(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】半導体装置及びクリーンルーム内の化学ガス汚染物質を測定するためのポータブルディスク
(51)【国際特許分類】
G01N 33/00 20060101AFI20231206BHJP
H01L 21/673 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G01N33/00 C
H01L21/68 T
(21)【出願番号】P 2022575198
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(86)【国際出願番号】 US2021036356
(87)【国際公開番号】W WO2021252463
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-03-16
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ホルヤンナヴァール, デヴェンドラ チャンナッパ
(72)【発明者】
【氏名】フルゼク, ディーン シー.
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドライア, アルンクマール
(72)【発明者】
【氏名】ハジェンズ, ジェフリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ナラ, シヴァラージ マンジュナート
(72)【発明者】
【氏名】ロイター, ポール ビー.
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-526814(JP,A)
【文献】特表2007-528615(JP,A)
【文献】特表2007-536726(JP,A)
【文献】特開2011-151399(JP,A)
【文献】特表2013-539914(JP,A)
【文献】国際公開第2020/005431(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/00
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器ディスクであって、
下部ディスク及び上部カバーを備えるディスク本体であって、前記上部カバーは第1の開孔と、
前記第1の開孔に近接して位置付けられた第2の開孔と、前記下部ディスクに取り付けられた側壁とを備える、ディスク本体、
前記ディスク本体の内部に配置されたプリント回路基板(PCB)、
前記PCBに配置され、前記上部カバー内の前記第1の開孔を介して外部環境に曝露されるように配置されたセンサであって、化学ガス汚染物質のレベルを検出し、前記化学ガス汚染物質の検出されたレベルに基いて検出信号を出力するように適合されたセンサ、
前記第2の開孔の下方で前記PCBに配置された軸流ファンであって、前記センサを横切って空気を移動させるようになっている軸流ファン、
前記ディスク本体の前記内部に配置され、前記センサに結合されたマイクロコントローラであって、前記検出信号内に具現化された前記化学ガス汚染物質の前記検出されたレベルから測定データを生成するように適合されたマイクロコントローラ、並びに
前記ディスク本体の前記内部に配置され、前記マイクロコントローラに結合された無線通信回路であって、前記測定データを無線アクセスポイントデバイスに無線で送信するように適合された無線通信回路を備える、検出器ディスク。
【請求項2】
前記センサは、空気中の分子汚染物質又は揮発性有機化合物のうちの少なくとも一方の粒子の百万分率で前記化学ガス汚染物質のレベルを検出するように適合されている、請求項1に記載の検出器ディスク。
【請求項3】
前記センサは、固体センサであり、前記固体センサは、
10秒以内に前記化学ガス汚染物質の前記レベルの濃度の50パーセントを測定し、
30秒以内に前記化学ガス汚染物質の前記レベルの前記濃度の90パーセントを測定するようになっている、請求項1に記載の検出器ディスク。
【請求項4】
前記下部ディスクは基板を備え、前記側壁は
前記PCBを取り囲み、前記側壁は、前記PCBに取り付けられたコネクタインターフェースへのアクセスを提供するための少なくとも1つの開口部を備える、請求項1に記載の検出器ディスク。
【請求項5】
前記センサを前記PCBに結合するシリアル通信インターフェースであって、前記検出信号を前記センサから前記PCBに送信するためのシリアル通信インターフェースを更に備え、前記シリアル通信インターフェースは、シリアルペリフェラルインターフェース又は集積回路間インターフェースのうちの1つである、請求項1に記載の検出器ディスク。
【請求項6】
前記PCBは、前記第2の開孔の下方に配置された第3の開孔を備え、前記軸流ファンは、前記第2の開孔と前記第3の開孔との間で前記PCBに配置されて、前記センサを横切って空気を移動させ、前記第2の開孔を通って入り、前記PCBの前記第3の開孔を通って出るように、空気を移動させる、請求項
1に記載の検出器ディスク。
【請求項7】
前記上部カバーは一組の第1の開孔を備え、前記一組の第1の開孔は前記第1の開孔を含み、前記検出器ディスクは、前記PCBに配置された一組のセンサを更に備え、前記一組のセンサは前記センサを含み、前記一組のセンサの各センサは、前記一組の第1の開孔のうちの1つに近接して配置されている、請求項1に記載の検出器ディスク。
【請求項8】
前記上部カバーは、前記一組の第1の開孔に近接した一組の第2の開孔を備え、前記PCBは、前記一組の第2の開孔の下方に配置された一組の第3の開孔を備え、前記検出器ディスクは、前記一組の第2の開孔と前記一組の第3の開孔との間で前記PCBに配置された一組の軸流ファンを更に備え、前記一組の軸流ファンは、前記一組のセンサを横切って空気を移動させるようになっている、請求項
7に記載の検出器ディスク。
【請求項9】
前記センサ、前記マイクロコントローラ、及び前記無線通信回路が
前記PCBに配置さ
れ、前記検出器ディスクは、
前記PCBに配置されたメモリカードであって、前記測定データを記憶するためのメモリカード、
前記PCBに配置されたバッテリ、並びに
前記バッテリに結合された電力マネージャであって、前記バッテリの電圧源を、少なくとも前記マイクロコントローラ、前記センサ、及び前記メモリカードに給電するのに十分な電力レベルに変換するための昇圧コンバータを備える、電力マネージャを更に備える、請求項1に記載の検出器ディスク。
【請求項10】
前記ディスク本体の厚さが、6ミリメートル(mm)と9mmとの間であり、前記ディスク本体の直径が
、190mm
と320mm
との間である、請求項1に記載の検出器ディスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明の幾つかの実施形態は、広くは、半導体装置及び/又はクリーンルーム内の化学ガス汚染物質を測定するためのポータブルディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 長年、半導体装置、クリーンルーム、及び他のそのようなクリーン製造(「ファブ(fab)」)環境の主な焦点は、処理のために横たえられた薄膜に欠陥を引き起こすことが知られている空気からの機械的粒子を除去し、したがって、半導体製造デバイスにおける欠陥又はエラーの数を低減させることであった。より最近では、この焦点が、大気中分子汚染物質(AMC)及び揮発性有機化合物(VOC)と一般に呼ばれる化学ガス汚染物質の低減に広がっている。例えば、ファブは、ファブレベルで既にフィルタリングされた空気を、処理ツールレベルで更にフィルタリングするために、化学的プレフィルタを使用し始めている。プロセス製造業者は、微量の化学ガス汚染物質が製造環境の中にもたらされないことを確実にするために、減圧部品を洗浄するように製造プロセスを変更し始めている。これらは、安価な手段ではなく、これらの努力にもかかわらず、半導体処理システムツールの複雑さは、マルチステップのマルチツールプロセス基板が、高すぎる濃度の任意の数の化学ガス汚染物質に曝露され得る場所を特定することを困難にしている。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本明細書で説明される幾つかの実施形態は、下部ディスク及び上部カバーを備えるディスク本体を含む検出器ディスクを対象とする。上部カバーは、第1の開孔を備える。検出器ディスクは、ディスク本体によって形成された内部に配置されたプリント回路基板(PCB)を更に含んでよい。検出器ディスクは、PCBに配置され且つ上部カバー内の第1の開孔を介して外部環境に曝露されるように配置されたセンサを更に含んでよい。センサは、化学ガス汚染物質のレベルを検出し、化学ガス汚染物質の検出されたレベルに基づいて検出信号を出力するように適合されてよい。検出器ディスクは、PCBに配置され且つセンサに結合されたマイクロコントローラを更に含んでよい。マイクロコントローラは、検出信号内に具現化された化学ガス汚染物質の検出されたレベルから測定データを生成するように適合される。検出器ディスクは、PCBに配置された無線通信回路を更に含んでよい。無線通信回路は、測定データを無線アクセスポイントデバイスに無線で送信するように適合される。
【0004】
[0004] 他の実施形態では、検出器ディスクが、代わりに、基板ディスク及び基板ディスクの中央部分に配置されたプリント回路基板(PCB)を含む。検出器ディスクは、基板ディスクに取り付けられた収着管を更に含んでよい。収着管は、キャップされた第1の端部にある第1の開口部、及び第2の端部にある第2の開口部を備える。検出器ディスクは、基板ディスク又はPCBのうちの1つに配置された微小電気機械システム(MEMS)ポンプであって、周囲空気を収着管の中に押し込むために、収着管の第2の開口部に取り付けられた空気管を含む、MEMSポンプを更に含んでよい。MEMSポンプは、起動後に較正された時間の後で、自動的に遮断されるようになっている。検出器ディスクは、PCBに配置され且つMEMSポンプに結合されたマイクロコントローラを更に含んでよい。マイクロコントローラはポンプを起動させる。
【0005】
[0005] 例示的な複数の実施形態では、空気中の化学ガス汚染物質のレベルを検出するための検出器ディスクを使用するための方法が開示される。該方法は、第1のロボットによって、検出器ディスクを、保管場所からファクトリインターフェースを介して処理システムのロードロックの中に移動させることから始めてよい。検出器ディスクは、空気中の化学ガス汚染物質のレベルを検出するように適合されたセンサ、及びセンサに結合された無線通信回路を含んでよい。該方法は、第2のロボットによって、検出器ディスクを、ロードロックから移送チャンバを介して処理システムの処理チャンバの中に移動させることで継続してよい。該方法は、検出器ディスクのセンサを使用して、保管場所、ファクトリインターフェース、ロードロック、移送チャンバ、又は処理チャンバのうちの少なくとも1つ内の化学ガス汚染物質のレベルを検出することで継続してよい。該方法は、検出器ディスクの無線通信回路を用いて、測定データを無線アクセスポイント(WAP)デバイスに無線で送信することで継続してよい。その場合、測定データは、保管場所、ファクトリインターフェース、ロードロック、移送チャンバ、又は処理チャンバのうちの少なくとも1つ内の化学ガス汚染物質の検出されたレベルを示す情報を含む。
【0006】
[0006] 本開示は、例として示されており、限定するものではなく、添付の図面においては同様の参照番号が類似の要素を示している。本開示における「1つの(an)」又は「1つの(one)」実施形態に対する異なる言及は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0007] 本開示の複数の態様による例示的な処理システムの簡略化された上面図である。
【
図2A】[0008]
図2A~
図2Bは、本開示の複数の態様による検出器ディスクの上面斜視図である。
【
図2C】[0009]
図2C~
図2Dは、本開示の複数の態様による検出器ディスクの中心に沿った断面図である。
【
図2D】
図2C~
図2Dは、本開示の複数の態様による検出器ディスクの中心に沿った断面図である。
【
図2E】[0010] 本開示の複数の態様による検出器ディスクの分解斜視図である。
【
図3A】[0011] 本開示の複数の態様による化学ガス汚染物質を収集するために吸着管を採用する検出器ディスクの上面平面図である。
【
図3B】[0012] 本開示の一態様による吸着管である。
【
図4】[0013] 本開示の複数の態様による検出器ディスク用のホストプリント回路基板(PCB)のブロック概略図である。
【
図5】[0014] 本開示の複数の態様による、ホストPCBとセンサを含む送信器ボードとの間のシリアル通信インターフェースのブロック概略図である。
【
図6】[0015] 本開示の複数の態様による、検出信号を化学ガス汚染物質の検出されたレベルについての測定データに変換し、測定データを安全に送信するための方法を例示する概略ブロック図である。
【
図7】[0016] 本開示の様々な態様による、化学ガス汚染物質のレベルを検出するためのセンサを含む、検出器ディスクを使用するための方法のフローチャートである。
【
図8】[0017] 本開示の様々な態様による、化学ガス汚染物質のレベルを検出するための、吸着管を含む検出器ディスクを使用するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0018] 本開示の複数の実施形態は、半導体処理装置、製造、及びクリーンルーム環境内の化学ガス汚染物質のレベルを検出するための検出器ディスク及び関連する方法を提供する。化学ガス汚染物質は、異なる種類の空中浮遊分子汚染物質(AMC)及び/又は揮発性有機化合物(VOC)のレベルを含んでよい。開示される複数の実施形態は、基板用の保管場所内であれ、ロードロック若しくは他の中間ステーション、移送チャンバ、又は処理チャンバ内などであれ、処理チャンバシステムの知られた部分内で、これらの化学ガス汚染物質を検出するための方法を提供する。
【0009】
[0019] 様々な実施形態は、検出器ディスクが処理システムを通して任意の他の基板として移送され得る厚さ及び直径の検出器ディスクであってよく、又はそれを採用してよい。一実施形態では、検出器ディスクが、処理システム内で移送されている間に、種々の化学ガス汚染物質のレベル(例えば、下は100万分の2未満まで)を検出し、検出されたレベルに基づいて検出信号を出力するように適合された固体センサを含む。固体センサに結合されたマイクロコントローラは、検出信号内に具現化された化学ガス汚染物質の検出されたレベルから測定データを生成する。無線通信回路が、検出されたレベルを捕捉のために無線アクセスポイント(WAP)デバイスに無線で転送する。関連する複数の実施形態では、測定データが、後の抽出のために検出器ディスクのメモリ内に記憶され、したがって、幾つかの環境では無線機能を有さなくてよい。測定データは、処理システム内の検出器ディスクの位置と相関し、したがって、幾つか例を挙げると、保管場所、ファクトリインターフェース、ロードロック、移送チャンバ、又は処理チャンバ内で別々に、化学ガス汚染物質の検出されたレベルに関する情報を提供する。
【0010】
[0020] 代替的な一実施形態では、検出器ディスクが、代わりに、基板ディスクに取り付けられた1以上の吸着管を採用し、微小電気機械システム(MEMS)ポンプが、周囲空気を吸着管の中に押し込むように適合される。マイクロコントローラが、移動(又は何らかの他のトリガ)によりMEMSポンプを起動させ、起動後に較正された時間の後で、自動的に又は遮断信号に応じてMEMSポンプを遮断する。MEMSポンプの遮断は、周囲空気を収着管内に閉じ込める。それによって、検出器ディスクが処理システムから出て戻るように移送された後で、吸着管は、キャップされ、解析ラボに移送され得る。吸着管は、吸着管内の化学ガス汚染物質のレベルを特定するために、ガスクロマトグラフィーを使用して処理される。この実施形態は、より時間がかかるかもしれないが、収着管及びガスクロマトグラフィーの使用は、より正確な結果をもたらし得る。
【0011】
[0021] これらの及び同様な複数の実施形態は、ウエハなどの基板の半導体処理の分野において、幾つかの利点及び改善を提供する。これらの利点には、基板性能(例えば、歩留まり)の改善、及び歩留まりの増加による所有コストにおける改善が含まれる。基板製造性能は、例えば、周囲空気が、高過ぎるレベルの異なる種類の化学ガス汚染物質を有する場所を知り、これらのエリア又はツールにおける更なる化学ガス濾過を目標とすることにより、向上させることができる。更に、化学ガス汚染物質のレベルのモニタリングは、連続的であってよく、基板処理は、特定の半導体処理ツール又はファブエリアにおける特定の高レベル濃度を検出し、それに対処するために停止される必要がない。
【0012】
[0022]
図1は、本開示の一態様による、例示的な処理システム100の簡略化された上面図を示している。処理システム100は、複数の基板カセット102(例えば、前方開口型統一ポッド(FOUP)及び側面格納ポッド(SSP))が、基板(例えば、シリコンウエハなどのウエハ)を処理システム100の中に移送するために結合されてよい、ファクトリインターフェース91を含む。FOUP、SSP、及び他の基板カセットは、本明細書では、共に保管場所と呼ばれてよい。複数の実施形態では、基板カセット102のうちの1以上が、処理されるウエハに加えて又は替えて検出器ディスク110を含む。検出器ディスク110は、後述されるように、1以上の処理チャンバ107並びに他の区画及びチャンバ内の化学ガス汚染物質のレベルを検出するために使用されてよい。ファクトリインターフェース91はまた、以下で説明されるように、ウエハを移送するための同じ機能を使用して、検出器ディスク110を処理システム100の内外に移送してもよい。
【0013】
[0023] 処理システム100はまた、例えば、ガス抜きチャンバ及び/又はロードロックであってよい、それぞれのステーション104a、104bに、ファクトリインターフェース91を結合してよい、第1の減圧ポート103a、103bも含んでよい。第2の減圧ポート105a、105bが、それぞれのステーション104a、104bに結合されてよく、ステーション104a、104bと移送チャンバ106との間に配置されてよく、基板の移送チャンバ106の中への移送を容易にする。移送チャンバ106は、移送チャンバ106の周りに配置され且つそれに結合された複数の処理チャンバ107(プロセスチャンバとも呼ばれる)を含む。処理チャンバ107は、スリット弁などのそれぞれのポート108を介して、移送チャンバ106に結合される。
【0014】
[0024] 処理チャンバ107は、エッチングチャンバ、堆積チャンバ(原子層堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、又はそれらのプラズマ強化バージョンを含む)、アニールチャンバなどのうちの1以上を含んでよい。様々な実施形態では、ファクトリインターフェース91が、ファクトリインターフェースロボット111を含む。ファクトリインターフェースロボット111は、ロボットアームを含んでよく、2リンクSCARAロボット、3リンクSCARAロボット、4リンクSCARAロボットなどの、選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム(SCARA)ロボットであってよく、又はそれらを含んでもよい。ファクトリインターフェースロボット111は、ロボットアームの端部上にエンドエフェクタを含んでよい。エンドエフェクタは、ウエハなどの特定の物体を拾い上げて取り扱うように構成されてよい。代替的に、エンドエフェクタは、検出器ディスク110などの物体を取り扱うように構成されてもよい。ファクトリインターフェースロボット111は、基板カセット102(例えば、FOUP及び/又はSSP)とステーション104a、104bとの間で物体を移送するように構成されてよい。
【0015】
[0025] 移送チャンバ106は、移送チャンバロボット112を含む。移送チャンバロボット112は、ロボットアームの端部にエンドエフェクタを有するロボットアームを含んでよい。該エンドエフェクタは、ウエハ、縁部リング、リングキット、及び検出器ディスクなどのような特定の物体を取り扱うように構成されてよい。移送チャンバロボット112は、SCARAロボットであってよいが、幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット111よりも少ないリンク及び/又は少ない自由度を有してよい。
【0016】
[0026] コントローラ109は、処理システム100の様々な態様を制御してよく、無線アクセスポイント(WAP)デバイス129を含んでよく、又はそれに結合されてよい。WAPデバイス129は、無線技術、及び検出器ディスク110と通信するための1以上のアンテナを含んでよい。コントローラ109は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラム可能な論理制御装置(PLC)、マイクロコントローラなどの、計算デバイスであってよく及び/又はそれを含んでよい。コントローラ109は、マイクロプロセッサや中央処理装置などの1以上の処理デバイスを含んでよい。より具体的には、処理デバイスが、複雑命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又はその他の命令セットを実施するプロセッサ若しくは命令セットの組み合わせを実施するプロセッサであってよい。処理デバイスはまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの、1以上の専用処理デバイスであってもよい。
【0017】
[0027] 図示されていないが、コントローラ109は、データ記憶デバイス(例えば、1以上のディスクドライブ及び/若しくはソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、並びに/又は他の構成要素を含んでよい。コントローラ109は、本明細書で説明される方法及び/又は実施形態のうちの任意の1以上を実行するための命令を実行してよい。該命令は、メインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶装デバイス、及び/又は処理デバイスを含んでよい、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。例えば、コントローラ109は、種々の保管場所、ファクトリインターフェース91、ロードロック若しくはステーション、移送チャンバ106、又は処理チャンバ107のいずれか1つ内の化学ガス汚染物質の高レベルの検出に応じて、これらの処理ツールユニット又はチャンバのいずれか内に位置付けられた1以上の化学ガスフィルタを起動させる命令を実行してよい。
【0018】
[0028]
図2A~
図2Bは、本開示の複数の態様による検出器ディスク110の上面斜視図である。
図2C~
図2Dは、本開示の複数の態様による検出器ディスク110の中心に沿った断面図である。
図2Eは、本開示の複数の態様による検出器ディスク110の分解斜視図である。様々な実施形態では、これらの様々な図を参照すると、検出器ディスク110が、基板201と、基板201に取り付けられた、側壁204を有する上部カバー203と、を含むディスク本体を含む。代替的に、基板201は側壁を有してよく、上部カバーは、基板201の側壁上に配置される蓋であってもよい。一実施形態では、基板201が、基板201内に形成された凹部を含む。上部カバーは、凹部の上に配置されてよい。一実施形態では、ディスク本体が、6ミリメートル(mm)と9mmとの間の厚さであり、ディスク本体(例えば、基板201)の直径は、約190mmから320mmであり、並びに/又は、さもなければ処理システム100のスリット及び開孔を通過するようにサイズ決定される。
【0019】
[0029] 様々な実施形態では、検出器ディスクが、ディスク本体の内部、例えば、上部カバー203と基板201との間に配置されたプリント回路基板220を含む。側壁204は、PCB220をディスク本体内に囲い込んでよい。トグルオン/オフスイッチ213、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースコネクタ215、メモリカード217、バッテリ225、1以上のセンサ226、1以上の軸流ファン228、及びマイクロコントローラ230を含む、幾つかの電気部品が、ディスク本体の内側(例えば、PCB220上又は複合電子ボード(combination electronics board)上)に配置されてよい。1以上の軸流ファン228は、シール又はボンドを介してPCB220に配置されてよい。1以上の軸流ファン228は、空気の側部漏れなしに、1以上の軸流ファン228に直交する空気流を促進する。バッテリ225は、
図4を参照しながら説明される電力マネージャの支援を受けて電力を使用する電気部品に給電してよい。
【0020】
[0030] 開示される複数の実施形態では、マイクロコントローラ230が、コネクタ、メモリカード217、及び1以上のセンサ226を含む電気部品と相互作用するように適合されたコントローラである。マイクロコントローラ230は、プログラムされたプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の専用処理デバイスであってよい。マイクロコントローラ230は、センサ226が化学ガス汚染物質の濃度の特定のレベルを検出すると、センサ226から検出信号を受信するように適合されてよい。マイクロコントローラ230はまた、検出信号内に具現化された化学ガス汚染物質の検出されたレベルから、測定データを生成するように構成又はプログラムされてもよい。マイクロコントローラ230の機能及び能力は、
図4及び
図6を参照しながらより詳細に説明されることとなる。複数の実施形態では、センサ226が、固体センサ、光学デバイス、電気化学デバイス、電気デバイス、質量感受性デバイス、磁気デバイス、温度測定デバイス、又はそれらの組み合わせである。センサ226は、保管場所を含む、ファクトリインターフェース91の外側に位置付けられた空気内で較正され得る。較正することは、1以上のセンサ226によって検出される化学ガス汚染物質のレベルのベースラインを確立することを含んでよい。
【0021】
[0031] 幾つかの実施形態では、上部カバー203の側壁204が、少なくとも1つの開口部、例えば、トグルオン/オフスイッチ213が露出される第1の開口部204A、並びに、USBインターフェースコネクタ215及びメモリカード217が露出される第2の開口部204Bを含む。設計に応じて、更なる又はより少ない開口部が採用されてよい。メモリカード217は、取り外し可能であってよく、センサ226が検出可能な種々の化学ガス汚染物質の濃度のレベルを含む測定データを記憶するように適合されてよい。無線充電器235を設けてもよく、これは、検出器ディスク110を無線充電するように適合される。
【0022】
[0032] 一実施形態では、センサ226が、大気中の分子汚染物質又は揮発性有機化合物のうちの少なくとも一方の粒子の百万分率(ppm)で、例えば、下は2ppm未満まで且つ上は2000ppmまでの化学ガス汚染物質のレベルを検出するように適合されたマイクロ固体センサである。一実施形態では、マイクロ固体センサが、少なくとも23種類のそのような化学ガス(AMC及び/又はVOC)、例えば、アンモニア(NH3)、二酸化炭素(CO2)、塩素(Cl2)、シアン化水素(HCN)、二酸化硫黄(SO2)、及び他の多くを検出することができる。マイクロ固体センサは、幾つかの実施形態では、アンペロメトリック(amperometric)3電極先進固体技術を使用してよい。
【0023】
[0033] 様々な実施形態では、センサ226が、10秒以内に化学ガス汚染物質のレベルの濃度の50パーセントを測定し、30秒以内に化学ガス汚染物質のレベルの濃度の90パーセントを測定するように適合される。センサ226は、大きさが約12.5mm×11.5mm×9.5mm、又は様々な寸法がこの大きさの5~20%以内であってよく、したがって、複数のセンサがPCB220にフィットすることを可能にする大きさである(例えば、例として、4つのセンサが図示されている)。センサ226はまた、-20℃と+50℃との間の温度範囲で動作してもよいので、処理チャンバの環境に適応可能であってよい。
【0024】
[0034] 様々な実施形態では、上部カバー203が、そこを通して1以上のセンサ226の検出器表面が外部環境に曝露されてよい1以上の第1の開孔206を含む。上部カバー203はまた、第1の開孔206に近接した1以上の第2の開孔208を含んでもよく、これらを介して、1以上の軸流ファン228が、外部環境から空気を引くことができる。軸流ファン228は、第2の開孔208の下方で、PCB220に配置されてよい。それによって、軸流ファン228は、軸流ファン228に近接して配置されたセンサ226を横切って空気を移動させる。一実施形態では、PCB220は、1以上の軸流ファン228を上に配置するための1以上の第3の開孔222を含む。換言すれば、軸流ファン228は、第2の開孔と第3の開孔との間でPCB220に配置され、第2の開孔208を介して入り、PCB220の第3の開孔222を介して出る、センサ226を横切る空気を移動させる。
【0025】
[0035] 開示される複数の実施形態では、軸流ファン228が、このやり方で空気を移動させて、
図2Dで空気流の方向(矢印で示されている)によって示されるように、1以上のセンサ226による化学ガス汚染物質の検出に対する、空気流したがって感度を増加させる。マイクロコントローラ230は、空気流の力、したがって、センサ226の感度を変化させるために、例えばパルス幅変調(PWM)の使用を介して軸流ファン228の速度を制御してよい。
【0026】
[0036] 様々な実施形態では、上部カバー203が、一組の第1の開孔206(例えば、4つの第1の開孔)を含み、検出器ディスク110が、PCB220に配置された一組のセンサ226(例えば、4つのセンサ)を含む。一組のセンサの各センサは、一組の第1の開孔206のうちの1つの近傍に配置されてよい。関連する一実施形態では、上部カバー203が、一組の第1の開孔206に近接した一組の第2の開孔208(例えば、4つの第2の開孔)を含む。PCB220は、一組の第2の開孔208の下方に配置された一組の第3の開孔222(例えば、4つの第3の開孔)を更に含んでよい。検出器ディスク110は、一組の第2の開孔208と一組の第3の開孔222との間でPCB220に配置される一組の軸流ファン228を含んでよい。一組の軸流ファン228は、一組のセンサ226を横切って空気を移動させてよい。
【0027】
[0037]
図3Aは、本開示の複数の態様による、化学ガス汚染物質を収集するために吸着管326を採用する検出器ディスク310の上面平面図である。
図3Bは、本開示の一態様による吸着管326である。吸着管326は、いずれかの端部に封止キャップ375を有するガラス管371を含む。ガラス管371は、再現可能な結果のために非常に緊密な許容誤差で描かれている。ガラス管371は、指定された開口部サイズに容易に割ることができる精密に封止された先端部373と、汚染を防止し、ガラス管371を密封する封止キャップ375とを含む。ガラス管371の内部には、正確に制御された表面積、細孔サイズ、吸収特性、及びメッシュサイズを有する吸着層377が配置される。また、ガラス管371内には、試料破過(sample breakthrough)を検出するバックアップ吸着層379も配置される。吸着層377及び379は、ガラス管371内に均一な圧力降下を提供するために、フォームセパレータ381を含む。また、ガラス管371の内側には、これもまた均一な圧力降下を提供するために、正確な量の高純度ガラスウール383が配置される。
【0028】
[0038]
図3Aを引き続き参照すると、様々な実施形態では、検出器ディスク310が、基板ディスク301、及び任意選択的なプリント回路基板(PCB)320を含む。幾つかの実施形態では、検出器ディスク310が、例えば、クランプ327又は他のコネクタ(例えば、接着剤、結合剤、クリップ、磁石など)を使用して、基板ディスク301に取り付けられた1以上の吸着管326を含む。検出器ディスク310はまた、PCB320及びそれに配置された電子機器に給電するために、基板ディスク301に取り付けられたバッテリ325を含んでもよい。電子機器は、例えば、PCB320に配置されたトグルオン/オフスイッチ313、USBインターフェースコネクタ315、及びメモリカード317を含んでよい。マイクロコントローラ330が、基板ディスク301又はPCB320のうちの1つに配置されてよい。これらの構成要素は、
図2A~
図2Eの検出器ディスク110を参照しながら導入され説明されたものと同様である。
【0029】
[0039] 様々な実施形態では、電子機器が、PCB320に配置された1以上の微小電気機械システム(MEMS)ポンプ329を含む。代替的な一実施形態では、図示されていないが、MEMSポンプ329は、基板ディスク301に配置される。各MEMSポンプ329は、吸着管326の開口部に取り付けられた空気管331を含む。MEMSポンプ329は、周囲空気を、例えば、空気管331を介して、吸着管326の中に押し込むように適合され、起動後に較正された時間の後で、自動的に遮断されるようにプログラム又は構成されてよい。代替的に、MEMSポンプ329は、遮断信号(例えば、コントローラから無線受信されてよい)に応じて遮断されてもよく、又はセンサの読み値に応じて遮断されてもよい。例えば、センサは、収着管326の中に圧送されるガスの容積を検出してよく、MEMSポンプ329は、閾値を満たすガスの容積に応じて遮断されてもよい。様々な実施形態では、周囲空気が、保管場所、ファクトリインターフェース91、ロードロック104a若しくは104b、移送チャンバ106、又は基板処理システム100の処理チャンバ107のうちの1つ、のうちの少なくとも1つの周囲空気である。
【0030】
[0040] マイクロコントローラ330は、プログラムされたプロセッサ、FPGA、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他のコントローラであってよい。マイクロコントローラ330は、例えば、検出器ディスク301の移動の検出後、若しくは何らかの他のトリガの後に、MEMポンプ329を起動させるように構成されてよく、及び/又は、例えば、タイマのタイミングアウトに応じて、外部信号に応じて、センサからの測定値に応じて(例えば、収着管内に圧送されるガスの量を示す)、若しくは何らかの他の状態に応じて、MEMSポンプ329を遮断するように構成されてよい。
【0031】
[0041] 更なる実施形態では、検出器ディスク310が、基板ディスク301に取り付けられた少なくとも第2の吸着管を含み、第2の吸着管は、キャップされた第1の端部にある開口部、及びキャップされていない第2の端部にある第2の開口部を含む。第2のMEMSポンプが、PCB320に配置され、第2の吸着管の第2の開口部に取り付けられた第2の空気管を含み、周囲空気を第2の吸着管の中に押し込む。第2のMEMSポンプは、起動後に較正された時間の後で、自動的に遮断されるように適合されてよく、マイクロコントローラ330は、第2のMEMSポンプを起動させるために第2のMEMSポンプに更に結合される。
【0032】
[0042]
図4は、本開示の複数の態様による、検出器ディスク110又は310のためのホストプリント回路基板(PCB)420のブロック概略図である。したがって、ホストPCB420は、種々の実施形態では、PCB220又はPCB320であってもよく、プリント回路基板の組み合わせであってもよく、それらに配置された幾つかの同様な電気部品を有してもよい。例えば、ホストPCB420は、データを記憶するためのメモリカード417、送信器ボード426Aに配置されたセンサ426(例えば、固体センサ)、1以上の軸流ファン428、送信器ボード429Aに配置されたMEMSポンプ429、マイクロコントローラ430、無線通信回路440、及び電力マネージャ450を含んでよい。検出器ディスク110及び310と同様に、PCB420は、各々が独自の送信器ボード429Aにある複数のMEMSポンプ429、及び各々が独自の送信器ボード426Aにある複数のセンサ426を含んでもよい。1以上の軸流ファン428の各々は、センサ426のうちの1つに近接して、又はそれに隣接して配置されてよい。
【0033】
[0043] 様々な実施形態では、無線通信回路440が、
図6を参照しながらより詳細に説明されるように、検出信号(1以上のセンサ426から受信される)又は調整及び処理後の検出信号を含む測定データの一方又は両方を、例えばWAP129に無線で送信するように適合される。無線通信回路440及びWAP129、並びに他の無線対応デバイスは、WiFi(商標)AllianceのWiFi(商標)、Wireless USB(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、セキュアシェル(SSH)、インターネットオブシングス(IoT)ゲートウェイなどの、様々な通信規格又はプロトコルのうちの1以上を使用して通信してよい。
【0034】
[0044] 様々な実施形態では、MEMSポンプ429が配置されている送信器ボード429Aは、MEMSポンプ429とマイクロコントローラ430との間で信号を送信する。センサ426が配置されている送信器ボード426Aは、センサ426とマイクロコントローラ430との間で信号を送信してよい。
【0035】
[0045] 一実施形態では、測定データが、メモリカード417に記憶される。メモリカード417は、測定データを抽出するために、計算デバイスのメモリカードリーダなどの中に挿入されるように取り外し可能であってよい。
【0036】
[0046] 様々な実施形態では、電力マネージャ450が、バッテリ225又は325からの電力を、ホストPCB420に配置された電気部品のための適切な電力及び電流レベルに変換するように適合される。例えば、電力マネージャ450は、3.7ボルトバッテリ455を充電するための充電コントローラ452において5ボルトの電力供給を受け取る。第1の発光ダイオード(LED)453は、3.7ボルトバッテリ455が充電中であるかどうかを示してよく、第2のLED454は、充電済みであるときを示してよい。3.7ボルトは、PCB420、送信器ボード426A及び429A、並びに軸流ファン428などの、ホストPCB420に配置された構成要素のうちの幾つかにとって十分であってよい。
【0037】
[0047] これらの実施形態では、電力マネージャ450がまた、充電コントローラ452に結合された昇圧コンバータ456であって、少なくともマイクロコントローラ430、センサ426、及びメモリカード417に給電するのに十分なレベル(例えば、5ボルト)までバッテリの電圧源を昇圧するように適合された昇圧コンバータ456も含んでよい。第3のLED457は、バッテリ225又は325の低電力レベルを示してよく、第4のLED459は、検出器ディスク110又は310がオンであることを示してよい。電力マネージャ450はまた、ホストPCB420への電力をサイクルオン又はオフするために、オン/オフボタン458を含んでもよい。
【0038】
[0048]
図5は、本開示の複数の態様による、ホストPCB420とセンサ426を含む送信器ボード426Aとの間のシリアル通信インターフェース500のブロック概略図である。様々な実施形態では、シリアル通信インターフェース500が、集積回路間インターフェース(たとえば、I2C又はI
2C)、シリアル周辺インターフェース(SPI)、又は非同期シリアルインターフェースなどである。集積回路間(I
2C)プロトコルは、複数の「スレーブ」デジタル集積回路(「チップ」)が、1以上の「マスタ」チップと通信することを可能にするように意図されたプロトコルである。本開示では、マイクロコントローラ230、330、430が、そのようなマスタであってもよく、センサ226、426の各々は、そのようなスレーブであってもよい。代替的な複数の実施形態では、並列接続が使用される。
【0039】
[0049] シリアル通信インターフェース500は、Vcc/Vin電源ラインとシリアルクロックライン(SCL)との間の第1の抵抗器(R1)、及びVcc/Vin電源ラインとシリアルデータライン(SDA)との間の第2の抵抗器(R2)を含んでよい。シリアルクロックラインは、センサ426に入力されるクロック(C)であってもよく、シリアルデータラインは、センサ426に入力されるデータライン(S)であってもよい。汎用入/出力(GPIOx)ラインは、ホストPCB420からセンサ426に入力されるレシーバモード(R)であってもよい。別のGPIOx入力は、リセットスイッチ(RES)に接続する。このようにして、ホストPCB420は、マイクロコントローラ430を含むオンボード構成要素からのクロック信号、データ信号、モード信号、及びリセット信号を搬送することができる。複数の実施形態では、化学ガス汚染物質のレベルの検出信号は、ホストPCB420を介して、シリアルデータライン(SDA)を経由して、測定データへの変換のための更なる信号処理構成要素に送信されてよい。
【0040】
[0050]
図6は、本開示の複数の態様による、検出信号を、化学ガス汚染物質の検出されたレベルについての測定データに変換し、測定データを安全に送信するための方法600を例示する概略ブロック図である。様々な実施形態では、検出器ディスク110のマイクロコントローラ430が、メモリ602から命令を読み出し、後述されるように、信号変換を実行するための命令を実行することができる。マイクロコントローラ430は、例えば、ホストPCB420の接続を介して、センサ426によって生成された検出信号に対する制御を実行してよい。その場合、検出信号は、前述のように、化学ガス汚染物質の検出されたレベルを反映する。検出信号は、未処理の検出データと考えられてよい。
【0041】
[0051] 検出器ディスク110は、マイクロコントローラ430に搭載されているか又はホストPCB420の別個の処理構成要素である信号調整器607を更に含んでよい。信号調整器607は、検出信号を電力調整して、より長いフレックスケーブルを経由して転送することができる調整されたアナログ信号を生成してよい。
【0042】
[0052] 様々な実施形態では、マイクロコントローラ430が、ソフトウェア603(例えば、メモリ602から読み出されたソフトウェアコード又は命令)を実行して、調整されたアナログ信号を、ユーザ消費のために送信及び処理されてよい測定データに加工する。一実施形態では、メモリ602が、メモリカード217又は417である。別の一実施形態では、調整されたアナログ信号が、ソフトウェア処理を実行することができるコントローラ109(又は他のネットワークデバイス)などの別のデバイスに送信される。一実施形態では、マイクロコントローラ430が、調整された検出信号を、次いで測定され得るデジタル検出データに変換するために、アナログ‐デジタルコンバータ(ADC)を含む。例えば、マイクロコントローラ430は、アプリケーションアルゴリズム611を更に実行して、デジタル検出データを、化学ガス汚染物質の検出されたレベルの離散値(例えば、ppm単位)に関連付けられた測定データに変換することができる。
【0043】
[0053] マイクロコントローラ430が、ソフトウェア603を実行した後で、無線通信回路440は、測定データを、クラウドデータサーバ662A及び/又はウェブサーバ662Bに測定データを記憶するためのIoTゲートウェイとして働いてよい、インターネットオブシングス(IoT)デバイス660に送信してよい。コントローラ109(又は他のネットワーク対応計算デバイス)がソフトウェア603を実行する場合、コントローラ109(又は他のネットワーク対応計算デバイス)は、測定データをIoTデバイス660に送ってよい。IoTデバイス660は、クラウドデータサーバ662A及び/又はウェブサーバ662Bに記憶される測定データを送信するためのセキュアゲートウェイ又はルータを提供してよい。測定データは、クラウドデータサーバ662A及び/又はウェブサーバ662Bの一方又は両方に安全に記憶されてよく、処理デバイス609によってアクセスされてよい。代替的な一実施形態(破線で示されている)では、無線通信回路440が、測定データをクラウドデータサーバ662A又はウェブサーバ662Bに直接送信する。
【0044】
[0054] 様々な実施形態では、IoTデバイス660が、通信ユニット664を含んでよい。通信ユニット664は、例えば、トランシーバを含む。トランシーバは、クラウドデータサーバ662A及び/又はウェブサーバ662Bに測定データを記憶し、クラウドデータサーバ662A及び/又はウェブサーバ662Bから測定データを読み出すためのものである。IoTデバイス660は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)666を更に含んでよい。GUIを用いて、処理デバイス609は、人間がアクセス可能な形態にある測定データを受け取り、リビューするよう相互作用することができる。処理デバイス609は、クライアントデバイス、計算デバイス、モバイルデバイスなどであってよい。幾つかの実施形態では、処理デバイス609が、クラウドデータサーバ662A及び/又はウェブサーバ662Bからの測定データに直接アクセスすることができる。
【0045】
[0055] 様々な実施形態では、検出器ディスク110、コントローラ109、クラウドデータサーバ662A及び/又はウェブサーバ662Bと、処理デバイス609との間のネットワーク通信が、検証、認証、及び暗号化、又はそれらの組み合わせを含むように、セキュリティプロトコルを介して保護されてよい。一実施形態では、これらの装置の全てが、インターネット(又は他の広域ネットワーク)への外部接続を持たない単一のローカルエリアネットワーク(LAN)上に共存し、他のコンピュータネットワークから物理的に分離されることによって保護される。
【0046】
[0056]
図7は、本開示の様々な態様による、化学ガス汚染物質のレベルを検出するためのセンサを含む、検出器ディスクを使用するための方法のフローチャート700である。例えば、方法700は、ファクトリインターフェースロボット111(第1のロボット)及び移送チャンバロボット112(第2のロボット)と連動して、検出器ディスク110を使用して実施されてよい。
【0047】
[0057]
図7を参照すると、動作710では、第1のロボットが、検出器ディスク110を、処理システム100の保管場所からファクトリインターフェースを介してロードロックの中に移動させる。その場合、検出器ディスクは、空気中の化学ガス汚染物質のレベルを検出するように適合されたセンサ、及びセンサに結合された無線通信回路を含む。センサは、固体センサ又はマイクロ固体センサであってもよい。
【0048】
[0058] 動作720では、第2のロボットが、検出器ディスク110を、処理システムのロードロックから移送チャンバを介して処理チャンバの中に移動させる。動作730では、センサが、保管場所、ファクトリインターフェース、ロードロック、移送チャンバ、又は処理チャンバのうちの少なくとも1つ内の化学ガス汚染物質のレベルを検出する。
【0049】
[0059] 引き続き
図7を参照すると、検出器ディスク110は、検出器ディスクの無線通信回路を用いて、測定データを無線アクセスポイント(WAP)デバイスに無線で送信する。測定データは、保管場所、ファクトリインターフェース、ロードロック、移送チャンバ、又は処理チャンバのうちの少なくとも1つ内の化学ガス汚染物質の検出されたレベルを示す情報を含んでよい。
【0050】
[0060] 同様の又は対応する動作が、保管場所への戻り移動中に実行されてもよい。例えば、第2のロボットは、検出器ディスクを処理チャンバから移送チャンバを介して移動させ、処理システムのロードロックの中に戻すことができる。第1のロボットは、検出器ディスクをロードロックからファクトリインターフェースを介して移動させ、処理システムの保管場所の中に戻してよい。検出器ディスクのセンサは、検出器ディスクの保管場所への戻り移動中に、処理チャンバ、移送チャンバ、ロードロック、ファクトリインターフェース、又は保管場所のうちの少なくとも1つ内の化学ガス汚染物質のレベルを検出してよい。検出器ディスクの無線通信回路は、第2の測定データをWAPデバイスに無線で更に送信することができる。第2の測定データは、戻り移動中の処理チャンバ、移送チャンバ、ロードロック、ファクトリインターフェース、又は保管場所のうちの少なくとも1つ内の化学ガス汚染物質のレベルを示す情報を含んでよい。
【0051】
[0061]
図8は、本開示の様々な態様による、化学ガス汚染物質のレベルを検出するための、吸着管を含む検出器ディスクを使用するための方法800のフローチャートである。例えば、方法800は、ファクトリインターフェースロボット111(第1のロボット)及び移送チャンバロボット112(第2のロボット)と連動して、検出器ディスク310を使用して実施されてよい。
【0052】
[0062]
図8を参照すると、動作810では、第1のロボットが、検出器ディスク310を、処理システムの保管場所からファクトリインターフェースを介してロードロックの中に移動させる。その場合、検出器ディスクは、周囲空気中の化学ガス汚染物質を閉じ込めるように適合された収着管、及び周囲空気を収着管の中に押し込むように適合されたMEMSポンプを含む。
【0053】
[0063] 動作820では、マイクロコントローラ330のようなコントローラが、例えば、処理システム100を通る移動を検出すると、又はコマンド信号などの別のトリガに応じて、検出器ディスク310のMEMSポンプを起動させる。動作830では、第2のロボットが、検出器ディスク310を、処理システム100のロードロックから移送チャンバを介して処理チャンバの中へ移動させる。
【0054】
[0064] 動作840では、保管場所、ロードロック、ファクトリインターフェース、移送チャンバ、又は処理チャンバのうちの少なくとも1つの周囲空気を吸着管内に閉じ込めるための較正された時間の後に、コントローラがMEMSポンプを自動的に遮断する。検出器ディスク310は複数の吸着管を有するので、処理システム100の特定の部分又は領域に対して、周囲空気をそれぞれの吸着管内に隔離するために、これらの異なるツール位置の各1つ内で個別の吸着管を起動させてよい。
【0055】
[0065] 前述の記載は、本発明の幾つかの実施形態の良好な理解を提供するために、特定のシステム、構成要素、方法などの実施例などの多数の具体的な詳細を説明している。しかし、本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが、当業者には明らかであろう。他の事例では、本発明を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構成要素又は方法は、詳細に説明されないか、又は単純なブロック図形態で提示されている。したがって、説明された具体的な詳細は、単に例示的なものである。特定の複数の実施態様は、これらの例示的な詳細とは異なり、なおも本発明の範囲内にあると考えられてよい。
【0056】
[0066] 本明細書全体を通して、「1つの実施形態」又は「一実施形態」への参照は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所における「1つの実施形態では」又は「一実施形態では」という語句が現れても、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているわけではない。加えて、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することを意図している。「約」又は「およそ」という用語が本明細書で使用される場合、これは、提示される公称値が±10%以内で正確であることを意味することが意図される。
【0057】
[0067] 本明細書の方法の動作は、特定の順序で図示され説明されているが、特定の動作が逆の順序で実行され、特定の動作が他の動作と同時に少なくとも部分的に実行されるように、各方法の動作の順序が変更されてもよい。別の一実施形態では、別個の動作の命令又はサブ動作が、断続的及び/又は交互であってよい。一実施形態では、複数の金属接合動作が、単一のステップとして実行される。
【0058】
[0068] 上述の説明は、例示のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。上述の説明を読み、理解すれば、多くの他の実施形態が当業者に明らかになるだろう。したがって、本発明の範囲は、付随する特許請求の範囲、ならびに、かかる特許請求の範囲が権利付与される均等物の全範囲に関連して、定められるべきである。