(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】電子ユニット及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20231207BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231207BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20231207BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B41J29/00 T
G03G15/00 680
G03G21/16 109
G03G21/16 161
B41J29/00 C
B41J29/00 B
H04N1/00 350
H04N1/00 519
(21)【出願番号】P 2020046388
(22)【出願日】2020-03-17
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100182453
【氏名又は名称】野村 英明
(72)【発明者】
【氏名】勝山 悟朗
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-296781(JP,A)
【文献】特開2011-203371(JP,A)
【文献】特開2017-129811(JP,A)
【文献】特開2003-196748(JP,A)
【文献】特開2005-267503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 -29/42
G03G 15/00
G03G 21/16
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に設けられた操作部に接続可能な電子ユニットであって、
第1基板と、
当該電子ユニットと通信端末との間で行われる通信に用いられるアンテナを含む第2基板と、
前記第1基板
及び前記第2基板が収容
される
外側筐体部と、
を備え
、
前記アンテナを含む前記第2基板の少なくとも一部は、前記外側筐体部の内部において、前記第1基板と重ならないように配置される、
ことを特徴とする電子ユニット。
【請求項2】
前記第2基板が収容される第2筐体部を、前記第2基板の少なくとも一部が前記第1基板の裏側に重なるように前記外側筐体部内に装着可能な装着部と、
前記第2基板の接続端子と接続可能な前記第1基板の接続端子と、
前記第1基板の接続端子と前記第2基板の接続端子とを接続する接続線と、
を備える請求項1に記載の電子ユニット。
【請求項3】
前記第2基板を、その少なくとも一部が前記第1基板の裏側に重なるように前記外側筐体部内に別途筐体部を介することなく装着可能な装着部と、
前記第2基板の接続端子と接続可能な前記第1基板の接続端子と、
前記第1基板の接続端子と前記第2基板の接続端子とを接続する接続線と、
を備える請求項1に記載の電子ユニット。
【請求項4】
前記第2基板を、前記第2基板の少なくとも一部が前記第1基板の裏側に重なるように別途筐体部を介することなく前記外側筐体部内に装着可能な装着部と、
前記第2基板の接続端子と直接的に接続可能な前記第1基板の接続端子と、
を備える請求項1に記載の電子ユニット。
【請求項5】
前記操作部が前記画像形成装置に対して角度変更可能に構成される場合、
前記
外側筐体部は、
前記操作部に対する前記電子ユニットの接続時に前記電子ユニットをガイドする接続ガイド部と、前記操作部の接続端子と接続可能な接続端子
と、を有し
、
前記接続ガイド部及び前記接続端子は、前記外側筐体部の一の面において、前記操作部の一の面に対して同一方向に突出するように設けられる請求項1から4のいずれか1項に記載の電子ユニット。
【請求項6】
前記第1基板は、前記
外側筐体部の接続端子と接続線を介して接続される操作部用接続端子を有し、
前記操作部用接続端子は、前記第1基板の前記第2基板とは重ならない部分に配置される請求項5に記載の電子ユニット。
【請求項7】
前記接続線を介して前記第2基板の接続端子と接続される前記第1基板の接続端子は、前記第1基板の前記第2基板とは重ならない部分に配置される請求項
2又は
3に記載の電子ユニット。
【請求項8】
前記第2基板の接続端子と直接的に接続される前記第1基板の接続端子は、前記第1基板の前記第2基板が重なる部分に配置される請求項
4に記載の電子ユニット。
【請求項9】
前記
外側筐体部は、分離可能な表側筐体部と裏側筐体部とを有し、
前記第1基板は、前記表側筐体部に装着される請求項1から8のいずれかに記載の電子ユニット。
【請求項10】
前記第1基板は、前記第2基板よりも大きく形成されている請求項1から9のいずれかに記載の電子ユニット。
【請求項11】
前記第2基板の前記第1基板と重なる部分の面積は、前記第2基板の片面全体面積の半分以下である請求項1から10のいずれかに記載の電子ユニット。
【請求項12】
画像形成部と、
操作部と、
請求項1から11のいずれかに記載の電子ユニットと、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機などの画像形成装置においては、一般的に、装置を操作するための操作部が設けられている。
【0003】
このような操作部を備える画像形成装置として、例えば、特許文献1(特開2011-203371号公報)には、事後的に機能を拡張できるようにするため、操作部に対して追加ユニットを接続可能にした画像形成装置が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置においては、事後的に複数の機能を追加したいといった要望がある。斯かる要望に対応すべく、それぞれの機能を有する追加ユニットを操作部に対して個別に接続できるようにすると、追加ユニットの占有スペースが増大するため、省スペース化を図りにくいといった問題がある。一方で、省スペース化を図るために、テンキー基板などの第1基板と通信基板などの第2基板とを1つの筐体部内に収容すると、第2基板の通信感度が低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、画像形成装置に設けられた操作部に接続可能な電子ユニットであって、第1基板と、当該電子ユニットと通信端末との間で行われる通信に用いられるアンテナを含む第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板が収容される外側筐体部と、を備え、前記アンテナを含む前記第2基板の少なくとも一部は、前記外側筐体部の内部において、前記第1基板と重ならないように配置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第2基板の通信感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体図である。
【
図2】画像形成装置に設けられた操作部の図である。
【
図3】操作部に接続される電子ユニットの図である。
【
図5】操作部に対する電子ユニットの接続方法を示す図である。
【
図6】操作部に電子ユニットが接続された状態の画像形成装置の全体図である。
【
図8】電子ユニットの表側筐体部を裏側から見た図である。
【
図9】他の形態の無線通信部が装着された例を示す図である。
【
図10】別の形態の無線通信部が装着された例を示す図である。
【
図11】さらに別の形態の無線通信部が装着された例を示す図である。
【
図12】無線通信部が装着されない例を示す図である。
【
図13】通信基板のアンテナをテンキー基板と重ならないように配置した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0009】
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体図である。
【0010】
図1に示す画像形成装置1は、原稿搬送部2と、原稿搬送部2によって搬送される原稿の画像情報を読み取る画像読取部3と、画像読取部3で読み取られた画像情報あるいは外部端末から送信された画像情報に基づいてシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部4と、記録媒体を画像形成部4に供給する記録媒体供給部5と、画像が形成された記録媒体を外部に排出する記録媒体排出部6と、印刷指示や各種設定の入力等を行う操作部7とを備える複写機である。なお、本発明に係る画像形成装置は、複写機に限らず、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などであってもよい。また、画像が形成される記録媒体としては、用紙のほか、OHPシートなどを用いることも可能である。
【0011】
ここで、
図1において、矢印A方向を画像形成装置本体の正面側、これとは反対の矢印B方向を画像形成装置本体の背面側とすると、操作部7は、画像形成装置本体の正面側の上部に設けられている。操作部7は、液晶表示モジュールの上に感圧式又は静電式のシート状のタッチセンサが設けられた、いわゆるタッチパネル式の表示部8を有している。表示部8には、操作者が入力操作を行うための操作キー(文字や絵など)や、装置の稼働状態などが表示される。操作部7は、
図1に示すように表示部8が上方を向いた状態で固定されていてもよいし、ヒンジ機構などの角度変更機構を介して表示部8の向きを変更可能に構成されていてもよい。
【0012】
また、
図2に示すように、操作部7は、上記表示部8が設けられた矩形状の操作部筐体9を有している。操作部筐体9内には、表示部8の表示制御などを行う制御基板や、制御基板を保持する金属製の内部フレームが収容されている。また、
図2における操作部筐体9の右側面には、後述の電子ユニットの接続端子が挿入される端子挿入孔10と、電子ユニットの係止片が挿入される係止部挿入孔11と、電子ユニットのガイドロッドが挿入されるガイド孔12と、が設けられている。
【0013】
図3は、操作部7に接続される電子ユニット20の一実施形態を示す斜視図である。以下、電子ユニット20が操作部7に接続された際に、操作部7の表示部8が向く側と同じ側(
図3において矢印Z1で示す側100)を「表側」と称し、これとは反対側(
図3において矢印Z2で示す側200)を「裏側」と称する。また、操作部7に接続される面側(
図3において矢印X1で示す側300)を「接続側」と称し、これとは反対側(
図3において矢印X2で示す側400)を「反接続側」と称する。さらに、
図3において矢印Y1で示す側500を「手前側」と称し、これとは反対側(
図3において矢印Y2で示す側600)を「奥側」と称することにする。
【0014】
図3に示すように、電子ユニット20には、0~9の数字や「・」「+/-」などを入力するテンキーボタン(操作キー)31を有するテンキー入力部30と、近づけられた携帯電話機やスマートフォンなどの通信端末との間で情報の送信又は受信を行うための無線通信部40と、が設けられている。また、電子ユニット20は、矩形状の筐体部21を有している。この筐体部21の表側100の面には、テンキーボタン31と、通信端末を接近又は接触させる通信エリア41と、が設けられている。本実施形態では、使用頻度の高いテンキーボタン31が手前側500に配置され、通信エリア41はテンキーボタン31よりも奥側600に配置されている。無線通信部40としては、例えば、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)などの通信方式を用いて通信するもののほか、非接触式ICカード等の通信対象物との間で無線通信を行うものであってもよい。
【0015】
また、
図3に示すように、筐体部21の接続側300には、操作部7に対して電気的に接続可能な接続端子22と、操作部7に対して係止される係止部としての一対の係止片23と、接続ガイド部としての一対のガイドロッド24と、が設けられている。接続端子22、係止片23及びガイドロッド24は、いずれも筐体部21の接続側300の面から突出するように設けられている。中でも、ガイドロッド24は、接続端子22及び係止片23よりも長く突出している。
【0016】
図4は、電子ユニット20を裏側200から見た図である。
【0017】
図4に示すように、筐体部21の裏側200の面には、各係止片23の係止状態を解除するための係止解除部25が設けられている。係止解除部25は、係止片23に設けられた凸部であり、この凸部が筐体部21の裏側200の面から外部へ露出するように配置されている。作業者が指又は工具などを用いて露出する係止解除部(凸部)25を内側へ押し込むことにより、係止片23を弾性変形させ、その先端の爪部分を揺動させることができる。これにより、係止片23の係止状態を解除することができる。
【0018】
続いて、電子ユニット20を操作部7に接続する方法について説明する。
【0019】
電子ユニット20を操作部7に接続するには、
図5に示すように、電子ユニット20の各ガイドロッド24、各係止片23、接続端子22を、操作部7の各ガイド孔12、各係止部挿入孔11、端子挿入孔10にそれぞれ挿入する。最初に、各ガイドロッド24が各ガイド孔12に挿入されることにより、操作部7に対する電子ユニット20の位置決めがなされるため、その後の、各係止片23及び接続端子22の挿入が行いやすくなる。次いで、各係止片23及び接続端子22が各係止部挿入孔11及び端子挿入孔10に挿入されることにより、各係止片23が操作部7内の係止部に係止さると共に、接続端子22が操作部7内の接続端子に接続される。これにより、電子ユニット20は、操作部7に対して機械的に接続されると共に電気的にも接続される。
【0020】
また、電子ユニット20が操作部7に接続された状態では、各ガイドロッド24によって電子ユニット20が支持されることにより、電子ユニット20の接続状態を安定して保持することができる。特に、本実施形態では、一対のガイドロッド24が、これらの間に接続端子22及び一対の係止片23を有するように、互いに間隔を大きく確保して配置されているため、接続状態の電子ユニット20の姿勢をより一層安定させることが可能である。なお、各ガイドロッド24は、その剛性を確保するため、SUSなどの鉄系金属材料によって形成されることが好ましい。
【0021】
図6に、操作部7に電子ユニット20が接続された状態の画像形成装置1の全体図を示す。
【0022】
このように、操作部7に電子ユニット20が接続されることにより、使用者は、テンキー入力部30及び無線通信部40のそれぞれの機能を使用できるようになる。なお、操作部7から電子ユニット20を取り外す場合は、
図4に示す上記係止解除部25を押し込み、電子ユニット20の各係止片23の係止を解除した状態で、電子ユニット20を操作部7に対して接続方向とは反対方向に引き抜くことにより、電子ユニット20を取り外すことができる。
【0023】
続いて、電子ユニット20の内部構造について説明する。
【0024】
図7に示すように、本実施形態では、電子ユニット20の筐体部21が、樹脂などで構成された外側筐体部26と、外側筐体部26よりも剛性の高い金属材料などで構成された内側筐体部27と、を有している。内側筐体部27には、各ガイドロッド24が一体的に設けられている。
【0025】
さらに、外側筐体部26は、互いに分離可能な表側筐体部28と裏側筐体部29とを有している。表側筐体部28の表側100の面には、テンキーボタン31が設けられ、裏側筐体部29の裏側200側の面には、
図4に示す各係止解除部25が露出するように配置されている。
【0026】
また、電子ユニット20の筐体部21内には、テンキー入力部30を構成する部品の1つであるテンキー基板(第1基板)32と、無線通信部40を構成する部品の1つである通信基板(第2基板)42と、が収容されている。さらに、通信基板42は、通信ユニット筐体部43によって覆われている。この通信ユニット筐体部43は、テンキー基板32及び通信基板42の両方が収容される上記筐体部(第1筐体部)21とは別の筐体部(第2筐体部)である。すなわち、通信基板42は、通信ユニット筐体部43内に収容された状態で、さらに、電子ユニット20の筐体部21内に収容される構成となっている。
【0027】
テンキー基板32には、2つの接続端子33,34が設けられている。1つは、操作部7とテンキー基板32との電気的な接続を可能にする操作部用接続端子33であり、もう1つは、テンキー基板32と通信基板42との電気的な接続を可能にする基板間接続端子34である。操作部用接続端子33は、接続線51を介して筐体部21に設けられた接続端子22に接続され、基板間接続端子34は、別の接続線52を介して通信基板42に設けられた接続端子44に接続されている。
【0028】
図8は、表側筐体部28を裏側から見た電子ユニット20の分解図である。
【0029】
図8に示すように、表側筐体部28の裏面には、テンキー基板32及び通信ユニット筐体部43(通信基板42)が装着される。特に、通信ユニット筐体部43が装着される部分には、複数のリブ53が並んだ装着部50が設けられている。複数のリブ53のうち左右両端に設けられた各リブ53a,53bと、これらに直交するように奥側600に設けられたリブ53cは、他のリブ53よりも大きく突出している。このため、通信ユニット筐体部43が装着部50に装着された状態では、大きく突出する各リブ53a~53cが通信ユニット筐体部43の左右側面や奥側600の面に接触し、通信ユニット筐体部43の位置決めがなされる。また、装着部50に対する通信ユニット筐体部43の固定は、例えば、粘着剤を用いた貼り付けなどの方法で行うことが可能である。
【0030】
また、上記のように構成された装着部50に対しては、
図8に示すような通信基板42が通信ユニット筐体部43内に収容された無線通信部40に限らず、種々の形態の無線通信部40を装着することが可能である。以下、異なる形態の無線通信部40を装着する例について説明する。
【0031】
まず、
図9に示す例は、装着部50に対して、通信ユニット筐体部43を有しない無線通信部40が装着された例である。すなわち、この例では、通信基板42が、通信ユニット筐体部43によって覆われておらず、通信ユニット筐体部43を介することなく装着部50に装着された例である。この場合、通信基板42は、装着部50のリブ53に対して、粘着剤などにより固定される。
【0032】
次に、
図10に示す例は、装着部50に対して、
図8及び
図9に示す通信基板42Aよりも通信感度の高い小型の通信基板42Bが装着された例である。この場合も通信基板42Bは、
図9に示す例と同様、通信ユニット筐体部43によって覆われておらず、通信ユニット筐体部43を介することなく装着部50に装着されている。また、この場合も、通信基板42Bは、装着部50のリブ53に対して、粘着剤などにより固定される。
【0033】
続いて、
図11に示す例は、通信感度の高い小型の通信基板42Bと、テンキー基板32とが、それぞれに設けられた接続端子45,35同士の直接接続により接続された例である。この場合、通信基板42Bが装着部50に装着された状態で、通信基板42B及びテンキー基板32のそれぞれの接続端子45,35同士が直接的に接続される。このため、
図8などに示すような通信基板42とテンキー基板32とを繋ぐ接続線52は不要となる。また、この場合、接続端子45,35同士の機械的な接続によりテンキー基板32に対する通信基板42Bの位置決がなされるため、通信基板42Bを装着部50に貼り付けない態様にすることも可能である。また、位置決め信頼性をさらに向上させるため、通信基板42Bを装着部50に貼り付けてもよい。
【0034】
また、
図12に示すように、無線通信機能が不要な場合は、電子ユニット20内に無線通信部40(通信基板42)を設けないようにしてもよい。
【0035】
以上、電子ユニット20内に収容される無線通信部40の種々の形態について説明したが、本発明に係る電子ユニット20においては、テンキー基板32と通信基板42の両方を1つの筐体部21内に収容することにより、複数の機能を有する電子ユニット20の省スペース化を図っている。さらに、本発明に係る電子ユニット20においては、省スペース化の実現のため、上記
図8~
図11に示すいずれの態様においても、通信基板42が装着部50に装着された状態で、通信基板(第2基板)42の少なくとも一部が、テンキー基板(第1基板)32の裏側(
図8~
図11における上側)に重なるようにしている。このように、本発明に係る電子ユニット20においては、2つの基板32,42同士を重ねることにより、これらを重ねないで配置する場合よりも、各基板32,42が収容される筐体部21の大きさを小さくでき、省スペース化を実現することが可能である。
【0036】
また、通信基板42や通信ユニット筐体部43が、テンキー基板32の裏側に配置されるようにしていることにより、無線通信部40の増設作業を容易に行うことができる。すなわち、無線通信部40を後から追加したい場合は、
図8~
図11に示すように、表側筐体部28を裏側筐体部29から分離した状態で、通信基板42又は通信ユニット筐体部43を、すでに表側筐体部28に装着されているテンキー基板32の裏側から装着することができるので、テンキー基板32を取り外すことなく無線通信部40を増設することが可能である。
【0037】
また、上述の実施形態では、電子ユニット20の筐体部21内に収容されるテンキー基板32や通信基板42の形態に変更があったとしても、同じ形状の装着部50を備える共通の筐体部21を用いることができるので、仕様に合せて筐体部21を個別に設計する必要がなく、低コスト化を図れる。
【0038】
また、上述の実施形態では、テンキー基板32が通信基板42との電気的な接続を確保するための基板間接続端子34を有していることにより、操作部7に接続される電子ユニット20の接続端子を1つの接続端子22とすることができる。すなわち、テンキー基板32と通信基板42との間での電気的な接続を確保することにより、電子ユニット20の接続端子22が操作部7に対する両基板32,42の電気的な接続を確保する共通の(1つの)接続端子として機能する。これにより、電子ユニット20及び操作部7のそれぞれに、テンキー基板32と通信基板42のそれぞれに対応した複数の接続端子を設けなくてもよいので、低コスト化を図れる。
【0039】
また、
図8~
図10の各例に示すように、テンキー基板32の操作部用接続端子33及び基板間接続端子34は、いずれもテンキー基板32の通信基板42とは重ならない位置に配置されている。具体的に、
図8~
図10の各例では、操作部用接続端子33及び基板間接続端子34がテンキー基板32の中央部よりも手前側500に配置され、通信基板42はテンキー基板32の中央部よりも奥側600で重なっている。このように、操作部用接続端子33及び基板間接続端子34が、いずれもテンキー基板32の通信基板42とは重ならない位置に配置されていることにより、電子ユニット20を小型化(薄型化)することが可能である。すなわち、操作部用接続端子33及び基板間接続端子34が、通信基板42又は通信ユニット筐体部43と干渉しない位置に配置されているので、通信基板42又は通信ユニット筐体部43をテンキー基板32に対してより近づけて配置することができるようになり、電子ユニット20の厚さ方向(表裏方向)への小型化が可能となる。
【0040】
一方、
図11に示す例のように、テンキー基板32と通信基板42とが直接的に接続される接続端子35,45を介して接続される場合は、これらの接続端子35,45が、テンキー基板32の通信基板42とは重なる位置に配置されることが好ましい。具体的に、
図11に示す例では、各接続端子35,45が、テンキー基板32の中央部よりも奥側600の基板32,42同士が重なる部分に配置されている。このようにすることにより、接続線を介さないで接続端子同士を直接的に接続する構成を実現しやすくなる。
【0041】
上述の実施形態では、無線通信部40の増設作業を行いやすくするため、通信基板42をテンキー基板32よりも裏側に配置するようにしているが、その場合、通信端末が近づけられる面(表側の面)と通信基板42との間にテンキー基板32が位置するため、通信感度が影響を受ける可能性がある。特に、通信基板42に設けられたアンテナがテンキー基板32によって覆われている場合は、通信感度が低下する可能性がある。
【0042】
そのため、
図13に示す例のように、可能であれば、通信基板42のアンテナ46は、テンキー基板32に重ならないように配置されることが好ましい。アンテナ46は、その少なくとも一部がテンキー基板32に重ならないように配置されれば通信感度の向上を期待できるが、より好ましくは、
図13に示す例のように、アンテナ46の全体がテンキー基板32に重ならないように配置されているのがよい。また、通信基板42の通信感度を向上させるため、通信基板42のテンキー基板32と重なる部分の面積を、通信基板42の片面(表面又は裏面)の全体面積の半分以下となるようにしてもよい。また、通信感度を向上させるため、アンテナ46を二重に配置してもよい。なお、本実施形態では、テンキー基板32の方が通信基板42よりも大きく形成されているが、両基板32,42の大小関係はこれに限定されるものではない。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0044】
上述の実施形態では、
図3に示す電子ユニット20の左側を操作部7に接続される接続側300とし、これとは反対の右側を反接続側400としているが、これとは反対に電子ユニット20の右側を接続側としてもよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、電子ユニット20内に必ず収容される基板(第1基板)をテンキー基板32とし、電子ユニット20内に追加可能な基板(第2基板)を通信基板42としているが、電子ユニット20内に収容されるこれらの基板(第1基板及び第1基板)は、テンキー入力や無線通信以外の機能を有する基板であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 画像形成装置
4 画像形成部
7 操作部
20 電子ユニット
21 筐体部(第1筐体部)
22 接続端子
23 係止片(係止部)
24 ガイドロッド(接続ガイド部)
28 表側筐体部
29 裏側筐体部
32 テンキー基板(第1基板)
33 操作部用接続端子
34 基板間接続端子
35 接続端子
42 通信基板(第2基板)
43 通信ユニット筐体部(第2筐体部)
44 接続端子
45 接続端子
50 装着部
51 接続線
52 接続線
100 表側
200 裏側
300 接続側
400 反接続側
500 手前側
600 奥側
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】