(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】光源装置および光源装置の調整方法
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20231214BHJP
H05B 47/00 20200101ALI20231214BHJP
【FI】
F21V23/00 160
H05B47/00
(21)【出願番号】P 2019201361
(22)【出願日】2019-11-06
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2018213617
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】園部 晃一朗
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀樹
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-305586(JP,A)
【文献】特開2005-084233(JP,A)
【文献】特開2007-072415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00-99/00
H05B 39/00-39/10
45/00-45/59
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発光素子と、
前記第1発光素子に直列に接続され、入力された信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する第1電流源と、
前記第1発光素子と前記第1電流源とを電気的に接続する第1配線と、
前記第1配線から絶縁され、前記第1配線と異なる電位を有する直流が供給され得る第2配線と、
前記第1配線に隣接し、前記第2配線と対向して設けられて静電容量を有する複数の第1電極部と、
を備えた光源装置。
【請求項2】
前記複数の第1電極部は、前記第1電流源から出力される電流の立ち上がり時間および下降時間があらかじめ設定した範囲となるように、前記第1配線と前記複数の第1電極部との間の電気的な接続を、それぞれ選択的に切断されまたは接続された請求項1記載の光源装置。
【請求項3】
前記第1配線と前記複数の第1電極部との間にそれぞれ設けられた導電性の第1ブリッジ部をさらに備え、
前記第1ブリッジ部は、前記第1配線および前記複数の第1電極部のうちの対応する第1電極部の少なくとも一方に接続された請求項1記載の光源装置。
【請求項4】
絶縁性の基板をさらに備え、
前記第2配線は、前記第1電極部が設けられた前記基板の面とは異なる面または前記基板の内層に設けられ、
前記複数の第1電極部のそれぞれの前記第2配線と対向する面積は、同一である請求項1~3のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項5】
絶縁性の基板をさらに備え、
前記第2配線は、前記第1電極部が設けられた前記基板の面とは異なる面または前記基板の内層に設けられ、
前記複数の第1電極部のそれぞれの前記第2配線と対向する面積は、互いに異なる請求項1~3のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項6】
第3配線と、
前記第1配線と前記第3配線との間に設けられた導電性の第2ブリッジ部と、
をさらに備え、
前記第1ブリッジ部は、前記第3配線と前記第1電極部との間に設けられ、
前記第1ブリッジ部は、前記第3配線および前記第1電極部の少なくとも一方に接続され、
前記第2ブリッジ部は、前記第1配線および前記第3配線の少なくとも一方に接続された請求項3記載の光源装置。
【請求項7】
前記第1ブリッジ部は、前記第1電流源から出力される電流の立ち上がり時間および下降時間があらかじめ設定した範囲となるように、前記第1配線と前記複数の第1電極部との間の電気的な接続を、それぞれ選択的に切断されまたは接続された請求項3記載の光源装置。
【請求項8】
第2発光素子と、
前記第2発光素子に直列に接続され、前記信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する第2電流源と、
前記第2発光素子と前記第2電流源とを電気的に接続する第4配線と、
前記第2配線と対向して設けられて静電容量を有する第2電極部と、
前記第4配線と前記第2電極部との間に設けられた導電性の第3ブリッジ部と、
をさらに備え、
前記第1ブリッジ部および前記第3ブリッジ部は、
前記第1電流源の出力する電流の立ち上がり時間および下降時間が前記第2電流源の出力する電流の立ち上がり時間および下降時間にそれぞれ一致するように、前記第1配線と前記第1電極部との間の電気的な接続、および、前記第1配線と前記第2電極部との間の電気的な接続を、それぞれ選択的に切断されまたは接続された請求項3記載の光源装置。
【請求項9】
前記第1配線と前記複数の第1電極部のうちの1つの第1電極部との間に設けられた導電性の第4ブリッジ部と、
前記複数の第1電極部のうち隣接して配置された2つの第1電極部の間に設けられた導電性の第5ブリッジ部と、
をさらに備え、
前記第4ブリッジ部は、前記第1配線および前記複数の第1電極部のうちの対応する第1電極部の少なくとも一方に接続され、
前記第5ブリッジ部は、前記2つの第1電極部の少なくとも一方に接続された請求項1~8のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項10】
前記1つの第1電極部は、
複数の第1部分と、
前記複数の第1部分のうち隣接する2つの第1部分の間に設けられた第6ブリッジ部と、
を含み、
前記複数の第1電極部のうち前記1つの第1電極部に隣接する他の1つの第1電極部は、
複数の第2部分と、
前記複数の第2部分のうち隣接する2つの第2部分の間に設けられた第7ブリッジ部と、
を含み、
前記第5ブリッジ部は、前記複数の第1部分のうちの1つの第1部分と、前記複数の第2部分のうちの1つの第2部分との間に設けられ、
前記1つの第1部分および前記1つの第2部分は、隣接して設けられた請求項9記載の光源装置。
【請求項11】
前記複数の第1電極部のうちの1つの第1電極部は、
複数の第3部分と、
前記複数の第3部分のうちの隣接する第3部分の間に設けられた第8ブリッジ部と、
を含み、
前記複数の第1電極部のうちの他の1つの第1電極部は、
複数の第4部分と、
前記複数の第4部分のうちの隣接する第3部分の間に設けられた第9ブリッジ部と、
を含む請求項1記載の光源装置。
【請求項12】
前記複数の第3部分のうちの1つの第3部分は、前記複数の第3部分のうちの1つの第3部分と異なる面積を有する請求項11記載の光源装置。
【請求項13】
第1発光素子と、
前記第1発光素子に直列に接続され、入力された信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する第1電流源と、
前記第1発光素子と前記第1電流源とを電気的に接続する第1配線と、
前記第1配線から絶縁され、前記第1配線と異なる電位を有する直流が供給され得る第2配線と、
前記第2配線に隣接し、前記第1配線と対向して設けられて静電容量を有する複数の第1電極部と、
を備えた光源装置。
【請求項14】
第1発光素子と、
前記第1発光素子に直列に接続され、入力された信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する第1電流源と、
前記第1発光素子と前記第1電流源とを電気的に接続する第1配線と、
前記第1配線から電気的に絶縁され、前記第1配線と異なる電位を有する直流が供給され得る第2配線と、
前記第1配線に隣接し、前記第2配線と対向して設けられて静電容量を有する第1電極部と、
を備えた光源装置。
【請求項15】
前記第1配線と前記第1電極部との間に設けられた導電性の第1ブリッジ部をさらに備え、
前記第1ブリッジ部は、前記第1配線および前記第1電極部の少なくとも一方に接続された請求項14記載の光源装置。
【請求項16】
発光素子と、
前記発光素子に直列に接続され、入力された信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する電流源と、
前記発光素子と前記電流源とを電気的に接続する第1配線と、
前記第1配線から絶縁され、前記第1配線の電位と異なる電位を有する直流が供給され得る第2配線と、
前記第2配線と対向して設けられて静電容量を有する電極部と、
を含む光源装置の調整方法であって、
前記第1配線と前記電極部との間の接続を切断し、
前記電流源から出力される電流の立ち上がり時間および下降時間をあらかじめ設定した範囲に調整する光源装置の調整方法。
【請求項17】
前記第1発光素子は、発光ダイオードである請求項1~15のいずれか1つに記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源装置および光源装置の調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子として発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)を用いた表示デバイスが作成されている。装置の低消費電力化の要求や、LEDの輝度の向上により、LEDを用いた発光モジュールの採用が拡大している。
【0003】
低消費電力を維持しつつ表示画像の高精細化を図るために、発光モジュールの輝度調整が行われることがある。表示デバイスの大画面化が進展し、均一な輝度と広範囲な輝度調整を行う必要性が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施形態は、広い輝度調整範囲において、均一な輝度で発光する光源装置および光源装置の調整方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る光源装置は、第1発光素子と、前記第1発光素子に直列に接続され、入力された信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する第1電流源と、前記第1発光素子と前記第1電流源とを電気的に接続する第1配線と、前記第1配線から絶縁され、前記第1配線と異なる電位を有する直流が供給され得る第2配線と、前記第1配線に隣接し、前記第2配線と対向して設けられて静電容量を有する複数の第1電極部と、を備える。
【0007】
本発明の一実施形態に係る光源装置は、第1発光素子と、前記第1発光素子に直列に接続され、入力された信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する第1電流源と、前記第1発光素子と前記第1電流源とを電気的に接続する第1配線と、前記第1配線から絶縁され、前記第1配線と異なる電位を有する直流が供給され得る第2配線と、前記第2配線に隣接し、前記第1配線と対向して設けられて静電容量を有する複数の第1電極部と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係る光源装置は、第1発光素子と、前記第1発光素子に直列に接続され、入力された信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する第1電流源と、前記第1発光素子と前記第1電流源とを電気的に接続する第1配線と、前記第1配線から電気的に絶縁され、前記第1配線と異なる電位を有する直流が供給され得る第2配線と、前記第1配線に隣接し、前記第2配線と対向して設けられて静電容量を有する第1電極部と、を備える。
【0009】
本発明の一実施形態に係る光源装置の調整方法は、発光素子と、前記発光素子に直列に接続され、入力された信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する電流源と、前記発光素子と前記電流源とを電気的に接続する第1配線と、前記第1配線から絶縁され、前記第1配線の電位と異なる電位を有する直流が供給され得る第2配線と、前記第2配線と対向して設けられて静電容量を有する電極部と、を含む光源装置の調整方法である。この光源装置の調整方法は、前記第1配線と前記電極部との間の接続を切断し、前記電流源から出力される電流の立ち上がり時間および下降時間をあらかじめ設定した範囲に調整する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態では、広い輝度調整範囲で、均一な輝度で発光する光源装置および光源装置の調整方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的なブロック図である。
【
図2A】第1の実施形態の発光モジュールの動作を説明するための模式的なブロック図である。
【
図3】第1の実施形態の発光モジュールの動作を説明するための模式的なタイミングチャートの例である。
【
図4】第1の実施形態の発光モジュールの調整方法を説明するためのフローチャートの例である。
【
図5A】第1の実施形態の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図5B】第1の実施形態の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図5C】第1の実施形態の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図5D】第1の実施形態の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図6A】第1の実施形態の変形例の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図6B】第1の実施形態の変形例の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図6C】第1の実施形態の変形例の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図7A】第1の実施形態の変形例の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図7B】第1の実施形態の変形例の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図7C】第1の実施形態の変形例の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【
図8】第2の実施形態に係る発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
【
図9】第3の実施形態に係る発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
【
図10】第4の実施形態に係る発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
【
図13A】第5の実施形態に係る発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
【
図15A】第6の実施形態の発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的なブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の発光モジュール(光源装置)1は、基板10上に設けられる。基板10は、絶縁性の基板であり、好ましくは少なくとも両面に配線やランドの導体パターンを有する。発光モジュール1は、端子11~13を含む。端子11,12間には、直流電圧が印加される。端子11は、端子12よりも高い電位に設定される。端子12は、たとえば接地電位に接続される。端子11には、直列に接続された発光素子および駆動回路に電力を供給できる程度の電位に設定される。
【0014】
端子13には、発光モジュール1の発光の輝度を調整し、設定するための輝度設定信号が入力される。輝度設定信号は、たとえばPWM信号である。PWM信号は、ハイレベルおよびローレベルを有する方形波信号である。PWM信号は、1周期に対するハイレベルの時間の割り合いにもとづいて、発光モジュール1の輝度を設定する。PWM信号である輝度設定信号は、端子13,12間に供給される。
【0015】
発光モジュール1は、発光回路20と、駆動回路50と、配線101~103と、接地パターン40と、電極部30と、を備える。発光回路20および駆動回路50は、配線(第1配線)103,106および抵抗器60によって直列に接続されている。発光回路20および駆動回路50の直列回路は、端子11,12間に接続されている。
【0016】
抵抗器60は、後述する調整方法にしたがって電流値等の測定終了後には、他の導体に置き換えられ、または他の導体により短絡されてもよい。
【0017】
発光回路20は、1つまたは複数の発光素子22を含む。発光素子22のアノード端子はランド23aに接続され、カソード端子はランド23bに接続されている。この例では、発光回路20は、複数の発光素子22を含んでおり、複数の発光素子22は、それぞれランド23a,23b間に接続され、配線102を介して直列に接続されている。発光回路20には、発光素子22を複数個並列接続してもよい。発光回路20に設けられる発光素子22の数は、発光モジュール1が搭載される画像表示装置の画面サイズ等にもとづいて適切に決定される。
【0018】
発光回路20の高電位側、すなわち発光素子22のアノード端子は、配線101の一端に接続されており、配線101の他端は、端子11の接続されている配線100に接続されている。
【0019】
発光回路20の低電位側、すなわち発光素子22のカソード端子は、配線103の一端に接続されている。配線103の他端は、抵抗器60の一端が接続されているランド61aに接続されている。抵抗器の他端が接続されているランド61bは、配線106の一端に接続されており、配線106の他端は、駆動回路50の出力端子51に接続されている。
【0020】
駆動回路50の入力端子52は、配線105を介して、端子13に接続されている。駆動回路50は、入力端子52から入力される輝度設定信号に応じて立ち上がり、下降する電流を出力する電流源回路(第1電流源)54を含む。電流源回路54は、出力端子51を介して、外部信号に応じて、電流を出力する。
【0021】
発光回路20は、配線103を介して、電流源回路54に直列に接続されているので、発光素子22は、電流源回路54が出力する輝度設定信号に応じた電流で駆動され、点灯する。
【0022】
電極部30は、配線103に隣接して設けられている。電極部30は、ブリッジ部32を介して配線103に選択的に接続されている。ブリッジ部32は、導電性の部材で形成されている。この図の例では、4つの電極部30が配線103に沿って設けられ、ブリッジ部32によってそれぞれ配線103に接続されている。
【0023】
本実施形態では、4つの電極部30は、すべてほぼ同じ形状を有し、ほぼ同じ面積を有する。この例では、各電極部30の形状は、長方形であり、配線103の延伸する方向に沿う短辺および配線103の延伸する方向に直交する方向に沿う長辺を有する。
【0024】
電極部30の数や、形状は、立ち上がり時間および下降時間の調整範囲等に応じて、適切なものを任意に設定することができる。電極部30の数は、1つ~3つでもいいし、5つ以上でもよい。形状については、長方形に限らず正方形、六角形、八角形、円形等であってもよい。
【0025】
後に説明するように、発光モジュール1の輝度の調整のため、電極部30と配線103との間の電気的な接続は、選択的に切断されている場合がある。電極部30と配線103との電気的な接続が切断されている場合には、ブリッジ部32は、電極部30側または配線103側の少なくとも一方に接続されている。ブリッジ部32が電極部30側および配線103側の双方に接続されている場合には、ブリッジ部32は、途中の部分が分断されている。
【0026】
接地パターン(第2配線)40は、基板10上の電極部30とは異なる面に設けられている。接地パターン40は、少なくともすべての電極部30と基板10を挟んで対向する位置に設けられている。接地パターン40は、電極部30に対向していればよいので、この例のような形状に限らず、全面接地、いわゆるグランドプレーンを用いてもよい。また、接地パターン40は、電極部30と絶縁物を介して対向して設けられていればよいので、多層基板を用いる場合には、接地パターン40は、電極部30が設けられた層とは異なる層に設けられてもよい。接地パターン40は、電極部30と異なる面に限らず、電極部30と同じ面で十分近接して設けられたパターンであってもよい。
【0027】
この例では、接地パターン40は、端子12に接続され接地電位としているが、電極部30が接続される配線103の電位と異なる電位であればよい。接地パターン40は、発光素子22および電流源回路54の動作に顕著に影響をおよぼさなければ、他の電位、たとえば接地電位よりも低い電位や接地電位よりも高い電位等に接続されてもよい。
【0028】
電極部30は、接地パターン40および基板10とともに、接地パターン40との対向面積、絶縁物による離間距離および絶縁物の誘電率に応じた静電容量値を有する容量素子を構成する。電極部30、接地パターン40および基板10による容量素子は、ブリッジ部32によって、配線103に選択的に接続されており、ブリッジ部32によって配線103から選択的に切り離されている。
【0029】
電極部30、接地パターン40および基板10による容量素子は、その静電容量値によって、発光素子22に流れる電流の立ち上がり時間および下降時間を設定する。配線103に接続されている容量素子が多く、静電容量値が大きいほど、発光素子22に流れる電流の立ち上がり時間および下降時間は、遅くなる。配線103に接続されている容量素子を、配線103から切り離すごとに、発光素子22に流れる電流の立ち上がり時間および下降時間は速く設定される。
【0030】
発光回路20および電流源回路54の直列回路は、複数設けられている。複数の直列回路は、配線100,104間に並列に接続されている。端子11,12間に直流電圧が供給され、端子13,12間に輝度設定信号が供給されると、各発光回路20は、輝度設定信号によって設定されている輝度で発光する。
【0031】
本実施形態の発光モジュール1の動作について説明する。
図2Aは、本実施形態の発光モジュールの動作を説明するための模式的なブロック図である。
図2Bは、
図2Aの等価回路である。
図2Aは、
図1のブロック図の一部を示しており、1つの電流源回路54で駆動される発光素子22について示されている。
【0032】
図2Aに示すように、この例では、4つの電極部30-1~30-4は、それぞれ長方形状を有しており、すべてほぼ同じ形状を有している。したがって、4つの電極部30-1~30-4は、すべてほぼ同じ面積を有している。
【0033】
電極部30-1~30-3は、ブリッジ部32-1~32-3を介して配線103にそれぞれ接続されている。一方、電極部30-4および配線103は、それぞれブリッジ部32-4を有しているが、ブリッジ部32-4は物理的に切り離されている。したがって、電極部30-4は、配線103とは電気的に分離されている。
【0034】
図2Bに示すように、電極部30-1~30-4は、基板10および接地パターン40とともに、容量素子C1~C4を構成する。この例では、すべての電極部30-1~30-4の面積がほぼ同じなので、容量素子C1~C4の静電容量値はほぼ等しい。
【0035】
この例では、容量素子C1~C3は、ブリッジ部B1~B3によって、発光素子LEDおよび電流源回路I0を接続する配線に接続されている。一方、容量素子C4のブリッジ部B4は開放されているので、容量素子C4は、LEDおよび電流源回路I0を接続する配線から分離されている。
【0036】
なお、抵抗器Rsは、発光素子LEDに流れる電流を検出するためのものである。検出精度を考慮した上で、抵抗器は、十分小さい抵抗値を有する抵抗器が選定される。抵抗器は、発光素子に流れる電流の立ち上がり時間および下降時間を調整する工程において使用されるものである。たとえば抵抗器60の接続されているランド61a,61bは、波形観測用の測定器の測定端子を接続することができる。抵抗器60は、調整工程の終了後には、たとえばランド61a,61bから取り外して、短絡用の導体と置き換えられたり、抵抗器60を取り外さずに、ランド61a,61b間をジャンパ配線で抵抗器60の両端を接続したりする等の処理が施される。抵抗器60は、十分低い抵抗値に設定した場合には、両端短絡等せずに、そのまま接続された状態としてもかまわない。
【0037】
図3は、本実施形態の発光モジュールの動作を説明するための模式的なタイミングチャートの例である。
図3には、2つの異なる発光回路20に流れる電流の波形の時間変化が示されている。一方の発光回路20の電流波形は実線で示され、他方の発光回路20の電流波形は破線で示されている。
【0038】
図3に示すように、実線の電流波形では、時刻t0で電流が流れ始め、時刻t1で一定の電流値I01に達している。その後、時刻t3において電流の下降が開始し、時刻t4において電流値がほぼゼロになる。電流がゼロの期間が継続した後、時刻t10において電流が流れ始め、上述と同様に、時刻t11で電流が一定値となり、時刻t13で下降を開始し、時刻t14で電流がゼロになる。
【0039】
一方、破線の電流波形では、時刻t0で電流が流れ始め、時刻t2で定電流値I01に達している。その後、時刻t3において電流の下降が開始し、時刻t5において電流値がゼロになる。電流がゼロの期間が継続した後、時刻t10において電流が流れ始め、上述と同様に、時刻t12で電流が一定値となり、時刻t13で下降を開始し、時刻t15で電流がゼロになる。
【0040】
時刻t2,t12は、時刻t1,t11よりも遅い時刻であり、破線の電流波形では、立ち上がり時間が実線の電流波形の場合よりも遅くなっている。
【0041】
時刻t5,t15は、時刻t4,t14よりも遅い時刻であり、破線の電流波形では、下降時間が実線の電流波形の場合よりも遅くなっている。
【0042】
駆動回路50に入力され、電流源回路54には、輝度設定信号としてPWM信号が入力される。PWM信号は、ハイレベルおよびローレベルを有する方形波である。この例では、ハイレベルの期間は時刻t0からt3までであり、ローレベルの期間は時刻t3からt10までである。
【0043】
電流源回路54から出力される電流波形が方形波の場合には、PWM信号による平均電流値Iavは、ハイレベルの期間Tonの電流値I01を、周期(Ton+Toff)で除して求めることができる。つまり、平均値Iavは以下の式(1)で求められる。
【0044】
Iav=I01×{Ton/(Ton+Toff)} (1)
ここで、Tonは方形波がハイレベルの期間、Toffは方形波がローレベルの期間である。
【0045】
実際には、電流源回路54が出力する電流波形は、有限の立ち上がり時間および下降時間を有している。立ち上がり時間および下降時間が十分速い場合には、平均電流Iavは、式(1)によってほぼ正確に求められる。しかし、実際の平均電流Iav’は、立ち上がり時間および下降時間を含めて電流の流れている期間を周期で除したもの、つまり、電流値の時間変化の時間積分を周期で除したものとなる。したがって、同一のPWM信号を供給した場合であっても、立ち上がり時間および下降時間が異なる場合には、実際の平均電流Iav’も相違し、そのため、発光素子22の輝度も相違する。
【0046】
Tonに対する立ち上がり時間および下降時間の比率が小さい場合には、実際の平均電流Iav’のIavからのずれは小さいが、この比率が大きくなるにつれて平均電流のずれ、すなわち輝度の設定がPWM信号の設定からずれてくる。つまり、PWM信号の輝度設定が高い場合には、立ち上がり時間および下降時間のばらつきが目立たない場合であっても、輝度を小さくするにつれて、立ち上がり時間および下降時間のばらつきが顕著になることがある。
【0047】
発光素子22に流れる電流の立ち上がり時間および下降時間のばらつきは、電流源回路54自体の特性のばらつきや、回路の布線インピーダンスの相違等に起因する。したがって、基板10上に回路を搭載した初期の状態において、回路ごとに立ち上がり時間および下降時間に相違が生じ、平均電流および発光素子22の輝度にばらつきを生じ得る。
【0048】
立ち上がり時間および下降時間が電流源回路54を含む直列回路ごとにばらついた場合には、電流源回路54で駆動される発光素子22の間で輝度の差が生じてしまい、輝度むらとなって見える場合がある。
【0049】
本実施形態の発光モジュール1では、複数設けられた電極部30を順次配線103から切り離すことによって、発光素子22に流れる電流立ち上がり時間および下降時間が、調整され、発光素子22の間の輝度の差を抑制することで輝度むらを解消することができる。
【0050】
図4は、本実施形態の発光モジュールの調整方法を説明するためのフローチャートの例である。
図4に示すように、ステップS1において、抵抗器60の両端の電圧を検出して、発光素子22に流れる電流を観測し、立ち上がり時間および下降時間を測定する。
【0051】
ステップS2において、ステップS1で測定した立ち上がり時間および下降時間の測定値を、立ち上がり時間および下降時間の所定値と比較する。所定値は、たとえば、同一の基板10上に
図1のように回路構成して、あらかじめ立ち上がり時間および下降時間を実験的に取得し、統計的手法等により適切な値を設定する。
【0052】
測定が所定値以下の場合には、処理を終了する。測定値が所定値よりも長い場合には、処理をステップS3に遷移させる。
【0053】
ステップS3において、4つのうちのいずれか1つのブリッジ部32を切断する。ブリッジ部32の切断には、たとえばレーザ加工機を用いることができる。レーザ加工機に限らず、たとえば、作業者が手動でブリッジ部32を切断してもよいし、金型等を用いて切断してもよい。
【0054】
ステップS3でブリッジ部32の切断が終了した後に、ステップS1に戻って上述の処理を繰り返す。4つのブリッジ部32の切断の順序については、あらかじめ設定されている。たとえば、4つのブリッジ部32のうち、発光素子22に近い方から切断する。
【0055】
上述では、立ち上がり時間および下降時間の測定値を所定値と比較することによって、ブリッジ部32の切断の有無を判断する場合について説明した。本実施形態では、端子11,12間に並列に接続された発光素子22間の輝度のばらつきが低減されれば、他の方法であってもかまわない。たとえば、電流源回路54に接続されている発光素子22ごとに、立ち上がり時間および下降時間を測定し、すべての発光素子22の立ち上がり時間および下降時間がほぼ同じになるように、ブリッジ部32の切断の有無を判断するようにしてもよい。
【0056】
電流波形を直接観測して、立ち上がり時間および下降時間を調整することに限らず、発光モジュールを点灯させつつ、目視や発光面の画像データによる均一性評価にしたがって、ブリッジ部32の切断の有無を判断するようにしてもよい。この場合には、輝度等の客観的データに限らず、人間の主観的な判断を介在させるようにしてもよい。
【0057】
並列に接続されているすべての電流源回路54について上述の調整方法を行うことが好ましいが、視覚による発光輝度の主観評価によって、輝度むらを生じている回路を選んで、その回路について上述の調整方法を行うようにしてもよい。
【0058】
図5A~
図5Dは、本実施形態の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
図5A~
図5Dには、電極部30、ブリッジ部32および配線103の関係が詳細に示されている。この例では、ブリッジ部32は、配線103の延伸する方向に沿う長さ、すなわちブリッジ部32の幅は、電極部30の短辺の長さよりも短く設定されている。ブリッジ部32の長さは、以下詳述するように、切断加工幅および切断位置精度の合計値にもとづいて設定されており、好ましくはこれらの合計値よりも長く設定されている。
【0059】
図5Aに示すように、電極部30は、ブリッジ部32を介して、配線103に物理的に接続されている。たとえば、電極部30、ブリッジ部32および配線103は、基板10上に、同一の配線パターンとして形成されており、同一の電位を有し得る。この状態では、電極部30、基板10および接地パターン40によって形成される容量素子は、ブリッジ部32によって配線103に電気的に接続されている。
【0060】
図5B~
図5Dに示すように、電極部30、基板10および接地パターン40によって形成される容量素子が配線103から切り離されている場合には、電極部30、ブリッジ部32および配線103の間にいくつかの関係がある。
【0061】
図5Bの例では、電極部30および配線103の両方にブリッジ部32がそれぞれ接続されている。電極部30のブリッジ部と、配線103のブリッジ部32との間には、間隙34が存在する。間隙34は、たとえば、レーザ加工機の切断加工幅である。
【0062】
図5Cの例では、配線103にブリッジ部32が接続されている一方、電極部30には、ブリッジ部32が接続されていない。配線103に接続するブリッジ部32と電極部30との間に間隙34が存在する。
【0063】
図5Dの例では、電極部30にブリッジ部32が接続されている一方、配線103には、ブリッジ部32が接続されていない。電極部30に接続するブリッジ部32と配線103との間に間隙34が存在する。
【0064】
図5B~
図5Dの場合のように、ブリッジ部32の切断時に切断位置の設定精度によって、異なる位置に間隙34が形成される。このように、切断された箇所を表す間隙34は、配線103と電極部30との中間位置であったり、電極部30寄りであったり、配線103寄りであったりすることがある。したがって、ブリッジ部32の長さは、切断加工幅および切断位置精度にもとづいて設定される。好ましくは、ブリッジ部32の長さは、切断加工幅および切断位置精度の合計値よりも長く設定される。
【0065】
(変形例)
上述したように、ブリッジ部の幅は、切断のし易さ等を考慮して、短い方が好ましいが、任意の形状とすることができる。
図6A~
図6Cは、本実施形態の変形例の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
【0066】
図6Aに示すように、ブリッジ部32aは、長さ方向の中央部付近が端部よりも狭く、鼓状の形状を有するようにしてもよい。
図6Bに示すように、2つのブリッジ部32bを介して、電極部30と配線103とを接続するようにしてもよい。ブリッジ部は、2つに限らず、3つでもそれ以上でもよい。
図6Cに示すように、ブリッジ部32cとして、電極部30および配線103を切り離す領域を設けるようにしてもよい。
【0067】
図7A~
図7Cは、本実施形態の変形例の発光モジュールの一部を例示する模式図である。
図7A~
図7Cには、ブリッジ部32cの設定された位置がそれぞれ示されている。
図7Aは、ブリッジ部32cのほぼ中央部を切断し、間隙34を形成した場合を示している。間隙34の幅がたとえばレーザ加工機による切断幅である。
【0068】
図7Bは、ブリッジ部32cのもっとも配線103寄りを切断し、間隙34を形成した場合を示している。
図7Cは、ブリッジ部32cのもっとも電極部30寄りを切断し、間隙34を形成した場合を示している。
【0069】
図7A~
図7Cには、間隙34の位置によって、切断位置の精度が合わせて示されている。位置aが切断位置の目標設定位置である。位置bが切断位置の下限位置であり、位置cが切断位置の上限位置である。つまり、
図7A~
図7Cに示すように、ブリッジ部32cは、切断加工幅および切断位置精度にもとづいて設定される。
【0070】
本実施形態の発光モジュール1の効果について説明する。
本実施形態の発光モジュール1は、電極部30を備えている。電極部30は、発光素子22および電流源回路54を直列接続する配線103に隣接して設けられている。電極部30は、絶縁物である基板10を介して接地パターン40に対向して設けられているので、電極部30、基板10および接地パターン40は、静電容量値を有する容量素子を形成する。
【0071】
電極部30は、ブリッジ部32によって選択的に、配線103と電気的に接続され、あるいは切り離される。そのため、発光素子に流れる電流は、立ち上がり時間および下降時間を調整されることができる。したがって、発光素子22に流れる電流は、立ち上がり時間および下降時間を速くするように調整されるので、立ち上がり時間および下降時間を速くすることができる。
【0072】
発光素子22および電流源回路54の複数の組において、それぞれの電流の立ち上がり時間および下降時間を所定値以下に調整することによって、輝度設定信号によって設定される輝度をすべての組でそろえることができる。したがって、組ごとの輝度のばらつきを抑制し、輝度むらを解消することができる。
【0073】
近年のテレビ受像機やサイネージ用の画像表示装置等では、大画面化が進展しており、大画面に対応した発光モジュールが求められている。また、画像表示装置の高精細化や省エネルギ化の要求にともない、発光モジュールの輝度設定は、よりきめ細かく設定され、広い設定範囲において高品位な光源とする必要がある。このような大画面用の発光モジュールでは、多数の電流源回路を含む駆動回路によって、多数の発光素子に流れる電流を制御し、輝度を設定する必要がある。
【0074】
発光素子を駆動する駆動回路では、駆動電流の設定値は、電流源回路ごとに一定値におさまるようにあらかじめ補正され、あるいは、外付けの抵抗器等で精密に設定される。
【0075】
一方で、駆動回路は、発光素子から離間した位置に配置され、配線パターンによって電気的に接続される。配線パターンは、電流源回路ごとに異なる長さを有しているため、配線パターンにともなう浮遊容量や寄生インダクタンス等による布線インピーダンスを同一にすることは困難である。また、電流源回路自体の過渡特性も駆動回路の内部布線等により同一であることは保証されていない。
【0076】
本実施形態では、発光素子および電流源回路54を搭載する駆動回路を基板10に配置した後に、発光素子および電流源回路54に流れる電流の過渡特性を調整することができる。そのため、発光素子および電流源回路54に流れる電流の立ち上がり時間および下降時間を調整して、所定の値に近い値にそろえることができるので、回路間の輝度をそろえることができる。
【0077】
(第2の実施形態)
上述の実施形態では、電極部30の形状および面積はすべてほぼ同じであり、電極部30、基板10および接地パターン40によって形成される静電容量は、ほぼ等しい。電極部の形状および面積は任意とすることができる。本実施形態では、発光モジュールは、異なる面積を有する電極部を備えており、電極部、基板および接地パターンによって形成される静電容量値それぞれ異っている。
【0078】
図8は、本実施形態に係る発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
図8に示すように、電極部30a-1~30a-4は、配線103に隣接して設けられている。接地パターン40は、基板10を介して、少なくとも電極部30a-1~30a-4に対向するように設けられている。
【0079】
電極部30a-1~30a-4は、それぞれ異なる形状を有する。電極部30a-1~30a-4は、異なる面積を有する長方形である。この図の中で、電極部30a-1~30a-4では、配線103が延伸する方向に平行な辺は、すべて長さが異なっており、電極部30a-1~30a-4の順に長さが短くされている。電極部30a-1~30a-4では、配線103に直交する方向に平行な辺は、すべてほぼ同じ長さを有している。
【0080】
電極部30a-1~30a-4は、異なる寸法の長方形であることから、電極部30a-1~30a-4、基板10および接地パターン40によって形成される静電容量値は、電極部30a-1~30a-4の順で小さくなる。
【0081】
ブリッジ部32-1~32-4は、上述の他の実施形態の場合と同様に形成されており、発光素子22に流れる電流の測定結果にもとづいて、順次切断される。ブリッジ部32-1~32-4を切断することによって、電極部30a-1~30a-4、基板10および接地パターン40によって形成される容量素子を、配線103から順次切り離すことができ、発光素子22に流れる電流の立ち上がり時間および下降時間を調整することができる。
【0082】
電極部30a-1~30a-4のブリッジ部32-1~32-4の切断の順序は、任意に設定できるが、いずれのブリッジ部32-1~32-4を切断した場合に、立ち上がり時間および下降時間が変化するかをあらかじめ取得しておくことによって、測定した立ち上がり時間および下降時間に応じて、切断すべき、より適切なブリッジ部32-1~32-4を選択することができる。
【0083】
本実施形態の発光モジュールの効果について説明する。
本実施形態の発光モジュールでは、配線103に隣接して設けられた複数の電極部30a-1~30a-4の面積が異なっているので、電極部30a-1~30a-4、基板10および接地パターン40によって形成される静電容量値は、それぞれ相違する。発光素子22に流れる電流の立ち上がり時間および下降時間が所定値よりも十分に遅い場合には、もっとも面積の大きい電極部30a-1のブリッジ部32-1を切断することによって、数度にわたって、電流測定およびブリッジ部の切断工程を繰り返す必要がなくなる。
【0084】
電流の立ち上がり時間および下降時間が所定値よりも相対的に速い場合には、より面積の小さい電極部30a-4のブリッジ部32-4を切断することによって、より精度よく電流の立ち上がり時間および下降時間を設定することができる。
【0085】
(第3の実施形態)
図9は、本実施形態に係る発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
図9に示すように、電極部30-1~30-4は、配線201に隣接して設けられている。電極部30-1~30-4は、ブリッジ部32-1~32-4を介して、配線201に接続されている。
【0086】
配線201は、配線103に隣接して配置されている。配線201は、配線103に接続されている。この例では、配線201は、配線103の発光素子22側の端部付近で接続されているが、発光素子22と電流源回路54との間で接続する配線であれば、いずれの場所で接続されているかは問わない。配線201が配線103に隣接して配置されていることによって、電極部30-1~30-4も配線103に隣接して配置されている。
【0087】
配線201は、ブリッジ部202を介して配線103に接続されている。配線201およびブリッジ部202のパターン幅は、配線103等と同じパターン幅であってもよいし、配線103のパターン幅よりも狭くてもよく、広くてもよい。ブリッジ部202の長さは、切断加工幅および切断位置精度にもとづいて設定される。
【0088】
隣接して配置されるブリッジ部32-1,32-2が接続されている配線201の部分およびブリッジ部32-2,32-3が接続されている配線201の部分も切断されることによって、静電容量値の調整を行うことができる。そのため、このような配線201の部分の長さも、切断加工幅および切断位置精度にもとづいて設定されることが好ましい。
【0089】
本実施形態の発光モジュールの動作について説明する。
本実施形態では、電極部30-1~30-4に対応するブリッジ部32-1~32-4を順次切断することによって、発光素子22に流れる電流の立ち上がり時間および下降時間を調整することができる。
【0090】
電流の立ち上がり時間および下降時間が十分に遅い場合には、ブリッジ部202を切断する。たとえば、ブリッジ部202を切断する場合の電流の立ち上がり時間および下降時間は、あらかじめ取得された値にもとづいて設定されている。
【0091】
本実施形態の発光モジュールの効果について説明する。
本実施形態では、電極部30-1~30-4は、配線103に隣接して設けられた配線201に隣接して設けられている。配線201は、ブリッジ部202によって配線103に接続されている。ブリッジ部202を切断することによって、電極部30-1~30-4、基板10および接地パターン40で形成される容量素子のすべてを一度に配線103が遮断することができる。そのため、電流の立ち上がり時間および下降時間が十分に遅い場合には、電流の立ち上がり時間および下降時間の調整工程を短縮することができる。
【0092】
また、本実施形態では、配線201の途中を切断して静電容量値の調整を行うこともできる。その場合には、電極部30-1と30-2との間の配線201を切断したり、電極部30-2と30-3との間の配線201を切断したりすることによって、切断工程の簡略化を図ることができる。
【0093】
(第4の実施形態)
図10は、本実施形態に係る発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
本実施形態では、電極部の構成が上述した他の実施形態の場合と相違する。他の構成については、上述の他の実施形態の場合と同じにすることができる。以下での説明では、他の実施形態の場合と同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図10に示すように、本実施形態の発光モジュールでは、複数の電極部430-1,430-2,430-3,30-4は、配線103に隣接して設けられている。複数の電極部430-1,430-2,430-3、30-4は、配線103に選択的に接続されている。配線103への電極部の選択的接続は、ブリッジ部によって行われる。
【0094】
電極部430-1は、ブリッジ部32-1を介して、選択的に配線103に接続されることができる。電極部430-2は、ブリッジ部32-2を介して、選択的に配線103に接続されることができる。電極部430-3は、ブリッジ部32-3を介して、選択的に配線103接続されることができる。電極部30-4は、第1の実施形態の場合の電極部と同じであり、ブリッジ部32-4を介して、選択的に配線103に接続されることができる。本実施形態では、ブリッジ部32-1~32-4を選択的に切断することによって、電極部を配線103から切り離して、配線103に接続された電極部による静電容量値を小さくすることができる。
【0095】
本実施形態では、電極部430-1,430-2,430-3は、複数の小電極部を含んでいる。この例では、電極部430-1,430-2,430-3のそれぞれにおいて、異なる数の小電極部を含んでいる。電極部当たりの小電極部の数は、この例に限らず、適切かつ任意に設定することができる。また、この例では、電極部30-4は、単一の電極部からなっているが、複数の小電極部を含むようにしてもよい。
【0096】
図11A~
図11Cは、
図10のブロック図の一部を拡大して例示する模式図である。
図11Aに示すように、電極部430-1は、小電極部(複数の第3部分)430-1a~430-1dと、小ブリッジ部(第8ブリッジ部)432-1a~432-1cと、を含む。小電極部430-1a~430-1dは、この例では、それぞれ同じ面積および同じ形状を有する長方形状の導体パターンである。
【0097】
ブリッジ部(第4ブリッジ部)32-1は、配線103と小電極部(1つの第1電極部)430-1aとの間に設けられている。小電極部430-1aは、ブリッジ部32-1によって、配線103に選択的に接続されている。小ブリッジ部(第5ブリッジ部)432-1aは、小電極部430-1a,430-1bの間に設けられている。小電極部430-1bは、小ブリッジ部432-1aによって、小電極部430-1aに選択に接続されている。小ブリッジ部432-1bは、小電極部430-1b,430-1cの間に設けられている。小電極部430-cは、小ブリッジ部432-1bによって、小電極部430-1bに選択的に接続されている。小ブリッジ部432-1cは、小電極部430-1c,430-1dの間に設けられている。小電極部430-1dは、小ブリッジ部432-1cによって、小電極部430-1cに選択的に接続されている。
【0098】
図11Bに示すように、電極部430-2は、小電極部(複数の第4部分)430-2a~430-2cと、小ブリッジ部(第9ブリッジ部)432-2a,432-2bと、を含む。小電極部430-2a~430-2cは、この例では、それぞれ同じ面積および同じ形状を有する長方形状の電極パターンである。
【0099】
ブリッジ部32-2は、配線103と小電極部430-2aとの間に設けられている。小電極部430-2aは、ブリッジ部32-2によって、配線103に選択的に接続されている。小ブリッジ部432-2aは、小電極部430-2a,430-2bの間に設けられている。小電極部430-2bは、小ブリッジ部432-2aによって、小電極部430-2aに選択に接続されている。小ブリッジ部432-2bは、小電極部430-2b,430-2cの間に設けられている。小電極部430-2cは、小ブリッジ部432-2bによって、小電極部430-2bに選択的に接続されている。
【0100】
図11Cに示すように、電極部430-3は、小電極部430-3a,430-3bと、小ブリッジ部432-3aと、を含む。小電極部430-3a,430-3bは、この例では、それぞれ同じ面積および同じ形状を有する長方形状の電極パターンである。
【0101】
ブリッジ部32-3は、配線103と小電極部430-3aとの間に設けられている。小電極部430-3aは、ブリッジ部32-3によって、配線103に選択的に接続されている。小ブリッジ部432-3aは、小電極部430-3a,430-3bの間に設けられている。小電極部430-3bは、小ブリッジ部432-3aによって、小電極部430-3aに選択に接続されている。
【0102】
小ブリッジ部432-1a~432-1c,432-2a,432-2b,432-3aは、たとえば小電極部430-1a~430-1d,430-2a~430-2c,430-3a,430-3b,30-4等と同時に形成される配線パターンである。小ブリッジ部432-1a~432-1c,432-2a,432-2b,430-3aは、上述した他の実施形態の場合のブリッジ部32-1~32-4と同様に、小電極部430-1a~430-1d,430-2a~430-2c,430-3a,430-3bに対してくびれた形状や太さの細い形状とすることによって、レーザ加工機等による切断時に容易に切断できる形状とされている。小ブリッジ部432-1a~432-1c,432-2a,432-2b,430-3aの長さも、ブリッジ部32-1~32-4と同様に、レーザ加工機等の切断時の精度等に応じて決定される。
【0103】
小電極部430-1a~430-1d,430-2a~430-2c,430-3a,430-3b,30-4は、
図1に示した基板10の一方の面に設けられている。小ブリッジ部432-1a~432-1c,432-2a,432-2b,432-3aも基板10の一方の面に設けられている。小電極部430-1a~430-1d,430-2a~430-2c,430-3a,430-3b,30-4および小ブリッジ部432-1a~432-1c,432-2a,432-2b,432-3aは、絶縁性の基板10を介して、接地パターン40に対向して設けられている。
【0104】
図12は、
図10のブロック図の等価回路例である。
図12に示すように、
図11A~
図11Cに示した小電極部430-1a~430-1d,430-2a~430-2c,430-3a,430-3b,30-4は、基板10および接地パターン40とともに、容量素子を形成している。容量素子C1a~C1dは、接地パターン40および接地パターン40に対向して配置された小電極部430-1a~430-1dに対応する。容量素子C1a~C1dは、ブリッジ部B1によって発光素子LEDおよび電流源回路I0を接続する配線に選択的に接続されることができる。容量素子C1a~C1dは、小ブリッジ部B1a~B1cによって、並列に選択的に接続されることができる。
【0105】
容量素子C2a~C2cは、接地パターン40および接地パターン40に対向して配置された小電極部430-2a~430-2cに対応する。容量素子C2a~C2cは、ブリッジ部B2によって発光素子LEDおよび電流源回路I0を接続する配線に選択的に接続されることができる。容量素子C2a~C2c、小ブリッジ部B2a,B2bによって、並列に選択的に接続されることができる。
【0106】
容量素子C3a,C3bは、接地パターン40および接地パターン40に対向して配置された小電極部430-3a,430-3bに対応する。容量素子C3a,C3bは、ブリッジ部B3によって発光素子LEDおよび電流源回路I0を接続する配線に選択的に接続されることができる。容量素子C3a,C3bは、小ブリッジ部B3aによって、並列に選択的に接続されることができる。
【0107】
容量素子C4は、接地パターン40および接地パターン40に対向して配置された電極部30-4に対応する。容量素子C4は、ブリッジ部B4によって発光素子LEDおよび電流源回路I0を接続する配線に選択的に接続されることができる。
【0108】
このように、本実施形態では、電極部430-1~430-3は、複数の小電極部をそれぞれ含み、電極部は小電極部を含んでいる。電極部ごとに設けられた小ブリッジ部によって、小電極部同士は、選択的に接続するかどうかを決定することができる。本実施形態では、電極部ごとに小電極部の面積を変えているので、配線103に接続される静電容量値を、よりきめ細かく設定することができる。
【0109】
小電極部の面積および形状は、それぞれの電極部において同一である場合に限らず、静電容量値の設定精度等に応じて、適切な面積および形状のものを任意に設定するようにしてもよい。
【0110】
(第5の実施形態)
図13Aは、本実施形態に係る発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
図13Bは、
図13Aのブロック図の一部を拡大して例示する模式図である。
図13Aに示すように、電極部530-1,530-2,530-3は、配線103に隣接して設けられている。配線103には、ブリッジ部32を介して、電極部530-2が選択的に接続されている。電極部530-2には、電極部530-1が隣接して設けられている。また、電極部530-2には、電極部530-3が隣接して設けられている。つまり、電極部530-2は、電極部530-1,530-3の間に設けられている。
【0111】
すべての電極部530-1~530-3は、
図1に示した基板10の一方の面に設けられており、基板10の基材を介して、接地パターン40に対向して設けられている。
【0112】
図13Bに示すように、電極部530-1は、小電極部530-1a,530-1b,530-1cと、小ブリッジ部532-1a,532-1bと、を含む。小ブリッジ部532-1aは、小電極部530-1a,530-1bの間に設けられている。小電極部530-1bは、小ブリッジ部532-1aを介して、選択可能に小電極部530-1aに接続されている。小ブリッジ部532-1bは、小電極部530-1b,530-1cの間に設けられている。小電極部530-1cは、小ブリッジ部532-1bを介して、選択可能に小電極部530-1bに接続されている。
【0113】
電極部(1つの第1電極部)530-2は、小電極部(複数の第1部分)530-2a,530-2b,530-2cと、小ブリッジ部(第6ブリッジ部)532-2a,532-2bと、を含む。小ブリッジ部532-2aは、小電極部530-2a,530-2bの間に設けられている。小電極部530-2bは、小ブリッジ部532-2aを介して、選択可能に小電極部530-2aに接続されている。小ブリッジ部532-2bは、小電極部530-2b,530-2cの間に設けられている。小電極部530-2cは、小ブリッジ部532-2bを介して、選択可能に小電極部530-2bに接続されている。
【0114】
電極部530-3は、小電極部530-3a,530-3b,530-3cと、小ブリッジ部532-3a,532-3bと、を含む。小ブリッジ部532-3aは、小電極部530-3a,530-3bの間に設けられている。小電極部530-3bは、小ブリッジ部532-3aを介して、選択可能に小電極部530-3aに接続されている。小ブリッジ部532-3bは、小電極部530-3b,530-3cの間に設けられている。小電極部530-3cは、小ブリッジ部532-3bを介して、選択可能に小電極部530-3bに接続されている。
【0115】
この例では、小電極部(第2部分)530-1aと小電極部530-2aとの間にも小ブリッジ部(第5ブリッジ部)532aが設けられている。小電極部530-1aは、小ブリッジ部532aを介して、小電極部530-2aに選択可能に接続されることができる。また、小電極部530-3aと小電極部530-1aとの間にも、小ブリッジ部532bが設けられている。小電極部530-3aは、小ブリッジ部532bを介して、小電極部530-1aに選択可能に接続されることができる。
【0116】
この例では、小電極部530-1a~530-3cは、いずれも同じ形状を有する長方形の導体パターンである。小電極部の形状は、すべて同一である場合に限らず、一部あるいはすべて異なる形状としてもよい。また、小電極部の面積は、すべて同一であってもよいし、一部あるいはすべて異なっていてもよい。
【0117】
小ブリッジ部532-1a,532-1b,532-2a,532-2b,532-3a,532-3bは、たとえば小電極部530-1a~530-1c,530-2a~530-2c,530-3a~530-3c等と同時に形成される導体による配線パターンである。小ブリッジ部532-1a~532-3bは、上述した他の実施形態の場合のブリッジ部32-1~32-4と同様に、小電極部530-1a~530-3cに対してくびれた形状や太さの細い形状とすることによって、レーザ加工機等による切断時に容易に切断できる形状とされている。小ブリッジ部532-1a~532-3bの長さも、ブリッジ部32-1~32-4と同様に、レーザ加工機等の切断時の精度等に応じて決定される。
【0118】
図14は、
図13Aのブロック図の等価回路例である。
図14に示すように、小電極部は、基板10および接地パターン40とともに、容量素子を構成している。容量素子C52a~C52cは、接地パターン40および接地パターン40に対向して配置された小電極部530-2a~530-2cに対応する。容量素子C52a~C52cは、ブリッジ部B50によって発光素子LEDおよび電流源回路I0を接続する配線に選択的に接続されることができる。容量素子C52a~C52cは、小ブリッジ部B52a,B52bによって、並列に選択的に接続されることができる。
【0119】
容量素子C51a~C51cは、接地パターン40および接地パターン40に対向して配置された小電極部530-1a~530-1cに対応する。容量素子C51a~C51cは、小ブリッジ部B50aによって、小電極部530-2aに対応する容量素子52aに選択的に並列接続されることができる。容量素子C51a~C51cは、小ブリッジ部B51a,B51bによって、並列に選択的に接続されることができる。
【0120】
容量素子C53a~C53cは、接地パターン40および接地パターン40に対向して配置された小電極部530-3a~530-3cに対応する。容量素子C53a~C53cは、小ブリッジ部B50bによって、小電極部530-2aに対応する容量素子52aに選択的に並列接続されることができる。容量素子C53a~C53cは、小ブリッジ部B53a,B53bによって、並列に選択的に接続されることができる。
【0121】
本実施形態では、電極部530-1~530-3ごとに、小電極部を選択的に接続し、切断することができるとともに、電極部530-1~530-3の単位で、配線103に選択的に接続し、切断することができる。そのため、配線103に接続される小電極部の面積にもとづく静電容量値を、よりきめ細かく設定しつつ、電極部の面積にもとづく静電容量値の単位で調整することによって、より迅速に電流の立上り、立下り時間を調整することができる。
【0122】
本実施形態では、各電極部に含まれる小電極部の面積および形状は、上述の例に限らず、適切な面積および形状で任意に設定することができる。また、各電極部に含まれる小電極部の数も電極ごとに異ならせてもよいし、一部の電極部が異なる数の小電極部を含むようにしてもよい。
【0123】
第4および第5の実施形態において、小ブリッジ部432-1a~432-3a,532-1a~532-3bは、
図6A~
図7C等において説明したブリッジ部と同様の形態とすることができる。
【0124】
(第6の実施形態)
図15Aは、本実施形態の発光モジュールの一部を例示する模式的なブロック図である。
図15Bは、
図15Aの等価回路例である。
上述した他の実施形態では、各電極部を
図1に示した基板10の一方の面に設けており、たとえば、その面には、発光回路20や駆動回路50、およびこれらのための導体による配線パターンが設けられている。各電極部に対向して設けられた接地パターン40は、基板10の他方の面や基板10の内層に設けられている。本実施形態では、各電極部30-1~30-4は、基板10の面のうち、発光回路20等が設けられた面に対向する面に設けられている。各電極部30-1~30-4に対向する配線パターンは、発光回路20等が設けられた面に設けられる。
【0125】
図15Aに示すように、配線パターン(第1配線)603は、
図1に示した基板10の面のうち、発光素子22および抵抗器60を含む配線面に設けられている。配線パターン603は、この例では、基板10の同一面上で、発光素子22と抵抗器60との間に設けられている。配線パターン603は、基板10の基材を介して、電極部30-1~30-4に対向するように、十分な面積を有する長方形状に成形された導体による配線パターンである。配線パターン603は、配線603aを介して、発光素子22に電気的に接続されている。配線パターン603は、配線603bを介して、抵抗器60に電気的に接続されている。
【0126】
接地配線(第2配線)640は、基板10の面のうち、発光素子22等が設けられた配線面とは異なる面に設けられている。つまり、接地配線640は、配線パターン603に対向する面に設けられている。したがって、各電極部30-1~30-4は、配線パターン603との間で静電容量を有する容量素子を形成している。
【0127】
電極部30-1は、ブリッジ部32-1を介して、接地配線640に選択的に接続されている。電極部30-2は、ブリッジ部32-2を介して、接地配線640に選択的に接続されている。電極部30-3は、ブリッジ部32-3を介して、接地配線640に選択的に接続されている。電極部30-4は、ブリッジ部32-4を介して、接地配線640に選択的に接続されている。この例では、電極部30-1~30-3は、ブリッジ部32-1~32-3を介して、接地パターンに電気的に接続されている。電極部30-4は、ブリッジ部32-4によって、接地配線640から切り離されており、接地配線640から絶縁されている。
【0128】
図15Bに示すように、各電極部30-1~30-4は、基板10および配線パターン603とともに、容量素子C1~C4を形成している。ブリッジ部B1~B4は、接地パターン側に設けられている。上述の他の実施形態と同様に、容量素子C1~C4は、ブリッジ部B1~B4によって、接地配線640に選択的に接続されることができる。
【0129】
本実施形態では、基板の面のうち、各電極部30-1~30-4を発光素子22等が搭載された面とは異なる面に形成するので、基板10の設計自由度を向上させることができる。
【0130】
以上説明した実施形態によれば、広い輝度調整範囲において、均一な輝度で発光する光源装置を実現することができる。
【0131】
また、上述の各実施形態において説明した発光モジュールは、バックライトモジュールとして使用することもできる。
【0132】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組合せて実施することができる。
【符号の説明】
【0133】
1 発光モジュール、10 基板、11~13 端子、20 発光回路、22 発光素子、30,30-1~30-4、30a-1~30a-4 電極部、32,32-1~32-4,32a,32b,32c ブリッジ部、34 間隙、40 接地パターン、50 駆動回路、51 出力端子、52 入力端子、54 電流源回路、100~106,201 配線、202 ブリッジ部、430-1~430-3,530-1~530-3 電極部、430-1a~430-b,530-1a~530-3c 小電極部、432-1a~432-3a,532a,532b,532-1a~532-3b 小ブリッジ部、603 配線パターン、640 接地配線