(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】光学装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/26 20060101AFI20231212BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20231212BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20231212BHJP
G02B 6/125 20060101ALI20231212BHJP
G02B 6/122 20060101ALI20231212BHJP
G02B 6/13 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/12 301
G02B6/42
G02B6/125 301
G02B6/122 311
G02B6/12 321
G02B6/13
(21)【出願番号】P 2020567647
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(86)【国際出願番号】 GB2019050547
(87)【国際公開番号】W WO2019166803
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-11-30
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プサイラ、 ニコラス ディー.
(72)【発明者】
【氏名】トレーナー、 アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ポコック、 ローワン
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル、 ポール
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、 グレイム
(72)【発明者】
【氏名】ヘスケス、 マーク
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03091380(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0349454(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0003765(US,A1)
【文献】特表2008-530622(JP,A)
【文献】特開2002-169046(JP,A)
【文献】特開2009-031780(JP,A)
【文献】特開2005-257843(JP,A)
【文献】特表2017-534081(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0268419(US,A1)
【文献】特開2007-041122(JP,A)
【文献】特表2016-511448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12-6/14
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学装置であって、
第1の導波路
と、第1側面から第1方向に突出し、前記第1の導波路の一端が内部に延伸する突出部とを含む第1の基板と、
前記第1側面に対向する第2側面と、前記突出部の第1面に対向する第2面と、前記第2面の上方で、かつ前記第1の導波路に対して前記第1方向と交差する第2方向において対向しない位置に配置される第2の導波路
と、を含む第2の基板と、
前記第1の導波路と前記第2の導波路との間にエバネッセント結合を提供するために
、前記第1の基板
の前記突出部の前記第1面に設けられ
、前記第1の導波路と前記第2方向において対向し、前記第2の導波路と前記第1方向において対向する、更なる導波路と
を含み、
前記第1の導波路は、前記第1の導波路と前記第2の導波路との間に光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含み、
前記第2の基板は、前記第1の基板と前記第2の基板が互いに結合されるときに前記更なる導波路と前記第2の導波路との間の
前記第1方向における突き合わせ結合を提供するように構成されたエッジカプラを含む、光学装置。
【請求項2】
前記第2の基板は、前記第2側面においてダイシングされている、
請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記第1の基板は、ガラス及び非晶質材料の少なくとも1つを含む、請求項1
又は2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記第1の導波路は、前記第1の導波路の中心線が3次元に延びるように3次元構造を画定する、請求項1
から3のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項5】
前記更なる導波路が、酸窒化ケイ素、ゲルマニウムドープシリカ、及び窒化ケイ素の少なくとも1つを含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項6】
前記第2の基板の前記第2の導波路は、前記第1の導波路及び前記更なる導波路よりも高い屈折率の材料を含み、前記更なる導波路は、前記第1の導波路よりも高い屈折率を有する材料を含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項7】
前記更なる導波路は、前記第1の基板に堆積した犠牲層の除去された部分に設けられている、請求項1から
6のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項8】
前記湾曲部分は、エバネッセント結合された光信号の伝播方向に平行な平面内に延びる、請求項1から
7のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項9】
前記第1の導波路は、前記湾曲部分に隣接する直線部分をさらに含み、前記第1の導波路は、前記直線部分が前記第2の導波路の近位部分に平行になるように前記第2の導波路に対して配置されている、請求項1から
8のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項10】
前記第1の導波路の屈折率が、前記第1の導波路に沿った位置の関数として変化する、請求項1から
9のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項11】
前記第1の導波路は、前記第1の導波路の一部又は全ての屈折率が第1の方向及び/又は第2の方向において減少するように構成され、前記第1の方向は、前記第1の導波路に沿った方向を含み、かつ/又は前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直な方向を含む、請求項1から
10のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項12】
前記第2の導波路は、前記第1の導波路よりも高い屈折率の材料を含む、請求項1から
11のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項13】
前記第2の導波路の材料は、シリコン、窒化ケイ素、及びリン化インジウムの少なくとも1つを含む、請求項1から
12のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項14】
前記光信号を電気信号に変換すること、及び電気信号を前記光信号に変換することの少なくとも1つを行うように構成された電気コンポーネントを含む、請求項1から
13のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項15】
前記電気コンポーネントは、前記第2の導波路を通して前記光信号を送信すること及び前記光信号を受信することの少なくとも1つを行うように構成されている、請求項
14に記載の光学装置。
【請求項16】
前記電気コンポーネントとの光通信、電気通信及び磁気通信の少なくとも1つを提供するように構成されたキャリアをさらに含む、請求項
14又は
15に記載の光学装置。
【請求項17】
前記第1の基板は、前記第2の基板と前記キャリアとの間に配置され、前記第1の基板は、前記第2の基板と前記キャリアとの間で前記第1の基板を通って延びる少なくとも1つのビアを含む、請求項
16に記載の光学装置。
【請求項18】
前記第2の導波路は、前記第1の導波路との断熱的なエバネッセント結合を提供するために横方向に離間した複数の先細り部分を有するスプリッタを含む、請求項1から
17のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項19】
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された少なくとも1つのスペーシング要素を含む、請求項1から
18のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項20】
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された少なくとも1つの層に少なくとも1つの凹部領域を含み、前記少なくとも1つのスペーシング要素は前記少なくとも1つの凹部領域内に設けられている、請求項
19に記載の光学装置。
【請求項21】
前記湾曲部分の曲率半径が、前記第1の導波路に沿った位置の関数として変化する、請求項1から
20のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項22】
前記更なる導波路及び/又は前記第2の導波路は先細り部分を含む、請求項1から
21のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項23】
前記先細り部分は、前記先細り部分の幅が第
3方向及び/又は第
4方向において増加又は減少するように構成され、前記第
3方向は、前記更なる導波路及び/又は第2の導波路に沿った方向を含み、かつ/又は前記第
4方向は、前記第
3方向に対して垂直な方向を含む、請求項
22に記載の光学装置。
【請求項24】
前記先細り部分の幅が前記第
3方向及び/又は前記第
4方向において増加する場合に、前記更なる導波路及び/又は前記第2の導波路はくびれ部分を含み、前記くびれ部分は、前記光信号の1つ以上のモードをフィルタリングするように構成され、かつ/又は前記第2の導波路の先細り部分への前記光信号の単一モードの伝送を可能にするように配置されている、請求項
23に記載の光学装置。
【請求項25】
前記第2の導波路は、複数の部分又はセグメントを含むように構成され、前記複数の部分又はセグメントは、前記更なる導波路及び/又は前記第2の導波路の屈折率が第
3方向及び/又は第
4方向において変化するように配置され、前記第
3方向は、前記更なる導波路及び/又は前記第2の導波路に沿った方向を含み、かつ/又は前記第
4方向は、前記第
3方向に垂直な方向を含む、請求項1から
24のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項26】
前記第1の基板は、少なくとも1つの開口部を含み、前記開口部は、前記第1の基板と前記第2の基板とが結合されるときに、前記第1の基板と前記第2の基板との間の空間からのガスの通過を可能にしかつ/又は前記開口部の少なくとも一部への接合材料の通過を可能にするように配置されている、請求項1から
25のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項27】
前記第1の基板及び前記第2の基板の少なくとも一方は、前記第1の基板及び前記第2の基板の少なくとも他方と相補的に結合することを可能にするように構成され又は形作られている、請求項1から
26のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項28】
光学装置の製造方法であって、
第1側面から第1方向に突出した突出部を含む第1の基板を設けることと、
第1の導波路が湾曲部分を含
み、かつ前記第1の導波路の一端が前記突出部の内部に延伸するように
、前記第1の基板に
前記第1の導波路を形成することと、
前記第1側面に対向する第2側面と、前記突出部の第1面に対向する第2面と、前記突出部の第1面に対向する第2面の上方で、かつ、前記第1の導波路に対して前記第1方向と交差する第2方向において対向しない位置に配置される、第2の導波路を含む第2の基板を設けることと、
前記第1の導波路と前記第2の導波路との間にエバネッセント結合を提供するために
、前記第1の基板
の前記突出部の前記第1面に
、前記第1の導波路と前記第2方向において対向し、前記第2の導波路と前記第1方向において対向する、更なる導波路を設けることと、
前記湾曲部分が前記第1の導波路と前記第2の導波路との間に光信号のエバネッセント結合を提供するように構成されるように前記第1の基板と前記第2の基板とを互いに結合することとを含み、
前記第2の基板は、前記第1の基板と前記第2の基板が互いに結合されるときに前記更なる導波路と前記第2の導波路との間の
前記第1方向における突き合わせ結合を提供するように構成されたエッジカプラを含む、方法。
【請求項29】
レーザ刻印により前記第1の基板に前記第1の導波路を形成することを含む、請求項
28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の基板と前記第2の基板とを互いに結合した後に前記第1の導波路を形成すること、及び前記第1の基板と前記第2の基板とを互いに結合する前に前記第1の導波路を形成することの一方を含む、請求項
29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の基板に犠牲層を堆積させることと、
前記第1の基板の一部を露出させるために前記犠牲層の一部の除去することと、
前記第1の基板の露出した部分に前記更なる導波路を設けることとを含む、請求項
29又は
30に記載の方法。
【請求項32】
前記更なる導波路を設けることは、
前記犠牲層の残りの部分及び前記第1の基板の露出した部分の少なくとも一方に導波路層を堆積させることと、
前記更なる導波路を形成するために前記導波路層の1つ以上の部分を除去することとを含む、請求項
31に記載の方法。
【請求項33】
前記レーザ刻印するステップは、前記第1の基板に前記犠牲層を堆積させる前及び前記第1の基板に前記犠牲層を堆積させた後のいずれかに行われる、請求項
31又は
32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載した実施形態は、例えば限定されないが、データ通信において、光信号をルーティングするための光学装置、及びそのような光学装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高屈折率コントラスト光集積回路(PIC)は、電気通信用トランシーバとして使用する用途がある。PICは通常、シリコン又はリン化インジウムなどのプラットフォームを用いて作製される。許容可能なアライメント公差、広い帯域幅、及び低い偏光依存性でPICに及びPICから光を効率的に結合することに関しては課題がある。これらのプラットフォームの高い屈折率コントラストは、プラットフォームに光を出し入れする光ファイバに比べて、相対的に小さいモードフィールド径をもたらす傾向がある。異なるモードサイズ間の変換効率は全体の結合性能に影響を与える。
【0003】
光結合を提供するための2つの可能なアプローチは、グレーティングカプラ及びエッジカプラを含む。グレーティングカプラは、光信号を入射光信号の方向に対して斜めに回折させる周期構造を含む。グレーティングカプラは、光ファイバと同様のモードサイズを生成する。しかしながら、グレーティングカプラは、挿入損失が悪く、狭いスペクトル帯域幅を有し、光信号の偏光に関して制限的である。
【0004】
エッジカプラは、プラットフォームの上部に作られたスポットサイズ変換器構造を使用して、モードサイズを光ファイバに結合するのに適したサイズに拡大することを可能にする。エッジカプラは、低いアライメント公差を有し、通常、損失を最小限に抑えるためにレンズ付きファイバの使用を必要とする。
【0005】
この背景は、当業者が以下の説明をよりよく理解できるようにシーンを設定するためにのみ役立つ。したがって、上記の説明のいずれも、必ずしもその説明が技術水準の一部であること又は一般常識であることを認めるものとみなすべきではない。本発明の1つ以上の態様/実施形態は、1つ以上の背景の課題に対処してもしなくてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様又は実施形態によれば、第1の導波路と第2の基板の第2の導波路との界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置が提供される。任意選択で、第1の導波路は、第1の基板のレーザ刻印により形成され得る。光学装置は、第1の基板を含み得る。第1の導波路は、第1の導波路と第2の導波路との間の光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含み得る。
【0007】
一態様又は実施形態によれば、光学装置が提供される。光学装置は、第1の基板のレーザ刻印により形成された第1の導波路を含む第1の基板を含み得る。光学装置は、第2の導波路を含む第2の基板を含み得、第1の導波路は、第1の導波路と第2の導波路との間の界面を横切って光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含む。
【0008】
使用時に、光学装置は、例えば、トランシーバ又は他の通信装置の一部として、界面を横切って光信号をルーティングするように構成されてもよく、トランシーバ又は他の通信装置の異なる部分における異なる光学特性は、さもなければ、それらの間の光信号の非効率的な結合に関して問題を引き起こす可能性がある。例えば、第1及び第2の導波路は、異なる屈折率を有し得る。
【0009】
一実施形態における第1の基板としてのガラス又は非晶質材料の使用は、改善された性能、製造可能性、及び光集積回路(PIC)プラットフォームとの適合性の少なくとも1つを提供し得る。PICプラットフォーム及びシリカは、同様の熱膨張係数を有し得、信頼性及び/又は機械的安定性があると考えられ得る。3Dレーザ刻印導波路を使用する可能性は、性能及び/又は製造の容易性を改善し得る(例えば第三次元を利用することによる)設計自由度を提供し得る。
【0010】
本明細書に記載される実施形態は、他のアプローチに比べて改善されたアライメント公差を有し得る。エバネッセント結合のアプローチは、他のアプローチに比べて低い偏光依存性を提供し得る。光学装置は、製造が比較的容易である可能性があり、かつ/又は特定の実施形態では、いかなる形態の研磨も必要としない可能性がある。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の導波路は、光ファイバ(例えば標準的な光ファイバなど)に結合され得る。光ファイバと第2の導波路の潜在的に異なる光モードサイズにもかかわらず、第1の導波路の設計は、低い挿入損失、広いスペクトル帯域幅の伝送、低い偏光依存性及び緩和されたアライメント公差の少なくとも1つが達成され得るようなものであり得る。
【0012】
第1の導波路に湾曲部分を設けることにより、結合領域におけるエバネッセント場は、非湾曲導波路に比べて増大し得る。湾曲部分は、異なる導波路間で光信号を結合する他の方法に比べて、第1の導波路と第2の導波路との間で改善された光結合効率を提供し得る。湾曲部分は、湾曲部分が設けられない場合に比べて、第1の導波路と第2の導波路との間に追加の層が設けられるのを可能にするのに十分な距離にわたって、結果として生じるエバネッセント場が伝播することを可能にし得る。湾曲部分によって促進される伝播距離は、一部の実施形態では、必ずしも界面の一部を形成することなく、界面に対して近位にある第1の基板に第1の導波路を刻印することを可能にし得る。
【0013】
本態様又は実施形態のいくつかの任意選択の特徴を以下に示す。
【0014】
湾曲部分は、界面に対して近位にあり得る。
【0015】
界面は、第1の基板の表面を含み又は第1の基板の表面を指し得る。湾曲部分は、動作時に、光信号が第1の導波路と第2の導波路との間でエバネッセント結合され得るように、表面に対して配置され得る。湾曲部分の曲率は、動作時に、第1の導波路と第2の導波路との間で光信号のエバネッセント結合を提供するように選択され得る。例えば、曲率半径及び/又は曲率半径は、第1の導波路に沿った位置の関数として変化し得、光信号のエバネッセント結合を提供するように選択され得る。
【0016】
曲率はエバネッセント結合の強度に影響を与え得る。いくつかの実施形態では、エバネッセント場が第1の導波路と第2の導波路の中心線間の第1の距離にわたって伝播するように、第1の曲率半径を選択し得る。いくつかの他の実施形態では、エバネッセント場が第1の導波路と第2の導波路の中心線間の第2の距離にわたって伝播するように第2の曲率半径を選択し得、第2の曲率半径は第1の曲率半径よりも小さく、第2の距離は第1の距離よりも大きい。このように、湾曲部分の曲率は、第1の導波路と第2の導波路の中心線間の距離に従って、それらの間で光信号がエバネッセント結合され得るように選択され得る。
【0017】
湾曲部分は、エバネッセント結合光信号の伝播方向に平行な平面内に延在し得る。平面は、界面に対して垂直であり得る。湾曲部分は、第1の導波路が表面から離間するように、表面に対して湾曲していてもよい。第1の導波路の表面からの間隔は、第1の導波路の空間的な範囲(例えば第1の導波路などの横断面など)が表面を通って延びないようなものであり得る。第1の導波路の中心線と表面との間の間隔は、100μm未満、50μm未満、25μm未満、10μm未満、5μm未満、2μm未満、1μm未満でありかつ/又は10nm超、25nm超、50nm超、100nm超、0.5μm超などであり得る。レーザ刻印された第1の導波路の実施例では、第1の導波路の中心線と表面との間の間隔は、その中心線に沿った第1の導波路の半径よりも大きくてもよい。
【0018】
第1の導波路は、湾曲部分に隣接し、界面に対して近位にある直線部分をさらに含み得る。第1の導波路は、直線部分が第2の導波路の近位部分に平行になるように、第2の導波路に対して配置可能であり得る。湾曲部分の曲率半径は、第1の導波路の界面に対して遠位にある部分と第1の導波路の界面に対して近位にある部分との間の幾何学的関係によって定義され得る。第1の導波路の界面よりも遠位側の部分は、光信号のエバネッセント場が第1の導波路と第2の導波路との間の部分を通って伝播することが可能であり得るように形作られ得る。湾曲部分の曲率は、エバネッセント場が界面を通って延びるように選択され得る。
【0019】
第1の導波路は、3次元構造を画定し得る。第1の導波路の中心線は、2次元又は3次元に延び得る。例えば、中心線は、表面に垂直な平面内の湾曲した経路を通って延び得る。デカルト座標において、中心線はX、Y及びZ方向から選択された2つ以上の異なる方向に延び得る。第1の導波路は、第1の導波路の中心線が第1の基板を通る直線でない経路をたどるように、任意の方法で形成され得る。
【0020】
第1の基板は、ガラス及び非晶質材料の少なくとも1つを含み得る。
【0021】
第1の導波路は、第1の導波路と第2の導波路との間の光信号の断熱的なエバネッセント結合を提供するように構成され得る。第1の導波路は、断熱的なエバネッセント結合を提供するために導波路に沿った少なくとも1つの特性を含み得る。第1の導波路は、第1の導波路に沿って変化する少なくとも1つの特性を有し得る。例えば、横方向のサイズ、形状、屈折率などの少のなくとも1つが、第1の導波路に沿った位置の関数として変化し得る。
【0022】
第1の導波路は、第1の導波路の伝播定数が第2の導波路の伝播定数と同じになるように少なくとも1つの位相整合領域が構成されるよう構成され得る。第1の導波路は、少なくとも1つの先細り部分を含み得る。先細り部分は、少なくとも1つの位相整合領域を含み得る。第1の導波路に沿った特性は、少なくとも1つの位相整合領域を含み得る。
【0023】
第1の導波路の屈折率は、第1の導波路に沿った位置の関数として変化し得る。
【0024】
第1の導波路は、第1の導波路に沿った位置の関数として変化する、第1の基板の周囲の材料との屈折率コントラストを有し得る。屈折率コントラストは、周囲の材料の屈折率と第1の導波路の屈折率との差を指し得る。第1の導波路の屈折率は一般に、周囲の材料の屈折率よりも高くてもよい。
【0025】
第1の導波路は、第1の導波路の一部又は全ての屈折率が第1の方向及び/又は第2の方向において変化するように、例えば連続的に変化するように構成され得る。第1の方向は、第1の導波路に沿った方向、例えば第1の導波路における光信号の伝播方向を含み得る。第2の方向は、第1の方向に垂直な方向を含み得る。例えば、第1の導波路は、第1の導波路の一部又は全ての屈折率が第1の方向及び/又は第2の方向において減少するように構成され得る。代替的又は追加的に、第1の導波路は、第1の導波路の一部又は全ての屈折率が第1の方向及び/又は第2の方向において増加するように構成され得る。第1の導波路の一部又は全ての屈折率は、第1の導波路の一部又は全てと周囲の材料との間の屈折率コントラストを変化させること、例えば連続的に変化させることにより、第1の方向及び/又は第2の方向において変化させること、例えば連続的に変化させることができる。第1の導波路の一部又は全ての屈折率は、第1の基板のレーザ刻印を用いて変化させることができる。第1の基板のレーザ刻印を用いることにより、変化し得る、例えば連続的に変化し得る屈折率を含む第1の導波路の形成を容易にすることができる。
【0026】
光学装置は、第1の導波路と第2の導波路との間にエバネッセント結合を提供するための更なる導波路を含み得る。更なる導波路は、酸窒化ケイ素、ゲルマニウムドープシリカ、及び窒化ケイ素の少なくとも1つを含み得る。
【0027】
光学装置は、第2の基板をさらに含み得る。第2の基板の第2の導波路は、第1の導波路及び更なる導波路よりも高い屈折率の材料を含み得る。更なる導波路は、第1の導波路よりも高い屈折率を有する材料を含み得る。
【0028】
光学装置は、第2の基板を含み得る。第2の基板の第2の導波路は、第1の導波路よりも高い屈折率の材料を含み得る。第2の導波路の材料は、シリコン、窒化ケイ素、及びリン化インジウムの少なくとも1つを含み得る。
【0029】
第2の導波路は、第1の導波路と第2の導波路との間の光信号の断熱的なエバネッセント結合を提供するように構成され得る。第2の導波路は、第2の導波路の伝播定数が第1の導波路の伝播定数と同じになるように構成された少なくとも1つの位相整合領域を含み得るように構成され得る。第2の導波路は、少なくとも1つの先細り部分を含み得る。先細り部分は、少なくとも1つの位相整合領域を含み得る。第2の導波路は、断熱的なエバネッセント結合を提供するために第2の導波路に沿った少なくとも1つの特性を含み得る。
【0030】
先細り部分は、先細り部分の幅又は厚さが第1の方向及び/又は第2の方向において変化するように、例えば連続的に変化するように構成され得る。第1の方向は、第2の導波路に沿った方向、例えば第2の導波路における光信号の伝播方向を含み得る。第2の方向は、第1の方向に垂直な方向を含み得る。例えば、先細り部分は、先細り部分の幅が第1の方向及び/又は第2の方向において増加又は減少するように構成され得る。
【0031】
例えば、先細り部分の幅又は厚さが第1の方向及び/又は第2の方向において増加する場合、第2の導波路はくびれ部分を含み得る。くびれ部分は、例えば第1の方向及び/又は第2の方向の先細り部分の幅又は厚さよりも小さいか又は狭い、例えば第1の方向及び/又は第2の方向の幅又は厚さを含み得る。くびれ部分は、第2の導波路の先細り部分から間隔を置いて又は離れて配置され得る。くびれ部分は、光信号の1つ以上のモードをフィルタリングするように構成され得る。くびれ部分は、第2の導波路の先細り部分への光信号の単一モードの伝送を可能にするように配置され得る。
【0032】
第2の導波路は、複数の部分又はセグメントを含むように構成され得る。複数の部分又はセグメントは、第1の方向に沿って配置され得る。複数の部分又はセグメントの一部又は全ての部分又はセグメントは、周囲の材料と同じ屈折率又は屈折率コントラストを含み得る。複数の部分又はセグメントは、第2の導波路の屈折率が第1の方向及び/又は第2の方向において変化するように配置され得る。例えば、第2の導波路は、複数の部分又はセグメントの一部又は全ての部分又はセグメントのサイズ又は幅が、第1の方向及び/又は第2の方向において変化するように、例えば減少又は増加するように構成され得る。第2の導波路は、複数の部分又はセグメントの少なくとも2つ又は全ての部分又はセグメント間の空間又は距離が、第1の方向において変化するように、例えば減少又は増加するように構成され得る。
【0033】
第2の導波路は、複数の部分又はセグメントの一部又は全ての部分又はセグメントのサイズ又は幅が同じになるように構成され得る。第2の導波路は、複数の部分又はセグメントの少なくとも2つ又は全ての部分又はセグメント間の空間又は距離が同じになるように構成され得る。第2の導波路は、複数の部分又はセグメントの一部又は全てのサイズ又は幅が光信号の波長よりも小さくなるように構成され得る。第2の導波路は、複数の部分又はセグメントの少なくとも2つ又は全ての部分又はセグメント間の空間又は距離が光信号の波長よりも小さくなるように構成され得る。複数の部分又はセグメントの一部又は全ては、第2の方向に沿って配置され得る。例えば、複数の部分又はセグメントは、部分又はセグメントのアレイを形成するように配置され得る。複数の部分又はセグメントの一部又は全ては、メタマテリアルを形成しているとみなされ得る。複数の部分又はセグメントは、第2の導波路の屈折率、例えば実効屈折率を変化させるように、例えば減少又は増加させるように配置され得る。
【0034】
当然のことながら、第1の導波路、例えばその先細り部分は、第2の導波路及び/又は第2の導波路の先細り部分の特徴のいずれかを含み得る。
【0035】
光学装置は、光信号を電気信号に変換すること及び電気信号を光信号に変換することの少なくとも1つを行うように構成された電気コンポーネントを含み得る。
【0036】
電気コンポーネントは、第2の導波路を通して光信号を送信すること及び光信号を受信することの少なくとも1つを行うように構成され得る。
【0037】
電気コンポーネントは、第1の導波路と第2の導波路との間に光信号がルーティングされるように光信号を送信すること及び光信号を受信することの少なくとも1つを行うように構成され得る。
【0038】
光学装置は、電気コンポーネントとの光通信、電気通信及び磁気通信の少なくとも1つを提供するように構成されたキャリアを含み得る。
【0039】
第1の基板は、第2の基板とキャリアとの間に配置され得る。
【0040】
第1の基板は、第2の基板とキャリアとの間で第1の基板を通って延びる少なくとも1つのビアを含み得る。
【0041】
光学装置は、電気信号を用いて第2の基板の電気コンポーネントと通信するように動作するキャリアを含み得る。第1の基板は、第2の基板とキャリアとの間に配置され得る。第1の基板は、第2の基板とキャリアとの間で第1の基板を通って延びる少なくとも1つのビアを含み得る。電気コンポーネントは、受信した光信号及び電気信号の一方を光信号及び電気信号の他方に変換するように動作し得る。
【0042】
第2の導波路は、スプリッタを含んでもよい。スプリッタは、横方向に離間した複数の先細り部分を含み得る。先細り部分は、第1の導波路との断熱的なエバネッセント結合を提供するように構成され得る。
【0043】
光学装置は、第1の基板と第2の基板との間に配置された少なくとも1つのスペーシング要素を含み得る。少なくとも1つのスペーシング要素は、酸窒化ケイ素、二酸化ケイ素、及び窒化ケイ素の1つを含み得る。光学装置は、更なる導波路を通して第1の導波路と第2の導波路との間にエバネッセント結合を提供するために、第1の基板と第2の基板との間に配置された更なる導波路を含み得る。光学装置は、第1の基板と第2の基板との間に配置された少なくとも1つの層に少なくとも1つの凹部領域を含み得る。少なくとも1つのスペーシング要素は、少なくとも1つの凹部領域に設けられ得る。
【0044】
光学装置は、第1の導波路とのエバネッセント結合を提供するための更なる導波路を含み得る。更なる導波路は、第1の基板に堆積した犠牲層の除去された部分に設けられ得る。
【0045】
代替的に、更なる導波路は、第1の基板の調整された又は準備された表面に形成され得る。第1の基板の表面は、第1の基板上の欠陥又は粒子の量が減少するように、例えば更なる導波路が形成される前に、調整又は準備され得る。
【0046】
更なる導波路は、第1の導波路と更なる導波路との間の光信号の断熱的なエバネッセント結合を提供するように構成され得る。更なる導波路は、更なる導波路の伝播定数が第1の導波路の伝播定数と同じになるように構成された少なくとも1つの位相整合領域を含み得るように構成され得る。更なる導波路は、少なくとも1つの先細り部分を含み得る。先細り部分は、少なくとも1つの位相整合領域を含み得る。光学装置は、第2の基板をさらに含み得、更なる導波路は、第1の基板と第2の基板との間に設けられ、更なる導波路を通して第1の導波路と第2の導波路との間にエバネッセント結合を提供するように構成される。代替的又は追加的に、更なる導波路は、第2の導波路とのエバネッセント結合を提供するように構成され得る。更なる導波路は、第1の導波路と更なる導波路との間の光信号の断熱的なエバネッセント結合を提供するために、更なる導波路に沿った少なくとも1つの特性を含み得る。更なる導波路に沿った特性は、少なくとも1つの位相整合領域を含み得る。
【0047】
湾曲部分の曲率半径は、第1の導波路に沿った位置の関数として変化し得る。
【0048】
先細り部分は、先細り部分の幅又は厚さが第1の方向及び/又は第2の方向において変化するように、例えば連続的に変化するように構成され得る。第1の方向は、更なる導波路に沿った方向、例えば更なる導波路における光信号の伝播方向を含み得る。第2の方向は、第1の方向に垂直な方向を含み得る。例えば、先細り部分は、先細り部分の幅又は厚さが第1の方向及び/又は第2の方向において増加又は減少するように構成され得る。
【0049】
例えば、先細り部分の幅又は厚さが第1の方向及び/又は第2の方向において増加する場合、更なる導波路はくびれ部分を含み得る。くびれ部分は、例えば第1の方向及び/又は第2の方向の先細り部分の幅又は厚さよりも小さいか又は狭い、例えば第1の方向及び/又は第2の方向の幅又は厚さを含み得る。くびれ部分は、更なる導波路の先細り部分から間隔を置いて又は離れて配置され得る。くびれ部分は、光信号の1つ以上のモードをフィルタリングするように構成され得る。くびれ部分は、更なる導波路の先細り部分への光信号の単一モードの伝送を可能にするように配置され得る。
【0050】
更なる導波路は、複数の部分又はセグメントを含むように構成され得る。複数の部分又はセグメントは、更なる導波路の第1の方向に沿って配置され得る。複数の部分又はセグメントの一部又は全ての部分又はセグメントは、周囲の材料と同じ屈折率又は屈折率コントラストを含み得る。複数の部分又はセグメントは、更なる導波路の屈折率が第1の方向及び/又は第2の方向において変化するように配置され得る。例えば、更なる導波路は、複数の部分又はセグメントの一部又は全ての部分又はセグメントのサイズ又は幅が、第1の方向及び/又は第2の方向において変化するように、例えば減少又は増加するように構成され得る。更なる導波路は、複数の部分又はセグメントの少なくとも2つ又は全ての部分又はセグメント間の空間又は距離が、第1の方向において変化するように、例えば減少又は増加するように構成され得る。
【0051】
更なる導波路は、複数の部分又はセグメントの一部又は全ての部分又はセグメントのサイズ又は幅が同じになるように構成され得る。更なる導波路は、複数の部分又はセグメントの少なくとも2つ又は全ての部分又はセグメント間の空間又は距離が同じになるように構成され得る。更なる導波路は、複数の部分又はセグメントの一部又は全てのサイズ又は幅が光信号の波長よりも小さくなるように構成され得る。更なる導波路は、複数の部分又はセグメントの少なくとも2つ又は全ての部分又はセグメント間の空間又は距離が光信号の波長よりも小さくなるように構成され得る。複数の部分又はセグメントの一部又は全ては、第2の方向に沿って配置され得る。例えば、複数の部分又はセグメントは、部分又はセグメントのアレイを形成するように配置され得る。複数の部分又はセグメントの一部又は全ては、メタマテリアルを形成しているとみなされ得る。複数の部分又はセグメントは、更なる導波路の屈折率、例えば実効屈折率を変化させるように、例えば減少又は増加させるように配置され得る。
【0052】
当然のことながら、第1の導波路、例えばその先細り部分は、更なる導波路及び/又は第2の導波路の先細り部分の特徴のいずれかを含み得る。
【0053】
光学装置は、少なくとも1つの開口部を含み得る。開口部は、第1の基板の一部であり又は第1の基板に含まれ得る。開口部は、チャネル、穴、貫通穴、通気孔などを含むか又はそれらの形態で設けられ得る。開口部は、例えば第1の基板と第2の基板とが互いに結合されるときに、第1の基板と第2の基板との間の空間からのガスの通過を可能にするように配置され得る。開口部は、例えば第1の基板と第2の基板とが互いに結合されるときに、開口部の少なくとも一部への接合材料の通過を可能にするように配置され得る。
【0054】
第1の基板及び第2の基板の少なくとも一方は、第1の基板及び第2の基板の少なくとも他方との結合、例えば相補的な結合を可能にするように構成され又は形作られ得る。例えば、第1の基板及び第2の基板の少なくとも1つは、例えば第1の基板に設けられた更なる導波路と第2の導波路との間の突き合わせ結合を可能にするように形作られ又は構成され得る。第1の基板及び第2の基板の少なくとも1つは、エッジ又は周縁を含み得る。エッジ又は周縁は、第1の基板及び第2の基板の少なくとも他方の更なるエッジに適合するように、例えば相補的に適合するように形作られ得る。言い換えれば、エッジ及び更なるエッジの少なくとも一方は、例えば第1の基板と第2の基板とを互いに相補的に結合することを可能にするために、エッジ及び更なるエッジの少なくとも一方とエッジ及び更なるエッジの少なくとも他方が対向するエッジを画定するように形作られ又は構成され得る。これにより更なる導波路を第2の導波路に近接させることができ、例えばそれにより更なる導波路と第2の導波路との間の距離を減少させ、それにより更なる導波路と第2の導波路との間の距離にわたる光信号の損失を低減することができる。第2の基板は、結合部分を含み得る。結合部分は、エッジカプラ又はエッジ結合部分を含むか又は、エッジカプラ又はエッジ結合部分の形態で設けられ得る。結合部分は、例えば第1の基板と第2の基板が互いに結合されるときに、更なる導波路と第2の導波路との間の突き合わせ結合を可能にするように配置され得る。更なる導波路は、例えば第1の基板と第2の基板が互いに結合されるときに、更なる導波路における光信号の伝播方向が第2の導波路における光信号の伝播方向に対応するか又は同じになるように第2の導波路に対して配置され得る。
【0055】
上記の任意選択の特徴の1つ以上が、以下に示す態様又は実施形態における少なくとも1つの対応する特徴と組み合わせて提供され又はそれらに取って代わり得る。装置に関する特徴は、必要に応じて同様に方法に適用することができ、その逆も同様である。
【0056】
一態様又は実施形態によれば、光信号をルーティングするための通信装置が提供される。通信装置は、本明細書に記載される任意の態様又は実施形態の光学装置を含み得る。通信装置は、トランシーバ、送信機及び/又は受信機を含み又はトランシーバ、送信機及び/又は受信機として機能するように構成され得る。通信装置は、第1の導波路と光通信するように構成された光通信デバイスを含み得る。光通信装デバイスは、トランシーバ、受信機、送信機などを含み得る。光通信デバイスは、少なくとも1つの光ファイバによって第1の導波路に結合され得る。通信装置は、第2の導波路との電気通信、光通信及び/又は磁気通信を提供するように構成された電気コンポーネントを含み得る。動作中、データは、データを搬送する又はデータを表す光信号がエバネッセント結合を介して第1の導波路と第2の導波路との間でルーティングされ得るように、光信号、電気信号及び/又は磁気信号を介して通信され得る。通信装置は、光通信デバイスと電気通信デバイスとがデータを通信できるように、データ搬送信号を1つ以上の形式(例えば光、電気、磁気など)の間で変換し得る。
【0057】
一態様又は実施形態によれば、任意選択で第1の基板のレーザ刻印により形成される第1の導波路と第2の基板の第2の導波路との間の界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置を製造する方法が提供される。方法は、第1の基板を設けることを含み得る。方法は、第1の導波路と第2の導波路との間に光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含むように第1の導波路を形成することを含み得る。
【0058】
一態様又は実施形態によれば、光学装置を製造する方法が提供される。方法は、第1の基板を設けることを含み得る。方法は、第1の導波路が湾曲部分を含むようにレーザ刻印により第1の基板に第1の導波路を形成することを含み得る。方法は、第2の導波路を含む第2の基板を設けることを含み得る。方法は、湾曲部分が第1の導波路と第2の導波路との間の界面を横切って光信号のエバネッセント結合を提供するように構成されるように第1の基板と第2の基板とを互いに結合することを含み得る。
【0059】
方法は、第1の導波路と第2の導波路との間にエバネッセント結合を提供するために第1の基板と第2の基板との間に更なる導波路を設けることを含み得る。
【0060】
方法は、第1の基板及び/又は第2の基板の表面に更なる導波路を形成することを含み得る。
【0061】
方法は、例えば表面の欠陥(例えば亀裂又は微小亀裂など)及び/又は粒子の量を低減するために、第1の基板及び/又は第2の基板の表面を準備又は調整することを含み得る。
【0062】
方法は、更なる導波路を形成する前に第1の基板及び/又は第2の基板の表面を準備又は調整することを含み得る。
【0063】
方法は、第1の基板と第2の基板を互いに結合した後に第1の導波路を形成することを含み得る。
【0064】
方法は、第1の基板と第2の基板とを互いに結合する前に第1の導波路を形成することを含み得る。
【0065】
方法は、レーザビーム溶接などの溶接技術を用いて第1の基板と第2の基板とを結合することを含み得る。
【0066】
一態様又は実施形態によれば、任意選択でレーザ刻印により形成される第1の基板の第1の導波路と第2の基板の第2の導波路との間の界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置を使用する方法が提供される。方法は、第1の導波路と第2の導波路との間で光信号をエバネッセント結合するように第1の導波路の湾曲部分を通して光信号を送信することを含み得る。
【0067】
一態様又は実施形態によれば、界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置が提供される。光学装置は、任意選択でレーザ刻印により形成される第1の導波路を含む第1の基板を含み得る。光学装置は、第2の導波路を含む第2の基板を含み得る。第1の導波路は、第1の導波路と第2の導波路との間の光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含み得る。
【0068】
一態様又は実施形態によれば、界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置を製造する方法が提供される。方法は、第1の基板を設けることを含み得る。方法は、第1の基板のレーザ刻印により第1の導波路を形成することを含み得る。方法は、第2の導波路を含む第2の基板を設けることを含み得る。方法は、第1の導波路と第2の導波路との間に光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含むように第1の導波路を形成することを含み得る。
【0069】
一態様又は実施形態によれば、界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置が提供される。光学装置は、任意選択で第1の基板のレーザ刻印により形成された第1の導波路を含む、第1の基板を含み得る。光学装置は、更なる導波路を含み得る。第1の導波路は、第1の導波路と更なる導波路との間の光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含み得る。
【0070】
更なる導波路は、本明細書に記載されるように、レーザで刻印された第1の導波路及び第2の導波路のみに比べて実質的に高い屈折率コントラストを有するコンパクトなフォトニックコンポーネントの製造を可能にし得る。光学装置は、更なる集積化及び光ファイバへの低損失インターフェースのためにレーザ刻印された第1の導波路への低損失結合の恩恵を受けることができる。例示的な用途は、他のレーザ刻印された導波路などで利用可能な低屈折率コントラストで製造するには大きすぎる可能性がある、表面導波路層上の波長マルチプレクサ/デマルチプレクサ回路の製造を含み得る。
【0071】
更なる導波路は、シリコンフォトニクス又はリン化インジウムなどで作られたものなどの高屈折率コントラストプラットフォーム上に製造されたエッジベースのスポットサイズ変換カプラへの低損失で効率的な突き合わせ結合を可能にするために使用され得る。
【0072】
更なる導波路を使用する1つの可能な用途は、高屈折率コントラストプラットフォームへのエバネッセント結合における中間層として機能することであり得る。一例では、更なる導波路は、第1の導波路から高屈折率コントラストの第2の導波路に光を効率的に転送するのに役立ち得る。このアプローチは高い結合効率を提供し得る。設計シミュレーションは、総エバネッセント結合効率が95%を超える可能性があることを示している。
【0073】
この態様又は実施形態のいくつかの任意選択の特徴を以下に示す。
【0074】
更なる導波路は、第1の基板よりも高い屈折率の材料を含み得る。
【0075】
更なる導波路は、酸窒化ケイ素、ゲルマニウムドープシリカ、及び窒化ケイ素の少なくとも1つを含み得る。
【0076】
更なる導波路は、第1の基板に堆積した導波路層内にパターンを形成すること、例えばエッチングすることにより形成され得る。
【0077】
上記の任意選択の特徴の1つ以上が、以下に示す態様又は実施形態における少なくとも1つの対応する特徴と組み合わせて提供され又はそれらに取って代わり得る。装置に関する特徴は、必要に応じて同様に方法に適用することができ、その逆も同様である。
【0078】
一態様又は実施形態によれば、光信号をルーティングするための通信装置が提供される。通信装置は、本明細書に記載される任意の態様又は実施形態の光学装置を含み得る。
【0079】
一態様又は実施形態によれば、界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置を製造する方法が提供される。方法は、第1の基板を設けることを含み得る。方法は、第1の基板のレーザ刻印により第1の導波路を形成することを含み得る。方法は、更なる導波路を設けることを含み得る。方法は、第1の導波路と更なる導波路との間に光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含むように第1の導波路を形成することを含み得る。
【0080】
一態様又は実施形態によれば、界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置が提供される。光学装置は、湾曲部分を含む導波路を含む基板を含み得る。光学装置は、更なる導波路を含み得る。導波路の湾曲部分及び更なる導波路は、導波路と更なる導波路との間の光信号のエバネッセント結合を提供するように構成され得る。
【0081】
この態様又は実施形態のいくつかの任意選択の特徴を以下に示す。
【0082】
基板は、第1の基板及び第2の基板の1つを含み得る。光学装置は、第1の基板と第2の基板との他方をさらに含み得る。
【0083】
上記の任意選択の特徴の1つ以上が、以下に示す態様又は実施形態における少なくとも1つの対応する特徴と組み合わせて提供され又はそれらに取って代わり得る。装置に関する特徴は、必要に応じて同様に方法に適用することができ、その逆も同様である。
【0084】
一態様又は実施形態によれば、界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置を製造する方法が提供される。方法は、湾曲部分を含む導波路を含む基板を設けることを含み得る。方法は、更なる導波路を設けることを含み得る。導波路の湾曲部分及び更なる導波路は、導波路と更なる導波路との間の光信号のエバネッセント結合を提供するように構成され得る。
【0085】
一態様又は実施形態によれば、界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置が提供される。光学装置は、第1の基板のレーザ刻印により任意選択で形成される第1の導波路を含む第1の基板を含み得る。光学装置は、第2の導波路を含む第2の基板を含み得る。光学装置は、第1の基板と第2の基板との間に設けられた更なる導波路を含み得る。第1の導波路、第2の導波路及び更なる導波路は、界面を通して第1の導波路と第2の導波路との間にエバネッセント結合を提供するように構成され得る。
【0086】
第1の導波路は、第1の導波路と第2の導波路との間の光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含み得る。
【0087】
一態様又は実施形態によれば、界面を横切って光信号をエバネッセント結合するための光学装置を製造する方法が提供される。方法は、第1の基板を設けることを含み得る。方法は、第1の基板のレーザ刻印により第1の導波路を形成することを含み得る。方法は、第2の導波路を含む第2の基板を設けることを含み得る。方法は、第1の基板と第2の基板との間に更なる導波路を設けることを含み得る。第1の導波路、第2の導波路及び更なる導波路は、界面を通して第1の導波路と第2の導波路との間にエバネッセント結合を提供するように構成され得る。
【0088】
一態様又は実施形態によれば、光学装置を製造する方法が提供される。方法は、第1の基板を設けることを含み得る。方法は、第1の基板内に第1の導波路をレーザ刻印することを含み得る。方法は、第1の基板に導波路層を堆積することを含み得る。方法は、導波路層から更なる導波路を形成することを含み得る。
【0089】
この態様又は実施形態のいくつかの任意選択の特徴を以下に示す。
【0090】
方法は、導波路層を堆積する前に第1の導波路をレーザ刻印することを含み得る。
【0091】
方法は、導波路層を堆積した後に第1の導波路をレーザ刻印することを含み得る。
【0092】
方法は、導波路層内の異なる位置に異なる厚さを有するように導波路層を形成すること、例えばエッチングすることを含み得る。
【0093】
方法は、導波路層及び第1の基板の露出部分にクラッド材料を堆積することを含み得る。方法は、導波路層の少なくとも一部分が露出するようにクラッド材料の堆積を制御することを含み得る。方法は、導波路層の一部分が露出するように堆積後にクラッド材料の一部分を除去することを含み得る。方法は、クラッド材料がクラッド材料と更なる導波路との間にエバネッセント結合を提供するためのインターポーザ基板として使用されることを可能にすることを含み得る。方法は、クラッド材料上に応力制御層を導入することを含み得る。
【0094】
方法は、第1の基板の表面上に応力制御層を導入することを含み得る。
【0095】
クラッド材料は、ガラス、非晶質材料の少なくとも1つを含み得る。
【0096】
方法は、クラッド材料に及び導波路層の少なくとも1つの露出した部分に接合材料の層を設けることを含み得る。
【0097】
方法は、過剰な接合材料を除去することを含み得る。
【0098】
方法は、第2の基板を接合材料の層に結合することを含み得る。
【0099】
第2の基板は、シリコン基板と、接合材料の層に接合するためにシリコン基板に堆積されたシリカ層とを含み得る。
【0100】
第2の基板は、接合材料の層に配置するための第2の導波路を含み得る。
【0101】
方法は、更なる導波路及び少なくとも1つのスペーシング要素を形成するために導波路材料にパターンを形成することを含み得る。方法は、更なる導波路及び第1の基板の露出部分にクラッド材料を堆積することを含み得る。方法は、少なくとも1つのスペーシング要素が接合材料の層から突出するようにクラッド材料に接合材料の層を設けることを含み得る。
【0102】
方法は、その表面に形成された少なくとも1つの凹部を含む第2の基板を設けることと、第1の基板と第2の基板とを互いに結合することを可能にするために少なくとも1つのスペーシング要素を対応する少なくとも1つの凹部に位置合わせすることとを含み得る。
【0103】
第2の基板は、シリコン基板と、接合材料の層に接合するためにシリコン基板に堆積されたシリカ層とを含み得る。
【0104】
第2の基板は、接合材料の層に配置するための第2の導波路を含み得る。
【0105】
方法は、第1の基板に犠牲層を堆積することを含み得る。方法は、第1の基板に第1の導波路をレーザ刻印することを含み得る。方法は、犠牲層の一部分を除去することを含み得る。方法は、犠牲層の残りの部分及び第1の基板の露出部分に導波路層を堆積することを含み得る。方法は、更なる導波路を形成するために導波路層の1つ以上の部分を除去すること、例えば導波路層をエッチングすることを含み得る。
【0106】
犠牲材料はクラッド材料を含み得る。
【0107】
方法は、更なる導波路を形成するための材料の堆積前に第1の基板にガラスフリットをスピンコーティングすることを含み得る。
【0108】
方法は、光学装置の少なくとも1つの表面を平坦化することを含み得る。平坦化は、化学機械研磨(CMP)などを用いることを含み得る。
【0109】
上記の任意選択の特徴の1つ以上が、以下に示す態様又は実施形態における少なくとも1つの対応する特徴と組み合わせて提供され又はそれらに取って代わり得る。装置に関する特徴は、必要に応じて同様に方法に適用することができ、その逆も同様である。
【0110】
一態様又は実施形態によれば、光学装置を製造する方法が提供される。方法は、基板を設けることを含み得る。方法は、基板に層を堆積することを含み得る。方法は、基板と層との間の界面に対して近位にある基板内に導波路をレーザ刻印することを含み得る。
【0111】
本発明によれば、第1の基板のレーザ刻印により形成された第1の導波路と追加の導波路との界面を横切って光信号をエバネッセント結合する光学装置が提供される。光学装置は、第1の基板を含み得る。第1の導波路は、第1の導波路と追加の導波路との間に光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含み得る。
【0112】
追加の導波路は、第1の基板に堆積した更なる導波路及び第2の基板の第2の導波路の少なくとも1つを含み得る。
【0113】
本発明によれば、光学装置の製造方法が提供される。方法は、第1の基板を設けることを含み得る。方法は、第1の基板に犠牲層を堆積することを含み得る。方法は、第1の基板に第1の導波路をレーザ刻印することを含み得る。方法は、第1の基板の一部分を露出させるために犠牲層の一部分を除去することを含み得る。方法は、第1の基板の露出した部分に更なる導波路を設けることを含み得る。
【0114】
更なる導波路を設けることは、犠牲層の残りの部分及び第1の基板の露出した部分の少なくとも1つに導波路層を堆積することを含み得る。更なる導波路を設けることは、更なる導波路を形成するために導波路層から1つ以上の部分を除去すること、例えば導波路層をエッチングすることを含み得る。
【0115】
方法は、第2の導波路を含む第2の基板を設けることを含み得る。第1の導波路は、第1の導波路と第2の導波路との間の界面を横切りかつ更なる導波路を通して光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分を含むように構成され得る。
【0116】
レーザ刻印ステップは、第1の基板に犠牲層を堆積させる前及び第1の基板に犠牲層を堆積させた後のいずれかに行われ得る。
【0117】
本発明は、1つ以上の対応する態様、実施形態又は特徴を、その組み合わせで又は単独で具体的に記載されている(クレームされていることを含む)か否かにかかわらず、単独で又は様々な組み合わせで含む。理解されるように、装置に関する特定の記載された実施形態に関連する特徴は、特に動作、製造又は使用の方法に関する実施形態の特徴として同様に適しており、その逆も同様である。
【0118】
上記の要約は、単に例示的でありかつ非限定的であることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0119】
ここで、添付図面を参照して例示としてのみ説明を行う。
【
図1】光集積回路(PIC)プラットフォームの断面概略図を示す。
【
図2】一実施形態による、
図1のPICプラットフォームと一体化された光学装置の第1の断面概略図を示す。
【
図3】
図2の光学装置及びPICプラットフォームの第2の直交断面概略図を示す。
【
図4】更なる実施形態に従って構成された光学装置の第1の断面概略図を示す。
【
図5】
図4の光学装置の第2の直交断面概略図を示す。
【
図6】
図6a~6bは、例示的な導波路構成の平面図を示す。
【
図7】一実施形態による、
図1のPICプラットフォームと一体化された
図4の光学装置の第1の断面概略図を示す。
【
図8】
図7の光学装置及びPICプラットフォームの第2の直交断面概略図を示す。
【
図9】一実施形態による光学装置、PICプラットフォーム及びプリント回路基板(PCB)のアセンブリの断面概略図を示す。
【
図10】本明細書に記載される任意の実施形態の光学装置に用いる例示的な導波路構成の断面図を示す。
【
図11】本明細書に記載される任意の実施形態の光学装置に用いる更なる例示的な導波路構成の断面図を示す。
【
図12】本明細書に記載される任意の実施形態のPICプラットフォームに用いる例示的な導波路構成の断面図を示す。
【
図13】本明細書に記載される任意の実施形態のPICプラットフォームに用いる更なる例示的な導波路構成の断面図を示す。
【
図14】本明細書に記載される任意の実施形態のPICプラットフォームに用いる例示的な導波路構成の断面図を示す。
【
図15】更なる実施形態による、PICプラットフォームと一体化されるように構成された光学装置の断面概略図を示す。
【
図16】更なる実施形態による、PICプラットフォームと一体化されるように構成された光学装置の断面概略図を示す。
【
図17】一実施形態による製造プロセスの概略図を示す。
【
図18】
図18aから18dは、例示的な導波路構成の断面図を示す。
図18eは、例示的な導波路構成の平面図を示す。
図18fは、例示的な導波路構成の断面図を示す。
【
図19】一実施形態による光学装置の断面概略図を示す。
【
図20】一実施形態による光学装置の断面概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0120】
図1は、光集積回路(PIC)プラットフォーム10の断面概略図を示す。本実施形態では、PICプラットフォーム10は、シリコンオンインシュレータ(SOI)構造の形態である。PICプラットフォーム10は、シリコンを含むバルク基板16の上に堆積したSiO2(シリカ)で形成された下地層14の上にシリコン層12を含む。シリコン層12は、高屈折率コントラストの光導波路を提供する。クラッド材料(本実施形態ではSiO2)18がシリコン層12に堆積される。本実施例では、シリコン層12は220nmの厚さであり、下地層14は2μmの厚さである。当然のことながら、PICプラットフォーム10には任意の適切な材料を使用することができ、特定の構成、層の数及び層の厚さを必要に応じて変更することができる。
【0121】
図2は、
図1のPICプラットフォーム10と一体化された光学装置20の第1の断面概略図を示す。光学装置20は、第1の基板22と第2の基板24とを含む。本実施形態では、第1の基板22は、ガラス又は非晶質材料で作られている。しかし、当然のことながら、第1の基板22には任意の適切な材料又は材料の組合せを使用することができる。第1の基板22は、第1の基板22のレーザ刻印により形成された第1の導波路26を含む。レーザ刻印により導波路を形成する方法の一例は、WO2008/155548に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。レーザ刻印は、例えばシリカ中に任意の形状の二次元及び三次元の導波路を作るために使用することができる。
【0122】
本実施形態では、第2の基板24は、PICプラットフォーム10を含む。第2の基板24は、本実施形態ではシリコン層12の形態である第2の導波路28を含む。第2の導波路28の領域では、クラッド材料18は除去されるか又はパターン化されないままであり、第2の導波路28を第1の導波路26に近接させることができる。第1の導波路26は、第1の基板22の界面30(すなわち表面)に対して近位にあるように第1の基板22に沿ってレーザ刻印される。第1の導波路26が界面30に近接することにより、第1の導波路26を第2の導波路28に近接させることができる。当然のことながら、「近接」及び「近位」という用語は、導波路の別の部分(例えば同一基板内)又は別の導波路(例えば別の基板)に対する導波路の部分の位置を定義する相対的な用語である。しかしながら、本明細書で説明するように、本導波路構成は、各基板内の導波路を離間させることを可能にしながら、導波路間でエバネッセント結合が起こることを可能にする。
【0123】
第1及び第2の基板22、24は、それらの間に設けられた接合材料32の層を用いて組み立てられる。接合材料32はエポキシの形態であるが、他の実施形態では他の任意の適切な材料を含み得る。接合材料32は、隣接する第1及び第2の基板22、24の屈折率に適合する(例えば反射損失を低減する)屈折率で選択され得る。
【0124】
光学装置20は、界面30を横切って光信号をエバネッセント結合するように構成される。
図2の図に直交する断面図を示す
図3に示すように、第1の導波路26は、界面30に対して近位にありかつ第1の導波路26と第2の導波路28との間の光信号のエバネッセント結合を提供するように構成された湾曲部分34を含む。湾曲部分34は、エバネッセント結合された光信号の伝播方向に平行な平面内に延びている。
図3において、伝播方向に平行な平面は、
図2の断面の平面に相当する。言い換えれば、湾曲部分34は、界面30に垂直な平面、例えば界面30によって画定される平面内に延在しているとみなすことができる。
図3において、平面は、界面30に垂直でありかつ/又は
図3の平面に相当するとみなすことができる。したがって、使用中、光信号は、第1の導波路26と第2の導波路28との間のエバネッセント結合により、界面30を通して第1の導波路26と第2の導波路28との間を伝播することができる。
【0125】
レーザ刻印された第1の導波路26の経路を制御して結合の方向に意図的に湾曲させることにより、結合領域におけるエバネッセント場を非湾曲導波路に比べて増大させることができる。湾曲部分34は、異なる導波路間で光信号を結合する他の方法に比べて、第1の導波路26と第2の導波路28との間で改善された光結合効率を提供することができる。湾曲部分34は、湾曲部分34を設けない場合に比べて、結果として生じるエバネッセント場が十分な距離にわたって伝播して第1の導波路26と第2の導波路28との間に追加の層を設けることを可能にし得る。湾曲部分34によって促進される伝播距離は、第1の導波路26が、必ずしも界面30の一部を形成することなく、界面30に対して近位にある第1の基板22に刻印されることを可能にし得る。
【0126】
本実施形態では、第1の導波路26は、湾曲部分34に隣接しかつ界面30に対して近位にある直線部分36をさらに含む。本明細書で説明するように、第1の導波路26の設計は、第1の導波路26と第2の導波路28との間の結合効率に影響を与え得る。したがって、第1及び第2の導波路26、28が互いに結合されるときに互いに近位にある第1及び第2の導波路26、28の部分として近位部分38が定義され得る。本実施形態では、直線部分36は、第2の導波路28の近位部分38に平行である。
【0127】
湾曲部分34の曲率半径は、第1の導波路26の界面に対して遠位にある部分40と、第1の導波路26の界面30に対して近位にある部分(この場合、直線部分36の湾曲部分34に隣接する部分)との間の幾何学的関係によって定義され得る。湾曲部分34の曲率半径は、第1の導波路26に沿った位置の関数として変化し得る。部分40は、湾曲部分34から斜めに界面30から離れて延びる。当然のことながら、第1の導波路26の設計は、その設計が光学装置20の特定の要件によって決まるので、任意であり得る。しかしながら、第1の導波路26の界面に対して近位にある部分は、光信号のエバネッセント場が第1の導波路26と第2の導波路28との間の部分を通って伝播することができるように形作られる。
【0128】
本実施形態における第1の基板22としてのガラス又は非晶質材料の使用は、性能、製造可能性及びPICプラットフォームとの適合性を改善する機会の少なくとも1つを提供し得る。PICプラットフォームとシリカは同様の熱膨張係数を有し得、信頼性がありかつ機械的に安定しているとみなし得る。3Dレーザ刻印された導波路を(例えばレーザ刻印導波路の中心線が一次元、二次元又は三次元に延びることができるようなに)使用する可能性は、性能と製造容易性を改善するために(例えば第三次元を利用する)重要な設計自由度を提供する。
【0129】
本明細書に記載される実施形態は、他のアプローチに比べて改善されたアライメント公差を有し得る。エバネッセント結合のアプローチは、他のアプローチに比べて低い偏光依存性を提供し得る。光学装置10は、例えば、第1の導波路26を界面30に非常に近接するようにレーザ刻印する可能性により、比較的コンパクトであり得る(例えば、200μm未満)。光学装置20は、製造が比較的容易であり得、特定の実施形態ではいかなる形態の研磨も必要としない可能性がある。
【0130】
本実施形態では、第1の導波路26は、標準的な光ファイバ(図示せず)に結合され得る。光ファイバ及び第2の導波路28の潜在的に異なる光モードサイズにもかかわらず、第1の導波路26の設計は、低い挿入損失、広いスペクトル帯域幅の伝送、低い偏光依存性及び緩和されたアライメント公差の少なくとも1つを達成できるようなものであり得る。
【0131】
図4及び
図5は、それぞれ、更なる実施形態による光学装置50の直交断面概略図を示す。光学装置50は、光学装置20に関連して説明したものと同様の特徴を有し、それらの特徴には同じ符号を使用する。しかしながら、光学装置20とは対照的に、光学装置50は、
図1に示すようなPICプラットフォーム10を含まない。
【0132】
光学装置50は、第1の基板22の界面30に設けられた導波路層52を含む。本実施形態では、導波路層52は、更なる導波路54を界面30上に設けるためにエッチングされている。更なる導波路54は、第1の導波路26と更なる導波路54との間の光信号のエバネッセント結合を提供するために、第1の導波路26に対して近位に配置される。本実施形態では、更なる導波路54は、酸窒化ケイ素(SiON)を含む。当然のことながら、窒化ケイ素などの他の材料を使用して、更なる導波路54を形成することができる。製造中、導波路層52は、界面30に堆積される。フォトリソグラフィ又は他の任意の適切な技術で使用されるようなパターニングプロセスを使用して、導波路層52の内部で更なる導波路54の形状を画定する。次いで、例えばエッチングなどの材料除去プロセスを使用して、導波路層52の1つ以上の部分を除去し、更なる導波路54を残す。続いて、クラッド材料18が、更なる導波路54及び/又は界面30の露出部分に堆積され得る。光学装置50は、第1の導波路26と更なる導波路54との間で光信号をエバネッセント結合するための独立型デバイスの一例である。一実施例では、更なる導波路54の入力及び/又は出力は、更なる導波路54と外部デバイス(図示せず)との間で送信及び/又は受信するために(そしてそれにより第1の導波路26と外部デバイスとの間の光通信を容易にするために)外部デバイスに突き合わせ結合され得る。本明細書に記載される他の実施形態は、光学装置50と同様の特徴を含む。しかしながら、これらの他の実施形態の少なくともいくつかでは、「更なる導波路」は、第1の導波路と第2の導波路との間のエバネッセント結合を改善するために設けられる。
【0133】
一実施形態では、導波路層52は、プラズマ増強化学蒸着(PECVD)などの好適な堆積技術を用いて形成される。次に、パターンがマスクによって導波路層52に投影され、パターンは、導波路層52のうち、除去されると更なる導波路54を残す部分のみが変更される。導波路層52の前記部分は、更なる導波路54を形成するために、例えば材料除去プロセスを用いることにより除去される。本明細書に記載される例示的な材料除去プロセスは、エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)若しくはウェットエッチング、研磨、例えば化学機械研磨(CMP)、研磨材プロセス、例えば研磨材吹き付け若しくはサンドブラスト、又はこれらの組み合わせを含み得る。当然のことながら、更なる導波路54(及び任意選択のクラッド材料18)を界面30に設けるために、任意の適切な方法が使用され得る。
【0134】
図6aは、光学装置50に用いる例示的な導波路構成の断面図を示す。
図6aにおいて、上の図は更なる導波路54の例示的な形状を示し、下の図は第1の導波路26の例示的な形状を示す。
図6bは、第1の導波路26及び更なる導波路54の相対的な位置を(光信号の伝播方向に沿って)示す。
【0135】
本実施形態では、第1の導波路26は、第1の導波路26と更なる導波路54との間の光信号の断熱的なエバネッセント結合を提供するために第1の導波路26に沿って少なくとも1つの特性を含む。第1の導波路26に沿った特性は、第1の導波路26の伝播定数が更なる導波路54の伝播定数と同じになるように構成された少なくとも1つの位相整合領域を含む。また、特性は、それぞれの第1の導波路26及び更なる導波路54に沿って一定の損失が定められるように設計されている。
【0136】
第1の導波路26及び更なる導波路54は、少なくとも1つの位相整合領域を含む少なくとも1つの先細り部分を含み得る。本実施形態では、第1の導波路26は、更なる導波路54との断熱的なエバネッセント結合を提供するための第1の先細り部分56を含む。第1の先細り部分56は、第1の導波路26に沿った位置によって異なる幅を有する。
【0137】
当然のことながら、湾曲部分34は、
図6a~6bの平面図では識別できない。しかしながら、側方から見た場合、第1の先細り部分56は、
図5に示す湾曲部分34の少なくとも一部を含む。したがって、
図6a~6bは、第1の導波路26及び更なる導波路54に沿った特性(例えば先細り)の変化を示すが、当然のことながら、特性は湾曲部分34により第1の導波路26に沿って変化し得る。例えば、湾曲部分34は、(
図6a~6bの図によって示されるような)水平面及び垂直面(例えば水平面に垂直な方向)の両方に先細りを含み得る。本実施例では、湾曲部分34は、水平面及び垂直面の両方において界面30に向かって内側に先細りになっている。当然のことながら、いくつかの実施形態では、先細りは、水平面及び垂直面の一方のみであり得る。
【0138】
第1の導波路26は、別の導波路(例えば、本明細書に記載される更なる導波路54又は第2の導波路28)との光信号の結合を容易にするために任意の適切な方法で構成され得る。例えば、第1の導波路26の屈折率は、第1の導波路26に沿った位置の関数として変化し得る。代替的又は追加的に、第1の導波路26は、第1の導波路26に沿った位置の関数として変化する、第1の基板22の周囲の材料との屈折率コントラストを有し得る。
【0139】
図6a~6bにも示されるように、更なる導波路54は、第1の導波路26と断熱的なエバネッセント結合を提供するための第2の先細り部分62を含む。当然のことながら、第1の導波路26及び更なる導波路54の設計は、必要に応じて変更することができる。例えば、第1の導波路26及び更なる導波路54の少なくとも一方は少なくとも1つの先細り部分を含み得、各導波路は異なる特性を有し得る。第1の導波路26の特性に応じて、更なる導波路54は、断熱的なエバネッセント結合が第1の導波路26に提供され得るように設計され得る。同様に、第1の導波路26は、断熱的なエバネッセント結合が、更なる導波路54に提供され得るように設計され得る。
【0140】
図7~8は、第2の基板24(例えば、PICプラットフォーム10)をさらに含む
図4の光学装置50の直交断面概略図を示す。光学装置50は、接合材料32の層を用いて第2の基板24と接合されるので、本実施形態では、第2の基板24は、光学装置50の一部とみなすことができる。当然のことながら、他の実施形態では、光学装置、例えば第1の基板及び第2の基板は、レーザビーム溶接などの溶接技術を用いて互いに結合又は接合され得る。これにより、第1の基板と第2の基板との間の界面における接合材料の使用を回避することができる。
【0141】
本実施形態では、第2の導波路28は、第1の導波路26よりも高い屈折率の材料を含む。更なる導波路54の材料は、第1の導波路26よりも高いが第2の導波路28よりも低い屈折率を有する材料を含む。
【0142】
表面に堆積された更なる導波路54は、レーザ刻印された第1の導波路26及び第2の導波路28のみに比べて実質的により高い屈折率コントラストを有するコンパクトなフォトニックコンポーネントの製造を可能にし得る。光学装置50は、更なる集積化及び光ファイバ(図示せず)への低損失インターフェースのためにレーザ刻印された第1の導波路26への低損失結合の恩恵を受けることができる。例示的な用途は、他のレーザ刻印された導波路で利用可能な低屈折率コントラストで製造するには大きすぎる場合がある、表面導波路層上の波長マルチプレクサ/デマルチプレクサ回路の製造を含む。
【0143】
表面に堆積された更なる導波路54は、シリコンフォトニクス又はリン化インジウムで作られたものなどの高屈折率コントラストプラットフォーム上に製造されたエッジベースのスポットサイズ変換カプラへの低損失で効率的な突き合わせ結合を可能にするために使用され得る。当然のことながら、光学装置50の利点の1つ以上は、第2の基板24又はPICプラットフォーム10の有無にかかわらず、光学装置50に適用可能である。言い換えれば、いくつかの実施形態では、光学装置50(又はその1つ以上の部分)は、シリコンフォトニクス又はリン化インジウムで作られたものなどの1つ以上の高屈折率コントラストプラットフォームと共に使用され又は使用可能であり得る。
【0144】
導波路層52を用いて形成された表面に堆積された更なる導波路54を使用する1つの可能な用途は、高屈折率コントラストプラットフォームへのエバネッセント結合における中間層として機能することであり得る。この場合、この更なる導波路54は、第1の導波路26から高屈折率コントラストの第2の導波路28に光を効率的に転送するのに役立ち得る。このアプローチは高い結合効率を提供し得る。設計シミュレーションは、総エバネッセント結合効率が95%を超える可能性があることを示している。
【0145】
図9は、光学装置100のアセンブリの断面概略図を示す。光学装置100は本明細書に記載される他の光学装置20、50と類似しており、類似の特徴は100ずつ増した符号で示されている。光学装置100は、第1の基板122と第2の基板124とを含む。光学装置100は、プリント回路基板(PCB)102をさらに含む。第1の基板122は、PCB102と第2の基板124との間に挟まれている。PCB102は、電気信号を用いて第2の基板124の電気コンポーネント168と通信するように動作するキャリア104を含む。第1の基板124は、第2の基板124とキャリア104との間で第1の基板122を通って延びるビア170を含む。ビア170は、第1の基板122に形成された開口部を通って延びる金属接点を含む。したがって、ビア170は、PCB102と電気コンポーネント168との間の電気的接続を提供する。電気コンポーネント168は、受信した光信号及び電気信号の一方を光信号及び電気信号の他方に変換するように動作する。言い換えれば、光学装置100は、光信号と電気信号とのトランシーバとして機能し得る。本実施例では、2つの導波路126が近位領域138から延びて、それぞれの光デバイス172(例えばレーザー、フォトダイオードなど)にそれぞれの光ファイバ174を介して結合される。はんだ176が界面130内のエッチングされた凹部178に設けられ、第1の基板122を第2の基板124に結合するために使用される。
図9は、光信号をルーティングするための通信装置の一実施例とみなすことができる。
【0146】
図10は、本明細書に記載される任意の実施形態の光学装置に用いる第1の導波路26の例示的な構成の断面図を示す。第1の導波路26は湾曲部分34を含む。しかしながら、
図2から
図3とは対照的に、第1の導波路26は同様の直線部分36を含まない。第1の導波路26は、第1の導波路26に沿った位置の関数として変化する曲率半径を有し、この曲率半径は、第1及び第2の導波路26、28(及び/又は更なる導波路54)の間に異なる伝播特性を提供し得る。湾曲部分34は、第1の導波路26が、エバネッセント場の伝播方向に平行な平面内で界面30に向かって及び界面30から離れて延びるようになっている。
【0147】
図11は、本明細書に記載される任意の実施形態の光学装置に用いる第1の導波路26の更なる例示的な構成の断面図を示す。第1の導波路26は
図10と同様である。第1の導波路26は、第1の導波路26に沿った位置の関数として変化する曲率半径を有し、この曲率半径は、第1及び第2の導波路26、28(及び/又は更なる導波路54)の間に異なる伝播特性を提供し得る。例えば、第1及び第2の導波路26、28(及び/又は更なる導波路54)の間のエバネッセント場は、増強されかつ/又は光信号の十分に強いエバネッセント結合が生じ得る長さを延長し得る。したがって、湾曲部分34の曲率半径を第1の導波路26に沿った位置の関数として最適化することによって、第1の導波路26と第2の導波路28及び/又は更なる導波路54との間でエバネッセント結合された光信号の様々な、増強され又は改善された伝播特性を提供し得る。
【0148】
図12から
図13は、PICプラットフォーム10に用いる第2の導波路28の例示的な構成の様々な断面図を示す。図示されたそれぞれの第2の導波路28は、第2の導波路28に沿って異なる幅を有し、その設計は、第1の導波路26の設計及び/又はそれらの近接及び相対的配置に依存し得る。
【0149】
図14は、本明細書に記載される任意の実施形態のPICプラットフォームに用いる第2の導波路28の例示的な構成の断面図を示す。本実施形態では、第2の導波路28は、第1の導波路26との断熱的なエバネッセント結合を提供するために(界面30に関して)横方向に離間した複数(本実施例では2つ)の先細り部分82と光通信して設けられるスプリッタ80を含む。第2の導波路28の分割構造は、1つの先細り部分のみが設けられる場合に比べて、より多くの横方向のアライメント公差を提供し得る。したがって、第1及び第2の導波路26、28の相対的な横方向の位置合わせが正確でない場合、事実上2つの第2の導波路28によって提供される付加的な公差によって、位置合わせ要件を緩和することができる。
【0150】
図15は、更なる実施形態による、PICプラットフォームと一体化されるように構成された光学装置200の断面概略図を示す。
図15の実施形態は、本明細書に記載される光学装置50と非常に類似しているが、類似の特徴は200ずつ増した符号で示されている。異なる特徴を本明細書に記載する。
【0151】
光学装置200は、第1の基板222と第2の基板224との間に配置された複数のスペーシング要素284を含む。本実施例では、スペーシング要素284は、酸窒化ケイ素を含むが、窒化ケイ素などの他の任意の適切な材料を含むことができる。強化されたエバネッセント結合を提供するための更なる導波路254が、第1の導波路226と第2の導波路228との間に設けられる。接合材料232の層が、第2の基板224のシリカ層214と第1の基板222の対応するクラッド材料218との間に設けられる。スペーシング要素284は、第1及び第2の導波路226、228及び/又は更なる導波路254の間の間隔がそれらの間に最適なエバネッセント結合を提供するのに適していることを確実にすることができる。
【0152】
図16は、更なる実施形態による、PICプラットフォームと一体化されるように構成された光学装置300の断面概略図を示す。
図16の実施形態は、本明細書に記載される光学装置200と非常に類似しているが、類似の特徴は100ずつ増した符号で示されている。異なる特徴を本明細書に記載する。
【0153】
光学装置300は、第1の基板322と第2の基板324との間に配置された少なくとも1つの層(本実施形態では、シリカ層314)に複数の凹部領域386を含み、複数のスペーシング要素384が、対応する凹部領域386に設けられている。スペーシング要素384及び凹部領域386を設けることにより、第1の導波路326、第2の導波路328及び更なる導波路354の正確かつ適時な位置合わせを容易にすることができる。
【0154】
図17は、本明細書に記載される一以上の実施形態の光学装置を製造するための例示的なプロセスフローを示す。第1のステップ400において、第1の基板22を設ける。プロセスフローは、光学装置を製造するいくつかの異なる方法を示す。第1のプロセスのステップ402において、第1の基板22に導波路層52を堆積させる。第1のプロセスのステップ404において、第1の基板22に第1の導波路26を刻印する。導波路層52(又は他の任意の層)を第1の基板22に堆積させた後にレーザ刻印することによって、導波路層52(又は他の任意の層が設けられる)がない場合に可能であるよりも、第1の導波路26を界面30の近くに作ることが可能になる。この理由の1つとして考えられるのは、導波路層52(又は他の任意の層)を設けることによる界面30におけるアブレーション閾値の低下である。第2の代替的なプロセスでは、ステップ402、404の順序が入れ替わる。第2のプロセスにおけるステップ400の後、ステップ406において、第1の基板22に第1の導波路26を刻印する。ステップ406の後、ステップ408において、第1の基板22に導波路層52を堆積させる。ステップ404又はステップ408の後、ステップ410において、(例えばパターニングプロセス及びその後の材料除去プロセスなどを用いて)導波路層52に更なる導波路54を形成する。更なる導波路54を設けない場合、ステップ410は任意選択のステップとみなすことができる。
【0155】
任意選択のステップ412において、接合材料32の層を設ける。接合材料32の層は、更なる導波路54及び/又は(例えば
図15から
図16に示すように)更なる導波路54に設けられる別の層に設けられ得る。任意選択のステップ414において、少なくとも1つの追加の層(クラッド材料など)を設ける。ステップ412の後に起こるように示されているが、少なくとも1つの追加の層は、接合材料32の層が設けられる前に設けられ得る。任意選択のステップ416において、接合材料32の層を用いて第2の基板24を第1の基板22(及びそれらの間の任意の層)に結合する。第2の基板22は、エバネッセント波結合を容易にするために第1の導波路22及び/又は更なる導波路54に対して適切に配置され得る、第2の導波路28を含み得る。第2の導波路28は、(例えばパターニングプロセスとその後の材料除去プロセスにより)第2の基板24に予め設けられていてもよい。当然のことながら、いくつかの実施態様では、第2の基板22及び/又は第2の導波路28を設けなくてもよい。
【0156】
第3のプロセスのステップ400の後、ステップ418において、第1の基板22に犠牲層(クラッド材料18など)を設ける。ステップ420において、レーザ刻印を用いて第1の基板22に第1の導波路26を設ける。ステップ422において、(例えばパターニングプロセス及びその後の材料除去プロセスなどにより)犠牲層の一部分を除去する。ステップ424において、犠牲層の残りの部分(及び第1の基板22の任意の露出部分)に導波路層52を堆積させる。ステップ424の後、任意選択のステップ410、412、414及び416の少なくとも1つが本明細書に記載されるように実施され得る。
【0157】
当然のことながら、
図17のプロセスステップは、より一般的に適用できる。例えば、光学装置を製造する方法は、基板を設けること、基板に層を堆積させること、及び基板と層との間の界面に対して近位にある基板内に導波路をレーザ刻印することを含み得る。基板は、第1及び第2の基板22、24のいずれかであり得る。堆積される層は、導波路層52、クラッド材料18、接合材料32の層、又は他の任意の層の少なくとも1つを含み得る。レーザ刻印された導波路は、第1の導波路26及び/又は他の任意の導波路であり得る。レーザ刻印は、層の堆積の前又は後に行うことができる。光学装置は、第2の導波路28を含む第2の基板24を任意選択で含み得る。光学装置は、更なる導波路54を含む導波路層52を任意選択で含み得る。製造プロセスは、必要に応じて変更することができる。例えば、第1の基板22に堆積されるものとして本明細書に記載される層は、代わりに第2の基板24に堆積され又はその逆であり得る。
【0158】
当然のことながら、方法は、追加的又は代替的に、第1の基板22及び/又は第2の基板24の表面に更なる導波路54を形成することを含み得る。次いで、方法は、例えば表面の欠陥(例えば亀裂又は微小亀裂)及び/又は粒子などの量を低減するために、第1の基板22及び/又は第2の基板24の表面を準備又は調整することを含み得る。方法は、更なる導波路54を形成する前に第1の基板22及び/又は第2の基板24の表面を準備又は調整することを含み得る。これにより、犠牲層の使用を軽減することができる。更なる導波路54は、例えば
図17に示すプロセスフローのステップ410に関して上述したように、第1の基板22及び/又は第2の基板24の表面に形成され得る。
【0159】
当然のことながら、いくつかの実施形態では、方法は、追加的又は代替的に、レーザビーム溶接などの溶接技術を用いて第1の基板22及び第2の基板24を互いに結合することを含み得る。これにより、界面30に接合材料を設けることを回避することができる。
【0160】
図18aから18fは、本明細書に記載される任意の実施形態の光学装置に用いる例示的な導波路構成の断面図を示す。当然のことながら、
図18aから18fに示す例示的な導波路構成は、任意の組み合わせで又は単独で使用することができる。
図18aは、それぞれ、第1の導波路26、第2の導波路28及び/又は更なる導波路54の一部であり又はこれらに含まれ得る、例示的な先細り部分29、56、62を示す。
図18aに示す先細り部分29、56、62は、第1の方向z及び/又は第2の方向において変化する、例えば本実施例では減少する幅又は厚さを含む。第1の方向zは、例えば、第1の導波路26、第2の導波路28及び/又は更なる導波路54に沿った方向、例えば第1の導波路26、第2の導波路及び/又は更なる導波路54における光信号の伝播方向を含むとみなすことができる。第2の方向は、第1の方向zに垂直な方向を含み得る。当然のことながら、他の実施形態では、第1の導波路、第2の導波路及び/又は更なる導波路の先細り部分は、先細り部分の幅又は厚さが第1の方向及び/又は第2の方向において増加するように構成され得る。
【0161】
図18bは、本明細書に記載される任意の実施形態の光学装置に用いる第1の導波路26の例示的な構成を示す。第1の導波路26は、第1の導波路26の一部又は全ての屈折率が第1の方向z及び/又は第2の方向において変化するように、例えば連続的に変化するように構成され得る。例えば、第1の導波路26は、例えば
図18bに示すように、第1の導波路26の一部又は全ての屈折率が第1の方向z及び/又は第2の方向において減少するように構成され得る。代替的に、第1の導波路は、第1の導波路の一部又は全ての屈折率が第1の方向z及び/又は第2の方向において増加するように構成され得る。第1の導波路の一部又は全ての屈折率は、第1の導波路26の一部又は全てと第1の基板22の周囲の材料との間の屈折率コントラストΔnを変化させること、例えば連続的に変化させることにより、第1の方向z及び/又は第2の方向において変化させること、例えば連続的に変化させることができる。第1の導波路22の一部又は全ての屈折率は、第1の基板22のレーザ刻印を用いて変化させることができる。第1の基板22のレーザ刻印を用いることにより、変化し得る、例えば連続的に変化し得る屈折率を含む第1の導波路26の形成を容易にすることができる。当然のことながら、
図18bに関して上述した特徴は、第2の導波路及び/又は更なる導波路に適用され又は含まれ得る。
【0162】
図18cは、本明細書に記載される任意の実施形態の光学装置に用いる更なる導波路54の例示的な構成を示す。更なる導波路54は、複数のセグメント54aを含むように構成され得る。複数のセグメント54aは、第1の方向zに沿って配置され得る。複数のセグメント54aの一部又は全てのセグメントは、同じ屈折率を含み得る。複数の部分又はセグメント54aは、更なる導波路54の屈折率、例えば有効屈折率が第1の方向z及び/又は第2の方向において変化するように配置され得る。例えば、更なる導波路54は、複数の部分又はセグメント54aの一部又は全てのセグメントのサイズ又は幅が第1の方向z及び/又は第2の方向において変化するように構成され得る。例えば、
図18cに示すように、更なる導波路54は、複数のセグメント54の一部又は全てのサイズ又は幅が第1の方向z及び/又は第2の方向において減少するように構成され得る。これは、更なる導波路54の屈折率、例えば有効屈折率が、第1の方向z及び/又は第2の方向に減少する結果となり得る。更なる導波路54は、複数のセグメント54aの少なくとも2つ又は全てのセグメント間の空間又は距離dが第1の方向zにおいて変化するように構成され得る。例えば、
図18cに示すように、更なる導波路54は、複数のセグメント54の少なくとも2つ又は全てのセグメント間の空間又は距離dが第1の方向zにおいて増加するように構成され得る。これは、更なる導波路の屈折率、例えば有効屈折率が第1の方向z及び/又は第2の方向において減少する結果となり得る。当然のことながら、他の実施形態では、更なる導波路は、複数のセグメントの一部又は全てのサイズ又は幅が第1の方向z及び/又は第2の方向において増加し、かつ/又は複数のセグメントの少なくとも2つ又は全てのセグメント間の空間又は距離が第1の方向において減少するように構成され得る。
【0163】
図18d及び18eは、本明細書に記載される任意の実施形態の光学装置に用いる更なる導波路54の例示的な構成を示す。
図18dに示す例示的な更なる導波路54は、
図18dに示すものと類似している。しかしながら、
図18dに示す更なる導波路54は、複数のセグメント54aの一部又は全てのセグメントのサイズ又は幅が同じになるように構成され得る。更なる導波路54は、複数の部分又はセグメントの少なくとも2つ又は全ての部分又はセグメント間の空間又は距離dが同じになるように構成され得る。更なる導波路54は、複数のセグメント54aの一部又は全てのセグメントのサイズ又は幅が光信号の波長よりも小さくなるように構成され得る。更なる導波路54は、複数のセグメント54aの少なくとも2つ又は全てのセグメント間の空間又は距離dが更なる導波路54における光信号の波長よりも小さくなるように構成され得る。
図18eは、更なる導波路54の例示的な構成の平面図を示す。複数のセグメント54aは、第2の方向(
図18eにy方向で示す)に沿って配置され得る。言い換えれば、複数のセグメント54a、例えばその一部又は全てのセグメントは、セグメント54aのアレイを形成するように配置され得る。複数のセグメント54aの一部又は全ては、メタマテリアルを形成しているとみなされ得る。複数のセグメント54aの一部又は全ては、更なる導波路54の屈折率、例えば有効屈折率を変化させるように、例えば減少又は増加させるように配置され得る。当然のことながら、複数のセグメントは、
図18d及び18eに示す形状に限定されない。例えば、複数のセグメントの一部又は全てのセグメントは、例えば円形、楕円形、長方形、正方形の断面などの任意の好適な形状又は断面を有し得る。
【0164】
当然のことながら、
図18d及び18eに関して上述した特徴は、第1の導波路及び/又は第2の導波路28に同様に適用され又は含まれ得る。
【0165】
図18fは、本明細書に記載される任意の実施形態の光学装置に用いる更なる導波路54の例示的な構成を示す。先細り部分62の幅又は厚さが第1の方向z及び/又は第2の方向において増加する場合、更なる導波路54はくびれ部分62aを含み得る。くびれ部分62aは、例えば第1の方向z及び/又は第2の方向の先細り部分62の幅又は厚さよりも小さいか又は狭い、例えば第1の方向z及び/又は第2の方向の幅又は厚さを含み得る。くびれ部分62aは、更なる導波路54の先細り部分62から間隔を置いて又は離れて配置され得る。くびれ部分は、更なる導波路54において光信号の1つ以上のモードをフィルタリングするように構成され得る。くびれ部分62aは、更なる導波路54の先細り部分62への光信号の単一モードの伝送を可能にするように配置され得る。
【0166】
当然のことながら、
図18fに関して上述した特徴は、第1の導波路及び/又は第2の導波路28に同様に適用され又は含まれ得る。
【0167】
上記のように、
図18aから18fに関して図示及び説明した任意の例示的な構成による第1の導波路は、レーザ刻印を用いて形成され得る。
図18aから18fに関して図示及び説明した任意の例示的な構成による第2の導波路及び/又は更なる導波路は、例えば上記のように、堆積及び/又はリソグラフィ技術を用いて(例えばパターニングプロセス及びその後の材料除去プロセスを用いて)形成され得る。
【0168】
図18aから18fに関して図示及び説明した例示的な構成の一部又は全ては、緩和されたアライメント公差、製造の容易さ、及び/又はファウンドリにおける既存のプロセス又はツールとの適合性を可能にし得る。
【0169】
図19は、更なる実施形態による光学装置520の断面概略図を示す。
図19の実施形態は、本明細書に記載される光学装置20と類似しているが、類似の特徴は500ずつ増した符号で示されている。異なる特徴を本明細書に記載する。
【0170】
光学装置520は、少なくとも1つの開口部588を含み得る。開口部588は、第1の基板522の一部であり又は第1の基板522に含まれ得る。
図19において、光学装置520は3つの開口部588を含む。当然のことながら、他の実施形態では、光学装置は3つより多いか又は少ない開口部を含み得る。開口部588は、チャネル、穴、貫通穴、ブリード穴、通気孔などの形態又はこれらの組み合わせで設けられ得る。開口部588は、例えば第1の基板522と第2の基板524とが互いに結合されるときに、第1の基板522と第2の基板524との間の空間からのガスの通過を可能にするように配置され得る。開口部588は、例えば第1の基板と第2の基板とが、例えば接合材料532を用いて互いに結合されるときに、各開口部588の少なくとも一部への接合材料532の通過を可能にするように配置され得る。これは、第1の基板と第2の基板との間の位置合わせ及び/又は結合の制御、例えば第1の基板と第2の基板との間の距離の制御、及び/又は、第1の基板と第2の基板とを緊密に接合することを可能にする。開口部588は、例えばエッチング(例えばレーザ支援エッチング、ドライエッチング又はウェットエッチング)、又はアブレーション(例えばレーザアブレーション)、又はマスキングなどの別の材料除去プロセスを用いて形成され得る。
【0171】
図20は、更なる実施形態による光学装置620の断面概略図を示す。
図19の実施形態は、本明細書に記載される光学装置50と類似しているが、類似の特徴は600ずつ増した符号で示されている。異なる特徴を本明細書に記載する。
【0172】
光学装置50又はその一部の用途では、例えばエッジ結合用途などでは、第2の導波路は、エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)などの材料除去プロセスを用いて調整された側面又はファセットを含み得る。これは、第2の導波路628が第2の基板624の第1のエッジ690から離れて配置される、第2の基板624のレッジ型の配置をもたらし得る。本実施例では、第1の基板622は、第2の基板624との結合、例えば相補的な結合を可能にするように形作られ又は構成され得る。例えば、第1の基板622は、第1の基板622に設けられた更なる導波路654と第2の導波路628との間の突き合わせ結合を可能にするように形作られ又は構成され得る。例えば、第1の基板622は、第2のエッジ692を含み得る。第2のエッジ692は、第1の基板624の第1のエッジ690と相補的に適合するように形作られ得る。言い換えれば、第2のエッジ692は、例えば第1の基板622と第2の基板624との相補的な結合を可能にするために、第1のエッジ690と第2のエッジ692とが対向するエッジを画定するように形作られ又は構成され得る。これにより更なる導波路654を第2の導波路に近接させることができ、それにより更なる導波路と第2の導波路との間の距離を減少させ、それにより更なる導波路と第2の導波路との間の距離にわたる光信号の損失を低減することができる。更なる導波路は、第2のエッジ692の少なくとも一部に形成され得る。第2の基板624は、結合部分694を含み得る。結合部分694は、エッジカプラ又はエッジ結合部分694の形態で設けられ得る。結合部分694は、例えば第1の基板622と第2の基板624が互いに結合されるときに、更なる導波路654と第2の導波路628との間の突き合わせ結合を可能にするように配置され得る。結合部分694は、二酸化ケイ素(SiO2)(又はシリカ)及び窒化ケイ素の少なくとも1つを含み得る。当然のことながら、結合部分は、二酸化ケイ素及び窒化ケイ素の少なくとも1つを含むことに限定されず、他の実施形態では、結合部分は、別の好適な材料を含み得る。結合部分694は、例えば更なる導波路654と第2の導波路628との間の突き合わせ結合を可能にするために、モードフィールド径を変化させるように、例えば増加させるように構成され得る。
【0173】
更なる導波路654は、例えば第1の基板と第2の基板とが互いに結合されているときに、更なる導波路654における光信号の伝播方向が第2の導波路628における光信号の伝播方向に対応するか又は同じになるように第2の導波路628に対して配置され得る。
【0174】
本明細書に記載される光学装置は、第1の基板及び第2の基板を含む。しかし、当然のことながら、光学装置は、第1の基板のみを含むか又は第2の基板のみを含むとみなされ得る。第2の導波路は、追加の導波路の一例とみなされ得る。更なる導波路は、追加の導波路の一例とみなされ得る。本明細書に記載される光学装置は、1つ又は複数の追加の導波路、例えば、本明細書に記載される第2の導波路及び更なる導波路の一方又は両方を含み得る。
【0175】
本開示全体にわたって、「基板」及び「層」という用語に対して様々な言及がなされている。いくつかの文脈において、用語は、層が基板とみなされ得るように交換可能であり得ることが理解されるであろう。他の文脈では、基板は基板であるとみなされ得る。
【0176】
出願人は、本明細書に記載されている個々の特徴及び2つ以上のそのような特徴の任意の組合せを、そのような特徴又は特徴の組合せが本明細書に開示されている課題を解決するか否かにかかわらず、また特許請求の範囲の範囲に限定されることなく、当業者の技術常識に照らして、そのような特徴又は組合せを明細書全体に基づいて実施することができる範囲で分離して開示している。出願人は、本発明の態様がそのような個々の特徴又は特徴の組合せからなり得ることを示している。以上の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な変更を行い得ることが当業者には明らかであろう。