(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、サーバシステム、ゲームシステム、プログラムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20231213BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231213BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20231213BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231213BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/792
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019060529
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 良彦
【審査官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-205048(JP,A)
【文献】特開2013-111399(JP,A)
【文献】特開2015-173777(JP,A)
【文献】特開2013-215410(JP,A)
【文献】特開2016-135209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
A63F 9/24
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段と、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段と、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段と、
前記キープ対象の指定可能数を前記ユーザのプレイ状況に基づいて制御する指定可能数制御手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項2】
前記抽選実行手段は、第1の種類の抽選と、第2の種類の抽選とを実行可能であり、
前記指定可能数制御手段は、前記第1の種類の抽選に係る前記指定可能数と、前記第2の種類の抽選に係る前記指定可能数とを異なる数とする、
請求項
1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記指定可能数制御手段は、前記ユーザの課金状況に基づいて前記指定可能数を制御する、
請求項
1又は
2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記指定可能数制御手段は、前記ユーザによる所与の対価と引き換えに、前記指定可能数を増やす制御を行う、
請求項
1~
3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段と、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段と、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段と、
前記キープ対象としてどのようなオブジェクトが指定可能かを示す指定可能要件を設定する指定可能要件設定手段と、
を備え
、
前記キープ対象指定制御手段は、前記選出オブジェクトが前記指定可能要件を満たすオブジェクトでなければ前記キープ対象への指定を不可とし、前記指定可能要件を満たすオブジェクトであれば前記キープ対象への指定を可として制御し、
前記指定可能要件設定手段は、前記ユーザによる所与の対価と引き換えに前記指定可能要件を可変に設定する、
コンピュータシステム。
【請求項6】
前記抽選によって選出され得るオブジェクトにはレアリティがあり、
前記指定可能要件設定手段は、前記キープ対象として指定可能なオブジェクトの指定許容レアリティを前記指定可能要件として設定する、
請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段と、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段と、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段と、
を備え
、
前記抽選実行手段は、(1)前記キープ対象指定制御手段による前記キープ対象の前記更新の回数、(2)前記キープ対象として指定されているオブジェクトに設定されているレアリティ、(3)前記キープ対象としての指定時間長、の何れかに基づいて、抽選確率を可変に制御する、
コンピュータシステム。
【請求項8】
前記終了条件を変更する終了条件変更手段、
を更に備えた請求項1~
7の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記終了条件には、少なくとも期限が含まれ、
前記ユーザに前記期限の到来が接近したことを示す期限到来接近報知を行う期限到来接近報知制御手段、
を更に備えた請求項1~
8の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段と、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段と、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段と、
を備え
、
前記終了条件には、少なくとも期限が含まれ、
前記付与手段によって付与されるオブジェクトが前記キープ対象とされたタイミングに基づいて前記ユーザに所与の特典を付与するか否かを制御する特典付与制御手段、
を更に備えたコンピュータシステム。
【請求項11】
前記ユーザのユーザ端末と通信接続される請求項1~
10の何れか一項に記載のコンピュータシステムであるサーバシステム。
【請求項12】
前記ユーザ端末と、
請求項
11に記載のサーバシステムと、
を具備したゲームシステム。
【請求項13】
コンピュータを、
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段、
前記キープ対象の指定可能数を前記ユーザのプレイ状況に基づいて制御する指定可能数制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段、
前記キープ対象としてどのようなオブジェクトが指定可能かを示す指定可能要件を設定する指定可能要件設定手段と、
として機能させ
、
前記キープ対象指定制御手段は、前記選出オブジェクトが前記指定可能要件を満たすオブジェクトでなければ前記キープ対象への指定を不可とし、前記指定可能要件を満たすオブジェクトであれば前記キープ対象への指定を可として制御し、
前記指定可能要件設定手段は、前記ユーザによる所与の対価と引き換えに前記指定可能要件を可変に設定する、
プログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段、
として機能させ
、
前記抽選実行手段は、(1)前記キープ対象指定制御手段による前記キープ対象の前記更新の回数、(2)前記キープ対象として指定されているオブジェクトに設定されているレアリティ、(3)前記キープ対象としての指定時間長、の何れかに基づいて、抽選確率を可変に制御する、
プログラム。
【請求項16】
コンピュータを、
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段、
として機能させ
、
前記終了条件には、少なくとも期限が含まれ、
前記付与手段によって付与されるオブジェクトが前記キープ対象とされたタイミングに基づいて前記ユーザに所与の特典を付与するか否かを制御する特典付与制御手段、
として更に機能させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータシステムが、
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行ステップと、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を含むキープ対象指定制御ステップであって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御ステップと、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与ステップと、
前記キープ対象の指定可能数を前記ユーザのプレイ状況に基づいて制御する指定可能数制御ステップと、
を実行する制御方法。
【請求項18】
コンピュータシステムが、
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行ステップと、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を含むキープ対象指定制御ステップであって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御ステップと、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与ステップと、
前記キープ対象としてどのようなオブジェクトが指定可能かを示す指定可能要件を設定する指定可能要件設定ステップと、
を実行し、
前記キープ対象指定制御ステップは、前記選出オブジェクトが前記指定可能要件を満たすオブジェクトでなければ前記キープ対象への指定を不可とし、前記指定可能要件を満たすオブジェクトであれば前記キープ対象への指定を可として制御することを含み、
前記指定可能要件設定ステップは、前記ユーザによる所与の対価と引き換えに前記指定可能要件を可変に設定することを含む、
制御方法。
【請求項19】
コンピュータシステムが、
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行ステップと、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を含むキープ対象指定制御ステップであって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御ステップと、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与ステップと、
を実行し、
前記抽選実行ステップは、(1)前記キープ対象指定制御
ステップにおける前記キープ対象の前記更新の回数、(2)前記キープ対象として指定されているオブジェクトに設定されているレアリティ、(3)前記キープ対象としての指定時間長、の何れかに基づいて、抽選確率を可変に制御することを含む、
制御方法。
【請求項20】
コンピュータシステムが、
所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行ステップと、
前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を含むキープ対象指定制御ステップであって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御ステップと、
前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与ステップと、
を実行し、
前記終了条件には、少なくとも期限が含まれ、
前記付与ステップで付与されるオブジェクトが前記キープ対象とされたタイミングに基づいて前記ユーザに所与の特典を付与するか否かを制御する特典付与制御ステップ、
を更に実行する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの仕様として、ゲームで使用できるキャラクタや武器、アイテム等のオブジェクトの抽選権を販売し、抽選(ガシャ等とも呼ばれる)で選出したオブジェクトをユーザ(プレーヤ)に付与する仕様がある。また、その中には、引き直し(再抽選)を可能とした技術も知られている。例えば、特許文献1には、ユーザに付与するオブジェクトを連続的な抽選によって選出されたオブジェクトの中から決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術における「連続的な抽選」は、抽選の結果選出されたオブジェクトを受け取って終了とするのか、或いは受け取らずに再度抽選を行うのかをユーザが選択し、後者の場合に新たな抽選を行うというものである。つまり、ユーザは、いったん受け取らない選択をしたオブジェクトを後から受け取ることはできない。そのため、受け取るか否かの判断に迷った挙句に再抽選を選んだものの、以降の抽選で結局望むオブジェクトや好みのオブジェクトが選出されなかった場合に、不満感が残る問題があった。かといって、選出された全てのオブジェクトから受け取るオブジェクトを自由に選べるのでは面白味に欠ける。
本発明が解決しようとする課題は、抽選の繰り返しに関して新たな興趣を与え得る技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための第1の発明は、所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段(例えば、
図9の抽選実行部233)と、前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段(例えば、
図9のキープ対象指定制御部239)と、前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段(例えば、
図9の抽選結果付与部245)と、を備えたコンピュータシステム(例えば、
図1のサーバシステム,
図1のユーザ端末1500)である。
【0006】
第1の発明によれば、抽選の結果選出されたオブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定しながら、抽選を繰り返し実行することができる。選出オブジェクトをキープ対象として指定するに当たっては、既に選出オブジェクトが指定されている場合には、それに代わる新たなキープ対象として更新することができる。これによれば、ユーザは、指定可能数の範囲内でキープ対象を指定・更新して選出オブジェクトを取捨選択しながら抽選を繰り返し、最終的にキープ対象として残った選出オブジェクトを受け取ることができる。従来は、選出オブジェクトを受け取らない選択をしなければ次の抽選を行えなかった。ユーザは従来では得られなかった満足感を得ることができるようになり、より抽選を楽しむことが可能な新たな興趣のある抽選の仕組みを提供できる。
【0007】
また、第2の発明として、前記キープ対象の指定可能数を制御する指定可能数制御手段(例えば、
図9のキープ枠設定変更部235)、を更に備えた第1の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0008】
第2の発明によれば、キープ対象の指定可能数を増減させることができる。
【0009】
また、第3の発明として、前記抽選実行手段は、第1の種類の抽選と、第2の種類の抽選とを実行可能であり、前記指定可能数制御手段は、前記第1の種類の抽選に係る前記指定可能数と、前記第2の種類の抽選に係る前記指定可能数とを異なる数とする、第2の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0010】
第3の発明によれば、キープ対象の指定可能数を、実行する抽選の種類に応じて変えることができる。
【0011】
また、第4の発明として、前記指定可能数制御手段は、前記ユーザの課金状況に基づいて前記指定可能数を制御する、第2又は第3の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0012】
第4の発明によれば、例えば、抽選指示を行うユーザが多く課金しているほど、キープ指定可能数を増やすといったことが可能となる。
【0013】
また、第5の発明として、前記指定可能数制御手段は、前記ユーザのプレイ状況に基づいて前記指定可能数を制御する、第2~第4の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0014】
第5の発明によれば、例えば、抽選指示を行うユーザがゲームをたくさんプレイしているほど、キープ指定可能数を増やすといったことが可能となる。
【0015】
また、第6の発明として、前記指定可能数制御手段は、前記ユーザによる所与の対価と引き換えに、前記指定可能数を増やす制御を行う、第2~第5の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0016】
第6の発明によれば、対価を消費することで、キープ指定可能数を増やすことができる。
【0017】
また、第7の発明として、前記キープ対象として指定可能なオブジェクトの要件である指定可能要件を設定する指定可能要件設定手段(例えば、
図9のキープ枠設定変更部235)、を更に備え、前記キープ対象指定制御手段は、前記選出オブジェクトが前記指定可能要件を満たすか否かに基づいて、前記キープ対象への指定可否を制御する、第1~第6の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0018】
第7の発明によれば、指定可能要件を満たすオブジェクトを、キープ対象として指定することができる。
【0019】
また、第8の発明として、前記抽選によって選出され得るオブジェクトにはレアリティがあり、前記指定可能要件設定手段は、前記キープ対象として指定可能なオブジェクトの指定許容レアリティを前記指定可能要件として設定する、第7の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0020】
第8の発明によれば、選出オブジェクトのレアリティが許容レアリティとして設定された指定可能要件を満たす場合に、当該選出オブジェクトをキープ対象として指定することができる。
【0021】
また、第9の発明として、前記指定可能要件設定手段は、前記ユーザによる所与の対価と引き換えに前記指定可能要件を設定する、第7又は第8の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0022】
第9の発明によれば、対価を消費することで、例えば、当初の指定可能要件を緩和するといった設定が可能となる。
【0023】
また、第10の発明として、前記抽選実行手段は、前記キープ対象指定制御手段による前記キープ対象の前記更新の回数に基づいて、抽選確率を可変に制御する、第1~第9の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0024】
第10の発明によれば、例えば、既に指定されているキープ対象を更新した回数が多いほど次回以降の抽選の抽選確率を高くするとか、逆に低くするといった制御が可能となる。
【0025】
また、第11の発明として、前記終了条件を変更する終了条件変更手段(例えば、
図9の終了条件設定部237)、を更に備えた第1~第10の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0026】
第11の発明によれば、繰り返し実行する抽選の終了条件を変更することができる。
【0027】
また、第12の発明として、前記終了条件には、少なくとも期限が含まれ、前記ユーザに前記期限の到来が接近したことを示す期限到来接近報知を行う期限到来接近報知制御手段(例えば、
図9の期限到来接近報知部244)、を更に備えた第1~第11の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0028】
第12の発明によれば、繰り返し実行する抽選の終了条件を所定の期限が到来したこととして当該抽選の実行を終了する場合に、ユーザに対して、その期限の到来が接近したことを報知することができる。
【0029】
また、第13の発明として、前記終了条件には、少なくとも期限が含まれ、前記付与手段によって付与されるオブジェクトが前記キープ対象とされたタイミングに基づいて前記ユーザに所与の特典を付与するか否かを制御する特典付与制御手段(例えば、
図9の特典付与部247)、を更に備えた第1~第12の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0030】
第13の発明によれば、繰り返し実行する抽選の終了条件を所定の期限が到来したこととして当該抽選の実行を終了する場合に、付与されるオブジェクトがキープ対象とされたタイミングに応じてユーザに特典を付与することができる。
【0031】
また、第14の発明として、前記ユーザのユーザ端末と通信接続される第1~第13の何れかの発明のコンピュータシステムであるサーバシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)を構成してもよい。
【0032】
第14の発明によれば、第1~第13の何れかの発明と同様の効果を奏するサーバシステムを実現できる。
【0033】
また、第15の発明として、前記ユーザ端末(例えば、
図1のユーザ端末1500)と、第14の発明のサーバシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)と、
を具備したゲームシステム(例えば、
図1のゲームシステム1000)を構成してもよい。
【0034】
第15の発明によれば、第1~第13の発明と同様の効果を奏するゲームシステムを実現できる。
【0035】
また、第16の発明として、コンピュータを、所与の終了条件を満たすまでユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく抽選実行手段、前記抽選がなされる毎に選出された選出オブジェクトを前記ユーザに提示することと、前記ユーザの選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを指定可能数が限られたキープ対象として指定することと、を行うキープ対象指定制御手段であって、キープ対象が既に指定されている場合には、既に指定されているキープ対象に代えて、前記選択指定操作に基づいて選択された前記選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新するキープ対象指定制御手段、前記終了条件を満たした場合に、前記キープ対象として指定されているオブジェクトを前記ユーザに付与する付与手段、として機能させるためのプログラム(例えば、
図16のゲームプログラム504)を構成してもよい。
【0036】
第16の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図3】定額引き放題ガシャの大まかな流れを示すフローチャート。
【
図6】キープ枠設定データのデータ構成例を示す図。
【
図7】キープ指示操作状況のデータ構成例を示す図。
【
図9】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図10】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
【
図11】キープ枠定義データのデータ構成例を示す図。
【
図13】キープ対象指定状況のデータ構成例を示す図。
【
図14】ユーザ端末の機能構成例を示すブロック図。
【
図15】サーバシステムにおける処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図16】変形例1におけるユーザ端末の機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0039】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1000は、コンピュータシステムであるサーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ2であるユーザが所持するユーザ端末1500とを含み、これらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。
【0040】
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0041】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0042】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、ユーザ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。ユーザであるプレーヤ2は、自身のユーザ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウントによりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
【0043】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、ゲーム内通貨であるゲームコインの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してゲームコインの購入額をプレーヤ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額相当のゲームコインをプレーヤ2に付与する。
【0044】
なお、サーバシステム1100は、
図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0045】
ユーザ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワークNに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このユーザ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0046】
図2は、ユーザ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図2に示すように、ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0047】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0048】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてユーザ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0049】
[概要]
本実施形態のゲームでは、プレーヤは、抽選ユーザとして、ゲームで使用可能なオブジェクト(以下、「ゲームオブジェクト」ともいう)の抽選(ガシャ)を行うことができる。より詳細には、本実施形態のゲームでは、ガシャメニューとして「定額引き放題ガシャ」が用意され、所与の対価と引き換えに、所定の引き放題期間(例えば24時間等)の間、回数無制限で繰り返し抽選を実行することができる。
【0050】
ここで、抽選の結果付与され得るゲームオブジェクトには、例えば、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタ、プレーヤキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、弾、薬等の各種アイテム、プレーヤキャラクタの乗り物、召喚獣、魔法やスキル等のプレーヤキャラクタに付加できる追加能力、新しいゲームステージやマップの開放、抽選権等が含まれる。本実施形態では、キャラクタ、武器、およびアイテムの各カテゴリに分類可能な複数のゲームオブジェクトが、別個に抽選対象とされる。すなわち、本実施形態では、キャラクタを抽選対象とするキャラクタ抽選、武器や防具を抽選対象とする武器抽選、およびその他の各種アイテムを抽選対象とするアイテム抽選の3種類の中から、実行する抽選種類を選択できる。
【0051】
また、抽選対象とするゲームオブジェクト(本実施形態ではキャラクタ、武器、およびアイテムの各カテゴリに分類されるゲームオブジェクト)には、予めレアリティが設定される。レアリティは、例えば、高い方から順に「スーパーレア」「レア」「ノーマル」とされる。勿論、レアリティの段階は4段階以上であってもよいし、2段階であっても構わない。また、抽選対象のゲームオブジェクトのうち、レアリティが「スーパーレア」および「レア」である各レアオブジェクトについて、予め通常抽選確率が設定される。通常抽選確率は、例えばそのレアリティに応じた値とされ、レアリティが高いゲームオブジェクトほど抽選確率は低く、当選し難くなる。例えば、「スーパーレア」についての通常抽選確率は0.1%、「レア」についての通常抽選確率は0.4%、といった具合である。
【0052】
そして、定額引き放題ガシャでは、引き放題期間中の各抽選で選出されたゲームオブジェクト(選出オブジェクト)のうち、キープ対象として指定された選出オブジェクトが抽選ユーザに付与される。そのため、引き放題期間中、抽選ユーザは、選出オブジェクトを適宜キープ対象(付与対象の候補)とする選択指定操作であるキープ指示操作をしながら、抽選指示を繰り返し行う。キープ指示操作に基づきキープ対象として指定された選出オブジェクトは、定額引き放題ガシャの終了時に付与対象として確定され、抽選ユーザに付与される。
【0053】
図3は、定額引き放題ガシャの大まかな流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、定額引き放題ガシャでは先ず、抽選種類選択操作を受け付けて、キャラクタ抽選、武器抽選、およびアイテム抽選の3種類の抽選の中から実行する抽選種類(抽選対象とするゲームオブジェクトのカテゴリ)を選択する(ステップS1)。そして、対価として所定額分のゲームコインを徴収した上で引き放題期間の計時を開始し、定額引き放題ガシャを開始する(ステップS2)。なお、徴収する対価は、ゲームコインに限らず実通貨であってもよい。
【0054】
続いて、抽選実行操作を受け付ける。そして、抽選実行操作がなされた場合には(ステップS3:YES)、ステップS1で選択されたカテゴリのゲームオブジェクトを抽選対象としてその抽選種類の抽選を実行し、選出オブジェクトを選出する(ステップS4)。具体的には、前述のようにレアオブジェクトについて予め設定された通常抽選確率を適宜調整して用いて抽選を実行し、当選したレアオブジェクトを選出する。一方、レアオブジェクトの非当選時は、レアリティが「ノーマル」である非レアオブジェクトの中から1つを選出する。
【0055】
抽選を実行したならば、選出オブジェクトを提示し、それをキープ対象とするためのキープ指示操作を受け付ける(ステップS5)。その後、定額引き放題ガシャの終了判定を行い、終了するまでの間は(ステップS6:NO)、ステップS3に戻って上記した処理を繰り返す。基本的には、定額引き放題ガシャは、引き放題期間が経過した時点を期限として終了する。これにより、定額引き放題ガシャでは、その終了までの間抽選ユーザの抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行して、選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく。そして、定額引き放題ガシャを終了する場合には(ステップS6:YES)、その時点でキープ対象として指定されているゲームオブジェクトを、抽選ユーザに付与する(ステップS7)。
【0056】
[詳細]
本実施形態では、サーバシステム1100は、
図3の手順で抽選が繰り返される定額引き放題ガシャの開始に先立ち、キープ枠初期設定処理と、終了条件設定処理とを行う。また、定額引き放題ガシャの実行中は、キープ対象指定制御処理と、キープ枠設定変更処理と、抽選確率変更処理と、終了判定処理とを行う。そして、定額引き放題ガシャを終了した後、特典付与処理を行う。
【0057】
1.キープ枠
先ず、キープ枠について説明する。
図4は、キャラクタ抽選に係るキープ枠Kを示す図であり、
図5は、武器抽選に係るキープ枠Kを示す図である。本実施形態では、定額引き放題ガシャを開始すると、そのガシャ画面(
図8を参照)において、選出オブジェクトをキープしておくことができる複数のキープ枠Kを表示する。抽選ユーザは、抽選の結果選出された選出オブジェクトをキープしておくときには、それをセットするキープ枠Kを指定する操作をキープ指示操作として行う。そして、サーバシステム1100は、抽選ユーザのユーザ端末(以下、「抽選者端末」ともいう)1500でなされたキープ指示操作を検出すると、選出オブジェクトを指定されたキープ枠Kにセットして、キープ対象として指定する。
【0058】
キープ枠Kの数は、抽選種類毎に予め設定される。例えば、
図4に示すように、キャラクタ抽選に係るキープ枠Kの数は5個とされ、
図5に示すように、武器抽選に係るキープ枠Kの数は3個とされる。
【0059】
また、各キープ枠Kには、予め、アクティブ要件と指定可能要件とがそれぞれ個別に設定される。アクティブ要件は、そのキープ枠Kに対する抽選ユーザのキープ指示操作を許可するか否かを規定する。例えば、
図4の例では、キープ枠K-1のアクティブ要件は「全プレーヤ」とされている。よって、抽選ユーザは、誰であっても制限なく、キープ枠K-1に対するキープ指示操作を行うことができる。
【0060】
これに対し、キープ枠K-2~キープ枠K-5のアクティブ要件は、そこに選出オブジェクトをセットできる抽選ユーザを制限する内容とされている。具体的には、アクティブ要件は、抽選ユーザの課金状況やプレイ状況、当該抽選ユーザによるキープ枠の購入状況等に基づく要件とすることができる。
【0061】
ここで、課金状況には、抽選ユーザの課金総額、直近の課金日時、直近の所定期間(例えば過去1ヶ月間)における課金総額、課金頻度等が含まれる。一方、プレイ状況には、抽選ユーザの総プレイ時間、プレイ日数、ログイン回数、ログイン頻度、プレーヤのレベル(プレーヤレベル)、到達ステージ(クリアしたゲームステージ)等のゲームの進行状況等が含まれる。
【0062】
例えば、キープ枠K-2のアクティブ要件は、プレイ日数を規定している。よって、抽選ユーザは、プレイ日数が規定日数を超えていれば、キープ枠K-2に対するキープ指示操作を行うことができる。また、キープ枠K-3のアクティブ要件は、課金総額を規定している。よって、抽選ユーザは、課金総額が規定額を超えていれば、キープ枠K-3に対するキープ指示操作を行うことができる。
【0063】
一方、キープ枠K-4,5のアクティブ要件は、対価(例えばゲームコイン)の徴収額を規定している。よって、抽選ユーザは、規定額のゲームコインの消費と引き換えに、キープ枠K-4,5に対するキープ指示操作を行うことができる。このようにアクティブ要件としてゲームコインの消費を要求しているキープ枠については、定額引き放題ガシャの実行中、所定の購入操作を受け付ける(例えば
図8の購入ボタンB31)。そして、抽選ユーザが当該購入操作を行って規定額のゲームコインを消費すると、当該キープ枠Kの状態が、キープ指示操作不可の状態(指定不可状態)からキープ指示操作可能な状態(指定可能状態)に変更される。
【0064】
指定可能要件は、そのキープ枠Kに対して指定可能な(当該キープ枠Kにセットできる)選出オブジェクトの要件を規定する。本実施形態では、指定を許容する選出オブジェクトのレアリティ(指定許容レアリティ)が指定可能要件とされる。例えば、キープ枠K-4の指定許容レアリティは「ノーマルのみ」、キープ枠K-1,3の指定許容レアリティは「レア以下」、キープ枠K-2,5の指定許容レアリティは「スーパーレア以下」とされている。よって、抽選プレーヤは、例えばキープ枠K-1,3に対しては、レアリティが「ノーマル」又は「レア」の選出オブジェクトであれば指定が可能で、「スーパーレア」の選出オブジェクトは指定できない。
【0065】
ただし、各キープ枠Kの指定可能要件(ここでは指定許容レアリティ)は、抽選ユーザから対価(例えばゲームコイン)を徴収することで変更(緩和)できる。例えば、指定許容レアリティが「ノーマルのみ」又は「レア以下」であるキープ枠K-1,3,4について、その緩和条件として、レアリティが「スーパーレア」の選出オブジェクトを指定できるようにするためのゲームコインの徴収額や、「レア」の選出オブジェクトを指定できるようにするためのゲームコインの徴収額が予め設定される。よって、抽選ユーザは、規定額のゲームコインの消費と引き換えに、それらキープ枠K-1,3,4に対してレアオブジェクトを指定できるようになる。例えば、抽選ユーザがキープ枠K-4について所定の購入操作を行って規定額のゲームコインを消費すると、指定許容レアリティが「ノーマルのみ」から「レア以下」に変更され、或いは「スーパーレア以下」に変更される。
【0066】
2.キープ枠初期設定処理/キープ枠設定変更処理
上記したように、キープ枠Kの数自体は、選択した抽選種類によって決まる。しかし、実際にキープ指示操作が可能なキープ枠Kは、抽選ユーザの課金状況やプレイ状況、購入状況に応じて変化する。また、各キープ枠Kに対して指定可能な選出オブジェクトのレアリティ(許容レアリティ)についても、抽選ユーザの購入状況に応じて変化する。
【0067】
そこで、サーバシステム1100は、定額引き放題ガシャの開始に先立ちキープ枠設定データを生成し、各キープ枠Kの状態を初期設定するキープ枠初期設定処理を行うとともに、定額引き放題ガシャの実行中は、抽選ユーザによる所定の購入操作を検出した場合にキープ枠設定データを更新し、該当するキープ枠Kの状態設定を変更するキープ枠設定変更処理を行う。
【0068】
図6は、キープ枠設定データ577のデータ構成例を示す図である。
図6に示すように、キープ枠設定データ577は、各キープ枠に割り振られた枠番号と対応付けて、状態フラグ(ON:指定可能状態/OFF:指定不可状態)と、レアリティ制限とを設定したデータテーブルである。キープ枠初期設定処理では、このキープ枠設定データ577を生成する。具体的には、抽選ユーザの課金状況やプレイ状況を適宜参照して各キープ枠Kのアクティブ要件を判定し、対応するアクティブ要件を満たすキープ枠Kの状態フラグを「ON」、満たさないキープ枠Kの状態フラグを「OFF」とする。また、対応する指定可能要件として規定された許容レアリティを、各キープ枠Kのレアリティ制限として設定する。一方、キープ枠設定変更処理では、定額引き放題ガシャの実行中にキープ枠Kを指定した購入操作を検出して、該当するキープ枠Kの状態フラグやレアリティ制限を更新する。
【0069】
すなわち、本実施形態では、ここで説明したキープ枠初期設定処理での状態フラグの初期設定およびキープ枠設定変更処理での当該状態フラグの変更によって、キープ対象の指定可能数が制御される。すなわち、指定可能数は、選択した抽選種類について予め設定されたキープ枠Kの数(例えば
図4のキャラクタ抽選であれば「5」)を上限として、そのアクティブ要件を満たすキープ枠Kの数として制御される。
【0070】
3.終了条件設定処理
本実施形態では、定額引き放題ガシャの1つの終了条件が「定額引き放題ガシャの開始から所定の引き放題期間が経過したこと」とされ、引き放題期間についても予め規定される(例えば24時間)。終了条件設定処理では、この終了条件を定める引き放題期間を、抽選ユーザの課金状況やプレイ状況に基づいて延長する調整を行う。例えば、抽選プレーヤの課金総額等の課金状況に応じて引き放題期間を延長するとか、抽選プレーヤの総プレイ時間等のプレイ状況に応じて引き放題期間を延長するといった調整である。或いは、課金状況とプレイ状況の両方を加味して引き放題期間を延長するとしてもよい。
【0071】
4.キープ対象指定制御処理
キープ対象指定制御処理では、定額引き放題ガシャにおいて繰り返し実行される抽選のたびに、抽選ユーザのキープ指示操作に基づいてキープ対象の指定を行う。すなわち、今回の抽選で選出された選出オブジェクトを抽選者端末1500に表示させて抽選ユーザに提示し、当該選出オブジェクトを指定可能状態のキープ枠Kにセットするキープ指示操作を検出する。具体的には、キープ枠設定データ577を参照して、その状態フラグが「ON:指定可能状態」であって、且つ、選出オブジェクトのレアリティがそのキープ枠Kのレアリティ制限に違反しないキープ枠Kについて、キープ指示操作を受け付ける。
【0072】
そして、キープ指示操作を検出した場合には、検出したキープ指示操作に基づいて、選出オブジェクトを該当するキープ枠Kにおけるキープ対象として指定する。その際に、当該キープ枠Kにおいて前回以前の抽選の選出オブジェクトが既にキープ対象として指定されている場合には、当該キープ対象に代えて、今回の選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新する。
【0073】
5.抽選確率変更処理
抽選確率変更処理では、指定可能状態のキープ枠Kに対してキープ指示操作がなされ、そのキープ対象が更新された回数(以下、「キープ対象更新回数」という)をキープ枠K毎に計数する。そして、計数したキープ対象更新回数に応じて、次回以降の抽選で用いる適用抽選確率を変更する。
【0074】
そのために、サーバシステム1100は、キープ枠K毎のキープ対象更新回数を、キープ指示操作状況593として管理する。
図7は、キープ指示操作状況593のデータ構成例を示す図である。
図7に示すように、キープ指示操作状況593は、指定可能状態のキープ枠Kに係る現在のキープ対象更新回数を格納する。また、サーバシステム1100は、
図7において欄外に示す確変条件と抽選確率調整値との関係についても、確変条件テーブル543(
図9を参照)として予め設定しておく。
【0075】
そして、抽選確率変更処理では、キープ指示操作状況593を参照し、何れかのキープ枠Kに係るキープ対象更新回数が確変条件を満たした場合に、対応する抽選確率調整値に従って通常抽選確率を調整して、適用抽選確率とする。例えば、キープ対象更新回数が「50回」以上となったキープ枠Kがあれば、レア用の通常抽選確率にその抽選確率調整値「2.0」を乗じて調整するとともに、スーパーレア用の通常抽選確率にその抽選確率調整値「1.2」を乗じて調整する。これによれば、キープ対象更新回数が多いほど、レアオブジェクトを当選し易くするといったことが可能となる。
【0076】
なお、
図7では、「1」以上の抽選確率調整値を乗じることで通常抽選確率を高くする調整を例示したが、通常抽選確率を低くする調整を含めてもよい。また、何れかのキープ枠Kについてキープ対象更新回数が確変条件を満たした場合に適用抽選確率を変更することとしたが、全てのキープ枠Kについてキープ対象更新回数が確変条件を満たすことを変更の条件とすることもできる。或いは、キープ対象更新回数の合算値が確変条件を満たすことを変更の条件としてもよい。
【0077】
6.終了判定処理
終了判定処理では、2つの終了条件を判定する。1つ目(第1の終了条件)が、上記した「定額引き放題ガシャの開始から所定の引き放題期間が経過したこと」である。この第1の終了条件を判定するために、終了判定処理では、定額引き放題ガシャの開始を始期として引き放題期間(例えば24時間)を計時し、その期限(引き放題期間が経過した時点)の到来を監視する。そして、期限到来とともに終了条件を満たしたと判定し、定額引き放題ガシャを終了する。
【0078】
また、2つ目の終了条件(第2の終了条件)が、「指定可能状態の全てのキープ枠Kについて確定操作が検出されたこと」である。ここで、本実施形態では、定額引き放題ガシャの実行中でも、指定可能状態のキープ枠K毎に別個に確定操作を受け付けて、そのキープ対象を付与対象として確定させることができるようになっている(例えば
図8の確定ボタンB33)。そのため、終了判定処理では、指定可能状態のキープ枠Kの全てについて確定操作がなされた場合にも終了条件を満たすと判定し、引き放題期間の経過を待たずに定額引き放題ガシャを終了する。
【0079】
7.特典付与処理
特典付与処理では、第2の終了条件を満たしたことで定額引き放題ガシャを終了した場合に、抽選ユーザに所与の特典(以下、「早期確定特典」という)を付与する。例えば、早期確定特典をゲームオブジェクトとし、終了時の残り時間に応じたゲームオブジェクトを抽選ユーザに付与する。そのために、例えば、予め早期確定特典用のゲームオブジェクトとして複数のゲームオブジェクトを用意し、それらを残り時間範囲と対応付けてグループ分けしておく。
【0080】
例えば引き放題期間を3つに分割し、「8時間未満」「8時間以上16時間未満」および「16時間以上」の各残り時間範囲と対応付けて、複数のゲームオブジェクトを用意しておく。なお、残り時間範囲は、引き放題期間を2分割した2つとしてもよいし、より細かく分割して4つ以上としてもよい。一方、ゲームオブジェクトの種類についても、対応する残り時間範囲が長いグループのものほど高価値のものとする(例えばレアオブジェクトとするとか希少なゲームオブジェクトとする)等、適宜調整しておくことができる。そして、特典付与処理では、第2の終了条件を満たしたことで定額引き放題ガシャが終了したら、終了時の残り時間に応じたグループから、ゲームオブジェクトを1つ選んで抽選ユーザに付与する。
【0081】
なお、早期終了特典はゲームオブジェクトに限定されるものではなく、ゲームコインを付与するとか、その他のポイント(例えばプレーヤがゲームをプレイすること等で貯まるゲーム内ポイント等)を付与する構成でもよい。その場合は、残り時間が長いほどゲームコインやゲーム内ポイントの数を増量して抽選ユーザに付与する。
【0082】
8.ガシャ画面について
図8は、武器抽選のガシャ画面例を示す図である。本実施形態では、何れの抽選種類を選択した場合も表示されるガシャ画面の画面構成は大体同じような画面構成であり、例えば、残り時間表示部A1と、ガシャ実行画面部A2と、キープ指示操作入力部A3とを備える。
【0083】
残り時間表示部A1には、引き放題期間の残り時間が表示される。
【0084】
ガシャ実行画面部A2は、抽選指示を受け付ける。
図8では、1回の抽選を終えて次回の抽選実行操作を待機しているときの実行画面例を示しており、抽選実行ボタンB21と、キープボタンB23とが配置されている。抽選ユーザは、抽選実行指示を行うときには抽選実行ボタンB21をタッチする。すると、ガシャ実行画面部A2には、抽選の演出表示の後、
図8に例示するように、選出されたゲームオブジェクト(選出オブジェクト)O2が表示されて抽選ユーザに提示される。
【0085】
そして、抽選ユーザは、ここでの選出オブジェクトO2の提示を受けてキープ指示操作を行うときには、キープボタンB23をタッチする。例えば、選出オブジェクトO2を入手したい場合や、入手するかどうかの判断に迷う場合はキープ指示操作を行い、選出オブジェクトO2をキープ対象として指定しておく。具体的には、キープ指示操作は、キープボタンB23をタッチした後、キープ指示操作入力部A3において所望のキープ枠Kをタッチすることで行う。なお、選出されたゲームオブジェクトが不要であれば、キープボタンB23をタッチすることなく抽選実行ボタンB21をタッチすることで、次の抽選を行える。
【0086】
キープ指示操作入力部A3には、
図4および
図5を参照して説明したキープ枠Kが並べて表示される。
図8は武器抽選のガシャ画面であるので、3つのキープ枠Kが表示される。そして、そのうちの指定可能状態のキープ枠K-11,K-12は、指定許容レアリティに基づくレアリティ制限下で、キープ指示操作を受け付ける。一方、指定不可状態のキープ枠K-13には、その旨が付記されて当該状態が識別表示される。例えば、ガシャ実行画面部A2においてキープボタンB23をタッチした後、キープ枠K-11をタッチしたとする。すると、当該キープ枠K-11に対して選出オブジェクトO2がセットされ、そのキープ対象の指定が完了する。なお、既にキープ枠K-11に別の選出オブジェクトがセットされている場合には、セットされている以前の選手オブジェクトのキープ対象の指定は解除され、今回のキープ指示操作で指定された選出オブジェクトO2がキープ対象として更新される。
【0087】
また、各キープ枠Kには、それぞれ別個に購入ボタンB31が付されており、適宜対応するキープ枠Kについての購入操作を受け付ける。同様に、各キープ枠Kには、それぞれ別個に確定ボタンB33が付されており、適宜対応するキープ枠Kについての確定操作を受け付ける。
【0088】
具体的には、購入ボタンB31は、対応するキープ枠Kを指定可能状態にするのに要求されるゲームコインや、その指定許容レアリティを緩和するのに要求されるゲームコインを消費するための購入操作を受け付ける。例えば、キープ枠K-13に付された購入ボタンB31をタッチして規定額のゲームコインを消費することで、それを指定可能状態に変更できる。また、キープ枠K-12に付された購入ボタンB31をタッチして規定額のゲームコインを消費することで、その指定許容レアリティを「レア以下」に変更したり、「スーパーレア以下」に変更することができる。
【0089】
また、確定ボタンB33は、対応するキープ枠Kに係るキープ対象の指定を確定させるための確定操作を受け付ける。例えば、キープ枠K-11に付された確定ボタンB33をタッチすることで、当該キープ枠K-11にセットされている選出オブジェクトO2を付与対象として確定することができる。確定操作以降は、当該キープ枠K-11に対するキープ対象の指定はできなくなる。
【0090】
[機能構成]
1.サーバシステム
図9は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0091】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。
図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0092】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。
図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0093】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0094】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびアカウントに紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のユーザアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0095】
課金処理部220は、プレーヤによるゲームコインの購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のゲームコインを当該プレーヤに付与する。
【0096】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のゲームなので、ゲーム管理部230は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。このゲーム管理部230は、ゲーム進行制御部231と、抽選実行部233と、キープ枠設定変更部235と、終了条件設定部237と、キープ対象指定制御部239と、抽選確率変更部241と、終了判定部243と、抽選結果付与部245と、特典付与部247と、を含む。
【0097】
ゲーム進行制御部231は、ユーザ端末1500との通信を随時行って当該ユーザ端末1500におけるゲームプレイの進行を制御し、プレイ結果の反映に関する処理を行う。
【0098】
抽選実行部233は、定額引き放題ガシャの実行中、抽選者端末1500からの抽選指示を監視する。そして、検出した抽選指示に応じて抽選を繰り返し実行することで、選出オブジェクトを繰り返し選出してゆく。
【0099】
キープ枠設定変更部235は、キープ枠初期設定処理およびキープ枠設定変更処理を行う機能部であり、定額引き放題ガシャの開始に先立ちキープ枠設定データ577を生成し、各キープ枠Kの状態として状態フラグとレアリティ制限とを初期設定するとともに、抽選ユーザの購入操作を検出してキープ枠設定データ577を更新し、該当するキープ枠Kの状態設定を変更する。
【0100】
終了条件設定部237は、終了条件設定処理を行う機能部であり、定額引き放題ガシャの開始に先立ち、抽選ユーザの課金状況やプレイ状況をもとに引き放題期間を延長する調整を行う。
【0101】
キープ対象指定制御部239は、キープ対象指定制御処理を行う機能部であり、抽選実行部233が抽選を実行するたびにその選出オブジェクトを抽選者端末1500に表示させて抽選ユーザに提示し、キープ指示操作を待機する。具体的には、キープ枠設定データ577に従い、指定可能状態のキープ枠Kであって、レアリティ制限についても違反しないキープ枠Kについて、キープ指示操作を受け付ける。そして、キープ指示操作を検出したならば、そのキープ枠Kにおいてキープ対象が未指定であれば、今回の選出オブジェクトをキープ対象として指定する。一方、当該キープ枠Kにおいて既にキープ対象が指定されている場合には、それに代えて、今回の選出オブジェクトを当該キープ枠Kにおける新たなキープ対象として更新する。
【0102】
抽選確率変更部241は、抽選確率変更処理を行う機能部であり、指定可能状態のキープ枠K毎にキープ対象更新回数を計数し、計数したキープ対象更新回数に応じて次回以降の抽選で用いる適用抽選確率580を変更する。また、確変条件を満たして抽選確率を変更した確変状態にある場合には、その旨を抽選者端末1500に表示させる制御を行う(
図8参照)。
【0103】
終了判定部243は、終了判定処理を行う機能部であり、定額引き放題ガシャの終了判定を行う。本実施形態では、引き放題期間を計時してその期限の到来を監視し、期限到来とともに、第1の終了条件を満たしたと判定する。また、抽選者端末1500からの確定操作を監視し、指定可能状態のキープ枠Kの全てについて確定操作を検出した場合に、第2の終了条件を満たしたと判定する。
【0104】
この終了判定部243は、期限到来接近報知部244を備える。期限到来接近報知部244は、引き放題期間の経過を監視する過程で期限の到来が接近したことを示す期限到来接近報知を行う。具体的には、引き放題期間が経過する時点から所定時間前(例えば10分前でもよいし、1時間前でもよい)において、期限到来接近報知を行う。期限到来接近報知の態様については特に限定されないが、例えば、抽選者端末1500にまもなく期限が到来する旨のメッセージを表示させる等して行う。
【0105】
抽選結果付与部245は、終了判定部243が第1又は第2の終了条件を満たしたと判定した場合に、その時点で指定可能状態のキープ枠Kにおいてキープ対象とされている選出オブジェクトを、抽選ユーザに付与する。
【0106】
特典付与部247は、特典付与処理を行う機能部であり、第2の終了条件を満たしたことで定額引き放題ガシャを終了した場合に、終了時の残り時間に応じた早期確定特典を抽選ユーザに付与する。
【0107】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0108】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0109】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0110】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばユーザ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0111】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0112】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。
図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0113】
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0114】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0115】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム初期設定データ520と、プレイデータ560と、抽選実行データ570とが格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種フラグ等、必要なデータが適宜格納される。
【0116】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、およびゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0117】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、ユーザ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(
図14を参照)の原本である。
【0118】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、当該プレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、
図10に示すように、該当するプレーヤのプレーヤID(アカウント)511と、決済媒体帳簿データ513と、所有オブジェクトリスト515と、プレイ履歴517とを含む。また、その他にも、ゲームの進行状況に係るセーブデータ等を含む。
【0119】
決済媒体帳簿データ513は、該当するプレーヤに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態ではゲーム内通貨であるゲームコイン)の収支の情報、例えば、ゲームコインの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ゲームコインの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0120】
所有オブジェクトリスト515は、該当するプレーヤがゲームの過程で入手し、現時点で保有しているキャラクタや武器、アイテム等のゲームオブジェクトのリストを格納する。本実施形態では、定額引き放題ガシャでの選出オブジェクトの付与や、特典付与処理でのゲームオブジェクトの付与に当たり、そのゲームオブジェクトのオブジェクトIDが所有オブジェクトリスト515に追加される。
【0121】
プレイ履歴517は、該当するプレーヤのプレイ日時やプレイ時間、ログイン時間、プレーヤレベル等を格納する。
【0122】
図9に戻り、ゲーム初期設定データ520は、ゲームを実行するために必要な初期設定データを格納する。このゲーム初期設定データ520は、オブジェクト定義データ521と、抽選対象オブジェクトリスト523と、特典用オブジェクトリスト525と、キープ枠定義データ530と、期限延長条件テーブル541と、確変条件テーブル543とを含む。また、その他にも、ゲームステージを設定するためのデータや、ゲームステージ毎の敵キャラクタの出現設定、敵キャラクタの種類や各種パラメータ値、行動パターンを定義する定義データ等を含む。
【0123】
オブジェクト定義データ521は、ゲームの過程でプレーヤが入手し得る各種ゲームオブジェクト毎に用意され、当該ゲームオブジェクトのデータをそのオブジェクトIDと対応付けて格納する。例えば、それがキャラクタであれば、攻撃力や防御力といった各種能力値やスキル等の能力パラメータ、モデルデータ、動作制御に用いるモーションデータ等を格納する。このオブジェクト定義データ521には、抽選対象や早期終了特典用とされるゲームオブジェクトのデータが含まれる。
【0124】
抽選対象オブジェクトリスト523は、抽選対象のゲームオブジェクトのオブジェクトIDを格納する。
【0125】
特典用オブジェクトリスト525は、引き放題期間を分割した時間範囲毎のグループに分けて、早期終了特典用のゲームオブジェクトのオブジェクトIDを格納する。
【0126】
キープ枠定義データ530は、抽選種類(本実施形態ではキャラクタ抽選、武器抽選、およびアイテム抽選の3種類)毎に用意され、該当する抽選種類を選択した定額引き放題ガシャに適用するキープ枠Kの定義データを格納する。具体的には、1つのキープ枠定義データ530は、
図11に示すように、抽選種類531と、キープ枠数533と、アクティブ要件テーブル535と、指定可能要件テーブル537とを含む。
【0127】
キープ枠数533は、該当する抽選種類に係るキープ枠Kの数を格納する。本実施形態では、このキープ枠数533が、当該抽選種類の定額引き放題ガシャにおいてキープ対象として指定することができる選出オブジェクトの最大の数(指定可能数の上限)となる。
【0128】
アクティブ要件テーブル535は、各キープ枠Kのアクティブ要件を、その枠番号と対応付けて格納する。
【0129】
指定可能要件テーブル537は、各キープ枠Kの指定可能要件と、緩和条件とを、その枠番号と対応付けて格納する。本実施形態では、指定可能要件は、該当するキープ枠Kにおいて指定を許容する選出オブジェクトの指定許容レアリティとされる。また、緩和条件には、該当するキープ枠Kの指定許容レアリティを緩和して変更するのに要求されるゲームコインの徴収額が設定される。
【0130】
期限延長条件テーブル541は、引き放題期間の延長に要求される課金状況および/又はプレイ状況を段階的に規定した延長条件と対応付けて、延長時間長を格納する。終了条件設定部237は、この期限延長条件テーブル541を参照し、抽選ユーザの課金状況やプレイ状況が延長条件を満たす場合に、対応する延長時間長に従って引き放題期間を延長して調整する。複数の延長条件を満たすときには、延長時間長が最長のものを選べばよい。
【0131】
確変条件テーブル543は、
図7に例示した確変条件と確率調整値との対応付けを格納する。抽選確率変更部241は、何れかの確変条件を新たに満たした場合に、対応する確率調整値に従って通常抽選確率を調整することで、適用抽選確率580を変更する。
【0132】
プレイデータ560は、ゲームをプレイしているプレーヤ毎(つまりサーバシステム1100に接続しているユーザ端末1500毎)に用意され、ゲームのプレイ状況(進行状況)を記述する。
【0133】
抽選実行データ570は、抽選者端末1500毎に用意され、その抽選ユーザによる定額引き放題ガシャの実行状況に関する各種データを格納する。具体的には、1つの抽選実行データ570は、
図12に示すように、当該抽選者端末1500の端末ID571と、抽選ユーザのプレーヤIDである抽選者ID573と、選択抽選種類575と、キープ枠設定データ577(
図6を参照)と、残り時間579と、適用抽選確率580と、キープ対象指定状況591と、キープ指示操作状況593(
図7を参照)とを含む。
【0134】
残り時間579は、定額引き放題ガシャの開始とともに計時が開始される引き放題期間の残り時間(当該定額引き放題ガシャの期限が到来するまでの時間)を格納する。この残り時間579が「0」となった時点で第1の終了条件を満たす。
【0135】
適用抽選確率580は、抽選に用いる抽選確率を格納する。この適用抽選確率580は、レア用適用抽選確率581と、スーパーレア用適用抽選確率583とを含む。各適用抽選確率581,583には、初期値として対応するレアリティの通常抽選確率が設定される。また、定額引き放題ガシャの実行中は、抽選確率変更部241によって随時その調整後の値で更新される。
【0136】
キープ対象指定状況591は、状態フラグが「ON」である指定可能状態のキープ枠Kにおけるキープ対象の指定状況と、その確定操作状況とを格納する。具体的には、
図13に示すように、キープ対象指定状況591は、各キープ枠に割り振られた枠番号と対応付けて、指定状況と、確定操作フラグと、確定操作時残り時間とを設定したデータテーブルである。
【0137】
指定状況は、指定可能状態のキープ枠Kについて、キープ対象として指定された選出オブジェクトのオブジェクトIDを格納する。すなわち、指定状況には、該当するキープ枠Kに対するキープ対象の指定時にそのオブジェクトIDが書き込まれ、当該キープ対象が更新されると、新たなキープ対象のオブジェクトIDに書き換えられる。
【0138】
確定操作フラグは、確定操作の有無(ON:確定操作あり/OFF:確定操作なし)を示す。この確定操作フラグは、初期値が「OFF」とされ、該当するキープ枠Kについて確定操作が検出されると、「ON」に更新される。全ての指定可能状況のキープ枠Kについて確定フラグが「ON」となった場合に、第2の終了条件を満たすこととなる。
【0139】
確定操作時残り時間は、該当するキープ枠Kについて確定操作が検出された時点での引き放題期間の残り時間を格納する。
【0140】
2.ユーザ端末
図14は、抽選者端末となるユーザ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。
図14に示すように、ユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0141】
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。
図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0142】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、ユーザ端末1500の動作を統括制御する。
図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0143】
ユーザ端末演算部270は、ユーザ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、ユーザ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0144】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0145】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム1100にて生成されるが、ゲーム空間画像をユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0146】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0147】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0148】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0149】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0150】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。
図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0151】
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0152】
端末記憶部500には、ユーザ端末1500を動作させ、ユーザ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0153】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をユーザ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(
図9を参照)のコピーとする。
【0154】
[処理の流れ]
図15は、定額引き放題ガシャの実行に関するサーバシステム1100の処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。なお、
図15では、1つの抽選者端末1500での定額引き放題ガシャに着目した処理の流れを示しており、複数の抽選ユーザが定額引き放題ガシャを行っている場合には、その抽選者端末1500毎に本処理を行う。
【0155】
本処理では、サーバ処理部200sは先ず、抽選者端末1500での抽選種類選択操作を検出して、実行する抽選種類を選択する(ステップS101)。続いて、キープ枠設定変更部235がキープ枠初期設定処理を行って、キープ枠Kの状態を初期設定するとともに(ステップS103)、終了条件設定部237が終了条件設定処理を行って、適宜引き放題期間を延長する調整を行う(ステップS105)。そして、所定額のゲームコインを対価として徴収した後、定額引き放題ガシャを開始する(ステップS107)。その際、終了判定部243が、引き放題期間の計時を開始する。
【0156】
定額引き放題ガシャを開始したならば、抽選者端末1500での抽選実行操作を待機する。そして、抽選実行操作を検出した場合には(ステップS109:YES)、抽選実行部233がその抽選指示に基づいて抽選を実行し、抽選対象のゲームオブジェクトの中からゲームオブジェクト(選出オブジェクト)を選出する(ステップS111)。
【0157】
その後、キープ対象指定制御部239が、キープ対象指定制御処理を行う(ステップS113~ステップS121)。すなわち先ず、ステップS111での抽選の結果選出された選出オブジェクトを抽選者端末1500に表示させて抽選ユーザに提示し(ステップS113)、キープ指示操作を待機する。その際、キープ枠設定データ577に従って、指定可能状態のキープ枠Kであって、レアリティ制限に違反しないキープ枠Kに対するキープ指示操作を受け付ける。そして、キープ指示操作を検出したならば(ステップS115:YES)、指定されたキープ枠Kにおけるキープ対象の有無を判別する。そして、キープ対象が未指定であれば(ステップS117:YES)、今回の選出オブジェクトを当該キープ枠Kにおけるキープ対象として指定する(ステップS119)。一方、キープ対象が既に指定されている場合には(ステップS117:NO)、当該キープ対象に代えて、今回の選出オブジェクトを新たなキープ対象として更新する(ステップS121)。
【0158】
続いて、抽選確率変更部241が抽選確率変更処理を行い、ステップS121で更新したキープ枠についてキープ対象更新回数を更新した上で、適用抽選確率580を適宜変更する(ステップS123)。
【0159】
また、キープ枠Kを指定可能状態にするための購入操作やキープ枠Kの指定許容レアリティを緩和するための購入操作を検出した場合には(ステップS125:YES)、キープ枠設定変更部235がキープ枠設定変更処理を行って、該当するキープ枠Kの状態設定を変更する(ステップS127)。
【0160】
また、終了判定部243が終了判定処理を行い、定額引き放題ガシャの終了判定を行う。そして、第1又は第2の終了条件を満たすまでの間は(ステップS129:NO)、ステップS109に戻って上記した処理を繰り返す。一方、第1又は第2の終了条件を満たした場合には(ステップS129:YES)、定額引き放題ガシャを終了する。そして、抽選結果付与部245が、当該終了時にキープ対象として指定されている選出オブジェクトを、抽選ユーザに付与する(ステップS131)。
【0161】
その後、ステップS129において第2の終了条件を満たしたことで定額引き放題ガシャを終了した場合には(ステップS133:YES)、特典付与部247が特典付与処理を行い、終了時の残り時間に応じた早期確定特典を抽選ユーザに付与する(ステップS135)。
【0162】
以上説明したように、本実施形態によれば、プレーヤ(抽選ユーザ)は、抽選の結果選出された選出オブジェクトを適当なキープ枠Kにおいて適宜キープ対象として指定・更新することで取捨選択しながら、抽選を繰り返し行うことができる。そして、最終的にキープ対象として残った選出オブジェクトを受け取ることができる。従来は、選出オブジェクトを受け取らない選択をしなければ次の抽選を行えなかった。ユーザは従来では得られなかった満足感を得ることができるようになり、より抽選を楽しむことが可能な新たな興趣のある抽選の仕組みを提供できる。
【0163】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0164】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、ゲーム管理の処理主体をサーバシステム1100として説明したが、ユーザ端末を処理主体とする構成としてもよいし、当該ゲーム管理に関する処理をサーバシステムとユーザ端末とで分散して実行する構成とすることもできる。例えば、第1実施形態の構成についてユーザ端末を処理主体とする場合、ユーザ端末1500Aの機能構成例は
図16のようになる。なお、
図16では、上記実施形態と同様の構成には同一の符号を付して示している。
【0165】
図16に示すように、本変形例のユーザ端末1500Aは、端末処理部200がゲーム管理部230を有し、ゲーム画面表示制御部273が省略される。すなわち、本変形例のユーザ端末1500Aは、サーバシステム1100からゲーム画面の画像を表示するためのデータを取得するのではなく、自身のゲーム管理部230がゲーム管理に関する処理を実行してゲームの進行を制御し、ゲーム画面の画像を生成する。このユーザ端末1500Aの端末記憶部500には、端末処理部200をユーザ端末演算部270およびゲーム管理部230として機能させるためのゲームプログラム504が格納され、当該ユーザ端末1500Aのプレーヤに係るユーザ管理データ510およびそのゲームプレイに係るプレイデータ560と、当該ユーザ端末1500Aのプレーヤが抽選ユーザとして行っている抽選に係る抽選実行データ570と、ゲーム初期設定データ520とが格納される。
【0166】
そして、本変形例のユーザ端末1500Aの処理の流れは
図15に示したフローチャートと基本的には同じで、ユーザ端末1500Aのゲーム管理部230により各ステップを実行するものと読み替えればよい。
【0167】
本変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、ユーザ端末1500がゲーム管理部230の全ての機能を担うのではなく、その一部を担う構成としてもよい。
【0168】
[変形例2]
また、定額引き放題ガシャのガシャ画面は、
図8の画面構成に限定されない。
図17は、ガシャ画面の変形例を示す図である。なお、
図17において、
図8と同様の構成には同一の符号を付す。
図17に示すように、本変形例のガシャ画面は、残り時間表示部A1と、ガシャ実行画面部A2と、キープ指示操作入力部A3と、選出オブジェクト退避表示部A4とを備える。
【0169】
選出オブジェクト退避表示部A4には、直近所定数回の抽選で選出された最新所定数(例えば
図17では10個)の選出オブジェクトが、随時更新されて表示される。この選出オブジェクト退避表示部A4に表示されている選出オブジェクトは、それをタッチした上で上記実施形態と同様の要領でキープ指示操作を行うことにより、後からでもキープ対象として指定することができる。例えば、
図17の状態から選出オブジェクトO2をキープ対象として指定することなく次の抽選を行ったとしても、当該選出オブジェクトO2は、少なくともその後所定回数の抽選を実行している間は、選出オブジェクト退避表示部A4に表示され続ける。したがって、その間であれば、キープ対象として指定することができる。なお、選出オブジェクト退避表示部A4にはリセットボタンB4が配置されており、これをタッチすることで、選出オブジェクト退避表示部A4に表示されている選出オブジェクトの削除が可能である。
【0170】
[変形例3]
また、上記実施形態では、定額引き放題ガシャの実行中にキープ対象更新回数を計数して用い、抽選確率を変更する例を示した。これに対し、キープ対象として指定された選出オブジェクトのレアリティや、それがキープ対象として指定されてからの時間長(キープ時間長)に応じて抽選確率を変更するとしてもよい。
【0171】
例えば、指定可能状態のキープ枠K毎に、そのキープ枠Kに対する最新のキープ指示操作からの経過時間をキープ時間長として計時する。そして、例えば、キープ時間長が所定の時間(例えば1時間等)を超えたキープ枠Kがあり、且つ、その選出オブジェクトがレアオブジェクトである場合に、抽選確率を変更するとしてもよい。変更する場合には、上記実施形態と同様の要領で通常抽選確率を高くする調整を行い、レアオブジェクトを当選し易くする。またその際、選出オブジェクトよりも高いレアリティのゲームオブジェクトが当選し易くなるように調整を行うとしてもよい。例えば、選出オブジェクトのレアリティが「レア」であれば、スーパーレア用の通常抽選確率を高く調整する。
【0172】
[変形例4]
また、各キープ枠Kに対しては、上記した実施形態で説明したアクティブ要件や指定可能要件に代えて、或いはそれらに加えて、例えば更新可能な回数に関する要件(更新可能回数要件)や、指定可能な有効期限等に関する要件(有効期限要件)といったその他の要件を規定するとしてもよい。
【0173】
更新可能回数要件は、そのキープ枠Kに対してキープ指示操作を受け付ける回数を制限する要件であり、キープ枠K毎に上限回数を適宜設定しておけばよい。そして、更新可能回数要件を規定する場合は、キープ対象更新回数が当該上限回数に達したキープ枠Kに対するキープ指示操作を禁止する。すなわち、上限回数に達した時点でキープ対象を確定させる。
【0174】
また、有効期限要件は、当該キープ枠Kに対してキープ対象を指定することができる時期を制限する要件である。例えば、「指定可能状態となってから所定時間(たとえば5時間等)が経過するまで」とか、「定額引き放題ガシャを開始してから所定時間(例えば10時間等)が経過するまで」といった有効期限を、キープ枠K毎に適宜設定しておけばよい。そして、有効期限要件を規定する場合は、有効期限外のキープ枠Kに対するキープ指示操作を禁止する。
【0175】
[変形例5]
また、上記実施形態では、抽選の種類としてキャラクタ抽選、武器抽選、およびアイテム抽選の3種類を例示したが、抽選種類はこれに限定されるものではなく、適宜用意することができる。
【0176】
或いは、キャラクタや武器、アイテム等の各カテゴリに分類されるゲームオブジェクトを混合して抽選対象に含めた抽選を実行することもできる。その場合は、各キープ枠Kの指定可能要件として、指定可能な選出オブジェクトのカテゴリを規定しておくこともできる。例えば、キャラクタに分類される選出オブジェクトのみを指定可能なキープ枠Kや、キャラクタおよび武器の何れかに分類される選出オブジェクトを指定可能なキープ枠Kといった具合である。
【0177】
[変形例6]
また、上記実施形態では、指定可能状態の全てのキープ枠Kについて確定操作がなされたことで定額引き放題ガシャが終了した場合(第2の終了条件を満たした場合)に、抽選ユーザに特典(早期確定特典)を付与することとした。これに対し、少なくとも1つについて確定操作がなされた場合に早期確定特典を付与する構成も可能である。その場合は、確定操作がなされたキープ枠Kの数に応じて特典の内容を変えてもよい。
【0178】
[変形例7]
また、上記実施形態では、予め抽選種類毎にキープ枠Kの数が設定されていることとしたが、無制限に増やせる構成としてもよい。例えば、キープ枠Kの購入操作を制限なく受け付けて、ゲームコイン等の対価の消費と引き換えにその都度キープ指示操作入力部A3(
図8を参照)においてキープ枠Kを追加していく構成としてもよい。
【符号の説明】
【0179】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230…ゲーム管理部
231…ゲーム進行制御部
233…抽選実行部
235…キープ枠設定変更部
237…終了条件設定部
239…キープ対象指定制御部
241…抽選確率変更部
243…終了判定部
244…期限到来接近報知部
245…抽選結果付与部
247…特典付与部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
515…所有オブジェクトリスト
517…プレイ履歴
520…ゲーム初期設定データ
521…オブジェクト定義データ
523…抽選対象オブジェクトリスト
525…特典用オブジェクトリスト
530…キープ枠定義データ
531…抽選種類
533…キープ枠数
535…アクティブ要件テーブル
537…指定可能要件テーブル
541…期限延長条件テーブル
543…確変条件テーブル
560…プレイデータ
570…抽選実行データ
573…抽選者ID
575…選択抽選種類
577…キープ枠設定データ
579…残り時間
580…適用抽選確率
591…キープ対象指定状況
593…キープ指示操作状況
1500,1500A…ユーザ端末(抽選者端末)
100…操作入力部
200…端末処理部
270…ユーザ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
504…ゲームプログラム
N…ネットワーク
2…プレーヤ