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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】発光装置、照明装置及び光学部材
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231214BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20231214BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20231214BHJP
   G02B 3/08 20060101ALI20231214BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231214BHJP
【FI】
F21S2/00 412
F21V5/04 400
F21V5/02 100
G02B3/08
F21Y115:10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019079413
(22)【出願日】2019-04-18
(65)【公開番号】P2020177819
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】島 康平
(72)【発明者】
【氏名】河野 洋平
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-164124(JP,A)
【文献】国際公開第2014/091711(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104848058(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/00
G02B 3/08
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集光体と、
前記集光体を囲み、透光性であり、端部に複数の凹部が形成されており、前記凹部間の部分が導光部である第1筒状体と、
前記集光体に対応する位置に配置された1以上の第1発光素子と、
複数の前記導光部に対応する位置に配置された複数の第2発光素子と、
を備え、
前記複数の導光部の一部は第1導光部であり、他の一部は第2導光部であり、
前記第1筒状体の外側面において、前記第1導光部の側面と前記端部との交点から前記第1導光部の側面における前記端部から最も遠い点に向かう方向は、前記第1導光部の中心軸が延びる方向に対して第1角度で傾斜しており、
前記第1筒状体の外側面において、前記第2導光部の側面と前記端部との交点から前記第2導光部の側面における前記端部から最も遠い点に向かう方向は、前記第2導光部の中心軸が延びる方向に対して第2角度で傾斜しており、
前記第1角度は前記第2角度よりも大きい発光装置。
【請求項2】
前記導光部は、前記端部から遠ざかるにつれて太くなるか、又は一定である請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記凹部は、前記端部から遠ざかるにつれて狭くなるか、又は一定である請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記導光部の側面は前記凹部の内側に向けて凸状に湾曲している請求項1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1導光部と前記第2導光部は交互に配列されている請求項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1導光部に対応する位置に配置された前記第2発光素子から出射する光の色温度は、前記第2導光部に対応する位置に配置された前記第2発光素子から出射する光の色温度とは異なる請求項1~5のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項7】
前記複数の導光部の更に他の一部は第3導光部であり、
前記第1筒状体の外側面において、前記第3導光部の側面と前記端部との交点から前記第3導光部の側面における前記端部から最も遠い点に向かう方向は、前記第3導光部の中心軸が延びる方向に対して第3角度で傾斜しており、
前記第3角度は、前記第1角度よりも大きい請求項1~6のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項8】
集光体と、
前記集光体を囲み、透光性であり、端部に複数の凹部が形成されており、前記凹部間の部分が導光部である第1筒状体と、
前記集光体に対応する位置に配置された1以上の第1発光素子と、
複数の前記導光部に対応する位置に配置された複数の第2発光素子と、
前記第1筒状体を囲み、透光性であり、端部に複数の凹部が形成されており、前記凹部間の部分が導光部である第2筒状体と、
前記第2筒状体の複数の前記導光部に対応する位置に配置された複数の第3発光素子と、
を備えた発光装置。
【請求項9】
前記第2筒状体の外側面において、前記第2筒状体の前記導光部の側面と前記第2筒状体の前記端部との交点から前記導光部の側面における前記端部から最も遠い点に向かう方向と、前記第2筒状体の前記導光部の中心軸が延びる方向とがなす角度は、前記第1筒状体の外側面において、前記第1筒状体の前記導光部の側面と前記第1筒状体の前記端部との交点から前記導光部の側面における前記端部から最も遠い点に向かう方向と、前記第1筒状体の前記導光部の中心軸が延びる方向とのなす角度よりも大きい請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記集光体は、
凸レンズと、
前記凸レンズを囲む環状のプリズム部と、
を有する請求項1~のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項11】
前記集光体は、前記第1発光素子に対応する位置に開口部が形成された凹面鏡を有する請求項1~のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項12】
前記集光体及び前記第1筒状体が、透明材料により一体的に形成された請求項1~10のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1つに記載の発光装置と、
前記発光装置の側面を覆うカバー部材と、
を備えた照明装置。
【請求項14】
集光体と、
前記集光体を囲み、透光性であり、端部に複数の凹部が形成されており、前記凹部間の部分が導光部である第1筒状体と、
を備え、
複数の前記導光部の一部は第1導光部であり、他の一部は第2導光部であり、
前記第1筒状体の外側面において、前記第1導光部の側面と前記端部との交点から前記第1導光部の側面における前記端部から最も遠い点に向かう方向は、前記第1導光部の中心軸が延びる方向に対して第1角度で傾斜しており、
前記第1筒状体の外側面において、前記第2導光部の側面と前記端部との交点から前記第2導光部の側面における前記端部から最も遠い点に向かう方向は、前記第2導光部の中心軸が延びる方向に対して第2角度で傾斜しており、
前記第1角度は、前記第2角度よりも大きい光学部材。
【請求項15】
前記第1導光部と前記第2導光部は交互に配列されている請求項14に記載の光学部材。
【請求項16】
前記複数の導光部の更に他の一部は第3導光部であり、
前記第1筒状体の外側面において、前記第3導光部の側面と前記端部との交点から前記第3導光部の側面における前記端部から最も遠い点に向かう方向は、前記第3導光部の中心軸が延びる方向に対して第3角度で傾斜しており、
前記第3角度は、前記第1角度よりも大きい請求項14または15に記載の光学部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、発光装置、照明装置及び光学部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、配光角の切替が可能な照明装置が要望されている。例えば、1つの照明装置により、ある状況では配光角を大きくして室内全体を照明し、他の状況では配光角を小さくして狭い範囲を照明することが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-335101号公報
【文献】特開2007-265726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、機械的な手段を用いずに配光角の切替が可能な照明装置、並びに、この照明装置に用いる発光装置及び光学部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る発光装置は、集光体と、前記集光体を囲み、透光性であり、端部に複数の凹部が形成されており、前記凹部間の部分が導光部である第1筒状体と、前記集光体に対応する位置に配置された1以上の第1発光素子と、複数の前記導光部に対応する位置に配置された複数の第2発光素子と、を備える。
【0006】
本発明の一実施形態に係る照明装置は、前記発光装置と、前記発光装置の側面を覆うカバー部材と、を備える。
【0007】
本発明の一実施形態に係る光学部材は、集光体と、前記集光体を囲み、透光性であり、端部に複数の凹部が形成されており、前記凹部間の部分が導光部である第1筒状体と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、機械的な手段を用いずに配光角の切替が可能な照明装置、並びに、この照明装置に用いる発光装置及び光学部材を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る照明装置を示す分解斜視図である。
図2】第1の実施形態における光源部を示す下面図である。
図3】第1の本実施形態に係る光学部材を示す斜視図である。
図4】第1の本実施形態に係る光学部材を示す斜視図である。
図5】第1の実施形態に係る光学部材を示す側面図である。
図6】第1の実施形態に係る光学部材を示す断面図である。
図7】第1の実施形態に係る光学部材を示す上面図である。
図8】第1の実施形態に係る光学部材を示す下面図である。
図9A】第1発光素子から出射した光の軌跡のシミュレーション結果を示す図である。
図9B】第2発光素子から出射した光の軌跡のシミュレーション結果を示す図である。
図10A】第2発光素子から出射した光の軌跡のシミュレーション結果を示す図である。
図10B】第2発光素子から出射した光の軌跡のシミュレーション結果を示す図である。
図11】第1の実施形態に係る光学部材の第1導光部を示す投影図である。
図12A】横軸に角度をとり、縦軸に相対強度をとって、第1筒状体から出射した光の相対配光分布を示すグラフである。
図12B】横軸に照射面における中心からの距離をとり、縦軸に照度をとって、第1筒状体から出射した光の照度分布を示すグラフである。
図13】第2の実施形態に係る光学部材を示す斜視図である。
図14】第2の実施形態に係る光学部材を示す斜視図である。
図15】第2の実施形態に係る光学部材を示す側面図である。
図16】第2の実施形態に係る光学部材を示す断面図である。
図17】第2の実施形態に係る光学部材を示す上面図である。
図18】第2の実施形態に係る光学部材を示す下面図である。
図19】第3の実施形態における光源部を示す下面図である。
図20】第3の実施形態に係る光学部材を示す斜視図である。
図21】第3の実施形態に係る光学部材を示す斜視図である。
図22】第3の実施形態に係る光学部材を示す側面図である。
図23】第3の実施形態に係る光学部材を示す断面図である。
図24】第3の実施形態に係る光学部材を示す上面図である。
図25】第3の実施形態に係る光学部材を示す下面図である。
図26A】第3の実施形態に係る光学部材の第4導光部を示す投影図である。
図26B】第3の実施形態に係る光学部材の第5導光部を示す投影図である。
図27】第4の実施形態に係る発光装置を示す端面図である。
図28】第4の実施形態に係る光学部材の凹面鏡を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る照明装置100を示す分解斜視図である。
先ず、本実施形態に係る照明装置100の構成を概略的に説明する。
照明装置100は、発光装置1と、発光装置1の側面を覆うカバー部材80と、を備える。発光装置1は、光源部10と、光学部材20と、を備える。
【0011】
光学部材20は、集光体30と、集光体30を囲み、透光性であり、端部に複数の凹部41aが形成されており、凹部41a間の部分が導光部42及び43である第1筒状体40と、を備える。光源部10は、集光体30に対応する位置に配置された1以上の第1発光素子11と、複数の導光部42及び43に対応する位置に配置された複数の第2発光素子12と、を備える。一例では、照明装置100は、部屋の天井に取り付けられて、下方に向けて光を出射する。但し、照明装置100の取り付け位置及び光の出射方向はこれには限定されない。
【0012】
以下、詳細に説明する。
図2は、本実施形態における光源部10を示す下面図である。
光源部10には、1枚の配線基板15が設けられている。配線基板15の形状は、例えば略円板状であるが、これには限定されない。配線基板15は、例えば、樹脂材料からなる母材中に配線が設けられている。第1発光素子11及び第2発光素子12は、配線基板15の実装面15a上に搭載されている。
【0013】
第1発光素子11は、1個以上、例えば10個設けられており、配線基板15の中心付近に配置されている。第2発光素子12は、2個以上、例えば12個設けられており、10個の第1発光素子11を囲む領域に円状に配置されている。ここでは、第1発光素子11の数が10個であり、第2発光素子12の数が12個である例を示したが、これには限定されない。配線基板15の中心付近に1以上の第1発光素子11が配置され、第1発光素子11を囲むように2以上の第2発光素子12が配置されていれば、配置される数は問わない。
【0014】
第1発光素子11及び第2発光素子12は、例えば、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)である。第1発光素子11と第2発光素子12とは、相互に独立して制御することができる。第1発光素子11から出射する光の色温度は、第2発光素子12から出射する光の色温度と同じでもよく、異なっていてもよい。
【0015】
図3及び図4は、本実施形態に係る光学部材20を示す斜視図である。
図5は、本実施形態に係る光学部材20を示す側面図である。
図6は、本実施形態に係る光学部材20を示す断面図である。
図7は、本実施形態に係る光学部材20を示す上面図である。
図8は、本実施形態に係る光学部材20を示す下面図である。
図6は、図7に示すA-A’線による断面を示す。
【0016】
光学部材20は、透明材料により一体的に形成された透明部材である。したがって、光学部材20は、全体が透光性である。光学部材20の形状は概ね、中心軸Cを回転軸とした回転体であり、光入射面21と光出射面29を有する。光入射面21は光源部10に対向している。後述するように、光学部材20の光入射面21及び光出射面29には凹凸が形成されており、この凹凸により集光及び導光等の光学的な機能を実現している。
【0017】
光出射面29は、中央部に円錐台形の凹部29aが形成されている。凹部29aの内面は、底面29bと、斜面29cを含む。光出射面29における凹部29aの周囲は、中心軸Cに対して直交した平面部29dである。底面29b及び平面部29dには、例えば、シボ加工が施されている。すなわち、底面29b及び平面部29dには、微細な凹凸が形成されている。
【0018】
以下、光学部材20の中心軸Cが延びる方向のうち、光出射面29から光入射面21に向かう方向を「光入射方向」といい、光入射面21から光出射面29に向かう方向を「光出射方向」という。
【0019】
光学部材20の中央部には、集光体30が設けられている。集光体30には、凸レンズ31と、凸レンズ31を囲む環状のプリズム部32が一体的に設けられている。凸レンズ31の凸面31aは、光入射方向に向いている。凸レンズ31における凸面31aの反対面は光出射面29の凹部29aの底面29bである。凸レンズ31は、光源部10の第1発光素子11に対応する位置に配置されており、例えば、第1発光素子11に対向する位置に配置されている。
【0020】
プリズム部32の形状は、頂上部が陥没した略円錐体状である。プリズム部32は、光源部10における第1発光素子11と第2発光素子12の間の領域に対向している。プリズム部32における光入射方向を向いた表面は、内側面32a、上面32b、外側面32cを含んでいる。
【0021】
プリズム部32の内側面32aは凸レンズ31の凸面31aと接しており、光入射方向に向かうにつれて中心軸Cから離れるように傾斜している。上面32bは内側面32aの周囲に配置され、内側面32aと接している。上面32bは中心軸Cに対して直交する円環状の平面である。
【0022】
外側面32cは上面32bの周囲に配置され、上面32bと接している。外側面32cは、光出射方向に向かうにつれて中心軸Cから離れるように傾斜している。また、外側面32cは、光出射面29に対して外向きに、すなわち、光入射方向に向けて凸となるように湾曲している。外側面32cには、ファセット加工が施されていてもよい。ファセット加工により、外側面32cは、多数のタイル状の平面によって構成され、光を拡散させ、発光素子の粒感を低減することができる。プリズム部32の光出射方向に向いた表面は、光出射面29の凹部29aの斜面29cである。
【0023】
プリズム部32の周囲には、第1筒状体40が設けられている。第1筒状体40の概略的な形状は、プリズム部32を囲む円筒状である。第1筒状体40の中心軸は、例えば、光学部材20の中心軸Cと一致する。第1筒状体40は、中心軸Cを含む面の断面形状が略台形である。第1筒状体40の光入射方向に向いた表面は、内側面40a、上面40b、外側面40cを含んでいる。第1筒状体40の光出射方向に向いた表面は、光出射面29の平面部29dの内周部分である。
【0024】
第1筒状体40の内側面40aはプリズム部32の外側面32cと接しており、光入射方向に向かうにつれて中心軸Cから離れるように傾斜している。上面40bは内側面40aの周囲に配置され、内側面40aと接している。上面40bは中心軸Cに対して直交する円環状の平面である。外側面40cは上面40bの周囲に配置され、上面40bと接している。外側面40cは、中心軸Cに対して平行でもよく、光出射方向に向かうにつれて中心軸Cから離れる方向に傾斜していてもよい。
【0025】
第1筒状体40の光入射方向側の端部40e、すなわち、上面40bを含む端部40eには、複数の凹部41aが形成されている。第1筒状体40における凹部41a間の部分が第1導光部42又は第2導光部43である。以下、第1導光部42及び第2導光部43を総称して単に「導光部」ともいう。
【0026】
第1導光部42は、第1筒状体40の周方向に向いた一対の側面42aを有し、一対の側面42aの間が上面42bとなっている。第2導光部43は、第1筒状体40の周方向に向いた一対の側面43aを有し、一対の側面43aの間が上面43bとなっている。導光部の側面42aは、凹部41aの内側に向けて凸状に湾曲している。導光部の側面43aは、凹部41aの内側に向けて凸状に湾曲していてもよく、又は、中心軸Cに対して平行な平面であってもよい。第1導光部42の上面42b及び第2導光部43の上面43bは、第1筒状体40の上面40bの一部である。
【0027】
第1筒状体40においては、第1筒状体40の周方向に沿って、第1導光部42と第2導光部43とが交互に配列されている。このため、凹部41aの一方の内側面は第1導光部42の側面42aであり、他方の内側面は第2導光部43の側面43aである。
【0028】
凹部41aは、端部40eから遠ざかるにつれて狭くなるか、又は一定である。したがって、導光部は、第1筒状体40の端部40eから遠ざかるにつれて太くなるか、又は一定である。本実施形態においては、導光部は端部40eから遠ざかるにつれて太くなっている。但し、太くなる割合、すなわち、中心軸Cに対する側面42a及び43aの傾斜の程度は相互に異なり、中心軸Cに対して、第1導光部42の側面42aは、第2導光部43の側面43aよりも大きく傾斜している。
【0029】
より詳細に説明すると、第1筒状体40の外側面40cにおいて、第1導光部42の側面42aと第1筒状体40の端部40eとの交点42cから第1導光部42の側面42aにおける端部40eから最も遠い点42dに向かう方向V42は、第1導光部42の中心軸C42が延びる方向に対して第1角度θ42で傾斜している。また、第1筒状体40の外側面40cにおいて、第2導光部43の側面43aと第1筒状体40の端部40eとの交点43cから第2導光部43の側面43aにおける端部40eから最も遠い点43dに向かう方向V43は、第2導光部43の中心軸C43が延びる方向に対して第2角度θ43で傾斜している。そして、第1角度θ42は第2角度θ43よりも大きい。
【0030】
光源部10の第2発光素子12は、第1導光部42と第2導光部43に対応する位置、例えば、第1導光部42の上面42bに対向する位置と第2導光部43の上面43bに対向する位置に配置されている。第1導光部42に対応する位置に配置された第2発光素子12と、第2導光部43に対応する位置に配置された第2発光素子12とは、相互に独立して制御することができる。第1導光部42に対応する位置に配置された第2発光素子12から出射する光の色温度は、第2導光部43に対応する位置に配置された第2発光素子12から出射する光の色温度とは異なっていてもよく、同じでもよい。
【0031】
第1筒状体40の周囲には、平板部50が設けられている。平板部50の形状は、第1筒状体40の周囲を囲む形状であればよく、好ましくは円環板状である。平板部50の上面50aは、例えば、中心軸Cに対して直交した平面である。平板部50の光出射方向に向いた表面は、光出射面29の平面部29dの外周部分である。
【0032】
凸レンズ31の凸面31a、プリズム部32の内側面32a、上面32b及び外側面32c、第1筒状体40の内側面40a、上面40b、側面42a、側面43a及び外側面40c、並びに、平板部50の上面50aにより、光学部材20の光入射面21が構成されている。このうち、プリズム部32の外側面32cには、例えば、ファセット加工等の光を拡散させる加工が施されている。凹部29aの底面29b及び斜面29c、並びに、平面部29dにより、光学部材20の光出射面29が構成されている。このうち、底面29b及び平面部29dには、例えば、シボ加工等の光を拡散させる加工が施されている。
【0033】
光入射面21は、全体が光出射方向から直接的に見える位置及び角度で配置されている。これにより、光学部材20は、射出成型等により作製することができる。例えば、光出射面29側が開口した型に透明樹脂を流し込んで固化させ、光出射方向に引き出すことにより、光学部材20を成形することができる。
【0034】
カバー部材80においては、例えば、光源部10及び光学部材20を囲む内筒部81と、内筒部81の一端部に取り付けられ、内筒部81と共に光学部材20を支持する外筒部82と、が設けられている。カバー部材80の内筒部81及び外筒部82の形状は、例えば、円筒状である。内筒部81及び外筒部82は、例えば、樹脂材料によって形成されている。内筒部81は、例えば、部屋の天井に固定される。外筒部82の内面には環状の凸部82aが形成されており、内筒部81の端部が凸部82aに突き当たることにより、外筒部82が内筒部81に対して固定される。カバー部材80により、光源部10及び光学部材20が支持される。内筒部81及び外筒部82の内面が鏡面である場合は、光学部材20から出射した光を鏡面反射し、白色である場合は光を乱反射し、暗色である場合は光を吸収する。
【0035】
次に、本実施形態に係る発光装置1の動作について説明する。
図9Aは、第1発光素子11から出射した光の軌跡のシミュレーション結果を示す図である。
図9B図10A及び図10Bは、第2発光素子12から出射した光の軌跡のシミュレーション結果を示す図である。
図9Aは中心軸Cを含む断面を示し、集光体30内を通過する光を示す。図9Bは中心軸Cを含む断面を示し、導光部内を通過する光を示す。図10Aは光学部材20を側方から見た図であり、導光部内を通過する光を示す。図10Bは光学部材20を側方から見た図であり、第1筒状体40に凹部41aが設けられていない場合を示す。
【0036】
第1発光素子11が点灯すると、第1発光素子11から出射した光の一部は、光学部材20の凸レンズ31の凸面31aに入射する。以下、凸レンズ31に入射した光を「光L1-1」という。光L1-1は、凸レンズ31内を通過し、凸レンズ31によって集光されて、光出射面29の凹部29aの底面29bから出射する。底面29bにシボ加工が施されている場合は、光L1-1は、底面29bを通過する際に拡散される。
【0037】
第1発光素子11から出射した光の残部、すなわち、第1発光素子11から出射し、凸レンズ31に入射しなかった光の大部分は、プリズム部32の内側面32aに入射する。以下、プリズム部32に入射した光を「光L1-2」という。光L1-2は、プリズム部32内を通過し、少なくとも一部が外側面32cにおいて全反射されて、光出射面29の斜面29cから出射する。プリズム部32の外側面32cは外向きに凸となるように湾曲しているため、光L1-2は外側面32cにおいて全反射されることにより、集光される。また、外側面32cにファセット加工が施されている場合は、光L1-2は、外側面32cにおいて全反射される際に拡散される。光L1-1及び光L1-2を総称して「光L1」という。光L1の半値角θHW1は、例えば、21°である。
【0038】
第2発光素子12が点灯すると、第2発光素子12から出射した光の大部分は、光学部材20の第1筒状体40の上面40bに入射する。以下、第1筒状体40に入射した光を「光L2」という。
【0039】
第1筒状体40の厚さ方向については、光L2の少なくとも一部は、第1筒状体40の内側面40aと外側面40cとで全反射を繰り返すことにより、第1筒状体40の内部を導光され、光出射面29の平面部29dから拡散されて出射する。
【0040】
第1筒状体40の周方向については、光L2の一部は、導光部内を通過し、側面(例えば、第1導光部42の側面42a)に到達する。側面に到達した光L2の大部分は全反射され、再び導光部内を通過して、光出射面29から出射する。また、光L2の残部は、導光部の側面を介さずに光出射面29に到達し、光出射面29から出射する。
【0041】
このとき、導光部の形状、例えば、凹部41aの深さ、中心軸Cに対する導光部の側面の傾斜角、及び、導光部の側面の湾曲の状態により、光L2の拡散の程度が異なる。一般的には、凹部41aが深いほど、光L2の半値角θHW2は小さくなる。また、導光部の側面の傾斜角が大きいほど、光L2の半値角θHW2は小さくなる。光L2の半値角θHW2は、例えば、30°以上70°以下の範囲で調整可能である。
【0042】
また、第1筒状体40に凹部41aが形成されていない場合、すなわち、第1筒状体40の周方向に向いた側面を持つ導光部が存在しない場合は、光L2が導光部の側面によって全反射されることがないため、凹部41aが形成されている場合と比較して、光L2の半値角θHW2は大きくなる。この場合は、半値角θHW2は例えば71°となる。
【0043】
図11は、本実施形態に係る光学部材20の第1導光部42を示す投影図である。
図11においては、本来、第1筒状体40の外周に沿って湾曲している第1導光部42を、平面に投影している。
【0044】
例えば、第1導光部42においては、上述の如く、第1角度θ42が、第1筒状体40の外側面40cにおいて、第1導光部42の中心軸C42が延びる方向と、方向V42とのなす角度として設定されている。方向V42は、交点42cから点42dに向かう方向である。交点42cは、第1導光部42の側面42aと第1筒状体40の端部40e、すなわち、上面42bとの交点である。点42dは、第1導光部42の側面42aにおける端部40eから最も遠い点である。
【0045】
一方、第1筒状体40の外側面40cにおいて、第1筒状体40の周方向に関して、第1導光部42の上面42bの長さをLaとし、第1導光部42の根元部分、すなわち、上面42bから最も遠い部分の長さをLbとし、また、第1導光部42の高さをhとするとき、第1角度θ42は、概ね、以下の数式1によって算出することができる。
【0046】
【数1】
【0047】
導光部の形状を異ならせてシミュレーションしたところ、表1に示すように、光L2の半値角を31°~71°の範囲で調節することができた。
【0048】
【表1】
【0049】
図12Aは、横軸に角度をとり、縦軸に相対強度をとって、第1筒状体40から出射した光L2の相対配光分布を示すグラフである。
図12Bは、横軸に照射面における中心からの距離をとり、縦軸に照度をとって、第1筒状体40から出射した光L2の照度分布を示すグラフである。
導光部の形状を調節することにより半値角(配光角)を変化させても、良好な配光分布及び照度分布を得ることができた。
【0050】
また、長さLa、長さLb、高さhのそれぞれの値を、以下の(1)~(4)の条件を満たすように設定することで、さらに製造しやすく、実使用に適した発光装置とすることができる。
(1)La<Lb
(2)1mm<La<12mm、3.5mm<Lb<30mm、5mm<h<49.5mm
(3)LaはLbの0.25倍以上0.4倍以下
(4)hはLbの0.7倍以上1.65倍以下
【0051】
上記(1)~(4)の条件を満たす値で、導光部の形状を異ならせて、第2発光素子12を点灯させるシミュレーションを行った。この結果、表2に示すように、光L2の半値角を28°~58°の範囲で調節することができた。
【0052】
【表2】
【0053】
このように、本実施形態によれば、導光部の形状を異ならせることにより、異なる配光角を実現することができる。本実施形態に係る照明装置100においては、光学部材20において、第1導光部42の形状と第2導光部43の形状を異ならせることにより、第2発光素子12及び第1筒状体40によって2水準の配光角を実現することができる。さらに、第1発光素子11及び集光体30を併用することにより、合計で3水準の配光角を実現することができる。
【0054】
第1発光素子11及び第2発光素子12のうち、点灯させる発光素子を選択することにより、配光角を切り替えることができる。例えば、第1発光素子11のみを点灯させれば、配光角を「狭角」とすることができ、第2発光素子12のうち第1導光部42に対応する位置に配置された第2発光素子12のみを点灯させれば、配光角を「中角」とすることができ、第2発光素子12のうち第2導光部43に対応する位置に配置された第2発光素子12のみを点灯させれば、配光角を「広角」とすることができる。
【0055】
次に、本実施形態の効果について説明する。
照明装置100においては、機械的な手段を設けることなく、電気的な手段のみで配光角を切り替えることができる。このため、照明装置100の小型化及び低コスト化を図ることができる。また、機械的な動作がないため、切替に時間を要さず、騒音が発生することもなく、信頼性も高い。さらに、照明装置100の外観を、配光角の切替が可能であることがわからないような外観とすることができるため、部屋の天井に取り付けてダウンライトとして使用する場合等に、インテリア性を向上させることができる。
【0056】
また、1つの光学部材20を用いて、3水準の配光角を実現することができるため、照明装置100のコストをより一層低減することができる。上述の如く、射出成型法等によって光学部材20を形成すれば、コストをより低減できる。また、使用者から見て、配光角を切り替えたときに発光領域の位置及び面積がほとんど変わらないため、切替に伴う不連続感が少ない。
【0057】
更に、プリズム部32の外側面32cにはファセット加工が施され、光学部材20の光出射面29のうち、底面29b及び平面部29dにシボ加工が施されている場合には、第1発光素子11及び第2発光素子12から出射した光が拡散される。この結果、使用者から見て、発光領域の粒感を軽減することができると共に、眩しさを抑制することができる。
【0058】
なお、第1発光素子11と第2発光素子12は、同時に点灯させてもよい。これにより、例えば、第2発光素子12によって部屋全体を照明しつつ、第1発光素子11によって机などの作業空間をより明るく照明することができる。この場合に、第1発光素子11が出射する光の色温度と、第2発光素子12が出射する光の色温度を、相互に異ならせてもよい。例えば、第2発光素子12から出射する光の色温度を2700K(ケルビン)として部屋全体を電球色の光で照明しつつ、第1発光素子11から出射する光の色温度を6500Kとして机の上を白色の光で照明してもよい。
【0059】
また、センサーを用いて人を感知することで、配光角を切り替えてもよい。例えば、机などの作業空間の付近に人がいないときは、第2発光素子12のみを点灯させて部屋全体を照明し、作業空間に人がいるときは、第1発光素子11及び第2発光素子12の双方を点灯させて、作業空間を重ねて照明してもよい。更に、例えば、部屋が無人のときは、第1発光素子11及び第2発光素子12の双方を消灯させておき、部屋の入口に人が現れたときは、第1発光素子11のみを点灯させて、入口付近のみを局所的に照明し、人が室内に進入してきたら、第2発光素子12を点灯させて、部屋全体を照明してもよい。
【0060】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図13及び図14は、本実施形態に係る光学部材22を示す斜視図である。
図15は、本実施形態に係る光学部材22を示す側面図である。
図16は、本実施形態に係る光学部材22を示す断面図である。
図17は、本実施形態に係る光学部材22を示す上面図である。
図18は、本実施形態に係る光学部材22を示す下面図である。
図16は、図17に示すB-B’線による断面を示す。
なお、以下の説明においては、原則として、第1の実施形態との相違点のみを説明する。以下に説明する事項以外は、第1の実施形態と同様である。後述する他の実施形態についても同様である。
【0061】
本実施形態に係る照明装置は、光学部材22を有している。光学部材22においては、集光体30及び第1筒状体45が設けられている。集光体30の構成は、第1の実施形態と同様である。第1筒状体45は透光性である。例えば、光学部材22は透明材料により一体的に形成されている。
【0062】
第1筒状体45の概略的な形状は、第1の実施形態における第1筒状態40と同様であり、プリズム部32を囲む円筒状である。第1筒状体45は、光学部材22の中心軸Cを含む面の断面形状が略台形である。第1筒状体40の光入射方向に向いた表面は、内側面45a、上面45b、外側面45cを含んでいる。内側面45aはプリズム部32の外側面32cと接しており、光入射方向に向かうにつれて中心軸Cから離れるように傾斜している。上面45bは中心軸Cに対して直交する円環状の平面である。外側面40cは、中心軸Cに対して平行でもよく、光出射方向に向かうにつれて中心軸Cから離れる方向に傾斜していてもよい。
【0063】
第1筒状体45においては、一方の端部45eに複数の凹部41b、41c及び41dが形成されている。そして、第1筒状体45における隣り合う凹部間の部分が導光部となっている。具体的には、第1筒状体45における凹部41bと凹部41cの間の部分が第1導光部42となっており、凹部41cと凹部41dとの間の部分が第2導光部43となっており、凹部41dと凹部41bとの間の部分が第3導光部44となっている。このように、第1筒状体45においては、3種類の導光部が設けられている。第1導光部42、第2導光部43及び第3導光部44は、例えば、第1筒状体45の周方向に沿って繰り返し配列されている。
【0064】
第1導光部42及び第2導光部43の構成は、第1の実施形態と同様である。第3導光部44は、一対の側面44aと、一対の側面44a間に配置された上面44bを有している。上面44bは、第1筒状体45の上面45bの一部である。第3導光部44の側面44aの傾斜角は、第1導光部42の側面42aの傾斜角よりも大きい。
【0065】
すなわち、第1筒状体45の外側面45cにおいて、第3導光部44の側面44aと第1筒状体45の端部45eとの交点44cから第3導光部44の側面44aにおける端部45eから最も遠い点44dに向かう方向V44は、第3導光部44の中心軸C44が延びる方向に対して第3角度θ44で傾斜している。そして、第3角度θ44は、第1角度θ1よりも大きい。なお、第1の実施形態と同様に、第1角度θ42は第2角度θ43よりも大きい。すなわち、第3角度θ44>第1角度θ42>第2角度θ43、である。
【0066】
光源部10の第2発光素子12は、第1導光部42、第2導光部43及び第3導光部44に対応する位置、例えば、各導光部の上面に対向する位置に配置されている。各導光部に対応する位置には、1個以上の第2発光素子12が配置されている。第1導光部42に対応する位置に配置された第2発光素子12と、第2導光部43に対応する位置に配置された第2発光素子12と、第3導光部44に対応する位置に配置された第2発光素子12とは、相互に独立して制御することができる。また、各導光部に対応する第2発光素子12が出射する光の色温度は、相互に異なっていてもよく、相互に同じであってもよい。
【0067】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、第3導光部44から出射する光の半値角を、第1導光部42から出射する光の半値角よりも小さくすることができる。これにより、第2発光素子12及び第1筒状体45により、3水準の配光角を実現し、切り替えることができる。また、第1発光素子11及び集光体30を併用することにより、合計で4水準の配光角を実現し、切り替えることができる。
【0068】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る発光装置は、光源部16及び光学部材23を備えている。本実施形態に係る発光装置及びカバー部材80により、本実施形態に係る照明装置を構成することができる。
【0069】
図19は、本実施形態における光源部16を示す下面図である。
光源部16においては、配線基板15の実装面15a上に、第1発光素子11、第2発光素子12及び第3発光素子13が設けられている。第1発光素子11は、1個以上、例えば10個設けられており、配線基板15の中心付近に配置されている。第2発光素子12は、2個以上、例えば12個設けられており、10個の第1発光素子11を囲む領域に円状に配置されている。第3発光素子13は、2個以上、例えば12個設けられており、12個の第2発光素子12を囲む領域に円状に配置されている。なお、第1発光素子11、第2発光素子12及び第3発光素子13の数は、これには限定されない。第1発光素子11、第2発光素子12及び第3発光素子13は、例えば、LEDである。第1発光素子11、第2発光素子12及び第3発光素子13は、相互に独立して制御することができる。第3発光素子13から出射する光の色温度は、第1発光素子11又は第2発光素子12から出射する光の色温度と同じでもよく、異なっていてもよい。
【0070】
図20及び図21は、本実施形態に係る光学部材23を示す斜視図である。
図22は、本実施形態に係る光学部材23を示す側面図である。
図23は、本実施形態に係る光学部材23を示す断面図である。
図24は、本実施形態に係る光学部材23を示す上面図である。
図25は、本実施形態に係る光学部材23を示す下面図である。
図26Aは、本実施形態に係る光学部材23の第4導光部48を示す投影図である。
図26Bは、本実施形態に係る光学部材23の第5導光部49を示す投影図である。
図23は、図24に示すD-D’線による断面を示す。
図26A及び図26Bにおいては、本来湾曲している第4導光部48及び第5導光部49を、平面に投影している。
【0071】
光学部材23においては、集光体30、第1筒状体46及び第2筒状体47が設けられている。集光体30の構成は、第1の実施形態と同様である。第1筒状体46は、集光体30を囲む円筒状の部材である。第2筒状体47は、第1筒状体46を囲む円筒状の部材である。集光体30、第1筒状体46及び第2筒状体47はいずれも透光性である。例えば、光学部材23は透明材料により一体的に形成されている。
【0072】
第1筒状体46及び第2筒状体47の概略的な形状は、第1の実施形態の第1筒状体40と同様である。第1筒状体46の光入射方向に向いた表面は、内側面46a、上面46b、外側面46cを含んでいる。第2筒状体47の光入射方向に向いた表面は、内側面47a、上面47b、外側面47cを含んでいる。内側面46a及び47aは、光入射方向に向かうにつれて中心軸Cから離れるように傾斜している。上面46b及び47bは、中心軸Cに対して直交する円環状の平面である。外側面46c及び47cは、中心軸Cに対して平行でもよく、光出射方向に向かうにつれて中心軸Cから離れる方向に傾斜していてもよい。第2筒状体47の内側面47aは、第1筒状体46の外側面46cから離隔していてもよい。この場合は、外側面46cと内側面47aとの間に、底面50bが設けられている。
【0073】
第1筒状体46においては、一方の端部46eに凹部41eが形成されており、第1筒状体46における凹部41e間の部分は、第4導光部48となっている。第1筒状体46には、2個以上、例えば、12個の第4導光部48が設けられており、第1筒状体46の周方向に沿って配列されている。
【0074】
第2筒状体47においては、一方の端部47eに凹部41fが形成されており、第2筒状体47における凹部41f間の部分は、第5導光部49となっている。第2筒状体47には、2個以上、例えば、12個の第5導光部49が設けられており、第2筒状体47の周方向に沿って配列されている。
【0075】
例えば、第4導光部48と第5導光部49とは互い違いに配置されている。すなわち、光学部材23の中心軸Cと第2筒状体47の第5導光部49との間には、第1筒状体46の凹部41eが配置されている。また、光学部材23の中心軸Cと第2筒状体47の凹部41fとの間には、第1筒状体46の第4導光部48が配置されている。
【0076】
光源部16の第1発光素子11は、集光体30の凸レンズ31に対応する位置に配置されている。第2発光素子12は、第4導光部48に対応する位置に配置されており、例えば、第4導光部48の上面48bに対向する位置に配置されている。第2発光素子12の数は、第4導光部48の数と同じか又は整数倍であることが好ましい。第3発光素子13は、第5導光部49に対応する位置に配置されており、例えば、第5導光部49の上面49bに対向する位置に配置されている。第3発光素子13の数は、第5導光部49の数と同じか又は整数倍であることが好ましい。
【0077】
第5導光部49の側面49aの傾斜角は、第4導光部48の側面48aの傾斜角とは異なっている。例えば、第5導光部49の側面49aの傾斜角は、第4導光部48の側面48aの傾斜角よりも大きい。より詳細には、第2筒状体47の外側面47cにおいて、第5導光部49の側面49aと第2筒状体47の端部47eとの交点49cから第5導光部49の側面49aにおける端部47eから最も遠い点49dに向かう方向V49と、第5導光部49の中心軸C49が延びる方向とがなす第5角度θ49は、第1筒状体46の外側面46cにおいて、第4導光部48の側面48aと第1筒状体46の端部46eとの交点48cから第4導光部48の側面48aにおける端部46eから最も遠い点48dに向かう方向V48と、第4導光部48の中心軸C48が延びる方向とのなす第4角度θ48よりも大きい。
【0078】
本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、第4導光部48と第5導光部49を、第1筒状体46と第2筒状体47に分けて配置することにより、光学部材23の外径を小さくすることができる。これにより、照明装置をより一層小型化することができる。
【0079】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。
本実施形態に係る発光装置2は、光源部10及び光学部材24を備える。光源部10の構成は、第1の実施形態と同様である。光学部材24は、集光体33、第1筒状体40及び平板部50を備える。第1筒状体40及び平板部50の構成は、第1の実施形態と同様である。集光体33には、凹面鏡60が設けられている。発光装置2及びカバー部材80により、本実施形態に係る照明装置を構成することができる。
【0080】
図27は、本実施形態に係る発光装置2を示す端面図である。
図28は、本実施形態に係る光学部材24の凹面鏡60を示す斜視図である。
凹面鏡60の形状は、概ねカップ状であり、内面は鏡面となっている。凹面鏡60の内面60aには、ファセット加工が施されていてもよい。ファセット加工により、凹面鏡60の内面60aは、複数のタイル状の平面により構成される。これにより、光を拡散させ、発光素子の粒感を低減することができる。凹面鏡60の頂点部分には、開口部61が形成されている。開口部61は、光源部10の第1発光素子11に対応する位置に配置されており、例えば、第1発光素子11に対向する位置に配置されている。
【0081】
本実施形態に係る発光装置2においては、光源部10の第1発光素子11が点灯すると、第1発光素子11から出射した光が開口部61を介して凹面鏡60内に進入する。凹面鏡60内に進入した光の一部は、凹面鏡60の内面60aによって反射されて、集光される。凹面鏡60内に進入した光の残部は、光学部材24から直接出射する。一方、第2発光素子12から出射した光は、第1の実施形態と同様に、第1筒状体40内を伝導しつつ拡散され出射する。
【0082】
本実施形態においては、第1発光素子11から出射した光を凹面鏡60によって集光することができる。本実施形態によれば、凹面鏡60内に進入した光が第1筒状体40に漏洩することがないため、配光分布の制御性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、例えば、室内用の照明装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1、2:発光装置
10:光源部
11:第1発光素子
12:第2発光素子
13:第3発光素子
15:配線基板
15a:実装面
16:光源部
20:光学部材
21:光入射面
22、23、24:光学部材
29:光出射面
29a:凹部
29b:底面
29c:斜面
29d:平面部
30:集光体
31:凸レンズ
31a:凸面
32:プリズム部
32a:内側面
32b:上面
32c:外側面
33:集光体
40:第1筒状体
40a:内側面
40b:上面
40c:外側面
40e:端部
41a、41b、41c、41d、41e、41f:凹部
42:第1導光部
42a:側面
42b:上面
42c:交点
42d:点
43:第2導光部
43a:側面
43b:上面
43c:交点
43d:点
44:第3導光部
44a:側面
44b:上面
44c:交点
44d:点
45:第1筒状体
45a:内側面
45b:上面
45c:外側面
45e:端部
46:第1筒状体
46a:内側面
46b:上面
46c:外側面
46e:端部
47:第2筒状体
47a:内側面
47b:上面
47c:外側面
47e:端部
48:第4導光部
48a:側面
48b:上面
48c:交点
48d:点
49:第5導光部
49a側面
49b:上面
49c:交点
49d:点
50:平板部
50a:上面
50b:底面
60:凹面鏡
60a:内面
61:開口部
80:カバー部材
81:内筒部
82:外筒部
82a:凸部
100:照明装置
C、C42、C43、C44、C48、C49:中心軸
h:高さ
L1、L2:光
La、Lb:長さ
42、V43、V44、V48、V49:方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図27
図28