(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20231218BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20231218BHJP
G02F 1/13363 20060101ALI20231218BHJP
G02B 5/00 20060101ALN20231218BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02B5/30
G02F1/13363
G02B5/00 Z
(21)【出願番号】P 2022547583
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 JP2021032655
(87)【国際公開番号】W WO2022054757
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2020152570
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅明
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 達也
(72)【発明者】
【氏名】大室 克文
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/022800(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/045098(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/034481(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/001448(WO,A1)
【文献】特開2011-197409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/13363
G02B 5/30
G02B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1偏光子と、
液晶セルと、
第2偏光子と、
点光源を利用する直下型バックライトと、この順で有する、液晶表示装置であって、
前記第2偏光子と、前記直下型バックライトとの間に、さらに光制御部材を有し、
下記式(1)~(3)の関係を満たす、液晶表示装置。
式(1) 70%≦(I20/I0)×100≦90%
式(2) 10%≦(I40/I0)×100≦35%
式(3) 1%≦(I60/I0)×100≦20%
前記第1偏光子の吸収軸方向を方位角0°とし、方位角を表す際に視認側から見て前記第1偏光子の吸収軸方向を基準に反時計回りを正の値で表す場合、
I0は、前記液晶表示装置を白表示にし、極角0°かつ方位角0°において測定される輝度を表し、
I20は、前記液晶表示装置を白表示にし、極角20°かつ方位角45°において測定される輝度と、極角20°かつ方位角135°において測定される輝度と、極角20°かつ方位角225°において測定される輝度と、極角20°かつ方位角315°において測定される輝度とを算術平均して得られる平均輝度を表し、
I40は、前記液晶表示装置を白表示にし、極角40°かつ方位角45°において測定される輝度と、極角40°かつ方位角135°において測定される輝度と、極角40°かつ方位角225°において測定される輝度と、極角40°かつ方位角315°において測定される輝度とを算術平均して得られる平均輝度を表し、
I60は、前記液晶表示装置を白表示にし、極角60°かつ方位角45°において測定される輝度と、極角60°かつ方位角135°において測定される輝度と、極角60°かつ方位角225°において測定される輝度と、極角60°かつ方位角315°において測定される輝度とを算術平均して得られる平均輝度を表す。
【請求項2】
前記光制御部材が、式(4)~(6)の関係を満たす第1光学異方性層を有する、請求項1に記載の液晶表示装置。
式(4) 0nm≦Re1(550)≦300nm
式(5) 100nm≦|Rth1(550)|≦1000nm
式(6) |Nz|≧1.2
Re1(550)は、前記第1光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションを表す。Rth1(550)は、前記第1光学異方性層の波長550nmにおける厚み方向のレタデーションを表す。Nzは、前記第1光学異方性層のNzファクターを表す。
【請求項3】
前記光制御部材が、二色性物質を含む光吸収異方性層を有し、
前記光吸収異方性層の表面に対して最も透過率が高い方向を透過軸とした際に、前記光吸収異方性層の法線方向と前記透過軸とのなす角度が0~45°である、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記光制御部材が、光透過帯と遮光帯とが交互に繰り返して配置されているルーバー層を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1偏光子と前記液晶セルとの間、および、前記第2偏光子と前記液晶セルとの間の少なくとも一方に、式(7)~(8)の関係を満たすポジティブAプレートと、式(9)~(10)の関係を満たすポジティブCプレートとを含む第2光学異方性層を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
式(7) 80nm≦ReA(550)≦160nm
式(8) 0.75<ReA(450)/ReA(550)<1.00
式(9) -160nm≦RthC(550)≦-60nm
式(10) 0.75<RthC(450)/RthC(550)<1.00
ReA(550)は、前記ポジティブAプレートの波長550nmにおける面内レタデーションを表す。ReA(450)は、前記ポジティブAプレートの波長450nmにおける面内レタデーションを表す。RthC(550)は、前記ポジティブCプレートの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションを表す。RthC(450)は、前記ポジティブCプレートの波長450nmにおける厚み方向のレタデーションを表す。
【請求項6】
前記第1偏光子と前記液晶セルとの間、および、前記第2偏光子と前記液晶セルとの間の少なくとも一方に、式(11)~(12)の関係を満たす第3光学異方性層を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
式(11) 200nm≦Re3(550)≦400nm
式(12) 0nm≦|Rth3(550)|≦50nm
Re3(550)は、前記第3光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションを表す。Rth3(550)は、前記第3光学異方性層の波長550nmにおける厚み方向のレタデーションを表す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、印加電圧の変化に伴って液晶の透過率が変化することを利用し、電気的な情報を視覚情報に変えて表示する電子素子である。
液晶表示装置においてはバックライトユニットが使用されており、例えば、特許文献1では、液晶表示パネルの真下に配置された直下型バックライトが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、特許文献1に記載されるような直下型バックライトの液晶表示装置の特性について検討したところ、明暗差が大きい部分において、本来、黒を表示する部分にも光が回り込んで明部の輪郭が滲んでしまうハローが生じることを知見した。
また、液晶表示装置においては、表示品位に優れることも合わせて求められる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、表示品位に優れ、ハローの発生が抑制された液晶表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
【0007】
(1) 第1偏光子と、
液晶セルと、
第2偏光子と、
点光源を利用する直下型バックライトと、この順で有する、液晶表示装置であって、
第2偏光子と、直下型バックライトとの間に、さらに光制御部材を有し、
後述する式(1)~(3)の関係を満たす、液晶表示装置。
(2) 光制御部材が、後述する式(4)~(6)の関係を満たす第1光学異方性層を有する、(1)に記載の液晶表示装置。
(3) 光制御部材が、二色性物質を含む光吸収異方性層を有し、
光吸収異方性層の表面に対して最も透過率が高い方向を透過軸とした際に、光吸収異方性層の法線方向と透過軸とのなす角度が0~45°である、(1)または(2)に記載の液晶表示装置。
(4) 光制御部材が、光透過帯と遮光帯とが交互に繰り返して配置されているルーバー層を有する、(1)~(3)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(5) 第1偏光子と液晶セルとの間、および、第2偏光子と液晶セルとの間の少なくとも一方に、後述する式(7)~(8)の関係を満たすポジティブAプレートと、後述する式(9)~(10)の関係を満たすポジティブCプレートとを含む第2光学異方性層を有する、(1)~(4)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(6) 第1偏光子と液晶セルとの間、および、第2偏光子と液晶セルとの間の少なくとも一方に、後述する式(11)~(12)の関係を満たす第3光学異方性層を有する、(1)~(5)のいずれかに記載の液晶表示装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示品位に優れ、ハローの発生が抑制された液晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の液晶表示装置の一例を示す模式図である。
【
図2】極角および方位角の定義を説明するための図である。
【
図3】直下型バックライトの一例を示す断面図である。
【
図4】直下型バックライトの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
【0011】
遅相軸は、特別な断りがなければ、波長550nmにおける定義である。
【0012】
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan(Axometrics社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
【0013】
本明細書において、屈折率nx、ny、および、nzは、アッベ屈折計(NAR-4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR-M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルターとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
また、本明細書において、Nzファクターとは、Nz=(nx-nz)/(nx-ny)で与えられる値である。
【0014】
本明細書では、「可視光」とは、400~700nmの光のことをいう。
また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
【0015】
本明細書において、ポジティブAプレートは以下のように定義する。ポジティブAプレートは、フィルムの面内遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、以下の式(X)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示す。
式(X):nx>ny≒nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(ny-nz)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「ny≒nz」に含まれる。
また、本明細書において、ポジティブCプレートは以下のように定義する。ポジティブCプレートは、フィルムの面内遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、以下の式(Y)の関係を満たすものである。なお、ポジティブCプレートはRthが負の値を示す。
式(Y):nx≒ny<nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(nx-ny)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「nx≒ny」に含まれる。
【0016】
本発明の液晶表示装置の特徴点としては、光制御部材を所定の位置に配置し、後述するI20/I0、I40/I0、および、I60/I0で表される輝度の比を調整している点が挙げられる。つまり、本発明においては、液晶表示装置の透過光のプロファイルを制御することにより、所望の効果が得られている。
【0017】
以下、本発明の液晶表示装置の一例を、図面を参照して説明する。
図1に示す液晶表示装置10は、第1偏光子12、液晶セル14(液晶セルの上側基板22、液晶層26、液晶セルの下側基板24)、第2偏光子16、光制御部材18、および、点光源を利用する直下型バックライト20をこの順に有する。液晶セル14は、上側基板22と下側基板24と、これらに挟持される液晶層26とを含む。
以下では、まず、液晶表示装置の特徴点である式(1)~(3)の関係について説明し、その後、液晶表示装置10を構成する部材について詳述する。
【0018】
本発明の液晶表示装置は、白表示での透過光が下記式(1)~(3)の関係を満たす。
式(1) 70%≦(I20/I0)×100≦90%
式(2) 10%≦(I40/I0)×100≦35%
式(3) 1%≦(I60/I0)×100≦20%
I0は、液晶表示装置を白表示にし、極角0°かつ方位角0°において測定される輝度を表し、
I20は、液晶表示装置を白表示にし、極角20°かつ方位角45°において測定される輝度と、極角20°かつ方位角135°において測定される輝度と、極角20°かつ方位角225°において測定される輝度と、極角20°かつ方位角315°において測定される輝度とを算術平均して得られる平均輝度を表し、
I40は、液晶表示装置を白表示にし、極角40°かつ方位角45°において測定される輝度と、極角40°かつ方位角135°において測定される輝度と、極角40°かつ方位角225°において測定される輝度と、極角40°かつ方位角315°において測定される輝度とを算術平均して得られる平均輝度を表し、
I60は、液晶表示装置を白表示にし、極角60°かつ方位角45°において測定される輝度と、極角60°かつ方位角135°において測定される輝度と、極角60°かつ方位角225°において測定される輝度と、極角60°かつ方位角315°において測定される輝度とを算術平均して得られる平均輝度を表す。
式(1)中の「(I20/I0)×100」はI0に対するI20の割合を表し、式(2)の「(I40/I0)×100」はI0に対するI40の割合を表し、式(3)の「(I60/I0)×100」はI0に対するI60の割合を表す。
I20、I40およびI60は、液晶表示装置を白表示し、所定の斜め方向から観察した際の輝度の平均値を表し、これらの平均輝度が正面方向の輝度であるI0に対して所定の範囲である場合に、所望の効果が得られる。
【0019】
以下では、まず、
図2に基づいて、上記極角および方位角について説明する。
図2においては、
図1中の液晶表示装置10の第1偏光子12のみを取り出した図に該当する。
図2においては、第1偏光子12の平面(主面。厚み方向に対して垂直な面)をxy平面とし、y軸方向を第1偏光子12の吸収軸とする。よって、
図2においては、y軸方向が方位角0°の基準となる。
図2に示すように、ベクトルv1とz軸の成す各θを極角(第1偏光子12の法線方向とのなす角)と定義し、ベクトルv1のxy平面への投射とy軸(第1偏光子12の吸収軸)とのなす角φを方位角と定義する。つまり、極角とは、第1偏光子の法線方向となす角を意味する。また、方位角とは第1偏光子の吸収軸とのなす角度を表す。
例えば、極角20°とは、
図2中のθが20°である角度を意味する。また、方位角45°とは、
図2中のφが45°である角度を意味する。
なお、本発明において、方位角を表す際には、液晶表示装置中の第1偏光子を視認側から見て、第1偏光子の吸収軸方向を基準に反時計回りを正の値で表す。よって、
図2においては、方位角45°という場合、基準であるy軸から反時計回りに45°回転した方位を意味する。
【0020】
本発明の液晶表示装置は、ハローの効果がより抑制される点、および、表示品位がより優れる点の少なくとも一方の効果が得られる点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)で、式(1A)の関係を満たすことが好ましく、式(1B)の関係を満たすことがより好ましい。
式(1A) 73%≦(I20/I0)×100≦87%
式(1B) 76%≦(I20/I0)×100≦84%
また、本発明の液晶表示装置は、式(2A)の関係を満たすことが好ましく、式(2B)の関係を満たすことがより好ましい。
式(2A) 13%≦(I40/I0)×100≦30%
式(2B) 16%≦(I40/I0)×100≦19%
また、本発明の液晶表示装置は、式(3A)の関係を満たすことが好ましく、式(3B)の関係を満たすことがより好ましい。
式(3A) 1%≦(I60/I0)×100≦15%
式(3B) 2%≦(I60/I0)×100≦5%
【0021】
上記I0、I20、I40、および、I60は、暗室内で液晶表示装置を白表示させ、測定機(EZ-Contrast X L88、ELDIM社製)を用いて所定の極角位置および方位角位置での白輝度を計測することにより求める。
より具体的には、暗室内で液晶表示装置を白表示して、極角が0°(
図2中のθが0°)で、方位角が0°(
図2中のφが0°)の位置に測定機を配置して、輝度を測定することにより、I0を求める。
また、I20に関しては、まず、暗室内で液晶表示装置を白表示して、極角20°(
図2中のθが20°)かつ方位角45°(
図2中のφが45°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度20A)を求め、極角20°(
図2中のθが20°)かつ方位角135°(
図2中のφが135°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度20B)を求め、極角20°(
図2中のθが20°)かつ方位角225°(
図2中のφが225°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度20C)を求め、極角20°(
図2中のθが20°)かつ方位角315°(
図2中のφが315°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度20D)を求める。次に、得られた4つの輝度(輝度20A、輝度20B、輝度20C、輝度20D)を算術平均して、平均輝度を求めて、I20とする。
また、I40に関しては、まず、暗室内で液晶表示装置を白表示して、極角40°(
図2中のθが40°)かつ方位角45°(
図2中のφが45°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度40A)を求め、極角40°(
図2中のθが40°)かつ方位角135°(
図2中のφが135°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度40B)を求め、極角40°(
図2中のθが40°)かつ方位角225°(
図2中のφが225°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度40C)を求め、極角40°(
図2中のθが40°)かつ方位角315°(
図2中のφが315°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度40D)を求める。次に、得られた4つの輝度(輝度40A、輝度40B、輝度40C、輝度40D)を算術平均して、平均輝度を求めて、I40とする。
また、I60に関しては、まず、暗室内で液晶表示装置を白表示して、極角60°(
図2中のθが60°)かつ方位角45°(
図2中のφが45°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度60A)を求め、極角60°(
図2中のθが60°)かつ方位角135°(
図2中のφが135°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度60B)を求め、極角60°(
図2中のθが60°)かつ方位角225°(
図2中のφが225°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度60C)を求め、極角60°(
図2中のθが60°)かつ方位角315°(
図2中のφが315°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度60D)を求める。次に、得られた4つの輝度(輝度60A、輝度60B、輝度60C、輝度60D)を算術平均して、平均輝度を求めて、I60とする。
【0022】
<第1偏光子および第2偏光子>
第1偏光子および第2偏光子の種類は特に制限されず、公知の偏光子が挙げられる。
第1偏光子および第2偏光子としては、例えば、直線偏光子が好ましい。直線偏光子としては、バインダーとヨウ素若しくは二色性物質とからなる偏光子、または、塗布型偏光子が好ましい。
直線偏光子におけるヨウ素および二色性物質は、バインダー中で配向することで偏光性能を発現する。ヨウ素および二色性物質は、バインダー分子に沿って配向するか、または、二色性物質が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。現在、市販の偏光子は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素または二色性物質の溶液に浸漬し、ヨウ素または二色性物質をバインダー中に浸透させることで作製されることが一般的である。
【0023】
第1偏光子および第2偏光子の厚みは特に制限されないが、液晶表示装置の薄型化の点から、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。特に、液晶表示装置の使用時および耐久試験時において、各部材間の寸法変化の違いにより、偏光子に亀裂および破断などの外観不良が発生することを抑止する点から、第1偏光子および第2偏光子の厚みは10μm以下が好ましく、7μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
第1偏光子および第2偏光子の厚みの下限は特に制限されないが、機械的強度の点から、2μm以上が好ましい。
【0024】
<液晶セル>
液晶セルとしては、様々な表示モードの液晶セルを用いることができ、例えば、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FFS(Fringe Field Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、および、HAN(Hybrid Aligned Nematic)が挙げられる。
【0025】
液晶セルの構成は特に制限されないが、液晶層と、液晶層を挟むように配置される上側基板と下側基板とを有する態様が好ましい。上側基板および下側基板の種類は特に制限されないが、例えば、ガラス基板、および、樹脂基板が挙げられる。
上側基板および下側基板の少なくとも一方の基板の表面上には、電極(好ましくは、透明電極)が配置されることが好ましい。
液晶セルには、カラーフィルター層およびTFT(Thin Film Transistor)層が含まれていてもよい。カラーフィルター層およびTFT層の位置は特に制限されず、上側基板または下側基板のいずれかの表面に配置されることが一般的である。カラーフィルター層およびTFT層は、上側基板と下側基板との間に配置されることが好ましい。
【0026】
液晶層中の液晶性化合物の遅相軸(黒表示時の遅相軸)と、第2偏光子の吸収軸とが平行になるよう配置されることが好ましい。
また、液晶セルは、少なくとも青色、緑色、および赤色のサブピクセルからなる画素を有することが好ましい。
【0027】
<直下型バックライト>
本発明の液晶表示装置は、点光源を利用する直下型バックライトを有する。直下型バックライトは、液晶セルの視認側とは反対側に点光源を有するバックライトである。
上記直下型バックライトの構成は特に制限されず、公知の直下型バックライトが挙げられる。
図3および4に、直下型バックライトの一例を示す。
図3は、直下型バックライトの断面図を表し、
図4は直下型バックライトの平面図を表す。
図3および4に示すように、直下型バックライト30は、基板32と、基板32上に2次元状に配置された複数の点光源34とを有する。複数の点光源34は、ローカルディミング方式による駆動が可能であり、ローカルディミング駆動の最小単位は1つの点光源であってもよいし、2つ以上の点光源であってもよい。
【0028】
点光源の種類は特に制限されず、例えば、LED(light emitting diode)、および、レーザー光源が挙げられる。
点光源は白色光源であってもよいし、異なる発光色の光源が複数使用されてもよい。
点光源としては、
図3中のサイズSが1.0mm以下(好ましくは0.6mm以下、より好ましくは0.15mm以下)のミニLEDが好ましい。
点光源の配置は、2次元格子状に配列された格子状配置が好適であるが、三角形配置および六角形配置などでもよい。なお、ここで「2次元格子状に配列された格子状配置」とは、一方向に一定のピッチで複数の点光源が配列された光源列が、その一方向に交差する方向に複数列配列され、2次元格子の格子点に点光源が位置した配置を意味する。上記一方向と交差する方向とが直交しており、光源列における点光源のピッチと光源列の配列ピッチとが同一である場合、格子が正方形となり、光源列における点光源のピッチと光源列の配置ピッチとが相違する場合、格子が長方形となる。また、上記一方向と交差する方向が直交していない場合、格子は平行四辺形となる。このように点光源は、規則的に配列されていることが好ましいが、不規則に配列されていてもよい。
なお、最も近い点光源同士の間隔Pは2~20mmであることが好ましい。規則配列されている場合には、点光源同士の間隔は配置ピッチを意味する。
【0029】
点光源を配置する基板の種類は特に制限されないが、反射板が好ましい。
反射板としては、例えば、白色PET(polyethylene terephthalate)、および、ポリエステル系樹脂を用いた多層膜フィルムからなる反射面を有する反射板が挙げられる。
【0030】
<光制御部材>
本発明の液晶表示装置が有する光制御部材は上述した式(1)~(3)の要件が満たされれば特に制限されないが、以下の態様1~3が好ましい。
態様1:後述する式(4)~(6)の関係を満たす第1光学異方性層
態様2:二色性物質を含む光吸収異方性層であって、光吸収異方性層の表面に対して最も透過率が高い方向を透過軸とした際に、光吸収異方性層の法線方向と透過軸とのなす角度が0~45°である光吸収異方性層
態様3:光透過帯と遮光帯とが交互に繰り返して配置されているルーバー層
以下、態様1~3について詳述する。
【0031】
(態様1)
光制御部材として、式(4)~(6)の関係を満たす第1光学異方性層が挙げられる。
式(4) 0nm≦Re1(550)≦300nm
式(5) 100nm≦|Rth1(550)|≦1000nm
式(6) |Nz|≧1.2
Re1(550)は、第1光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションを表す。Rth1(550)は、第1光学異方性層の波長550nmにおける厚み方向のレタデーションを表す。Nzは、第1光学異方性層のNzファクターを表す。式(5)において|Rth1(550)|は、Rth1(550)の絶対値を表す。式(6)において|Nz|は、Nzファクターの絶対値を表す。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、第1光学異方性層は式(4A)~(6A)の関係を満たすことが好ましい。
式(4A) 100nm≦Re1(550)≦300nm
式(5A) 200nm≦|Rth1(550)|≦600nm
式(6A) 2.0≦|Nz|≦8.0
【0032】
第1光学異方性層は上記光学特性を満たせば、その構成は特に制限されず、例えば、ポリマーフィルム(特に、延伸処理が施されたポリマーフィルム)、および、液晶性化合物を用いて形成されたフィルムが挙げられる。
【0033】
(態様2)
光制御部材としては、二色性物質を含む光吸収異方性層であって、光吸収異方性層の表面に対して最も透過率が高い方向を透過軸とした際に、光吸収異方性層の法線方向と透過軸とのなす角度が0~45°である光吸収異方性層が挙げられる。
光吸収異方性層の法線方向と透過軸とのなす角度は、本発明の効果がより優れる点で、上記角度は0~20°がより好ましく、0~10°がさらに好ましい。
上記透過軸の測定方法としては、AxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)において、波長550nmにおける、光吸収異方性層のミューラーマトリックスを測定する。測定の際には、光吸収異方性層の法線方向に対する角度である極角を0~90°まで5°毎に変更しつつ、各極角における全方位角度での透過率を測定し、最も透過率が大きくなる方向を透過軸とする。
【0034】
光吸収異方性層が、上記のような透過軸の方位を達成するためには、二色性物質の長軸と光吸収異方性層の厚み方向とのなす角度が0~45°(好ましくは、0~20°)となるように調整することが好ましい。
なかでも、光吸収異方性層中において二色性物質を垂直配向させることが好ましい。言い換えれば、二色性物質の長軸方向を異方性光吸収層の厚み方向に略平行となるように、二色性物質を配向させることが好ましい。「略平行」とは、二色性物質の長軸方向を異方性光吸収層の厚み方向とのなす角度が0~45°であることを意味する。
【0035】
光吸収異方性層の波長550nmにおける配向度は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、0.95以上がさらに好ましい。上限としては、1.00が挙げられる。
上記配向度は、以下の方法におり算出される。
まず、AxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)において、波長550nmにおける、光吸収異方性層のミューラーマトリックスを極角を-70°~70°まで5°毎に計測する。次に、表面反射の影響を除去した後、スネルの式やフレネルの式を考慮した下記理論式にフィッティングすることにより、ko[λ]、ke[λ]が算出される。
k=-log(T)×λ/(4πd)
この得られたko[λ]、ke[λ]より、面内方向および厚さ方向の吸光度、二色比を算出し、最終的に配向度を求める。
【0036】
光吸収異方性層の正面方向における波長550nmにおける透過率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、90%以下の場合が多い。
【0037】
透過軸から30°傾けた方向における波長550nmにおける透過率は、60%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。
【0038】
上述した光吸収異方性層の透過率は、二色性物質の濃度、光吸収異方性層の厚みなどによって、適宜調整できる。
【0039】
光吸収異方性層は、二色性物質および液晶性化合物を含む組成物を用いて形成されることが好ましい。
二色性物質とは、分子の長軸方向における吸光度と、短軸方向における吸光度とが異なる性質を有する物質をいう。
なお、二色性物質は、その分子形状から、棒状の二色性物質と、円盤状の二色性物質とが挙げられ、棒状の二色性物質が好ましい。
二色性物質の極大吸収波長は、400~500nmが好ましく、440~480nmがより好ましい。
二色性物質の極大吸収波長の測定方法としては、二色性物質を含むクロロホルム溶液(濃度:10mg/L)および二色性物質を含まないリファレンスを用意して、分光光度計(島津製作所株式会社製 UV-3150)(方式:ダブルビーム法、波長範囲:2nmステップで380~680nm)を用いて、二色性物質の吸収スペクトルを測定して、二色性物質の極大吸収波長を求める。
【0040】
二色性物質としては、アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタレン色素、アゾ色素、および、アントラキノン色素が挙げられ、アゾ色素が好ましい。アゾ色素としては、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、および、スチルベンアゾ色素が挙げられ、ビスアゾ色素、または、トリスアゾ色素が好ましい。また、特開2018-053167号公報に記載の化合物も好ましい。
【0041】
二色性物質は、重合性基を有していてもよい。二色性物質が重合性基を有することで、二色性物質の使用量が多い場合でも、異方性光吸収層の架橋度が低下せず、薄くても高い選択波長吸収性を示しつつ、耐久性に優れた異方性光吸収層を形成できる。
重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、スチリル基、p-(2-フェニルエテニル)フェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、および、メタクリロイルオキシ基などのエチレン性不飽和結合を有する重合性基、エポキシ基、並びに、オキセタニル基が挙げられる。
二色性物質は、芳香族環を有することが好ましい。芳香族環としては、芳香族炭化水素環および芳香族複素環が挙げられ、なかでも、芳香族炭化水素環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
【0042】
液晶性化合物は、重合性基を有することが好ましい。つまり、組成物は、重合性液晶性化合物(重合性基を有する液晶性化合物)を含むことが好ましい。重合性基の定義は、二色性物質の欄で説明した通りである。
液晶性化合物は、芳香族環を有することが好ましい。芳香族環としては、芳香族炭化水素環および芳香族複素環が挙げられ、なかでも、芳香族炭化水素環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
【0043】
重合性液晶性化合物としては、重合性基を有する低分子液晶性化合物、および、重合性基を有する高分子液晶性化合物が挙げられる。
ここで、「低分子液晶性化合物」とは、化学構造中に繰り返し単位を有さない液晶性化合物を意味する。また、「高分子液晶性化合物」とは、化学構造中に繰り返し単位を有する液晶性化合物を意味する。
低分子液晶性化合物としては、例えば、特開2013-228706号公報に記載される化合物が挙げられる。
高分子液晶性化合物としては、例えば、特開2011-237513号公報に記載されるサーモトロピック液晶性高分子、および、特開2015-107492号公報に記載される側鎖型液晶性化合物が挙げられる。
【0044】
低分子液晶性化合物としては、分子形状から、棒状液晶性化合物、および、円盤状液晶性化合物に大別でき、二色性物質が棒状の形状を有する場合は、配向秩序度を高める点から、低分子液晶性化合物として棒状液晶性化合物が好ましい。
高分子液晶性化合物は、主鎖型液晶性化合物と側鎖型液晶性化合物とに大別でき、主鎖型液晶性化合物とは、高分子主鎖中に液晶性を示す構造を有する化合物であり、側鎖型液晶性化合物とは高分子側鎖部分に液晶性を示す構造を有する化合物である。得られる異方性光吸収層の配向秩序度が高く、組成物を調製する際に溶媒への溶解性に優れる点で、側鎖型液晶性化合物が好ましい。
【0045】
組成物は、二色性物質および液晶性化合物以外の他の成分を含んでいてもよい。
組成物は、垂直配向剤を含むことが好ましい。組成物が垂直配向剤を含むと、二色性物質および液晶性化合物の配向をより垂直にでき、配向秩序度をより高くできる。
垂直配向剤としては、ボロン酸化合物、および、オニウム塩が挙げられる。
他の成分としては、レベリング剤、重合開始剤、および、溶媒が挙げられる。
【0046】
上述した組成物を用いた異方性光吸収層の形成方法は特に制限されず、所定の基材上に上記組成物を塗布して塗膜を形成する工程(以下、「塗膜形成工程」ともいう。)と、塗膜に含まれる液晶性成分を配向させる工程(以下、「配向工程」ともいう。)と、塗膜に硬化処理を施す工程(以下、「硬化工程」ともいう。)をこの順に含む方法が挙げられる。
以下、上記各工程について詳述する。
【0047】
塗膜形成工程は、所定の基材上に組成物を塗布して塗膜を形成する工程である。
基材の種類は特に制限されず、透明支持体、および、透明支持体上に配置された配向膜を有する積層体が挙げられる。
組成物の塗布方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
【0048】
配向工程は、塗膜に含まれる液晶性成分を配向させる工程である。
配向工程は、乾燥処理を有していてもよい。乾燥処理によって、溶媒などの成分を塗膜から除去できる。
配向工程は、加熱処理を有することが好ましい。これにより、塗膜に含まれる液晶性成分を配向させることができる。
配向工程は、加熱処理後に実施される冷却処理を有していてもよい。
【0049】
硬化工程は、例えば、加熱および/または光照射(露光)によって実施される。このなかでも、硬化工程は光照射によって実施されることが好ましい。
【0050】
(態様3)
光制御部材として、光透過帯と遮光帯とが交互に繰り返して配置されているルーバー層が挙げられる。
以下、図面を用いてルーバー層の態様について説明する。
図5に示すように、ルーバー層40においては、光透過帯42と遮光帯44とが交互に配置されている。ルーバー層40の一方の面上には第1透明保護層46が積層されており、他方の面上に第2透明保護層48が積層されている。
なお、
図6は、
図5中のII-II線の沿う断面図である。
なお、液晶表示装置にはルーバー層が含まれていればよく、第1透明保護層46および第2透明保護層48は含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0051】
ルーバー層40の厚さ方向をZ方向、Z方向に垂直な面内における互いに垂直な2方向をそれぞれX方向、Y方向とすると、ルーバー層40を構成している光透過帯42および遮光帯44はいずれもX方向に延びる帯状であり、Y方向において複数の光透過帯42と複数の遮光帯44とが交互に配されている。複数の光透過帯42のY方向の幅は均一であり、かつX方向において一定である。また複数の遮光帯44のY方向の幅も均一であり、かつX方向において一定である。
【0052】
光透過帯42の材料としては、透明性が高く、かつ、透過光の複屈折が小さい樹脂が用いられる。透明性の点からは、光透過帯42のみに対して、図中Z方向に光を透過させたときの光線透過率が75%以上、好ましくは85%以上であるような、高い透明性を有する樹脂材料が好ましい。
例えば、透明性が高く、かつ複屈折が小さい樹脂の具体例としては、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に、シクロオレフィンポリマー)、セルロース系樹脂、および、アクリル樹脂が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂が好ましく、特に耐熱性も良好である点でシリコーンゴムがより好ましい。
なお、上記「光線透過率」の値は、光源としてJIS Z 8720に規定されるD65を用い、光源から出射された検査光の強度を受光センサーで測定する装置において、検査光の光路上に被測定物が無い状態での受光センサーの出力値をA、検査光の光路上に被測定物をセットし、被測定物を透過した透過光が受光センサーで受光される状態での出力値をBとするとき、光線透過率=(B/A)×100(単位;%)で求められる値とする。
【0053】
遮光帯44の材料としては、光透過帯42の材料として上記に挙げた樹脂を基材とし、これに顔料および染料などの着色剤を添加してなる着色樹脂が好適に用いられる。遮光帯44の色調は、遮光帯44における好ましい遮光性が得られればよく、例えば、黒、赤、黄、緑、青、および、水色が挙げられる。遮光帯44の色調は、着色剤の種類および添加量によって調整できる。具体的には、遮光帯44のみに対して、図中Y方向に光を透過させたときの光線透過率が40%以下(好ましくは10%以下)となるような遮光性を有することが好ましい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ベンカラ、酸化鉄、酸化チタン、黄色酸化鉄、ジスアゾイエロー、フタロシアニンブルーなどの一般的な有機顔料または無機顔料が挙げられる。着色剤は1種でもよく、2種以上を用いてもよい。また、黒色顔料を用いない場合は、良好な遮光性を得るために白色顔料を併用することが好ましい。
ルーバー層40において、光透過帯42をなしている樹脂材料と、遮光帯44の基材としての樹脂材料とは同じであってもよく、異なっていてもよいが、光透過帯42と遮光帯44との接着性の点からは両者が同じであることが好ましい。
【0054】
ルーバー層40において、X方向に垂直な面(
図6における紙面)内における、視野角θは、光透過帯42のZ方向における厚さおよびY方向における幅によって決まる。また、Y方向における光透過帯42の幅と遮光帯44の幅の比は、Z方向に平行な光線の透過率に影響する。
具体的には、ルーバー層40における視野角θは30~150°が好ましく、60~120°がより好ましい。
光透過帯42のZ方向における厚さTは、50~200μmが好ましく、100~200μmがより好ましい。
光透過帯42のY方向における幅W1は、30~300μmが好ましく、50~200μmがより好ましい。
遮光帯44のY方向における幅W2は、5~30μmが好ましく、10~20μmがより好ましい。
遮光帯44のZ方向における厚さTの好適範囲は、光透過帯42の厚さTの好適範囲と同じである。
【0055】
第1透明保護層46および第2透明保護層48の材料は、透明性が高い樹脂が用いられ、面内における複屈折率のばらつきが小さい樹脂が好ましい。
透明性の点からは、第1透明保護層46および第2透明保護層48それぞれの単体に対して、図中、Z方向に光を透過させたときの光線透過率が75%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
透明性が高く、かつフィルム状に成形した状態で面内における複屈折率のばらつきが小さい樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に、シクロオレフィンポリマー)、セルロース系樹脂、または、アクリル樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂がより好ましい。
第1透明保護層46および第2透明保護層48の厚さは0.01~0.2mmが好ましく、0.01~0.1mmがより好ましい。
第1透明保護層46と第2透明保護層48とは同じ材料からなっていてもよく、互いに異なる材料からなっていてもよい。また両者の厚さは同じであっても異なっていてもよい。
第1透明保護層46および第2透明保護層48は、図示しない接着層を介してルーバー層40と接着一体化されていることが好ましい。
【0056】
上記ルーバー層の製造方法は特に制限されず、例えば、特開2007-086142号公報に記載の製造方法が挙げられる。
【0057】
上記においては、光透過帯および遮光帯が厚み方向に沿って延在する態様について述べたが、この態様に限定されず、光透過帯および遮光帯が厚み方向に対して傾斜している態様であってもよい。
上記においては、光透過帯および遮光帯が厚い方向において一定の幅を有する態様について述べたが、この態様に限定されず、一方向に行くに従って幅が狭くなる、または、広くなる態様であってもよい。
上記のように、光透過帯および遮光帯の構造は、適宜調整可能である。
【0058】
<その他部材>
液晶表示装置は、上述した部材以外の他の部材を有していてもよい。
【0059】
液晶表示装置は、本発明の効果がより優れる点で、第1偏光子と液晶セルとの間、および、第2偏光子と液晶セルとの間の少なくとも一方に、式(7)~(8)の関係を満たすポジティブAプレートと、式(9)~(10)の関係を満たすポジティブCプレートとを含む第2光学異方性層を有することが好ましい。
式(7) 80nm≦ReA(550)≦160nm
式(8) 0.75<ReA(450)/ReA(550)<1.00
式(9) -160nm≦RthC(550)≦-60nm
式(10) 0.75<RthC(450)/RthC(550)<1.00
ReA(550)は、ポジティブAプレートの波長550nmにおけるレタデーションを表す。ReA(450)は、ポジティブAプレートの波長450nmにおけるレタデーションを表す。RthC(550)は、ポジティブCプレートの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションを表す。RthC(450)は、ポジティブCプレートの波長450nmにおける厚み方向のレタデーションを表す。
【0060】
上記ポジティブAプレートは、本発明の効果がより優れる点で、式(7A)~(8A)の関係を満たすことが好ましい。
式(7A) 110nm≦ReA(550)≦140nm
式(8A) 0.80<ReA(450)/ReA(550)<0.95
上記ポジティブCプレートは、本発明の効果がより優れる点で、式(9A)~(10A)の関係を満たすことが好ましい。
式(9A) -130nm≦RthC(550)≦-90nm
式(10A) 0.80<RthC(450)/RthC(550)<0.95
【0061】
第2光学異方性層は上記光学特性を満たせば、その構成は特に制限されず、例えば、ポリマーフィルム(特に、延伸処理が施されたポリマーフィルム)、および、液晶性化合物を用いて形成されたフィルムが挙げられる。
【0062】
液晶表示装置は、第1偏光子と液晶セルとの間、および、第2偏光子と液晶セルとの間の少なくとも一方に、式(11)~(12)の関係を満たす第3光学異方性層を有することが好ましい。
式(11) 200nm≦Re3(550)≦400nm
式(12) 0nm≦|Rth3(550)|≦50nm
Re3(550)は、第3光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションを表す。Rth3(550)は、第3光学異方性層の波長550nmにおける厚み方向のレタデーションを表す。なお、式(12)において|Rth3(550)|は、Rth3(550)の絶対値を表す。
【0063】
上記第3光学異方性層は、本発明の効果がより優れる点で、式(11A)~(12A)を満たすことが好ましい。
式(11A) 250nm≦Re3(550)≦350nm
式(12A) 0nm≦|Rth3(550)|≦20nm
【0064】
第3光学異方性層は上記光学特性を満たせば、その構成は特に制限されず、例えば、ポリマーフィルム(特に、延伸処理が施されたポリマーフィルム)、および、液晶性化合物を用いて形成されたフィルムが挙げられる。
【0065】
(光拡散板)
液晶表示装置は、光拡散板を有していてもよい。光拡散板は、光制御部材と直下型バックライトとの間に配置されることが好ましい。
光拡散板とは、入射された光の進行方向を乱し、主面(板面)から均等な輝度の光を出射できるようにするための板である。
光拡散板としては、公知の光拡散板を使用できる。
【0066】
(輝度向上フィルム)
液晶表示装置は、輝度向上フィルムを有していてもよい。輝度向上フィルムは、光制御部材と直下型バックライトとの間に配置されることが好ましい。なお、輝度向上フィルムは、上記光拡散板よりも視認側(直下型バックライトとは反対側)に配置されることが好ましい。
輝度向上フィルムとしては、例えば、反射型偏光性フィルムが挙げられる。反射型偏光性フィルムは、直線偏光の分離機能を有しており、例えば、第2偏光子と直下型バックライトとの間に配置され、直線偏光を直下型バックライト側に後方反射または後方散乱する機能を有する。
誘電体ミラーの原理を用いた多層方式の輝度向上フィルムとしては、DBEF―E、DBEF-D、DBEF-M、DBEF-P2(いずれも3M社製)が挙げられる。
【実施例】
【0067】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により制限的に解釈されるべきものではない。
【0068】
<実施例1>
アートン(JSR社製)を二軸延伸することによって、Re(550)が100nmであり、Rth(550)が-300nmであり、Nzファクターが-2.5である光学異方性フィルム1を作製した。
その後、第1偏光子、液晶セル、第2偏光子、輝度向上フィルム、光拡散板、および、直下型バックライトをこの順に有するASUS社製のProArt PA32UCXのバックライト側に配置された第2偏光子に上記光学異方性フィルム1を粘着剤を介して貼合して、第2偏光子と直下型バックライトとの間(第2偏光子と輝度向上フィルムとの間にも該当)に上記光学異方性フィルム1を配置することによって、実施例1の液晶表示装置を作製した。
なお、上記直下型バックライトは、複数のミニLEDが点光源として搭載されていた。
【0069】
<実施例2>
(配向膜の形成)
セルロースアシレートフィルム(厚み40μmのTAC基材;TG40 富士フイルム社)の表面をアルカリ液で鹸化し、その上に配向膜形成用組成物をワイヤーバーで塗布した。塗膜が形成された支持体を60℃の温風で60秒間、さらに100℃の温風で120秒間乾燥して配向膜を形成し、配向膜付きTACフィルムを得た。配向膜の膜厚は1μmであった。
【0070】
―――――――――――――――――――――――――――――――――
(配向膜形成用組成物)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・変性ポリビニルアルコールPVA-1 3.80質量部
・IRGACURE2959 0.20質量部
・水 70質量部
・メタノール 30質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【0071】
変性ポリビニルアルコールPVA-1
【0072】
【0073】
(光吸収異方性層の形成)
得られた配向膜上に、下記の光吸収異方性層形成用組成物をワイヤーバーで連続的に塗布し、得られた塗膜を120℃で60秒間加熱した後、室温(23℃)になるまで冷却した。
次いで、塗膜が形成された支持体を80℃で60秒間加熱し、再び室温になるまで冷却した。
その後、得られた塗膜に対して、LED灯(中心波長365nm)を用いて照度200mW/cm2の照射条件で2秒間照射することにより、配向膜上に光吸収異方性層を作製した。
光吸収異方性層の膜厚は3.0μmであった。光吸収異方性層の波長550nmにおける透過率は80%、配向度は0.97であった。また、上述した光学異方性層の透過軸と、光吸収異方性層の法線方向とのなす角度は、0°であった。
【0074】
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成物
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・二色性物質D-1 0.63質量部
・二色性物質D-2 0.17質量部
・二色性物質D-3 1.13質量部
・高分子液晶性化合物P-1 8.18質量部
・IRGACUREOXE-02(BASF社製) 0.16質量部
・化合物E-1 0.12質量部
・化合物E-2 0.12質量部
・界面活性剤F-1 0.005質量部
・シクロペンタノン 85.00質量部
・ベンジルアルコール 4.50質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【0075】
二色性物質D-1
【0076】
【0077】
二色性物質D-2
【0078】
【0079】
二色性物質D-3
【0080】
【0081】
高分子液晶性化合物P-1
【0082】
【0083】
化合物E-1
【0084】
【0085】
化合物E-2
【0086】
【0087】
界面活性剤F-1
【0088】
【0089】
(色味調整層の形成)
得られた光吸収異方性層上に下記の色味調整層形成用組成物をワイヤーバーで連続的に塗布し、塗膜を形成した。
次いで、塗膜が形成された支持体を60℃の温風で60秒間、さらに100℃の温風で120秒間乾燥して色味調整層を形成し、光学フィルムとした。
色味調整層の膜厚は0.5μmであった。
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(色味調整層形成用組成物)
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・変性ポリビニルアルコールPVA-1 3.80質量部
・IRGACURE2959 0.20質量部
・色素化合物G-1 0.08質量部
・水 70質量部
・メタノール 30質量部
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【0090】
色素化合物G-1
【0091】
【0092】
その後、第1偏光子、液晶セル、第2偏光子、および、直下型バックライトをこの順に有するASUS社製のProArt PA32UCXのバックライト側に配置された第2偏光子に上記光学フィルムを粘着剤を介して貼合して、第2偏光子と直下型バックライトとの間(第2偏光子と輝度向上フィルムとの間にも該当)に上記光学フィルムを配置することによって、実施例2の液晶表示装置を作製した。
【0093】
<実施例3>
第1偏光子、液晶セル、第2偏光子、および、直下型バックライトをこの順に有するASUS社製のProArt PA32UCXのバックライト側に配置された第2偏光子に実施例1で作製した光学異方性フィルム1および実施例2で作製した光吸収異方性層を含む光学フィルムを粘着剤を介して貼合して、第2偏光子と直下型バックライトとの間(第2偏光子と輝度向上フィルムとの間にも該当)に上記光学異方性フィルム1および光学フィルムを配置することによって、実施例3の液晶表示装置を作製した。
【0094】
<実施例4>
特開2007-086142号公報に記載の方法で、
図6に示す遮光帯の幅W2が15μmで、光透過帯W1の幅が70μmで、遮光帯および光透過帯の厚さTが150μmで、光透過帯と遮光帯とが交互に繰り返して配置されているルーバー層を作製した。
光学異方性フィルムの代わりにルーバー層を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶表示装置を作製した。なお、第2偏光子の吸収軸と、ルーバー層の光透過帯が延在する方向とが直交するように、ルーバー層を配置した。
【0095】
<実施例5>
国際公開第2018/207798号に記載の方法で、Re(550)が130nmで、かつ、Re(450)/Re(550)=0.86であるポジティブAプレートと、Rth(550)が-105nmで、かつ、Rth(450)/Rth(550)=0.90であるポジティブCプレートからなる光学異方性フィルム2を作製した。
その後、実施例3で作製した液晶表示装置中の第1偏光子と液晶セルとの間に、上記光学異方性フィルム2を配置して、液晶表示装置を作製した。なお、光学異方性フィルム2の遅相軸と第1偏光子の吸収軸とが平行になるように、光学異方性フィルム2は配置されていた。
【0096】
<実施例6>
特開2006-72309号公報に記載の方法で、Re(550)が280nm、|Rth(550)|が0nmの光学異方性フィルム3を作製した。
その後、実施例3で作製した液晶表示装置中の第2偏光子と液晶セルとの間に、上記光学異方性フィルム3を配置して、液晶表示装置を作製した。なお、光学異方性フィルム3の遅相軸と第2偏光子の吸収軸とが直交するように、光学異方性フィルム3は配置されていた。
【0097】
<実施例7>
実施例4で作製した液晶表示装置中の第1偏光子と液晶セルとの間に、上記光学異方性フィルム2を配置して、液晶表示装置を作製した。なお、光学異方性フィルム2の遅相軸と第1偏光子の吸収軸とが平行になるように、光学異方性フィルム2は配置されていた。
【0098】
<実施例8>
実施例4で作製した液晶表示装置中の第2偏光子と液晶セルとの間に、上記光学異方性フィルム3を配置して、液晶表示装置を作製した。なお、光学異方性フィルム3の遅相軸と第2偏光子の吸収軸とが直交するように、光学異方性フィルム3は配置されていた。
【0099】
<比較例1および2>
第1偏光子、液晶セル、第2偏光子、輝度向上フィルム、光拡散板、および、直下型バックライトをこの順に有するASUS社製のProArt PA32UCX中の光拡散板および輝度向上フィルムの種類を変更することによって、後述する表1に示すI20/I0、I40/I0、および、I60/I0を満たす液晶表示装置を作製した。
【0100】
<比較例3>
特開2007-086142号公報に記載の方法で、
図6に示す遮光帯W2の幅が30μmで、光透過帯W1の幅が20μmで、遮光帯および光透過帯の厚さTが300μmで、光透過帯と遮光帯とが交互に繰り返して配置されているルーバー層を作製した。
光学異方性フィルムの代わりにルーバー層を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶表示装置を作製した。なお、第2偏光子の吸収軸と、ルーバー層の光透過帯が延在する方向とが直交するように、ルーバー層を配置した。
【0101】
<I20/I0、I40/I0、および、I60/I0の測定>
上記I0、I20、I40、および、I60は、暗室内で液晶表示装置を白表示させ、測定機(EZ-Contrast X L88、ELDIM社製)を用いて所定の極角位置および方位角位置での白輝度を計測することにより求めた。
より具体的には、暗室内で液晶表示装置を白表示して、極角が0°(
図2中のθが0°)で、方位角が0°(
図2中のφが0°)の位置に測定機を配置して、輝度を測定することにより、I0を求めた。
また、I20に関しては、まず、暗室内で液晶表示装置を白表示して、極角20°(
図2中のθが20°)かつ方位角45°(
図2中のφが45°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度20A)を求め、極角20°(
図2中のθが20°)かつ方位角135°(
図2中のφが135°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度20B)を求め、極角20°(
図2中のθが20°)かつ方位角225°(
図2中のφが225°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度20C)を求め、極角20°(
図2中のθが20°)かつ方位角315°(
図2中のφが315°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度20D)を求めた。次に、得られた4つの輝度(輝度20A、輝度20B、輝度20C、輝度20D)を算術平均して、平均輝度を求めて、I20とした。
また、I40に関しては、まず、暗室内で液晶表示装置を白表示して、極角40°(
図2中のθが40°)かつ方位角45°(
図2中のφが45°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度40A)を求め、極角40°(
図2中のθが40°)かつ方位角135°(
図2中のφが135°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度40B)を求め、極角40°(
図2中のθが40°)かつ方位角225°(
図2中のφが225°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度40C)を求め、極角40°(
図2中のθが40°)かつ方位角315°(
図2中のφが315°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度40D)を求めた。次に、得られた4つの輝度(輝度40A、輝度40B、輝度40C、輝度40D)を算術平均して、平均輝度を求めて、I40とした。
また、I60に関しては、まず、暗室内で液晶表示装置を白表示して、極角60°(
図2中のθが60°)かつ方位角45°(
図2中のφが45°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度60A)を求め、極角60°(
図2中のθが60°)かつ方位角135°(
図2中のφが135°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度60B)を求め、極角60°(
図2中のθが60°)かつ方位角225°(
図2中のφが225°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度60C)を求め、極角60°(
図2中のθが60°)かつ方位角315°(
図2中のφが315°)の位置に測定機を配置して輝度(輝度60D)を求めた。次に、得られた4つの輝度(輝度60A、輝度60B、輝度60C、輝度60D)を算術平均して、平均輝度を求めて、I60とした。
【0102】
<表示品位評価>
各実施例および比較例にて作製した液晶表示装置を、全面を青表示し、液晶表示装置から50cm離れた位置で、液晶表示装置を正面から観察し、以下の基準で表示品位を評価した。
A:全面に優れた表示品位(輝度、彩度)を実現している。
B:画面の端部で、表示品位の低下が若干みられるが、気にならない。
C:画面の端部の表示品位の低下が気になる。
【0103】
<ハロー評価>
各実施例および比較例にて作製した液晶表示装置を用いて、
図7に示すような、黒色の背景にて、直径5cmの白表示した円が10cmおきに配置された画像を表示した際に、液晶表示装置から50cm離れた位置で、液晶表示装置を正面から観察し、白表示部周辺のハローを観察し、以下の基準で評価した。
A:ハローが視認されない
B:ハローが視認されるが、気にならない
C:ハローが視認され、気になる
【0104】
表1中、「態様」欄は、上述した態様1(第1光学異方性層を使用した態様)、態様2(光吸収異方性層を使用した態様)、態様3(ルーバー層を使用した態様)のいずれに該当するかを表す。「態様1および態様2」は、第1光学異方性層および光吸収異方性層の両方を使用した態様に該当する。
表1中、「第2光学異方性層」欄は、第2光学異方性層を使用した場合を「A」、使用していない場合を「B」と表す。
表1中、「第3光学異方性層」欄は、第3光学異方性層を使用した場合を「A」、使用していない場合を「B」と表す。
【0105】
【0106】
表1に示すように、本発明の液晶表示装置は所望の効果を示すことが確認された。
実施例3と5および6との比較より、第2光学異方性層または第3光学異方性層を使用した場合、より優れた効果が得られることが確認された。
実施例1、2および3の比較より、ルーバー層を用いた場合、より優れた効果が得られることが確認された。
実施例1~3の比較より、第1光学異方性層および光吸収異方性層の両方を使用した場合、より優れた効果が得られることが確認された。
【符号の説明】
【0107】
10 液晶表示装置
12 第1偏光子
14 液晶セル
16 第2偏光子
18 光制御部材
20,30 直下型バックライト
22 上側基板
24 下側基板
26 液晶層
32 基板
34 点光源
40 ルーバー層
42 光透過帯
44 遮光帯
46 第1透明保護層
48 第2透明保護層