(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】アンテナモジュールおよびハンドヘルド通信デバイス
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20231212BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20231212BHJP
H01Q 23/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q1/24 Z
H01Q23/00
(21)【出願番号】P 2020547352
(86)(22)【出願日】2019-04-11
(86)【国際出願番号】 US2019026904
(87)【国際公開番号】W WO2019217025
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-04-04
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タイ、トラン
(72)【発明者】
【氏名】ダルミア、シッダルタ
(72)【発明者】
【氏名】ソヴァー、ラナン
(72)【発明者】
【氏名】ハグン、ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】アサフ、オマール
(72)【発明者】
【氏名】スヴェンセン、サイモン
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/063497(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/049723(US,A1)
【文献】国際公開第2015/083457(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3213873(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/090903(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 1/24
H01Q 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナボードおよび前記アンテナボードに結合されたダイを備える、アンテナモジュールであって、前記アンテナボードは、
グランドプレーンと、
前記グランドプレーンに対し垂直である第1の部分と、前記グランドプレーンに対し平行である第2の部分とを含むアンテナ給電構造と、
第1のアンテナパッチであって、前記第1のアンテナパッチは5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有し、前記第1のアンテナパッチは矩形フットプリントを有する、第1のアンテナパッチと、
前記第1のアンテナパッチから離間された第2のアンテナパッチであって、前記第1のアンテナパッチは、前記第2のアンテナパッチと前記アンテナ給電構造との間にあり、前記第2のアンテナパッチは5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有し、前記第2のアンテナパッチは矩形フットプリントを有する、第2のアンテナパッチと、
前記第2のアンテナパッチの周りの第1の金属リングであって、前記第1の金属リングは矩形の内周囲を有する、第1の金属リングと、
前記第1の金属リングと前記グランドプレーンとの間の第2の金属リングであって、前記第2の金属リングは矩形の内周囲を有する、第2の金属リングと、
前記第2の金属リングと前記グランドプレーンとを接続する複数のシールドポストと、
を有し、
前記第1のアンテナパッチが前記複数のシールドポストにより囲まれた領域の内部に配置され、
前記アンテナボードは、500ミクロンから2ミリメートルの間の厚みを有する、アンテナモジュール。
【請求項2】
前記アンテナ給電構造は、導電性材料経路により前記第1のアンテナパッチに結合されていない、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
アンテナボードおよび前記アンテナボードに結合されたダイを備える、アンテナモジュールであって、前記アンテナボードは、
グランドプレーンと、
前記グランドプレーンに対し垂直である第1の部分と、前記グランドプレーンに対し平行である第2の部分とを含むアンテナ給電構造と、
矩形フットプリントを有する第1のアンテナパッチと、
前記第1のアンテナパッチから離間された第2のアンテナパッチであって、前記第1のアンテナパッチは、前記第2のアンテナパッチと前記アンテナ給電構造との間にあり、前記第2のアンテナパッチは矩形フットプリントを有する、第2のアンテナパッチと、
前記第2のアンテナパッチの周りの第1の金属リングであって、前記第1の金属リングは矩形の内周囲を有する、第1の金属リングと、
前記第1の金属リングと前記グランドプレーンとの間の第2の金属リングであって、前記第2の金属リングは矩形の内周囲を有する、第2の金属リングと、
前記第2の金属リングと前記グランドプレーンとを接続する複数のシールドポストと、
を有
し、
前記第1のアンテナパッチが前記複数のシールドポストにより囲まれた領域の内部に配置される、アンテナモジュール。
【請求項4】
前記アンテナ給電構造は、導電性材料経路により前記第1のアンテナパッチに結合されていない、請求項3に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記第1のアンテナパッチは、5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有する、請求項3または4に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記第2のアンテナパッチは、5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有する、請求項3から5のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
【請求項7】
前記アンテナボードは、500ミクロンから2ミリメートルの間の厚みを有する、請求項3から6のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
前記第1の金属リングと前記第2の金属リングとの間の追加の金属リングであって、前記追加のリングは矩形の内周囲を有する、追加の金属リングと、
前記第1の金属リングと前記追加の金属リングとを接続する複数の第1の導電性構造と、
前記第2の金属リングと前記追加の金属リングとを接続する複数の第2の導電性構造と、
を更に備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
【請求項9】
アンテナモジュールと、前記アンテナモジュールに電気的に結合された回路ボードとを備えるハンドヘルド通信デバイスであって、
前記アンテナモジュールは、
アンテナボードと、前記アンテナボードに結合されたダイとを有し、
前記アンテナボードは、
グランドプレーンと、
前記グランドプレーンに対し垂直である第1の部分と、前記グランドプレーンに対し平行である第2の部分とを含むアンテナ給電構造と、
第1のアンテナパッチであって、前記第1のアンテナパッチは5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有し、前記第1のアンテナパッチは矩形フットプリントを有する、第1のアンテナパッチと、
前記第1のアンテナパッチから離間された第2のアンテナパッチであって、前記第1のアンテナパッチは、前記第2のアンテナパッチと前記アンテナ給電構造との間にあり、前記第2のアンテナパッチは5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有し、前記第2のアンテナパッチは矩形フットプリントを有する、第2のアンテナパッチと、
前記第2のアンテナパッチの周りの第1の金属リングであって、前記第1の金属リングは矩形の内周囲を有する、第1の金属リングと、
前記第1の金属リングと前記グランドプレーンとの間の第2の金属リングであって、前記第2の金属リングは矩形の内周囲を有する、第2の金属リングと、
前記第2の金属リングと前記グランドプレーンとを接続する複数のシールドポストと、
を有し、
前記第1のアンテナパッチが前記複数のシールドポストにより囲まれた領域の内部に配置され、
前記アンテナボードは500ミクロンから2ミリメートルの間の厚みを有する、ハンドヘルド通信デバイス。
【請求項10】
前記アンテナ給電構造は、導電性材料経路により前記第1のアンテナパッチに結合されていない、請求項
9に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項11】
プラスチックを含む背面と、
前記第1のアンテナパッチおよび前記第2のアンテナパッチと前記背面との間のエアギャップと、をさらに備える、請求項
9または
10に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項12】
タッチスクリーンディスプレイと、
背面と、をさらに備え、
前記アンテナモジュールは、前記タッチスクリーンディスプレイと前記背面との間に少なくとも部分的に存在する、請求項
9から
11のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項13】
前記アンテナモジュールは、前記タッチスクリーンディスプレイと前記背面との間に全体的に存在する、請求項
12に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項14】
スピーカをさらに備える、請求項
9から
13のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項15】
プラスチックを含む背面をさらに備える、請求項
9から
14のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項16】
アンテナモジュールと、前記アンテナモジュールに電気的に結合された回路ボードとを備えるハンドヘルド通信デバイスであって、
前記アンテナモジュールは、
アンテナボードと、前記アンテナボードに結合されたダイとを有し、
前記アンテナボードは、
グランドプレーンと、
前記グランドプレーンに対し垂直である第1の部分と、前記グランドプレーンに対し平行である第2の部分とを含むアンテナ給電構造と、
第1のアンテナパッチであって、前記第1のアンテナパッチは矩形フットプリントを有する、第1のアンテナパッチと、
前記第1のアンテナパッチから離間された第2のアンテナパッチであって、前記第1のアンテナパッチは、前記第2のアンテナパッチと前記アンテナ給電構造との間にあり、前記第2のアンテナパッチは矩形フットプリントを有する、第2のアンテナパッチと、
前記第2のアンテナパッチの周りの第1の金属リングであって、前記第1の金属リングは矩形の内周囲を有する、第1の金属リングと、
前記第1の金属リングと前記グランドプレーンとの間の第2の金属リングであって、前記第2の金属リングは矩形の内周囲を有する、第2の金属リングと、
前記第2の金属リングと前記グランドプレーンとを接続する複数のシールドポストと、
を有
し、
前記第1のアンテナパッチが前記複数のシールドポストにより囲まれた領域の内部に配置される、ハンドヘルド通信デバイス。
【請求項17】
前記アンテナ給電構造は、導電性材料経路により前記第1のアンテナパッチに結合されていない、請求項
16に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項18】
前記第1のアンテナパッチは、5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有する、請求項
16または
17に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項19】
前記第2のアンテナパッチは、5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有する、請求項
16から
18のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項20】
前記アンテナボードは、500ミクロンから2ミリメートルの間の厚みを有する、請求項
16から
19のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項21】
プラスチックを含む背面と、
前記第1のアンテナパッチおよび前記第2のアンテナパッチと前記背面との間のエアギャップと、をさらに備える、請求項
16から
20のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項22】
タッチスクリーンディスプレイと、
背面と、をさらに備え、
前記アンテナモジュールは、前記タッチスクリーンディスプレイと前記背面との間に少なくとも部分的に存在する、請求項
16から
21のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項23】
前記アンテナモジュールは、前記タッチスクリーンディスプレイと前記背面との間に全体的に存在する、請求項
22に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項24】
スピーカをさらに備える、請求項
16から
23のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項25】
プラスチックを含む背面をさらに備える、請求項
16から
24のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項26】
前記ハンドヘルド通信デバイスは、スマートフォンである、請求項
16から
25のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【請求項27】
前記第1の金属リングと前記第2の金属リングとの間の追加の金属リングであって、前記追加のリングは矩形の内周囲を有する、追加の金属リングと、
前記第1の金属リングと前記追加の金属リングとを接続する複数の第1の導電性構造と、
前記第2の金属リングと前記追加の金属リングとを接続する複数の第2の導電性構造と、
を更に備える、請求項9から26のいずれか一項に記載のハンドヘルド通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本願は、2018年5月11日に出願された、発明の名称「アンテナボードおよび通信デバイス」に係る米国仮非仮特許出願第15/977,612号に基づく優先権を主張し、当該出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ハンドヘルドコンピューティングデバイスおよび無線アクセスポイント等の無線通信デバイスは、アンテナを含む。通信が行われ得る周波数は、他の要因の中でも特に、アンテナの形状および配置に依存し得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、実施形態は容易に理解できるであろう。この説明を容易化するために、同様の参照符号は、同様の構造要素を示す。添付図面中の実施形態は限定ではなく、例示として示されている。
【0004】
【
図1】様々な実施形態による、アンテナモジュールの側面の断面図である。
【0005】
【
図2】様々な実施形態による、例示的なアンテナボードの一部の側面図の一般化表現である。
【0006】
【
図3】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図4】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図5】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図6】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図7】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図8】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図9】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図10】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図11】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図12】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図13】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図14】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図15】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【
図16】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の側面の断面図である。
【0007】
【
図17A】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の様々な表示である。
【
図17B】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の様々な表示である。
【0008】
【
図18】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の斜視図である。
【0009】
【
図19A】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の様々な表示である。
【
図19B】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の様々な表示である。
【0010】
【
図20A】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の様々な表示である。
【
図20B】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の様々な表示である。
【0011】
【
図21A】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の様々な表示である。
【
図21B】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の様々な表示である。
【0012】
【
図22】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の斜視図である。
【0013】
【
図23】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の斜視図である。
【
図24】様々な実施形態による、アンテナボードに含まれてよい例示的な構造の斜視図である。
【0014】
【
図25】様々な実施形態による、例示的なアンテナモジュールの側面の断面図である。
【0015】
【
図26】様々な実施形態による、アンテナモジュールに含まれてよい例示的な集積回路(IC)パッケージの側面の断面図である。
【0016】
【
図27】様々な実施形態による、別の例示的なアンテナモジュールの側面の断面図である。
【0017】
【
図28】様々な実施形態による、アンテナモジュールを含む例示的な通信デバイスの一部の側面の断面図である。
【0018】
【
図29】様々な実施形態による、例示的なアンテナモジュールを含む例示的な通信デバイスの一部の側面の断面図である。
【0019】
【
図30】様々な実施形態による、アンテナパッチおよびウィンドウを含む例示的な通信デバイスの一部の様々な表示である。
【
図31】様々な実施形態による、アンテナパッチおよびウィンドウを含む例示的な通信デバイスの一部の様々な表示である。
【
図32】様々な実施形態による、アンテナパッチおよびウィンドウを含む例示的な通信デバイスの一部の様々な表示である。
【0020】
【
図33】様々な実施形態による、例示的なアンテナモジュールを含む例示的な通信デバイスの一部の側面の断面図である。
【0021】
【
図34】様々な実施形態による、アンテナボードを含む例示的な通信デバイスの一部の側面の断面図である。
【0022】
【
図35】様々な実施形態による、例示的な通信デバイスの一部の底面図である。
【
図36】様々な実施形態による、例示的な通信デバイスの一部の底面図である。
【0023】
【
図37A】様々な実施形態による、例示的なアンテナモジュールの表示である。
【
図37B】様々な実施形態による、例示的なアンテナモジュールの表示である。
【0024】
【
図38】様々な実施形態による、例示的なアンテナモジュールの側面の断面図である。
【
図39】様々な実施形態による、例示的なアンテナモジュールの側面の断面図である。
【0025】
【
図40】本明細書に開示された実施形態のいずれかによる、アンテナボードと共に通信デバイスに含まれてよいウェハおよびダイの上面図である。
【0026】
【
図41】本明細書に開示された実施形態のいずれかによる、アンテナボードと共に通信デバイスに含まれてよいICデバイスの側面の断面図である。
【0027】
【
図42】本明細書に開示された実施形態のいずれかによる、アンテナボードを含んでよいICデバイスアセンブリの側面の断面図である。
【0028】
【
図43】本明細書に開示された実施形態のいずれかによる、アンテナボードを含んでよい例示的な通信デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
アンテナボード、アンテナモジュールおよび通信デバイスがここに開示される。例えば、いくつかの実施形態において、アンテナボードは、アンテナ給電基板と、ミリメートル波アンテナパッチとを備えてよく、アンテナ給電基板はアンテナ給電構造を含み、アンテナ給電基板はグランドプレーンを含み、アンテナ給電構造はグランドプレーンに対し垂直である第1の部分と、グランドプレーンに対し平行である第2の部分とを含み、第1の部分は第2の部分と第1の部分との間で電気的に結合される。
【0030】
ミリメートル波周波数において、電子デバイス(例えば、ハンドヘルドフォン等のモバイルデバイス)と一体化されたアンテナアレイは、離調、吸収および/または放射パターンの歪みに起因する大きな損失を受ける可能性がある。例えば、モバイルデバイス環境において、アンテナアレイは、プラスチックまたはガラス製のバックカバー、金属製シャーシ、金属製フロントディスプレイおよび/または金属製の電話エッジを含むハウジング内に存在してよい。アンテナアレイは、電話エッジの近くに位置付けられてよい。自由空間の動作用に設計された従来のアンテナについては、このような"リアル"電子デバイス環境における動作は、パワーアンプ信号およびアンテナ端子間の不整合、望ましくない反射およびガラス/エアインタフェースにおける表面波(低放射効率および望ましくないサイドローブを誘発する放射パターンの歪みをもたらし得る)、並びに/または、プラスチック若しくはガラス製のバックカバーの誘電吸収(低放射効率にも寄与し得る)に起因する損失に遭遇する可能性がある。例えば、従来のアンテナ設計をモバイルデバイス環境に組み込むことは、6~8dBの反射損失レベルおよび半分に低減された帯域幅をもたらし得る。
【0031】
本明細書で開示するアンテナボードおよび通信デバイスの様々なものは、モバイルデバイスおよび他の電子デバイスの環境における、ミリメートル波の動作を可能にする改善された性能を示してよい。以下に説明するように、本明細書で開示される設計は、本明細書で開示されるアンテナボードおよび通信デバイスが、高反射損失および高利得で広い帯域幅動作を達成することを可能にしてよい。例えば、本明細書で開示される低コスト、高収率設計のいくつかには、動作帯域幅にわたるインピーダンス帯域幅および放射効率を改善する空腔が含まれてよい。本明細書で開示されるアンテナボードおよび通信デバイスの設計は、モバイルデバイス、基地局、アクセスポイント、ルータ、バックホール通信リンクおよび他の通信デバイスに含まれると有利であってよい。
【0032】
以下の詳細な説明において、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。添付図面を通して、同様の参照符号は、同様の部材を示し、実施され得る実施形態が例示として示されている。他の実施形態が用いられてもよく、構造的または論理的変更がなされてよく、そのことは本開示の範囲を逸脱することはないことを理解されたい。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味に解釈してはならない。
【0033】
特許請求された発明の理解に最も寄与する態様において、様々な動作は、順番に行われる複数の別個のアクションまたは動作として説明されてよい。しかしながら、記載された順序について、これらの動作が必ず順序に依存するものであることを示唆するものとして解釈されてはならない。特に、これらの動作は、提示された順序で実行されなくてよい。記載された動作は、記載された実施形態とは異なる順序で実行されてよい。様々な追加の動作が実行されてよく、および/または、説明された動作は追加の実施形態において省略されてよい。
【0034】
本開示の目的において、「Aおよび/またはB」という文言は、「A」、「B」、または「AおよびB」を意味する。本開示の目的において、「A、Bおよび/またはC」という文言は、「A」、「B」、「C」、「AおよびB」、「AおよびC」、「BおよびC」または「A、BおよびC」を意味する。図面は必ずしも縮尺通りではない。図面の多くは、平坦な壁および直角の隅を持つ直線構造を示すが、これは単に図示を簡単にするためであり、これらの技術を用いて作成される実際のデバイスは、丸みを帯びた隅、表面粗さおよび他の特徴を示すであろう。
【0035】
説明は、「一実施形態において(in an embodiment)」または「複数の実施形態において(in embodiments)」という文言を用いるが、当該文言はそれぞれ、同一のまたは異なる実施形態の1または複数を指してよい。さらに、本開示の実施形態に関し用いられる「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」等の用語は、同義語である。本明細書で用いられる、「パッケージ」および「集積回路(IC)パッケージ」は同義語である。寸法の範囲を説明する際に用いられるとき、「XおよびYの間」という文言はXおよびYを含む範囲を表わす。「
図17」という文言は、
図17A~17Bの図の集合体を指すために用いられてよい。
【0036】
必要に応じて、本明細書の任意の添付図面を参照して説明される特徴のいずれかは、任意の他の特徴と組み合わされて、アンテナボード100、アンテナモジュール105または通信デバイス151を形成してよい。図面中の複数の要素は、図面中の他の複数の要素と共有される。説明を簡単にするため、これらの要素についての説明を繰り返すことはせず、これらの要素は、本明細書で開示される実施形態のうちの任意の形態を取ってよい。
【0037】
図1は、様々な実施形態による、アンテナモジュール105の側面の断面図である。アンテナモジュール105は、アンテナボード100に結合されたICパッケージ115を含んでよい。
図1中、単一のICパッケージ115および単一のアンテナボード100が示されているが、アンテナモジュール105は、(例えば、
図27を参照して後述するように)2以上のICパッケージ115および/または1または複数のアンテナボード100を含んでよい。後にさらに詳しく説明するように、アンテナボード100は、導電性経路(例えば、1または複数の誘電体材料を通る導電性ビアおよびラインにより提供される)、および、1または複数のアンテナパッチ104(不図示)が、ICパッケージ115内の回路の制御下において、電磁波を送信および受信できるようにし得る給電構造118(例えば、ストリップライン、マイクロストリップラインまたはコプレーナ導波路を含む)(不図示)を含んでよい。いくつかの実施形態において、ICパッケージ115は、第2のレベルの相互接続(不図示であるが、
図26を参照して後述される)により、アンテナボード100に結合されてよい。例えば、アンテナボード100は、ICパッケージ115に表面実装されてよい。いくつかの実施形態において、アンテナボード100の少なくとも一部は、プリント回路基板(PCB)技術を用いて製造されてよく、2から8の間のPCB層を含んでよい。ICパッケージ115およびアンテナボード100の例については、後に詳しく説明する。いくつかの実施形態において、アンテナモジュール105は、それぞれの異なるアンテナパッチ104を制御するための異なるICパッケージ115を含んでよい。他の実施形態において、アンテナモジュール105は、複数のアンテナパッチ104を制御するための回路を有する1つのICパッケージ115を含んでよい。いくつかの実施形態において、アンテナモジュール105の全z高は、3ミリメートル未満(例えば、2ミリメートルと3ミリメートルとの間)であってよい。
【0038】
図1は、様々な実施形態による、例示的なアンテナボード100の側面図の一般化表現である。アンテナボード100は、アンテナ給電基板102および1または複数のアンテナパッチ104を含んでよい。
図2は、2つのアンテナパッチ104-1および104-2を図示するが、アンテナボード100は、1つのアンテナパッチ104(例えば、
図3-
図5を参照して後述するように)または3以上のアンテナパッチ104を含んでよい。アンテナ給電基板102は、導電性経路(例えば、
図2に図示されていない1または複数の誘電体材料を通る導電性ビアおよびラインにより提供される)および給電構造118(不図示)を含んでよい。いくつかの実施形態において、アンテナ給電基板102の少なくとも一部は、PCB技術を用いて製造されてよく、2から8の間のPCB層を含んでよい。
【0039】
アンテナ給電基板102は、グランドプレーン120、および、グランドプレーン120と、グランドプレーン120に最も近いアンテナパッチ104との間に1または複数の誘電率領域106を含んでよい。
図2の実施形態においては、そのアンテナパッチ104は、アンテナパッチ104-1である。異なる誘電率領域106は、異なる誘電率(例えば、異なる材料組成に起因する)を有してよい。
図2において、3つの異なる誘電率領域106-1、106-2および106-3が、アンテナ給電基板102内に図示されているが、アンテナ給電基板102は、グランドプレーン120とアンテナパッチ104-1との間に、これより多いまたはこれより少ない誘電率領域106を含んでよい。様々な数および種類の誘電率領域106を含む異なるアンテナ給電基板102の複数の例について、ここで説明する。グランドプレーン120は、アンテナ給電基板102の底面110に配置されるように図示されているが、アンテナ給電基板102は、グランドプレーン120の"下方"により多い層および構造を含んでよい。グランドプレーン120は、添付図面の様々な図面において図示を簡単にするために底面110に図示されているが、他の金属層が、グランドプレーン120とアンテナ給電基板102の物理的な底面110との間に存在してよい。
【0040】
アンテナボード100における導電性構造(例えば、グランドプレーン120、給電構造118、導電性コンタクト117、アンテナパッチ104等)は、任意の好適な導電性材料(例えば、銅等の金属)で形成されてよい。固体誘電材料または空気等の誘電体材料が、複数の導電性構造のうちの様々な構造の周りに配置されてよい。任意の好適な固体誘電材料(例えば、ラミネート材)が用いられてよい。いくつかの実施形態において、誘電体材料は、有機誘電材料、難燃グレード4材料(FR‐4)、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、セラミック材料、ポリイミド材料、ガラス強化エポキシマトリクス材料、または低kおよび超低k誘電体(例えば、炭素ドープされた誘電体、フッ素ドープされた誘電体、多孔質誘電体および有機高分子誘電体)等のパッケージ基板技術で用いられる絶縁材料であってよい。
【0041】
アンテナボード100におけるアンテナパッチ104の一部または全部は、スタック103に配置されてよい。複数のアンテナパッチ104で構成されるスタック103は、単一のアンテナパッチ104よりも、高い利得および高い指向性を示してよく、利得および指向性の向上は、スタック103内のアンテナパッチ104の数と共に増大してよい。スタック103が複数のアンテナパッチ104を含む場合、スタック103における異なるアンテナパッチ104は、1または複数の誘電率領域106により分離されてよい。
図2において、スタック103内に3つの異なる誘電率領域106-4、106-5および106-6が図示されているが、スタック103は、隣接するアンテナパッチ104間に、これより多いまたはこれより少ない誘電率領域106を含んでよい。スタック103が3以上のアンテナパッチ104を含む実施形態においては、スタック103内の任意の隣接する対のアンテナパッチ104は、1または複数の誘電率領域により分離されてよい(例えば、アンテナパッチ104-1および104-2を参照して本明細書で説明される実施形態のうちの任意のものにより)。様々な数および種類の誘電率領域106を含む異なるスタック103の複数の例について、ここで説明する。特に、
図3-
図9は、異なるスタック103の様々な例を示す一方、
図10-
図16は、異なるアンテナ給電基板102、および/または、アンテナ給電基板102とスタック103との間の結合の様々な例を示す。
図3-
図9の任意のスタック103が、
図10-
図16の任意のアンテナ給電基板102および/または結合の任意のビアと共に、アンテナボード100に含まれてよい。いくつかの実施形態において、アンテナボード100におけるアンテナパッチ104の1または複数は、そこに開口(例えば、十字型の開口)を含んでよい。複数のアンテナパッチ104を含む例示的なスタック103のうち様々なものは、これらのアンテナパッチ104が中央揃えされているように示されてよいが(例えば、1つのアンテナパッチ104が別のアンテナパッチの直接上方にあるように)、これは必須ではない。必要に応じてスタック103における複数のアンテナパッチ104は、互いから、水平方向にオフセットされていてよい(例えば、
図23および24を参照して後述するように)。
【0042】
本明細書で開示されるいずれかのアンテナボード100に含まれるいずれかのアンテナパッチ104は、任意の好適な形状を有してよい。例えば、いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104は、矩形フットプリントを有してよい。いくつかの実施形態において、実質的に矩形の(または他の)フットプリントを持つアンテナパッチ104は、給電構造118が結合される「延長部」を有してよい。かかる実施形態の例は
図23に示される。添付図面に示されるアンテナパッチ104は、「中身がつまった」状態であるが、アンテナパッチ104は、1または複数の開口を有してもよく、これらの開口は任意の所望の形状を有してよい。例えば、いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104は、矩形の開口を有してよい。いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104は、そこにスロットまたは十字型の開口を有してもよい。
【0043】
本明細書で開示されるいくつかの実施形態において、誘電率領域106-1、106-2または106-3のうちの1つは空気(すなわち、様々な添付図面中に示されるように、空腔112がアンテナパッチ104-1とグランドプレーン120との間に存在してよい)を有してよく、追加的または代替的に、いくつかの実施形態において、誘電率領域106-4、106-5および106-6のうちの1つは空気(すなわち、様々な添付図面中に示されるように、空腔112がアンテナパッチ104-1とアンテナパッチ104-2との間に存在してよい)を有してよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104は、アンテナ給電基板102を通る導電性材料経路により、アンテナ給電基板102に電気的に結合されてよく、当該導電性材料経路がアンテナパッチ104の導電性材料と導電性接触を形成する。一方、他の実施形態においては、アンテナパッチ104は、アンテナ給電基板102に機械的結合されてよいが、アンテナ給電基板102を通る導電性材料経路とは接触しなくてよい。以下に、これらの実施形態の様々な例について、説明する。概して、アンテナ給電基板102が、導電性材料経路によりアンテナパッチ104のうちの1または複数に結合されない本明細書で開示されるいずれかの実施形態は、このような経路を含むように修正されてよい(例えば、後述のように、また1または複数のアンテナパッチ104を給電すべく、半田140により提供される機械的接続を用いて)。
【0045】
図2(および他の添付図面)にはアンテナパッチ104の単一のスタック103が示されているが、これは単に説明を簡単にするためのものであり、アンテナボード100は、アンテナパッチ104のスタック103を、2個以上有してよい(例えば、アンテナ給電基板102の面にアレイ上に配置されて)。例えば、アンテナボード100は、4個のスタック103(例えば、線形アレイに配置されて)、8個のスタック103(例えば、1つの線形アレイに配置され、または2つの線形アレイに配置されて)、16個のスタック103(例えば、4×4アレイに配置されて)または32個のスタック103(例えば、2つの4×4アレイに配置されて)を含んでよい。
【0046】
本明細書に開示されるアンテナボード100の寸法は、任意の好適な値を取ってよい。例えば、いくつかの実施形態において、20ギガヘルツから40ギガヘルツ範囲の通信のために、アンテナ給電基板102の厚み125は、1ミリメートル未満(例えば、0.1ミリメートルから0.5ミリメートルの間)であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104の厚み127は、送受信されるべき中心周波数の波長の4分の1未満であってよい。例えば、アンテナパッチ104の厚み127は、1ミリメートル未満(例えば、0.2ミリメートルから0.7ミリメートルの間)であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナボード100の横寸法153は、2ミリメートルから6ミリメートルの間(例えば、20ギガヘルツから40ギガヘルツ範囲における通信のために)であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104の横寸法149は、送受信されるべき中心周波数の波長の半分未満であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナボード100の厚み122は、500ミクロンから2ミリメートルの間(例えば、700ミクロンから1ミリメートルの間)であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナ給電基板102における金属層の厚みは、5ミクロンから50ミクロンの間(例えば、5ミクロンから20ミクロンの間、10ミクロンから20ミクロンの間、または約15ミクロン)であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナ給電基板102における隣接する金属層間の誘電体材料の厚みは、50ミクロンから200ミクロンの間(例えば、60ミクロンから100ミクロンの間、70ミクロンから110ミクロンの間、または約80ミクロン、約90ミクロン、または約100ミクロン)であってよい。
【0047】
図3は、アンテナボード100において、アンテナパッチ104が支持ボード136の材料とアンテナ給電基板102(不図示)との間に位置され得るように、支持ボード136の底面に近接する単一のアンテナパッチ104を含むスタック103を示す。支持ボード136は、任意の好適な構造を有してよく、例えば、いくつかの実施形態において、支持ボード136はPCB、または、非導電性のプラスチック構造であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104は、支持ボード136における導電層(例えば、金属)であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104は、支持ボード136の底面に表面実装(例えば、半田により)、接着、ラミネートまたはそれ以外の方法で結合されてよい。
図3のスタック103は、誘電率領域106-5および106-6およびアンテナパッチ104‐2が存在せず、誘電率領域106-4がアンテナパッチ104の上方にある支持ボード136の材料により提供される、
図2のスタック103の例であってよい。
【0048】
図4は、支持ボード136の底面に近接する単一のアンテナパッチ104を含み、アンテナパッチ104の上面が露出するように、支持ボード136の上面にさらにリセス113を含むスタック103を示す。いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104は、支持ボード136における導電(例えば、金属)層であってよい。
図4のスタック103は、
図3のスタック103を製造した後、アンテナパッチ104の上面を露出させるように、支持ボード136の材料をプレスし、穿設し、またはそれ以外の方法で除去し、あるいは、アンテナパッチ104を支持ボード136に結合する前に、リセス113を形成するように、支持ボード136の材料を除去することで形成されてよい。
図3のスタック103は、誘電率領域106-4、106-5および106-6並びにアンテナパッチ104-2が存在しない、
図2のスタック103の例であってよい。
【0049】
図5は、単一のアンテナパッチ104を含むスタック103を示す。いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104は、アンテナ給電基板102の上面に、表面実装、接着、ラミネートまたはそれ以外の方法で結合されてよい。
図5のスタック103は、誘電率領域106-4、106-5および106-6並びにアンテナパッチ104-2が存在しない
図2のスタック103の例であってよい。
【0050】
図6は、アンテナボード100において、アンテナパッチ104‐1が、支持ボード136の材料とアンテナ給電基板102(不図示)との間に位置し得るように、支持ボード136の底面に近接するアンテナパッチ104‐1を含むスタック103を示す。スタック103は、支持ボード136の上面に近接するアンテナパッチ104-2も含む。いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104‐1および/またはアンテナパッチ104-2は、支持ボード136における導電層(例えば、金属)であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナパッチ104-1(および/またはアンテナパッチ104-2)は、支持ボード136の底面(上面)に表面実装、接着、ラミネートまたはそれ以外の方法で結合されてよい。
図3のスタック103は、誘電率領域106-5および106-6が存在せず、誘電率領域106-4がアンテナパッチ104‐1と104‐2との間の支持ボードの材料136により提供される、
図2のスタック103の例であってよい。いくつかの実施形態において、スタック103におけるアンテナパッチ104-1とアンテナパッチ104-2との間の距離134は、50ミクロンから200ミクロンの間(例えば、100ミクロンと150ミクロンとの間、または約120ミクロン)であってよい。
【0051】
図7は、アンテナボード10において、アンテナパッチ104‐1が、支持ボード136の材料とアンテナ給電基板102(不図示)との間に位置し得るように、支持ボード136‐1の底面に近接するアンテナパッチ104‐1を含むスタック103を示す。スタック103は、支持ボード136-2の上面に近接するアンテナパッチ104-2も含み、
図7の複数の支持ボード136はそれぞれ、導電性コンタクト117を含んでよく、これらの導電性コンタクト117は半田140により共に結合されて、アンテナパッチ104-1および104-2間に空腔112を形成してよい。半田が存在する実施形態においては、半田レジスト等の他の材料は存在してよいが、図示されていない。本明細書で用いられる「導電性コンタクト」とは、異なるコンポーネント間の電気インタフェースとして機能する導電性材料(例えば、金属)の部分を指してよく、導電性コンタクトは、あるコンポーネントの表面に埋め込まれてよく、あるコンポーネントの表面と同一平面上にあってよく、または、あるコンポーネントの表面から離れるように延在してよく、任意の好適な形態(例えば、導電性パッドまたはソケット)を取ってよい。アンテナパッチ104-1および104-2はそれぞれ、支持ボード136-1および136-2に結合(例えば、接着、半田付け、埋め込み、またはプリント)されてよい。いくつかの実施形態において、導電性コンタクト117/半田140は、導電性材料経路をもたらしてよく、導電性材料経路を通って、信号がアンテナパッチ104‐2へ、または、アンテナパッチ104‐2から送信されてよい。他の実施形態において、導電性コンタクト117/半田140は、アンテナパッチ104間の機械的結合にのみ用いられてよい。半田140の高さおよび支持ボード136の厚みは、アンテナパッチ104-1および104-2間の距離を制御してよい。半田140の高さは、高精度(例えば、100ミクロンから500ミクロンの間)で制御されてよい。
図7のスタック103は、誘電率領域106-4が、支持ボード136-1の材料により提供され、誘電率領域106-5が空腔112により提供され、誘電率領域106-6が支持ボード136-2の材料により提供される、
図2のスタック103の例であってよい。
【0052】
図8は、
図7のスタック103と同様のスタック103を示すが、そこでは、支持ボード136-1は、
図4を参照して上記したリセス113も含む。
図8のスタック103は、誘電率領域106-4が存在せず、誘電率領域106-5が空腔112により提供され、誘電率領域106-6が支持ボード136-2の材料により提供される、
図2のスタック103の例であってよい。添付図面のいくつかの他の図面においては示されていないが、本明細書に開示される支持ボード136-1のうちの任意のものが、かかるリセス113(例えば、
図9の支持ボード136-1)を含んでよい。
【0053】
図9は、
図8のスタック103と同様のスタック103を示すが、そこでは、支持ボード136-1が、支持ボード136上の導電性コンタクト117に電気的に結合された、アンテナパッチ104‐1の周りに電気シールド(例えば、ファラデーケージ)を提供するための導電性構造121(例えば、ビアおよび/またはライン、あるいは導電性ピラー)を含む。同様に、支持ボード136-2は、アンテナパッチ104-2の周りに電気シールドを提供するための、導電性構造121および支持ボード136-2の上面上の導電性リング145を含んでよい。導電性構造121、導電性コンタクト117/半田140および導電性リング145が一緒に、スタック103のための電気シールドを提供する。添付図面のいくつかの他の図には示されていないが、任意のスタック103が、かかる電気シールド(例えば、
図6のスタック103)を含んでよい。本明細書には複数の電気シールド構造が開示されている。アンテナボード100の様々な要素を取り囲むことで、これらのシールドは、望ましくないカップリングを引き起こし、アンテナのインピーダンス帯域幅を劣化させ、ビームフォーミング中の反射レベルを増大させる表面波を低減させ、性能を向上させてよい。また表面波は、サイドローブおよびビームステアリングにおけるヌル角度リミットにも関係してよく、故に、表面波を低減することで、これらの特性が向上されてよい。例えば、ボアサイト放射アンテナの場合、ヌル角度リミットとは、アンテナアレイのアクティブな散乱パラメータ(S11)が、アレイ内のアンテナの給電構造により観測される高入力インピーダンスに起因して即座に劣化し始める角度であり、かかるアンテナについては、表面波を抑制することが、アクティブ走査アレイにおけるアンテナインピーダンス帯域幅に有利に働いてよく、アレイのより広い走査角度を可能にしてよい。
【0054】
スタック103が空腔112を含むいくつかの実施形態においては、1または複数のコンポーネントが空腔112内に配置されてよい。例えば、
図10は、
図7のスタック103と同様のスタック103を示すが、そこでは、コンポーネント143が、空腔112内において支持ボード136-1の上面に取り付けられている。コンポーネント143は、ダイ、スイッチ、増幅器、インダクタ、バラクタおよび/またはキャパシタ等の任意の好適なパッシブデバイスまたはアクティブデバイスを含んでよい。支持ボード136-1は、導電性経路(例えば、ビアおよび/またはラインまたは図示されない導電性ピラーを含む)を含んでよく、導電性経路を通して、電気信号がコンポーネント143へ/コンポーネント143から提供されてよい。いくつかの実施形態において、このコンポーネント143は、給電構造118および/またはアンテナパッチ104をチューニングするために用いられてよく、所望の整合または他の特性を達成すべく、コンポーネント143の電気特性を調整するための制御ラインが支持ボード136-1を通ってよい。他の実施形態において、1または複数のコンポーネント143が、空腔112内の支持ボード136-2の底面に取り付けられてよい(支持ボード136-1の上面に取り付けられたコンポーネント143の代わりに、または当該コンポーネント143に加えて)。かかる実施形態においては、支持ボード136-2は、導電性経路を含んでよく、当該導電性経路を通って電気信号がコンポーネント143へ/コンポーネント143から提供されてよく、支持ボード136-2は、導電性経路(例えば、導電性コンタクト117および半田140を含む)により、支持ボード136-1に結合されてよく、当該導電性経路は、信号が支持ボード136‐1を通ってコンポーネント143へ/コンポーネント143から送信されることを可能にする。コンポーネント143は、本明細書に開示された任意のスタック103における空腔112内に存在してよい。いくつかの実施形態において、コンポーネント143は、支持ボード136-1にワイヤボンディングされ、フリップチップされ、パッケージングされ、埋め込みされ、またはその他の方法で結合されてよい。
【0055】
図11は、アンテナ給電基板102、および支持ボード136の上面に近接するアンテナパッチ104(スタック103が複数のアンテナパッチ104を含む実施形態におけるアンテナパッチ104-1であってよい)を示す。概して、アンテナボード100における給電構造118は、アンテナ給電基板102の底面110から、アンテナ給電基板102の内部へと延在してよく、動作中に給電構造118は、電磁信号により駆動されてよい。
図11の実施形態においては、給電構造118は、支持ボード136において、アンテナパッチ104とグランドプレーン120との間に連続的材料経路を提供する導電性構造121であり、この構成は、「直接給電」構成と称されてよい。
図11のアンテナ給電基板102は、誘電率領域106-2および106-3が存在せず、誘電率領域106-1が支持ボード136により提供される
図2のアンテナ給電基板102の例であってよい。
【0056】
図12は、アンテナ給電基板102、および支持ボード136の上面に近接するアンテナパッチ104(スタック103が複数のアンテナパッチ104を含む実施形態におけるアンテナパッチ104-1であってよい)を示す。
図12の実施形態においては、給電構造118は、支持ボード136における、アンテナパッチ104とグランドプレーン120との間に連続的材料経路を提供しない導電性構造121であり、この構成は、「近接給電」または「間接給電」構成と称されてよい。特に、
図12に示される給電構造118は、Lタイプ給電構造の例であり、これについては後で詳しく説明する。より一般的には、複数の近接給電構造118の例が後述され、任意のかかる給電構造118が、
図12のアンテナ給電基板102に含まれてよい。
図12のアンテナ給電基板102は、誘電率領域106-2および106-3が存在せず、誘電率領域106-1が支持ボード136により提供される
図2のアンテナ給電基板102の例であってよい。
【0057】
図13は、アンテナ給電基板102、および支持ボード136‐2に結合され、または支持ボード136‐2に含まれるアンテナパッチ104(スタック103が複数のアンテナパッチ104を含む実施形態におけるアンテナパッチ104-1であってよい)を示す。支持ボード136-2は、上述のような導電性コンタクト117/半田140により支持ボード136-1に結合され、アンテナパッチ104の下方に空腔112が形成される。さらに、導電性コンタクト112/半田140および支持ボード136-1内の導電性構造121は、グランドプレーン120とアンテナパッチ104との間の直接給電構造118を提供してよい。特に、半田140は、給電構造118の所望のインピーダンスを達成すべく、アンテナパッチ104とグランドプレーン120との間のインピーダンスが制御される接続を提供するのに役立ってよい。
図13のアンテナ給電基板102は、誘電率領域106-1が支持ボード136-1により提供され、誘電率領域106-2が空腔112により提供され、誘電率領域106-3が存在しない、
図2のアンテナ給電基板102の例であってよい。いくつかの実施形態において、支持ボード136-1の上面とアンテナパッチ104との間の距離132(
図13の実施形態における空腔112の高さに等しい)は、75ミクロンから200ミクロンの間(例えば、100ミクロンと150ミクロンとの間、または約120ミクロン)であってよい。
【0058】
図14は、アンテナ給電基板102、および支持ボード136‐2に結合され、または支持ボード136‐2に含まれるアンテナパッチ104(スタック103が複数のアンテナパッチ104を含む実施形態におけるアンテナパッチ104-1であってよい)を示す。支持ボード136-2は、上述のような導電性コンタクト117/半田140により支持ボード136-1に結合され、アンテナパッチ104の上方に空腔112が形成される。近接給電構造118が、支持ボード136-1に含まれる。これらの近接給電構造118は、任意の好適な形態(例えば、本明細書で開示される任意の形態)を取ってよい。特に、
図14に示される給電構造118は、Lタイプ給電構造の例であってよく、これについては後で詳しく説明する。
図14のアンテナ給電基板102は、誘電率領域106-1が支持ボード136-1により提供され、誘電率領域106-2が空腔112により提供され、誘電率領域106-3が存在しない、
図2のアンテナ給電基板102の例であってよい。
【0059】
図15は、アンテナ給電基板102、および支持ボード136‐2に結合され、または支持ボード136‐2に含まれるアンテナパッチ104(スタック103が複数のアンテナパッチ104を含む実施形態におけるアンテナパッチ104-1であってよい)を示す。支持ボード136-2は、上述のような導電性コンタクト117/半田140により支持ボード136-1に結合され、アンテナパッチ104の下方に空腔112が形成される。導電性コンタクト117/半田140および支持ボード136-1内の導電性構造121は共に、近接給電構造118の一部であってよい。これらの近接給電構造118は、任意の好適な形態(例えば、本明細書で開示される任意の形態)を取ってよい。特に、
図15に示される給電構造118は、Lタイプ給電構造の例であってよく、これについては後で詳しく説明する。空腔112は、近接給電構造118の少なくとも一部の周囲に延在してよく、支持ボード136-2が、アンテナパッチ104を近接給電構造118から分離してよい。
図15のアンテナ給電基板102は、誘電率領域106-1が支持ボード136-1により提供され、誘電率領域106-2が空腔112により提供され、誘電率領域106-3が支持ボード136-1により提供される、
図2のアンテナ給電基板102の例であってよい。
【0060】
アンテナ給電基板102が空腔112を含むいくつかの実施形態においては、1または複数のコンポーネントが空腔112内に配置されてよい。例えば、
図16は、
図13のアンテナ給電基板102と同様のアンテナ給電基板102を示すが、そこでは、コンポーネント143が、空腔112内において支持ボード136-1の上面に取り付けられている。支持ボード136-1は、導電性経路(例えば、ビアおよび/またはラインまたは図示されない導電性ピラーを含む)を含んでよく、導電性経路を通して、電気信号がコンポーネント143へ/コンポーネント143から提供されてよい。他の実施形態において、1または複数のコンポーネント143が、空腔112内の支持ボード136-2の底面に取り付けられてよい(支持ボード136-1の上面に取り付けられたコンポーネント143の代わりに、または当該コンポーネント143に加えて)。かかる実施形態においては、支持ボード136-2は、導電性経路を含んでよく、当該導電性経路を通って電気信号がコンポーネント143へ/コンポーネント143から提供されてよく、支持ボード136-2は、導電性経路(例えば、導電性コンタクト117および半田140を含む)により、支持ボード136-1に結合されてよく、当該導電性経路は、信号が支持ボード136‐1を通って、コンポーネント143へ/コンポーネント143から送信されることを可能にする。コンポーネント143は、本明細書に開示された任意のアンテナ給電基板102における空腔112内に存在してよい。上述の任意のコンポーネント143がアンテナ給電基板102に含まれてよい。
【0061】
図9を参照して前述したように、本明細書で開示される任意のアンテナボード100は、アンテナボード100のアンテナパッチ104、給電構造118および/または他のコンポーネントの周りに電磁シールドを提供するための導電性構造を含んでよい。例えば、
図17Aおよび17Bは、様々な実施形態による、アンテナボード100内のいくつかの例示的なコンポーネントの様々な表示である。
図17Aは、分解斜視図(図示を簡単にするために一部のコンポーネントは省略されている)であり、
図17Bは、
図17Aの構造の底部の側面の断面図である。
【0062】
図17のアンテナボード100は、底面110にグランドプレーン120、および、グランドプレーン120からアンテナ給電基板102に延在する1または複数の給電構造118を含んでよい。給電構造118のパッド119は、グランドプレーン120とコプレーナであってよい。アンテナ給電基板102に、1または複数のビアまたは導電性ピラーを含み得るシールドポスト124は、アンテナ給電基板102のエッジに近接して配置されてよく、給電構造118の周りファラデーケージを提供すべく、グランドリング114をグランドプレーン120に電気的に結合してよい。本明細書に開示されるグランドリングは、グランドリングが存在しない実施形態と比較して、反射損失を低減してよい。近接給電構造118(
図12、14および15に図示されるもののような)が
図17に図示されているが、任意の好適な給電構造118が、
図17に図示されるアンテナボードのようなアンテナボード100に用いられてよい。特に、
図17に図示される給電構造118は、Lタイプ給電構造の例であってよく、これについては後で詳しく説明する。アンテナパッチ104-1は、シールドポスト124により囲まれた領域の「内部」に配置されてよい。グランドリング141は、アンテナパッチ104-2を囲んでよく、追加のグランドリング139が、グランドリング141とグランドリング114との間に配置されてよい。
【0063】
グランドリング114、139および141は、任意の好適な方式で共に結合されてよい。
図18は、グランドリング114が導電性構造147-1によりグランドリング139に結合され、グランドリング139が導電性構造147-2によりグランドリング141に結合される
図17のアンテナボード100の実施形態を示す。導電性構造147-1は、ライン、ビアおよび/または導電性ピラー(例えば、グランドリング114とグランドリング139との間に固体誘電材料が配置される場合)、あるいは導電性コンタクト117/半田140(例えば、グランドリング114とグランドリング139との間に空腔が所望される場合)を含んでよい。同様に、導電性構造147-2は、ライン、ビア、および/または導電性ピラー(例えば、グランドリング139とグランドリング141との間に固体誘電材料が配置される場合)、あるいは、導電性コンタクト117/半田140(例えば、グランドリング139とグランドリング141との間に空腔が所望される場合)を含んでよい。
【0064】
上で特記したように、任意の好適な給電構造118がアンテナボード100に含まれてよい。
図19および20は、それぞれLタイプ給電構造118およびHタイプ給電構造118の2つの近接給電構造118の例を示す。本明細書で開示されるLタイプおよびHタイプ給電構造118は、性能向上のため(例えば、ミリメートル波通信のため)に、インピーダンス帯域幅がチューニングされ、より幅広くされることを可能にしてよい。本明細書に開示される給電構造118は、インピーダンスを調整(例えば、給電構造118、または上述のコンポーネント143のような支持要素の寸法を通して)することで、異なる環境のために容易にチューニングされてよい。
【0065】
図19は、アンテナボード100に含まれてよいいくつかの導電性構造を示し、当該導電性構造は、2つのアンテナパッチ104-1および104-2、グランドプレーン120からアンテナパッチ104に向かって延在する2つのLタイプ給電構造118-1および118-2が含まれる。「Lタイプ」という用語は、Lタイプ給電構造118の形状が大文字の「L」に似ているために用いられる。
図19Aは側面の断面図であり、
図19Bは斜視図である。いくつかのアンテナボード100において、
図19の実施形態は、
図17の実施形態のような構造で実装されてよく、アンテナパッチ104は、
図6-
図10のスタック103を参照して上述したようないずれかの方式で配置されてよく、および/または、給電構造118およびグランドプレーン120は、
図12、14または15のアンテナ給電基板102を参照して上述したようないずれかの方式で配置されてよい。
【0066】
Lタイプ給電構造118は、パッド119からグランドプレーン120に対し垂直に延びる垂直部分118A、および、グランドプレーン120に対し平行(およびグランドプレーン120から離間して)に延びる水平部分118Bを含む。アンテナボード100に含まれる2つのLタイプ給電構造118は、
図19に示されるように、2つの直交偏波を達成すべく、互いに対し垂直に方向付けられた水平部分118Bを有してよい。使用中、水平部分118Bおよびアンテナパッチ104は容量結合されてよく、垂直部分118Aは、水平部分118Bとグランドプレーン120との間のインダクタとして動作してよい。Lタイプ給電構造118の寸法は、アンテナパッチ104との所望の電磁相互作用を達成するために選択されてよい。例えば、垂直部分が接点を作る箇所の給電構造118の水平部分沿いの位置は、所望のインピーダンス(または他のパラメータ)を達成するために調整されてよい。
図19中、Lタイプ給電構造は、特定数のビア、ラインおよびパッドを含むものとして示されているが、これは図を簡単にするためのものであり、構造(例えば、導電性ピラー)の任意の好適な数および配置が用いられてよい。例えば、
図15に示されるように、Lタイプ給電構造118の垂直部分118Aの一部または全部は、半田140により提供(例えば、1または複数の空腔112を得るために、所望の高さに制御された)されてよい。
【0067】
図20は、アンテナパッチ104、および、グランドプレーン120からアンテナパッチ104に向かって延在する2つのHタイプ給電構造118-1および118-2が含まれる、アンテナボード100に含まれてよい導電性構造の一部を示す。「Hタイプ」という用語は、Hタイプ給電構造118の形状が小文字の「H」に似ているために用いられる。
図20Aは側面の断面図であり、
図20Bは斜視図である。いくつかのアンテナボード100において、
図20の実施形態は、
図17の実施形態のような構造で実装されてよく、アンテナパッチ104は、
図3-
図5のスタック103を参照して上述したようないずれかの方式で配置されてよく、および/または、給電構造118およびグランドプレーン120は、
図12、14または15のアンテナ給電基板102を参照して上述したようないずれかの方式で配置されてよい。さらに、追加のアンテナパッチ104が、
図20の構造において、アンテナパッチ104の「上方」に含まれてよい(例えば、
図6-
図10を参照して上述したいずれかのスタック103の実施形態により)。
【0068】
図20に示されるHタイプ給電構造118は、半波アンテナ要素を用いてよく、いくつかの実施形態において、Hタイプ給電構造118は、他の別個のコンポーネントを用いることなく整合されてよい。他の実施形態においては、ダイポール要素または1/4波要素(例えば、モノポールアンテナ)が用いられてよい。Hタイプ給電構造118は、パッド119からグランドプレーン120に対し垂直に延在する第1の垂直部分118A、グランドプレーン120に対し平行(およびグランドプレーン120から離間して)に延在する第1の水平部分118B、グランドプレーン120に対し垂直に延在する第2の垂直部分118Cおよびグランドプレーン120に対し平行(およびグランドプレーン120から離間して)に延在する第2の水平部分118Dを含んでよい。第1の垂直部分は、パッド119と第2の水平部分118Dとの間に延在してよく(および第1の水平部分118Bにも接触する)、第2の垂直部分118Cは、第1の水平部分118Bとグランドプレーン120との間に延在してよい。第1の水平部分118Bは、第2の水平部分118Dとグランドプレーン120との間に存在してよい。水平部分118Bおよび118Dは、
図20Bに示される形状のような、任意の好適な形状を有してよい。アンテナボード100に含まれる2つのHタイプ給電構造118は、2つの直交偏波を達成するように、
図20に示されるように、互いに対し垂直に方向付けられた第1の水平部分118Bを有してよい。同様に、アンテナボード100に含まれる2つのHタイプ給電構造118は、
図20に示されるように、互いに対し垂直に方向付けられた第2の水平部分118Dを有してよい。
【0069】
図20のHタイプ給電構造118は、第3の垂直部分118Eおよび第3の水平部分118Fも含む。第3の垂直部分118Eは、アンテナパッチ104と電気的に接触し、アンテナパッチ104に対し(およびグランドプレーン120に対し)垂直に延在する。第3の水平部分118Fは、第3の垂直部分118Eと接触し、アンテナパッチ104に対し平行に延在する。第3の水平部分118Eは、第2の水平部分118Dの上方に、且つ第2の水平部分118Dから離間されて存在してよい。第3の水平部分118Fは、
図20Bに示される形状のような、任意の好適な形状を有してよい。第3の垂直部分118Eおよび第3の水平部分118Fは共に、アンテナパッチ104のパッシブ要素延長部を提供してよい。使用中に、第3の水平部分118Fおよび第2の水平部分118Dは、容量結合されてよく、第1の垂直部分118Aは、第2の水平部分118Dとグランドプレーン120との間のインダクタとして動作してよく、第2の垂直部分118Cは、第1の垂直部分118Aのインダクタと部分的に平行であるインダクタとして動作してよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるHタイプ給電構造118は、第3の垂直部分118Eまたは第3の水平部分118Fを含まなくてよいが、これらの部分を含むことで、アンテナパッチ104とグランドプレーン120との間の距離が大きい場合に、または、アンテナパッチ104の品質係数が、隣接する環境からの装荷に起因して別の態様で低い場合、アンテナパッチ104の品質係数を改善してよい。第3の垂直部分118Eを、アンテナパッチ104のエッジから離間して位置付けることで、パッシブ要素延長部の使用が、アンテナパッチ104の共振周波数に対し有し得る効果を軽減してよい。Hタイプ給電構造118のインピーダンスは、異なる環境(例えば、後述のように、ガラスバックカバー176を有する通信デバイス151において)のために再チューニングされてよい。
【0071】
図20中、Hタイプ給電構造118は、特定数のビア、ラインおよびパッドを含むものとして示されているが、これは図を簡単にするためのものであり、構造(例えば、導電性ピラー)の任意の好適な数および配置が用いられてよい。例えば、
図15に示されるように、Hタイプ給電構造118の垂直部分118A、118Cまたは118Eの一部または全部は、半田140(例えば、1または複数の空腔112を得るために、所望の高さに制御された)により提供されてよい。Hタイプ給電構造118の寸法は、アンテナパッチ104との所望の電磁相互作用を達成するために選択されてよい。例えば、第2の水平部分118Dおよび第3の水平部分118Fの面積は、所望のサイズの共鳴カールを達成するように調整されてよく、アンテナパッチ104の面積は、所望の絶対共振周波数を達成するように調整されてよく、第1の垂直部分118Aの高さは、スミスチャートにおける共鳴カールの所望の位置を達成するために調整されてよく、第2の垂直部分118Cのサイズおよび位置は、共鳴カールとターゲットインピーダンスとの所望の整合を達成するために(例えば、所望のインピーダンス帯域幅を達成するために)調整されてよい。
【0072】
図21は、アンテナボード100に含まれてよいいくつかの導電性構造を示し、当該導電性構造は、アンテナパッチ104およびグランドプレーン120からアンテナパッチ104に向かって延在する2つの他のHタイプ給電構造118-1および118-2が含まれる。
図21Aは、側面の断面図であり、
図21Bは、斜視図である。いくつかのアンテナボード100において、
図21の実施形態は、
図17の実施形態のような構造で実装されてよく、アンテナパッチ104は、
図3-
図5のスタック103を参照して上述したようないずれかの方式で配置されてよく、および/または、給電構造118およびグランドプレーン120は、
図12、14または15のアンテナ給電基板102を参照して上述したようないずれかの方式で配置されてよい。さらに、追加のアンテナパッチ104が、
図21の構造において、アンテナパッチ104の「上方」に含まれてよい(例えば、
図6-
図10を参照して上述したいずれかのスタック103の実施形態により)。
【0073】
図21のHタイプ給電構造118は、パッド119からグランドプレーン120に対し垂直に延在する第1の垂直部分118A、グランドプレーン120に対し平行(およびグランドプレーン120から離間して)に延在する第1の水平部分118B、第1の水平部分118Bからグランドプレーン120に対し垂直に延在する第2の垂直部分118C、およびグランドプレーン120に対し平行(およびグランドプレーン120から離間して)に延在する第2の水平部分118D、並びに、グランドプレーン120と第1の水平部分118Bとの間に延在する第3の垂直部分118Eを含む。第1の垂直部分は、パッド119と第1の水平部分118Bとの間に延在してよく、第2の垂直部分118Cは、第1の水平部分118Bと第2の水平部分118Dとの間に延在してよい。水平部分118Bおよび118Dは、
図20Bに示される形状のような、任意の好適な形状を有してよい。アンテナボード100に含まれる2つのHタイプ給電構造118は、2つの直交偏波を達成するように、
図21に示されるように、互いに対し実質的に垂直に方向付けられた第1の水平部分118Bを有してよい。同様に、アンテナボード100に含まれる2つのHタイプ給電構造118は、
図21に示されるように、互いに対し垂直に方向付けられた第2の水平部分118Dを有してよい。
図21の実施形態は、パッシブ要素延長部を含まない(例えば、
図20を参照して上述したように)が、いくつかの実装においては、
図21のH給電構造118が、パッシブ要素延長部と共に用いられてよい。
【0074】
図21中、Hタイプ給電構造118は、特定数のビア、ラインおよびパッドを含むものとして示されているが、これは図を簡単にするためのものであり、構造(例えば、導電性ピラー)の任意の好適な数および配置が用いられてよい。例えば、
図15に示されるように、Hタイプ給電構造118の垂直部分118A、118Cまたは118Eの一部または全部は、半田140例えば、1または複数の空腔112を得るために、所望の高さに制御された)により提供(されてよい。Hタイプ給電構造118の寸法は、アンテナパッチ104との所望の電磁相互作用を達成するために選択されてよい(例えば、
図20を参照して上述したように)。
図20または21のHタイプ給電構造118を用いることは、従来のアプローチ(例えば、従来のシングルオーダの整合されたモノポールまたはダイポールアンテナ)よりも、はるかに大きなインピーダンス帯域幅を達成してよい。
【0075】
任意の近接給電構造118は、アンテナパッチ104との所望の電磁相互作用を達成すべく、追加の水平部分および/または垂直部分で増大されてよい。例えば、
図22は、追加の垂直部分118Cおよび追加の水平部分118Dで増大された、Lタイプ給電構造118(
図19を参照して上述したような)を示す。図示の通り、追加の水平部分118Dは、垂直部分118Aと接触してよく、水平部分118Bに対し垂直に延在してよい。追加の垂直部分118Cは、追加の水平部分118Dおよびグランドプレーンを電気的に結合してよい。追加の水平部分118Dは、「ショートスタブ」(例えば、マイクロストリップスタブであってよい)と称されてよく、追加の垂直部分118Cは、「ショートビア」(動作中に、過剰キャパシタンスで共振する小さなインダクタとして動作してよい)と称されてよい。追加の垂直部分118Cおよび追加の水平部分118Dを含めることで、給電構造118の相対的な帯域幅を向上させてよく、動作帯域幅もわたり、2つの直交偏波間の良好な分離を維持してよい。整合されたインピーダンスを達成するために、水平部分118Dのような追加の送信ラインが、本明細書で開示された任意の給電構造118に含まれてよい。
図19および20を参照して上記したように、
図22の給電構造118は、特定数のビア、ラインおよびパッドを含むものとして示されているが、これは図を簡単にするためのものであり、構造(例えば、導電性ピラー)の任意の好適な数および配置が用いられてよい。例えば、
図15に示されるように、
図22の給電構造118の垂直部分118Aまたは118Cの一部または全部は、半田140(例えば、1または複数の空腔112を得るために、所望の高さに制御された)により提供されてよい。
【0076】
アンテナボード100は、他の給電構造118および/または1または複数の異なるタイプの給電構造118を含んでよい。例えば、
図23は、2つのアンテナパッチ104-1、アンテナパッチ104-2、および各アンテナパッチ104に関連付けられた2つの給電構造118を含む、アンテナボード100におけるいくつかの導電性構造の斜視図である。アンテナパッチ104-1に関連付けられた2つの給電構造118(給電構造118-1および118-2)は直接給電構造118であり、アンテナパッチ104-2に関連付けられた2つの給電構造118(給電構造118-3および
図23からは見えない別の給電構造118)は近接給電構造である。
図23に示された実施形態においては、アンテナパッチ104-1は、給電構造118-1および118-2と接触する2つの材料「延長部」を有するが、実質的に矩形であることに留意されたい。上で特記したように、本明細書で開示される任意のアンテナパッチ104は、必要に応じてかかる延長部を含んでよい。給電構造118-1および118-2は、グランドプレーン120とアンテナパッチ104-1との間の連続的な導電性材料経路を提供してよく、給電構造118-1および118-2は、アンテナパッチ104‐1の「直角」側部(図示の通り)に向けて方向付けられ、2つの直交偏波を有効にしてよい。給電構造118-3(および
図23の斜視図では見えない別の給電構造118)は、第1の導電性リング118Gと接触する垂直部分118Aを含む近接給電構造118である。給電構造118-3はさらに、第1の導電性リング118Gから離間配置されてよい第2の導電性リング118Hを含んでよく、アンテナパッチ104-2は、導電性リング118Gの内部に配置されてよい。アンテナパッチ104-2に関連付けられた視認可能な給電構造118-3および他方の給電構造118の垂直部分118Aは、異なる垂直部分118Aを有してよい(互いに対し垂直に方向付けられ)が、第1の導電性リング118Gおよび第2の導電性リング118Hを共有してよい。いくつかのアンテナボード100において、
図23の実施形態は、
図17の実施形態のような構造で実装されてよく、アンテナパッチ104は、
図6-
図10のスタック103を参照して上述したようないずれかの方式で配置されてよく、および/または、給電構造118およびグランドプレーン120は、
図12、14または15のアンテナ給電基板102を参照して上述したようないずれかの方式で配置されてよい。
図23のような構造における4つの給電構造118は、2つの周波数帯(例えば、28ギガヘルツおよび39ギガヘルツ)の各々における2つの偏波を達成するために用いられてよい。
【0077】
図23は、スタック103における2つのアンテナパッチ104が互いに対し水平方向にオフセットされている実施形態の例でもある。
図23は、部分的に「重なった」複数のアンテナパッチ104を示すが、これらアンテナパッチは、重ならないようにさらにオフセットされてもよい。
【0078】
上に特記したように、アンテナボード100は、複数のスタック103を含んでよい。例えば、
図24は、単一のアンテナボード100に含まれ得る2つのアンテナスタック103を示し、これらのスタック103は互い対しオフセットされてよく、各スタックは自身の給電構造118を有してよい(例えば、本明細書に開示されたいずれかの実施形態により)。いくつかの実施形態において、1つのスタック103はハイバンド通信用にチューニングされてよく、他方のスタック103はローバンド通信用にチューニングされてよい。いくつかの実施形態において、これらのスタック103は、同一のアンテナボード100に含まれてよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、アンテナボード100は、アンテナモジュールの一部であってよい。例えば、
図25は、様々な実施形態による、アンテナモジュール105の側面の断面図である。アンテナモジュール105は、アンテナボード100に結合されたICパッケージ115を含んでよい。
図1には単一のICパッケージ115が示されているが、アンテナモジュール105は、2以上のICパッケージ115(および/または
図27を参照して後述するように2以上のアンテナボード100)を含んでよい。上で特記したように、アンテナボード100は、導電性経路(例えば、1または複数の誘電体材料を通る導電性ビアおよびラインにより提供される)、および、1または複数のアンテナパッチ104(
図25に不図示)がICパッケージ115における回路の制御下において電磁波を送信および受信できるようにし得る無線周波数(RF)送信構造(例えば、給電構造118)を有するアンテナ給電基板102(
図25に不図示)を含んでよい。いくつかの実施形態において、ICパッケージ115は、第2のレベルの相互接続(不図示であるが、
図26を参照して後述される)により、アンテナボード100に結合されてよい。いくつかの実施形態において、アンテナモジュール105は、それぞれの異なるアンテナパッチ104またはスタック103を制御するための異なるICパッケージ115を含んでよい。他の実施形態において、アンテナモジュール105は、複数のアンテナパッチ104または複数のスタック103を制御するための回路を有する1つのICパッケージ115を含んでよい。いくつかの実施形態において、アンテナモジュール105の全z高123は、3ミリメートル未満(例えば、2ミリメートルから3ミリメートルの間)であってよい。
【0080】
図25の実施形態においては、ICパッケージ115の周りに配置されたモールド化合物135が示されており、導電性ピラー137(例えば、銅ピラー)がアンテナボード100からモールド化合物135を通って延び、アンテナモジュール105の上面に露出されている。導電性ピラー137は、アンテナボード100の面上にある導電性コンタクト(不図示)と接触してよく、アンテナモジュール105は、その上面において別のコンポーネント(例えば、マザーボード)に結合されてよく、かかる別のコンポーネントからの電気信号が、導電性ピラー137、アンテナボード100における導電性経路(不図示)およびアンテナボード100とICパッケージ115との間の第2のレベルの相互接続(不図示)を介して、ICパッケージ115へ/から送信されてよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、アンテナボード100および/またはアンテナモジュール105は、複数の通信帯域(例えば、デュアルバンドオペレーションまたはトライバンドオペレーション)をサポートするために、アンテナパッチ104の1または複数のアレイを含んでよい。例えば、本明細書で開示されるアンテナボード100および/またはアンテナモジュール105のいくつかは、28ギガヘルツ、39ギガヘルツおよび60ギガヘルツでのトライバンドオペレーションをサポートしてよい。本明細書で開示されるアンテナボード100および/またはアンテナモジュール105のうち様々なものが、24.5ギガヘルツから29ギガヘルツ、37ギガヘルツから43ギガヘルツ、および、57ギガヘルツから71ギガヘルツにおけるトライバンドオペレーションをサポートしてよい。本明細書で開示されるアンテナボード100および/またはアンテナモジュール105のうち様々なものが、5G通信および60ギガヘルツ通信をサポートしてよい。本明細書で開示されるアンテナボード100および/またはアンテナモジュール105のうち様々なものが、28ギガヘルツ通信および39ギガヘルツ通信をサポートしてよい。本明細書で開示されるアンテナボード100および/またはアンテナモジュール105のうち様々なものが、ミリメートル波通信をサポートしてよい。本明細書で開示されるアンテナボード10および/またはアンテナモジュール105のうち様々なものが、ハイバンド周波数およびローバンド周波数をサポートしてよい。
【0082】
アンテナモジュールに含まれるICパッケージ115は、任意の好適な構造を有してよい。例えば、
図26は、アンテナモジュール105に含まれてよいICパッケージ115の例を示す。ICパッケージ115は、1または複数のコンポーネント336が、第1のレベルの相互接続350により結合されてよいパッケージ基板334を含んでよい。特に、パッケージ基板334の1つの面にある導電性コンタクトは、複数のコンポーネント336の面にある導電性コンタクト348に、第1のレベルの相互接続350により結合されてよい。
図26に図示された第1のレベルの相互接続350は半田バンプであるが、任意の好適な第1のレベルの相互接続350が用いられてよい。半田レジスト314が導電性コンタクト346の周りに配置されてよい。パッケージ基板334は誘電体材料を含んでよく、その面間の誘電体材料を通って、または、各面における異なる位置同士の間を延在する導電性経路(例えば、導電性ビアおよびラインを含む)を有してよい。いくつかの実施形態において、パッケージ基板334は、1ミリメートル未満(例えば、0.1ミリメートルから0.5ミリメートルの間)の厚みを有してよい。導電性コンタクト344はパッケージ基板334の他方の面に配置されてよく、第2のレベルの相互接続342は、これらの導電性コンタクト344をアンテナモジュール105のアンテナボード100(不図示)に結合してよい。
図26に図示される第2のレベルの相互接続342は半田ボール(例えば、ボールグリッドアレイ構成用)であるが、任意の好適な第2のレベルの相互接続342(例えば、ピングリッドアレイ構成におけるピンまたはランドグリッドアレイ構成におけるランド)が用いられてよい。半田レジスト314が導電性コンタクト344の周りに配置されてよい。いくつかの実施形態において、モールド材料340が、コンポーネント336の周り(例えば、コンポーネント336とパッケージ基板334との間のアンダーフィル材として)に配置されてよい。いくつかの実施形態において、モールド材料の厚みは、1ミリメートル未満であってよい。モールド材料340に用いられてよい例示的な材料は、必要に応じて、エポキシモールド材料を含む。いくつかの実施形態において、ICパッケージ115に電磁シールドを提供するために、コンフォーマルシールド352がコンポーネント336およびパッケージ基板334の周りに配置されてよい。
【0083】
コンポーネント336は、任意の好適なICコンポーネントを含んでよい。いくつかの実施形態において、コンポーネント336のうちの1または複数はダイを含んでよい。例えば、コンポーネント336のうちの1または複数は、RF通信ダイであってよい。いくつかの実施形態において、コンポーネント336のうちの1または複数は、抵抗、キャパシタ(例えば、デカップリングキャパシタ)、インダクタ、DC‐DCコンバータ回路または他の回路要素を含んでよい。いくつかの実施形態において、ICパッケージ115は、システムインパッケージ(SiP)であってよい。いくつかの実施形態において、ICパッケージ115は、フリップチップ(FC)チップスケールパッケージ(CSP)であってよい。いくつかの実施形態において、コンポーネント336のうちの1または複数は、ビームフォーミング、走査、および/または、コードブック機能を実行するための命令でプログラムされたメモリデバイスを含んでよい。
【0084】
上で特記したように、いくつかの実施形態において、アンテナモジュール105は、複数のアンテナボード100を含んでよい。例えば、
図27は、複数のアンテナボード100が単一のICパッケージ115に結合された実施形態を示す。いくつかの実施形態において、コネクタ(不図示)が
図27のICパッケージ115の面のうちの1または複数に取り付けられて、アンテナモジュール105が、他のコンポーネント(例えば、マザーボード)と通信できるようにしてよい。任意の好適なコネクタ(例えば、同軸コネクタ、フラットケーブルコネクタ等)が用いられてよい。
【0085】
本明細書で開示されるアンテナボード100およびアンテナモジュール105は、任意の好適な通信デバイス(例えば、無線通信能力を有するコンピューティングデバイス、無線通信回路を備えたウェアラブルデバイス等)に含まれてよい。
図28は、様々な実施形態による、アンテナモジュール105を含む通信デバイス151の一部の側面の断面図である。特に、
図28に図示された通信デバイス151は、スマートフォンまたはタブレット等のハンドヘルド通信デバイスであってよい。通信デバイス151は、金属製またはプラスチック製シャーシ178に近接するガラス製またはプラスチック製バックカバー176を含んでよい。いくつかの実施形態において、シャーシ178は、バックカバー176の内面183(バックカバー176の外面185と対向)にラミネートされてよい、または、接着剤でバックカバー176に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、バックカバー176に隣接するシャーシ178の部分は、0.1ミリメートルから0.4ミリメートルの間の厚みを有してよい。いくつかのかかる実施形態において、シャーシ178のこの部分は金属で形成されてよい。いくつかの実施形態において、バックカバー176は、0.3ミリメートルから1.5ミリメートルの間の厚みを有してよい。バックカバー176はガラスで形成されてよい。シャーシ178は、性能を向上すべく、アンテナモジュール105のアンテナパッチ104(不図示)と整列された1または複数のウィンドウ179を含んでよい。空腔180-1は、アンテナモジュール105の少なくとも一部を、バックカバー176から離間させてよい。いくつかの実施形態において、空腔180-1の高さは、0.5ミリメートルから3ミリメートルの間であってよい。アンテナモジュール105は、回路ボード101(例えば、マザーボード)の一面に取り付けられてよく、他のコンポーネント129(例えば、他のICパッケージ)が回路ボード101の対向する面に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、回路ボード101は、0.2ミリメートルから1ミリメートル(例えば、0.3ミリメートルから0.5ミリメートルの間)の間の厚みを有してよい。別の空腔180-2が、回路ボード101とディスプレイ182(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)との間に位置付けられてよい。いくつかの実施形態において、所望の性能を達成すべく、アンテナモジュール105のアンテナパッチ104(不図示)とバックカバー176との間の間隔は、数十ミクロンの範囲内で選択されてよく、制御されてよい。空腔180-2は、通信デバイス151のフロント側にあるディスプレイ182からアンテナモジュール105を分離させてよい。いくつかの実施形態において、ディスプレイ182は、ディスプレイ182からの熱を奪うために、空腔180-2に近接する金属層を有してよい。金属製またはプラスチック製ハウジング184が、通信デバイス151の「側面」を提供してよい。
【0086】
図29は、様々な実施形態による、例示的なアンテナモジュール105を含む例示的な通信デバイス151の一部の側面の断面図である。
図29の例示的なアンテナモジュール105は、4つのアンテナボード100の各々に配置された2つのアンテナパッチ104を含む。アンテナボード100は、
図25を参照して上記したアンテナモジュール105のようなアンテナモジュール105に含まれる。アンテナモジュール105は、回路ボード101に結合され、回路ボード101自体は、留め具133(例えば、ねじ)によりシャーシ178に機械的に固定されている。いくつかの実施形態において、留め具133は、近接するアンテナモジュール105から、1ミリメートルから2ミリメートルの間の距離だけ離間していてよい。コンポーネント129は、回路ボード101の他方の面に配置され、ヒートスプレッダ131が、そのコンポーネント129上に配置される。アンテナパッチ104は、シャーシ178のウィンドウ179に近接していてよい。
【0087】
シャーシ178におけるウィンドウ179は、任意の好適な形状を有してよく、ウィンドウは、アンテナパッチ104の近傍領域(例えば、金属シャーシ178における)に影響を及ぼしてよい。例えば、
図30は、シャーシ178に矩形ウィンドウ179を有する例示的な通信デバイス151を示す。4つのアンテナパッチ104のアレイ(同一のアンテナボード100または異なる複数のアンテナボード100における異なるスタック103の一部であってよい)が、ウィンドウ179の上方に位置付けられてよい。シャーシ178は、矩形以外のウィンドウ179も有してよい。例えば、
図31は、シャーシ178が複数のウィンドウ179を含む実施形態を示しており、中央のウィンドウ179はスクラップエッジを有し、複数の丸形ウィンドウ179が中央ウィンドウ179の周囲に分散されている。
図32は、シャーシ179が「ジグザク」エッジ(例えば、ウィンドウ179は、複数の重複するダイアモンドのアレイのような形状である)を持つウィンドウ179を有する実施形態を示している。必要に応じて、他のウィンドウ179が用いられてよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、追加のアンテナパッチ104は、通信デバイス151のバックカバー176の内面183にプリントされ、あるいはそれ以外の方法で配置されてよい。例えば、
図33は、
図29の通信デバイス151と同様の例示的な通信デバイス151の例を示すが、そこでは、複数のアンテナモジュール105の各々に、追加のアンテナパッチ104-3がバックカバー176の内面183にプリントされている。プリントされたアンテナパッチ104は、本明細書で開示された任意のアンテナボード100(例えば、単一のアンテナパッチ104を含むアンテナボード100)と共に利用されてよく、プリントされたアンテナパッチ104は、任意の好適な形状または厚みを有してよい。空腔180-1の高さは、アンテナボード100のアンテナパッチ104と、バックカバー176の内面183にプリントされたアンテナパッチ104との間の距離を制御してよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、導電性材料が通信デバイスのバックカバー176の外面185にプリントされ、あるいはそれ以外の方法で配置されてよい。この導電性材料は、周囲環境とバックカバー176(例えば、バックカバー176がガラスで形成される場合)との間の界面において生じる表面波の伝播を、望ましいブロードサイド放射挙動を維持し、サイドローブの形成を緩和することに役立つ「ソフト‐ハード表面」を提供することで、抑制(例えば、表面波を吸収および/または反射することにより)してよい。これは、モバイルミリメートル波通信デバイス151において特に有意であってよく、ガラスまたはプラスチック製バックカバー176は、比較的高い誘電率を有し得、表面波の励起を高める。バックカバー176の外面185上の導電性材料(例えば、プリントされたメタライゼーション)は、かかる伝播を抑制し得る周期的な表面テクスチャを提供してよい。例えば、
図34は、通信デバイス151の一部の側面の断面図であり、バックカバー176の内面183にあるシャーシ178(ウィンドウ179を持つ)、ウィンドウ179に近接するアンテナボード100、およびウィンドウ179に近接するバックカバー176の外面185にある導電性材料177(例えば、金属)を示す。バックカバー176の外面185にあるかかる導電性材料177は、バックカバー176がガラスである場合に、特に有利であってよい。いくつかの実施形態において、導電性材料177は、ガラス製バックカバー176にプリントされたメタライゼーションであってよい。いくつかの実施形態において、かかるメタライゼーションは、5ミクロンの精度でプリントされてよい。いくつかの実施形態において、バックカバー176の材料は、外面185において波形であってよく、あるいは非平面であってよく、これが、望ましくない表面波を抑制し得る異なるタイプのソフト表面を提供してよい。
【0090】
バックカバー176の外面185上の導電性材料177は、任意の所望の形状を有してよい。例えば、
図35は、導電性材料177が外面185上に同心リングとして配置(図示されていないウィンドウ179の上に)された実施形態を示す。かかる実施形態は、導電性材料177が存在しない実施形態と比較した場合、サイドローブを抑制し、指向性を向上させてよい。
図36は、導電性材料177が、文字(または数字、記号、会社のロゴ等)の形態を取る実施形態を示す。所望の結果を得るべく、任意の好適なパターンが、用いられてよい。
【0091】
添付図面のうち様々な図面は、アンテナボード100を、ICパッケージ115よりも大きなフットプリントを有するものとして示すが、アンテナボード100およびICパッケージ115(例えば、SiPであってよい)は、任意の好適な相対寸法を有してよい。例えば、いくつかの実施形態において、アンテナモジュール105におけるICパッケージ115のフットプリントは、アンテナボード100のフットプリントよりも大きくてよい。かかる実施形態は、例えば、ICパッケージ115が複数のダイをコンポーネント336として有する場合に生じてよい。
図37-
図39は、ICパッケージ115のフットプリントが、アンテナボード100のフットプリントよりも大きいまたは小さい、アンテナモジュール105の様々な例を示す。
【0092】
上で特記したように、いくつかの実施形態において、アンテナモジュール105は、複数のアンテナボード100を含んでよい。例えば、
図37は、複数のアンテナボード100が単一のICパッケージ115に結合された実施形態を示す。特に、
図37Aは、ICパッケージ115に含まれてよい例示的なコンポーネントを示す、側面の断面図であり、
図37Bはその上面図である。
図37は、ICパッケージ115の底面にコネクタ111も示すが、複数のアンテナボード100が単一のICパッケージ115に結合される実施形態は、ICパッケージ115上にコネクタ111を含まなくてよく、あるいは、ICパッケージ115上に1または複数のコネクタ111を含んでよい。
【0093】
上述のように、任意の好適な回路がICパッケージ115に含まれてよい。いくつかの実施形態(例えば、
図37-
図39の実施形態)において、ICパッケージ115は、アンテナボード100の動作を制御するためのRF集積回路(例えば、各アンテナパッチ104または各スタック103に1つのRFIC)、他のロジック制御回路およびRF制御回路、および/または、DC‐DCコンバータ回路(
図38を参照して上記したように、別個に含まれない場合)を含んでよい。例えば、
図37は、ICパッケージ115が、アンテナボード100毎に1つのRFIC336-1(例えば、それぞれのアンテナボード100の上方に配置された)、1または複数のコントローラモジュール336‐2(例えば、RFIC336‐1の動作を制御するための)、様々なRFおよび/または制御機能を実行するための1または複数のCMOS若しくはBiCMOSコンポーネント336‐3、および1または複数のDC‐DCコンバータコンポーネント109を含んでよい実施形態を示す。いくつかの実施形態において、コンポーネント336-3は、その出力電力が限定されてよく、RFIC3361に給電してよい。さらに、ICパッケージ115は、図示されていない追加のパッシブコンポーネントまたはアクティブコンポーネント(例えば、デカップリングおよび/またはバイアス機能を実行するためのキャパシタおよび他のコンポーネント)を含んでよい。
【0094】
図38は、ICパッケージ115がアンテナボード100に結合され、またコネクタ111がアンテナボード100から延在する実施形態を示す。コネクタ111は、コネクタ111と接続されるコネクタ171を有するケーブル175により、アンテナボード100への直接接続を可能にしてよく、ICパッケージ115との通信が、アンテナボード100を通して行われてよい。コネクタ111は、任意の好適な形態(例えば、同軸ケーブルコネクタまたはフラットケーブルコネクタ)を取ってよい。
【0095】
図39は、
図38の実施形態と同様の実施形態を示すが、DC‐DCコンバータコンポーネント109が、アンテナボード100のICパッケージ115が結合された面と同一の面に結合されている。DC‐DCコンバータコンポーネント109は、例示に過ぎず、他のコンポーネントが、アンテナボード100に結合(DC‐DCコンバータコンポーネント109に代えてまたはそれに追加して)されてよい。
【0096】
本明細書で開示されたアンテナボード100およびアンテナモジュール105は、任意の好適な電子コンポーネントを含んでよい、または、任意の好適な電子コンポーネント内に含まれてよい。
図40-
図43は、本明細書で開示された任意のアンテナボード100と共に、通信デバイスを含んでよい、または、通信デバイス内に含まれてよい装置の様々な例を示す。
【0097】
図40は、本明細書で開示された任意のアンテナボード100と共に、通信デバイスに含まれてよいウェハ1500およびダイ1502の上面図である。ウェハ1500は半導体材料で構成されてよく、ウェハ1500の表面に形成された複数のIC構造を有する1または複数のダイ1502を含んでよい。ダイ1502の各々は、任意の好適なICを含む半導体製品の繰り返し単位であってよい。半導体製品の製造が完了した後、ウェハ1500は、ダイ1502が互いに分離されて、半導体製品の別個の「チップ」を提供する単体化プロセスを経てよい。ダイ1502は、1または複数のトランジスタ(例えば、後述する
図41のトランジスタ1640の一部)、および/または、電気信号をトランジスタおよび任意の他のICコンポーネントにルーティングするための支持回路を含んでよい。いくつかの実施形態において、ウェハ1500またはダイ1502は、メモリデバイス(例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、磁気RAM(MRAM)デバイス、抵抗RAM(RRAM(登録商標))デバイス、導電性ブリッジRAM(CBRAM)デバイス等のランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス等)、ロジックデバイス(例えば、AND、OR、NANDまたはNORゲート)または任意の他の好適な回路要素を含んでよい。これらのデバイスの複数のものが、単一のダイ1502上で組み合わされてよい。例えば、複数のメモリデバイスで形成されるメモリアレイが、処理デバイス(例えば、
図43の処理デバイス1802)または、メモリデバイス内に情報を格納する若しくはメモリアレイ内に格納された命令を実行するように構成された他のロジックとして同一のダイ1502上に形成されてよい。
【0098】
図41は、本明細書で開示される任意のアンテナボード100と共に、通信デバイスに含まれてよいICデバイス1600の側面の断面図である。ICデバイス1600が基板1602(例えば、
図40のウェハ1500)上に形成されてよく、ダイ(例えば、
図40のダイ1502)に含まれてよい。基板1602は、例えば、n型またはp型の材料系(またはこれら両方の組み合わせ)を含む半導体材料系で構成される半導体基板であってよい。基板1602は、例えば、バルクシリコンまたはシリコンオンインシュレータ(SOI)サブ構造を用いて形成された結晶性基板を含んでよい。いくつかの実施形態において、基板1602は、シリコンと組み合わされてよいまたは組み合わされなくてよい代替的な材料を用いて形成されてよく、代替的な材料としては限定ではないが、ゲルマニウム、アンチモン化インジウム、テルル化鉛、ヒ化インジウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウムまたはアンチモン化ガリウムが含まれる。さらに、II-VI、III‐VまたはIV族として分類される材料も基板1602の形成に用いられてよい。基板1602が形成され得る材料の少数の例が本明細書に記載されているが、ICデバイス1600のための基礎として機能し得る任意の材料が用いられてよい。基板1602は、単体化されたダイ(例えば、
図40のダイ1502)またはウェハ(例えば、
図40のウェハ1500)の一部であってよい。
【0099】
ICデバイス1600は、基板1602上に配置された1または複数のデバイス層1604を含んでよい。デバイス層1604は、基板1602上に形成された1または複数のトランジスタ1640(例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET))の特徴部を含んでよい。デバイス層1604は、例えば、1または複数のソースおよび/またはドレイン(S/D)領域1620、S/D領域1620間のトランジスタ1640における電流の流れを制御するためのゲート1622、および、電気信号を、S/D領域1620へ/S/D領域1620からルーティングするための1または複数のS/Dコンタクト1624を含んでよい。トランジスタ1640は、明確さのために図示しない、デバイス絶縁領域、ゲートコンタクト等の追加の特徴部を含んでよい。トランジスタ1640は、
図41に示されたタイプおよび構成のものに限定されず、例えば、プレーナ型トランジスタ、非プレーナ型トランジスタまたはこれら両方の組み合わせといった多様な他のタイプおよび構成を含んでよい。プレーナ型トランジスタは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、または高電子移動度トランジスタ(HEMT)を含んでよい。非プレーナ型トランジスタは、ダブルゲートトランジスタまたはトリゲートトランジスタ等のFinFETトランジスタ、および、ナノリボンおよびナノワイヤトランジスタ等のラップアラウンド型またはオールアラウンド型ゲートトランジスタを含んでよい。
【0100】
各トランジスタ1640は、ゲート誘電体およびゲート電極の少なくとも2つの層で形成されるゲート1622を含んでよい。ゲート誘電体は、1つの層または複数の層のスタックを含んでよい。1または複数の層は、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、炭化ケイ素および/または高k誘電体材料を含んでよい。高k誘電体材料は、ハフニウム、シリコン、酸素、チタン、タンタル、ランタン、アルミニウム、ジルコニウム、バリウム、ストロンチウム、イットリウム、鉛、スカンジウム、ニオビウムおよび亜鉛等の元素を含んでよい。ゲート誘電体に用いられてよい高k材料の例としては限定ではないが、酸化ハフニウム、ハフニウムケイ素酸化物、酸化ランタン、ランタンアルミニウム酸化物、酸化ジルコニウム、ジルコニウムケイ素酸化物、酸化タンタル、酸化チタン、バリウムストロンチウムチタン酸化物、バリウムチタン酸化物、ストロンチウムチタン酸化物、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、鉛スカンジウムタンタル酸化物、および亜鉛ニオブ酸鉛が含まれる。いくつかの実施形態において、高k材料が用いられる場合、その品質を向上させるために、ゲート誘電体にアニール処理が実行されてよい。
【0101】
ゲート電極がゲート誘電体上に形成されてよく、ゲート電極は、トランジスタ1640がp型金属酸化膜半導体(PMOS)またはn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタとされるべきかどうかにより、少なくとも1つのp型仕事関数金属またはn型仕事関数金属を含んでよい。いくつかの実装において、ゲート電極は、2または2より多い金属層のスタックで構成されてよく、1または複数の金属層は、仕事関数金属層であり、少なくとも1つの金属層は充填金属層である。さらに、金属層は、バリア層等のような他の目的のために含まれてよい。PMOSトランジスタの場合、ゲート電極に用いられてよい金属としては限定ではないが、ルテニウム、パラジウム、プラチナ、コバルト、ニッケル、導電性金属酸化物(例えば、ルテニウム酸化物)およびNMOSトランジスタを参照して後述される任意の金属(例えば、仕事関数調整のために)が含まれる。NMOSトランジスタの場合、ゲート電極に用いられてよい金属としては限定ではないが、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム、これらの金属の合金、これらの金属の炭化物(例えば、炭化ハフニウム、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、および炭化アルミニウム)、およびPMOSトランジスタに関して上述される任意の金属(例えば、仕事関数調整のために)が含まれる。
【0102】
いくつかの実施形態において、ソース-チャネル-ドレイン方向に沿って、トランジスタ1640の断面として見た場合、ゲート電極は、基板の表面と実質的に平行な底部分と、基板の上面に対し実質的に垂直な2つの側壁部とを含むU字形構造からなってよい。他の実施形態において、ゲート電極を形成する金属層の少なくとも1つは、単に、基板の上面と実質的に平行であり、且つ、基板の上面に対し実質的に垂直である側壁部を含まないなプレーナ型層であってよい。他の実施形態において、ゲート電極は、U字形構造とプレーナ型の非U字形構造との組み合わせからなってよい。例えば、ゲート電極は、1または複数のプレーナ型の非U字形層の上に形成される1または複数のU字形金属層から構成されてよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、ゲートスタックを挟む側壁スペーサの対が、ゲートスタックの対向する面上に形成されてよい。側壁スペーサは、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、炭素ドープされた窒化ケイ素、およびケイ素酸窒化物のような材料から形成されてよい。側壁スペーサを形成するプロセスは、当技術分野において周知であり、概して、堆積およびエッチングプロセスのステップを含む。いくつかの実施形態において、複数のスペーサの対が用いられてよい。例えば、側壁スペーサの2つの対、3つの対、または4つの対が、ゲートスタックの対向する面上に形成されてよい。
【0104】
S/D領域1620は、各トランジスタ1640のゲート1622に隣接する基板1602の内部に形成されてよい。S/D領域1620は、例えば、注入/拡散プロセスまたはエッチング/堆積プロセスを用いて形成されてよい。前者のプロセスにおいては、ホウ素、アルミニウム、アンチモン、リンまたはヒ素等のドーパントが基板1602にイオン注入されて、S/D領域1620が形成されてよい。ドーパントを活性化し、ドーパントを基板1602にさらに拡散させるアニール処理が、イオン注入プロセスの後に続いてよい。後者のプロセスにおいては、基板1602はまず、S/D領域1620の位置にリセスを形成するためにエッチングされてよい。その後、エピタキシャル堆積プロセスが実行され、リセスをS/D領域1620を製造するために用いられる材料で充填してよい。いくつかの実装において、S/D領域1620は、シリコンゲルマニウムまたはシリコンカーバイド等のシリコン合金を用いて製造されてよい。いくつかの実施形態において、エピタキシャル堆積されたシリコン合金はin situで、ホウ素、ヒ素またはリン等のドーパントでドーピングされてよい。いくつかの実施形態において、S/D領域1620は、ゲルマニウムまたはIII-V族材料若しくは合金等の1または複数の代替的な半導体材料を用いて形成されてよい。さらなる実施形態において、S/D領域1620を形成するために、金属および/または金属合金の1または複数の層が用いられてよい。
【0105】
電力および/または入力/出力(I/O)信号等の電気信号が、デバイス層1604に配置された1または複数の相互接続層(
図41に示される相互接続層1606‐1610のような)を通して、デバイス層1604のデバイス(例えば、トランジスタ1640)へ、および/または、当該デバイスから、ルーティングされてよい。例えば、デバイス層1604の導電性特徴部(例えば、ゲート1622およびS/Dコンタクト1624)は、相互接続層1606‐1610の相互接続構造1628に電気的に結合されてよい。1または複数の相互接続層1606-1610は、ICデバイス1600のメタライゼーションスタック(「ILDスタック」とも称される)1619を形成してよい。
【0106】
電気信号をルーティングするための相互接続構造1628は、広範な種類の設計により、相互接続層1606-1610内に配置(特に、配置は
図41に示される相互接続構造1628の特定の構成に限定されない)されてよい。
図41には具体的な数の相互接続層1606-1610が示されているが、本開示の実施形態は、図示されたものより多いまたは少ない数の相互接続層を有するICデバイスを含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、相互接続構造1628は、金属等の導電性材料で充填されたライン1628aおよび/またはビア1628bを含んでよい。ライン1628aは、デバイス層1604が形成される基板1602の表面と実質的に平行である面の方向に電気信号をルーティングするよう構成されてよい。例えば、ライン1628aは、
図41の斜視図の紙面の中および外の方向へ電気信号をルーティングしてよい。ビア1628bは、デバイス層1604が形成される基板1602の表面に対し実質的に垂直である平面の方向に電気信号をルーティングするよう構成さされてよい。いくつかの実施形態において、ビア1628bは、異なる相互接続層1606-1610のライン1628aを共に電気的に結合してよい。
【0108】
図41に図示されるように、相互接続層1606-1610は、相互接続構造1628間に配置された誘電体材料1626を含んでよい。いくつかの実施形態において、相互接続層1606-1610の異なるそれぞれのものにおける相互接続構造1628間に配置された誘電体材料1626は、異なる組成を有してよい。他の実施形態において、異なる相互接続層1606-1610間の誘電体材料1626の組成は、同一であってよい。
【0109】
第1の相互接続層1606は、デバイス層1604の上に形成されてよい。図示の通り、いくつかの実施形態において、第1相互接続層1606は、ライン1628aおよび/またはビア1628bを含んでよい。第1相互接続層1606のライン1628aは、デバイス層1604のコンタクト(例えば、S/Dコンタクト1624)に結合されてよい。
【0110】
第2の相互接続層1608は、第1の相互接続層1606の上に形成されてよい。いくつかの実施形態において、第2の相互接続層1608は、第2の相互接続層1608のライン1628aを第1の相互接続層1606のライン1628aに結合するためのビア1628bを含んでよい。明確さのために、ライン1628aおよびビア1628bは、各相互接続層(例えば、第2の相互接続層1608内)内で構造的に線引きされているが、いくつかの実施形態において、ライン1628aおよびビア1628bは、構造的および/または物質的に連続(例えば、デュアルダマシンプロセス中に同時に充填されて)していてよい。
【0111】
第3の相互接続層1610(および必要に応じて追加の相互接続層)は、第2の相互接続層1608または第1の相互接続層1606に関し説明したものと同様の技術および構成に従い、第2の相互接続層1608上に連続的に形成されてよい。いくつかの実施形態において、ICデバイス1600のメタライゼーションスタック1619において「より高い」(すなわち、デバイス層1604からより離れた)相互接続層は、より厚くてよい。
【0112】
ICデバイス1600は、相互接続層1606-1610に形成された半田レジスト材料1634(例えば、ポリイミドまたは同様の材料)および1または複数の導電性コンタクト1636を含んでよい。
図41中、導電性コンタクト1636は接合パッドの形態を取るように図示されている。導電性コンタクト1636は、相互接続構造1628と電気的結合されてよく、トランジスタ1640の電気信号を他の外部デバイスへとルーティングするよう構成されてよい。例えば、ICデバイス1600を含むチップを、別のコンポーネント(例えば、回路ボード)に機械的および/または電気的に結合するために、半田接合が1または複数の導電性コンタクト1636上に形成されてよい。ICデバイス1600は、相互接続層1606-1610からの電気信号をルーティングするための追加のまたは代替の構造を含んでよい。例えば、導電性コンタクト1636は、電気信号を外部コンポーネントにルーティングする他の類似の機能(例えば、ポスト)を含んでよい。
【0113】
図42は、本明細書で開示されたアンテナボード100のうちの1または複数を含み得るICデバイスアセンブリ1700の側面の断面図である。特に、本明細書で開示されたアンテナボード100のうちの任意の好適なものが、ICデバイスアセンブリ1700の任意のコンポーネントに取って代わってよい(例えば、アンテナボード100は、ICデバイスアセンブリ1700の任意のICパッケージに取って代わってよい)。
【0114】
ICデバイスアセンブリ1700は、回路ボード1702(例えば、マザーボードであってよい)上に配置された複数のコンポーネントを含む。ICデバイスアセンブリ1700は、回路ボード1702の第1の面1740上および回路ボード1702の対向する第2の面1742上に配置された複数のコンポーネントを含み、概してコンポーネントは面1740および1742のうちの一方または両方に配置されてよい。
【0115】
いくつかの実施形態において、回路ボード1702は、誘電体材料の層で互いから分離され、且つ導電性ビアで相互接続された複数の金属層を含むPCBであってよい。金属層のうちの任意の1または複数が、回路ボード1702に結合されたコンポーネント間で電気信号をルーティング(オプションで他の金属層と連携して)すべく、所望の回路パターンで形成されてよい。他の実施形態において、回路ボード1702はPCB基板でなくてよい。
【0116】
図42中に図示されたICデバイスアセンブリ1700は、結合コンポーネント1716により回路ボード1702の第1の面1740に結合されたパッケージ‐オン‐インタポーザ構造1736を含む。結合コンポーネント1716は、パッケージ‐オン‐インタポーザ構造1736を回路ボード1702に電気的および機械的に結合してよい。結合コンポーネント1716は、半田ボール(
図42に図示されるように)、ソケットのオスおよびメス部分、接着剤、アンダーフィル材、並びに/または、任意の他の好適な電気および/または機械的結合構造を含んでよい。
【0117】
パッケージ‐オン‐インタポーザ構造1736は、結合コンポーネント1718によりインタポーザ1704に結合されたICパッケージ1720を含んでよい。結合コンポーネント1718は、例えば、結合コンポーネント1716を参照して上記したような形態等、適用のための任意の好適な形態を取ってよい。
図42には単一のICパッケージ1720が示されているが、複数のICパッケージがインタポーザ1704に結合されてよく、実際、追加のインタポーザがインタポーザ1704に結合されてよい。インタポーザ1704は、回路ボード1702とICパッケージ1720とをブリッジするために用いられる介在基板を提供してよい。ICパッケージ1720は、例えば、ダイ(
図40のダイ1502)、ICデバイス(例えば、
図41のICデバイス1600)または任意の他の好適なコンポーネントであってよい、またはそれらを含んでよい。概して、インタポーザ1704は、接続をより広いピッチに広げてよく、または、ある接続を異なる接続に再ルーティングしてよい。例えば、インタポーザ1704は、回路ボード1702に結合するために、結合コンポーネント1716のボールグリッドアレイ(BGA)の導電性コンタクトのセットにICパッケージ1720(例えば、ダイ)を結合してよい。
図42に示される実施形態においては、ICパッケージ1720および回路ボード1702が、インタポーザ1704の対向する面に取り付けられている。他の実施形態においては、ICパッケージ1720および回路ボード1702は、インタポーザ1704の同一の面に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、3または3より多いコンポーネントが、インタポーザ1704により相互接続されてよい。
【0118】
いくつかの実施形態において、インタポーザ1704は、誘電体材料の層で互いから分離され、且つ導電性ビアで相互接続された複数の金属層を含むPCBとして形成されてよい。いくつかの実施形態において、インタポーザ1704は、エポキシ樹脂、グラスファイバ強化エポキシ樹脂、無機フィラーを持つエポキシ樹脂、セラミック材料、またはポリイミド等のポリマー材料で形成されてよい。いくつかの実施形態において、インタポーザ1704は、剛性または可撓性の交互の材料で形成されてよく、当該材料は、半導体基板での用途として上述した同一の材料を含んでよく、例えば、シリコン、ゲルマニウム、並びに他のIII‐V族およびIV族の材料等である。インタポーザ1704は、金属相互接続1708および限定ではないが、スルーシリコンビア(TSV)1706を含むビア1710を含んでよい。インタポーザ1704は、さらに、パッシブデバイスおよびアクティブデバイスの両方を含む埋め込みデバイス1714を含んでよい。このようなデバイスとしては、限定ではないが、キャパシタ、デカップリングキャパシタ、抵抗器、インダクタ、ヒューズ、ダイオード、変圧器、センサ、静電気放電(ESD)デバイス、およびメモリデバイスが含まれてよい。RFデバイス、パワーアンプ、電力管理デバイス、アンテナ、アレイ、センサおよび微小電気機械システム(MEMS)デバイス等のより複雑なデバイスも、インタポーザ1704上に形成されてよい。パッケージ‐オン‐インタポーザ構造1736は、本技術分野で知られている任意のパッケージ‐オン‐インタポーザ構造の形態を取ってよい。
【0119】
ICデバイスアセンブリ1700は、結合コンポーネント1722により、回路ボード1702の第1の面1740に結合されたICパッケージ1724を含んでよい。結合コンポーネント1722は、結合コンポーネント1716を参照して上記した任意の実施形態の形態を取ってよく、ICパッケージ1724は、ICパッケージ1720を参照して上記した任意の実施形態の形態を取ってよい。
【0120】
図42中に図示されたICデバイスアセンブリ1700は、結合コンポーネント1728により回路ボード1702の第2の面1742に結合されたパッケージ‐オン‐パッケージ構造1734を含む。パッケージ‐オン‐パッケージ構造1734は、ICパッケージ1726が、回路ボード1702とICパッケージ1732との間に配置されるように、結合コンポーネント1730により共に結合されたICパッケージ1726およびICパッケージ1732を含んでよい。結合コンポーネント1728および1730は、上記の結合コンポーネント1716の任意の実施形態の形態を取ってよく、ICパッケージ1726および1732は、上記のICパッケージ1720の任意の実施形態の形態を取ってよい。パッケージ‐オン‐パッケージ構造1734は、本技術分野で知られている任意のパッケージ‐オン‐パッケージ構造に従い構成されてよい。
【0121】
図43は、本明細書で開示された任意の実施形態による、1または複数のアンテナボード100を含んでよい、例示的な通信デバイス1800のブロック図である。例えば、通信デバイス151(
図41)は、通信デバイス1800の例であってよい。通信デバイス1800のコンポーネントのうちの任意の好適なものが本明細書で開示されたICパッケージ1650、ICデバイス1600またはダイ1502のうちの1または複数を含んでよい。
図43に通信デバイス1800に含まれるものとして複数のコンポーネントが示されているが、これらのコンポーネントのうちの任意の1または複数が、適用のために必要に応じて省略されてよく、または重複されてよい。いくつかの実施形態において、通信デバイス1800に含まれるコンポーネントの一部または全部が、1または複数のマザーボードに取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、これらのコンポーネントの一部または全部が、単一のシステムオンチップ(SoC)ダイ上に製造されてよい。
【0122】
さらに、様々な実施形態において、通信デバイス1800は、
図43に示されたコンポーネントのうちの1または複数を含まなくてよいが、通信デバイス1800は、1または複数のコンポーネントに結合するためのインタフェース回路を含んでよい。例えば、通信デバイス1800は、ディスプレイデバイス1806を含まなくてよいが、ディスプレイデバイス1806の結合先であってよいディスプレイデバイスインタフェース回路(例えば、コネクタおよびドライバ回路)を含んでよい。別の一連の例においては、通信デバイス1800は、オーディオ入力デバイス1824またはオーディオ出力デバイス1808を含まなくてよいが、オーディオ入力デバイス1824またはオーディオ出力デバイス1808の結合先であってよいオーディオ入力またはオーディオ出力デバイスインタフェース回路(例えば、コネクタおよび支持回路)を含んでよい。
【0123】
通信デバイス1800は、処理デバイス1802(例えば、1または複数の処理デバイス)を含んでよい。本明細書で用いる用語「処理デバイス」または「プロセッサ」は、レジスタおよび/またはメモリからの電子データを処理して、その電子データをレジスタおよび/またはメモリに格納されてよい他の電子データに変換する任意のデバイスまたはデバイスの一部を指してよい。処理デバイス1802は、1または複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け回路(ASIC)、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、暗号プロセッサ(ハードウェア内で暗号アルゴリズムを実行する特殊プロセッサ)、サーバプロセッサまたは任意の他の好適な処理デバイスを含んでよい。通信デバイス1800は、メモリ1804を含んでよく、メモリ1804はそれ自体が、不揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、不揮発性メモリ(例えば、リードオンリメモリ(ROM))、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリおよび/またはハードドライブ等の1または複数のメモリデバイスを含んでよい。いくつかの実施形態において、メモリ1804は、ダイを処理デバイス1802と共有するメモリを含んでよい。このメモリは、キャッシュメモリとして用いられてよく、埋め込みダイナミックランダムアクセスメモリ(eDRAM)またはスピントランスファトルクマグネティックランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM)を含んでよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、通信デバイス1800は、通信モジュール1812(例えば、1または複数の通信モジュール)を含んでよい。例えば、通信モジュール1812は、通信デバイス1800とのデータの転送のための無線通信を管理するために構成されてよい。用語「無線」およびその派生語は、非固体媒体を通して変調された電磁放射を用いて、データを通信し得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネル等を記載するために用いられてよい。当該用語は、関連するデバイスがいかなるワイヤも含まないことを示唆するものではないが、いくつかの実施形態においては含まないことがある。通信モジュール1812は、本明細書で開示された任意のアンテナボード100であってよい、または、それを含んでよい。
【0125】
通信モジュール1812は、任意の数の無線標準またはプロトコルを実装してよいが、これらとしては限定ではないが、Wi‐Fi(IEEE802.11ファミリ)、IEEE802.16標準(例えば、IEEE802.16‐2005補正版)を含む米国電気電子学会(IEEE)の標準、任意の補正版、更新版および/または改定版(例えば、アドバンストLTEプロジェクト、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)プロジェクト(「3GPP2」とも称される)等)を含むロングタームエボリューション(LTE)プロジェクトが含まれる。IEEE802.16と互換性のある広帯域無線アクセス(BWA)ネットワークは一般にWiMAX(登録商標)ネットワークとして称される。この頭字語はWorldwide Interoperability for Microwave Accessを表わし、これはIEEE 802.16規格の準拠性テストおよび相互運用性テストを通過した製品の認証マークである。通信モジュール1812は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM(登録商標))、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、ハイスピードパケットアクセス(HSPA)、進化型HSPA(E‐HSPA)またはLTEネットワークに従い動作してよい。通信モジュール1812は、エンハンストデータフォーGSM(登録商標)エボリューション(EDGE)、GSM(登録商標)EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、ユニバーサルテレストリアル無線アクセスネットワーク(UTRAN)または進化型UTRAN(E‐UTRAN)に従い動作してよい。通信モジュール1812は、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、デジタルエンハンストコードレステレコミュニケーション(DECT)、エボリューション‐データ最適化(EV‐DO)およびこれらの派生物、並びに3G,4G、5Gおよびそれ以降として指定された任意の他の無線プロトコルに従い動作してよい。他の実施形態においては、通信モジュール1812は、他の無線プロトコルに従い動作してよい。通信デバイス1800は、無線通信を容易化するための、および/または、他の無線通信(AMまたはFM無線送信等)を受信するためのアンテナ1822を含んでよい。
【0126】
いくつかの実施形態において、通信モジュール1812は、電気、光、または任意の他の好適な通信プロトコル(例えば、Ethernet(登録商標))等の有線通信を管理してよい。上で特記したように、通信モジュール1812は、複数の通信モジュールを含んでよい。例えば、第1の通信モジュール1812は、Wi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)等のより短距離の無線通信に専用とされてよく、第2の通信モジュール1812は、全地球測位システム(GPS)、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX(登録商標)、LTE、EV‐DOまたはその他等のより長距離の無線通信に専用とされてよい。いくつかの実施形態において、第1の通信モジュール1812は、無線通信に専用とされてよく、第2の通信モジュール1812は、有線通信に専用とされてよい。いくつかの実施形態において、通信モジュール1812は、ミリメートル波通信をサポートするアンテナボード100を含んでよい。
【0127】
通信デバイス1800は、バッテリ/電源回路1814を含んでよい。バッテリ/電源回路1814は、1または複数のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリまたはキャパシタ)および/または通信デバイス1800のコンポーネントを、通信デバイス1800とは別のエネルギーソース(例えば、ACライン電力)に結合するための回路を含んでよい。
【0128】
通信デバイス1800は、ディスプレイデバイス1806(または上記の対応するインタフェース回路)を含んでよい。ディスプレイデバイス1806は、ヘッドアップディスプレイ、コンピュータモニタ、プロジェクタ、タッチスクリーンディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ、またはフラットパネルディスプレイ等の任意の視覚インジケータを含んでよい。
【0129】
通信デバイス1800は、オーディオ出力デバイス1808(または上記の対応するインタフェース回路)を含んでよい。オーディオ出力デバイス1808は、スピーカ、ヘッドセットまたはイヤフォン等の可聴インジケータを生成する任意のデバイスを含んでよい。
【0130】
通信デバイス1800は、オーディオ入力デバイス1824(または上記の対応するインタフェース回路)を含んでよい。オーディオ入力デバイス1824は、マイクロフォン、マイクロフォンアレイ、またはデジタル機器(例えば、MIDI(musical instrument digital interface)出力を有する機器)等、サウンドを表わす信号を生成する任意のデバイスを含んでよい。
【0131】
通信デバイス1800は、GPSデバイス1818(または上記の対応するインタフェース回路)を含んでよい。GPSデバイス1818は、衛星ベースシステムと通信してよく、および、本技術分野で知られる方法で通信デバイス1800の位置を受信してよい。
【0132】
通信デバイス1800は、他の出力デバイス1810(または上記の対応するインタフェース回路)を含んでよい。他の出力デバイス1810の例としては、オーディオコーデック、ビデオコーデック、プリンタ、情報を他のデバイスに提供するための有線または無線の送信機、または追加のストレージデバイスを含んでよい。
【0133】
通信デバイス1800は、他の入力デバイス1820(または上記の対応するインタフェース回路)を含んでよい。他の入力デバイス1820の例としては、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、イメージキャプチャデバイス、キーボード、マウス等のカーソル制御デバイス、スタイラス、タッチパッド、バーコードリーダ、クイックレスポンス(QR)コードリーダ、任意のセンサ、または無線IDタグ(RFID)リーダが含まれてよい。
【0134】
通信デバイス1800は、任意の所望のフォームファクタを有してよく、このようなものとしては、例えば、ハンドヘルド通信デバイスまたはモバイル通信デバイス(例えば、携帯電話、スマートフォン、モバイルインターネットデバイス、ミュージックプレーヤ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ウルトラブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ等)、デスクトップ通信デバイス、サーバまたは他のネットワーク接続されたコンピューティングコンポーネント、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンタテイメント制御ユニット、ビークル制御ユニット、デジタルカメラ、デジタルビデオレコーダまたはウェアラブル通信デバイスが含まれる。いくつかの実施形態において、通信デバイス1800は、データを処理する任意の他の電子デバイスであってよい。
【0135】
以下の段落で、本明細書に開示された実施形態のうちの様々な実施形態の例を示す。
【0136】
例1は、アンテナ給電基板とアンテナパッチとを備えるアンテナボードであり、アンテナ給電基板はアンテナ給電構造を含み、アンテナ給電基板は、グランドプレーンを含み、アンテナ給電構造はグランドプレーンに対し垂直である第1の部分と、グランドプレーンに対し平行である第2の部分とを含み、第1の部分は第2の部分と第1の部分との間で電気的に結合され、アンテナパッチはミリメートル波アンテナパッチである。
【0137】
例2は、例1の主題を含んでよく、さらに、空腔を含んでよい。
【0138】
例3は、例2の主題を含んでよく、空腔がアンテナパッチとアンテナ給電基板との間にあることをさらに指定してよい。
【0139】
例4は、例2の主題を含んでよく、空腔が、グランドプレーンと、アンテナ給電構造の第2の部分との間にあることをさらに指定してよい。
【0140】
例5は、例2から4のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチが第1のアンテナパッチであり、空腔が第1の空腔であり、アンテナボードがさらに、第2のアンテナパッチおよび第1のアンテナパッチと第2のアンテナパッチとの間の第2の空腔を含むことを指定してよい。
【0141】
例6は、例1から5のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナボードがアンテナ給電構造とアンテナパッチとの間に導電性材料経路を含まないことを指定してよい。
【0142】
例7は、例1から6のいずれかの主題を含んでよく、アンテナ給電構造は、さらに、グランドプレーンに対し垂直である第3の部分と、グランドプレーンに対し平行である第4の部分とを含み、第4の部分は第1の部分に電気的に結合され、第3の部分は第4の部分とグランドプレーンとの間に電気的に結合されることをさらに指定してよい。
【0143】
例8は、例7の主題を含んでよく、第4の部分は、第2の部分に対し垂直であることをさらに指定してよい。
【0144】
例9は、例7または8のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナ給電構造はさらにアンテナパッチに対し垂直である第5の部分と、アンテナパッチに対し平行である第6の部分とを含み、第5の部分は第6の部分とアンテナパッチとの間に電気的に結合されていることを指定してよい。
【0145】
例10は、例9の主題を含んでよく、アンテナボードは、第6の部分と第4の部分との間に導電性材料経路を含まないことをさらに指定してよい。
【0146】
例11は、例1から8のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナ給電構造が第1のアンテナ給電構造であり、アンテナ給電基板はさらに第1のアンテナ給電構造に対し垂直に方向付けられた第2のアンテナ給電構造を含むことを指定してよい。
【0147】
例12は、例11の主題を含んでよく、アンテナパッチは第1のアンテナパッチであり、第1と第2のアンテナフィード構造は、第1のアンテナパッチを給電し、アンテナボードはさらに、第2のアンテナパッチ、第3のアンテナ給電構造および第4のアンテナ給電構造を含み、第3および第4のアンテナ給電構造は、第2のアンテナパッチを給電することをさらに指定してよい。
【0148】
例13は、例12の主題を含んでよく、第3のアンテナパッチと第4のアンテナパッチとをさらに含んでよく、第1と第2のアンテナフィード構造は、第3のアンテナパッチを給電し、第3と第4のアンテナ給電構造は、第4のアンテナパッチを給電する。
【0149】
例14は、例12または13のいずれかの主題を含んでよく、第1のアンテナパッチおよび第2のアンテナパッチは斜めにオフセットされていることをさらに指定してよい。
【0150】
例15は、例1から14のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナ給電構造は半田を含むことを指定してよい。
【0151】
例16は、例1~15のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチの周りに導電性リングを含んでよい。
【0152】
例17は、例1~16のいずれかの主題を含んでよく、アンテナ給電構造の周りに複数のシールドポストをさらに含んでよい。
【0153】
例18は、例1~17のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチは、5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有することを指定してよい。
【0154】
例19は、例1~18のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナボードが500ミクロンから2ミリメートルの間の厚みを有することを指定してよい。
【0155】
例20は、アンテナ給電構造およびグランドプレーンを含むアンテナ給電基板と、ミリメートル波アンテナパッチであるアンテナパッチと、アンテナパッチとグランドプレーンとの間の空腔と、空腔に配置された電気コンポーネントであって、アンテナ給電基板は電気コンポーネントへの導電性経路を含む、電気コンポーネントと、を備えるアンテナボードである。
【0156】
例21は、例20の主題を含んでよく、さらに、電気コンポーネントがダイ、スイッチ、増幅器、インダクタ、バラクタまたはキャパシタを含むことを指定してよい。
【0157】
例22は、例20から21のいずれかの主題を含んでよく、さらに、電気コンポーネントは、導電性経路を介して電気コンポーネントに送信される電気信号によりチューニング可能な電気特性を有することを指定してよい。
【0158】
例23は、例20~22のいずれかの主題を含んでよく、さらに、電気コンポーネントは半田またはワイヤボンディングによりアンテナ給電基板に結合されることを指定してよい。
【0159】
例24は、例20~23のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチは5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有することを指定してよい。
【0160】
例25は、例20~24のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナボードは、500ミクロンから2ミリメートルの間の厚みを有することを指定してよい。
【0161】
例26は、例20~25のいずれかの主題を含んでよく、さらに、空腔が100ミクロンから300ミクロンの間の厚みを有することを指定してよい。
【0162】
例27は、集積回路(IC)パッケージと、アンテナボードと、アンテナパッチとを備えるアンテナモジュールであり、アンテナボードはICパッケージに結合され、アンテナボードは、アンテナ給電構造を含むアンテナ給電基板を含み、アンテナ給電基板はグランドプレーンを含み、アンテナ給電構造はグランドプレーンに対し垂直である第1の部分と、グランドプレーンに対し平行である第2の部分とを含み、第1の部分は第2の部分と第1の部分との間で電気的に結合され、アンテナパッチはミリメートル波アンテナパッチである。
【0163】
例28は、例27の主題を含んでよく、さらに、空腔を含んでよい。
【0164】
例29は、例28の主題を含んでよく、さらに、空腔は、アンテナパッチとアンテナ給電基板との間にあることを指定してよい。
【0165】
例30は、例28の主題を含んでよく、さらに、空腔が、グランドプレーンとアンテナ給電構造の第2の部分との間にあることを指定してよい。
【0166】
例31は、例28~30のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチは第1のアンテナパッチであり、空腔は第1の空腔であり、アンテナボードは、さらに、第2のアンテナパッチ、および、第1のアンテナパッチと第2のアンテナパッチとの間の第2の空腔を含むことを指定してよい。
【0167】
例32は、例27~31のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナボードが、アンテナ給電構造とアンテナパッチとの間の導電性材料経路を含まないことを指定してよい。
【0168】
例33は、例27から32のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナ給電構造がさらに、グランドプレーンに対し垂直である第3の部分と、グランドプレーンに対し平行である第4の部分とを含み、第4の部分は第1の部分に電気的に結合され、第3の部分は第4の部分とグランドプレーンとの間に電気的に結合されることを指定してよい。
【0169】
例34は、例33の主題を含んでよく、さらに、第4の部分は第2の部分に垂直であることを指定してよい。
【0170】
例35は、例33~34のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナ給電構造は、さらに、アンテナパッチに対し垂直である第5の部分と、アンテナパッチに対し平行である第6の部分とを含み、第5の部分は第6の部分とアンテナパッチとの間で電気的に結合されることを指定してよい。
【0171】
例36は、例35の主題を含んでよく、さらに、アンテナボードは第6の部分と第4の部分との間に導電性材料経路を含まないことを指定してよい。
【0172】
例37は、例28~36のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナ給電構造は第1のアンテナ給電構造であり、アンテナ給電基板はさらに、第1のアンテナ給電構造に対し垂直に方向付けられた第2のアンテナ給電構造を含むことを指定してよい。
【0173】
例38は、例37の主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチは第1のアンテナパッチであり、第1と第2のアンテナフィード構造は、第1のアンテナパッチを給電し、アンテナボードは、さらに、第2のアンテナパッチと、第3のアンテナ給電構造と第4のアンテナ給電構造とを含み、第3と第4のアンテナ給電構造は第2のアンテナパッチに給電することを指定してよい。
【0174】
例39は、例38の主題を含んでよく、さらに第3のアンテナパッチと第4のアンテナパッチとを含んでよく、第1と第2のアンテナフィード構造は第3のアンテナパッチに給電し、第3と第4のアンテナ給電構造は第4のアンテナパッチを給電する。
【0175】
例40は、例38~39のいずれかの主題を含んでよく、さらに、第1のアンテナパッチおよび第2のアンテナパッチは斜めにオフセットされていることを指定してよい。
【0176】
例41は、例28~40のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナ給電構造は半田を含むことを指定してよい。
【0177】
例42は、例28~41のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチの周りに導電性リングを含んでよい。
【0178】
例43は、例28~42のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナ給電構造の周りに複数ののシールドポストを含んでよい。
【0179】
例44は、例28~43のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチが5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有することを指定してよい。
【0180】
例45は、例28~44のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナボードは、500ミクロンから2ミリメートルの間の厚みを有することを指定してよい。
【0181】
例46は、例28~45のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ICパッケージが無線周波数(RF)通信ダイを含むことを指定してよい。
【0182】
例47は、例28~46のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ICパッケージは、ビームフォーミング、走査、および/またはコードブック機能を実行するための命令でプログラムされたメモリデバイスを含むことを指定してよい。
【0183】
例48は、例28~47のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナボードは第1のアンテナボードであり、アンテナモジュールは、さらにICパッケージに結合された第2のアンテナモジュールを含むことを指定してよい。
【0184】
例49は、例28~48のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ICパッケージは第1のICパッケージであり、アンテナモジュールはさらに、アンテナボードに結合された第2のICパッケージを含むことを指定してよい。
【0185】
例50は、集積回路(IC)パッケージとアンテナボードとを備えるアンテナモジュールであり、アンテナボードはICパッケージに結合され、アンテナボードは、アンテナ給電構造およびグランドプレーンを含むアンテナ給電基板と、ミリメートル波アンテナパッチと、アンテナパッチとグランドプレーンとの間の空腔と、空腔に配置された電気コンポーネントとを含み、アンテナ給電基板は、電気コンポーネントへの導電性経路を含む。
【0186】
例51は、例50の主題を含んでよく、さらに、電気コンポーネントはダイ、スイッチ、増幅器、インダクタ、バラクタまたはキャパシタを含むことを指定してよい。
【0187】
例52は、例50~51のいずれかの主題を含んでよく、さらに、電気コンポーネントは、導電性経路を介して電気コンポーネントに送信される電気信号によりチューニング可能である電気特性を有することを指定してよい。
【0188】
例53は、例50~52のいずれかの主題を含んでよく、さらに、電気コンポーネントは、半田またはワイヤボンディングによりアンテナ給電基板に結合されることを指定してよい。
【0189】
例54は、例50~53のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチは5ミクロンから30ミクロンの間の厚みを有することを指定してよい。
【0190】
例55は、例50~54のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナボードがm500ミクロンから2ミリメートルの間の厚みを有することを指定してよい。
【0191】
例56は、例50~55のいずれかの主題を含んでよく、さらに、空腔は、100ミクロンから300ミクロンの間の厚みを有することを指定してよい。
【0192】
例57は、例50~56のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ICパッケージは、無線周波数(RF)通信ダイを含むことを指定してよい。
【0193】
例58は、例50~57のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ICパッケージは、ビームフォーミング、走査および/またはコードブック機能を実行するための命令でプログラムされたメモリデバイスを含むことを指定してよい。
【0194】
例59は、例50~58のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナボードは第1のアンテナボードであり、アンテナモジュールはさらにICパッケージに結合された第2のアンテナモジュールを含むことをさらに指定してよい。
【0195】
例60は、例50~59のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ICパッケージは、第1のICパッケージであり、アンテナモジュールはさらに、アンテナボードに結合された第2のICパッケージを含むことを指定してよい。
【0196】
例61は、シャーシ、アンテナパッチおよびシャーシにおける、アンテナパッチに近接するウィンドウを含む、通信デバイスであり、ウィンドウは非矩形である。
【0197】
例62は、例61の主題を含んでよく、さらに、シャーシは金属を含むことを指定してよい。
【0198】
例63は、例61~62のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ウィンドウの上方のシャーシ上のバックカバーを含んでよい。
【0199】
例64は、例63の主題を含んでよく、さらに、バックカバーはガラスを含むことを指定してよい。
【0200】
例65は、例63~64のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチは第1のアンテナパッチであり、通信デバイスは、さらにバックカバー上の第2のアンテナパッチを含むことを指定してよい。
【0201】
例66は、例65の主題を含んでよく、さらに、第2のアンテナパッチは、バックカバーの内面にあることを指定してよい。
【0202】
例67は、例63~66のいずれかの主題を含んでよく、さらに、バックカバーの外面上に導電性材料を含んでよい。
【0203】
例68は、例67の主題を含んでよく、さらに、導電性材料はプリントされたメタライゼーションを含むことを指定してよい。
【0204】
例69は、例61~68のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチはアンテナボードに含まれ、アンテナボードは空腔を含むことを指定してよい。
【0205】
例70は、例61~69のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチは、アレイに配置された複数のアンテナパッチのうちの1つであり、ウィンドウはアンテナパッチのアレイに近接することを指定してよい。
【0206】
例71は、例61~70のいずれかの主題を含んでよく、さらに、通信デバイスはハンドヘルド通信デバイスであることを指定してよい。
【0207】
例72は、例61~71のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ディスプレイを含んでよい。
【0208】
例73は、例72の主題を含んでよく、さらに、ディスプレイはタッチディスプレイであることを指定してよい。
【0209】
例74は、例72~73のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチはディスプレイとウィンドウとの間に存在することを指定してよい。
【0210】
例75は、ディスプレイ、バックカバー、およびバックカバーの内面にあるアンテナパッチを備える通信デバイスである。
【0211】
例76は、例75の主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチはバックカバーにプリントされることを指定してよい。
【0212】
例77は、例75~76のいずれかの主題を含んでよく、さらに、バックカバーはガラスを含むことを指定してよい。
【0213】
例78は、例75~77のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチは第1のアンテナパッチであり、通信デバイスはさらに、第1のアンテナパッチと平行であり且つ第1のアンテナパッチから離間した第2のアンテナパッチを含むことを指定してよい。
【0214】
例79は、例78の主題を含んでよく、さらに、第2のアンテナパッチはバックカバーとディスプレイとの間のアンテナモジュールに含まれることを指定してよい。
【0215】
例80は、例78~79のいずれかの主題を含んでよく、さらに、第2のアンテナパッチは第1のアンテナパッチとディスプレイとの間にあることを指定してよい。
【0216】
例81は、例75~80のいずれかの主題を含んでよく、さらに、バックカバーの内面の少なくとも一部と接触するシャーシと、アンテナパッチに近接するシャーシにおけるウィンドウとを含んでよい。
【0217】
例82は、例81の主題を含んでよく、さらに、ウィンドウは非矩形であることを指定してよい。
【0218】
例83は、例81~82のいずれかの主題を含んでよく、さらに、シャーシは金属を含むことを指定してよい。
【0219】
例84は、例75~83のいずれかの主題を含んでよく、さらに、バックカバーの外面上に導電性材料を含んでよい。
【0220】
例85は、例84の主題を含んでよく、さらに、導電性材料はプリントされたメタライゼーションを含むことを指定してよい。
【0221】
例86は、例75~85のいずれかの主題を含んでよく、さらに、通信デバイスはハンドヘルド通信デバイスであることを指定してよい。
【0222】
例87は、例75~86のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ディスプレイはタッチディスプレイであることを指定してよい。
【0223】
例88は、例75~87のいずれかの主題を含んでよく、さらに、アンテナパッチはミリメートル波アンテナパッチであることを指定してよい。
【0224】
例89は、ディスプレイ、バックカバー、ディスプレイとバックカバーとの間のミリメートル波アンテナパッチ、およびバックカバーの外面にある導電性材料を備える、通信デバイスである。
【0225】
例90は、例89の主題を含んでよく、さらに、導電性材料はプリントされたメタライゼーションを含むことを指定してよい。
【0226】
例91は、例89~90のいずれかの主題を含んでよく、さらに、導電性材料は、導電性材料で構成される1または複数のリング含むパターンを有することを指定してよい。
【0227】
例92は、例89~91のいずれかの主題を含んでよく、さらに、導電性材料は、1または複数の文字または数字を含むパターンを有することを指定してよい。
【0228】
例93は、例89~92のいずれかの主題を含んでよく、さらに、バックカバーの内面の少なくとも一部と接触するシャーシと、アンテナパッチに近接するシャーシにおけるウィンドウとを含んでよい。
【0229】
例94は、例93の主題を含んでよく、さらに、ウィンドウは非矩形であることを指定してよい。
【0230】
例95は、例93~94のいずれかの主題を含んでよく、さらに、シャーシが金属を含むことを指定してよい。
【0231】
例96は、例89~95のいずれかの主題を含んでよく、さらに、通信デバイスはハンドヘルド通信デバイスであることを指定してよい。
【0232】
例97は、例89~96のいずれかの主題を含んでよく、さらに、ディスプレイはタッチディスプレイであることを指定してよい。
(項目1)
アンテナ給電構造を含むアンテナ給電基板であって、上記アンテナ給電基板はグランドプレーンを含み、上記アンテナ給電構造は、上記グランドプレーンに対し垂直である第1の部分と、上記グランドプレーンに対し平行である第2の部分とを含み、上記第1の部分は上記第2の部分と上記第1の部分との間で電気的に結合される、アンテナ給電基板と、
ミリメートル波アンテナパッチであるアンテナパッチと、を備える、アンテナボード。
(項目2)
空腔をさらに備える、項目1に記載のアンテナボード。
(項目3)
上記空腔は、上記アンテナパッチと上記アンテナ給電基板との間に存在する、項目2に記載のアンテナボード。
(項目4)
上記空腔は、上記グランドプレーンと、上記アンテナ給電構造の上記第2の部分との間に存在する、項目2に記載のアンテナボード。
(項目5)
上記アンテナパッチは第1のアンテナパッチであり、上記空腔は第1の空腔であり、上記アンテナボードはさらに、第2のアンテナパッチと、上記第1のアンテナパッチと上記第2のアンテナパッチとの間の第2の空腔とを備える、項目2に記載のアンテナボード。
(項目6)
上記アンテナ給電構造は、さらに、上記グランドプレーンに対し垂直である第3の部分と、上記グランドプレーンに対し平行である第4の部分とを含み、上記第4の部分は上記第1の部分に電気的に結合され、上記第3の部分は上記第4の部分と上記グランドプレーンとの間で電気的に結合される、項目1に記載のアンテナボード。
(項目7)
上記アンテナ給電構造は、さらに、上記アンテナパッチに対し垂直である第5の部分と、上記アンテナパッチに対し平行である第6の部分とを含み、上記第5の部分は、上記第6の部分と上記アンテナパッチとの間で電気的に結合される、項目6に記載のアンテナボード。
(項目8)
上記アンテナ給電構造は半田を含む、項目1から7のいずれか一項に記載のアンテナボード。
(項目9)
上記アンテナボードは、500ミクロンから2ミリメートルの間の厚みを有する、項目1から7のいずれか一項に記載のアンテナボード。
(項目10)
アンテナ給電構造およびグランドプレーンを含むアンテナ給電基板と、
ミリメートル波アンテナパッチであるアンテナパッチと、
上記アンテナパッチと上記グランドプレーンとの間の空腔と、
上記空腔に配置された電気コンポーネントであって、上記アンテナ給電基板は上記電気コンポーネントへの導電性経路を含む、電気コンポーネントと、を備える、アンテナボード。
(項目11)
上記電気コンポーネントは、ダイ、スイッチ、増幅器、インダクタ、バラクタまたはキャパシタを含む、項目10に記載のアンテナボード。
(項目12)
上記電気コンポーネントは、上記導電性経路を介して上記電気コンポーネントに送信される電気信号によりチューニング可能である電気特性を有する、項目10に記載のアンテナボード。
(項目13)
上記電気コンポーネントは、半田またはワイヤボンディングにより上記アンテナ給電基板に結合される、項目10から12のいずれか一項に記載のアンテナボード。
(項目14)
ディスプレイと、
バックカバーと、
上記バックカバーの内面にあるアンテナパッチと、を備える、通信デバイス。
(項目15)
上記バックカバーがガラスを含む、項目14に記載の通信デバイス。
(項目16)
上記アンテナパッチは第1のアンテナパッチであり、上記通信デバイスはさらに、上記第1のアンテナパッチに対し平行であり、且つ上記第1のアンテナパッチから離間された第2のアンテナパッチを含む、項目14に記載の通信デバイス。
(項目17)
上記第2のアンテナパッチは、上記バックカバーと上記ディスプレイとの間のアンテナモジュールに含まれる、項目16に記載の通信デバイス。
(項目18)
上記バックカバーの外面に導電性材料をさらに備える、項目14から17のいずれか一項に記載の通信デバイス。
(項目19)
上記アンテナパッチは、ミリメートル波アンテナパッチである、項目14から17のいずれか一項に記載の通信デバイス。
(項目20)
ディスプレイと、
バックカバーと、
上記ディスプレイと上記バックカバーとの間のミリメートル波アンテナパッチと、
上記バックカバーの外面にある導電性材料と、を備える、通信デバイス。
(項目21)
上記導電性材料は、導電性材料で構成される1または複数のリングを含むパターンを有する、項目20に記載の通信デバイス。
(項目22)
上記導電性材料は、1または複数の文字または数字を含むパターンを有する、項目20に記載の通信デバイス。
(項目23)
上記バックカバーの内面の少なくとも一部と接触するシャーシと、
上記シャーシにおける、上記アンテナパッチと近接するウィンドウと、をさらに備える、項目20から22のいずれか一項に記載の通信デバイス。
(項目24)
上記ウィンドウは、非矩形である、項目23に記載の通信デバイス。
(項目25)
上記シャーシは、金属を含む、項目23に記載の通信デバイス。