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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】高吸水性樹脂乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/12 20060101AFI20231211BHJP
   F26B 17/08 20060101ALI20231211BHJP
   F26B 25/02 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
C08J3/12 A CEY
F26B17/08 B
F26B25/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022528691
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2021010292
(87)【国際公開番号】W WO2022085906
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0138510
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ムコン・キム
【審査官】脇田 寛泰
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-504671(JP,A)
【文献】特開2017-207236(JP,A)
【文献】特表2015-506400(JP,A)
【文献】特表2011-518929(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0886248(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2003/105181(US,A1)
【文献】西独国特許出願公告第1170617(DE,B)
【文献】欧州特許出願公開第2892708(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J3/00-3/28
99/00
F26B1/00-25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高吸水性樹脂の乾燥のためのコンベヤが設けられた乾燥装置であって、
前記高吸水性樹脂を移送するコンベヤと、
前記コンベヤに乾燥熱風を供給する熱風供給部と、
を含み、
前記コンベヤは、
互いに屈曲した状態で連結される複数のコンベヤベッドと、
前記複数のコンベヤベッドの間を連結するリンク連結部と、
前記コンベヤベッドを駆動する駆動部と、
を含み、
前記コンベヤベッドは、前記高吸水性樹脂が表面に載置されて移送される複数のベッドボディを含み、
前記複数のベッドボディは、互いに90度~170度の角度範囲で傾斜して連結される、高吸水性樹脂乾燥装置。
【請求項2】
前記コンベヤベッドは
記ベッドボディの側面に形成されて前記リンク連結部が連結される連結
を含む、請求項1に記載の高吸水性樹脂乾燥装置。
【請求項3】
前記リンク連結部は、前記ベッドボディの一側に突出して隣接した前記ベッドボディの前記連結溝に挿入されるリンク突部を含む、請求項2に記載の高吸水性樹脂乾燥装置。
【請求項4】
前記駆動部は、
前記ベッドボディの周縁に沿って設けられるラックギヤと、
前記ラックギヤに噛合して前記ベッドボディに移動駆動力を提供するピニオンギヤと、
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の高吸水性樹脂乾燥装置。
【請求項5】
前記ラックギヤは、
前記ベッドボディの上側表面の周縁に沿って設けられる第1ラックギヤと、
前記ベッドボディの下側表面の周縁に沿って設けられる第2ラックギヤと、
を含む、請求項に記載の高吸水性樹脂乾燥装置。
【請求項6】
前記ピニオンギヤは、
前記ベッドボディの上側で前記第1ラックギヤに回転駆動力を伝達する第1ピニオンギヤと、
前記ベッドボディの下側で前記第2ラックギヤに回転駆動力を伝達する第2ピニオンギヤと、
を含む、請求項に記載の高吸水性樹脂乾燥装置。
【請求項7】
前記第1ピニオンギヤは、
前記複数のベッドボディが互いに傾斜して連結された位置の上側で前記第1ラックギヤに噛合する、請求項に記載の高吸水性樹脂乾燥装置。
【請求項8】
前記第2ピニオンギヤは、
前記複数のベッドボディが互いに傾斜して連結された位置の下側で前記第2ラックギヤに噛合する、請求項に記載の高吸水性樹脂乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2020年10月23日付の大韓民国特許出願第10-2020-0138510号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、高吸水性樹脂の乾燥効率が向上する高吸水性樹脂乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、高吸水性樹脂(super absorbent polymer、SAP)は、アクリル酸と苛性ソーダとを反応させて製造する白色粉末形態の高分子物質であって、自重の500倍から1千倍程度の水分を吸収することができる。
【0004】
高吸水性樹脂は、水を吸収すればゼリーに似た形態に変形し、外部からある程度の圧力が加えられても水を排出せずに貯蔵できる機能を有する合成高分子物質である。
【0005】
高吸水性樹脂分子は、網状構造を有しているものであって、間毎の多くの孔によって水をよく吸収することができ、高吸水性樹脂の内部と外部溶液(水)との間のイオン濃度の差によって水が高吸水性樹脂の内部に移動(浸透圧現象)する。水分子が高吸水性樹脂の内部に流入すると、内部に固定された陰イオンが反発力によって一定の空間を占めようとしながら、高分子鎖の空間が膨張して水をより多く吸収(静電気的反発力)することができるのである。
【0006】
このような高吸水性樹脂は生理用品として実用化され始め、現在は、幼児用紙おむつなどの衛生用品のほか、園芸用土壌保水剤、土木、建築用止水材、育苗用シート、食品流通分野での鮮度保持剤、およびシップ用などの材料に幅広く使用されている。
【0007】
高吸水性樹脂を製造する方法としては、逆相懸濁重合による方法または水溶液重合による方法などが知られている。
【0008】
このうち、水溶液重合による方法としては、軸を備えた練合機内で重合ゲルを破断、冷却しながら重合する熱重合方法、高濃度水溶液をベルト上で紫外線などを照射して重合と乾燥を同時に行う光重合方法などが知られている。
【0009】
かつて知られた方法として、架橋剤を有する水溶性エチレン系不飽和単量体をベンゾイル基を有するラジカル系光重合開始剤と過酸化物の存在下で紫外線を照射して重合する吸水性樹脂の製造方法などがあり、このような重合反応を経て生成される吸水性樹脂は、切断、乾燥、粉砕および表面処理工程などにより粉末状の吸水性樹脂に製造される。
【0010】
このうち、乾燥工程は、吸水性樹脂をコンベヤベルトを介して乾燥機に伝達し、略コンベヤベルト上で100mmの厚さに積層されてシート状樹脂塊として乾燥が進行する。
【0011】
乾燥過程において、乾燥前の高吸水性樹脂は、高吸水性樹脂間の結合力が高くない状態として粒子が分離されやすいが、乾燥後の高吸水性樹脂は、粒子同士で互いに結合して硬い構造を有する。
【0012】
一方、従来のコンベヤベルトは、平らな状態で設けられた状態で高吸水性樹脂の乾燥作動が行われるもので、乾燥過程で乾燥量が限られて乾燥効率が制限される問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の一実施例は、コンベヤを傾斜して設けて熱風の接触面積が増大し、乾燥量の増大と乾燥効率の向上が可能な高吸水性樹脂乾燥装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施例は、高吸水性樹脂の乾燥のためのコンベヤが設けられた乾燥装置であって、高吸水性樹脂を移送するコンベヤと、コンベヤに乾燥熱風を供給する熱風供給部とを含むことができる。
【0015】
コンベヤは、互いに屈曲した状態で連結される複数のコンベヤベッドと、複数のコンベヤベッドの間を連結するリンク連結部と、コンベヤベッドを駆動する駆動部とを含むことができる。
【0016】
コンベヤベッドは、高吸水性樹脂が表面に載置されて移送される複数のベッドボディと、ベッドボディの側面に形成されて前記リンク連結部が連結される連結溝とを含むことができる。
【0017】
リンク連結部は、ベッドボディの一側に突出して隣接したベッドボディの連結溝に挿入されるリンク突部を含むことができる。
【0018】
複数のベッドボディは、互いに90度~170度の角度範囲で傾斜して連結される。
【0019】
駆動部は、ベッドボディの周縁に沿って設けられるラックギヤと、ラックギヤに噛合して前記ベッドボディに移動駆動力を提供するピニオンギヤとを含むことができる。
【0020】
ラックギヤは、ベッドボディの上側表面の周縁に沿って設けられる第1ラックギヤと、ベッドボディの下側表面の周縁に沿って設けられる第2ラックギヤとを含むことができる。
【0021】
ピニオンギヤは、ベッドボディの上側で第1ラックギヤに回転駆動力を伝達する第1ピニオンギヤと、ベッドボディの下側で第2ラックギヤに回転駆動力を伝達する第2ピニオンギヤとを含むことができる。
【0022】
第1ピニオンギヤは、複数のベッドボディが互いに傾斜して連結された位置の上側で第1ラックギヤに噛合することができる。
【0023】
第2ピニオンギヤは、複数のベッドボディが互いに傾斜して連結された位置の下側で第2ラックギヤに噛合することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施例によれば、コンベヤを構成する複数のベッドボディが互いに傾斜して連結されて、駆動部の駆動力によって作動することから、コンベヤに供給される熱風の接触面積が増大し、クラムベッドの厚さの減少が可能で高吸水性樹脂の乾燥効率の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施例による高吸水性樹脂乾燥装置を概略的に示す要部図である。
図2図1のコンベヤベッドの複数のベッドボディが連結された状態を概略的に示す要部平面図である。
図3図2のベッドボディの一部分が分離された状態を概略的に示す要部平面図である。
図4図3のA-A線に沿ったベッドボディを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。図面において本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0027】
図1は、本発明の一実施例による高吸水性樹脂乾燥装置を概略的に示す要部図であり、図2は、図1のコンベヤベッドの複数のベッドボディが連結された状態を概略的に示す要部平面図であり、図3は、図2のベッドボディの一部分が分離された状態を概略的に示す要部平面図であり、図4は、図3のA-A線に沿ったベッドボディを概略的に示す断面図である。
【0028】
図1図4に示されているように、本発明の一実施例による高吸水性樹脂乾燥装置300は、高吸水性樹脂の乾燥のためのコンベヤが設けられた乾燥装置であって、高吸水性樹脂12を移送するコンベヤ100と、コンベヤ100に乾燥熱風を供給する熱風供給部200とを含むことができる。
【0029】
コンベヤ100は、高吸水性樹脂12を受けて乾燥機ボディ11の内部で高吸水性樹脂12を移送するように設けられる。
【0030】
乾燥機ボディ11の側面には、高吸水性樹脂12をコンベヤ100に供給する投入部13が設けられる。
【0031】
投入部13は、乾燥機ボディ11の側面からコンベヤ100方向に乾燥しようとする高吸水性樹脂12を適切に投入するように設けられるもので、乾燥機ボディ11の内部に設けられたコンベヤ100に高吸水性樹脂12が自重によって落下して投入されるように設けられる。
【0032】
コンベヤ100は、乾燥機ボディ11の内部で駆動部120の駆動作動によって一方向または逆方向に移動可能に設けられて、熱風供給部200を介して供給される熱風によって高吸水性樹脂12の乾燥作動が行われるように設けられる。
【0033】
熱風供給部200は、コンベヤ100の下部で複数個設けられて、コンベヤ100に乾燥のための乾燥熱風を供給するように設けられる。
【0034】
より具体的に説明すれば、コンベヤ100は、互いに屈曲した状態で連結される複数のコンベヤベッド110と、複数のコンベヤベッド110の間を連結するリンク連結部115と、コンベヤベッド110を駆動する駆動部120とを含むことができる。
【0035】
コンベヤベッド110は、複数個が互いに隣接した状態で互いに連結された状態で設けられる。コンベヤベッド110は、互いに傾斜して連結された状態で乾燥機ボディ11の内部で駆動部120の駆動力によって移動可能に設けられる。
【0036】
このようなコンベヤベッド110は、高吸水性樹脂12が表面に載置されて移送される複数のベッドボディ111と、ベッドボディ111の側面に形成されてリンク連結部115が連結される連結溝113とを含むことができる。
【0037】
ベッドボディ111は、長方形の平面形状で、複数個が互いに隣接した状態でリンク連結部115によって連結される。
【0038】
ベッドボディ111は、複数個が互いに隣接した状態で連結されるように、一側にはリンク連結部115が連結される連結溝113が形成される。
【0039】
連結溝113は、ベッドボディ111の一側に複数個形成されるもので、複数のベッドボディ111のうち隣接したいずれか1つのベッドボディ111の側面に形成されたリンク連結部115が連結されるように形成される。
【0040】
このような連結溝113は、ベッドボディ111の一側に互いに離隔した2個で形成されるもので、リンク連結部115が内部に挿入された状態で連結される。
【0041】
リンク連結部115は、ベッドボディ111において連結溝113が形成された側面に対向する側面に突出形成されるもので、本実施例において、連結溝113の内部に挿入された状態で連結されるリンク突部として適用可能である。以下、リンク連結部とリンク突部は、同一の参照番号を使用する。
【0042】
リンク突部115は、ベッドボディ111の側面に2個が互いに離隔した状態で突出するもので、複数のベッドボディ111が互いに隣接して配置された状態で隣接したベッドボディ111に形成された連結溝113に挿入固定できる。
【0043】
ここで、複数のベッドボディ111は、互いに90度~170度の角度範囲Aで傾斜して連結される。
【0044】
複数のベッドボディ111は、乾燥機ボディ11の内部で上方向に5度~45度の角度範囲Bの傾きで傾斜して設けられる。また、複数のベッドボディ111は、互いに90度~170度の角度範囲で傾斜して連結される。
【0045】
このような複数のベッドボディ111は、互いに連結された状態を側面から眺めると、上下部方向にジグザグ形状に互いに連結される。
【0046】
このように、本実施例のコンベヤ100は、複数のベッドボディ111が互いに傾斜して連結されることから、乾燥機ボディ11の内部空間で従来の平らなコンベヤに比べて高吸水性樹脂が載置される表面積が12%以上増大可能である。
【0047】
つまり、従来の1mの平らなコンベヤに比べて、本実施例の複数のベッドボディ111が互いに90度~170度の角度範囲で傾斜して連結される場合、1.12mで連結された長さの延長が可能である。したがって、ベッドボディ111の上側表面に設けられるクラムベッド(crumb bed)の厚さは12%減少可能であり、熱風が接触する面積は12%の増大が可能であることから、高吸水性樹脂の乾燥効率の向上が可能である。
【0048】
一方、駆動部120は、複数のベッドボディ111がリンク突部115によって互いに連結された状態で乾燥機ボディ11の内部で移動可能に設けられる。
【0049】
より具体的に説明すれば、駆動部120は、ベッドボディ111の周縁に沿って設けられるラックギヤ121と、ラックギヤ121に噛合してベッドボディ111に移動駆動力を提供するピニオンギヤ123とを含むことができる。
【0050】
ラックギヤ121は、ベッドボディ111の上側表面の周縁に沿って設けられる第1ラックギヤ121aと、ベッドボディ111の下側表面の周縁に沿って設けられる第2ラックギヤ121bとを含むことができる。
【0051】
第1ラックギヤ121aは、複数のベッドボディ111の上側表面において対向する両側周縁の位置に設けられる。
【0052】
第2ラックギヤ121bは、複数のベッドボディ111の下側表面において対向する両側周縁の位置に設けられる。
【0053】
このような第1ラックギヤ121aと第2ラックギヤ121bにはピニオンギヤ123が噛合することができる。
【0054】
ピニオンギヤ123は、ベッドボディ111の上側で第1ラックギヤ121aに回転駆動力を伝達する第1ピニオンギヤ123aと、ベッドボディ111の下側で第2ラックギヤ121bに回転駆動力を伝達する第2ピニオンギヤ123bとを含むことができる。
【0055】
第1ピニオンギヤ123aは、複数のベッドボディ111が互いに連結された上側で第1ラックギヤ121aに噛合するように設けられる。
【0056】
このような第1ピニオンギヤ123aは、複数のベッドボディ111が互いに連結された位置で第1ラックギヤ121aに噛合した状態で設けられる。したがって、第1ピニオンギヤ123aは、複数のベッドボディ111が互いに連結された上側を支持しながらコンベヤ100に駆動力を伝達することができる。
【0057】
第1ピニオンギヤ123aは、複数のベッドボディ111が互いに連結された上側位置を支持するように複数個設けられるもので、複数のベッドボディ111が傾斜して連結された上側位置を支持するように設けられる。
【0058】
第2ピニオンギヤ123bは、複数のベッドボディ111が互いに連結された下側で第2ラックギヤ121bに噛合するように設けられる。
【0059】
このような第2ピニオンギヤ123bは、複数のベッドボディ111が互いに連結された位置で第2ラックギヤ121bに噛合した状態で設けられる。したがって、第2ピニオンギヤ123bは、複数のベッドボディ111が互いに連結された下側を支持しながら、コンベヤ100に駆動力を伝達することができる。
【0060】
第2ピニオンギヤ123bは、複数のベッドボディ111が互いに連結された下側位置を支持するように複数個設けられるもので、複数のベッドボディ111が傾斜して連結された下側位置を支持するように設けられる。
【0061】
前述した第1ピニオンギヤ123aと第2ピニオンギヤ123bは、複数のベッドボディ111が連結された位置でベッドボディ111の上側と下側をそれぞれ支持するように、互いに交互する位置にそれぞれ設けられる。
【0062】
このように、第1ピニオンギヤ123aと第2ピニオンギヤ123bは、複数のベッドボディ111が傾斜して連結された状態を安定的に支持しながら、コンベヤ100に駆動力を適切に伝達するように設けられる。
【0063】
前述のように、本実施例の高吸水性樹脂乾燥装置300は、コンベヤ100を構成する複数のベッドボディ111が互いに傾斜して連結されて、駆動部120の駆動力によって作動することから、コンベヤ100に供給される熱風の接触面積が増大し、クラムベッドの厚さの減少が可能で高吸水性樹脂の乾燥効率の向上が可能である。
【0064】
本発明で指し示す高吸水性樹脂は、通常の方法で製造されたものであってもよいし、特に限定されない。例えば、前記高吸水性樹脂は、高吸水性樹脂の原料物質を含むモノマー組成物溶液に対して熱重合または光重合を進行させて重合したものであってもよい。
【0065】
高吸水性樹脂の原料物質は、モノマー、モノマーの中和のための塩基性化合物、重合開始剤、架橋剤および各種添加剤を含むことができる。
【0066】
モノマーは、高吸水性樹脂の製造に通常使用されるモノマーであれば、その構成の限定なく使用可能である。これには、陰イオン性単量体とその塩、非イオン系親水性含有単量体およびアミノ基含有不飽和単量体およびその4級化物からなる群より選択されるいずれか1つ以上を使用することができる。
【0067】
具体的には、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2-アクリロイルエタンスルホン酸、2-メタアクリロイルエタンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸または2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の陰イオン性モノマーとその塩;(メタ)アクリルアミド、N-置換(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートまたはポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの非イオン系親水性含有モノマー;および(N,N)-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートまたは(N,N)-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのアミノ基含有不飽和モノマーおよびその4級化物からなる群より選択されたいずれか1つ以上を好ましく使用することができる。
【0068】
モノマーは、濃度は重合時間および反応条件などを考慮して適切に選択して使用可能である。
【0069】
モノマー組成物溶液は、重合開始剤を含むが、重合エネルギー供給部から紫外線が照射される場合には光重合開始剤を、熱風が供給される場合に熱重合開始剤などを含むことができる。
【0070】
熱重合開始剤として、過硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤、過酸化水素、およびアスコルビン酸からなる開始剤の群より選択される1つ以上を使用することができる。具体的には、過硫酸塩系開始剤の例としては、過硫酸ナトリウム(Sodium persulfate;Na)、過硫酸カリウム(Potassium persulfate;K)、過硫酸アンモニウム(Ammonium persulfate;(NH)などがあり、アゾ(Azo)系開始剤の例としては、2,2-アゾビス-(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(2,2-azobis(2-amidinopropane)dihydrochloride)、2,2-アゾビス-(N,N-ジメチレン)イソブチルアミジンジヒドロクロライド(2,2-azobis-(N,N-dimethylene)isobutyramidine dihydrochloride)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル(2-(carbamoylazo)isobutylonitril)、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド(2,2-azobis[2-(2-imidazolin-2-yl)propane]dihydrochloride)、4,4-アゾビス-(4-シアノ吉草酸)(4,4-azobis-(4-cyanovaleric acid))などを使用することができる。より多様な熱開始剤については、Odian著書の『Principle of Polymerization(Wiley,1981sus)』、p203によく明示されており、上述した例に限定されない。
【0071】
光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル(benzoin ether)、ジアルキルアセトフェノン(dialkyl acetophenone)、ヒドロキシルアルキルケトン(hydroxyl alkylketone)、フェニルグリオキシレート(phenyl glyoxylate)、ベンジルジメチルケタール(Benzyl Dimethyl Ketal)、アシルホスフィン(acyl phosphine)およびアルファ-アミノケトン(α-aminoketone)からなる群より選択される1つ以上を使用することができる。一方、アシルホスフィンの具体例として、商用のlucirin TPO、つまり、2,4,6-トリメチル-ベンゾイル-トリメチルホスフィンオキシド(2,4,6-trimethyl-benzoyl-trimethyl phosphine oxide)を使用することができる。より多様な光開始剤については、Reinhold Schwalm著書の『UV Coatings:Basics,Recent Developments and New Application(Elsevier2007年)』、p115によく明示されており、上述した例に限定されない。
【0072】
架橋剤としては、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどを含むジアクリレート系架橋剤;トリアクリレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤;およびエポキシ系架橋剤などから選択された1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0073】
架橋剤は、モノマー組成物溶液の総含有量に対して約0.01~約0.5重量%含まれる。
【0074】
添加剤としては、増粘剤(thickener)、可塑剤、保存安定剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0075】
このようなモノマー、重合開始剤、架橋剤および添加剤は、溶媒に溶解した溶液の形態で用意される。
【0076】
この時、使用可能な溶媒は、上述した成分を溶解できれば、その構成の限定なく使用可能であり、例えば、水、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トルエン、キシレン、ブチロラクトン、カルビトール、メチルセロソルブアセテートおよびN,N-ジメチルアセトアミドなどから選択された1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0077】
溶媒は、組成物溶液の総含有量に対して上述した成分を除いた残量で含まれる。
【0078】
重合方法は、重合エネルギー源によって大きく熱重合および光重合に分けられ、通常、熱重合を進行させる場合、ニーダー(kneader)などの撹拌軸を有する反応器で行われ、光重合を進行させる場合、移動可能なコンベヤベルトを備えた反応器で行われるか、底の平らな容器で行われてもよいが、上述した重合方法は一例であり、本発明は上述した重合方法に限定されない。
【0079】
一例として、上述のように、撹拌軸を備えたニーダー(kneader)などの反応器に、熱風を供給したり反応器を加熱して熱重合をして得られた含水ゲル状重合体は、反応器に備えられた撹拌軸の形態に応じて、反応器の排出口に排出される含水ゲル状重合体は、数センチメートル~数ミリメートルの形態であってもよい。具体的には、得られる含水ゲル状重合体の大きさは、注入される単量体組成物の濃度および注入速度などに応じて多様に現れるが、通常、重量平均粒径が2~50mmの含水ゲル状重合体が得られる。
【0080】
また、上述のように移動可能なコンベヤベルトを備えた反応器または底の平らな容器で光重合を進行させる場合、通常得られる含水ゲル状重合体の形態は、ベルトの幅を有するシート状の含水ゲル状重合体であってもよい。この時、重合体シートの厚さは、注入される単量体組成物の濃度および注入速度または注入量に応じて異なるが、通常、約0.5~約5cmの厚さを有するシート状の重合体が得られるように単量体組成物を供給することが好ましい。シート状の重合体の厚さが過度に薄い程度に単量体組成物を供給する場合、生産効率が低くて好ましくなく、シート状の重合体の厚さが5cmを超える場合には、過度に厚い厚さによって、重合反応が全厚さにわたって均等に起こらないことがある。
【0081】
この時、このような方法で得られた含水ゲル状重合体の通常の含水率は、約40~約80重量%であってもよい。一方、本明細書全体において、「含水率」は、全体含水ゲル状重合体の重量に対して占める水分の含有量で、含水ゲル状重合体の重量から乾燥状態の重合体の重量を引いた値を意味する。具体的には、赤外線加熱により重合体の温度を上げて乾燥する過程で重合体中の水分の蒸発による重量減少分を測定して計算された値で定義する。この時、乾燥条件は、常温から約180℃まで温度を上昇させた後、180℃で維持する方式で、総乾燥時間は、温度上昇段階の5分を含む20分に設定して、含水率を測定する。
【0082】
以後、前記得られた含水ゲル状重合体を乾燥する時、本発明の高吸水性樹脂乾燥装置を用いることができる。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0084】
11...乾燥機ボディ
12...高吸水性樹脂
13...投入部
100...コンベヤ
110...コンベヤベッド
111...ベッドボディ
113...連結溝
115...リンク連結部、リンク突部
120...駆動部
121...ラックギヤ
121a...第1ラックギヤ
121b...第2ラックギヤ
123...ピニオンギヤ
123a...第1ピニオンギヤ
123b...第2ピニオンギヤ
200...熱風供給部
図1
図2
図3
図4