオフセットされ得る。
【0063】
同様に、G2ガス流761は、G2 SPパルス幅743を有するG2 SPパルス751、並びにG2 BPパルス幅747及びG2 BPパルス振幅758を有するG2 BPパルス752を含む、関連するG2パルスシーケンス72を有する。G2 BPパルス752は、G2 LEバイアスオフセット746及びG2 TEバイアスオフセット749によって、G2 SPパルス751に対して時間的に画定される。G2パルスシーケンス72は、G2パルス変調周期745を有し、G2 LEソースオフセット766だけG2ガス流761の前縁からオフセットされ得る。図示されるように、プラズマ処理パラメータは、ガス流間で異なり得る。例えば、ソース電力及びバイアス電力両方についてのパルス幅、パルス振幅、周波数、オフセットなどは、ガス流と共に変化され得る。
【0064】
SPパルス及びBPパルスがプラズマに結合される、本明細書で説明される実施形態は、
図8~
図11に示されるものなどの様々な装置によって実施され得る。
図8は、例としての容量結合プラズマ処理システムの概略図を示し、
図9は、例としての誘導結合型プラズマ処理システムの概略図を示し、
図10は、例としての表面波プラズマ処理システムの概略図を示し、
図11は、本発明の実施形態によるプラズマ処理の方法を実行するために使用され得る例としてのリモートプラズマ処理システムの概略図を示す。
図8~
図11のプラズマ処理システムは、それぞれ、例えば
図2のプラズマ処理システム200などの他の実施形態のプラズマ処理システムの具体的実施であり得る。同様に、ラベルが付与された要素は、前述の通りであってもよい。
【0065】
図8を参照すると、容量結合プラズマ(CCP)処理システム800は、上部平板電極(UEL)815に結合されるSP発生器回路240に結合されるACソース電源881、及び下部平板電極(LEL)819に結合されるBP発生器回路245に結合されるACバイアス電源882を含む。ACソース電源881及びACバイアス電源882は、
図1、
図3~
図7などにおいて前述した実施形態に従って、ソース電力及びバイアス電力をそれぞれ発生させ得る。CCP 860は、UEL 815とLEL 819との間の基板16付近にある接地されたプラズマ処理チャンバ810の中に形成される。LEL 819は、基板16を支持及び保持するための静電チャック(ESC)としても機能し得る。様々な実施形態において、プラズマは、電極のうちの少なくとも1つにRF電力を結合することによって形成される。UEL 815に結合されるAC電力は、LEL 819に結合されるAC電力とは異なるRF周波数を有してもよい。代替として、複数のRF電源が、同じ電極に結合されてもよい。さらに、直流(DC)電力が、上部電極及び/又は下部電極に結合されてもよい。
【0066】
図9を参照すると、誘導結合型プラズマ(ICP)処理システム900は、誘導電極915に結合されるSP発生器回路240に結合されるACソース電源881、及びLEL 819に結合されるBP発生器回路245に結合されるACバイアス電源882を含む。この場合も、ACソース電源881及びACバイアス電源882は、
図1、
図3~
図7などにおいて前述した実施形態に従って、ソース電力及びバイアス電力をそれぞれ発生させ得る。ICP 960は、誘導電極915(例えば、平板、又はソレノイド/螺旋コイル若しくはアンテナ)とLEL 819との間の基板16付近に形成される。誘電物質910は、ICP 960から誘導電極915を分離する。誘電物質910は、容量性結合効果を減少及び/又は防止し得る。
【0067】
図10を参照すると、表面波プラズマ(SWP)処理システム1000は、マイクロ波導波管(μ-導波管)1014及びスロットアンテナ1015に結合されるSP発生器回路240に結合されるACソース電源881を含む。同様に、ACソース電源881及びACバイアス電源882は、
図1、及び
図3~
図7などにおいて前述した実施形態に従って、ソース電力及びバイアス電力をそれぞれ発生させ得る。SWP 1060は、スロットアンテナ1015とLEL 819との間の基板16付近に形成される。SWP 1060は、同軸線及びμ-導波管1014を通してスロットアンテナ1015にRF電力をマイクロ波周波数で結合することによって形成される。(PV、おそらく、
図10上の小さな詳細)スロットアンテナ1015は、穴の空いた平板又は他の構造として実施され得る。いくつかの実施形態では、スロットアンテナは、
図9の誘電物質910に類似の誘電構造間に挟まれていてもよく、それによって、マイクロ波が中心から外側へ放射状に導波管(中心)から(例えば、波長がアンテナ構造を通して、及び/又は別の誘電物質を通して減少されるように誘電率を有するセラミック構造を通して)通過し得る。
【0068】
図11を参照すると、リモートプラズマ処理システム1100は、基板付近に形成されるプラズマの代わりに、リモートプラズマ1160が基板16から離れた領域、例えば異なるプラズマチャンバ又はプラズマ処理チャンバ810の隔離部分に形成されることを除いて、
図9のICP処理システム900に類似している。リモートプラズマ1160は、粒子隔離構造1118によって基板16から分離又は隔離される。粒子隔離構造1118は、リモートプラズマソースから基板16への荷電粒子の移送を妨げるように配置される、フィルタ、電線管、又はオリフィスプレートであってもよい。一実施形態では、リモートプラズマ1160は、ICPである。代替として、リモートプラズマ1160は、CCP、SWPなどであってもよい。
【0069】
図12は、本発明の実施形態による、非共振ソース電力結合電極を含む例としてのプラズマ処理システムのブロック図を示す。
図12のプラズマ処理システムは、例えば
図1の方法などの、本明細書で説明される方法の実施形態のいずれかを実行するために使用され得る。
【0070】
図12を参照すると、非共振プラズマ処理システム1200は、プラズマ処理チャンバ1210の非共振SP結合電極1215に結合されるソース電力1を供給するSP供給ノード81と、プラズマ処理チャンバ1210のバイアス電力結合電極19に結合されるバイアス電力2を供給するBP供給ノード82と、を含む。ソース電力1は、ソース電力設定を制御するように構成されるSPコントローラ1226を含むSP制御経路1201を通して非共振SP結合電極1215に結合される。例えば、SPコントローラ1226は、SP RF関数発生器及び増幅器1220のための利得設定、並びにSPインピーダンス整合ネットワーク1225のためのインピーダンス整合設定を調整し得る。同様に、バイアス電力2は、BP RF関数発生器及び増幅器1230並びにBPインピーダンス整合ネットワーク1235のバイアス設定を制御するBPコントローラ1236を含むBP制御経路1202を通してBP結合電極19に結合される。
【0071】
非共振プラズマ処理システム1200は、非共振構造を用いてソース電力1を結合するため、SPインピーダンス整合ネットワーク1225が、プラズマにソース電力を効率的に提供するために含まれる。最大電力が非共振SP結合電極1215からプラズマに移送されるために、電力供給に対する負荷のインピーダンスは、電力供給自体のインピーダンスと同一であるべきである。例えば、電力供給に対する負荷のインピーダンスは、プラズマのインピーダンスによる影響を受け得る。プラズマのインピーダンスは、化学的性質、圧力、密度などの特定の急速に変化する条件に依存し得る。したがって、SPインピーダンス整合ネットワーク1225は、ソース電力1のプラズマ60への効率的な電力結合を維持しつつ、プラズマ条件が変化することを有益に可能にし得る。
【0072】
SPパルス信号は、1つ又は複数のプラズマ処理パラメータを入力として受信し得るSPパルス変調回路1251を用いて発生される。例えば、図示されるように、SPパルス変調回路1251は、SPパルス周波数fS及びSPパルス幅tp,Sを受信する。SPパルス変調回路1251は、次いで、fS及びtp,Sを用いてSPパルス信号V(fS,tp,S)を発生させる。一実施形態では、SPパルス信号V(fS,tp,S)は、約5Vの高振幅状態及び約0Vの低振幅状態を含む。しかしながら、他の電圧レベルも可能である。SPパルス周波数fSは、約0.1Hz~約10kHzの範囲に及び得る。代替として、SPパルス周波数fSは、約1kHz~約5kHzの範囲に及び得る。
【0073】
SP RF関数発生器及び増幅器1220は、ソース電力1をSP供給ノード81から受信し、SPパルス信号V(fS,tp,S)をSPパルス変調回路1251から受信し、次いで、関数を用いてSPパルス信号V(fS,tp,S)を増幅すること及び変調することによってSPパルスを発生させる。電力増幅は、数ワット(例えば、1~2W)~1000kW超の範囲に及び得る。一実施形態では、発生された関数は、AC信号を含み得る。AC信号は、ソース周波数において発生され得る。ソース周波数は、RFレンジ、超短波(VHF)レンジ、又は電磁スペクトルのマイクロ波(MW)レンジの範囲内に入ってもよい。代替として、発生された関数は、パルス化DC信号などのDC信号を含んでもよい。
【0074】
SPパルスは、SPインピーダンス整合ネットワーク1225を通ってSP方向性結合器1227まで通過する。したがって、SP方向性結合器1227は、経時変化するソース電圧VS(t)及びソース電流IS(t)を有するSPパルスを受信する。SP方向性結合器1227は、SPパルスを非共振SP結合電極1215へ通過させるように構成される。SP方向性結合器1227は、また、図示される通り、SPコントローラ1226が順ソース電力Pf,Sと逆ソース電力Pr,Sとの比較に基づいてソース電力設定を調整することを有益に可能にし得る、SPコントローラ1226に結合される。例えば、順ソース電力Pf,Sは、順方向に(即ち、SP結合電極に向かって)送信される電力の大きさを示すものであってもよく、逆ソース電力Pr,Sは、逆方向に(即ち、SP結合電極から離れるように)反射する電力の大きさを示すものであってもよい。Pf,S及びPr,Sは、SPコントローラ1226によって測定され得る。
【0075】
類似のフィードバック機構が、BPコントローラ1236と経時変化するバイアス電圧VB(t)及びバイアス電流IB(t)を受信するBP方向性結合器1237との間で実施されてもよく、それによって、バイアス電力設定が、順バイアス電力Pf,Bと逆バイアス電力Pr,Bとの比較に基づいて調整され得る。順バイアス電力Pf,B及び逆バイアス電力Pr,Bは、順方向に(即ち、BP結合電極に向かって)送信される電力及び逆方向に(即ち、BP結合電極から離れるように)反射される電力の大きさを示すものであってもよい。Pf,B及びPr,Bは、BPコントローラ1236によって測定され得る。
【0076】
SP RF関数発生器及び増幅器1220、SPインピーダンス整合ネットワーク1225、SPコントローラ1226、及びSP方向性結合器1227は、非共振SP発生器回路1240に含まれ、非共振SP発生器回路1240は、SP供給ノード81からソース電力1を受信し、SPパルスを非共振SP結合電極1215に提供する。非共振SP発生器回路1240は、例えば、
図2のSP発生器回路240の具体的実施であり得る。同様に、BP RF関数発生器及び増幅器1230、BPインピーダンス整合ネットワーク1235、BPコントローラ1236、及びBP方向性結合器1237は、BP発生器回路1245に含まれ、BP発生器回路1245は、BP供給ノード82からバイアス電力2を受信し、BPパルスをBP結合電極19に提供する。BP発生器回路1245は、例えば、
図2のBP発生器回路245の具体的実施であり得る。
【0077】
時間遅延tdelayは、SPパルス変調回路1251の出力に結合されるBP tdelayタイミング回路1252を用いてSPパルスとBPパルスとの間に導入され得る。SPパルス変調回路1251は、BP tdelayタイミング回路1252に信号を送信してもよく、その場合に、信号は、SPパルス、又はSPパルスを示すクロック信号であってもよい。BP tdelayタイミング回路1252は、時間遅延tdelayを入力において受信し、次いで、信号をBPパルス変調回路1253に送信する。一実施形態では、BP tdelayタイミング回路1252は、SPパルス信号の後縁によってトリガされる。代替として、BP tdelayタイミング回路1252は、SPパルス信号の前縁によってトリガされてもよい。BPパルス変調回路1253は、入力(例えば、BPパルス周波数fB及びBPパルス幅tp,B)を用いてBPパルス信号を発生させる。BPパルス信号は、次いでBP RF関数発生器及び増幅器1230に送信される。
【0078】
異なるガスがパルス化されるとき、交互の時間遅延が用いられてもよい。例えば、特定の時間遅延は、所与のプラズマプロセスの間、各ガス又はガスの組み合わせに対応し得る。さらに、SPパルス周波数fS、SPパルス幅tp,S、BPパルス周波数fB、BPパルス幅tp,Bなどの他のプラズマ処理パラメータが、特定のガス又はガスの組み合わせに対して変化してもよい。
【0079】
BP RF関数発生器及び増幅器1230によって発生される関数は、AC信号を含み得る。AC信号は、バイアス周波数において発生され得る。バイアス周波数もまた、RFレンジ、VHFレンジ、又はMWレンジの範囲内に入ってもよい。例えば、ソース周波数は、約10MHzを超えてもよく、バイアス周波数は、約15MHzより小さくてもよい。代替として、例えば、ソース周波数は、約50MHzを超えてもよく、バイアス周波数は、約5MHzより小さくてもよい。さらなる代替として、ソース周波数は、約50MHz~約150MHzの範囲に及んでもよく、バイアス周波数は、約1MHz~約5MHzの範囲に及んでもよい。
【0080】
図13は、本発明の実施形態による、共振ソース電力結合電極を含む例としてのプラズマ処理システムのブロック図を示す。
図13のプラズマ処理システムは、例えば
図1の方法などの、本明細書で説明される方法の実施形態のいずれかを実行するために使用され得る。
【0081】
図13を参照すると、共振プラズマ処理システム1300は、共振SP結合電極1315を含むSP制御経路1301を含む。共振SP結合電極1315はインピーダンス整合なしでプラズマ60に結合する効率的なソース電力の利点を提供し得るため、SPインピーダンス整合ネットワーク1225がSP制御経路1301において省略されることを除いて、共振プラズマ処理システム1300は、非共振プラズマ処理システム1200と類似している。その結果、SP RF関数発生器及び増幅器1220は、SPコントローラ1327にフィードバックを提供し得るSP方向性結合器1227に直接SPパルスを提供する。SP RF関数発生器及び増幅器1220、SPコントローラ1226、及びSP方向性結合器1227は、共振SP発生器回路1340に含まれ、共振SP発生器回路1340は、SP供給ノード81からソース電力1を受信し、SPパルスを共振SP結合電極1315に提供する。共振SP発生器回路1340は、例えば
図2のSP発生器回路240の具体的実施であり得る。
【0082】
共振プラズマ処理システム1300は、また、ソース電力のアジャイルパルス化を有利に可能にし得る。例えば、インピーダンス整合ネットワークは、共振SP結合電極1315などの整合なし共振構造と同程度に高速に応答することが出来ない場合がある。したがって、より高いSPパルス周波数において、インピーダンス整合ネットワークは、効率的なソース電力をプラズマに提供するために、より低い周波数に制限され得る。様々な実施形態では、共振SP結合電極1315は、螺旋共振器アンテナ1329を含む。
【0083】
図14は、本発明の実施形態による、例としての螺旋共振器プラズマ処理システムの概略図を示す。螺旋共振器プラズマ処理システムは、例として、
図2のプラズマ処理システム200、
図9のICP処理システム900、及び/又は
図13の共振プラズマ処理システム1300などの他のプラズマ処理システムの具体的実施であってもよい。具体的には、ソース電力結合電極は、螺旋共振器アンテナとして形成される。同様に、ラベルが付与された要素は、前述の通りであってもよい。
【0084】
図14を参照すると、螺旋共振器プラズマ処理システム1400は、螺旋共振器アンテナ1329として実施される共振SP結合電極1315を囲む、接地された外側構造1410を含み、螺旋共振器アンテナ1329は、同様に誘電体内側面1411を囲む。螺旋共振器アンテナ1329は、一端が接地され、他端が自由端である。ACソース電源881は、SP発生器回路240に結合され、SP発生器回路240は、接地された接続から適当な距離で螺旋共振器アンテナ1329に結合される。ソース電力結合位置(タップ位置とも呼ばれる)は、動作周波数及び他の考慮事項に依存し得る。共振SP結合電極1315に誘導結合される螺旋共振器プラズマ1460が発生される。例えば、誘電体内側面1411は、誘導結合を容易にするために、螺旋共振器プラズマ1460と螺旋共振器アンテナ1329との間に設けられ得る。ACバイアス電源882は、BP発生器回路245に結合されてもよく、BP発生器回路245は、下部平板電極(LEL)819に結合される。下部平板電極(LEL)819は、基板16を支持及び保持するための静電チャック(ESC)として機能する。
【0085】
螺旋共振器アンテナ1329は、全波、半波、又は1/4波長アンテナであってもよい。例えば、螺旋共振器アンテナ1329が13.56MHzの周波数を有するRF電力を用いて駆動される場合、1/4波長螺旋共振器アンテナは、長さが約5.5mであってもよい。RF周波数が増加するにつれて、螺旋共振器アンテナ1329の長さが減少し得る。例えば、約50MHzで駆動される1/4波長螺旋共振器アンテナは、長さが約1.5mであってもよい。
【0086】
図15は、本発明の実施形態による、プラズマ処理の例としての方法を示す。
図15の方法は、例えば
図2のプラズマ処理システム200などの、本明細書で説明されるプラズマ処理システムの実施形態のいずれかによって実行され得る。
図15は、方法のステップを特定の順序に限定するように意図されないことに留意されたい。加えて、
図15に説明されるステップのうちのいずれかが、任意の組み合わせで同時に、及び別々に実行されてもよい。したがって、以下の方法のステップの順序及び/又はタイミングの変形が、当業者に明らかであり得るように説明される方法の範囲内にある。
【0087】
プラズマ処理の方法1500のステップ1501は、パルス変調回路を用いて関数発生器に信号を出力することを含む。ステップ1502は、信号を出力することに応答して、関数発生器を用いてSPパルスを発生させることを含む。ステップ1503は、プラズマを発生させるために、プラズマ処理チャンバのSP結合電極においてSPパルスを提供することを含む。ステップ1504は、SPパルスに対して遅延をトリガすることによって、BPパルスを発生させることを含む。ステップ1505は、プラズマ処理チャンバのBP結合電極においてBPパルスを提供することを含む。ステップ1506は、プラズマ処理チャンバに配置された基板上でプラズマ成膜又はエッチングプロセスを実行することであって、BPパルスを提供することによって、プラズマから基板に向かってイオンを加速する、実行することを含む。
【0088】
本発明の例としての実施形態が、ここで要約されている。他の実施形態もまた、明細書及び本明細書で出願される特許請求の範囲の全体から理解され得る。
【実施例】
【0089】
実施例1.プラズマ処理システムであって、真空チャンバと、真空チャンバにおいてプラズマ発生のための電力を提供するように構成される第1の結合電極であって、SPパルスをプラズマに結合するようにさらに構成される、第1の結合電極と、真空チャンバに配置される基板ホルダであって、基板を支持するように構成される基板ホルダと、BPパルスを基板に結合するように構成される第2の結合電極と、SPパルスとBPパルスとの間の第1のオフセット期間を制御するように構成されるコントローラと、を含む、プラズマ処理システム。
【0090】
実施例2.第1の結合電極が、プラズマに容量結合され、プラズマ処理システムが、容量結合型プラズマ処理システムを含むか、又は第1の結合電極が、プラズマに誘導結合され、プラズマ処理システムが、誘導結合型プラズマ処理システムを含むか、又は第1の結合電極が、マイクロ波導波管及びスロットアンテナを通してプラズマに結合され、プラズマ処理システムが、表面波プラズマ処理システムを含む、実施例1のプラズマ処理システム。
【0091】
実施例3.SPパルスを発生させるように構成される第1の関数発生器をさらに含み、コントローラが、第1のオフセット期間を発生させるように構成されるタイミング回路と、第1の関数発生器の入力に結合される第1の出力、及びタイミング回路に結合される第2の出力を含む、第1のパルス変調回路と、を含む、実施例1及び2のうちの1つのプラズマ処理システム。
【0092】
実施例4.タイミング回路に結合される第2のパルス変調回路と、第2のパルス変調回路に結合され、BPパルスを発生させるように構成される、第2の関数発生器と、をさらに含む、実施例3のプラズマ処理システム。
【0093】
実施例5.タイミング回路が、BPパルスとSPパルスとの間の第2のオフセット期間を制御するようにさらに構成される、実施例3及び4のうちの1つのプラズマ処理システム。
【0094】
実施例6.第1のパルス変調回路が、第1のパルス周波数を受信するように構成される第1の入力と、第1のパルス幅を受信するように構成される第2の入力と、を含み、第1のパルス変調回路が、第1のパルス周波数及び第1のパルス幅に基づいてSPパルス信号を出力において発生させるようにさらに構成される、実施例3~5のうちの1つのプラズマ処理システム。
【0095】
実施例7.タイミング回路が、時間遅延を受信するように構成されるタイミング回路入力を含み、タイミング回路が、時間遅延に基づいて第1のオフセット期間を設定するようにさらに構成される、実施例3~6のうちの1つのプラズマ処理システム。
【0096】
実施例8.第1の関数発生器が、第1のパルス変調回路から受信したSPパルス信号を第1の周波数で発生された交流(AC)信号で変調することによって、SPパルスを発生させるように構成される、実施例3~7のうちの1つのプラズマ処理システム。
【0097】
実施例9.タイミング回路に結合され、BPパルス信号を発生させるように構成される、第2のパルス変調回路と、第2のパルス変調回路に結合され、BPパルス信号を第2の周波数で発生されるAC信号で変調することによってBPパルスを発生するように構成される、第2の関数発生器であって、第2の周波数が、約15MHzよりも小さく、第1の周波数が、約10MHzより大きい、第2の関数発生器と、をさらに含む、実施例8のプラズマ処理システム。
【0098】
実施例10.装置であって、真空チャンバと、ソース電力(SP)供給ノードに結合され、SPパルスの第1のシーケンスを用いて真空チャンバ内でプラズマを発生させるように構成される、結合電極と、バイアス電力(BP)供給ノードに結合され、真空チャンバ内に配置される基板ホルダであって、基板ホルダが、プラズマによって処理されるべき基板を支持するように構成され、BPパルスの第2のシーケンスが、プラズマのイオンを基板に向かって加速するように構成される、基板ホルダと、を含む、装置。
【0099】
実施例11.第1のSPパルス及びBPパルスが、時間的に少なくとも部分的にオーバラップしない、実施例10の装置。
【0100】
実施例12.結合電極が、共振結合電極である、実施例10及び11のうちの1つの装置。
【0101】
実施例13.関数発生器と、共振結合電極に直接結合される出力、及び関数発生器に直接結合される入力を含む、方向性結合器と、をさらに含む、実施例12の装置。
【0102】
実施例14.共振結合電極が、螺旋共振器アンテナである、実施例12及び13のうちの1つの装置。
【0103】
実施例15.関数発生器と、関数発生器に結合されるインピーダンス整合ネットワークと、インピーダンス整合ネットワークに結合される入力を含む方向性結合器であって、結合電極が、非共振結合電極であり、方向性結合器が、非共振結合電極に結合される出力をさらに含む、方向性結合器と、をさらに含む、実施例10の装置。
【0104】
実施例16.プラズマ処理の方法であって、第1のパルス変調回路を用いて第1の信号を第1の関数発生器に出力することと、第1の信号を出力することに応答して、第1の関数発生器を用いて第1のソース電力(SP)パルスを発生させることと、プラズマを発生させるために真空チャンバの第1の結合電極において第1のSPパルスを提供することと、第1のSPパルスに対して遅延をトリガすることによって、バイアス電力(BP)パルスを発生させることと、真空チャンバの第2の結合電極においてBPパルスを提供することと、真空チャンバに配置された基板上でプラズマ成膜又はエッチングプロセスを実行することであって、BPパルスを提供することによって、プラズマから基板に向かってイオンを加速する、実行することと、を含む、方法。
【0105】
実施例17.遅延が、約-15μs~約20μsのオフセット期間を含み、BPパルスの前縁が、第1のSPパルスの後縁からオフセット期間だけ離れている、実施例16の方法。
【0106】
実施例18.第1の関数発生器を用いて第2のSPパルスを発生させることであって、BPパルスの後縁が、第2のSPパルスの前縁から0秒より大きいオフセット期間だけ離れている、発生させることをさらに含む、実施例16及び17のうちの1つの方法。
【0107】
実施例19.第1の関数発生器を用いて第2のSPパルスを発生させることであって、BPパルスの後縁が、0秒より大きいオフセット期間だけ第2のSPパルスの前縁とオーバラップする、発生させることをさらに含む、実施例16~18のうちの1つの方法。
【0108】
実施例20.第1の関数発生器を用いて第2のSPパルスを発生させることであって、第1のSPパルスの前縁が、第2のSPパルスの前縁から約200μs~約1000μsであるパルス変調周期だけ離れている、発生させることをさらに含む、実施例16~19のうちの1つの方法。
【0109】
本明細書で説明される電力制御技術は、コントローラによって制御され得る。コントローラが、本明細書で説明される機能性を提供するようにプログラムされた1つ又は複数のプログラム可能な集積回路を用いて実施され得ることにも留意されたい。例えば、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置など)、プログラマブルロジックデバイス(例えば、CPLD(コンプレックスプログラマブルロジックデバイス)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)など)、及び/又は他のプログラム可能な集積回路は、本明細書で説明される機能性のいずれかを実施するようにソフトウェア又は他のプログラミング命令でプログラムされ得る。ソフトウェア又は他のプログラミング命令が、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリストレージデバイス、フラッシュメモリ、DRAMメモリ、再プログラム可能なストレージデバイス、ハードドライブ、フロッピーディスク、DVD、CD-ROMなど)に記憶され得ること、並びにソフトウェア又は他のプログラミング命令が、プログラム可能な集積回路によって実行されると、本明細書で説明されるプロセス、機能及び/又は能力をプログラム可能な集積回路に実行させることにさらに留意されたい。上記の他の変形も実施され得る。
【0110】
1つ又は複数の成膜プロセスは、本明細書で説明されるプラズマプロセスを用いて材料層を形成するために使用され得る。プラズマ成膜プロセスに関し、限定しないが、炭化水素、過フッ化炭化水素、又は多様な圧力、電力、流れ、及び温度条件で1つ又は複数の希釈ガス(例えばアルゴン、窒素など)と組み合わせた炭化水素含有窒素を含む前駆体ガス混合物が使用され得る。同様に、1つ又は複数のエッチングプロセスは、本明細書で説明されるプラズマプロセスを用いて材料層をエッチングするために使用され得る。例えば、プラズマエッチングプロセスは、過フッ化炭化水素、酸素、窒素、水素、アルゴン、及び/又は他のガスを含むプラズマを使用して実施され得る。さらに、プロセスステップのための動作変数、例えばチャンバ温度、チャンバ圧力、ガス流量、プラズマ発生において電極アセンブリへ適用される周波数及び/又は電力、及び/又は処理ステップのための他の動作変数が、制御され得る。上記の変形も、本明細書で説明される技術を依然として活用しつつ実施され得る。
【0111】
本発明は、例示的実施形態を参照して説明されているが、この説明は、限定的な意味に解釈されるように意図されない。例示的実施形態の様々な修正及び組み合わせ、並びに本発明の他の実施形態は、説明を参照すれば当業者に明らかとなるであろう。例えば、
図3~
図7の実施形態は、さらなる実施形態において組み合わされてもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、任意のそのような修正又は実施形態を包含することが意図される。