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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】アモルファスカーボン層の開孔プロセス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020542293
(86)(22)【出願日】2019-01-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 US2019015443
(87)【国際公開番号】W WO2019152322
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】62/626,264
(32)【優先日】2018-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チン・ツー
(72)【発明者】
【氏名】タン・ジョンクイ
(72)【発明者】
【氏名】マオ・イーシァー
(72)【発明者】
【氏名】ジン・イェンシァー
(72)【発明者】
【氏名】フォシット・オースティン・ケーシー
【審査官】早川 朋一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-204668(JP,A)
【文献】特表2010-518605(JP,A)
【文献】特開2001-110786(JP,A)
【文献】特開2009-049141(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0193973(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306-21/308
H01L 21/311
H01L 21/3213
H01L 21/027-21/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードマスクの下のアモルファスカーボン層マスクを開孔するための方法であって、プラズマ処理チャンバ内で1回または複数回のサイクルを実施することを含み、
各サイクルは、アモルファスカーボン層マスク開孔段階と、洗浄段階とを備え、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階は、
開孔ガスをプラズマ処理チャンバ内に流し、前記開孔ガスは酸素含有成分を含み、
前記プラズマ処理チャンバ内の前記開孔ガスからプラズマをし、前記プラズマは前記アモルファスカーボン層マスク内のフィーチャをエッチングし、
前記プラズマ処理チャンバ内への前記開孔ガスの前記流れを停止することを備え、
前記洗浄段階は、
洗浄ガスを前記プラズマ処理チャンバ内に流し、前記洗浄ガスは水素含有成分、炭素含有成分、およびハロゲン含有成分を含み、
前記プラズマ処理チャンバ内の前記洗浄ガスからプラズマを生成し、
前記プラズマ処理チャンバ内への前記洗浄ガスの前記流れを停止することを備え
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階は、再堆積ハードマスクを前記アモルファスカーボン層マスク内の前記フィーチャ上に形成し、前記洗浄段階は、前記再堆積ハードマスクを除去して、前記アモルファスカーボン層マスク内の前記フィーチャの側壁上に炭素含有層を堆積する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記水素含有成分、前記炭素含有成分、および前記ハロゲン含有成分は、本質的に、少なくとも1つのハイドロフルオロカーボンからなる、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのハイドロフルオロカーボンは、CHF3、CH22、およびCH3Fの1つまたは複数である、方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、
前記ハードマスクは、シリコンまたは金属を含み、前記再堆積ハードマスクは、シリコンまたは金属を含む、方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、
前記ハードマスクは、SiON、SiO2、SiN、Si、金属、ドープされた炭素、またはドープされたSiの少なくとも1つを含み、前記再堆積ハードマスクは、シリコンまたは金属を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記洗浄段階は、500ボルトを超える振幅を有するバイアスを供給することをさらに含む、方法。
【請求項7】
請求項に記載の方法であって、
前記バイアスは、パルス状であり、約3%~約99%のデューティサイクルを有する、方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階は、1500ボルト未満の振幅を有するパルスバイアスを供給することをさらに含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階中および前記洗浄段階中に、前記アモルファスカーボン層マスクを少なくとも20℃の温度に維持することをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記開孔ガスは、酸素およびCOS、またはSO2を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記洗浄段階は、1000ボルトを超える振幅を有するパルスバイアスを供給することをさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階は、1000ボルト未満の振幅を有するパルスバイアスを供給することをさらに含む、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階中および前記洗浄段階中に、前記アモルファスカーボン層マスクを少なくとも25℃の温度に維持することをさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
前記開孔ガスはがハロゲンを含まず、前記洗浄ガスは酸素を含まない、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスクを前記開孔することにより、約300nm未満の円径を有するフィーチャを開孔する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によって、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれる2018年2月5日に出願された米国特許出願第62/626,264号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、半導体デバイスを半導体ウエハ上に形成する方法に関する。より具体的には、本開示は、半導体デバイスの形成においてアモルファスカーボン層を開孔することに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスを形成する際、ホールが形成される。メモリデバイスでは、高アスペクトのメモリホールが形成されることがある。アモルファスカーボン層マスクは、高アスペクト比のメモリホールをエッチングするためのマスクとして使用することができる。
【発明の概要】
【0004】
上記を達成するために、本開示の目的に従って、ハードマスクの下のアモルファスカーボン層マスクを開孔するための方法を提供する。ハードマスクの下のアモルファスカーボン層マスクの開孔は、プラズマ処理チャンバ内で1回または複数回のサイクルを実施することを含み、各サイクルは、アモルファスカーボン層マスクの開孔段階と、洗浄段階とを含む。アモルファスカーボン層マスクの開孔段階は、酸素含有成分を含む開孔ガスをプラズマ処理チャンバ内に流し、プラズマ処理チャンバ内の開孔ガスからアモルファスカーボン層マスク内のフィーチャをエッチングするプラズマを生成し、プラズマ処理チャンバ内への開孔ガスの流れを停止することを備える。洗浄段階は、水素含有成分、炭素含有成分、およびハロゲン含有成分を含む洗浄ガスをプラズマ処理チャンバ内に流し、プラズマ処理チャンバ内の洗浄ガスからプラズマを生成し、プラズマ処理チャンバ内への洗浄ガスの流れを停止することを備える。
【0005】
本開示のこれらおよび他の特徴は、実施形態の詳細な説明において、かつ以下の図と併せて、以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示を添付の図面に図示するが、これは例示であり限定ではない。添付の図面において、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0007】
図1図1は、一実施形態の高レベルのフローチャートである。
【0008】
図2図2は、一実施形態で使用され得るエッチングチャンバの概略図である。
【0009】
図3図3は、一実施形態を実施する際に使用され得るコンピュータシステムの概略図である。
【0010】
図4A図4Aは、一実施形態に従って処理されるスタックの概略断面図である。
図4B図4Bは、一実施形態に従って処理されるスタックの概略断面図である。
図4C図4Cは、一実施形態に従って処理されるスタックの概略断面図である。
図4D図4Dは、一実施形態に従って処理されるスタックの概略断面図である。
【0011】
図5A図5Aは、スタックの一部の上面図である。
【0012】
図5B図5Bは、スタックの断面図である。
【0013】
図6図6は、開孔段階のより詳細なフローチャートである。
【0014】
図7図7は、洗浄段階のより詳細なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本実施形態を、添付の図面に示されるいくつかの好ましい実施形態を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、これらの具体的な詳細の一部または全てがなくても本開示を実施できる可能性があることが、当業者には明らかであろう。また、場合によっては、本開示を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセスステップおよび/または構造を詳細に説明していない。
【0016】
図1は、一実施形態の高レベルのフローチャートである。この実施形態では、アモルファスカーボン層マスクを有するスタックをプラズマ処理チャンバ内に載置する(ステップ104)。アモルファスカーボンは、非結晶性の炭素材料である。次に、アモルファスカーボン層マスクを、マスクを設けた状態で開孔する(ステップ108)、ステップ108は、単一ステップの開孔プロセス、または開孔段階と洗浄段階で構成される1回のサイクル、または開孔段階(ステップ112)と洗浄段階(ステップ116)で構成される複数回のサイクルを含む。追加のプロセスステップを設けてもよい(ステップ120)。メモリホールを形成し、スタックをプラズマ処理チャンバから除去する(ステップ124)。
実施例
【0017】
図2は、一実施形態による、スタック201を処理するために使用できるプラズマ処理システム200の例を概略的に示している。プラズマ処理システム200は、チャンバ壁252によって囲まれたプラズマ処理チャンバ204を有するプラズマ反応器202を含む。整合ネットワーク208によって調節されるプラズマ電源206は、電力窓212の近くに位置する変圧器結合電力(TCP)コイル210に電力を供給し、誘導結合電力を供給することによってプラズマ処理チャンバ204内でプラズマ214を生成する。TCPコイル(上部電源)210は、プラズマ処理チャンバ204内に均一な拡散プロファイルを発生させるように構成することができる。例えば、TCPコイル210は、プラズマ214内にトロイダル電力分布を生成するように構成されてもよい。電力窓212は、エネルギーがTCPコイル210からプラズマ処理チャンバ204に通過できるようにしつつ、プラズマ処理チャンバ204からTCPコイル210を分離するために設けられる。整合ネットワーク218によって調節されるウエハバイアス電圧電源216は、電力を電極220に供給し、電極220上で支持されるスタック201にかかるバイアス電圧を設定する。コントローラ224は、プラズマ電源206およびウエハバイアス電圧電源216のためのポイントを設定する。
【0018】
プラズマ電源206およびウエハバイアス電圧電源216は、13.56メガヘルツ(MHz)、27MHz、2MHz、1MHz、400キロヘルツ(kHz)、またはそれらの組み合わせなどの特定の高周波数で動作するように構成することができる。プラズマ電源206およびウエハバイアス電圧電源216は、所望のプロセス性能を達成するために、ある範囲の電力を供給するように適切にサイズ設定することができる。例えば、一実施形態では、プラズマ電源206は、50~5000ワットの範囲の電力を供給してもよく、ウエハバイアス電圧電源216は、0~3000ボルト(V)の範囲のバイアス電圧を供給してもよい。加えて、TCPコイル210および/または電極220は、2つ以上のサブコイルまたはサブ電極で構成されてもよく、これらは、単一の電源によって電力供給されてもよいし、または複数の電源によって電力供給されてもよい。
【0019】
図2に示すように、プラズマ処理システム200は、ガス源/ガス供給機構230をさらに含む。ガス源/ガス供給機構230は、ノズル形状のガス供給口236にガスを供給する。プロセスガスおよび副生成物は、圧力制御弁242およびポンプ244を介してプラズマ処理チャンバ204から除去される。圧力制御弁242およびポンプ244は、プラズマ処理チャンバ204内を特定の圧力に維持する働きをすることもできる。ガス源/ガス供給機構230は、コントローラ224によって制御される。一実施形態を実施するにあたり、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corp.によるKiyoを使用することができる。
【0020】
図3は、実施形態で使用されるコントローラ224の実現に適したコンピュータシステム300を示す高レベルのブロック図である。コンピュータシステムは、集積回路、プリント回路基板、および小型の携帯型端末から巨大スーパコンピュータに至る数多くの物理的形態が可能である。コンピュータシステム300は、1つまたは複数のプロセッサ302を含み、さらに、(グラフィックス、テキスト、および他のデータを表示するための)電子表示装置304、メインメモリ306(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、記憶装置308(例えば、ハードディスクドライブ)、リムーバブル記憶装置310(例えば、光ディスクドライブ)、ユーザインターフェース装置312(例えば、キーボード、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、または他のポインティング装置など)、および通信インターフェース314(例えば、ワイヤレスネットワークインターフェース)を含むことができる。通信インターフェース314は、ソフトウェアおよびデータがリンクを介してコンピュータシステム300と外部装置との間で転送されることを可能にする。システムはまた、上述の装置/モジュールが接続される通信インフラストラクチャ316(例えば、通信バス、クロスオーババー、またはネットワーク)も含んでもよい。
【0021】
通信インターフェース314を介して転送される情報は、信号を搬送する通信リンクを介して、通信インターフェース314によって受信可能な電子信号、電磁信号、光信号、または他の信号などの信号の形態であってもよい。そのような通信リンクは、ワイヤもしくはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、高周波数リンク、および/または他の通信チャネルを使用して実現できる。そのような通信インターフェースを用いることにより、1つまたは複数のプロセッサ302は、上述の方法ステップを実施する過程でネットワークから情報を受信するか、またはネットワークに情報を出力できるのではないかと考えられる。さらに、方法の実施形態は、プロセッサ上だけで実行してもよいし、または、処理の一部を共有する遠隔プロセッサと連携して、インターネットなどのネットワーク上で実行してもよい。
【0022】
「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、メインメモリ、二次メモリ、リムーバブルストレージ、ならびに記憶装置(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROMおよび他の形態の永続メモリ)などの媒体を指すために使用されるものであり、搬送波または信号などの一時的な対象を含むと解釈されてはならない。コンピュータコードの例には、マシンコード(コンパイラによって作成されるものなど)、およびインタプリタを使用してコンピュータによって実行される高水準コードを含むファイルが含まれる。コンピュータ可読媒体はまた、搬送波に組み込まれたコンピュータデータ信号によって送信され、プロセッサによって実行可能な一連の命令を表すコンピュータコードであってもよい。
【0023】
一実施形態では、スタックは、多層マスクを有するONON(酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン、窒化シリコン、以降繰り返し)スタックを備える。図4Aは、メモリスタック408の下に基板404を備えるスタック201の概略断面図であり、窒化シリコン層412の上に酸化シリコン(SiO2)層416を設けた二層構造を複数含んでいる。多層マスクは、メモリスタック408の上に設けられる。この実施形態において、多層マスクは、下から上に、アモルファスカーボン層(ACL)マスク420、誘電反射防止コーティング(DARC)424、底部反射防止コーティング(BARC)428、パターン形成されたフォトレジストマスク432の順に設けられる。この実施形態では、パターン形成されたフォトレジストマスク432をリソグラフィプロセスによりパターニングし、マスクフィーチャ436を提供する。そして、パターン形成されたフォトレジストマスク432を使用し、開孔プロセスを利用してBARC428およびDARC424をパターンニングする。そのようなプロセスによって、パターン形成されたフォトレジストマスク432を除去することができる。この実施形態では、DARC424は、酸窒化シリコン(SiON)である。DARC424は、ACLマスク420を開孔するためのハードマスクとして使用される。
【0024】
図5Aは、スタック201の一部の上面図であり、パターン形成されたフォトレジストマスク432およびマスクフィーチャ436の上部を示している。マスクフィーチャ436は、図示のように、円形断面を有する円筒形のホールである。
【0025】
スタック201を、図2に示すように、プラズマ処理チャンバ204内に載置する。スタック201をプラズマ処理チャンバ204内に載置した後、アモルファスカーボン層マスクを開孔する(ステップ108)。アモルファスカーボン層マスクの開孔(ステップ108)は、単一ステップの開孔プロセス、または開孔段階と洗浄段階で構成される1回のサイクル、または開孔段階(ステップ112)と洗浄段階(ステップ116)で構成される複数回のサイクルを含む。この実施形態では、スタック201を少なくとも20℃の温度に維持する。
【0026】
図6は、開孔段階(ステップ112)のより詳細なフローチャートである。開孔ガスをプラズマ処理チャンバ204内に流す(ステップ604)。この開孔ガスは酸素含有成分を含んでいる。この実施形態において、開孔ガスは、本質的に、毎分約100標準立方センチメートル(sccm)~約3000sccmの酸素(O2)、および約10sccm~約500sccmの硫化カルボニル(COS)、および/または10sccm~約500sccmのSO2からなる。加えて、良好なエッチング性能を達成するために、メタン(CH4)、フルオロメタン(CH3F)、ジフルオロメタン(CH22)、臭化水素(HBr)、塩素(Cl2)、四塩化ケイ素(SiCl4)、四フッ化ケイ素(SiF4)、窒素(N2)、ヘリウム(He)、またはアルゴン(Ar)を追加することができる。プラズマ処理チャンバ204内の開孔ガスからプラズマを生成する(ステップ608)。このプラズマがACLマスク420内のフィーチャをエッチングする。この例では、約300ワット~約6000ワットの高周波数(RF)電力を約13.56MHzでTCPコイル210を通してプラズマ処理チャンバ204に供給することによって、プラズマを生成する。100ボルト~3000ボルトの振幅を有するパルスバイアスを、ウエハバイアス電圧電源216から電極220を通してスタック201に供給する(ステップ612)。この実施形態では、バイアスは、13.56MHz、27MHz、2MHz、1MHz、または400kHzのRF周波数を有し、連続波であるか、または、パルス周波数が約1ヘルツ(Hz)~約10000Hzで、デューティサイクルが約3%~約99%のパルスである。約5秒~約600秒後、プラズマ処理チャンバ内への開孔ガスの流れを停止する(ステップ616)。
【0027】
図4Bは、開孔段階(ステップ112)が完了した後のスタック201の概略断面図である。マスクフィーチャ436は、ACLマスク420内に部分的にエッチングされている。BARC428およびパターン形成されたフォトレジストマスク432(図4Bには図示せず)は除去されており、したがってDARC424がプラズマに曝露される。プラズマは、DARC424の一部をスパッタリングする。スパッタリングされたDARC424は再堆積され、ケイ素を含有する再堆積ハードマスク440を形成する。再堆積ハードマスク440は、マスクフィーチャ436の円径(CD)および円形断面を変化させることができる。
【0028】
図7は、洗浄段階(ステップ116)のより詳細なフローチャートである。洗浄ガスをプラズマ処理チャンバ204内に流す(ステップ704)。この洗浄ガスは水素含有成分、炭素含有成分、およびハロゲン含有成分を含んでいる。この実施形態において、洗浄ガスは、本質的に、約10sccm~約1000sccmのフルオロメタン(CH3F)からなる。このほかに、CH22、フルオロホルム(CFn3/4、四フッ化炭素(CF4)、CH4、三フッ化窒素(NF3)、六フッ化硫黄(SF6)、N2、Ar、He、SiCl4、Cl2、HBr、もしくはSiF4などの他のガスを追加することができ、または、CH22、CHF3、およびCH4などの他のガスを置換体として追加することができる。プラズマ処理チャンバ内の洗浄ガスからプラズマを生成する(ステップ708)。このプラズマが、再堆積ハードマスクを除去し、炭素ベースのパッシベーション層をマスクフィーチャ436の上部および側壁の上に堆積する。この例では、約100ワット~約6000ワットのRF電力を約13.56MHzでTCPコイル210を通してプラズマ処理チャンバ204に供給することによって、プラズマを形成する。約500ボルトを超える振幅を有するバイアスを、ウエハバイアス電圧電源216から電極220を通してスタック201に供給する(ステップ712)。この実施形態では、バイアスは、約13.56MHz、27MHz、2MHz、1MHz、または400kHzのRF周波数を有し、連続波であるか、または、パルス周波数が約1Hz~約10000Hzで、デューティサイクルが約3%~約99%のパルスである。約3秒~約100秒後、プラズマ処理チャンバ内への洗浄ガスの流れが停止される(ステップ716)。
【0029】
図4Cは、洗浄段階(ステップ116)が完了した後のスタック201の概略断面図である。洗浄段階(ステップ116)では、再堆積ハードマスク440(図4Cには図示せず)を除去する。CH3Fのハロゲン含有成分は、ハロゲンを提供する。このハロゲンは、再堆積ハードマスクをエッチング除去するために使用される。CH3Fは、炭素含有成分および水素含有成分を有する。この炭素含有成分および水素含有成分は、炭素含有側壁パッシベーション444をマスクフィーチャ436の側壁上に形成するために使用される。
【0030】
開孔段階(ステップ112)と洗浄段階(ステップ116)で構成される複数回のサイクルを含む開孔(ステップ108)は、ACLマスク420の開孔が完了するまで継続される。図4Dは、ACLマスク420の開孔(ステップ108)が完了した後のスタック201の概略断面図である。この実施形態では、カーボンホールの形成後にメモリホールの底部形状を確認するために、ACLマスク420の下のSiO2層416を開孔(ステップ108)により少しエッチングして、SiO2層416内にディンプルを形成することができる。図5Bは、ACLマスク420の開孔(ステップ108)が完了した後の切断線5B-5Bに沿ったスタック201の断面図である。マスクフィーチャ436の断面の一部は、円形ではなく楕円形である。マスクフィーチャの断面の一部は円径が大きく、また、マスクフィーチャの断面の一部は円形が小さい。様々な実施形態において、ACLマスクの開孔は、フラッシングプロセスまたはブレイクスループロセスであってもよい。
【0031】
スタック201に対して追加のプロセスを実施してもよい(ステップ120)。例えば、プラズマ処理チャンバ204を、メモリスタック408のエッチングに使用することができる。そして、スタック201を、プラズマ処理チャンバ204から取り出す(ステップ124)。追加の処理は、スタック201がプラズマ処理チャンバ204を取り出した後に実施されてもよい。
【0032】
スタックを少なくとも20℃の温度に維持することによって、より真円度の高い円形の断面が得られる。他の実施形態では、スタック201を少なくとも25℃の温度に維持する。加えて、洗浄段階を設けることによって、再堆積ハードマスクを除去する。再堆積ハードマスクの除去により、フィーチャ間の円径のばらつきが減少する。もし再堆積ハードマスクを除去しないならば、フィーチャの側壁上に形成された再堆積ハードマスクが、フィーチャ間の円径のばらつきやフィーチャの寸法と形状の変化を引き起こすだろう。側壁パッシベーション444は、マスクフィーチャ436の反りを低減する。フィーチャ間の円径のばらつきを減少させ、断面の真円度を維持し、反りを最小限に抑え、垂直エッチングプロファイルを維持するために、様々なパラメータが調整される。本実施形態は、円径のばらつき、真円度の変動、および反りを最小限に抑えるレシピを提供するための追加の調整ノブとして、真円度を維持するためのウエハ温度のパラメータと、反りを低減するための洗浄ガスの化学的性質のパラメータと、再堆積ハードマスクを除去するための高い洗浄バイアスのパラメータと、デューティサイクルのパラメータとを提供する。円径のばらつき、真円度の変動、および反りを最小限に抑えることにより、欠陥が減少し、接点をより近くに置くことが可能になる。開孔段階の期間および洗浄段階の期間は、さらに別の調整ノブを提供する。
【0033】
従来技術のプロセスは、CF4、NF3、SF6の洗浄ガスを用いる洗浄段階を提供していた。例えば、CF4洗浄ガスは、再堆積ハードマスクを除去するために必要なバイアスがより低いが、温度をより低くすることも必要であった。そのようなプロセスは、様々な特性を制御するために、CF4流量を唯一のパラメータとしていた。真円度について最適化されたレシピが、反り、ホール間のばらつき、およびホール底部の真円度について最適化されているとは言えないだろう。
【0034】
真円度は、フィーチャの短軸をフィーチャの長軸で割った真円度比、または、時には、フィーチャの長軸をフィーチャの短軸で割った真円度比によって測定される。長軸はフィーチャの最も広い寸法であり、短軸はフィーチャの最も狭い寸法である。図5Bに示す複数のマスクフィーチャ436の中の1つについて、長軸を寸法Jで示し、短軸を寸法Nで示す。ある実験では、フィーチャ間の円径のばらつきを増加させたり、または反りを増加させたりすることなく、従来技術の方法よりも真円度比が改善された(真円である1.0に近づいた)ことがわかった。その結果得られるACLマスク420をメモリスタック408内のフィーチャのエッチングに使用する場合、そのマスクは欠陥性能を改善するであろう。
【0035】
一実施形態では、マスクフィーチャ436の円径は約300ナノメートル(nm)未満であり、ACLマスク420の厚さは少なくとも600nmであり、その結果マスクフィーチャは高さ対幅のアスペクト比が少なくとも約2:1となる。いくつかの実施形態では、洗浄段階中のバイアスは、少なくとも500ボルトの振幅を有する。より好ましくは、洗浄段階中のバイアスは、少なくとも約1000ボルトの振幅を有する。より好ましくは、洗浄段階中のバイアスは、約1200ボルト~約3000ボルトの振幅を有する。好ましくは、開孔段階中のバイアスは、3000ボルト未満の振幅を有する。より好ましくは、開孔段階中のバイアスは、約1500ボルト未満の振幅を有する。他の実施形態では、フィーチャ間のばらつきと反りを最小限に抑えつつ真円度を改善するために、ハイドロフルオロカーボンの混合物および比率を変えてプロセスをさらに調整してもよい。一実施形態では、フッ素の代わりに別のハロゲンを用いてもよい。しかし、ある実施形態ではフッ素が機能することがわかっている。洗浄ガスは、本質的に、CHF3、CH22、およびCH3Fの少なくとも1つまたは複数からなることが好ましい。
【0036】
理論に拘束されることなく、再堆積ハードマスクが高バイアスでの洗浄段階中に除去されると考えられる。そして、これと同時に、またはデューティサイクルの中でバイアスがない部分の間、上部の側壁パッシベーションおよび/または炭素ベースの堆積物が、再堆積ハードマスクを除去せずに堆積されると考えられる。側壁パッシベーションの形成により、反りが減少する。いくつかの実施形態では、ハードマスクは、ケイ素含有材料から製作される。ハードマスクは、酸窒化シリコン(SiON)、SiO2、SiN、シリコン(Si)、金属、ドープされた炭素、またはドープされたSiの少なくとも1つであることが好ましく、この場合、再堆積ハードマスクはシリコンまたは金属を含む。様々な実施形態において、ハロゲンはACLマスク420のエッチングに必要ではないので、開孔ガスはハロゲンを含まない。また、酸素の存在は側壁パッシベーション444の堆積を減少させると思われるので洗浄ガスは酸素を含まない。
【0037】
本開示をいくつかの好ましい実施形態に関して説明してきたが、変更、修正、置換、および様々な同等の代替が存在し、これらは本開示の範囲内に含まれる。また、本開示の方法および装置を実現する多くの代替方法が存在することにも留意されたい。したがって、以下の添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨および範囲に含まれる全てのそのような変更、修正、置換、および様々な同等の代替を含むものとして解釈されることが意図される。
[適用例1]ハードマスクの下のアモルファスカーボン層マスクを開孔するための方法であって、プラズマ処理チャンバ内で1回または複数回のサイクルを実施することを含み、
各サイクルは、アモルファスカーボン層マスク開孔段階と、洗浄段階とを備え、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階は、
開孔ガスをプラズマ処理チャンバ内に流し、前記開孔ガスは酸素含有成分を含み、
前記プラズマ処理チャンバ内の前記開孔ガスからプラズマをし、前記プラズマは前記アモルファスカーボン層マスク内のフィーチャをエッチングし、
前記プラズマ処理チャンバ内への前記開孔ガスの前記流れを停止することを備え、
前記洗浄段階は、
洗浄ガスを前記プラズマ処理チャンバ内に流し、前記洗浄ガスは水素含有成分、炭素含有成分、およびハロゲン含有成分を含み、
前記プラズマ処理チャンバ内の前記洗浄ガスからプラズマを生成し、
前記プラズマ処理チャンバ内への前記洗浄ガスの前記流れを停止することを備える、方法。
[適用例2]適用例1に記載の方法であって、
前記水素含有成分、前記炭素含有成分、および前記ハロゲン含有成分は、本質的に、少なくとも1つのハイドロフルオロカーボンからなる、方法。
[適用例3]適用例2に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのハイドロフルオロカーボンは、CHF 3 、CH 2 2 、およびCH 3 Fの1つまたは複数である、方法。
[適用例4]適用例1に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階は、再堆積ハードマスクを前記アモルファスカーボン層マスク内の前記フィーチャ上に形成し、前記洗浄段階は、前記再堆積ハードマスクを除去して、前記アモルファスカーボン層マスク内の前記フィーチャの側壁上に炭素含有層を堆積する、方法。
[適用例5]適用例4に記載の方法であって、
前記ハードマスクは、シリコンまたは金属を含み、前記再堆積ハードマスクは、シリコンまたは金属を含む、方法。
[適用例6]適用例4に記載の方法であって、
前記ハードマスクは、SiON、SiO 2 、SiN、Si、金属、ドープされた炭素、またはドープされたSiの少なくとも1つを含み、前記再堆積ハードマスクは、シリコンまたは金属を含む、方法。
[適用例7]適用例1に記載の方法であって、
前記洗浄段階は、500ボルトを超える振幅を有するバイアスを供給することをさらに含む、方法。
[適用例8]適用例7に記載の方法であって、
前記バイアスは、パルス状であり、約3%~約99%のデューティサイクルを有する、方法。
[適用例9]適用例7に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階は、1500ボルト未満の振幅を有するパルスバイアスを供給することをさらに含む、方法。
[適用例10]適用例1に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階中および前記洗浄段階中に、前記アモルファスカーボン層マスクを少なくとも20℃の温度に維持することをさらに含む、方法。
[適用例11]適用例1に記載の方法であって、
前記開孔ガスは、酸素およびCOS、またはSO 2 を含む、方法。
[適用例12]適用例1に記載の方法であって、
前記洗浄段階は、1000ボルトを超える振幅を有するパルスバイアスを供給することをさらに含む、方法。
[適用例13]適用例12に記載の方法であって、
前記パルスバイアスは、約20%~約80%のデューティサイクルを有する、方法。
[適用例14]適用例12に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階は、1000ボルト未満の振幅を有するパルスバイアスを供給することをさらに含む、方法。
[適用例15]適用例1に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスク開孔段階中および前記洗浄段階中に、前記アモルファスカーボン層マスクを少なくとも25℃の温度に維持することをさらに含む、方法。
[適用例16]適用例1に記載の方法であって、
前記開孔ガスはがハロゲンを含まず、前記洗浄ガスは酸素を含まない、方法。
[適用例17]適用例1に記載の方法であって、
前記アモルファスカーボン層マスクを前記開孔することにより、約300nm未満の円径を有するフィーチャを開孔する、方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7