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特許7401053金の回収方法、金の回収剤および金の回収装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】金の回収方法、金の回収剤および金の回収装置
(51)【国際特許分類】
   C22B 11/00 20060101AFI20231212BHJP
   C22B 3/24 20060101ALI20231212BHJP
   C02F 1/28 20230101ALI20231212BHJP
   B01J 20/26 20060101ALI20231212BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
C22B11/00 101
C22B3/24 101
C02F1/28 B
B01J20/26 E
C02F1/28 Z
B01J20/34 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019207362
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021080511
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】399030060
【氏名又は名称】学校法人 関西大学
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100206140
【弁理士】
【氏名又は名称】大釜 典子
(74)【代理人】
【識別番号】100136777
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 純子
(72)【発明者】
【氏名】村山 憲弘
(72)【発明者】
【氏名】工藤 宏人
(72)【発明者】
【氏名】成田 弘一
(72)【発明者】
【氏名】松岡 光昭
(72)【発明者】
【氏名】石田 有樹
【審査官】藤長 千香子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-204576(JP,A)
【文献】特開2000-044577(JP,A)
【文献】特開2011-132552(JP,A)
【文献】特開2013-227608(JP,A)
【文献】特開2013-136035(JP,A)
【文献】特開2014-198330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00-61/00
C02F 1/28
B01J 20/00-20/34
C08J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金イオンを含む処理対象液から金を回収する方法であって、
前記金イオンを含む処理対象液と、下記の化学式(2)で示される化合物であるラダー型環状化合物を含む金の回収剤とを、pH6以下の条件下で混合させて、含まれる金の50質量%以上が金属Auとして存在する金含有ラダー型環状化合物を含む混合溶液を得る混合工程と、
前記混合溶液をろ過し、前記金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物を回収するろ過工程とを含む、金の回収方法。
【化1】
【請求項2】
前記ろ過工程の後、前記金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物と、pH9以上のアルカリ水溶液とを接触させることで、前記金含有ラダー型環状化合物の金とラダー型環状化合物を分離させて金を回収するアルカリ水溶液添加工程を更に含む、請求項1に記載の金の回収方法。
【請求項3】
前記混合工程で、撹拌を1時間以上行う、請求項1または2に記載の金の回収方法。
【請求項4】
前記処理対象液中の金イオン濃度は1ppm以上である、請求項1~のいずれかに記載の金の回収方法。
【請求項5】
前記混合工程での、前記ラダー型環状化合物と、金イオンを含む処理対象液の混合割合は、該ラダー型環状化合物の質量(g):金イオン濃度が1ppm以上の処理対象液の体積(cm)が、1:3以上、1:300以下の範囲内である、請求項1~のいずれかに記載の金の回収方法。
【請求項6】
前記混合工程で、前記混合溶液を40℃以上に加熱する、請求項1~のいずれかに記載の金の回収方法。
【請求項7】
請求項1~のいずれかに記載の金の回収方法に用いられる、下記の化学式(2)で示される化合物であるラダー型環状化合物を含む金の回収剤。
【化2】
【請求項8】
金イオンを含む処理対象液から金を回収する装置であって、
前記金イオンを含む処理対象液と、下記の化学式(2)で示される化合物であるラダー型環状化合物を含む金の回収剤とを、pH6以下の条件で混合し、撹拌させて、含まれる金の50質量%以上が金属Auとして存在する金含有ラダー型環状化合物を含む撹拌溶液を得るための撹拌反応槽と、
前記撹拌溶液をろ過して、前記金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物を得た後、前記金含有ラダー型環状化合物の、ラダー型環状化合物をアルカリ水溶液で溶解させて金を回収するための、ろ過-アルカリ溶解槽およびアルカリ水溶液供給手段とを、少なくとも備える、金の回収装置。
【化3】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金の回収方法、金の回収剤および金の回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金は高価でかつ、資源に乏しいことから、金を含む廃棄物、例えば、めっき廃液、廃棄された電子部品等に含まれる金を回収する技術が提案されている。特に、従来から使用される毒性の強いシアン化物を使用した方法に代わる技術として、多くの金の回収方法が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、金を酸性条件下で選択的に捕集(吸着)する捕集材に関するものであって、具体的には、エポキシ基を担体に導入することにより金を酸性条件下で選択的に捕集する捕集材について提案されている。
【0004】
特許文献2においては、優れた選択的金吸着能を有し、カラムへの充填や溶液への分散が可能であり、且つ、溶液と容易に分離できる吸着材及びこれを用いた金の回収方法を提供することを目的に、前記吸着剤として、所定の一般式(1)で表される構造単位(a)の繰り返しからなるセグメントAと、所定の一般式(2)で表される構造単位(b)の繰り返しからなるセグメントBと、所定の一般式(3)で表される構造単位(c)の繰り返しからなるセグメントCとが、A-B-Cのシークエンスで結合しているABC型アゾ系トリブロック共重合体を、樹脂ビーズに含浸させてなる吸着材が提案されている。
【0005】
また特許文献3には、金イオンの選択的な吸着性に優れる新規な吸着材として、重合体基材に特定の官能基を導入した金属イオン吸着材が、複数の金属種が混在する溶液中から金のみを高い選択性で吸着すること、具体的には、少なくとも一つ以上の重合体を含む金イオン吸着材であって、前記重合体の側鎖に、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基が導入されていることを特徴とする金イオン吸着材が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-096175号公報
【文献】特開2013-136035号公報
【文献】特開2014-198330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらの方法では、金と共に、他の元素が多く回収されたり、金を吸着剤に吸着させた後、該吸着剤から金を脱着させることが非常に煩雑であるといった問題があった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、容易に行うことができかつ金の回収率の高い金の回収方法と、該回収方法で用いられる、金を選択性よく分離・回収することのできる金の回収剤と、前記回収方法に用いられる金の回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様1は、
金イオンを含む処理対象液から金を回収する方法であって、
前記金イオンを含む処理対象液と、ラダー型環状化合物を含む金の回収剤とを、pH6以下の条件下で混合させて、金含有ラダー型環状化合物を含む混合溶液を得る混合工程と、
前記混合溶液をろ過し、金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物を回収するろ過工程とを含む、金の回収方法である。
【0009】
本発明の態様2は、
前記ろ過工程の後、前記金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物と、pH9以上のアルカリ水溶液とを接触させることで、前記金含有ラダー型環状化合物の金とラダー型環状化合物を分離させて金を回収するアルカリ水溶液添加工程を更に含む、態様1に記載の金の回収方法である。
【0010】
本発明の態様3は、
前記金含有ラダー型環状化合物に含まれる金は、50質量%以上が金属Auとして存在する、態様1または2に記載の金の回収方法である。
【0011】
本発明の態様4は、
前記金の回収剤に含まれるラダー型環状化合物は、下記の化学式(1)で示される化合物である、態様1~3のいずれかに記載の金の回収方法である。
【0012】
【化1】
【0013】
上記化学式(1)において、全Rのうち、12個以上のRはフェノール性水酸基であり、その他のRは、炭素数1以上10以下のヘテロ原子を有していてもよい脂肪族化合物、芳香族化合物、脂環式化合物、およびハロゲンよりなる群から選択される1以上の置換基であり、それらは互いに同一でも、異なっていてもよい。
【0014】
本発明の態様5は、
前記金の回収剤に含まれるラダー型環状化合物は、下記の化学式(2)で示される化合物である、態様1~4のいずれかに記載の金の回収方法である。
【0015】
【化2】
【0016】
本発明の態様6は、
前記混合工程で、撹拌を1時間以上行う、態様1~5のいずれかに記載の金の回収方法である。
【0017】
本発明の態様7は、
前記処理対象液中の金イオン濃度は1ppm以上である、態様1~6のいずれかに記載の金の回収方法である。
【0018】
本発明の態様8は、
前記混合工程での、前記ラダー型環状化合物と、金イオンを含む処理対象液の混合割合は、該ラダー型環状化合物の質量(g):金イオン濃度が1ppm以上の処理対象液の体積(cm)が、1:3以上、1:300以下の範囲内である、態様1~7のいずれかに記載の金の回収方法である。
【0019】
本発明の態様9は、
前記混合工程で、前記混合溶液を40℃以上に加熱する、態様1~8のいずれかに記載の金の回収方法である。
【0020】
本発明の態様10は、
態様1~9のいずれかに記載の金の回収方法に用いられる、ラダー型環状化合物を含む金の回収剤である。
【0021】
本発明の態様11は、
金イオンを含む処理対象液から金を回収する装置であって、
前記金イオンを含む処理対象液と、ラダー型環状化合物を含む金の回収剤とを、pH6以下の条件で混合し、撹拌させて、金含有ラダー型環状化合物を含む撹拌溶液を得るための撹拌反応槽と、
前記撹拌溶液をろ過して、前記金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物を得た後、前記金含有ラダー型環状化合物の、ラダー型環状化合物をアルカリ水溶液で溶解させて金を回収するための、ろ過-アルカリ溶解槽およびアルカリ水溶液供給手段とを、少なくとも備える、金の回収装置である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、容易に行うことができかつ金の回収率の高い金の回収方法と、該回収方法で用いられる、金を選択性よく分離・回収することのできる金の回収剤と、前記回収方法に用いられる金の回収装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実験において、Noriaの析出・溶解に及ぼすpHの影響を調べたグラフである。
図2図2は、実験においてろ過物として得られた、Au含有Noriaの写真である。
図3図3は、実験においてろ過物として得られた、Au含有NoriaのXRD(X線回折)分析結果である。
図4図4は、混合工程で行われうる撹拌の時間と金の回収率との関係を示すグラフである。
図5図5は、本発明の金の回収装置の好ましい一例について模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明者らは、金イオンを含む処理対象液からの、容易かつ金の回収率の高い金の回収方法と、該回収方法で用いられる、金を選択性よく分離・回収することのできる金の回収剤と、前記回収方法に用いられる金の回収装置を実現すべく鋭意研究を行った。その結果、前記金イオンを含む処理対象液とラダー型環状化合物を含む金の回収剤とを、pH6以下の条件下で混合させて、金含有ラダー型環状化合物を含む混合溶液を得る混合工程と、前記混合溶液をろ過し、前記金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物を回収するろ過工程とを少なくとも含むようにすればよいことを見出した。
【0025】
以下では、上記本発明の金の回収方法と、該回収方法に用いられる、本発明の金の回収剤および金の回収装置について説明する。
【0026】
1.金の回収方法
(ラダー型環状化合物)
まずは、本発明の金の回収方法で、処理対象液中の金イオンの吸着および還元に用いるラダー型環状化合物について説明する。ラダー型環状化合物が、本発明の金の回収方法に有用である理由について定かではないが、該ラダー型環状化合物を使用することによって、処理対象液中の金イオンがラダー型環状化合物の外面、特にはラダー型環状化合物の外面のフェノール性水酸基に一旦吸着され、かつ後記する実験で示す通り金イオンの還元も行われて、効率良くかつ選択性高く金を回収することができると考えられる。
【0027】
上記ラダー型環状化合物として、下記の化学式(1)で示された化合物が好ましく用いられる。下記の化学式(1)の全Rがフェノール性水酸基である、後述する化学式(2)で示される化合物がNoriaと呼ばれることから、下記の化学式(1)で示された化合物は、Noria誘導体という。
【0028】
【化3】
【0029】
上記化学式(1)において、全Rのうち、12個以上のRはフェノール性水酸基であり、その他のRは炭素数1以上10以下のヘテロ原子を有していてもよい脂肪族化合物、芳香族化合物、脂環式化合物、およびハロゲンよりなる群から選択される1以上の置換基であり、それらは互いに同一でも、異なっていてもよい。
【0030】
金イオンの吸着および還元、NoriaまたはNoria誘導体のアルカリ溶解のしやすさから、前記Rに占めるフェノール性水酸基の数は多いほど好ましい。例えば、前記Rに占めるフェノール性水酸基の数は、より好ましくは16個以上、更に好ましくは20個以上とすることができる。
【0031】
上記化学式(1)で表される化合物のうち、Rが全てフェノール性水酸基である上記化学式(2)で表される化合物が、金イオンを分離・回収する効率、および後記するラダー型環状化合物をアルカリ水溶液と接触させたときに容易に溶解させる観点から特に好ましい。
【0032】
【化4】
【0033】
上記化学式(2)で示された化合物は、ベンゼン環が12個、フェノール性水酸基が24個、メチレン鎖が6個からなり、中心に1つの大きな空孔があり、かつ側鎖にも空孔が6個あるラダー型環状オリゴマーである。前述の通り、上記化学式(2)で示された化合物はNoriaと呼ばれる。該Noriaは、例えば下記の反応式に示すように、レゾルシノールと1,5-ペンタンジアール(グルタルアルデヒド)との縮合反応により合成することができる。
【0034】
【化5】
【0035】
また、上記化学式(2)で示されたNoriaの24個のフェノール性水酸基のうち、一部が他の官能基に置換された、化学式(1)に相当するNoria誘導体は、次のようにして得ることができる。すなわち、上記化学式(2)で示されたNoriaと、例えば、1官能性化合物として、R-COOH、R-COCl、R-N=C=O、R-CH2-X(XはF、Cl、Br、I)およびR-COORのうちの1以上、2官能性化合物として、HOOC-R-COOH、ClOC-R-COCl、O=C=N-R-N=C=O、X-CH-R-CH-X(XはF、Cl、Br、I)、およびROOC-R-COORのうちの1以上(Rは、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~5の脂肪族炭化水素基、例えばフェニル基、ニトロフェニル基等の芳香族炭化水素基)とを反応させて得ることができる。
【0036】
前記ラダー型環状化合物は、溶液のpHによって溶解または析出する特性を有している。このことを示す予備実験を以下に示す。
【0037】
前記ラダー型環状化合物としてNoriaと蒸留水を、固液比で100mg(0.1g):30cmの割合で混合した。そしてHClまたはNaOHを極少量添加して、pHが1、2、4.5、6.5、8、9および12の溶液をそれぞれ調製した。上記pHの異なる各溶液を、室温下で縦型振とう機を用いて24時間振とうさせた。振とう後、ろ過(フィルターとして、孔径0.2μmのメンブレンフィルター(セルロース混合エステルタイプ)を使用)を行って溶け残った固体状のNoriaを回収し、その質量を測定した。その結果として、Noriaの回収量(質量、仕込み量は100mg)とpHとの関係を図1に示す。図1から、酸性~中性領域ではNoriaが固体として存在するのに対し、塩基性領域ではほぼ全量が溶解することがわかった。なお、図1では、酸性~中性領域でNoriaの20質量%が溶解しているがこれは一過性の現象であり、ほぼ可逆的に溶解・析出が起こる。
【0038】
また本発明のラダー型環状化合物に、金イオンを吸着して還元させる効果があることを以下の実験から見出した。
【0039】
Noria0.1gと1000ppmのHAuCl水溶液(標準液)30cmとを遠沈管に加え、室温下で縦型振とう機を用いて72時間振とうさせた。次いで、振とうさせた溶液をろ過(フィルターとして、0.2μmのメンブレンフィルター(セルロース混合エステルタイプ)を使用)し、Au含有Noriaをろ過物として得た。このAu含有Noriaの写真を図2に示す。図2の破線の囲み内において、白黒写真では白色粒状(実際には、褐色のNoriaの中に金色粒状)のものが示される通り、回収されたNoria中に光沢のあるAu粒子が目視で確認された。さらにAu含有NoriaのXRD分析を行った。その結果を図3(a)と図3(b)に示す。図3(b)は、回収操作前のNoria、図3(a)は回収操作後のNoriaの測定結果である。図3(a)と図3(b)を比較すると、図3(a)ではNoriaの回折強度はいくらか低下するとともに、金属Auの回折パターンが確認された。このことから、吸着されたAuが還元され、回収された固体中で金属Auとして存在することが支配的であると予測される。なお一部、イオン状のAuもNoriaに含まれている可能性がある。
【0040】
以上の結果から、金イオンは、ラダー型環状化合物に包接されるのではなく、ラダー型環状化合物の外面で一旦吸着されてから(特には外面に存在するフェノール性水酸基により吸着される過程を経てから)、還元されていると考えられる。また、上記吸着と還元には、1つの金イオンに対して1つのラダー型環状化合物が関わる他、2つ以上のラダー型環状化合物が関わっている可能性も考えられる。
【0041】
(金の回収剤)
本発明には、上記ラダー型環状化合物を含む金の回収剤も含まれる。上記回収剤の形態として、ラダー型環状化合物の固体状態そのものであってもよいし、または、ラダー型環状化合物を酸性水溶液中に存在させたものであってもよい。
【0042】
(金イオンを含む処理対象液の準備)
本発明の金の回収方法に供する金イオンを含む処理対象液は、金イオンを含む水溶液であれば問わないと考える。この処理対象液として、例えば金含有めっき形成部品、廃棄された電子部品等の金を含む廃棄物を、従来から知られている方法で溶解して得られる廃液が挙げられる。金イオンを含む処理対象液には、金イオンと、金イオン以外の各種金属イオン(例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ce、Fe、Co、Ni、Cu、Rh、Pd、Pt、Ag、Cr)等が含まれうる。
【0043】
上記処理対象液中の金イオン濃度として、例えば1ppm以上であることが挙げられる。本発明の回収方法によれば、上記金イオン濃度が低くとも、高い回収率で金を回収することができる。本発明の金の回収方法は、いずれの金イオン濃度の処理対象液に対しても適用可能であるが、本発明の回収方法が、従来法では困難であった金イオン濃度のより低い処理対象液の金の回収に有効であること、および、金イオン濃度の高い処理対象液の金の回収には種々の従来法が適用可能であること等から、上記処理対象液として、例えば、金イオン濃度が1000ppm以下、更には500ppm以下、更には100ppm以下のものを対象とすることが挙げられる。
【0044】
上記処理対象液のpHは特に限定されないが、混合させるラダー型環状化合物を固体の状態で存在させる観点からは、前記図1の通り処理対象液のpHを6以下とすることが好ましく、特に、処理対象液とラダー型環状化合物を混合させて還元反応を進める観点からは、pHを2以下(例えば濃度が1Mの酸性溶液などのプロトンが多く存在する条件)が好ましいと考えられる。
【0045】
(混合工程)
上記金イオンを含む処理対象液とラダー型環状化合物を含む金の回収剤とを、pH6以下の条件下で混合させる。上記金イオンを含む処理対象液とラダー型環状化合物を含む金の回収剤の混合により、ラダー型環状化合物による、処理対象液中の金イオンの吸着と金イオンの還元が生じて、金含有ラダー型環状化合物を得ることができる。前述の通り、pH6以下の条件とすることにより、ラダー型環状化合物を固体状態に維持できるが、上記吸着と還元を促進させる観点から、前記pHは2以下であることが好ましい。
【0046】
混合に供する金イオンを含む処理対象液と、ラダー型環状化合物を含む金の回収剤の形態として、下記の形態が挙げられる。
(a)pH6以下(好ましくはpH2以下)の金イオンを含む処理対象液と、固体のラダー型環状化合物を混合させる。
(b)金イオンを含む処理対象液と、固体のラダー型環状化合物が含まれるpH6以下(好ましくはpH2以下)の酸性溶液を混合させる。
【0047】
(混合の割合)
上記ラダー型環状化合物と、金イオンを含む処理対象液の混合割合は、上記ラダー型環状化合物の質量(g):金イオン濃度が1ppm以上(目安は100ppm程度)の処理対象液の体積(cm)(以下「固液比」という)を、好ましくは1:3以上の範囲内とすることで、十分に混合させることができ、その結果、上記ラダー型環状化合物と金イオンの反応を促進させることができる。前記固液比は、より好ましくは1:5以上である。前記固液比の上限は、例えば1:300以下とすることができる。実操業の観点からは、ろ過の負担を軽減して処理溶液中の金イオンをより効率よく回収することが好ましく、上記固液比は、より好ましくは1:100以下、更に好ましくは1:50以下、より更に好ましくは1:15以下とすることができる。
【0048】
混合溶液には、金イオンを含む処理対象液(前述した金イオン以外の各種金属イオンが含まれていてもよい)と、ラダー型環状化合物が含まれていればよく、必要に応じて更に、例えばpH調整剤、金イオンの還元を促進させるための還元剤等を含んでいてもよい。
【0049】
(必要に応じて撹拌)
前記混合は、金イオンを含む処理対象液とラダー型環状化合物を同一容器内に入れて、混ぜればよい。上記金イオンを含む処理対象液とラダー型環状化合物をあわせ、ひと混ぜして長時間放置することによっても、金含有ラダー型環状化合物を含む混合溶液を得ることは可能であるが、ラダー型環状化合物と金イオンとの反応を促進させ、好ましくは金イオンを十分還元させる観点から、強制的に混合させるのがよい。強制的に混合させる方法として撹拌が挙げられる。撹拌には、撹拌プロペラを用いたり、磁石型の撹拌子を入れて旋回させたり、なす型フラスコなどに入れて回転させたり、遠心力を用いることによる撹拌が挙げられる。また振とう機、手振りにより往復移動させる振とうが挙げられる。
【0050】
前記撹拌は、一定時間以上行うことが好ましい。撹拌時間が、金の回収率に与える影響について、以下の通り検討を行った。
【0051】
Noriaと、分析用標準液を希釈して調製した、初期濃度が100ppmのHAuCl水溶液を、固液比が0.05g:15cmの割合で遠沈管に加え、室温下で縦型振とう機を用い、種々の振とう時間で振とうした。次いで、振とうさせた溶液をろ過し、得られたろ液中に残存する金イオン濃度をICP(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)で測定した。そして、前記初期濃度から前記ICPで測定した金イオン濃度を差し引き、金の回収率を求めた。その結果を図4に示す。この図4によれば、振とう時間(撹拌時間)を3時間以上とすることで回収率80%以上を達成でき、撹拌時間を12時間以上とすることで回収率90%以上を達成でき、更には、撹拌時間を36時間以上とすることで回収率99%以上を達成でき、およそ48時間の振とう時間でAu回収率はほぼ100%で一定となった。すなわち処理対象液が初期濃度100ppmの希薄水溶液にもかかわらず、ほぼ全量のAuを回収できた。
【0052】
上記の通り、撹拌時間は、上記ラダー型環状化合物が十分に金イオンを吸着してから還元する効果を高める観点から長いほど好ましい。例えば還元反応と結晶成長が十分に進行した粗大な金属Au粒子を得るために、1週間以上撹拌することも可能である。一方、時間を要さず金を回収する場合には、処理対象液の量や金イオンの濃度、所望とする回収率にもよるが、上記撹拌時間を12時間以下とすることができる。
【0053】
(必要に応じて加熱)
本発明の回収方法は、混合工程で加熱を行わなくとも、ラダー型環状化合物による金イオンの吸着と還元が十分生じやすいが、必要に応じて加熱を行ってもよい。加熱を行うことによって、ラダー型環状化合物による金イオンの吸着と還元の速度が増大すると考えられる。この様な効果を得る場合には、混合溶液を40℃以上に加熱することが好ましく、より好ましくは50℃以上である。一方、加熱温度が高すぎると、前記の吸着量自体が減少する場合も考えられ、金の吸着率がかえって低下する可能性がある。この観点から、加熱温度は、例えば90℃以下とすることが好ましく、より好ましくは80℃以下である。なお、ラダー型環状化合物の分解温度、例えばNoriaの分解温度は約300℃であるため、上記加熱によるラダー型環状化合物の分解は生じない。
【0054】
金イオンを含む処理対象液とラダー型環状化合物の混合直後の溶液は黄色であるが、上記反応が進み、金の回収率が100%に近づくと完全な透明になる。よって、上記混合溶液における反応の終了は、該混合溶液の色の変化から判断することが可能である。
【0055】
(ろ過)
次に、金含有ラダー型環状化合物を含む混合溶液をろ過し、金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物を回収する。金含有ラダー型環状化合物を含む混合溶液中、金イオンはラダー型環状化合物に吸着を経て還元され、固体の状態であるのに対し、金以外の金属イオンのほとんどは、処理対象液中に溶解したままである。具体的にこのろ過により、上記固体である金含有ラダー型環状化合物と、その他の金属イオンの溶解した処理対象液とを分離することで、処理対象液中の金イオンとその他の金属イオンとを分離できる。このことを示す予備実験を次の通り行った。
【0056】
Noria0.1gと、分析用標準液を希釈して調製した、初期濃度が20ppmの各種金属イオン(Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ce、Fe、Co、Ni、Cu、Rh、Pd、PtおよびAu)の単味水溶液30cmとを、遠沈管に加えて、室温下で縦型振とう機を用いて24時間振とうさせた。次いで、振とうさせた溶液をろ過し、ろ液中に残存する金属イオン濃度をICPで測定した。そして、各種金属イオンにつき、前記初期濃度から前記ICPで測定した金属イオン濃度を差し引いて、ろ過物として得られた金属の回収率を求めた。その結果、Auのみ回収率が約99%と極めて高い値であったのに対し、Au以外の上記金属イオンは、ほとんど回収されなかった。
【0057】
なお別の確認実験を行ったところ、Auの回収率ほどではないがAg(I)とCr(VI)も回収されうることが分かった。本発明では、上記多数の金属イオンと分離でき、かつ金が高い回収率で回収されればよく、金と共に他の数種類の元素が含まれることも許容される。金のみの回収を図る場合には、従来知られている方法によって、上記Ag等とAuとを容易に分離することができる。
【0058】
前記ろ過に使用するろ材、例えばフィルターは、上記反応によって得られた金含有ラダー型環状化合物を確保できればよく、例えば、孔径が0.2μmのメンブレンフィルター(セルロース混合エステルタイプ)を用いることができる。なお後述する通り、ろ過後のフィルター上で、金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物に対し、アルカリ水溶液を散布する等接触させる場合、上記フィルターは、アルカリに耐える材質であることが好ましい。
【0059】
前記混合工程での条件によっては、例えば撹拌時間を長時間とした場合には、金属Auの一部が粗大化し、金含有ラダー型環状化合物の状態で存在せずにラダー型環状化合物から分離し、粗大金属Au粒子として存在している場合がある。この様な場合、粗大金属Au粒子を回収する工程をろ過前またはろ過後に更に設けてもよい。例えば、ろ過前に、遠心分離等の比重差を利用した分離方法で、ラダー型環状化合物から既に分離している粗大金属Au粒子を回収し、それからろ過を行ってもよい。または、ろ過後のフィルター上に存在する粗大金属Au粒子を回収してから、残りの金含有ラダー型環状化合物に対して、例えば後述の通りアルカリ水溶液を加えてもよい。
【0060】
上記ろ過により得られた、金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物から、金を回収する方法として、従来の有機系吸着剤や有機系イオン交換体で貴金属を回収するケースで多く見られるように、上記ろ過物を燃焼させて、金含有物を残渣として回収する方法を適用すれば、Auの形態によらずほぼ全量のAuを回収することできる。これ以外の方法として、上述したラダー型環状化合物のpHにより溶解性が異なる特性を活かし、前記金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物と、pH9以上のアルカリ水溶液とを接触させ、前記金含有ラダー型環状化合物における金とラダー型環状化合物とを分離、すなわちラダー型環状化合物を溶解させ、金を固体として回収することもできる。上記アルカリ水溶液として、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、水酸化カルシウム懸濁液、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、重曹水溶液等が挙げられる。
【0061】
上記アルカリ水溶液による処理により、金含有ラダー型環状化合物のラダー型環状化合物を溶解させ、金を固体として回収、特には、ラダー型環状化合物により金イオンが還元されて、金属Auを主成分とした金を回収できる。このことを確認した実験を示す。
【0062】
Noriaと1000ppmHAuCl水溶液(標準液)を固液比0.1g:30cmで遠沈管に加え、室温下で縦型振とう機を用いて72時間振とうさせた。次いで、振とうさせた溶液をろ過し、ろ過で得られた固体(金含有Noria)に対して1M NaOH水溶液を加え、ろ液や濾過物の色を観察しながら、目視上、ほぼ全量溶解したことを確認した。詳細には、フィルター上にあるろ過で得られた固体は褐色の固体であるが、上記NaOH水溶液を加えることにより、褐色の固体が溶解してなくなる。更に、上記NaOH水溶液を加えることで完全に溶解させる。褐色の固体を溶解させた後、フィルター上には、金色の金属Auが残っており、これを回収した。金属Auの形態以外のイオン状のAuは、割合は明らかではないが、ろ液であるアルカリ溶液側に移行すると考えられる。固体として回収されないAuは、再度、回収工程を経ることで回収されうる。
【0063】
なお、前記図1に示す通り、Noriaは、酸性溶液中で固体であるのに対し、アルカリ溶液中では溶解する。この特性を利用し、前記金回収後に残ったアルカリ溶液に、塩酸、硝酸、硫酸等のpH調整剤を加え、酸性溶液とすることによって、前記アルカリ溶液に溶解していたNoriaを再び固体の状態とすることができる。その結果、この固体のNoriaを再び、処理対象液中の金イオンの分離・回収に利用することができる。
【0064】
2.金の回収装置
次に、本発明の金の回収装置について説明する。本発明の金の回収装置は、金イオンを含む処理対象液から金を回収する装置であって、前記金イオンを含む処理対象液と、ラダー型環状化合物を含む金の回収剤とを、pH6以下の条件で混合し、撹拌させて、前記金含有ラダー型環状化合物を含む撹拌溶液を得るための撹拌反応槽と、前記撹拌溶液をろ過して、前記金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物を得た後、前記金含有ラダー型環状化合物の、ラダー型環状化合物をアルカリ水溶液で溶解させて金を回収するための、ろ過-アルカリ溶解槽およびアルカリ水溶液供給手段とを、少なくとも備える。
【0065】
以下、本発明の金の回収装置について、好ましい一例を模式的に示した図5をもとに説明する。なお、本発明の回収装置の説明において、前述の回収方法と重複する部分は省略する。また図5は本発明を限定するものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に設計変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0066】
図5は、本発明の金の回収装置1の好ましい一例を模式的に示した断面図である。撹拌反応槽2には、ラダー型環状化合物を含む金の回収剤の供給口5、金イオンを含む処理対象液の供給口6、撹拌子7とこれを作動させるためのモーター8を備えている。9は撹拌によって得られる撹拌溶液を示している。
【0067】
なお図5には示していないが、撹拌反応槽2には、必要に応じて溶液のpHを調整するための、pH調整剤の投入口が設けられていてもよい。例えば、金イオンを含む処理対象液を供給口6から供給し、該金イオンを含む処理対象液に対して、pH調整剤の投入口(図示せず)からpH調整剤を投入し、金イオンを含む処理対象液を例えばpH6以下に調整してから、固体のラダー型環状化合物、または、ラダー型環状化合物をpH6以下の酸性水溶液中に存在させたものを、供給口5から供給することが挙げられる。または、金イオンを含む処理対象液が強酸性を示す場合は、pH調整剤を添加することなく、金イオンを含む処理対象液と、ラダー型環状化合物を含む金の回収剤とを同時に供給することができる。
【0068】
上記金イオンを含む処理対象液と、ラダー型環状化合物を含む金の回収剤とを、撹拌反応槽2で合わせた後、図5に示す通り、撹拌プロペラ7をモーター8で回転させて撹拌することが挙げられる。この撹拌では、撹拌速度を上げて、金イオンの拡散が律速とならないようにすることが好ましい。また、前記撹拌反応槽2には、図示していないが加熱手段が設けられていてもよく、加熱しながら撹拌させてもよい。
【0069】
上記撹拌により、金含有ラダー型環状化合物を含む撹拌溶液9を得る。該撹拌溶液9は、撹拌溶液供給管10を介してろ過-アルカリ溶解槽3に供給される。ろ過-アルカリ溶解槽3に供給された撹拌溶液はろ過され、ろ材(フィルター)11上に、金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物12が残り、処理後の処理対象液は、ろ液として落下する。前記ろ過として、図5に示す通り、真空ポンプ13を用いた吸引ろ過を行うことができる。
【0070】
ろ過-アルカリ溶解槽3には、金含有ラダー型環状化合物におけるラダー型環状化合物をアルカリ溶解して金を回収することを目的に、金含有ラダー型環状化合物を含むろ過物12に対し、アルカリ水溶液を供給する手段(アルカリ水溶液供給手段14)を備える。アルカリ水溶液供給手段4は、ろ過物12にアルカリ水溶液が均一に接触するよう、例えばシャワー状に散布する形態とすることができる。前記金の回収の促進を目的に、例えば40℃以上に加熱したアルカリ水溶液を供給してもよい。または、ろ過物を回収し、図示していない別の撹拌槽等の容器内でアルカリ溶解してもよい。
【0071】
前記アルカリ処理後にろ材11上に存在する金含有アルカリ処理物を回収する。金含有アルカリ処理物には、金属Auの他に金イオンも含みうる。本発明によれば、金属Auの割合を多くすることが可能であるため、従来行われてきた還元処理などによる金の析出工程を省略することができる。
【0072】
ろ過-アルカリ溶解槽3の底部に蓄積された、ろ過-アルカリ溶解後の処理済液とアルカリで溶解したラダー型環状化合物は、送液ポンプ14でろ過-アルカリ溶解槽3から、排出液として排出する。前記ろ過-アルカリ溶解後の処理済液中に金イオンが残存している場合には、この排出液を、金イオンを含む処理対象液として再度処理してもよい。
【実施例
【0073】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前述および後述する趣旨に合致し得る範囲で、適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0074】
本実施例では、実際の廃液を模擬して、金イオン濃度が20ppmの処理対象液を用いた。すなわち、Noriaと、分析用標準液を希釈して調製した20ppmHAuCl水溶液とを、固液比1g:100cmで遠沈管に加え、室温下で縦型振とう機を用いて2時間振とうさせた。次いで、振とうさせた溶液をろ過し、得られた固体(金含有Noria)に対して2M NaOH水溶液を十分に加え、目視上Noriaのみを完全にアルカリ溶解させて、金とNoriaとの分離を行った。ろ液中のAu濃度、すなわち回収されなかったAuの濃度をICPで測定したところ、測定値はほぼ検出下限値であった。その測定値を用いて求めたAu回収率は99%であった。すなわち本発明の金の回収方法によれば、金を容易にかつ高い回収率で回収することができた。
【符号の説明】
【0075】
1 金の回収装置
2 撹拌反応槽
3 ろ過-アルカリ溶解槽
4 アルカリ水溶液供給手段
5 ラダー型環状化合物を含む金の回収剤の供給口
6 金イオンを含む処理対象液の供給口
7 撹拌プロペラ
8 モーター
9 撹拌溶液
10 撹拌溶液供給管
11 ろ材
12 ろ過物
13 真空ポンプ
14 送液ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5