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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】めっき方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 21/12 20060101AFI20231207BHJP
   C25D 7/12 20060101ALI20231207BHJP
   C25D 17/06 20060101ALI20231207BHJP
   C25D 21/00 20060101ALI20231207BHJP
   G01R 31/50 20200101ALI20231207BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20231207BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
C25D21/12 C
C25D7/12
C25D17/06 C
C25D21/00 A
G01R31/50
H01L21/92 604B
H05K3/18 N
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020020793
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021127469
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】尾形 奨一郎
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 岳
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-190044(JP,A)
【文献】特開2020-002389(JP,A)
【文献】特開2019-137898(JP,A)
【文献】特開2006-214009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 21/12
C25D 7/12
C25D 21/00
H01L 21/60
G01R 31/50
H05K 3/18
C25D 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板ホルダのコンタクトがめっき液と接触するのを防止するシールのシール部分に純水を接触させ、
前記シール部分に純水を接触させた後、前記基板が薬液に接触するまでの間に、前記基板ホルダの内部に配置したリーク検知用電極に交流電圧を印加し、純水を介した微小電流を検知可能な電流センサを用いて、前記リーク検知用電極に純水を介して流れる交流電流を検出することにより前記シールのリークを検知する、
めっき方法。
【請求項2】
請求項1に記載のめっき方法において、
前記純水を接触させる工程は、前記基板を純水で洗浄する予備洗浄、及び/又は、脱気した純水に前記基板を接触させるプリウェット処理で実施される、めっき方法。
【請求項3】
請求項2に記載のめっき方法において、
前記シールのリークを検知する工程は、前記予備洗浄処理中及び/又は前記プリウェット処理中に実施される、めっき方法。
【請求項4】
請求項3に記載のめっき方法において、
前記シールのリークを検知する工程は、前記プリウェット処理の次の処理以降に更に実施される、めっき方法。
【請求項5】
請求項4に記載のめっき方法において、
前記シールのリークを検知する工程は、前記基板のめっき後に更に実施される、めっき方法。
【請求項6】
請求項3から5の何れかに記載のめっき方法において、
前記シールのリークを検知する工程は、前記基板ホルダに基板を保持する前に更に実施
される、方法。
【請求項7】
請求項6に記載のめっき方法において、
前記基板ホルダを洗浄する工程を更に備え、
前記シールのリークを検知する工程は、前記基板ホルダの洗浄後に、次の基板を保持する前に更に実施される、方法。
【請求項8】
請求項1から7の何れかに記載のめっき方法において、
前記リーク検知用電極は、前記基板ホルダの基板通電用の通電部材の近傍に電気的に絶縁して配置され、
前記リーク検知用電極と前記通電部材との間が純水により短絡することを利用して前記シールのリークを検知する、方法。
【請求項9】
請求項1から7の何れかに記載のめっき方法において、
前記リーク検知用電極は、互いに離間して配置された一対の電極を有し、
前記一対の電極が純水により短絡することを利用して前記シールのリークを検知する、方法。
【請求項10】
請求項1から9の何れかに記載のめっき方法において、
前記基板ホルダに基板が保持された状態で、前記リーク検知用電極は、前記基板の外周に沿って設けられ、前記基板の上部から側部の少なくとも途中まで延びるか、前記基板の上部から側部を通り下部まで延びるか、又は、前記基板の全周に沿って設けられている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェハやプリント基板等の基板の表面に配線やバンプ(突起状電極)等を形成したりすることが行われている。この配線及びバンプ等を形成する方法として、電解めっき法が知られている。電解めっき法に用いるめっき装置では、円形又は多角形の基板の端面をシールし、基板面(被めっき面)を露出させて保持する基板ホルダを備える。このようなめっき装置において基板面にめっき処理を行うときは、基板を保持した基板ホルダをめっき液中に浸漬させる。
【0003】
ところで、基板ホルダのコンタクト(電気接点)をめっき液から保護するシールにリークがあると、めっき不良につながる可能性がある。よって、可能な限り早急に基板ホルダのシールのリークを検知して対処することが望まれる。特開2008-190044号公報(特許文献1)には、基板ホルダ内部にリーク検知用の導電線を配置し、導電線の間がめっき液で短絡することを検知することでリークを検知する基板ホルダが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-190044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
めっき液中でリーク検知する場合、リークが生じたときに保持していた基板は、通常破棄される。なぜなら、リークが生じたときに保持していた基板には、既に、めっき不良が生じているか、めっき不良が生じていなかったとしても、既に基板がめっき液に接触しているため、再度めっきを行って後の工程に送ることは難しいためである。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題の少なくとも一部を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によれば、 基板を保持する基板ホルダのコンタクトがめっき液と接触するのを防止するシールのシール部分に純水を接触させ、 前記シール部分に純水を接触させた後、前記基板が薬液に接触するまでの間に、前記基板ホルダの内部に配置したリーク検知用電極の短絡の有無に基づいて前記シールのリークを検知する、 めっき方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るめっき装置の概略構成を示す図である。
図2】基板ホルダの斜視図である。
図3】基板ホルダの第1保持部材を内側平面図である。
図4】基板ホルダの第2保持部材を内側平面図である。
図5】第2保持部材の内側面の一部拡大図である。
図6図5のVI-VI線に沿う断面図である。
図7】基板ホルダとセンサとの接続を説明するための説明図である。
図8】めっき方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0010】
本明細書において「基板」には、半導体基板、ガラス基板、液晶基板、プリント回路基板だけでなく、磁気記録媒体、磁気記録センサ、ミラー、光学素子、微小機械素子、あるいは部分的に製作された集積回路、その他任意の被処理対象物を含む。基板は、多角形、円形を含む任意の形状のものを含む。また、本明細書において「前面」、「後面」、「前方」、「後方」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」等の表現を用いる場合があるが、これらは、説明の都合上、例示の図面の紙面上における位置、方向を示すものであり、装置使用時等の実際の配置では異なる場合がある。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るめっき装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係るめっき装置は、めっき液に電流を流すことで基板Wの第1面及び第2面を金属でめっきする電解めっき装置である。第1面及び第2面は、互いに対向する面であり、例えば、表面及び裏面である。また、基板Wの第1面及び第2面のそれぞれには、シード層等からなる導電層が形成されている。さらに、この導電層の上のパターン面形成領域にはレジスト層が形成されており、このレジスト層には、予めトレンチやビアが形成されている。本実施形態においては、基板の第1面と第2面とを接続する貫通孔を備える基板(いわゆるスルーホール基板)を処理対象として含み得る。ここでは、両面めっきのめっき装置を例に挙げるが、片面めっきのめっき装置であってもよい。
【0012】
めっき装置は、図1に示すように、架台101と、めっき装置の運転を制御するコントローラ103と、基板Wをロードおよびアンロードするロード/アンロードステーション170Aと、基板ホルダ11(図2参照)に基板Wを取り付け、及び基板ホルダ11から基板Wを取り外す基板着脱ステーション170Bと、基板Wをめっきする処理ステーション170Cと、基板ホルダ11を格納する格納ステーション(ストッカ)170Dと、めっきされた基板Wを洗浄および乾燥する洗浄ステーション170Eと、を備えている。
【0013】
図1に示すように、架台101は、複数の架台部材101a~101hから構成されており、これら架台部材101a~101hは連結可能に構成されている。ロード/アンロードステーション170Aの構成要素は第1の架台部材101a上に配置されており、基板着脱ステーション170Bの構成要素は第2の架台部材101b上に配置されており、処理ステーション170Cの構成要素は第3の架台部材101c~第6の架台部材101f上に配置されており、格納ステーション170Dの構成要素は第7の架台部材101gおよび第8の架台部材101h上に配置されている。
【0014】
ロード/アンロードステーション170Aには、めっき前の基板Wを収納したカセット(図示しない)が搭載されるロードステージ105と、処理ステーション170Cでめっきされた基板Wを受け取るカセット(図示しない)が搭載されるアンロードステージ107とが設けられている。さらに、ロード/アンロードステーション170Aには、基板Wを搬送する搬送ロボット122が配置されている。
【0015】
搬送ロボット122はロードステージ105に搭載されたカセットにアクセスし、めっき前の基板Wをカセットから取り出し、基板Wを基板着脱ステーション170Bに渡すように構成されている。基板着脱ステーション170Bでは、めっき前の基板Wが基板ホルダ11に取り付けられ、めっき後の基板Wが基板ホルダ11から取り出される。
【0016】
処理ステーション170Cには、プリウェットモジュール126と、プリソークモジュール128と、第1リンスモジュール130aと、ブローモジュール132と、第2リンスモジュール130bと、第1めっきモジュール10aと、第2めっきモジュール10bと、第3リンスモジュール130cと、第3めっきモジュールモジュール10cと、が配置されている。また、処理ステーション170Cにおいて、ストッカ170Dに近い側にホルダ洗浄モジュール133が配置されている。なお、以下の説明では、第1めっきモジュール10a、第2めっきモジュール10b、第3めっきモジュール10cを総称して、又は、これらのめっきモジュールのうち任意のめっきモジュールを参照して、めっきモジュール10と称する場合がある。
【0017】
プリウェットモジュール126では、前処理準備として、基板Wのめっき液に対する濡れ性を改善するために基板Wが脱気した純水により処理される。プリソークモジュール128では、基板Wの表面に形成されたシード層などの導電層の表面の酸化膜が薬液(例えば、酸性溶液)によってエッチング除去される。第1リンスモジュール130aでは、プリソーク後の基板Wが洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。
【0018】
第1めっきモジュール10a、第2めっきモジュール10b、および第3めっきモジュール10cの少なくとも1つのめっきモジュール10では、基板Wの両面又は片面がめっきされる。なお、図1に示される実施形態においては、めっきモジュール10は、3つであるが、他の実施形態として任意の数のめっきモジュール10を備えるようにしてもよい。
【0019】
第2リンスモジュール130bでは、第1めっきモジュール10aまたは第2めっきモジュール10bでめっきされた基板Wが基板ホルダ11とともに洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。第3リンスモジュール130cでは、第3めっきモジュール10cでめっきされた基板Wが基板ホルダ11とともに洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。ブローモジュール132では、めっき処理前及び/又は後において洗浄後の基板Wの液切りが行われる。ホルダ洗浄モジュール133では、基板Wを保持しない状態で基板ホルダ11が洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。
【0020】
プリウェットモジュール126、プリソークモジュール128、リンスモジュール130a~130c、およびめっきモジュール10a~10cは、それらの内部に処理液(液体)を貯留できる槽を有する処理モジュールである。処理モジュールの槽は、処理液を貯留する複数の処理セルを備えているが、この実施形態に限定されず、これら処理モジュールの槽は単一の処理セルを備えてもよい。また、これら処理モジュールの少なくとも一部が単一の処理セルを備えており、他の処理モジュールは複数の処理セルを備えてもよい。
【0021】
めっき装置は、基板ホルダ11を搬送する搬送装置140をさらに備えている。搬送装置140は、めっき装置の構成要素の間を移動可能に構成されている。搬送装置140は、基板着脱ステーション170Bから処理ステーション170Cまで水平方向に延びる固定ベース142と、固定ベース142に沿って移動可能に構成された1又は複数のトランスポータ141とを備えている。
【0022】
これらトランスポータ141は、基板ホルダ11を保持するための可動部(図示しない)をそれぞれ有しており、基板ホルダ11を保持するように構成されている。トランスポータ141は、基板着脱ステーション170B、格納ステーション170D、および処理ステーション170Cとの間で基板ホルダ11を搬送し、さらに基板ホルダ11を基板Wとともに上下動させるように構成されている。トランスポータ141は、例えば、基板Wを保持した基板ホルダ11を各モジュールの上から下降させることにより、基板Wを基板
ホルダ11とともに各モジュール内に配置し、及び/又は処理液に接触させることができる。なお、例示される実施形態では、3つのトランスポータが設けられているが、他の実施形態として任意の数のトランスポータを採用してもよい。
【0023】
めっき装置は、上述した各部を制御するように構成された制御部としてのコントローラ103を有する。コントローラ103は、所定のプログラム、レシピ等を格納したメモリ103bと、メモリ103bのプログラムを実行するCPU103aとを有する。メモリ103bを構成する記憶媒体は、各種の設定データ、めっき装置を制御するプログラムを含む各種のプログラム、レシピなどを格納している。プログラムは、例えば、搬送ロボット122の搬送制御、基板脱着ステーション170Bにおける基板の基板ホルダへの着脱制御、搬送装置140の搬送制御、各処理モジュールにおける処理の制御、各めっきモジュールにおけるめっき処理の制御、洗浄ステーション170Eの制御を実行するプログラムを含む。記憶媒体は、不揮発性及び/又は揮発性の記憶媒体を含むことが可能である。記憶媒体としては、例えば、コンピュータで読み取り可能なROM、RAM、フラッシュメモリなどのメモリや、ハードディスク、CD-ROM、DVD-ROMやフレキシブルディスクなどのディスク状記憶媒体などの公知のものが使用され得る。
【0024】
コントローラ103は、めっき装置及びその他の関連装置を統括制御する図示しない上位コントローラと通信可能に構成され、上位コントローラが有するデータベースとの間でデータのやり取りをすることができる。コントローラ103の一部又は全部の機能は、ASIC等のハードウェアで構成することができる。コントローラ103の一部又は全部の機能は、シーケンサで構成してもよい。コントローラ103の一部又は全部は、めっき装置の内部及び/又は外部に配置することができる。コントローラ103の一部又は全部は、有線及び/又は無線により、互いに通信可能及び/又はめっき装置各部と通信可能に接続される。
【0025】
(基板ホルダ)
図2は、基板ホルダの斜視図である。図3は、基板ホルダの第1保持部材を内側平面図である。図4は、基板ホルダの第2保持部材を内側平面図である。
【0026】
基板ホルダ11は、図2に示すように、開口部112Aを有する第1保持部材110A(図3)と、開口部112Bを有する第2保持部材110B(図4)と、を備えている。基板ホルダ11が基板を保持していないとき、開口部112A及び開口部112Bが基板ホルダ11を貫通する開口部112を形成する。基板ホルダ11は、第1保持部材110Aおよび第2保持部材110Bによって基板Wを挟持することにより基板Wを保持する。第1保持部材110Aおよび第2保持部材110Bは、それぞれ開口部112A及び開口部112Bによって、基板Wの第1面および第2面のそれぞれの被めっき面が露出するように保持される。換言すれば、第1保持部材110A及び第2保持部材110Bは、基板Wの外周部だけを両側から挟むことで基板Wを保持する。なお、片面めっきの場合には、開口部112A及び開口部112Bの一方は、設けられないか、塞ぐようにしても良い。基板ホルダ11は、その上部にアーム160を備え、アーム160がトランスポータ141に保持された状態で搬送される。また、アーム160の両端が各モジュールの槽の縁部に置かれることにより吊り下げて支持される。以下の説明では、基板ホルダ11において基板Wの第1面が露出される側を第1側、基板の第2面が露出される側を第2側と称する場合がある。図2では、基板ホルダ11を第2側からみた状態が図示され、第2保持部材110Bの開口部112Bから基板Wの第2面が露出していることが示されている。
【0027】
本実施形態では、基板ホルダ11は、四角形の基板Wを保持するためのものであるが、これに限定されるものではなく、円形の基板を保持するものとしてもよい。その場合、開口部112A及び開口部112Bも円形となる。あるいは、基板Wを四角形以外の多角形
の基板とすることもできる。この場合、開口部112A及び開口部112Bも対応する形状の多角形とすることができる。また、ここでは、両面めっきの基板ホルダを例に挙げて説明するが、片面めっきの基板ホルダに対しても本願発明を適用することが可能である。
【0028】
第2保持部材110Bは、図2及び図4に示すように、アーム160の一部を構成するアーム部160Bを備える。アーム部160Bの一端には、外部接続端子161及び外部接続端子162が設けられている。外部接続端子161は、基板Wに給電するための端子(基板通電用の通電部材に相当)であり、電源(例えば、直流電源)に接続される。外部接続端子162は、リーク検知用電極510を電流センサ530(図7)に電気的に接続するための端子である。基板通電用の外部接続端子161には、1又は複数のバスバー410が接続される。この例では、互いに離間して平行に配置された2つのバスバー410が、外部接続端子161に接続され、アーム部160Bの内部を長手方向に沿ってアーム部160Bの中央付近まで延び、更に、アーム部160Bから開口部112Bに向かって延びる。各バスバー410は、開口部112Bの上部で互いに反対方向に向かい、かつ開口部112Bの上辺に沿って延び、更に開口部112Bの各側辺(図4の右辺、左辺)に沿って延び、両側から開口部112Bの下辺に沿って下辺の中央に向かって延びる。開口部112Bの下辺中央に於いて各バスバー410は、離間して配置される。めっき電流を流す前には、各バスバーが連結される外部接続端子161の電極は互いに電気的に離間されており、2つのバスバーを互いに離間して配置することで、めっき電流を流す前に2つのバスバーの間で通電チェックを実施することが可能である。なお、上記のような通電チェックを行わない場合は、2つのバスバー410を開口部11Bの下辺中央に於いて連結してもよい。開口部112Bの周縁には、基板Wの第2面の外周部をシールする内側シール120Bが設けられている。
【0029】
図4に示すように、第2保持部材110Bにおいて、バスバー410の内側には、基板に接触する電気接点としての複数のコンタクト117が配置され、各コンタクト117は、バスバー410に電気的に接続される。コンタクト117は、ねじ止めその他任意の固定手段でバスバー410に連結されることができる。ここでは、外部接続端子161から各コンタクト117までの導電経路がバスバーである例を説明するが、導電経路はケーブル、導線など任意の導電体であってよい。
【0030】
第2保持部材110Bにおいて、バスバー410の外側には、リーク検知用電極510が配置されている。リーク検知用電極510は、外部接続端子162に電気的に接続されると共に、図4の紙面において開口部112Bの右側の側辺に沿って延び、更に、開口部112Bの下辺に沿って右側側辺から左側側辺に向かって延び、下辺と左側の側辺との角部の近傍で終端している。リーク検知用電極510は、後述するように、バスバー410から離間して電気的に絶縁された状態で配置されている。リーク検知用電極510は、開口部112Bの上部(上辺)から側部(側辺)の少なくとも途中まで延びるか、開口部112Bの上部(上辺)から側部(側辺)を通り下部(下辺)の任意の位置まで延びるか、又は、開口部112Bの外周の全周に沿って延びるように設けられてもよい。
【0031】
第1保持部材110Aは、図2及び図3に示すように、アーム160の一部を構成するアーム部160Aを備える。第1保持部材110Aのアーム部160Aは、第2保持部材110Bのアーム部160Bと係合してアーム160を形成するように構成されている。第1保持部材110Aの開口部112Aの周縁には、基板Wの第1面の外周部をシールするための内側シール120Aが設けられている。
【0032】
図5は、第2保持部材の内側面の一部拡大図である。図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、基板ホルダとセンサとの接続を説明するための説明図である。図5及び図6に示すように、開口部112Bの周縁には、シールホルダ118Bに保持さ
れた内側シール120Bが設けられ、開口部112Aの周縁には、シールホルダ118Aに保持された内側シール120Aが設けられている。内側シール120A、120Bによって、基板ホルダ11と基板Wとの間がシールされる。より詳細には、内側シール120Bによって、第2保持部材110Bと基板Wの第2面との間がシールされ、内側シール120Aによって、第1保持部材110Aと基板Wの第1面との間がシールされる。コンタクト117の基端側は、ねじ止め等の任意の固定手段によりバスバー410に機械的及び電気的に接続される。コンタクト117の自由端側は、基板Wの面に接触して電気的に導通する。図6に示すように、第2保持部材110Bにおいて開口部112Bから離れた側/外側には、シールホルダ119に保持された外側シール121が設けられている。外側シール121は、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとの間をシールする。外側シール121は、第1保持部材110Aに設けられてもよい。内側シール120(120A、120B)及び外側シール121は、コンタクト117及びリーク検知用電極510を処理液から遮断してシールするシール空間123を形成する。
【0033】
バスバー410の外側に隣接して、リーク検知用電極510を保持するホルダ520が設けられている。ホルダ520には、バスバー410に略平行に延びる溝520aが設けられている。リーク検知用電極510は、溝520a内に配置されることにより、バスバー410の近傍で離間して、電気的に絶縁された状態で配置される。リーク検知用電極510は、開口部112Bの外周においてバスバー410の全周または一部に沿って延び、アーム部160Bを通って外部接続端子162に電気的に接続されている。
【0034】
リーク検知用電極510は、バスバー410から離間して、電気的に絶縁されている。但し、リーク検知用電極510は、純水等の液体がシール空間123に侵入した際に、リーク検知用電極510とバスバー410との間で純水等の液体を介して流れる電流を検知することにより、シール(内側シール又は外側シール)のリークを検知するものである。シール空間123に侵入した液体がわずかな量であってもシールのリークを検出できるように、リーク検知用電極510は、近接した距離で、バスバー410から離間させる必要がある。
【0035】
リーク検知用電極510は、任意の導電体からなる導電線とすることができる。導電線の一部は、電気絶縁材の被覆で覆ってもよい。図4の例では、開口部112Bの下辺以外にあるリーク検知用電極510の導電線を電気絶縁材の被覆で覆い、開口部112Bの下辺にある導電線を露出させてもよい。基板ホルダ11を鉛直姿勢で処理する場合、シールからリークする処理液は基板ホルダ11の下部に溜まるため、基板ホルダ11の下部でリーク検知を実施すれば十分な場合もある。また、リーク検知用電極510の導電線は、棒状、板状等の任意の形状であってよく、導電線の断面は、円形、多角形等の任意の形状であってよい。
【0036】
図7に示すように、バスバー410及びリーク検知用電極510に接続される外部接続端子161、162には、バスバー410とリーク検知用電極510との間に純水等の液体を介して流れる微小電流を検知するための電流センサ530が接続される。純水はめっき液等の薬液と比較して抵抗値が非常に大きい(十数MΩ程度)ため、電流センサ530は、純水を介した微小な電流を検知できるものを採用する。図7に示すように、リーク検知用電極510に接続された外部接続端子162は、導電板(タップ)173を介して電流センサ530に電気的に接続される。また、バスバー410に接続された外部接続端子161は、導電板(タップ)172を介して電流センサ530に電気的に接続される。導電板172、173は、任意の処理モジュール171において基板ホルダ11のアーム160の端部が置かれる部分、例えば、処理槽の縁部に配置される。処理モジュール171は、例えば、プリウェットモジュール126、プリソークモジュール128、第1リンスモジュール130a、ブローモジュール132、第2リンスモジュール130b、第1め
っきモジュール10a、第2めっきモジュール10b、第3リンスモジュール130c、及び/又は第3めっきモジュールモジュール10cを含む。また、格納ステーション(ストッカ)170Dも同様の構成とすることができる。
【0037】
リーク検知用電極510を用いたリーク検知は、例えば、バスバー410とリーク検知用電極510の間に電圧(交流電圧が望ましい)を印加し、バスバー410とリーク検知用電極510との間に流れる電流を測定する。純水等の液体のリークがない場合、バスバー410とリーク検知用電極510とが電気的に絶縁されたままであり、バスバー410とリーク検知用電極510との間に電流が流れない。一方、バスバー410とリーク検知用電極510との間が純水等の液体により導通(短絡)した場合には、バスバー410とリーク検知用電極510との間に液体を介して電流が流れる(入力電圧に対応する抵抗変化が生じる)。電流センサ530から電流の測定値をコントローラ103に出力し、コントローラ103が所定の条件(測定した電流からリークが生じたことを検知する際の条件)に基づいてリークを検知する。なお、測定した電流からリークが生じたことを検知する際の条件を電流センサ530にあらかじめ設定しておき、それが満たされたときに、電流センサ530からコントローラ103にリーク信号が送られるように構成してもよい。この場合、コントローラ103は、電流センサ530からのリーク信号に基づいてリークを検知する。このようにバスバー410とリーク検知用電極510との間の短絡を検知することにより、シール(内側シール120及び/又は外側シール121)のリークを検知することができる。
【0038】
図8は、本実施形態に係るめっき方法のフローチャートである。このめっき方法のフローチャートは、コントローラ103により実施される。
【0039】
ステップS11では、搬送ロボット122によりカセットから基板Wを取り出し、アライナ(図示略)等により基板Wの向きを合わせる。
【0040】
ステップS12では、搬送ロボット122により基板Wを基板着脱ステーション170Bに搬入する。
【0041】
ステップS13では、トランスポータ141により格納ステーション(ストッカ)170Dから空の基板ホルダ11を取り出し、基板着脱ステーション170Bに搬入する。なお、ステップS13の処理は、ステップS11、12の処理と並行して実施される。
【0042】
ステップS14では、基板着脱ステーション170Bにおいて、フィキシング装置により基板ホルダ11に基板Wを装着する。
【0043】
ステップS15では、基板ホルダ11をトランスポータ141によりプリウェットモジュール126に搬送し、基板Wのめっき液に対する濡れ性を改善するために基板Wを、脱気した純水により処理する。プリウェットモジュール126では、貯留した脱気水に基板W及び基板ホルダ11を浸漬させても良いし、ノズルから脱気水を基板Wに噴射させてもよい。このとき、基板ホルダ11のコンタクト117がめっき液と接触するのを防止するシール(この例では、内側シール120、外側シール121)のシール部分に純水が接触する。ここで、シール部分とは、シールが被シール部材に接触する接触部分(接触面/シール面)を示す。シール部分は、例えば、内側シール120が基板W及び/又は第1保持部材110A/第2保持部材110Bに接触する接触面/シール面、並びに、外側シール121が第1保持部材110A及び/又は第2保持部材に接触する接触面/シール面を含む。また、プリウェットモジュール126にて、図5から図7を参照して前述した基板ホルダ11のリーク検査を実施する。すなわち、内側シール120と基板W、あるいは外側シール121と第1保持部材110Aの間のシールが適切になされていないと、脱気水が
シール空間に侵入する。基板ホルダ11のシールにリークがなければ、電流センサ530/コントローラ103がリーク信号を検知せず(S15でYes)、基板Wは次の処理モジュール(この例では、プリソークモジュール)に搬送される。一方、基板ホルダ11のシールにリークがある場合、電流センサ530/コントローラ103がリーク信号を検知し(S15でNo)、基板Wは、次の処理モジュール並びにめっき処理等を省略して、ブローモジュールに搬送され(S20)、基板ホルダ11から基板Wが取り外された後(S21)、基板ホルダ11がストッカ170Dに格納される(S25)。また、取り外された基板Wは、洗浄ステーション170Eで洗浄、乾燥された後、搬送ロボット122によりカセットに収納される(S22~S24)。また、コントローラ103により、リークを検知した基板ホルダ11の情報、及び/又は、取り外された基板Wの情報が記録される。また、リークを検知した基板ホルダ11は、不使用とする、又はホルダ洗浄モジュール133で洗浄して再使用することができる。
【0044】
ステップS16では、プリソークモジュール128において、基板Wの表面に形成されたシード層などの導電層の表面の酸化膜を薬液によってエッチング除去する。
【0045】
ステップS17では、第1リンスモジュールモジュール130aにおいて、プリソーク後の基板Wを洗浄液(例えば、純水)で洗浄する。
【0046】
ステップS18では、第1めっきモジュール10a、第2めっきモジュール10b、又は第3めっきモジュール10cにおいて、基板Wをめっきする。
【0047】
ステップS19では、第2リンスモジュール130b又は第3リンスモジュール130cにおいて、めっき後の基板Wを基板ホルダ11とともに洗浄液(例えば、純水)で洗浄する。なお、複数のめっきモジュールで基板Wがめっきされる場合には、基板Wに対して、ステップS18及び/又はステップS19の処理が複数回実施される。
【0048】
ステップS20では、ブローモジュール132において、洗浄後の基板Wの液切りを実施する。このとき、プリウェット処理(S15)と同様に、基板ホルダ11のリーク検査を実施してもよい。この場合、プリウェット処理中のリークが少量でリークを検知できなかった場合に、プリウェット処理後の処理でもリーク検査を実施することにより、プリウェット処理以降で累積するリークによる液体を検知することが可能となる。リークを検知した場合、コントローラ103により、リークを検知した基板ホルダ11の情報、及び/又は、取り外された基板Wの情報を記録する。また、ステップS20でリーク検査を実施することに代えて又は追加して、ステップS19(めっき後の洗浄)において、プリウェット処理(S15)と同様に、基板ホルダ11のリーク検査を実施してもよい。
【0049】
ステップS21では、基板ホルダ11をトランスポータ141により基板着脱ステーション170Bに搬送し、基板着脱ステーション170Bにおいて基板ホルダ11から基板Wを取り外す。
【0050】
取り外された基板Wは、搬送ロボット122により洗浄ステーション170Eに搬入され、洗浄ステーション170Eにおいて洗浄および乾燥された後、搬送ロボット122によりカセットに収納される(S22~S24)。
【0051】
基板Wが取り外された基板ホルダ11は、トランスポータ141によりストッカ170Dに格納される(S25)。また、基板ホルダ11は、必要に応じて、トランスポータ141によりホルダ洗浄モジュール133に搬送され、洗浄された後に、ストッカ170Dに格納される。ホルダ洗浄モジュール133では、基板Wを保持していない基板ホルダ11のみを洗浄する。ホルダ洗浄モジュール133では、シールはなされていなくてもよく
、シール(内側シール120、外側シール121)のシール面及びコンタクト117を洗浄するものであってもよい。すなわち、シール空間123には洗浄水が侵入する。洗浄された基板ホルダ11は、適宜液切処理された後、ストッカ170Dに保管される。洗浄後の基板ホルダ11が次の基板を保持する前に、基板ホルダ11に対してリーク検査を実施してもよい。例えば、ストッカ170Dにおいても、プリウェット処理(S15)と同様に、リーク検査を実施してもよい。ストッカ170Dでのリーク検査に代えて又は追加して、基板着脱ステーション170Bでもリーク検査を実施してもよい。電流センサにより基板ホルダ11のリーク検知用電極510に短絡がないことを確認することにより、基板ホルダ11が乾燥したことを確認することができ、乾燥したことを確認後に基板ホルダ11を次の基板の処理に使用することができる。これにより、ホルダ洗浄後の基板ホルダ11の乾燥不足による短絡と、前述した基板ホルダ11のシールの不良による短絡とを切り分けることができる。
【0052】
なお、上記ステップS16及び/又はステップS17においても、プリウェット処理(S15)と同様に、基板ホルダ11のリーク検査を実施してもよい。プリウェット処理(S15)以外の上述したリーク検査は、一部または全部が実施されてもよい。
【0053】
(他の実施形態)
(1)上記実施形態では、リーク検知用電極510とバスバー410との間の短絡を検知することでリーク検査を実施したが、リーク検知用電極510として一対の導電体(導電線等)を設け、一対の導電体間の短絡を検知することでリーク検査を実施してもよい。
(2)上記実施形態では、基板ホルダ11を立てた状態で処理する例を説明したが、基板ホルダ11を水平姿勢の状態で処理する場合に上実施形態を適用してもよい。
(3)上記実施形態では、プリウェット処理(S15)で最初に基板ホルダ11のシール部分に純水を接触させてリーク検査を実施したが、プリウェット処理(S15)の前に、基板Wを純水で洗浄する予備洗浄を実施する場合には、プリウェット処理におけるリーク検査に代えて又は追加して、予備洗浄においてリーク検査を実施してもよい。
(4)リーク検査を、基板ホルダの搬送中に行うようにしても良い。
【0054】
上記実施形態から少なくとも以下の形態が把握される。
第1形態によれば、 基板を保持する基板ホルダのコンタクトがめっき液と接触するのを防止するシールのシール部分に純水を接触させ、 前記シール部分に純水を接触させた後、前記基板が薬液に接触するまでの間に、前記基板ホルダの内部に配置したリーク検知用電極の短絡の有無に基づいて前記シールのリークを検知する、 めっき方法が提供される。リーク検知用電極の短絡は、液体を介してリーク検知用電極に電流が流れることを示す。
【0055】
この形態によれば、基板が薬液に接触する前にリークを検知できるため、基板を破棄することなく、基板を別の基板ホルダに装着してめっきすることができる。リークに起因して基板を破棄する量を低減することができ、コストダウンを図ることができる。また、リークを検知した基板ホルダは、不使用とする又は洗浄して再使用することができる。
【0056】
第2形態によれば、第1形態のめっき方法において、 前記純水を接触させる工程は、前記基板を純水で洗浄する予備洗浄、及び/又は、脱気した純水に前記基板を接触させるプリウェット処理で実施される。
【0057】
この形態によれば、予備洗浄処理及び/又はプリウェット処理においてシール部分に純水を接触させるので、基板が処理ステーションに搬入された後の早い段階でリーク検査を実施することができる。
【0058】
第3形態によれば、第2形態のめっき方法において、 前記シールのリークを検知する工程は、前記予備洗浄処理中及び/又は前記プリウェット処理中に実施される。
【0059】
この形態によれば、基板が処理ステーションに搬入された後の早い段階でリーク検査を実施して、基板ホルダにリークの問題があるか否かを確認することができる。また、予備洗浄処理中及び/又はプリウェット処理中にリーク検査が実施されるため、リーク検査のための別途の時間を必要とせず、スループットへの影響が抑制ないし防止される。
【0060】
第4形態によれば、第3形態のめっき方法において、 前記シールのリークを検知する工程は、前記プリウェット処理の次の処理以降に更に実施される。
【0061】
この形態によれば、プリウェット処理中のリークが少量であるために検知できなかった場合に、次の処理以降でもリーク検査を実施することにより、プリウェット処理以降で累積するリークによる液体を検知することが可能となる。これにより、リークのある基板ホルダを不使用とする又は洗浄して再使用することができる。
【0062】
第5形態によれば、第4形態のめっき方法において、 前記シールのリークを検知する工程は、前記基板のめっき後に更に実施される。
【0063】
この形態によれば、プリウェット処理中のリークが少量であるために検知できなかった場合に、めっき処理後にもリーク検査を実施することにより、プリウェット処理以降で累積するリークによる液体を検知することが可能となる。これにより、リークのある基板ホルダを不使用とする又は洗浄して再使用することができる。
【0064】
第6形態によれば、第3から5形態の何れかのめっき方法において、 前記シールのリークを検知する工程は、前記基板ホルダに基板を保持する前に更に実施される。
【0065】
この形態によれば、基板ホルダに基板を保持する前(基板ホルダに最初に基板を保持する前、基板ホルダから基板を取り外し次の基板を保持する前)に、例えば、ストッカ、基板着脱ステーションにおいて、基板ホルダのリーク検査を実施することにより、基板ホルダのシール空間が乾燥しているか否かを判断することができる。基板ホルダのうちシール空間が最も乾燥し難い部分であるため、シール空間の乾燥後を判断することにより、基板ホルダの乾燥を確認することができる。この形態によれば、基板ホルダが乾燥していることを確認後に、基板ホルダに基板を装着することができる。
【0066】
第7形態によれば、第6形態のめっき方法において、 前記基板ホルダを洗浄する工程を更に備え、 前記シールのリークを検知する工程は、前記基板ホルダの洗浄後に、次の基板を保持する前に更に実施される。
【0067】
この形態によれば、基板ホルダの洗浄後に、次の基板を保持する前に基板ホルダのリーク検査を実施することにより、基板ホルダのシール空間が乾燥しているか否かを判断することができる。これにより、基板ホルダが乾燥していることを確認後に、基板ホルダに基板を装着することができる。
【0068】
第8形態によれば、第1から7形態の何れかのめっき方法において、 前記リーク検知用電極は、前記基板ホルダの基板通電用の通電部材の近傍に電気的に絶縁して配置され、
前記リーク検知用電極と前記通電部材との間が純水により短絡することを利用して前記シールのリークを検知する。通電部材は、給電線(ケーブル、バスバー)、コンタクト、及び/又は、給電線又はコンタクトに電気的に接続される導電部材を含む。
【0069】
この形態によれば、基板ホルダに元々ある通電部材を利用してリークを検知するので、リーク検知用電極の構成を簡易かつ省スペース化できる。また、基板ホルダの大型化を抑制ないし防止することができる。
【0070】
第9形態によれば、第1から7形態の何れかのめっき方法において、 前記リーク検知用電極は、互いに離間して配置された一対の電極を有し、 前記一対の電極が純水により短絡することを利用して前記シールのリークを検知する。
【0071】
この形態によれば、基板ホルダの他の電気部品の通電状態等に起因する影響を抑制/防止して、リークを検知することができる。
【0072】
第10形態によれば、第1から9形態の何れかのめっき方法において、 前記基板ホルダに基板が保持された状態で、前記リーク検知用電極は、前記基板の外周に沿って設けられ、前記基板の上部から側部の少なくとも途中まで延びるか、前記基板の上部から側部を通り下部まで延びるか、又は、前記基板の全周に沿って設けられている。
【0073】
基板ホルダを立てた状態で搬送、処理する場合、リーク検知用電極が、基板の側部の少なくとも途中まで延びる構成を採用することにより、リーク検知用電極によりリーク検査を実施できるとともに、基板ホルダを洗浄した後の誤検知を抑制/防止することができる。
【0074】
また、基板ホルダを立てた状態で搬送、処理する場合、リークした液体が基板ホルダの下部に溜まりやすいため、リーク検知用電極が基板の下部まで延びる構成を採用することにより、リーク検知の精度を向上させることができる。
【0075】
リーク検知用電極が基板の全周に沿って設けられる構成では、基板の全周に対応する位置でリークを検知することができる。また、基板ホルダの姿勢によらず、リーク検知の精度を向上させることができる。
【0076】
以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0077】
10 めっきモジュール
10a~10c 第1~第3めっきモジュール
11 基板ホルダ
101 架台
103 コントローラ
103a CPU
103b メモリ
105 ロードステージ
110A 第1保持部材
110B 第2保持部材
112、112A、112B 開口部
117 コンタクト
118A、118B、119 シールホルダ
120A、120B、120 内側シール
121 外側シール
122 搬送ロボット
123 シール空間
126 プリウェットモジュール
128 プリソークモジュール
130a~130c 第1~第3リンスモジュール
132 ブローモジュール
133 ホルダ洗浄モジュール
140 搬送装置
141 トランスポータ
142 固定ベース
160 アーム
160A、160B アーム部
161、162 外部接続端子
170A ロード/アンロードステーション
170B 基板着脱ステーション
170C 処理ステーション
170D 格納ステーション(ストッカ)
170E 洗浄ステーション
172、173 導電板
410 バスバー
510 リーク検知用電極
520 ホルダ
520a 溝
530 電流センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8