(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】低クロストークを有する多重荷電粒子ビーム装置
(51)【国際特許分類】
H01J 37/244 20060101AFI20231211BHJP
H01J 37/153 20060101ALI20231211BHJP
H01J 37/147 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
H01J37/244
H01J37/153 B
H01J37/147 B
(21)【出願番号】P 2022532841
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 EP2020086595
(87)【国際公開番号】W WO2021122863
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-07-15
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レン,ウェイミン
(72)【発明者】
【氏名】ゴン,ズージョウ
(72)【発明者】
【氏名】フー,シュエラン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シュエドン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ゾンウェイ
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-535525(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0355545(US,A1)
【文献】国際公開第02/001597(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0284505(US,A1)
【文献】特開2011-192498(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0154756(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0033449(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
G01N 23/00-23/2276
H01L 21/64-21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの画像を形成するためにマルチビーム装置によって行われる方法であって、
複数の一次電子ビームと相互作用した時点で主光軸に沿って前記サンプル上の複数のプローブスポットから複数の二次電子ビームを発生させることと、
前記複数の二次電子ビームを
副光軸に対して非垂直である集束面上に集束させることと、
前記集束面に対して二次電子検出器の検出面を位置決めすることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の二次電子ビームの非点収差を補償するために非点収差補正装置の電気的励磁を調整することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サンプル上に複数のプローブスポットを形成するように構成された複数の一次電子ビームを使用して前記サンプルを検査するマルチビーム装置であって、前記マルチビーム装置が、
二次電子投影系であって、
前記プローブスポットの前記形成によって生じた複数の二次電子ビームを受信することと、前記サンプル上の前記複数のプローブスポットの像を
副光軸に対して非垂直である最終像面上に形成することと、
を行うように構成された二次電子投影系と、
前記複数の二次電子ビームを検出するように構成された二次電子検出器と、
を含み、前記
二次電子検出器の位置が、前記最終像面の位置に基づいて設定される、マルチビーム装置。
【請求項4】
前記複数の二次電子ビームが、二次電子ビームのアレイを含む、請求項3に記載のマルチビーム装置。
【請求項5】
前記複数の一次電子ビームを前記サンプル上に集束させ、及び主光軸に沿って中間像面上に前記複数のプローブスポットの像を形成するように構成された対物レンズをさらに含む、請求項3に記載のマルチビーム装置。
【請求項6】
前記複数の二次電子ビームを
前記副光軸に沿って前記二次電子検出器に向けて誘導するように構成されたビームセパレータをさらに含む、請求項3に記載のマルチビーム装置。
【請求項7】
前記複数の二次電子ビームの非点収差を補償するように構成された非点収差補正装置をさらに含む、請求項3に記載のマルチビーム装置。
【請求項8】
前記二次電子検出器が前記二次電子投影系の下流に配置される、請求項3に記載のマルチビーム装置。
【請求項9】
前記二次電子検出器が、複数の検出要素を含み、前記複数の検出要素のうちの1つの検出要素が、前記複数の二次電子ビームのうちの対応する二次電子ビームに関連付けられる、請求項3に記載のマルチビーム装置。
【請求項10】
前記二次電子検出器の位置の設定が、前記二次電子検出器の検出面と前記最終像面との間の調整された傾斜角度を含む、請求項3に記載のマルチビーム装置。
【請求項11】
前記二次電子検出器の前記位置の前記設定が、前記検出面と前記最終像面との間の減少させた傾斜角度を含む、請求項10に記載のマルチビーム装置。
【請求項12】
前記減少させた傾斜角度が、前記検出面が前記最終像面と実質的に一致するような前記二次電子検出器の前記位置の前記設定を含む、請求項11に記載のマルチビーム装置。
【請求項13】
前記二次電子検出器の前記位置の前記設定が、前記二次電子検出器の収集効率に基づく、動的に調整された傾斜角度をさらに含む、請求項10に記載のマルチビーム装置。
【請求項14】
前記二次電子検出器の前記位置の前記設定が、前記傾斜角度の所定の値をさらに含む、請求項10に記載のマルチビーム装置。
【請求項15】
前記最終像面が湾曲面を含む、請求項3に記載のマルチビーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2019年12月19日に出願された米国特許出願第62/950,774号の優先権を主張し、同特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書で提供される実施形態は、マルチビーム装置を開示し、より具体的には、荷電粒子検出器の検出要素間のクロストークを低減することによって、検査スループットを向上させたマルチビーム荷電粒子顕微鏡を開示する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成又は完成回路コンポーネントは、それらが設計に従って製造され、欠陥がないことを保証するために検査が行われる。走査電子顕微鏡(SEM)など、光学顕微鏡又は荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡を利用する検査システムを採用することができる。ICコンポーネントの物理的なサイズが縮小し続けるにつれて、欠陥検出における精度及び歩留まりがより重要になる。複数の電子ビームを使用してスループットを増大させることはできるが、二次電子検出器の検出要素間のクロストークにより、所望のスループットが制限され、検査ツールが、それらの所望の目的に見合わないものになる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示のある態様は、サンプルの画像を形成するためにマルチビーム装置によって行われる方法に関する。本方法は、複数の一次電子ビームと相互作用した時点で主光軸に沿ってサンプル上の複数のプローブスポットから複数の二次電子ビームを発生させることを含んでもよい。本方法は、複数の二次電子ビームを集束面上に集束させることと、集束面に対して二次電子検出器の検出面を位置決めすることと、をさらに含んでもよい。複数の二次電子ビームは、二次電子ビームのアレイを含んでもよい。
【0005】
[0005] 本方法は、サンプルと相互作用する複数の一次電子ビームの配向を調整することをさらに含んでもよく、複数の一次電子ビームの配向を調整することは、主光軸を中心に複数の一次電子ビームを回転させることを含み、及び二次電子ビームのアレイの配向を調整することができる。本方法は、ビームセパレータを使用して、複数の二次電子ビームを副光軸に沿って二次電子検出器に向けて誘導することをさらに含んでもよい。本方法は、複数の二次電子ビームの非点収差を補償するために非点収差補正装置の電気的励磁を調整することをさらに含んでもよい。
【0006】
[0006] 二次電子検出器は、複数の二次電子ビームを集束面上に集束させるように構成された二次電子投影系の下流に配置されてもよく、二次電子検出器は、複数の検出要素を含み、複数の検出要素のうちの1つの検出要素は、複数の二次電子ビームのうちの対応する二次電子ビームに関連付けられる。二次電子検出器の検出面を位置決めすることは、検出面と集束面との間の傾斜角度を調整することを含んでもよく、傾斜角度を調整することは、二次電子検出器の検出面と集束面との間の傾斜角度を減少させることを含んでもよい。傾斜角度を減少させることは、二次電子検出器の検出面が集束面と実質的に一致するように二次電子検出器の位置を調整することを含んでもよい。
【0007】
[0007] 二次電子検出器の位置を調整することは、二次電子検出器の収集効率に基づいて傾斜角度を動的に調整すること、又は傾斜角度を傾斜角度の所定の値に調整することを含んでもよい。二次電子検出器の位置を調整することは、副光軸に対する1つ又は複数の平面において傾斜角度を調整することを含んでもよい。
【0008】
[0008] 本開示の別の態様は、サンプルの画像を形成するために多重荷電粒子ビーム装置によって行われる方法に関する。本方法は、複数の一次電子ビームと相互作用した時点で主光軸に沿ってサンプル上の複数のプローブスポットから複数の二次電子ビームを発生させることと、サンプルと相互作用する複数の一次電子ビームの配向を調整することと、最終像面上にサンプルの複数のプローブスポットの像を形成することと、最終像面の位置に対して二次電子検出器の位置を調整することと、を含んでもよい。
【0009】
[0009] 本開示の別の態様は、サンプル上に複数のプローブスポットを形成するように構成された複数の一次電子ビームを使用してサンプルを検査するマルチビーム装置に関する。マルチビーム装置は、二次電子投影系を含んでもよい。二次電子投影系は、プローブスポットの形成によって生じた複数の二次電子ビームを受信することと、サンプル上の複数のプローブスポットの像を最終像面上に形成することと、を行うように構成されてもよく、複数の二次電子ビームを検出するように構成された荷電粒子検出器、荷電粒子検出器の位置は、最終像面の位置に基づいて設定される。
【0010】
[0010] 複数の二次電子ビームは、二次電子ビームのアレイを含んでもよい。マルチビーム装置は、複数の一次電子ビームをサンプル上に集束させ、及び主光軸に沿って中間像面上に複数のプローブスポットの像を形成するように構成された対物レンズを含んでもよい。マルチビーム装置は、複数の二次電子ビームを副光軸に沿って荷電粒子検出器に向けて誘導するように構成されたビームセパレータをさらに含んでもよい。マルチビーム装置は、複数の二次電子ビームの非点収差を補償するように構成された非点収差補正装置をさらに含んでもよい。荷電粒子検出器は、二次電子投影系の下流に配置された二次電子検出器を含んでもよく、及び複数の検出要素を含んでもよく、複数の検出要素のうちの1つの検出要素は、複数の二次電子ビームのうちの対応する二次電子ビームに関連付けられる。
【0011】
[0011] 二次電子検出器の位置の設定は、二次電子検出器の検出面と最終像面との間の調整された傾斜角度を含んでもよい。二次電子検出器の位置の設定は、検出面と最終像面との間の減少させた傾斜角度を含んでもよく、減少させた傾斜角度は、検出面が最終像面と実質的に一致するような二次電子検出器の位置の設定を含む。二次電子検出器の位置の設定は、二次電子検出器の収集効率に基づく、動的に調整された傾斜角度を含んでもよく、又は二次電子検出器の位置の設定は、傾斜角度の所定の値を含んでもよい。最終像面は、湾曲面を含んでもよい。
【0012】
[0012] 本開示の別の態様は、サンプル上の複数のプローブスポットから発生した複数の二次電子ビームの経路に影響を与えるように構成された非点収差補正装置を含む二次電子投影系と、複数の二次電子ビームを検出するように構成された二次電子検出器と、を含むマルチビーム装置であって、二次電子検出器の位置が、複数のプローブスポットの最終像面の位置に基づいて、副光軸に対する関係で調整される、マルチビーム装置に関する。非点収差補正装置は、電気又は磁気多極レンズを含んでもよい。
【0013】
[0013] 本開示の別の態様は、サンプルの画像を形成する方法をマルチビーム装置に行わせるための、マルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令の一セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。本方法は、主光軸に沿ってサンプル上の複数の一次電子ビームの複数のプローブスポットから複数の二次電子ビームを発生させることと、二次電子検出器を使用して、最終像面上でサンプルの複数のプローブスポットの像を取得することと、最終像面の位置に基づいて、二次電子検出器の位置を調整することと、を含み得る。本装置は、対物レンズを使用して、主光軸に対して実質的に垂直な中間像面上に複数のプローブスポットの中間像を形成することと、ビームセパレータを使用して、複数の二次電子ビームを副光軸に沿って二次電子検出器に向けて誘導することと、をさらに行ってもよい。マルチビーム装置は、サンプルと相互作用する複数の一次電子ビームの配向を調整することであって、複数の一次電子ビームの配向を調整することが、主光軸を中心に複数の一次電子ビームを回転させることを含んでもよい、調整することと、二次電子検出器の検出面と最終像面との間の傾斜角度を調整することと、をさらに含んでもよい。マルチビーム装置は、複数の二次電子ビームの非点収差を補償するために非点収差補正装置の電気的励磁を調整することをさらに行ってもよい。
【0014】
[0014] 本開示の実施形態の他の利点は、添付の図面と併せて取り入れられる以下の説明から明らかになるであろう。以下の説明では、例示及び例として、本発明のある特定の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015]本開示の実施形態と一致する、例示的な電子ビーム検査(EBI)システムを示す概略図である。
【
図2】[0016]本開示の実施形態と一致する、
図1の例示的な電子ビーム検査システムの一部であり得る例示的な電子ビームツールを示す概略図である。
【
図3A】[0017]本開示の実施形態と一致する、受ける例示的な力を示す概略図である。
【
図3B】[0017]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置における二次電子ビームの経路に対する上記例示的な力の影響を示す概略図である。
【
図3C】[0018]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置のビーム偏向器に入る前の二次電子ビームの例示的な投影を示す概略図である。
【
図3D】[0018]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置のビーム偏向器を出た後の二次電子ビームの例示的な投影を示す概略図である。
【
図3E】[0019]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置における非点収差補正装置を含む例示的な二次投影結像系を示す概略図である。
【
図4A】[0020]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置における電子光学系の例示的な構成及び二次電子ビームの経路を示す概略図である。
【
図4B】[0021]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置の最終像面上の二次電子ビームの例示的な投影を示す概略図である。
【
図4C】[0021]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置の電子検出器上の二次電子ビームの例示的な投影を示す概略図である。
【
図5】[0022]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置における電子光学系の例示的な構成及び二次電子ビームの経路を示す概略図である。
【
図6】[0023]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置における電子検出器の例示的な構成を示す概略図である。
【
図7A】[0024]本開示の実施形態と一致する、ビーム偏向器に入る前の二次電子ビームの例示的な投影を示す概略図である。
【
図7B】[0024]本開示の実施形態と一致する、ビーム偏向器を出た後の二次電子ビームの例示的な投影を示す概略図である。
【
図8】[0025]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査システムにおいて複数のビームを使用してサンプルの画像を形成する例示的な方法を示すプロセスフローチャートである。
【
図9】[0026]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査システムにおいて複数のビームを使用してサンプルの画像を形成する例示的な方法を示すプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0027] ここでは、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例は、添付の図面に示されている。以下の説明は、添付の図面を参照し、別段の表現がない限り、異なる図面における同じ番号は、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明において記載される実装形態は、すべての実装形態を表すわけではない。代わりに、それらの実装形態は、添付の請求項において記述されるように、開示される実施形態に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。例えば、いくつかの実施形態は、電子ビームの利用に関する文脈において説明されているが、本開示は、そのように限定されない。他のタイプの荷電粒子ビームを同様に適用することができる。その上、光学撮像、写真検出、X線検出など、他の撮像システムを使用することができる。
【0017】
[0028] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成された回路で構築される。多くの回路は、同じシリコン片上にまとめて形成することができ、集積回路又はICと呼ばれる。これらの回路のサイズは劇的に減少しており、その結果、さらに多くの回路を基板に適合させることができる。例えば、スマートフォンのICチップは、親指の爪ほどの大きさしかないが、それにもかかわらず、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪のサイズの1/1000未満である。
【0018】
[0029] これらの極めて小さなICの作成は、多大な時間を要する複雑且つ高価なプロセスであり、数百もの個々のステップを伴う場合が多い。1つのステップにおける誤差でさえ、完成ICに欠陥をもたらす可能性があり、それにより完成ICは、無用なものとなる。従って、製造プロセスの目標の1つは、プロセスで作成される機能可能なICの数を最大化するため、すなわち、プロセスの総歩留まりを向上させるために、そのような欠陥を回避することである。
【0019】
[0030] 歩留まりを向上させる要素の1つは、十分な数の機能可能な集積回路を生産することを保証するために、チップ作成プロセスをモニタすることである。プロセスをモニタする方法の1つは、それらの形成の様々な段階でチップ回路構造を検査することである。検査は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して行うことができる。SEMは、これらの極めて小さな構造を撮像するために使用することができ、実際には、構造の「ピクチャ」を撮影する。画像は、構造が正しく形成されたかどうか、また、構造が正しい場所に形成されたかどうかを判断するために使用することができる。構造に欠陥がある場合は、欠陥が再発する可能性が低くなるようにプロセスを調整することができる。
【0020】
[0031] マルチビームSEMなどの多重荷電粒子ビーム撮像システムは、一見すると、高いウェーハ検査スループットという利点を提供し得るが、それは、サンプルから発生する二次電子ビームを集束させることに関連するいくつかの課題に遭遇し得る。発散ビームは、集束ビームと比較して、より大きな断面を有し、及び検出要素上でより大きなフットプリントを有するため、複数の検出要素の各々は、対応する二次電子ビーム及び他の隣接するビームから二次電子を受信し得る。結果的に、1つの検出要素の撮像信号は、対応する二次電子ビームから生じる主成分と、隣接する電子ビームから生じるクロストーク成分とを含み得る。クロストーク成分は、数ある中でも特に、撮像信号の忠実性を悪化させる場合があり、従って、検査スループット及び分解能に悪影響を与え得る。
【0021】
[0032] クロストークの発生を軽減するため、数ある中でも特に、二次結像系において周辺の二次電子をブロックするためのアパーチャメカニズムを採用することができ、又は検出要素のサイズを縮小することができる。しかし、周辺の電子をブロックすること、又は検出要素のサイズを縮小することは、電子検出器に入射する電子の総数を減少させる場合があり、従って、収集効率、検査スループット、又は検査分解能に悪影響を与え得る。
【0022】
[0033] 現在存在するマルチビームSEMでは、ウィーンフィルタなどのビームセパレータは、一次電子及び二次電子を分離することができるが、それは、二次電子ビームを発散させる場合があり(非点収差)、及び二次電子ビームアレイを変形させる場合もあり、両者は、数ある中でも特にクロストークの発生をもたらす。クロストークの発生を軽減させるいくつかの方法の1つは、ビーム非点収差及びビームアレイ変形を補償するための1つ又は複数の非点収差補正装置を使用することを含み得る。しかし、このような構成は、二次投影系の動作及びメンテナンスを非常に複雑にし、それによって、検査スループットに悪影響を与え得る。加えて、二次電子ビームの集束面は、電子検出器の検出面と位置合わせされない場合があり、それによって、二次電子ビームが検出面上でさらに発散すること、及びクロストークを誘発することが生じ得る。従って、ビーム非点収差を補償し、及び電子検出器の二次電子ビームの集束面との位置合わせを可能にするメカニズムによって電子検出器の位置を調整することが望ましい。
【0023】
[0034] 本開示のいくつかの実施形態は、サンプルの画像を形成するシステム及び方法に関する。この方法は、一次電子ビームのサンプルの領域との相互作用によって形成されたプローブスポットから二次電子ビームを発生させることを含み得る。発生した二次電子ビームは、二次電子ビームを電子検出デバイスに向けて偏向させるように構成されたビームセパレータを通過し得る。ビームセパレータの偏向により、二次電子ビームの非点収差が生じ得る。この方法は、二次電子ビームに補正磁界又は補正電界を印加するように構成された非点収差補正装置の電気的励磁を調整することによって、非点収差を補償することを含み得る。この方法は、非点収差補正装置の下流の像面上にプローブスポットの像を形成すること、及び像面の位置に基づいて電子検出器の位置を調整することをさらに含み得る。電子検出器の位置を調整する能力は、ユーザが、検出器の検出面上に二次電子ビームを集束させることを可能にすることができ、それによって、クロストークが最小限に抑えられ、検出効率が増大し、その結果、高検査スループットが維持される。
【0024】
[0035] 図面では、コンポーネントの相対寸法は、明確にするために拡大され得る。以下の図面の説明内では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に対する違いのみを説明する。本明細書で使用される場合、別段の具体的な記述がない限り、「又は」という用語は、実行不可能な場合を除いて、考えられるすべての組合せを包含する。例えば、コンポーネントがA又はBを含み得るということが記述されている場合は、別段の具体的な記述がない限り又は実行不可能でない限り、コンポーネントは、A又はB、或いはA及びBを含み得る。第2の例として、コンポーネントがA、B又はCを含み得るということが記述されている場合は、別段の具体的な記述がない限り又は実行不可能でない限り、コンポーネントは、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA、B及びCを含み得る。
【0025】
[0036] ここで
図1を参照すると、
図1は、本開示の実施形態と一致する、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示している。
図1に示されるように、荷電粒子ビーム検査システム100は、メインチャンバ10、装填・ロックチャンバ20、電子ビームツール40及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)30を含む。電子ビームツール40は、メインチャンバ10内に位置する。説明及び図面は電子ビームを対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するためには使用されないことが理解されている。
【0026】
[0037] EFEM 30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM 30は、追加の装填ポートを含み得る。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、検査予定のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ若しくは他の材料で作られたウェーハ)又はサンプルを含むウェーハ前面開口式一体型ポッド(FOUP)を受け取る(以下では、ウェーハ及びサンプルは、集合的に「ウェーハ」と呼ばれる)。EFEM 30の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填・ロックチャンバ20にウェーハを移送する。
【0027】
[0038] 装填・ロックチャンバ20は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、装填/ロック真空ポンプシステムは、大気圧を下回る第1の圧力に達するように装填・ロックチャンバ20内の気体分子を取り除く。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填・ロックチャンバ20からメインチャンバ10にウェーハを移送する。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、メインチャンバ真空ポンプシステムは、第1の圧力を下回る第2の圧力に達するようにメインチャンバ10内の気体分子を取り除く。第2の圧力に達した後、ウェーハに対して、電子ビームツール40による検査が行われる。いくつかの実施形態では、電子ビームツール40は、シングルビーム検査ツールを含み得る。他の実施形態では、電子ビームツール40は、マルチビーム検査ツールを含み得る。
【0028】
[0039] コントローラ50は、電子ビームツール40に電子的に接続することができ、また、他のコンポーネントにも電子的に接続することができる。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査システム100の様々な制御を実行するように構成されたコンピュータであり得る。また、コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。
図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填・ロックチャンバ20及びEFEM 30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部でもあり得ることが理解されている。
【0029】
[0040] 本開示は、電子ビーム検査システムを収納するメインチャンバ10の例を提供しているが、本開示の態様は、広い意味で、電子ビーム検査システムを収納するチャンバに限定されないことに留意すべきである。むしろ、前述の原理は、他のチャンバにも適用できることが理解されている。
【0030】
[0041] ここで
図2を参照すると、
図2は、本開示の実施形態と一致する、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部であり得る例示的な電子ビームツール40の概略図を示している。電子ビームツール40(本明細書では、装置40とも呼ばれる)は、電子源201、供給源変換ユニット220、一次投影光学系230、二次投影結像系250、及び電子検出デバイス240を含み得る。装置40の一般的に知られている他のコンポーネントを必要に応じて適切に追加/省略できることを理解することができる。
【0031】
[0042]
図2には図示しないが、いくつかの実施形態では、電子ビームツール40は、ガンアパーチャプレート、プレビームレット形成メカニズム、集光レンズ、電動サンプルステージ、サンプル(例えば、ウェーハ又はフォトマスク)を保持するためのサンプルホルダを含み得る。
【0032】
[0043] 電子源201、供給源変換ユニット220、偏向走査ユニット232、ビームセパレータ233、及び一次投影光学系230は、装置40の主光軸204と位置合わせすることができる。二次投影結像系250及び電子検出デバイス240は、装置40の副光軸251と位置合わせすることができる。
【0033】
[0044] 電子源201は、カソード、抽出器又はアノードを含み得、一次電子は、カソードから放出され、次いで、抽出又は加速させられ、一次ビームクロスオーバー(虚像又は実像)203を形成する一次電子ビーム202を形成することができる。一次電子ビーム202は、一次ビームクロスオーバー203から放出されると視覚化することができる。
【0034】
[0045] いくつかの実施形態では、供給源変換ユニット220は、一次電子ビーム202の複数のビームレット(一次ビームレット211、212、及び213など)に影響を与えることによって、クロスオーバー203の複数の像を形成するように構成され得る。供給源変換ユニット220は、ビーム制限アパーチャアレイ及び偏向器アレイを含み得る。ビーム制限アパーチャアレイは、一次ビームレット211、212、及び213を形成することができ、偏向器アレイは、一次ビームレットを偏向させてクロスオーバー203の複数の像を形成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、供給源変換ユニット220は、アパーチャレンズアレイ、ビーム制限アパーチャアレイ、及び結像レンズを含み得る。アパーチャレンズアレイは、アパーチャレンズ形成電極プレート、及びアパーチャレンズ形成電極プレートの下方に位置決めされたアパーチャレンズプレートを含み得る。この文脈では、「下方(below)」とは、電子源201から下流に移動する一次電子ビーム202がアパーチャレンズプレートの前にアパーチャレンズ形成電極プレートに投射するような構造的配列を指す。アパーチャレンズ形成電極プレートは、一次電子ビーム202の少なくとも一部が通過することを可能にするように構成されたアパーチャを有するプレートにより実装され得る。アパーチャレンズプレートは、一次電子ビーム202が横切る複数のアパーチャを有する1つのプレート、又は複数のアパーチャを有する複数のプレートにより、実装され得る。アパーチャレンズ形成電極プレート及びアパーチャレンズプレートが励磁されることにより、アパーチャレンズプレートの上方及び下方に電界が発生し得る。アパーチャレンズプレートの上方の電界は、アパーチャレンズプレートの各アパーチャにレンズ場が形成され、従ってアパーチャレンズアレイが形成され得るように、アパーチャレンズプレートの下方の電界とは異なり得る。アパーチャレンズアレイの1つのアパーチャレンズは、1つの一次ビームレットを集束させ得る。
【0035】
[0046] いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイは、ビーム制限アパーチャを含み得る。必要に応じて適切に、いかなる数のアパーチャも使用できることが理解される。ビーム制限アパーチャアレイは、個々の一次ビームレット211、212、及び213の直径を制限するように構成され得る。
図2は、一例として3つの一次ビームレット211、212、及び213を示しているが、供給源変換ユニット220は、いかなる数の一次ビームレットも形成するように構成され得ることが理解される。
【0036】
[0047] いくつかの実施形態では、結像レンズは、中間像面上に一次ビームレット211、212、及び213を集束させるように構成された集光結像レンズを含み得る。結像レンズは、主光軸204に直交する主平面を有し得る。結像レンズは、ビーム制限アパーチャアレイの下方に位置決めされてもよく、並びに、ビームレットが中間像面上にクロスオーバー203の複数の像を形成するように一次ビームレット211、212、及び213を集束させるように構成されてもよい。
【0037】
[0048] 一次投影系230は、像(虚像又は実像)をサンプル208上に投影し、その上に複数のプローブスポットを形成するように構成されてもよい。一次投影光学系230は、対物レンズ231、偏向走査ユニット232、及びビームセパレータ233を含み得る。ビームセパレータ233及び偏向走査ユニット232は、一次投影光学系230内に位置決めされ得る。対物レンズ231は、検査のためにサンプル208上にビームレット211、212、及び213を集束させるように構成されてもよく、サンプル208の表面上に3つのプローブスポット211S、212S、及び213Sをそれぞれ形成することができる。いくつかの実施形態では、ビームレット211、212、及び213は、サンプル208に垂直に又は実質的に垂直に着地し得る。いくつかの実施形態では、対物レンズによる集束は、プローブスポット211S、212S、及び213Sの収差を減少させることを含み得る。
【0038】
[0049] サンプル208上のプローブスポット211S、212S、及び213Sへの一次ビームレット211、212、及び213の入射に応答して、二次電子がサンプル208から出現し、3つの二次電子ビーム261、262、及び263を発生させ得る。二次電子ビーム261、262、及び263の各々は、一般的に(≦50eVの電子エネルギーを有する)二次電子と、(50eV~一次ビームレット211、212、及び213の着地エネルギーの電子エネルギーを有する)後方散乱電子とを含む。
【0039】
[0050] 電子ビームツール40は、ビームセパレータ233を含み得る。ビームセパレータ233は、静電双極子場E1及び磁気双極子場B1(
図2には両方とも図示せず)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタタイプのビームセパレータでもよい。それらの場が印加された場合、静電双極子場E1によってビームレット211、212、及び213の電子にかかる力は、磁気双極子場B1によって電子にかかる力に対して、大きさは等しく、方向は反対方向である。従って、ビームレット211、212、及び213は、ビームセパレータ233をゼロ偏向角度で真っすぐに通過することができる。
【0040】
[0051] 偏向走査ユニット232は、サンプル208の表面のあるセクションの3つの小さな走査エリアにわたってプローブスポット211S、212S、及び213Sを走査するために、ビームレット211、212、及び213を偏向させるように構成され得る。ビームセパレータ233は、二次電子ビーム261、262、及び263を二次投影系結像250に向けて誘導することができる。二次投影結像系250は、二次電子ビーム261、262、及び263を電子検出デバイス240の検出要素241、242、及び243上に集束させることができる。検出要素241、242、及び243は、対応する二次電子ビーム261、262、及び263を検出し、サンプル208の対応する走査エリアの画像を構築するために使用される対応する信号を生成するように構成され得る。
【0041】
[0052]
図2では、3つのプローブスポット211S、212S、及び213Sによってそれぞれ発生した3つの二次電子ビーム261、262、及び263は、主光軸204に沿って電子源201に向けて上方に移動し、対物レンズ231及び偏向走査ユニット232を相次いで通過する。3つの二次電子ビーム261、262、及び263は、副光軸251に沿って二次投影結像系250に入るように、ビームセパレータ233(ウィーンフィルタなど)によって方向転換される。二次投影結像系250は、3つの検出要素241、242、及び243を含む電子検出デバイス240上に3つの二次電子ビーム261、262、及び263を集束させ得る。従って、電子検出デバイス240は、3つのプローブスポット211S、212S、及び213Sによってそれぞれ走査された3つの走査領域の画像を同時に生成することができる。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス240及び二次投影結像系250は、1つの検出ユニット(図示せず)を形成する。いくつかの実施形態では、対物レンズ231、偏向走査ユニット232、ビームセパレータ233、二次投影結像系250、及び電子検出デバイス240など(ただし、これらに限定されない)の、二次電子ビームの経路上の電子光学要素が、1つの検出システムを形成することができる。
【0042】
[0053] いくつかの実施形態では、二次投影結像系250は、
図2に示されるように、検出システム全体と併せて示され、説明される。
図2を参照すると、3つのプローブスポット211S、212S、及び213Sに対する3つの二次電子ビーム261、262、及び263のみが示されているが、いかなる数の二次電子ビームも存在し得る。図示されないが、二次投影結像系250は、数ある中でも特に、ズームレンズ、投影レンズ、二次ビーム制限アパーチャアレイ、及び走査防止偏向ユニットなどのコンポーネントを含み得、それらはすべて、副光軸251と位置合わせされる。電子検出デバイス240の検出要素241、242、及び243は、副光軸251に垂直な平面に沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス240の位置及び配向は、調整可能であり得る。ズームレンズ、投影レンズ、及び対物レンズ231はまとめて、偏向走査ユニット232がオフのときに、サンプル208の表面を二次電子ビームの集束面上に投影し得る(すなわち、二次電子ビーム261、262、及び263を集束させて、検出要素241、242、及び243上に二次電子スポットをそれぞれ形成する)。
【0043】
[0054] 当技術分野では一般的に知られているように、二次電子の放出は、ランベルトの法則に従うものであり、大きなエネルギー幅を有する。二次電子のエネルギーは、最大で50eVであり得るが、大部分は、数ある中でも特に、サンプル材料に応じて、約5eVのエネルギーを有し得る。一次電子ビームレットの着地エネルギー(サンプル208に着地した際のビームレット211のエネルギーなど)は、0.1keV~5keVの範囲であり得る。着地エネルギーは、数ある中でも特に、一次電子源201の電位又はサンプル208の電位の一方又は両方を変化させることによって調整することができる。対物レンズ231の励磁は、3つのビームレットに対する対応する集束力を提供するように調整することができる。さらに、収差を低減するため、対物レンズ231は、ビームレットを回転させ、着地エネルギーに影響を及ぼすように構成された磁気又は電磁複合レンズでもよい。検出要素241、242、及び243上で二次電子ビーム261、262、及び263によって形成される二次電子スポットのサイズ、位置、又は倍率は変化し得るため、二次電子スポットは、対応する検出要素に隣接する検出要素に部分的に入る場合がある。隣接する検出要素によって検出された二次電子は、画像重複をもたらす場合があり、例えば、画像分解能の悪化及び収集効率の低下を引き起こし得る。1つの検出要素からの画像信号は、サンプル208の2つ以上の走査領域からの情報を含み得、クロストークに起因する分解能の損失が生じ得る。
【0044】
[0055] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、画像処理システムを含み得、画像処理システムは、画像取得器(図示せず)及びストレージ(図示せず)を含む。画像取得器は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。例えば、画像取得器は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイス及び同様のもの、又は、それらの組合せを含み得る。画像取得器は、数ある中でも特に、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機又はそれらの組合せなどの媒体を通じて、装置40の電子検出デバイス240に通信可能に結合することができる。いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス240から信号を受信し、画像を構築することができる。従って、画像取得器は、サンプル208の画像を取得することができる。また、画像取得器は、輪郭の生成、取得画像へのインジケータの重畳及び同様のものなどの様々な後処理機能を実行することもできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を実行するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリ及び同様のものなどの記憶媒体であり得る。ストレージは、画像取得器と結合し、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存したり、後処理された画像を保存したりするために使用することができる。
【0045】
[0056] いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス240から受信された撮像信号に基づいてサンプルの1つ又は複数の画像を取得することができる。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するための走査動作に相当し得る。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。単一の画像は、ストレージに格納することができる。単一の画像は、複数の領域に分割され得るオリジナルの画像であり得る。領域の各々は、サンプル208の特徴を含む撮像エリアを1つずつ含み得る。取得画像は、時系列にわたって複数回サンプリングされたサンプル208の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像は、ストレージに格納することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、サンプル208の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを実行するように構成することができる。
【0046】
[0057] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、検出された二次電子の分布を得るために、測定回路(例えば、アナログ/デジタル変換器)を含み得る。検出時間窓の間に収集された電子分布データは、ウェーハ表面に入射した一次ビームレット211、212、213の各々の対応する走査経路データと組み合わせて、検査中のウェーハ構造の画像を再構築するために使用することができる。再構築された画像は、サンプル208の内部又は外部の構造の様々な特徴を明らかにするために使用することができ、従って、ウェーハに存在し得るいかなる欠陥も明らかにするために使用することができる。
【0047】
[0058] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、検査の間にサンプル208を動かすように電動ステージ(図示せず)を制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、電動ステージが、ある方向に一定の速さで継続的にサンプル208を動かせるようにすることができる。他の実施形態では、コントローラ50は、電動ステージが、走査プロセスのステップに応じて、サンプル208が動く速さを経時的に変更できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、二次電子ビーム261、262、263の画像に基づいて、一次投影光学系230又は二次投影結像系250の構成を調整することができる。
【0048】
[0059] いくつかの実施形態では、電子ビームツール40は、供給源変換ユニット220から一次ビームレット211、212、及び213を受信し、それらをサンプル208に向けて誘導するように構成されたビームレット制御ユニット225を含み得る。ビームレット制御ユニット225は、一次ビームレット211、212、及び213がサンプル208の表面に垂直若しくは実質的に垂直に着地するように、又は小さな収差で複数のプローブスポット221、222、及び223を形成するように、一次ビームレット211、212、及び213を像面から対物レンズに誘導するように構成された転写レンズを含み得る。転写レンズは、静止又は可動レンズでもよい。可動レンズでは、レンズの集束力は、レンズの電気的励磁を調整することによって変更することができる。
【0049】
[0060] いくつかの実施形態では、ビームレット制御ユニット225は、サンプル208の面法線に対して同じ又は実質的に同じ着地角度(Θ)を有して、サンプル208の表面に斜めに着地するように一次ビームレット211、212、及び213を傾けるように構成されたビームレット可傾偏向器を含み得る。ビームレットを傾けることは、主光軸204から僅かに外れるように一次ビームレット211、212、及び213のクロスオーバーをシフトさせることを含み得る。これは、井戸、又はトレンチ、又はメサ構造の側壁などの3次元フィーチャ又は構造を含むサンプル又はサンプルの領域を検査する際に有用となり得る。
【0050】
[0061] いくつかの実施形態では、ビームレット制御ユニット225は、上述のレンズの1つ又はすべてに起因する非点収差及び像面湾曲収差などの収差を補償するように構成されたビームレット調整ユニットを含み得る。ビームレット調整ユニットは、非点収差補償器アレイ、像面湾曲補償器アレイ、及び偏向器アレイを含み得る。像面湾曲補償器アレイは、一次ビームレット211、212、及び213の像面湾曲収差を補償するための複数のマイクロレンズを含んでもよく、非点収差補償器アレイは、一次ビームレット211、212、及び213の非点収差を補償するための複数のマイクロ非点収差補正装置を含んでもよい。
【0051】
[0062] いくつかの実施形態では、偏向器アレイの偏向器は、主光軸204に向けて角度を変化させることによって、ビームレット211、212、及び213を偏向させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、主光軸204から離れるほど、より大きくビームレットを偏向させるように構成され得る。さらに、偏向器アレイは、複数の層(図示せず)を含んでもよく、偏向器は、別個の層に設けられてもよい。偏向器は、互いに独立して個々に制御されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、サンプル208の表面上に形成されるプローブスポット(例えば、221、222、及び223)のピッチを調整するように制御され得る。本明細書で言及される場合、プローブスポットのピッチは、サンプル208の表面上の2つの直接隣接するプローブスポット間の距離として定義することができる。いくつかの実施形態では、偏向器は、中間像面上に配置されてもよい。
【0052】
[0063] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、
図2に示されるように、供給源変換ユニット220、ビームレット制御ユニット225、及び一次投影光学系230を制御するように構成され得る。図示されないが、コントローラ50は、電子源201、並びに供給源変換ユニット220、一次投影光学系230、電子検出デバイス240、及び二次投影結像系250のコンポーネントを含む(ただし、これらに限定されない)電子ビームツール40の1つ又は複数のコンポーネントを制御するように構成され得る。
図2は、電子ビームツール40が3つの一次電子ビームレット211、212、及び213を使用することを示すが、電子ビームツール40が2つ以上の一次電子ビームレットを使用し得ることが理解される。本開示は、装置40で使用される一次電子ビームレットの数を限定しない。
【0053】
[0064] 後方散乱電子及び二次電子は、例えば、一次電子ビームレット211、212、及び213を受信した際にサンプル208の一部から放出され得る。ビームセパレータ233は、二次又は後方散乱電子ビームを電子検出デバイス240のセンサ面へと誘導することができる。検出された電子ビームは、電子検出デバイス240のセンサ面上に対応するビームスポットを形成し得る。電子検出デバイス240は、受信ビームの強度を表す信号(例えば、電圧、電流)を生成することができ、コントローラ50などの処理システムに信号を提供することができる。二次又は後方散乱電子ビーム、及び結果として得られるビームスポットの強度は、サンプル208の外的又は内的構造に応じて異なり得る。また、上述の通り、一次電子ビームレット211、212、及び213は、異なる強度の二次又は後方散乱電子ビーム(及び結果として得られるビームスポット)を発生させるために、サンプル208の上面の異なる場所の上に偏向され得る。従って、サンプル208の上記場所を使用して、ビームスポットの強度をマッピングすることによって、処理システムは、ウェーハサンプル208の内的又は外的構造を反映した画像を再構築することができる。
【0054】
[0065] ここで
図3A及び
図3Bを参照すると、
図3A及び
図3Bは、本開示の実施形態と一致する、二次電子が受ける例示的な力、及びマルチビーム装置における二次電子ビームの経路に対するこのような力の影響の概略図である。
図3Aは、ウィーンフィルタ(例えば、
図2のビームセパレータ233)を通過する例示的な二次電子ビーム361の二次電子371、372、及び373を示す。二次電子ビームは、電子のビームを含むが、説明目的で、3つの離散した二次電子371、372、及び373のみが示されることが理解される。二次電子371、372、及び373は、紙面の内外に延在するZ1軸(図示せず)に沿って移動すると視覚化することができる。X1軸に沿った電界及びY1軸に沿った磁界は、それぞれE及びBで表される。
【0055】
[0066] ウィーンフィルタでは、電界Eの方向に沿って電位が減少する。その結果、二次電子371、372、及び373がウィーンフィルタに入る前に同じエネルギーを有していた場合は、二次電子ビーム361のオフアクシス二次電子372のエネルギーは、オンアクシス二次電子371よりも高く、オンアクシス二次電子371のエネルギーは、オフアクシス二次電子373よりも高い。よって、二次電子372にかかる磁力Fm2は、電子371にかかる磁力Fm1よりも強く、磁力Fm1は、電子373にかかる磁力Fm3よりも強い。二次電子(例えば、二次電子371、372、及び373)がウィーンフィルタを通過する間に受ける磁力の違い(Fm3<Fm1<Fm2)は、二次電子を異なる偏向角度で偏向させ得る。二次電子ビームの電子の偏向角度の違いは、数ある中でも特にビーム非点収差を生じさせ得る。
【0056】
[0067] ここで
図3Bを参照すると、
図3Bは、X1軸に沿って配置されたビームセパレータ333を通過する二次電子ビーム361を含む例示的な構成300を示している。二次電子ビーム361及びビームセパレータ333が、
図2の二次電子ビーム261及びビームセパレータ233にそれぞれ類似又は実質的に類似し得ることが理解される。
【0057】
[0068] いくつかの実施形態では、二次電子ビーム361は、ビームセパレータ333に入る前は、実質的に円形の断面を有し得る。
図3Bは、平面310上の二次電子ビーム361の実質的に円形の断面の投影を示す。いくつかの実施形態では、平面310は、対物レンズ231とビームセパレータ333との間にZ1軸に沿って位置し得る。平面310上の二次電子ビーム361の投影は、ビームセパレータ333における電磁界335との相互作用の前は、実質的に円形の断面を有し得る。ビームセパレータ333の電磁界335と相互作用した時点で、二次電子ビーム361は、偏向され得、平面320上の二次電子ビーム361の断面は、ビーム非点収差の結果として、非円形プロファイルに変更され得る。
【0058】
[0069] ここで
図3C及び
図3Dを参照すると、
図3C及び
図3Dは、それぞれ平面310及び320上の二次電子ビームのアレイの概略図を示している。
図3Cに示されるように、アレイ350は、サンプル(例えば、
図2のサンプル208)から生じ、ビームセパレータ333に向けて誘導された二次電子ビームの3×3矩形アレイを含み得る。例えば、アレイ350は、9つの二次電子ビーム361、362、363、364、365、366、367、368、及び369を含む正方形アレイを表す。いくつかの実施形態では、正方形アレイは、必要に応じて適切に、2×2アレイなどのより少ない数の電子ビーム、又は5×5アレイなどのより多い数の電子ビームを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アレイは、ビームセパレータ333に向けて誘導された二次電子ビームの矩形、円形、螺旋形、楕円形アレイ、対称形アレイ、又は非対称形アレイを含み得る。
【0059】
[0070]
図3Cは、ビームセパレータ333(例えば、
図3Aのビームセパレータ)の(X1軸方向に沿った)電界E及び(Y1軸方向に沿った)磁界Bを通過する前の二次電子ビーム361~369及び平面310上のそれらの投影の例示的なアレイ350を示している。平面310は、X1軸及びY1軸を含む平面と実質的に平行し、並びにZ1軸(図示せず)に実質的に垂直な平面であり得る。Z1軸は、用紙の内外に延在すると視覚化することができる。
【0060】
[0071] いくつかの実施形態では、アレイ350は、二次電子ビーム361~369の投影の正方形アレイを含み得る。
図3Cに示されるように、各々が円形断面を有する二次電子ビーム361~369の正方形アレイの輪郭360は、破線で示される。いくつかの実施形態では、アレイ350は、それがX1’軸及びY1’軸に沿って位置合わせされるように、X1軸及びY1軸に対して角度Θで配向され得る。X1軸及びY1軸に対するアレイ350の配向は、数ある中でも特に、対物レンズが磁気レンズを含む場合に、対応する一次電子ビーム(例えば、
図2の一次ビームレット211、212、及び213)の着地エネルギーとともに変化し得る。本明細書において、電子ビームの着地エネルギーは、一次電子ビームがサンプルに衝突した際の一次電子ビームの電子のエネルギーと定義され得る。一次電子ビームの着地エネルギーは、電子放出源とステージ/サンプルの電位差に等しく、従って、これら2つの電位の一方又は両方を変更することによって調整され得る。
【0061】
[0072]
図3Cに示されるように、異なる二次電子ビームは、ビームセパレータ333の電界Eの方向(X1軸)に沿った異なる横断場所でビームセパレータ333を横断し得る。その結果、より大きなX1座標を有するビームは、小さなX1座標を有するビームと比べてより高いエネルギーを有し得、従って、より強い磁力を受け得る。二次電子ビーム361~369に関して、磁力の違いは、偏向角度の違いを生じさせ得、
図3Dに示すようなビームアレイ変形をもたらし得る。
【0062】
[0073]
図3Dは、出射二次電子ビーム361a~369a及び平面320上のそれらの投影の例示的なアレイ370を示している。出射二次電子ビーム361a~369aは、ビームセパレータ333を通過した後の二次電子ビーム361~369にそれぞれ対応する。上述の通り、ビームセパレータ333がビーム非点収差を生じさせるため、出射二次電子ビーム361a~369aは、入射二次電子ビーム361~369の円形断面とは異なる非円形断面を有し得る。例えば、出射二次電子ビーム361a~369aの断面は、長円形、楕円形、又は非円形の形状を含み得る。いくつかの実施形態では、出射二次電子ビーム361a~369aは、副光軸251に沿って二次投影結像系250に向けて偏向され得る。
【0063】
[0074] いくつかの実施形態では、ビームセパレータ333は、上記で説明したようにビームアレイ変形を生じさせるため、出射二次電子ビーム361a~369aのビームアレイは、
図3Dに示されるように、入射二次電子ビーム361~369のビームアレイの正方形の形状からひし形の形状へと変化し得る。ひし形の形状を有する出射二次電子ビーム361a~369aの変形アレイ370の輪郭360aは、一点鎖線で示される。比較のため、
図3Dは、入射二次電子ビーム361~369を表すアレイ350の輪郭360を含む。
【0064】
[0075] マルチビームSEMなどのマルチビーム検査装置では、二次電子ビーム(例えば、
図2の261、262、及び263)から一次電子ビーム(例えば、
図2の一次ビームレット211、212、及び213)を分離するためにウィーンフィルタ(例えば、
図3Bのビームセパレータ333)を使用することは、数ある中でも特に、非点収差及びビームアレイ変形を生じさせ得る。マルチビームSEMにおける撮像分解能は、数ある中でも特に、二次電子検出器などの電子検出デバイス(例えば、
図2の電子検出デバイス240)によって検出される二次電子ビームのクロストークに依存し得る。クロストークは、電子検出デバイスに入射する二次電子ビームに集束に依存し得る。各二次電子ビームが電子検出デバイスの対応する検出要素によって検出され得るように集束される場合は、クロストークはゼロになる。ビームセパレータのビーム非点収差は、二次電子ビームの集束に影響を与えるいくつかの因子の1つとなり得、これは、数ある中でも特に、ビームプロファイルの歪みを生じさせ得る。発散電子ビームは、二次電子検出器上で大きな入射スポットを有し得る。ビームセパレータのビームアレイ変形は、二次電子ビームのビームアレイ形状に影響を与えるいくつかの因子の1つとなり得、これは、数ある中でも特に、電子検出デバイス上のビームピッチの歪みを生じさせ得る。変形したビームアレイは、電子検出デバイスの検出要素アレイと合致しないかもしれない。従来のマルチビームSEMでは、発散二次電子ビーム、又は変形ビームアレイの二次ビームは、電子検出デバイスの複数の検出要素に入射し得る。つまり、複数の検出要素の各々が、対応する二次電子ビーム及び他の隣接するビームから二次電子を受信し得る。結果的に、1つの検出要素の撮像信号は、対応する二次電子ビームから生じる主成分と、隣接する電子ビームから生じるクロストーク成分とを含み得る。クロストーク成分は、数ある中でも特に、撮像信号の忠実性を悪化させ得る。従って、画像分解能を向上させるために複数の検出要素間のクロストークを最小限に抑えること、及び撮像スループットを向上させるために電子検出デバイスの検出効率又は収集効率を向上させることが望ましい。
【0065】
[0076] クロストークの発生及び影響を軽減するためのいくつかの方法の一部には、数ある中でも特に、周辺の二次電子をブロックするために二次投影結像系250においてアパーチャメカニズムを使用すること、又は電子検出デバイスの対応する検出要素のサイズを縮小することが含まれ得る。しかし、周辺の電子をブロックすること、又は対応する検出要素のサイズを縮小することによって、電子検出器に入射する二次電子の数を減少させることは、収集及び検出効率に悪影響を与える場合があり、それによって、数ある中でも特に、検査スループットが低下し得る。
【0066】
[0077] 従来のSEMシステムでは、マルチビーム装置の二次投影結像系は、クロストークを最小限に抑えるために、ビーム非点収差及びビームアレイ変形を補償するための1つ又は複数の非点収差補正装置を含み得る。
図3Eは、マルチビーム装置(例えば、
図2の装置40)における二次投影結像系350の概略図を示している。二次投影結像系350は、二次投影結像系350を通過する個々の出射二次電子ビーム361a、362a、及び363aのビームアレイ変形及び非点収差を補償するように構成された非点収差補正装置351及び352を含み得る。いくつかの実施形態では、非点収差補正装置352は、出射二次電子ビーム361a、362a、及び363aのクロスオーバーに、又はその近くに配置されてもよく、及びビーム非点収差を補償するように構成されてもよい。非点収差補正装置351は、クロスオーバーから離れて配置されてもよく、及びビームアレイ形状変形を補償するように構成されてもよい。
【0067】
[0078] 加えて、非点収差補正装置351及び352は、非点収差及びビームアレイ変形を補償することによってクロストークを最小限に抑えるように構成され得るが、複数の非点収差補正装置を使用することは、二次投影結像系350の構造上及び動作上の複雑さを増大させる場合があり、それによって、数ある中でも特に、検査スループットに悪影響を与え得る。
図3Eの断面図では、3つの出射二次電子ビームのみが示されているが、必要に応じて、いかなる数の出射二次電子ビームも存在し得ることが理解される。
【0068】
[0079] マルチビーム検査システムでは、二次電子ビームの非点収差又はビームアレイ変形は、クロストークを生じさせる場合があり、従って、数ある中でも特に、検査スループット及び分解能に悪影響を与え得る。非点収差又はビームアレイ変形は、
図3A~3Eで述べたように、ビームセパレータ(例えば、
図3Bのビームセパレータ333)としてウィーンフィルタを使用すること、ビーム偏向器(例えば、
図2の偏向走査ユニット232)を使用すること、又は二次投影結像系(例えば、
図2の二次投影結像系250)を使用することを含む(ただし、これらに限定されない)いくつかの因子によって引き起こされ得る。
【0069】
[0080] ここで
図4Aを参照すると、
図4Aは、本開示の実施形態と一致する、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部であり得るマルチビーム検査装置400の概略図を示している。マルチビーム検査装置400(本明細書では、装置400とも呼ばれる)は、対物レンズ431及びビームセパレータ433を含む一次投影光学系(
図2の一次投影光学系230と類似)を含み得る。装置400は、数ある関連コンポーネントの中でも特に、二次投影結像系450(
図2の二次投影結像系250と類似)、及び電子検出デバイス440をさらに含み得る。装置40の一般的に知られている他のコンポーネントを必要に応じて適切に追加/省略できることを理解することができる。
【0070】
[0081] 対物レンズ431は、
図2の対物レンズ231と実質的に類似してもよく、検査のためにサンプル408上に一次電子ビーム又はビームレットを集束させること、及び対応するプローブスポットを形成することを含む(ただし、これらに限定されない)、
図2の対物レンズ231と実質的に類似した機能を行い得る。ビームセパレータ433は、
図2のビームセパレータ233と実質的に類似してもよく、二次電子ビーム461、462を二次投影系結像450に向けて誘導することを含む(ただし、これに限定されない)、
図2のビームセパレータ233と実質的に類似した機能を行い得る。
図4Aでは、2つの二次電子ビーム461及び462のみが示されているが、サンプル408から発生し、二次投影系結像450に向けて誘導される二次電子ビームの数は、必要に応じて適切に、より多くても、又はより少なくてもよいことが理解される。対物レンズ431及びビームセパレータ433は、装置400の主光軸404と位置合わせされ得、二次投影結像系450及び電子検出デバイス440は、装置400の副光軸451と位置合わせされ得る。副光軸451は、主光軸404と非ゼロ角度を成し得る。いくつかの実施形態では、主光軸404と副光軸451との間の角度は、数ある中でも特に、ビームセパレータ433による二次電子ビーム461及び462の所望の偏向に基づいて決定され得る。
【0071】
[0082] 一次電子ビーム又はビームレットがサンプル408と相互作用した時点で、二次電子又は後方散乱電子がサンプル408から発生し得る。発生した二次電子及び後方散乱電子は、主光路404に沿って一次電子ビームの反対方向に移動し得る。装置400は、二次電子検査モード又は後方散乱電子検査モード、又はその両方で動作し得る。二次電子検査モードでは、電子検出デバイス440は、二次電子ビーム461及び462を検出するように構成され得る。対物レンズ431は、サンプル408上の対応するプローブスポットから発生した二次電子ビーム461及び462を平面SP1上に集束させ、その結果、その上にプローブスポットの中間像461i及び462iを形成するように構成され得る。よって、平面SP1は、プローブスポットの中間像面である。いくつかの実施形態では、中間像面SP1は、ビームセパレータ433と対物レンズ431との間に形成されてもよく、主光軸404に対して実質的に垂直でもよい。中間像面SP1は、ビームセパレータ433の電界領域又は磁界領域に入る前の二次電子ビーム461及び462の集束面でもよい。
【0072】
[0083] ビームセパレータ433は、二次電子ビーム461及び462を二次投影結像系450に向けて偏向するように構成され得る。
図4Aでは、ビームセパレータ433を出射した後に、二次電子ビーム461及び462は、出射二次電子ビーム461a及び462a(
図3Dの361a及び362aに類似)となり、中間像461i及び462iは、仮想中間像面SP1-R上で仮想中間像461R及び462Rとなる。仮想中間像461R及び462Rは、二次投影結像系450のオブジェクトとなり得、仮想中間像面SP1-Rは、二次投影結像系450の対物面となり得る。いくつかの実施形態では、仮想中間像面SP1-Rは、主光軸404に対して垂直ではないように、中間像面SP1に対してある角度で回転され得る。いくつかの実施形態では、仮想中間像面SP1-Rは、二次電子ビームの偏向角度に基づいたある角度で回転され得る。
図4Aに示されるように、オンアクシス二次電子ビーム461は、副光軸451と実質的に平行に、及び副光軸451に沿って偏向されてもよく、仮想中間像面SP1-Rは、副光軸451に対して実質的に垂直でなくてもよい。
【0073】
[0084] 従来のマルチビーム検査システムでは、電子検出デバイス440及び二次投影結像系450は、副光軸451に対して実質的に垂直に位置し得る。二次投影結像系450は、出射二次電子ビーム461a及び462aを平面SP2上に集束させ、従って、その上に仮想中間像461R及び462Rを結像する(すなわち、平面SP2上にプローブスポットの像461Ri及び462Riを形成する)ように構成され得る。よって、平面SP2は、プローブスポットの最終像面、又は二次電子ビーム461及び462の最終集束面である。いくつかの実施形態では、仮想中間像面SP1-Rは、副光軸451に対して実質的に垂直でなくてもよく、従って、最終像面SP2は、副光軸451に対して垂直でなくてもよい。その結果、最終像面SP2は、電子検出デバイス440の検出面440Dと重なり合わなくてもよい。検出面440Dは、副光軸451に対して実質的に垂直でもよい。検出面440Dは、電子検出デバイス440の検出要素の電子収集又は電子受信面を含み得る。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス440の検出要素は、すべての検出要素の検出面が単一の同一平面内にある検出面440Dを形成するように配列され得る。
【0074】
[0085] いくつかの実施形態では、最終像面SP2は、検出面440Dに対して角度αを成し得る。最終像面SP2と電子検出デバイス440の検出面440Dのミスマッチは、出射二次電子ビームが電子検出デバイス440の検出面440D上で発散すること、及び出射二次ビームアレイが電子検出デバイス440の検出面440D上で変形されることをもたらし得る。発散した二次電子ビーム及び変形した二次ビームアレイは、クロストークを生じさせ得、及び収集効率又は検出効率を低下させ得、結果的に、数ある中でも特に、検査分解能及び検査スループットに悪影響を及ぼし得る。
【0075】
[0086] ここで
図4B及び
図4Cを参照すると、
図4B及び
図4Cは、本開示の実施形態と一致する、それぞれ最終像面SP2及び電子検出デバイス440の検出面440D上の出射二次電子ビーム461a~469aの例示的な投影の概略図を示している。出射二次電子ビーム461a~469aは、
図4Bに示されるように、最終像面SP2上にアレイ460を形成し得る。いくつかの実施形態では、アレイ460は、ひし形、矩形、又は正方形のアレイを含み得る。集束した出射二次電子ビーム461a~469aの投影は、最終像面SP2上で実質的に円形の断面を有し得る。
【0076】
[0087]
図4Cは、電子検出デバイス440の検出面440D上の出射二次電子ビーム461a~469aの投影を示している。電子検出デバイス440の検出面440D上の出射二次電子ビーム461a~469aの投影は、アレイ470によって示され得る。いくつかの実施形態では、検出面440Dに対する最終像面SP2の傾斜角度は、検出面440D上の1つ又は複数の出射二次電子ビーム461a~469aの投影を非円形にし得る。検出面440Dに対する最終像面SP2の傾斜角度は、出射二次電子ビーム461a~469aの投影が検出面440D上で変形アレイ470を形成することを生じさせ得る。変形アレイ470は、出射二次電子ビーム461a~469aの非円形投影の傾斜アレイを含み得る。本開示の文脈では、変形アレイ(例えば、
図4Cの変形アレイ470)は、発散した二次電子ビームの投影のアレイ、又はインフォーカス二次電子ビームの輪郭と比べて異なる焦点外二次電子ビームの投影の輪郭を有するアレイを含み得る。
【0077】
[0088]
図4Cに示されるように、電子検出デバイス440の検出面440D上の出射二次電子ビームの投影のサイズは、二次電子ビーム461a~469aの最終像面SP2上の集束位置と検出面440Dとの間の距離に基づき得る。例えば、オンアクシス出射二次電子ビーム461aは、最終像面SP2上のオンアクシス出射二次電子ビーム461aがオフアクシス出射二次電子ビーム462aと比較して検出面440Dにより近いため、オフアクシス出射二次電子ビーム462aよりも小さく見え得る。最終像面SP2は、出射二次電子ビームが例えば電子検出デバイス440の上流で、電子検出デバイス440の検出面440Dにおいて、若しくはその近くで、又は電子検出デバイス440の下流で焦点が合い得るように、検出面440Dに対して斜めに形成され得る。本開示の文脈では、「上流」又は「下流」は、二次電子ビームの経路に沿った別の要素に対する、あるシステム要素の場所を指し得る。例えば、要素Aが要素Bの下流にある場合、要素Aは、二次電子ビーム経路に沿って要素Bの後に位置することが理解される。要素Aが要素Bの上流にある場合、要素Aは、二次電子ビーム経路に沿って要素Bの前に位置することが理解される。アレイ460は、ビームセパレータ433に起因するビーム非点収差及びビームアレイ変形を含む場合があり、それによって、1つ又は複数の出射二次電子ビームの非円形投影がもたらされ得ることが理解される。アレイ470は、非点収差が補正されていない変更二次電子ビーム461a~469aの投影を含み、それによって、1つ又は複数の変更二次電子ビームの非円形投影がもたらされることが理解される。最終像面SP2は、Z2軸に対して角度αで傾斜して示されているが、それは、X2軸、Y2軸、又はZ2軸、又はそれらの組み合わせの何れかにおいて傾けられてもよいことも理解されるものとする。
【0078】
[0089] 二次電子ビームアレイの変形及び電子検出デバイス440に入射する発散二次電子ビームは、数ある中でも特に、収集効率の低下又はクロストークを生じさせ得る。例えば、電子検出器(例えば、
図2の検出要素241、242、及び243)のピッチ及びサイズが、変形アレイ470における出射二次電子ビーム461a~469aの位置のずれをカバーできない場合、1つの電子検出器からの画像信号は、2つ以上の出射二次電子ビームからの情報を含み得、従って、クロストークが生じ得る。いくつかの実施形態では、出射二次電子ビームの電子の一部のみが、対応する電子検出器によって収集され得、それによって、検査スループット及び分解能に悪影響を与え得る。
【0079】
[0090] マルチビームSEMなどの既存のマルチビーム検査ツールでは、遭遇する課題のいくつかには、数ある中でも特に、二次電子ビームアレイの各二次電子ビームの収集効率の限界、及び二次電子ビームアレイの二次電子ビーム間のクロストークが含まれる。収集効率の低下を引き起こし得るいくつかの因子の1つは、電子検出器の検出面に入射する二次電子ビームの大きなスポットサイズである。電子検出器に入射するビームのサイズは、数ある中でも特に、二次電子ビームの最終集束面に対する電子検出器の場所に依存する。例えば、電子検出器に入射する二次電子ビームのサイズは、二次電子ビームの最終集束面上の二次電子ビームの位置と、電子検出器との間の距離が増加するにつれて増大し得る。従って、検出面が可能な限り多く二次電子ビームの最終像面と重なり合うように電子検出デバイスを構成することが望ましい。
【0080】
[0091] いくつかの実施形態では、検出面440Dに対する二次電子ビームの最終像面SP2の傾斜角度は、中間像面SP1に対する仮想中間像面SP1-Rの回転角度とともに変化し得る。回転角度は、中間像面SP1の位置及びビームセパレータ433の励磁とともに変化し得る。中間像面SP1の位置及びビームセパレータ433の励磁は、数ある中でも特に、サンプル408上の一次電子ビームの着地エネルギー又はプローブ電流とともに変化し得る。よって、検出面440Dに対する二次電子ビームの最終像面SP2の傾斜角度は、数ある中でも特に、用途条件に基づいて変化し得る。従って、
図5に示されるように、検査スループットを維持しながら、副光軸451に対して一定の最適角度又は調整可能角度で電子検出デバイスを傾けることによって、用途条件の範囲内で傾斜角度を最小にすることが望ましい。
【0081】
[0092] ここで
図5を参照すると、
図5は、本開示の実施形態と一致する、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部であり得るマルチビーム検査装置500の概略図を示している。マルチビーム検査装置500(本明細書では、装置500とも呼ばれる)は、数ある中でも特に、対物レンズ531及びビームセパレータ533を含む一次投影光学系(
図2の一次投影光学系230と類似)を含み得る。装置500は、数あるコンポーネントの中でも特に、二次投影結像系550(
図2の二次投影結像系250と類似)、及び二次電子を検出するように構成された検出面540Dを有する電子検出デバイス540をさらに含み得る。装置40の他のコンポーネントを必要に応じて適切に追加/省略できることを理解することができる。
【0082】
[0093] いくつかの実施形態では、装置500において、主光軸504に沿って移動する一次電子ビームレット(図示せず、例えば、
図2の一次電子ビームレット211及び212)は、サンプル508の表面に着地し得る。サンプル508と相互作用した時点で、二次電子又は後方散乱電子がサンプル508から発生し得る。発生した二次電子及び後方散乱電子は、主光軸504に沿って一次電子ビームの反対方向に移動し得る。装置500は、サンプル508から発生した電子のエネルギーに基づいて、二次電子検査モード又は後方散乱電子検査モード、又はその両方で動作し得る。二次電子検査モードでは、電子検出デバイス440は、二次電子ビーム461及び462を検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、対物レンズ531は、
図4Aの対物レンズ431と実質的に類似してもよく、及び
図4Aの対物レンズ431と実質的に類似した機能を行い得る。対物レンズ531は、サンプル508上の対応するプローブスポットから発生した二次電子ビーム561及び562を集束させ、中間像面SP1上にプローブスポットの像を形成するように構成され得る。
【0083】
[0094] 二次電子ビーム561及び562は、例えば、数ある中でも特にエネルギー又は速度に基づいて、一次電子ビーム及び二次電子ビームを分離するように構成されたビームセパレータ533(例えば、ウィーンフィルタ)に向けて誘導される。ビームセパレータ533は、二次電子ビーム561及び562を偏向させ、それぞれ出射二次電子ビーム561a及び562aを形成するように構成され得る。出射二次電子ビーム561a及び562aは、
図5に示されるように、Z2軸(本明細書では、副光軸551とも呼ばれる)に沿って二次投影結像系550に向けて誘導され得る。出射二次電子ビーム561aは、オンアクシス出射二次電子ビームを含み得、変更二次電子ビーム562aは、オフアクシス出射二次電子ビームを含み得る。本開示の文脈では、「オンアクシス」とは、基準軸と実質的に平行な、位置合わせされた、又は一致した電子ビームを指し得、「オフアクシス」とは、基準軸と非平行な、又は位置合わせされない電子ビームを指し得る。マルチビーム構成では、2つ以上のオフアクシス一次電子ビーム及び対応する出射二次電子ビームが存在し得ることが理解される。
【0084】
[0095] いくつかの実施形態では、二次投影結像系550は、561及び562などの二次電子ビームの非点収差を補償するように構成された非点収差補正装置555を含み得る。
図3A~3Eを参照して述べたように、非点収差を生じさせ得るいくつかの因子の1つは、ビームセパレータ533によって生じたビーム非点収差である。ビーム非点収差は、ビーム中の電子がビームセパレータ533の偏向場を通過する際に生じる電子ビームプロファイルの変形を指し得る。
【0085】
[0096] 非点収差補正装置555などの非点収差補正装置は、ビームが通過する際に補正四極場を二次電子ビームに印加するように構成され得る。二次電子が受ける四極場は、非点収差補正装置555の電気的励磁を調整することによって調整され得る。非点収差補正装置555の電気的励磁を調整することは、非点収差補正装置555の1つ又は複数の極に印加される電圧又はコイル電流を調整することを含み得る(ただし、これに限定されない)。いくつかの実施形態では、非点収差補正装置555は、二次電子ビームのクロスオーバー面上又はその近くに配置され得る。いくつかの実施形態では、図示されないが、二次投影結像系550は、ズームレンズ、投影レンズ、走査防止偏向ユニットなどをさらに含み得る。
【0086】
[0097] いくつかの実施形態では、非点収差補正装置555の電気的励磁を調整することは、出射二次電子ビーム561a及び562aのプロファイルを非円形断面から実質的に円形の断面に調整することを含み得る。いくつかの実施形態では、非点収差補正装置555の電気的励磁は、1つ又は複数の二次電子ビームのプロファイルを要望通りに調整するために調整され得る。いくつかの実施形態では、非点収差補正装置555の電気的励磁は、数ある中でも特に、用途、所望の分析、サンプル、所望のスループットに基づいて調整され得る。
【0087】
[0098] 二次投影結像系550は、出射二次電子ビーム561a及び562aを最終像面SP2(本明細書では、最終像面とも呼ばれる)上に集束させるように構成され得る。最終像面SP2は、出射二次電子ビーム561a及び562aの集束面を含み得る。集束した出射二次電子ビーム561a及び562aのプロファイルは、
図5に示されるように、二次投影結像系550の非点収差補正装置555を出た後は、実質的に円形となり得る。いくつかの実施形態では、最終像面SP2は、出射二次電子ビームが同一の平坦面上に集束するように、平坦な集束面を含み得る。
【0088】
[0099] しかし、実際には、ビームアレイの出射二次電子ビームは、複数の平坦な集束面を含む湾曲した集束面上に集束され得る。出射二次電子ビームの非同一平面上の集束のいくつかの原因の1つには、像面湾曲収差が含まれ得る(ただし、これに限定されない)。本開示の文脈では、像面湾曲収差(ペッツヴァル像面湾曲としても知られる)は、結像アーチファクト、又は平坦な像面上で光軸に対して垂直な平坦な物体の焦点を適切に合わせることができない収差を指し得る。可視光がレンズを通して集束されるときに、レンズによって生じる像面は、湾曲したペッツヴァル面である。像のエッジ上で、又は像の中心の一方において鮮明な集束を生じさせるために、像は、多数の集束面にわたり集束され得る。顕微鏡で試料を見たときに、試料は、視界の中心又はエッジの一方において(ただし、両方においてではない)、鮮明で、くっきりと見える。このアーチファクトは、一般的に、像面湾曲又は像面の湾曲と呼ばれ、これによって引き起こされる収差は像面湾曲収差として知られている。
【0089】
[00100] いくつかの実施形態では、最終像面SP2は、部分的には、数ある中でも特に、対物レンズ531及びビームセパレータ533によって形成される仮想中間像面SP1-Rが副光軸551に対して垂直ではないことから、副光軸551に対して非垂直であり得る。従来のマルチビーム検査システムでは、電子検出器は、副光軸に対して垂直に配置され得、最終像面は、副光軸に対して非垂直である。このような構成は、1つ又は複数の出射二次電子ビームが電子検出デバイスの検出面上で発散すること、及び最終像面の傾斜方向への出射二次電子ビームアレイの変形をもたらし得る。ビーム発散及びビームアレイ変形は、数ある中でも特に、収集効率の低下、及びスループットの低下を引き起こし得る。
【0090】
[00101] 装置500などのマルチビーム検査システムでは、クロストークの発生及び収集効率の低下は、検出面が最終像面SP2と重なり合うように電子検出デバイス540を傾けることによって低減することができる。電子検出デバイス540の傾斜角度は、用途条件のすべてに対して最適化された値に固定されてもよく、又は調整可能であってもよい。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス540の位置又は配向は、X2軸、Y2軸、又はZ2軸、又はそれらの組み合わせに沿って調整可能であってもよい。調整可能電子検出デバイス540は、二次投影結像系550の下流に配置されてもよい。
【0091】
[00102] いくつかの実施形態では、電子検出デバイス540は、検出面(図示せず)に沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス540の検出面は、
図4Aに示されるように、最終像面SP2と角度αを成し得る。電子検出デバイス540の位置を調整することは、電子検出デバイス540の検出面と最終像面SP2との間の角度αを調整することを含み得る。いくつかの実施形態では、角度αを調整することは、電子検出デバイス540の検出面と最終像面SP2との間の角度αを減少させる傾斜角度で1つ又は複数の軸に沿って電子検出デバイス540を傾けることを含み得る。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス540の主平面が最終像面SP2と実質的に一致し得るように、角度αを減少させてもよい。この文脈では、「実質的に一致した」平面とは、平面間の角度が5°未満であるように、重なり合った、又はほぼ重なり合った平面を指し得る。好ましい実施形態では、ほぼ重なり合った平面間の角度は、0°~1°である。
【0092】
[00103] いくつかの実施形態では、電子検出デバイス540は、検出要素(例えば、
図2の検出要素241~243)のアレイを含み得る。電子検出デバイス540は、検出要素の矩形アレイ、正方形アレイ、三角形アレイ、円形アレイ、又は不規則アレイを含み得る。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス540の検出要素は、数ある中でも特に、シンチレータ、固体検出器、シンチレータ-フォトマルチプライヤアセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス540の検出要素の検出面540Dは、二次電子ビームが入射し得る面を意味し得る。
【0093】
[00104] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、電子検出デバイス540と通信し、及び電子検出デバイス540の動きを調整するように構成され得る。コントローラ50は、電子検出デバイス540の決定された収集効率に基づいて、電子検出デバイス540の位置及び配向の動的調整を生じさせるように構成され得る。例えば、ある軸に沿って電子検出デバイス540を傾けることによって収集効率が増大する場合、コントローラ50は、その軸に沿って電子検出デバイス540を傾け続けることができる。
【0094】
[00105] いくつかの実施形態では、電子検出デバイス540の位置又は配向は、数ある中でも特に、用途、所望の分析、サンプル、所望のスループットに基づいて、1つ又は複数の軸において傾斜角度を調整することによって調整され得る。いくつかの実施形態では、傾斜角度は、数ある中でも特に、用途、所望の分析、サンプル、所望のスループットに基づいた所定の値によって調整され得る。傾斜角度の所定の値は、数ある中でも特に、着地エネルギー、プローブ電流、及びサンプル上電界の範囲に基づいた最適傾斜角度でもよい。
【0095】
[00106] いくつかの実施形態では、電子検出デバイス540は、
図5に示されるように、電子検出デバイス540の検出面540Dの幾何学的中心が副光軸551と交差するように、副光軸551と位置合わせされ得る。検出要素に入射した二次電子ビームのスポットサイズは、最終像面SP2上のそれの位置と、検出面540Dとの間のスカラー距離に依存し得る。電子検出デバイス540は、すべての二次電子ビームのスカラー距離を最小にするように配置され得る。
【0096】
[00107] ここで
図6を参照すると、
図6は、本開示の実施形態と一致する、電子検出デバイス640の例示的な構成と、それに入射した出射二次電子ビームの投影を示している。電子検出デバイス640は、
図5の電子検出デバイス540と実質的に類似してもよく、又は
図5の電子検出デバイス540と実質的に類似した機能を行い得る。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス640は、出射二次電子ビーム661a~669aの二次電子を検出するように構成された検出要素641~649のアレイを含み得る。いくつかの実施形態では、各出射二次電子ビームは、
図6に示されるように、対応する検出要素を有し得る。このような構成は、クロストークの低減、スループットの増大、又はより高い収集効率を含む(ただし、これらに限定されない)いくつかの利点を提供し得る。
【0097】
[00108]
図6は、電子検出デバイス640の検出面640D上の傾斜二次電子ビーム661a~669aの投影を示している。検出面640Dは、二次投影結像系(例えば、
図5の二次投影結像系550)を出射し、及びサンプル(例えば、
図5のサンプル508)のプローブ領域に関する情報を含む出射二次電子ビーム661a~669aの二次電子を受信又は収集するように構成され得る。検出面640D上の傾斜二次電子ビーム661a~669aの投影の実質的に円形の断面は、傾斜二次電子ビーム661a~669aが検出面640D上に実質的に集束されていることを示すことが理解される。出射二次電子ビーム661a~669aを実質的に集束させ、数ある中でも特に収集効率を向上させるいくつかの方法の1つは、非点収差補正装置(例えば、
図5の非点収差補正装置555)を使用して非点収差を補償すること、及び最終像面SP2と検出面(例えば、
図5の検出面540D)との間に形成される角度αを減少させるように、電子検出デバイス640の検出面640Dの位置又は配向を調整することを含み得る。いくつかの実施形態では、数ある中でも特に収集効率を最大にするためには、角度αは、検出面640Dが最終像面SP2と実質的に一致するように減少させることができる。
【0098】
[00109] いくつかの実施形態では、2つ以上の検出要素641~649の表面積は、類似してもよい。表面積又は電子収集面積は、入射する出射二次電子ビーム661a~669aのサイズ又は断面に基づき得る。例えば、検出要素641の表面積は、出射二次電子ビーム661aの実質的にすべての二次電子を収集及び検出し、それによって数ある中でも特に収集効率及び検査スループットを最大にするために、入射する出射二次電子ビーム661aのサイズよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス640の位置又は配向は、数ある中でも特に、収集効率及び検査スループットを最大にするために、出射二次電子ビーム661a~669aの実質的にすべての二次電子が、対応する検出要素641~649によって収集され得るように調整され得る。
【0099】
[00110] いくつかの実施形態では、検出要素641~649は、アレイに配列されてもよく、アレイは、正方形アレイ、矩形アレイ、円形アレイ、三角形アレイ、楕円形アレイなどを含む。アレイに配列された検出要素は、X2軸又はY2軸に沿って、均一なピッチ又は不均一なピッチを有し得る。
図6は、サンプル(例えば、
図5のサンプル508)の表面に入射した一次電子ビームレットの3×3アレイによって発生した9つの出射二次電子ビーム661a~669aの二次電子を収集するように構成された9つの検出要素641~649を含む電子検出デバイス640を示しているが、数ある中でも特に、発生する二次電子ビームの数に基づいて、より多い検出要素、又はより少ない検出要素が採用されてもよいことが理解される。
【0100】
[00111] いくつかの実施形態では、非点収差を補償すること、及び電子検出器(例えば、
図5の電子検出デバイス540)を傾けることに加えて、X1軸及びY1軸に対する一次電子ビームレット(例えば、
図2の一次ビームレット211~213)の配向は、発生した二次電子ビーム361~363がビームセパレータ333の偏向方向に位置合わせされ得るように、調整され得る。
図2は、3つの電子ビームレットのみを示しているが、必要に応じて適切に、少なくとも2つ以上の電子ビームが使用され得ることが理解される。例えば、二次電子ビーム(例えば、
図3Cの二次電子ビーム361~369)の3×3アレイを生じさせるために、9つの一次電子ビームの3×3アレイが使用され得る。ビームセパレータ233、333、433、及び533が実質的に類似し得ること、並びに実質的に類似した機能を行い得ることが理解されるものとする。
【0101】
[00112] いくつかの実施形態では、一次電子ビームレットの配向を調整することは、結果として得られる二次電子ビームが同様に回転されることによって、
図7Aに示されるような二次電子ビームアレイ740を形成し得るように、主光軸(例えば、
図2の主光軸204)を中心に一次電子ビームレットを回転させることを含み得る。二次電子ビームアレイ740は、一次電子ビームレットがサンプル(例えば、
図2のサンプル208)と相互作用した時点で生じ、及びビームセパレータ(例えば、
図5のビームセパレータ533)に向けて誘導された、二次電子ビーム761、762、763、764、765、766、767、768、及び769の実質的に正方形の3×3アレイを含み得る。
図7Aに示されるように、二次電子ビームアレイ740は、ビームセパレータ533に入る前の平面710上の二次電子ビーム761~769のアレイの投影を表し得る。平面710は、X1軸及びY1軸(例えば、
図4Aに示されるX1軸及びY1軸)を含む平面と実質的に平行し、且つZ1軸(例えば、
図4Aに示されるZ1軸)に対して実質的に垂直な平面でもよい。視覚的な助けとして、Z1軸は、用紙の内外に延在すると視覚化することができる。
【0102】
[00113] いくつかの実施形態では、二次電子ビーム761~769の二次電子ビームアレイ740の形成をもたらす一次電子ビームレットの回転角度は、数ある中でも特に、供給源変換ユニット220の配向に基づいて(ただし、これに限定されない)決定され得る。一次電子ビームレットの回転を調整するための供給源変換ユニット220の配向は、二次電子ビームアレイ740がビームセパレータ533による二次電子ビーム761~769の偏向の方向に位置合わせされるように調整され得る。いくつかの実施形態では、供給源変換ユニット220の配向は、数ある中でも特に、用途、所望の分析、サンプル、対物レンズの励磁、一次電子ビームレットの着地エネルギーを含む(ただし、これらに限定されない)因子に基づいて、最適値に予め決定され得る。しかし、いくつかの実施形態では、供給源変換ユニット220の配向は、数ある中でも特に、電子検出器の収集効率、所望の検査スループット、用途、所望の分析、サンプルに基づいて動的に調整され得る。
【0103】
[00114]
図7Bは、二次投影結像系(例えば、
図5の二次投影結像系550)に入る前の、ビームセパレータ(例えば、
図5のビームセパレータ533)の下流にある平面720上の出射二次電子ビーム761a~769aのアレイの投影を示す、出射二次電子ビームアレイ760を示している。この文脈では、出射二次電子ビーム761a~769aは、二次投影結像系に向けて誘導されるように、ビームセパレータによって偏向された二次電子ビームを指し得る。いくつかの実施形態では、ビームセパレータを出た後の出射二次電子ビーム761a~769aは、
図7Bに示されるように、非円形の断面を有し得る。例えば、出射二次電子ビーム361a~369aの断面は、数ある中でも特に、ビームセパレータの性能に基づいて、長円形、楕円形、又は非円形の形状を含み得る。
【0104】
[00115] いくつかの実施形態では、出射二次電子ビームアレイ760は、非円形断面を有する出射二次電子ビーム761a~769aの矩形アレイ(変形アレイ)を含み得る。二次電子ビーム断面のバリエーション、及びビームアレイ変形を生じさせるいくつかの因子の1つには、数ある中でも特に、
図3A~3Dに図示及び説明したように、ビームセパレータ(例えば、
図5のビームセパレータ533)の偏向性能が含まれる。
【0105】
[00116] ここで、
図8を参照すると、
図8は、本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査装置において複数のビームを使用してサンプルの画像を形成する例示的な方法800を示すプロセスフローチャートを示している。方法800は、例えば、
図1に示されるようなEBIシステム100のコントローラ50によって行われ得る。コントローラ50は、方法800の1つ又は複数のブロックを行うようにプログラムされ得る。例えば、コントローラ50は、四極場を調整し、及び二次電子ビームの非点収差を補償するために非点収差補正装置(例えば、
図5の非点収差補正装置555)に電気信号を印加することができ、並びに他の機能を実施することができる。
【0106】
[00117] ステップ810では、複数の二次電子ビームをサンプル(例えば、
図2のサンプル208)から発生させることができる。荷電粒子ビーム(例えば、
図2の一次電子ビーム202)を発生させるために、荷電粒子源(例えば、
図2の電子源201)を起動することができる。電子源は、コントローラ(例えば、
図2のコントローラ50)によって起動することができる。例えば、電子源は、主光軸(例えば、
図2の主光軸204)に沿って電子ビームを形成するために一次電子を放出するように制御され得る。電子源は、例えば、コントローラのプロセッサが制御回路を使って電子源に電力を供給するためのソフトウェア、アプリケーション、又は命令の一セットを使用することによって、リモートから起動することができる。
【0107】
[00118] 複数の一次電子ビームレット(例えば、
図2の一次ビームレット211、212、及び213)を一次電子ビームから発生させ、対物レンズ(例えば、
図2の対物レンズ231)を使用してサンプル上に集束させることができる。集束した一次電子ビームレットは、サンプルと相互作用した時点で、サンプル上に複数のプローブスポットを形成し、複数の二次電子ビーム(例えば、
図3Cの二次電子ビーム361~369)を発生させることができる。発生した二次電子ビームは、二次投影結像系(例えば、
図2の二次投影結像系250)に向けて二次電子ビームを偏向させるように構成されたビームセパレータ(例えば、
図2のビームセパレータ233)に向けて誘導され得る。ビームセパレータに入った二次電子ビームは、副光軸(例えば、
図2の副光軸251)に沿って移動して出射二次電子ビーム(例えば、
図3の変更二次電子ビーム361a~369a)を形成するように偏向させることができる。
【0108】
[00119] 二次電子ビームの偏向は、数ある中でも特に、それに沿ってビームセパレータが配置される主光軸に対する二次電子ビームの位置に関係し得る。例えば、X1-Y1軸の中心から離れたオフアクシス二次電子ビームは、オンアクシス二次電子ビームよりも大きな距離で偏向され得る。
【0109】
[00120] マルチビームSEMなどのマルチビーム検査装置では、二次電子ビームから一次電子ビームを分離するためにウィーンフィルタ(例えば、
図3Bのビームセパレータ333)を使用することは、数ある中でも特に、ビーム非点収差及びビームアレイ変形を生じさせ得る。SEMにおける撮像分解能は、数ある中でも特に、二次電子検出器などの電子検出デバイス(例えば、
図2の電子検出デバイス240)の検出要素(例えば、
図2の検出要素241)に入射する二次電子ビームの集束、受信した撮像信号の品質、電子検出デバイスの収集効率及び検出効率に依存し得る。二次電子ビームの集束に影響を与えるいくつかの因子の1つは、非点収差の場合があり、これは、数ある中でも特に、ビームプロファイルの歪み、又はビームアレイの変形を生じさせ得る。発散電子ビームは、二次電子検出器上で大きな入射スポットを有し得る。従来のマルチビームSEMでは、発散電子ビームは、二次電子検出器の複数の検出要素に入射し得る。つまり、複数の検出要素の各々が、対応する二次電子ビーム及び他の隣接するビームから二次電子を受信し得る。結果的に、1つの検出要素の撮像信号は、対応する二次電子ビームから生じる主成分と、隣接する電子ビームから生じるクロストーク成分とを含み得る。クロストークの発生は、数ある中でも特に、収集効率及び検査スループットを低下させ得る。
【0110】
[00121] いくつかの実施形態では、非点収差補正装置(例えば、
図5の非点収差補正装置555)は、ビームセパレータによって生じた非点収差を補償するように構成され得る。1つ又は複数の非点収差補正装置は、ビームが二次投影結像系を通過する際に補正磁界又は補正電界を二次電子ビームに印加するように構成され得る。二次電子が受ける磁界又は電界は、非点収差補正装置の電気的励磁を調整することによって調整され得る。非点収差補正装置の電気的励磁を調整することは、非点収差補正装置の1つ又は複数の極に印加される電圧又はコイル電流を調整することを含み得る(ただし、これに限定されない)。
【0111】
[00122] いくつかの実施形態では、非点収差補正装置の電気的励磁を調整することは、出射二次電子ビームのプロファイルを非円形断面から実質的に円形の断面に調整することを含み得る。
【0112】
[00123] ステップ820では、複数の二次電子ビームを集束面(例えば、
図5の最終像面SP2)上に集束させることができる。最終像面SP2は、出射二次電子ビームの集束面を含み得る。集束した出射二次電子ビームのプロファイルは、非点収差補正装置を出た後は、実質的に円形となり得る。最終像面SP2は、出射二次電子ビームが同一の平坦な集束面上に集束するように、平坦な集束面を含み得る。しかし、実際には、ビームアレイの出射二次電子ビームは、複数の平坦な集束面を含む湾曲した集束面上に集束され得る。変更二次電子ビームの非同一平面上の集束のいくつかの原因の1つには、像面湾曲収差が含まれ得る(ただし、これに限定されない)。
【0113】
[00124] 平坦な集束像面SP2は、部分的には、数ある中でも特に、対物レンズ及びビームセパレータによって形成される仮想中間像面SP1-Rが副光軸に対して垂直ではないことから、副光軸に対して非垂直であり得る。従来のマルチビーム検査システムでは、電子検出器は、副光軸に対して垂直に配置され得、最終像面SP2は、副光軸に対して非垂直である。このような構成は、例えば、1つ又は複数の出射二次電子ビームが電子検出デバイスの検出面(例えば、
図5の検出面540D)上で発散すること、及び最終像面SP2の傾斜方向への検出面上の出射二次電子ビームアレイの変形をもたらし得る。ビーム発散及びビームアレイ変形は、数ある中でも特に、収集効率の低下、クロストークの増大、及びスループットの低下を引き起こし得る。
【0114】
[00125] ステップ830では、電子検出デバイスの検出面を集束面に対して位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、集束面に対する電子検出デバイスの位置が調整され得る。電子検出デバイスは、検出面に沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、電子検出デバイスの検出面は、
図4Aに示されるように、最終像面SP2と角度αを成し得る。電子検出デバイスの位置を調整することは、電子検出デバイスの検出面と最終像面SP2との間の角度αを調整することを含み得る。角度αを調整することは、電子検出デバイスの検出面と最終像面SP2との間の角度αを減少させる傾斜角度で、1つ又は複数の軸に沿って電子検出デバイスを傾けることを含み得る。電子検出デバイス540の検出面及び最終像面SP2が一致し得るように、角度αを減少させてもよい。
【0115】
[00126] ここで
図9を参照すると、
図9は、本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査システムにおいて複数のビームを使用してサンプルの画像を形成する例示的な方法900を示すプロセスフローチャートを示している。方法900は、例えば、
図1に示されるようなEBIシステム100のコントローラ50によって行われ得る。コントローラ50は、方法900の1つ又は複数のブロックを行うようにプログラムされ得る。例えば、コントローラ50は、電界又は磁界を調整し、及び二次電子ビームの非点収差を補償するために非点収差補正装置(例えば、
図5の非点収差補正装置555)に電気信号を印加することができ、並びに他の機能を実施することができる。
【0116】
[00127] ステップ910では、複数の一次電子ビームレット(例えば、
図2の一次ビームレット211、212、及び213)を一次電子ビーム(例えば、
図2の一次電子ビーム202)から発生させ、対物レンズ(例えば、
図2の対物レンズ231)を使用してサンプル上に集束させることができる。集束した一次電子ビームレットは、サンプルと相互作用した時点で、サンプル上に複数のプローブスポットを形成し、複数の二次電子ビーム(例えば、
図3Cの二次電子ビーム361~369)を発生させることができる。発生した二次電子ビームは、二次投影結像系(例えば、
図2の二次投影結像系250)に向けて二次電子ビームを偏向させるように構成されたビームセパレータ(例えば、
図2のビームセパレータ233)に向けて誘導され得る。ビームセパレータに入った二次電子ビームは、副光軸(例えば、
図2の副光軸251)に沿って偏向されることにより、出射二次電子ビーム(例えば、
図3の変更二次電子ビーム361a~369a)を形成することができる。
【0117】
[00128] ステップ920では、結果として生じる二次電子ビームがビームセパレータによる二次電子ビームの偏向方向と位置合わせされるように、一次電子ビームレットの配向を調整することができる。一次電子ビームレットの配向を調整することは、結果として得られる二次電子ビームが同様に回転されることによって、X1軸及びY1軸に沿って位置合わせされた二次電子ビームアレイを形成し得るように、主光軸を中心に一次電子ビームレットを回転させることを含み得る。
【0118】
[00129] 二次電子ビームアレイの形成をもたらす一次電子ビームレットの回転角度は、数ある中でも特に、供給源変換ユニット(例えば、
図2の供給源変換ユニット220)の配向を含むこと(ただし、これに限定されない)に基づいて決定され得る。一次電子ビームレットの回転を調整するための供給源変換ユニットの配向は、二次電子ビームアレイがビームセパレータによる二次電子ビームの偏向の方向に位置合わせされるように調整され得る。
【0119】
[00130] いくつかの実施形態では、非点収差補正装置(例えば、
図5の非点収差補正装置555)は、ビームセパレータによって生じた非点収差を補償するように構成され得る。1つ又は複数の非点収差補正装置は、ビームが二次投影結像系を通過する際に補正磁界又は補正電界を二次電子ビームに印加するように構成され得る。二次電子が受ける磁界又は電界は、非点収差補正装置の電気的励磁を調整することによって調整され得る。非点収差補正装置の電気的励磁を調整することは、非点収差補正装置の1つ又は複数の極に印加される電圧又はコイル電流を調整することを含み得る(ただし、これに限定されない)。
【0120】
[00131] ステップ930では、サンプルの複数のプローブスポットの像を最終像面(例えば、
図5の最終像面SP2)上に形成することができる。最終像面SP2は、出射二次電子ビームの集束面を含み得る。集束した出射二次電子ビームのプロファイルは、非点収差補正装置を出た後は、実質的に円形となり得る。最終像面SP2は、出射二次電子ビームが同一の平坦な集束面上に集束するように、平坦な集束面を含み得る。しかし、実際には、ビームアレイの出射二次電子ビームは、複数の平坦な集束面を含む湾曲した集束面上に集束され得る。
【0121】
[00132] ステップ940では、最終像面の位置に対する電子検出デバイスの位置を調整することができる。電子検出デバイスは、検出面に沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、電子検出デバイスの検出面は、
図4Aに示されるように、最終像面SP2と角度αを成し得る。電子検出デバイスの位置を調整することは、電子検出デバイスの検出面と最終像面SP2との間の角度αを調整することを含み得る。角度αを調整することは、電子検出デバイスの検出面と最終像面SP2との間の角度αを減少させる傾斜角度で、1つ又は複数の軸に沿って電子検出デバイスを傾けることを含み得る。電子検出デバイス540の検出面及び最終像面SP2が一致し得るように、角度αを減少させてもよい。
【0122】
[00133] 画像検査、画像取得、荷電粒子源の起動、非点収差補正装置の電気的励磁の調整、電子の着地エネルギーの調整、対物レンズの励磁の調整、二次電子検出器の位置及び配向の調整、ステージ動作の制御、ビームセパレータの励磁などをコントローラ(例えば、
図1のコントローラ50)のプロセッサが行うための命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。非一時的な媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ又は他の任意の磁気データ記憶媒体、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、他の任意の光データ記憶媒体、ホールのパターンを有する任意の物理的な媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去型プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM又は他の任意のフラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、及び、それらのネットワーク接続バージョンを含む。
【0123】
[00134] 本開示の実施形態は、上記で説明してきた及び添付の図面で示してきた通りの構造に限定されないことや、その範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行えることが理解されよう。本開示は、様々な実施形態と関連付けて説明しており、本明細書で開示される発明の仕様及び実践を考慮することから、本発明の他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。仕様及び例は単なる例示と見なされ、本発明の真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【0124】
[00135] 実施形態については、以下の条項を使用してさらに説明することができる。
1. サンプルの画像を形成するためにマルチビーム装置によって行われる方法であって、
複数の一次電子ビームと相互作用した時点で主光軸に沿ってサンプル上の複数のプローブスポットから複数の二次電子ビームを発生させることと、
複数の二次電子ビームを集束面上に集束させることと、
集束面に対して二次電子検出器の検出面を位置決めすることと、
を含む、方法。
2. 複数の二次電子ビームが、二次電子ビームのアレイを含む、条項1に記載の方法。
3. サンプルと相互作用する複数の一次電子ビームの配向を調整することをさらに含む、条項1及び2に記載の方法。
4. 複数の一次電子ビームの配向を調整することが、二次電子ビームのアレイの配向を調整する、条項3に記載の方法。
5. 複数の一次電子ビームの配向を調整することが、主光軸を中心に複数の一次電子ビームを回転させることを含む、条項3及び4に記載の方法。
6. ビームセパレータを使用して、複数の二次電子ビームを副光軸に沿って二次電子検出器に向けて誘導することをさらに含む、条項1~5の何れか一項に記載の方法。
7. 複数の二次電子ビームの非点収差を補償するために非点収差補正装置の電気的励磁を調整することをさらに含む、条項1~6の何れか一項に記載の方法。
8. 二次電子検出器が、複数の二次電子ビームを集束面上に集束させるように構成された二次電子投影系の下流に配置される、条項1~7の何れか一項に記載の方法。
9. 二次電子検出器が、複数の検出要素を含み、複数の検出要素のうちの1つの検出要素が、複数の二次電子ビームのうちの対応する二次電子ビームに関連付けられる、条項8に記載の方法。
10. 二次電子検出器の検出面を位置決めすることが、検出面と集束面との間の傾斜角度を調整することを含む、条項8及び9に記載の方法。
11. 傾斜角度を調整することが、二次電子検出器の検出面と集束面との間の傾斜角度を減少させることを含む、条項10に記載の方法。
12. 傾斜角度を減少させることが、二次電子検出器の検出面が集束面と実質的に一致するように二次電子検出器の位置を調整することを含む、条項11に記載の方法。
13. 二次電子検出器の位置を調整することが、二次電子検出器の収集効率に基づいて傾斜角度を動的に調整することを含む、条項12に記載の方法。
14. 二次電子検出器の位置を調整することが、傾斜角度を傾斜角度の所定の値に調整することを含む、条項12又は13に記載の方法。
15. 二次電子検出器の位置を調整することが、副光軸に対する1つ又は複数の平面において傾斜角度を調整することを含む、条項12~14の何れか一項に記載の方法。
16. サンプルの画像を形成するために多重荷電粒子ビーム装置によって行われる方法であって、
複数の一次電子ビームと相互作用した時点で主光軸に沿ってサンプル上の複数のプローブスポットから複数の二次電子ビームを発生させることと、
サンプルと相互作用する複数の一次電子ビームの配向を調整することと、
最終像面上にサンプルの複数のプローブスポットの像を形成することと、
最終像面の位置に対して二次電子検出器の検出面を位置決めすることと、
を含む、方法。
17. 複数の二次電子ビームが、二次電子ビームのアレイを含む、条項16に記載の方法。
18. 複数の一次電子ビームの配向を調整することが、二次電子ビームのアレイの配向を調整する、条項16及び17の何れか一項に記載の方法。
19. 複数の一次電子ビームの配向を調整することが、主光軸を中心に複数の一次電子ビームを回転させることを含む、条項16~18の何れか一項に記載の方法。
20. ビームセパレータを使用して、複数の二次電子ビームを副光軸に沿って二次電子検出器に向けて誘導することをさらに含む、条項16~19の何れか一項に記載の方法。
21. 複数の二次電子ビームの非点収差を補償するために非点収差補正装置の電気的励磁を調整することをさらに含む、条項16~20の何れか一項に記載の方法。
22. 二次電子検出器が、最終像面上に複数のプローブスポットの像を形成するように構成された二次電子投影系の下流に配置される、条項16~21の何れか一項に記載の方法。
23. 二次電子検出器が、複数の検出要素を含み、複数の検出要素のうちの1つの検出要素が、複数の二次電子ビームのうちの対応する二次電子ビームに関連付けられる、条項22に記載の方法。
24. 二次電子検出器の検出面を位置決めすることが、二次電子検出器の検出面と最終像面との間の傾斜角度を調整することを含む、条項22及び23の何れか一項に記載の方法。
25. 傾斜角度を調整することが、二次電子検出器の検出面と最終像面との間の傾斜角度を減少させることを含む、条項24に記載の方法。
26. 傾斜角度を減少させることが、二次電子検出器の検出面が最終像面と実質的に一致するように二次電子検出器の位置を調整することを含む、条項25に記載の方法。
27. 二次電子検出器の位置を調整することが、二次電子検出器の収集効率に基づいて傾斜角度を動的に調整することを含む、条項26に記載の方法。
28. 二次電子検出器の位置を調整することが、傾斜角度を傾斜角度の所定の値に調整することを含む、条項26及び27の何れか一項に記載の方法。
29. 二次電子検出器の位置を調整することが、副光軸に対する1つ又は複数の平面において傾斜角度を調整することを含む、条項24~28の何れか一項に記載の方法。
30. サンプル上に複数のプローブスポットを形成するように構成された複数の一次電子ビームを使用してサンプルを検査するマルチビーム装置であって、マルチビーム装置が、
二次電子投影系であって、
プローブスポットの形成によって生じた複数の二次電子ビームを受信することと、サンプル上の複数のプローブスポットの像を最終像面上に形成することと、
を行うように構成された二次電子投影系と、
複数の二次電子ビームを検出するように構成された二次電子検出器と、
を含み、荷電粒子検出器の位置が、最終像面の位置に基づいて設定される、マルチビーム装置。
31. 複数の二次電子ビームが、二次電子ビームのアレイを含む、条項30に記載のマルチビーム装置。
32. 複数の一次電子ビームをサンプル上に集束させ、及び主光軸に沿って中間像面上に複数のプローブスポットの像を形成するように構成された対物レンズをさらに含む、条項30及び31の何れか一項に記載のマルチビーム装置。
33. 複数の二次電子ビームを副光軸に沿って二次電子検出器に向けて誘導するように構成されたビームセパレータをさらに含む、条項30~32の何れか一項に記載のマルチビーム装置。
34. 複数の二次電子ビームの非点収差を補償するように構成された非点収差補正装置をさらに含む、条項30~33の何れか一項に記載のマルチビーム装置。
35. 二次電子検出器が二次電子投影系の下流に配置される、条項30~34の何れか一項に記載のマルチビーム装置。
36. 二次電子検出器が、複数の検出要素を含み、複数の検出要素のうちの1つの検出要素が、複数の二次電子ビームのうちの対応する二次電子ビームに関連付けられる、条項30~35の何れか一項に記載のマルチビーム装置。
37. 二次電子検出器の位置の設定が、二次電子検出器の検出面と最終像面との間の調整された傾斜角度を含む、条項30~36の何れか一項に記載のマルチビーム装置。
38. 二次電子検出器の位置の設定が、検出面と最終像面との間の減少させた傾斜角度を含む、条項37に記載のマルチビーム装置。
39. 減少させた傾斜角度が、検出面が最終像面と実質的に一致するような二次電子検出器の位置の設定を含む、条項38に記載のマルチビーム装置。
40. 二次電子検出器の位置の設定が、二次電子検出器の収集効率に基づく、動的に調整された傾斜角度をさらに含む、条項37~39の何れか一項に記載のマルチビーム装置。
41. 二次電子検出器の位置の設定が、傾斜角度の所定の値をさらに含む、条項37~40の何れか一項に記載のマルチビーム装置。
42. 最終像面が湾曲面を含む、条項30~41の何れか一項に記載のマルチビーム装置。
43. サンプル上の複数のプローブスポットから発生した複数の二次電子ビームの経路に影響を与えるように構成された非点収差補正装置を含む二次電子投影系と、
複数の二次電子ビームを検出するように構成された二次電子検出器と、
を含む、マルチビーム装置であって、二次電子検出器の位置が、複数のプローブスポットの最終像面の位置に基づいて決定される、マルチビーム装置。
44. 二次電子投影系が、複数の二次電子ビームを集束させ、及び最終像面を形成するように構成される、条項43に記載の装置。
45. 非点収差補正装置が、電気又は磁気多極レンズを含む、条項43及び44の何れか一項に記載の装置。
46. 非点収差補正装置の電気的励磁の調整が、複数の二次電子ビームの非点収差を補償する、条項43~45の何れか一項に記載の装置。
47. サンプル上に複数のプローブスポットを形成するために複数の一次電子ビームを集束させることと、
主光軸に対して実質的に垂直な中間像面上に複数のプローブスポットの像を形成することと、
を行うように構成された対物レンズをさらに含む、条項43~46の何れか一項に記載の装置。
48. 複数の二次電子ビームを副光軸に沿って二次電子検出器に向けて誘導するように構成されたビームセパレータをさらに含む、条項43~47の何れか一項に記載の装置。
49. 二次電子検出器が、二次電子投影系の下流に配置される、条項43~48の何れか一項に記載の装置。
50. 二次電子検出器が、複数の検出要素を含み、複数の検出要素のうちの1つの検出要素が、複数の二次電子ビームのうちの対応する二次電子ビームに関連付けられる、条項49に記載の装置。
51. 二次電子検出器の位置の調整が、二次電子検出器の検出面と最終像面との間の傾斜角度の調整を含む、条項49及び50の何れか一項に記載の装置。
52. 二次電子検出器の位置の調整が、検出面と最終像面との間の傾斜角度の減少を含む、条項51に記載の装置。
53. 傾斜角度の減少が、検出面が最終像面と実質的に一致するような二次電子検出器の位置の調整を含む、条項52に記載の装置。
54. 二次電子検出器の位置の調整が、二次電子検出器の複数の二次電子ビームの検出効率に基づく、傾斜角度の動的調整をさらに含む、条項51~53の何れか一項に記載の装置。
55. 二次電子検出器の位置の調整が、傾斜角度を所定の値に設定することをさらに含む、条項51~54の何れか一項に記載の装置。
56. サンプルの画像を形成する方法をマルチビーム装置に行わせるための、マルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令の一セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、方法が、
主光軸に沿ってサンプル上の複数の一次電子ビームの複数のプローブスポットから複数の二次電子ビームを発生させることと、
二次電子検出器を使用して、最終像面上でサンプルの複数のプローブスポットの像を取得することと、
最終像面の位置に基づいて、二次電子検出器の検出面を位置決めすることと、
を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
57. マルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、
対物レンズを使用して、主光軸に対して実質的に垂直な中間像面上に複数のプローブスポットの中間像を形成することと、
ビームセパレータを使用して、複数の二次電子ビームを副光軸に沿って二次電子検出器に向けて誘導することと、
をマルチビーム装置にさらに行わせる、条項56に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
58. マルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、
サンプルと相互作用する複数の一次電子ビームの配向を調整することであって、複数の一次電子ビームの配向を調整することが、主光軸を中心に複数の一次電子ビームを回転させることを含む、調整することと、
荷電粒子検出器の検出面と最終像面との間の傾斜角度を調整することと、
をマルチビーム装置にさらに行わせる、条項57に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
59. マルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、複数の二次電子ビームの非点収差を補償するために非点収差補正装置の電気的励磁を調整することをマルチビーム装置にさらに行わせる、条項58に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0125】
[00136] 上記の説明は、制限ではなく、例示を意図する。従って、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、説明されるように修正を行えることが当業者に明らかであろう。