(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】研磨装置および研磨方法
(51)【国際特許分類】
B24B 37/013 20120101AFI20231218BHJP
B24B 49/04 20060101ALI20231218BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20231218BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
B24B37/013
B24B49/04 Z
B24B49/12
H01L21/304 622R
H01L21/304 622S
(21)【出願番号】P 2019156921
(22)【出願日】2019-08-29
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】高橋 信行
(72)【発明者】
【氏名】木下 将毅
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-525878(JP,A)
【文献】特開2001-088021(JP,A)
【文献】特開2019-024034(JP,A)
【文献】特開2019-024036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/013
B24B 49/04
B24B 49/12
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の研磨装置であって、
通孔を有する研磨パッドを支持する研磨テーブルと、
基板を前記研磨パッドの研磨面に押し付ける研磨ヘッドと、
前記研磨面の高さを測定するパッド高さ測定装置と、
前記通孔に純水を供給するために前記通孔に連結された純水供給ライン
と、
前記通孔から純水を排出するために前記通孔に連結された純水吸引ラインと、
純水で満たされた前記通孔を通じて光を前記基板に導き、前記基板からの反射光を
、純水で満たされた前記通孔を通じて受け、前記反射光に基づいて前記基板の膜厚を決定する光学膜厚測定システムと、
前記純水供給ラインに接続された流量調節装置と、
前記流量調節装置の動作を制御する動作制御部を備え、
前記動作制御部は、
前記研磨面の高さと
、前記通孔が純水で満たされ、かつ純水が前記研磨面上に溢れない純水の流量との関係を示す相関データ、およびプログラムを格納した記憶装置と、
前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の流量を
前記相関データから決定し、前記決定された流量で純水が前記純水供給ラインを流れるように前記流量調節装置の動作を制御する演算装置を有する、研磨装置。
【請求項2】
前記相関データは、前記研磨面の高さの減少に従って、純水の流量が減少する関係を示すデータである、請求項1に記載の研磨装置。
【請求項3】
前記流量調節装置は移送ポンプ装置であり、
前記相関データは、前記研磨面の高さと前記移送ポンプ装置の回転速度との関係を示す相関データであり、
前記演算装置は、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する前記移送ポンプ装置の回転速度を
前記相関データから決定し、前記移送ポンプ装置が前記決定された回転速度で回転するように前記移送ポンプ装置の動作を設定するように構成されている、請求項1または2に記載の研磨装置。
【請求項4】
前記流量調節装置は流量制御弁であり、
前記演算装置は、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の流量を
前記相関データから決定し、前記決定された流量で純水が前記純水供給ラインを流れるように前記流量制御弁の動作を設定するように構成されている、請求項1または2に記載の研磨装置。
【請求項5】
前記純水吸引ラインに連結された流出側ポンプと、
前記流出側ポンプの回転速度を制御する周波数可変装置をさらに備えている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨装置。
【請求項6】
基板の研磨装置であって、
通孔を有する研磨パッドを支持する研磨テーブルと、
基板を前記研磨パッドの研磨面に押し付ける研磨ヘッドと、
前記研磨面の高さを測定するパッド高さ測定装置と、
前記通孔に純水を供給するために前記通孔に連結された純水供給ライン
と、
前記通孔から純水を排出するために前記通孔に連結された純水吸引ラインと、
純水で満たされた前記通孔を通じて光を前記基板に導き、前記基板からの反射光を
、純水で満たされた前記通孔を通じて受け、前記反射光に基づいて前記基板の膜厚を決定する光学膜厚測定システムと、
前記純水供給ラインに接続された圧力調節装置と、
前記圧力調節装置の動作を制御する動作制御部を備え、
前記動作制御部は、
前記研磨面の高さと
、前記通孔が純水で満たされ、かつ純水が前記研磨面上に溢れない純水の圧力との関係を示す相関データ、およびプログラムを格納した記憶装置と、
前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の圧力を
前記相関データから決定し、前記決定された圧力の純水が前記純水供給ラインを流れるように前記圧力調節装置の動作を制御する演算装置を有する、研磨装置。
【請求項7】
前記相関データは、前記研磨面の高さの減少に従って、純水の圧力が減少する関係を示すデータである、請求項6に記載の研磨装置。
【請求項8】
前記圧力調節装置は移送ポンプ装置であり、
前記相関データは、前記研磨面の高さと前記移送ポンプ装置の回転速度との関係を示す相関データであり、
前記演算装置は、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する前記移送ポンプ装置の回転速度を
前記相関データから決定し、前記移送ポンプ装置が前記決定された回転速度で回転するように前記移送ポンプ装置の動作を設定するように構成されている、請求項6または7に記載の研磨装置。
【請求項9】
前記圧力調節装置は圧力制御弁であり、
前記演算装置は、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の圧力を
前記相関データから決定し、前記決定された圧力の純水が前記純水供給ラインを流れるように前記圧力制御弁の動作を設定するように構成されている、請求項6または7に記載の研磨装置。
【請求項10】
前記純水吸引ラインに連結された流出側ポンプと、
前記流出側ポンプの回転速度を制御する周波数可変装置をさらに備えている、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の研磨装置。
【請求項11】
基板の研磨方法であって、
通孔を有する研磨パッドの研磨面の高さを
パッド高さ測定装置により測定し、
前記研磨面の高さと
、前記通孔が純水で満たされ、かつ純水が前記研磨面上に溢れない純水の流量との関係を示す相関データから、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の流量を決定し、
スラリーを前記研磨パッドの研磨面に供給しながら、基板を前記研磨面に押し付けて該基板を研磨し、
純水供給ラインを通じて純水を前記決定された流量で前記通孔に供給し
て前記通孔を純水で満たし、かつ前記通孔から
純水吸引ラインを通じて前記純水を吸引しながら、光学膜厚測定システムから前記通孔を通じて光を前記基板に導き、かつ前記基板からの反射光を前記通孔を通じて前記光学膜厚測定システムで受け、
前記光学膜厚測定システムにより前記基板の膜厚を前記反射光に基づいて決定する、研磨方法。
【請求項12】
前記相関データは、前記研磨面の高さの減少に従って、純水の流量が減少する関係を示すデータである、請求項11に記載の研磨方法。
【請求項13】
基板の研磨方法であって、
通孔を有する研磨パッドの研磨面の高さを
パッド高さ測定装置により測定し、
前記研磨面の高さと
、前記通孔が純水で満たされ、かつ純水が前記研磨面上に溢れない純水の圧力との関係を示す相関データから、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の圧力を決定し、
スラリーを前記研磨パッドの研磨面に供給しながら、基板を前記研磨面に押し付けて該基板を研磨し、
前記決定された圧力の純水を
純水供給ラインを通じて前記通孔に供給し
て前記通孔を純水で満たし、かつ前記通孔から
純水吸引ラインを通じて前記純水を吸引しながら、光学膜厚測定システムから前記通孔を通じて光を前記基板に導き、かつ前記基板からの反射光を前記通孔を通じて前記光学膜厚測定システムで受け、
前記光学膜厚測定システムにより前記基板の膜厚を前記反射光に基づいて決定する、研磨方法。
【請求項14】
前記相関データは、前記研磨面の高さの減少に従って、純水の圧力が減少する関係を示すデータである、請求項
13に記載の研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハなどの基板を研磨パッド上で研磨する研磨装置および研磨方法に関し、特に、研磨パッド上の基板からの反射光を解析することで基板の膜厚を検出しながら、該基板を研磨する研磨装置および研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスには、SiO2などの絶縁膜を研磨する工程や、銅、タングステンなどの金属膜を研磨する工程などの様々な工程が含まれる。裏面照射型CMOSセンサおよびシリコン貫通電極(TSV)の製造工程では、絶縁膜や金属膜の研磨工程の他にも、シリコン層(シリコンウェーハ)を研磨する工程が含まれる。
【0003】
ウェーハの研磨は、一般に、化学機械研磨装置(CMP装置)を用いて行われる。このCMP装置は、研磨テーブル上に貼り付けられた研磨パッドにスラリーを供給しながら、ウェーハを研磨パッドに摺接させることによりウェーハの表面を研磨するように構成される。ウェーハの研磨は、その表面を構成する膜(絶縁膜、金属膜、シリコン層など)の厚さが所定の目標値に達したときに終了される。したがって、ウェーハの研磨中は、膜厚が測定される。
【0004】
膜厚測定装置の例として、光をウェーハの表面に導き、ウェーハからの反射光に含まれる光学情報を解析することにより膜厚を測定する光学式膜厚測定装置がある。この光学式膜厚測定装置は、研磨テーブル内に配置された投光部および受光部からなるセンサヘッドを備えている。研磨パッドは、センサヘッドの位置と同じ位置に通孔を有している。センサヘッドから発せられた光は、研磨パッドの通孔を通ってウェーハに導かれ、ウェーハからの反射光は、再び通孔を通ってセンサヘッドに到達する。
【0005】
ウェーハの研磨中は、スラリーが研磨パッド上に供給される。スラリーは通孔に流入し、光の進行を妨げる。そこで、光の通路を確保するために、純水が通孔に供給される。通孔は純水で満たされ、通孔に侵入したスラリーおよび研磨屑は、純水とともにドレインラインを通って排出される。通孔に形成された純水の流れは、光の通路を確保し、精度の高い膜厚測定を可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
研磨パッドは、ウェーハの研磨および研磨パッドのドレッシングを繰り返し行うにつれて、徐々に摩耗する。研磨パッドの摩耗に伴い、研磨パッドに形成されている通孔の容積が減少する。結果として、純水が研磨パッドの研磨面上に溢れ、スラリーを希釈し、ウェーハの研磨レートを局所的に低下させてしまう。その一方で、純水の流量が少なすぎると、スラリーが通孔に進入し、光の通行を妨げてしまう。結果として、光学式膜厚測定装置は、ウェーハの正確な膜厚を測定することができない。
【0008】
そこで、本発明は、ウェーハなどの基板の研磨中に、研磨パッドの通孔から純水が溢れることを防止し、かつスラリーが通孔に進入することを防ぐことができる研磨装置および研磨方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、基板の研磨装置であって、通孔を有する研磨パッドを支持する研磨テーブルと、基板を前記研磨パッドの研磨面に押し付ける研磨ヘッドと、前記研磨面の高さを測定するパッド高さ測定装置と、前記通孔に連結された純水供給ラインおよび純水吸引ラインと、前記通孔を通じて光を前記基板に導き、前記基板からの反射光を前記通孔を通じて受け、前記反射光に基づいて前記基板の膜厚を決定する光学膜厚測定システムと、前記純水供給ラインに接続された流量調節装置と、前記流量調節装置の動作を制御する動作制御部を備え、前記動作制御部は、前記研磨面の高さと純水の流量との関係を示す相関データ、およびプログラムを格納した記憶装置と、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の流量を決定し、前記決定された流量で純水が前記純水供給ラインを流れるように前記流量調節装置の動作を制御する演算装置を有する、研磨装置が提供される。
【0010】
一態様では、前記相関データは、前記研磨面の高さの減少に従って、純水の流量が減少する関係を示すデータである。
一態様では、前記流量調節装置は移送ポンプ装置であり、前記相関データは、前記研磨面の高さと前記移送ポンプ装置の回転速度との関係を示す相関データであり、前記演算装置は、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する前記移送ポンプ装置の回転速度を決定し、前記移送ポンプ装置が前記決定された回転速度で回転するように前記移送ポンプ装置の動作を設定するように構成されている。
【0011】
一態様では、前記流量調節装置は流量制御弁であり、前記演算装置は、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の流量を決定し、前記決定された流量で純水が前記純水供給ラインを流れるように前記流量制御弁の動作を設定するように構成されている。
一態様では、前記研磨装置は、前記純水吸引ラインに連結された流出側ポンプと、前記流出側ポンプの回転速度を制御する周波数可変装置をさらに備えている。
【0012】
一態様では、基板の研磨装置であって、通孔を有する研磨パッドを支持する研磨テーブルと、基板を前記研磨パッドの研磨面に押し付ける研磨ヘッドと、前記研磨面の高さを測定するパッド高さ測定装置と、前記通孔に連結された純水供給ラインおよび純水吸引ラインと、前記通孔を通じて光を前記基板に導き、前記基板からの反射光を前記通孔を通じて受け、前記反射光に基づいて前記基板の膜厚を決定する光学膜厚測定システムと、前記純水供給ラインに接続された圧力調節装置と、前記圧力調節装置の動作を制御する動作制御部を備え、前記動作制御部は、前記研磨面の高さと純水の圧力との関係を示す相関データ、およびプログラムを格納した記憶装置と、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の圧力を決定し、前記決定された圧力の純水が前記純水供給ラインを流れるように前記圧力調節装置の動作を制御する演算装置を有する、研磨装置が提供される。
【0013】
一態様では、前記相関データは、前記研磨面の高さの減少に従って、純水の圧力が減少する関係を示すデータである。
一態様では、前記圧力調節装置は移送ポンプ装置であり、前記相関データは、前記研磨面の高さと前記移送ポンプ装置の回転速度との関係を示す相関データであり、前記演算装置は、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する前記移送ポンプ装置の回転速度を決定し、前記移送ポンプ装置が前記決定された回転速度で回転するように前記移送ポンプ装置の動作を設定するように構成されている。
【0014】
一態様では、前記圧力調節装置は圧力制御弁であり、前記演算装置は、前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の圧力を決定し、前記決定された圧力の純水が前記純水供給ラインを流れるように前記圧力制御弁の動作を設定するように構成されている。
一態様では、前記研磨装置は、前記純水吸引ラインに連結された流出側ポンプと、前記流出側ポンプの回転速度を制御する周波数可変装置をさらに備えている。
【0015】
一態様では、基板の研磨方法であって、通孔を有する研磨パッドの研磨面の高さを測定し、前記研磨面の高さと純水の流量との関係を示す相関データから、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の流量を決定し、スラリーを前記研磨パッドの研磨面に供給しながら、基板を前記研磨面に押し付けて該基板を研磨し、純水を前記決定された流量で前記通孔に供給し、かつ前記通孔から前記純水を吸引しながら、光学膜厚測定システムから前記通孔を通じて光を前記基板に導き、かつ前記基板からの反射光を前記通孔を通じて前記光学膜厚測定システムで受け、前記光学膜厚測定システムにより前記基板の膜厚を前記反射光に基づいて決定する、研磨方法が提供される。
【0016】
一態様では、前記相関データは、前記研磨面の高さの減少に従って、純水の流量が減少する関係を示すデータである。
一態様では、前記決定された純水の流量は、前記通孔が前記純水で満たされ、かつ前記純水が前記研磨面上に溢れない流量である。
【0017】
一態様では、基板の研磨方法であって、通孔を有する研磨パッドの研磨面の高さを測定し、前記研磨面の高さと純水の圧力との関係を示す相関データから、前記研磨面の高さの測定値に対応する純水の圧力を決定し、スラリーを前記研磨パッドの研磨面に供給しながら、基板を前記研磨面に押し付けて該基板を研磨し、前記決定された圧力の純水を前記通孔に供給し、かつ前記通孔から前記純水を吸引しながら、光学膜厚測定システムから前記通孔を通じて光を前記基板に導き、かつ前記基板からの反射光を前記通孔を通じて前記光学膜厚測定システムで受け、前記光学膜厚測定システムにより前記基板の膜厚を前記反射光に基づいて決定する、研磨方法が提供される。
【0018】
一態様では、前記相関データは、前記研磨面の高さの減少に従って、純水の圧力が減少する関係を示すデータである。
一態様では、前記決定された純水の圧力は、前記通孔が前記純水で満たされ、かつ前記純水が前記研磨面上に溢れない圧力である。
【発明の効果】
【0019】
研磨パッドの通孔の容積は、研磨パッドの厚さに依存して変わる。通孔に供給される純水の流量または圧力は、研磨パッドの厚さの変化に基づいて変更される。このような動作は、ウェーハなどの基板の研磨中に、研磨パッドの通孔から純水が溢れることを防止し、かつスラリーが通孔に進入することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】研磨面の高さと、純水の流量との関係を示す相関データの一例を示す図である。
【
図3】研磨面の高さと、移送ポンプ装置の回転速度との関係を示す相関データの一例を示す図である。
【
図4】
図1に示す研磨装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図5】研磨装置の他の実施形態を示す模式図である。
【
図6】
図5に示す研磨装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図7】研磨装置の他の実施形態を示す模式図である。
【
図8】研磨面の高さと、純水の圧力との関係を示す相関データの一例を示す図である。
【
図9】研磨面の高さと、移送ポンプ装置の回転速度との関係を示す相関データの一例を示す図である。
【
図10】
図7に示す研磨装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図11】研磨装置の他の実施形態を示す模式図である。
【
図12】
図11に示す研磨装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、研磨装置の一実施形態を示す模式図である。
図1に示すように、研磨装置は、研磨パッド2を支持する研磨テーブル3と、基板の一例であるウェーハWを研磨パッド2に押し付ける研磨ヘッド1と、研磨テーブル3を回転させるテーブルモータ6と、研磨パッド2上にスラリーを供給するためのスラリー供給ノズル5と、研磨パッド2の研磨面2aをドレッシング(コンディショニング)するドレッシングユニット7を備えている。
【0022】
研磨ヘッド1はヘッドシャフト10に連結されており、ヘッドシャフト10とともに研磨ヘッド1は回転可能である。ヘッドシャフト10は、ベルト等の連結手段17を介して研磨ヘッドモータ18に連結されて回転されるようになっている。このヘッドシャフト10の回転により、研磨ヘッド1が矢印で示す方向に回転する。研磨テーブル3のテーブルシャフト3aはテーブルモータ6に連結されており、テーブルモータ6は研磨テーブル3および研磨パッド2を矢印で示す方向に回転させるように構成されている。
【0023】
ドレッシングユニット7は、研磨パッド2の研磨面2aに接触するドレッサー20と、ドレッサー20に連結されたドレッサーシャフト22と、ドレッサーシャフト22の上端を回転可能に支持するサポートブロック25と、サポートブロック25に連結された押し付け力発生装置としてのエアシリンダ27と、ドレッサーシャフト22を回転可能に支持するドレッサーアーム29と、ドレッサーアーム29を支持する支軸30を備えている。ドレッサー20の下面は、ダイヤモンド粒子などの砥粒が固定されたドレッシング面を構成する。
【0024】
ドレッサーシャフト22およびドレッサー20は、ドレッサーアーム29に対して上下動可能となっている。エアシリンダ27は、ドレッサー20が研磨パッド2に加える力を発生させる装置である。ドレッサーシャフト22は、ドレッサーアーム29内に設置されたドレッサーモータ(図示せず)により回転し、このドレッサーシャフト22の回転により、ドレッサー20がその軸心周りに回転する。エアシリンダ27は、ドレッサーシャフト22を介してドレッサー20を所定の力で研磨パッド2の研磨面2aに押圧する。ドレッシング面を構成するドレッサー20の下面は、研磨パッド2の研磨面2aに摺接され、研磨面2aをドレッシング(コンディショニング)する。研磨面2aのドレッシング中、図示しないノズルから純水が研磨面2a上に供給される。
【0025】
ドレッシングユニット7は、研磨面2aの高さを測定するパッド高さ測定装置32を備えている。本実施形態に使用されるパッド高さ測定装置32は接触式変位センサである。パッド高さ測定装置32は、サポートブロック25に固定されており、パッド高さ測定装置32の接触子は、ドレッサーアーム29に接触している。サポートブロック25は、ドレッサーシャフト22およびドレッサー20と一体に上下動可能であるので、パッド高さ測定装置32は、ドレッサーシャフト22およびドレッサー20と一体に上下動可能である。一方、ドレッサーアーム29の上下方向の位置は固定されている。パッド高さ測定装置32の接触子がドレッサーアーム29に接触したまま、パッド高さ測定装置32はドレッサーシャフト22およびドレッサー20と一体に上下動する。したがって、パッド高さ測定装置32は、ドレッサーアーム29に対するドレッサー20の変位を測定することができる。
【0026】
パッド高さ測定装置32は、研磨面2aの高さをドレッサー20を介して測定することができる。すなわち、パッド高さ測定装置32は、ドレッサーシャフト22を介してドレッサー20に連結されているので、パッド高さ測定装置32は、研磨パッド2のドレッシング中に研磨面2aの高さを測定することができる。研磨面2aの高さは、予め設定された基準平面からドレッサー20の下面までの距離である。基準平面は、仮想上の平面である。例えば、基準平面が研磨テーブル3の上面であれば、研磨面2aの高さは、研磨パッド2の厚さに相当する。
【0027】
本実施形態では、パッド高さ測定装置32として、リニアスケール式センサが使用されているが、一実施形態では、パッド高さ測定装置32として、レーザ式センサ、超音波センサ、または渦電流式センサなどの非接触式センサを用いてもよい。さらに、一実施形態では、パッド高さ測定装置32はドレッサーアーム29に固定され、サポートブロック25の変位を測定するように配置されてもよい。この場合でも、パッド高さ測定装置32は、ドレッサーアーム29に対するドレッサー20の変位を測定することができる。
【0028】
上述した実施形態では、パッド高さ測定装置32は、研磨面2aに接触しているときのドレッサー20の位置から研磨面2aの高さを間接的に測定するように構成されているが、研磨面2aの高さを精度よく測定できる限りにおいて、パッド高さ測定装置32の構成は、本実施形態に限定されない。一実施形態では、パッド高さ測定装置32は、研磨パッド2の上方に配置され、研磨面2aの高さを直接測定するレーザ式センサ、超音波センサなどの非接触式センサであってもよい。
【0029】
研磨装置は、動作制御部35を備えており、パッド高さ測定装置32は、動作制御部35に接続されている。パッド高さ測定装置32の出力信号(すなわち、研磨面2aの高さの測定値)は動作制御部35に送られるようになっている。動作制御部35は、少なくとも1台のコンピュータから構成されている。
【0030】
研磨装置は、ウェーハWの膜厚を測定する光学的膜厚測定システム40を備えている。光学的膜厚測定システム40は、光学センサヘッド41と、光源44と、分光器47と、データ処理部49を備えている。光学センサヘッド41、光源44、および分光器47は研磨テーブル3に取り付けられており、研磨テーブル3および研磨パッド2とともに一体に回転する。光学センサヘッド41の位置は、研磨テーブル3および研磨パッド2が一回転するたびに研磨パッド2上のウェーハWの表面を横切る位置である。光学センサヘッド41は、光源44および分光器47に接続されており、分光器47はデータ処理部49に接続されている。
【0031】
光源44は光学センサヘッド41に光を送り、光学センサヘッド41は光をウェーハWに向けて放つ。ウェーハWからの反射光は光学センサヘッド41に受けられ、分光器47に送られる。分光器47は反射光をその波長に従って分解し、各波長での反射光の強度を測定する。分光器47は、反射光の強度の測定データをデータ処理部49に送る。データ処理部49は、反射光の強度の測定データから反射光のスペクトルを生成する。このスペクトルは、反射光の強度と波長との関係を示し、スペクトルの形状はウェーハWの膜厚に従って変化する。データ処理部49は、スペクトルからウェーハWの膜厚を決定する。
【0032】
ウェーハWは次のようにして研磨される。研磨テーブル3および研磨ヘッド1を
図1の矢印で示す方向に回転させながら、スラリー供給ノズル5からスラリーが研磨テーブル3上の研磨パッド2の研磨面2aに供給される。ドレッサー20は、研磨パッド2から離れている。ウェーハWは研磨ヘッド1によって回転されながら、研磨パッド2上にスラリーが存在した状態で研磨パッド2の研磨面2aに研磨ヘッド1によって押し付けられる。ウェーハWの表面は、スラリーの化学的作用と、スラリーに含まれる砥粒の機械的作用により研磨される。
【0033】
ウェーハWの研磨中、光学センサヘッド41は、研磨テーブル3が一回転するたびに、研磨パッド2上のウェーハWの表面を横切りながら、ウェーハW上の複数の測定点に光を照射し、ウェーハWからの反射光を受ける。データ処理部49は、反射光の強度の測定データからウェーハWの膜厚を決定する。
【0034】
ウェーハWの研磨終了後、ウェーハWは研磨パッド2から離れ、次工程に搬送される。その後、ドレッサー20による研磨パッド2の研磨面2aのドレッシングが行われる。具体的には、研磨パッド2および研磨テーブル3を回転させながら、図示しない純水ノズルから純水が研磨面2aに供給される。ドレッサー20は、回転しながら研磨パッド2の研磨面2aに摺接される。ドレッサー20は、研磨パッド2を少しだけ削り取ることで、研磨面2aを再生(ドレッシング)する。研磨パッド2のドレッシング中、パッド高さ測定装置32は研磨面2aの高さを測定する。
【0035】
以下、光学的膜厚測定システム40の詳細について説明する。光学的膜厚測定システム40は、光源44から発せられた光をウェーハWの表面に導く投光用光ファイバーケーブル51と、ウェーハWからの反射光を受け、反射光を分光器47に送る受光用光ファイバーケーブル52を備えている。投光用光ファイバーケーブル51の先端および受光用光ファイバーケーブル52の先端は、研磨テーブル3内に位置している。投光用光ファイバーケーブル51の先端および受光用光ファイバーケーブル52の先端は、光をウェーハWの表面に導き、かつウェーハWからの反射光を受ける光学センサヘッド41を構成する。投光用光ファイバーケーブル51の他端は光源44に接続され、受光用光ファイバーケーブル52の他端は分光器47に接続されている。分光器47は、ウェーハWからの反射光を波長に従って分解し、所定の波長範囲に亘って反射光の強度を測定するように構成されている。
【0036】
研磨テーブル3は、その上面で開口する第1の孔60Aおよび第2の孔60Bを有している。また、研磨パッド2には、これら孔60A,60Bに対応する位置に通孔61が形成されている。孔60A,60Bは通孔61に連通し、通孔61は研磨面2aで開口している。第1の孔60Aは純水供給ライン63に連結されており、第2の孔60Bは純水吸引ライン64に連結されている。投光用光ファイバーケーブル51の先端および受光用光ファイバーケーブル52の先端から構成される光学センサヘッド41は、第1の孔60Aに配置されており、かつ通孔61の下方に位置している。
【0037】
光源44には、キセノンフラッシュランプなどのパルス点灯光源が使用される。投光用光ファイバーケーブル51は、光源44によって発せられた光をウェーハWの表面まで導く光伝送部である。投光用光ファイバーケーブル51および受光用光ファイバーケーブル52の先端は、第1の孔60A内に位置しており、ウェーハWの被研磨面2aの近傍に位置している。投光用光ファイバーケーブル51および受光用光ファイバーケーブル52の各先端から構成される光学センサヘッド41は、研磨ヘッド1に保持されたウェーハWを向いて配置される。研磨テーブル3が回転するたびにウェーハWの複数の測定点に光が照射される。本実施形態では、1つの光学センサヘッド41のみが設けられているが、複数の光学センサヘッド41が設けられてもよい。
【0038】
ウェーハWの研磨中、光は光学センサヘッド41から通孔61を通ってウェーハWに導かれ、ウェーハWからの反射光は通孔61を通って光学センサヘッド41によって受けられる。分光器47は、各波長での反射光の強度を所定の波長範囲に亘って測定し、得られた測定データをデータ処理部49に送る。この測定データは、ウェーハWの膜厚に従って変化する膜厚信号である。データ処理部49は、波長ごとの光の強度を表わすスペクトルを測定データから生成し、さらにスペクトルからウェーハWの膜厚を決定する。反射光のスペクトルからウェーハWの膜厚を決定する方法には、公知の方法が使用される。
【0039】
ウェーハWの研磨中は、純水が純水供給ライン63を介して第1の孔60Aおよび通孔61に供給され、第1の孔60Aおよび通孔61を満たす。純水は、さらに通孔61から第2の孔60Bに流れ込み、純水吸引ライン64を通じて排出される。スラリーは純水と共に排出され、これにより光路が確保される。
【0040】
純水供給ライン63および純水吸引ライン64は、研磨テーブル3に連結されたロータリージョイント19に接続されており、さらに研磨テーブル3内を延びている。純水供給ライン63の一端は、第1の孔60Aに接続されている。純水供給ライン63の他端は、純水供給源66に接続されている。純水供給源66は、研磨装置が設置される工場に設けられたユーティリティ供給源としての純水供給源であってもよい。
【0041】
研磨装置は、純水供給ライン63に接続された移送ポンプ装置71および流量測定器73を備えている。移送ポンプ装置71は、可変速ポンプ装置であり、純水供給ライン63を流れる液体の流量を調節する流量調節装置として機能する。移送ポンプ装置71および流量測定器73は、ロータリージョイント19の固定側に位置しており、かつ研磨テーブル3の外に配置されている。流量測定器73は、ロータリージョイント19と移送ポンプ装置71との間に配置されている。
【0042】
流量調節装置である移送ポンプ装置71は、流入側ポンプ71Aと、流入側ポンプ71Aの回転速度を制御する流入側周波数可変装置71Bを備えている。流入側周波数可変装置71Bは、流入側ポンプ71Aの電動機(図示せず)に印加される電圧の周波数を可変に構成された可変周波数アンプである。一実施形態では、流入側周波数可変装置71Bは、インバータであってもよい。流入側周波数可変装置71Bは、動作制御部35に電気的に接続されており、移送ポンプ装置71の動作は動作制御部35によって制御される。
【0043】
移送ポンプ装置71は、純水供給源66から純水供給ライン63を通って送られた純水を加圧するように構成されている。加圧された純水は、純水供給ライン63を通って第1の孔60Aに供給され、さらに第1の孔60Aを通って通孔61に供給される。通孔61に供給される純水の流量、すなわち純水供給ライン63を流れる純水の流量は、流量測定器73によって測定される。ウェーハWの研磨中に純水供給ライン63を通って通孔61に供給される純水の流量は、移送ポンプ装置71の回転速度によって一意に決定される。
【0044】
純水吸引ライン64の一端は、第2の孔60Bに接続されている。純水吸引ライン64は、純水を通孔61から吸引するためのドレインポンプ装置78に接続されている。ドレインポンプ装置78は、研磨テーブル3外に設置されている。ドレインポンプ装置78は、純水吸引ライン64に接続された流出側ポンプ78Aと、流出側ポンプ78Aの回転速度を制御する流出側周波数可変装置78Bを備えている。流出側周波数可変装置78Bは、流出側ポンプ78Aの電動機(図示せず)に印加される電圧の周波数を可変に構成された可変周波数アンプである。一実施形態では、流出側周波数可変装置78Bは、インバータであってもよい。
【0045】
純水は、移送ポンプ装置71によって純水供給ライン63内を移送され、通孔61に供給される。純水は、通孔61から第2の孔60Bに流入し、さらに純水吸引ライン64を通ってドレインポンプ装置78に吸引される。純水は、ドレインポンプ装置78から研磨テーブル3の外に排出される。このように、ウェーハの研磨中は、通孔61内には純水の流れが形成され、通孔61は純水のプールとして機能する。
【0046】
本実施形態では、移送ポンプ装置71および流量測定器73は、ロータリージョイント19の固定側に位置しており、かつ研磨テーブル3の外に配置されているが、一実施形態では、移送ポンプ装置71および流量測定器73は、ロータリージョイント19の回転側に位置し、研磨テーブル3に固定されてもよい。また、本実施形態では、ドレインポンプ装置78は、ロータリージョイント19の固定側に位置しており、かつ研磨テーブル3の外に配置されているが、一実施形態では、ドレインポンプ装置78は、ロータリージョイント19の回転側に位置し、研磨テーブル3に固定されてもよい。さらに、一実施形態では、純水吸引ライン64をロータリージョイント19を介さずに研磨テーブル3の外周面に接続し、研磨テーブル3内に配置されたドレインポンプ装置78で吸引した純水を、研磨テーブル3の周囲に配置されたスラリー受け(図示せず)に排出するようにしてもよい。
【0047】
研磨パッド2は、ウェーハの研磨および研磨パッド2のドレッシングを繰り返し行うにつれて、徐々に摩耗する。研磨パッド2の摩耗に伴い、研磨パッド2に形成されている通孔61の容積が減少する。結果として、純水が研磨パッド2の研磨面2a上に溢れ、スラリーを希釈し、ウェーハの研磨レートを局所的に低下させてしまう。その一方で、純水の流量が少なすぎると、スラリーが通孔61に進入し、光学的膜厚測定システム40の測定精度を低下させてしまう。
【0048】
そこで、本実施形態では、研磨面2aの高さに基づいて、通孔61に供給される純水の流量が流量調節装置である移送ポンプ装置71によって調節される。具体的には、研磨面2aの高さの減少に従って、通孔61に供給される純水の流量が移送ポンプ装置71によって低下される。パッド高さ測定装置32は、研磨パッド2の研磨面2aの高さを測定し、研磨面2aの高さの測定値を動作制御部35に送信する。
【0049】
動作制御部35は、研磨面2aの高さと純水の流量との関係を示す相関データ、およびプログラムを格納した記憶装置35aと、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、研磨面2aの高さの測定値に対応する純水の流量を決定し、前記決定された流量で純水が純水供給ライン63を流れるように移送ポンプ装置(流量調節装置)71の動作を制御する演算装置35bを有する。
【0050】
記憶装置35aは、演算装置35bがアクセス可能な主記憶装置と、プログラム、相関データを格納する補助記憶装置を備えている。主記憶装置は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)であり、補助記憶装置は、ハードディスクドライブ(HDD)またはソリッドステートドライブ(SSD)などのストレージ装置である。演算装置35bは、CPU(中央処理装置)またはGPU(グラフィックプロセッシングユニット)などから構成されている。このような記憶装置35aおよび演算装置35bを備えた動作制御部35は、少なくとも1台のコンピュータから構成されている。
【0051】
ウェーハの研磨中に純水を通孔61に供給する目的は、研磨面2aに供給されたスラリーが通孔61に入ることを防ぐことにある。純水の流量が高すぎると、純水はスラリーの進入を防ぐことはできるが、純水が通孔61から溢れてスラリーを希釈してしまう。一方で、純水の流量が低すぎると、通孔61は純水で満たされず、純水はスラリーの進入を防ぐことができない。かかる観点から、ウェーハの研磨中、特に、通孔61がウェーハで覆われているときの純水の流量は、通孔61は純水で満たされ、かつ純水が研磨面2a上に溢れない流量である。
【0052】
図2は、研磨面2aの高さと、純水の流量との関係を示す相関データの一例を示す図である。相関データは、研磨面2aの高さの減少に従って、純水の流量が減少する関係を示すデータである。研磨パッド2の各高さに対応する純水の流量は、通孔61が純水で満たされ、かつ純水が研磨面2a上に溢れない流量である。このような相関データは、実験により予め求められる。相関データは、
図2に示すような、研磨面2aの高さを変数に持つ流量の関数であってもよいし、あるいは研磨面2aの高さの複数の数値と純水の流量の複数の数値との関係を示すテーブルであってもよい。
【0053】
相関データに含まれる純水の流量は、純水の流量を直接示す物理量であってもよいし、または純水の流量を間接的に示す数値であってもよい。例えば、ウェーハの研磨中に純水供給ライン63を通って通孔61に流れる純水の流量は、移送ポンプ装置71の回転速度に依存して変わるので、相関データに含まれる純水の流量は、移送ポンプ装置71の回転速度で表されてもよい。あるいは、相関データに含まれる純水の流量は、純水の流量を間接的に示す他の数値であってもよい。
【0054】
図3は、研磨面2aの高さと、移送ポンプ装置71の回転速度との関係を示す相関データの一例を示す図である。本実施形態では、
図3に示す相関データが使用される。この相関データは動作制御部35の記憶装置35a内に格納される。
図3に示す相関データは、
図2に示す純水の流量を、移送ポンプ装置71の回転速度に置き換えたデータである。
【0055】
動作制御部35は、研磨面2aの高さの測定値をパッド高さ測定装置32から受け取り、研磨面2aの高さの測定値に対応する移送ポンプ装置71の回転速度(すなわち純水の流量)を相関データから決定する。さらに、動作制御部35は、移送ポンプ装置71が上記決定された回転速度で回転するように移送ポンプ装置71の動作を設定する。より具体的には、動作制御部35は、決定された回転速度を示す指令信号を流入側周波数可変装置71Bに送り、流入側周波数可変装置71Bは流入側ポンプ71Aを上記決定された回転速度で回転させる。純水は、研磨面2aの高さに対応する流量で純水供給ライン63を流れ、通孔61に流入する。通孔61に純水が供給されている間、ドレインポンプ装置78は、予め設定された回転速度で運転される。純水は、通孔61から第2の孔60Bに流れ、さらに純水吸引ライン64を通ってドレインポンプ装置78に吸引される。
【0056】
図4は、
図1に示す研磨装置の動作を説明するフローチャートである。
ステップ1では、ドレッサー20が研磨パッド2の研磨面2aをドレッシングしながら、パッド高さ測定装置32は研磨面2aの高さを測定する。
ステップ2では、動作制御部35は、研磨面2aの高さの測定値に対応する移送ポンプ装置71の回転速度(すなわち純水の流量)を相関データから決定する。
ステップ3では、動作制御部35は、移送ポンプ装置71に指令を発して、上記ステップ2で決定された回転速度で移送ポンプ装置71を運転させ、純水を純水供給ライン63を通じて通孔61に供給する。さらに、通孔61に供給された純水は、ドレインポンプ装置78によって吸引される。
ステップ4では、研磨テーブル3および研磨パッド2を回転させながら、スラリーをスラリー供給ノズル5から研磨面2aに供給する。
【0057】
ステップ5では、研磨ヘッド1は、ウェーハWを回転させながら、ウェーハWを研磨面2aに押し付ける。ウェーハWの表面は、スラリーの化学的作用およびスラリーに含まれる砥粒の機械的作用により研磨される。ウェーハWが研磨面2aに押し付けられている間、移送ポンプ装置71は、上記ステップ2で決定された回転速度で運転する。
ステップ6では、光学膜厚測定システムは、光を通孔61を通じて研磨面2a上のウェーハWの表面に導き、かつウェーハWからの反射光を通孔61を通じて受け取り、ウェーハWの研磨中に、ウェーハWの膜厚を反射光に基づいて決定する。ウェーハWの研磨終点は、ウェーハWの膜厚に基づいて決定される。
【0058】
本実施形態によれば、通孔61に供給される純水の流量は、研磨パッド2の厚さの変化に基づいて変更される。このような動作は、ウェーハWの研磨中に、研磨パッド2の通孔61から純水が溢れることを防止し、かつ通孔61を純水で満たすことができる。結果として、スラリーが通孔61に進入することが防止され、光学的膜厚測定システム40はウェーハWの膜厚を精度良く測定することができる。
【0059】
図5は、研磨装置の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図1乃至
図4を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、流量調節装置として、移送ポンプ装置71に代えて、流量制御弁80が設けられている。流量制御弁80の配置は、
図1に示す移送ポンプ装置71と同じである。本実施形態の構成は、純水供給源66から供給される純水の圧力がある程度高い場合に好適である。
【0060】
記憶装置35aに格納されている相関データは、
図2に示す、研磨面2aの高さと純水の流量との関係を示す相関データである。演算装置35bは、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、研磨面2aの高さの測定値に対応する純水の流量を決定し、前記決定された流量で純水が純水供給ライン63を流れるように流量制御弁80の動作を制御するように構成されている。
【0061】
より具体的には、動作制御部35は、研磨面2aの高さの測定値をパッド高さ測定装置32から受け取り、研磨面2aの高さの測定値に対応する純水の流量を相関データから決定する。さらに動作制御部35は、純水が上記決定された流量で純水供給ライン63を流れるように流量制御弁80の動作を設定する。より具体的には、動作制御部35は、決定された流量を示す指令信号を流量制御弁80に送り、流量制御弁80は上記指令信号に従って動作する。純水は、決定された流量で純水供給ライン63を流れ、通孔61に流入する。通孔61に純水が供給されている間、ドレインポンプ装置78は、予め設定された回転速度で運転される。純水は、通孔61から第2の孔60Bに流れ、さらに純水吸引ライン64を通ってドレインポンプ装置78に吸引される。
【0062】
図6は、
図5に示す研磨装置の動作を説明するフローチャートである。
ステップ1では、ドレッサー20が研磨パッド2の研磨面2aをドレッシングしながら、パッド高さ測定装置32は研磨面2aの高さを測定する。
ステップ2では、動作制御部35は、研磨面2aの高さの測定値に対応する純水の流量を相関データから決定する。
ステップ3では、動作制御部35は、流量制御弁80に指令を発して、上記ステップ2で決定された流量の純水が流れるように流量制御弁80を制御する。純水は、上記決定された流量で流量制御弁80および純水供給ライン63を流れて通孔61に供給される。さらに、通孔61に供給された純水は、ドレインポンプ装置78によって吸引される。
ステップ4~ステップ6は、
図4に示すステップ4~ステップ6と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0063】
図7は、研磨装置の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図1乃至
図4を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、研磨装置は、純水供給ライン63に接続された移送ポンプ装置71および圧力測定器85を備えている。移送ポンプ装置71は、可変速ポンプ装置であり、純水供給ライン63を流れる液体の圧力を調節する圧力調節装置として機能する。移送ポンプ装置71および圧力測定器85は、ロータリージョイント19の固定側に位置しており、かつ研磨テーブル3の外に配置されている。圧力測定器85は、ロータリージョイント19と移送ポンプ装置71との間に配置されている。
【0064】
圧力調節装置である移送ポンプ装置71の構成は、
図1に示す移送ポンプ装置71と同じ構成であるので、その重複する説明を省略する。通孔61に供給される純水の圧力、すなわち純水供給ライン63を流れる純水の圧力は、圧力測定器85によって測定される。ウェーハWの研磨中に純水供給ライン63を通って通孔61に供給される純水の圧力は、移送ポンプ装置71の回転速度によって一意に決定される。
【0065】
本実施形態では、研磨面2aの高さに基づいて、通孔61に供給される純水の圧力が圧力調節装置である移送ポンプ装置71によって調節される。より具体的には、研磨面2aの高さの減少に従って、通孔61に供給される純水の圧力が移送ポンプ装置71によって低下される。パッド高さ測定装置32は、研磨パッド2の研磨面2aの高さを測定し、研磨面2aの高さの測定値を動作制御部35に送信する。
【0066】
動作制御部35は、研磨面2aの高さと純水の圧力との関係を示す相関データ、およびプログラムを格納した記憶装置35aと、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、研磨面2aの高さの測定値に対応する純水の圧力を決定し、前記決定された圧力の純水が純水供給ライン63を流れるように移送ポンプ装置(圧力調節装置)71の動作を制御する演算装置35bを有する。
【0067】
ウェーハWの研磨中に純水を通孔61に供給する目的は、研磨面2aに供給されたスラリーが通孔61に入ることを防ぐことにある。純水の圧力が高すぎると、純水はスラリーの進入を防ぐことはできるが、純水が通孔61から溢れてスラリーを希釈してしまう。一方で、純水の圧力が低すぎると、通孔61は純水で満たされず、純水はスラリーの進入を防ぐことができない。かかる観点から、ウェーハWの研磨中、特に、通孔61がウェーハWで覆われているときの純水の圧力は、通孔61は純水で満たされ、かつ純水が研磨面2a上に溢れない圧力である。
【0068】
図8は、研磨面2aの高さと、純水の圧力との関係を示す相関データの一例を示す図である。相関データは、研磨面2aの高さの減少に従って、純水の圧力が減少する関係を示すデータである。研磨パッド2の各高さに対応する純水の圧力は、通孔61が純水で満たされ、かつ純水が研磨面2a上に溢れない圧力である。このような相関データは、実験により予め求められる。相関データは、
図8に示すような、研磨面2aの高さを変数に持つ圧力の関数であってもよいし、あるいは研磨面2aの高さの複数の数値と純水の圧力の複数の数値との関係を示すテーブルであってもよい。
【0069】
相関データに含まれる純水の圧力は、純水の圧力を直接示す物理量であってもよいし、または純水の圧力を間接的に示す数値であってもよい。例えば、ウェーハWの研磨中に純水供給ライン63を通って通孔61に流れる純水の圧力は、移送ポンプ装置71の回転速度に依存して変わるので、相関データに含まれる純水の圧力は、移送ポンプ装置71の回転速度であってもよい。あるいは、相関データに含まれる純水の圧力は、純水の圧力を間接的に示す他の数値であってもよい。
【0070】
図9は、研磨面2aの高さと、移送ポンプ装置71の回転速度との関係を示す相関データの一例を示す図である。本実施形態では、
図9に示す相関データが使用される。この相関データは動作制御部35の記憶装置35a内に格納される。
図9に示す相関データは、
図8に示す純水の圧力を、移送ポンプ装置71の回転速度に置き換えたデータである。
【0071】
動作制御部35は、研磨面2aの高さの測定値をパッド高さ測定装置32から受け取り、研磨面2aの高さの測定値に対応する移送ポンプ装置71の回転速度(すなわち純水の圧力)を相関データから決定する。さらに動作制御部35は、上記決定された圧力の純水が純水供給ライン63を流れるように移送ポンプ装置71の動作を設定する。より具体的には、動作制御部35は、決定された回転速度を示す指令信号を流入側周波数可変装置71Bに送り、流入側周波数可変装置71Bは流入側ポンプ71Aを上記決定された回転速度で回転させる。研磨面2aの高さに対応する純水の圧力の純水は、純水供給ライン63を流れ、通孔61に流入する。通孔61に純水が供給されている間、ドレインポンプ装置78は、予め設定された回転速度で運転される。純水は、通孔61から第2の孔60Bに流れ、さらに純水吸引ライン64を通ってドレインポンプ装置78に吸引される。
【0072】
図10は、
図7に示す研磨装置の動作を説明するフローチャートである。
ステップ1では、ドレッサー20が研磨パッド2の研磨面2aをドレッシングしながら、パッド高さ測定装置32は研磨面2aの高さを測定する。
ステップ2では、動作制御部35は、研磨面2aの高さの測定値に対応する移送ポンプ装置71の回転速度(すなわち純水の圧力)を相関データから決定する。
ステップ3では、動作制御部35は、移送ポンプ装置71に指令を発して、上記ステップ2で決定された回転速度で移送ポンプ装置71を運転させ、純水を純水供給ライン63を通じて通孔61に供給する。さらに、通孔61に供給された純水は、ドレインポンプ装置78によって吸引される。
ステップ4では、研磨テーブル3および研磨パッド2を回転させながら、スラリーをスラリー供給ノズル5から研磨面2aに供給する。
【0073】
ステップ5では、研磨ヘッド1は、ウェーハWを回転させながら、ウェーハWを研磨面2aに押し付ける。ウェーハWの表面は、スラリーの化学的作用およびスラリーに含まれる砥粒の機械的作用により研磨される。ウェーハWが研磨面2aに押し付けられている間、移送ポンプ装置71は、上記ステップ2で決定された回転速度で運転する。
ステップ6では、光学膜厚測定システムは、光を通孔61を通じて研磨面2a上のウェーハWの表面に導き、かつウェーハWからの反射光を通孔61を通じて受け取り、ウェーハWの研磨中に、ウェーハWの膜厚を反射光に基づいて決定する。ウェーハWの研磨終点は、ウェーハWの膜厚に基づいて決定される。
【0074】
本実施形態によれば、通孔61に供給される純水の圧力は、研磨パッド2の厚さの変化に基づいて変更される。このような動作は、ウェーハWの研磨中に、研磨パッド2の通孔61から純水が溢れることを防止し、かつ通孔61を純水で満たすことができる。結果として、スラリーが通孔61に進入することが防止され、光学的膜厚測定システム40はウェーハWの膜厚を精度良く測定することができる。
【0075】
図11は、研磨装置の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図7乃至
図10を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、圧力調節装置として、移送ポンプ装置71に代えて、圧力制御弁90が設けられている。圧力制御弁90の配置は、
図7に示す移送ポンプ装置71と同じである。本実施形態の構成は、純水供給源66から供給される純水の圧力がある程度高い場合に好適である。
【0076】
記憶装置35aに格納されている相関データは、
図8に示す、研磨面2aの高さと純水の圧力との関係を示す相関データである。演算装置35bは、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行することで、研磨面2aの高さの測定値に対応する純水の圧力を決定し、前記決定された圧力で純水が純水供給ライン63を流れるように圧力制御弁90の動作を制御するように構成されている。
【0077】
より具体的には、動作制御部35は、研磨面2aの高さの測定値をパッド高さ測定装置32から受け取り、研磨面2aの高さの測定値に対応する純水の圧力を相関データから決定する。さらに動作制御部35は、上記決定された圧力の純水が純水供給ライン63を流れるように圧力制御弁90の動作を設定する。より具体的には、動作制御部35は、決定された圧力を示す指令信号を圧力制御弁90に送り、圧力制御弁90は上記指令信号に従って動作する。上記決定された圧力の純水は、純水供給ライン63を流れ、通孔61に流入する。通孔61に純水が供給されている間、ドレインポンプ装置78は、予め設定された回転速度で運転される。純水は、通孔61から第2の孔60Bに流れ、さらに純水吸引ライン64を通ってドレインポンプ装置78に吸引される。
【0078】
図12は、
図11に示す研磨装置の動作を説明するフローチャートである。
ステップ1では、ドレッサー20が研磨パッド2の研磨面2aをドレッシングしながら、パッド高さ測定装置32は研磨面2aの高さを測定する。
ステップ2では、動作制御部35は、研磨面2aの高さの測定値に対応する純水の圧力を相関データから決定する。
ステップ3では、動作制御部35は、圧力制御弁90に指令を発して、上記ステップ2で決定された圧力の純水が流れるように圧力制御弁90を制御する。上記決定された圧力の純水は、圧力制御弁90および純水供給ライン63を流れて通孔61に供給される。さらに、通孔61に供給された純水は、ドレインポンプ装置78によって吸引される。
ステップ4~ステップ6は、
図4に示すステップ4~ステップ6と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0079】
上述した各実施形態においては、研磨面2aの高さの低下にかかわらず、ドレインポンプ装置78は、予め設定された回転速度で運転されるが、一実施形態では、研磨面2aの高さの測定値の低下に従って、ドレインポンプ装置78の回転速度を低下させてもよい。ドレインポンプ装置78の回転速度の変更は、流出側周波数可変装置78Bから流出側ポンプ78Aの電動機(図示せず)に印加される電圧の周波数を変更することで達成される。
【0080】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0081】
1 研磨ヘッド
2 研磨パッド
3 研磨テーブル
5 スラリー供給ノズル
6 テーブルモータ
7 ドレッシングユニット
10 ヘッドシャフト
17 連結手段
18 研磨ヘッドモータ
19 ロータリージョイント
20 ドレッサー
22 ドレッサーシャフト
25 サポートブロック
27 エアシリンダ
29 ドレッサーアーム
30 支軸
32 パッド高さ測定装置
35 動作制御部
35a 記憶装置
35b 演算装置
40 光学的膜厚測定システム
41 光学センサヘッド
44 光源
47 分光器
49 データ処理部
51 投光用光ファイバーケーブル
52 受光用光ファイバーケーブル
60A 第1の孔
60B 第2の孔
61 通孔
63 純水供給ライン
64 純水吸引ライン
66 純水供給源
71 移送ポンプ装置(流量調節装置)
71A 流入側ポンプ
71B 流入側周波数可変装置
73 流量測定器
78 ドレインポンプ装置
78A 流出側ポンプ
78B 流出側周波数可変装置
80 流量制御弁
85 圧力測定器
90 圧力制御弁