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特許7404383チャンバ部品保護用のオキシフッ化物化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】チャンバ部品保護用のオキシフッ化物化合物
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/30 20060101AFI20231218BHJP
   C23C 16/40 20060101ALI20231218BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20231218BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
C23C16/30
C23C16/40
C23C16/455
H01L21/302 101G
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021552676
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020019954
(87)【国際公開番号】W WO2020180569
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】62/813,512
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ディーパク, ニティン
(72)【発明者】
【氏名】セス, スレッシュ チャンド
(72)【発明者】
【氏名】ゴラディア, プレルナ ソンサリア
(72)【発明者】
【氏名】バジャージ, ギーティカ
(72)【発明者】
【氏名】タカレ, ダルシャン
(72)【発明者】
【氏名】サン, ジェニファー ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ナトゥー, ガーヤトリー
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/132789(WO,A1)
【文献】特開2018-190985(JP,A)
【文献】特表2018-511943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00-16/56
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素化金属膜を形成する方法であって:
処理領域を有する原子層堆積(ALD)チャンバ中に対象物を配置することと;
ALDプロセスを使用して前記ALDチャンバ内で前記対象物上に金属酸化物含有層を堆積することと;
前記ALDチャンバ中に前記対象物が配置された状態で、前記ALDチャンバ内で活性化フッ素化プロセスを使用して、前記金属酸化物含有層上に金属フッ素層を堆積することであって、前記活性化フッ素化プロセスが、
フッ素前駆体(FP)の第1の流れを前記処理領域に導入すること;及び
前記第1の流れが中止された後に、少なくとも1つの酸素含有前駆体または酸素含有プラズマを含むフッ素化活性化前駆体(FAP)の第2の流れを前記処理領域に導入することと;
を含み、前記FPは、少なくとも1つの有機フッ素試薬又は少なくとも1つのフッ素化ガスを含む、金属フッ素層を堆積することと;
所定の膜厚を有し、酸素とフッ素の比率が1:1未満であるフッ素化金属膜が形成されるまで、前記ALDチャンバ内で前記金属酸化物含有層を堆積すること及び前記活性化フッ素化プロセスによって前記金属フッ素層を堆積することを、繰り返すことと
を含む方法。
【請求項2】
前記ALDプロセスが:
酸素含有前駆体の第1の流れを前記処理領域に導入することと;
金属含有前駆体の第2の流れを前記処理領域に導入することと;
所定の層厚を有する金属酸化物含有層が形成されるまで、前記酸素含有前駆体の第1の流れを導入すること及び前記金属含有前駆体の第2の流れを導入することを繰り返すことと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属含有前駆体がアルミニウム含有前駆体である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記FAPが、マイクロ波、RF、リモートプラズマ、熱線、電子ビーム、及び酸化プラズマ源若しくは還元プラズマ源のいずれか1つによって形成されたHO、O、O、又は酸素ラジカル含有プラズマの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属酸化物含有層が所定の層厚を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記金属酸化物含有層が、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、スカンジウム(Sc)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ホルミウム(Ho)、ランタン(La)、ルテチウム(Lu)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ジルコニウム(Zr)、又はハフニウム(Hf)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ALDプロセスが:
イットリウム含有前駆体の第1の流れを前記処理領域に導入することと;
酸素含有前駆体の第2の流れを前記処理領域に導入することと;
所定の層厚を有する金属酸化物含有層が形成されるまで、前記イットリウム含有前駆体の第1の流れを導入すること及び前記酸素含有前駆体の第2の流れを導入することを繰り返すこととを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの有機フッ素試薬が、ヘキサフルオロアセチルアセトナート(HHFAC)、テトラフルオロプロノール(TFP)、ヘキサフルオロプロパノール(HFP)、又は1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)の1つ又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフッ素化ガスが、三フッ化窒素(NF)、五フッ化リン(PF)、又は六フッ化硫黄(SF)の1つ又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
フッ素化金属膜を形成する方法であって、
金属酸化物含有層原子層堆積(ALD)プロセスを使用して、対象物上に金属酸化物含有層を堆積することであって、前記ALDプロセスが:
処理領域を有するALDチャンバ中に対象物を配置すること;
酸素含有前駆体の第1の流れを前記処理領域に導入すること;
金属含有前駆体の第2の流れを前記処理領域に導入すること;及び
所定の層厚を有する前記金属酸化物含有層が形成されるまで、前記酸素含有前駆体の第1の流れを導入すること及び前記金属含有前駆体の第2の流れを導入することを繰り返すことを含む、対象物上に金属酸化物含有層を堆積することと;
前記ALDチャンバ中に前記対象物が配置された状態で、前記ALDチャンバ内で、活性化フッ素化プロセスを使用して、前記金属酸化物含有層上に金属フッ素層を堆積することであって、前記活性化フッ素化プロセスが:
少なくとも1つの有機フッ素試薬又は少なくとも1つのフッ素化ガスを含むフッ素前駆体(FP)の第3の流れを前記処理領域に導入すること;及び
前記第3の流れが中止された後に、少なくとも1つの酸素含有前駆体または酸素含有プラズマを含むフッ素化活性化前駆体(FAP)の第4の流れを前記処理領域に導入することを含む、金属フッ素層を堆積することと;
所定の膜厚を有し、酸素とフッ素の比率が1:1未満であるフッ素化金属膜が形成されるまで、前記ALDチャンバ内で前記金属酸化物含有層を堆積すること及び前記活性化フッ素化プロセスによって前記金属フッ素層を堆積することを繰り返すことと
を含む方法。
【請求項11】
前記金属含有前駆体がアルミニウム含有前駆体である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記金属酸化物含有層が、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、スカンジウム(Sc)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ホルミウム(Ho)、ランタン(La)、ルテチウム(Lu)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ジルコニウム(Zr)、又はハフニウム(Hf)のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記FAPが、マイクロ波、RF、リモートプラズマ、熱線、電子ビーム、及び酸化プラズマ源若しくは還元プラズマ源のいずれか1つによって形成されたHO、O、O、又は酸素ラジカル含有プラズマの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
フッ素化金属膜を形成する方法であって、
金属酸化物含有層原子層堆積(ALD)プロセスを使用して、対象物上に金属酸化物含有層を堆積することであって、前記ALDプロセスが:
処理領域を有するALDチャンバ中に対象物を配置すること;
イットリウム含有前駆体の第1の流れを前記処理領域に導入することと;
酸素含有前駆体の第2の流れを前記処理領域に導入することと;
所定の層厚を有する金属酸化物含有層が形成されるまで、前記イットリウム含有前駆体の第1の流れを導入すること及び前記酸素含有前駆体の第2の流れを導入することを繰り返すことを含む、対象物上に金属酸化物含有層を堆積することと;
前記ALDチャンバ中に前記対象物が配置された状態で、前記ALDチャンバ内で、活性化フッ素化プロセスを使用して、前記金属酸化物含有層上に金属フッ素層を堆積することであって、前記活性化フッ素化プロセスが:
フッ素前駆体(FP)の第3の流れを前記処理領域に導入することであって、前記FPは、少なくとも1つの有機フッ素試薬又は少なくとも1つのフッ素化ガスを含む、フッ素前駆体(FP)の第3の流れを前記処理領域に導入すること;及び
前記第3の流れが中止された後に、少なくとも1つの酸素含有前駆体または酸素含有プラズマを含むフッ素化活性化前駆体(FAP)の第4の流れを前記処理領域に導入することを含む、前記金属酸化物含有層上に金属フッ素層を堆積することと;
所定の膜厚を有し、酸素の原子百分率20%未満であるフッ素化金属膜が形成されるまで、前記ALDチャンバ内で前記金属酸化物含有層を堆積すること及び前記活性化フッ素化プロセスによって前記金属フッ素層を堆積することを繰り返すこととを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
分野
[0001]本開示の実施形態は、概して、フッ素化金属膜を形成する方法に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、フッ素化金属膜を形成する方法で構成要素をコーティングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
[0002]半導体、OLED、及び基板、チャンバ部品、チャンバツール、チャンバ、チャンバメインフレームなどのフラットパネルデバイスの洗浄又は製造では、デバイス上にフッ素化コーティングを形成することが望ましい場合が多々ある。フッ素化コーティングが存在しないと、半導体、OLED、及びフラットパネル処理中にハロゲン化プラズマが半導体、OLED、及びフラットパネルデバイスの表面を腐食する可能性がある。存在する可能性のある表面の腐食は、半導体、OLED、及びフラットパネルの性能に影響を与え、製品の歩留まり、チャンバの稼働時間、及び顧客のコストに影響を与える可能性がある。
【0003】
[0003]現在のほとんどのフッ素化コーティング技術は、HF-ピリジン及びフッ素などの、フッ素化コーティングの特性を正確に制御できない材料を利用している。したがって、当技術分野で必要とされるのは、フッ素化コーティングを形成する改良された方法である。
【発明の概要】
【0004】
[0004]一実施形態では、フッ素化金属膜を形成する方法が提供される。方法は、処理領域を有する原子層堆積(ALD)チャンバ中に対象物を配置することと、ALDプロセスを使用して対象物上に金属酸化物含有層を堆積することと、活性化フッ素化プロセスを使用して金属酸化物含有層上に金属フッ素層を堆積することと、所定の膜厚のフッ素化金属膜が形成されるまで、金属酸化物含有層を堆積すること及び金属フッ素層を堆積することを、繰り返すこととを含む。活性化フッ素化プロセスは、フッ素前駆体(FP)の第1の流れを処理領域に導入することを含む。FPは、少なくとも1つの有機フッ素試薬又は少なくとも1つのフッ素化ガスを含む。
【0005】
[0005]別の実施形態では、フッ素化金属膜を形成する方法が提供される。方法は、金属酸化物含有層原子層堆積(ALD)プロセスを使用して、対象物上に金属酸化物含有層を堆積することと、活性化フッ素化プロセスを使用して、金属酸化物含有層上に金属フッ素層を堆積することと、所定の膜厚のフッ素化金属膜が形成されるまで、金属酸化物含有層を堆積すること及び金属フッ素層を堆積することを繰り返すこととを含む。ALDプロセスは、処理領域を有するALDチャンバに対象物を配置することと、酸素含有前駆体の第1の流れを処理領域に導入することと、金属含有前駆体の第2の流れを処理領域に導入することと、所定の層厚を有する金属酸化物含有層が形成されるまで、酸素含有前駆体の第1の流れを導入すること及び金属含有前駆体の第2の流れを導入することを繰り返すこととを含む。活性化フッ素化プロセスは、フッ素前駆体(FP)の第3の流れを処理領域に導入すること、及びフッ素化活性化前駆体(FAP)の第4の流れを処理領域に導入することを含む。FPは、少なくとも1つの有機フッ素試薬又は少なくとも1つのフッ素化ガスを含む。
【0006】
[0006]さらに別の実施形態では、フッ素化金属膜を形成する方法が提供される。方法は、金属酸化物含有層原子層堆積(ALD)プロセスを使用して、対象物上に金属酸化物含有層を堆積することと、活性化フッ素化プロセスを使用して、金属酸化物含有層上に金属フッ素層を堆積することと、所定の膜厚のフッ素化金属膜が形成されるまで、金属酸化物含有層を堆積すること及び金属フッ素層を堆積することを繰り返すこととを含む。ALDプロセスは、処理領域を有するALDチャンバに対象物を配置することと、イットリウム含有前駆体の第1の流れを処理領域に導入することと、酸素含有前駆体の第2の流れを処理領域に導入することと、イットリウム含有前駆体の第1の流れを導入することを繰り返すことと、所定の層厚を有する金属酸化物含有層が形成されるまで、イットリウム含有前駆体の第1の流れを導入すること及び酸素含有前駆体の第2の流れを導入することを繰り返すこととを含む。活性化フッ素化プロセスは、フッ素前駆体(FP)の第3の流れを処理領域に導入すること、及びフッ素化活性化前駆体(FAP)の第4の流れを処理領域に導入することを含む。FPは、少なくとも1つの有機フッ素試薬又は少なくとも1つのフッ素化ガスを含む。
【0007】
[0007]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができ、そのいくつかは添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態のみを例示し、したがってその範囲を限定すると見なされるべきではなく、他の同等に有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]一実施形態による原子層堆積チャンバの概略図である。
図2】[0009]一実施形態によるフッ素化金属膜を形成する方法の操作を示す流れ図である。
図3A-3C】[0010]A~Cは、一実施形態によるフッ素化金属膜を形成する方法中の基板の概略断面図である。
図4】[0011]一実施形態による、フッ素化金属膜を形成する方法の活性化フッ素化プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0012]理解を容易にするために、可能な場合は、図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。一実施形態の要素及び特徴は、さらに再度引用することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0010】
[0013]ここに記載の実施形態は、フッ素化金属膜を形成する方法に関する。方法は、原子層堆積(ALD)プロセスを使用して、対象物上に金属酸化物含有層を堆積することと、活性化フッ素化プロセスを使用して、金属酸化物含有層上に金属フッ素層を堆積することと、所定の膜厚のフッ素化金属膜が形成されるまで、金属酸化物含有層を堆積すること及び金属酸化物含有層を堆積することを繰り返すこととを含む。
【0011】
[0014]図1は、原子層堆積(ALD)チャンバ100の概略図である。以下に記載されるチャンバは例示的なチャンバであり、他の製造業者からのチャンバを含む他のチャンバは、フッ素化金属膜300を形成するそのような方法200などのように、本開示の態様を達成するために使用又は修正され得ることは理解されたい。
【0012】
[0015]ALDチャンバ100は、チャンバ本体101を含む。チャンバ本体は、本体部分102、蓋部分104、及び支持アセンブリ112を含む。チャンバ本体101の本体部分102と蓋部分104との間には入口108及び出口110が配置されている。支持アセンブリ112は、チャンバ本体101の本体部分102内に少なくとも部分的に配置されている。支持アセンブリ112は、ステム116によってチャンバ本体101内に移動可能に配置されたペデスタル114を含む。ペデスタル114は、ここでさらに詳細に説明される、対象物302を支持するように構成された支持面118を含む。ステム116は、チャンバ本体101を通って延在し、処理位置(図示せず)と移送位置との間でペデスタル114を移動させるリフトシステム(図示せず)に接続されている。移送位置は、本体部分102の側壁に形成された開口部120を介した対象物302の移送を容易にして、ALDチャンバ100の内部へのアクセスを提供する。
【0013】
[0016]処理位置において、支持アセンブリ112のペデスタル114は、本体部分102と接触して、支持面118、本体部分102の上面、及び蓋部分104の下面によって画定される処理領域122を形成する。処理位置にある支持アセンブリ112が本体部分102に接触して処理領域122を形成するとき、入口108及び出口110は、処理領域122と流体連絡している。このようにして、ガスは、入口108を介して処理領域122に提供される。ガスは、処理領域122内を対象物302を横切って流れ、ポンプ124によって出口110を通って排出される。RF(無線周波数)源126は、蓋部分104の電極128に結合されている。RF源126は、電極128に電力を供給して、処理領域122内のガスからのプラズマの生成を容易にする。ペデスタル114は接地されているか、又はペデスタル114は、RF源126に接続されたときにカソードとして機能して、蓋部分104の下面とペデスタル114との間に容量性電界を生成し、プラズマ種を対象物301に向かって加速することができる。
【0014】
[0017]図2は、図3A図3Cに示されるように、フッ素化金属膜300を形成する方法200の操作を示す流れ図である。説明を容易にするために、図1は、図1図3A図3C、及び図4を参照して説明され、方法200で利用される活性化フッ素化プロセスの概略図である。しかしながら、図1のALDチャンバ100以外のALDチャンバは、方法200と組み合わせて利用され得ることに留意されたい。
【0015】
[0018]操作201において、第1の金属酸化物含有層302aは、ALDプロセスを利用して対象物302上に堆積される。対象物301は、基板、チャンバ部品、チャンバツール、チャンバ、及びチャンバメインフレームであり得る。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、第1の金属酸化物含有層の金属は、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、スカンジウム(Sc)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ホルミウム(Ho)、ランタン(La)、ルテチウム(Lu)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、イテルビウム(Yb)、ジルコニウム(Zr)、又はハフニウム(Hf)のうちの少なくとも1つを含む。ALDプロセスは、ALDチャンバ100内に対象物301を移送すること、及びペデスタル114上に対象物301を配置することを含む。ALDプロセスを利用して堆積された第1の金属酸化物含有層302aは、所定の層厚306を有する。
【0016】
[0019]ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、 の第1の金属酸化物含有層302aを堆積するALDプロセスは、処理領域122にイットリウム含有前駆体の流れを導入することを含む。処理領域122を横切って流れるイットリウム含有前駆体は、対象物301を横切って流れ、対象物301上イットリウム含有層を形成する。酸素含有前駆体の流れが処理領域122に提供される。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、酸素含有前駆体は、HO、O又はOを含む。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、処理領域122を横切って流れる酸素含有前駆体は、対象物301を横切って流れ、プラズマに活性化されて酸素ラジカルを形成する。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、酸素ラジカルは、処理領域122に酸素ラジカルを提供する遠隔プラズマ源で形成され得る。酸素ラジカルが形成される実施形態では、酸素ラジカルは、対象物301上のイットリウムの層と反応して、対象物301上にYの層を形成する。イットリウム含有前駆体を流すこと、酸素含有前駆体を流すこと、及びいくつかの実施形態では、酸素含有前駆体のプラズマへ活性化することの繰り返しは、所定の層厚306を有する第1の金属酸化物を含有するYの層302aが形成されるまで継続される。
【0017】
[0020]ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、Alの第1の金属酸化物含有層302aを堆積するALDプロセスは、酸素含有前駆体の流れを処理領域122に導入することを含む。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、酸素含有前駆体はOを含む。処理領域122を横切って流れる酸素含有前駆体は、対象物301を横切って流れ、プラズマに活性化されて、酸素ラジカルを形成する。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、酸素ラジカルは、処理領域122に酸素ラジカルを提供する遠隔プラズマ源で形成され得る。酸素ラジカルが形成される実施形態では、酸素ラジカルを、対象物301と反応させて酸素の層を堆積する。トリメチルアルミニウム(CHAl(TMA)などのアルミニウム含有前駆体の流れが、処理領域122に提供される。処理領域122を横切って流れるアルミニウム含有前駆体は、対象物301を横切って流れ、対象物301上の酸素の層と反応し、対象物301上にAlの層を形成する。酸素含有前駆体を流すこと、いくつかの実施形態では、酸素含有前駆体のプラズマへ活性化すること、及びアルミニウム含有前駆体を流すことの繰り返しは、所定の層厚306を有する第1の金属酸化物を含有するAlの層302aが形成されるまで継続する。
【0018】
[0021]操作202において、第1の金属フッ素層304aは、活性化されたフッ素化プロセスを利用して、第1の金属酸化物含有層302a上に堆積される。金属酸化物含有層。図4に示されるように、操作202の活性化フッ素化プロセスは、処理領域122へフッ素前駆体(FP)の流れを導入することを含む。処理領域122を横切って流れるFPは、対象物310を横切って流れる。FPは、第1の金属-フッ素層304aの末端ヒドロキシル基又は他の表面基と反応し、第1の金属酸化物含有層302aの金属と結合する。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、FPは、少なくとも1つの有機フッ素試薬を含む。有機フッ素試薬の例には、ヘキサフルオロアセチルアセトナート(HHFAC)、テトラフルオロプロノール(TFP)、ヘキサフルオロプロパノール(HFP)、又は1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)の少なくとも1つが含まれるが、これらに限定されない。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、FPは、少なくとも1つのフッ素化ガスを含む。フッ素化ガスの例には、三フッ化窒素(NF)、五フッ化リン(PF)、又は六フッ化硫黄(SF)のうちの少なくとも1つが含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
[0022]フッ素化活性化前駆体(FAP)の流れは処理領域122に提供される。処理領域122を横切って流れるFAPは、対象物301を横切って流れ、対象物301上の第1の金属酸化物含有層302aの金属に結合したFPと反応し、第1の金属酸化物含有層302a上に第1の金属フッ素層304aを形成する。1の金属フッ素層304aは、第1の金属酸化物含有層302aの末端金属と結合するフッ素を有する。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、FAPは、少なくとも1つの酸素含有前駆体を含む。酸素含有前駆体の例には、HO、オゾン(O)が含まれるが、これらに限定されない。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、FAPは、酸素含有プラズマを含む。酸素含有プラズマは、酸素含有前駆体を処理領域122を横切って流すこと、及び酸素含有前駆体を酸素含有プラズマに活性化することによって形成することができる。酸素含有プラズマは、酸素含有プラズマのラジカルを処理領域122に提供する遠隔プラズマ源で形成することができる。ここに記載の実施形態では、マイクロ波、RF、リモートプラズマ、熱線、電子ビーム、及び酸化プラズマ源若しくは還元プラズマ源のいずれか1つによって形成されたHO、O、O、又は酸素ラジカル含有プラズマの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0020】
[0023]操作203において、所定の膜厚310のフッ素化金属膜300が形成されるまで操作201及び202を繰り返し、複数の金属酸化物含有層及び金属フッ素層302a、304a、302b、304b、302c、304c、…、302n、304nを形成する。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、金属酸化物含有層302a、302b、302c、302nの1つは、異なる所定の層の厚さ306を有する。金属酸化物含有層302a、302b、302c、302nのそれぞれの所定の層厚306は、フッ素対酸素(O:F)比及びフッ素化金属膜300の酸素の原子百分率の制御を提供する。直接フッ素化プロセスでは、HF又はフッ素(F2)などのフッ素前駆体がフッ素化剤として直接利用され、制御されていないフッ素拡散を引き起こす可能性がある。活性化フッ素化プロセスでは、FPは金属酸化物含有層と反応して表面付加物を生成する。FAPは付加物と反応し、制御された方法でFPからフッ素原子を放出する。付加物の反応及びフッ素原子の放出は、フッ素化金属膜300のO:F比及び酸素の原子百分率の制御を容易にする。O:F比及び酸素の原子百分率を制御することは、耐食性及びフッ素化金属膜300の適用を調整する能力を提供する。いくつかの実施形態では、O:F比は、1:6未満など、1:1未満である。いくつかの実施形態では、酸素の原子百分率は、20%未満、例えば10%未満である。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、金属酸化物含有層302a、302b、302c、302nは、フッ素化金属膜300が5%未満の酸素含有量を有する純粋な金属フッ化物からなるように、すなわち、フッ素化金属膜300の酸素の原子百分率が5%未満であるように、原子百分率の酸素を有する。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、金属酸化物含有層302a、302b、302c、302nは、フッ素化金属膜300が2%未満の酸素含有量を有する純粋な金属フッ化物からなる、すなわち、フッ素化金属膜300の酸素の原子百分率が2%未満であるように、原子百分率の酸素を有する。
【0021】
[0024]ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、処理領域122内の温度は約150℃~400℃であり、処理領域122内の圧力は、方法200中、約0.01mbar~100mbarである。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、処理領域122内の温度は、O:F比及び酸素の原子百分率を制御する。例えば、処理領域122の温度が約250℃~300℃の間であることで、その結果、O:F比は1:2未満、酸素の原子百分率は20%未満、フッ素の原子百分率は50%を超える。ここに記載の他の実施形態と組み合わせることができる方法200の例示的な実施形態では、操作201は、イットリウム含有前駆体の流れを処理領域122に約1ミリセカンド(ミリ秒)~約100秒(秒)の間導入することと、処理領域122をパージするために処理領域122にパージガスの流れを約1ミリ秒~約1000秒導入することと、処理領域122でHO、O、Oプラズマ、及びOの少なくとも1つを含む前駆体を約1ミリ秒~約100秒間流し、活性化することと、パージガスの流れを処理領域122に約1ミリ秒~約1000秒導入することとを含む。操作202は、FPを処理領域122に約1ミリ秒~約100秒導入することと、パージガスの流れを処理領域122に約1ミリ秒~約1000秒導入することと、FAPを処理領域122に約1ミリ秒~約100秒間導入することと、パージガスの流れを処理領域122に約1ミリ秒~約1000秒導入することとを含む。操作201及び202は、所定の膜厚310を有するフッ素化金属膜300が形成されるまで繰り返される。
【0022】
[0025]要約すると、フッ素化金属膜を形成する方法が提供される。ALDプロセスと活性化フッ素化プロセスを利用することで、ALDプロセスと活性化フッ素化プロセスの繰り返しによって形成されるフッ素化金属膜の正確な原子制御が可能になる。例えば、金属酸化物含有層のそれぞれの所定の層厚は、フッ素化金属膜のO:F比及び所定の膜厚を制御する。
【0023】
[0026]上記は本開示の例に向けられているが、本開示の他のさらなる例は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3A-3C】
図4