(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】ゲームシステム、サーバ装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/798 20140101AFI20231211BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20231211BHJP
A63F 13/46 20140101ALI20231211BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20231211BHJP
A63F 13/56 20140101ALI20231211BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20231211BHJP
【FI】
A63F13/798
A63F13/35
A63F13/46
A63F13/53
A63F13/56
A63F13/822
(21)【出願番号】P 2020042928
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】下野 昌隆
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/146072(WO,A1)
【文献】特開2019-042592(JP,A)
【文献】特開2019-141703(JP,A)
【文献】特開2019-097698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するゲームシステムであって、
複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部とを含み、
前記ゲーム制御部は、
前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを進行させ
、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおいて所与の設定終了操作を受け付けた場合に、前記設定操作の受付を終了し、
前記設定操作評価部は、
前記準備フェーズの開始から前記受付の終了までの前記設定操作の過程を評価することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するゲームシステムであって、
複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部とを含み、
前記ゲーム制御部は、
前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを進行させ
、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおいて、対戦相手プレーヤの前記設定操作の少なくとも一部を把握可能な情報である設定操作情報を表示させ、
前記準備フェーズには制限時間が設定されており、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおける前記制限時間の残り時間に応じて前記設定操作情報の情報量を変化させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するゲームシステムであって、
複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部とを含み、
前記ゲーム制御部は、
前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを
、前記複数のプレーヤの操作によらず自動的に進行させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項
1において、
前記設定操作評価部は、
前記受付の終了までに要した時間、及び/又は、前記受付の終了までに要した操作量に基づいて、前記設定操作の過程を評価することを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか1項において、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおいて、前記設定操作として、ゲーム媒体をゲームフィールドに配置する配置操作を受け付け、前記複数のプレーヤのゲーム媒体の配置状況に基づいて、前記実行フェーズのゲームを進行させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれか1項において、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおいて、前記設定操作として、ゲーム媒体をゲームフィールドに配置する配置操作を受け付け、当該ゲーム媒体の種類に応じて、当該配置操作に基づく当該ゲーム媒体の配置の態様を異ならせることを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するサーバ装置であって、
複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部とを含み、
前記ゲーム制御部は、
前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを進行させ
、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおいて所与の設定終了操作を受け付けた場合に、前記設定操作の受付を終了し、
前記設定操作評価部は、
前記準備フェーズの開始から前記受付の終了までの前記設定操作の過程を評価することを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するサーバ装置であって、
複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部とを含み、
前記ゲーム制御部は、
前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを進行させ
、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおいて、対戦相手プレーヤの前記設定操作の少なくとも一部を把握可能な情報である設定操作情報を表示させ、
前記準備フェーズには制限時間が設定されており、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおける前記制限時間の残り時間に応じて前記設定操作情報の情報量を変化させることを特徴とするサーバ装置。
【請求項9】
複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するサーバ装置であって、
複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部とを含み、
前記ゲーム制御部は、
前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを
、前記複数のプレーヤの操作によらず自動的に進行させることを特徴とするサーバ装置。
【請求項10】
複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するためのプログラムであって、
複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム制御部は、
前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを進行させ
、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおいて所与の設定終了操作を受け付けた場合に、前記設定操作の受付を終了し、
前記設定操作評価部は、
前記準備フェーズの開始から前記受付の終了までの前記設定操作の過程を評価することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するためのプログラムであって、
複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム制御部は、
前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを進行させ
、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおいて、対戦相手プレーヤの前記設定操作の少なくとも一部を把握可能な情報である設定操作情報を表示させ、
前記準備フェーズには制限時間が設定されており、
前記ゲーム制御部は、
前記準備フェーズにおける前記制限時間の残り時間に応じて前記設定操作情報の情報量を変化させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するためのプログラムであって、
複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、
前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム制御部は、
前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを
、前記複数のプレーヤの操作によらず自動的に進行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、サーバ装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、準備フェーズと実行フェーズを繰り返すことで戦略を競う対戦ゲームが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームでは、準備フェーズでの準備操作の結果のみが実行フェーズに反映されるため、プレーヤは自ら考えた戦略通りに準備操作を行うだけでよく、プレイが単調になりがちであった。また、準備フェーズに制限時間を設定するゲームも存在するが、プレーヤの準備操作に緊迫感を持たせるといった効果以上の効果をもたらすことは難しかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、戦略だけでなくプレーヤの操作技量の巧拙やプレーヤ間の駆け引きを反映した戦略ゲームを実現することが可能なゲームシステム、サーバ装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームを実行するゲームシステムであって、複数のプレーヤの設定操作を受け付ける準備フェーズと、前記準備フェーズにおける前記複数のプレーヤの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させるゲーム制御部と、前記準備フェーズにおける、前記設定結果に至る前記設定操作の過程を、前記複数のプレーヤごとに評価する設定操作評価部とを含み、前記ゲーム制御部は、前記設定操作評価部による評価に基づいて、前記実行フェーズのゲームを進行させることを特徴とするゲームシステムに関する。また本発明は、上記各部を含むサーバ装置に関する。また、本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記ゲームプログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。
【0007】
本発明によれば、準備フェーズにおける設定結果に至る設定操作の過程を評価し、評価結果に基づいて実行フェーズのゲームを進行させることで、準備フェーズにおけるプレーヤの操作技量の巧拙を反映した戦略ゲームを実現することができる。
【0008】
(2)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記ゲーム制御部は、前記準備フェーズにおいて、対戦相手プレーヤの前記設定操作の少なくとも一部を把握可能な情報である設定操作情報を表示させてもよい。
【0009】
本発明によれば、プレーヤは、準備フェーズにおいて、対戦相手プレーヤの設定操作の少なくとも一部を把握することができるため、対戦相手との駆け引きを楽しむことができる。
【0010】
(3)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記準備フェーズには制限時間が設定されており、前記ゲーム制御部は、前記準備フェーズにおける前記制限時間の残り時間に応じて前記設定操作情報の情報量を変化させてもよい。
【0011】
本発明によれば、プレーヤは、準備フェーズにおいて、設定操作情報の情報量の変化を考慮した対戦相手との駆け引きを楽しむことができる。
【0012】
(4)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記ゲーム制御部は、前記準備フェーズにおいて所与の設定終了操作を受け付けた場合に、前記設定操作の受付を終了し、前記設定操作評価部は、前記準備フェーズの開始から前記受付の終了までの前記設定操作の過程を評価してもよい。
【0013】
本発明によれば、準備フェーズの開始から受付終了までの設定操作の技量の巧拙を反映した戦略ゲームを実現することができる。
【0014】
(5)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定操作評価部は、前記受付の終了までに要した時間、及び/又は、前記受付の終了までに要した操作量に基づいて、前記設定操作の過程を評価してもよい。
【0015】
本発明によれば、準備フェーズにおける設定操作にかかる時間や操作量に関する操作技量の巧拙を反映した戦略ゲームを実現することができる。
【0016】
(6)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記ゲーム制御部は、前記準備フェーズにおいて、前記設定操作として、ゲーム媒体をゲームフィールドに配置する配置操作を受け付け、前記複数のプレーヤのゲーム媒体の配置状況に基づいて、前記実行フェーズのゲームを進行させてもよい。
【0017】
本発明によれば、準備フェーズにおけるゲーム媒体の配置操作の技量の巧拙を反映した戦略ゲームを実現することができる。
【0018】
(7)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記ゲーム制御部は、前記準備フェーズにおいて、前記設定操作として、ゲーム媒体をゲームフィールドに配置する配置操作を受け付け、当該ゲーム媒体の種類に応じて、当該配置操作に基づく当該ゲーム媒体の配置の態様を異ならせてもよい。
【0019】
本発明によれば、プレーヤは、準備フェーズにおいて、ゲーム媒体の種類が当該ゲーム媒体の配置の態様に与える影響を考慮しつつゲーム媒体を配置するといったプレイを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】本実施形態のサーバの機能ブロック図の一例を示す図。
【
図3】本実施形態の端末の機能ブロック図の一例を示す図。
【
図4】準備フェーズにおいてプレーヤの端末の表示部に表示されるゲーム画面GIの一例を示す図。
【
図5】準備フェーズにおいてプレーヤの端末の表示部に表示されるゲーム画面GIの一例を示す図。
【
図6】本実施形態のゲームシステムの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0022】
1.構成
図1は、本実施形態のゲームシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバシステム)とによって構成される。つまり、
図1に示すように、本実施形態のゲームシステムは、サービスを提供するサーバ20(サーバ装置)と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0023】
サーバ20は、端末10からの要求に応じてオンラインゲームサービスを提供する情報処理装置である。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、マッチングサーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
【0024】
本実施形態では、端末10において、ゲームが実行され、サーバ20において、プレーヤ同士をマッチングする処理や、端末10で実行されるゲームの進行制御処理などが実行される。また、サーバ20では、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム媒体(キャラクタを表す仮想的なカード、アイテム等)や、ゲーム内通貨などの情報が管理される。
【0025】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0026】
図2に本実施形態のサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のサーバは
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0027】
記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部200のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部270は、格納部272(例えばデータベース)を含む。
【0028】
格納部272は、本実施形態のゲームシステムで実行されるオンラインゲームに参加する複数のプレーヤそれぞれのプレーヤ情報を格納する。例えば、格納部272は、複数のプレーヤそれぞれのプレーヤ識別情報(プレーヤIDや、プレーヤが使用する端末IDなど)に対応づけて、プレーヤ名(プレーヤアカウント)、パスワード、端末10の宛先情報(IPアドレス等)などを、プレーヤ情報として格納する。また、格納部272は、プレーヤとフレンド関係(所定の関係の一例)にある他のプレーヤを特定するための情報を、プレーヤ情報として格納する。また、格納部272は、プレーヤ識別情報に対応づけて、プレーヤが保有するゲーム媒体やゲーム内通貨に関する情報を、プレーヤ情報として格納する。
【0029】
通信部296は端末10や他のサーバとの間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0030】
処理部200(プロセッサ)は、端末10から送信され通信部296を介して受信したデータ、プログラムなどに基づいて、プレーヤ情報の管理、ログイン/ログアウトに関する処理、通信制御処理などの各種処理を行う。処理部200は記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部200は、ゲーム制御部210と、設定操作評価部212とを含む。
【0031】
ゲーム制御部210は、複数のプレーヤ(プレーヤと当該プレーヤの対戦相手のプレーヤ)の設定操作を受け付ける準備フェーズと、準備フェーズにおける複数のプレーヤそれぞれの設定結果に基づいてゲームを実行させる実行フェーズとを切り替えゲームを進行させる制御を行う。ゲーム制御部210は、準備フェーズにおいて、プレーヤの端末10から設定操作の操作情報を受信する。また、ゲーム制御部210は、準備フェーズにおいて、プレーヤの端末10の表示部190に、当該プレーヤの対戦相手のプレーヤの設定操作の少なくとも一部を把握可能な情報である設定操作情報を表示させる制御を行ってもよい。この場合、ゲーム制御部210は、準備フェーズに設定された制限時間の残り時間に応じて設定操作情報の情報量を変化させてもよい。また、ゲーム制御部210は、準備フェーズにおいて所与の設定終了操作を受け付けた場合に、設定操作の受付を終了してもよい。また、ゲーム制御部210は、準備フェーズにおいて、設定操作として、ゲーム媒体をゲームフィールドに配置する配置操作を受け付け、複数のプレーヤのゲーム媒体の配置状況に基づいて、実行フェーズのゲームを進行させてもよい。この場合、ゲーム制御部210は、準備フェーズにおいて、ゲーム媒体の種類に応じて、配置操作に基づくゲーム媒体の配置の態様(例えば、ゲーム媒体が配置されるまでにかかる時間、ゲーム媒体の配置位置)を異ならせてもよい。
【0032】
設定操作評価部212は、準備フェーズにおける、設定結果に至る設定操作の過程を、複数のプレーヤごとに評価する。ゲーム制御部210は、設定操作評価部212による評価に基づいて、実行フェーズのゲームを進行させる。ゲーム制御部210は、設定操作評価部212によるプレーヤの評価結果を当該プレーヤの対戦相手のプレーヤの端末10に送信する。また、設定操作評価部212は、準備フェーズの開始から設定操作の受付終了までの設定操作の過程を評価してもよい。この場合、設定操作評価部212は、設定操作の受付終了までに要した時間、及び/又は、設定操作の受付終了までに要した操作量に基づいて、設定操作の過程を評価してもよい。
【0033】
図3に、本実施形態の端末10の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の端末は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0034】
入力部150は、プレーヤからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、プレーヤの入力情報(操作情報)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
【0035】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0036】
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのディスプレイにより実現できる。
【0037】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、
スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0038】
通信部196はサーバ20や他の端末10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0039】
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0040】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作情報)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、ゲーム処理部110、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0041】
ゲーム処理部110は、入力部150からの入力情報や、サーバ20から受信した情報に基づいて、準備フェーズ及び実行フェーズのゲームを進行させる処理を行う。例えば、ゲーム処理部110は、準備フェーズにおいて、プレーヤの設定操作に基づいて、指定されたゲーム媒体をゲームフィールドに配置し、また、サーバ20から受信した対戦相手の設定操作情報を表示部190に表示させる。また、ゲーム処理部110は、準備フェーズにおけるプレーヤの設定結果と、サーバ20から受信した対戦相手の設定結果と、サーバ20から受信したプレーヤ及び対戦相手の評価結果とに基づいて、実行フェーズのゲームを進行させる。
【0042】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像(準備フェーズのゲーム画面、実行フェーズのゲーム画面)を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、オブジェクト空間(ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成してもよい。
【0043】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0044】
また処理部100は、ゲームを開始した場合には、ゲームを開始したことを通知するための情報をサーバ20に送信し、ゲームが終了した場合には、ゲーム結果や各種ゲームパラメータに関するゲーム結果情報(プレーヤが保有するゲーム媒体やゲーム内通貨に関する情報、ゲーム進行状況等)をサーバ20に送信する。サーバ20は、ゲーム装置(端末10)から送信された、ゲーム結果情報に基づいて、各プレーヤに対応付けられた各種データの更新処理を行う。なお、端末10側で生成したゲーム結果情報をサーバ20に送信する例に限らず、ゲーム実行中に端末10からサーバ20に順次送信される各種の情報に基づいて、サーバ20側でゲーム結果情報を生成するようにしてもよい。また、ゲームが終了したか否かも、端末10側で判断してもよいし、サーバ20側で判断してもよい。
【0045】
また、本実施形態のゲームシステムをサーバシステムとして構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバシステムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ
)に基づいて、ゲーム処理部110の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。このように、ゲーム制御部210、設定操作評価部212及びゲーム処理部110の処理を、全てサーバで実行するように構成してもよいし、全て端末で実行するように構成してもよいし、サーバと端末で分散して実行するように構成してもよい。本発明は、スマートフォンで実行されるゲームアプリ、家庭用ゲーム機用のゲームソフト、PC用のゲームソフト、スマートフォンやPC用のブラウザゲーム、業務用ゲーム機などに適用することができる。
【0046】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0047】
本発明のゲームシステムでは、複数のプレーヤ間で対戦を行うゲームが実行される。当該ゲームは準備フェーズと実行フェーズと繰り返すゲームであり、準備フェーズでは、プレーヤが設定操作を行うことで、実行フェーズにおけるゲーム進行の準備や予約を行い、実行フェーズでは、準備フェーズにおける設定結果等に基づいて自動的にゲームが進行する。
【0048】
図4は、準備フェーズにおいて、プレーヤの端末10の表示部190(タッチパネル)に表示されるゲーム画面GIの一例を示す図である。ゲーム画面GIには、プレーヤのプレーヤキャラクタPCaと、当該プレーヤの対戦相手のプレーヤキャラクタPCbと、ゲームフィールドGFa,GFbと、プレーヤのデッキDKが表示されている。ゲームフィールドGFaには、プレーヤによって配置されたゲーム媒体GMが表示され、ゲームフィールドGFbには、対戦相手によって配置されたゲーム媒体GMが表示される。
【0049】
プレーヤは、設定操作として、自身のデッキDKを構成する任意のゲーム媒体GM(カード)を、ゲームフィールドGFa上の任意の位置にドラッグアンドドロップして配置する操作(配置操作)を行う。プレーヤがデッキDKからゲームフィールドGFaにゲーム媒体GMを配置すると、デッキDKには、プレーヤが保有するゲーム媒体GMが自動的に補充される。なお、プレーヤは、ゲームフィールドGFaに配置したゲーム媒体GMを他の位置にドラッグアンドドロップして移動させる(再配置する)配置操作を行うこともできる。対戦相手も同様に、自身のデッキに入っている任意のゲーム媒体GMをゲームフィールドGFbに配置したり移動したりする配置操作を行う。
【0050】
図4に示す例では、プレーヤは、4つのゲーム媒体GM
1~GM
4をゲームフィールドGFaに配置している。ゲーム媒体GM1,GM
3は、「ユニット」と呼ばれるゲーム媒体GMであり、実行フェーズにおいて、ゲームフィールド(GFa,GFb)上を移動し、対戦相手によって配置されたゲーム媒体GMやプレーヤキャラクタPCbを攻撃する。「ユニット」のゲーム媒体GMの左上に表示された数字は攻撃力を示し、右上に表示された数字は防御力を示し、左下に表示された数字はスキル(特殊効果)発動までのターン数を示している。なお、「ユニット」の攻撃対象(行動対象)を、準備フェーズにおいて設定操作によりプレーヤが設定できるようにしてもよい。また、ゲーム媒体GM
2は、「タワー」と呼ばれるゲーム媒体GMであり、実行フェーズにおいて、固定砲台として機能し、対戦相手によって配置されたゲーム媒体GMを攻撃(迎撃)する。「タワー」のゲーム媒体GMの左上に表示された数字は攻撃力を示し、右上に表示された数字は防御力を示す。また、ゲーム媒体GM
4は、「スペルカード」と呼ばれるゲーム媒体GMであり、実行フェーズにおいて魔法を発動する。「スペルカード」のゲーム媒体GMの左上に表示された数字は魔法の効果の高さを示す。プレーヤは、準備フェーズにおいて「スペルカード」
の行動対象(「スペルカード」の魔法が攻撃魔法である場合には、設定操作により攻撃対象とするゲーム媒体GM)を指定することができる。また、プレーヤキャラクタPCa,PCbの上部に表示された数字は、体力値を示している。
【0051】
対戦相手によってゲームフィールドGFbに配置された当該ゲーム媒体GMはシルエットで(カードが裏返しになった状態で)表示されており、当該ゲーム媒体GMには、ゲーム媒体GMの種類(「ユニット」、「タワー」等の別)を示す図形やパラメータを示す数字は表示されていない。すなわち、
図4に示す例では、対戦相手の設定操作の少なくとも一部を把握可能な情報(設定操作情報)として、対戦相手によって配置されたゲーム媒体GMの配置位置をプレーヤの端末10の表示部190に表示しており、プレーヤは、対戦相手によって配置されたゲーム媒体GMの数や配置位置を把握することはできるが、対戦相手によって配置されたゲーム媒体GMの種類やパラメータを把握することはできない。なお、設定操作情報として、ゲーム媒体GMの種類(行動内容)を示す図形や色を表示するようにしてもよいし、ゲーム媒体GMのパラメータを示す数字等を表示するようにしてもよいし、ゲーム媒体GMの行動対象を示す矢印等を表示するようにしてもよい。
【0052】
プレーヤにはコストが設定され、準備フェーズにおいてプレーヤがゲーム媒体GMを配置する度に、当該ゲーム媒体に設定されたコスト消費量だけプレーヤのコストが消費される。プレーヤのコストの残量が0になると、プレーヤはその準備フェーズにおいてそれ以上ゲーム媒体GMを配置できなくなる。ゲーム画面GIには、プレーヤのコストCSaと、対戦相手のコストCSbが表示されており、
図4に示す例では、プレーヤのコストCSaの初期値が「7」、残量が「3」であり、対戦相手のコストCSbの初期値が「7」、残量が「2」であることを示している。
【0053】
また、準備フェーズには制限時間が設定されており、当該制限時間が経過すると、プレーヤ及び対戦相手の設定操作の受付が終了し、実行フェーズに切り替わる。ゲーム画面GIは、制限時間の残り時間TLが表示されている。また、プレーヤが、ゲーム画面GIに表示された設定終了ボタンEBを押す操作(設定終了操作)を行うと、制限時間の経過前であっても当該プレーヤの設定操作の受付が終了する。プレーヤと対戦相手の両方が設定終了ボタンEBを操作すると、実行フェーズに切り替わる。
【0054】
実行フェーズでは、準備フェーズにおける、プレーヤの設定結果(ゲームフィールドGFaにおけるゲーム媒体GMの配置状況)と対戦相手の設定結果(ゲームフィールドGFbにおけるゲーム媒体GMの配置状況)とに基づいて、プレーヤと対戦相手とが対戦するゲームが自動的に進行する。すなわち、ゲームフィールドGFaに配置されたプレーヤのゲーム媒体GMのうち「ユニット」は、対戦相手のゲーム媒体GM(「ユニット」や「タワー」)やプレーヤキャラクタPCbに向かって自動的に移動し、対戦相手のゲーム媒体GMやプレーヤキャラクタPCbを自動的に攻撃する。また、「ユニット」のスキルを発動可能なターンである場合には、当該「ユニット」のスキルが自動的に発動される。また、プレーヤの「タワー」は、近隣の対戦相手のゲーム媒体GMを自動的に攻撃する。また、プレーヤの「スペルカード」は、自動的に魔法を発動する。なお、プレーヤの先攻である場合には、プレーヤの「スペルカード」の魔法が対戦相手の「スペルカード」の魔法よりも先に発動され、プレーヤの後攻である場合には、対戦相手の「スペルカード」の魔法がプレーヤの「スペルカード」の魔法よりも先に発動される。対戦相手のゲームフィールドGFbに配置されたゲーム媒体GMも同様に、プレーヤのゲーム媒体GMやプレーヤキャラクタPCaを自動的に攻撃する。なお、実行フェーズにおけるゲームは基本的には自動で進行するものであるが、実行フェーズにおけるゲーム進行中の手動操作を許容してもよい。例えば、実行フェーズにおいて、「ユニット」のスキルを発動させる操作を受け付けたり、ゲームフィールドにおけるゲーム媒体GMの配置位置を変更する操作を受け付けたりしてもよい。
【0055】
プレーヤの(或いは、対戦相手の)ゲーム媒体GMが対戦相手の(或いは、プレーヤの)ゲーム媒体GMを攻撃した場合、攻撃を行ったゲーム媒体GMの攻撃力に応じて、攻撃を受けたゲーム媒体GMの防御力が減少する。防御力が0となったゲーム媒体GMはゲームフィールド(GFa,GFb)から消去される。また、プレーヤの(或いは、対戦相手の)ゲーム媒体GMが対戦相手のプレーヤキャラクタPCb(或いは、プレーヤのプレーヤキャラクタPCa)を攻撃した場合、当該ゲーム媒体GMの攻撃力に応じてプレーヤキャラクタPCbの体力値が減少する。
【0056】
実行フェーズにも制限時間が設定されており、当該制限時間が経過すると実行フェーズは終了して、再び準備フェーズに切り替わる(ターンが経過する)。準備フェーズに切り替わると、プレーヤ及び対戦相手のコストの残量は初期値にリセットされる。なお、ターンが経過する度に、コストの初期値が増加するようにしてもよい。このように、準備フェーズと実行フェーズを切り替えて、ゲームの準備とゲームの自動実行を交互に繰り返す。そして、対戦相手のプレーヤキャラクタPCbの体力値が先に0になった場合には、プレーヤの勝利となり、プレーヤのプレーヤキャラクタPCaの体力値が先に0になった場合には、対戦相手の勝利となる。
【0057】
本実施形態のゲームシステムでは、準備フェーズの開始から設定操作の受付が終了する(制限時間が経過する、或いは、制限時間内に設定終了操作が行われる)までの設定操作の過程を、複数のプレーヤごとに評価する。より詳細には、設定操作の受付終了までに要した時間、及び/又は、設定操作の受付終了までに要した操作量に基づいて、設定操作の過程を評価する。設定操作の受付終了までに要した時間に基づき設定操作の過程を評価する場合、プレーヤの設定操作の受付終了までに要した時間が短いほど(設定操作の受付終了時の制限時間の残り時間が長いほど)当該プレーヤの評価値を高くする。すなわち、準備フェーズが開始してから短時間でゲーム媒体GMの配置を終えたプレーヤの評価値は高くなり、制限時間が経過するまで時間をかけてゲーム媒体GMの配置を行ったプレーヤの評価値は低くなる。また、設定操作の受付終了までに要した操作量に基づき設定操作の過程を評価する場合、プレーヤの設定操作の受付終了までに要した操作量が少ないほど当該プレーヤの評価値を高くする。操作量とは、配置操作(デッキDK内のゲーム媒体GMをゲームフィールドに配置する操作や、ゲームフィールドに配置されているゲーム媒体GMをゲームフィールド上の他の位置に移動させる操作)の回数であってもよいし、配置操作の軌跡TR(
図5参照)の長さであってもよいし、これらの任意の組み合わせであってもよい。すなわち、少ない手数で無駄なくゲーム媒体GMの配置を終えたプレーヤの評価値は高くなり、必要以上に多くのゲーム媒体GMを配置したり、ゲーム媒体GMを何度も配置し直したり、ゲーム媒体GMを配置する操作に無駄な動きがあったりするプレーヤの評価値は低くなる。また、設定操作の受付終了時のコストの残量に基づき設定操作の過程を評価し、プレーヤのコストの残量が少ないほど、コストを効率良く(無駄なく)消費したとして、当該プレーヤの評価値を高くするようにしてもよい。また、プレーヤごとの評価には、プレーヤごとの評価値を比較することで、プレーヤ間の優劣を判定することも含まれる。
【0058】
準備フェーズにおける各プレーヤの設定操作の過程の評価は、実行フェーズにおけるゲーム進行に影響を与える。すなわち、実行フェーズでは、準備フェーズにおけるプレーヤ及び対戦相手の設定結果に加えて、プレーヤ及び対戦相手の評価結果(評価値)に基づいて、ゲームが自動進行する。例えば、プレーヤごとの評価値を比較して、プレーヤの評価値が対戦相手の評価値よりも高い場合には、プレーヤに先攻の権利が付与され、プレーヤの「スペルカード」の魔法が対戦相手よりも先に発動されるようになり、逆に、プレーヤの評価値が対戦相手の評価値よりも低い場合には、対戦相手に先攻の権利が付与され、対戦相手の「スペルカード」の魔法がプレーヤよりも先に発動されるようになる。また、プ
レーヤの評価値に応じて、ゲームフィールドGFaに配置されたゲーム媒体GMのパラメータ(攻撃力や防御力)やプレーヤキャラクタPCaのパラメータ(体力値)を変更してもよい。例えば、当該評価値が高いほど当該パラメータを増加させるようにしてもよいし、当該評価値が低いほど当該パラメータを減少させるようにしてもよい。また、プレーヤの評価値に応じて、実行フェーズにおいて使用可能なアイテムを当該プレーヤに付与してもよい。例えば、プレーヤの評価値が所定値以上である場合や、プレーヤの評価値が対戦相手の評価値よりも高い場合に、当該プレーヤに所与のアイテムを付与するようにしてもよいし、評価値が高いほどより多くのアイテムを付与するようにしてもよいし、評価値が高いほど価値(レアリティやパラメータ等)の高いアイテムを付与するようにしてもよい。
【0059】
なお、準備フェーズにおける評価結果を、当該準備フェーズの直後の実行フェーズにおけるゲーム進行に影響を与えるようにしてもよいし、当該準備フェーズから所定時間経過後(或いは、所定のターン数が経過した後)の実行フェーズにおけるゲーム進行に影響を与えるようにしてもよい。また、準備フェーズにおける評価結果を、次のターンの準備フェーズ(或いは、所定のターン数が経過した後の準備フェーズ)に影響を与えるようにしてもよい。例えば、準備フェーズにおける評価値に応じて、次のターンの準備フェーズにおける制限時間を変更し、当該評価値が高いほど当該制限時間が長くなるようにしてもよい。
【0060】
本実施形態によれば、準備フェーズにおける設定操作の受付終了までに要した時間や操作量に基づいて設定操作の過程をプレーヤごとに評価し、評価結果に基づいて実行フェーズのゲームを進行させることで、準備フェーズにおけるプレーヤの設定操作の技量の巧拙を反映した戦略ゲームを実現することができる。また、本実施形態によれば、準備フェーズにおいて、プレーヤの対戦相手の設定操作の少なくとも一部を把握可能な情報(対戦相手によって配置されたゲーム媒体GMの配置位置)を設定操作情報として当該プレーヤの端末10の表示部190に表示させることで、プレーヤは、準備フェーズにおいて対戦相手との駆け引きを楽しむことができる。
【0061】
なお、準備フェーズにおける制限時間の残り時間に応じて、設定操作情報の情報量を変化させるようにし、制限時間の残り時間が少なくなるほど、設定操作情報の情報量を増加させるようにしてもよい。例えば、準備フェーズの開始当初は、対戦相手によって配置されたゲーム媒体GMをシルエットで表示し(ゲーム媒体GMの数と配置位置のみを把握可能にし)、続いて、当該ゲーム媒体GMの種類を示す図形等を重畳表示し(ゲーム媒体GMの種類を更に把握可能にし)、最後に、当該ゲーム媒体GMのパラメータを示す数字等を更に重畳表示する(ゲーム媒体GMのパラメータを更に把握可能にする)ようにしてもよい。このようにすると、プレーヤは、準備フェーズの制限時間の残り時間が少なくなるまで待つことで、対戦相手の設定操作の内容(配置されたゲーム媒体GMの数、位置、パラメータ)を把握できるようになるため、対戦相手の設定操作の内容に合わせて、自身に有利になるように後出し的に設定操作を行うことができる。一方で、設定操作の受付終了までに要する時間が長くなり自身の評価値が低くなるため、その後の実行フェーズで有利な効果を受け難くなる。また、時間をかけて設定操作を行うと、自身の設定操作の内容が対戦相手に把握され易くなることにもなる。このように、プレーヤは、準備フェーズにおいて、設定操作情報の情報量の変化を考慮した対戦相手との駆け引きを楽しむことができる。
【0062】
なお、制限時間の残り時間が少なくなるほど、設定操作情報の情報量を減少させるようにしてもよい。例えば、準備フェーズの開始当初は、対戦相手によって配置されたゲーム媒体GMに、当該ゲーム媒体GMの種類を示す図形等と、当該ゲーム媒体GMのパラメータを示す数字等とを重畳表示し、続いて、当該ゲーム媒体GMのパラメータを示す数字等
を非表示とし、最後に、当該ゲーム媒体GMの種類を示す図形等を更に非表示としてシルエット表示するようにしてもよい。このようにすると、プレーヤは、準備フェーズの制限時間の残り時間が少なくなるまで設定操作を行わないようにすることで、自身の設定操作の内容が対戦相手に把握され難くすることができる。一方で、設定操作の受付終了までに要した時間が長くなり自身の評価値が低くなるため、その後の実行フェーズで有利な効果を受け難くなる。また、時間をかけて設定操作を行うと、対戦相手の設定操作の内容も把握し難くなるため、後出し的な設定操作を行うことが難しくなる。
【0063】
また、準備フェーズにおけるプレーヤの設定操作の過程の評価値に応じて、次のターン準備フェーズ(或いは、所定のターン数が経過した後の準備フェーズ)における設定操作情報の情報量を変更し、当該評価値が高いほど、当該設定操作情報の情報量が増加する(対戦相手の設定操作の内容を把握し易くなる)ようにしてもよい。また、制限時間の残り時間に応じて設定操作情報の情報量を増加させる場合には、当該評価値が高いほど当該設定操作情報の情報量の増加速度を大きくし、制限時間の残り時間に応じて設定操作情報の情報量を減少させる場合には、当該評価値が高いほど当該設定操作情報の情報量の減少速度を小さくするようにしてもよい。
【0064】
また、準備フェーズでは、ゲーム媒体GMの配置操作を受け付ける際に、当該ゲーム媒体GMの種類(「ユニット」等の種類や、レアリティ、攻撃力やコスト消費量などのパラメータ)に応じて、当該配置操作に基づく当該ゲーム媒体GMの配置の態様(配置にかかる時間や、配置される位置の精度)を異ならせるようにしてもよい。例えば、配置操作により配置するゲーム媒体GMのレアリティやコスト消費量が高いほど、配置操作(ドラッグアンドドロップ操作)に追従して移動する当該ゲーム媒体GMの追従性が低下したり、配置操作で指定された位置に当該ゲーム媒体GMが出現するまでにかかる時間が長くなったりすることで、当該ゲーム媒体GMが配置されるまでにかかる時間が長くなるようにしてもよい。また、配置操作により配置するゲーム媒体GMのレアリティやコスト消費量が高いほど、配置操作で指定された位置と実際に当該ゲーム媒体GMが配置される位置とのずれが大きくなるようにしてもよい。このようにすると、レアリティやコスト消費量が高いゲーム媒体GMを配置する場合、配置操作に時間がかかったり、配置位置のずれを直すために再配置する操作の必要が生じて操作量が多くなったりして、準備フェーズにおける評価値が低くなる。このように、プレーヤは、準備フェーズにおいて、配置操作により配置するゲーム媒体GMの種類が配置操作の過程の評価に与える影響を考慮しつつゲーム媒体GMを配置するといったプレイを楽しむことができる。
【0065】
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステム(サーバ20)の処理の一例について
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
まず、ゲーム制御部210は、準備フェーズを開始し、その旨の情報を、対戦する各プレーヤの端末10に送信する(ステップS10)、次に、ゲーム制御部210は、端末10から、プレーヤによる設定操作の操作情報を受信したか否かを判断し(ステップS11)、当該操作情報を受信した場合(ステップS11のY)には、当該設定操作を受け付け、当該操作情報を当該プレーヤに対応付けて記憶部270に記憶させる(ステップS12)。次に、ゲーム制御部210は、当該プレーヤの設定操作の少なくとも一部を把握可能な設定操作情報を、当該プレーヤの対戦相手のプレーヤの端末10に送信する(ステップS13)。次に、ゲーム制御部210は、端末10から、設定終了操作が行われた旨の情報を受信したか否かを判断し(ステップS14)、当該情報を受信していない場合(ステップS14のN)には、準備フェーズの制限時間が経過したか否かを判断する(ステップS15)。当該制限時間が経過していない場合(ステップS15のN)には、ステップS11に移行する。
【0067】
設定終了操作が行われた旨の情報を受信した場合(ステップS14のY)、又は、準備フェーズの制限時間が経過した場合(ステップS15のY)には、設定操作の受付を終了し、設定操作評価部212は、記憶部270に記憶された各プレーヤの設定操作の操作情報に基づいて、準備フェーズの開始から設定操作の受付終了までに要した時間や操作量をプレーヤごとに求め、準備フェーズの開始から設定操作の受付終了までの設定操作の過程をプレーヤごとに評価して評価値を算出する(ステップS16)。次に、ゲーム制御部210は、各プレーヤの端末10に、記憶部270に記憶された設定操作の操作情報に基づく対戦相手の設定結果と、設定操作評価部212による各プレーヤの評価結果(評価値)とを送信し、実行フェーズを開始する(ステップS17)。各プレーヤの端末10では、プレーヤ及び対戦相手の設定結果とプレーヤ及び対戦相手の評価結果に基づき自動的に進行する実行フェーズのゲームが実行される。
【0068】
次に、ゲーム制御部210は、実行フェーズの制限時間が経過したか否かを判断し(ステップS18)、当該制限時間が経過した場合(ステップS18のY)には、ステップS10に移行し、準備フェーズに切り替える。実行フェーズの制限時間が経過していない場合(ステップS18のN)には、端末10から、対戦ゲームの勝敗が決した旨の情報を受信したか否かを判断し(ステップS19)、当該情報を受信していない場合(ステップS19のN)には、ステップS18に移行し、当該情報を受信した場合(ステップS19のY)には、対戦ゲームを終了する。
【0069】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0070】
本発明において、複数のプレーヤの一部のプレーヤは、AIプレーヤであってもよい。この場合、当該プレーヤの設定操作や設定終了操作は、所与のアルゴリズムに従って自動で行われる。また、プレーヤの設定操作として、過去に行われた設定操作の操作情報を用いるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、複数のプレーヤの端末10間で準備フェーズや実行フェーズに係る処理の同期をとって対戦ゲームを実行する場合について説明したが、非同期で複数のプレーヤ間での対戦ゲームを実行するようにしてもよい。すなわち、準備フェーズで設定操作を受け付けるタイミングや、実行フェーズでゲームを実行させるタイミングが、プレーヤごとに異なっていてもよい。例えば、レーシングゲームにおいて、プレーヤごとに異なるタイミングで、準備フェーズにおいて設定操作によりレーシングカーのチューニングを行い、実行フェーズにおいて各プレーヤのレーシングカーがコースを走行するゲームを実行するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、設定操作として、ゲーム媒体をゲームフィールドに配置する操作を受け付ける場合について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、準備フェーズにおいて、設定操作として、ゲーム媒体の行動内容(移動、攻撃、防御、魔法の発動など)や行動順序を指定する操作を受け付け、実行フェーズにおいて、設定操作で指定された行動順序や行動内容に従ってゲーム媒体が自動的に行動するゲームを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10…端末、20…サーバ、100…処理部、110…ゲーム処理部、120…画像生成部、130…音生成部、150…入力部、170…記憶部、190…表示部、192…音出力部、196…通信部、200…処理部、210…ゲーム制御部、212…設定操作評
価部、270…記憶部、272…格納部、296…通信部