IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7404268自己センタリング特徴を有するツーピースシャッタディスクアセンブリ
<>
  • 特許-自己センタリング特徴を有するツーピースシャッタディスクアセンブリ 図1
  • 特許-自己センタリング特徴を有するツーピースシャッタディスクアセンブリ 図2A
  • 特許-自己センタリング特徴を有するツーピースシャッタディスクアセンブリ 図2B
  • 特許-自己センタリング特徴を有するツーピースシャッタディスクアセンブリ 図2C
  • 特許-自己センタリング特徴を有するツーピースシャッタディスクアセンブリ 図2D
  • 特許-自己センタリング特徴を有するツーピースシャッタディスクアセンブリ 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】自己センタリング特徴を有するツーピースシャッタディスクアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20231218BHJP
   C23C 14/24 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
C23C14/34 G
C23C14/24 G
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020556764
(86)(22)【出願日】2019-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019027434
(87)【国際公開番号】W WO2019204185
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】62/659,683
(32)【優先日】2018-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/383,772
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, チェン-シュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュプディ, アナンクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】バブ, サラト
【審査官】西田 彩乃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0020629(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0182698(US,A1)
【文献】特開平09-063959(JP,A)
【文献】特表2016-509131(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0196848(US,A1)
【文献】実開平02-022127(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/34
C23C 14/24
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバで使用されるシャッタディスクアセンブリであって、
上面と底面とを有し、前記底面の中心に中央整合凹部が形成されている、上方ディスク部材と、
上方支持面、前記上方ディスク部材の中央整合凹部に配置される第1の中央自己センタリング特徴を含む、中実ベース、および、
下方キャリア部材の上面から上方に突出してポケットを形成し、前記上方ディスク部材前記ポケットに配置る、外側環状整合特徴
を有する下方キャリア部材と、
を備える、シャッタディスクアセンブリ。
【請求項2】
前記下方キャリア部材は、電気絶縁材料で形成されるか、または電気絶縁コーティングで被覆される、請求項1に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項3】
前記下方キャリア部材の前記中実ベースおよび前記外側環状整合特徴は、前記上方ディスク部材の周囲に電気絶縁されたバリアを形成する、請求項2に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項4】
前記下方キャリア部材および前記上方ディスク部材は、互いに対して移動可能に配置または連結される、請求項1に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項5】
前記下方キャリア部材および前記上方ディスク部材は、互いに対して独立して熱膨張および収縮するように構成される、請求項1に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項6】
前記上方ディスク部材は、前記下方キャリア部材の前記中実ベースの前記上方支持面によって支持される、請求項1に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項7】
前記下方キャリア部材は、ディスクを貫通する開口部を有していない、請求項1から6のいずれか一項に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の中央自己センタリング特徴は、前記下方キャリア部材から上方に延びる突出部である、請求項1から6のいずれか一項に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の中央自己センタリング特徴は、前記下方キャリア部材の前記底面内に窪みを形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項10】
前記下方キャリア部材は、5.6E-6m/mK~22.2E-6m/mKの熱膨張係数を有する材料を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項11】
前記シャッタディスクアセンブリは、6インチ~12インチの外径を有し、上方ディスク部材の前記上面から前記下方キャリア部材の前記底面までの厚さは、0.1インチ~0.25インチである、請求項1から6のいずれか一項に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項12】
前記下方キャリア部材外側環状整合特徴の内径(ID)は、11.00インチ~11.85インチである、請求項1~6のいずれか一項に記載のシャッタディスクアセンブリ。
【請求項13】
スパッタリングされる材料を含むターゲットを有する内部空間を画定するチャンバ本体、
基板を支持するために前記チャンバ本体内に配置される基板支持体、
処理チャンバ内で使用されるシャッタディスクアセンブリであって、
上面と底面とを有し、前記底面の中心に中央整合凹部が形成されている、上方ディスク部材と、
上方支持面、前記上方ディスク部材の中央整合凹部に配置される第1の中央自己センタリング特徴を含む、中実ベース、および、
下方キャリア部材の上面から上方に突出してポケットを形成し、前記上方ディスク部材前記ポケット内に配置る、外側環状整合特徴
を有する下方キャリア部材と
を備えるシャッタディスクアセンブリ、ならびに
前記基板支持体へ、また前記基板支持体から、前記シャッタディスクアセンブリを移送するため、前記チャンバ本体に移動可能に連結された移送ロボット、
を含む処理チャンバ。
【請求項14】
前記移送ロボットは、位置合わせプラグを有するロボットシャッタアームを含み、該位置合わせプラグは、前記下方キャリア部材の前記底面に形成された窪み内に配置されて、前記ロボットシャッタアーム上の前記シャッタディスクアセンブリ全体を自己整合させる、請求項13に記載の処理チャンバ。
【請求項15】
シャッタディスクアセンブリの下方に配置された基板支持体を保護するために、処理チャンバ内で使用されるシャッタディスクアセンブリであって、
上面と底面とを有し、前記底面の中心に中央整合凹部が形成されている、上方ディスク部材と、
上方支持面に、前記上方ディスク部材の中央整合凹部に配置される第1の中央自己センタリング特徴を含む、中実ベース、下方キャリア部材の上面から上方に突出してポケットを形成し、前記上方ディスク部材前記ポケットに配置る外側環状整合特徴とを含む、下方キャリア部材とを備え、
前記上方ディスク部材は、ペースト処理に使用されるように構成された処理チャンバターゲットであり、
前記下方キャリア部材の前記外側環状整合特徴は、ペースト処理中のアーク放電を防止するように構成された上方ディスク部材ターゲットの周囲に電気絶縁されたバリアを形成する、シャッタディスクアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は概して、基板処理チャンバの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 従来の半導体デバイス形成は一般的に、制御された処理環境で基板(例えば、半導体ウエハ)を処理する能力を有する一または複数の処理チャンバ内で行われる。処理の均一性を維持し、処理チャンバの最適な性能を保証するために、様々な調整作業が定期的に行われる。例えば、物理的気相堆積(PVD)処理チャンバでは、1つの一般的に使用される調整作業は、「バーンイン」処理であり、PVD処理チャンバ内に配置されたターゲットにプラズマイオンを衝突させて、基板処理を実行する前にターゲットから酸化物または他の汚染物質を除去する。別の一般的に使用される調整作業は、「ペースト」処理であり、この作業では、材料が処理チャンバ表面から剥がれ落ち、後続の処理中に基板を汚染することを防止するために、処理チャンバ表面上に堆積された材料の上に被覆が適用される。もう1つの作業は「予洗浄」作業である。予洗浄チャンバ内での予洗浄処理を用いた有機残留物および自然酸化物のインシトゥ(その場での)除去は、低い接触抵抗および優れた接着性を促進する清浄な表面を保証する。
【0003】
[0003] 前述の調整作業/予洗浄作業のすべてにおいて、シャッタディスクは、基板支持体上での材料の堆積を防止するために、処理チャンバ内に配置された基板支持体の上に搬送ロボットを介して配置されてもよい。シャッタディスクは、典型的には、堆積材料の付加加重による変形に抗するのに十分な機械的剛性を有する材料を備える。例えば、シャッタディスクは、一般的に、ステンレス鋼などの金属合金、または炭化ケイ素などのセラミックを含む。
【0004】
[0004] しかしながら、本発明者らは、調整および予洗浄処理中に、シャッタディスクが加熱されることを観察した。熱勾配および/またはディスク上への堆積のために、シャッタディスクは、例えば、シャッタディスクの上面と下面との間の熱的不整合から応力を発生させ、シャッタディスクを変形させる(例えば、端部で湾曲させる)ことがある。この撓み/変形により間隙が生じ、間隙を介して基板支持体にプラズマ露出が生じる。基板支持体上への金属堆積は、基板ウエハのアーク放電、基板ウエハの付着および/または破壊、基板支持体が静電チャックである場合には、静電チャッキング力の低下、などをもたらす可能性がある。
【0005】
[0005] さらに、シャッタディスクは、しばしば、格納されて処理領域からクリアされ、使用中にバッファチャンバロボットによって所望の位置に移動される。ロボットがディスクを取り扱えるようにするためには、シャッタディスクの重量と厚さを最小にしなければならない。このような軽量/低厚のシャッタディスクは、ペースト処理およびバーンイン処理の間、より大きく変形する。
【0006】
[0006] 上述の問題に対処するために、様々な解決策が試みられてきた。例えば、より低いRF電力の使用、より長い冷却期間、およびシャッタディスクの裏面への冷却ガスの付加が試みられている。しかしながら、本発明者らは、これらの解決策はいずれも、望ましくない材料堆積から基板支持体を十分は保護できなかったことを観察した。そのため、本明細書では、改良されたツーピース(2部品からなる)シャッタディスクアセンブリが提供される。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 処理チャンバ内で使用されるツーピースシャッタディスクアセンブリが、本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、処理チャンバ内で使用されるシャッタディスクアセンブリは、上面および底面を有する上方ディスク部材を含み、中央整合凹部は、底面の中心に形成され、上方支持面を有する中実ベースを有する下方キャリア部材であって、上方支持面は、底面の中心に形成された凹部に配置された第1の中央自己センタリング特徴と、下方キャリアの上面から上方に突出してポケットを形成する環状外側整合特徴とを含み、上方ディスク部材は、ポケットに配置されている。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、処理チャンバは、スパッタリングされる材料を含むターゲット、基板を支持するためにチャンバ本体内に配置される基板支持体、処理チャンバ内で使用されるシャッタディスクアセンブリを有する内部空間を画定し、上面と底面を有する上方ディスク部材を備え、中央整合凹部が底面の中心に形成されるチャンバ本体と、上方支持面を有する中実ベースであって、該上方支持面は、上方ディスク部材の底面の中心に形成される凹部に配置される第1の中央自己センタリング特徴含む中実ベースを有する下方キャリア部材と、下方キャリアの上面から上向きに突出し、ポケットを形成し、上方ディスク部材がポケット内に配置される外側環状整合特徴と、基板支持体へ、また基板支持体から、シャッタディスクアセンブリを移送するため、移動可能にチャンバ本体に連結された移送ロボットと、を含む
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、シャッタディスクアセンブリの下に配置される基板支持体を保護するために処理チャンバ内で使用されるシャッタディスクアセンブリは、上面と底面とを有し、中央整合凹部が底面の中心に形成される上方ディスク部材と、上方支持面を有する中実ベースを有する下方キャリア部材であって、上方支持面は上方ディスク部材の底面の中心に形成された凹部に配置される第1の中央自己センタリング特徴を含む、下方キャリア部材と、下方キャリアの上面から上向きに突出し、ポケットを形成する外側環状整合特徴であって、上方ディスク部材はポケット内に配置され、上方ディスク部材はペースト処理に使用されるように構成された処理チャンバターゲットであって、外側環状整合特徴に沿った下方キャリア部材は、ペースト処理中にアーク放電するのを防止するように構成された上方ディスク部材の周りに電気絶縁されたバリアを形成する外側環状整合特徴と、を含む。
【0010】
[0010] 本開示の他の実施形態および変形は、以下でより詳細に開示される。
【0011】
[0011] 上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に説明される本開示の実施形態は、添付の図面に示した本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解することができる。しかしながら、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示のいくつかの実施形態に関連する使用に適した例示的な処理チャンバの概略図である。
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なツーピースシャッタディスクアセンブリの部分断面図を示す。
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なツーピースシャッタディスクアセンブリの上面図である。
図2C】本開示のいくつかの実施形態による、ロボットアーム機構ブレード上の例示的なシャッタディスクアセンブリの断面斜視図を示す。
図2D】は、本開示のいくつかの実施形態による、シャッタディスクアセンブリの自己センタリング特徴の横断面を示す。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な下方キャリア部材の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0018] 理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりには描かれておらず、分かりやすくするために簡略化されることがある。一実施形態の要素および特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると考えられている。
【0014】
[0019] 本開示の実施形態は一般的に、例えば、半導体製造処理チャンバなどの基板処理チャンバ内で使用されるシャッタディスクアセンブリ、およびそのようなシャッタディスクアセンブリを組み込む基板処理チャンバに関する。いくつかの実施形態では、本発明の装置は、処理チャンバの調整および予洗浄作業に使用されるシャッタディスクアセンブリを含む。本発明の装置は、有利には、シャッタディスクアセンブリが配置される基板支持体の露光を低減または排除して、使用中の加熱によるディスク膨張を管理し、それによってシャッタディスクアセンブリの下に配置される基板支持体を望ましくない材料の堆積から保護するシャッタディスクアセンブリを提供することができる。
【0015】
[0020] 図1は、本開示のいくつかの実施形態に関連して使用される例示的な処理チャンバ100の概略図である。いくつかの実施形態では、処理チャンバ100は、マルチチャンバ処理システム(例えば、クラスタツール)を形成するように組み合わされた複数のチャンバのうちの1つであってもよい。代替的に、処理チャンバ100は、独立した処理チャンバであってもよい。いくつかの実施形態では、処理チャンバ100は、堆積チャンバ、例えば、物理的気相堆積(PVD)チャンバであってもよい。代替的に、処理チャンバ100は、シャッタディスクアセンブリを使用して、チャンバ洗浄および/またはシーズニング処理中の損傷から基板支持体を保護し得る任意の適切な処理チャンバであってもよい。
【0016】
[0021] 処理チャンバ100は、排気可能な処理空間106を画定する、チャンバ本体102およびリッドアセンブリ104を含む。チャンバ本体102は一般的に、一または複数の側壁108および底部110を含む。一または複数の側壁108は、非円形構成を有する処理チャンバ内の単一の円形側壁または複数の側壁になりうる。側壁は一般的に、シャッタディスクアセンブリポート112を含む。いくつかの実施形態では、処理チャンバ100の外側に配置されたシャッタガレージ113は、シャッタディスクアセンブリ140を格納し、処理チャンバ100内のシャッタディスクアセンブリポート112を通って処理チャンバ100内に移動させてもよい。ハウジング116は一般的に、処理領域106内の真空の完全性を維持するため、シャッタディスクアセンブリポート112を覆う。処理チャンバ100からの基板114の出し入れに備えて、密閉可能なアクセスポートなどの追加のポートが側壁に設けられてもよい。ポンプポートは、チャンバ本体102の側壁および/または底部に設けられてもよく、処理空間106内の排気および圧力制御を行うポンプシステムに連結される。
【0017】
[0022] チャンバ本体102のリッドアセンブリ104は一般的に、シャドウリング120を支持する環状シールド118を支持する。シャドウリング120は一般的に、シャドウリング120の中心を経由して露光される基板114の一部に堆積を限定するように構成される。リッドアセンブリ104は一般的に、ターゲット122とマグネトロン124を備える。
【0018】
[0023] ターゲット122は、堆積処理中に基板114上に堆積される材料を提供し、一方、マグネトロン124は、処理中のターゲット材料の均一な消費を増進する。ターゲット122および基板支持体126は、電源128によって互いに相対的にバイアスされる。不活性ガス、例えばアルゴンが、ガス源130から処理空間106に供給される。プラズマは、基板114とターゲット122との間にガスから形成される。プラズマ内のイオンは、ターゲット122に向かって加速され、ターゲット122から材料が剥がれるようにする。剥がれたターゲット材料は、基板114に向かって引き寄せられ、その上に材料の膜を堆積させる。
【0019】
[0024] 基板支持体126は一般的に、チャンバ本体102の底部110の上に配置され、処理中に基板114を支持する。シャッタディスクアセンブリ機構132は一般的に、基板支持体126に近接して配置される。シャッタディスクアセンブリ機構132は一般的に、シャッタディスクアセンブリ140を支持するロボットシャッタアーム134と、ロボットシャッタアーム134の位置を制御するためにシャフト138によってロボットシャッタアーム134に連結されたアクチュエータ136とを含む。ロボットシャッタアーム134は、図1に示した格納またはクリアされた位置と、基板支持体126の直上でほぼ同心状にシャッタディスクアセンブリ140を配置する第2の位置との間で移動されてもよい。アクチュエータ136は、クリアされた位置と第2の位置との間でロボットシャッタアーム134を動かす角度によってシャフト138を回転させるように適合され得る任意の装置であってもよい。
【0020】
[0025] 図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なシャッタディスクアセンブリ140の側断面図を示す。図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、図2Aの例示的なシャッタディスクアセンブリの上面図である。図2Cは、ロボットシャッタアーム134上の例示的なシャッタディスクアセンブリの断面斜視図を示す。図2Dは、シャッタディスクアセンブリ140の自己センタリング特徴の断面図を示す。図3は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な下方キャリア部材の側断面図を示す。本開示を最も良く理解するためには、読者は、図2A図2Dおよび図3を同時に参照すべきである。
【0021】
[0026] 例示的なシャッタディスクアセンブリ140は一般的に、上方ディスク部材202および下方キャリア部材210を備える。本明細書では、ツーピースアセンブリとして記載されるが、シャッタディスクアセンブリは、追加の構成要素を含んでもよい。さらに、本明細書ではディスクとして説明するが、シャッタディスクアセンブリおよびその構成要素は、特定の処理チャンバ内の基板支持体を保護するために必要とされる任意の適切な幾何学的形状を有してもよい。
【0022】
[0027] 下方キャリア部材210および上方ディスク部材202が、例えば、構成要素の独立した熱膨張および収縮を可能にするため、それぞれに対して移動し得るように、下方キャリア部材210および上方ディスク部材202は、互いに対して移動可能に配置または連結される。いくつかの実施形態では、上方ディスク部材202は、下方キャリア部材210上に単に載置されてもよい。
【0023】
[0028] 下方キャリア部材210は、上方ディスク部材202を支持する。いくつかの実施形態では、下方キャリア部材210は、上方ディスク部材202の底面206が下方キャリア部材210の支持面212上に配置されるように、上方ディスク部材202を支持する支持面212を含む中実ディスクベースである。図2A図2C、および図3に示すように、下方キャリア部材210は中実であり、ディスクを貫通する開口部を有していない。
【0024】
[0029] また、キャリア部材210は、例えば熱膨張および収縮によって、上方ディスク部材202の移動または変形を可能にしつつ、上方ディスク部材202の位置決定と、上方ディスク部材202を概ね所定の位置に(例えば、位置からずれて)保持することを支援する、第1の中央自己センタリング特徴232を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の中央自己センタリング特徴232(自己整合特徴とも称される)は、上方ディスク部材202の底面に形成された凹部230に嵌合する、キャリア部材から上方に延びる突起であってもよい。さらに、第1の中央自己センタリング機構232は、キャリア部材210の底面に窪み234を形成する。いくつかの実施形態では、図2Dに示したような位置合わせプラグ250が、ロボットシャッタアーム134内に配置され、キャリア部材210の底面内に形成された窪み234に嵌合して、ロボットシャッタアーム134上のシャッタディスクアセンブリ140全体を自己整合させる。位置合わせプラグ250は、図示したように円錐形であってもよく、または位置合わせを容易にするために他の幾何学的形状を有してもよい。いくつかの実施態様において、位置合わせプラグ250は、移動中に重量を軽減または慣性を軽減するために、位置合わせプラグ250の中心を貫通して形成される開口部252を含む。いくつかの実施形態では、位置合わせプラグ250は、ロボットシャッタアーム134の一部として、または図2Dに示したように別個のピースとして形成されてもよい。いくつかの実施形態では、位置合わせプラグ250は、ロボットシャッタアーム134と同じ材料で作られるか、または電気絶縁材料で作られるか、または電気絶縁材料で被覆されてもよい。図2Aおよび図2Dに示したように、中央自己整合アセンブリ218は、上方ディスク部材202、キャリア部材210およびロボットシャッタアーム134を整合させる。この整合特徴は、上方ディスク部材202が下方キャリア部材210に対して半径方向に移動または変形することを可能にするための各整合特徴間の間隙を含み、下方キャリア部材210は、例えば、熱膨張および収縮によって、ロボットシャッタアーム134に対して移動することを可能にする。
【0025】
[0030] また、キャリア部材210は、例えば、熱膨張および収縮によって、上方ディスク部材202が移動または変形することを可能にしつつ、上方ディスク部材202の位置決めと、上方ディスク部材202を概ね所定の位置に(例えば、位置からずれてスライドしないように)維持することを支援する環状外側整合特徴216を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、環状外側整合特徴216は、下方キャリア部材210の支持面から上方に延びて、上方ディスク部材202を配置することができるポケットを形成する突起またはリップであってもよい。形成されるポケットの内径は、上方ディスク部材202と下方キャリア部材210との間に間隙が形成されるように、上方ディスク部材202の外径よりも大きい。間隙は、例えば、熱膨張および収縮によって、上方ディスク部材202が下方キャリア部材210に対して半径方向に移動または変形することを可能にする。
【0026】
[0031] 下方キャリア部材210は、下方キャリア部材210の熱変形を最小限に抑えるために、熱的に安定な材料を含んでもよい。例えば、下方キャリア部材210は、セラミック、炭化ケイ素被覆グラファイト、固体炭化ケイ素、固体焼結炭化ケイ素、または、ブリヂストンから市販されているPUREBETA(登録商標)などのような金属を含まない焼結剤で製造された固体焼結炭化ケイ素のうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、下方キャリア部材210は、約5.6E-6m/mK~約22.2E-6m/mKの熱膨張係数を有する材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、下方キャリア部材210は、熱伝導性材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、下方キャリア部材210は、電気絶縁材料を含んでもよい。上述の実施形態のいずれにおいても、下方キャリア部材210は、上方ディスク部材202の付加重量による変形に実質的に抗するのに十分な機械的剛性を有する適切な材料と、使用中に上方ディスク部材202の上に堆積され得る材料とから構成されてもよい。いくつかの実施形態では、材料は、また、シャッタディスクアセンブリ140が、移送ロボットによって容易に操作され得るように、軽量であってもよい。いくつかの実施形態では、互いに接触している下方キャリア部材210および/または上方ディスク部材202の一または複数の表面は、下方キャリア部材210と上方ディスク部材202との間の熱変形による移動の容易さを促進にするように仕上げることができる。
【0027】
[0032] いくつかの実施形態では、底面214、下方キャリア部材210の底面は、実質的に平坦であってもよい。他の実施形態では、下方キャリア部材210の底面214は、安定かつ正確な移動を容易にするために、シャッタディスクアセンブリ機構132の構成要素と整合するための特徴を含んでもよい。
【0028】
[0033] 上方ディスク部材202の上面204は、ほぼ平坦であり、シャッタディスクアセンブリ140の中心線224に対して実質的に垂直な配向を有する。底面206もまた、ほぼ平坦であり、シャッタディスクアセンブリ140の中心線224に対して実質的に垂直な配向を有する。
【0029】
[0034] 上方ディスク部材202は、上方ディスク部材202の上に堆積され得る材料の付加重量による変形に抗するのに十分な機械的剛性を有する任意の適切な材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、材料は、また、シャッタディスクアセンブリ140が、移送ロボットによって容易に操作され得るように、軽量であってもよい。いくつかの実施形態では、上方ディスク部材202は、ステンレス鋼などの金属合金、アルミニウムシリコン(AlSi)などの金属複合材料、または炭化ケイ素などのセラミックから構成されてもよい。上方ディスク部材202は、所望の形状を形成するのに適した任意の方法、例えば、モールドキャスティング、ダイキャスティング、スプレーキャスティング、スプレー堆積などを介して製造されてもよい。いくつかの実施形態では、上方ディスク部材202は、基板を堆積/エッチングするために処理チャンバ内で使用されるのと同じ材料で構成される。
【0030】
[0035] いくつかの実施形態では、上方ディスク部材202の上面204は、平坦でなくてもよく、むしろ、処理チャンバのペースト処理に適したリッジまたは他の特徴を含んでもよい。
【0031】
[0036] いくつかの実施形態では、上方ディスク部材202は、ターゲット自体であってもよく、ペースト処理に使用されてもよい。下方キャリア部材210は、外側環状整合特徴216と共に、上方ディスク部材202ターゲットの周囲に電気的に絶縁されたバリアを形成する。これにより、基板支持体へのアーク放電を防止しつつ、上方ディスク部材202をターゲットとしてペースト処理を行うことができる。
【0032】
[0037] これに加えて、ツーピースシャッタディスクアセンブリの利点の1つは、アーク放電を防止することである。このように、シャッタディスクアセンブリ140の底面(すなわち、下方キャリア部材210の底面)は絶縁される。いくつかの実施形態では、下方キャリア部材210は、電気絶縁コーティングで被覆される。他の実施形態では、下方キャリア部材210全体は、電気絶縁材料から作製される。さらに他の実施形態では、下方キャリア部材210の底面のみが電気絶縁コーティングで被覆される。
【0033】
[0038] いくつかの実施形態では、シャッタディスクアセンブリ140は、約6インチ~約12インチ、例えば、約6インチ、8インチ、または11.85インチの外径220を有する。いくつかの実施形態では、上方ディスク部材202の上面204から下方支持キャリア210の底面までの厚さは、約0.1インチ~約0.25インチ、例えば約0.15インチとすることができる。基板支持体の構成およびサイズに応じて、他のサイズが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、シャッタディスクアセンブリ140は、±50mmの許容誤差で、基板114の直径と等しい外径220を有することになる。いくつかの実施形態では、下方支持キャリア210の内径(ID)(すなわち、環状整合特徴216のID)は、11.00インチ~約11.85インチである。いくつかの実施形態では、上方ディスク部材202は、環状整合特徴216の内径よりも約5インチ~約1ミリメートル小さい直径を有する。
【0034】
[0039] 直径という用語で説明され、ディスクと称されているが、シャッタディスクアセンブリ140および上方ディスク部材は、丸形に限定されるものではなく、本書で開示されている処理チャンバでの使用に適した任意の形状を有してもよい。直径という用語で説明され、シャッタディスクアセンブリおよびその構成要素を説明するために「ディスク」という用語が使用され得るが、シャッタディスクアセンブリおよびこれらの構成要素の形状は、円形である必要はなく、長方形、多角形、楕円形などを含むがこれらに限定されない、任意の形状の周囲および/または開口部を有し得ることが企図される。
【0035】
[0040] 以上の記述は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3