(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41M 5/00 20060101AFI20231212BHJP
C09D 11/322 20140101ALI20231212BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B41M5/00 120
C09D11/322
B41J2/01 127
B41J2/01 305
B41J2/01 501
B41M5/00 100
(21)【出願番号】P 2020016203
(22)【出願日】2020-02-03
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】小島 さゆり
(72)【発明者】
【氏名】横濱 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】玉井 崇詞
(72)【発明者】
【氏名】高橋 聡
(72)【発明者】
【氏名】今永 之弘
(72)【発明者】
【氏名】宮明 杏実
(72)【発明者】
【氏名】杉田 健人
(72)【発明者】
【氏名】大山 光一朗
(72)【発明者】
【氏名】吉川 徹
(72)【発明者】
【氏名】黒羽 みずき
(72)【発明者】
【氏名】神原 一暁
(72)【発明者】
【氏名】小川 雅人
(72)【発明者】
【氏名】浅田 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】野沢 健二
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 佳弘
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-207117(JP,A)
【文献】特開2016-216584(JP,A)
【文献】特開2009-148904(JP,A)
【文献】特開2011-031600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/00
C09D 11/322
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水及び有機溶剤を含むインクと、前記インクを記録媒体上に付与する付与手段と、前記記録媒体に、ピーク波長が300nm~450nmの光を照射する照射手段と、を有する画像形成装置であって、
以下の(A)及び(B)を満たすインクを少なくとも一種有
し、
前記インクは、スチレンアクリル系樹脂及びウレタン系樹脂を含むことを特徴とする画像形成装置。
(A)インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgが20℃~80℃である。
(B)インクを水で2000倍に希釈した希釈液における、測定光を385nmとしたときの吸光度が0.5~3.0である。
【請求項2】
前記インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgが30℃~70℃であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記(B)を満たすインクを二種以上有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
種類の異なるインクを複数有し、全てのインクで前記(A)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
全てのインクで前記(B)を満たすことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記照射手段は、光源としてLEDが用いられていることを特徴とする請求項1~
5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
2つの円柱状の部材により前記記録媒体を挟み込んで搬送させるコロ搬送手段を備え、
前記記録媒体の搬送方向において、上流側から前記付与手段、前記照射手段、前記コロ搬送手段の順に備えられ、前記記録媒体の両面に画像を形成する場合、前記照射手段により光照射がされた後、前記コロ搬送手段により前記記録媒体が搬送されることを特徴とする請求項1~
6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記照射手段は、該照射手段を覆う開閉可能な第1のカバー部材と、該第1のカバー部材を覆う開閉可能な第2のカバー部材とに覆われており、前記第2のカバー部材が閉じられている場合に光照射を行うことを特徴とする請求項1~
7のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクジェット方式による画像形成においては、インクを吐出した後、インクを乾燥させる手段として、IR(赤外)ランプ等を用いることが知られている。
【0003】
IRランプによる乾燥方式は、照射される波長が3000nm付近であり、水分子を振動させるエネルギーを持っているため、インクを乾燥させるのと同時に、インクが吐出されていない領域であり、画像が形成されていない領域(白紙部)まで加熱されて記録媒体の水分が飛んでしまう。このため、印刷物を出力後に含水率が低下した白紙部が大気中の水分を再吸湿し、白紙部の波打ち(コックリングなどとも称する)が発生してしまう問題があった。
【0004】
また、インクジェット方式による画像形成において、UV硬化性のインク(UVインク)等のUV硬化性の材料を用いる技術が提案されている。例えば、特許文献1では、活性エネルギー線硬化型前処理液を記録媒体に塗布し、次いでインクジェット記録用水性インクを吐出した後、UV照射を行っていることが開示されている。
【0005】
しかしながら、乾燥システムにUVを用いた場合、紙の含水率低下は引き起こさないためコックリングを抑制することができるが、UV領域で吸収する成分を含まないインクセットを用いる場合など、UV乾燥では定着性に問題が生じることがある。
【0006】
特許文献2では、最大吸収波長が、波長430nm以上波長520nm以下の波長範囲にあり、前記最大吸収波長における吸光度と、波長365nmにおける吸光度との比率が1.20以上にすることが開示されている。特許文献2によれば、隠蔽性が高く、硬化性に優れるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術においては、用紙の波打ちを防止しつつ、擦過性が良好な画像を得ることについてはいまだ不十分である。
【0008】
そこで本発明は、用紙の波打ちを防止し、擦過性が良好な画像が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、水及び有機溶剤を含むインクと、前記インクを記録媒体上に付与する付与手段と、前記記録媒体に、ピーク波長が300nm~450nmの光を照射する照射手段と、を有する画像形成装置であって、以下の(A)及び(B)を満たすインクを少なくとも一種有し、前記インクは、スチレンアクリル系樹脂及びウレタン系樹脂を含むことを特徴とする。
(A)インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgが20℃~80℃である。
(B)インクを水で2000倍に希釈した希釈液における、測定光を385nmとしたときの吸光度が0.5~3.0である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、用紙の波打ちを防止し、擦過性が良好な画像が得られる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る画像形成装置の一例における概略図である。
【
図3】照射手段のカバーの構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0013】
(画像形成装置)
本実施形態の画像形成装置は、水及び有機溶剤を含むインクと、前記インクを記録媒体上に付与する付与手段と、前記記録媒体に、ピーク波長が300nm~450nmの光を照射する照射手段と、を有する画像形成装置であって、以下の(A)及び(B)を満たすインクを少なくとも一種有することを特徴とする。
(A)インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgが20℃~80℃である。
(B)インクを水で2000倍に希釈した希釈液における、測定光を385nmとしたときの吸光度が0.5~3.0である。
【0014】
本実施形態によれば、用紙の波打ち(コックリング)を防止し、擦過性が良好な画像を得ることができる。また、記録媒体における画像が形成されていない領域のコックリングを防止でき、ブロッキング及び擦過性が良好な画像が得られる。以下、記録媒体における画像が形成されていない領域を「白紙部」と称することがあるが、画像が形成されていない領域の色や記録媒体の色は白色に限られるものではない。また、液体組成物が付与された領域を画像が形成されている領域と称し、画像としては有色、無色を問わない。
【0015】
また、照射手段が照射する光を「UV」や「UV光」などとして説明することがあるが、本発明においてはピーク波長が300nm~450nmであればよく、UVに限られるものではない。同様に、照射手段の一例としてUV照射装置を挙げて説明しているが、これに限られるものではない。
【0016】
<画像形成装置の一例>
図1に本実施形態の画像形成装置を示す。本実施形態では、付与手段としてインクジェット方式を用いており、本実施形態の画像形成装置はインクジェット印刷装置などとも称することができる。
【0017】
本実施形態の画像形成装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400、両面印刷用の反転部500からなる。
給紙部100の給紙トレイ110から給送装置120により1枚ずつ用紙Pが搬送され、レジストローラ対130で一時停止した後、所定のタイミングで画像形成部200に給紙される。
【0018】
画像形成部200では受け取り胴201を経由して用紙担持ドラム210に用紙Pが搬送され、この用紙担持ドラム210上でインクジェットヘッド220(付与手段)により用紙Pに画像が形成される。なお、インクが付与された時点を画像が形成されたとしてもよいし、照射手段により光が照射された後の時点を画像が形成されたとしてもよい。
【0019】
本実施形態における付与手段は、インクジェットヘッド220C(シアン)、220M(マゼンタ)、220Y(イエロー)、220K(ブラック)、220W(ホワイト)を有しているが、これに限られるものではない。これらのうち1つだけであってもよいし、任意の複数であってもよい。また、配置についても図示されるものに限られない。なお、図中の矢印は用紙Pの搬送方向を示している。
【0020】
用紙Pにインクが付与された後、受け渡し胴202を経由して乾燥部30に用紙Pが搬送される。乾燥部300では乾燥搬送ベルト302上で用紙Pが搬送され、UV光照射装置301(照射手段)がUV光を用紙Pに照射することで、印字画像が乾燥する。
【0021】
図1では、UV光照射装置301が3つ図示されているが、これに限られるものではない。UV光照射装置301は1つであってもよいし、複数備えられていてもよい。1つのUV光照射装置で乾燥に必要な光量を賄おうとすると装置が大型になることがあるため、小型のUV光照射装置を複数並べて使用することにより、装置の大型化を防止でき、更にはメンテナンス時の取り扱いを容易にすることができる。
【0022】
光照射された後、片面印刷の場合、用紙Pは反転部500を通過し、排紙部400の排紙トレイ410に排紙される。両面印刷の場合、用紙Pは分岐爪により搬送コロ510を経由して反転コロ520まで搬送される。ここで用紙Pは一旦停止した後、スイッチバックして逆方向に搬送される。スイッチバックした用紙Pは両面パスの搬送コロ530、540、550を経て、給紙部のレジストローラ対130に再合流し、裏面の画像形成を開始する。
【0023】
次に、乾燥部300による乾燥の詳細を説明する。本実施形態におけるUV光照射装置301の模式図を
図2に示す。
図2は、UV光照射装置301を用紙Pや乾燥搬送ベルト302側から見た場合の模式図である。
【0024】
本実施形態では、UV光照射装置301における、用紙Pや乾燥搬送ベルト302と対向する面をUV光照射面311としており、UV光照射面311においてUV-LED発光素子312が碁盤の目状に設けられている。1個1個のUV-LED発光素子312が同一の照度で発光することで、UV光照射装置301全体としては、UV光照射面311に沿って均一に発光している状態になる。照射される光の一例としては、例えばピーク波長が395nmで、波長分布が半値全幅約15nmのものが挙げられる。
【0025】
<付与手段>
付与手段は、インクを記録媒体上に付与する。付与手段としては、例えばインクジェットヘッド等を用いることができる。インクジェットヘッドを用いる場合、ライン型でもよいし、シリアル型でもよい。画像形成装置に備えられる付与手段の数としては、適宜変更することができ、1つであってもよいし、複数であってもよい。また、付与手段の配置は適宜変更することができる。
【0026】
<照射手段>
以下、本実施形態における照射手段の詳細を説明する。本実施形態における照射手段は、記録媒体に、ピーク波長が300nm~450nmの光を照射する。本実施形態において、照射手段により照射される光のピーク波長は、波長カットフィルタ等を介して記録媒体に照射する場合はフィルタ透過後で判断する。
【0027】
照射される光の波長が300nm~450nmである場合、乾燥時における白紙部の含水率が低下することを防止し、コックリングを改善することができる。例えば450nmを超える場合、インクを乾燥させるのと同時に、白紙部まで加熱されて記録媒体の水分が飛んでしまう。このため、含水率が低下した白紙部が出力後に大気中の水分を再吸湿してコックリングが発生してしまう。
【0028】
記録媒体への照射位置や照射手段の発光強度としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。また、画像形成装置に備えられる照射手段の数としては、適宜変更することができ、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0029】
照射手段としては、例えば紫外線照射装置(UV光照射装置などとも称する)を用いることができる。UV光を照射する場合は、特にピーク波長が300nm~400nmの光を照射することが好ましい。
【0030】
照射手段は、光源としてLEDが用いられていることが好ましく、中でも紫外線を発光する発光ダイオード(以下UV-LEDという)を用いることが好ましい。LEDを用いる場合、メタルハライドランプなどと異なり、波長カットフィルタを用いなくても、光源として波長が単一ピークでシャープになりやすく、例えば液体組成物としてインクを用いた場合にも、インクの色差による乾燥の進み方の差を減らすことができる。
【0031】
照射手段により照射される光の波長分布としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、半値全幅を約15nmとすることができる。
【0032】
照射手段は、該照射手段を覆う開閉可能な第1のカバー部材と、該第1のカバー部材を覆う開閉可能な第2のカバー部材とに覆われていることが好ましい。この場合、照射手段のカバーが二重になっているともいえる。
【0033】
また、この場合、光照射手段は第2のカバー部材が閉じられている場合に光照射を行うことが好ましい。例えば、照射手段のインターロックが外側のカバー(第2のカバー部材)と連動していることが好ましい。これにより、内側のカバー(第1のカバー部材)を開ける前に確実にUV光等の光が消えた状態にすれば、オペレーターがUV光を視てしまうことを防ぐことができる。
【0034】
カバー部材の材質としては、特に制限されるものではなく、照射手段の光を遮ることができるものであればよい。
【0035】
上記照射手段の構成例を
図3に示す。
図3(A)~(C)は、照射手段のカバーの構造を説明するための模式図である。例えば、
図1におけるUV光照射装置301が外側カバー310(第2のカバー部材)と内側カバー320(第1のカバー部材)の二重のカバー部材で囲われている構成とすることができる。
【0036】
図3(A)は、外側カバー310と内側カバー320の両方が閉じられた状態であり、本実施例ではこの状態でのみ光を照射する動作が可能になっている。
図3(B)は、オペレーターが外側カバー310のみを開けた状態である。外側カバー310にはUV光照射装置301のインターロック装置(突起331、スイッチ332)が設けられており、インターロックの突起331がスイッチ332に刺さった状態でのみUV光照射装置301に給電されるようになっている。これにより、外側カバー310を開けて突起331がスイッチ332から抜けた結果、UV光照射装置301への給電が途切れ、UV光が照射できなくなっている。
【0037】
図3(C)は、オペレーターが外側カバー310を開けた後、さらに内側カバー320を開けた状態である。この状態で初めて、オペレーターはUV光照射装置301を目視確認できるようになる。外側カバー310を開けた時点で既にUV光照射装置301への給電は途切れているため、内側カバー320を開けた時点ではUV光が照射されることはなく、オペレーターは安全に作業することができる。
【0038】
このような二重カバー構造になっていないと、インターロックが切れるのとUV光照射部をオペレーターが目視できるタイミングが同時になってしまい、UV光の消灯までの僅かなタイムラグでオペレーターがUV光を視てしまうリスクがある。しかし、本実施例のような二重カバー構造にすることで、外側カバー310を開けてから内側カバー320を開けるまでのオペレーターの作業のタイムラグが必ず生じるため、内側カバー320を開けた時点ではUV光が消灯済みであることを担保でき、安全度合いが増す。
【0039】
<コロ搬送手段>
本実施形態の画像形成装置は、記録媒体の片面に画像を形成してもよいし、両面に画像を形成してもよい。両面に画像を形成する場合、適宜変更することが可能であるが、本実施形態の画像形成装置は、2つの円柱状の部材により記録媒体を挟み込んで搬送させるコロ搬送手段を備えることが好ましい。
【0040】
コロ搬送手段を備える場合、記録媒体の搬送方向において、上流側から付与手段、照射手段、コロ搬送手段の順に備えられる。照射手段により光照射がされた後、コロ搬送手段により記録媒体が搬送されて、記録媒体の裏面(画像が形成されていない面)に対して再度、液体組成物の付与及び光照射が行われる。
【0041】
本実施形態によれば、記録媒体の先端を掴むグリッパー搬送に比べて、コロ搬送手段を用いる場合、簡易な構成で記録媒体を表裏反転させ両面印刷することができる。コロ搬送手段を用いる搬送方式(以下、コロ搬送とも称する)では、2つの円柱状の部材により記録媒体を挟み込んで搬送させるため、画像部(液体組成物が付与された部分)も含めて記録媒体を擦ることになる。しかし、本実施形態におけるインク及び照射手段を用いることにより、白紙部の波打ちを発生させずにインクを乾燥させることができ、コロ搬送による擦れ跡の無い良好な印刷画像を得ることができる。
【0042】
画像形成装置に備えられるコロ搬送手段としては、1つであってもよいし、複数であってもよい。また、記録媒体を反転させるために用いる場合もコロ搬送手段に含まれる。円柱状の部材(コロ部材などとも称する)としては、特に制限されるものではなく、径や軸方向の長さ、材質等は適宜変更することができる。
【0043】
本実施形態における両面印刷とコロ搬送について補足を説明する。
図1における両面印刷時の反転部500における用紙Pの挙動については、上述した通り、コロ搬送手段により、乾燥済みの印字画像が形成された用紙Pを挟んで搬送する際に画像面をコロ部材(円柱状の部材)で擦る力が働く。
図1の反転コロ520において、コロ部材の回転速度は、順回転で駆動する際、一時停止する際、逆回転で再駆動する際に変化する。このように、コロ部材の回転速度が変化する場合、画像面をコロで擦る力は特に大きくなる。
【0044】
コロ搬送された印字画像においては、印字画像の乾燥強度が不足している場合、コロで部材により擦られた箇所にキズや縦帯状の光沢ムラが発生してしまう。従来の乾燥方式では、乾燥強度を十分に強くしようとすると白紙部の波打ちが悪化してしまうため、コロ搬送でのキズや光沢ムラの抑制が困難だった。これに対して、本実施形態では、乾燥強度を十分に強くしても白紙部が波打たないため、コロ搬送でのキズや光沢ムラの抑制が可能となる。
【0045】
<インクの乾燥膜のガラス転移温度Tg及び希釈液における吸光度>
本実施形態の画像形成装置は、以下の(A)及び(B)を満たすインクを少なくとも一種有する。
(A)インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgが20℃~80℃である。
(B)インクを水で2000倍に希釈した希釈液における、測定光を385nmとしたときの吸光度が0.5~3.0である。
【0046】
まず(A)について説明する。本実施形態において、インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgは20~80℃である。この範囲である場合、画像面同士が接触した場合の画像剥がれに対する特性(ブロッキング性)や画像の擦過性が向上する。この範囲から外れる場合、良好なブロッキング性や擦過性が得られない。
【0047】
インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgは、30℃~70℃であることが好ましい。30℃以上の場合、光照射後の画像の熱に対する強度が増す。70℃以下の場合、光照射時により少ない発熱エネルギーで均一なインク膜を生成することができ、擦過性が向上する。
【0048】
インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgは、40℃~60℃であることがより好ましい。
40℃以上の場合、インクを記録媒体に付与し、照射手段により乾燥した後、記録媒体の搬送中に画像が形成された部分に対して加熱されたローラ等が接触した際の画像剥がれをより抑制することができる。60℃以下の場合、インクの打ち込み量が少なく、照射手段によるインクからの発熱が少ない場合であっても、スムーズに樹脂エマルションを溶融させることができる等の理由により、擦過性を更に向上させることができる。
【0049】
本実施形態において、インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgを測定する方法としては、以下のようにして行う。インク4gを均一に広がるように容器に入れ、70℃で18時間乾燥させた後、120℃で15分乾燥させて乾燥膜を得る。得られた乾燥膜について示差走査熱量計(DSC)(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて測定することにより、インクの乾燥膜のガラス転移温度Tgを求める。
【0050】
次に(B)について説明する。本実施形態において、インクを水で2000倍に希釈した希釈液における、測定光を385nmとしたときの吸光度が0.5~3.0である。この範囲である場合、照射手段によりピーク波長300~450nmの光を照射させたとき、光を吸収し、発熱するため、溶媒が揮発除去されやすくなる。これにより、画像の擦過性を向上させることができる。更に、(B)を満たしつつ上記(A)も満たすことにより、光照射による発熱によって、インク中に含まれる樹脂エマルションが溶融しやすくなる等の理由により膜化しやすくなるため、擦過性が更に向上する。この範囲から外れる場合、良好な擦過性が得られない。
【0051】
本実施形態において、インクを水で2000倍に希釈した希釈液における、測定光を385nmとしたときの吸光度を測定する方法としては、以下のようにして行う。インクを純水で2000倍に希釈して希釈液を得て、得られた希釈液を分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、分光光度計U-3900)を用いて測定する。
【0052】
本実施形態の画像形成装置は、前記(B)を満たすインクを二種以上有することが好ましい。前記希釈液における、前記吸光度が0.5~3.0であるインクを用いることで、光を吸収して発熱するエネルギーにより溶媒が揮発除去されやすくなる。そして、前記(B)を満たすインクを二種以上用いることで、溶媒の揮発と樹脂エマルションの溶融が均一に進みやすくなる等の理由により、擦過性が更に向上し、より好ましい。
【0053】
また、本実施形態の画像形成装置が種類の異なる複数のインクを有する場合、全てのインクが前記(A)を満たすことが好ましい。この場合、ブロッキング性及び擦過性を更に向上させることができる。また、全てのインクで前記(A)及び前記(B)を満たすことが更に好ましい。この場合、ブロッキング性及び擦過性を更に向上させることができる。
【0054】
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
【0055】
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
本実施形態に用いられるインクは、スチレンアクリル系樹脂及びウレタン系樹脂を含むことが好ましい。スチレンアクリル系樹脂及びウレタン系樹脂を含有する画像は、様々な環境下での耐擦過性を向上することが期待される。
【0057】
前記ウレタン系樹脂を含有する画像は、前記ウレタン系樹脂がスチレンアクリル系樹脂より硬度が低く弾性が高いため、耐擦過性が高くなる傾向にある。一方、前記ウレタン系樹脂を含有する画像は、スチレンアクリル系樹脂を含有する画像の場合よりも、高温多湿度環境下において吸湿しやすく画像のタック力が増加しやすく、画像同士での転写する問題が発生しやすくなる。そのため、スチレンアクリル系樹脂とウレタン系樹脂とを併用することにより、擦過性及びブロッキング性を更に向上させることができる。
【0058】
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
【0059】
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
【0060】
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、顔料として、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
【0061】
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
【0062】
顔料を分散してインクを得る方法としては、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤として、竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0063】
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
【0064】
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
【0065】
有機溶剤として、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
【0066】
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
【0067】
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0068】
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0069】
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
【0070】
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0071】
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
【0072】
【0073】
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
【0074】
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4~16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
【0075】
【0076】
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。
【0077】
【0078】
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1~6の整数、又はCH2CH(OH)CH2-CmF2m+1でmは4~6の整数、又はCpH2p+1でpは1~19の整数である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、FS-31、FS-3100、FS-34、FS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
【0079】
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
【0080】
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
【0081】
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
【0082】
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0083】
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
【0084】
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
【実施例】
【0085】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り限定されるものではない。なお、以下「部」とあるのは「質量部」を表す。また、実施例10とあるのは、本発明に含まれない参考例10とする。
【0086】
(顔料分散体の調製例1)
<顔料分散体1の調製>
冷却用ジャケットを備えた混合槽に、カーボンブラック(商品名:Raven1080、コロンビヤンカーボン日本株式会社製)を1,000g、共重合体A溶液を800g、10%水酸化ナトリウム水溶液を143g、メチルエチルケトンを100g、及び水を1,957g仕込み、撹拌混合した。混合液を、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置(三井鉱山株式会社製、SCミルSC100)に通し、循環方式(分散装置より出た分散液を混合槽に戻す方式)により6時間分散した。分散装置の回転数は2,700回転/分間とし、冷却用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下に保たれるようにした。分散終了後、混合槽より分散原液を抜き取り、次いで、水10,000gで混合槽及び分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。ガラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、メチルエチルケトンの全量と水の一部を留去した。室温まで冷却後、撹拌しながら10%塩酸を滴下してpH4.5に調整した後、固形分をヌッチェ式濾過装置(日本化学機械製造株式会社製、加圧濾過機)で濾過し、水洗した。ケーキを容器に取り、20%水酸化カリウム水溶液200gを加えた後、ディスパ(特殊機化工業株式会社製、TKホモディスパー)にて分散し、更に水を加えて不揮発分を調整して、不揮発分20質量%のカーボンブラックが水酸化カリウム中で中和されたカルボキシル基含有スチレン-アクリル系共重合体で被覆された複合粒子として水性媒体中に分散した[顔料分散体1]を得た。
【0087】
(顔料分散体の調製例2)
<顔料分散体2の調製>
顔料分散体の調製例1において、カーボンブラックをシアンインクは、銅フタロシアニン(大日精化工業株式会社製、SEIKALIGHT BLUE A612)に変更した以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、[顔料分散体2]を得た。
【0088】
(インクの調製例1)
<インク1の調製>
3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン5質量%、1,2-プロパンジオール20質量%、グリセリン10質量%、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール2.0質量%、ポリエーテル変性シロキサン界面活性剤(TEGO Wet270、エボニック社製)0.75質量%、及びイオン交換水を加えて1時間撹拌し、均一に混合して、スチレンアクリル樹脂粒子(ポリゾールAP-1120、昭和電工株式会社製)3.0質量%、[ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子1](タケラックW6110、三井化学株式会社製、ガラス転移温度-20℃)3.0質量%を加えて更に1時間撹拌し均一に混合した後、[顔料分散体1]を固形分量が6質量%になるように加えて、更に1時間撹拌し均一に混合した。得られた混合液を平均孔径1.5μmポリプロピレンフィルター(プロファイルスター、日本ポール株式会社製)で濾過して、粗大粒子及びゴミを除去して、[インク1]を得た。組成及び含有量を表1に示す。
【0089】
(インクの調製例2~13)
<インク2~13の調製>
インクの調製例1において、表1、表2に記載の組成及び含有量に変化させた以外は、インクの調製例1と同様にして、[インク2~13]を得た。なお、表1、表2における組成の各数字の単位は「質量%」である。
【0090】
(測定)
<インクの乾燥膜のガラス転移点Tg>
上記得られたインク4gを均一に広がるように容器に入れ、70℃で18時間乾燥させた後、次いで120℃で15分乾燥させて固形物を得た。測定サンプルについて、各々の熱特性を示差走査熱量計(DSC)(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて、以下の条件にて測定した。具体的には以下のようにして測定した。
【0091】
-測定条件-
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(蓋有り)
サンプル量:5mg
リファレンスアルミニウム製サンプルパン(空の容器)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
開始温度:-80℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:1min
降温速度:10℃/min
終了温度:-80℃
保持時間:5min
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
以上の測定条件にて、測定を行い、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを作成した。
第二昇温過程にて観測される特徴的な変曲を、ガラス転移温度Tgとした。なお、この値は、DSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用した。
【0092】
<希釈液の吸光度測定方法>
上記得られたインクを純水で2000倍に希釈して希釈液を得て、希釈液を分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、分光光度計U-3900)を用いて下記条件にて測定した。
【0093】
-測定条件-
データモード:Abs
測光値の上限及び下限:0~4Abs
スキャンスピード:300nm/min
開始波長及び終了波長:900~200nm
初期待ち時間:0[s]
高分解能測定:Off
サンプリング間隔:0.5nm
スリット:2.0nm
光源切り替え:340nm
フォトマル電圧:自動切換え
ランプ:D2,WI
【0094】
上記インクの組成及び含有量並びに測定結果を表1、表2に示す。
【0095】
【0096】
【0097】
表1及び表2における各成分の詳細な内容は、以下のとおりである。
【0098】
3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン:宇部興産株式会社製
1,2-プロパンジオール:ADEKA社製
2-エチル-1,3-ヘキサンジオール:KHネオケム株式会社製
ロジン変性マレイン酸樹脂:ハリマ化成社製、ハリマックR-100
スチレンアクリル樹脂粒子:昭和電工株式会社製、ポリゾールAP-1120
ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子1:三井化学株式会社製、タケラックW6110、ガラス転移温度(Tg)-20℃
ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子2:三井化学株式会社製、タケラックW6061、ガラス転移温度(Tg)25℃
ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子3:三井化学株式会社製、タケラックW5661、ガラス転移温度(Tg)70℃
ポリエーテル変性シロキサン:エボニック社製、TEGO Wet270
【0099】
(実施例1~12及び比較例1~3)
次に、上記得られたインクを下記表3に示すように組み合わせ、コックリング、擦過性、ブロッキングについて下記の方法及び評価基準に従って評価した。
【0100】
実施例1~12及び比較例1、2については、
図2に示すUV乾燥装置を備えた
図1と同じ構成の画像形成装置を用いて印刷サンプルを得た。比較例3については、実施例1等で用いた画像形成装置において、照射手段をIRランプに変更した以外は、実施例1等と同様にして印刷サンプルを得た。
【0101】
なお、照射手段による光照射は、ピーク波長を395nmとし、波長分布については半値全幅を約15nmとした。また、印刷チャートは600dpiの解像度でブラックとシアンそれぞれの単色ベタ画像を印字した。
【0102】
<コックリング>
乾燥後の白紙部のコックリングを目視にて下記評価基準によって評価した。「△」以上が合格である。
[評価基準]
〇:白紙部の波打ちが見られない。
△:やや白紙部の波打ちが見られる。
×:明らかに白紙部に波打ちが見られる。
【0103】
<擦過性>
印字画像を常温で約24時間乾燥後、クロックメーターを利用して綿布で印字部を10回擦り、綿布への顔料の転写具合を目視観察し、下記評価基準により評価した。「△」以上が合格である。
[評価基準]
◎:綿布への転写が見られず、画像膜剥がれがない。
○:僅かに綿布への転写が見られるが、画像膜剥がれは見られない。
△:綿布への転写があるが、画像膜剥がれは見られない。
×:綿布への転写が目立ち、画像膜剥がれが起きている。
【0104】
<ブロッキング>
白紙にブラックインクのベタ画像を形成し、別の白紙にシアンインクのベタ画像を形成し、画像が形成された面を向かい合わせて重ね合わせ、5kgの荷重を加えて24時間放置した。その後、ブロッキングについて以下のように評価した。「△」以上が合格である。
[評価基準]
◎:隣接面を容易に引き剥がせ、且つ隣接画像面側への転写がない。
〇:隣接面を引き剥がす際に軽度の張り付きを感じるが、画像の転写がない。
△:隣接面を引き剥がす際に軽度の張り付きを感じ、僅かに隣接画像面側への転写がある。
×:隣接面に粘着があり、隣接画像面側への転写が著しい。
【0105】
【0106】
なお、表3中、「スチアクウレタン」とあるのは、表1や表2に示されるように、スチレンアクリル樹脂及びポリカーボネート系ウレタン樹脂を含むことを示す。同様に、「マレイン酸ウレタン」とあるのは、ロジン変性マレイン酸樹脂を含むことを示し、「ウレタン」とあるのは、ポリカーボネート系ウレタン樹脂を含むことを示す。
【0107】
上記示されるように、本実施例によれば、白紙部のコックリングを防止でき、ブロッキング性及び擦過性が良好な画像が得られることがわかる。
なお、表3中、実施例9~12において、ブラックインク又はシアンインクの擦過性が「×」となっているが、本発明の効果を否定するものではない。例えば実施例9、10において、シアンインクが(B)を満たしておらず、シアンインクの擦過性評価が劣っているが、(A)及び(B)を満たすブラックインクでは擦過性が合格レベルになっており、本発明の効果が得られていることがわかる。実施例11、12も同様に、ブラックインクが(A)及び(B)を満たしておらず、ブラックインクの擦過性評価が劣っているが、(A)及び(B)を満たすシアンインクでは擦過性が合格レベルになっており、本発明の効果が得られていることがわかる。
【符号の説明】
【0108】
1 画像形成装置
100 給紙部
110 給紙トレイ
120 給送装置
130 レジストローラ対
200 画像形成部
201 受け取り胴
202 受け渡し胴
210 用紙担持ドラム
220 インクジェットヘッド
300 乾燥部
301 UV光照射装置
302 乾燥搬送ベルト
310 外側カバー
311 UV光照射面
312 UV-LED発光素子
320 内側カバー
331 突起
332 スイッチ
400 排紙部
410 排紙トレイ
500 反転部
510、530、540、550 搬送コロ
520 反転コロ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【文献】特開2015-136884号公報
【文献】特開2017-8293号公報