(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-15
(45)【発行日】2023-12-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20231218BHJP
G16H 50/20 20180101ALI20231218BHJP
G16H 30/20 20180101ALI20231218BHJP
【FI】
A61B5/00 G
G16H50/20
G16H30/20
A61B5/00 D
(21)【出願番号】P 2022551166
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 JP2021028137
(87)【国際公開番号】W WO2022064838
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2020162701
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】守田 正治
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-330514(JP,A)
【文献】特開2019-8817(JP,A)
【文献】特開2004-213643(JP,A)
【文献】特開2017-10577(JP,A)
【文献】特開2012-95890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
G16H 50/20
G16H 30/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによる医用画像の診断用の第1の情報処理装置、医用画像の撮影を行う撮影者用の第2の情報処理装置、医用画像の読影を行う読影者用の第3の情報処理装置、及び患者の総合的な診断を行う診断者用の第4の情報処理装置を含む情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置、前記第2の情報処理装置、前記第3の情報処理装置、及び前記第4の情報処理装置それぞれは、少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記第1の情報処理装置のプロセッサは、
診断対象の医用画像を取得し、
取得した医用画像に対して病変検出処理を実行し、
病変検出処理の実行結果を送信し、
前記第2の情報処理装置のプロセッサは、
前記医用画像及び前記実行結果を表示する制御を行い、
前記実行結果に対する撮影者による第1の入力情報を受け付け、
前記第1の入力情報を送信し、
前記第3の情報処理装置のプロセッサは、
前記医用画像、前記実行結果、及び前記第1の入力情報を表示する制御を行い、
前記実行結果に対する読影者による第2の入力情報を受け付け、
前記第2の入力情報を送信し、
前記第4の情報処理装置のプロセッサは、
前記医用画像、前記実行結果、及び前記第2の入力情報を表示する制御を行い、
診断者による総合的な診断結果を受け付け、
前記診断結果を保存する
情報処理システム。
【請求項2】
前記第1の入力情報は、前記実行結果を承認するか又は非承認するかを表す情報である 請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1の入力情報は、前記実行結果に含まれない未検出の病変を表す情報である
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1の入力情報は、前記実行結果に含まれる病変を削除することを表す情報である 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第2の入力情報は、前記実行結果及び前記第1の入力情報を承認するか又は非承認するかを表す情報である
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第2の入力情報は、前記実行結果及び前記第1の入力情報に含まれない未検出の病変を表す情報である
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第4の情報処理装置のプロセッサは、
前記医用画像及び前記第2の入力情報に加えて、前記第1の入力情報を表示する制御を行う
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記診断対象の医用画像が複数存在し、
前記第2の情報処理装置、前記第3の情報処理装置、及び前記第4の情報処理装置のプロセッサは、
前記実行結果に1つ以上の病変を表す情報が含まれる場合、前記診断対象の医用画像を表示する際に、医用画像の枚数を減らした状態で表示する制御を行う
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータによる医用画像の診断用の第1の情報処理装置、医用画像の撮影を行う撮影者用の第2の情報処理装置、医用画像の読影を行う読影者用の第3の情報処理装置、及び患者の総合的な診断を行う診断者用の第4の情報処理装置を含む情報処理システムによる情報処理方法であって、
前記第1の情報処理装置が備えるプロセッサが、
診断対象の医用画像を取得し、
取得した医用画像に対して病変検出処理を実行し、
病変検出処理の実行結果を送信し、
前記第2の情報処理装置が備えるプロセッサが、
前記医用画像及び前記実行結果を表示する制御を行い、
前記実行結果に対する撮影者による第1の入力情報を受け付け、
前記第1の入力情報を送信し、
前記第3の情報処理装置が備えるプロセッサが、
前記医用画像、前記実行結果、及び前記第1の入力情報を表示する制御を行い、
前記実行結果に対する読影者による第2の入力情報を受け付け、
前記第2の入力情報を送信し、
前記第4の情報処理装置が備えるプロセッサが、
前記医用画像、前記実行結果、及び前記第2の入力情報を表示する制御を行い、
診断者による総合的な診断結果を受け付け、
前記診断結果を保存する
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータによる医用画像の診断用の第1の情報処理装置、医用画像の撮影を行う撮影者用の第2の情報処理装置、医用画像の読影を行う読影者用の第3の情報処理装置、及び患者の総合的な診断を行う診断者用の第4の情報処理装置を含む情報処理システムにおいて、
診断対象の医用画像を取得し、
取得した医用画像に対して病変検出処理を実行し、
病変検出処理の実行結果を送信する処理を前記第1の情報処理装置が備えるプロセッサに実行させ、
前記医用画像及び前記実行結果を表示する制御を行い、
前記実行結果に対する撮影者による第1の入力情報を受け付け、
前記第1の入力情報を送信する処理を前記第2の情報処理装置が備えるプロセッサに実行させ、
前記医用画像、前記実行結果、及び前記第1の入力情報を表示する制御を行い、
前記実行結果に対する読影者による第2の入力情報を受け付け、
前記第2の入力情報を送信する処理を前記第3の情報処理装置が備えるプロセッサに実行させ、
前記医用画像、前記実行結果、及び前記第2の入力情報を表示する制御を行い、
診断者による総合的な診断結果を受け付け、
前記診断結果を保存する処理を前記第4の情報処理装置のプロセッサが備えるプロセッサに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野において、コンピュータが画像中の病変を検出することによって人による画像診断を支援するコンピュータ支援診断(CAD:Computer Aided Diagnosis)システムが知られている。なお、以下では、コンピュータが医用画像に対して病変の検出処理を行うことによって得られた検出結果を「CAD結果」という。
【0003】
CADシステムに関する技術として、特許文献1には、医用検査データをコンピュータ処理することにより第1の診断情報を取得し、医用検査データを医師等の読影者が読影して得られた第2の診断情報を取得する医用診断支援システムが開示されている。この医用診断支援システムは、第1の診断情報の処理対象範囲が医用検査データの全域でない場合、第2の診断情報の対象範囲が第1の診断情報の処理対象範囲内であるか否かを判定する。
【0004】
また、特許文献2には、表示装置に表示されている医用画像についての検査結果情報と、その医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像及びその医用画像についてのコンピュータによる検出結果情報と、を取得する医用画像表示システムが開示されている。この医用画像表示システムは、取得した検出結果情報に基づいて、表示装置に表示中の医用画像に含まれる異常陰影候補の部分の画像及び過去検査の医用画像に含まれる異常陰影候補の部分の画像を抽出し、抽出した画像を時系列に並べて表示装置に一覧表示する。
【0005】
また、特許文献3には、医用画像から異常陰影候補を検出し、検出した異常陰影候補部分の悪性度、コントラスト、診断困難度、患者情報、又は撮影部位に基づいて、医用画像の表示順序を決定する画像診断支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平6-251038号公報
【文献】特開2011-103095号公報
【文献】特開2004-216008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医用画像を用いた患者の診断作業において、放射線技師等の医用画像の撮影者、読影医等の医用画像の読影者、及び総合診断医等の患者の総合的な診断を行う診断者それぞれが、CAD結果を参考に、医用画像の読影を行う場合が多い。この場合、「CAD結果は人による画像診断のサポートである」及び「人が診断の最終責任を持つ」という現状のポリシーを運用すると、CADによる診断支援があったしても、撮影者、読影者、及び診断者の負荷は減らない。
【0008】
近年、CAD結果の精度は向上しており、病変の誤検出の頻度は減ってきている。また、CAD結果に病変の誤検出が含まれていたとしても、安全側に寄った間違いであった場合は、患者の生命にとってのリスクは低い。これに対し、CAD結果が病変を検出しなかったという結果であった場合、病変の見落としという患者にとってのリスクが存在する。
【0009】
また、特定の種類の病変については、非常に小さい病変までコンピュータが検出するようにCADを設計すると、検出される病変が多くなり、画像の読影を行う人にとって煩わしくなる。そこで、非常に小さい病変については人が見ることとし、コンピュータには積極的に検出させない運用を実施している施設も存在する。例えば、肺疾患における5mm以下の腫瘤はCADでの検出対象外とする、という運用である。
【0010】
以上の前提において、CADが検出した病変については、撮影者、読影者、及び診断者が、簡易的な確認のみを行い、医用画像におけるCADが何も検出していない領域を集中的に確認するフローを実現できるシステムが存在すれば、CAD結果を用いた撮影者、読影者、及び診断者の三者による診断効率を向上させることができると考えられる。
【0011】
特許文献1~3に記載の技術は、医用画像の読影を行う読影者が、CAD結果を参考に読影を行う際の読影効率を向上させるものであり、撮影者、読影者、及び診断者の三者による診断効率を向上させるものではない。
【0012】
本開示は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、CAD結果を用いた撮影者、読影者、及び診断者の三者による診断効率を向上させることができる情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の情報処理システムは、コンピュータによる医用画像の診断用の第1の情報処理装置、医用画像の撮影を行う撮影者用の第2の情報処理装置、医用画像の読影を行う読影者用の第3の情報処理装置、及び患者の総合的な診断を行う診断者用の第4の情報処理装置を含む情報処理システムであって、第1の情報処理装置、第2の情報処理装置、第3の情報処理装置、及び第4の情報処理装置それぞれは、少なくとも一つのプロセッサを備え、第1の情報処理装置のプロセッサは、診断対象の医用画像を取得し、取得した医用画像に対して病変検出処理を実行し、病変検出処理の実行結果を送信し、第2の情報処理装置のプロセッサは、医用画像及び実行結果を表示する制御を行い、実行結果に対する撮影者による第1の入力情報を受け付け、第1の入力情報を送信し、第3の情報処理装置のプロセッサは、医用画像、実行結果、及び第1の入力情報を表示する制御を行い、実行結果に対する読影者による第2の入力情報を受け付け、第2の入力情報を送信し、第4の情報処理装置のプロセッサは、医用画像、実行結果、及び第2の入力情報を表示する制御を行い、診断者による総合的な診断結果を受け付け、診断結果を保存する。
【0014】
なお、本開示の情報処理システムは、第1の入力情報が、実行結果を承認するか又は非承認するかを表す情報であってもよい。
【0015】
また、本開示の情報処理システムは、第1の入力情報が、実行結果に含まれない未検出の病変を表す情報であってもよい。
【0016】
また、本開示の情報処理システムは、第1の入力情報が、実行結果に含まれる病変を削除することを表す情報であってもよい。
【0017】
また、本開示の情報処理システムは、第2の入力情報が、実行結果及び第1の入力情報を承認するか又は非承認するかを表す情報であってもよい。
【0018】
また、本開示の情報処理システムは、第2の入力情報が、実行結果及び第1の入力情報に含まれない未検出の病変を表す情報であってもよい。
【0019】
また、本開示の情報処理システムは、第4の情報処理装置のプロセッサが、医用画像及び第2の入力情報に加えて、第1の入力情報を表示する制御を行ってもよい。
【0020】
また、本開示の情報処理システムは、診断対象の医用画像が複数存在し、第2の情報処理装置、第3の情報処理装置、及び第4の情報処理装置のプロセッサが、実行結果に1つ以上の病変を表す情報が含まれる場合、診断対象の医用画像を表示する際に、医用画像の枚数を減らした状態で表示する制御を行ってもよい。
【0021】
また、本開示の情報処理方法は、コンピュータによる医用画像の診断用の第1の情報処理装置、医用画像の撮影を行う撮影者用の第2の情報処理装置、医用画像の読影を行う読影者用の第3の情報処理装置、及び患者の総合的な診断を行う診断者用の第4の情報処理装置を含む情報処理システムによる情報処理方法であって、第1の情報処理装置が備えるプロセッサが、診断対象の医用画像を取得し、取得した医用画像に対して病変検出処理を実行し、病変検出処理の実行結果を送信し、第2の情報処理装置が備えるプロセッサが、医用画像及び実行結果を表示する制御を行い、実行結果に対する撮影者による第1の入力情報を受け付け、第1の入力情報を送信し、第3の情報処理装置が備えるプロセッサが、医用画像、実行結果、及び第1の入力情報を表示する制御を行い、実行結果に対する読影者による第2の入力情報を受け付け、第2の入力情報を送信し、第4の情報処理装置が備えるプロセッサが、医用画像、実行結果、及び第2の入力情報を表示する制御を行い、診断者による総合的な診断結果を受け付け、診断結果を保存するものである。
【0022】
また、本開示の情報処理プログラムは、コンピュータによる医用画像の診断用の第1の情報処理装置、医用画像の撮影を行う撮影者用の第2の情報処理装置、医用画像の読影を行う読影者用の第3の情報処理装置、及び患者の総合的な診断を行う診断者用の第4の情報処理装置を含む情報処理システムにおいて、診断対象の医用画像を取得し、取得した医用画像に対して病変検出処理を実行し、病変検出処理の実行結果を送信する処理を第1の情報処理装置が備えるプロセッサに実行させ、医用画像及び実行結果を表示する制御を行い、実行結果に対する撮影者による第1の入力情報を受け付け、第1の入力情報を送信する処理を第2の情報処理装置が備えるプロセッサに実行させ、医用画像、実行結果、及び第1の入力情報を表示する制御を行い、実行結果に対する読影者による第2の入力情報を受け付け、第2の入力情報を送信する処理を第3の情報処理装置が備えるプロセッサに実行させ、医用画像、実行結果、及び第2の入力情報を表示する制御を行い、診断者による総合的な診断結果を受け付け、診断結果を保存する処理を第4の情報処理装置のプロセッサが備えるプロセッサに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0023】
本開示によれば、CAD結果を用いた撮影者、読影者、及び診断者の三者による診断効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第2の情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】第2の情報処理装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図6】第3の情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】第3の情報処理装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図8】第4の情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】第4の情報処理装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図10】第1の診断支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第2の診断支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】第3の診断支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第4の診断支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】変形例に係る第2の情報処理装置の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0026】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム10の構成を説明する。
図1に示すように、情報処理システム10は、情報処理装置11、情報処理装置12、情報処理装置13、情報処理装置14、画像保存システム15、及び共有サーバ16を含む。情報処理装置11、情報処理装置12、情報処理装置14、画像保存システム15、及び共有サーバ16は、AI(Artificial Intelligence)センターと呼ばれる主にコンピュータによる医用画像の診断を行う施設に設置される。情報処理装置13は、イメージセンターと呼ばれる主に医用画像の読影を行う施設に設置される。情報処理装置11、情報処理装置12、情報処理装置13、情報処理装置14、画像保存システム15、及び共有サーバ16は、それぞれネットワークに接続され、互いに通信が可能とされる。
【0027】
情報処理装置11は、CAD等のコンピュータによる医用画像の診断用の第1の情報処理装置である。情報処理装置12は、放射線技師等の医用画像の撮影を行う撮影者用の第2の情報処理装置である。情報処理装置13は、読影医等の医用画像の読影を行う読影者用の第3の情報処理装置である。情報処理装置14は、総合診断医等の患者の総合的な診断を行う診断者用の第4の情報処理装置である。情報処理装置11~14の例としては、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータ等のコンピュータが挙げられる。
【0028】
画像保存システム15は、医用画像を撮影する撮影装置により撮影された医用画像を示す画像データを保存するシステムである。画像保存システム15は、情報処理装置11~14等からの要求に応じた画像データを要求元の装置に送信する。画像保存システム15の例としては、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)が挙げられる。医用画像の例としては、CT(Computed Tomography)装置により撮影されたCT画像、MRI(Magnetic Resonance Imaging)により撮影されたMRI画像、FPD(Flat Panel Detector)により撮影された放射線画像、及び内視鏡システムにより撮影された内視鏡画像等が挙げられる。本実施形態では、診断対象の医用画像として、CT装置により撮影された複数の断層画像を適用した例を説明する。
【0029】
共有サーバ16は、医用画像に対して情報処理装置11~14により付加された情報を保存する記憶装置を有する。画像保存システム15に保存される医用画像と、その医用画像に付加され、かつ共有サーバ16に保存される情報とは、例えば、患者ID(IDentifier)及び検査ID等の識別情報によって対応付けられる。
【0030】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置11のハードウェア構成を説明する。なお、情報処理装置12~14のハードウェア構成は、情報処理装置11のハードウェア構成と同じであるため、説明を省略する。
図2に示すように、情報処理装置11は、CPU(Central Processing Unit)20、一時記憶領域としてのメモリ21、及び不揮発性の記憶部22を含む。また、情報処理装置11は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ23、キーボードとマウス等の入力装置24、及びネットワークに接続されるネットワークI/F(InterFace)25を含む。CPU20、メモリ21、記憶部22、ディスプレイ23、入力装置24、及びネットワークI/F25は、バス27に接続される。
【0031】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部22には、情報処理プログラム30が記憶される。CPU20は、記憶部22から情報処理プログラム30を読み出してからメモリ21に展開し、展開した情報処理プログラム30を実行する。
【0032】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置11の機能的な構成について説明する。
図3に示すように、情報処理装置11は、取得部40、検出部42、及び送信部44を含む。情報処理装置11のCPU20が情報処理プログラム30を実行することにより、取得部40、検出部42、及び送信部44として機能する。
【0033】
取得部40は、診断対象の医用画像を、ネットワークI/F25を介して画像保存システム15から取得する。検出部42は、取得部40により取得された医用画像に対して病変検出処理を実行する。例えば、検出部42は、公知のCADの病変検出用のアルゴリズムを用いて、医用画像に対して病変検出処理を実行する。このアルゴリズムは、例えば、撮影部位及び検出対象の病変の種類等に応じて予め用意される。また、本実施形態に係る病変検出処理では、予め設定された閾値以上の大きさの病変が検出される。この場合の閾値は、例えば、撮影部位及び検出対象の病変の種類等に応じて予め設定される。
【0034】
なお、検出部42は、ディープラーニング等の機械学習によって得られた検出モデルを用いて、医用画像に対して病変検出処理を実行してもよい。また、検出部42は、病変を検出するためのフィルタによるフィルタリング処理によって医用画像に対して病変検出処理を実行してもよい。
【0035】
送信部44は、検出部42による病変検出処理の実行結果(以下、「病変検出結果」という)を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16に送信する。共有サーバ16は、情報処理装置11から送信された病変検出結果を保存する。検出部42により病変が検出された場合、病変検出結果には、検出した病変を表す情報が含まれる。病変を表す情報の例としては、病変の種類、医用画像内における病変の位置、及び病変の大きさ等が挙げられる。一方、検出部42により病変が検出されなかった場合、病変検出結果には、病変が未検出であることを表す情報が含まれる。なお、送信部44は、病変検出結果を、ネットワークI/F25を介して情報処理装置12に送信してもよい。
【0036】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12の機能的な構成について説明する。
図4に示すように、情報処理装置12は、取得部50、表示制御部52、受付部54、及び送信部56を含む。情報処理装置12のCPU20が情報処理プログラム30を実行することにより、取得部50、表示制御部52、受付部54、及び送信部56として機能する。
【0037】
取得部50は、診断対象の医用画像を、ネットワークI/F25を介して画像保存システム15から取得する。また、取得部50は、診断対象の医用画像に対応する病変検出結果を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16から取得する。
【0038】
表示制御部52は、取得部50により取得された医用画像及び病変検出結果をディスプレイ23に表示する制御を行う。この制御により情報処理装置12のディスプレイ23に表示される第1の表示画面の一例を
図5に示す。
【0039】
図5に示すように、第1の表示画面は、医用画像の表示領域A1、患者情報の表示領域A2、病変検出結果の表示領域A3、及び撮影者による第1の入力情報の入力欄の表示領域A4を含む。表示領域A1には、取得部50により取得された診断対象の医用画像が表示される。最初に表示領域A1に表示される医用画像の断層位置は予め設定されており、撮影者は、マウスホイールのスクロール操作等によって表示領域A1に表示される医用画像を切り替えることができる。
【0040】
表示領域A2には、患者の氏名、年齢、及びID等の患者情報が表示される。表示領域A3には、情報処理装置11により病変が検出された場合、その病変が区別可能に表示される。この場合、例えば、表示領域A3には、病変が検出された医用画像が、検出された病変の枠線に色が付けられた状態で表示される。
図5では、3枚の医用画像から病変が検出され、検出された病変の枠線を破線にした例を示している。また、表示領域A3には、情報処理装置11により病変が検出されなかった場合、病変が未検出であることが分かる情報が表示される。この場合、例えば、表示領域A3には、「病変が未検出です」といった旨のメッセージが表示される。
【0041】
表示領域A4は、病変検出結果を承認するか又は非承認するかを表す情報の入力欄の表示領域A5と、追加レポートの入力欄の表示領域A6とを含む。撮影者は、表示領域A3を参照し、病変検出結果を承認する場合、入力装置24を介して、表示領域A5の「Positive」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって病変検出結果を承認することを表す情報を入力する。一方、撮影者は、表示領域A3を参照し、病変検出結果を非承認する場合、入力装置24を介して、表示領域A5の「Negative」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって病変検出結果を非承認することを表す情報を入力する。表示領域A5を介して入力されるこの情報が、第1の入力情報の一例である。
【0042】
更に、撮影者は、医用画像に、病変検出結果に含まれない未検出の病変を発見した場合、その未検出の病変を表す情報を、入力装置24を介して第1の入力情報として入力する。例えば、撮影者は、表示領域A1に表示された医用画像内における発見した病変の外枠をなぞることによって、その病変の位置及び大きさを表す情報を入力し、かつ表示領域A6に、その病変の種類を表す情報を入力する。また、撮影者は、表示領域A6に、追加で入力すべき情報があれば、その情報を入力する。
【0043】
受付部54は、以上のように入力された病変検出結果に対する撮影者による第1の入力情報を受け付ける。送信部56は、受付部54により受け付けられた第1の入力情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16に送信する。共有サーバ16は、情報処理装置12から送信された第1の入力情報を保存する。なお、送信部56は、第1の入力情報を、ネットワークI/F25を介して情報処理装置13に送信してもよい。
【0044】
次に、
図6を参照して、本実施形態に係る情報処理装置13の機能的な構成について説明する。
図6に示すように、情報処理装置13は、取得部60、表示制御部62、受付部64、及び送信部66を含む。情報処理装置13のCPU20が情報処理プログラム30を実行することにより、取得部60、表示制御部62、受付部64、及び送信部66として機能する。
【0045】
取得部60は、診断対象の医用画像を、ネットワークI/F25を介して画像保存システム15から取得する。また、取得部60は、診断対象の医用画像に対応する病変検出結果及び第1の入力情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16から取得する。
【0046】
表示制御部62は、取得部60により取得された医用画像、病変検出結果、及び第1の入力情報をディスプレイ23に表示する制御を行う。この制御により情報処理装置13のディスプレイ23に表示される第2の表示画面の一例を
図7に示す。
【0047】
図7に示すように、第2の表示画面は、医用画像の表示領域B1、患者情報の表示領域B2、病変検出結果の表示領域B3、読影者による第2の入力情報の入力欄の表示領域B4、及び第1の入力情報の表示領域B7を含む。表示領域B4は、病変検出結果を承認するか又は非承認するかを表す情報の入力欄の表示領域B5と、追加レポートの入力欄の表示領域B6とを含む。表示領域B1~B6は、それぞれ表示領域A1~A6と同様の表示領域であるため、ここでの説明を省略する。
【0048】
表示領域B7は、病変検出結果を撮影者が承認したか又は非承認したかを表す情報の表示領域B8と、病変検出結果には含まれない病変であって、撮影者が発見し、かつ第1の入力情報として入力した病変の表示領域B9を含む。
図7では、表示領域B8の上部に病変検出結果が表示され、かつ下部に「Poistive」にチェックマークが付けられている例、すなわち、病変検出結果を撮影者が承認した例を示している。また、
図7の例では、表示領域B9の上部に撮影者が発見した病変が表示され、下部には撮影者が発見した病変を読影者が承認するか又は非承認するかを表す情報を入力する入力欄が設けられている。
【0049】
読影者は、表示領域B3を参照し、病変検出結果を承認する場合、入力装置24を介して、表示領域B5の「Positive」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって病変検出結果を承認することを表す情報を入力する。一方、読影者は、表示領域B3を参照し、病変検出結果を非承認する場合、入力装置24を介して、表示領域B5の「Negative」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって病変検出結果を非承認することを表す情報を入力する。表示領域B5を介して入力されるこの情報が、第2の入力情報の一例である。
【0050】
更に、読影者は、医用画像に、実行結果及び第1の入力情報に含まれない未検出の病変を発見した場合、その未検出の病変を表す情報を、入力装置24を介して第2の入力情報として入力する。例えば、読影者は、表示領域B1に表示された医用画像内における発見した病変の外枠をなぞることによって、その病変の位置及び大きさを表す情報を入力し、かつ表示領域B6に、その病変の種類を表す情報を入力する。また、読影者は、表示領域B6に、追加で入力すべき情報があれば、その情報を入力する。
【0051】
また、読影者は、第1の入力情報に含まれる撮影者が発見した病変を承認する場合、入力装置24を介して、表示領域B9の「Positive」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって第1の入力情報を承認することを表す情報を入力する。一方、読影者は、第1の入力情報に含まれる撮影者が発見した病変を非承認する場合、入力装置24を介して、表示領域B9の「Negative」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって第1の入力情報を非承認することを表す情報を入力する。表示領域B9を介して入力されるこの情報も、第2の入力情報の一例である。
【0052】
受付部64は、以上のように入力された病変検出結果及び第1の入力情報に対する読影者による第2の入力情報を受け付ける。送信部66は、受付部64により受け付けられた第2の入力情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16に送信する。共有サーバ16は、情報処理装置13から送信された第2の入力情報を保存する。なお、送信部66は、第2の入力情報を、ネットワークI/F25を介して情報処理装置14に送信してもよい。
【0053】
次に、
図8を参照して、本実施形態に係る情報処理装置14の機能的な構成について説明する。
図8に示すように、情報処理装置14は、取得部70、表示制御部72、受付部74、及び送信部76を含む。情報処理装置14のCPU20が情報処理プログラム30を実行することにより、取得部70、表示制御部72、受付部74、及び送信部76として機能する。
【0054】
取得部70は、診断対象の医用画像を、ネットワークI/F25を介して画像保存システム15から取得する。また、取得部70は、診断対象の医用画像に対応する病変検出結果及び第2の入力情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16から取得する。
【0055】
表示制御部72は、取得部70により取得された医用画像、病変検出結果、及び第2の入力情報をディスプレイ23に表示する制御を行う。この制御により情報処理装置14のディスプレイ23に表示される第3の表示画面の一例を
図9に示す。
【0056】
図9に示すように、第3の表示画面は、医用画像の表示領域C1、患者情報の表示領域C2、病変検出結果の表示領域C3、診断者による総合的な診断結果の入力欄の表示領域C4、及び第2の入力情報の表示領域C7を含む。表示領域C4は、病変検出結果を承認するか又は非承認するかを表す情報の入力欄の表示領域C5と、追加レポートの入力欄の表示領域C6とを含む。表示領域C1~C6は、それぞれ表示領域B1~B6と同様の表示領域であるため、ここでの説明を省略する。
【0057】
表示領域C7は、病変検出結果を読影者が承認したか又は非承認したかを表す情報の表示領域C8と、病変検出結果には含まれない病変であって、読影者が発見し、かつ第2の入力情報として入力した病変の表示領域C9を含む。
図9では、表示領域C8の上部に病変検出結果が表示され、かつ下部に「Poistive」にチェックマークが付けられている例、すなわち、病変検出結果を読影者が承認した例を示している。また、
図9の例では、表示領域C9の上部に読影者が発見した病変が表示され、下部には読影者が発見した病変を診断者が承認するか又は非承認するかを表す情報を入力する入力欄が設けられている。
【0058】
診断者は、表示領域C3を参照し、病変検出結果を承認する場合、入力装置24を介して、表示領域C5の「Positive」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって病変検出結果を承認することを表す情報を入力する。一方、診断者は、表示領域C3を参照し、病変検出結果を非承認する場合、入力装置24を介して、表示領域C5の「Negative」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって病変検出結果を非承認することを表す情報を入力する。
【0059】
更に、診断者は、医用画像に、実行結果及び第2の入力情報に含まれない未検出の病変を発見した場合、その未検出の病変を表す情報を、入力装置24を介して入力する。例えば、診断者は、表示領域C1に表示された医用画像内における発見した病変の外枠をなぞることによって、その病変の位置及び大きさを表す情報を入力し、かつ表示領域C6に、その病変の種類を表す情報を入力する。
【0060】
また、診断者は、第2の入力情報に含まれる読影者が発見した病変を承認する場合、入力装置24を介して、表示領域C9の「Positive」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって第2の入力情報を承認することを表す情報を入力する。一方、診断者は、第2の入力情報に含まれる読影者が発見した病変を非承認する場合、入力装置24を介して、表示領域C9の「Negative」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって第2の入力情報を非承認することを表す情報を入力する。
【0061】
また、診断者は、入力装置24を介して、表示領域C6に総合的な診断結果を入力する。総合的な診断結果の例としては、「病気Aの疑いがあるので病院Bで診察を受けてください。」といった旨のメッセージ、及び「特に問題はありません。」といった旨のメッセージ等の医用画像を読影することによって得られる患者に関する総合的な診断結果が挙がられる。
【0062】
受付部74は、以上のように入力された総合的な診断結果を含む各種情報を受け付ける。送信部76は、受付部74により受け付けられた総合的な診断結果を含む各種情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16に送信する。共有サーバ16は、情報処理装置14から送信された情報を保存する。換言すると、送信部76は、受付部74により受け付けられた総合的な診断結果を共有サーバ16に保存する。
【0063】
次に、
図10~
図13を参照して、本実施形態に係る情報処理システム10の作用を説明する。情報処理装置11のCPU20が情報処理プログラム30を実行することによって、
図10に示す第1の診断支援処理が実行される。
図10に示す第1の診断支援処理は、例えば、撮影者により入力装置24を介して実行開始の指示が入力された場合に実行される。
【0064】
また、情報処理装置12のCPU20が情報処理プログラム30を実行することによって、
図11に示す第2の診断支援処理が実行される。
図11に示す第2の診断支援処理は、例えば、撮影者により入力装置24を介して実行開始の指示が入力された場合に実行される。また、情報処理装置13のCPU20が情報処理プログラム30を実行することによって、
図12に示す第3の診断支援処理が実行される。
図12に示す第3の診断支援処理は、例えば、読影者により入力装置24を介して実行開始の指示が入力された場合に実行される。また、情報処理装置14のCPU20が情報処理プログラム30を実行することによって、
図13に示す第4の診断支援処理が実行される。
図13に示す第4の診断支援処理は、例えば、診断者により入力装置24を介して実行開始の指示が入力された場合に実行される。
【0065】
図10のステップS10で、取得部40は、診断対象の医用画像を、ネットワークI/F25を介して画像保存システム15から取得する。ステップS12で、検出部42は、ステップS10で取得された医用画像に対して病変検出処理を実行する。ステップS14で、送信部44は、ステップS12の処理による病変検出結果を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16に送信する。ステップS14の処理が終了すると、第1の診断支援処理が終了する。
【0066】
図11のステップS20で、取得部50は、診断対象の医用画像を、ネットワークI/F25を介して画像保存システム15から取得する。また、取得部50は、診断対象の医用画像に対応する病変検出結果を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16から取得する。
【0067】
ステップS22で、表示制御部52は、ステップS20で取得された医用画像及び病変検出結果をディスプレイ23に表示する制御を行う。ステップS24で、受付部54は、前述したように、ステップS22の処理によってディスプレイ23に表示された第1の表示画面(
図5参照)を介して入力された病変検出結果に対する撮影者による第1の入力情報を受け付ける。ステップS26で、送信部56は、ステップS24で受け付けられた第1の入力情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16に送信する。ステップS26の処理が終了すると、第2の診断支援処理が終了する。
【0068】
図12のステップS30で、取得部60は、診断対象の医用画像を、ネットワークI/F25を介して画像保存システム15から取得する。また、取得部60は、診断対象の医用画像に対応する病変検出結果及び第1の入力情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16から取得する。
【0069】
ステップS32で、表示制御部62は、ステップS30で取得された医用画像、病変検出結果、及び第1の入力情報をディスプレイ23に表示する制御を行う。ステップS34で、受付部54は、前述したように、ステップS32の処理によってディスプレイ23に表示された第2の表示画面(
図7参照)を介して入力された病変検出結果及び第1の入力情報に対する読影者による第2の入力情報を受け付ける。ステップS36で、送信部66は、ステップS34で受け付けられた第2の入力情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16に送信する。ステップS36の処理が終了すると、第3の診断支援処理が終了する。
【0070】
図13のステップS40で、取得部70は、診断対象の医用画像を、ネットワークI/F25を介して画像保存システム15から取得する。また、取得部70は、診断対象の医用画像に対応する病変検出結果及び第2の入力情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16から取得する。
【0071】
ステップS42で、表示制御部72は、ステップS40で取得された医用画像、病変検出結果、及び第2の入力情報をディスプレイ23に表示する制御を行う。ステップS44で、受付部74は、前述したように、ステップS42の処理によってディスプレイ23に表示された第3の表示画面(
図9参照)を介して入力された総合的な診断結果を含む各種情報を受け付ける。ステップS46で、送信部76は、ステップS44で受け付けられた総合的な診断結果を含む各種情報を、ネットワークI/F25を介して共有サーバ16に送信する。ステップS46の処理が終了すると、第4の診断支援処理が終了する。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンピュータが検出した病変については、撮影者、読影者、及び診断者が、簡易的な確認のみを行い、医用画像におけるコンピュータが何も検出していない領域を集中的に確認するフローが実現される。従って、CAD結果を用いた撮影者、読影者、及び診断者の三者による診断効率を向上させることができる。
【0073】
なお、上記実施形態において、第1の入力情報及び第2の入力情報として、病変検出結果に含まれる病変を削除することを表す情報を適用する形態としてもよい。この場合、一例として
図14に示すように、撮影者は、入力装置24を介して、表示領域A5の「Delete」のチェックボックスにチェックマークを入れることによって病変検出結果に含まれる病変を削除することを表す情報を入力する。また、この場合、共有サーバ16は、病変検出結果からその病変を表す情報を削除する。
【0074】
また、上記実施形態において、表示制御部72は、医用画像及び第2の入力情報に加えて、第1の入力情報をディスプレイ23に表示する制御を行ってもよい。この場合、例えば、第3の表示画面において、第2の表示画面における表示領域B9と同様の表示領域が設けられることとなる。
【0075】
また、上記実施形態において、表示制御部52、表示制御部62、及び表示制御部72は、病変検出結果に1つ以上の病変を表す情報が含まれる場合、診断対象の医用画像を表示する際に、医用画像の枚数を減らした状態で表示する制御を行ってもよい。この場合、例えば、表示制御部52、表示制御部62、及び表示制御部72は、断層画像の表示を切り替える際に、1枚おきに断層画像を表示する制御を行うことによって、医用画像の表示枚数を半分にする。
【0076】
また、上記実施形態において、例えば、情報処理装置11~14の各機能部のような各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0077】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0078】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0079】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0080】
また、上記実施形態では、情報処理プログラム30が記憶部22に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム30は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム30は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 情報処理システム
11、12、13、14 情報処理装置
15 画像保存システム
16 共有サーバ
20 CPU
21 メモリ
22 記憶部
23 ディスプレイ
24 入力装置
25 ネットワークI/F
27 バス
30 情報処理プログラム
40、50、60、70 取得部
42 検出部
44、56、66、76 送信部
52、62、72 表示制御部
54、64、74 受付部
A1~A6、B1~B9、C1~C9 表示領域