IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特許7400316通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末
<>
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図1
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図2
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図3
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図4
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図5
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図6
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図7
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図8
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図9
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図10
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図11
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図12
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図13
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図14
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図15
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図16
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図17
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図18
  • 特許-通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】通信システム、データ共有方法、プログラム、通信端末
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/06 20220101AFI20231212BHJP
   H04L 65/401 20220101ALI20231212BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20231212BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H04L67/06
H04L65/401
H04M11/00 302
H04N7/15 150
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019183972
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2021060739
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小山 大良
(72)【発明者】
【氏名】今井 拓也
(72)【発明者】
【氏名】杉岡 達朗
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-068530(JP,A)
【文献】特開2004-259158(JP,A)
【文献】特開2007-207027(JP,A)
【文献】特開2001-273219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0271624(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0285054(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/06
H04L 65/401
H04M 11/00
H04N 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の通信端末が2つ以上の第二の通信端末と共有データを共有する通信システムであって、
前記第一の通信端末は、
前記共有データを送信する第一の共有処理部、を有し、
前記第二の通信端末から前記共有データの共有完了の通知を受信するか否かに基づいて、少なくとも前記共有完了の通知を送信した前記第二の通信端末に対し、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を送信する共有完了判断部、を有し、
前記第二の通信端末は、
前記共有データを受信する第二の共有処理部と、
前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を受信した場合に、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を表示する共有状況通知部と、を有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第一の通信端末は、
前記第二の通信端末から前記共有データの前記共有完了の通知を受信するか否かに基づいて前記共有データの共有に関する進捗を管理する進捗状況管理部を有し、
前記共有完了判断部は、前記共有データの共有を開始してから一定時間が経過しても、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する場合、少なくとも前記共有完了の通知を送信した前記第二の通信端末に対し、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第一の通信端末は、前記共有データを共有すべき前記第二の通信端末の数を保持しており、
前記共有完了判断部は、前記進捗状況管理部が管理する前記進捗に基づいて、前記共有完了の通知を送信した前記第二の通信端末の数又は送信していない前記第二の通信端末の数を表示することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記共有完了判断部が、全ての前記第二の通信端末から前記共有完了の通知を受信したと判断した場合、全ての前記第二の通信端末が共有を完了した旨を全ての前記第二の通信端末に送信し、
前記共有状況通知部は、全ての前記第二の通信端末が共有を完了した旨を受信した場合に、全ての前記第二の通信端末が共有を完了した旨を表示することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記共有完了判断部は、全ての前記第二の通信端末から前記共有完了の通知を受信したと判断した場合、
前記第一の通信端末において、全ての前記第二の通信端末が共有を完了した旨を表示することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記共有完了判断部は、前記共有データの共有を開始してから一定時間が経過しても、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する場合、前記共有完了の通知を送信した前記第二の通信端末に対し、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を送信し、
前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末に対し、該第二の通信端末が前記共有完了の通知を送信していない旨を送信し、
前記共有状況通知部は、該第二の通信端末が前記共有完了の通知を送信していない旨を受信した場合に、該第二の通信端末が前記共有完了の通知を送信していない旨を表示することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記第一の共有処理部は、前記共有データとして高精細静止画と低画質画像とを作成し、前記高精細静止画と前記低画質画像を送信して、
前記第二の通信端末は、
ネットワーク状況に応じて前記高精細静止画と前記低画質画像のどちらか一方をダウンロードすることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項8】
前記共有データは、前記第一の通信端末と前記第二の通信端末との間で画面共有されていた画面を取り込んで作成した静止画又は前記第一の通信端末が保持しているファイルであることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項9】
第一の通信端末が2つ以上の第二の通信端末と共有データを共有する通信システムが行うデータ共有方法であって、
前記第一の通信端末では、
第一の共有処理部が、前記共有データを送信するステップ
共有完了判断部が、前記第二の通信端末から前記共有データの共有完了の通知を受信するか否かに基づいて、少なくとも前記共有完了の通知を送信した前記第二の通信端末に対し、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を送信するステップ、を有し、
前記第二の通信端末は、
第二の共有処理部が、前記共有データを受信するステップと、
前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を受信した場合に、共有状況通知部が、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を表示するステップと、
を有することを特徴とするデータ共有方法。
【請求項10】
共有データを送信する第一の通信端末から前記共有データを受信する第二の通信端末を、
前記共有データを受信する第二の共有処理部と、
前記第二の通信端末から前記共有データの共有完了の通知を前記第一の通信端末が受信するか否かに基づいて、少なくとも前記共有完了の通知を送信した前記第二の通信端末に対し前記第一の通信端末が送信する、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を受信するメッセージ受信部と、
前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を受信した場合に、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を表示する共有状況通知部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
共有データを送信する第一の通信端末から前記共有データを受信する第二の通信端末であって、
前記共有データを受信する第二の共有処理部と、
前記第二の通信端末から前記共有データの共有完了の通知を前記第一の通信端末が受信するか否かに基づいて、少なくとも前記共有完了の通知を送信した前記第二の通信端末に対し前記第一の通信端末が送信する、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を受信するメッセージ受信部と、
前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を受信した場合に、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を表示する共有状況通知部と、
を有することを特徴とする第二の通信端末。
【請求項12】
共有データを送信する第一の通信端末から前記共有データを受信する第二の通信端末が行うデータ共有方法であって、
第二の共有処理部が、前記共有データを受信するステップと、
前記第二の通信端末から前記共有データの共有完了の通知を前記第一の通信端末が受信するか否かに基づいて、少なくとも前記共有完了の通知を送信した前記第二の通信端末に対し前記第一の通信端末が送信する、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨をメッセージ受信部が受信するステップと、
前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を受信した場合に、共有状況通知部が、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を表示するステップと、
を有することを特徴とするデータ共有方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、データ共有方法、プログラム、及び、通信端末を有する。
【背景技術】
【0002】
多拠点間で映像、音声、共有データ(資料データ)などをリアルタイムに共有する通信システムが知られており、ビデオ会議システム、Web会議システム等の遠隔コミュニケーションに利用されている。また、一方向に映像等を配信するデータ配信システムなどにも利用されている。
【0003】
例えば共有データを送信側の第一の通信端末が送信した場合に、受信側の第二の通信端末が受信を完了した旨を送信側の第一の通信端末に通知する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、受信側の第二の通信端末が共有データの受信により表示画面が切り替わったことを送信側の発表者が確認しながら発表を進行する会議方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、受信側の第二の通信端末が資料などの共有データの受信状況を共有できないという問題がある。例えば、受信側に2つ以上の通信端末があるとする。送信側のユーザは全ての受信端末から共有完了を受信するまで説明するのを待つため、一方の第二の通信端末が共有データの受信を完了したが、他方の第二の通信端末はネットワーク環境が悪いなどの理由で共有データの受信に時間がかかる場合、既に受信が完了している受信側の第二の通信端末のユーザは説明が開始されないことに不安やストレスを感じてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑み、受信側の通信端末が共有データの受信状況を共有できる通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、第一の通信端末が2つ以上の第二の通信端末と共有データを共有する通信システムであって、
前記第一の通信端末は、前記共有データを送信する第一の共有処理部、を有し、
前記第二の通信端末から前記共有データの共有完了の通知を受信するか否かに基づいて、少なくとも前記共有完了の通知を送信した前記第二の通信端末に対し、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を送信する共有完了判断部、を有し、
前記第二の通信端末は、前記共有データを受信する第二の共有処理部と、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を受信した場合に、前記共有完了の通知を送信しない前記第二の通信端末が存在する旨を表示する共有状況通知部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
受信側の通信端末が共有データの受信状況を共有できる通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムが共有データを共有する処理の概略を説明する図である。
図2】通信システムの概略構成図の一例を示す図である。
図3】遠隔コミュニケーションを行う際の通信方法を説明する図の一例である。
図4】通信端末のハードウェア構成図の一例である。
図5】一般的なコンピュータのハードウェア構成図の一例である。
図6】伝送管理装置、送信側の通信端末、及び、受信側の通信端末の機能をブロック状に示す機能ブロック図である。
図7】静止画送信処理部と静止画受信処理部の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。
図8】通信システムの通信の準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。
図9】通信システムの通信処理の例を示すシーケンス図である。
図10】通信端末が表示する通信中画面の一例を示す図である。
図11】送信側の通信端末と受信側の通信端末が静止画データを共有する手順を説明するシーケンス図の一例である。
図12】進捗状況管理部が記録する進捗管理情報の一例を示す図である。
図13】送信側の通信端末が行う処理について説明するフローチャート図の一例である。
図14】受信側の通信端末が行う処理について説明するフローチャート図の一例である。
図15】送信側の通信端末と受信側の通信端末が表示するユーザへの通知の遷移例を説明する図である。
図16】通信システムが有する伝送管理装置、送信側の通信端末、及び、受信側の通信端末の機能をブロック状に示す機能ブロック図である(実施例2)。
図17】通信システムの通信の準備段階の処理の例を示すシーケンス図である(実施例2)。
図18】通信システムの通信処理の例を示すシーケンス図である(実施例2)。
図19】送信側の通信端末と受信側の通信端末が静止画データを共有する手順を説明するシーケンス図の一例である(実施例2)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、通信端末と通信端末が行うデータ共有方法について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
<処理の概略>
図1は、通信システムが共有データを共有する処理の概略を説明する図である。まず、図1(a)では、送信側の通信端末10tが表示する画面を、後述する中継装置30を介して受信側の2台の通信端末10rb、10rcが共有している。以下、共有データの受信側の通信端末10rb、10rcのうち、任意の通信端末を10rとする。また、送信側の通信端末10t(第一の通信端末の一例)と受信側の通信端末10r(第二の通信端末の一例)のうち任意の通信端末を通信端末10とする。
【0011】
資料などを画面共有する場合、送信側の通信端末10tは繰り返し表示中の画面を取り込んで画面の画像を送信するため、比較的低解像度の画面の画像を中継装置30に送信する。
【0012】
送信側の通信端末10tのユーザが高解像度の画面を共有したいと考える場合がある。例えば、CADの図面を画面共有しているが、画面共有では解像度が低いため、細部がつぶれてしまい共有できない場合がある。このような場合、ユーザは静止画共有を開始する。送信側の通信端末10tは画面を高解像度の静止画データとして取り込んで、中継装置30を介してこの静止画データを受信側の通信端末10rに送信する。静止画データはその用途的に高解像度であることが望ましく(例えば4K、8K、16Kなど)、データサイズが大きい。
【0013】
2つの受信側の通信端末10rのネットワーク帯域が同じとは限らないので、データサイズが大きいほど、2つの受信側の通信端末10rが静止画データの受信を完了するまでの時間に差が生じてしまう。一方の受信側の通信端末10rbが静止画データの受信を完了したが、他方の受信側の通信端末10rcはネットワーク環境が悪いなどの理由で共有完了に時間がかかる場合、既に受信が完了している通信端末10rbのユーザは説明が開始されないことに不安やストレスを感じてしまうおそれがある。
【0014】
そこで、図1(b)に示すように、通信システム1は以下のように動作する。受信側の通信端末10rbは静止画データの受信を完了すると後述する伝送管理装置50を介して共有完了通知を送信側の通信端末10tに送信する。送信側の通信端末10tは全ての受信側の通信端末10rから共有完了通知を受信しない場合、少なくとも共有完了通知を送信した通信端末10rbに共有状況を通知する。共有状況は、例えば「全拠点での共有が完了しておりません。しばらくお待ちください」などのメッセージである。
【0015】
このように、本実施形態の通信システムでは、受信側の通信端末10rは、全ての受信側の通信端末10rが共有完了通知を送信側の通信端末10tに送信しない場合、受信に時間がかかっていることを知らせる共有状況通知を受信して表示するので、受信側のユーザは説明が開始されない理由が分かり、不安やストレスを感じにくくなる。
【0016】
<用語について>
拠点とは、活動のよりどころとなる所である。通信端末10の設置場所又はユーザの所在が拠点である。
【0017】
共有とは、二人以上が同じ情報を所有することをいう。共有データとは共有されるデータである。本実施形態では、画面の画像、高精細静止画と低画質静止画が共有データの一例である。1ファイルが共有される場合もある。
【0018】
共有完了の通知は、共有データの共有が完了した旨の通知である。本実施形態では共有データの受信が完了したことをいう。
【0019】
共有完了の通知を送信しない第二の通信端末が存在する旨とは、まだ共有データを受信完了していない第二の通信端末が存在することが伝わる情報であればよい。メッセージだけでなく、アイコン表示、音声ガイダンス、又は、警報音などでもよい。
【0020】
<システム構成例>
図2は、通信システム1の概略構成図の一例を示す。図2に示すように、通信システム1はネットワークを介して通信することができる複数の通信端末10、伝送管理装置50、及び、中継装置30を有する。
【0021】
インターネット2i、LAN2l、及び、移動体通信回線2mを介して通信端末10、伝送管理装置50、及び、中継装置30が通信可能に接続されている。インターネット2i、LAN2l、及び、移動体通信回線2mの1つ以上を単に通信ネットワーク2という。
【0022】
LAN2lには有線LANだけでなく無線LANも含まれる。移動体通信回線2mには、例えば5G、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX、CDMAなどの通信方式がある。必ずしも、インターネット2iを介する必要はなくLAN2l内で通信が行われてもよい。また、移動体通信回線2mが利用されない場合もある。
【0023】
通信端末10は、伝送管理装置50を通じて他の1つ以上の通信端末10と通信セッションを確立し、伝送管理装置50が指定した中継装置30を通じて、映像データ(カメラの映像)、音声データ、及び共有データ(以下、これらをまとめてコンテンツデータという)を送受信する。この共有データには画面共有される動画と、静止画とが含まれる。
【0024】
通信端末10は、通信システム1に専用の端末である場合と、汎用的な端末である場合がある。汎用的な端末は、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォン、又は、タブレット端末等であり、通信システム1に専用のアプリケーションソフトを実行することで、通信端末10として動作する。
【0025】
また、通信端末10が汎用的な端末の場合、汎用的な端末は通信システム1に専用のアプリケーションソフトを実行することで遠隔コミュニケーションを可能にする場合と、汎用のWebブラウザを実行することで遠隔コミュニケーションを可能にする場合とがある。本実施形態の静止画共有についても、専用のアプリケーションソフトと汎用のWebブラウザのどちらにも適用可能である。
【0026】
セッションを確立している複数の通信端末10は画面共有又は静止画共有において、送信側の通信端末10tにもなるし、受信側の通信端末10rにもなる。画面共有又は静止画共有の操作を行ったユーザが使用する通信端末10が送信側の通信端末10tであり、それ以外は受信側の通信端末10rとなる。受信側か送信側かは固定でなく、ユーザの操作によって任意に着替えることができる。
【0027】
伝送管理装置50は、本実施形態の通信システム1の全体を管理する1つ以上のコンピュータである。伝送管理装置50はサーバであるので情報処理装置の機能を有する。伝送管理装置50は通信端末10のステータスを管理し、着信があった場合に2つ以上の通信端末10でセッションを開始するなどの呼制御を行う呼制御サーバとして機能する。呼制御とは、通信を開始するための発信を受け付けて相手に着信させ、また、着信に対する相手の応答を受け付けること、どちらか一方が通信を切断すると他方の通信を切断すること、など接続に関する一連の処理をいう。この他、伝送管理装置50は通信端末10の認証、検索、死活の監視なども行う場合が多い。更に、伝送管理装置50は、通信端末10の宛先リスト等、通信システム1の制御に必要なデータベースの管理も行う。宛先リストとは、各通信端末10が遠隔コミュニケーションの開始要求を送信できる(電話をかけられる)宛先の通信端末10(又はユーザ)が登録されたデータである。
【0028】
なお、ステータスとは、通信端末10の通信システム1における状態である。ステータスは主に着信できるかできないか(ONライン、OFFライン)及び伝送中に区分される。この他、伝送管理装置50は、中継装置30の状態管理、遠隔コミュニケーションに使用する中継装置30の選択、通信端末10を使用するユーザのログイン管理、複数の通信端末10間で確立されたデータ用セッションの管理などを行う。
【0029】
中継装置30は遠隔コミュニケーションを行う複数の通信端末10の間でコンテンツデータを一方の通信端末10から他方の通信端末10に中継するコンピュータである。中継装置30は情報処理装置の機能を有する。中継装置30は、通信端末10とのネットワーク帯域を監視して、ネットワーク帯域に適した品質(高画質、中画質、低画質)の映像データを送信する。図2には中継装置30が1つだけ図示されているが、中継装置30が複数ある場合が多い。
【0030】
伝送管理装置50又は中継装置30は1つ以上の情報処理装置で実現される場合がある。また、この情報処理装置はサーバと呼ばれる場合がある。情報処理装置は主にインターネット上に配置されるが、社内などのローカルネットワーク(ファイヤウォールよりも内側)に配置されてもよい。1つ以上の情報処理装置をクラウドシステムという場合がある。クラウドシステムとは、クラウドコンピューティングを利用したシステムであり、クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。一般にクラウドシステムがインターネット上に配置される情報処理システムを示す場合もあるが、ローカルネットワークに配置される場合もある。
【0031】
図3を用いて、通信システム1が遠隔コミュニケーションを行う際の通信方法について説明する。図3は、遠隔コミュニケーションを行う際の通信方法を説明する図の一例である。コンテンツデータを受信した通信端末10は、ディスプレイに映像データと共有データを表示させ、スピーカから音声データを出力する。このような処理が絶え間なく行われることにより、遠隔地に離れて存在するユーザが遠隔コミュニケーションを行うことができる。
【0032】
遠隔コミュニケーションに使用される通信端末10tと通信端末10rとの間には、中継装置30を介して、高解像度の映像データ、中解像度の映像データ、低解像度の映像データ、及び音声データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。図3では、これら4つのセッションをまとめて、映像・音声データ用セッションとして示している。
【0033】
また、図3では遠隔コミュニケーションで共有される共有データを送受信するための共有データ用セッションが、中継装置30を介して確立されている。これにより、音声データと映像データとは別のセッション(帯域)で各通信端末10が共有データを送受信することが可能になる。
【0034】
なお、コンテンツデータが中継装置30を経由するのは一例であって、伝送管理装置50を経由してコンテンツデータが送受信されてもよい。しかし、伝送管理装置50とは別に中継装置30が設置されることで負荷を分散することができる。また、中継装置30を介さずに、2つ以上の通信端末10がコンテンツデータを送受信する仕組みも存在し、この場合、各拠点の通信端末10はインターネットを介して直接、通信することができる。
【0035】
また、図3に示されているように、通信システム1において拠点間の通信端末10の間では、伝送管理装置50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションが確立される。管理情報用セッションで上記のステータス、共有状況等が監視される。
【0036】
<ハードウェア構成例>
次に、通信端末10、伝送管理装置50、及び、中継装置30のハードウェア構成を説明する。
【0037】
<<通信端末>>
図4は、本発明の実施形態に係る通信端末10のハードウェア構成図である。図4の通信端末10は通信システム1に専用の端末である場合を示す。図4に示すように、通信端末10は、CPU701、ROM702、RAM703、フラッシュメモリ704、SSD705、メディアI/F707、操作ボタン708、電源スイッチ709、バスライン710、ネットワークI/F711、CMOSセンサ712、撮像素子I/F、マイク714、スピーカ715、音入出力I/F716、ディスプレイI/F717、外部機器接続I/F(Interface)718、近距離通信回路719、近距離通信回路719のアンテナ719aを備えている。これらのうち、CPU701は、通信端末10全体の動作を制御する。ROM702は、IPL等のCPU701の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ704は、通信用プログラム、映像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。SSD705は、CPU701の制御にしたがってフラッシュメモリ704に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、SSDに代えてHDDを用いてもよい。メディアI/F707は、フラッシュメモリ等の記録メディア706に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。操作ボタン708は、通信端末10の宛先を選択する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ709は、通信端末10の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
【0038】
また、ネットワークI/F711は、インターネット等の通信ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ712は、CPU701の制御にしたがって被写体を撮像して映像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F713は、CMOSセンサ712の駆動を制御する回路である。マイク714は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ715は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F716は、CPU701の制御にしたがってマイク714及びスピーカ715との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F717は、CPU701の制御にしたがって外付けのディスプレイに画像データを送信する回路である。外部機器接続I/F718は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路719は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0039】
また、バスライン710は、図4に示されているCPU701等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0040】
ディスプレイ120は、被写体の映像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)等によって構成された表示手段の一種である。また、ディスプレイ120は、ケーブルによってディスプレイI/F717に接続される。このケーブルは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
【0041】
なお、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ712は、CPU701の制御にしたがって被写体を撮像して映像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。外部機器接続I/F718には、USBケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU701の制御にしたがって、内蔵型のCMOSセンサ712に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU701の制御にしたがって、それぞれが内蔵型のマイク714や内蔵型のスピーカ715に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
【0042】
また、記録メディア706は、通信端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU701の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ704に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
【0043】
<伝送管理装置、中継装置、通信端末10>
図5は、一般的なコンピュータのハードウェア構成図である。通信端末10が汎用的な端末の場合も図5のハードウェア構成でよい。ここでは、図5に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0044】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図5に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0045】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0046】
<機能について>
次に、図6を用いて通信システムの機能について説明する。図6は、通信システム1が有する伝送管理装置50、送信側の通信端末10t、及び、受信側の通信端末10rの機能をブロック状に示す機能ブロック図である。なお、中継装置30の機能については必要に応じて説明する。受信側の通信端末10rは複数あるが、図6では1つのみを示した。
【0047】
<<送信側の通信端末の機能構成>>
送信側の通信端末10tは、送受信部11、操作入力受付部12、通信制御部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、表示制御部16、記憶・読出部17、及び、静止画送信処理部20を有している。これらの各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ704からRAM703上に展開された通信端末10用のプログラムに従ったCPU701からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、送信側の通信端末10は、図4に示されているRAM703、及び図4に示されているフラッシュメモリ704によって実現される記憶部18を有している。
【0048】
送受信部11は、通信ネットワーク2を介して他の通信端末10、装置又はシステムと各種データ(又は情報)の送受信を行う。送受信部11は、所望の宛先端末と通話を開始する前から、伝送管理装置50より、宛先候補としての各通信端末10のステータスを示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各通信端末10の稼動状態(ONラインかOFFラインかの状態)だけでなく、ONラインの場合、更に通話可能であるか、通話中であるか等の詳細な状態を示す。
【0049】
操作入力受付部12は、ユーザによる通信端末10に対する各種入力を受け付ける。例えば、ユーザが、通信端末10の電源をONさせる操作を行うと、操作入力受付部12が操作を受け付けて電源をONに制御する。この他、通信端末10に対する情報の入力を含む各種の操作を受け付ける。
【0050】
通信制御部13は、例えば、上記電源ONの受付を契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理装置50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び要求元端末の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。通信端末10が汎用的な端末の場合、アプリケーションソフト若しくはWebブラウザの起動又はこれらに対するユーザのログイン操作を契機としてよい。また、ユーザが、通信端末10の電源をOFFする操作を行うと、送受信部11が伝送管理装置50へ電源をOFFする旨の状態情報を送信した後に、通信端末10は電源をOFFにする。これにより、伝送管理装置50側では、通信端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。通信端末10が汎用的な端末の場合、アプリケーションソフト若しくはWebブラウザの終了又はこれらに対するユーザのログオフ操作を契機としてよい。
【0051】
また、通信制御部13は、中継装置30を介して、他の通信端末10とコンテンツデータの送受信を行うセッションの確立や、切断等、様々な通信制御を行う。なお、本実施形態に係る通信制御部13は、伝送管理装置50に送信するデータには通信端末10の通信ID(Identification)を含めて送信する。
【0052】
通信IDは、通信端末10を用いてコンテンツデータの送受信を行うセッションに参加可能なアカウントの識別情報の一例である。通信IDは、例えば、ユーザの識別情報であるユーザID、アプリの識別情報であるアプリID、通信端末10の契約者の識別情報である契約ID等であっても良い。また、通信IDとしては、文字、数字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた情報が挙げられる。メールアドレスなどでもよい。
【0053】
撮像部14は、被写体を撮像して得られた撮像データを、所定の映像データに変換して出力する。通信端末10は複数の撮像部14を有していてもよい。
【0054】
音声入力部15aは、マイク114によってユーザの音声が音声信号に変換された後、この音声信号を所定の音声データに変換して出力する。音声出力部15bは、音声データを音声信号に変換してスピーカに出力して、スピーカ715から音声を出力させる。
【0055】
表示制御部16は、例えば、通信端末10が受信したコンテンツデータに含まれる映像データをディスプレイ120に表示させる。また、表示制御部16は、伝送管理装置50から受信した宛先リストの情報をディスプレイ120に表示させることができる。
【0056】
静止画送信処理部20は、静止画共有において静止画データの送信に関する処理を行う。詳細は図7にて説明する。
【0057】
記憶・読出部17は、記憶部18に各種データを記憶したり、記憶部18に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0058】
記憶部18には、例えば、前述した通信IDと通信IDに対応するパスワード等の認証情報が記憶される。記憶部18には、宛先端末との通話を行う際に受信される映像データ及び音声データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の映像データによってディスプレイ120に映像が表示され、上書きされる前の音声データによってスピーカ715から音声が出力される。
【0059】
<<受信側の通信端末>>
受信側の通信端末10rが有する機能は、静止画受信処理部19を有する以外は送信側の通信端末10tと同じでよい。静止画受信処理部19については図7にて説明する。また、本来、送信側の通信端末10tも静止画受信処理部19を有しており、受信側の通信端末10rも静止画送信処理部20を有しているが、図6では説明の便宜上、省略されている。
【0060】
<<伝送管理装置の機能構成>>
伝送管理装置50は、送受信部51、端末認証部52、端末管理部53、端末抽出部54、セッション管理部55、メッセージ転送部58、及び記憶・読出部57等を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された伝送管理装置50用のプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、伝送管理装置50は、図5に示されているHD504等により実現される記憶部5000を有している。
【0061】
(伝送管理装置の各機能構成)
次に、伝送管理装置50の各機能構成について詳細に説明する。送受信部51は、通信ネットワーク2を介して通信端末10、装置又はシステムと各種データ(又は情報)の送受信を行う。
【0062】
端末認証部52は、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードの組み合わせが、認証管理DB(Database)5001に含まれるか否かを判断することにより通信端末10の認証を行う。
【0063】
端末管理部53は、端末管理DB5002に、通信ID毎の、宛先名、稼動状態、要求情報等の受信日時、及び要求元端末のIPアドレス等を関連付けて記憶して、管理する。例えば、端末管理部53は、ユーザが通信端末10の電源をONからOFFにすることで、通信端末10から送られてきた、電源をOFFする旨の状態情報に基づいて、端末管理DB5002の稼動状態をONラインからOFFラインに変更する。
【0064】
端末抽出部54は、ログイン要求した要求元端末の通信IDをキーとして、宛先リスト管理DB5003を検索し、要求元端末と通話することができる宛先端末の通信IDを抽出する。更に、端末抽出部54は、宛先リスト管理DB5003を検索し、上記要求元端末の通信IDを宛先端末の候補として登録している他の通信端末10の通信IDも抽出する。
【0065】
更に、端末抽出部54は、抽出された宛先端末の候補の通信IDを検索キーとして、前述した端末管理DB5002を検索し、抽出された通信ID毎に稼動状態を読み出す。これにより、端末管理部53は、ログイン要求してきた要求元端末と通話することができる宛先端末の候補の稼動状態を取得することができる。また、端末管理部53は、要求元の通信IDを検索キーとして、前述した端末管理DB5002を検索し、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態も取得する。
【0066】
セッション管理部55は、伝送管理装置50が管理するセッションの制御を行う。セッションの制御には、例えば、セッションを確立するための制御、確立されたセッションに通信端末10を参加させる制御、セッションを切断する制御、セッションIDの生成等が含まれる。また、セッション管理部55は、セッションの識別情報であるセッションIDに対応づけて、セッションの開始を要求した通信端末10の通信ID、及び宛先端末の通信ID等を、セッション管理DB5004に記憶して、管理する。
【0067】
メッセージ転送部58は、各通信端末10から送信されるメッセージを他の通信端末10に転送する。このメッセージには共有完了通知、共有状況通知などがある。
【0068】
記憶・読出部57は、図5に示されているCPU501からの命令及びHD504によって実現され、又はCPU501からの命令によって実現される。記憶・読出部57は、記憶部5000への各種データを記憶、及び記憶部5000からの各種データの読み出しを行う。
【0069】
<伝送管理装置が管理する情報の例>
伝送管理装置50の記憶部5000に記憶されている各管理DBについて説明する。
【0070】
【表1】
伝送管理装置50の記憶部5000に記憶された認証管理DB5001には、例えば、表1に示されているような認証管理テーブル602が含まれる。この認証管理テーブル602では、伝送管理装置50によって管理される通信端末10の通信IDと、通信IDに対応するパスワードとが関連付けられて管理されている。例えば、表1に示されている認証管理テーブル602において、通信IDが「01aa」の通信端末10のパスワードは、「aaaa」であることが示されている。
【0071】
【表2】
伝送管理装置50の記憶部5000に記憶された端末管理DB5002には、例えば、表2に示されているような端末管理テーブル603が含まれる。この端末管理テーブル603では、通信端末10の通信ID毎に、各通信端末10を宛先とした場合の宛先名、各通信端末10の稼動状態、後述のログイン要求情報が伝送管理装置50で受信された受信日時、及び通信端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、表2に示されている端末管理テーブル603において、通信IDが「01aa」の通信端末10は、端末名が「日本 本社」で、稼動状態が「ONライン(通信可能)」であることが示されている。また、通信IDが「01aa」の通信端末10は、伝送管理装置50でログイン要求情報が受信された日時が「20xx年4月10日の13時40分」で、IPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
【0072】
【表3】
伝送管理装置50の記憶部5000に記憶された宛先リスト管理DB5003には、例えば、表3に示されているような宛先リスト管理テーブル604が含まれる。この宛先リスト管理テーブル604では、ビデオ会議(テレビ会議ともいう)における通信の開始を要求する要求元端末の通信IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の通信IDが全て関連付けられて管理される。例えば、表3に示されている宛先リスト管理テーブル604において、通信IDが「01aa」である要求元端末から通信の開始を要求することができる宛先端末の候補は、通信IDが「01bb」、「01cc」、及び「01dd」の通信端末10である。この宛先端末の候補は、任意の要求元端末から伝送管理装置50に対する追加又は削除の要請により、伝送管理装置50によって追加又は削除されることで更新される。
【0073】
このような構成によれば、要求元端末(例えば、01aa)は予め登録されている宛先端末の候補(例えば、01bb)としか通信を開始できない。この宛先端末(例えば、01bb)も要求元端末(例えば、01aa)を宛先端末として宛先リスト管理テーブル604に登録しておかなければ要求元端末と通信できない。このような仕組みは想定外の通信端末10同士が通信する可能性を低減できる点で好ましい。ただし、宛先リスト管理テーブル604への登録を不要にして任意に通信端末10同士が通信できてもよい。
【0074】
【表4】
伝送管理装置50の記憶部5000に記憶されたセッション管理DB5004には、例えば、表4に示されているようなセッション管理テーブル605が含まれる。このセッション管理テーブル605には、セッションの識別情報であるセッションID毎に、中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末の通信ID、宛先端末の通信ID、会議ID、及びセッション参加日時等の情報が管理される。例えば、表4に示されているセッション管理テーブル605において、セッションID「se1」のセッションは、要求元端末の通信ID「01aa」と宛先端末の通信ID「01bb」との間で行われていることが示されている。また、セッションID「se1」とセッションID「se2」のセッションは会議IDが「k01」であるため、3拠点が同じ会議を開催していることが分かる。
【0075】
<<静止画送信処理部と静止画受信処理部の機能について>>
図7は、静止画送信処理部20と静止画受信処理部19の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。
【0076】
まず、静止画送信処理部20は、メッセージ送信部21、メッセージ受信部22、共有処理部23(第一の共有処理部)、進捗状況管理部24、共有完了判断部25、及び、共有状況通知部26を有する。
【0077】
共有処理部23は、画面の取り込みによる静止画の作成、及び、静止画データのアップロード等を行う。操作入力受付部12からの要求によりファイルサイズの異なる静止画データを少なくとも2つ作成し、中継装置30にアップロードする。ファイルサイズの異なる静止画データとは、高精細画像と低画質画像である。例えば、2つの静止画データを作成することで、受信側の通信端末10rのネットワーク帯域が小さい場合に、受信側の通信端末10rは低画質画像をダウンロードすることができる。なお、高精細画像は、共有しているファイルの解像度又は画面の解像度で画面を取り込むことで生成し、低画質画像は高精細画像を圧縮する又は画素数を低減することで生成できる。
【0078】
メッセージ送信部21は、静止画共有を開始した旨、及び共有状況等を伝送管理装置50に送信する。
【0079】
メッセージ受信部22は、受信側の通信端末10rのメッセージ送信部21から送られてくる通知(メッセージ)を受信する。
【0080】
進捗状況管理部24は、受信側の通信端末10rが送信する共有完了通知の受信に伴い、受信側の通信端末10rの共有状況の進捗を管理する。共有完了した受信側の通信端末10rを共有完了判断部25に送信する。
【0081】
共有完了判断部25は、全ての受信側の通信端末10rが静止画共有を完了したかどうかを判断する。また、タイマー機能を有し、静止画共有の開始から一定時間内に共有が完了していない場合は、メッセージ送信部21に共有完了に時間がかかっているという共有状況通知の送信を要求する。
【0082】
共有状況通知部26は、送信側の通信端末10tのユーザに対して静止画共有の進捗状況を通知する。文字、音声ガイダンス、音などで、何台の受信側の通信端末10rが共有完了したかを知らせる。
【0083】
一方、受信側の通信端末10rはメッセージ送信部21、メッセージ受信部22、共有処理部23(第二の共有処理部)、共有状況通知部26、及び、ネットワーク状況確認部27、を有する。
【0084】
共有処理部23は、ネットワーク状況確認部27に対してネットワーク状況の確認を要求し、ネットワーク状況に応じて適したサイズの静止画データを中継装置30からダウンロードする。ダウンロードが完了すると、メッセージ送信部21に対して共有完了通知の送信を要求する。
【0085】
メッセージ送信部21は、共有処理部23が静止画データの受信を完了すると、共有完了通知をメッセージ転送部58に送信する。メッセージ受信部22は、静止画共有を開始した旨、及び共有状況通知等をメッセージ転送部58から受信する。
【0086】
ネットワーク状況確認部27は、自拠点のネットワーク帯域を確認し、その結果を共有処理部23に返す。ネットワーク帯域とは、主に通信速度と相関しており、単位時間にどの位のデータ量を送信又は受信できるかをいう。例えば、〔bps〕で示される。ネットワーク帯域は、例えば、各拠点の映像の送受信の際のネットワーク帯域を定期的に記録しておき過去の所定時間の平均などとする。あるいは、中継装置30までPINGコマンドを送信してから応答が戻るまでの時間からネットワーク状況を判断してもよい。
【0087】
共有状況通知部26は、ユーザに対して静止画共有の共有状況を知らせる。また、共有データについて説明が開始される旨を知らせる。
【0088】
<通信開始までの動作手順>
次に、通信システム1の処理の流れについて説明する。
【0089】
(準備段階の処理)
図8は、通信システム1の通信の準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。ここでは、一例として、通信端末10tと通信端末10rb、10rcによるセッションを開始する前の準備段階における処理について説明する。なお、以下の説明の中で、通信端末10tの通信IDは「01aa」、通信端末10rbの通信IDは「01bb」、通信端末10rcの通信IDは「01cc」であるものとする。
【0090】
まず、要求元端末である通信端末10tのユーザが、例えば、通信端末10tの電源をONにする操作を行うと、操作入力受付部12が電源ONにする操作を受け付けて、通信端末10tの電源をONにする(ステップS21)。
【0091】
そして、通信制御部13は、上記の電源ONを契機とし、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理装置50に、ログインを要求するログイン要求情報を送信する(ステップS22)。なお、ログイン要求情報が、通信端末10tの電源をONにする操作によって送信されるのは一例であって、例えば、操作者による入力装置108への操作や、アプリの起動等によって送信されるものであっても良い。
【0092】
また、ログイン要求情報には、要求元としての自機である通信端末10tを識別するための通信ID(要求元端末の通信ID)及びパスワードが含まれている。これら通信ID及びパスワードは、例えば、記憶・読出部17を介して記憶部18から読み出された情報である。また、通信端末10tから伝送管理装置50へログイン要求情報が送信される際に、受信側である伝送管理装置50は、送信側である通信端末10tのIPアドレスを把握することができる。
【0093】
次に、伝送管理装置50の端末認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードを検索キーとして、前述した認証管理テーブル602を検索する。端末認証部52は、通信端末10tから受信したログイン要求情報に含まれる通信ID及びパスワードの組み合わせが、認証管理テーブル602に含まれるか否かによって認証を行う(ステップS23)。
【0094】
端末認証部52により、正当な利用権限を有する通信端末10tからのログイン要求であると判断された場合、端末管理部53は、端末管理テーブル603に記録されている通信端末10tの通信ID「01aa」の稼動状態を、「ONライン(通信可能)」に変更する。このとき、端末管理部53は、受信日時を更新し、また、必要に応じて、通信端末10のIPアドレスを更新する(ステップS24)。これにより、端末管理テーブル603には、通信端末10tの通信ID「01aa」に、稼動状態「ONライン(通信可能)」、受信日時「20xx.4.10.13:40」及び通信端末10tのIPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理される。
【0095】
そして、伝送管理装置50の送受信部51は、上記の端末認証部52によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、上記ログイン要求してきた要求元端末である通信端末10tに送信する(ステップS25)。ここでは、端末認証部52によって正当な利用権限を有する通信端末10であると判断された場合について、以下で説明する。
【0096】
伝送管理装置50の端末抽出部54は、ログイン要求した要求元端末(通信端末10t)の通信ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル604を検索する。これにより、端末管理部53は、要求元端末(通信端末10t)と通信することができる宛先端末の候補の通信IDを抽出する(ステップS26)。ここでは、一例として、要求元端末(通信端末10t)の通信ID「01aa」に対応する宛先端末の通信IDとして、「01bb」、「01cc」、「01dd」が抽出されるものとする。
【0097】
次に、端末抽出部54は、抽出された宛先端末の候補の通信ID(「01bb」、「01cc」、「01dd」)を検索キーとして、端末管理テーブル603を検索する。これにより、抽出された通信ID毎に稼動状態を読み出すことにより、通信ID(「01bb」、「01cc」、「01dd」)の各稼動状態を取得する(ステップS27)。
【0098】
次に、送受信部51は、宛先端末の候補の通信ID(「01bb」、「01cc」、「01dd」)のそれぞれの稼動状態が含まれた宛先状態情報を、要求元端末(通信端末10t)に送信する(ステップS28)。これにより、要求元端末(通信端末10t)は、この要求元端末(通信端末10t)の宛先端末の候補となる通信ID(「01bb」、「01cc」、「01dd」)の現時点の稼動状態を把握することができる。
【0099】
更に、伝送管理装置50の端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末(通信端末10t)の通信ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル604を検索する。これにより、端末抽出部54は、要求元端末(通信端末10t)の通信ID「01aa」を宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の通信IDを抽出する(ステップS29)。表3に示されている宛先リスト管理テーブル604では、抽出される他の要求元端末の通信IDは、「01bb」、「01cc」及び「01dd」である。
【0100】
次に、伝送管理装置50の端末管理部53は、上記ログイン要求して来た要求元端末(通信端末10t)の通信ID「01aa」を検索キーとして、端末管理テーブル603を検索する。これにより、端末管理部53は、ログイン要求してきた要求元端末(通信端末10t)の稼動状態を取得する(ステップS30)。
【0101】
そして、伝送管理装置50の端末管理部53は、上記ステップS29で抽出された通信ID(「01bb」、「01cc」、「01dd」)のうち、端末管理テーブル603で稼動状態が「ONライン(通信可能)」となっている通信ID(「01bb」、「01cc」、「01dd」)を抽出する。
【0102】
また、送受信部51は、抽出された通信ID(「01bb」)に対応する通信端末10rb、10rcに、要求元端末(通信端末10t)の通信ID「01aa」と稼動状態「ONライン(通信可能)」が含まれる宛先状態情報を送信する(ステップS31)。
【0103】
一方、他の通信端末10rb、10rcでも、例えば、電源ONの操作等に応じて、上記ステップS22~S30の処理と同様の処理を行う。
【0104】
<通信処理>
図9は、通信システム1の通信処理の例を示すシーケンス図である。ここでは、通信端末10tと通信する通信端末10rb、10rcとの間で通信を開始する通信管理方法の例について説明する。
【0105】
ステップS31において、通信端末10tの操作入力受付部12は通信端末10tの操作者による、宛先端末(通信端末10rb)の選択操作を受け付ける。
【0106】
通信端末10tの送受信部11は伝送管理装置50にセッションの開始を要求する開始要求情報を送信する(ステップS32)。この開始要求情報には、例えば、要求元端末である通信端末10tの通信IDである要求元端末の通信ID、宛先端末である通信端末10rbの通信IDである宛先端末の通信ID等が含まれる。また、開始要求情報には、通信端末10tのIPアドレス(要求元IPアドレス)等の情報も含まれる。
【0107】
ステップS33において、通信端末10tから開始要求情報を受信した伝送管理装置50の端末管理部53は、開始要求情報に含まれる要求元端末(通信端末10t)の通信ID「01aa」に基づいて、端末管理DB5002を更新する。例えば、端末管理部53は、通信端末10tの通信ID「01aa」に対応する稼動状態の情報を「ONライン(通信中)」に変更し、受信日時の情報も更新する。
【0108】
ステップS34において、伝送管理装置50のセッション管理部55は、宛先端末である通信端末10rbにセッションの開始を要求する開始要求情報を送信する。この開始要求情報には、例えば、要求元端末である通信端末10tの要求元端末の通信IDが含まれる。
【0109】
ステップS35において、伝送管理装置50から開始要求情報を受信した通信端末10rbは、伝送管理装置50に開始応答情報を送信する。この開始応答情報には、例えば、通信端末10rbの宛先端末の通信ID等が含まれる。本実施形態では、通信端末10rb側の操作は必要なく開始応答情報が送信されるものとするが、通信端末10rをユーザが操作することを条件としてもよい。
【0110】
ステップS36において、通信端末10rbから開始応答情報を受信した伝送管理装置50の端末管理部53は、開始応答情報に含まれる通信端末10rbの通信ID「01bb」に基づいて、端末管理DB5002を更新する。例えば、端末管理部53は、通信端末10rbの通信ID「01bb」に対応する稼動状態の情報を「ONライン(通信中)」に変更し、受信日時の情報を更新する。
【0111】
ステップS37において、伝送管理装置50のセッション管理部55は、セッションを識別するための識別情報であるセッションIDを採番する。また、セッション管理部55は、作成されたセッションIDを、要求元端末の通信ID(通信端末10tの通信ID)、及び宛先端末の通信ID(通信端末10rbの通信ID)と対応づけてセッション管理DB5004に記憶する。
【0112】
ステップS38において、伝送管理装置50のセッション管理部55は、中継装置30に、セッション情報を送信する。このセッション情報には、例えば、ステップS37で作成されたセッションID等の情報が含まれる。中継装置30はセッションIDに基づいてセッション管理DB5004からセッション情報を取得できる。
【0113】
ステップS39において、伝送管理装置50のセッション管理部55は、通信端末10tにセッションの開始を指示する開始指示情報を送信する。同様に、ステップS40において、伝送管理装置50のセッション管理部55は、通信端末10rbにセッションの開始を指示する開始指示情報を送信する。開始指示情報にはセッションIDが含まれ、通信端末10はセッションIDに基づいてセッション管理DB5004からセッション情報を取得できる。
【0114】
ステップS41において、通信端末10tは、受信した開始指示情報に基づいて、中継装置30との間でセッションを確立する。同様に、ステップS42において、通信端末10rbは、受信した開始指示情報に基づいて、中継装置30との間でセッションを確立する。これにより、同じセッションに通信端末10tと10rbが参加できる。すなわち、通信サービスが開始される。
【0115】
通信端末10tと通信端末10rbは、同じセッションIDのセッションに参加し、映像データや音声データ等のコンテンツデータを送受信することにより、例えば、ビデオ会議を行うことができる(S43)。
【0116】
同様に、ステップS44において、通信端末10rcの操作入力受付部12は通信端末10rcの操作者による、宛先端末(通信端末10t)の選択操作を受け付ける。
【0117】
通信端末10rcの送受信部11は伝送管理装置50に通信端末10tとのセッションの開始を要求する開始要求情報を送信する(ステップS46)。この後、図9で説明した処理が実行され、ステップS48においてセッションが確立し、通信端末10rcの通信IDと通信端末10tの通信IDと採番したセッションID(se2)がセッション管理テーブルに登録される。
【0118】
登録の際、セッション管理部55は、新たにセッションが確立した通信端末10rcと10tの通信ID(01cc,01aa)をセッション管理DB5004の要求元端末又は宛先端末から検索して、通信端末10rcが参加する会議を探し出す。本実施形態では通信ID(01aa)がセッション管理DB5004から見つかるので、セッション管理部55はセッションID(se1)と同じ会議IDをセッションID(se2)に割り当てる。こうすることで、通信端末10t、10rb、10rcの間で会議を行うことができる。すなわち、中継装置30はある通信端末10が送信したコンテンツデータを同じ会議IDの他の通信端末10に転送する。
【0119】
また、ステップS50~S54において、伝送管理装置50のセッション管理部55は、同じ会議IDを有する通信端末10の数を数えて、通信端末10t、10rb、10rcに送信する。例えば、セッション管理DB5004では、同じ会議IDに対応づけられているのは通信端末10t、10rb、10rcの3つなので、参加数を「3」と数える。したがって、通信端末10t、10rb、10rcに参加数3が送信される。この参加数には自拠点も含まれる。あるいは自拠点を含まない参加数2を送信してもよい。
【0120】
また、各通信端末10がセッションIDを指定してセッション管理DB5004の情報を取得して、通信端末10が参加数を数えてもよい。
【0121】
なお、参加数を伝送管理装置50が直接、送信するのでなく、各通信端末10が受信するコンテンツの種類を数えてもよい。すなわち、中継装置30はコンテンツを送信先の通信端末10に送信する場合、送信元の通信端末10のID(通信IDでも別途採番したIDでもよい)を付すため、このIDの種類から参加数をカウントできる。
【0122】
<画面共有と静止画共有の切り替え>
図10は、通信端末10tが表示する通信中画面300の一例である。通信中画面300は、主に、状態表示欄301、共有情報表示欄302、映像表示欄303、及び、ボタン欄304を有している。状態表示欄301には自端末の通信ID、参加数、会議時間、及び、ネットワーク帯域情報が表示される。自拠点の通信IDにより、通信端末10と同じビデオ会議に参加しようとする通信端末10の利用者は、この端末IDを問い合わせて操作している通信端末10に入力又は選択することで同じビデオ会議に参加できる。参加数は同じ会議に参加している通信端末10の数である。拠点数ともいう。会議時間はセッションが確立してからの経過時間である。ネットワーク帯域情報はコンテンツの上り(UP)、下り(DOWN)それぞれの通信速度である。
【0123】
ボタン欄304には画面共有ボタン304aと静止画共有ボタン304bが表示される。画面共有ボタン304aは画面共有を開始するためのボタンであり、静止画共有ボタン304bは静止画共有を開始するためのボタンである。ユーザが画面共有ボタン304aを押下するとファイルの選択画面が表示され、ユーザは記録メディア706やネットワーク上のファイルを選択できる。ユーザが静止画共有ボタン304bを押下すると押下時に共有情報表示欄302に表示されている画面を共有処理部23が取り込む。この静止画は共有情報表示欄302に表示される。なお、各通信端末10が画面共有ボタン304aと静止画共有ボタン304bを表示するため、最後に画面共有ボタン304a又は静止画共有ボタン304bを押下した通信端末10の画面又は静止画が共有される。
【0124】
共有情報表示欄302には、画面共有時にはユーザが選んだ任意のファイル等が表示された画面の画像が表示され、静止画共有時にはこのファイル等の静止画が表示される。画面共有時には共有情報表示欄302に表示されている画面の画像が繰り返し(例えば、リフレッシュレートの周期で)中継装置30に送信される。遅延時間を少なくするため、通信端末10は画面の解像度よりも低い解像度で又は圧縮して画面の画像を送信する。
【0125】
このファイルは、例えば、CADで使用される図面のファイル、ユーザが会議で共有したいプレゼンテーション用のファイル、参考資料となる文書のファイル、などであるが画面に表示できるファイルであればよい。また、通信端末10で動作するアプリケーションソフトの画面を共有してもよい。例えば、Webブラウザが表示する画面等を共有できる。図10では通信端末10が汎用的な端末である場合を示すが、専用の端末の場合、通信端末10に接続されているPCの映像を共有することができる。
【0126】
また、送信側の通信端末10tの画面に表示されている画面の画像に限らず、送信側の通信端末10tが保存しているファイル又はネットワーク上のファイルを共有してもよい。
【0127】
静止画は、共有処理部23が画面共有時の画面を取り込んだスクリーンショットである。静止画は少なくとも共有情報表示欄302の解像度になるため、画面共有時の解像度よりも高解像度になる。あるいは、元のファイルをRAM703に展開してディスプレイには表示しないでRAM703から静止画を取り込んでもよい。この場合は、元のファイルの解像度で静止画を生成できる。
【0128】
映像表示欄303には、各通信端末10のカメラが撮像した映像が表示される。図10は3つの通信端末10が会議している場合を例にしており映像表示欄303には3つの映像が表示されている。このうち、1つは自拠点の映像である。
【0129】
<静止画データの共有手順>
図11は、送信側の通信端末10と受信側の通信端末10が静止画データを共有する手順を説明するシーケンス図の一例である。なお、図11の説明では、すでに画面共有が行われているものとする。また、受信側の通信端末10rは1つのみ示した。
【0130】
S1:送信側の通信端末10tのユーザが静止画共有を開始する(静止画共有ボタン304bを押下する)。
【0131】
S2:操作入力受付部12は静止画共有の開始を受け、共有処理部23に対して静止画の作成の処理を要求する。
【0132】
S3:共有処理部23は高精細静止画と低画質静止画の2つの静止画を作成する。なお、高精細静止画のみを中継装置30に送信し、中継装置30が高精細静止画から低画質静止画を生成してもよい。
【0133】
S4:共有処理部23は2つの静止画をメッセージ送信部21に送信する。
【0134】
S5:メッセージ送信部21は自分の通信IDと共に2つの静止画を中継装置30に送信する。この処理は図11では省略されている。中継装置30は通信IDに対応づけて静止画を保持しておく。また、メッセージ送信部21は自分の通信IDと共に静止画の共有を要求する共有情報を伝送管理装置50に送信する。メッセージ転送部58は静止画を送信した送信側の通信端末10tの通信IDを記録しておく。
【0135】
S6:伝送管理装置50の送受信部51は共有情報を受信し、メッセージ転送部58は、セッション管理DB5004の情報と通信端末10tから送信された通信IDに基づいて同じ会議に参加している通信端末10rb、10rcを特定して、それぞれに静止画の共有を要求する共有情報を送信する。
【0136】
S7:受信側の通信端末10rのメッセージ受信部22は共有情報を受信し、共有処理部23に静止画の共有を要求する。
【0137】
S8:共有処理部23は、高精細静止画と低画質静止画のどちらを受信するかを決定するため、ネットワーク状況をネットワーク状況確認部27に確認する。
【0138】
S9:ネットワーク状況確認部27は現在のネットワーク状況を確認する。確認結果を共有処理部23に返す。確認結果は、例えばネットワーク帯域と閾値を比較した結果であり、安定又は不安定である。閾値未満又は閾値以下の場合は不安定、そうでない場合は安定である。
【0139】
S10:一方、送信側の通信端末10tは中継装置30へのアップロードが完了した後、共有完了判断部25へタイマーの起動を要求する。一定時間内に全ての通信端末10rから共有完了通知を受信したかを判断するためである。一定時間の起点は、静止画共有ボタン304bの押下、アップロードの完了、又はアップロードの開始のいずれでもよい。
【0140】
S11:共有完了判断部25はタイマーを起動し、一定時間を計測する。一定時間は例えば数秒から数十秒であるとするが、適宜設計されている。この値を各通信端末10のユーザが設定してもよい。また、必ずしも一定でなく、例えば参加数が多いほど長くしてもよい。
【0141】
ステップS12~S17は一定時間が経過すると実行される。
【0142】
S12:共有完了判断部25は一定時間が経過したか否かを判断する。
【0143】
S13:一定時間が経過したが、全ての受信側の通信端末10rから共有完了通知を受信していない場合、共有完了判断部25は、全ての受信側の通信端末10rが共有完了していない旨の共有状況の通知をメッセージ送信部21に要求する。
【0144】
S14:メッセージ送信部21は自分の通信IDを指定して共有状況を伝送管理装置50に送信する。全ての受信側の通信端末10rに送信するか、共有完了通知を送信した受信側の通信端末10rにのみ送信するかを指定してよい。共有完了通知を送信した受信側の通信端末10rは図12の進捗管理情報により管理されている。
【0145】
S15:伝送管理装置50の送受信部51は共有状況を受信し、メッセージ転送部58は、共有状況を受信側の通信端末10rに送信する。伝送管理装置50が、全ての受信側の通信端末10rに送信するか、共有完了通知を送信した受信側の通信端末10rにのみ送信するかを制御してもよい。また、全ての受信側の通信端末10rに送信する場合、共有完了通知を送信した受信側の通信端末10rとそうでない通信端末10rとでメッセージを変えてよい。
【0146】
S16:受信側の通信端末10rのメッセージ受信部22は共有状況を受信し、共有状況通知部26に共有状況を送信する。
【0147】
S17:共有状況通知部26は、共有状況の通知の要求を受け、ユーザに共有状況を通知する。例えば、共有完了通知を送信している場合は、「全拠点での共有が完了しておりません。しばらくお待ちください」などのメッセージを表示したり、音声ガイダンスを出力したりする。警報音を鳴らしてもよい。共有完了通知を送信してない場合、「この拠点での共有が完了しておりません。しばらくお待ちください」などのメッセージを表示したり、音声ガイダンスを出力したりする。警報音を鳴らしてもよい。
【0148】
S18:一方、ネットワーク状況確認部27からネットワーク状況の確認結果を受け取った共有処理部23は、結果に応じて静止画を中継装置30からダウンロードする。
【0149】
S19:ネットワークが安定の場合、共有処理部23は自分の通信IDを指定して中継装置30から高精細静止画の静止画データをダウンロードする。中継装置30は通信IDに基づいて同じ会議に参加している通信IDを特定するので、保持している静止画を同じ会議に参加している受信側の通信端末10rに送信できる。
【0150】
S20:ネットワークが不安定の場合、共有処理部23は自分の通信IDを指定して中継装置30から低画質静止画の静止画データをダウンロードする。
【0151】
S21:共有処理部23は静止画データの共有(ダウンロード)が完了した後、メッセージ送信部21へ共有完了の送信を要求する。
【0152】
S22:メッセージ送信部21は自分の通信IDを指定して、伝送管理装置50に共有完了を送信する。高精細静止画又は低画質静止画のどちらをダウンロードしたかも通知するとよい。送信側の通信端末10tは通信端末10rごとに高精細静止画又は低画質静止画のどちらをダウンロードしたかを表示するので、送信者は低画質静止画を受信したユーザに配慮することができる。
【0153】
S23:伝送管理装置50の送受信部51は共有完了を受信し、メッセージ転送部58は、ステップS5で記録した送信側の通信端末10tに対し受信側の通信IDと共に共有完了を送信する。
【0154】
S24:送信側の通信端末10tのメッセージ受信部22は共有完了を受信し、進捗状況管理部24に進捗状況の更新を要求する。
【0155】
S25:進捗状況管理部24は、要求を受け静止画共有の進捗を更新する。例えば、図12に示すように、進捗状況管理部24は共有完了通知を送信した受信側の通信端末10rの通信IDを記録している。図12は、進捗状況管理部24が記録する進捗管理情報の一例である。進捗状況管理部24は、静止画共有の開始時に、同じ会議に参加している通信端末10の通信IDを進捗管理情報に登録する。そして、共有完了通知を送信した受信側の通信端末10rの通信IDに対応づけてその旨を記録する。同じ会議に参加している通信端末10の通信IDは、セッション管理DB5004から取得する。
【0156】
なお、進捗管理は通信端末10tでなく伝送管理装置50が行ってもよい。同様に、同じ会議に参加している通信端末10をセッション管理DB5004で特定し、図12のような進捗管理情報を作成すればよい。
【0157】
S26:進捗状況管理部24は、進捗更新後、共有完了判断部25に対して全拠点で共有が完了したか否かの判断を要求する。
【0158】
S27:共有完了判断部25は、会議の「参加数-1(自拠点の分)」と共有の進捗状況(共有完了を送信した通信端末10が何台あるか)を比較して、共有が完了したか否かを判断する。
【0159】
S28:全拠点で共有完了と判断しなかった場合、共有完了判断部25は共有状況通知部26に共有状況の通知を要求する。
【0160】
S29:共有状況通知部26は、進捗管理情報に基づいて受信側の全拠点のうち何台が共有完了しているかの進捗状況をユーザに通知する。通知はメッセージを表示しても、音声ガイダンスを出力してもよい。なお、図11の処理では、一台以上の受信側の通信端末10rが共有完了通知を送信側の通信端末10tに送信しないと進捗状況が表示されないが、送信側の通信端末10tは静止画共有の開始後であれば進捗状況を表示できる。
【0161】
S30:全拠点で共有完了と判断した場合、共有完了判断部25は共有状況通知部26に共有状況の通知を要求する。
【0162】
S31:共有状況通知部26は、受信側の全拠点が全て共有完了した旨として「全拠点で共有完了しました」等のメッセージをユーザに通知する。通知はメッセージを表示しても、音声ガイダンスを出力してもよい。
【0163】
S32:共有完了判断部25は、受信側の全拠点が全て共有完了したので、共有状況の通知を終了させるため、共有状況通知終了の送信をメッセージ送信部21に要求する。
【0164】
S33:メッセージ送信部21は自拠点の通信IDを指定して、共有状況通知終了を伝送管理装置50に送信する。
【0165】
S34:伝送管理装置50の送受信部51は共有状況通知終了を受信し、メッセージ転送部58はセッション管理DB5004の情報と送信側から送信された通信IDに基づいて同じ会議に参加している通信端末10rb、10rcを特定して、それぞれに共有状況通知終了を送信する。
【0166】
S35:受信側の通信端末10rのメッセージ受信部22は共有状況通知終了を受信して、共有状況通知終了を共有状況通知部26に送信する。
【0167】
S36:共有状況通知部26は、説明を開始するために、「全拠点で共有完了したので説明を開始します」等のメッセージをユーザに通知する。通知はメッセージの表示でも、音声ガイダンスの出力でも、警報音でもよい。
【0168】
S37:メッセージを表示した場合、共有状況通知部26は、説明を開始する旨のメッセージを消去する。
【0169】
S38:送信側の通信端末10tの共有完了判断部25は共有状況の通知の終了を共有状況通知部26に送信する。
【0170】
S39:共有状況通知部26は、ステップS31で表示した、受信側の全拠点が全て共有完了した旨の進捗状況を表すメッセージを消去する。
【0171】
このように、一定時間内に受信できなかった通信端末10rがある場合、受信が完了している受信側の通信端末10rは共有状況をユーザに通知することができる。送信側の通信端末10tは共有が完了した通信端末10rの数を把握できる。
【0172】
<<送信側の通信端末の処理>>
図13は、送信側の通信端末10tが行う処理について説明するフローチャート図の一例である。
【0173】
送信側の通信端末10tのメッセージ送信部21は、静止画共有の開始を受信側の通信端末10rに対して送信する(S101)。
【0174】
送信側の通信端末10tの共有完了判断部25は、受信側の通信端末10rから共有完了通知を受信する(S102)。
【0175】
共有完了判断部25は一定時間内に受信側の全拠点からの共有完了通知を受信できたか否かを判断し(S103)、受信側の全拠点からの共有完了通知を受信できていない場合は、共有状況(説明を開始しない理由)を、受信側の通信端末10rに送信する(S104)。
【0176】
<<受信側の通信端末の処理>>
図14は、受信側の通信端末10rが行う処理について説明するフローチャート図の一例である。
【0177】
受信側の通信端末10rの共有処理部23は送信側の通信端末10tから静止画共有の開始を受信する(S201)。
【0178】
これにより、ネットワーク状況確認部27が自拠点のネットワーク状況を確認する(S202)。
【0179】
一定以上のネットワーク帯域を確保している場合(S203のYes)、すなわち、ネットワーク帯域が安定している場合、共有処理部23は高精細静止画を中継装置30からダウンロードする(S204)。
【0180】
一定以上のネットワーク帯域を確保していない場合(S203のNo)、すなわち、ネットワーク帯域が不安定の場合、共有処理部23は低画質静止画を中継装置30からダウンロードする(S205)。
【0181】
ダウンロードが完了すると、共有処理部23は送信側の通信端末10tに対して、共有完了の通知を送信する(S206)。
【0182】
<通知される情報の遷移例>
図15は、送信側の通信端末10tと受信側の通信端末10rが表示するユーザへの通知の遷移例を説明する図である。以下、(1)~(4)の状況に沿って説明する。
【0183】
(1) 送信側の通信端末10tのユーザが静止画共有を開始する。
これにより、送信側の通信端末10tは高精細静止画を表示する。受信側の通信端末10rは送信側の通信端末10tと画面共有していた画面の画像を送信しなくなるので、共有画面の最後のフレームを表示する。あるいは何も表示しなくてもよい。
【0184】
(2) 受信側の通信端末10rbが静止画を共有完了する。
これにより、受信側の通信端末10rbは静止画を表示する。高精細静止画でも低画質静止画でもよい。また、送信側の通信端末10tは進捗状況として例えば「1/2 台が受信完了しました」等を通知する。分子は共有が完了した通信端末10の数であり、分母が受信側の全ての通信端末10rの数である。このように、共有完了の通知を送信した通信端末10rの数を表示できる。共有完了を送信していない通信端末10rの数を表示してもよい。
【0185】
(3) 静止画共有の開始から一定時間が経過した。
これにより、受信側の通信端末10rbは共有状況として、「全拠点での共有が完了しておりません。しばらくお待ちください」などのメッセージを表示する。受信側の通信端末10rcは共有状況として、「この拠点での共有が完了しておりません。しばらくお待ちください」などのメッセージを表示する。これにより、受信側の通信端末10rbのユーザは静止画を受信したのに説明が開始されない理由を把握できる。受信側の通信端末10rcのユーザは自拠点が共有完了していないことを把握できる。
【0186】
(4) 通信端末10rcが静止画を共有完了する。
これにより、送信側の通信端末10tは進捗状況として「全拠点で共有完了しました。」等のメッセージを表示する。受信側の通信端末10rbは共有状況として、「全拠点で共有完了したので説明を開始します。」などのメッセージを表示する。受信側の通信端末10rbは静止画を表示し、共有状況として、「全拠点で共有完了したので説明を開始します。」などのメッセージを表示する。
【0187】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態の通信システムは、受信側の通信端末10rは、全ての受信側の通信端末10rが共有完了通知を送信側の通信端末10tに送信しない場合、受信に時間がかかっていることを知らせる共有状況通知を受信して表示するので、受信側のユーザは説明が開始されない理由が分かり、不安やストレスを感じにくくなる。
【実施例2】
【0188】
本実施例では、通信端末10がWebブラウザを使用して遠隔コミュニケーションを行う形態について説明する。
【0189】
図16は、通信システム1が有する伝送管理装置50、送信側の通信端末10t、及び、受信側の通信端末10rの機能をブロック状に示す機能ブロック図である。なお、図16の説明では主に図6との相違を説明する。
【0190】
<<伝送管理装置の機能構成>>
本実施例の伝送管理装置50は新たに画面情報生成部59を有している。画面情報生成部59は、Webサーバとして通信端末10がWebブラウザで表示するWebページの画面情報を生成する。画面情報は、HTML5、XML、JavaScript(登録商標)、及び、CSS(Cascade Style Sheet)により記述されている。Webページを単に画面という場合がある。なお、WebページはWebアプリが通信端末10により実行されることにより提供される。Webアプリとは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語(たとえばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバ側のプログラムが協調することによって動作し、ブラウザ上で実行されるソフトウェア又はその仕組みを言う。WebアプリによりWebページを動的に変更できる。
【0191】
通信端末10と伝送管理装置50はHTTP、HTTPS等の通信プロトコルや、WebRTC (Web Real Time Communication)等のAPI(Application Interface)を用いてデータを送受信することによって、伝送管理装置50で提供しているWebアプリ(サービス)を実施できる。画面情報にはコンテンツが含まれている。
【0192】
通信端末10が有する機能(送受信部11、操作入力受付部12、通信制御部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、表示制御部16、記憶・読出部17、及び、静止画送信処理部20)は、WebブラウザがJavaScript(登録商標)を実行することで実現される。Webブラウザは通信端末10のリソース(カメラ、スピーカ、マイク)にアクセスすることができる。
【0193】
<<Webブラウザによる通信>>
図17は、通信システム1の通信の準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。図17の処理の全体的な流れは図8と同様であり、通信IDがメールアドレスに、伝送管理装置50と通信端末10の間の情報の送受信がWebページの画面情報となる点で異なる。このため、主に図8との相違を説明する。
【0194】
S21:通信端末10でWebブラウザが動作しているため、HTML、XML、JavaScript(登録商標),及びCSS等で記述されたログイン画面の画面情報を通信端末10tが伝送管理装置50から取得する。以下、ステップS25及びS28においてもWebブラウザが表示する画面情報が送信される。
【0195】
また、ステップS22、S28等、通信端末10tが伝送管理装置50に送信する通信IDはメールアドレスなど一意性が保証されているユーザの識別情報が送信される。
【0196】
図18は、通信システム1の通信処理の例を示すシーケンス図である。図18の処理の全体的な流れは図9と同様であり、通信IDがメールアドレスに、伝送管理装置50と通信端末10の間の情報の送受信がWebページの画面情報となる点で異なる。このため、主に図9との相違を説明する。
【0197】
ステップS34、S39、S40、S43、S50、S52、及びS54において、Webブラウザが表示する画面情報が送信される。また、ステップS32、S34、S35、S38、S39、S40、S46等、通信端末10tが伝送管理装置50に送信する通信IDはメールアドレスなど一意性が保証されているユーザの識別情報が送信される。
【0198】
図19は、送信側の通信端末10と受信側の通信端末10が静止画データを共有する手順を説明するシーケンス図の一例である。図19の処理の全体的な流れは図11と同様であり、通信IDがメールアドレスに、伝送管理装置50と通信端末10の間の情報の送受信がWebページの画面情報となる点で異なる。このため、主に図11との相違を説明する。
【0199】
ステップS17、S29、S31、及び、S36において、Webブラウザが表示する画面情報が送信される。なお、ステップS27-2では、判断結果に応じた画面情報を共有完了判断部が伝送管理装置50に取りに行く。また、ステップS5、S14、S22、S23、S33等、通信端末10tが伝送管理装置50に送信する通信IDはメールアドレスなど一意性が保証されているユーザの識別情報が送信される。
【0200】
<まとめ>
このように本実施例によれば、実施例1と同様の処理を、WebアプリをWebブラウザが実行することで実現できる。
【0201】
なお、本実施例では実施例1の処理を援用して説明したが、Webアプリを実行することにより必要な処理の追加、又は処理の省略が行われてよい。
【0202】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0203】
例えば、本実施形態では、中継装置30がコンテンツデータを中継したが、このような中継装置30はなくてもよい。このような形態を可能にする通信プロトコルとして、例えばWebRTC(Web Real-Time Communication)がある。WebRTCとは、映像データ、音声データ等をブラウザ間でやり取り可能にする通信プロトコルである。
【0204】
また、上記実施形態では、コンテンツデータの一例として、映像データ、音声データ、資料データ、及び、手書き情報について説明したが、これに限るものではなく、触覚(touch)データであってもよい。この場合、一方の通信端末側でユーザが接触した感覚が、他方の通信端末側に伝達される。更に、コンテンツデータは、嗅覚(smell)データであってもよい。
【0205】
また、伝送管理装置50は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、通信端末10は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0206】
また、図6図7などの構成例は、通信端末10と伝送管理装置50による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。通信端末10と伝送管理装置50の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0207】
本実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することができる。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、又は、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0208】
1 通信システム
10 通信端末
19 静止画受信処理部
20 静止画送信処理部
30 中継装置
50 伝送管理装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0209】
【文献】特開2004-280133号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19