(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】空隙を形成するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022076954
(22)【出願日】2022-05-09
(62)【分割の表示】P 2020544602の分割
【原出願日】2019-02-27
【審査請求日】2022-06-07
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チーチュン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ, リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, アンチョアン
【審査官】山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0044865(US,A1)
【文献】特表2014-507073(JP,A)
【文献】米国特許第09768034(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0264729(US,A1)
【文献】特開2005-123607(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0298256(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素含有前駆体を半導体処理チャンバの基板処理領域の中に流すこと、
前記基板処理領域の中に水素含有前駆体を流すこと、
前記基板処理領域内に収容された基板を前記フッ素含有前駆体及び前記水素含有前駆体と接触させることであって、前記基板がトレンチを含み、前記トレンチの側壁に沿ってスペーサが形成され、前記スペーサが、
前記トレンチの前記側壁に隣接する炭素含有材料の第1の層、及び酸素含有材料の第2の層を含む複数の層を含み、前記スペーサの前記第2の層が、前記スペーサの前記第1の層に隣接して配置されている、基板を前記フッ素含有前駆体及び前記水素含有前駆体と接触させること、並びに
前記酸素含有材料を除去することを含む、エッチング方法。
【請求項2】
前記水素含有前駆体が、前記半導体処理チャンバの遠隔プラズマ領域において、前記半導体処理チャンバ内で生成可能なプラズマから流体的に隔離されて維持される、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
前記水素含有前駆体が、水蒸気を含む、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項4】
前記フッ素含有前駆体が、フッ化無水水素を含む、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項5】
前記スペーサの各層が
、20:1以上のアスペクト比によって特徴付けられる、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項6】
前記酸素含有材料が
、5nm以下の幅によって特徴付けられる、請求項5に記載のエッチング方法。
【請求項7】
前記基板の温度が、前記エッチング方法中、摂
氏10度以下に維持される、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項8】
前記スペーサが、前記第2の層に隣接して配置された第3の層、及び前記第2の層と前記第3の層との間に配置された第4の層を更に含み、前記第4の層が酸素含有材料である、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項9】
前記スペーサの前記第4の層が、前記スペーサの前記第2の層よりも化学量論的に少量の酸素によって特徴付けられる、請求項8に記載のエッチング方法。
【請求項10】
前記基板処理領域が、前記エッチング方法中、プラズマフリーに維持される、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項11】
フッ素含有前駆体を半導体処理チャンバの基板処理領域の中に流すこと、
前記基板処理領域の中に水蒸気を流すこと、
前記基板処理領域内に収容された基板を前記フッ素含有前駆体及び前記水蒸気と接触させることであって、前記基板がトレンチを含み、前記トレンチの側壁に沿ってスペーサが形成され、前記スペーサが、前記トレンチの側壁に隣接する炭素含有材料の第1の層、及び酸素含有材料を含む第2の層を含む複数の横方向の層を含む、基板を前記フッ素含有前駆体及び前記水蒸気と接触させること、
前記半導体処理チャンバの前記
基板処理領域内の相対湿度
を60%以下に維持すること、並びに
前記スペーサの前記第2の層を除去することを含む、除去方法。
【請求項12】
前記スペーサの前記第2の層が、前記スペーサの前記第1の層に隣接する第1の酸素含有層、及び第2の酸素含有層を含む、請求項11に記載の除去方法。
【請求項13】
前記第2の酸素含有層が、前記第1の酸素含有層よりも低い酸素含有量によって特徴付けられる、請求項12に記載の除去方法。
【請求項14】
前記スペーサの前記第2の層を除去することが、
前記第1の酸素含有層を上から下へのエッチングで除去すること、及び
続いて、前記第2の酸素含有層を横方向のエッチングで除去することを含む、請求項12に記載の除去方法。
【請求項15】
前記スペーサの前記第1の層が、前記第2の層の除去中
に維持される、請求項14に記載の除去方法。
【請求項16】
前記スペーサが第3の層を含み、前記スペーサの前記第2の層が、前記スペーサの前記第3の層に対し
て50:1以上の選択性で除去される、請求項15に記載の除去方法。
【請求項17】
前記スペーサの前記第1の層及び前記スペーサの前記第3の層が、窒化ケイ素又は炭窒化ケイ素を含む、請求項16に記載の除去方法。
【請求項18】
前記スペーサの前記第2の層が、前記スペーサの前記第3の層の下に延在し、前記除去方法が、前記スペーサの前記第3の層の下から前記スペーサの前記第2の層を横方向にエッチングすることを更に含む、請求項16に記載の除去方法。
【請求項19】
前記フッ素含有前駆体が、フッ化無水水素であり、前記除去方法中、前記基板処理領域が、プラズマフリーに維持される、請求項11に記載の除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年2月28日に出願された米国仮特許出願第62/636,725号の利益を主張し、当該仮特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
[0002] 本技術は、半導体プロセス及び装備に関する。より具体的には、本技術は、高アスペクト比の構造物の選択的エッチングに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路は、基板表面上に複雑なパターンの材料層を形成するプロセスによって可能となる。基板上にパターン形成された材料を作るには、露出した材料を取り除くための制御された方法が必要である。化学エッチングは、様々な目的に使用されており、それには、フォトレジスト内のパターンを下層の中へ転写すること、層を薄くすること、又は表面上に既に存在する特徴の横寸法を細くすることが含まれる。多くの場合、ある材料を他の材料よりも速くエッチングして、例えば、パターン転写プロセスを促進するエッチングプロセスを行うことが望ましい。そのようなエッチングプロセスは、第1の材料に対して選択的であると言われる。材料、回路、及びプロセスに多様性があるために、様々な材料に対する選択性を有するエッチングプロセスが開発されてきた。
【0004】
[0004] エッチングプロセスは、そのプロセスで使用される材料に応じて、湿式又は乾式と呼ばれることがある。湿式HFエッチングは、他の誘電体及び材料よりも酸化ケイ素を優先的に除去する。しかし、湿式プロセスは、幾つかの制約されたトレンチに浸透することが困難であり、また時には残りの材料を変形させる可能性がある。基板処理領域内に形成された局所プラズマ内で生成された乾式エッチングは、より制約されたトレンチに浸透することができ、繊細な残りの構造の変形を抑えることができる。しかし、局所プラズマは、それらが放電するときに電気アークの生成を通じて基板を損傷する可能性がある。
【0005】
[0005] したがって、高品質デバイス及び構造物の製造に使用することができる、改善されたシステム及び方法が必要とされている。これらの必要性及びその他の必要性は、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 例示的なエッチング方法は、フッ素含有前駆体を半導体処理チャンバの基板処理領域の中に流すことを含んでよい。この方法は、基板処理領域の中に水素含有前駆体を流すことを含んでよい。
この方法は、基板処理領域内に収容された基板を、フッ素含有前駆体及び水素含有前駆体と接触させることを含んでよい。基板は、トレンチ又は凹み特徴を含んでよく、トレンチ又は特徴の側壁に沿ってスペーサが形成されてよい。スペーサは、炭素含有及び/又は窒素含有材料の第1の層、酸素含有材料の第2の層、並びに炭素含有及び/又は窒素含有材料の第3の層を含む、複数の層を含んでよい。スペーサの第2の層は、スペーサの第1の層と第3の層との間に配置されてよい。この方法は、酸素含有材料を除去することも含んでよい。
【0007】
[0007] 幾つかの実施形態では、水素含有前駆体が、半導体処理チャンバの遠隔プラズマ領域において、半導体処理チャンバ内で生成可能なプラズマから流体的に隔離されて維持されてよい。水素含有前駆体は、水蒸気であってよく、又はそれを含んでよい。フッ素含有前駆体は、フッ化無水水素であってよく、又はそれを含んでよい。スペーサの各層は、約20:1以上のアスペクト比によって特徴付けられてよい。酸素含有材料は、約5nm以下の幅によって特徴付けられてよい。基板の温度は、エッチング方法中、摂氏約10度以下に維持されてよい。スペーサは、第2の層と第3の層との間に配置された第4の層をさらに含んでよい。第4の層は、酸素含有材料であってよい。スペーサの第4の層は、スペーサの第2の層よりも化学量論的に少量の酸素によって特徴付けられてよい。基板処理領域は、エッチング方法中、プラズマフリー(plasma free:プラズマがない状態)に維持されてよい。
【0008】
[0008] 本技術はまた、除去方法も包み得る。この方法は、フッ素含有前駆体を半導体処理チャンバの基板処理領域の中に流すことを含んでよい。この方法は、基板処理領域の中に水蒸気を流すことを含んでよい。
この方法は、基板処理領域内に収容された基板を、フッ素含有前駆体及び水蒸気と接触させることを含んでよい。基板は、トレンチを含んでよく、トレンチの側壁に沿ってスペーサが形成されてよい。スペーサは、トレンチの側壁に隣接する炭素含有材料の第1の層、酸素含有材料を含む第2の層、及び炭素含有材料の第3の層を含む、複数の横方向の層を含んでよい。スペーサの第2の層は、スペーサの第1の層とスペーサの第3の層との間に配置されてよい。この方法は、半導体処理チャンバの基板処理領域内の相対湿度を、約60%以下に維持することを含んでよい。この方法は、スペーサの第2の層を除去することを含んでよい。
【0009】
[0009] 幾つかの実施形態では、スペーサの第2の層が、スペーサの第1の層に隣接する第1の酸素含有層、及びスペーサの第3の層に隣接する第2の酸素含有層であってよく、又はそれらを含んでよい。第2の酸素含有層は、第1の酸素含有層より低い酸素含有量によって特徴付けられてよい。スペーサの第2の層を除去することは、上から下へのエッチング(top-to-bottom etch)で第1の酸素含有層を除去することを含んでよい。スペーサの第2の層を除去することは、続いて、第2の酸素含有層を横方向のエッチングで除去することも含んでよい。スペーサの第1の層及びスペーサの第3の層は、第2の層の除去中に実質的に維持されてよい。スペーサの第2の層は、スペーサの第3の層に対して約50:1以上の選択性で除去されてよい。スペーサの第1の層及びスペーサの第3の層は、窒化ケイ素又は炭窒化ケイ素であってよく、又はそれらを含んでよい。スペーサの第2の層は、スペーサの第3の層の下に延在してよい。また、本方法は、スペーサの第3の層の下から第2のスペーサ層を横方向にエッチングすることも含んでよい。フッ素含有前駆体は、フッ化無水水素であってよい。基板処理領域は、除去中、プラズマフリーに維持されてよい。
【0010】
[0010] 本技術はまた、エッチング方法も含み得る。この方法は、フッ化無水水素を半導体処理チャンバの基板処理領域の中に流すことを含んでよい。この方法は、基板処理領域の中に水蒸気を流すことを含んでよい。この方法は、基板処理領域内に収容された基板を、フッ化無水水素及び水分蒸気と接触させることを含んでよい。基板は、トレンチを含んでよく、トレンチの側壁に沿ってスペーサが形成されてよい。スペーサは、トレンチの側壁に隣接する炭素含有材料の第1の層、第1の酸素含有材料と第1の酸素含有材料とは異なる第2の酸素含有材料を含む第2の層、及び窒素含有材料の第3の層を含む、複数の横方向の層を含んでよい。スペーサの第2の層は、スペーサの第1の層とスペーサの第3の層との間に配置されてよい。スペーサの第2の層は、スペーサの第3の層の下で横方向に少なくとも部分的に延在してよい。この方法は、半導体処理チャンバの基板処理領域内の相対湿度を、約60%以下に維持することを含んでよい。この方法はまた、スペーサの第2の層を除去することも含んでよい。
【0011】
[0011] このような技術は、従来のシステム及び技法よりも多数の利点を提供し得る。例えば、当該プロセスによって、他の露出した材料を侵食することなく、高アスペクト比の特徴をエッチングすることが可能になる。更に、当該プロセスによって、他の露出された材料を実質的に維持するスペーサ特徴内の空隙を形成することが可能になる。これらの実施形態及びその他の実施形態は、その多くの利点や特徴と共に、後述の記載及び添付の図面により詳細に説明されている。
【0012】
[0012] 開示された技術の性質及び利点は、本明細書の残りの部分と図面を参照することによってさらに理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0013] 本技術の実施形態による、例示的な処理システムの一実施形態の上面図を示す。
【
図2A】[0014] 本技術の実施形態による、例示的な処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図2B】[0015] 本技術の実施形態による、
図2Aで示されている処理チャンバの一部分の詳細図を示す。
【
図3】[0016] 本技術の実施形態による、例示的なシャワーヘッドの底面図を示す。
【
図4】[0017] 本技術の実施形態による、方法の例示的な工程を示す。
【
図5A】[0018]
図5Aから
図5Dは、本技術の実施形態による、処理中の基板の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0019] 幾つかの図面は、概略図として含まれている。図面は例示を目的としており、縮尺通りであると明記されていない限り、縮尺通りであるとみなしてはならないと理解するべきである。更に、概略図として、図面は、理解を助けるために提供されており、現実的な描写に比べて全ての態様又は情報を含まないことがあり、例示を目的として追加の又は強調された素材を含むことがある。
【0015】
[0020] 添付の図面では、類似の構成要素及び/又は特徴が、同じ参照符号を有し得る。更に、同じ種類の様々な構成要素は、類似の構成要素間を区別する文字により、参照符号に従って区別することができる。本明細書において第1の参照符号のみが使用される場合、その記載は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちの何れにも適用可能である。
【0016】
[0021]基板の洗浄や、こうした基板から材料を除去するために、希釈酸が、多くの様々な半導体処理において使用され得る。例えば、希釈されたフッ化水素酸は、酸化ケイ素に対して効果的なエッチャントであってよく、酸化ケイ素をシリコン表面から除去するために使用されてよい。エッチング又は洗浄動作が完了した後で、ウエハ又は基板表面から酸が乾燥し得る。希釈されたフッ化水素酸(DHF)の使用は、「湿式」エッチングと呼ばれることがあり、希釈剤は水であることが多い。基板に供給される前駆体を利用し得る追加のエッチング処理が使用されてよい。例えば、水蒸気と共に、プラズマ種がウエハに供給されて、エッチャント混合物が同様に生成されてよい。
【0017】
[0022] 水溶液又は水ベースのプロセスを使用する湿式エッチャントは、特定の基板構造に対して効果的に動作し得るが、水は、除去されるべき小さなピッチ特徴を有する基板上で利用される場合、問題を提起し得る。
例えば、空隙形成プロセスは、基板上の材料の薄い層を選択的に除去することができ、薄い層は、数ナノメートルの厚さによって特徴付けられてよい。湿式エッチャントの表面張力及び他の特性により、エッチャントは、周囲の構造を通して層をエッチングするために、更なる層の間に浸透することができない場合がある。空隙の場所に応じて、特徴は、高アスペクト比によって特徴付けられてよく、湿式エッチャントが特徴を通って広がる能力を更に制限する。したがって、多くの従来の技法は、特定のデバイス構成において空隙を形成することができない。
【0018】
[0023] 本技術は、高アスペクト比の特徴を通して材料を除去することを可能にする蒸気相エッチングプロセスを行うことにより、これらの問題を克服する。種々の実施形態では、プロセスにおいて、エッチャントレシピの一部としてプラズマ放出物が利用される場合があり、又は利用されない場合がある。この技術は、炭素含有又は窒素含有材料に対して酸化物含有材料を選択的にエッチングすることができる。更に、特定の実施形態におけるスペーサ構造に基づいて、露出された炭素含有又は窒素含有材料は、従来であれば選択性の低いエッチングであるかもしれないもののエッチング中に保護され得る。プラズマが生成されないかもしれない実施形態では、酸素及び水酸基ラジカルの生成を最小限に抑えることができ、これにより、周囲の構造を更に保護することができる。
【0019】
[0024]残りの開示は、開示される技術を利用する特定のエッチングプロセスを機械的に特定するが、当該システム及び方法は、説明されるチャンバ内で生じ得る堆積及び洗浄処理、並びに、維持され得るか又は実質的に維持され得る様々な露出された材料を用いて実行され得るバック・エンド・オブ・ライン空隙形成や他のエッチングを含む、他のエッチング技術に等しく適用可能であることが容易に理解されるであろう。したがって、本技術は、例示的なエッチングプロセス又はチャンバ単独との使用に限定されるとみなすべきではない。更に、本技術の基礎を提供するために例示的なチャンバが説明されているが、本技術は、説明される工程を可能にし得る、実質的にどんな半導体処理チャンバにも適用できることを理解するべきである。
【0020】
[0025]
図1は、実施形態による、堆積チャンバ、エッチングチャンバ、ベーキングチャンバ、及び硬化チャンバの処理システム100の一実施形態の上面図を示している。図において、一対の前方開口型統一ポッド(FOUP)102は、ロボットアーム104によって受け取られ、タンデムセクション109a~cに位置付けられた、基板処理チャンバ108a~fのうちの1つに配置される前に低圧保持領域106に配置される様々なサイズの基板を供給する。基板ウエハを保持領域106から基板処理チャンバ108a~fに搬送したり戻したりするために、第2のロボットアーム110が使用されてもよい。各基板処理チャンバ108a~fは、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、エッチング、予洗浄、ガス抜き、方向付け、及び他の基板処理に加えて、本明細書で説明される乾式エッチングプロセスを含む数々の基板処理工程を実施するために装備され得る。
【0021】
[0026] 基板処理チャンバ108a~fは、基板ウエハ上で誘電体膜を堆積し、アニールし、硬化し、及び/又はエッチングするための1以上のシステム構成要素を含み得る。一構成において、2対の処理チャンバ(例えば、108c~d及び108e~f)が、誘電材料を基板上に堆積するために使用されてよく、第3の対の処理チャンバ(例えば、108a~b)が、堆積された誘電体をエッチングするために使用されてよい。別の構成では、3対全てのチャンバ(例えば108a~f)が、基板上の誘電体膜をエッチングするように構成され得る。説明されるプロセスのうちの1以上の任意のものは、種々の実施形態で示している製造システムから分離された1以上のチャンバ内で実行することも、可能である。システム100によって、誘電体膜のための堆積チャンバ、エッチングチャンバ、アニールチャンバ、及び硬化チャンバという更なる構成も想定されることが、認識されよう。
【0022】
[0027]
図2Aは、処理チャンバ内部で区切られたプラズマ生成領域を有する例示的な処理チャンバシステム200の断面図を示している。膜(例えば、窒化チタン、窒化タンタル、タングステン、シリコン、ポリシリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭化ケイ素など)のエッチング中、プロセスガスは、ガス流入口アセンブリ205を通って第1のプラズマ領域215内に流れることができる。遠隔プラズマシステム(RPS)201が、任意選択的にシステム内に含まれ、第1のガスを処理することがある。その後、ガスは、ガス流入口アセンブリ205を通って移動する。注入アセンブリ205は、2つ以上の別個のガス供給チャネルを含んでよく、第2のチャネル(図示せず)が含まれている場合には、第2のチャネルはRPS201を迂回し得る。
【0023】
[0028] 冷却板203、面板217、イオンサプレッサ223、シャワーヘッド225、及び基板255が上部に配置された基板支持ペデスタル265が図示されており、各々は実施形態に従って含まれ得る。ペデスタル265は、基板の温度を制御するために熱交換流体が貫流する熱交換チャネルを有し得る。熱交換チャネルは、処理工程中に基板又はウエハを加熱及び/又は冷却するように作動し得る。ペデスタル265のウエハ支持プラッタは、アルミニウム、セラミック、又はこれらの組み合わせを含み、更に、組込型抵抗加熱素子を用いて、比較的高温(例えば、摂氏約100度以下から摂氏約1100度以上)に達するために抵抗加熱され得る。
【0024】
[0029] 面板217は、最上部が狭く、底部に向けて拡張して広くなっているピラミッド形、円錐形、又は同様の別の構造であってよい。面板217は更に、図示したように平坦で、プロセスガスを分配するために使用される複数の貫通チャネルを含んでいてよい。プラズマ生成ガス及び/又はプラズマ励起種は、RPS201の使用に応じて、
図2Bで示す面板217の複数の孔を通過し、第1のプラズマ領域215の中へより均一に供給され得る。
【0025】
[0030] 例示的な構成は、ガス/種が面板217の孔を通って、第1のプラズマ領域215へ流れ込むように、ガス流入口アセンブリ205が、面板217によって第1のプラズマ領域215から区切られたガス供給領域258の中へ開かれていることを含み得る。第1のプラズマ領域215から、供給領域258、ガス注入口アセンブリ205、及び流体供給システム210へのプラズマの大量逆流を防止するために、構造的及び動作的特徴が選択され得る。面板217(又はチャンバの導電性上部)とシャワーヘッド225は、それらの特徴の間に位置付けられた絶縁リング220を有するように示されており、それにより、シャワーヘッド225及び/又はイオンサプレッサ223に対して面板217にAC電位が印加されることが可能となる。絶縁リング220を、面板217とシャワーヘッド225及び/又はイオンサプレッサ223との間に配置することができ、それにより、第1のプラズマ領域内で容量結合プラズマ(CCP)を生成することが可能となる。更に、バッフル(図示せず)が、第1のプラズマ領域215内に位置付けられてよく、又はさもなければガス注入口アセンブリ205に連結されてよく、ガス注入口アセンブリ205を通る領域の中への流体の流れに影響を与えることができる。
【0026】
[0031] イオンサプレッサ223は、構造全体にわたって複数の開孔を画定する板又はその他の形状を含み得る。これは、非荷電中性種又はラジカル種が、イオンサプレッサ223を通過し、サプレッサとシャワーヘッドとの間の活性化されたガス供給領域内に入ることを可能にしつつ、第1のプラズマ領域215から出るイオン帯電種の移動を抑制するように構成されている。実施形態では、イオンサプレッサ223が、様々な開孔形状を有する孔開き板を備えてよい。これらの非荷電種には、開孔を通して反応性がより低いキャリアガスと共に搬送される非常に反応性の高い種が含まれ得る。上述したように、孔を通るイオン種の移動を減らすことができ、ある事例では、完全に抑えることができる。イオンサプレッサ223を通過するイオン種の量を制御することにより、有利なことに、下位のウエハ基板と接触させられる混合ガスに対する制御を向上させることができ、それにより、混合ガスの堆積特性及び/又はエッチング特性の制御を向上させることができる。例えば、混合ガスのイオン濃度における調整により、そのエッチング選択性(例えば、SiNx:SiOxエッチング比、Si:SiOxエッチング比など)を大幅に変更することができる。堆積が行われる代替的な実施形態では、誘電材料向けの共形~流動可能スタイルの堆積のバランスをシフトすることもできる。
【0027】
[0032] イオンサプレッサ223の複数の開孔は、イオンサプレッサ223を通る活性ガス(すなわち、イオン種、ラジカル種、及び/又は中性種)の通過を制御するように構成され得る。例えば、イオンサプレッサ223を通過する活性ガス内のイオン帯電種の流量を低減させるように、孔のアスペクト比(又は孔の長さに対する直径)及び/又は孔の形状寸法を制御することができる。イオンサプレッサ223内の孔は、プラズマ励起領域215に対面するテーパ部と、シャワーヘッド225に対面する円筒部とを含んでよい。円筒部は、シャワーヘッド225へと通過するイオン種の流量を制御するように形作られ寸法決定されてよい。イオンサプレッサ223を通るイオン種の流量を制御するための追加手段として、調整可能な電気的バイアスをイオンサプレッサ223に印加してもよい。
【0028】
[0033] イオンサプレッサ223は、プラズマ生成領域から基板まで移動するイオン帯電種の量を減らすか、又はなくすように機能することができる。非荷電中性種及びラジカル種は、未だ、イオンサプレッサ内の開口部を通過して、基板と反応することができる。実施形態では、基板を取り囲んだ反応領域内のイオン帯電種の完全な除去が、実行されない場合があることに留意されたい。特定の事例では、イオン種が、エッチング及び/又は堆積プロセスを実行するために、基板に到達することが意図されている。これらの事例では、イオンサプレッサが、プロセスを支援する程度に、反応領域内のイオン種の濃度を制御する助けとなり得る。
【0029】
[0034] シャワーヘッド225は、イオンサプレッサ223との組み合わせにより、第1のプラズマ領域215内に存在するプラズマが、基板処理領域233内のガスの直接励起を避けることを可能にし得るが、更に励起種がチャンバプラズマ領域215から基板処理領域233内へ移動することを可能する。このようにして、チャンバは、エッチング中の基板255にプラズマが接触することを防止するように構成され得る。これにより、有利なことに、基板上にパターニングされた様々な複雑な構造及び膜が保護される。これらの複雑な構造及び膜は、生成されたプラズマが直接接触すると、損傷、位置ずれ、又はさもなければ歪みが生じ得る。更に、プラズマが基板に接触するか、又は基板レベルに接近することが許容された場合、酸化物種がエッチングを行う速度が上昇し得る。したがって、材料の露出した領域が酸化物である場合、プラズマを基板から離れた位置に留めることにより、この材料を更に保護することができる。
【0030】
[0035] 処理システムは、処理チャンバに電気的に結合された電源240を更に含み得る。電源240は、第1のプラズマ領域215又は処理領域233でプラズマを生成するために、面板217、イオンサプレッサ223、シャワーヘッド225、及び/又はペデスタル265に電力を供給する。電源は、実行されるプロセスに応じて、チャンバに調整可能な量の電力を供給するように構成され得る。このような構成により、調整可能なプラズマが、実行されているプロセスにおいて使用されることが可能となり得る。しばしば、オン又はオフ機能が提示される遠隔プラズマユニットとは異なり、調整可能なプラズマは、特定の量の電力をプラズマ領域215に供給するように構成され得る。この結果、特定のプラズマ特性の発達を可能にすることができ、それにより、特定のやり方で前駆体を解離して、これらの前駆体によって生成されるエッチングプロファイルを強化することができる。
【0031】
[0036] プラズマは、シャワーヘッド225上方のチャンバプラズマ領域215、又はシャワーヘッド225下方の基板処理領域233において点火され得る。例えば、フッ素含有前駆体又はその他の前駆体の流入からラジカル前駆体を生成するために、プラズマがチャンバプラズマ領域215の中に存在し得る。通常は高周波(RF)範囲内のAC電圧が、面板217などの処理チャンバの導電性上部とシャワーヘッド225及び/又はイオンサプレッサ223との間に印加されてよく、堆積中にチャンバプラズマ領域215内でプラズマが点火される。RF電源は、13.56MHzの高RF周波数を発生させてよく、単独で又は13.56MHzの周波数との組み合わせで他の周波数を発生させることもできる。
【0032】
[0037]
図2Bは、面板217を介した処理ガスの分配に影響を与える特徴の詳細
図253を示している。
図2A及び
図2Bで示すように、面板217、冷却板203、及びガス流入口アセンブリ205が交差することにより、ガス供給領域258が画定される。ガス供給領域258には、ガス流入口アセンブリ205から処理ガスが供給され得る。ガスは、ガス供給領域258に充満してよく、面板217内の開孔259を通って、第1のプラズマ領域215まで流れることができる。開孔259は、流れを実質的に一方向へ導くように構成され得る。それにより、処理ガスは、処理領域233の中へ流れ得るが、面板217を横断した後で、ガス供給領域258内に逆流することは、部分的又は完全に防止され得る。
【0033】
[0038] 処理チャンバセクション200で使用されるシャワーヘッド225などのガス分配アセンブリは、デュアルチャネルシャワーヘッド(DCSH)とも称され、
図3に記載された実施形態で更に詳しく示される。デュアルチャネルシャワーヘッドは、処理領域233の外側でエッチャントの分離を可能にして、処理領域の中へ送る前に、チャンバ構成要素及び相互との限られた相互作用をもたらす、エッチングプロセスを提供することができる。
【0034】
[0039] シャワーヘッド225は、上方板214と下方板216とを含み得る。板を互いに連結させて、板間の容積218を画定することができる。板を連結することにより、上側板と下側板を通る第1の流体チャネル219と、下側板216を通る第2の流体チャネル221とを設けることができる。形成されたチャネルは、第2の流体チャネル221のみを介して、下側板216を通して容積218からの流体アクセスをもたらすように構成されてよく、第1の流体チャネル219は、(2つの)板の間の容積218と第2の流体チャネル221とから流体的に分離され得る。容積218は、ガス分配アセンブリ225の側部を通して流体的にアクセス可能であり得る。
【0035】
[0040]
図3は、実施形態による、処理チャンバで使用するためのシャワーヘッド325の底面図である。シャワーヘッド325は、
図2Aで示されたシャワーヘッド225に対応し得る。第1の流体チャネル219のビューを示す貫通孔365は、シャワーヘッド225を通る前駆体の流れを制御して、その流れに影響を与えるために、複数の形状及び構成を有し得る。第2の流体チャネル221のビューを示す小さな孔375は、シャワーヘッドの表面上に、貫通孔365の間でさえも実質的に均等に分布する。他の構成に比べて、これらの小さな孔375は、前駆体がシャワーヘッドから流出する際に、より均一な混合をもたらす助けとなり得る。
【0036】
[0041] 前述のチャンバは、エッチング方法を含む例示的な方法を実施するのに使用され得る。
図4を見ると、本技術の実施形態による方法400の例示的な工程が示されている。方法400は、方法の開始前に、フロントエンド処理、堆積、エッチング、研磨、洗浄、又は説明された動作の前に実行され得る任意の他の動作を含む1以上の動作を含み得る。この方法は、本技術による方法の幾つかの実施形態に特に関連付けられていてもよいし、又は関連付けられていなくてもよい、幾つかの任意選択的な工程を含むことができる。例えば、工程の多くは、より広い範囲の構造形成を提供するために説明されるが、本技術にとって重要ではなく、又は以下で更に説明されるように代替的な方法によって実行されてよい。方法400は、
図5A~
図5Dで概略的に示される工程を説明し、それらの図は、方法400の工程に関連して説明されることになる。
図5は、部分的な概略図のみを示し、基板は、図で示されるような態様を有する任意の数の構造セクション、並びに、本技術の工程から依然として利益を得ることができる代替的な構造態様を含むことができることを理解されたい。
【0037】
[0042] 方法400は、半導体構造を特定の製造工程に発展させるための任意選択的な工程を含み得る。
図5Aで示すように、半導体構造は、トレンチ、ビア、又は他の凹み特徴が基板501内に形成されたデバイスを表してよい。図示のように、構造500は、ケイ素若しくは他の何らかの半導体基板材料でできているか、又はそれらを含む基板501、並びに、凹み、トレンチ、ビア、又は分離構造を形成することができる層間誘電材料を含むことができる。トレンチ503は、同様に本技術によって包含されるビア又は他の凹みであってよく、基板501の側壁502と、トレンチ503内に形成又は配置された材料504と、の間に形成されたスペーサ505構造を含んでもよい。材料504は、金属材料、誘電材料、接点材料、トランジスタ材料、又は半導体処理において使用され得る任意の他の材料であってよい。
【0038】
[0043] スペーサ505は、互いに横方向に隣接して形成された幾つかの層を含むことができる。例えば、図示のように、スペーサ505は、第1の層506、第2の層508、及び第3の層510を含んでよい。スペーサ505は、様々な実施形態において任意の個数の層を含むことができるが、幾つかの実施形態では、スペーサが、少なくとも3つの材料の層を含んでよい。空隙を形成する幾つかの方法(例えば、本技術の幾つかの実施形態)では、スペーサの他の層の間に犠牲層を形成することを含んでよい。その後の除去中に、犠牲層を除去して、スペーサの維持された層の間に空隙を設けることができる。幾つかの実施形態では、スペーサ505の第2の層508が、スペーサ505の第1の層506と第3の層510との間に空隙を設けるために基板から除去される犠牲材料を示してよい。
【0039】
[0044] 図示されるような幾つかの実施形態では、スペーサ505の第1の層506及びスペーサ505の第2の層508が、第3の層510の下に、ある程度だけ延在してよい。これらの層は製造中に互いの上に形成され得るので、第3の層510などの形成される最後の層は、スペーサ505の他の層の上に載置又は配置されてよい。図示のように、スペーサ505の第2の層508は、第3の層510の下で横方向に延在するセクション509を含んでよい。同様に、第1の層506は、第2の層508及び第3の層510の下で横方向に延在するセクション507を含んでよい。幾つかの実施形態では、犠牲スペーサ材料の横方向の部分が、エッチング工程中に除去されてよい。
【0040】
[0045] 図は、本技術の幾つかの実施形態によるスペーサの概略図のみを含み、何らかの特定の縮尺で描かれておらず、代わりに、本技術によって包含される潜在的な構造の何からの特定の特徴を強調するために示されていることを理解されたい。例えば、幾つかの実施形態では、各層が横方向に同様の厚さで形成されてよく、又は任意の個々の層が任意の他の層より厚くてよい。本技術によるスペーサは、構造の任意のアスペクト比又は高さ対幅比によって特徴付けられてよいが、幾つかの実施形態では、スペーサが、より大きなアスペクト比によって特徴付けられてよく、これは、従来の技術では十分なエッチングを可能にしない場合がある。例えば、幾つかの実施形態では、本スペーサの任意の層のアスペクト比が、約10:1以上、約20:1以上、約30:1以上、約40:1以上、約50:1以上、又はそれより上であってよい。加えて、スペーサ505の各層は、約10nm以下、約8nm以下、約6nm以下、約5nm以下、約4nm以下、約3nm以下、約2nm以下、約1nm以下、又はそれより下の、2.5nmや1.5nmなどの記載された数字の何れかの端数を含む、縮小された幅によって特徴付けられてよい。
【0041】
[0046] 高アスペクト比と最小幅とのこの組み合わせは、多くの従来のエッチング工程を失敗させ得るか、又は閉じ込められた幅を通る長い垂直距離である層508のような層を除去するために実質的に長いエッチング時間を必要とし得る。従来の技術では、スペーサ層510が、化学エッチャントに曝される時間のために、そのようなプロセス中、エッチングの影響をより受け易い場合がある。例えば、第1のスペーサ層506は、第2のスペーサ層508を生成するために実行されるプロセスに起因して、より高品質又はより高密度の構造によって特徴付けられ得る。例えば、第2のスペーサ層508の生成は、例えば摂氏約50度を超える又は摂氏約100度を超える温度で行われてよく、第1のスペーサ層506の一種のアニール又は高密度化を提供し得る。同じことは、第2の層508の後に形成され得る第3のスペーサ層510には、当てはまらないことがある。したがって、犠牲層508を垂直に除去することができるが、第1のスペーサ層506及び第3のスペーサ層510の側壁は、エッチャントに曝され得る。第1のスペーサ層506の材料又は品質は、第1のスペーサ層506に対してエッチャントの選択性を高めることができるが、第3のスペーサ層510は、プロセスにおいて粗化されるか又はトリミングされることがある。エッチャントが、第3のスペーサ層510と接触する時間が長ければ長いほど、全体として又は多数のサイクルで、より多くの剥離が起こり得る。
【0042】
[0047] したがって、本技術の幾つかの実施形態は、第3のスペーサ層510を受け入れるために特有の材料及びプロセスを使用し得る。例えば、
図5Bは、第2のスペーサ層508が、第1の層508a及び第2の層508bを含む、スペーサ構造505を示している。第2のスペーサ層508の第2の層508bは、第1の層508aとは異なる材料によって特徴付けられてよく、以下で更に説明されるように、第3のスペーサ層510の上の保護層として作用することができる。第2のスペーサ層508が、多重層を含む場合、実施形態において、第2のスペーサ層508の全幅は依然として、約10nm以下、約5nm以下、又は約3nm以下であってよく、第2のスペーサ層の各層は、等しいか又は異なった量だけ全厚さに寄与する。
【0043】
[0048] 本技術によって包含される材料は、スペーサ層のそれぞれについて、シリコン含有材料などの様々な材料を含むことができる。前述したように、基板501は、シリコン若しくはポリシリコン、シリコンゲルマニウム、又は、構造が、基板の上に形成される材料を表す場合には、酸化ケイ素若しくは他の誘電材料を含む他の材料を含むことができる。図示されていないが、1以上のキャッピング材料が、基板501の露出した上面上に形成されてよく、酸化物及び/若しくは窒化物材料、又は本明細書に記載される他の材料の何れかを含んでよい。スペーサ505は、多重層によって特徴付けられてよく、それらの各層は、任意の数の材料であってよい。例えば、層の何れかは、酸化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、若しくは窒化ケイ素であってよく、又はそれらを含んでよい。幾つかの実施形態では、スペーサ505の隣接する層が、異なる材料であってよい。例えば、第2のスペーサ層508は、第1のスペーサ層506及び第3のスペーサ層510とは別の材料であってよいが、第1のスペーサ層506は、第3のスペーサ層510と同じ材料であってよい。
【0044】
[0049] 幾つかの実施形態では、第1のスペーサ層506及び第3のスペーサ層510が、炭素含有材料若しくは上記の窒化物含有材料のうちの何れかのような窒素含有材料であってよく、又はそれらを含んでよく、第2のスペーサ層508が、上記の酸素含有材料のうちの何れかのような酸素含有材料であってよく、又はそれらを含んでよい。例えば、材料の1つの考えられる組み合わせは、第1のスペーサ層506の向けの炭窒化ケイ素、第2のスペーサ層508としての酸化ケイ素、酸炭化ケイ素、又は酸炭窒化ケイ素、及び第3のスペーサ層510としての窒化ケイ素を含んでよい。
図5Bで示されるような多重犠牲層を含む実施形態では、第1の層508aが、酸化ケイ素であってよく、第2の層508bが、第1の層508aよりも酸素含有量が少ない、又は化学量論的に酸素量が少ないなどの、異なった酸素含有量によって特徴付けられる酸素含有材料であってよい。以下で説明するように、このような構成は、実施形態において、第3の層510を更なるエッチングから有利に保護することができる。
【0045】
[0050] 方法400は、実施形態において、第2のスペーサ層508、又は層508a、508bを除去するために実行されてよい。該方法は、工程405で、フッ素含有前駆体を半導体処理チャンバの基板処理領域の中に流すことを含んでよい。フッ素含有前駆体は、上述の領域215のような処理チャンバの遠隔プラズマ領域を通して流されてよいが、幾つかの実施形態では、方法400が、プラズマ放出物を利用しなくてよい。例えば、方法400は、前駆体をプラズマに曝露させずに、フッ素含有前駆体又は他のハロゲン含有前駆体を基板に流し得る。
【0046】
[0051] 工程410では、基板処理領域の中に水素含有前駆体を流してよい。水素含有前駆体及びフッ素含有前駆体は、処理領域の中に並行して流されてよく、処理チャンバの異なる又は類似する諸部分を通して流されてよい。例えば、両方の前駆体が、入口を通してチャンバへと流されてもよく、又は、フッ素含有前駆体が、第1のアクセス部を通してチャンバへと流され、水素含有前駆体が、第2のアクセス部を通してチャンバへと流されてもよい。工程415では、フッ素含有前駆体及び水素含有前駆体が、
図5で示すようなスペーサ構造を含む半導体基板に接触してよい。工程420では、酸素含有材料であってよい第2のスペーサ508の少なくとも一部分が、第1の層506及び第3の層510などのスペーサ505の更なる層を維持しながら除去されてよい。
【0047】
[0052] 本方法で使用される前駆体は、フッ素含有前駆体又はハロゲン含有前駆体を含んでよい。例示的なフッ素含有前駆体は、三フッ化窒素(NF3)であってよく、遠隔プラズマ領域の中に流されてよく、遠隔プラズマ領域は、処理領域から分離されてよいが、処理領域と流体連結してよい。三フッ化窒素と共に、又は三フッ化窒素の代わりに、フッ素の他の源が使用され得る。概して、フッ素含有前駆体を遠隔プラズマ領域の中に流してよく、フッ素含有前駆体は、原子状フッ素、二原子フッ素、三フッ化窒素、四フッ化炭素、フッ化無水水素を含むフッ化水素、二フッ化キセノン、及び半導体処理に使用されるか又は有効な様々な他のフッ素含有前駆体の群から選択される少なくとも1つの前駆体を含んでよい。前駆体は、窒素、ヘリウム、アルゴン、又はその他の希の、不活性の、若しくは有用な前駆体を含み得る、任意の数のキャリアガスを更に含み得る。プロセスにおいてプラズマが形成されてよいが、幾つかの実施形態では、フッ素含有前駆体が、基板処理領域に送達される前にプラズマ増強又はラジカル化されなくてよく、幾つかの実施形態では、例示的なプロセス中にプラズマが形成されなくてもよい。
【0048】
[0053] 水素含有前駆体は、水素、炭化水素、水蒸気、アルコール、過酸化水素、又は当業者によって理解され得るような水素を含むことができる他の材料を含んでよい。キャリアガス又は不活性材料などの追加の前駆体が、同様に二次前駆体と共に含まれ得る。幾つかの実施形態では、水蒸気などの水素含有前駆体が、遠隔プラズマ領域内で形成され得るプラズマから流体的に隔離されて維持されてよい。幾つかの実施形態では、犠牲層を取り囲むスペーサ層などの炭素含有又は窒素含有材料を保護するのを助けるために、エッチング方法中にプラズマを形成しなくてよい。プラズマ処理の選択性は上述した高アスペクト比で比較的薄い材料幅のため、窒化物材料よりも速く酸化物材料をエッチングすることができるが、水蒸気を含むエッチャントに第3のスペーサ層510の側壁を曝すと、除去中に薄くなる可能性があり、第3のスペーサ層の十分な厚さを維持できない可能性がある。実施形態では、プラズマ処理領域が、除去工程中、プラズマフリーで維持され得る。プラズマフリーとは、上述のように遠隔で生成されたプラズマ放出物が工程中に使用され得るにも関わらず、工程中、プラズマが、処理領域内で活性的に形成され得ないことを意味する。
【0049】
[0054] 水蒸気及びハロゲン含有前駆体(フッ素含有前駆体又は他のハロゲンであってよい)との反応プロセスは、フッ素含有材料を解離させてエッチャントを生成してよい。酸化ケイ素又は他の酸素含有材料は、水素などの陽子を受け取ることができ、次いで、この材料は、エッチャントによってエッチングされて、揮発性成分及び他の反応副生成物を生成することができる。更に、幾つかの従来技法は、連続エッチングの前に除去される固体副生成物を生成するプロセスを実行し得る。連続エッチングは、エッチング、及び後続の副生成物除去のサイクルにおいて実行され得る。そのようなプロセスは、高アスペクト比の特徴のためにより多くの時間を要する場合があり、そのため、エッチングプロセスを完了するために多くのサイクルを必要とする場合がある。本技術は、これらの不足によって悩まされることはない。なぜなら、固体副生成物は形成され得ず、エッチングは、酸化物材料との接触の後に開始し得るからである。例えば、水蒸気であり得る水素含有前駆体は基板の表面上で凝縮してよく、フッ素含有前駆体と相互作用してよく、インキュベーションなしで解離してエッチングを開始してよい。したがって、エッチング工程は、幾つかの実施形態では単一サイクルで行われてよいが、複数サイクルのエッチングが行われてもよい。更に、プロセスは、第2のスペーサ層508を、約30分以下、約25分以下、約20分以下、約15分以下、約10分以下、約5分以下、又はそれより短い時間で完全に除去してよい。
【0050】
[0055]
図5Cを参照すると、第3のスペーサ層510の縮小を制限するために、第2のスペーサ層508が部分的に除去されている実施形態が示されている。第2のスペーサ508の第2の層508bが、第1の層508aと比較して、更なる炭素又は窒素含有量、又はより低い酸素含有量を含むときに、第2の層508bは、第1の層508aよりも低いエッチング速度によって特徴付けられてよい。したがって、第1の層508aは、50%未満の除去、約60%以下の除去、約70%以下の除去、約80%以下の除去、又は約90%以下の除去などの、第2の層508bの大規模な除去の前に、又は第3のスペーサ層510の側壁の完全な露出の前に、実質的に又は完全に除去されてよい。第2の層508bは、エッチングがトップダウンアプローチからのみ行われるべきであった場合、比較的遅いエッチング速度によって特徴付けられてよく、そのようなシナリオは、第3のスペーサ層510を、層を損傷するのに十分な期間だけエッチャントに曝し得る。しかし、第1のスペーサ層506と第2の層508bとの間に間隙を形成することによって、エッチャントは、ボイドを充填し、第2の層508bを完全に露出させてよい。更に、エッチングすることは部分的に、実質的に、又は本質的に横方向に実行され得るので、エッチングする距離は、約5nm以下であってよく、これは第2の層508bを除去するための期間を大幅に短縮し得る。
【0051】
[0056] 次いで、第2の層508bは、
図5Dで示されるように、第3のスペーサ層510及び第1のスペーサ層506を実質的に又は本質的に維持しながら、完全に除去され得る。スペーサ505の各層を形成する材料に応じて、スペーサ層510の頂部で部分的な丸みが生じることがあるが、スペーサ層510の最小限の除去が生じてよく、層は初期形成量から50%を超えて維持されてよい。幾つかの実施形態では、第3のスペーサ層510が、初期形成量から60%を超えて維持され、初期形成量から70%を超えて維持され、初期形成量から80%を超えて維持され、初期形成量から90%を超えて維持され、初期形成量から95%を超えて維持され、初期形成量から97%を超えて維持され、初期形成量から99%を超えて維持され、又はそれより上であってもよい。この技術によって形成された空隙は、第1スペーサ層506と第3スペーサ層510との間の垂直方向の長さ、又は向きに応じて水平方向の長さ、及び第3スペーサ層510の下の完全に横方向の距離を延長してもよい。
【0052】
[0057] 本技術にしたがって、プロセス条件はまた、方法400で、また他の除去方法で実行される工程に影響を及ぼし得る。方法400の各工程は、諸実施形態では、一定の温度で実行されてよく、幾つかの実施形態では、温度は種々の工程の間に調節されてよい。例えば、方法400中の、基板、ペデスタル、又はチャンバの温度は、諸実施形態では、摂氏約50度以下に維持されてよい。更に、基板温度は、摂氏約45度以下、摂氏約40度以下、摂氏約35度以下、摂氏約30度以下、摂氏約25度以下、摂氏約20度以下、摂氏約15度以下、摂氏約10度以下、摂氏約5度以下、摂氏約0度以下、摂氏約-5度以下、又はそれより低く維持されてよい。温度は、これらの範囲内、これらの範囲内に含まれるより狭い範囲内、又はこれらの何れかの範囲の間の任意の温度で更に維持されてもよい。
【0053】
[0058] チャンバ内の圧力がまた、実行される工程に影響を及ぼすことがあり、実施形態によっては、チャンバ圧力は、約50Torr以下、約40Torr以下、約30Torr以下、約25Torr以下、約20Torr以下、約15Torr以下、約10Torr以下、約5Torr以下、約1Torr以下、又はそれより下になってよい。圧力は、これらの範囲内、これらの範囲内に含まれるより狭い範囲内、又はこれらの何れかの範囲の間の任意の圧力で更に維持されてもよい。約30Torr未満の圧力で工程を実行することにより、炭素含有又は窒素含有材料に対してプロセスの選択性を広げることができる。
【0054】
[0059] また、圧力は、エッチング又は除去工程中、特定の相対湿度を維持するために利用されてもよい。幾つかの実施形態では、処理チャンバ内の相対湿度が、全エッチング工程中、約75%未満に維持されてよく、これは酸素含有材料の改善された除去を促進し得る。他の実施形態では、相対湿度が、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、又はそれより下に維持されてよい。相対湿度はまた、これらの数値の任意の間、或いはこれらの範囲内に含まれる任意のより小さな値の範囲内にあってもよい。
【0055】
[0060] 1以上の前駆体の流量もまた、他の処理条件の何れかによって調節され得る。例えば、除去工程中、フッ素含有前駆体の流量を、減少、維持、又は増加させることができる。方法400の何れかの工程では、フッ素含有前駆体の流量が、約5sccmから約1,000sccmの間になってよい。更に、フッ素含有前駆体の流量は、少なくとも若しくは約10sccm、少なくとも若しくは約25sccm、少なくとも若しくは約50sccm、少なくとも若しくは約100sccm、少なくとも若しくは約150sccm、少なくとも若しくは約200sccm、少なくとも若しくは約250sccm、少なくとも若しくは約300sccm、少なくとも若しくは約400ssccm、少なくとも若しくは約500sccm、少なくとも若しくは約700sccm、少なくとも若しくは約900sccm、又はそれより上であってもよい。流量は、これらの上述の何れかの流量の間、又はこれらの任意の数値に含まれるより小さな範囲内であってもよい。
【0056】
[0061] 任意の数の水素含有前駆体であってよい水素含有前駆体は、使用される前駆体に応じて、これらの流量の何れかで流すことができる。例えば、水蒸気が利用される実施形態では、蒸気が、少なくとも又は約0.1g/分の速度で導入されてよい。水蒸気はまた、少なくとも若しくは約0.2g/分、少なくとも若しくは約0.3g/分、少なくとも若しくは約0.4g/分、少なくとも若しくは約0.5g/分、少なくとも若しくは約0.6g/分、少なくとも若しくは約0.7g/分、少なくとも若しくは約0.8g/分、少なくとも若しくは約0.9g/分、少なくとも若しくは約1g/分、少なくとも若しくは約1.5g/分、又はそれより上の速度で導入されてよいが、蒸気は、構成要素及び基板に対する凝縮を低減させ又は制限するために、約5g/分未満又は約1g/分以下で導入されてよい。水蒸気はまた、これらの記載された流量の何れかの間の流量で、又はこれらの数の何れかによって包含されるよりも小さい範囲内で導入されてもよい。
【0057】
[0062] 本技術は、酸化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、又は他の酸素含有材料を他の材料に対して選択的にエッチングすることができ、他の種類の酸化ケイ素に対して幾つかの種類の酸化ケイ素を選択的にエッチングすることができる。例えば、本技術は、少なくとも約10:1の比率で、堆積された酸化ケイ素を熱酸化物に対してエッチングすることができ、少なくとも約15:1、少なくとも約20:1、少なくとも約50:1、少なくとも約100:1、又はそれを越える比率で、堆積された酸化物を熱酸化物に対してエッチングすることができる。堆積された酸化物は、スピンオン誘電体を含んでよく、又は、堆積技法は、CVD、PECCD、及びその他の堆積技法を含む。本技術はまた、任意の比率の炭素及び窒素、又は酸炭窒化ケイ素を有する、窒化ケイ素、炭窒化ケイ素膜に対して、酸素含有材料の何れかを、少なくとも約20:1、少なくとも約25:1、少なくとも約30:1、少なくとも約50:1、少なくとも約100:1、少なくとも約150:1、少なくとも約200:1、少なくとも約250:1、少なくとも約300:1、少なくとも約350:1、少なくとも約400:1、少なくとも約450:1、少なくとも約500:1、又はそれより上の速度でエッチングしてもよい。
【0058】
[0063] 前述の方法は高アスペクト比の特徴であり得る炭素含有及び/又は窒素含有特徴の限界寸法を維持しながら、また金属及び酸化物含有材料、並びに他のシリコン含有材料を含む他の材料を維持しながら、炭素含有及び/又は窒素含有材料の2つの層の間に間隙を形成するために、基板から酸化物材料を除去することを可能にし得る本方法及び工程を利用することにより、初期露出の比較的薄い幅を有する高アスペクト比の特徴は、湿式エッチングとは異なり、パターン崩壊を起こさず、また、幾つかの従来の乾式エッチングとは異なり、露出したスペーサ層を除去しないか、又は実質的に維持しながらエッチングすることができる。
【0059】
[0064] 上記の記載では、説明を目的として、本技術の様々な実施形態の理解を促すために、数々の詳細が提示されている。しかし、当業者には、これらの詳細のうちの一部がなくても、或いは、追加の詳細があれば、特定の実施形態を実施することができることは明らかであろう。
【0060】
[0065] 幾つかの実施形態を開示したが、当業者は、実施形態の精神から逸脱することなく、様々な修正例、代替構造物、及び均等物を使用できることを認識されよう。更に、幾つかの周知の処理及び要素は、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきでない。更に、方法又は処理は、連続的又は段階的に説明され得るが、工程は、同時に行われてもよく、又は、記載よりも異なる順序で行われてもよいことを理解するべきである。
【0061】
[0066] 値の範囲が提供されている場合、文脈上そうでないと明示されていない限り、当然ながら、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値は、下限値の最も小さい単位まで具体的に開示されている。記載された範囲の任意の記載値又は記載されていない介在値の間の任意の小さい範囲、そしてその記載範囲のその他の任意の記載された値又は介在する値も含まれる。これら小さい範囲の上限及び下限は、その範囲に個々に含まれ、又はその範囲から除外される場合があり、小さい範囲に限界値の何れかが含まれる、どちらも含まれない、又は両方が含まれる各範囲もまた、記載された範囲における明確に除外される任意の限界値を条件として、この技術範囲に包含される。記載された範囲に一方又は両方の限界値が含まれる場合、これらの含有限界値の何れか又は両方を除外する範囲もまた含まれる。
【0062】
[0067] 本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他のことを明らかに示していない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「ある前駆体(a precursor)」への言及は、複数のこのような前駆体を含み、「その層(the layer)」への言及は、当業者に知られている1つ又は複数の層及びその均等物への言及を含み、その他の形にも同様のことが当てはまる。
【0063】
[0068] また、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、記載された特徴、整数、構成要素、又はステップの存在を特定することを意図しているが、一又は複数のその他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又はグループの存在又は追加を除外するものではない。