(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】複数の格子を形成する方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/18 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
G02B5/18
(21)【出願番号】P 2021533803
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 US2019066812
(87)【国際公開番号】W WO2020131852
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-14
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンズ, モーガン
(72)【発明者】
【氏名】オルソン, ジョセフ シー.
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー ティマーマン タイセン, ラトガー
【審査官】吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-237374(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0263973(US,A1)
【文献】特開平08-029606(JP,A)
【文献】特開2016-177244(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103675969(CN,A)
【文献】特表2022-506595(JP,A)
【文献】特開2003-100706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の複数の格子を形成する方法であって
、
基板上に
配置された格子材料の上に保護材料を堆積させることであって、
前記保護材料が、前記格子材料上に配置されたパターニングされたハードマスクの部分間に堆積され、前記保護材料は、前記格子材料の平坦な上面から前記保護材料の上面までの厚さを有し、前記保護材料の前記厚さは、イオンビームが前記
格子材料に向けて方向付けられ
た時に前記保護材料
の前記厚さが前
記格子材料の除去を少なくとも部分的に阻害するように、前記
格子材料
の平坦な上面に沿って変動する、保護材料を堆積させることと、
前記格子材料の少なくとも一部分が除去され、これにより
前記保護材料の前記厚さにそれぞれ対応する深さプロファイルを有する前記第1の複数の格子が形成され
て、前記第1の複数の格子のうちの少なくとも1つの格子が前記第1の複数の格子のうちの他の格子とは異なる厚さを有するように、前記イオンビームを前記
格子材料に向けて方向付けることと、を含み、前記第1の複数の格子のうちの少なくとも1つの格子が
、5°
~85°の角度を有する、
方法。
【請求項2】
前記保護材料を堆積させることは、前記格子材料の第1部分と第2部分の上に前記保護材料を堆積させることであって、これにより、前記
厚さを有する前記保護材料が、前記
第1部分における
前記格子材料の除去を完全に阻害す
る、前記保護材料を堆積させることと
、
前記
第2部分の上の前記保護材料を除去することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1部分の上に配置された前記保護材料が、前記第2部分の上に配置された
前記保護材料よりも厚い、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記保護材料
の前記厚さが、
前記第1の複数の格子にわたって2次元的に変動す
るか、又は前記格子材料にわたって線形に変動する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数の格子を形成する方法であって
、
基板上に
配置された格子材料の
第1部分の上に保護材料を堆積させることであって、
前記格子材料の前記第1部分は第2部分に隣接しており、前記保護材料が、
前記第1部分上のパターニングされたハードマスクの部分間に配置され、前記パターニングされたハードマスクは、前記格子材料の上に配置され、前記保護材料は、前記格子材料の平坦な上面から前記保護材料の上面までの厚さを含み、前記保護材料の前記厚さは、イオンビームが前記
格子材料に向けて方向付けられ
た時に
前記格子材料の前記
第1部分の除去を阻害す
る、保護材料を堆積させることと、
前記複数の格子が形成されるように、前記イオンビームを前記
格子材料の前記第1部分及び前記第2部分に向けて方向付けること
であって、前記第1部分において第1の複数の格子が形成され、前記第2部分において第2の複数の格子が形成され、前記第1の複数の格子は前記第2の複数の格子の第2の深さよりも小さな第1の深さを有し、前記第1の深さは対応する前記保護材料の厚さに基づく、前記イオンビームを前記格子材料の前記第1部分及び前記第2部分に向けて方向付けることと
、を含み
、
前記
第1の複数の格子及び前記第2の複数の格子のうちの少なくとも1つの格子が
、5°
~85°の角度を有する、
方法。
【請求項6】
前記
格子材料の前記第2部分の上に前記保護材料を堆積させることを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1部分の上に配置された前記保護材料が、前記第2部分の上に配置された
前記保護材料よりも厚い、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の複数の格子のうちの少なくとも1つの格子が、前記第1の複数の格子のうちの他の格子とは異なる厚さを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記保護材料を堆積させること
及び前記イオンビームを方向付けるこ
とが反復される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
第1の複数の格子を形成する方法であって、:
基板上に
配置された格子材料の第1部分及び第2部分の上に保護材料を堆積させることであって、
前記格子材料の前記第1部分は第2部分に隣接しており、前記保護材料が、
前記第1部分及び前記第2部分上のパターニングされたハードマスクの部分間に配置され、前記パターニングされたハードマスクは、前記格子材料の上に配置され、前記保護材料は、
前記格子材料の平坦な上面から前記保護材料の上面までの第1の厚さであって、イオンビームが前記
第1部分に向けて方向付けられ
た時に前記
格子材料の前記第1部分の除去を阻害する
、前記保護材料の前記第1の厚さ
と、
前記格子材料の平坦な上面から前記保護材料の上面までの第2の厚さであって、イオンビームが前記第2部分に向けて方向付けられた時に前記格子材料の前記第2部分の除去を阻害する前記第2の厚さと、を含む、保護材料を堆積させることと、
前記第1の複数の格子
及び第2の複数の格子が形成されるように、前記イオンビームを前記
格子材料の前記第1部分及び前記第2部分に向けて方向付けること
であって、前記第1部分において前記第1の複数の格子が形成され、前記第2部分において前記第2の複数の格子が形成され、前記第1の複数の格子は前記第2の複数の格子の第2の深さよりも小さな第1の深さを有し、前記第1の複数の格子の前記第1の深さは前記保護材料の前記第1の厚さに基づき、前記第2の複数の格子の前記第2の深さは前記保護材料の前記第2の厚さに基づく、前記イオンビームを前記格子材料の前記第1部分及び前記第2部分に向けて方向付けることと、を含み、
前記
第1の複数の格子及び前記第2の複数の格子のうちの少なくとも1つの格子は
、5°
~85°の角度を有し、
前記
第2部分の上に前記保護材料を堆積させることが、複数の加熱ピクセル又は発光ダイオード(LED)に前記保護材料を曝露することを含む、
方法。
【請求項11】
前記複数の加熱ピクセル又はLEDの各々が個別に制御される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基板の裏面に、前記
第1部分に対応する温度分布が提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の複数の格子のうちの少なくとも1つの格子が、前記第1の複数の格子のうちの他の格子とは異なる厚さを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記保護材料が
ジアゾナフトキノン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルグルタルイミド)、及びSU-8の少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記保護材料を堆積させることが、インクジェットプリンティング又は三次元(3D)プリンティングを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
技術分野
本出願の実施形態は方法に関し、より具体的には、複数の格子を形成する方法に関する。
【0002】
関連技術の説明
仮想現実とは、一般に、コンピュータで生成された模擬環境であって、その中でユーザが見かけ上の物理的存在を有する、模擬環境であると考えられる。仮想現実体験は、三次元(3D)で生成されることが可能であり、実際の環境を置換する仮想現実環境を表示するためのレンズとしてニアアイディスプレイパネルを有する、眼鏡又はその他のウエアラブルディスプレイデバイスといったヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて視認されうる。
【0003】
しかし拡張現実は、ユーザが、眼鏡又はその他のHMDデバイスのディスプレイレンズを通して見て周囲環境を視認することが可能であるまま、表示のために生成されてこの環境の一部として出現する仮想物体の画像も見ることができるという、体験を可能にする。拡張現実は、任意の種類のインカップリング(音響インカップリング及び触覚インカップリングなど)に加えて、ユーザが体験する環境を強化又は拡張する仮想画像、グラフィックス、及びビデオも含みうる。
【0004】
ユーザに拡張現実体験を提供するために、仮想画像が周囲環境上にオーバーレイされる。画像のオーバーレイを支援するために導波路(waveguides)が使用される。生成された光は、導波路を通るように伝搬されてから、この導波路を出て周囲環境上にオーバーレイされる。一部の実行形態では、複数の導波路が、重ねられるか又は別様に組み合わされて、光学デバイス(ディスプレイレンズなど)を形成する。導波路又は導波路結合器の各々は、種々の格子領域を有する基板を含む。
【0005】
当該技術分野における不利益の1つは、同一基板上に種々の格子を製造することが時間のかかるプロセスであるということである。種々の材料特性(格子配向や格子深さなど)を有する格子を製造するためには、フォトリソグラフィにおいて、種々のマスキングステップ及び方法が必要となる。加えて、一部のフォトリソグラフィ方法は、異なる導波路において格子の間隔及び深さプロファイルを変動させる能力を有していない。
【0006】
したがって、必要とされているのは、別々の格子プロファイルを有する複数の格子領域を形成することを可能にする製造プロセスである。
【発明の概要】
【0007】
本書の実施形態は、複数の格子を形成する方法を含む。この方法により、種々の格子プロファイルを有する導波路を、より迅速かつより安価に形成することが可能になる。
【0008】
一実施形態では、第1の複数の格子を形成する方法が提供される。この方法は、基板上に配置された導波路結合器の一又は複数の第1領域の上に保護材料を堆積させることであって、イオンビームが基板に向けて方向付けられている時に保護材料が導波路結合器上に配置された格子材料の除去を少なくとも部分的に阻害するように、保護材料が第1の厚さを有する、保護材料を堆積させることと、導波路結合器の一又は複数の第1領域から格子材料の少なくとも一部分が除去され、これにより第1の複数の格子が形成されるように、イオンビームを基板に向けて方向付けることと、を含む。複数の格子の第1格子のうちの少なくとも1つは、約5°~約85°の角度を有する。
【0009】
別の実施形態では、複数の格子を形成する方法が提供される。この方法は、基板上に配置された導波路結合器の一又は複数の保護領域の上に保護材料を堆積させることであって、保護材料が、イオンビームが基板に向けて方向付けられている時に導波路結合器上に配置された格子材料の除去を阻害する厚さを有する、保護材料を堆積させることと、導波路結合器の一又は複数の保護されない領域のうちの1つから格子材料の少なくとも一部分が除去され、これにより複数の格子が形成されるように、イオンビームを基板に向けて方向付けることと、一又は複数の保護領域の上の保護材料を除去することと、を含む。一又は複数の保護されない領域は、マイクロディスプレイから入射光ビームを受信するよう構成される。複数の格子のうちの少なくとも1つの格子は、約5°~約85°の角度を有する。
【0010】
更に別の実施形態では、第1の複数の格子を形成する方法が提供される。この方法は、基板上に配置された導波路結合器の一又は複数の保護領域の上に保護材料を堆積させることであって、保護材料が、イオンビームが基板に向けて方向付けられている時に導波路結合器上に配置された格子材料の除去を阻害する厚さを有する、保護材料を堆積させることと、保護されない領域のうちの1つの少なくとも一部分上に保護材料を堆積させることと、導波路結合器の一又は複数の保護されない領域のうちの1つから格子材料の少なくとも一部分が除去され、これにより第1の複数の格子が形成されるように、イオンビームを基板に向けて方向付けることと、一又は複数の保護領域の上の保護材料を除去することと、を含む。第1の複数の格子は、2つの異なる深さを伴う1つのプロファイルを有する。複数の格子のうちの少なくとも1つの格子は、約5°~約85°の角度を有する。保護されない領域のうちの1つの少なくとも一部分上に保護材料を堆積させることは、複数の加熱ピクセル又は発光ダイオード(LED)に材料を曝露することを含む。
【0011】
本開示の上述の特徴を詳しく理解しうるように、上記で簡単に要約した本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られる。一部の実施形態は付随する図面に示されている。しかし、付随する図面は、例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容しうることに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】一実施形態による、基板の正面透視図を示す。
【
図1B】一実施形態による導波管結合器の正面透視図を示す。
【
図2A】一実施形態による、システムの概略断面図を示す。
【
図2B】一実施形態による、基板支持アセンブリの正面透視図を示す。
【
図2C】一実施形態による、LEDアレイの概略図を示す。
【
図3】一実施形態による、導波路結合器を製造するための方法の工程のフロー図である。
【
図4A】一実施形態による、導波路結合器を製造する方法における保護されない領域の概略断面図を示す。
【
図4B】一実施形態による、導波路結合器を製造する方法における保護されない領域の概略断面図を示す。
【
図4C】一実施形態による、導波路結合器を製造する方法における保護されない領域の概略断面図を示す。
【
図4D】一実施形態による、導波路結合器を製造する方法における保護されない領域の概略断面図を示す。
【
図5A】一実施形態による、格子の2Dアレイを有する保護されない部分の上面図を示す。
【
図5B】一実施形態による、格子の2Dアレイを有する保護されない部分の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解を容易にするため、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。1つの実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも他の実施形態に有益に組み込まれうると、想定される。
【0014】
本出願の実施形態は概して、複数の格子を形成するための方法に関する。この方法は概して、基板上に配置された導波路結合器の一又は複数の保護領域の上に材料を堆積させることであって、材料が、イオンビームが基板に向けて方向付けられている時に導波路結合器上に配置された格子材料の除去を阻害する厚さを有する、材料を堆積させることと、イオンビームを基板に向けて方向付けることと、を含む。本書で開示している方法により、一又は複数の保護されない領域内に複数の格子又はフィンが形成される一方で、保護領域内には格子が形成されないということが可能になる。本書で開示している実施形態は、導波路のための複数の格子の形成に有用でありうるが、これに限定されるわけではない。
【0015】
本書で使用される場合、「約(about)」という語は、公称値からの+/-10%の変動のことを指す。かかる変動は本書で提供しているいかなる値にも含まれうると、理解されたい。
【0016】
図1Aは、一実施形態による、基板101の正面透視図を示している。基板101は、光学デバイスで使用されるよう構成される。基板101は、当技術分野で使用される任意の基板でありうる。例えば、基板101は、半導体材料(例えばシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、及び/又はヒ化ガリウム(GaAs)といったIII-V族半導体)を含む。別の例では、基板101は、透明材料(例えばガラス及び/又はプラスチック)を含む。基板101は、表面上に任意の数の絶縁層、半導体層、又は金属層を有しうる。
【0017】
図示しているように、基板101は、表面上に配置された複数の導波路結合器103を含む。複数の導波路結合器103は、横列と縦列とのグリッドで基板101上に配置される。基板101上に複数の導波路結合器103を配置する、別の好適な構成も、本書に記載の実施形態にしたがって実装されうると想定される。
【0018】
図1Bは、一実施形態による、導波路結合器103の正面透視図を示している。導波路結合器103は、電磁放射(例えば光)を導くよう構成される。図示しているように、導波路結合器103は複数の領域を含み、複数の領域の各々は、複数のインカップリング格子108によって画定されたインカップリング領域102、複数の中間格子110によって画定された中間領域104、及び複数の出力格子112によって画定された出力カップリング領域106といった、複数の格子又はフィンを含む。
【0019】
インカップリング領域102は、マイクロディスプレイから、強度を有する入射光ビーム(仮想画像)を受信するよう構成される。インカップリング領域102の複数のインカップリング格子108の各格子は、入射ビームを複数のモードに分割する(各ビームは1つのモードを有する)。ゼロ次モード(T0)のビームは、反射するか又は伝導される。正の一次モード(T1)のビームは、全内部反射(TIR)して導波路結合器103を通り、出力カップリング領域106に至る。負の一次モード(T-1)のビームは、導波路結合器103内を、T1のビームとは逆方向に伝播する。
【0020】
本書に記載の実施形態であって、本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる実施形態では、導波路結合器103の堆積中にインカップリング領域102と中間領域104との間の最小距離114が維持され、かつ導波路結合器103の堆積中に中間領域104と出力カップリング領域106との間の最小距離116が維持される。例えば、最小距離114及び最小距離116は約1mm未満である。本書に記載の実施形態であって、本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる実施形態では、複数のインカップリング格子108は深さ分布118を有し、複数の中間格子110は深さ分布120を有し、複数の出力格子112は深さ分布122を有する。例えば、深さ分布118を有する複数のインカップリング格子108の深さはx方向に増大し、深さ分布120を有する複数の中間格子110の深さはx方向に増大し、深さ分布122を有する複数の出力格子112の深さはy方向に増大する。
【0021】
図2Aは、一実施形態によるシステム200の概略断面図を示している。システム200は、イオンビーム210を使用して基板(例えば基板101)を部分的にエッチングするよう構成される。システム200は、当技術分野で使用される任意のイオンビームシステム(例えばイオンビームエッチングシステム、集束イオンビームエッチングシステム、電子ビームエッチングシステム、反応性イオンビームエッチングシステム、フルウエハイオンシステムなど)を含みうる。図示しているように、システム200は、基板支持アセンブリ204と、イオン源201と、発光ダイオード(LED)アレイ205を有する抽出電極270と、コントローラ214と、二次コントローラ250と、複数の加熱ピクセル216と、電源212とを含む。後述するシステムは、例示的なシステムであり、本開示の態様を実現するために、他のシステムスキャンと共に使用されうるか、又は改変されうることを、理解されたい。
【0022】
イオン源201は、基板101の表面に入射するイオンを制御された様式で放出するよう構成される。図示しているように、イオン源201は抽出開孔202を含む。イオンは、イオンビーム210として、抽出開孔202を通じてイオン源201から抽出される。抽出開孔202は、イオン源201の、基板101に最も近い面203に配置される。イオンビーム210は基板101に向けて方向付けられる。イオンビーム210は、リボンビーム、スポットビーム、又はフル基板サイズのビームでありうる。
【0023】
基板支持アセンブリ204は、基板101を支持面280上に保持するよう構成される。図示しているように、基板支持アセンブリ204は、本体206とアクチュエータ208とを含む。基板支持アセンブリ204の本体206は、アクチュエータ208に連結される。アクチュエータ208は、本体206を、x方向及び/又はy方向に沿ってスキャン運動で動かすよう構成される。本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一実施形態では、アクチュエータ208は、基板101がイオン源201のz軸に対してチルト角βに位置付けられるように、本体206をチルトさせるよう構成される。本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる別の実施形態では、アクチュエータ208は、基板101を本体206のx軸を中心に回転させるよう構成される。
図2Bは、一実施形態による、基板支持アセンブリ204の正面透視図を示している。
【0024】
コントローラ214は、システム200を制御し、自動化するよう構成される。図示しているように、コントローラ214は、中央処理装置(CPU)215と、メモリ217と、サポート回路(又はI/O)219とを含む。CPU215は、様々なプロセス及びハードウェア(例えばパターン生成装置、モータ、及びその他のハードウェア)を制御し、プロセス(例えば処理時間、及び基板の位置又は場所)をモニタするために工業用設定で使用される、任意の形態のコンピュータプロセッサのうちの1つである。メモリ217は、CPU215に接続されており、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又はその他の任意の形態のローカル若しくはリモートのデジタルストレージといった、容易に入手可能なメモリのうちの一又は複数である。ソフトウェア命令及びデータは、CPU215に命令するために、メモリ217内でコード化され、メモリ217内に記憶されうる。従来的な方式でCPUをサポートするために、サポート回路219もCPU215に接続される。サポート回路219は、従来型のキャッシュ、電力供給装置、クロック回路、インカップリング/出力回路網、サブシステムなどを含む。
【0025】
二次コントローラ250は、LEDアレイ205を制御し、自動化するよう構成される。図示しているように、二次コントローラ250は、中央処理装置(CPU)291と、メモリ293と、サポート回路(又はI/O)295とを含む。CPU291は、様々なプロセス及びハードウェア(例えばパターン生成装置、モータ、及びその他のハードウェア)を制御し、プロセス(例えば処理時間、及び基板の位置又は場所)をモニタするために工業用設定で使用される、任意の形態のコンピュータプロセッサのうちの1つである。メモリ293はCPU291に接続されており、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又はその他の任意の形態のローカル若しくはリモートのデジタルストレージといった、容易に入手可能なメモリのうちの一又は複数である。ソフトウェア命令及びデータは、CPU291に命令するために、メモリ293内でコード化され、メモリ293内に記憶されうる。従来的な方式でCPUをサポートするために、サポート回路295もCPU291に接続される。サポート回路295は、従来型のキャッシュ、電力供給装置、クロック回路、インカップリング/出力回路網、サブシステムなどを含む。
【0026】
コントローラ214及び/又は二次コントローラ250によって可読なプログラム(又はコンピュータ命令)は、どのタスクがシステム200によって実行可能であるかを特定する。コントローラ214は、通信を行い、電源212、アクチュエータ208、及び二次コントローラ250を制御するよう構成される。コントローラ214及び二次コントローラ250は、処理中に基板支持アセンブリ204の態様を制御するよう構成される。複数の加熱ピクセル216が、本体206内に配置され、電源212に連結される。コントローラ214は、インカップリング領域102、中間領域104、及び出力カップリング領域106のうちの少なくとも1つに対応するよう、基板101の裏面(すなわち、支持面280上に保持された基板101の面)に温度分布が提供されるように、加熱ピクセル216の各々を個別に制御するよう動作可能である。
【0027】
LEDアレイ205は、基板101を部分的に加熱するよう構成される。LEDアレイ205は、イオン源201の面203の、基板101に最も近い表面上に、抽出開孔202に近接して配置される。LEDアレイ205の幅はそれぞれ、ページの内外へと延在している。
【0028】
図2Cは、一実施形態による、LEDアレイ205の概略図を示している。図示しているように、LEDアレイ205は、横列と縦列とのアレイで配置された複数の個別のLED207を含む。任意の数のLED207の横列及び縦列が使用されうる。二次コントローラ250は、基板101の表側面に温度分布が提供されるように、LEDアレイ205のLEDの各々を個別に制御するよう動作可能である。
【0029】
図3は、導波路結合器(例えば導波路結合器103)を製造するための方法300の工程のフロー図である。方法300の工程について、
図4A~
図4Dに関連付けて説明しているが、方法の工程を任意の順序で実行するよう構成されたシステムであればいずれも、本書に記載の実施形態の範囲に含まれることが、当業者には理解されよう。方法300は、命令を包含するコンピュータ可読媒体として、コントローラ214及び/又は二次コントローラ250に記憶されうるか、又はコントローラ214及び/又は二次コントローラ250にアクセス可能であってよく、かかる命令は、コントローラのCPU215及び/又は二次コントローラのCPU291によって実行されると、システム200に方法300を実施させる。
【0030】
方法300は工程301で始まり、工程301において、基板101の一又は複数の保護領域(あるいは「完全保護領域」と称される)の上に保護材料が堆積される。保護材料は、工程302において一又は複数の保護領域をエッチングから保護しつつも、一又は複数の保護されない領域のエッチングを可能にするよう構成される。一実施形態によると、一又は複数の保護領域は中間領域104及び出力カップリング領域106を含み、一又は複数の保護されない領域はインカップリング領域102を含む。保護されない領域は、部分的に保護されない領域も含みうる(すなわち、この領域の一部は保護されるが、この領域の他の部分は保護されない)。
【0031】
材料は、一実施形態によると、インクジェットプリンティング又は三次元(3D)プリンティングのうちの1つによって堆積される。材料はフォトレジスト材料を含みうる。フォトレジスト材料は、ジアゾナフトキノン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルグルタルイミド)、及び/又はSU-8を含みうるが、これらに限定されるわけではない。
【0032】
図4Aは、一実施形態による、一又は複数の保護領域のうちの1つの一部分400の概略断面図を示している。一実施形態によると、一又は複数の保護領域は、中間領域104及び出力カップリング領域106を含む。材料499(例えば、上述した保護材料)は、基板101の導波路結合器103上に配置された格子材料412の上に配置される。パターニングされたハードマスク413が、格子材料412の上に配置される。格子材料412は、シリコンオキシカーバイド(SiOC)、酸化チタン(TiO
x)、TiO
xナノ材料、酸化ニオブ(NbO
x)、ニオブ-ゲルマニウム(Nb
3Ge)、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸炭窒化ケイ素(SiOCN)、バナジウム(IV)酸化物(VO
x)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、シリコンリッチSi
3N
4、水素がドープされたSi
3N
4、ホウ素がドープされたSi
3N
4、シリコンカーボンニトレート(SiCN)、窒化チタン(TiN)、二酸化ジルコニウム(ZrO
2)、ゲルマニウム(Ge)、リン化ガリウム(GaP)、多結晶(PCD)、ナノ結晶ダイヤモンド(NCD)、ドープされたダイヤモンド含有材料、及び、上述したものの何らかの混合物、を含みうる。
【0033】
材料499は、3Dプリンティング又はインクジェットプリンティングによって堆積されうる。材料499は、イオンビーム210が基板101に向けて方向付けられている時に格子材料412の除去を阻害する厚さ414を有する。
【0034】
オプションの工程301oにおいて、基板101の一又は複数の部分的に保護されない領域の少なくとも一部分の上に材料が堆積される。材料は、一実施形態によると、工程302において、一又は複数の部分的に保護されない領域のこの部分を、エッチングから部分的に保護するよう構成される。
【0035】
工程302において、イオンビームが基板101に入射するように方向付けられる。工程302は、イオンビームエッチング、集束イオンビームエッチングなどを含みうる。一実施形態では、イオンビーム(例えばイオンビーム210)は、システム200によって作り出され、システム200によって方向付けられる。
【0036】
図4Bは、一実施形態による、工程302の前の、工程302における、及び工程302の後の、一又は複数の全く保護されない領域のうちの1つの概略断面図を示している。本書に記載の一実施形態であって、本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる実施形態では、工程301において、保護されない領域の格子材料412の上に材料499は堆積されない。一実施形態によると、保護されない領域はインカップリング領域102でありうる。
【0037】
工程302において、イオンビーム210が基板101に向けて方向付けられると、イオンビーム210は、例えば、段階401~406に対応する持続期間にわたって、エッチングすることによって、パターニングされたハードマスク413によって露出した格子材料412内に複数のインカップリング格子108を形成する。この例ではハードマスク413の上の材料499の厚さが均一であるので、段階401~406にわたって形成される複数のインカップリング格子108の各格子は、段階406において同じ深さ415を有する。ゆえに、複数のインカップリング格子108の格子全体がほぼ同じ寸法を有することが可能であり、一貫して均一な格子プロファイルが形成される。本書に記載の格子はいずれも、約5°から約85°まで変動しうる角度θを有する(すなわち、格子は基板101の表面に対して傾斜している)。
【0038】
図4Cは、一実施形態によると、工程302の前の、工程302における、及び工程302の後の、一又は複数の部分的に保護されない領域及び全く保護されない領域のうちの1つの、概略断面図を示している。
図4Cに示している実施形態では、オプションの工程301oが実施される。ゆえに、材料499が、部分的に保護されない領域の少なくとも一部分の上に配置される。材料499は、異なる厚さ(例えば第1の厚さ416と第2の厚さ417)の様々な領域を有する。第2の厚さ417は第1の厚さ416よりも薄く、これにより、段階406において、第1の厚さに対応する格子の第1部分418は、第2の厚さに対応する格子の第2部分421の深さ420よりも浅い、深さ419を有することになる。ゆえに、同一の複数の格子の別々の部分は、別々の深さプロファイルを有し、2つの異なる深さを有する1つの深さプロファイルが形成される。一部の実施形態では、第1の厚さ416は、ほぼゼロである(すなわち、この部分には材料がほとんど又は全く堆積されない)。一部の実施形態では、第1の厚さ416が十分に厚いためこの部分には格子は発現せず、この領域は完全保護領域となる。一部の実施形態では、材料の複数の厚さ(例えば3つ以上の厚さ)が含まれる。
【0039】
保護されない領域の格子材料412の上に材料499が全く堆積されなかった場合に、格子の第1部分418は、段階406において、格子の第2部分421の深さ420を下回る深さ419を有することがある。
【0040】
本書に記載の一実施形態であって、本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる実施形態では、加熱ピクセル216の各々は、基板101の裏面に部分的に保護されない領域に対応する温度分布が提供されるように、個別に制御されうる。一部の実施形態では、材料499の、より高い温度を受ける部分は、より低い温度を受ける部分よりも高速で反応する。ゆえに、高温部分の方が深くエッチングされ、低温部分よりも高温部の方で格子が深くなるという結果になる。一部の実施形態では、材料499の、より高い温度を受ける部分は、より低い温度を受ける部分よりも低速でエッチングされる。ゆえに、高温部分の方が浅くエッチングされ、低温部分よりも高温部の方で格子が浅くなるという結果になる。例えば、エッチングプロセスにおいて材料499が部分的に除去される場合、高温部分の温度上昇により、低温部分よりも多くの材料が除去されることになる。
【0041】
本書に記載の別の実施形態であって、本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる実施形態では、基板101の表側面に保護領域に対応する温度分布が提供されるように、LEDアレイ205のLEDの各々を個別に制御することにより、エッチング速度の変動がもたらされる。一部の実施形態では、保護領域の上に均一な材料499が堆積され、形成される格子(例えば格子418)の深さは、LEDによって照射される光の線量によって制御される。形成される格子の深さは、材料499のある部分への照射を増大させることによって制御される。一部の実施形態では、材料499の高線量の光を受ける部分は、低線量の光を受ける部分よりも高速でエッチングされる。ゆえに、高線量部分の方が深くエッチングされることにより、高線量部分には、低線量分よりも深い格子が設けられる。一部の実施形態では、材料499の高線量の光を受ける部分は、低線量の光を受ける部分よりも低速でエッチングされる。ゆえに、高線量部分の方が浅くエッチングされることにより、高線量部分には、低線量部分よりも浅い格子が設けられる。一部の実施形態では、格子(例えば格子418)の深さを制御するために、均一な材料499に対してグレースケールリソグラフィが実施される。
【0042】
図4Dは、一実施形態による、工程302の前の、工程302における、及び工程302の後の、一又は複数の部分的に保護されない領域のうちの1つの、概略断面図を示している。
図4Dに示している実施形態では、オプションの工程301oが実施される。ゆえに、材料499が、部分的に保護されない領域の少なくとも一部分の上に配置される。材料499は、位置によって変動する厚さ498を有する。ゆえに、同一の複数の格子の、材料499の厚さによって変動する別々の深さプロファイルを有する別々の部分が形成されうる。材料499の厚さ498の変動は、一実施形態によると線形であるが、厚さ498は、他の任意の方式で変動してよく、複数の格子全体にわたって2次元で変化することもある。
【0043】
上述した実施形態のいずれにおいても、パターニングされたハードマスク413の要素は種々の幅451を有してよく、ゆえに、結果として生じる複数のインカップリング格子108のフィンは種々の幅を有しうる。上述した実施形態のいずれにおいても、パターニングされたハードマスク413の要素は、種々の間隔452を有してよく、ゆえに、結果として生じる複数のインカップリング格子108のフィン同士の間隔は異なりうる。上述した実施形態のいずれにおいても、パターニングされたハードマスク413の要素は、種々の幅451及び種々の間隔452を有してよく、ゆえに、複数のインカップリング格子108のフィンは、種々の幅及びフィン同士の間の種々の間隔を有する。
【0044】
工程303において、保護領域から材料499が除去される。一実施形態では、保護領域は、中間領域104及び出力カップリング領域106を含む。材料は、当該技術分野において標準的な任意の方法(酸素ガス(O2)灰化など.)を使用して除去されうる。ゆえに、保護されない領域(例えばインカップリング領域102)には複数の格子(例えば複数のインカップリング格子108)が形成され、保護領域(例えば中間領域104及び出力カップリング領域106)には格子が形成されない。
【0045】
工程302のエッチングの後に何らかの材料がまだ残っている場合には、オプションの工程303oにおいて、部分的に保護されない領域から材料が除去される。材料は、工程303について上述したように除去されうる。
【0046】
一部の実施形態では、工程301~303が反復されるが、保護領域及び保護されない領域は先の工程301~303とは異なる。一実施形態によると、保護領域はインカップリング領域102及び出力カップリング領域106を含み、保護されない領域は中間領域104を含む。一実施形態によると、保護領域はインカップリング領域102及び中間領域104を含み、保護されない領域は出力カップリング領域106を含む。保護されない領域の各々について、方法300は、厚さ、幅、及びプロファイルの様々な格子を作り出しうるように変更されうる(例えば、インカップリング領域102は、
図4Bに示している実施形態で形成される複数のインカップリング格子108を有し、中間領域104は、
図4Cに示している実施形態で形成される複数の中間格子110を有する)。他の実施形態では、工程301o及び303oも反復される。ゆえに、方法300により、種々の格子特性を有する種々の領域を作り出すことが可能になる。
【0047】
方法300についての上記の説明は、格子(例えば格子418)の一次元アレイによって例示されているが、格子の二次元(2D)アレイも方法300によって形成されうる。
図5Aは、一実施形態による、格子521の2Dアレイ520を有する保護されない部分500の上面図を示している。
図5Bは、一実施形態による、格子521の2Dアレイ520を有する保護されない部分500の側面図を示している。図示しているように、2Dアレイ520は、格子521の横列501及び縦列502を有する。任意の数の横列501及び縦列502が2Dアレイ520に含まれうる。
図5Aに示している2Dアレイ520は、グリッドパターンで配置された格子521を有しているが、任意のパターンが利用されうる。
【0048】
x方向における複数の格子521の限界寸法(CD)(例えばx幅、dx)は、同じであることも、互いとは異なることもありうる。y方向における複数の格子521のCD(例えばy幅、dy)は、同じであることも、互いとは異なることもありうる。z方向における複数の格子521の限界寸法(CD)(例えばz幅、dz)は、同じであることも、互いとは異なることもありうる。y方向における複数の格子521のCD(例えばy幅、dy)は、同じであることも、互いとは異なることもありうる。複数の格子521の角度θ1、θ2、θ3、θ4は、同じであることも、互いとは異なることもありうる。
【0049】
x方向における個々の格子521の間の格子間間隔(例えばx距離、Sx)は、同じであることも、互いとは異なることもありうる。y方向における個々の格子521の間の格子間間隔(例えばy距離、sy)は、同じであることも、互いとは異なることもありうる。
【0050】
格子521は、長方形の形状(例えば格子510、510’)、正方形の形状(例えば格子511、511’)、L字形状(例えば格子513、513’)、円形の形状(例えば格子516)、及び/又は島形の形状(例えば514)を有しうる。任意の形状の格子521の任意の組合せが含まれうる。格子251の形状の例が付与されているが、他の任意の実現可能な形状も想定される。格子521は、ボイド515(すなわち、下にある基板101内に延在する部分)も含みうる。
【0051】
上述したように、複数の格子を形成するための方法が提供されている。この方法は、基板上に配置された導波路結合器の一又は複数の保護領域の上に材料を堆積させることであって、材料が、イオンビームが基板に向けて方向付けられている時に導波路結合器上に配置された格子材料の除去を阻害する厚さを有する、材料を堆積させることを含む。本書で開示している方法により、一又は複数の保護されない領域内に複数の格子が形成される一方で、保護領域内には格子が形成されないということが可能になる。
【0052】
以上の記述は、本開示の例を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の例及び更なる例が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。