(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】基板載置台、及び、基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20231212BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20231212BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20231212BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20231212BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20231212BHJP
C23C 26/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
H01L21/205
H01L21/31 C
H02N13/00 D
C23C26/00 A
C23C26/00 C
(21)【出願番号】P 2019203311
(22)【出願日】2019-11-08
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2018244752
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】多賀 敏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直行
(72)【発明者】
【氏名】西田 辰夫
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-502721(JP,A)
【文献】特開2004-71791(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158110(WO,A1)
【文献】特開2003-60020(JP,A)
【文献】特開2007-27315(JP,A)
【文献】特開2000-286332(JP,A)
【文献】特開平7-335732(JP,A)
【文献】国際公開第2008/053934(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/31
H02N 13/00
C23C 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台の上に配置された静電チャックとを備え、
前記静電チャックは、
前記基台上に配置された積層体と、
前記積層体を覆う第1の被覆層と、
前記第1の被覆層を覆うセラミック製の第2の被覆層とを含み、
前記積層体は、
第1の絶縁層と、
第2の絶縁層と、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に配置された電極層であって、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層の一方又は双方により覆われる、前記電極層とを含
み、
前記基台は、上面及び側面を有する導電性部材と、前記導電性部材の側面を覆う絶縁壁とを含み、
前記第1の絶縁層は、前記導電性部材の上面に渡って配置され、前記絶縁壁まで延在し、
前記第1の被覆層は、前記積層体の側面から外方に延在する延長端部を含み、
前記延長端部は、下面及び傾斜上面を有し、
前記下面は、前記絶縁壁に接しており、
前記傾斜上面は、前記第2の被覆層に接している、
基板支持体。
【請求項2】
前記傾斜上面は、前記下面に対して45°以下で傾斜している、
請求項
1に記載の基板支持体。
【請求項3】
前記積層体を取り囲む絶縁環をさらに備える、
請求項1に記載の基板支持体。
【請求項4】
前記基台の上部に配置される追加絶縁層をさらに備え、
前記絶縁環は、前記積層体の側面と前記追加絶縁層に接している、
請求項
3に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記第1の絶縁層は、セラミック、またはポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選ばれたいずれかの樹脂である、
請求項
1に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記第2の絶縁層は、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選ばれたいずれかの樹脂である、
請求項
1に記載の基板支持体。
【請求項7】
基台と、
前記基台の上に配置された静電チャックとを備え、
前記静電チャックは、
前記基台上に配置された積層体と、
前記積層体を覆う第1の被覆層と、
前記第1の被覆層を覆うセラミック製の第2の被覆層とを含み、
前記積層体は、
第1の絶縁層と、
第2の絶縁層と、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に配置された電極層であって、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層の一方又は双方により覆われる、前記電極層とを含み、
前記第1の被覆層は、基材と該基材中に分散した粒状材料とを含み、
前記粒状材料の少なくとも一部は、前記第2の絶縁層及び前記第2の被覆層に接している
、
基板支持体。
【請求項8】
前記基材は、シリコーン樹脂を含有し、
前記粒状材料は、セラミックを含有する、
請求項
7に記載の基板支持体。
【請求項9】
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置された基板支持部であって、
基台と、
前記基台の上に配置された静電チャックとを備え、
前記静電チャックは、
前記基台上に配置された積層体と、
前記積層体を覆う第1の被覆層と、
前記第1の被覆層を覆うセラミック製の第2の被覆層とを含み、
前記積層体は、
第1の絶縁層と、
第2の絶縁層と、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に配置された電極層であって、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層の一方又は双方により覆われる、前記電極層とを含む、前記基板支持部と、
前記基台に電気的に接続され、3MHz以下の周波数を有する高周波電力を生成するように構成された高周波電源とを備え
、
前記基台は、上面及び側面を有する導電性部材と、前記導電性部材の側面を覆う絶縁壁とを含み、
前記第1の絶縁層は、前記導電性部材の上面に渡って配置され、前記絶縁壁まで延在し、
前記第1の被覆層は、前記積層体の側面から外方に延在する延長端部を含み、
前記延長端部は、下面及び傾斜上面を有し、
前記下面は、前記絶縁壁に接しており、
前記傾斜上面は、前記第2の被覆層に接している、
プラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、基板載置台、及び、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
載置台の上に載置された基板(ウエハ)は、静電チャックによって保持され得る。静電チャックは、静電気力によってウエハを載置台に静電吸着する。特許文献1に開示されている載置装置は、載置体と静電チャックとを備える。載置体は、被処理体が載置される。静電チャックは、絶縁層と、絶縁層に埋設された電極層とを備える。静電チャックでは、電極層に電圧が印加されることにより電極層と被処理体との間で静電気力が生じて、絶縁層の表面に被処理体が静電吸着される。電極層の表面側の絶縁層である静電チャック層は、プラズマ溶射により形成された200~280μmの厚さの酸化イットリウム溶射層である。静電チャック層の表面は、溶射される酸化イットリウムの粒径に依存した表面粗度に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板載置台と基板との間における放電を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的実施形態において、基板載置台が提供される。基板載置台は、基台と基台の上に設けられた静電チャックとを備える。静電チャックは、積層部、中間層、被覆層を備える。積層部は、基台の上に設けられる。中間層は、積層部の上に設けられる。被覆層は、中間層の上に設けられる。積層部は、第1の層、電極層、第2の層を備える。第1の層は、基台の上に設けられる。電極層は、第1の層上に設けられる。第2の層は、電極層上に設けられる。中間層は、第2の層と被覆層との間に設けられ、第2の層と被覆層とに密着している。第2の層は、樹脂層である。被覆層は、セラミックスである。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態によれば、基板載置台と基板との間における放電を抑制する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】例示的実施形態に係る基板載置台の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示す基板載置台の端部の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図1に示す基板載置台の一部の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図5】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図6】
図2~5の各々に示す被覆層の形成方法を説明するための図である。
【
図7】
図1に示す基板載置台が設けられた基板処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図8】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図9】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図10】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図11】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図12】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図13】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図14】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図15】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図16】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図17】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図18】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図19】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図20】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図21】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図22】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図23】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【
図24】
図1に示す基板載置台の端部の構成の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、種々の例示的実施形態について説明する。例示的実施形態において、基板載置台が提供される。基板載置台は、基台と基台の上に設けられた静電チャックとを備える。静電チャックは、積層部、中間層、被覆層を備える。積層部は、基台の上に設けられる。中間層は、積層部の上に設けられる。被覆層は、中間層の上に設けられる。積層部は、第1の層、電極層、第2の層を備える。第1の層は、基台の上に設けられる。電極層は、第1の層上に設けられる。第2の層は、電極層上に設けられる。中間層は、第2の層と被覆層との間に設けられ、第2の層と被覆層とに密着している。第2の層は、樹脂層である。被覆層は、セラミックスである。このように、静電チャックの電極層上に設けられた第2の層は樹脂として比較的に高い絶縁耐性を有することが知られているので、所定の絶縁耐性を維持しつつ第2の層の厚みを十分に低減し得る。従って、静電チャックの合成静電容量が増大されて基板載置台に載置される基板と基台との間の電位が低減され得る。このため、比較的に低い周波数で基板載置台に電圧が印加された際に、電圧位相差が低減されることにより基板載置台と基板との間の放電の発生が抑制され得る。
【0009】
例示的実施形態において、第1の層は、樹脂層である。
【0010】
例示的実施形態において、基台は、本体部と基台の側面に設けられた側壁部とを備える。静電チャックは、本体部及び側壁部の上に配置される。第1の層及び第2の層の各々の径は、本体部の径よりも大きい。第1の層及び第2の層は、側壁部とオーバーラップするように基台の上に延在している。
【0011】
例示的実施形態において、中間層は、積層部の側面を覆う端部領域を備える。端部領域は、基台に接しており、積層部から離隔する方向に先細るテーパ形状を有する。
【0012】
例示的実施形態において、端部領域のテーパ角は、45°以下である。
【0013】
例示的実施形態において、第1の層の材料及び第2の層の材料は、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂の何れかである。
【0014】
例示的実施形態において、基板載置台は、端部領域を更に備える。端部領域は、積層部の側面を覆う。端部領域の材料は、樹脂又は絶縁物である。第1の層は、絶縁層又は樹脂層である。
【0015】
例示的実施形態において、第1の層が絶縁層の場合における第1の層の材料は、セラミックである。第1の層が樹脂層の場合における第1の層の材料は、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂の何れかである。第2の層の材料は、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂の何れかである。
【0016】
例示的実施形態において、樹脂の端部領域は、積層部から離隔する方向に先細るテーパ形状を有する。
【0017】
例示的実施形態において、基台は、基台の表面に絶縁領域を有する。絶縁領域は、積層部の側面に沿って延びている箇所を有している。樹脂の端部領域は、積層部の側面と絶縁領域の当該箇所との間に設けられている。
【0018】
例示的実施形態において、基台は、本体部と基台の側面に設けられた側壁部とを備える。静電チャックは、本体部及び側壁部の上に配置される。第1の層及び第2の層の各々の内径は、本体部の内径よりも小さい。第1の層及び第2の層は、側壁部とオーバーラップするように基台の上に延在している。側壁部の表面は、積層部の側面に沿って延びている箇所を有する。樹脂の端部領域は、積層部の側面と側壁部の表面の当該箇所との間に設けられている。
【0019】
例示的実施形態において、電極層の径は、第1の層及び第2の層の各々の径よりも小さい。
【0020】
例示的実施形態において、中間層は、基台に設けられている積層部の全表面を被覆する。
【0021】
例示的実施形態において、中間層は、側壁部の一部を覆う。
【0022】
例示的実施形態において、被覆層は、下地層と複数の凸部とを備える。下地層は、中間層に密着している。複数の凸部は、下地層の上面に設けられる。
【0023】
例示的実施形態において、下地層の上面の表面粗さは、0.05~0.5μmである。
【0024】
例示的実施形態において、中間層は、基体と基体中に分散した複数の粒状体とを含む。複数の粒状体は、基体から露出している露出部分を含み、この露出部分は、第2の層及び被覆層に接する。
【0025】
例示的実施形態において、基体の材料は、樹脂又はシラン系剤を含有し、粒状体の材料は、セラミックである。シラン系剤とは、例えば、シリコン原子と酸素原子を含有する無機材料である。
【0026】
例示的実施形態において、基板処理装置が提供される。この基板処理装置は、上記した基板載置台の何れかを備える。
【0027】
例示的実施形態に係る基板処理装置は高周波電源を備え、高周波電源は基板載置台に接続され3MHz以下の高周波電力を基板載置台に供給する。
【0028】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。まず、
図1を参照して、基板載置台2の構成の一実施形態を説明する。
【0029】
基板載置台2は、基板処理装置1に設けられる。基板処理装置1は、例えば、平行平板型のプラズマ処理装置であり得るが、これに限られない。基板処理装置1は、基板載置台2に載置される基板(以下、ウエハという場合がある)に対するプラズマ処理に必要な装備を十分に備えるが、
図1には基板処理装置1の構成の詳細は示されていない。基板処理装置1の構成の詳細については、
図7を参照しつつ後述する。
【0030】
基板載置台2は、中心軸AXに交差するように延在する略円板形状を有する。基板載置台2は、静電チャック3、基台4を備える。静電チャック3は、基台4の上に設けられる。静電チャック3は、積層部3a、中間層3b、被覆層3cを備える。積層部3aは、基台4の上に設けられる。中間層3bは、積層部3aの上に設けられる。被覆層3cは、中間層3bの上に設けられる。
【0031】
積層部3aは、層3a1(第1の層)、電極層3a2、層3a3(第2の層)を備える。層3a1は、基台4の上に設けられる。電極層3a2は、層3a1上に設けられる。層3a3は、電極層3a2上に設けられる。層3a3は、樹脂層である。
【0032】
ここで、
図2に示すように、中間層3bは基体3b1と複数の粒状体3b2とを含み、複数の粒状体3b2は基体3b1中に分散している。複数の粒状体3b2の一部は、基体3b1から、基体3b1に接する層3a3及び被覆層3c(より具体的に、下地層3c1)の側に露出している。複数の粒状体3b2は、このように基体3b1から露出している露出部分を含む。この露出部分は、層3a3及び被覆層3cに接する。このため、中間層3bと層3a3、及び、中間層3bと被覆層3c(より具体的に、下地層3c1)は、それぞれ強い結合力で密着されるので、接着度が向上される。被覆層3cは、下地層3c1と複数の凸部3c2とを備える。複数の凸部3c2は、下地層3c1の上面31に設けられる。基板が基板載置台2に載置されている場合、この基板は複数の凸部3c2に接している。
【0033】
図1に戻って説明する。中間層3bは、基台4に設けられている積層部3aの全表面(積層部3aの側面SF2及び積層部3aの上面SF3を含む)を被覆する。被覆層3cは、基台4に設けられている中間層3bの全表面を被覆する。
【0034】
中間層3bは、層3a3と被覆層3c(特に下地層3c1)との間に設けられる。中間層3bは、層3a3と下地層3c1とに密着している。基体3b1及び粒状体3b2は、下地層3c1に接すると共に、層3a3に接する。
【0035】
厚みTH1は、積層部3aの厚みと中間層3bの厚みの合計に相当する。厚みTH2は、積層部3aの厚みに相当する。厚みTH3は、被覆層3cの厚みに相当する。
【0036】
基台4は、本体部4aと側壁部4b1及び側壁部4b2とを備える。側壁部4b1及び側壁部4b2は、本体部4aの側面SF1に設けられる。静電チャック3は、本体部4aと、側壁部4b1及び側壁部4b2との上に配置される。
【0037】
側壁部4b1は、基台4の外壁に該当する。側壁部4b2は、静電チャック3及び基台4を貫通する孔GTを基台4内において画定するスリーブに該当する。孔GTは、ガスが流通する孔、または、ウエハWを基板載置台2に載置する際にピンを上下に移動させるために設けられた孔であり得る。
【0038】
また、
図3にも示されているように、基台4にはコンタクトピン4dが設けられている。コンタクトピン4dは、電極層3a2に電気的に接続される。基台4内において、コンタクトピン4dは、スリーブ4cによって被覆されている。
図3に示す構成は、
図1に示す領域ER2に含まれる構成である。
【0039】
図2を参照して、基板載置台2の端部の構成を説明する。
図2に示す基板載置台2の端部は、
図1に示す領域ER1に含まれる構成である。基板載置台2の端部は、基台4の外壁部に該当する側壁部4b1を含む部分、及び、孔GTを画定するスリーブに該当する側壁部4b2を含む部分である。
【0040】
基板載置台2の端部において、中間層3bは、端部領域3bbを備える。端部領域3bbは、積層部3aの側面SF2を覆う。端部領域3bbは、基台4に接しており、より具体的には、側壁部4b1及び側壁部4b2に接している。
【0041】
端部領域3bbは、積層部3aから離隔する方向に先細るテーパ形状を有する。換言すれば、端部領域3bbは、積層部3aから離隔する方向に減少する厚みを有する。端部領域3bbの厚みは、積層部3aから離隔する方向に略線型に減少し、厚みTH4に収束する。
【0042】
より具体的に、端部領域3bbの厚みは、概ね長さLT3だけ積層部3aから離隔した箇所において、厚みTH4に収束する。長さLT3は、端部領域3bbと側壁部4b1及び側壁部4b2との接合部の幅に相当する。
【0043】
なお、端部領域3bbのテーパ形状は、
図2に示すように略線型に先細る形状に限られない。例えば、端部領域3bbのテーパ形状は、
図4に示す端部領域3bbのように凹型に(負の曲率で)先細る形状、又は、
図5に示す端部領域3bbのように凸型に(正の曲率で)先細る形状、の何れかであり得る。
【0044】
電極層3a2の径は、層3a1及び層3a3の各々の径よりも小さい。長さLT1は、層3a1及び層3a3の各々の径と電極層3a2の径との差の1/2に相当する。
【0045】
層3a1及び層3a3の各々の径は、本体部4aの径よりも大きい。長さLT2は、層3a1及び層3a3の各々の径と本体部4aの径との差の1/2に相当する。このように、層3a1及び層3a3は、側壁部4b1及び側壁部4b2とオーバーラップするように基台4の上に延在している。中間層3bは、側壁部4b1の一部、及び、側壁部4b2の一部を覆う。
【0046】
上記構成の基板載置台2によれば、静電チャック3の電極層3a2を挟む層3a1及び層3a3は高い絶縁耐性を有するので、所定の絶縁耐性を維持しつつ層3a1及び層3a3の厚みを十分に低減し得る。従って、静電チャック3の合成静電容量が増大されて基板載置台2に載置される基板と基台4との間の電位が低減され得る。このため、比較的に低い周波数、例えば、3MHz以下の周波数で基板載置台2に電圧が印加された際に、電圧位相差が低減されることにより基板載置台と基板との間の放電の発生が抑制され得る。
【0047】
静電チャック3の静電容量(合成静電容量)は、10~21pF/cm2程度に構成される。静電容量が10pF/cm2より小さい場合、3MHz以下の高周波電力を基板載置台に印加すると基板載置台と基板との間の放電が発生し易くなる。また、現状可能な静電容量の上限値は21pF/cm2である。
【0048】
電極層3a2の厚みは、5μm程度である。層3a1の厚みは、25~50μm程度である。層3a1の比誘電率は、3.2程度である。層3a3の厚みは、25~50μm程度である。層3a3の比誘電率は、3.2程度である。
【0049】
接着層3a4の厚みは、10~20μm程度である。接着層3a4の比誘電率は、3.0程度である。接着層3a5の厚みは、10~20μm程度である。接着層3a5の比誘電率は、3.0程度である。
【0050】
中間層3bの厚みは、20~100μm程度である。中間層3bの比誘電率は、2.7程度である。被覆層3cの厚み(
図1~5に示す厚みTH3)は、65μm程度である。
【0051】
下地層3c1の厚みは、50μm程度である。下地層3c1の比誘電率は、7.1程度である。凸部3c2の厚みは、15μm程度である。凸部3c2の比誘電率は、7.1程度である。
【0052】
下地層3c1の上面31の表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)は、0.05~0.5μmである。凸部3c2の端面32の表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)は、0.05~0.5μmである。
【0053】
複数の凸部3c2は、例えば、基板の約20%程度が接触するように設けられている。
【0054】
図2,4,5に示す長さLT1は、1.2~2.2mm程度である。
図2,4,5に示す長さLT2は、0.7~1mm程度である。長さLT2が0.7mmより短い場合、セラミックスと層3a1との界面でリーク電流が増大して基板載置台2と基板との間で放電が起き易くなる。一方、基台4に接する積層部3aの面積は吸着力を得るために最大になっている。このため、長さLT2が1mmより長い場合には、本体部4aの直径が小さくなりセラミックスの直径が大きくなるので基台4の抜熱面積が減り局所的に基板の温度が上昇し、基板の温度面内均一性が低下する。
【0055】
図2に示す端部領域3bbのテーパ角θは、例えば、45°以下である。
【0056】
図2~
図6のそれぞれに示す層3a1は、例えば樹脂層である。この場合、層3a1の材料及び層3a3の材料は、例えば、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂であり得る。層3a1及び層3a3の材料は、互いに異なっていてもよい。被覆層3cは、セラミックスである。側壁部4b1の材料及び側壁部4b2の材料は、セラミックである。
【0057】
中間層3bの基体3b1の材料は、樹脂又はシラン系剤を含有する。粒状体3b2の材料は、セラミックである。
【0058】
図6を参照して被覆層3Cの形成方法の一例について説明する。被覆層3Cの形成方法は、被覆層3cの凸部3c2の形成が好適に実現できれば
図6に示す方法に限られない。
【0059】
図6に示す方法の実行には、セラミックスの被覆層3cを溶射によって形成するプラズマ溶射装置が用いられる。まず、生産物PD1がプラズマ溶射装置に設置される。生産物PD1は、基台4、積層部3a、中間層3bを備える。積層部3aは基台4の上に設けられ、中間層3bは積層部3aの上に設けられている。積層部3aは、層3a1、電極層3a2、層3a3を備える。
【0060】
次いで、生産物PD1の中間層3bの上にセラミック溶射が行われ、生産物PD2が形成される。セラミック溶射は、例えば、15μm以下の粒子径を有する溶射材料の粉末を、プラズマ生成ガスとともにノズルの先端部からノズルと軸芯が共通するプラズマ生成部に噴射する。次いで、プラズマ生成部にて50kW以下の電力によりプラズマ生成ガスからプラズマを生成し、噴射した溶射材料の粉末をプラズマにより液状にし、中間層3bの表面を覆うように溶射する。溶射材料の粉末の粒子径は小さく、溶射材料の粉末を溶融するための電力量を小さくできるため、溶射時に中間層3bが焼損することなく、被覆層3dを成膜することができる。生産物PD2では、被覆層3dが中間層3b上にセラミック溶射によって形成されている。
図1~5に示す被覆層3cは、被覆層3dが加工されることによって形成される。
【0061】
生産物PD2では、更に、被覆層3dの表面が研磨される。この研磨によって、被覆層3dの表面の表面粗さは、
図1~5に示す下地層3c1の上面31の表面粗さと同程度となる。
【0062】
次いで、生産物PD2の被覆層3dの上に複数の開口部を有する、例えば、樹脂製のマスクMK1が配置されることによって、生産物PD3が形成される。マスクMK1の開口部は、
図1~5に示す被覆層3cにおいて凸部3c2が設けられる箇所に該当する。
【0063】
次いで、生産物PD3に対し、マスクMK1及び被覆層3dの上からセラミック溶射が更に行われ、生産物PD4が形成される。生産物PD4の形成に用いられるセラミックスの材料は、被覆層3dの形成に用いられたセラミックスの材料と同様である。生産物PD4では、複数のマスクMK1の開口部にセラミックが充填されると共に、マスクMK1の上にもセラミックスのマスクMK2が形成される。生産物PD4においてマスクMK1の複数の開口部にセラミックが充填された箇所は、
図1~5に示す凸部3c2に対応している。
【0064】
次いで、生産物PD4からマスクMK1及びマスクMK2が除去され、生産物PD5が形成される。生産物PD5において、被覆層3dの表面には、マスクMK1及びマスクMK2の除去によって形成された凹凸(凸部は、
図1~5に示す凸部3c2に対応)が設けられている。
【0065】
次いで、生産物PD5の被覆層3dの凸部の端面が研磨されて被覆層3dから被覆層3cが形成され、基板載置台2が形成される。この研磨によって、生産物PD5の被覆層3dの凸部の端面の表面粗さは、
図1~5に示す凸部3c2の端面32の表面粗さと同程度となる。
【0066】
以上のように下地層3c1及び凸部3c2が形成されることによって、凸部3c2の端面32だけでなく、下地層3c1の上面31の表面粗さも低減される。このため、例えば、基板を載置しないでプラズマクリーニングを実施した際に、プラズマで表面が破砕されにくくなるため、下地層から発生するパーティクルが十分に低減される。なお、凸部3c2は、マスクを用いた形成方法に限らず、例えば、生産物PD2の被覆層3dの表面が研磨された後、マスクを用いずに凸部3c2を形成してもよい。
【0067】
例示的実施形態に係る基板処理装置の一例について、
図7を参照しながら説明する。基板処理装置1は、平行平板型の容量結合プラズマ処理装置であり、略円筒形の処理容器PC(チャンバ)を有している。処理容器PCの内面には、酸化イットリウム膜が溶射され、または、アルマイト処理(陽極酸化処理)が施されている。処理容器PCの内部は、プラズマによりエッチング処理や成膜処理等のプラズマ処理が行われる処理室となっている。基板処理装置1には、
図1~5に示す基板載置台2が設けられている。
【0068】
基板載置台2は、基板の一例である半導体ウエハ(以下、「ウエハW」という。)を載置する。基板載置台2は、下部電極としても機能する。
【0069】
直流電源30は、コンタクトピン4d(
図1及び
図3を参照。)を介して電極層3a2に電気的に接続されている。スイッチ30aの開閉により直流電源30から電極層3a2に直流電圧が印加されると、静電気力によってウエハWが静電チャック3に吸着される。
【0070】
静電チャック3の外周側には、ウエハWの外縁部を囲うように円環状のフォーカスリング11が載置される。フォーカスリング11の材料は、例えば、シリコンであり得る。フォーカスリング11は、処理容器PCにおいてプラズマをウエハWの表面に向けて収束してプラズマ処理の効率を向上させるように機能する。
【0071】
基台4の内部には、冷媒流路12aが形成されている。チラー36から出力された例えば冷却水やブライン等の冷却媒体(以下、「冷媒」ともいう。)は、冷媒入口配管12b、冷媒流路12a、冷媒出口配管12cと流れ、循環する。このようにして循環する冷媒によって、金属から構成される基板載置台2は、抜熱されて冷却される。
【0072】
伝熱ガス供給源37は、伝熱ガス供給ライン16を介して静電チャック3の表面とウエハWの裏面との間に、Heガス等の伝熱ガスを供給する。かかる構成によって、静電チャック3は、冷媒流路12aに循環させる冷媒と、ウエハWの裏面に供給する伝熱ガスとによって温度制御される。これによって、ウエハWは、所定の温度に制御される。
【0073】
基板載置台2には、第1周波数のプラズマ生成用の高周波電力HFを供給する第1高周波電源33が第1整合器33aを介して接続されている。また、基板載置台2には、第2周波数のバイアス電圧発生用の高周波電力LFを供給する第2高周波電源34が第2整合器34aを介して接続されている。第1周波数は、例えば、40MHzの高周波であり、第1高周波電源33は第1周波数の高周波電力HFを基板載置台2に供給し得る。第2周波数は、3MHz以下の高周波である。本実施形態では、高周波電力HFは、基板載置台2に印加されるが、ガスシャワーヘッド20に印加されてもよい。
【0074】
第1整合器33aは、処理容器PC内にプラズマが生成されているときに第1高周波電源33の内部インピーダンスと負荷インピーダンスとが見かけ上一致するように機能する。第2整合器34aは、処理容器PC内にプラズマが生成されているときに第2高周波電源34の内部インピーダンスと負荷インピーダンスとが見かけ上一致するように機能する。
【0075】
ガスシャワーヘッド20は、その外縁部を被覆するシールドリング21を介して処理容器PCの天井部の開口を閉塞するように取り付けられている。ガスシャワーヘッド20には、可変直流電源26が接続され、可変直流電源26から負の直流電圧(DC)が出力される。ガスシャワーヘッド20は、シリコンにより形成されていてもよい。ガスシャワーヘッド20は、基板載置台2(下部電極)に対向する対向電極(上部電極)としても機能する。
【0076】
ガスシャワーヘッド20には、ガスを導入するガス導入口22が形成されている。ガスシャワーヘッド20の内部にはガス導入口22から分岐したセンター側のガス拡散室24a及びエッジ側のガス拡散室24bが設けられている。ガス供給源23から出力されたガスは、ガス導入口22を介してガス拡散室24a及びガス拡散室24bに供給され、ガス拡散室24a及びガス拡散室24bにて拡散されて複数のガス供給孔25から基板載置台2に向けて導入される。
【0077】
処理容器PCの底面には排気口18が形成されており、排気口18に接続された排気装置38によって処理容器PC内が排気される。これにより、処理容器PC内は所定の真空度に維持される。処理容器PCの側壁にはゲートバルブ17が設けられている。ゲートバルブ17は、ウエハWを処理容器PCへ搬入したり、処理容器PCから搬出したりする際に開閉する。
【0078】
基板処理装置1には、装置全体の動作を制御する制御装置100が設けられている。制御装置100は、CPU105(Central Processing Unit)、ROM110(Read Only Memory)及びRAM115(Random Access Memory)を有している。CPU105は、RAM115等の記憶領域に格納されたレシピに従って、エッチング等の所望のプラズマ処理を実行する。レシピには、プロセス時間、圧力(ガスの排気)、高周波電力及び電圧、各種ガス流量、処理容器PC内の温度(上部電極の温度、処理容器PCの側壁温度、ウエハWの温度、静電チャック3の温度等)、チラー36からの冷媒の温度、等が設定されている。
【0079】
エッチングや成膜等のプラズマ処理が実行される際には、ゲートバルブ17の開閉が制御され、ウエハWが処理容器PCに搬入され、基板載置台2に載置される。直流電源30から電極層3a2に正又は負の極性の直流電圧が印加されると、ウエハWが静電チャック3に静電吸着され、保持される。
【0080】
プロセス時には、ガス供給源23から処理容器PC内に所望のガスが供給され、第1高周波電源33から基板載置台2に高周波電力HFが印加される。第2高周波電源34から基板載置台2に高周波電力LFが印加されてもよい。可変直流電源26から負の直流電圧がガスシャワーヘッド20に印加されてもよい。これにより、ウエハWの上方にてガスが乖離してプラズマが生成され、プラズマの作用によりウエハWにプラズマ処理が施される。
【0081】
プラズマ処理後、直流電源30から電極層3a2に静電吸着時とは正負の極性が逆の直流電圧が印加され、ウエハWの電荷が除電される。除電後、ウエハWは、静電チャック3から剥がされ、ゲートバルブ17から処理容器PCの外に搬出される。
【0082】
(変形例)
図8~
図24のそれぞれには、基板載置台2の変形例が示されている。なお、
図8~
図24に示す変形例に係る各構成の材料は、以下で特に明記されない場合には、上記した材料が採用され得る。
【0083】
図8に示す変形例を説明する。
図8は、
図1に示す領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は端部領域としての樹脂領域3eを有し、基台4は本体部4a及び絶縁領域4eを有する。絶縁領域4eは、
図1に示す領域ER1における側壁部4b1に相当する。樹脂領域3eは、絶縁領域4e上に設けられ、積層部3aから離隔する方向に先細るテーパ形状を有する。樹脂領域3eは、積層部3aの側面SF2と絶縁領域4eとに接し、側面SF2を覆う。絶縁領域4eは、本体部4aの表面に設けられる。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3e、絶縁領域4eを覆い、層3a3、樹脂領域3e、絶縁領域4eに接する。層3a1は樹脂層であり、層3a1の材料は例えばポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂の何れかである(
図9~
図11、
図14~
図16のそれぞれに記載の層3a1の材料も同様)。層3a3は樹脂層であり、層3a3の材料は例えばポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂の何れかである(
図9~
図24のそれぞれに記載の層3a3の材料も同様)。本体部4aの材料は、例えばSiCである(
図9~
図24に示す本体部4aの材料も同様)。
【0084】
図8に示す構成において、電極層3a2の径は層3a1及び層3a3の各々の径よりも小さく、中間層3bは基台4に設けられている積層部3aの全表面を被覆し、中間層3bは側壁部4b2の一部を覆う(
図9~
図24のそれぞれの構成においても同様)。また、
図8に示す構成において、被覆層3cは下地層3c1と複数の凸部3c2とを備え、下地層3c1は中間層3bに密着しており、複数の凸部3c2は下地層3c1の上面31に設けられる(
図9~
図24のそれぞれの構成においても同様)。また、
図8に示す構成において、下地層3c1の上面31の表面粗さは0.05~0.5μmであり、中間層3bは基体3b1と基体3b1中に分散した複数の粒状体3b2とを含む(
図9~
図24のそれぞれの構成においても同様)。また、
図8に示す構成において、複数の粒状体3b2は基体3b1から露出している露出部分を含み、この露出部分は層3a3及び被覆層3cに接する(
図9~
図24のそれぞれの構成においても同様)。また、
図8に示す構成において、基体3b1の材料は樹脂又はシラン系剤を含有し、粒状体3b2の材料は、セラミックである(
図9~
図24のそれぞれの構成においても同様)。
【0085】
図9に示す変形例について説明する。
図9は、
図1に示す領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は、端部領域としての樹脂領域3eと、絶縁領域3fとを有する。基台4は、本体部4a及び絶縁領域4eを有する。絶縁領域4eは、
図1に示す領域ER1における側壁部4b1に相当する。樹脂領域3eは、絶縁領域4e上において、絶縁領域3fと積層部3aとの間に配置される。樹脂領域3eは、積層部3aの側面SF2と絶縁領域3fと絶縁領域4eとに接し、側面SF2を覆う。絶縁領域3fは、絶縁領域4eに接する。絶縁領域4eは、本体部4aの表面に設けられる。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3e、絶縁領域3f、絶縁領域4eを覆い、層3a3、樹脂領域3e、絶縁領域3f、絶縁領域4eに接する。絶縁領域3fの材料は、例えば酸化アルミニウム等の絶縁性の材料である(
図11、
図15、
図17のそれぞれに記載の絶縁領域3fの材料も同様)。
【0086】
図10に示す変形例について説明する。
図10は、
図1に示す領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は端部領域としての樹脂領域3eを有し、基台4は本体部4a及び絶縁領域4eを有する。絶縁領域4eは、
図1に示す領域ER1における側壁部4b1に相当する。樹脂領域3eは、絶縁領域4e上に設けられ、積層部3aの側面SF2と絶縁領域4eとに接し、側面SF2を覆う。絶縁領域4eは、本体部4aの表面に設けられる。絶縁領域4eは、静電チャック3の側面SF2に沿って延びている箇所(凸部4e1)を有する。樹脂領域3eは、積層部3aの側面SF2と絶縁領域4eの凸部4e1との間に設けられている。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3e、絶縁領域4eを覆い、層3a3、樹脂領域3e、絶縁領域4eに接する。
【0087】
図11に示す変形例を説明する。
図11は、
図1に示す領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は端部領域としての絶縁領域3fを有し、基台4は本体部4a及び絶縁領域4eを有する。絶縁領域4eは、
図1に示す領域ER1における側壁部4b1に相当する。絶縁領域3fは、絶縁領域4e上に設けられ、積層部3aの側面SF2と絶縁領域4eとに接し、側面SF2を覆う。絶縁領域4eは、本体部4aの表面に設けられる。中間層3bは、層3a3、絶縁領域3f、絶縁領域4eを覆い、層3a3、絶縁領域3f、絶縁領域4eに接する。
【0088】
図12に示す変形例を説明する。
図12は、
図1に示す領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は端部領域としての樹脂領域3eを有し、基台4は本体部4aを有する。
図12に示す積層部3aは、層3a1と、層3a1上に設けられた接着層3a5及び電極層3a2と、接着層3a5及び電極層3a2上に設けられた層3a3とを有する。
図12に示す積層部3aは、
図8等に示す接着層3a4を有さない。層3a1は、本体部4a上に設けられ、本体部4aの表面を覆う。樹脂領域3eは、層3a1上に設けられ、積層部3aの側面SF2と層3a1とに接し、側面SF2を覆い、積層部3aから離隔する方向に先細るテーパ形状を有する。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3e、層3a1を覆い、層3a3、樹脂領域3e、層3a1に接する。層3a1は絶縁層又は樹脂層である(
図13、
図17~
図24のそれぞれに記載の層3a1も同様)。層3a1が絶縁膜の場合における層3a1の材料は、セラミックであり、層3a1が樹脂層の場合における層3a1の材料は、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂の何れかである。このような層3a1の材料は、
図13、
図17~
図24のそれぞれに記載の層3a1の材料についても同様である。
【0089】
図13に示す変形例を説明する。
図13は、
図1に示す領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。
図13に示す基板載置台2の基台4は導電領域4fを有しており、
図13に示す基板載置台2の構成は導電領域4fが設けられている点で
図12に示す基板載置台2の構成とは異なる。導電領域4fは、本体部4a上に設けられ、本体部4aに接する。層3a1は、導電領域4f上に設けられ、導電領域4fに接する。導電領域4fの材料は、アルミニウム、銅等の導電性の材料である(
図14、
図21~
図24のそれぞれに記載の導電領域4fの材料も同様)。
【0090】
図14に示す変形例を説明する。
図14は、
図1に示す領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。
図14に示す基板載置台2の構成は導電領域4fを有しており、
図14に示す基板載置台2の構成は導電領域4fが設けられている点で
図8に示す基板載置台2の構成とは異なる。導電領域4fは、本体部4a上に設けられ、本体部4aに接する。絶縁領域4eは、導電領域4f上に設けられ、導電領域4fに接する。絶縁領域4eは、
図1に示す領域ER1における側壁部4b1に相当する。
【0091】
なお、導電領域4fが設けられる
図14に示す構成は、
図9~
図11においても同様である。
【0092】
図15に示す変形例を説明する。
図15は、孔GTに面した領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は、端部領域としての樹脂領域3e及び絶縁領域3fと、樹脂領域3gとを有する。基台4は、本体部4aと基台4の側面に設けられた側壁部4b2とを備える。静電チャック3は、本体部4a及び側壁部4b2の上に配置される。層3a1及び層3a3の各々の内径(孔GTを含み側面SF2によって画成される領域の径)は、本体部4aの内径(孔GTを含み側面SF1によって画成される領域の径)よりも小さい。層3a1及び層3a3は、側壁部4b2とオーバーラップするように基台4の上に延在している。樹脂領域3gは、本体部4aと側壁部4b2との間に設けられ、接着層3a4に接する。樹脂領域3gは、積層部3aの近傍において、積層部3aに向けて広がるように延びている。樹脂領域3eは、積層部3aの側面SF2と側壁部4b2とに接し、側面SF2を覆う。絶縁領域3fは、側壁部4b2に接する。樹脂領域3eは、側壁部4b2上において、絶縁領域3fと積層部3aとの間に配置され、絶縁領域3f及び積層部3aに接する。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3eを覆い、層3a3、樹脂領域3eに接する。
【0093】
図16に示す変形例を説明する。
図16は、孔GTに面した領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は、端部領域としての樹脂領域3eと、樹脂領域3gとを有する。基台4は、本体部4aと基台4の側面に設けられた側壁部4b2とを備える。静電チャック3は、本体部4a及び側壁部4b2の上に配置される。層3a1及び層3a3の各々の内径(孔GTを含み側面SF2によって画成される領域の径)は、本体部4aの内径(孔GTを含み側面SF1によって画成される領域の径)よりも小さい。層3a1及び層3a3は、側壁部4b2とオーバーラップするように基台4の上に延在している。樹脂領域3gは、本体部4aと側壁部4b2との間に設けられ、接着層3a4に接する。樹脂領域3gは、積層部3aの近傍において、積層部3aに向けて広がるように延びている。側壁部4b2の表面は、積層部3aに接している箇所と、積層部3aの側面SF2に沿って延びている箇所(側壁部4b2に含まれる凸部4b21の表面の一部)とを有する。樹脂領域3eは、積層部3aの側面SF2と側壁部4b2の表面の当該箇所(凸部4b21の表面の一部)との間に設けられている。樹脂領域3eは、積層部3aの側面SF2と側壁部4b2(特に凸部4b21)とに接し、側面SF2を覆う。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3eを覆い、層3a3、樹脂領域3eに接する。
【0094】
図17に示す変形例を説明する。
図17は、孔GTに面した領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は、端部領域としての樹脂領域3e及び絶縁領域3fと、樹脂領域3gとを有する。
図17に示す積層部3aは、層3a1と、層3a1上に設けられた接着層3a5及び電極層3a2と、接着層3a5及び電極層3a2上に設けられた層3a3とを有する。
図17に示す積層部3aは、
図8等に示す接着層3a4を有さない。層3a1は、本体部4a上に設けられ、本体部4aの表面を覆う。基台4は、本体部4aと基台4の側面に設けられた側壁部4b2とを備える。静電チャック3は、本体部4a及び側壁部4b2の上に配置される。層3a3の内径(孔GTを含み側面SF2によって画成される領域の径)は、本体部4aの内径(孔GTを含み側面SF1によって画成される領域の径)よりも小さい。層3a3は、側壁部4b2とオーバーラップするように基台4の上に延在している。樹脂領域3gは、本体部4aと側壁部4b2との間に設けられ、接着層3a5に接する。樹脂領域3gは、積層部3aの近傍において、積層部3aに向けて広がるように延びている。樹脂領域3eは、積層部3aの側面SF2と側壁部4b2とに接し、側面SF2を覆う。絶縁領域3fは、側壁部4b2に接する。樹脂領域3eは、側壁部4b2上において、絶縁領域3fと積層部3aとの間に配置され、絶縁領域3f及び積層部3aに接する。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3eを覆い、層3a3、樹脂領域3eに接する。
【0095】
図18に示す変形例を説明する。
図18は、孔GTに面した領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は、端部領域としての樹脂領域3eと、樹脂領域3gとを有する。
図18に示す積層部3aは、層3a1と、層3a1上に設けられた接着層3a5及び電極層3a2と、接着層3a5及び電極層3a2上に設けられた層3a3とを有する。
図18に示す積層部3aは、
図8等に示す接着層3a4を有さない。層3a1は、本体部4a上に設けられ、本体部4aの表面を覆う。基台4は、本体部4aと基台4の側面に設けられた側壁部4b2とを備える。静電チャック3は、本体部4a及び側壁部4b2の上に配置される。層3a3の内径(孔GTを含み側面SF2によって画成される領域の径)は、本体部4aの内径(孔GTを含み側面SF1によって画成される領域の径)よりも小さい。層3a3は、側壁部4b2とオーバーラップするように基台4の上に延在している。樹脂領域3gは、本体部4aと側壁部4b2との間に設けられ、接着層3a5に接する。樹脂領域3gは、積層部3aの近傍において、積層部3aに向けて広がるように延びている。側壁部4b2の表面は、積層部3aに接している箇所と、積層部3aの側面SF2に沿って延びている箇所(側壁部4b2に含まれる凸部4b21の表面の一部)とを有する。樹脂領域3eは、積層部3aの側面SF2と側壁部4b2の表面の当該箇所(凸部4b21の表面の一部)との間に設けられている。樹脂領域3eは、積層部3aの側面SF2と側壁部4b2(特に凸部4b21)とに接し、側面SF2を覆う。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3eを覆い、層3a3、樹脂領域3eに接する。
【0096】
図19に示す変形例を説明する。
図19は、孔GTに面した領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は、端部領域としての樹脂領域3gを有する。
図19に示す積層部3aは、層3a1と、層3a1上に設けられた接着層3a5及び電極層3a2と、接着層3a5及び電極層3a2上に設けられた層3a3とを有する。
図19に示す積層部3aは、
図8等に示す接着層3a4を有さない。層3a1は、本体部4a上に設けられ、本体部4aの表面を覆う。基台4は、本体部4aと基台4の側面に設けられた側壁部4b2とを備える。静電チャック3は、本体部4a及び側壁部4b2の上に配置される。層3a3の内径(孔GTを含み側面SF2によって画成される領域の径)は、本体部4aの内径(孔GTを含み側面SF1によって画成される領域の径)よりも大きい。層3a3は、側壁部4b2とはオーバーラップせず、本体部4aの上にのみ延在している。樹脂領域3gは、本体部4aと側壁部4b2との間に設けられ、中間層3bと積層部3aの側面SF2とに接し、側面SF2を覆う。樹脂領域3gは、中間層3bの近傍において、中間層3bに向けて広がるように延びている。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3g、側壁部4b2を覆い、層3a3、樹脂領域3g、側壁部4b2に接する。
【0097】
図20に示す変形例を説明する。
図20は、孔GTに面した領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。基板載置台2は、端部領域としての樹脂領域3gを有する。樹脂領域3gは、本体部4aと側壁部4b2との間に設けられ、中間層3bに接する。本体部4aと側壁部4b2との間の距離(樹脂領域3gの幅)は、中間層3bに向けて段階的に長くなっている。このような本体部4aと側壁部4b2との間の距離(樹脂領域3gの幅)の点で、
図20に示す基板載置台2の構成は、
図19に示す基板載置台2の構成とは異なっている。
【0098】
図21に示す変形例を説明する。
図21は、孔GTに面した領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。
図21に示す基板載置台2の構成は導電領域4fを有しており、
図21に示す基板載置台2の構成は導電領域4fが設けられている点で
図19に示す基板載置台2の構成とは異なる。導電領域4fは、本体部4a上に設けられ、本体部4aに接する。層3a1は、導電領域4f上に設けられ、導電領域4fに接する。
【0099】
図22に示す変形例を説明する。
図22は、孔GTに面した領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。
図22に示す基板載置台2の構成は導電領域4fを有しており、
図22に示す基板載置台2の構成は導電領域4fが設けられている点で
図20に示す基板載置台2の構成とは異なる。導電領域4fは、本体部4a上に設けられ、本体部4aに接する。層3a1は、導電領域4f上に設けられ、本体部4a及び導電領域4fに接する。
【0100】
【0101】
図23に示す変形例を説明する。
図23は、領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。
図23に示す基板載置台2の構成では、本体部4aの表面に凹部4a1が設けられる。凹部4a1内において、導電領域4f、積層部3a、樹脂領域3eが設けられる。
図23に示す積層部3aは、層3a1と、層3a1上に設けられた接着層3a5及び電極層3a2と、接着層3a5及び電極層3a2上に設けられた層3a3とを有する。
図23に示す積層部3aは、
図8等に示す接着層3a4を有さない。層3a1は、導電領域4f上に設けられる。電極層3a2、接着層3a5、及び層3a3と、樹脂領域3eとは、層3a1上に設けられる。樹脂領域3eは、層3a1と積層部3aの側面SF2とに接し、側面SF2を覆う。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3e、本体部4aを覆い、層3a3、樹脂領域3e、本体部4aに接する。
【0102】
図24に示す変形例を説明する。
図24は、領域ER1における基板載置台2の構成の変形例である。
図24に示す基板載置台2の構成では、本体部4a上に導電領域4fが設けられ、導電領域4f上に積層部3aが設けられる。
図24に示す積層部3aは、層3a1と、層3a1上に設けられた接着層3a5及び電極層3a2と、接着層3a5及び電極層3a2上に設けられた層3a3とを有する。
図24に示す積層部3aは、
図8等に示す接着層3a4を有さない。層3a1は、導電領域4f上に設けられる。樹脂領域3eは、本体部4a上に設けられ、本体部4aと、積層部3aの側面SF2及び導電領域4fの側面とに接し、側面SF2と導電領域4fの側面とを覆い、積層部3aから離隔する方向に先細るテーパ形状を有する。中間層3bは、層3a3、樹脂領域3e、本体部4aを覆い、層3a3、樹脂領域3e、本体部4aに接する。
【0103】
以上説明した
図8~
図24のそれぞれに示す構成の基板載置台2では、静電チャック3の側面SF2は比較的に粘度の高い材料の樹脂領域3eで覆われると共に樹脂領域3eは硬化される、又は静電チャック3の側面SF2は絶縁領域3fによって覆われる。従って、形状が維持された樹脂領域3e又は絶縁領域3fを覆う中間層3b及び被覆層3cにひび割れ等の発生が抑制され、静電チャック3の側面SF2の構成(樹脂領域3e又は絶縁領域3f)と共に中間層3b及び被覆層3cは何れも良好な形状に形成され得る。
【0104】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる例示的実施形態における要素を組み合わせて他の例示的実施形態を形成することが可能である。
【0105】
以上の説明から、本開示の種々の例示的実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の例示的実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0106】
1…基板処理装置、100…制御装置、105…CPU、11…フォーカスリング、110…ROM、115…RAM、12a…冷媒流路、12b…冷媒入口配管、12c…冷媒出口配管、16…伝熱ガス供給ライン、17…ゲートバルブ、18…排気口、2…基板載置台、20…ガスシャワーヘッド、21…シールドリング、22…ガス導入口、23…ガス供給源、24a…ガス拡散室、24b…ガス拡散室、25…ガス供給孔、26…可変直流電源、3…静電チャック、3e…樹脂領域、3f…絶縁領域、3g…樹脂領域、30…直流電源、30a…スイッチ、31…上面、32…端面、33…第1高周波電源、33a…第1整合器、34…第2高周波電源、34a…第2整合器、36…チラー、37…伝熱ガス供給源、38…排気装置、3a…積層部、3a1…層、3a2…電極層、3a3…層、3a4…接着層、3a5…接着層、3b…中間層、3b1…基体、3b2…粒状体、3bb…端部領域、3c…被覆層、3c1…下地層、3c2…凸部、3d…被覆層、4…基台、4a…本体部、4a1…凹部、4b1…側壁部、4b2…側壁部、4b21…凸部、4c…スリーブ、4d…コンタクトピン、4e…絶縁領域、4e1…凸部、4f…導電領域、AX…中心軸、ER1…領域、ER2…領域、GT…孔、LT1…長さ、LT2…長さ、LT3…長さ、MK1…マスク、MK2…マスク、PC…処理容器、PD1…生産物、PD2…生産物、PD3…生産物、PD4…生産物、PD5…生産物、SF1…側面、SF2…側面、SF3…上面、TH1…厚み、TH2…厚み、TH3…厚み、TH4…厚み、W…ウエハ、θ…テーパ角。