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特許7397347配線基板、面状発光装置及びそれらの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】配線基板、面状発光装置及びそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/11 20060101AFI20231206BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20231206BHJP
【FI】
H05K1/11 N
H01L33/62
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021162371
(22)【出願日】2021-09-30
(65)【公開番号】P2023051574
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝又 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】田口 晃治
(72)【発明者】
【氏名】藏岡 賢
(72)【発明者】
【氏名】湊 永子
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-184610(JP,A)
【文献】特開2004-14559(JP,A)
【文献】特開2009-152496(JP,A)
【文献】特開2007-281336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/11
H01L 33/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第2面に配置される第1接着層と、前記第1接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置される金属部材と、を有する基板を準備する工程と、
前記金属部材に、前記金属部材を貫通する第1穴を形成する工程と、
前記第1接着層側から、前記第1穴に対向する位置に、レーザ光を照射することにより、前記第1接着層と前記絶縁性樹脂とを貫通する、最大径が前記第1穴よりも小さい第2穴を形成する工程と、
前記第1穴と前記第2穴とを繋ぐように第1導電性ペーストを配置する工程と、
配置した前記第1導電性ペーストに接続する配線となるように前記絶縁性樹脂の第1面に第2導電性ペーストを配置する工程と、を含む配線基板の製造方法。
【請求項2】
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第1面に配置される第2接着層と、前記絶縁性樹脂の第2面に配置される第1接着層と、前記第1接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置される金属部材と、を有する基板を準備する工程と、
前記金属部材に、前記金属部材を貫通する第1穴を形成する工程と、
前記第2接着層側から、前記第1穴に対向する位置に、レーザ光を照射することにより、前記第2接着層と前記絶縁性樹脂と前記第1接着層とを貫通する、最大径が前記第1穴よりも小さい第2穴を形成する工程と、
前記第1穴と前記第2穴とを繋ぐように第1導電性ペーストを配置する工程と、
配置した前記第1導電性ペーストに接続する配線となるように前記第2接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に第2導電性ペーストを配置する工程と、を含む配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁性樹脂が、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、又は、ポリエチレンナフタレートであり、前記第1接着層が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又は、エポキシ樹脂である請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁性樹脂が、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、又は、ポリエチレンナフタレートであり、前記第1接着層及び前記第2接着層が、それぞれ、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又は、エポキシ樹脂である請求項2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記第2穴の周囲に形成されるドロスの高さが5μm以下、又は、ドロスが形成されない請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記第2穴を形成する工程は、前記第2穴を複数形成する請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記第1導電性ペーストを配置する工程は、前記第1導電性ペーストを前記第2穴側から吸引しながら前記第1導電性ペーストを配置する請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記第1穴の最大径は、500μm以上1500μm以下である請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記第2穴の最大径は、50μm以上300μm以下である請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
平面視で、前記第2穴の外周から前記第1穴の外周までの長さは、100μm以上1000μm以下である請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記第1導電性ペーストと前記第2導電性ペーストは、同じ材料である請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記第1導電性ペーストと前記第2導電性ペーストは、異なる材料である請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の配線基板の製造方法によって配線基板を製造する工程と、
前記配線基板における前記金属部材に、発光素子を含む光源を配置する工程と、
前記金属部材を覆うように光反射部材を配置する工程と、
前記光反射部材を覆うように第1導光部材を配置する工程と、を含む面状発光装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の配線基板の製造方法によって配線基板を製造する工程と、
前記配線基板における前記絶縁性樹脂の第1面側に配置されると共に前記第2導電性ペーストを覆うように光反射部材を配置する工程と、
前記絶縁性樹脂の第1面側に、発光素子を含む光源を配置する工程と、
前記光源及び前記光反射部材を覆うように導光部材を配置する工程と、
平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に、光調整部材を配置する工程と、を含む面状発光装置の製造方法。
【請求項15】
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第2面に配置される第1接着層と、前記第1接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置される金属部材と、を有する基板と、
前記基板に配置される第1導電性ペーストと、
前記基板に配置される第2導電性ペーストと、を有し、
前記金属部材を貫通して第1穴が形成されており、
前記第1穴に対向する位置に、前記第1接着層と前記絶縁性樹脂とを貫通する、最大径が前記第1穴よりも小さい第2穴が形成されており、
前記第1導電性ペーストは、前記第1穴と前記第2穴とを繋ぐように配置され、
前記第2導電性ペーストは、配置された前記第1導電性ペーストに接続する配線となるように前記絶縁性樹脂の第1面に配置されている配線基板。
【請求項16】
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第1面に配置される第2接着層と、前記絶縁性樹脂の第2面に配置される第1接着層と、前記第1接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置される金属部材と、を有する基板と、
前記基板に配置される第1導電性ペーストと、
前記基板に配置される第2導電性ペーストと、を有し、
前記金属部材を貫通して第1穴が形成されており、
前記第1穴に対向する位置に、前記第2接着層と前記絶縁性樹脂と前記第1接着層とを貫通する、最大径が前記第1穴よりも小さい第2穴が形成されており、
前記第1導電性ペーストは、前記第1穴と前記第2穴とを繋ぐように配置され、
前記第2導電性ペーストは、配置された前記第1導電性ペーストに接続する配線となるように前記第2接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置されている配線基板。
【請求項17】
前記第2穴に配置された前記第1導電性ペーストは、前記絶縁性樹脂の第1面側の表面が前記絶縁性樹脂の第2面側に凹となる凹部を有し、前記凹部に、前記第2導電性ペーストが配置される請求項15又は請求項16に記載の配線基板。
【請求項18】
前記第2穴の周囲において、ドロスの高さが5μm以下、又は、ドロスを有しない請求項15乃至請求項17の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項19】
請求項15乃至請求項18の何れか一項に記載の配線基板と、
前記配線基板における前記金属部材に配置されている、発光素子を含む光源と、
前記金属部材を覆う光反射部材と、
前記光反射部材を覆う第1導光部材と、を有する面状発光装置。
【請求項20】
請求項15乃至請求項18の何れか一項に記載の配線基板と、
前記配線基板における前記絶縁性樹脂の第1面側に配置されると共に前記第2導電性ペーストを覆う光反射部材と、
前記絶縁性樹脂の第1面側に配置されている、発光素子を含む光源と、
前記光源及び前記光反射部材を覆う導光部材と、
平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に配置されている光調整部材と、を有する面状発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線基板、面状発光装置及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多層配線基板の層間配線として、導電性ペーストを充填したビアが採用される場合がある。例えば特許文献1には、ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に銅箔による配線が形成され、レーザ光を照射することによりポリイミドフィルムを貫通する穴を形成し、この穴に導電性物質を充填したインナビアを層間配線とする多層配線基板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-210514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、接続の信頼性を向上した配線基板、面状発光装置及びそれらの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に開示される配線基板の製造方法は、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第2面に配置される第1接着層と、前記第1接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置される金属部材と、を有する基板を準備する工程と、前記金属部材に、前記金属部材を貫通する第1穴を形成する工程と、前記第1接着層側から、前記第1穴に対向する位置に、レーザ光を照射することにより、前記第1接着層と前記絶縁性樹脂とを貫通する、最大径が前記第1穴よりも小さい第2穴を形成する工程と、前記第1穴と前記第2穴とを繋ぐように第1導電性ペーストを配置する工程と、配置した前記第1導電性ペーストに接続する配線となるように前記絶縁性樹脂の第1面に第2導電性ペーストを配置する工程と、を含む。
【0006】
また、実施形態に開示される配線基板の製造方法は、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第1面に配置される第2接着層と、前記絶縁性樹脂の第2面に配置される第1接着層と、前記第1接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置される金属部材と、を有する基板を準備する工程と、前記金属部材に、前記金属部材を貫通する第1穴を形成する工程と、前記第2接着層側から、前記第1穴に対向する位置に、レーザ光を照射することにより、前記第2接着層と前記絶縁性樹脂と前記第1接着層とを貫通する、最大径が前記第1穴よりも小さい第2穴を形成する工程と、前記第1穴と前記第2穴とを繋ぐように第1導電性ペーストを配置する工程と、配置した前記第1導電性ペーストに接続する配線となるように前記第2接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に第2導電性ペーストを配置する工程と、を含む。
【0007】
また、実施形態に開示される面状発光装置の製造方法は、実施形態に開示される配線基板の製造方法によって配線基板を製造する工程と、前記配線基板における前記金属部材に、発光素子を含む光源を配置する工程と、前記金属部材を覆うように光反射部材を配置する工程と、前記光反射部材を覆うように第1導光部材を配置する工程と、を含む。
【0008】
また、実施形態に開示される面状発光装置の製造方法は、実施形態に開示される配線基板を製造する工程と、前記配線基板における前記絶縁性樹脂の第1面側に配置されると共に前記第2導電性ペーストを覆うように光反射部材を配置する工程と、前記絶縁性樹脂の第1面側に、発光素子を含む光源を配置する工程と、前記光源及び前記光反射部材を覆うように導光部材を配置する工程と、平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に、光調整部材を配置する工程と、を含む。
【0009】
また、実施形態に開示される配線基板は、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第2面に配置される第1接着層と、前記第1接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置される金属部材と、を有する基板と、前記基板に配置される第1導電性ペーストと、前記基板に配置される第2導電性ペーストと、を有し、前記金属部材を貫通して第1穴が形成されており、前記第1穴に対向する位置に、前記第1接着層と前記絶縁性樹脂とを貫通する、最大径が前記第1穴よりも小さい第2穴が形成されており、前記第1導電性ペーストは、前記第1穴と前記第2穴とを繋ぐように配置され、前記第2導電性ペーストは、配置された前記第1導電性ペーストに接続する配線となるように前記絶縁性樹脂の第1面に配置されている。
【0010】
また、実施形態に開示される配線基板は、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の第1面に配置される第2接着層と、前記絶縁性樹脂の第2面に配置される第1接着層と、前記第1接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置される金属部材と、を有する基板と、前記基板に配置される第1導電性ペーストと、前記基板に配置される第2導電性ペーストと、を有し、前記金属部材を貫通して第1穴が形成されており、前記第1穴に対向する位置に、前記第2接着層と前記絶縁性樹脂と前記第1接着層とを貫通する、最大径が前記第1穴よりも小さい第2穴が形成されており、前記第1導電性ペーストは、前記第1穴と前記第2穴とを繋ぐように配置され、前記第2導電性ペーストは、配置された前記第1導電性ペーストに接続する配線となるように前記第2接着層の前記絶縁性樹脂側の面と反対側の面に配置されている。
【0011】
また、実施形態に開示される面状発光装置は、実施形態に開示される配線基板と、前記配線基板における前記金属部材に配置されている、発光素子を含む光源と、前記金属部材を覆う光反射部材と、前記光反射部材を覆う第1導光部材と、を有する。
【0012】
また、実施形態に開示される面状発光装置は、実施形態に開示される配線基板と、前記配線基板における前記絶縁性樹脂の第1面側に配置されると共に前記第2導電性ペーストを覆う光反射部材と、前記絶縁性樹脂の第1面側に配置されている、発光素子を含む光源と、前記光源及び前記光反射部材を覆う導光部材と、平面視において、前記導光部材の表面における前記光源と重なる位置に配置されている光調整部材と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本開示の実施形態によれば、接続の信頼性を向上した配線基板、面状発光装置及びそれらの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】実施形態に係る配線基板の一部を例示する第2面側の概略斜視図である。
図1B】実施形態に係る配線基板の一部を例示する第1面側の概略斜視図である。
図1C】実施形態に係る配線基板の一部を例示する第2面側の概略平面図である。
図1D】実施形態に係る配線基板の一部を例示する第1面側の概略平面図である。
図2A】実施形態に係るビア接続部を例示する第1面側の概略平面図である。
図2B図2Aにおいて、導電性ペーストを取り除いて示す概略平面図である。
図2C図2AのIIC-IIC線における断面を例示する概略断面図である。
図2D】第2穴の周辺の形状を例示する拡大断面図である。
図3】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示するフローチャートである。
図4A】実施形態に係る配線基板の製造方法において、準備した基板を例示する概略断面図である。
図4B】実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1穴を形成した状態を例示する概略断面図である。
図4C】実施形態に係る配線基板の製造方法において、第2穴を形成した状態を例示する概略断面図である。
図4D】実施形態に係る配線基板の製造方法において、第1穴及び第2穴に第1導電性ペーストを注入する状態を例示する概略断面図である。
図4E】実施形態に係る配線基板の製造方法において、第2導電性ペーストを配置した状態を例示する概略断面図である。
図5A】第1及び第2実施形態に係る面状発光装置を例示する概略平面図である。
図5B図5Aの一部を拡大して例示する概略平面図である。
図5C】第1実施形態に係る面状発光装置における配線基板の一部を例示する概略平面図である。
図6】第1実施形態に係る面状発光装置について、図5BのVI-VI線における断面を例示する概略断面図である。
図7】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法を例示するフローチャートである。
図8A】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、実施形態に係る配線基板の製造方法によって製造した配線基板を例示する概略断面図である。
図8B】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光源を配置した状態を例示する概略断面図である。
図8C】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光反射部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図8D】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、第1導光部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図8E】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、第2導光部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図8F】第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光調整部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図9A】第1導光部材の第1変形例に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。
図9B】第1導光部材の第2変形例に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。
図9C】第1導光部材の第3変形例に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。
図10】第2実施形態に係る面状発光装置について、図5BのX-X線における断面を例示する概略断面図である。
図11】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法を例示するフローチャートである。
図12A】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、実施形態に係る配線基板の製造方法によって製造した配線基板を例示する概略断面図である。
図12B】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光反射部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図12C】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、貫通穴を形成した状態を例示する概略断面図である。
図12D】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光源を配置した状態を例示する概略断面図である。
図12E】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、接続部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図12F】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、第1導光部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図12G】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、第2導光部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図12H】第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法において、光調整部材を配置した状態を例示する概略断面図である。
図13】変形例に係る配線基板を例示する概略断面図である。
図14A】変形例に係る配線基板の製造方法において、準備した基板を例示する概略断面図である。
図14B】変形例に係る配線基板の製造方法において、第1穴を形成した状態を例示する概略断面図である。
図14C】変形例に係る配線基板の製造方法において、第2穴を形成した状態を例示する概略断面図である。
図14D】変形例に係る配線基板の製造方法において、第1穴及び第2穴に第1導電性ペーストを注入する状態を例示する概略断面図である。
図14E】変形例に係る配線基板の製造方法において、第2導電性ペーストを配置した状態を例示する概略断面図である。
図15】変形例1に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。
図16】変形例2に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示に係る技術的思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、発明を以下のものに限定しない。一つの実施形態において説明する内容は、他の実施形態及び変形例にも適用可能である。また、図面は実施形態を概略的に示すものであり、説明を明確にするため、各部材のスケールや間隔、位置関係等を誇張し、あるいは、部材の一部の図示を省略している場合がある。各図において示す方向は、構成要素間の相対的な位置を示し、絶対的な位置を示すことを意図したものではない。なお、同一の名称、符号については、原則として、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、実施形態について、「覆う」とは直接接する場合に限らず、間接的に、例えば他の部材を介して覆う場合も含む。また、「配置する」とは直接接する場合に限らず、間接的に、例えば他の部材を介して配置する場合も含む。
【0016】
〈実施形態〉
[配線基板]
実施形態に係る配線基板1を、図1A乃至図2Dを参照しながら説明する。
なお、図1Aは、実施形態に係る配線基板の一部を例示する第2面側の概略斜視図であり、図1Bは、実施形態に係る配線基板の一部を例示する第1面側の概略斜視図である。図1Cは、実施形態に係る配線基板の一部を例示する第2面側の概略平面図であり、図1Dは、実施形態に係る配線基板の一部を例示する第1面側の概略平面図である。図2Aは、実施形態に係るビア接続部を例示する第1面側の概略平面図である。図2Bは、図2Aにおいて、導電性ペーストを取り除いて示す概略平面図である。図2Cは、図2AのIIC-IIC線における断面を例示する概略断面図である。図2Dは、第2穴の周辺の形状を例示する拡大断面図である。
【0017】
配線基板1は、両面に互いに異なるパターンの電気的な配線を設けており、両面の配線が、ビア接続部50によって接続されている。配線基板1の一方の面には、後記する金属部材20による配線が設けられ、反対側の面には後記する第2導電性ペースト42による配線が設けられている。ビア接続部50は、後記する第1穴51及び第2穴52を有し、第1導電性ペースト41によって両面の配線を接続している。なお、ビア接続部50は、一例を図2Aに拡大して示している。
【0018】
配線基板1は、第1面10A及び第1面10Aの反対側の第2面10Bを有する絶縁性樹脂10と、絶縁性樹脂10の第2面10Bに配置される第1接着層11と、第1接着層11の絶縁性樹脂10側の面と反対側の面に配置される金属部材20と、を有する基板30と、基板30に配置される第1導電性ペースト41と、基板30に配置される第2導電性ペースト42と、を有している。さらに、配線基板1は、金属部材20を貫通して第1穴51が形成されており、第1穴51に対向する位置に、第1接着層11と絶縁性樹脂10とを貫通する、最大径が第1穴51よりも小さい第2穴52が形成されている。第1導電性ペースト41は、第1穴51と第2穴52とを繋ぐように配置され、第2導電性ペースト42は、配置された第1導電性ペースト41に接続する配線となるように絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置されている。以下、配線基板1の各構成について説明する。
【0019】
(基板)
基板30は、配線基板1の基礎となる板状又はシート状の部材である。基板30の平面視形状は、例えば矩形状である。なお、基板30の平面視形状は特に限定されない。基板30は、絶縁性樹脂10と、絶縁性樹脂10の第2面10Bに対面して配置される第1接着層11と、第1接着層11第2面11Bに対面して配置される配線となる金属部材20と、を有する。絶縁性樹脂10の第1面10Aには、配線となる第2導電性ペースト42が配置される。そして、絶縁性樹脂10及び第1接着層11を貫通して形成された配線となるビア接続部50(貫通穴及び第1導電性ペースト41)を介して、金属部材20の配線及び第2導電性ペースト42の配線が接続される。
【0020】
(絶縁性樹脂)
絶縁性樹脂10は、配線パターンが形成される土台となる絶縁性の板状又はシート状の部材である。絶縁性樹脂10は、第1面10A及び第1面10Aの反対側の第2面10Bを有しており、第1面10Aから第2面10Bまで貫通する貫通穴である第2穴52が形成されている。絶縁性樹脂10は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、又は、ポリエチレンナフタレートである。絶縁性樹脂10の厚さT3は、例えば12μm以上75μm以下である。なお、絶縁性樹脂10の材料や構造、厚さは特に限定されない。絶縁性樹脂10にはさらに無機フィラーを含んでいてもよい。
【0021】
(第1接着層)
第1接着層11は、絶縁性樹脂10と金属部材20とを接着する絶縁性の部材である。第1接着層11は、第1面11A及び第1面11Aの反対側の第2面11Bを有し、第1面11Aが絶縁性樹脂10の第2面10Bに対面して配置されている。第1接着層11は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又は、エポキシ樹脂である。第1接着層11の厚さT2は、例えば5μ以上20μm以下である。なお、第1接着層11の材料や構造、厚さは特に限定されない。
【0022】
(金属部材)
金属部材20は、予め設定された配線パターンの配線及び接続パッド部22を形成する導電性の部材である。また、金属部材20は、貫通穴である第1穴51が接続パッド部22となる部分に1つ以上形成されている。金属部材20の材料は、例えば、Ag、Al、Ni、Au、Cu、Ti、Pt、W等の単体金属又はこれらを含む合金とすることができる。ここでは、金属部材20は銅箔を一例として使用している。銅箔の厚さT1は、例えば12μm以上35μm以下である。金属部材20の配線パターンの配線及び接続パッド部22は、エッチングによって形成することができる。
【0023】
金属部材20の表面には、防錆処理が施されていることが好ましい。特に、第1接着層11に対面する表面には防錆層21が形成されている。防錆層21は、例えば、表面に凹凸を形成して粗化処理を施した粗化層、ZnやNi、Cr等のメッキ層、有機皮膜層等からなり、金属部材20としての銅箔の表面を形成している。防錆層21は、銅箔等の金属部材20の酸化を抑え、第1接着層11との密着性を高める。防錆層21の厚さは、例えば0.1μm以上7μm以下である。
金属部材20は、平面視において第2穴52に対面する接続パッド部22を有し、第1穴51は、接続パッド部22に設けられている。ここでは、接続パッド部22は矩形状であり、金属部材20の配線パターンの配線の先端部に設けられている。
【0024】
(第1導電性ペースト)
第1導電性ペースト41は、第2導電性ペースト42で形成された配線と金属部材20とを接続する部材である。すなわち、第1導電性ペースト41は、第1穴51と第2穴52とを繋ぐように配置されている。第1導電性ペースト41は、第1穴51及び第2穴52に充填されるように配置されている。また、第1導電性ペースト41は、第1穴51の外周方向へ広がり、第1穴51の周囲の金属部材20を覆う穴外周辺部44を有する。第1導電性ペースト41が穴外周辺部44を有することで、第1導電性ペースト41と金属部材20との接触面積が増大し、電気的接続がより良好となる。第1穴51の外周から穴外周辺部44の外縁までの最小長さLe1は、例えば50μm以上1000μm以下である。
【0025】
第2穴52に配置された第1導電性ペースト41は、絶縁性樹脂10の第1面10A側の表面が絶縁性樹脂10の第2面10B側に凹となる凹部45を有する。そして、凹部45内に、第2導電性ペースト42が配置される。第1導電性ペースト41が凹部45を有することで、第1導電性ペースト41と第2導電性ペースト42の密着性が向上し、第1導電性ペースト41と第2導電性ペースト42の電気的接続がより良好となる。凹部45の底面から上面までの垂直方向の高さH1は、2μm以上15μm以下が好ましい。高さH1が2μm以上であれば、密着性がより向上する。より好ましくは4μm以上である。一方、高さH1が15μm以下であれば、凹部45を形成し易くなる。より好ましくは10μm以下である。なお、下限については0μm、すなわち、第1導電性ペースト41における、絶縁性樹脂10の第1面10A側の表面が平らであってもよい。
【0026】
第2穴52は、後記するように、レーザ光を照射することにより形成する。この際、レーザ加工による熱影響のため、第2穴52の周囲に絶縁性樹脂10の溶融物であるドロス80が発生する場合がある。ここでは、ドロス80は、第2穴52における第1接着層11の第2面11B側の開口の周囲に、開口の外周に沿って形成される。また、ドロス80は、第2穴52の周囲において、第2穴52の内側面52Aの第1接着層11側の上端部から第1接着層11の第2面11Bの一部を覆うように第1接着層11の第2面11Bに形成される。なお、第2穴52の周囲とは、例えば、第2穴52の内側面52Aの第1接着層11側の上端部から15μm以下の範囲である。特に、絶縁性樹脂10が、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、又は、ポリエチレンナフタレートである場合、ドロス80が発生し易い。ドロス80は、配線抵抗にばらつきを生じさせ、冷熱サイクル特性を悪化させる恐れがある。しかしながら、本実施形態では、レーザ光を照射する側である絶縁性樹脂10の第2面10Bに第1接着層11が配置されいるため、ドロス80の発生を抑制することができる。さらに、第1接着層11には水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、二酸化ケイ素などを添加することが望ましい。これらの無機フィラーの添加により樹脂成分が相対的に減少するためドロスの発生が抑制される。また酸化チタンや酸化アルミニウムを添加することにより可視光の反射率を向上させることもできる。また、第1導電性ペースト41、第2導電性ペースト42には有機酸等の還元剤を含むことが好ましい。これにより金属部材20との接続における電気抵抗を小さくすることができる。
【0027】
第2穴52の周囲において、ドロス80の高さH2が5μm以下、又は、ドロス80を有しないことが好ましい。ドロス80の高さH2は、ここでは、第1接着層11の第2面11Bからの第1穴51方向への垂直方向の最大高さである。ドロス80の高さH2が5μm以下であれば、配線抵抗のばらつきをより抑制することができる。より好ましくは2.5μm以下、さらに好ましくはドロス80を有しないことである。なお、図2Dでは、説明の都合上、ドロス80を図示しているが、本実施形態では、ドロス80の発生を抑制することができ、条件によっては、第2穴52の周囲にドロス80を有しないものとすることができる。
【0028】
(第2導電性ペースト)
第2導電性ペースト42は、絶縁性樹脂10の第1面10A側に配置される配線を形成する部材である。第2導電性ペースト42は、絶縁性樹脂10の第1面10A側の表面が絶縁性樹脂10の第2面10B側に凸となる凸部46を有する。そして、凸部46が第1導電性ペースト41の凹部45に配置されている。これにより、第1導電性ペースト41と第2導電性ペースト42の密着性が向上する。
【0029】
銅箔の体積抵抗率が例えば1.7μΩ・cmであるのに対し、第2導電性ペースト42の体積抵抗率は、例えば10μΩ・cm以上100μΩ・cm以下である。第2導電性ペースト42の配線抵抗を小さくするために、配線の断面積を大きくすることができる。第1面10Aに配置される配線に係る第2導電性ペースト42の配線厚さT4は、配線基板1をできるだけ薄くするために、例えば10μm以上30μm以下としている。このため、第2導電性ペースト42の配線幅は、0.5mm以上2mm以下とするのが好ましい。
【0030】
第1導電性ペースト41及び第2導電性ペースト42の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム等の単体若しくはその合金や混合粉末と樹脂バインダとの混合物である。樹脂バインダは、例えば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。
第1導電性ペースト41と第2導電性ペースト42は、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。同じ材料を用いることで、製造の際の手間を低減することができ、製造時間の低減を図ることができる。また、両面配線基板における部材の種類の増加を抑えることができる。一方、異なる材料を用いることで、例えば、接続パッド部22の位置に設けられる第1導電性ペースト41に硬度の高い材料を用いて強度を確保し、配線となる第2導電性ペースト42に硬度の低い材料を用いてフレキシブル性を確保することができる。
【0031】
(第1穴及び第2穴)
平面視において、絶縁性樹脂10及び第1接着層11に設けられる第2穴52は、接続パッド部22に設けられる第1穴51に対向する領域に設けられている。ここでは、接続パッド部22に設けられる第1穴51に対向する領域に、一例として2個の第2穴52が設けられている。
図2Cに示すように、第2穴52は、接続パッド部22の第1穴51に対向する位置に設けられている。また、第2穴52の最大径D2は第1穴51の最大径D1よりも小さい。平面視で、第2穴52の面積は第1穴51の面積よりも小さく、第1穴51の外周の内側に第2穴52が配置されている。そして、第1穴51及び第2穴52には、第1導電性ペースト41が充填されている。
【0032】
上記のような構成を備える配線基板1は、ドロス80が低減されているため、或いは、ドロス80を有しないため、配線抵抗のばらつきが抑制され、冷熱サイクル特性に優れたものとなる。そのため、接続の信頼性の高い配線基板とすることができる。また、配線基板1は、絶縁性樹脂10の第1面10A側の配線が伸縮性を有する第2導電性ペースト42で形成されているため、絶縁性樹脂の両面が金属配線である両面配線基板に比べ、曲げや反りに対して断線しにくく、信頼性の高い配線基板とすることができる。また、配線基板1は、金属部材20の第1穴51に連通する第2穴52が絶縁性樹脂10及び第1接着層11を貫通して形成され、第1導電性ペースト41が第1穴51と第2穴52とを繋ぐように充填される。そのため、配線基板1は、第1穴51及び第2穴52を介して第1導電性ペースト41と金属部材20との間の電気的接続をさらに確実にし、接続における電気抵抗をより小さくすることができる。
【0033】
なお、第2穴52の数は特に限定されるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。ただし、第1導電性ペースト41がビア接続部50から抜けるビア抜けをより抑制する観点から、第2穴52は複数形成することが好ましい。
また、接続パッド部22の形状は、正方形状でもよく、長方形状や台形状でもよく、曲線部分を含む形状でもよい。また、接続パッド部22を設けずに、金属部材20の配線パターンの一部に第1穴51を設けるようにしてもよい。
【0034】
[配線基板の製造方法]
次に、実施形態に係る配線基板の製造方法S10を図3乃至図4Eを参照しながら説明する。なお、適宜、図1A乃至図2Dを参照する。図3は、配線基板の製造方法S10のフローチャートである。図4A乃至図4Eは、配線基板の製造方法S10を模式的に示す概略断面図である。
【0035】
配線基板の製造方法S10は、第1面10A及び第1面10Aの反対側の第2面10Bを有する絶縁性樹脂10と、絶縁性樹脂10の第2面10Bに配置される第1接着層11と、第1接着層11の絶縁性樹脂10側の面と反対側の面に配置される金属部材20と、を有する基板30を準備する工程S1と、金属部材20に、金属部材20を貫通する第1穴51を形成する工程S2と、第1接着層11側から、第1穴51に対向する位置に、レーザ光L1を照射することにより、第1接着層11と絶縁性樹脂10とを貫通する、最大径が第1穴51よりも小さい第2穴52を形成する工程S3と、第1穴51と第2穴52とを繋ぐように第1導電性ペースト41を配置する工程S4と、配置した第1導電性ペースト41に接続する配線となるように絶縁性樹脂10の第1面10Aに第2導電性ペースト42を配置する工程S5と、を含む。
以下、各工程について説明する。なお、配線基板の各部材の構成については前記した配線基板で説明した通りのため、ここでは、詳細については適宜、省略する。
【0036】
(基板を準備する工程)
基板を準備する工程S1は、絶縁性樹脂10の一方の面(第2面10B)に対面して第1接着層11が配置され、第1接着層11の絶縁性樹脂10側の面と反対側の面に金属部材20が配置されている基板30を準備する工程である。金属部材20は、一例として銅箔であり、絶縁性樹脂10側の表面に防錆層21が形成されているものが使用されている。金属部材20、第1接着層11及び絶縁性樹脂10は、互いにシート状で貼り合わせたものが準備される。この基板30は、購入することで準備してもよい。
【0037】
(第1穴を形成する工程)
第1穴を形成する工程S2は、金属部材20に、例えばエッチングにて金属部材20を貫通する1つの第1穴51を形成する工程である。この工程S2では、予め設定された配線パターンの配線及び接続パッド部22も第1穴51と共にエッチングにより形成されることになる。
【0038】
第1穴51の平面視形状は、ここでは略楕円形状である。本実施形態の略楕円形状とは、一平面上の二定点からの距離の和が一定である点の軌跡である厳密な意味での楕円形状の場合に限られず、楕円形状に近いと視認される程度の形状を含むものである。例えば、一方向に円を伸長させた長円形状、小判形状又は陸上競技用のトラック形状等であってもよい。
【0039】
第1穴51には、第1導電性ペースト41が配置される。この工程S2で形成される第1穴51の最大径D1は、500μm以上1500μm以下が好ましい。第1穴51の最大径D1が500μm以上であれば、第1導電性ペースト41の粘性との関係で、第1導電性ペースト41を配置し易くなる。一方、第1穴51の最大径D1が1500μm以下であれば、接続パッド部22の位置に第1穴51を配置し易くなり、平面視において接続パッド部22の面積を必要に応じて小さくすることができる。これにより、設計の自由度が向上する。
【0040】
また、平面視で、次の工程S3で形成される第2穴52の外周から第1穴51の外周までの長さは、100μm以上1000μm以下が好ましい。100μm以上であれば、第2穴52の大きさとの関係で、第1穴51に第1導電性ペースト41を配置し易くなり接続抵抗も低くすることができる。一方、1000μm以下であれば、第1穴51及び第2穴52をより適度なサイズとすることができる。なお、第2穴52の外周とは第1穴51側の第2穴52の外周である。また、第2穴52の外周から第1穴51の外周までの長さが100μm以上1000μm以下とは、第1穴51側から見た平面視において、第2穴52の外周の任意の位置と、第1穴51の外周の任意の位置のどの位置を直線で結んでも、その直線の長さが100μm以上1000μm以下となることを意味する。
この工程S2では、金属部材20に貼り付けられたレジスト膜が露光され予め設定された配線パターンとなるようにレジストパターンが形成される。そして、エッチング処理することで、配線パターンの配線や接続パッド部22、接続パッド部22の第1穴51を形成することができる。
【0041】
(第2穴を形成する工程)
第2穴を形成する工程S3は、第1接着層11及び絶縁性樹脂10に、第1接着層11及び絶縁性樹脂10を貫通する第2穴52を形成する工程である。この工程S3では、第1接着層11の第2面11Bからレーザ光を照射するレーザ加工することによって第2穴52を形成する。ここでは、レーザ光L1を照射して第1接着層11及び絶縁性樹脂10を蒸発させて、第2穴52を形成している。使用するレーザは、加工速度の観点からCOレーザが好ましいが、グリーンレーザやUVレーザ等も用いることができる。
第2穴52の内側面52Aは、絶縁性樹脂10の第1面10Aに近づくほど第2穴52の内径が小さくなるように傾斜しており、第2穴52は、いわゆるテーパ状に形成されていることが好ましい。テーパ状とすることで、後記する第1導電性ペースト41が、内側面52Aに沿って充填され、内側面52Aに密着して配置されやすくなる。また、テーパ状とすることで、第2穴52の内部に位置する第1導電性ペースト41と、絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置される第2導電性ペースト42の配線との間で断線が生じにくい。第2穴52の平面視形状は、ここでは円形状である。
【0042】
第2穴52の最大径D2は、第1穴51の最大径D1よりも小さい。この工程S3で形成される第2穴52の最大径D2は、50μm以上300μm以下が好ましい。第2穴52の最大径D2が50μm以上であれば、第1導電性ペースト41の粘性との関係で、第1導電性ペースト41を配置し易くなる。一方、第2穴52の最大径D2が300μm以下であれば、第1穴51の大きさとの関係で、第2穴52をより適度なサイズとすることができる。
なお、ここでの第2穴52の最大径D2とは、金属部材20側からの平面視における直径である。また、第2穴52の最小径D3は、例えば35μm以上275μm以下である。なお、ここでの第2穴52の最小径D3とは、第2導電性ペースト42側からの平面視における直径である。
【0043】
第2穴を形成する工程S3では、絶縁性樹脂10を吸引しながら第2穴52を形成することが好ましい。一例として、この工程S3では、絶縁性樹脂10に多孔質の吸着シートB1をあてがって、吸着シートB1の表面から矢印A1の方向に吸引しながら、第2穴52を形成している。
また、第2穴を形成する工程S3では、レーザ光を照射する側である絶縁性樹脂10の第2面10Bに第1接着層11が配置されるため、第2穴52の周囲に形成されるドロスの高さが5μm以下、又は無機フィラーを添加することにより、ドロスが形成されない。
【0044】
(第1導電性ペーストを配置する工程)
第1導電性ペーストを配置する工程S4は、第1穴51及び第2穴52に第1導電性ペースト41を配置する工程である。
この工程S4では、第1導電性ペースト41は、絶縁性樹脂10の第2面10B側から第1穴51に注入されることで第1穴51に充填される。そして、第1穴51に連通している第2穴52に第1導電性ペースト41が充填される。この工程S4では、第1穴51に対向する位置にある第2穴52に第1導電性ペースト41が充填されることで、確実に電気的な接続を行うことができる。
【0045】
この工程S4で使用される第1導電性ペースト41は、流動性を有しており、塗布した後に硬化させることで配置することができる。この工程S4では、第1導電性ペースト41の塗布は、例えば、ディスペンサのノズルから注入してもよく、スクリーン印刷により設けてもよく、ノズルから注入した後にスクリーン印刷をするなど、ノズル注入とスクリーン印刷との併用でもよい。この工程S4では、何れの場合でも、第1導電性ペースト41の塗布は、第1穴51に連通している第2穴52から吸引しながら行うことが好ましい。
【0046】
この工程S4では、第2穴を形成する工程S3における吸着シートB1に替えて、第2穴52に敷き紙B2をあてがい、敷き紙B2の表面から矢印A2の方向に吸引しながら、第1導電性ペースト41を塗布している。この工程S4において、吸引しながら第1導電性ペースト41を第1穴51及び第2穴52に注入するので、確実に第1穴51から第2穴52に連続して第1導電性ペースト41を充填することができる。第1穴51及び第2穴52に充填される第1導電性ペースト41は、第2穴52の内側面52Aと、第1穴51の内側面51A及び内底面51Bと、に配置される。また、吸引しながら第1導電性ペースト41を注入することで、敷き紙B2を取り外した後、第1導電性ペースト41における絶縁性樹脂10の第1面10A側の表面に凹部45が形成される。敷き紙B2の厚さは、例えば20μm以上60μm以下である。第1導電性ペースト41を塗布した後、第2導電性ペースト42を配置する前に、第1導電性ペースト41を仮硬化する。
【0047】
(第2導電性ペーストを配置する工程)
第2導電性ペーストを配置する工程S5は、絶縁性樹脂10の第1面10Aに第2導電性ペースト42を配線として配置する工程である。
配線となる第2導電性ペースト42は、第2穴52に連続して絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置される。この工程S5では、第1導電性ペースト41に敷き紙B3をあてがい、第1導電性ペースト41を保護している。なお、この工程S5で、第1面10Aに配置される第2導電性ペースト42による配線は、例えば、第2面10B側に配置されている金属部材20による配線の方向に対して直交する方向に配置されると共に、接続パッド部22に対向する位置に配置される。なお、第2導電性ペースト42による配線は、金属部材20による配線の方向に対して直交する方向でなくてもよい。第2導電性ペースト42の配置は、第1導電性ペースト41の配置で例示した方法で行うことができる。
この工程S5では、第1導電性ペースト41の凹部45に第2導電性ペースト42が配置され、第2導電性ペースト42に凸部46が形成される。
【0048】
その後、第1導電性ペースト41及び第2導電性ペースト42を硬化する。硬化は、例えば、大気中での100℃以上150℃以下の熱処理により行う。また、敷き紙B3を取り外す。これにより、配線基板の製造方法S10により配線基板1が形成される。
【0049】
上記のような構成を含む配線基板の製造方法S10は、レーザ光を照射する側である絶縁性樹脂10の第2面10Bに第1接着層11が配置されているため、ドロス80の発生を抑制することができる。
配線基板の製造方法S10は、第1接着層11の絶縁性樹脂10側の面と反対側の面に対面して配置される金属部材20に、金属部材20を貫通する第1穴51を形成し、第1穴51に連通する第2穴52を形成することで、第2穴52の形成位置に自由度を持たせることができる。そのため、配線基板の製造方法S10は、第1穴51と第1穴51に連通する第2穴52との位置合わせを容易にすることができる。また、第1穴51を第2穴52に連通させれば、電気的接続を確実に行うことができる。
【0050】
配線基板の製造方法S10は、絶縁性樹脂10の第1面10A側から吸引しながら第2穴52を形成することができる。これにより、第2穴52に残留する樹脂残渣を低減して、第2穴52の内側面52Aと第1導電性ペースト41との密着性を良好にすることができる。
配線基板の製造方法S10は、第2穴52側から吸引しながら、第1導電性ペースト41を第1穴51及び第2穴52に充填することができる。これにより、第1導電性ペースト41における絶縁性樹脂10の第1面10A側の表面に凹部45が形成される。そして、凹部45に第2導電性ペースト42が配置されることで、第1導電性ペースト41と第2導電性ペースト42の密着性が向上する。
配線基板の製造方法S10は、第1穴51及び第2穴52に充填される第1導電性ペースト41が、第1穴51の内側面51A及び内底面51Bと、第2穴52の内側面52Aと、に配置されることで、第1導電性ペースト41と基板30との接着力を高めることができ、いわゆるアンカー効果を奏する。また、第1導電性ペースト41と金属部材20との間の電気的接続をさらに確実にし、接続における電気抵抗をより小さくすることができる。
【0051】
また、第1穴51の平面視形状は、略円形状、略楕円形状、環形状、クロス形状、略長方形状、略正方形状等のその他の形状であってもよい。また、第2穴52の平面視形状は、略円形状、略楕円形状、線形状、環形状、クロス形状、略長方形状、略正方形状等のその他の形状であってもよい。なお、略円形状、略長方形状、略正方形状には、厳密な意味での円形状、長方形状、正方形状の場合に限られず、これらの形状に近いと視認される程度の形状を含むものである。例えば、角を丸くした四角形等であってもよい。
【0052】
[面状発光装置]
次に、第1実施形態に係る面状発光装置1000Aを、図5A乃至図6を参照しながら説明する。面状発光装置1000Aは、図5A、5Bに示すように、光源100を並べて面状に発光するようにした装置であり、光源100それぞれの明るさ及び点消灯を独立して制御することができる。面状発光装置1000Aは、光源100の1個ずつが後記する反射層230で区切られており、1個の光源100が、明るさ及び点消灯の制御単位であるセルとなっている。図5Aは面状発光装置の全体の概略平面図、図5Bは、図5Aに示す面状発光装置の一部を拡大して例示する概略平面図である。図5Cは配線基板1の一例を示す概略平面図であり、光源100は、金属部材20の電極25Aに配置される。図6は、面状発光装置1000Aの一部を例示する概略断面図である。
面状発光装置1000Aは、すでに説明した配線基板1と、配線基板1における金属部材20の電極25Aに配置されている、発光素子110を含む光源100と、金属部材20を覆う光反射部材300と、光反射部材300を覆う第1導光部材210と、を有する。
【0053】
配線基板1は、既に説明した構成であるものが使用される。なお、配線基板1では、用途に応じて様々なパターンの配線を形成することができる。面状発光装置1000Aに使用される配線基板1は、面状発光装置1000Aのために、光源100が配置される電極や制御用の配線が形成されたものであり、これを配線基板1Aとして説明する。
【0054】
(光源)
光源100は、一対の素子電極130を有する発光素子110と、発光素子110の光取出し面側に配置される透光性部材120を有している。
発光素子110は、半導体積層体を含み、本実施形態においては透光性部材120が半導体積層体の上面側に配置され、下面側に一対の素子電極130を有している。半導体積層体としては、所望とする発光波長に応じて任意の組成を用いることができるが、例えば、青色又は緑色の発光が可能な窒化物半導体(InAlGa1-x-yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)やGaP、又は、赤色の発光が可能なGaAlAsやAlInGaPなどを用いることができる。また、使用する目的に応じて発光素子110の大きさや形状は適宜選択が可能である。
【0055】
透光性部材120は、例えば、透光性の樹脂材料からなり、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらを混合した樹脂等を用いることができる。透光性部材120は、蛍光体を含んでいてもよく、例えば、発光素子110からの青色の光を吸収し、黄色の光を放射する蛍光体を含むことにより、光源100から白色の光を出射させることができる。また、透光性部材120は、複数種類の蛍光体を含んでいてもよく、例えば、発光素子110からの青色の光を吸収して、緑色の光を放射する蛍光体と、赤色の光を放射する蛍光体と、を含むことによっても、光源100から白色の光を出射させることができる。
【0056】
このような蛍光体としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン蛍光体(例えば、Mz(Si,Al)12(O,N)16(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、及びLaとCeを除くランタニド元素))、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si,Al)F:Mn)、若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、又は、ペロブスカイト、カルコパイライト等の量子ドット蛍光体等を用いることができる。
【0057】
(光反射部材)
光反射部材300Aは、光反射性を有するシート状の部材である。光反射部材300Aは、配線基板1Aにおける第1接着層11の第2面11Bに配置され、金属部材20を覆っている。ただし、ここでは、光反射部材300Aは、光源100を囲む開口部350Aを有し、開口部350Aは、平面視において、光源100の周囲を50μmから100μm程度離れて囲んでいるため、開口部350Aの内側に位置する一部を除き、金属部材20を覆っていることになる。これは、後記する第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法S100Aにおいても同様である。
【0058】
光反射部材300Aは、光源100からの光を有効に利用するために、高い反射率を有し、白色であることが好ましい。光反射部材300Aの反射率は、光源100の発する光の波長において、例えば90%以上であることが好ましく、94%以上がより好ましい。
光反射部材300Aには、多数の気泡を含む樹脂シート(例えば発泡樹脂シート)や、光拡散材を含む樹脂シート等を用いることができる。光反射部材300Aに用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、光拡散材としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛又はガラス等の公知の材料を用いることができる。
【0059】
(導光部材)
導光部材200は、光反射部材300Aを覆う第1導光部材210と、光源100を覆う第2導光部材220を備えている。第1導光部材210は、透光性を有する板状又はシート状の部材である。ただし、ここでは、第1導光部材210は、光源100を囲む開口部250を有している。そして、開口部250は、平面視において、光源100の周囲を100μmから200μm程度離れて囲んでおり、光反射部材300Aの開口部350Aに対向する位置で開口部350Aを内側に包含する大きさである。このため、第1導光部材210は、開口部250の内側に位置する一部を除き、光反射部材300Aを覆っていることになる。これは、後記する第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法S100A及び第1導光部材の第1乃至第3変形例においても同様である。また、第2導光部材220は、第1導光部材210の開口部250に充填され開口部350Aから光源100までを覆うように設置されている。
【0060】
第1導光部材210及び第2導光部材220の材料は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂等の樹脂材料、又はガラス等の透光性を有する材料を用いることができる。特に、透明性が高く、安価なポリカーボネートを用いるのが好ましい。
導光部材200は、反射層230によってセル毎に区切られている。反射層230は、隣のセルから、導光部材200を透過してくる光を抑えるために設けられている。反射層230は、導光部材200の材料である樹脂に、光拡散材を含有させて形成することができる。光拡散材は、例えば酸化チタン、シリカ、アルミナ等を用いることができる。
【0061】
(光調整部材)
面状発光装置1000Aは、光調整部材400を有していてもよい。光調整部材400は、光源100側からの光の一部を光反射部材300A側に反射させる膜状又は板状の部材である。光調整部材400は、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に配置されている。
光調整部材400の透過率は、光源100の光に対して、例えば20%以上60%以下であるのが好ましく、30%以上40%以下がさらに好ましい。光調整部材400の材料は、例えば、光拡散材を含む樹脂材料を用いてもよく、金属材料を用いてもよい。樹脂材料は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はこれらを混合した樹脂とすることができる。光拡散材は、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛又はガラス等の公知の材料とすることができる。光調整部材400は、平面視において光源100に対向する位置において光源100を包含する大きさであればよく、図5Bにおいては円形状であるが、矩形状等でもよい。
【0062】
上記のような構成を備える面状発光装置1000Aは、配線基板1Aにおける金属部材20の電極25Aに発光素子110を含む光源100が配置され、金属部材20を覆う光反射部材300Aを有することで、金属部材20による光の吸収を抑えることができ、光反射部材300Aを覆う第1導光部材210を有することで、光源100の光を効率よく取り出すことができる。
なお、面状発光装置1000Aは、1個の光源100を1個のセルとして明るさ及び点消灯の制御単位としているが、1個のセルに含まれる光源100の個数は、1個でもよく、複数でもよい。例えば、2行2列の4個の光源100や3行3列の9個の光源100を1個のセルとすることができる。
【0063】
[面状発光装置の製造方法]
次に、第1実施形態に係る面状発光装置の製造方法S100Aを図7乃至図8Fを参照して説明する。図7は、面状発光装置の製造方法S100Aのフローチャートである。図8A乃至図8Fは、面状発光装置の製造方法S100Aを模式的に示す概略断面図である。
面状発光装置の製造方法S100Aは、配線基板の製造方法S10によって配線基板1Aを製造する工程S110と、配線基板1Aにおける金属部材20に、発光素子110を含む光源100を配置する工程S120と、金属部材20を覆うように光反射部材300Aを配置する工程S130Aと、光反射部材300Aを覆うように第1導光部材210を配置する工程S141と、を含む。さらに、第2導光部材220を配置する工程S142、及び、光調整部材400を配置する工程S150を備えてもよい。
【0064】
(配線基板を製造する工程)
配線基板を製造する工程S110は、配線基板の製造方法S10によって配線基板1Aを製造する工程である。図8Aでは、金属部材20が配置されている絶縁性樹脂10の第2面10B側を図における上面としている。電極25Aの間隔は、光源100に合わせて調節して形成することができる。ここでは、電極25Aが一対の素子電極130と対面するような間隔G1Aとしている。配線基板1Aは、第1導電性ペースト41及び第2導電性ペースト42が配置されているが、図8A乃至図8Fにおける断面には示していない。
【0065】
(光源を配置する工程)
光源を配置する工程S120は、光源100を配線基板1Aに配置する工程である。面状発光装置の製造方法S100Aでは、光源100を配線基板1Aにおける金属部材20の電極25Aに配置する。この工程S120では、一対の素子電極130は、導電性の接着部材を介して電極25Aに接合される。導電性の接着部材としては、例えば、金、銀、銅等のバンプ、金、銀、銅、白金、アルミニウム等の金属粉末と樹脂バインダとの混合物である導電性ペースト、または、錫-銀-銅(SAC)系もしくは錫-ビスマス(SnBi)系のはんだを用いることができる。ここでは、はんだリフローによって光源100を配置している。なお、導電性の接着部材は、一対の素子電極130と電極25Aとの間に配置されている。
【0066】
(光反射部材を配置する工程)
光反射部材を配置する工程S130Aは、金属部材20を覆うように光反射部材300Aを配置する工程である。この工程S130Aでは、光反射部材300Aは、光源100を囲むように開口部350Aが形成されており、光源100が開口部350Aに位置するように配置される。光反射部材300Aの上面及び下面には、両面を接着面又は粘着面とする接着シートが貼付されている。接着シートは、ウレタン、アクリル樹脂等からなり、厚みは10μmから75μm程度である。接着性又は粘着性を有するシートとして、白色のボンディングシートを使用し、反射率をさらに大きくするために、白色のポリエチレンテレフタラートのシートと重ねて使用することもできる。なお、光反射部材300Aは、接着シートを使用せずに、接着剤を塗布して配置してもよい。
【0067】
(第1導光部材を配置する工程)
第1導光部材を配置する工程S141は、光反射部材300Aを覆うように第1導光部材210を配置する工程である。この工程S141では、第1導光部材210は、光源100を囲むように開口部250が形成されている板状又はシート状の部材であり、光源100が開口部250に位置するように配置される。この工程S141では、第1導光部材210は、位置合わせをした後、加熱しながら配線基板1Aの方向に加圧して、光反射部材300Aに貼合している。この工程S141では、第1導光部材210は、所定の位置に予め形成されている反射層を有している(図7参照)。
【0068】
(第2導光部材を配置する工程)
面状発光装置の製造方法S100Aは、第2導光部材を配置する工程S142を備えてもよい。第2導光部材を配置する工程S142は、光源100を覆うように第2導光部材220を配置する工程である。この工程S142では、第2導光部材220は、第1導光部材210の開口部250から液状又はペースト状の樹脂を注入し、硬化させることで、光源100を覆うように配置することができる。第2導光部材220の材料は、第1導光部材210と同じでもよく、異なっていてもよい。この工程S142では、第1導光部材210と同じ材料を未硬化の状態で開口部250から注入して硬化させている。
なお、第1導光部材を配置する工程S141と第2導光部材を配置する工程S142とを合わせた工程が、導光部材を配置する工程S140である。
【0069】
(光調整部材を配置する工程)
面状発光装置の製造方法S100Aは、光調整部材を配置する工程S150を備えてもよい。光調整部材を配置する工程S150は、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に、光調整部材400を配置する工程である。この工程S150では、光調整部材400は、導光部材200上に材料となる樹脂を塗布して硬化させてもよく、膜状又は板状の部材を配置してもよい。この工程S150では、一例として、酸化チタンを含有するシリコーン樹脂を導光部材200の表面で光源100に対向する位置に塗布している。
【0070】
上記のような構成を備える面状発光装置の製造方法S100Aは、配線基板の製造方法S10によって配線基板の製造時間及び工程数の低減を図り、金属部材20の電極25Aに光源100を配置し、金属部材20を覆うように光反射部材300Aを配置し、光反射部材300Aを覆うように第1導光部材210を配置することで、面状発光装置の製造時間及び工程数をさらに低減することができる。
【0071】
(導光部材の変形例)
次に、第1導光部材の変形例を図9A乃至図9Cを参照して説明する。
図9Aに概略を示す第1導光部材の第1変形例に係る面状発光装置1001Aでは、反射層231は、断面形状が半楕円状である。反射層231は、断面において、光反射部材300Aに対面する位置で最も幅が太く、第1導光部材211の上面に向かうほど細くなるように設けるのが好ましい。この場合、第1導光部材211の上面に近い位置には、反射層231は設けられていない。
反射層231は、断面において、第1導光部材211の上面で最も幅が太く、下面に向かうほど細くなるように設けるのでもよい。この場合は、第1導光部材211の下面に近い位置には反射層231が設けられていない。
第1導光部材の第1変形例では、第1導光部材211を隣り合う光源100の間で区切る反射層231が、第1導光部材211の上面又は下面に近い位置に設けられていないことで、光の一部が反射層231で区画された範囲を超えて広がることができる。これにより、第1変形例は、隣り合う光源100同士の間の明暗の差を目立たせないようにすることができる。また、第1変形例は、第1導光部材211の上面又は下面に向かって反射層231の幅を調節することで、反射層231付近の明るさを調節することができる。
【0072】
図9Bに概略を示す第1導光部材の第2変形例に係る面状発光装置1002Aでは、反射層232は、断面形状が矩形状であり、第1導光部材212の下面から上面まで等幅で設けられている。また、反射層232は、隣り合う第1導光部材212との間に間隙240を有している。
反射層232を有する第1導光部材212は、例えば、反射層を設けていない第1導光部材を、それぞれが1つの光源100を含むように同じ大きさに個片化し、個片化した第1導光部材の外周面に反射層の材料を塗布することによって形成することができる。
第1導光部材の第2変形例は、隣り合う反射層232の間に間隙240を有することで、隣り合う光源100の間で反射層232が2層となり、2層の間に空気層を有することができる。これにより、第2変形例は、反射層232で区画された範囲を超える光の広がりをより強く抑制することができる。
【0073】
図9Cに概略を示す第1導光部材の第3変形例に係る面状発光装置1003Aでは、反射層233は、断面形状が矩形状であり、第1導光部材213の下面から上面まで等幅で設けられている。
反射層233を有する第1導光部材213は、例えば、第2変形例と同様に、反射層を設けていない第1導光部材を、それぞれが1つの光源100を含むように同じ大きさに個片化し、個片化した第1導光部材を予め格子状に形成した反射層233の格子に嵌め込むことで形成することができる。
第1導光部材の第3変形例は、第1導光部材213と反射層233とを別々に形成することで、それぞれ表面を有する第1導光部材213と反射層233と対面させることができる。これにより、第3変形例は、第1導光部材213と反射層233との境界における反射率を高めることができ、光の広がりの抑制と共に、光取出し効率の向上を図ることができる。
【0074】
なお、第1導光部材の第1乃至第3変形例において、光源100を囲む開口部250は、第1導光部材210と同様に形成している。また、第1乃至第3変形例は、第2実施形態に係る面状発光装置においても、同様に適用することができる。
【0075】
次に、第2実施形態に係る面状発光装置1000Bを、図10を参照しながら説明する。図10は、面状発光装置1000Bの一部を例示する概略断面図である。面状発光装置1000Bは、すでに説明した面状発光装置1000Aと同様に、配線基板1に光源100を並べて面状に発光するようにした装置である。面状発光装置1000Bでは、配線基板1の第1面10Aと第2面10Bとが表裏反転して用いられる。
面状発光装置1000Bは、配線基板1と、配線基板1における絶縁性樹脂10の第1面10A側に配置されると共に第2導電性ペースト42を覆う光反射部材300Bと、絶縁性樹脂10の第1面10A側に配置されている、発光素子110を含む光源100と、光源100及び光反射部材300Bを覆う導光部材200と、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に配置されている光調整部材400と、を有する。
【0076】
ここでは、面状発光装置1000Bのための配線基板1を配線基板1Bとし、面状発光装置1000Aと異なる点について説明する。
面状発光装置1000Bは、光源100及び光反射部材300Bの配置と、光源100の接続に係る構成とが面状発光装置1000Aと異なっている。なお、配線基板1Bにおける電極25Bの間隔は、配線基板1Aにおける電極25Aの間隔よりも大きい。
【0077】
(光源及び光反射部材の配置)
面状発光装置1000Bにおいて、光源100及び光反射部材300Bは、配線基板1Bにおける絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置されている。光反射部材300Bは、光源100と配線基板1Bとの間に介在するように配置されている。また、光反射部材300Bは、図10の破線で示すように、第2穴52に充填された第1導電性ペースト41と、第1面10Aに配置されている第2導電性ペースト42とを覆っている。光反射部材300Bの反射率や材料は、光反射部材300Aと同様である。
【0078】
(光源の接続)
光源100の一対の素子電極130は、光反射部材300B及び配線基板1Bを貫通して設けられている接続部材600を介して、配線基板1Bの金属部材20に接続されている。接続部材600は、金属部材20の表面まで延在し、金属部材20の表面と接続される領域550を有している。
なお、導光部材200及び光調整部材400については、面状発光装置1000Aと共通するため、説明を省略する。
【0079】
上記のような構成を備える面状発光装置1000Bは、配線基板1Bにおける絶縁性樹脂10の第1面10A側に発光素子110を含む光源100が配置され、絶縁性樹脂10の第1面10A及び第2導電性ペースト42を覆う光反射部材300Bを有することで、第2導電性ペースト42による光の吸収を抑えることができる。また、光源100及び光反射部材300Bを覆う導光部材200を有することで、光源100の光を効率よく取り出すことができる。また、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に配置されている光調整部材400を有することで、面状発光装置1000Bの光取出面における光源100の直上の光を弱めることができ、光取出面の輝度を均一に近づけることができる。
【0080】
次に、第2実施形態に係る面状発光装置の製造方法S100Bを図11乃至図12Hを参照して説明する。図11は、面状発光装置の製造方法S100Bのフローチャートである。図12A乃至図12Hは、面状発光装置の製造方法S100Bを模式的に示す概略断面図である。
面状発光装置の製造方法S100Bは、配線基板の製造方法S10によって配線基板1Bを製造する工程S110と、配線基板1Bにおける絶縁性樹脂10の第1面10A側に配置されると共に第2導電性ペーストを覆うように光反射部材を配置する工程S131Bと、絶縁性樹脂10の第1面10A側に、発光素子110を含む光源100を配置する工程S121Bと、光源100及び光反射部材300Bを覆うように導光部材200を配置する工程S140と、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に、光調整部材400を配置する工程S150と、を含む。また、ここでは、面状発光装置の製造方法S100Bは、貫通穴510を形成する工程S132Bと、接続部材600を配置する工程S122Bとを備えている。なお、導光部材200を配置する工程S140及び光調整部材400を配置する工程S150は、面状発光装置の製造方法S100Aと説明が重複するため省略する。
【0081】
(配線基板を製造する工程)
配線基板を製造する工程S110は、配線基板の製造方法S10によって配線基板1Bを製造する工程である。図12Aでは、絶縁性樹脂10の第1面10A側を図における上面としている。ここでは、電極25Bの間隔は、配線基板1Aよりも大きい間隔G1Bである。配線基板1Bは、第1導電性ペースト41及び第2導電性ペースト42が配置されているが、図12A乃至図12Hにおける断面には示していない。
【0082】
(光反射部材を配置する工程)
光反射部材を配置する工程S131Bは、絶縁性樹脂10の第1面10A及び第2導電性ペースト42を覆うように光反射部材300Bを配置する工程である。この工程S131Bでは、光反射部材300Bは、光源100を囲む開口部は形成されていない。この工程S131Bでは、光反射部材300Bは、配線基板1Bの全面を覆うように配置することができる。この工程S131Bでは、光反射部材300Bは、図12B乃至図12Gに図示されていない位置で、第2穴52に充填された第1導電性ペースト41と、第1面10Aに配置されている第2導電性ペースト42とを覆っている。
光反射部材300Bの上面及び下面には、光反射部材300Aと同様に接着シートが貼付されている。また、光反射部材300Bの図における上面は、粘着性を有している。この粘着性によって、後記する光源を配置する工程S121Bにおいて、一対の素子電極130を保持し、光源100を固定することができる。なお、光反射部材300Bは、接着シートを使用せずに、接着剤を塗布して配置してもよい。光反射部材300Bは、貼合の後、加熱しながら配線基板1Bの方向に加圧される。これにより、光反射部材300Bは、配線基板1Bに対面していない上面側の表面が流動性を有する状態となり、続く工程における穴開け加工や光源の配置を行い易くなる。
【0083】
(貫通穴を形成する工程)
貫通穴を形成する工程S132Bは、光反射部材300B及び配線基板1Bを貫通する貫通穴510を形成する工程である。この工程S132Bでは、貫通穴510は、後の工程で配置される光源100の一対の素子電極130に対面する位置に、光反射部材300B及び絶縁性樹脂10を貫通して形成する。貫通穴510の絶縁性樹脂10の第2面10B側の開口部に接するように、電極25Bが位置している。
貫通穴を形成する工程S132Bでは、貫通穴510の形成は、光反射部材300B側から行ってもよく、第1接着層11の第2面11B側から行ってもよい。貫通穴510は、レーザ加工又はドリル加工することによって形成することができる。
【0084】
(光源を配置する工程)
光源を配置する工程S121Bは、光反射部材300Bに光源100を配置する工程である。この工程S121Bでは、一対の素子電極130が、貫通穴510に対面するように光源100を配置する。この工程S121Bでは、間隔G1Bは、例えば、2つの貫通穴510によって隔てられる間隔とすることができる。なお、上記したように、光反射部材300Bの図における上面は、粘着性を有しており、接続部材を配置する工程S122Bにおいて、接続部材600によって接続されるまでの間、光源100を固定することができる。
【0085】
(接続部材を配置する工程)
接続部材を配置する工程S122Bは、貫通穴510に接続部材600を充填し、電極25Bの表面に配置する工程である。この工程S122Bでは、接続部材600は、貫通穴510に充填され、一対の素子電極130と電極25Bとを接続する。
接続部材を配置する工程S122Bでは、接続部材600は、貫通穴510を充填した後、さらに電極25Bの表面に延在するように配置する。接続部材を配置する工程S122Bは、接続部材600が電極25Bの表面と接続される領域550を有することで、電気的接続を確実にすることができる。接続部材600の材料は、第1導電性ペースト41又は第2導電性ペースト42と同じ材料や、はんだを用いることができる。
【0086】
上記のような構成を備える面状発光装置の製造方法S100Bは、配線基板の製造方法S10によって配線基板の製造時間及び工程数の低減を図ることができる。また、絶縁性樹脂10の第1面10A及び第2導電性ペースト42を覆うように光反射部材300Bを配置し、絶縁性樹脂10の第1面10A側に光源100を配置することで、光源100のより近くに光反射部材300Bを配置することができ、光取出し効率の向上を図ることができる。
また、面状発光装置の製造方法S100Bは、光源100及び光反射部材300Bを覆うように導光部材200を配置し、平面視において、導光部材200の表面における光源100と重なる位置に、光調整部材400を配置することで、部材の増加を抑えながら、面状発光装置の製造時間及び工程数をさらに低減することができる。
【0087】
〈配線基板の変形例〉
次に、変形例に係る配線基板1Cを、図13を参照しながら説明する。図13は、変形例に係る配線基板を例示する概略断面図である。
【0088】
配線基板1Cは、第1面10A及び第1面10Aの反対側の第2面10Bを有する絶縁性樹脂10と、絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置される第2接着層12と、絶縁性樹脂10の第2面10Bに配置される第1接着層11と、第1接着層11の絶縁性樹脂10側の面と反対側の面に配置される金属部材20と、を有する基板30Aと、基板30Aに配置される第1導電性ペースト41と、基板30Aに配置される第2導電性ペースト42と、を有している。
配線基板1Cは、金属部材20を貫通して第1穴51が形成されており、第1穴51に対向する位置に、第2接着層12と絶縁性樹脂10と第1接着層11とを貫通する、最大径が第1穴51よりも小さい第2穴52が形成されている。第1導電性ペースト41は、第1穴51と第2穴52とを繋ぐように配置され、第2導電性ペースト42は、配置された第1導電性ペースト41に接続する配線となるように第2接着層12の絶縁性樹脂10側の面と反対側の面に配置されている。
以下、配線基板1と主に異なる事項について説明する。
【0089】
配線基板1Cは、絶縁性樹脂10の第1面10Aに第2接着層12が配置されている。そして、第2穴52が第2接着層12と絶縁性樹脂10と第1接着層11とを貫通して形成されている。さらに、第2導電性ペースト42が、第2接着層12の第1面12Aに配置されている。
【0090】
第2接着層12は、絶縁性樹脂10と第2導電性ペースト42とを接着する絶縁性の部材である。第2接着層12は、第1面12A及び第1面12Aの反対側の第2面12Bを有し、第2面12Bが絶縁性樹脂10の第1面10Aに対面して配置されている。第2接着層12の材料や構造、厚さは、例えば、第1接着層11同様とすることができる。なお、第2接着層12の材料や構造、厚さは特に限定されない。
配線基板1Cは、第2穴52の内側面52Aが、第2接着層12の第1面12Aから第1接着層11の第2面11Bに近づくほど小さくなるように傾斜している。
【0091】
次に、変形例に係る配線基板1Cの製造方法を図14A乃至図14Eを参照しながら説明する。なお、適宜、図3を参照する。図14A乃至図14Eは、配線基板1Cの製造方法を模式的に示す概略断面図である。
【0092】
配線基板1Cの製造方法は、第1面10A及び第1面10Aの反対側の第2面10Bを有する絶縁性樹脂10と、絶縁性樹脂10の第1面10Aに配置される第2接着層12と、絶縁性樹脂10の第2面10Bに配置される第1接着層11と、第1接着層11の絶縁性樹脂10側の面と反対側の面に配置される金属部材20と、を有する基板30Aを準備する工程と、金属部材20に、金属部材20を貫通する第1穴51を形成する工程と、第2接着層12側から、第1穴51に対向する位置に、レーザ光L1を照射することにより、第2接着層12と絶縁性樹脂10と第1接着層11とを貫通する、最大径が第1穴51よりも小さい第2穴52を形成する工程と、第1穴51と第2穴52とを繋ぐように第1導電性ペースト41トを配置する工程と、配置した第1導電性ペースト41に接続する配線となるように第2接着層12の絶縁性樹脂10側の面と反対側の面に第2導電性ペースト42を配置する工程と、を含む。
以下、配線基板1の製造方法と主に異なる事項について説明する。
【0093】
配線基板1Cの製造方法は、基板を準備する工程において、第2接着層12と、絶縁性樹脂10と、第1接着層11と、金属部材20と、をこの順に有する基板30Aを準備する。また、配線基板1Cの製造方法は、第2穴を形成する工程において、第2接着層12側からレーザ光L1を照射することにより、第2接着層12と絶縁性樹脂10と第1接着層11とを貫通する第2穴52を形成する。また、配線基板1Cの製造方法は、第2導電性ペーストを配置する工程において、第2接着層12の第1面12Aに第2導電性ペースト42を配置する。
このように、配線基板1Cの製造方法は、レーザ光L1を照射する側である絶縁性樹脂10の第1面10Aに第2接着層12が配置されているため、ドロス80の発生を抑制することができる。
【0094】
〈面状発光装置の変形例〉
次に、変形例1に係る面状発光装置1000C及び変形例2に係る面状発光装置1000Dを、図15図16を参照しながら説明する。図15は、変形例1に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。図16は、変形例2に係る面状発光装置を例示する概略断面図である。
【0095】
面状発光装置1000Cは、配線基板1Cを用いたこと以外は、面状発光装置1000Aと同様である。すなわち、面状発光装置1000Cは、絶縁性樹脂10の第1面10Aに第2接着層12が配置されている。
面状発光装置1000Dは、配線基板1Cを用いたこと以外は、面状発光装置1000Bと同様である。すなわち、面状発光装置1000Cは、絶縁性樹脂10の第1面10Aに第2接着層12が配置されている。そして、第2接着層12の第1面12Aに光反射部材300Bが配置されている。
面状発光装置1000Cの製造方法は、配線基板1Cを用いたこと以外は、面状発光装置1000Aの製造方法と同様である。面状発光装置1000Dの製造方法は、配線基板1Cを用いたこと以外は、面状発光装置1000Bの製造方法と同様である。
【符号の説明】
【0096】
1 配線基板
1A 配線基板(第1実施形態の面状発光装置)
1B 配線基板(第2実施形態の面状発光装置)
1C 配線基板(変形例の面状発光装置)
10 絶縁性樹脂
10A 第1面(絶縁性樹脂)
10B 第2面絶縁性樹脂)
11 第1接着層
11A 第1面(第1接着層)
11B 第2面(第1接着層)
12 第2接着層
12A 第1面(第2接着層)
12B 第2面(第2接着層)
20 金属部材
21 防錆層
22 接続パッド部
25A 電極
30 基板
30A 基板
41 第1導電性ペースト
42 第2導電性ペースト
44 穴外周辺部
45 凹部
46 凸部
50 ビア接続部
51 第1穴
51A 内側面(第1穴)
52 第2穴
52A 内側面(第2穴)
80 ドロス
100 光源
110 発光素子
120 透光性部材
130 素子電極
200 導光部材
210 第1導光部材
220 第2導光部材
250 開口部(第1導光部材)
300A 光反射部材
300B 光反射部材
350A 開口部(光反射部材)
400 光調整部材
600 接続部材
1000A 面状発光装置
1000B 面状発光装置
1000C 面状発光装置
1000D 面状発光装置
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15
図16