IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

特許7402401モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス
<>
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図1
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図2
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図3
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図4
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図5
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図6
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図7
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図8A
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図8B
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図8C
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図9
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図10
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図11
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図12
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図13
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図14
  • 特許-モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】モノリシック集積型3次元CMOSロジック及びメモリを製造するためのアーキテクチャ設計及びプロセス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8238 20060101AFI20231214BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20231214BHJP
   H10B 10/00 20230101ALI20231214BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20231214BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20231214BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20231214BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H01L27/092 G
H10B10/00
H01L27/092 F
H01L27/092 A
H01L21/88 Z
H01L21/90 B
H01L21/82 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021512226
(86)(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2019049348
(87)【国際公開番号】W WO2020051144
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】62/727,097
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】リーブマン,ラース
(72)【発明者】
【氏名】デヴィリアーズ,アントン
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】タピリー,カンダバラ
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0270512(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0053906(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0111517(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0228383(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205-21/3213
H01L 21/336
H01L 21/768
H01L 21/822
H01L 21/8232-21/8238
H01L 21/8249
H01L 23/522
H01L 23/532
H01L 27/04
H01L 27/06
H01L 27/07
H01L 27/085-27/092
H01L 27/118
H01L 29/786
H10B 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板上に積層される複数のトランジスタ対であり、前記複数のトランジスタ対のそれぞれが、互いの上に積層されるn型トランジスタ及びp型トランジスタを含む、複数のトランジスタ対と、
前記基板上に階段構成で積層される複数のゲート電極であり、前記複数のゲート電極が、前記複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に連結される、複数のゲート電極と、
前記基板上に階段構成で積層される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカル相互接続であり、前記複数のS/Dローカル相互接続が、前記複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に連結される、複数のS/Dローカル相互接続と、
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記n型トランジスタが、相補型電界効果トランジスタ(CFET)デバイスを形成するように前記p型トランジスタの上に位置する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記p型トランジスタが、相補型電界効果トランジスタデバイスを形成するように前記n型トランジスタの上に位置する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスは、さらに、
前記複数のトランジスタ対の上に位置し、前記基板に垂直な方向に形成され、かつ、前記複数のゲート電極及び前記複数のS/Dローカル相互接続に電気的に連結される、垂直コンタクトのアレイ、を備える、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスは、さらに、
前記垂直コンタクトのアレイの上に位置し、前記垂直コンタクトのアレイを接続することによって前記半導体デバイスの機能性を提供する、一連の配線レベル、を備える、
請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記n型トランジスタ及び前記p型トランジスタが、前記複数のゲート電極のうちの1つに電気的に連結されるゲート構造を共有する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記n型トランジスタが、前記ゲート構造によって囲まれるn型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域及びドレイン領域を有する、
請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記p型トランジスタが、前記ゲート構造によって囲まれるp型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域及びドレイン領域を有する、
請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記複数のS/Dローカル相互接続のそれぞれが、前記複数のゲート電極のそれぞれのゲート電極の2つの側に位置する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
半導体デバイスを形成する方法であって、
基板上に積層される複数のトランジスタ対を形成するステップであり、前記複数のトランジスタ対が、前記基板上に積層され、かつ、前記複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に連結される、複数のゲート電極、並びに、前記基板上に積層され、かつ、前記複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に連結される、複数のソース/ドレイン(S/D)ローカル相互接続、を有する、ステップと、
前記複数のゲート電極及び前記複数のS/Dローカル相互接続が階段構成を有するように、垂直方向及び横方向のエッチングステップのシーケンスを実行して、前記複数のゲート電極及び前記複数のS/Dローカル相互接続をエッチングするステップと、
含み、
前記複数のトランジスタ対のそれぞれが、互いの上に積層されるn型トランジスタ及びp型トランジスタを含む、
方法。
【請求項11】
前記n型トランジスタが、相補型電界効果トランジスタデバイスを形成するように、前記p型トランジスタの上に位置する、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記p型トランジスタが、相補型電界効果トランジスタデバイスを形成するように、前記n型トランジスタの上に位置する、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、さらに、
前記複数のトランジスタ対の上に位置し、前記基板に垂直な方向に配列され、前記複数のゲート電極及び前記複数のS/Dローカル相互接続に電気的に連結される、垂直コンタクトのアレイを形成するステップ、を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、さらに、
垂直コンタクトのアレイの上に位置し、前記垂直コンタクトのアレイを接続することによって前記半導体デバイスの機能性を提供する、一連の配線レベルを形成するステップ、を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記n型トランジスタ及び前記p型トランジスタが、前記複数のゲート電極のうちの1つに電気的に連結されるゲート構造を共有する、
請求項10に記載の方法。
【請求項16】
半導体デバイスであって、
基板上に積層される複数のトランジスタ対であり、前記複数のトランジスタ対が、前記基板上に階段構成で積層され、かつ、前記複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に連結される複数のゲート電極、並びに、前記基板上に階段構成で積層され、かつ、前記複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に連結される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカル相互接続、を有する、複数のトランジスタ対と、
前記複数のトランジスタ対の上に位置し、前記基板に垂直な方向に配列され、かつ、前記複数のゲート電極及び前記複数のS/Dローカル相互接続に電気的に連結される、垂直コンタクトのアレイと、
前記垂直コンタクトのアレイの上に位置し、前記垂直コンタクトのアレイを接続することによって前記半導体デバイスの機能性を提供する、一連の配線レベルと、
を備え
前記複数のトランジスタ対のそれぞれが、互いの上に積層されるn型トランジスタ及びp型トランジスタを含み、
前記n型トランジスタ及び前記p型トランジスタが、ゲート構造を共有する、
デバイス。
【請求項17】
前記n型トランジスタが、相補型電界効果トランジスタデバイスを形成するように、前記p型トランジスタの上に位置する、
請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記p型トランジスタが、相補型電界効果トランジスタデバイスを形成するように、前記n型トランジスタの上に位置する、
請求項16に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、微細加工の方法を含む、半導体デバイス、トランジスタ及び集積回路を含むマイクロエレクトロニクスデバイスに関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月5日に出願された米国仮特許出願第62/727,098号について優先権の利益を主張するものであり、この仮特許出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの(特に顕微鏡スケールでの)製造において、薄膜形成堆積、エッチングマスク生成、パターン形成、材料エッチング及び除去、並びに、ドーピング処理等の様々な製作プロセスが行われている。これらのプロセスは、基板上に所望の半導体デバイス素子を形成するよう繰り返し行われる。歴史的に、トランジスタは、微細加工により、能動デバイス平面の上に形成される配線/メタライゼーションと共に1つの平面内に作製されており、従って2次元(2D)回路又は2D製作として特徴付けられている。微細化の取り組みにより、2D回路内の単位面積当たりのトランジスタ数は、大幅に増加したものの、微細化が1桁のナノメートル(single digit nanometer)の半導体デバイス製造ノードに入るにつれて、微細化の取り組みは、より大きい課題に直面している。半導体デバイス製造業者は、トランジスタ同士が互いの上に積み重ねられる3次元(3D)半導体回路に対する要望を表明してきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書における技術は、積層された相補型FET(電界効果トランジスタ)デバイスのための、セルアーキテクチャ、設計概念、及び対応する製造方法を提供する。相補型FETデバイス(CFET)は、3次元的に積層されたロジック標準セルであり、このセルでは、NMOSトランジスタ又はPMOSトランジスタのいずれかがその補完物の上(鉛直上方)に位置する。このような構成により、SRAMメモリセルと同様に、ロジック標準セルのための面積スケーリング及びルーティング混雑の改善が可能になる。3D集積化は、臨界寸法スケーリングの必然的な飽和にもかかわらず、半導体スケーリングを継続するための実現可能な選択肢である。接触ゲートピッチは、製造可変性及び静電デバイス制限に起因してそのスケーリング限界に達するので、2次元トランジスタ密度のスケーリングは中断する。これらの接触ゲートピッチのスケーリング限界をいつか克服することができる可能性がある、垂直チャネルゲートオールアラウンドトランジスタなどの実験的な新たなトランジスタ設計でさえ、半導体スケーリングを軌道に戻すことを約束するわけではない。これは、抵抗、静電容量、及び信頼性の懸念事項が配線ピッチスケーリングを制限し、それによってトランジスタが回路内に配線され得る密度を制限するからである。
【0005】
3D集積化、即ち複数デバイスの垂直積層は、面積ではなく体積におけるトランジスタ密度を増加させることによって、これらのスケーリング制限を克服することを目的とする。例えばCPU又はGPU製品において使用される、従来のCMOS VLSIスケーリングは、半導体ロードマップを前進させる主な手段として3D集積化を採用することを依然として躊躇している。ニッチな用途(例えば、人工知能チップで使用される機械学習アクセラレータのためのロジック上に積層されるメモリ)以外の何らかに対する3D集積化のこの採用不足についての主な理由は、既知の技術の固有の非効率性である。
【0006】
本明細書における技術は、モノリシック集積型3次元(3D)CMOSデバイスの設計及び製造効率を改善する。本技術は、全てのCFETソース(入力)、ドレイン(出力)、及びゲート接続が、標準セルの一番上のCMOSレベルの真上に位置するコンタクトのアレイに配線される、共通デバイススタックを使用することを含む。一連のカスタマイズ層が、カスタマイズされたローカル配線を用いて所望のセル機能性を実現する。
【0007】
当然ながら、本明細書に開示する製造ステップの順序は、明確にするために提示されている。一般に、これらの製造ステップは、任意の好適な順序で実施され得る。加えて、本明細書における様々な特徴、技術、構成などのそれぞれは、本開示の異なる箇所で考察されることがあるが、それらの概念のそれぞれは、互いに独立して又は互いと組み合わせて実行され得ることに留意されたい。従って、本開示は、多くの異なる方法で具現化及び検討することができる。
【0008】
この要約のセクションは、本開示又は特許請求される本発明の全ての実施形態及び/又は付加的に新規な態様を指定するものではないことに留意されたい。代わりに、この概要は、様々な実施形態と、従来技術に対する対応する新規な点とについての予備的な考察のみを提供する。本発明及び実施形態の更なる詳細及び/又は予想される観点について、読者は、以下で更に議論されるような、本開示の詳細な説明のセクション及び対応する図面を参照されたい。
【0009】
本開示の一態様によれば、半導体デバイスが提供される。本デバイスは、基板上に積層される複数のトランジスタ対を含み、複数のトランジスタ対のそれぞれが、互いの上に積層されるn型トランジスタ及びp型トランジスタを含む。デバイスは、基板上に階段構成で積層される複数のゲート電極も含み、複数のゲート電極が、複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に連結される。デバイスは、基板上に階段構成で積層される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカル相互接続をさらに含み、複数のS/Dローカル相互接続が、複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に連結される。
【0010】
いくつかの実施形態では、n型トランジスタが、相補型電界効果トランジスタ(CFET)デバイスを形成するようにp型トランジスタの上に位置する。いくつかの実施形態では、p型トランジスタが、相補型電界効果トランジスタデバイスを形成するようにn型トランジスタの上に位置する。n型トランジスタ及びp型トランジスタが、複数のゲート電極のうちの1つに電気的に連結されるゲート構造を共有し得る。
【0011】
デバイスは、複数のトランジスタ対の上に位置し、基板に垂直な方向に形成され、かつ、複数のゲート電極及び複数のS/Dローカル相互接続に電気的に連結される、垂直コンタクトのアレイを含み得る。
【0012】
開示されるデバイスでは、一連の配線レベルが、垂直コンタクトのアレイの上に位置し、垂直コンタクトのアレイを接続することによって半導体デバイスの機能性を提供する。
【0013】
n型トランジスタは、ゲート構造によって囲まれるn型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域及びドレイン領域を有する。p型トランジスタは、ゲート構造によって囲まれるp型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域及びドレイン領域を有する。複数のS/Dローカル相互接続のそれぞれが、複数のゲート電極のそれぞれのゲート電極の2つの側の上に位置する。
【0014】
本開示の別の態様によれば、半導体を形成する方法が提供される。開示される方法では、複数のトランジスタ対が形成され得る。複数のトランジスタ対は、基板上に積層されてもよく、複数のトランジスタ対は、基板上に積層され、かつ、複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に連結される複数のゲート電極と、基板上に積層され、かつ、複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に連結される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカル相互接続と、を有する。その後、複数のゲート電極及び複数のS/Dローカル相互接続が階段構成を有するように、垂直方向及び横方向のエッチングステップのシーケンスが、複数のゲート電極及び複数のS/Dローカル相互接続をエッチングするために実行され得る。
【0015】
本開示のさらに別の態様によれば、半導体デバイスが提供される。本デバイスは、基板上に積層される複数のトランジスタ対を含み、複数のトランジスタ対は、基板上に階段構成で積層され、かつ、複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に連結される複数のゲート電極と、基板上に階段構成で積層され、かつ、複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に連結される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカル相互接続と、を有する。デバイスは、複数のトランジスタ対の上に位置し、基板に垂直な方向に配列され、複数のゲート電極及び複数のS/Dローカル相互接続に電気的に連結される、垂直コンタクトのアレイも含む。デバイスは、垂直コンタクトのアレイの上に位置し、垂直コンタクトのアレイを接続することによって半導体デバイスの機能性を提供する、一連の配線レベルをさらに含む。
【0016】
本開示の態様は、添付の図面と共に読まれると、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従い、様々な特徴が縮尺通りには描かれていないことに留意されたい。実際に、様々な特徴の寸法は、説明を明確にするために適宜拡大又は縮小される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】いくつかの実施形態による、AND-OR変換22(AOI22)セルの概略回路図である。
図2】いくつかの実施形態による、AOI22セルの相補型電界強化トランジスタ(CFET)の実施形態を上から見たレイアウト図である。
図3】いくつかの実施形態による、CFETデバイスに基づいて形成されるAOI22セルの概略図である。
図4】いくつかの実施形態による、CFETデバイスに基づいて形成される2つの積層されたAOI22セルの概略図である。
図5】いくつかの実施形態による、CFETデバイスを折り畳むことによって形成されるAOI22セルの概略図である。
図6】いくつかの実施形態による、第1の垂直ルーティング技術を用いることによって形成されるAOI22セルの概略図である。
図7】いくつかの実施形態による、第2の垂直ルーティング技術を用いることによって形成されるAOI22セルの概略図である。
図8A】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成される、AOI22セルの概略図である。
図8B】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成される、AOI22セルの概略図である。
図8C】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成される、AOI22セルを上から見たレイアウト図である。
図9】いくつかの実施形態による、AOI22セルのロジック機能の実施のためのコンタクトのペグボードパターンの概略図である。
図10】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成される、AOI22セルを製造する様々な例示的中間ステップの概略図である。
図11】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成される、AOI22セルを製造する様々な例示的中間ステップの概略図である。
図12】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成される、AOI22セルを製造する様々な例示的中間ステップの概略図である。
図13】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成される、AOI22セルを製造する様々な例示的中間ステップの概略図である。
図14】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成される、AOI22セルを製造する様々な例示的中間ステップの概略図である。
図15】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成される、AOI22セルを製造する様々な例示的中間ステップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の本開示は、提供される主題(subject matter)の異なる特徴を実装するための多くの異なる実施形態又は実施例を提供する。本開示を単純にするために、構成要素及び構成の特定の例について以下に説明する。当然のことながら、これらは、単なる例に過ぎず、限定することを意図するものではない。加えて、本開示は、様々な例において参照番号及び/又は参照文字を繰り返す場合がある。この繰り返しは、単純化及び明確化を目的とするものであり、それ自体、考察された様々な実施形態及び/又は構成間の関係を決定付けるものではない。
【0019】
更に、本明細書では、「下」、「下方」、「より下」、「上方」、「より上」などの空間的に相対的な用語を、説明を簡単にするために使用して、図に示すような1つの要素又は特徴の、別の要素又は特徴に対する関係を説明することがある。空間的に相対的な用語は、図示の向きに加えて、使用中又は動作中の装置の様々な向きを包含することが意図されている。装置は、他の形態で方向付けられる(90度回転されるか又は他の方向に向けられる)ことがあり、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子もそれに応じて解釈することができる。
【0020】
本明細書の全体を通して、「一実施形態」又は「実施形態」に言及することは、その実施形態に関して記載する特定の特徴、構造、材料、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するが、それらが全ての実施形態に存在することを示すものではない。従って、本明細書を通して様々な箇所で語句「一実施形態において」が現れることは、同じ実施形態を必ずしも参照するものではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わされ得る。
【0021】
本明細書における技術は、モノリシック集積型3D CMOSデバイスの設計及び製造効率を改善する。本技術は、全てのCFETソース(入力)、ドレイン(出力)、及びゲート接続が、標準セルの一番上のCMOSレベルの真上に位置するコンタクトのアレイに配線される、汎用(均一又は共通)デバイススタックを使用することを含む。一連のカスタマイズ層は、カスタマイズされたローカル配線を用いて所望のセル機能性を実現する。
【0022】
ロジックチップの大部分は、標準セルでレンダリングされたロジックプリミティブから生成される。1つの例示的な標準セルを図1に示すことができる。図1は、AND-OR-反転(AOI)セル100の概略回路図を示す。本明細書のAOIセル100は、セルのp-fet側で並列対(parallel pairs)にグループ化され、CMOS回路のn-fet側で直列対(serial pairs)にグループ化されたトランジスタを有する中程度に複雑な標準セルである。例えば、p-fet側は、4つのp型トランジスタP1~P4を含むことができ、P1とP2とが並列に接続され、P3とP4とが並列に接続されている。n-fet側は、4つのn型トランジスタN1~N4を含むことができ、N1とN2とが直列に接続され、N3とN4とが直列に接続されている。AOIセル100は、4つの入力A~D及び出力Yに電気的に結合されている。4つの入力A~Dの各々がAOIセル100のそれぞれのn型ゲート及びp型ゲートに結合されている。例えば、入力Aは、n型トランジスタN1のn型ゲートと、p型トランジスタP1のp型ゲートとに結合されている。加えて、AOIセル100は、p型トランジスタP1及びP2のソース領域に結合されている供給電圧VDDに接続されている。AOIセル100は、n型トランジスタN2及びN4のソース領域に結合されている接地電圧GND(VSSとも称される)に更に接続されている。
【0023】
図2は、非3D集積化CFETレンダリングに基づいて形成されたAOIセル100についての関連するレイアウト200である。図2は、AOIセル100のレイアウト200を上から見た図を示す。図2に示されるように、レイアウト200は、イオン注入プロセスを経てドープされる活性領域102を有することができる。レイアウト200は、4つのゲート構造104a及び104bを有することができる。レイアウト200は、複数の最下レベルの金属層(例えば、M0)106a~106fも含む。レイアウト200は、複数のn-fetソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト108a~108d及び複数のp-fetソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト110a~110dを含むことができる。n-fetソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト108及びp-fetソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト110は、複数のコンタクト112a~112eを通してM0 106に接続されている。加えて、レイアウト200は、入力A~Dにそれぞれアクセスするためにゲート構造104及びM0に接続された複数のゲートコンタクトA~Dを含むことができる。本明細書で説明されている電力供給は、図1の回路概略図では、VDD及びGND(VSSとも称される)として示されている。レイアウト200を上から見た図では、VDD及びVSS電源レール(power-rail)は、レイアウト200の上部及び下部の水平の縁部において幅広のバーとして示されている。S/Dローカルインターコネクト108及び110において形成された電源タップ(図示せず)は、トランジスタのソース領域をこれらの電源レールに接続するために使用される。
【0024】
図3は、いくつかの実施形態による、CFETデバイスに基づいて形成されたAOIセル100の概略図である。図3に示されるように、AOIセル100は、4つのCFETデバイス302~308を含むトランジスタ群300によって形成されてもよく、各CFETデバイスがそれぞれの入力に連結される。例えば、CFETデバイス302は、入力Aに連結され、CFETデバイス304は、入力Bに連結される。加えて、各CFETデバイスは、n型トランジスタ及びp型トランジスタを含み得る。n型トランジスタ及びp型トランジスタは、共有ゲート構造を有し得る。例えば、CFETデバイス302は、n型トランジスタN1及びp型トランジスタP1を含み、それらは図3に示されている。4つのCFETデバイス302~308は、複数のローカル相互接続によって接続される。例えば、ローカル相互接続310は、n型トランジスタN1及びN2を接続するように形成されてもよく、ローカル相互接続312は、p型トランジスタP1及びP2を接続するように形成されてもよい。4つのCFETデバイスは、ローカル相互接続を通して供給電圧VDD、接地電圧VSS、及び出力Yにさらに連結される。デバイスは、p-fetデバイス信号を再分配するように構成される第1の金属層(例えば、M0)314も含み得る。
【0025】
3D集積化を実現する1つの手段は、互いの上部に標準セルを単に積層することである。ウェハ又は基板接合の様々な手段が、図4に概念的に示される結果を達成するために存在する。図4に示されるように、2つのAOIセル100は、2つのCFETトランジスタスタック400A及び400Bそれぞれによって形成され得る。トランジスタスタック400Aは、上部出力を提供するように第1のウェハにおいて形成されてもよく、トランジスタスタック400Bは、下部出力を提供するように第2のウェハにおいて形成されてもよい。2つのウェハは、その際、3D集積化を形成するために共に接合され得る。標準セル設計に最小限の混乱をもたらす一方で、この3D集積化手法は、最終的に半導体スケーリングの目標であるコスト又は製造効率の増加を実現することはできない。半導体製造業者が、2つのチップを構築しなければならないコスト、及び、次いでそれらを接合しなければならないコストを負うか、又は、後続のCMOS層が逐次的に製造される場合に、プロセスエンジニアが、金属配線が存在するときにデバイスを活性化することに関連する困難なサーマルバジェットの問題を解決しなければならないか、のいずれかである。いずれにせよ、従来の2D集積化とは異なり、連続的な3D集積化は、(ムーアの法則によって示されるように)等価なプロセスコスト又は複雑性を有する多くのトランジスタの2倍の生産効率増加をもたらさない。
【0026】
代替的には、CMOSの連続するレベルに標準セルを積層するのではなく、図5に示されるように、互いの上に、CFETで行われるようなトランジスタだけではなく、セル全体を折り畳むことによって3D集積化が実現される。図5に示されるように、AOIセル100は、トランジスタスタック500によって形成され得る。トランジスタスタック500は、基板に垂直な方向に沿って2つの群(groups)500A~500Bに積層される、4つのCFETデバイス502~508を有し得る。2つの群のそれぞれが、並列に位置する2つのCFETデバイスをさらに有し得る。例えば、群500Aが、並列に位置するCFETデバイス506及びCFETデバイス508を有し得る。各CFETデバイスは、n型トランジスタ及びp型トランジスタを含み得る。n型トランジスタ及びp型トランジスタは、共有ゲート構造を有し得る。例えば、CFETデバイス502は、n型トランジスタN1及びp型トランジスタP1を含む。4つのCFETデバイス502~508は、複数のローカル相互接続を通して接続される。例えば、ローカル相互接続510は、n型トランジスタN3及びN4を接続するように形成され、ローカル相互接続512は、p型トランジスタP2及びP4を接続するように形成される。4つのCFETデバイスは、ローカル相互接続を通して、供給電圧VDD、接地電圧VSS、及び出力Yにさらに連結される。加えて、第1の金属層(例えばM0)514は、トランジスタ群500Bの上に位置し、p-fetデバイス信号を再分配するように構成される。この手法は、場所及びルートツールが単一の平面内で動作し続けるという、ある設計効率の拡張をもたらすが、それは、上記で概説された連続的デバイス製造に関連する非効率性の問題を解決するものではない。
【0027】
3D集積化に望まれるものは、積層型デバイスのモノリシック集積化、即ち、発明者によって前述された、垂直ルーティングを用いた3D空間内の複数デバイスの同時製造である。この要求を示し、残りの設計及びプロセス複雑性を強調するために、図6は、AOIセル100の2つのCFETの背の高いスタックレンダリングを示す。図6に示されるように、AOIセル100は、第1の垂直ルーティングプロセスを通してトランジスタスタック600によって形成され得る。トランジスタスタック600は、2つの群600A~600Bに並列に積層される、4つのCFETデバイス602~608を有し得る。2つの群のそれぞれが、互いの上に積層される2つのCFETデバイスをさらに有し得る。例えば、群600Aは、CFETデバイス606上に積層されるCFETデバイス602を有し得る。各CFETデバイスは、n型トランジスタ及びp型トランジスタを含み得る。n型トランジスタ及びp型トランジスタは、共有ゲート構造を有し得る。例えば、CFETデバイス602は、n型トランジスタN2及びp型トランジスタP2を含む。4つのCFETデバイス602~608は、複数の相互接続(例えば、610及び612)によって垂直ルーティングを通して接続される。4つのCFETデバイスは、相互接続を通して供給電圧VDD、接地電圧VSS、及び出力Yにさらに連結される。
【0028】
垂直配線技術は、中間配線レベルなしに能動トランジスタを積層することによって、3D集積化における1つの主な非効率性に対処し、その場合に、全てのトランジスタが、同時にパターニングされ、製造され得る。2つの非効率性が残っていることに留意されたい。1つの課題は、図7に示されるように、複雑なトランジスタレベルの配線を分解することである。図7は、いくつかの実施形態による、第2の垂直ルーティング技術を用いることによって形成されるAOIセル100の概略図である。図7に示されるように、AOIセル100は、トランジスタスタック700によって実施され得る。トランジスタスタック700は、基板に垂直な方向に沿った列に積層される、4つのCFETデバイス702~708を含む。4つのCFETデバイス702~708は、複数の相互接続(又は、トランジスタレベルの配線)によって垂直ルーティングを通して互いに接続される。3D空間では、トランジスタレベルの配線は、困難であり間違いを起こしやすく、設計効率の損失につながる。別の課題は、CMOSの各レベルが独自のローカル相互接続及びコンタクトを有することを可能にすることである。これは、マスクカウント及び製造複雑性を望ましくないレベルまで増大させる。少なくとも4つの個々のマスクレベルが、CFETスカイスクレーパ(積層構造)のフロア毎に一意に定義される必要がある。
【0029】
本明細書における技術は、モノリシック集積型3D CMOSデバイスの設計及び製造効率を改善する。そのような改善は、既存の標準セルロジックフローを2つの独自構成要素で構成されたアーキテクチャで置換する、技術定義及び設計フローを実施することによって達成される。
【0030】
1つの構成要素は、汎用デバイススタックである。この汎用デバイススタックは、全てのCFETソース(入力)、ドレイン(出力)、及びゲート接続が、対応する標準セルの一番上のCMOSレベルの真上に位置するコンタクトのアレイに配線される、ゲートアレイと同種である。この汎用デバイススタックは、トランジスタのスタック全体が、発明者によって上記で開示されたCFET集積プロセスの拡張における活性チャネル及びゲート導電体についての単一の露出を用いて製造されることを可能にする。この汎用デバイススタックにおけるポリゲート及びローカル相互接続は、上方からの各層への障害のないアクセスを可能にするために、垂直方向又は横方向のエッチングステップ(etch step)のシーケンスを用いて階段状にされる。これは、本質的には、断面から見て段差型ピラミッド構造(stepped pyramid structure)を形成する。デバイススタック内の各層をコンタクトのアレイに接続する垂直コンタクトは、単一のパターニング動作で形成されている一番上のCMOSレベルの真上に位置する。このような構造の形成には、それぞれの各コンタクトターゲット層に導入されるエッチングストップ(etch stop)を使用する。この汎用デバイススタックは、機能差別化で構成される。従って、大量のトランジスタが、ペグボード式コンタクトのアレイに接続されて効率的に構築される。
【0031】
もう1つの構成要素は、ローカル配線が特定のコンタクトを接続して所望のセル機能性を実現するために使用される、一連のカスタマイズ層である。従って、デバイススタックの汎用又は反復可能なペグボード設計が、多くの種類のロジックデバイスのいずれかを生成するために使用され得る。本明細書で説明される特定の実施形態は、積層されたCFETトランジスタを用いたロジック設計に着目するが、これらの技術及びデバイス構造がメモリセル及び他のトランジスタ種類にどのように適用可能かは、当業者にとっては容易に明らかであろう。
【0032】
一実施形態では、本明細書における技術は、確立された標準セル設計フローを、(a)図8A及び図8Bに示され得る、一番上のCMOSレベルの真上に位置するペグボード式コンタクトのアレイへの接続を有する大量のトランジスタ、並びに(b)図8Cに示され得る、適当な入力(ソース)、出力(ドレイン)、及び信号(ゲートコンタクト)コンタクトレベルを接続することによって所望の機能性を提供する一連の配線レベル、に分離することによって効率的な3Dモノリシック集積化を可能にするアーキテクチャ定義を提供する。
【0033】
図8Aは、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成されるAOIセル100の概略図である。図8において見られ得るように、段差型又はピラミッド型トランジスタスタック800は、トランジスタスタック800の段差から延びる垂直コンタクト810で形成される。トランジスタスタック800は、基板上に積層される4つのCFETデバイス802~808を含み得る。各CFETデバイスは、それぞれの入力に連結されるn型トランジスタ及びp型トランジスタを含み得る。例えば、CFET802は、入力Dに連結されるn型トランジスタN3及びp型トランジスタP3を含み得る。トランジスタスタック800は、階段構成を有する複数のローカル相互接続812~826を有し得る。各ローカル相互接続は、それぞれのトランジスタに連結される。トランジスタスタック800は、ローカル相互接続812~826に連結され、かつ、ローカル相互接続812~826から延びる、垂直コンタクトのアレイ810のセットをさらに含み得る。垂直コンタクトのアレイ810のセットは、互いと同一面内の上面を有してもよく、各垂直コンタクト又は列の長さは、着地ステップの高さ及び位置に依存して異なる。
【0034】
図8Bは、3D集積化トランジスタスタック900に基づいて形成される、AOIセル100の概略図である。トランジスタスタック900は、基板(図示せず)上に積層される4つのCFETデバイス902~908を含み得る。4つのCFETデバイスのそれぞれは、n型トランジスタ及びp型トランジスタによって形成されるトランジスタ対を含み得る。例えば、CFETデバイス902は、n型トランジスタN3及びp型トランジスタP3によって形成されるトランジスタ対を含んでもよく、n型トランジスタN3及びp型トランジスタP3は入力Dに連結される。n型トランジスタ及びp型トランジスタは、共有ゲート構造を有し得る。n型トランジスタは、p型トランジスタの上に位置し得る。ゲート構造は、n型トランジスタのn型チャネル領域及びp型トランジスタのp型チャネル領域を囲み得る。チャネル領域は、シート、ワイヤ、又はバー構成を有し得る。n型トランジスタは、n型チャネル領域の2つの端にそれぞれ位置するソース領域及びドレイン領域を有してもよく、ゲート構造は、n型チャネル領域を囲み、n型トランジスタのソース領域とドレイン領域との間に位置する。p型トランジスタは、p型チャネル領域の2つの端にそれぞれ位置するソース領域及びドレイン領域を有してもよく、ゲート構造は、p型チャネル領域を囲み、p型トランジスタのソース領域とドレイン領域との間に位置する。さらに、ゲート構造は、ゲート電極に電気的に連結され得る。ソース領域及びドレイン領域は、ソースローカル相互接続及びドレインローカル相互接続をそれぞれ有し得る。
【0035】
図8Bに示されるように、ゲート電極及びソース/ドレイン(S/D)ローカル相互接続は、階段構成を有する。さらに、複数の垂直コンタクト910は、S/Dローカル相互接続又はゲート電極に連結され、かつ、S/Dローカル相互接続又はゲート電極から延びる。従って、ゲート電極及びS/Dローカル相互接続の階段構成は、トランジスタスタック900内の各トランジスタへの容易なアクセスをもたらし、図3~7に示される相互接続の複雑な接続を回避する。
【0036】
なおも、図8Bを参照すると、n型トランジスタN3及びp型トランジスタP3は、共有ゲート構造912を有する。n型トランジスタN3は、n型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域918及びドレイン領域916を有する。nチャネル領域は、ゲート構造912によって囲まれ、ゲート構造912は、ソース領域918及びドレイン領域916の間に位置する。p型トランジスタP3は、ソース領域922及びゲート構造912の後ろにドレイン領域を有する。ソース領域922及びドレイン領域は、p型チャネル領域の2つの端に位置する。同様に、p型チャネル領域は、ゲート構造912によって囲まれ、ゲート構造912は、p型トランジスタP3のソース領域922及びドレイン領域の間に位置する。
【0037】
ゲート構造912は、1つ又は複数のゲート電極914を有し得る。ゲート電極914は、ゲート構造912の2つの端に位置し得る。n型トランジスタN3のソース領域918及びドレイン領域916は、ソースローカル相互接続920及びドレインローカル相互接続924をそれぞれ有し得る。同様に、p型トランジスタP3のソース領域922は、ソースローカル相互接続926を有してもよく、p型トランジスタP3のドレイン領域は、ゲート電極914の後ろに位置するドレインローカル相互接続を有してもよい。
【0038】
図8Bが単なる例であることに留意されたい。トランジスタスタック900は、基板(図示せず)上に積層される任意の数のCFETデバイスを有し得る。CFETデバイスは、図示されない複数の誘電体層によって互いから離隔され得る。CFETデバイスは、n型トランジスタ及びp型トランジスタを有し得る。いくつかの実施形態では、n型トランジスタは、p型トランジスタの上に位置し得る。いくつかの実施形態では、p型トランジスタは、n型トランジスタの上に位置し得る。加えて、n型トランジスタ及びp型トランジスタは、絶縁層によって分離され得る。さらに、ソース領域及びゲート構造は、絶縁層によって分離され、ドレイン領域及びゲート構造もまた、絶縁層によって分離されることに留意されたい。
【0039】
図8Cは、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成されるAOIセル100を上から見たレイアウト図である。図8Cは、適当な入力(ソース)、出力(ドレイン)、及び信号(ゲートコンタクト)コンタクトレベルを接続することによって所望の機能性を提供する一連の配線レベルを示す。図8C(a)は、汎用モノリシックデバイスのレイアウトであり、図8C(b)は、カスタマイズ層を示す。図8C(a)に示されるように、レイアウト1000は、入力A~Dにそれぞれ連結される4つのゲート電極A~Dを有し得る。レイアウト1000は、VDD1002及びVSS1004を有し得る。レイアウト1000は、p-fetローカル相互接続1006及びn-fetローカル相互接続1008を有し得る。ローカル相互接続1006及び1008は、n-fetソース/ドレインコンタクト1014及びp-fetソース/ドレインコンタクト1016をそれぞれ通って能動デバイス領域1010に連結される。レイアウト1000は、ゲートコンタクトA~Dに連結されるポリコンダクタ1012も有する。図8C(b)に示されるように、適当な入力(ソース)、出力(ドレイン)、及び信号(ゲートコンタクト)コンタクトレベルを接続することによって、所望の機能性を提供するように構成される、3つの金属層(配線レベル)M0 1018、M1 1020、及びM2 1022が形成される。
【0040】
別の実施形態では、本明細書における技術は、反復する3Dトランジスタ、及び、均一かつカスタマイズ可能であるコンタクトアクセスを提供する。このような設計は、本質的には、3Dロジックの実施のためのコンタクトの「ペグボード(“pegboard”)」パターンを提供する。その際、回路図は、図9において標準ロジックAOI機能について示されるように、3Dロジック設計にマッピングされ得る。図9(a)は、AOIセル100の概略回路図である。図9(b)は、AOIセル100のp-fet側に形成されるコンタクトのペグボードパターンである。図9(c)は、AOIセル100のn-fet側に形成されるコンタクトのペグボードパターンである。図9(b)及び9(c)に示されるように、標準ロジックAOI機能は、一連の配線レベル(例えば、M0、M1、M2)を通して、対応するソース/ドレインコンタクト及びゲートコンタクトを接続することによって形成され得る。いくつかの実施形態では、コンタクトのペグボードパターンは、図8Bに示される垂直コンタクト910に基づいて形成され得る。垂直コンタクト910は、コンタクトのペグボードパターンを形成するように、ゲート電極、S/Dローカルコンタクトに連結され得る。標準ロジックAOI機能は、垂直コンタクトのアレイ上に位置し、かつ、垂直コンタクトのアレイを接続することによって、半導体デバイスの機能性を提供する一連の配線レベル(例えば、M0、M1、M2)を通して、垂直コンタクト910、供給電圧VDD、入力A~D、及び接地電圧GNDの間の対応する接続を行うことによって満たされ得る。
【0041】
AOI22のようないくつかのロジック機能が、この例で使用される4つのCFETデバイスを適切に消費し、それ以外は、単純なインバータのように、より少ないトランジスタ対を必要とすることに留意されたい。本明細書における技術では、コンタクトが汎用の大量トランジスタに接続するため、所与の/対応するペグ割り当ては無関係である。従って、バッファを設計するために図9において使用される「A」及び「B」ペグは、インバータの設計に利用可能な状態のままである「B」及び「C」ペグに容易に移植され得る。この技術の単純性及び明確性は、既存の電子設計自動化ツール及びフローへの拡張を通した製品実装を可能にする。
【0042】
本明細書における技術は、m個のCFETデバイス(本開示では、mは4に等しい)のスタックが一連の層状成膜において構築されることを可能にする、モノリシック3D集積化のフローを提供する。その際、これらのデバイス層は、覆われていないか又は露出されており、それによって、ピラミッド型形成技術において逐次的に層を窪ませること(recessing)によって上方からのアクセスを提供する。このやり方で形成されると、全てのデバイス層が、単一の露出においてパターニングされ、かつ、対応するエッチングストップを組み込むことによって適当な深さまでエッチングされた、垂直相互接続のアレイによって接触され得る。
【0043】
モノリシック3D集積化フローは、図10~15によって示され得る。図10に示されるように、トランジスタスタック1100は、基板(図示せず)上に形成され得る。トランジスタスタック1100は、図8Bに示されるトランジスタスタック900と類似の構成を有する。図10に示されるように、トランジスタスタック1100は、基板上に積層される複数のCFETデバイス1102~1108を有し得る。各CFETデバイスは、互いの上に積層されるn型トランジスタ及びp型トランジスタを有し得る。いくつかの実施形態では、n型トランジスタは、p型トランジスタの上に位置する。いくつかの実施形態では、p型トランジスタは、n型トランジスタの上に位置する。図10の例において、n型トランジスタは、p型トランジスタの上に位置する。
【0044】
トランジスタスタック1100は、基板上に積層され、かつ、複数のCFETデバイスのゲート構造に電気的に連結される、複数のゲート電極を有し得る。例えば、CFETデバイス1102は、n型トランジスタN3及びp型トランジスタP3によって共有されるゲート構造1110を有し得る。ゲート構造1110は、ゲート構造の2つの端に位置するゲート電極1112を有し得る。トランジスタスタック1100は、基板上に積層され、かつ、CFETデバイスのソース領域及びドレイン領域に電気的に連結される、複数のソース/ドレイン(S/D)ローカル相互接続を有し得る。例えば、n型トランジスタN3は、ソース領域1114及びドレイン領域1116を有し得る。ソース領域1114は、ソースローカル相互接続1120を有し、ドレイン領域1116は、ドレインローカル相互接続1122を有し得る。同様に、p型トランジスタP3は、ソース領域1118、及びゲート構造1110の後ろに位置するドレイン領域を有し得る。ソース領域1118は、ソースローカル相互接続1124を有し、ドレイン領域は、ゲート電極1112の後ろに位置するドレインローカル相互接続を有する。
【0045】
図11~13において、複数のゲート電極及び複数のS/Dローカル相互接続が階段構成を有するように、垂直方向及び横方向のエッチングステップのシーケンスが、トランジスタスタック1100において複数のゲート電極及び複数のS/Dローカル相互接続をエッチングするために実行され得る。例えば、図11において、CFETデバイス1102のゲート電極及びS/Dローカル相互接続の一部が除去される。図12において、CFETデバイス1104のゲート電極及びS/Dローカル相互接続の一部が除去される。このような逐次的エッチングプロセスに基づいて、階段構成が、ゲート電極及びS/Dローカル相互接続において形成され得る。垂直方向及び横方向エッチングステップの間、フォトリソグラフィプロセスが適用され得ることに留意されたい。フォトリソグラフィプロセスは、所望の領域を保護し、除去する必要がある領域を露出する、マスク層を提供し得る。露出された領域は、エッチングステップによってその後除去され得る。
【0046】
図14において、複数の垂直コンタクトが、誘電性スタック(図示せず)において形成され得る。垂直コンタクトは、パターニングプロセス及び成膜プロセスに基づいて形成され得る。パターニングプロセスは、マスク層に複数のパターンを形成するフォトリソグラフィプロセスを含み得る。エッチングプロセスは、その後、パターンを誘電性スタックに移転して、複数のコンタクト開口部を形成し得る。成膜プロセスは、コンタクト開口部に導電材料を成膜して垂直コンタクトを形成するために適用され得る。成膜プロセスは、化学気相蒸着(CVD)、物理的気相蒸着(PVD)、拡散、原子層蒸着(ALD)、又は他の適当な成膜プロセスを含み得る。導電材料は、タングステン、コバルト、ルテニウム、銅、アルミニウム、又は他の適当な導電材料を含み得る。
【0047】
図15において、導電材料の成膜後に、AOIセル100が、階段状ローカル相互接続を有する3D集積化CFETスタック1200に基づいて形成され得る。CFETスタック1200は、CFETトランジスタスタック900に類似の構成を有し得る。例えば、CFETスタック1200は、基板上に積層される4つのCFETデバイス1202~1208を含む。CFETスタック1200のゲート電極及びS/Dローカル相互接続は、階段構成を有する。複数の垂直コンタクト1210は、ゲート電極及びS/Dローカル相互接続に連結され、かつ、ゲート電極及びS/Dローカル相互接続から延びる。
【0048】
本明細書における技術アーキテクチャは、ロジック及びメモリ設計のための積層トランジスタの効率的な3Dモノリシック集積化を可能にする。これは、リソグラフィで画定されたパターンの単一のセットに対する逐次的な成膜及びエッチング動作を用いて、汎用トランジスタのスタックを構築すること(均一ベーストランジスタ設計)を含む。トランジスタのこの汎用スタックのゲート電極及びソース/ドレインローカル相互接続は、上方からアクセスするために後続のトランジスタレベルを提供する、階段状(段差型ピラミッド)構造を形成する。コンタクトのアレイは、上記階段状構造のそれぞれのトランジスタレベル上に着地するように、上部デバイス層上の平面からエッチングされる。コンタクトのアレイは、均一な上面を有し得る。汎用トランジスタのセットは、その際、所定のロジック機能設計又はメモリ設計に従って接続される。コンタクトのアレイを接続するパターンは、汎用トランジスタのロジック又はメモリ機能を定義する。言い換えると、基板上の全てのトランジスタは、配線パターンによってカスタマイズ可能な機能を提供する垂直コンタクトのアレイを有する同一のベースアーキテクチャを有し得る。いくつかの構成において、2つ以上のロジック機能が、所与のペグボードに配線され得ることに留意されたい。単純なロジック機能の場合、コンタクトの一部及び対応するトランジスタのみが使用され得る。これは、第2のロジック機能を配線するためのオープン(open)コンタクトを同一の汎用デバイススタック上に残す。
【0049】
本明細書における例としての実施形態は、3Dロジック構造に着目しているが、本明細書における技術が積層型SRAMなどの3Dメモリ構造にどのように適用され得るかを当業者が理解し得ることに留意されたい。本開示において、AOIセルは、単なる例である。開示された階段状相互接続構造は、他のロジック構造、アナログ構造、メモリ構造、又は他の半導体デバイスに適用され得る。
【0050】
前述の説明では、処理システムの特定の形状並びにそこで使用される様々な構成要素及びプロセスの説明など、特定の詳細について説明してきた。しかしながら、本明細書における技術は、これらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態で実施することができ、そのような詳細は、説明のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。本明細書で開示される実施形態が添付の図面を参照して説明されてきた。同様に、説明の目的のため、詳細な理解を提供するために特定の番号、材料、及び構成が示されてきた、いかなる冗長な説明も省略される場合がある。
【0051】
様々な実施形態の理解を支援するために、様々な技術が複数の個別の動作として説明されてきた。説明の順序は、これらの動作が必ず順序に依存することを意味すると解釈されるべきではない。実際に、これらの動作は、提示した順序で実行される必要はない。説明された動作は、説明された実施形態と異なる順序で実行され得る。追加の実施形態では、様々な追加の動作を実行することができ、かつ/あついは、説明した動作を省略することができる。
【0052】
本明細書で使用される「基板」又は「ターゲット基板」は、本発明に従って処理されるオブジェクトを総称して指す。基板は、デバイス、特に半導体又は他の電子デバイスの任意の材料部分又は構造を含むことがあり、例えば半導体ウェハ、レチクルなどのベース基板構造、又は、薄膜などのベース基板構造上の若しくはそれに重なる層であり得る。従って、基板は、いかなる特定のベース構造、下層又は上層、パターン付き又はパターンなしにも限定されず、むしろ、任意のそのような層若しくはベース構造、並びに、層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを含むことが企図されている。説明では、特定の種類の基板を参照している場合があるが、これは、説明のみを目的とするものである。
【0053】
また、当業者であれば、本発明の同じ目的を達成しながら、上記で説明した技術の動作に対してなされる多くの変形形態が存在し得ることを理解するであろう。そのような変形形態は、本開示の範囲に包含されることが意図されている。従って、本発明の実施形態の前述の説明は、限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の実施形態に対するいかなる限定も以下の特許請求の範囲に提示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15