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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20231212BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G03G15/02 102
G03G21/00 398
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019229258
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021096427
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 浩一
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 大輔
(72)【発明者】
【氏名】眞野 剛
【審査官】山本 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-224995(JP,A)
【文献】特開2006-276054(JP,A)
【文献】特開2007-171462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
前記像担持体を帯電させる帯電部材と、
直流電圧と交流電圧とが重畳された電圧を前記帯電部材に印加する電源と、を備え、
前記電源は、
前記交流電圧を生成する交流電圧生成部と、
前記交流電圧生成部に接続され、前記直流電圧を生成する直流電圧生成部と、
前記直流電圧生成部と基準電位部との間に設けられ、前記電源の出力直流電流を検出する電流検出部と、
一端が前記交流電圧生成部に接続され、他端が接地された結合コンデンサと、
前記直流電圧生成部に含まれる直流トランスにおける二次側コイルの両端に接続された整流コンデンサと、
前記直流電圧生成部に含まれる直流トランスの複巻きコイルに発生する電流量に基づき、前記直流電圧の定電圧制御を行う制御部と、
前記出力直流電流に基づき前記直流電圧を補正する補正部と、
前記補正部による補正を遅延させる遅延部と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記直流電圧生成部の起動後、予め定められた前記結合コンデンサの充電期間が経過するまでは、所定の目標電圧より大きい電圧を示す直流制御信号を入力する請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電流検出部により検出される前記出力直流電流に基づき、前記電源を制御する電源制御部を備え、
前記電源制御部は、前記出力直流電流が所定の状態になった場合に、前記制御部に前記目標電圧を示す直流制御信号を出力する
請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記補正部、又は前記遅延部の何れか一方と前記電流検出部との間に設けられ、電流の往来を防止する防止部を備え、
前記電流検出部は、抵抗器とコンデンサのみを含んで構成されている
請求項乃至の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記補正部、又は前記遅延部の少なくとも何れか一方は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されている
請求項乃至の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補正部による補正を遅延させる複数の遅延部のうち、第1遅延時間を遅延させる第1遅延部と、
前記複数の遅延部のうち、前記第1遅延時間とは異なる第2遅延時間を遅延させる第2遅延部と、
温度を検出する温度検出部と、
前記温度に基づき、前記第1遅延部、又は前記第2遅延部の何れか一方に前記補正部による補正を遅延させる切替部と、を備える
請求項乃至の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置では、帯電部材に直流電圧と交流電圧を重畳させて印加し、感光体ドラム等の像担持体を帯電させるAC(Alternating Current)帯電方式が知られている。
【0003】
また、AC帯電方式の画像形成装置において、帯電部材に電圧を印加する電源に配置した電流検出回路により電源の出力直流電流を検出し、検出した出力直流電流に基づき像担持体の表面電位を測定する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置では、出力直流電流を検出するために特別な演算又は制御を行うため、装置構成が複雑になる場合がある。
【0005】
本発明は、簡単な装置構成で出力直流電流を検出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電部材と、直流電圧と交流電圧とが重畳された電圧を前記帯電部材に印加する電源と、を備え、前記電源は、前記交流電圧を生成する交流電圧生成部と、前記交流電圧生成部に接続され、前記直流電圧を生成する直流電圧生成部と、前記直流電圧生成部と基準電位部との間に設けられ、前記電源の出力直流電流を検出する電流検出部と、一端が交流電圧生成部に接続され、他端が接地された結合コンデンサと、前記直流電圧生成部に含まれる直流トランスにおける二次側コイルの両端に接続された整流コンデンサと、前記直流電圧生成部に含まれる直流トランスの複巻きコイルに発生する電流量に基づき、前記直流電圧の定電圧制御を行う制御部と、前記出力直流電流に基づき前記直流電圧を補正する補正部と、前記補正部による補正を遅延させる遅延部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単な装置構成で出力直流電流を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る画像形成装置の全体構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る作像装置の構成例を示す図である。
図3】第1実施形態に係る帯電用高圧電源の構成例を示す図である。
図4】電流又は電圧状態の一例を示す図であり、(a)は補正回路ありで遅延回路なしの場合を示す図、(b)は補正回路ありで遅延回路ありの場合を示す図である。
図5】比較例に係る帯電用高圧電源の構成例を示す図である。
図6】第2実施形態に係る帯電用高圧電源の構成例を示す図である。
図7】電流又は電圧状態の一例を示す図であり、(a)は目標電圧を示す直流制御信号を用いる場合を示す図、(b)は目標電圧より大きい電圧を示す直流制御信号を用いる場合を示す図である。
図8】第3実施形態に係る帯電用高圧電源の構成例を示す図である。
図9】直流制御信号とカップリングコンデンサの充電電流の一例を示す図である。
図10】第4実施形態に係る帯電用高圧電源の構成例を示す図である。
図11】第5実施形態に係る帯電用高圧電源の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
以下では、タンデム方式といわれる二次転写機構を備える電子写真方式の画像形成装置を一例として、実施形態を説明する。また、画像形成装置は、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能等を一つの筐体に搭載したMFP(Multifunction Peripheral Printer Product)である。
【0011】
<画像形成装置100の全体構成例>
図1は、画像形成装置100の全体構成の一例を説明する図である。画像形成装置100は、中央に中間転写ユニットを備え、中間転写ユニットは、無端ベルトである中間転写ベルト10を備える。中間転写ベルト10は、第1支持ローラ14、第2支持ローラ15及び第3支持ローラ16に掛け廻され、時計廻りに回動駆動される。
【0012】
また、画像形成装置100は、第2支持ローラ15の右方に、記録媒体Pへのトナー像の転写後に、中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニングユニット17を備える。
【0013】
第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間に配置された中間転写ベルト10に対向して、イエロー(Y)の作像部、マゼンタ(M)の作像部、シアン(C)の作像部、及びブラック(K)の作像部から構成される作像部20が設けられ、各色の作像部が中間転写ベルト10の走行方向に沿って並置されている。
【0014】
なお、各色の作像部は、使用するトナーの色が異なる点以外は同様の構成となっている。そのため、説明及び図面では、使用するトナーの色を示す「Y」、「M」、「C」、「K」という添字は適宜省略して説明する。また、画像形成装置100は、中間転写ベルト10の走行方向におけるイエロー(Y)の作像部の上流側にホワイト(W)の作像部も備えているが、図1ではこの図示を省略し、図2で図示する。
【0015】
作像部20は、各色の感光体ドラム40と、帯電部材の一例としての帯電ローラ18と、現像ユニットと、クリーニングユニットとを備え、画像形成装置100に対して脱着可能に装着されている。ここで、感光体ドラム40は像担持体の一例である。
【0016】
また、画像形成装置100は、作像部20の上方には、光ビーム走査部21を備える。光ビーム走査部21は、各色の感光体ドラム40に、画像形成のための光ビーム(レーザ光)を照射することで、各色の感光体ドラム40に画像データに応じた静電潜像(潜像画像)を形成することができる。
【0017】
各色の感光体ドラム40の静電潜像は現像ユニットにより現像され、現像された各色のトナー像は、中間転写ベルト10上に重ね合わせされて一次転写される。これにより、中間転写ベルト10上にカラーのトナー像が形成される。トナー像は、中間転写ベルト10に担持され、中間転写ベルト10の走行方向に沿って移動(搬送)される。なお、作像部20の構成は、別途、図2を参照して詳述する。
【0018】
画像形成装置100は、中間転写ベルト10の下方に2次転写ユニット22を備える。2次転写ユニット22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を架け渡し、中間転写ベルト10を押し上げて第3支持ローラ16に押し当てるようにして配置されている。2次転写ベルト24は、中間転写ベルト10上に形成されたトナー像を、記録媒体P上に二次転写させることができる。
【0019】
また画像形成装置100は、2次転写装置22の側方に、定着ユニット25を備える。定着ユニット25は、トナー像が二次転写された状態で搬送されてきた記録媒体P上のトナー像を記録媒体Pに定着させる。定着ユニット25は、無端ベルトである定着ローラ26と、加圧ローラ27とを備え、定着ローラ26及び加圧ローラ27による熱と圧力とにより、記録媒体Pの表面に転写されたトナー像を記録媒体Pに定着させることができる。
【0020】
さらに画像形成装置100は、2次転写ユニット22、及び定着ユニット25の下方に、表面に画像形成された直後の記録媒体Pの裏面にも画像形成するために、記録媒体Pの表裏を反転させて送り出すシート反転ユニット28を備える。
【0021】
次に、画像形成装置100において、記録媒体P上に画像が形成される一連の流れを説明する。
【0022】
画像形成装置100は、操作部(図示を省略)における「コピー」のスタートボタンが押されると、原稿自動搬送部であるADF(Auto Document Feeder)400の原稿給紙台501上に原稿が載置されている場合には、ADF400に、原稿をコンタクトガラス502上に向けて搬送させる。一方、原稿給紙台501上に原稿が載置されていない場合には、コンタクトガラス502上に手置きされた原稿を読むために、第1キャリッジ503、及び第2キャリッジ504を備える画像読み取りユニット500を駆動させる。
【0023】
画像読み取りユニット500において、第1キャリッジ503に含まれる光源は、コンタクトガラス502に光を照射する。原稿面からの反射光は、第1キャリッジ503に含まれる第1ミラーにより第2キャリッジ504に向けて反射され、第2キャリッジ504に含まれるミラーで反射される。そして、原稿面からの反射光は、結像レンズ505により読取りセンサであるCCD(Charge Coupled Device)506の撮像面上で結像させられる。CCD506は原稿面の像を撮像し、CCD506により撮像された画像信号に基づいてY、M、C、Kの各色の画像データが生成される。
【0024】
また、画像形成装置100は、「プリント」のスタートボタンが押された時や、PC(Personal Computer)等の外部装置から画像形成の指示があった時、FAX(Facsimile)の出力指示があった時には、中間転写ベルト10の回動駆動を開始させるとともに、作像部20の各ユニットの作像準備を行う。
【0025】
その後、画像形成装置100は、各色の作像プロセスを開始する。各色用の感光体ドラム40に各色の画像データに基づいて変調されたレーザが照射され、静電潜像が形成される。そして、静電潜像が現像された各色のトナー像が、中間転写ベルト10上に、一枚の画像として重ね合わされて形成される。
【0026】
その後、中間転写ベルト10上のトナー画像の先端が2次転写ユニット22に進入するタイミングで、記録媒体Pの先端が2次転写ユニット22に進入するように、タイミングをはかって記録媒体Pが2次転写ユニット22に送り込まれる。そして、2次転写ユニット22により、中間転写ベルト10上のトナー像が記録媒体Pに二次転写される。トナー像が二次転写された用紙は、定着ユニット25に送り込まれ、トナー像が記録媒体Pに定着される。
【0027】
ここで、二次転写位置までの記録媒体Pの給紙について説明する。記録媒体Pは、給紙テーブル200の給紙ローラ42のうちの1つが回転駆動することで、給紙ユニット43に多段に備えられた給紙トレイ44のうちの1つから繰り出される。その後、分離ローラ45で1枚だけ分離され、搬送コロユニット46に進入し、搬送ローラ47により搬送される。その後、画像形成装置100内の搬送コロユニット48に導かれ、搬送コロユニット48のレジストローラ49に突き当てられて一時停止された後、上述したように、2次転写のタイミングに合わせて2次転写ユニット22に向けて送り出される。
【0028】
また、ユーザが手差しトレイ51に記録媒体Pを差し込んで給紙することもできる。ユーザが手差しトレイ51に記録媒体Pを差し込んだ場合には、画像形成装置100は、給紙ローラ50を回転駆動して手差しトレイ51上の記録媒体Pの一枚を分離して手差し給紙路53に引き込む。そして、上述したものと同様に、レジストローラ49に突き当てて一旦停止させてから、上述した2次転写のタイミングに合わせて2次転写ユニット22に送り出す。
【0029】
定着ユニット25で定着されて排出された記録媒体Pは、切換爪55で排出ローラ56に案内され、排出ローラ56により排出されて、排紙トレイ57上にスタックされる。或いは、切換爪55でシート反転ユニット28に案内され、シート反転ユニット28により反転されて再び二次転写位置に導かれる。その後、記録媒体Pの裏面にも画像が形成された後、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。
【0030】
一方、画像転写後の中間転写ベルト10上に残留する残留トナーは、中間転写体クリーニングユニット17で除去され、再度の画像形成に備えられる。
【0031】
画像形成装置100は、このようにして、記録媒体Pにカラー画像を形成することができる。
【0032】
<作像部20の構成>
次に、画像形成装置100の備える作像部20について説明する。図2は、作像部20の構成の一例を説明する図である。図2は、黒色用の作像部20Kの構成の一例を示している。その他の3色の作像部20Y、20M、及び20Cは、それぞれ作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、黒色用の作像部20Kと同じに構成される。そのため、図示と説明を省略し、黒色用の作像部20Kのみを説明する。
【0033】
作像部20Kは、感光体ドラム40と、帯電ローラ18と、現像器29と、クリーニングブレード13と、除電器19とを有する。
【0034】
感光体ドラム40は負帯電性の有機感光体であり、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。感光体ドラム40は、基層としての導電性支持体上に絶縁層である下引き層と、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層と、保護層等の表面層とが順次積層されて構成されている。感光体ドラム40の導電性支持体には、体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料等を用いることができる。
【0035】
帯電ローラ18は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材である。直流電圧に交流電圧を重畳させた帯電バイアスが帯電用高圧電源180から帯電ローラ18に印加されることで、帯電ローラ18に対向する感光体ドラム40の表面は帯電する。帯電ローラ18の汚れを除去するクリーニングローラを帯電ローラ18に接触させて設置する構成としてもよい。
【0036】
現像器29は、感光体ドラム40に対向する現像ローラ29aを備える。現像ローラ29aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブとを備える。マグネットによって現像ローラ29a上に複数の磁極が形成され、現像ローラ29a上に現像剤が担持される。
【0037】
クリーニングブレード13は、感光体ドラム40表面に付着する未転写トナー等の付着物を機械的に掻き取る。クリーニングブレード13は、ウレタンゴム等のゴム材料からなり略板状に形成されたブレード状部材であり、感光体ドラム40表面に所定角度且つ所定圧力で当接する。
【0038】
除電器19は、トナー像が転写された後に感光体ドラム40表面の電荷を除去する。
【0039】
帯電ローラ18で帯電された感光体ドラム40は、画像データに応じて光ビーム走査部21で露光される。これにより感光体ドラム40表面には静電潜像が形成される。現像器29は、感光体ドラム40表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。これにより感光体ドラム40表面にトナー像が現像される。
【0040】
転写用高圧電源621で生成された電圧が一次転写ローラ62に印加されることで、感光体ドラム40表面のトナー像は、中間転写ベルト10に一次転写される。中間転写ベルト10のトナー像は、二次転写ユニット22で記録媒体Pに転写され、定着ユニット25で記録媒体Pに定着される。感光体ドラム40表面の残トナー等はクリーニングブレード13で除去される。感光体ドラム40表面の電荷は、除電器19により除去される。
【0041】
カラー印刷の場合、同様の構成が色毎に4つ備えられ、色毎で中間転写ベルト10にトナー像が転写され、その後に二次転写及び定着プロセスが実行される。
【0042】
実施形態では、帯電ローラ18は感光体ドラム40に近接し、感光体ドラム40に対し非接触な状態で配置されている。このように、感光体ドラム40と帯電ローラ18との間に微小な空隙を設定する帯電方式は、非接触帯電方式と呼ばれる。この方式によれば、感光体ドラム40と帯電ローラ18を接触させて用いる接触帯電方式に比べ、感光体ドラム40上に残留するトナーや潤滑剤などの異物が帯電ローラ18に付着しづらいため、異物の付着による帯電ムラを抑えることができる等の効果が得られる。但し、実施形態は、非接触帯電方式に限定されるものではなく、接触帯電方式であってもよい。
【0043】
[第1実施形態]
<帯電用高圧電源180の構成>
次に、第1実施形態に係る帯電用高圧電源180の構成を、図3を参照して説明する。ここで、図3は、帯電用高圧電源180の構成の一例を説明する図である。
【0044】
図3に示すように、帯電用高圧電源180は、AC生成回路160と、DC(Direct Current)生成回路130と、カップリングコンデンサC1とを備える。
【0045】
これらのうち、交流電圧生成部の一例としてのAC生成回路160は交流電圧を生成する電気回路であり、駆動回路161と、交流トランス162と、制御回路163とを備えている。
【0046】
駆動回路161は交流トランス162を駆動させる電気回路である。
【0047】
交流トランス162は、駆動回路161により駆動されることで交流電圧を生成する。交流トランス162の一次側は複巻きコイルにより構成されている。また交流トランス162の二次側コイルの一端は負荷150に接続され、他端はDC生成回路130(直流トランス132の二次側コイルの一端)及びカップリングコンデンサC1のそれぞれに接続されている。交流トランス162によって生成される交流電圧は、DC生成回路130によって生成された直流電圧が重畳されて負荷150へ印加される。
【0048】
制御回路163は、交流トランス162の複巻きコイルに発生する電流量に基づき、駆動回路161へ駆動回路制御信号を供給して、交流トランス162によって生成される交流電圧を制御する。これにより、交流トランス162によって生成される交流電圧が上位のコントローラ(図示省略)から入力される交流制御信号の示す目標電圧となるようにしている。
【0049】
また、直流電圧生成部の一例としてのDC生成回路130は、直流電圧を生成する電気回路である。DC生成回路130は、駆動回路131と、直流トランス132と、制御回路140と、電流検出回路170と、補正部の一例としての補正回路210と、遅延部の一例としての遅延回路220とを備える。
【0050】
これらのうち、駆動回路131は直流トランス132を駆動させる電気回路である。
【0051】
直流トランス132は、駆動回路131により駆動されることで、入力電圧から入力電圧よりも高電圧の直流電圧を生成する。直流トランス132によって生成された直流電圧は、AC生成回路160によって生成された交流電圧に重畳されて、負荷150へ印加される。
【0052】
直流トランス132の二次側コイルの一端は、AC生成回路160(交流トランス162の二次側コイルの他端)に接続されている。直流トランス132の一次側は複巻きコイルにより構成されている。直流トランス132の両端は整流コンデンサC2に接続されている。これにより二次側に流れる直流電流を、帯電用高圧電源180の外部に流れるものと帯電用高圧電源180の内部に流れるものに分離している。ここで、図3に示した太い一点鎖線152は、帯電用高圧電源180の外部に流れる直流電流を示しており、太い二点鎖線153は、帯電用高圧電源180の内部に流れる直流電流を示している。
【0053】
制御回路140は、直流トランス132の複巻きコイルに発生する電流量に基づき、駆動回路131へ駆動回路制御信号を供給することにより、直流トランス132によって生成される直流電圧を制御する。
【0054】
例えば、制御回路140は、直流トランス132の複巻きコイルに発生する電流量が、上位のコントローラから入力される直流制御信号の示す目標電圧に対応する電流量より小さい場合、駆動回路131の制御値を高める。反対に、制御回路140は、直流トランス132の複巻きコイルに発生する電流量が、上位のコントローラから入力される直流制御信号の示す目標電圧に対応する電流量よりも大きい場合、駆動回路131の制御値を低める。これにより、制御回路140は、DC生成回路130の出力電圧が直流制御信号の示す目標電圧となるように定電圧制御する。直流トランス132の複巻きコイルに発生する電流量を用いることで、簡単な回路構成で定電圧制御を実行可能にしている。
【0055】
電流検出部の一例としての電流検出回路170は、DC生成回路130と基準電位部との間に設けられ、帯電用高圧電源180の出力直流電流を検出し、出力直流電流を示す電流検出信号を上位のコントローラへ出力する。電流検出回路170は、基準電位部に接続することで接地されている。
【0056】
上位コントローラでは、電流検出回路170により検出された出力直流電流に基づき、感光体ドラム40の表面電位を測定し、作像制御等を行うことができる。
【0057】
結合コンデンサの一例としてのカップリングコンデンサC1は、AC生成回路160とDC生成回路130との間に設けられている。カップリングコンデンサC1の一端は交流トランス162の二次側コイルの他端に接続され、カップリングコンデンサC1の他端は接地されている。
【0058】
カップリングコンデンサC1をこのように配置することで、AC生成回路160と負荷150との間を流れる交流電流のほとんどがカップリングコンデンサC1に流れ、DC生成回路130に流入することを防いでいる。ここで、図3に示した太い破線151は、カップリングコンデンサC1に流れる交流電流を示している。
【0059】
また、カップリングコンデンサC1は、交流電流のみを流すバイパスコンデンサの機能も備えている。
【0060】
補正回路210は、電流検出回路170と制御回路140との間に設けられ、出力直流電流に基づき、出力する直流電圧を補正する電気回路である。制御回路140は、直流トランス132の複巻きコイルに発生する電流量に基づき定電圧制御を行うため、パワー制御となり、出力直流電流が大きくなればなるほど出力電圧が小さくなる。そのため、補正回路210は、出力直流電流に応じた電圧低下を補正するように駆動回路制御信号の信号レベルを上げることで、出力する直流電圧を補正する。
【0061】
遅延回路220は、電流検出回路170と補正回路210との間に設けられ、補正回路210による直流電圧の補正を遅延させる電気回路である。帯電用高圧電源180はカップリングコンデンサC1を備えているため、起動時のカップリングコンデンサC1を充電する期間に大きな直流電流が流れる。
【0062】
補正回路210は、出力直流電流に応じた直流電圧低下を補正するように作動するため、これにより出力する直流電圧のオーバーシュートが発生する。そのため、遅延回路220は、既知のカップリングコンデンサC1の容量及び充電期間に基づき、補正回路210の作動開始時期、又は作動時間を遅延させ、カップリングコンデンサC1を充電する期間における過渡的な直流電流の変化を緩和させる。
【0063】
ここで、図4は、図3に示したA~Eの各位置における電流又は電圧状態の一例を示す図である。(a)は補正回路210ありで遅延回路220なしの場合を示し、(b)は補正回路210ありで遅延回路220ありの場合を示している。
【0064】
図4において、グラフ301及び311はA位置で制御回路140に入力する直流制御信号を示し、グラフ302及び312はB位置でカップリングコンデンサC1に入力する充電電流を示している。またグラフ313はC位置で遅延回路220から出力される補正信号を示し、グラフ304及び314はD位置で補正回路210により補正され、制御回路140から出力される駆動回路制御信号を示し、グラフ305及び315はE位置における出力直流電圧を示している。
【0065】
図4(a)では、カップリングコンデンサC1の充電期間に(グラフ302)、制御回路140から出力される駆動回路制御信号が過渡的に大きくなり(グラフ304)、出力直流電圧にオーバーシュートが発生している(グラフ305)。
【0066】
これに対し、図4(b)では、遅延回路220から出力される補正信号の作用により(グラフ313)、充電期間における制御回路140から出力される駆動回路制御信号の過渡的な増大が抑制され(グラフ314)、出力直流電圧のオーバーシュートが抑制されている(グラフ315)。
【0067】
<帯電用高圧電源180の作用効果>
次に、帯電用高圧電源180の作用効果について説明する。まず、説明に先立ち、比較例に係る帯電用高圧電源180'の構成を、図5を参照して説明する。ここで、図5は比較例に係る帯電用高圧電源180'の構成を示す図である。なお、図5において、同一の機能を有する構成部には同一の部品番号を付し、重複する説明を省略する。
【0068】
図5に示すように、帯電用高圧電源180'は、交流トランス162の二次側コイルと負荷150との間に設けられ、帯電用高圧電源180'の出力直流電流を検出する電流検出回路170'を備えている。
【0069】
電流検出回路170'は、帯電用高圧電源180'の高電位側で出力直流電流を検出するため、高電圧に対応した素子を用いて電気回路を構成するか、或いは絶縁で電流を検出することが好ましい。何れの場合においても電流検出回路170'のコストは増大し、電気回路の構成も複雑になる。また、電流検出回路170'には、交流電流と直流電流が同時に流れるため、それらのうちの直流電流のみを検出するための構成が必要となる。そのため、さらにコストが増大し、回路構成が複雑化する。
【0070】
これに対し、本実施形態では、帯電用高圧電源180の出力直流電流を検出する電流検出回路170を、DC生成回路130と基準電位部との間に設けている。換言すると、帯電用高圧電源180は、電流検出回路170を帯電用高圧電源180の低電位側に設けている。これにより、高電圧に対応した素子を用いて電気回路を構成すること及び絶縁で電流を検出することを何れも必要とせず、また特別な演算又は制御を行うことなく、低コストで且つ簡単な装置構成で出力直流電流を検出できる。
【0071】
また本実施形態では、整流コンデンサC2により二次側に流れる直流電流を帯電用高圧電源180の外部に流れるものと帯電用高圧電源180の内部に流れるものに分離し、またカップリングコンデンサC1により交流電流がDC生成回路130に流れることを防いでいる。これにより、電流検出回路170に直流電流のみを流すことができ、直流電流のみを抽出する構成を設けることなく、簡単な構成で帯電用高圧電源180の出力直流電流を高精度に検出することができる。
【0072】
また本実施形態では、直流トランス132の複巻きコイルに発生する電流量に基づき、駆動回路131へ駆動回路制御信号を供給し、直流トランス132によって生成される直流電圧を制御する。これにより、簡単な回路構成で定電圧制御を実行することができる。
【0073】
また本実施形態では、補正回路210を備え、出力直流電流に基づき、出力直流電圧を補正する。これにより、出力直流電流の増大に伴う出力直流電圧の低下を抑制でき、直流電圧を安定して出力することができる。
【0074】
また本実施形態では、遅延回路220を備え、補正回路210による出力直流電圧の補正を遅延させる。これにより、カップリングコンデンサC1の充電期間における過渡的な直流電流の増大に起因した出力直流電圧のオーバーシュートを抑制でき、直流電圧を安定して出力することができる。
【0075】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る帯電用高圧電源180aについて説明する。
【0076】
ここで、DC生成回路130の起動時には、カップリングコンデンサC1が充電を行うため、起動が遅れる場合がある。そのため本実施形態では、制御回路140aは、DC生成回路130の起動後、予め定められたカップリングコンデンサC1の充電期間が経過するまでは、所定の目標電圧より大きい電圧の直流制御信号を入力する。これにより、カップリングコンデンサC1の充電期間を短縮し、DC生成回路130の起動を高速化する。
【0077】
図6は、帯電用高圧電源180aの構成の一例を説明する図である。図6に示すように、帯電用高圧電源180aは制御回路140aを備えている。制御回路140aに直流制御信号を出力する上位コントローラは、ROM(Read Only Memory)230を参照して予め定められたカップリングコンデンサC1の充電時間を示す情報を取得する。そして、この充電時間に対応する期間だけ、所定の目標電圧より大きい電圧を示す直流制御信号を制御回路140aに出力する。制御回路140aは、入力した直流制御信号の示す電圧になるように定電圧制御を行う。
【0078】
図7は、図6に示したA~Eの各位置における電流又は電圧状態の一例を示す図であり、(a)は目標電圧を示す直流制御信号を用いる場合を示す図、(b)は目標電圧より大きい電圧を示す直流制御信号を用いる場合を示す図である。図7(a)は、図4(b)と同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0079】
図7(b)において、グラフ321は、A位置で制御回路140aに入力する直流制御信号を示している。グラフ321における電圧3211は所定の目標電圧より大きい電圧に該当し、電圧3212は所定の目標電圧に該当する。直流制御信号が電圧3212を示す期間は、カップリングコンデンサC1の充電期間に対応する。
【0080】
直流制御信号が電圧3212を示すことで、充電時間にカップリングコンデンサC1に対してグラフ312と比較してより多くの充電電流が流れる(グラフ322)。そして充電期間における制御回路140から出力される駆動回路制御信号がグラフ314と比較してより大きくなり(グラフ324)、出力直流電圧が目標電圧に到達する期間がグラフ314と比較してより短縮される(グラフ325)。
【0081】
このようにして、本実施形態では、制御回路140aが、DC生成回路130の起動後、予め定められたカップリングコンデンサC1の充電期間が経過するまでは、所定の目標電圧より大きい電圧の直流制御信号を入力することで、カップリングコンデンサC1の充電期間を短縮し、DC生成回路130の起動を高速化することができる。
【0082】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る画像形成装置100bについて説明する。
【0083】
図8は、画像形成装置100bの構成の一例を示す図である。図8に示すように、画像形成装置100bは、電源制御部240と、帯電用高圧電源180bとを備える。
【0084】
電源制御部240は、所定のプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により構成され、電流検出回路170に電気的に接続されている。電源制御部240は、電流検出回路170により検出される出力直流電流に基づき、帯電用高圧電源180bを制御する。また、電源制御部240は、ROM230を参照して予め定められたカップリングコンデンサC1の充電時間を示す情報を取得し、この充電時間に対応する期間だけ、所定の目標電圧より大きい電圧を示す直流制御信号を制御回路140bに出力する。
【0085】
また、電流検出回路170により検出される出力直流電流が安定した場合に、所定の目標電圧を示す直流制御信号を制御回路140bに出力する。この「電流検出回路170により検出される出力直流電流が安定した場合」は、「出力直流電流が所定の状態になった場合」に対応し、カップリングコンデンサC1が充電を完了したことを表している。出力直流電流が安定したか否かは、予め定めた電流範囲内に出力直流電流が収まったか否かを判定すること等により判定できる。制御回路140bは、入力した直流制御信号の示す電圧になるように定電圧制御を行う。
【0086】
ここで、図9は、直流制御信号とカップリングコンデンサの充電電流の一例を示す図である。グラフ331は、図8のA位置で制御回路140bに入力する直流制御信号を示している。グラフ331における電圧3311(斜線ハッチング部分)は所定の目標電圧より大きい電圧に該当し、電圧3312は所定の目標電圧に該当する。また、グラフ332(格子ハッチング部分)は、図8のB位置でカップリングコンデンサC1に入力する充電電流を示している。
【0087】
電源制御部240は、電流検出回路170により検出される出力直流電流が安定した場合に、カップリングコンデンサC1の充電完了を検知し、直流制御信号を所定の目標電圧を示すものに戻す。これにより、カップリングコンデンサC1の充電期間を短縮し、DC生成回路130の起動を高速化することができる。
【0088】
なお、電源制御部240の構成は、CPUに限定されるものではなく、電気回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電子回路等で構成することもできる。
【0089】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る帯電用高圧電源180cについて説明する。
【0090】
図10は、帯電用高圧電源180cの構成の一例を示す図である。図10に示すように、帯電用高圧電源180cは、第1遅延部の一例としての第1遅延回路221と、第2遅延部の一例としての第2遅延回路222と、温度検出部の一例としての温度センサ250と、切替部の一例としての切替回路251とを備える。
【0091】
第1遅延回路221及び第2遅延回路222は遅延定数の異なる電気回路である。第1遅延回路221は第1遅延時間だけ、補正回路210による補正を遅延させ、第2遅延回路222は第1遅延時間とは異なる第2遅延時間だけ、補正回路210による補正を遅延させることができる。
【0092】
温度センサ250は、帯電用高圧電源180cの周囲の温度を検出し、検出結果の温度を示す情報を切替回路251に出力する。切替回路251は、入力した温度情報に基づき、補正回路210を遅延させる遅延回路を第1遅延回路221、又は第2遅延回路222の何れか一方に切り替える。この帯電用高圧電源180cの周囲の温度と、第1遅延回路221、又は第2遅延回路222との対応関係は予め定められている。
【0093】
帯電用高圧電源の回路構成や使用する部品によっては、帯電用高圧電源の周囲の温度によって充電期間の差が大きくなる。これに対し、本実施形態では、温度に応じて遅延回路を第1遅延回路221、又は第2遅延回路222の何れか一方に切り替えることで、遅延時間を適正化することができる。
【0094】
なお、本実施形態では、帯電用高圧電源180cが第1遅延回路221と第2遅延回路222の2つの遅延回路を備える例を示したが、帯電用高圧電源180cは2以上の遅延回路を備えることもできる。
【0095】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る帯電用高圧電源180dについて説明する。
【0096】
帯電用高圧電源の出力直流電流は、温度に応じて変動する場合があるが、出力直流電流を検出して感光体ドラム40の表面電位を正確に測定するためには、出力直流電流の検出回路の温度変動が少ないことが好ましい。
【0097】
そのため、本実施形態では、抵抗器とコンデンサのみを含んで電流検出回路を構成し、また、電流検出回路と他の電気回路との間での電流の往来を防止する防止部を設けることで、電流検出回路の温度変動を抑制する。
【0098】
図11は、本実施形態に係る帯電用高圧電源180dの構成の一例を示す図である。図11に示すように、帯電用高圧電源180dは、電流検出回路171と、防止部の一例としての変動防止回路260と、CPU270とを備える。
【0099】
電流検出回路171は、抵抗器1711とコンデンサ1712のみを含んで構成され、帯電用高圧電源180dの出力直流電流を検出する。
【0100】
変動防止回路260は、電流検出回路171と、遅延回路220又は補正回路210等の他の電気回路との間に設けられ、電流検出回路171と他の電気回路との間で電流の往来を防止する。このような変動防止回路260は、例えば1つのオペアンプを含むバッファ回路等により構成することができる。
【0101】
CPU270は、補正回路210及び遅延回路220のそれぞれに接続され、補正回路210及び遅延回路220のそれぞれの機能を補助するように動作する。
【0102】
このように、抵抗器1711とコンデンサ1712のみを含んで構成することで電流検出回路171の構成を簡略化すること、また変動防止回路260により電流検出回路171と他の電気回路との間での電流の往来を防止することで、電流検出回路171の温度変動を抑制できる。
【0103】
またCPU270により補正回路210及び遅延回路220のそれぞれの機能を補助することで、補正回路210及び遅延回路220のそれぞれの回路構成を簡略化し、電流検出回路171の温度変動を抑制できる。
【0104】
電流検出回路171の温度変動の抑制により、感光体ドラム40の表面電位を正確に測定することができる。
【0105】
以上、本発明の実施形態の例について記述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0106】
18 帯電ローラ(帯電部材の一例)
40 感光体ドラム(像担持体の一例)
130 DC生成回路(直流電圧生成部の一例)
131 駆動回路
132 直流トランス
140 制御回路(制御部の一例)
150 負荷
160 AC生成回路(交流電圧生成部の一例)
161 駆動回路
162 交流トランス
163 制御回路
170、171 電流検出回路(電流検出部の一例)
1711 抵抗器
1712 コンデンサ
180 帯電用高圧電源(電源の一例)
210 補正回路(補正部の一例)
220 遅延回路(遅延部の一例)
221 第1遅延回路
222 第2遅延回路
230 ROM
240 電源制御部
250 温度センサ(温度検出部の一例)
251 切替回路(切替部の一例)
260 変動防止回路(防止部の一例)
C1 カップリングコンデンサ(結合コンデンサの一例)
C2 整流コンデンサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【文献】特許5546269号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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