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特許7402908導電性部材、タッチパネルセンサー、タッチパネル、成形体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】導電性部材、タッチパネルセンサー、タッチパネル、成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20231214BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20231214BHJP
   C23C 18/20 20060101ALI20231214BHJP
   C23C 18/32 20060101ALI20231214BHJP
   C23C 18/38 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G06F3/041 495
G06F3/044 122
G06F3/041 660
G06F3/041 420
C23C18/20 Z
C23C18/32
C23C18/38
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022024539
(22)【出願日】2022-02-21
(62)【分割の表示】P 2020549321の分割
【原出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2022078124
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】P 2018185566
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】成田 岳史
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/154896(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/168243(WO,A1)
【文献】特開2016-045522(JP,A)
【文献】特開2012-073849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
C23C 18/20
C23C 18/32
C23C 18/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に配置された中間層と、
前記中間層上にメッシュ状に配置され、めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有するパターン状被めっき層と、
前記パターン状被めっき層上に配置され、複数の金属細線が交差してなるメッシュ状の金属層と、
前記金属層に接して配置された保護層と、を有する導電性部材であり、
前記基材の25℃での弾性率が0.10~20.0GPaであり、
前記中間層の25℃での弾性率が0.05~1.00GPaであり、
前記金属層の面積率が0.2~60%であり、
前記保護層の25℃での弾性率が0.10~5.00GPaである、導電性部材。
【請求項2】
前記金属層が銅、ニッケル、及び金からなる群より選ばれる1種以上の金属を含む、請求項1に記載の導電性部材。
【請求項3】
前記中間層の厚みが、0.2~5.0μmである、請求項1又は2に記載の導電性部材。
【請求項4】
前記パターン状被めっき層が、
前記中間層上に以下の化合物X又は組成物Yを含む被めっき層前駆体層を形成し、前記被めっき層前駆体層に対してメッシュ状に露光処理を施して形成される層である、請求項1~3のいずれか1項に記載の導電性部材。
化合物X:めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基、及び、重合性基を有する化合物
組成物Y:めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有する化合物、及び、重合性基を有する化合物を含む組成物
【請求項5】
前記金属層が、前記パターン状被めっき層にめっき触媒又はその前駆体を付与して、前記めっき触媒又はその前駆体が付与されたパターン状被めっき層に対してめっき処理を行い形成される層である、請求項1~4のいずれか1項に記載の導電性部材。
【請求項6】
前記保護層の25℃での弾性率が1.00~3.00GPaである、請求項1~5のいずれか1項に記載の導電性部材。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の導電性部材を含む、タッチパネルセンサー。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の導電性部材を含む、タッチパネル。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の導電性部材を用いた成形体の製造方法であり、
第1金型及び第2金型のうちの一方の金型上に、前記基材と前記一方の金型とが対向するように、前記導電性部材を配置し、前記第1金型と前記第2金型とを型締めし、前記第1金型と前記第2金型とによって形成される金型キャビティ内に樹脂を注入して、前記導電性部材及び樹脂層を含む成形体を得る工程を有する、成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性部材、タッチパネルセンサー、タッチパネル、及び成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基材上に金属層(好ましくは、パターン状金属層)が配置された導電性フィルムは、種々の用途に使用されている。例えば、近年、携帯電話又は携帯ゲーム機器等へのタッチパネルの搭載率の上昇に伴い、多点検出が可能な静電容量式のタッチパネルセンサー用の導電性フィルムの需要が急速に拡大している。
【0003】
導電性フィルムの製造方法は種々提案されており、例えば、めっき処理を用いる方法が提案されている。
例えば、特許文献1の実施例欄では、重合性基及びめっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有する樹脂と多官能アクリルアミド化合物を含む被めっき層形成用組成物を用いて形成したパターン状の被めっき層を形成し、この被めっき層上にめっき処理により金属層を形成して導電性フィルムを製造する方法を開示している。また、特許文献1では、得られた導電性フィルムの自己支持性を向上させるため、インサート射出成形により上記導電性フィルムに更に樹脂層を付与して3次元形状の配線基板を製造する方法も開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開2018/012535明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、特許文献1を参照して導電性フィルム(導電性部材)及び上記導電性部材に樹脂層を積層した成形体を作製して検討したところ、特に、パターン状の被めっき層上に配置される金属層が、複数の金属細線が交差してなるメッシュ状の形態であるとき、例えばインサート射出成形等の導電性部材が高温及び/又は高圧環境に晒されるプロセス時に金属細線が断線する場合があることを明らかとした。
また、一方で、導電性部材は、衝撃を与えられても導電性部材内の金属細線の断線が生じにくい(言い換えると、耐衝撃性に優れる)ことも求められている。
【0006】
そこで、本発明は、高温及び/又は高圧環境に晒されるプロセスに適用された際に金属細線の断線が抑制され、且つ、耐衝撃性にも優れた導電性部材を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記導電性部材を用いたタッチパネルセンサー、及びタッチパネルを提供することを課題とする。
また、本発明は、上記導電性部材を用いた成形体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、所定構成の導電性部材によれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
〔1〕 基材と、
上記基材の少なくとも一方の面に配置された中間層と、
上記中間層上にメッシュ状に配置され、めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有するパターン状被めっき層と、
上記パターン状被めっき層上に配置され、複数の金属細線が交差してなるメッシュ状の金属層と、
上記金属層上に配置された保護層と、を有する導電性部材であり、
上記基材の25℃での弾性率をa、上記中間層の25℃での弾性率をbとしたとき、下記式Aを満たし、
式A:0.010≦b/a≦0.500
上記金属層の面積率が0.2~60%であり、
上記保護層の25℃での弾性率が0.10~5.00GPaである、導電性部材。
〔2〕 上記金属層が銅、ニッケル、及び金からなる群より選ばれる1種以上の金属を含む、〔1〕に記載の導電性部材。
〔3〕 上記中間層の厚みが、0.2~5.0μmである、〔1〕又は〔2〕に記載の導電性部材。
〔4〕 上記パターン状被めっき層が、
上記中間層上に以下の化合物X又は組成物Yを含む被めっき層前駆体層を形成し、上記被めっき層前駆体層に対してメッシュ状に露光処理を施して形成される層である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の導電性部材。
化合物X:めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基、及び、重合性基を有する化合物
組成物Y:めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有する化合物、及び、重合性基を有する化合物を含む組成物
〔5〕 上記金属層が、上記パターン状被めっき層にめっき触媒又はその前駆体を付与して、上記めっき触媒又はその前駆体が付与されたパターン状被めっき層に対してめっき処理を行い形成される層である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の導電性部材。
〔6〕 上記保護層の25℃での弾性率が1.00~3.00GPaである、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の導電性部材。
〔7〕 下記式Bを満たす、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の導電性部材。
式B:0.010≦b/a≦0.200
〔8〕 〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の導電性部材を含む、タッチパネルセンサー。
〔9〕 〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の導電性部材を含む、タッチパネル。
〔10〕 〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の導電性部材を用いた成形体の製造方法であり、
第1金型及び第2金型のうちの一方の金型上に、上記基材と上記一方の金型とが対向するように、上記導電性部材を配置し、上記第1金型と上記第2金型とを型締めし、上記第1金型と上記第2金型とによって形成される金型キャビティ内に樹脂を注入して、上記導電性部材及び樹脂層を含む成形体を得る工程を有する、成形体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高温及び/又は高圧環境に晒されるプロセスに適用された際に金属細線の断線が抑制され、且つ、耐衝撃性にも優れた導電性部材を提供できる。
また、本発明によれば、上記導電性部材を用いたタッチパネルセンサー及びタッチパネルを提供できる。
また、本発明は、上記導電性部材を用いた成形体の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】導電性部材12の断面図である。
図2】導電性部材12のA-A断面図である。
図3】導電性部材12のB-B断面図である。
図4】導電性部材12の金属層8の面積率(%)の計測方法を示す模式図である。
図5】導電性部材をタッチパネルセンサーに適用する態様の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、及びエキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV:Extreme ultraviolet lithography光)、X線、並びに電子線等を意味する。また本明細書において光とは、活性光線及び放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、及びエキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、並びにEUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画も包含する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルのいずれかを表す。
【0012】
[導電性部材]
本発明者らは、高温及び/又は高圧環境に晒されるプロセス(以下「高温高圧プロセス」ともいう。)において導電性部材中のメッシュ状の金属層が破断する原因を検討したところ、メッシュ状の金属層の面積率を所定以下とし、且つ、所定の弾性率に各々調整された中間層と保護層との間に上記メッシュ状の金属層を配置した導電性部材であれば高温高圧プロセス時の金属細線の断線が抑制されることを見い出した。
更に、上記構成によれば、導電性部材は、耐衝撃性にも優れることも明らかとした。つまり、導電性部材は、衝撃を受けてもメッシュ状の金属層を構成する金属細線の破断が生じにくいことを明らかとした。
以下に、本発明の導電性部材の好適実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
〔第一の実施形態〕
図1に、本発明の導電性部材の第一の実施形態の断面模式図を示す。
第一の実施形態の導電性部材12は、基材2と、基材2上の少なくとも一方の面に配置された中間層4と、上記中間層上にメッシュ状に配置されたパターン状被めっき層6と、上記パターン状被めっき層6上に配置され、複数の金属細線が交差してなるメッシュ状の金属層8と、中間層4、パターン状被めっき層6、及びメッシュ状の金属層8を被覆するように配置された保護層10と、を有する。
【0014】
導電性部材12は、基材2の25℃での弾性率をa、中間層4の25℃での弾性率をbとしたとき、下記式Aを満たす。
式A:0.010≦b/a≦0.500
ここで、基材2の25℃での弾性率とは、導電性部材12をウルトラミクロトームを用いて切断し、切り出された断面における基材2の領域を測定面として、25℃の環境下にてAFM(原子間力顕微鏡)により測定した値を意図する。また、中間層4の25℃での弾性率とは、導電性部材12をウルトラミクロトームを用いて切断し、切り出された断面における中間層4の領域を測定面として、25℃の環境下にてAFMにより測定した値を意図する。
なお、AFMとしては、例えば、Asylum社製MFP-3D Infinity型AFMを使用できる。また、上記弾性率a及び弾性率bの単位は、いずれもGPaである。
【0015】
b/aで表される値としては、高温高圧プロセスでの金属細線の断線がより抑制される点、及び/又は耐衝撃性がより優れる点で、0.400以下が好ましく、0.300以下がより好ましく、0.200以下が更に好ましい。
つまり、式Bを満たすことが好ましい。
式B:0.010≦b/a≦0.200
【0016】
更に、後述するように、導電性部材12において、金属層8の面積率は0.2~60%であり、保護層10の25℃での弾性率は0.10~5.00GPaである。
以下において、導電性部材12の構成について詳述する。
【0017】
<基材2>
基材2は、主面を有し、中間層4を支持するものであれば、その種類は特に制限されない。基材2としては、可撓性を有する基材(好ましくは絶縁基材)が好ましく、樹脂基材がより好ましい。
【0018】
基材2の可視光(波長400~800nm)の光に対する透過率は、60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが特に好ましい。なお、上記透過率の上限値は100%以下である。
【0019】
樹脂基材を構成する材料としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等)、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂(PP))、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。樹脂基材を構成する材料としては、なかでも、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
【0020】
基材2の厚みとしては特に制限されないが、取り扱い性及び薄型化のバランスの点から、0.01~0.5mmが好ましく、0.03~0.2mmがより好ましい。
また、基材2は複層構造であってもよく、例えば、その一つの層として機能性フィルムを含んでいてもよい。なお、基材自体が機能性フィルムであってもよい。
【0021】
基材2の25℃での弾性率は、高温高圧プロセスでの金属細線の断線がより抑制される点、及び/又は耐衝撃性がより優れる点で、0.10~20.0GPaが好ましく、0.10~10.0GPaがより好ましく、1.00~7.00GPaが更に好ましい。基材2の25℃での弾性率の測定方法としては、上述したとおりである。
【0022】
<中間層4>
中間層4は、基材2とパターン状被めっき層6との密着性を向上させるための層である。
中間層4の25℃での弾性率は、高温高圧プロセスでの金属細線の断線がより抑制される点、及び/又は耐衝撃性がより優れる点で、0.005~5.00GPaが好ましく、0.05~1.00GPaがより好ましく、0.10~1.00GPaが更に好ましく、0.10~0.50GPaが特に好ましい。中間層4の25℃での弾性率の測定方法としては、上述したとおりである。
【0023】
中間層4の厚みとしては特に制限されず、一般的には、0.01~50μmが好ましく、0.1~15μmがより好ましく、0.2~5.0μmが更に好ましい。
【0024】
中間層4の材料としては特に制限されず、基材との密着性が良好な樹脂が挙げられる。
具体的には、ポリウレタン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ(メタ)アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、イソシアネート系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド、及びABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)等が挙げられる。
中間層4の材料としては、高温高圧プロセスでの金属細線の断線がより抑制される点で、ポリウレタン系樹脂及びポリ(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、ポリウレタン系樹脂がより好ましい。ポリウレタン系樹脂の形成材料としては、例えば、アイトロンZ-913-3(アイカ工業社製)等が挙げられる。また、ポリ(メタ)アクリル系樹脂の形成材料としては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。なお、ポリエチレングリコールジアクリレートとしては、例えば、アロニックスM240(東亞合成社製)を使用できる。
【0025】
<パターン状被めっき層6>
パターン状被めっき層6は、中間層4上に配置され、メッシュ状のパターン(メッシュパターン)を有する。なお、後述するように、パターン状被めっき層6は、めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有している。このため、パターン状被めっき層6にめっき処理を行うことにより、パターン状被めっき層6上に金属層8を形成できる。つまり、メッシュ状のパターンを有する金属層8を形成できる。
【0026】
図2に、図1中のA-A線での切断面の一部拡大図を示す。図2に示すように、パターン状被めっき層6は、複数の細線14により構成され、交差する細線14による複数の開口部TAを含むメッシュ状のパターンとして中間層4上に配置されている。なお、図2においては、一つの交点から4本の細線14が延びるパターン状被めっき層6について図示しているが、この態様には制限されず、一つの交点から3本、又は5本以上の細線14が延びる態様であってもよい。
【0027】
パターン状被めっき層6の平均厚みは特に制限されないが、0.05~100μmが好ましく、0.07~10μmがより好ましく、0.1~3μmが更に好ましい。
上記平均厚みは、パターン状被めっき層6の垂直断面を電子顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)にて観察して、任意の10点の厚みを測定して、それらを算術平均した平均値である。
【0028】
パターン状被めっき層6のメッシュを構成する細線14の線幅の大きさは特に制限されないが、パターン状被めっき層6上に形成される金属層8の導電特性及び視認しづらさのバランスの点で、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、5μm以下が特に好ましく、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。
【0029】
図2においては、開口部TAは略菱形の形状を有しているが、この形状に制限されず、他の多角形状(例えば、三角形、四角形、六角形、ランダムな多角形)としてもよい。また、一辺の形状を直線状のほか、湾曲形状にしてもよいし、円弧状にしてもよい。円弧状とする場合は、例えば、対向する2辺については、外方に凸の円弧状とし、他の対向する2辺については、内方に凸の円弧状としてもよい。また、各辺の形状を、外方に凸の円弧と内方に凸の円弧が連続した波線形状としてもよい。もちろん、各辺の形状を、サイン曲線にしてもよい。
【0030】
開口部TAの一辺の長さLAは特に制限されないが、1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下が更に好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上が更に好ましい。開口部の一辺の長さが上記範囲である場合には、導電性部材12の透明性がより優れる。
【0031】
<金属層8>
図3に、図1中のB-B線での切断面の一部拡大図を示す。上述したとおり、金属層8は、パターン状被めっき層6の上に配置される。図3に示すように、金属層8は、複数の金属細線16により構成され、交差する金属細線16による複数の開口部TBを含むメッシュ状のパターンを有する。なお、図3においては、一つの交点から4本の金属細線16が延びる金属層について図示しているが、この態様には制限されず、一つの交点から3本、又は5本以上の金属細線16が延びる態様であってもよい。
【0032】
金属層8の平均厚みは特に制限されないが、導電性の観点から、例えば、0.00001~0.2mmから選択可能であるが、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、0.01~9μmが更に好ましく、0.05~3μmが特に好ましい。
金属層8の平均厚みは、金属層8の垂直断面を電子顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)にて観察して、任意の10点の厚みを測定して、それらを算術平均した平均値である。
【0033】
金属層8のメッシュを構成する金属細線16の線幅は特に制限されないが、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、300μm以下が更に好ましく、2μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。
なお、金属細線16の線幅は、光学顕微鏡で透過光を用いて観察して求められる。
【0034】
図3においては、開口部TBは略菱形の形状を有しているが、この形状に制限されず、他の多角形状(例えば、三角形、四角形、六角形、ランダムな多角形)としてもよい。また、一辺の形状を直線状のほか、湾曲形状にしてもよいし、円弧状にしてもよい。円弧状とする場合は、例えば、対向する2辺については、外方に凸の円弧状とし、他の対向する2辺については、内方に凸の円弧状としてもよい。また、各辺の形状を、外方に凸の円弧と内方に凸の円弧が連続した波線形状としてもよい。もちろん、各辺の形状を、サイン曲線にしてもよい。
【0035】
開口部TBの一辺の長さLBは特に制限されないが、1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下が更に好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上が更に好ましい。開口部TBの一辺の長さが上記範囲である場合には、後述する導電性部材12の透明性がより優れる。
【0036】
金属層8の面積率は、高温高圧プロセスでの金属細線の断線がより抑制される点で、60%以下である。また、その下限値は、導電性がより優れた導電性部材を形成できる点で、0.2%以上である。
金属層8の面積率は、導電性部材12を光学顕微鏡で透過光を用いて観察して求める。
具体的には、図4に示すように、導電性部材12中の金属層8のメッシュパターンを、開口領域の最大面積の10倍の面積(以下、「面積X」ともいう。)に対応する正方形状の領域に区分し、各領域毎に暗視野となる部分の面積を上記面積Xで割って、100を乗じた値(%)を算出する。このとき最も高い面積率の数値を、導電性部材12の金属層8の面積率(%)とする。例えば、開口領域の最大面積が250μmである場合、その面積の10倍の面積である2500μmに対応する正方形状の領域(縦:50μm、横:50μm)の観察視野で金属層を観察して、各観察視野中における金属層の面積率を算出する。
金属層8の面積率(%)は、導電性がより優れる点で、10~60%が好ましく、20~60%がより好ましく、30~60%が更に好ましい。
【0037】
金属層8に含まれる金属としては特に制限されず、公知の金属を用いることができる。
金属層8に含まれる主成分(いわゆる、主金属)としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、鉛、金、銀、錫、及び亜鉛等の金属、並びに、これらの金属の合金が好ましい。なお、上記主成分とは、金属層8中に含まれる金属のうち、最も含有量(質量)が大きい金属を意図する。
なかでも、導電性により優れた導電性部材が得られる点で、金属層8は、銅、ニッケル、及び金からなる群より選ばれる金属を1種以上含むことが好ましく、上記金属を主成分として含むことがより好ましい。
金属層8中の主成分を構成する金属の含有量としては特に制限されないが、一般に、上記金属の含有量が金属層8の全質量に対して80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。
【0038】
<保護層10>
保護層10は、主として、導電性部材12自体の強度の向上、メッシュ状の金属層8の保護、及び/又は、導電性部材12を用いて成形体を作製する際に射出により付与される樹脂層との接着性の向上に寄与する層である。
図1に示す導電性部材12は、中間層4、パターン状被めっき層6、及びメッシュ状の金属層8を覆うように保護層10を配置している。
保護層10の25℃での弾性率は、0.10~5.00GPaであり、高温高圧プロセスでの金属細線の断線がより抑制される点、及び/又は耐衝撃性がより優れる点で、1.00~3.00GPaが好ましい。
ここで、保護層10の25℃での弾性率とは、導電性部材12をウルトラミクロトームを用いて切断し、切り出された断面における保護層10の領域を測定面として、25℃の環境下にてAFMにより測定した値を意図する。
【0039】
保護層10は、樹脂を含む層であることが好ましい。
保護層10を形成する樹脂の種類は特に制限されず、公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又はABS樹脂を含むことが好ましく、ポリカーボネート系樹脂を含むことがより好ましい。
【0040】
保護層10の厚みとしては特に制限されず、一般的には、0.05~10mmが好ましく、0.5~5mmがより好ましく、1~2mmが更に好ましい。
【0041】
保護層10を形成する樹脂としては、ガラス強化繊維及び炭素繊維等の繊維を含む繊維強化樹脂(Fiber Reinforced Plastics)であってもよい。
【0042】
<導電性部材12の製造方法>
以下において、導電性部材12の製造方法の一例について説明する。
≪中間層4の形成方法≫
中間層4の形成方法は特に制限されない。例えば、中間層を形成する材料(例えば、上述したウレタン系樹脂等)を含む中間層形成用組成物を、基材2と接触させて、基材2上に塗膜を形成する方法が挙げられる。中間層形成用組成物が光硬化型又は熱硬化型の材料を含む場合、更に上記塗膜を硬化することが好ましい。
【0043】
中間層形成用組成物に含まれ得るその他の添加剤の具体例としては、重合開始剤及び溶媒等が挙げられる。中間層形成用組成物に含まれ得る重合開始剤及び溶媒としては、後述する被めっき層形成用組成物中に含まれる重合開始剤及び溶媒と同様のものが挙げられる。
なお、基材2については上述したとおりである。
【0044】
≪パターン状被めっき層6の形成方法≫
パターン状被めっき層6を形成する方法は特に制限されないが、以下の化合物X又は組成物Yを含む被めっき層形成用組成物を、中間層4を配置した基材2(以下、「中間層付き基材」ともいう。)と接触させて、中間層付き基材中の中間層上に被めっき層前駆体層を形成し、この被めっき層前駆体層にパターン状にエネルギー付与(例えば、露光)し、更に現像することで、パターン状被めっき層6を形成する方法が好ましい。
化合物X:めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基(以後、単に「相互作用性基」ともいう。)、及び、重合性基を有する化合物
組成物Y:めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有する化合物、及び、重合性基を有する化合物を含む組成物
以下、上記方法について詳述する。まず、本方法で使用される材料について詳述し、その後、手順について詳述する。
【0045】
(化合物X)
化合物Xは、相互作用性基と重合性基とを有する化合物である。
相互作用性基とは、パターン状被めっき層に付与されるめっき触媒又はその前駆体と相互作用できる官能基を意図し、例えば、めっき触媒又はその前駆体と静電相互作用を形成可能な官能基、並びに、めっき触媒又はその前駆体と配位形成可能な含窒素官能基、含硫黄官能基、及び含酸素官能基等が挙げられる。
相互作用性基としてより具体的には、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、キナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、及びシアネート基等の含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボン酸基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N-オキシド構造を含む基、S-オキシド構造を含む基、及びN-ヒドロキシ構造を含む基等の含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸基、及びスルホン酸エステル構造を含む基等の含硫黄官能基;ホスフェート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、及びリン酸エステル構造を含む基等の含リン官能基;塩素原子、及び臭素原子等のハロゲン原子を含む基等が挙げられ、塩構造をとりうる官能基においてはそれらの塩も使用できる。
なかでも、極性が高く、めっき触媒又はその前駆体等への吸着能が高いことから、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びボロン酸基等のイオン性極性基、エーテル基、又はシアノ基が好ましく、カルボン酸基、又はシアノ基がより好ましい。
化合物Xには、相互作用性基が2種以上含まれていてもよい。
【0046】
重合性基は、エネルギー付与により、化学結合を形成しうる官能基であり、例えば、ラジカル重合性基、及びカチオン重合性基等が挙げられる。なかでも、反応性がより優れる点から、ラジカル重合性基が好ましい。ラジカル重合性基としては、例えば、アクリル酸エステル基(アクリロイルオキシ基)、メタクリル酸エステル基(メタクリロイルオキシ基)、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基等の不飽和カルボン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、及びメタクリルアミド基等が挙げられる。なかでも、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、又はメタクリルアミド基が好ましい。
化合物X中には、重合性基が2種以上含まれていてもよい。また、化合物X中に含まれる重合性基の数は特に制限されず、1つでも、2つ以上でもよい。
【0047】
上記化合物Xは、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。低分子化合物は分子量が1000未満の化合物を意図し、高分子化合物とは分子量が1000以上の化合物を意図する。
【0048】
上記化合物Xがポリマーである場合、ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、溶解性等取扱い性がより優れる点で、1000~700000が好ましく、2000~200000がより好ましい。特に、重合感度の観点から、20000以上であることが更に好ましい。
【0049】
(組成物Y)
組成物Yは、相互作用性基を有する化合物、及び、重合性基を有する化合物を含む組成物である。つまり、被めっき層前駆体層が、相互作用性基を有する化合物、及び重合性基を有する化合物の2種を含む。相互作用性基及び重合性基の定義は、上述の通りである。
相互作用性基を有する化合物とは、相互作用性基を有する化合物である。相互作用性基の定義は上述の通りである。このような化合物としては、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。相互作用性基を有する化合物の好適形態としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びシトラコン酸等)及び不飽和カルボン酸の誘導体(例えば、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和カルボン酸の塩、不飽和カルボン酸のモノエステル等)に由来するポリマーが挙げられる。なお、相互作用性基を有する化合物には、重合性基は含まれない。
重合性基を有する化合物とは、いわゆるモノマーであり、形成されるパターン状被めっき層の硬度がより優れる点で、2個以上の重合性基を有する多官能モノマーであることが好ましい。多官能モノマーとは、具体的には、2~6個の重合性基を有するモノマーを使用することが好ましい。反応性に影響を与える架橋反応中の分子の運動性の観点から、用いる多官能モノマーの分子量としては150~1000が好ましく、200~800がより好ましい。
重合性基を有する化合物には、相互作用性基が含まれていてもよい。
【0050】
なお、相互作用性基を有する化合物と重合性基を有する化合物との質量比(相互作用性基を有する化合物の質量/重合性基を有する化合物の質量)は特に制限されないが、形成されるパターン状被めっき層の強度及びめっき適性のバランスの点で、0.1~10が好ましく、0.5~5がより好ましい。
【0051】
被めっき層形成用組成物には、必要に応じて、他の成分(例えば、重合開始剤、溶媒、増感剤、硬化剤、重合禁止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、フィラー、粒子、難燃剤、滑剤、及び可塑剤等)が含まれていてもよい。
【0052】
被めっき層形成用組成物の製造方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。例えば、上述した各成分を一括して混合する方法、又は各成分を段階的に混合する方法等が挙げられる。
【0053】
以下において、被めっき層形成用組成物の好適態様の一例を示す。
【0054】
(被めっき層形成用組成物)
上記被めっき層形成用組成物は、多官能のラジカル重合性モノマーと、めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有するポリマーとを含むことが好ましい。
【0055】
・多官能のラジカル重合性モノマー
多官能のラジカル重合性モノマーとは、ラジカル重合性基を2つ以上有する化合物を意図する。多官能のラジカル重合性モノマー中のラジカル重合性基の数は特に制限されないが、2~10つが好ましく、2~5つがより好ましく、2つが更に好ましい。
【0056】
ラジカル重合性基としては特に制限されず、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニル基、及びスチリル基等が挙げられ、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、又はメタクリルアミド基が好ましく、アクリルアミド基、又はメタクリルアミド基がより好ましい。
ここで、アクリロイルオキシ基は下記式(A)で表される基であり、メタクリロイルオキシ基は下記式(B)で表される基であり、アクリルアミド基は下記式(C)で表される基であり、メタクリルアミド基は下記式(D)で表される基である。
式(A)~式(D)中、*は、結合位置を表す。
式(C)及び式(D)中、Rは、水素原子又は置換基を表す。置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基(例えば、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基(例えばアルキル基)、及び芳香族炭化水素基(例えばアリール基等)等が挙げられる。)が挙げられる。Rとしては、水素原子が好ましい。
【0057】
【化1】

【0058】
多官能のラジカル重合性モノマーは、ポリオキシアルキレン基を有することが好ましい。
ポリオキシアルキレン基とは、オキシアルキレン基を繰り返し単位として有する基である。ポリオキシアルキレン基としては、式(E)で表される基が好ましい。
式(E) -(A-O)m
Aは、アルキレン基を表す。アルキレン基中の炭素数は特に制限されないが、1~4が好ましく、2~3がより好ましい。例えば、Aが炭素数1のアルキレン基の場合、-(A-O)-はオキシメチレン基(-CH2O-)を、Aが炭素数2のアルキレン基の場合、-(A-O)-はオキシエチレン基(-CH2CH2O-)を、Aが炭素数3のアルキレン基の場合、-(A-O)-はオキシプロピレン基(-CH2CH(CH3)O-、-CH(CH3)CH2O-又は-CH2CH2CH2O-)を示す。なお、アルキレン基は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。
【0059】
mは、オキシアルキレン基の繰り返し数を表し、2以上の整数を表す。繰り返し数は特に制限されないが、なかでも、2~10が好ましく、2~6がより好ましい。
なお、複数のオキシアルキレン基中のアルキレン基の炭素数は、同一であっても異なっていてもよい。例えば、式(E)においては、-(A-O)-で表される繰り返し単位が複数含まれており、各繰り返し単位中のアルキレン基中の炭素数は、同一であっても異なっていてもよい。例えば、-(A-O)m-において、オキシメチレン基とオキシプロピレン基とが含まれていてもよい。
また、複数種のオキシアルキレン基が含まれる場合、それらの結合順は特に制限されず、ランダム型でもブロック型でもよい。
【0060】
なかでも、多官能のラジカル重合性モノマーとしては、二官能のアクリルアミド化合物又は二官能のメタクリルアミド化合物が好ましく、式(1)で表される化合物がより好ましい。
【0061】
【化2】
【0062】
式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
A及びmの定義は、上述した式(E)中のA及びmの定義と同じである。
【0063】
3及びR4は、水素原子又は置換基を表す。
3及びR4で表される置換基の種類としては、上述した式(C)及び式(D)中のRで表される置換基と同義であり、好適態様も同じである。
3及びR4としては、なかでも、水素原子が好ましい。
【0064】
1及びL2は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
1及びL2で表される2価の連結基の種類としては特に制限されないが、例えば、2価の炭化水素基(2価の飽和炭化水素基であっても、2価の芳香族炭化水素基であってもよい。2価の飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよく、炭素数1~20が好ましく、例えば、アルキレン基が挙げられる。また、2価の芳香族炭化水素基は、炭素数5~20が好ましく、例えば、フェニレン基が挙げられる。それ以外にも、アルケニレン基、アルキニレン基であってもよい。)、2価の複素環基、-O-、-S-、-SO2-、-NR10-、-CO-(-C(=O)-)、-COO-(-C(=O)O-)、-NR10-CO-、-CO-NR10-、-SO3-、-SO2NR10-、及びこれらを2種以上組み合わせた基が挙げられる。ここで、R10は、水素原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1~10)を表す。
なお、上記2価の連結基中の水素原子は、ハロゲン原子等他の置換基で置換されていてもよい。
【0065】
上記多官能のラジカル重合性モノマーは、各種市販品を利用できるし、公技番号2013-502654号及び特開2014-193851等に記載の方法により合成できる。
【0066】
多官能のラジカル重合性モノマーは、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
被めっき層形成用組成物における多官能のラジカル重合性モノマーの含有量(複数種含む場合はその合計含有量)は特に制限されず、全固形分に対して、10~90質量%の場合が多いが、後述する被めっき層前駆体層のタック性がより抑制される点で、全固形分に対して、15~85質量が好ましく、めっき析出性がより優れる点で、15~75質量%がより好ましく、15~65質量%が更に好ましい。なお、本明細書において、固形分とは、パターン状被めっき層6を構成する成分を意図し、溶媒は含まれない。なお、パターン状被めっき層6を構成する成分であれば、その性状が液体状であっても、固形分に含まれる。
【0067】
・めっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基(相互作用性基)を有するポリマー
相互作用性基の定義は、上述の通りである。相互作用性基としては、なかでも、極性が高く、めっき触媒又はその前駆体等への吸着能が高いことから、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びボロン酸基等のイオン性極性基、又はシアノ基が好ましく、カルボン酸基、又はシアノ基がより好ましい。
ポリマーは、相互作用性基を2種以上有していてもよい。
【0068】
ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、取扱い性がより優れる点で、1000~700000が好ましく、2000~200000がより好ましい。
【0069】
ポリマー中には、相互作用性基を有する繰り返し単位が含まれることが好ましい。
相互作用性基を有する繰り返し単位の一好適態様としては、式(F)で表される繰り返し単位が挙げられる。
【0070】
【化3】
【0071】
式(F)中、R5は、水素原子又はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)を表す。
5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、式(1)のL1及びL2で表される2価の連結基の定義と同じである。
Xは、相互作用性基を表す。相互作用性基の定義は、上述の通りである。
【0072】
相互作用性基を有する繰り返し単位の他の好適態様としては、不飽和カルボン酸又はその誘導体由来の繰り返し単位が挙げられる。
不飽和カルボン酸とは、カルボン酸基(-COOH基)を有する不飽和化合物である。不飽和カルボン酸の誘導体とは、例えば、不飽和カルボン酸の無水物、不飽和カルボン酸の塩、不飽和カルボン酸のモノエステル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びシトラコン酸等が挙げられる。
【0073】
ポリマー中における相互作用性基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、パターン状被めっき層6の延伸性及びめっき析出性のバランスの点で、全繰り返し単位に対して、1~100モル%が好ましく、10~100モル%がより好ましい。
【0074】
ポリマーの好適態様としては、少ないエネルギー付与量(例えば、露光量)にてパターン状被めっき層6が形成しやすい点で、共役ジエン化合物由来の繰り返し単位、及び不飽和カルボン酸又はその誘導体由来の繰り返し単位を有するポリマーXが挙げられる。
不飽和カルボン酸又はその誘導体由来の繰り返し単位の説明は、上述の通りである。
【0075】
共役ジエン化合物としては、一つの単結合で隔てられた、二つの炭素-炭素二重結合を有する分子構造を有する化合物であれば特に制限されない。
共役ジエン化合物としては、例えば、イソプレン、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-ヘプタジエン、2,4-ヘプタジエン、1,3-オクタジエン、2,4-オクタジエン、3,5-オクタジエン、1,3-ノナジエン、2,4-ノナジエン、3,5-ノナジエン、1,3-デカジエン、2,4-デカジエン、3,5-デカジエン、2,3-ジメチル-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ペンタジエン、3-フェニル-1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2-ヘキシル-1,3-ブタジエン、3-メチル-1,3-ヘキサジエン、2-ベンジル-1,3-ブタジエン、及び2-p-トリル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。
【0076】
なかでも、ポリマーXの合成が容易で、パターン状被めっき層6の特性がより優れる点で、共役ジエン化合物由来の繰り返し単位は、下記式(2)で表されるブタジエン骨格を有する化合物由来の繰り返し単位であることが好ましい。
【0077】
【化4】
【0078】
式(2)中、R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を表す。炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基等。炭素数1~12が好ましい。)、及び芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、ナフチル基等。)が挙げられる。複数あるR6は同一であっても異なっていてもよい。
【0079】
式(2)で表されるブタジエン骨格を有する化合物(ブタジエン構造を有する単量体)としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-n-プロピル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1-フェニル-1,3-ブタジエン、1-α-ナフチル-1,3-ブタジエン、1-β-ナフチル-1,3-ブタジエン、2-クロル-1,3-ブタジエン、1-ブロム-1,3-ブタジエン、1-クロルブタジエン、2-フルオロ-1,3-ブタジエン、2,3-ジクロル-1,3-ブタジエン、1,1,2-トリクロル-1,3-ブタジエン、及び2-シアノ-1,3-ブタジエン等が挙げられる。
【0080】
ポリマーX中における共役ジエン化合物由来の繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、25~75モル%であることが好ましい。
ポリマーX中における不飽和カルボン酸又はその誘導体由来の繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、25~75モル%であることが好ましい。
【0081】
被めっき層形成用組成物におけるポリマーの含有量は特に制限されず、全固形分に対して、10~90質量%の場合が多いが、後述する被めっき層前駆体層のタック性がより抑制される点で、全固形分に対して、15~85質量が好ましく、被めっき層の延伸性とめっき析出性とのバランスがより優れる点で、25~75質量%がより好ましく、35~65質量%が更に好ましい。
多官能のラジカル重合性モノマーの質量に対する、ポリマーの質量の比(ポリマーの質量/多官能のラジカル重合性モノマーの質量)は特に制限されず、0.1~10の場合が多いが、0.3~3が好ましく、0.4~1.5がより好ましい。
【0082】
・その他の成分
被めっき層形成用組成物は、上述した多官能のラジカル重合性モノマー及びポリマー以外の他の成分を含んでいてもよい。以下、任意成分について詳述する。
【0083】
・・界面活性剤
被めっき層形成用組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤の種類は特に制限されず、例えば、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。なかでも、被めっき層前駆体層のタック性がより抑制される点で、フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
【0084】
フッ素系界面活性剤としては、例えば、W-AHE、W-AHI(以上、富士フイルム(株)製)、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F569、同F780、同F781F(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS-382、同SC-101、同SC-103、同SC-104、同SC-105、同SC1068、同SC-381、同SC-383、同S393、同KH-40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
【0085】
被めっき層形成用組成物における界面活性剤の含有量は特に制限されないが、被めっき層形成用組成物全量100質量%に対して、0.005~0.5質量%が好ましく、0.01~0.2質量%がより好ましく、0.01~0.1質量%が更に好ましい。
【0086】
・・重合開始剤
被めっき層形成用組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。
重合開始剤の種類は特に制限されず、公知の重合開始剤(好ましくは、光重合開始剤)が挙げられる。重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、α-アミノアルキルフェノン類、ベンゾイン類、ケトン類、チオキサントン類、ベンジル類、ベンジルケタール類、オキスムエステル類、ビスアシルフォスフィノキサイド類、アシルフォスフィンオキサイド類、アントラキノン類、及びアゾ類が挙げられる。
被めっき層形成用組成物における重合開始剤の含有量は特に制限されないが、被めっき層形成用組成物中の重合性基を有する化合物100質量%に対して、0.1~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
【0087】
・・溶媒
被めっき層形成用組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒の種類は特に制限されず、水及び有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、公知の有機溶媒(例えば、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、及び炭化水素系溶媒等)が挙げられる。
【0088】
被めっき層形成用組成物は、必要に応じて、他の成分(例えば、増感剤、硬化剤、重合禁止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、フィラー、難燃剤、滑剤、可塑剤、又はめっき触媒若しくはその前駆体)を含んでいてもよい。
【0089】
(パターン状被めっき層6の形成方法)
上述した被めっき層形成用組成物を用いて、パターン状被めっき層6を形成できる。
パターン状被めっき層6の形成方法としては、以下の工程を有する方法が好ましい。
工程1-1:中間層付き基材と被めっき層形成用組成物とを接触させて、中間層付き基材の中間層4側の表面上に被めっき層前駆体層を形成する工程
工程1-2:被めっき層前駆体層にパターン状に露光処理を施す工程
工程1-3:露光後の被めっき層前駆体層に現像処理を施して、パターン状被めっき層6を形成する工程
以下、上記工程1-1~工程1-3について詳述する。
【0090】
工程1-1は、中間層付き基材と被めっき層形成用組成物とを接触させて、中間層付き基材上に被めっき層前駆体層を形成する工程である。本工程を実施することにより、中間層付き基材と、中間層付き基材の中間層4側の表面上に配置された被めっき層前駆体層とを有する被めっき層前駆体層付き基材が得られる。
なお、被めっき層前駆体層とは、露光処理が施される前の状態の層である。
【0091】
中間層付き基材と被めっき層形成用組成物とを接触させる方法は特に制限されず、例えば、被めっき層形成用組成物を中間層付き基材上に塗布する方法、又は被めっき層形成用組成物中に中間層付き基材を浸漬する方法が挙げられる。
なお、中間層付き基材と被めっき層形成用組成物とを接触させた後、必要に応じて、被めっき層前駆体層から溶媒を除去するために、乾燥処理を実施してもよい。
【0092】
工程1-2は、上記被めっき層前駆体層と所定の形状の開口部を有するマスクとを密着させて、上記被めっき層前駆体層に対してメッシュパターン状に露光処理を行う工程である。露光処理により、被めっき層前駆体層中の化合物に含まれる重合性基が活性化され、化合物間の架橋が生じ、層の硬化が進行する。なお、露光処理の際に加熱処理を実施してもよい。
【0093】
露光処理光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、及びカーボンアーク灯等が挙げられる。また、電子線、X線、イオンビーム、及び遠赤外線等も使用可能である。
露光時間としては特に制限されず、例えば、10秒間~5時間である。露光エネルギーとしては特に制限されず、10~8000mJ程度であればよい。
【0094】
工程1-3は、メッシュパターン状に露光処理を施した被めっき層前駆体層に対して、現像処理を施す工程である。工程1-3を経ることにより、パターン状被めっき層6が形成される。
現像処理の方法は特に制限されず、使用される材料の種類に応じて、最適な現像処理が実施される。現像液としては、例えば、有機溶媒、純水、及びアルカリ水溶液が挙げられる。
【0095】
上記方法により、中間層付き基材上に、被めっき層形成用組成物を硬化して得られるパターン状被めっき層6が配置される。つまり、中間層付き基材と、上記中間層付き基材の中間層4の表面上に配置されたパターン状被めっき層6とを有する被めっき層付き基材が形成される。なお、パターン状被めっき層6は、複数の細線により構成され、交差する細線による複数の開口部を含むメッシュ状のパターンを有する。
【0096】
パターン状被めっき層6の形成方法としては、上述した方法に制限されない。パターン状被めっき層6の形成方法としては、基材2上にパターン状に被めっき層前駆体層を配置して、このパターン状被めっき層前駆体層に硬化処理を施すことにより、パターン状被めっき層6を形成する方法であってもよい。なお、パターン状に被めっき層前駆体層を配置する方法としては、例えば、スクリーン印刷法又はインクジェット法にて被めっき層形成用組成物を基材2上の所定の位置に付与する方法が挙げられる。
【0097】
≪金属層8の形成方法≫
上述した被めっき層付き基材中のパターン状被めっき層6に対して、めっき処理を施すことにより、パターン状被めっき層6上に、パターン状被めっき層6のメッシュパターンに沿った金属層8を形成できる。
金属層8を形成する方法は特に制限されないが、下記工程2-1及び工程2-2を実施することが好ましい。
工程2-1:パターン状被めっき層6にめっき触媒又はその前駆体を付与する工程
工程2-2:めっき触媒又はその前駆体が付与されたパターン状被めっき層6に対してめっき処理を施す工程
以下、工程2-1及び工程2-2の手順について詳述する。
【0098】
工程2-1は、パターン状被めっき層6にめっき触媒又はその前駆体を付与する工程である。パターン状被めっき層6には上記相互作用性基が含まれているため、相互作用性基がその機能に応じて、付与されためっき触媒又はその前駆体を付着(吸着)する。
めっき触媒又はその前駆体は、めっき処理の触媒又は電極として機能する。そのため、使用されるめっき触媒又はその前駆体の種類は、めっき処理の種類により適宜決定される。
【0099】
めっき触媒又はその前駆体は、無電解めっき触媒又はその前駆体が好ましい。
無電解めっき触媒は、無電解めっき時の活性核となるものであれば特に制限されず、例えば、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)が挙げられる。具体的には、Pd、Ag、Cu、Pt、Au、及びCo等が挙げられる。
この無電解めっき触媒としては、金属コロイドを用いてもよい。
無電解めっき触媒前駆体は、化学反応により無電解めっき触媒となるものであれば特に制限されず、例えば、上記無電解めっき触媒として挙げた金属のイオンが挙げられる。
【0100】
めっき触媒又はその前駆体を被めっき層に付与する方法としては、例えば、めっき触媒又はその前駆体を溶媒に分散又は溶解させた溶液を調製し、その溶液をパターン状被めっき層6上に塗布する方法、又はその溶液中に被めっき層付き基材を浸漬する方法が挙げられる。
上記溶媒としては、例えば、水又は有機溶媒が挙げられる。
【0101】
工程2-2は、めっき触媒又はその前駆体が付与されたパターン状被めっき層6に対してめっき処理を施す工程である。
めっき処理の方法は特に制限されず、例えば、無電解めっき処理、又は電解めっき処理(電気めっき処理)が挙げられる。本工程では、無電解めっき処理を単独で実施してもよいし、無電解めっき処理を実施した後に更に電解めっき処理を実施してもよい。
以下、無電解めっき処理、及び電解めっき処理の手順について詳述する。
【0102】
無電解めっき処理とは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる処理である。
無電解めっき処理の手順としては、例えば、無電解めっき触媒が付与された被めっき層付き基材を、水洗して余分な無電解めっき触媒を除去した後、無電解めっき浴に浸漬することが好ましい。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用できる。
なお、一般的な無電解めっき浴には、溶媒(例えば、水)の他に、めっき用の金属イオン、還元剤、及び金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれる。
【0103】
パターン状被めっき層6に付与されためっき触媒又はその前駆体が電極としての機能を有する場合、その触媒又はその前駆体が付与されたパターン状被めっき層6に対して、電解めっき処理を施すことができる。
なお、上述したように、上記無電解めっき処理の後に、必要に応じて、電解めっき処理を行うことができる。このような形態では、形成される金属層8の厚みを適宜調整可能である。
【0104】
なお、上記では工程2-1を実施する形態について述べたが、めっき触媒又はその前駆体がパターン状被めっき層6に含まれる場合、工程2-1を実施しなくてもよい。
【0105】
上記処理を実施することにより、パターン状被めっき層6上に金属層8が形成される。つまり、被めっき層付き基材と、被めっき層付き基材中のパターン状被めっき層6上に配置されたメッシュ状の金属層8とを含む金属層付き基材が得られる。
また、3次元形状を有する被めっき層付き基材を用いて、上記工程2-1及び2-2を実施した場合、3次元形状を有する導電性部材が得られる。
【0106】
≪保護層10の形成方法≫
保護層10の形成方法は特に制限されない。例えば、上述した樹脂と、必要に応じて用いられる添加剤(例えば、透光性粒子、及び溶媒等)とを含む保護層形成用組成物を、金属層付き基材と接触させて、金属層付き基材上の金属層8側の表面に塗膜を形成し、必要に応じて塗膜を硬化することにより保護層を形成する方法が挙げられる。
【0107】
〔その他の実施形態〕
本発明の導電性部材は、上述した第一の実施形態に制限されない。第一の実施形態では、中間層、パターン状被めっき層、金属層、及び保護層が基材の一方の面に配置された形態を示したが、本発明の導電性部材は、中間層、パターン状被めっき層、金属層、及び保護層が基材の両面に配置された形態であってもよい。
【0108】
[成形体、成形体の製造方法]
上記導電性部材をタッチパネルセンサーに適用する場合、強度付与の観点から、上記導電性部材の保護層上に樹脂層を積層してもよい。
以下において、導電性部材と、上記導電性部材の保護層上に配置された樹脂層とを有する成形体について説明する。
上記樹脂層を形成する樹脂としては特に制限されず、公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
【0109】
以下において、成形体の形成方法の一例について説明する。
成形体の形成方法としては、金型キャビティを形成可能な第1金型及び第2金型のうちの一方の金型上に、導電性部材の基材と一方の金型とが対向するように(言い換えれば、導電性部材の基材が一方の金型側を向くように)、導電性部材を配置し、第1金型と第2金型とを型締めし、第1金型と第2金型とによって形成される金型キャビティ内に樹脂を注入して、導電性部材及び樹脂層を含む成形体を得る工程を有することが好ましい。
なお、注入の際には、通常、樹脂は公知の加熱手段で加熱され、溶融した樹脂が金型キャビティ内に注入される。また、金型(第1金型及び/又は第2金型)も公知の加熱手段で加熱されてもよい。なお、樹脂としては、上述した通りである。
その後、必要に応じて、金型を冷却して樹脂を固化させ、金型から成形体を取り外す。
なお、金型の形状は特に制限されず、導電性部材の形状に合わせて最適な形状の金型が選択される。例えば、導電性部材の形状が3次元形状(立体形状)である場合、この導電性部材の3次元形状に対応した形状を有する金型が選択される。
【0110】
[用途]
上記導電性部材は、各種用途に適用できる。例えば、タッチパネルセンサー、半導体チップ、FPC(Flexible printed circuits)、COF(Chip on Film)、TAB(Tape Automated Bonding)、アンテナ、多層配線基板、及びマザーボード等の種々の用途に適用できる。なかでも、タッチパネルセンサー(特に、静電容量式タッチパネルセンサー)に用いることが好ましい。
【0111】
上記導電性部材をタッチパネルセンサーに適用する場合、例えば、図5に示すように、導電性部材中のメッシュ状の金属層20を、電極パターン22及び電極パターン22の端部と電気的に接続された電極端子24として機能させることができる。このようなタッチパネルセンサーは、タッチパネルに好適に適用できる。
【0112】
また、導電性部材は、発熱体として用いることもできる。例えば、金属層に電流を流すことにより、金属層の温度が上昇して、金属層が熱電線として機能する。
【実施例
【0113】
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0114】
[実施例1]
〔被めっき層形成用組成物Aの調製〕
以下の成分を混合し、被めっき層形成用組成物Aを得た。
ポリブタジエンマレイン酸(ブタジエン-マレイン酸共重合体)水溶液(富士フイルム和光純薬社製;42質量%水溶液) 6質量部
下記構造の2官能アクリルアミドモノマー(AA) 2.5質量部
Omnirad127(IGM Resins社製) 0.13質量部
イソプロパノール(IPA) 91.5質量部
【0115】
(2官能アクリルアミドモノマー(AA))
【化5】
【0116】
なお、上記2官能アクリルアミドモノマーは、特開2014-193851の段落[0099]に記載された方法によって合成したものを用いた。
【0117】
〔中間層形成用組成物Aの調製〕
以下の成分を混合し、中間層形成用組成物Aを得た。
アイトロンZ-913-3(アイカ工業社製) 4質量%
イソプロパノール(IPA)及び1-メトキシ-2-プロパノール(MFG)の混合溶媒(IPA:MFG(質量比)=3:1) 96質量%
【0118】
〔保護層形成用組成物Aの調製〕
以下の成分を混合し、保護層形成用組成物Aを得た。
IMB-006(帝国インク社製) 40質量%
トルエン 60質量%
【0119】
〔導電性部材の作製〕
<パターン状被めっき層の形成>
基材(帝人製PC(ポリカーボネート系樹脂)フィルム、パンライトPC、厚み:250μm)上に、中間層形成用組成物Aをバーコーターにて塗布した。その後、形成された中間層形成用組成物層に対してUV(紫外線)照射することにより、中間層(膜厚0.8μm)を形成した。つまり、基材と、基材上に配置された中間層とを有する中間層付き基材を得た。
次に、上記中間層上に、被めっき層形成用組成物をバーコーターにて膜厚0.8μmになるように塗布して、被めっき層前駆体層を得た。つまり、中間層付き基材と、上記中間層上に配置された被めっき層前駆体層とを有する被めっき層前駆体層付き基材を得た。
次に、金属層の面積率が60%のメッシュパターンになるように、所定の開口パターンを有する石英マスクを介して、メタルハライド光源にて上記被めっき層前駆体層を露光(0.2J/cm2)した。
露光後、室温の水にて、露光された被めっき層前駆体層をシャワー洗浄して、現像処理し、線幅10μmで正方形のパターン状に形成された被めっき層(パターン状被めっき層)を得た。
【0120】
<金属層の形成>
次いで、パターン状被めっき層付き基材を炭酸ナトリウム1質量%水溶液に常温にて5分間浸漬し、取り出した被めっき層付き基材を純水にて2回洗浄した。次に純水に5分間浸漬した後、Pd触媒付与液(オムニシールド1573アクチベーター、ローム・アンド・ハース電子材料社製)に30℃にて5分間浸漬し、その後、取り出した被めっき層付き基材を純水にて2回洗浄した。次に、得られた被めっき層付き基材を還元液(サーキュポジットP13オキサイドコンバーター60C、ローム・アンド・ハース電子材料社製)に30℃にて5分間浸漬し、その後、取り出した被めっき層付き基材を純水にて2回洗浄した。次に、得られた被めっき層付き基材を無電解めっき液(サーキュポジット4500、ローム・アンド・ハース電子材料社製)に45℃にて15分間浸漬し、その後、取り出した被めっき層付き基材を純水にて洗浄して、厚み3μmで面積率60%の金属層を有する金属層付き基材を得た。
なお、得られた金属層付き基材をミクロトームで断面切削して、金属層の下層である被めっき層を顕微赤外吸収スペクトルで評価したところ、被めっき層形成用組成物に含まれるめっき触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を検出した。
【0121】
<保護層の形成>
上記金属層付き基材の金属層側表面上に、保護層形成用組成物Aをバーコーターにて膜厚5μmになるように塗布して、保護層を得た。つまり、金属層付き基材と、上記金属層上に配置された保護層とを有する導電性部材を得た。
【0122】
[実施例2]
〔中間層形成用組成物Bの調製〕
以下の成分を混合し、中間層形成用組成物Bを得た。
ポリエチレングリコールジアクリレート(商品名:アロニックスM240(東亞合成社製)) 4質量%
イソプロパノール(IPA)及び1-メトキシ-2-プロパノール(MFG)の混合溶媒(IPA:MFG(質量比)=3:1) 96質量%
【0123】
中間層形成用組成物Aを中間層形成用組成物Bに変更した以外は実施例1と同様の方法により、実施例2の導電性部材を作製した。
【0124】
[実施例3]
<パターン状被めっき層の形成>において、金属層の面積率が40%のメッシュパターンになるように、所定の開口パターンを有する石英マスクを介して、メタルハライド光源にて被めっき層前駆体層を露光(0.2J/cm2)した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3の導電性部材を作製した。
【0125】
[実施例4]
保護層をポリスチレン-イソプレン共重合体(商品名:セプトン2104(クラレ社製))に変更した以外は実施例1と同様の方法により、実施例4の導電性部材を作成した。
【0126】
[実施例5]
保護層をガラス強化繊維含有熱可塑性樹脂(参考特許JP2010258791A)に変更した以外は実施例1と同様の方法により、実施例5の導電性部材を作成した。
【0127】
[実施例6]
保護層をポリスチレン(商品名:ディックスチレンGPPS―CR3500(DIC社製))に変更した以外は実施例1と同様の方法により、実施例6の導電性部材を作成した。
【0128】
[実施例7]
保護層を透明ABS(商品名:TE30S(DENKA社製))に変更した以外は実施例1と同様の方法により、実施例7の導電性部材を作成した。
【0129】
[実施例8]
〔中間層形成用組成物Cの調製〕
以下の成分を混合し、中間層形成用組成物Cを得た。
アイトロンZ-913-3(アイカ工業社製) 3.5質量%
上述した2官能アクリルアミドモノマー(AA) 0.5質量%
イソプロパノール(IPA)及び1-メトキシ-2-プロパノール(MFG)の混合溶媒(IPA:MFG(質量比)=3:1) 96質量%
【0130】
基材をPP(ピュアサーモAG356AS(出光ユニテック社製))に変更し、中間層に中間層形成用組成物Cを使用した以外は実施例1と同様の方法により、実施例8の導電性部材を作成した。
【0131】
[実施例9]
パターン状被めっき層を形成するときに、金属層の面積率が0.2%のメッシュパターンになるように、所定の開口パターンを有する石英マスクに変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例9の導電性部材を作成した。
【0132】
[実施例10]
中間層の厚みが0.2μmとなるよう変更した以外は実施例1と同様の方法により、実施例10の導電性部材を作成した。
【0133】
[実施例11]
中間層の厚みが5μmとなるよう変更した以外は実施例1と同様の方法により、実施例11の導電性部材を作成した。
【0134】
[比較例1]
〔中間層形成用組成物Cの調製〕
以下の成分を混合し、中間層形成用組成物Cを得た。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:A-DPH(中村化学社製))
4質量%
イソプロパノール(IPA)及び1-メトキシ-2-プロパノール(MFG)の混合溶媒(IPA:MFG(質量比)=3:1) 96質量%
【0135】
中間層形成用組成物Aを中間層形成用組成物Cに変更した以外は実施例1と同様の方法により、比較例1の導電性部材を作製した。
【0136】
[比較例2]
〔中間層形成用組成物Dの調製〕
以下の成分を混合し、中間層形成用組成物Dを得た。
水素化ニトリルゴム(HNBR、商品名:Zetpol(日本ゼオン社製))
4質量%
イソプロパノール(IPA)及び1-メトキシ-2-プロパノール(MFG)の混合溶媒(IPA:MFG(質量比)=3:1) 96質量%
【0137】
中間層形成用組成物Aを中間層形成用組成物Dに変更した以外は実施例1と同様の方法により、比較例2の導電性部材を作製した。
【0138】
[比較例3]
<パターン状被めっき層の形成>において、金属層の面積率が90%のメッシュパターンになるように、所定の開口パターンを有する石英マスクを介して、メタルハライド光源にて被めっき層前駆体層を露光(0.2J/cm2)した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3の導電性部材を作製した。
【0139】
[比較例4]
〔保護層形成用組成物Bの調製〕
以下の成分を混合し、保護層形成用組成物Bを得た。
SilFort PHC587(Momentive社製) 40質量%
イソプロパノール 60質量%
【0140】
保護層形成用組成物Aを保護層形成用組成物Bに変更した以外は実施例1と同様の方法により、比較例4の導電性部材を作製した。
【0141】
[各種評価]
上記実施例及び比較例にて得られた導電性部材を用いて、以下の各種評価を実施した。結果は、後述する表1にまとめて示す。
【0142】
〔導電性部材における金属層の面積率〕
実施例及び比較例の各導電性部材中の複数の金属細線が交差してなるメッシュ状の金属層を光学顕微鏡で透過光を用いて観察することにより、導電性部材における金属層の面積率(%)を計測した。
具体的には、導電性部材の上記金属層を構成するメッシュパターンを開口領域の最大面積の10倍の面積(「面積X」)に対応する正方形状の領域に区分し、各領域毎に暗視野となる部分の面積を上記面積Xで割って、100を乗じた値(%)を算出する。このとき最も面積率の高い数値を、導電性部材の金属層の面積率(%)とする。
【0143】
〔中間層、基材、及び保護層の25℃での弾性率の測定〕
実施例及び比較例の各導電性部材をウルトラミクロトームにより断面を切り出し、この断面を測定面として、粘着テープを用いて測定試料を支持台に固定した。次いで、AFM(Asylum社製MFP-3D Infinity型AFM)により、中間層の25℃での弾性率、基材の25℃での弾性率、及び保護層の25℃での弾性率を各々測定した。
【0144】
〔評価〕
<高温高圧プロセスでの断線の有無>
実施例及び比較例の各導電性部材を金型キャビティを形成可能な金型に装着した。このとき、基材側の表面が金型と接触するように導電性部材を装着した。その後、金型を型締めして、金型キャビティ内に樹脂(帝人社製、パンライトL-1225L)を温度(300℃)にて射出成形して、50mm×70mm×2mmの成形品を得た。得られた成形体に関して、メッシュ状の金属層を任意に10点観察し、断線の有無を確認し、下記の評価基準で評価を実施した。実用上、B評価以上が好ましい。
「A」: 断線が発生しない。
「B」: 断線は発生していないものの、一部損傷がみられた
「C」: 断線が発生する。
【0145】
<耐衝撃性>
実施例及び比較例の各導電性部材に対して、基材側から、500gの鋼球を50cmの高さから落下させた。次いで、上記各導電性部材のメッシュ状の金属層を任意に10点観察し、断線の有無を確認し、下記の評価基準で評価を実施した。実用上、B評価以上が好ましい。
「A」: 断線が発生しない。
「B」: 断線は発生していないものの、一部損傷がみられた
「C」: 断線が発生する。
【0146】
以下に、表1を示す。
なお、表1中、「基材と中間層の弾性率比(b/a)」とは、「中間層の25℃での弾性率(b)/基材の25℃での弾性率(a)」を意図する。
また、表1中、「PC」は、ポリカーボネート系樹脂を意図し、「PP」は、ポリプロピレン樹脂を意図する。
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【0149】
表1の結果から、実施例の導電性部材は、高温高圧プロセスでの金属細線の断線が抑制されており、且つ、耐衝撃性に優れていることが明らかである。
一方、比較例の導電性部材では、所望の効果が得られなかった。
特に、比較例2では、中間層の弾性率が基材の弾性率に対して小さすぎるため、導電性部材に基材側から衝撃を与えると、メッシュ状の金属層を構成する金属細線の破断が生じることが確認された。
【符号の説明】
【0150】
2 基材
4 中間層
6 パターン状被めっき層
8、20 金属層
10 保護層
12 導電性部材
14 細線
A,TB 開口部
A 開口部TAの一辺の長さ
B 開口部TBの一辺の長さ
16 金属細線
22 電極パターン
24 電極端子
図1
図2
図3
図4
図5