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  • 特許-点眼剤容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】点眼剤容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/18 20060101AFI20231207BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B65D47/18
A61J1/05 313B
A61J1/05 315Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019229968
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021098520
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100155066
【弁理士】
【氏名又は名称】貞廣 知行
(72)【発明者】
【氏名】田中 良到
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 豊明
(72)【発明者】
【氏名】美尾 篤
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-329957(JP,A)
【文献】特開2018-111501(JP,A)
【文献】特開2019-064693(JP,A)
【文献】特開2014-073858(JP,A)
【文献】特開2012-224375(JP,A)
【文献】特開2019-064692(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0105333(US,A1)
【文献】実開昭60-129352(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44-35/54
B65D 39/00-55/16
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点眼剤が収容される収容部を有する容器本体と、前記容器本体の口部に装着される点眼剤容器用キャップとを備えることを特徴とする点眼剤容器であって、
前記口部の外周に装着される筒状部と、前記筒状部の外周に突出して形成されたフランジを有し、
前記収容部が円筒状またはテーパを有する円錐状であり、
前記フランジが前記収容部の外周から突出しており、
前記フランジは、前記筒状部の中心軸に垂直な面内における断面形状が3~10の辺を有する多角形状であり、前記筒状部の中心軸に沿った長さが1mm以上であることを特徴とする点眼剤容器
【請求項2】
前記筒状部の内面に、前記口部と結合するネジ部を有することを特徴とする請求項1に記載の点眼剤容器
【請求項3】
前記筒状部が円筒状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の点眼剤容器
【請求項4】
前記口部にノズルを有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の点眼剤容器。
【請求項5】
前記容器本体において点眼剤が収容される収容部が円筒状であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の点眼剤容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点眼剤容器用キャップ及び点眼剤容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、点眼剤を収容した点眼剤容器としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂製容器が広く用いられている。特許文献1には、樹脂成形品からなる容器本体を備えた点眼剤容器を、所定の積層フィルムに密封包装することが記載されている。容器本体は、点眼剤の収容部と、収容部から突出したノズル部とを備え、ノズル部を目に向けて収容部を手指で押圧することにより、点眼剤容器から点眼剤を点眼することができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-107322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
点眼剤容器は小型であること、点眼時に眼鏡等の視力補正器具を外す必要があること等から、特に高齢者が点眼する際には、取り扱いが難しい場合がある。特許文献1には、容器及びキャップが平型の点眼剤容器が開示されている。この場合、容器及びキャップの断面形状は略長方形状であるが、キャップの開閉や点眼等の使用時、あるいは保管などに際して、長辺側と短辺側を区別する必要があり、指先の機能が衰えている場合には取り扱いに不便である。容器及びキャップが円筒状である場合は、周方向の形状に異方性がないので、向きを区別することなく使用できる利点があるが、点眼剤容器が転がりやすいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、点眼剤容器に装着したときに、点眼剤容器の使用が容易で、かつ点眼剤容器を転がりにくくすることができる点眼剤容器用キャップ及び点眼剤容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、点眼剤が収容される容器本体の口部に装着される点眼剤容器用キャップであって、前記口部の外周に装着される筒状部と、前記筒状部の外周に突出して形成されたフランジを有し、前記フランジは、前記筒状部の中心軸に垂直な面内における断面形状が3~10の辺を有する多角形状であり、前記筒状部の中心軸に沿った長さが1mm以上であることを特徴とする点眼剤容器用キャップを提供する。
前記筒状部の内面に、前記口部と結合するネジ部を有してもよい。
前記筒状部が円筒状であってもよい。
【0007】
また、本発明は、点眼剤が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に装着される、前記点眼剤容器用キャップとを備えることを特徴とする点眼剤容器を提供する。
前記口部にノズルを有してもよい。
前記容器本体において点眼剤が収容される収容部が円筒状であり、前記フランジが前記収容部の外周から突出していてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の点眼剤容器用キャップによれば、点眼剤容器に装着したときに、点眼剤容器の使用が容易で、かつ点眼剤容器を転がりにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の点眼剤容器の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の点眼剤容器用キャップの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
【0011】
図1に、本実施形態の点眼剤容器の一例を示す。また、図2に、点眼剤容器用キャップの一例を示す。図2には、容器本体20における口部22及びノズル23の概略位置を二点鎖線で付記している。この点眼剤容器30は、点眼剤が収容される容器本体20と、容器本体20の口部22に装着されるキャップ10とを備える滴下容器からなる。
【0012】
容器本体20は、口部22からノズル23が突出する方向とは反対方向に、内容物が収容される収容部21を有する。内容物は、液体からなる内容物、又は液体を含む内容物である。図2では、一般的な静置状態として、ノズル23が上方に配置されている。点眼剤容器30を使用する際、ノズル23が下向き又は斜め下向きに配置される。また、点眼剤容器30の使用前後や保管などに際して、図1に示すように、点眼剤容器30が横向きになる場合がある。
【0013】
キャップ10は、口部22の先端側を覆う天面部11と、口部22の外周に装着される筒状部12と、筒状部12の外周に突出して形成されたフランジ13と、を有する。筒状部12の内面には、口部22と結合するネジ部14を有してもよい。この場合は、口部22の外面に雄ネジが形成され、筒状部12の内面に雌ネジとして、ネジ部14が形成される。筒状部12の中心軸に沿った長さ(筒状部12の高さ)は特に限定されないが、人の手指等の寸法を考慮して、例えば10~30mm程度が挙げられる。筒状部12の直径は特に限定されないが、例えば5~30mm程度が挙げられる。
【0014】
口部22には、点眼剤の滴下に用いられるノズル23が設けられている。このノズル23は、口部22と一体に成形されてもよい。口部22に装着される中栓にノズル23を設けて、口部22とは別体でノズル23付き中栓を成形してもよい。天面部11は、ノズル23を封止する嵌合部15を有することが好ましい。天面部11、筒状部12、フランジ13等は、樹脂等の成形材料を用いて、一体に成形することができる。
【0015】
フランジ13は、筒状部12の中心軸に垂直な面内における断面形状が3~10の辺を有する多角形状である。また、フランジ13は、筒状部12の中心軸に沿った長さ(高さ)が1mm以上である。これにより、フランジ13の外周には、多角形状の辺ごとに、筒状部12の中心軸に沿った長さ(高さ)に応じた平面部13aを有する。中心軸に沿ったフランジ13の長さ(高さ)の上限は特に限定されず、例えば10mm以上とすることも可能であるが、例えば、3mm、5mm、7mm、10mm程度が挙げられる。
【0016】
これにより、点眼剤容器30が、横向きになって転がろうとするとき、フランジ13の各辺における平面部13aが転動を制御し、転がりを抑制することができる。フランジ13の外表面は、微小な凹凸等を要することなく、平滑にしてもよい。これにより、フランジ13が外方に突出していても、身体、衣服等に刺激が少なく、手触りも良好となる。フランジ13が筒状部12の外周に突出しているため、筒状部12が円筒状であっても、キャップ10及び点眼剤容器30の回転は抑制される。また、筒状部12がテーパを有する円錐状であっても、同様の効果が奏される。ここで円錐状とは、天面部11が円錐の頂点となる場合に限らず、天面部11が小円状となる、いわゆる円錐台状であってもよい。
【0017】
フランジ13において、多角形状の頂点に相当する隅部13bは、フランジ13の外周に沿って丸みを帯びていてもよい。隅部13bを除いてフランジ13の周方向に沿った平面部13aの長さとしては、1mm以上が好ましく、3mm、5mm、7mm、10mm、12mm、15mm、20mm程度が挙げられる。フランジ13の周方向に沿った平面部13aの長さは、筒状部12の中心軸に沿ったフランジ13の長さ(高さ)以上であることが好ましい。
【0018】
筒状部12の外周には、ローレット等の凹凸12aを設けてもよい。これにより、筒状部12の外周をつまんで口部22に対してキャップ10を開閉する際、ローレット等の凹凸が滑り止めとなって、キャップ10を操作しやすくなる。図1に示す例では、キャップ10がネジ部14を有するため、筒状部12の中心軸に沿って延びた平目状のローレットが設けられている。この場合、ローレットがネジ部14の回転方向に直交するため、キャップ10の回転が容易になる。特に図示しないが、キャップ10がヒンジ、嵌合などによって口部22に結合され、開閉に際して筒状部12の中心軸に沿ってキャップ10を移動させる場合は、キャップ10の周方向に延びる凹凸を設けてもよい。
【0019】
容器本体20において、点眼剤が収容される収容部21が円筒状であってもよい。この場合、同一の容器本体20を、フランジ13等の寸法又は形状が異なるキャップ10と組み合わせることが容易である。容器本体20に内容物を充填する際に、キャップ10の形状が異なっても、同一の充填装置を用いることができる。また、フランジ13が収容部21の外周から突出していることにより、収容部21が円筒状であっても、点眼剤容器30の回転は抑制される。また、収容部21がテーパを有する円錐状であっても、同様の効果が奏される。ここで円錐状とは、収容部21の底部が円錐の頂点となる場合に限らず、収容部21の底部が小円状となる、いわゆる円錐台状であってもよい。
【0020】
キャップ10及び容器本体20は、例えば熱可塑性樹脂などの弾性を有する成形材料から構成することが好ましい。キャップ10又は容器本体20の成形に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。2種類以上の材料の配合、積層、複合等により、キャップ10又は容器本体20を構成することも可能である。キャップ10の材料が容器本体20の材料と同一でもよく、あるいは異なってもよい。
【0021】
容器本体20の内容物に接触する少なくとも内面には、非収着性(非吸着性)に優れた樹脂として、環状オレフィン共重合体(コポリマー)を含む層を有してもよい。環状オレフィン共重合体(コポリマー)としては、いわゆる一般的にCOP(異なる環状オレフィン同士の共重合体)、COC(環状オレフィンと非環状オレフィンとの共重合体)等が挙げられる。これにより、内容物の収着を抑制することができる。
【0022】
COP(異なる環状オレフィン同士の共重合体)としては、例えば2種以上の環状オレフィンの共重合体、またはその水素添加物が挙げられる。COP(異なる環状オレフィン同士の共重合体)は、好ましくは非結晶性の重合体であり、より好ましくは、メタセシス等による環状オレフィンの開環重合体、又はその水素添加物である。COP(異なる環状オレフィン同士の共重合体)は、COC(環状オレフィンと非環状オレフィンとの共重合体)等に比べて脂環式構造を含有する比率が高く、非収着性(非吸着性)に優れる。
【0023】
COC(環状オレフィンと非環状オレフィンとの共重合体)としては、例えば少なくとも1種の環状オレフィンと、少なくとも1種の非環状オレフィンとの共重合体、またはその水素添加物が挙げられる。COC(環状オレフィンと非環状オレフィンとの共重合体)は、好ましくは非結晶性の重合体であり、より好ましくは、環状オレフィンとエチレンとの共重合体、又はその水素添加物である。
【0024】
環状オレフィン共重合体(コポリマー)の構成モノマーとして使用される環状オレフィンは、少なくとも1つの環構造を有する不飽和炭化水素(オレフィン)である。例えば、炭素原子数が3~20のシクロアルカンを有するビニルシクロアルカン及びその誘導体、炭素原子数が3~20のモノシクロアルケン及びその誘導体、ノルボルネン骨格を有する環状オレフィン(ノルボルネン系モノマー)等の少なくとも1種が挙げられる。
【0025】
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン(ノルボルネン)及びその誘導体が挙げられる。ノルボルネン誘導体としては、アルキル基等の置換基を有する化合物、ノルボルナジエンのように不飽和結合を2以上有する化合物、3つ以上の環構造を有し、そのうち2つの環構造がノルボルネン骨格を構成する化合物が挙げられる。3つ以上の環構造を有するノルボルネン系モノマーとしては、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン(ジヒドロジシクロペンタジエン)や、ノルボルネンまたはジヒドロジシクロペンタジエンに1分子以上のシクロペンタジエンがディールス・アルダー反応により付加した化合物(例えばテトラシクロドデセン、ペンタシクロペンタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン等)、これらの水素添加物、二重結合の位置が異なる異性体、アルキル置換体等が挙げられる。
【0026】
COC(環状オレフィンと非環状オレフィンとの共重合体)の構成モノマーとして使用される非環状オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン等のα-オレフィン、3-デセン、3-ドデセン等のアルケン類が挙げられる。
【0027】
環状オレフィン共重合体(コポリマー)を含む層を構成する樹脂成分は、環状オレフィン共重合体(コポリマー)の少なくとも1種のみでもよく、環状オレフィン共重合体(コポリマー)と他の樹脂等との混合物でもよい。環状オレフィン共重合体(コポリマー)を含む層における環状オレフィン共重合体(コポリマー)の割合は、例えば50~100重量%が挙げられる。環状オレフィン共重合体(コポリマー)を含む層に配合し得る他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0028】
容器本体20は、補強層、ガスバリア層、紫外線吸収層、酸素吸収層、印刷層等を有してもよい。容器本体20を構成する各層の積層方法としては、ドライラミネート、押出ラミネート、共押出、塗布等が挙げられ、各層の材料、組み合わせ等に応じて適宜選択することができる。容器本体20は、全体が無色透明でもよく、厚さ方向又は面方向の一部又は全部が着色されてもよい。容器本体20の成形法としては、特に限定されないが、例えばブロー成形等が挙げられる。容器本体20の容器種類としては、特に限定されないが、例えばボトル容器が挙げられる。
【0029】
キャップ10は、容器本体20の収容部21、口部22、ノズル23等の少なくともいずれかに対して、開閉又は着脱可能に連結されればよい。口部22の形状は特に限定されないが、キャップ10と適合するような円筒状、角筒状などであればよい。収容部21の容量は、特に限定されないが、例えば20ml以下であり、3ml、5ml、10ml、15ml、20ml等が挙げられる。
【0030】
点眼剤としては、水性点眼剤、油性点眼剤、用時溶解点眼剤、懸濁性点眼剤などが挙げられる。点眼剤は、有効成分以外の添加剤として、可溶化剤、安定化剤、等張化剤、緩衝剤、pH調節剤、防腐剤、粘稠化剤などを含有してもよい。
【0031】
点眼剤に用いられる有効成分の具体例としては、プロスタグランジン関連薬として、イソプロピルウノプロストン、ラタノプロスト、トラボプロスト、タフルプロスト、ビマトプロスト;非ステロイド性抗炎症薬として、ジクロフェナクナトリウム、プラノプロフェン、ブロムフェナクナトリウム水和物、ネパフェナク;ビタミンB製剤として、シアノコバラミン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム;抗アレルギー成分として、アシタザノラスト水和物、アンレキサノクス、イブジラスト、エピナスチン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩、クロモグリク酸ナトリウム、ケトチフェンフマル酸塩、トラニラスト、ペミロラストカリウム、レボカバスチン塩酸塩;免疫抑制薬として、シクロスポリン、タクロリムス水和物;β遮断薬として、カルテオロール塩酸塩、チモロールマレイン酸塩、ニプラジロール、ベタキソロール塩酸塩、レボブノロール塩酸塩;α1遮断薬として、ブナゾシン塩酸塩;α2刺激薬として、ブリモニジン酒石酸塩;副交感神経刺激薬として、ピロカルピン塩酸塩;交感神経刺激薬として、ジピベフリン塩酸塩;コリンエステラーゼ阻害薬として、ジスチグミン臭化物;白内障治療薬として、グルタチオン、ピレノキシン;抗菌薬として、ガチフロキサシン水和物、ジベカシン硫酸塩、トスフロキサシントシル酸塩水和物、トブラマイシン、バンコマイシン塩酸塩、モキシフロキサシン塩酸塩、レボフロキサシン水和物、塩酸ロメフロキサシン、オフロキサシン、クロラムフェニコール、ノルフロキサシン;β遮断薬・炭酸脱水酵素阻害薬配合剤として、ドルゾラミド塩酸塩、ブリンゾラミド等が挙げられる。
【0032】
本実施形態の点眼剤容器30は、例えば、高齢者等が眼鏡等の視力補正器具を外した状態で、小型の点眼剤容器30を使用する場合であっても、キャップ10を取り外せば容器本体20は円筒状で向きを区別することが不要である。また、キャップ10を装着すれば点眼剤容器30が転がりにくく、テーブル等の上から点眼剤容器30が転がり落ちる、さらには紛失する等の不便を解消することができるので、取り扱い性に優れている。
【0033】
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本実施形態の滴下容器は、点眼剤容器に限らず、他の内容物を収容する容器に適用することも可能である。例えば点鼻剤、点耳剤、その他、投与に際して薬液を患部に滴下する方式の薬剤または化粧水などの容器が挙げられる。
【実施例
【0034】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
【0035】
内容量が5mlの収容部を有する丸型形状の点眼剤容器に、各種キャップを取り付け、点眼剤容器が転がる距離を測定した。点眼剤容器は、円筒状の収容部を有する容器本体と、円筒状の筒状部から突出したフランジを有するキャップとからなる。
【0036】
キャップは、フランジの形状が3~12の辺を有する多角形又は円形となるように成形した。具体的には3角形、4角形、6角形、8角形、10角形、12角形、円形の7種類である。各キャップにおいて、フランジは、円筒状の筒状部及び収容部から外周に突出している。また、筒状部の中心軸に沿ったフランジの長さは、1mm、3mm、10mmの3通りとした。
【0037】
斜面の傾斜角が30°であり、斜面の下端部が水平面に接続された試験台を用意し、斜面の下端部まで斜面に沿った距離が5cmである位置に、点眼剤容器を水平に配置し、重力に従って点眼剤容器を斜面に沿って転がした。このとき、斜面の下端部から水平面上を転がった距離(cm)を測定した。この測定は、フランジの形状又は長さが異なるキャップごとに、3回繰り返した。測定結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示すように、フランジの形状が多角形状であるキャップを装着することにより、点眼剤容器の転がりを顕著に抑制することができた。
【符号の説明】
【0040】
10…キャップ、11…天面部、12…筒状部、12a…凹凸、13…フランジ、13a…平面部、13b…隅部、14…ネジ部、15…嵌合部、20…容器本体、21…収容部、22…口部、23…ノズル、30…点眼剤容器。
図1
図2