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特許7404952通信端末、情報提供システム、情報提供方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】通信端末、情報提供システム、情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20231219BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20231219BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20231219BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/0481
G06Q10/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020046185
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021149251
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大関 かおり
(72)【発明者】
【氏名】今井 明
(72)【発明者】
【氏名】寺崎 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】千壽 朋子
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-199503(JP,A)
【文献】特開2008-282217(JP,A)
【文献】特開2018-032063(JP,A)
【文献】特開2017-162102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/0481
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の使用品の種類を識別するための特定の使用品種別情報を撮影する撮影手段と、
撮影された前記特定の使用品種別情報に基づいて、前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器の種類が単数か複数かを判断する判断部と
前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が単数の場合は、前記特定の使用品種別情報に対応し、当該搭載機器に対して使用される手順を示す手順情報を表示させ、前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が複数種類ある場合、当該複数種類の搭載機器を表す搭載機種情報を表示手段に表示する表示制御手段と、
を有し、
前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が複数種類ある場合、
前記撮影手段は、前記複数種類の搭載機器のうち、特定の搭載機器の種類を識別するための特定の搭載機種種別情報を撮影し、
前記表示制御手段は、前記撮影された前記特定の使用品種別情報及び前記特定の搭載機種種別情報に対応し、前記特定の使用品が前記特定の搭載機器に対して使用される手順を示す手順情報を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記表示制御手段は、所定の使用品の種類を識別するための所定の使用品種別情報と所定の搭載機器の種類を識別するための所定の搭載機種種別情報とを関連付けて管理された使用品管理情報において、前記特定の使用品種別情報及び前記特定の搭載機種種別情報に対応した前記手順情報を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記撮影手段は、前記使用品管理情報に基づいて前記表示制御手段によって表示された前記特定の使用品を搭載可能な前記複数種類の搭載機器のうち特定の搭載機器を撮影し、
前記表示制御手段は、前記撮影手段によって撮影された前記特定の使用機器の種類を識別するための特定の搭載機種種別情報と前記使用品種別情報に対応した前記手順情報を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項に記載の通信端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信端末であって、
前記手順情報を含む情報を、当該情報を記憶及び管理する提供装置から受信する受信手段を有することを特徴とする通信端末。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記手順情報として、前記特定の使用機器が前記特定の使用品を交換又は使用するためのマニュアルを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信端末。
【請求項6】
前記使用品種別情報は、前記使用品に貼付、印刷又は刻印を含む形態で与えられ、前記搭載機種種別情報は、前記搭載機器に貼付、印刷又は刻印を含む形態で与えられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信端末。
【請求項7】
前記使用品種別情報及び前記搭載機種種別情報は、それぞれバーコード、二次元バーコードを含む情報であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の通信端末。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の通信端末と、
前記通信端末が表示する手順情報を管理する手順情報管理装置と、
を有する情報提供システムであって、
前記通信端末は、
特定の使用品の種類を識別するための特定の使用品種別情報を撮影する撮影手段と、
撮影された前記特定の使用品種別情報に基づいて、前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器の種類が単数か複数かを判断する判断部と
前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が単数の場合は、前記特定の使用品種別情報に対応し、当該搭載機器に対して使用される手順を示す手順情報を表示させ、前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が複数種類ある場合、当該複数種類の搭載機器を表す搭載機種情報を表示手段に表示する表示制御手段と、
を有し、
前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が複数種類ある場合、
前記撮影手段は、前記複数種類の使用機器のうち、特定の使用機器の種類を識別するための特定の搭載機種種別情報を撮影し、
前記表示制御手段は、前記撮影された前記特定の使用品種別情報及び前記特定の搭載機種種別情報に対応し、前記特定の使用品が前記特定の使用機器に対して使用される手順を示す前記手順情報を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項9】
所定の使用装置が使用する所定の使用品を撮影可能な通信端末が実行する情報提供方法であって、
特定の使用品の種類を識別するための特定の使用品種別情報を撮影する撮影ステップと、
撮影された前記特定の使用品種別情報に基づいて、前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器の種類が単数か複数かを判断する判断ステップと
前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が単数の場合は、前記特定の使用品種別情報に対応し、当該搭載機器に対して使用される手順を示す手順情報を表示させ、前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が複数種類ある場合、当該複数種類の搭載機器を表す搭載機種情報を表示手段に表示する表示制御ステップと、
を有し、
前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が複数種類ある場合、
前記撮影ステップは、前記複数種類の搭載機器のうち、特定の使用機器の種類を識別するための特定の搭載機種種別情報を撮影する処理を含み、
前記表示制御ステップは、前記撮影された前記特定の使用品種別情報及び前記特定の搭載機種種別情報に対応し、前記特定の搭載品が前記特定の使用機器に対して使用される手順を示す手順情報を前記表示手段に表示する処理を含む
ことを特徴とする情報提供方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の情報提供方法を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、情報提供システム、情報提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置上に実物の景色に画像を重ね合わせることによって拡張現実(AR:Augmented Reality。以下、ARという)をもたらすスマートグラスや仮想現実(VR:Virtual Reality。以下、VRという)をもたらすヘッドマウントディスプレイ(Head Mount Display。以下、HMDという)などのメガネ型ウェアラブル端末が利用されるようになってきている。このメガネ型ウェアラブル端末を利用することで、装置のメンテナンスにおける支援など、さまざまな利用シーンが提供されている。
【0003】
例えば、支援情報の表示の一例として、メンテナンスを行う基板処理装置10に設けられたバーコード等のマークが認識されると、そのマークに関連付けられたマニュアルを作業者のHMD30に表示されるようにした表示制御装置40が開示されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、メンテナンスの対象となる装置に対応した手順情報は表示されるものの、所定の装置に使用される使用品を交換又は使用する際に、その使用品が複数の機種に使用される場合には、使用品の設置位置や使用に係る手順情報が機種毎に異なるという状況が想定される。このような場合においては、交換対象となる使用品に対して適切な手順情報を提供できないという課題が生じている。
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、特定の使用品の種類を識別するための特定の使用品種別情報を撮影する撮影手段と、撮影された前記特定の使用品種別情報に基づいて、前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器の種類が単数か複数かを判断する判断部と前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が単数の場合は、前記特定の使用品種別情報に対応し、当該搭載機器に対して使用される手順を示す手順情報を表示させ、前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が複数種類ある場合、当該複数種類の搭載機器を表す搭載機種情報を表示手段に表示する表示制御手段と、を有し、前記特定の使用品を搭載可能な搭載機器が複数種類ある場合、前記撮影手段は、前記複数種類の搭載機器のうち、特定の搭載機器の種類を識別するための特定の搭載機種種別情報を撮影し、前記表示制御手段は、前記撮影された前記特定の使用品種別情報及び前記特定の搭載機種種別情報に対応し、前記特定の使用品が前記特定の搭載機器に対して使用される手順を示す手順情報を前記表示手段に表示することを特徴とする通信端末である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の機種に使用される使用品を交換又は使用する際に、対象となる使用品の設置位置や使用に係る手順情報が機種毎に異なる場合であっても、適切な手順情報を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る情報提供システムの構成の一例を示す図である。
図2】通信端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】手順情報管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】搭載機器のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る情報提供システムの各機能ブロックの一例を示す図である。
図6】(A)は使用品特定テーブルを示す概念図、(B)は手順情報対応テーブルを示す概念図である。
図7】本実施形態に係る手順情報の表示処理の一例を示すシーケンス図である。
図8】本実施形態に係る手順情報特定処理の一例を示すフローチャートである。
図9】通信端末で表示される画面表示内容の一例を示す図である。
図10】通信端末で表示される画面表示内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、本発明の一実施形態の全体の概略について説明する。本実施形態は、ARを利用するために用いられるメガネ型ウェアラブル端末であるスマートグラスを用いた情報提供システムを開示している。即ち、本実施形態は、手順情報管理装置3から受信する使用品特定テーブル及び手順情報管理テーブルを用いて、ユーザに対して手順情報を提供するシステムに係る発明を開示している。
【0009】
〔システムの概略〕
図1は、本実施形態に係る情報提供システムの構成の一例を示す図である。図1に示されている情報提供システムは、通信端末2、手順情報管理装置3、使用品5及び少なくとも1以上の搭載機器7を、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワーク4を介して相互に接続することで形成されている。
【0010】
通信端末2は、ARを利用するために用いられるメガネ型ウェアラブル端末であり、手順情報管理装置3とネットワーク4を介して通信する。この通信端末2は、例えば、スマートグラスである。なお、通信端末2は、VRをもたらすHMD型のウェアラブル端末であってもよい。さらに、通信端末2は、ウェアラブル端末に限らず、スマートフォンなどのモバイル端末やPC(Personal Computer)であってもよい。
【0011】
手順情報管理装置3は、インターネット等のネットワーク4を介して通信端末2と通信できる手順情報管理装置の一例である。手順情報管理装置3は、通信端末2で使用する使用品特定テーブル及び手順情報対応テーブル等のデータを記憶、管理する。使用品特定テーブル及び手順情報対応テーブルの詳細は、後述する。なお、上述したネットワーク4は、有線LAN、無線LANのいずれで構成されてもよい。つまり、通信端末2と手順情報管理装置3は、有線LAN等のケーブルを介して接続されていてもよい。
【0012】
<用語について>
本実施形態に係る使用品とは、例えば、トナーカートリッジ、ステープラ針、印刷用紙等の所定期間内で使い切る、又は消耗することが想定される各種消耗品をいう。さらに、使用品は、故障又は損傷等により交換が必要となる各種交換品をいう。また、使用品は、所定の機能を提供するために設置されるオプション機器を含む。つまり、使用品は、これらの消耗品、交換品、及び追加品を含めた物品の総称である。
【0013】
〔ハードウェア構成〕
次に、図2乃至図4を用いて、本実施形態の通信端末2、手順情報管理装置3及び搭載機器7のハードウェア構成を詳細に説明する。
【0014】
<通信端末のハードウェア構成>
図2は、通信端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されているように、通信端末2は、CPU201、ROM202、RAM203、EEPROM204、CMOSセンサ205、撮像素子I/F206、加速度・方位センサ207、メディアI/F209、GPS受信部211を備えている。
【0015】
これらのうち、CPU201は、通信端末2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。EEPROM204は、CPU201の制御にしたがって、通信端末2で実行されるプログラム等の各種データの読出し又は書込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ205は、CPU201の制御に従って被写体(使用品等)を撮影して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F206は、CMOSセンサ205の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ207は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。なお、加速度・方位センサ207は、あわせて照度センサを持ちあわせてもよい。メディアI/F209は、フラッシュメモリ等のメディア208に対するデータの読出し又は書込み(記憶)を制御する。GPS受信部211は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0016】
また、通信端末2は、遠距離通信回路212、CMOSセンサ213、撮像素子I/F214、マイク215、スピーカ216、音入出力I/F217、ディスプレイ218、外部機器接続I/F(Interface)219、近距離通信回路220、近距離通信回路220のアンテナ220a、及びタッチパネル221を備えている。
【0017】
これらのうち、遠距離通信回路212は、ネットワーク4を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ213は、CPU201の制御に従って被写体を撮影して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサ213は、上述したCMOSセンサ205と共用してもよい。撮像素子I/F214は、CMOSセンサ213の駆動を制御する回路である。マイク215は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ216は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F217は、CPU201の制御に従ってマイク215及びスピーカ216との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ218は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F219は、各種の外部機器を接続するためのインターフェイスである。近距離通信回路220は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル221は、利用者が、例えばディスプレイ218を押下することで、通信端末2を操作する入力手段の一種である。また、通信端末2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0018】
なお、通信端末2は、例えば、ウェアラブル端末としてのスマートグラス又はヘッドマウントディスプレイ、並びに、スマートフォン、携帯型端末及びPCであってもよい。
【0019】
<手順情報管理装置のハードウェア構成>
図3は、手順情報管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。手順情報管理装置3は、図3に示されているように、CPU301、ROM302、RAM303、HD(Hard Disk)304、HDコントローラ305、メディア306、メディアインターフェイス(I/F)307、ディスプレイ308、ネットワークインターフェイス(I/F)309、キーボード311、マウス312、DVD(又はBD:Blu-Ray Disc)313、DVD-RWドライブ314及びバスライン310を備えている。
【0020】
これらのうち、CPU301は、手順情報管理装置3全体の動作を制御する。ROM302は、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。また、ROM302には、HD304に記憶されている各種プログラム以外のその他のプログラムを構成するデータが記憶されていてもよい。CPU301は、ROM302に記憶されている各種プログラムを実行することで、通信端末2との間の制御を行ってもよい。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。また、RAM303には、例えば、ROM302、HD304等の記憶部に記憶されている各種プログラムがダウンロードされ、CPU301によって各種処理が実行されるワークエリアとしての機能を有する。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDコントローラ305は、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。メディアI/F307は、フラッシュメモリ等のメディア306に対するデータの読出し又は書込み(記憶)を制御する。ディスプレイ308は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種情報を表示する。
【0021】
ネットワークI/F309は、ネットワーク4を利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。キーボード311は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス312は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。なお、マウス312は、ポインティングデバイスの一例である。CD-RWドライブ314は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW(Digital Versatile-Disc-ReWritable)313に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。また、手順情報管理装置3は、バスライン310を備えている。バスライン310は、図3に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0022】
なお、手順情報管理装置3は、サーバ機能を備えた手順情報管理装置、PC等であってもよい。
【0023】
<搭載機器のハードウェア構成>
図4は、搭載機器のハードウェア構成の一例を示す図である。搭載機器7の一例としてMFP(Multi Function Peripheral)が与えられ、MFPは、コントローラ600、近距離無線通信回路620、エンジン制御部630、操作パネル640、ネットワークI/F650を備えている。
【0024】
これらのうち、コントローラ600は、例えば、操作パネル640からの入力等を制御する。また、コントローラ600は、搭載機器7の全体制御を行う制御部としてのCPU601、システムメモリ(MEM-P)602、ノースブリッジ(NB)603、サウスブリッジ(SB)604、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)606、記憶部としてのローカルメモリ(MEM-C)607、HDDコントローラ608及び記憶部としてのHDD609を有する。さらに、NB603とASIC606との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス621で接続される。NB603は、CPU601と、MEM-P602、SB604及びASIC606とを接続するためのブリッジ回路である。NB603は、MEM-P602に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。MEM-P602は、コントローラ600の各機能を実現させるプログラム及びデータの格納用メモリであるROM602a、プログラム及びデータの展開並びに原稿スキャン時のストレージ用メモリ及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM602bを備える。なお、RAM602bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、CD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。SB604は、NB603とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジ回路である。ASIC606は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)である。その役割は、AGPバス621、PCIバス622、HDDコントローラ608及びMEM-C607をそれぞれ接続するブリッジ回路である。
【0025】
また、ASIC606は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC606に接続される他のデバイスの動作及びタイミングを調停するアービタ(ARB)、MEM-C607を制御するメモリコントローラ、DMA制御を司るDMAC(Direct Memory Access Controller)、スキャナ部631及びプリンタ部632との間でPCIバス622を介したデータ転送を行うPCIユニットを有する。なお、ASIC606には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェイス、及び、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェイスを接続するようにしてもよい。MEM-C607は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HDD609は、画像データの蓄積、原稿の印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積等を行うためのストレージである。HDDコントローラ608は、CPU601の制御にしたがってHDD609に対するデータの読出し又は書込みを制御する。AGPバス621は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェイスである。AGPバス621は、MEM-P602に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。近距離無線通信回路620は、近距離無線通信を行うための回路であり、近距離無線通信回路用アンテナ620aを備える。近距離無線通信回路620は、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信回路である。
【0026】
エンジン制御部630は、スキャナ部631及びプリンタ部632によって構成される。スキャナ部631及びプリンタ部632には、誤差拡散及びガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。操作部11の一部としての操作パネル640は、搭載機器7に搭載又は接続可能であり、パネル表示部640a及びパネル操作部640bを含む。本実施形態では、一例として搭載機器7に接続可能な状態を示している。パネル表示部640aは、現在の設定値及び選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等を備える。また、パネル操作部640bは、原稿サイズ、ファイル形式、カラー/モノクロ、部数等で与えられる印刷に係る属性情報(各種条件ともいう)の入力を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等を備える。
【0027】
ネットワークI/F650は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。近距離無線通信回路620及びネットワークI/F650は、PCIバス622を介して、ASIC606に電気的に接続される。また、搭載機器7の一例としてのMFPは、パネル表示部640aに表示される又はパネル操作部640bが備えるアプリケーション切替キーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を切り替えて選択することが可能となる。つまり、搭載機器7は、ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリ機能の選択時にはファクシミリモードとなる。
【0028】
さらに、搭載機器7は、上述したMFPのほか、上述した各種使用品を搭載する機器であればその種類を問わず、ランプ等を搭載するプロジェクタ、インク等を使用するインクジェットプリンタをはじめ、各種バッテリを備えた機器であってもよい。
【0029】
〔機能構成〕
<情報提供システムの機能構成>
次に、情報提供システムの機能構成について説明する。図5は、情報提供システムを構成する各装置の機能ブロックの一例を示す図である。情報提供システムは、図1に示されているように、通信端末2及び手順情報管理装置3がネットワーク4を介して接続されている。これにより、通信端末2は、手順情報管理装置3との間で、例えば音声データ、画像データ及びテキストデータ等のデータ通信を行う。
【0030】
<通信端末の機能構成>
図5に示されているように、通信端末2は、送受信部21、受付部22、撮像部23、表示制御部24、判断部25、画像処理部26、通信部28及び記憶・読出処理部29を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202等の記憶部からRAM203上に展開された画像処理プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。なお、通信端末2は、上述した画像処理プログラムに加えて、他の処理プログラムをROM202等の記憶部に記憶しておいてもよい。
【0031】
また、通信端末2は、図2に示されているROM202及びEEPROM204によって構築される記憶部2000を有している。
【0032】
CPU201は、画像処理プログラムを実行することで、後述する使用品5に貼付、印刷又は刻印等により与えられている使用品種別ID6、及び搭載機器7に貼付、印刷又は刻印等により与えられている搭載機種種別ID8に対する撮影処理、並びに、通信端末2のディスプレイ218への各種画像表示及びテキスト表示処理を含む処理を可能とする。また、CPU201は、撮影した使用品種別ID6及び搭載機種種別ID8と手順情報管理装置3から取得(受信)したテーブルデータを比較して、使用品5の交換及び使用に係る手順情報の選択を含む各種処理を実行する。
【0033】
<通信端末の各機能構成>
次に、通信端末2の各機能構成について説明する。なお、以下の各機能構成は、主に、スマートフォンが有する各機能構成を説明したものであるが、通信端末に対しても共通に用いることが可能である。通信端末2の送受信部21は、主に、遠距離通信回路212に対するCPU301の処理によって実現され、インターネット等の通信ネットワークを介して、他の装置との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。
【0034】
受付部22は、主に、タッチパネル221に対するCPU201の処理によって実現され、利用者から各種の選択又は入力を受け付ける
撮像部23は、主に、撮像素子I/F206を介してCMOS205又は撮像素子I/F214を介してCMOS213に対するCPU201の処理によって実現され、被写体等を撮影して撮影画像データを得る。
【0035】
表示制御部24は、主に、CPU201の処理によって実現され、ディスプレイ218に、各種画像を表示させる。
【0036】
判断部25は、主に、CPU201の処理によって実現され、各種判断を行なう。判断部25が行う判断内容については後述する。
【0037】
画像処理部26は、撮像部23によって撮影された被写体の撮影画像データを処理する。
【0038】
通信部28は、主に、近距離通信回路220に対するCPU201の処理によって実現され、手順情報管理装置3の送受信部31及び通信部38とデータ通信を行う。なお、有線通信の場合には、通信部28は、外部機器接続I/F219に対するCPU201の処理によって、手順情報管理装置3に対して通信ケーブルを介することで、電源供給又は画像データ等の通信を行う。
【0039】
記憶・読出処理部39は、主に、CPU201の処理によって実現され、記憶部2000に、各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部2000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。
【0040】
本実施形態では、送受信部21、受付部22、撮像部23、表示制御部24、判断部25、画像処理部26、通信部28及び記憶・読出処理部29は、ソフトウェアで実現されてもよい。また、送受信部21、受付部22、撮像部23、表示制御部24、判断部25、画像処理部26、通信部28及び記憶・読出処理部29は、他のプログラムに処理の一部を実行させ、又は他のプログラムを用いて間接的に処理を実行させてもよい。さらに、送受信部21、受付部22、撮像部23、表示制御部24、判断部25、画像処理部26、通信部28及び記憶・読出処理部29は、一部又は全部を、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現されてもよい。
【0041】
<手順情報管理装置の機能構成>
手順情報管理装置3は、送受信部31、受付部32、表示制御部34、判断部35、提供部36、通信部38及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、ROM302等の記憶部からRAM303上に展開された画像処理プログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。
【0042】
また、手順情報管理装置3は、図2に示されているROM302及びHD304によって構築される記憶部3000を有している。
【0043】
<手順情報管理装置の各機能構成>
次に、手順情報管理装置3の各機能構成について説明する。送受信部31は、図3に示されているCPU301からの命令及びネットワークI/F309によって実現され、ネットワーク4を介して他の端末、装置またはシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0044】
受付部32は、主に、図3に示されているCPU301からの命令、並びにキーボード311及びマウス312によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
【0045】
表示制御部34は、図3に示されているCPU301からの命令によって実現され、ディスプレイ308に画像を表示させる。表示制御部34は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)を少なくとも含み、CSS(Cascading Style Sheets)又はJAVA SCRIPT(登録商標)等を含むWebAPP(WebApplication)をダウンロードし、そのWebAPPによって生成された各種画像データを、ディスプレイ308に表示させる。表示制御部34は、例えば、XML(Extensible Markup Language)、JSON(JavaScript Object Notation)またはSOAP(Simple Object Access Protocol)形式等のデータを含むHTML5によって生成された画像データを、ディスプレイ308に表示させる。
【0046】
判断部35は、図3に示されているCPU301からの命令によって実現され、手順情報管理装置3と通信端末2との通信において、手順情報管理装置3で記憶、管理されている各種データテーブルを参照し、通信端末2に提供する情報の選択、実行を判断する。
【0047】
通信部38は、図3に示されているCPU301からの命令によって実現され、主にネットワークI/F309に対するCPU301の処理によって実現され、通信端末2の送受信部21及び通信部28とデータ通信を行う。
【0048】
記憶・読出処理部39は、図3に示されているCPU301からの命令、及びHDDコントローラ305等によって実行され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000から各種データを読み出したりする処理を行う。
【0049】
上述した手順情報管理装置3は、通信制御部351~記憶・読出処理部356のうち、一部又は全部を、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現してもよい。
【0050】
また、上述した例では、通信制御部351~記憶・読出処理部356をソフトウェアで実現することとしたが、これらのうち、一部又は全部を、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現してもよいこと等は、上述の他のプログラムと同様である。
【0051】
(使用品特定テーブル)
図6(A)は、使用品特定テーブルを示す概念図である。記憶部3000には、図6(A)に示されているような使用品特定テーブルによって構成されている使用品管理DB3001が構築されている。この使用品特定テーブルでは、「画像情報(画像の特徴)」毎に、「使用品情報」を構成する「使用品名」、「使用品識別ID」及び「使用品の種類」が関連付けて管理されている。
【0052】
これらのうち、画像情報(画像の特徴)は、使用品5の一例であるトナーカートリッジに貼付、印刷又は刻印等により与えられているQRコード(登録商標。以下、省略する)、ステープラ針又は印刷用紙の箱に貼付又は印刷されている文字等を含む情報である。なお、画像情報は、上述したQRコード、文字の他に、バーコード、特定のマーク、記号であってもよい。さらに、画像情報は、使用品5そのものの形や色、模様であってもよい。さらに、画像情報は、使用品5を梱包する箱などに特徴を与えてもよい。
【0053】
使用品名は、トナーカートリッジ等の使用品5に与えられた「TC-C」など、その使用品5の特徴を示すことばを記号等により表したものである。
【0054】
使用品種別ID(使用品種別ID6)は、「QR-ID1」等で表される使用品5の種類を識別するための種類識別情報(以下、単に識別情報という)であり、使用品種別情報の一例である。使用品種別IDのうち、使用品5に貼付、印刷又は刻印等により与えられている対象がQRコードやバーコードの場合は、通信端末2によって撮影されたQRコードやバーコードに埋め込まれた情報をデコードした情報が、使用品種別IDとして与えられる。なお、使用品種別IDは、QRコード、バーコード等の画像コードで表されるコード情報に加えて、特定の文字、記号等のテキスト情報(文字情報)であってもよい。さらに、使用品種別IDは、例えば、同一型番で製造番号の異なる使用品に対して付与される識別情報を表す。
【0055】
使用品5の種類は、使用品5がどのような物品であるかを示す情報であり、例えば、「トナーカートリッジ(シアン)」など、色情報が付加されて与えられる。
【0056】
(手順情報対応テーブル)
図6(B)は、手順情報対応テーブルを示す概念図である。記憶部3000には、図6(B)に示されているような手順情報管理テーブルによって構成されている手順情報管理DB3002が構築されている。この手順情報対応テーブルでは、上述した「使用品情報(使用品名及び使用品種別ID)」毎に、「機種情報」を構成する「機種名」、「機種種別ID」及び「機種アイコン」、並びに、「手順情報及び使用品種類情報」を構成する「手順情報番号」及び「使用品種類情報」が関連付けて管理されている。つまり、手順情報対応テーブルは、使用品種別情報の一例である使用品種別IDと、搭載機器7の種類を識別するための搭載機種種別情報の一例である機種名、搭載機種種別ID及び機種アイコン等とを関連付けて管理された管理情報である。
【0057】
機種名は、搭載機器7等の機種を示す情報であり、例えば、「機種A」、「機種B」等の情報で与えられる。
【0058】
搭載機種種別ID(搭載機種種別ID8)は、「M-IDA」等で表される搭載機器7の種類を識別するための種類識別情報(以下、単に識別情報という)であり、搭載機種種別情報の一例である。機種種別IDのうち、搭載機器7に貼付、印刷又は刻印等により与えられている対象がQRコードやバーコードの場合は、通信端末2によって撮影されたQRコードやバーコードに埋め込まれた情報をデコードした情報が、搭載機種種別IDとして与えられる。なお、搭載機種種別IDは、QRコード、バーコード等の画像コードで表されるコード情報に加えて、特定の文字、記号等のテキスト情報(文字情報)であってもよい。さらに、使用品種別IDは、例えば、同一型番で製造番号の異なる搭載機器に対して付与される識別情報を表す。
【0059】
機種アイコンは、上述した機種名及び機種情報に関連付けられた機種のサムネイル画像である。なお、各機種のサムネイル画像は、記憶部3000に記憶、管理されており、この手順情報対応テーブルには、機種アイコンとしてサムネイル画像に代えてサムネイル画像のファイル名が与えられてもよい。
【0060】
手順情報番号は、使用品を使用する機器の機種と使用品毎に与えられる、その使用品の交換、使用等に係る手順を示す情報であり、ユーザーマニュアル、操作マニュアル等のマニュアルの名称が管理番号とともに与えられたものである。なお、上述したマニュアルは、画像、動画、音声情報を含む。
【0061】
使用品種類情報は、使用品特定テーブルを構成する使用品の種類と同様の情報が与えられる。
【0062】
<MFPの機能構成>
搭載機器7のCPU601は、搭載機器7とネットワーク4を介して接続されるPC又は手順情報管理装置から送信された印刷命令及びファイル出力命令等の各種実行命令に基づいて、HDD609等の記憶手段に記憶されている印刷実行プログラムをRAM602bに展開して実行する。CPU601は、この印刷実行プログラムを実行することで、例えば、通信制御部、命令受信部、判断部、命令実行部、通知部及び記憶・読出処理部を含む各機能又は機能する各手段を構成する。但し、本実施形態においては、搭載機器7は発明の主体である通信端末2及び手順情報管理装置3との機能的な接続は無いため、搭載機器7の機能構成の詳細説明を省略する。なお、上述した各機能部は、一部又は全部を、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現してもよい。
【0063】
〔実施形態の処理又は動作〕
以降、図面を用いて、本実施形態の処理及び動作について説明する
<処理シーケンス>
ここでは、図7乃至図10用いて、通信端末2を装着又は所有するユーザが、使用品5に貼付、印刷又は刻印等により与えられている使用品種別ID6を撮影することにより、通信端末2が、撮影した使用品5に係る交換マニュアル等をディスプレイ218上に表示させる処理について説明する。なお、使用品5の一例としてトナーカートリッジを例示し、トナーカートリッジを搭載する搭載機器の一例としてMFPを例示する。
【0064】
図7は、本実施形態に係る手順情報の表示処理の一例を示すシーケンス図である。まず、通信端末2は、手順情報管理装置3に対して互いの通信を確立するための所定の通信プロトコルを開始する。この通信プロトコルの開始は、通信端末2の通信部28及び手順情報管理装置3の通信部38との間で行われるが、一般的な通信プロトコルで実行可能な処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0065】
通信部28が通信端末2と手順情報管理装置3との通信を確立した後、スマートグラスの送受信部21は、手順情報管理装置3の記憶部3000で管理されている使用品管理テーブル、手順情報対応テーブル及び全ての手順情報(手順情報1~9に対応するマニュアル)をダウンロード(受信)する(ステップS101)。一方で、ステップS101において、送受信部21が取得する手順情報は、全てではなく一部でもかまわない。
【0066】
続いて、通信端末2の撮像部23は、ユーザの操作によってユーザの視界にある使用品5の一例であるトナーカートリッジに貼付、印刷又は刻印等により与えられているQRコードを含めた範囲を撮影する(ステップS102)。なお、表示制御部27は、ユーザがトナーカートリッジを撮影する前に、手順情報のダウンロードが終了したことをディスプレイ218上に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザは適切な撮影タイミングを知ることができる。
【0067】
続いて、判断部25は、撮影されたQRコードからそのQRコードが貼付、印刷又は刻印されたトナーカートリッジの使用品名、使用品種別ID等を画像処理部26と協働して特定する(ステップS103)。この特定の方法として、判断部25は、ステップS101でダウンロードした使用品特定テーブルのQRコードを検索キーとして使用品情報に定義されている使用品名、使用品種別ID及び使用品の種類を特定する。ここで、判断部25は、QRコードをデコードして使用品名や仕様品識別IDを取得しても良い。また、判断部25は、撮影されたQRコードの他に、撮影されたトナーカートリッジ本体の画像に含まれる名称や固有の番号を検索キーとして使用品特定テーブルを検索し、使用品を特定することもできる。このとき、判断部25は、撮影された画像に含まれている文字を認識してテキスト化することで使用品名や仕様品識別IDを取得しても良い。なお、送受信部21は、撮影された画像を示す画像データを手順情報管理装置3に送信することで、使用品の特定を手順情報管理装置3に要求してもよい。この場合、通信端末2は、手順情報管理装置3で特定された特定結果を取得する。また、送受信部21は、他のサーバに対してQRコードのデコードや文字認識を要求しても良い。この場合、通信端末2は、サーバから使用品名や仕様品識別IDを取得する。
【0068】
続いて、判断部25は、特定したトナーカートリッジの使用品名及び使用品種別IDに基づいて、そのトナーカートリッジに対する交換等の手順情報を特定することが可能か否かを判断する(ステップS104)。以下、ステップS104の手順情報特定処理について、図8を用いて詳細に説明する。
【0069】
<フローチャート>
図8は、本実施形態に係る手順情報特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0070】
まず、判断部25は、特定した使用品5(トナーカートリッジ)の使用品情報(使用品名及び使用品種別ID)を検索キーとして、ダウンロードした手順情報対応テーブルを検索することにより、対応する機種情報(機種名、搭載機種種別ID及び機種アイコン)を読み出す(ステップS1201)。
【0071】
続いて、判断部25は、特定した使用品5を搭載する搭載機器の種類が単数か否かを判断する(ステップS1202)。つまり、判断部25は、ステップS1201で読み出した使用品5の種類に対応する搭載機器7の機種情報(機種名、搭載機種種別ID及び機種アイコン)が、一意に対応するか否かを判断する。具体的には、判断部25は、例えば、トナーカートリッジに貼付されているQRコードと、MFPの機種名、並びに、MFPに貼付されているQRコード及び機種アイコン等が一意に対応するか否かを判断する。つまり、判断部25は、QRコードなどから取得した使用品情報と、機種情報又は手順情報とが一意に対応しているか否かを手順情報対応テーブルに基づいて判断する。ここで、特定した使用品が特定の機種のみ(単数)に対応する場合には、判断部25は、特定した使用品5に対応する手順情報を特定可能と判断する。一方、複数の使用品情報が対応する場合(つまり、使用品が特定の機種のみ(単数)に対応しない場合)には、判断部25は、手順情報を特定不可能と判断する。
【0072】
特定した使用品5が特定の搭載機器のみ(単数)で使用されると判断された場合(ステップS1202;YES)、つまり、特定した使用品5を搭載する搭載機器7が特定された場合、判断部25は、図7の後述するステップS105の処理を表示制御部24に実行させてこのフローを抜ける。
【0073】
一方、特定した使用品5を搭載する搭載機器の種類が複数あると判断された場合(ステップS1202;NO)、判断部25は、特定した使用品5(トナーカートリッジ)の使用品情報(使用品名及び使用品種別ID)に対応する複数の機種情報(機種名、搭載機種種別ID及び機種アイコン)を読み出す(ステップS1203)。
【0074】
続いて、表示制御部24は、複数の機種情報(機種名、搭載機種種別ID及び機種アイコン)のそれぞれから、各機種情報における機種名及び機種アイコンで示されるサムネイル画像をディスプレイ218上に表示させる(ステップS1204)。詳細は、図9で説明する。
【0075】
<ディスプレイに対する表示例>
図9は、通信端末で表示される画面表示内容の一例を示す図である。なお、図9は、通信端末2の一例であるメガネ型のスマートグラスの模式図である。図9に示されているように、表示制御部24は、通信端末2のディスプレイ218の領域251に、ステップS102で撮影したトナーカートリッジの種類及びサムネイル画像を表示する。また、表示制御部24は、領域252に、ステップS1202で特定した使用品5を搭載する搭載機器7の種類が複数あり、搭載機器を特定できないことを示すメッセージを表示する。図9の例では、搭載機器7を特定できない内容を表示している。例えば、「該当する交換品を搭載する機種が特定できません。対応する機種の特定が必要です。」である。さらに、表示制御部24は、領域253に、撮影した使用品が搭載される搭載機器7の各機種情報における機種名及び機種アイコンで示されるサムネイル画像をディスプレイ218上に表示させる。手順情報対応テーブルにおいて、使用品名「TC-C」に対応する機種名は、「機種A」、「機種B」及び「機種C」である。そこで、表示制御部24は、まず、ディスプレイ218上の領域252に、例えば、「対応する機種は、機種A、機種B、機種Cです」と表示する。さらに、表示制御部24は、領域253に、撮影した使用品5が搭載される複数の搭載機器7の候補に係る情報を表示する。具体的には、例えば、表示制御部24は、「機種A」、「機種B」及び「機種C」の各サムネイル画像を表示し、各サムネイル画像上に、それぞれの使用品種別ID(各QRコードから得られる各種類識別情報)が表示、印刷又は刻印されている場所を示す内容(例えば「ここ」、「→」、「○印」といった文字及び記号)を表示する。
【0076】
なお、図9に示されている濃いグレーの部分は、スマートグラスの撮像素子(CMOS)を含め、マイク、スピーカ等が内蔵されたユニットの部分である。さらに、濃いグレーの部分中の円で示された部分は、被写体を写すためのレンズが内蔵されている。この構成は、後述する図10に示されている画面表示内容の一例においても同様である。
【0077】
ステップS1204で表示制御部24によって図9の画面が表示されると、図9の画面を見たユーザの操作により、撮像部23は、他の搭載機器7に貼付、印刷又は刻印されているQRコード等を撮影する。そこで、画像処理部26は、撮影されたQRコードを解析して、搭載機器7の機種情報の一つである搭載機種種別IDを判断部25に渡す。判断部25は、特定した使用品5と新たに撮影された搭載機器7の機種情報とが一意に対応するか否かを判断する。つまり、判断部25は、特定した使用品5を搭載する搭載機器7の種類が特定できるか否かを判断する(ステップS1205)。ここで、判断部25は、手順情報対応テーブルに対して、使用品種別ID6を検索キーとして、ステップS1204で得たQRコードが示す搭載機器を検索し、手順情報番号を特定することが可能か否かを判断する。その結果、判断部25は、使用品種別ID6と搭載機種種別ID8とに対応する手順情報番号が一つに絞られれば、撮影した使用品5と搭載機器7の組合せが決定したと判断して、図7のステップS105の処理に移行してこのフローを抜ける。
【0078】
一方、判断部25は、使用品種別ID6と搭載機種種別ID8とに対応する手順情報番号が一つに絞られなければ(ステップS1205;NO)、さらに別の搭載機器7の機種情報が得られるまで待機する。
【0079】
<ディスプレイに対する表示例>
図10は、通信端末で表示される画面表示内容の一例を示す図である。図10に示されているように、表示制御部24は、通信端末2のディスプレイ218の領域251に、ステップS102で撮影したトナーカートリッジの種類及びサムネイル画像を表示する。また、表示制御部24は、領域252に、ステップS1202で特定した使用品5を搭載する搭載機器が絞り込まれ、搭載機器を特定できたことを示すメッセージを表示する。図10の例では、搭載機器を特定できた内容を表示している。例えば、「該当する交換品を搭載する機種が見つかりました。これから該当する交換品の交換手順を表示します」である。さらに表示制御部24は、領域253に、例えば、使用品5を搭載する機種Aのサムネイル画像及び機種Aのユーザーマニュアルのタイトルを表示する。さらに表示制御部24は、領域254に、機種Aの全体画像を表示する。なお、図9及び図10で示した表示例は一例であり、表示内容及びレイアウトはこれに限らない。
【0080】
図7に戻り、表示制御部24は、ステップS104で特定された手順情報をディスプレイ218上に表示する(ステップS105)。具体的には、表示制御部24は、例えば、撮像部23で撮影した使用品5に印刷されたQRコードと搭載機器7に印刷されたQRコードに対応した手順情報(マニュアル)をディスプレイ218上に表示する。つまり、表示制御部24は、取得した使用品情報及び機種情報に対応する手順情報を表示する。
【0081】
また、ステップS1202~S1204の処理は、使用品5が搭載される搭載機器7が特定されるまで繰り返される。但し、上述のステップS1202~S1204までの処理を繰り返してもなお搭載機器7が特定されず、使用品5の手順情報を特定できない場合は、判断部25は、表示制御部24を制御して、搭載機器7が特定できない旨を示すメッセージを表示してもよい。
【0082】
この場合、判断部25は、通信部28を制御して、手順情報管理装置3に対して、ステップS101でダウンロードした手順情報とは異なる別の手順情報を通信端末2にダウンロードするように制御してもよい。この場合、手順情報管理装置3は、通信端末2の撮像部23により撮影された使用品5の使用品種別ID6及び搭載機器7の搭載機種種別ID8を受信する機能を有してもよい。その際、表示制御部24は、ディスプレイ218上に別の手順情報をダウンロード中である旨を示すメッセージを表示してもよい。
【0083】
なお、判断部25は、通信部28を制御して、手順情報管理装置3に対して、ステップS101で実行した手順情報のダウンロードを、ステップS103の使用品5を特定した後で実行してもよい。この場合、全ての手順情報をダウンロードする処理に比べて、特定した使用品5に関する手順情報に絞り込んだ手順情報のみをダウンロードするため、通信端末2のメモリの節約、並びに通信端末2と手順情報管理装置3との通信に係る通信費用、データ量の節約も期待できる。より具体的には、送受信部21は、ステップS103によって使用品情報を取得した後、取得した使用品情報を手順情報管理装置3に対して送信する。手順情報管理装置3の判断部35は、通信端末2から受信した使用品情報に基づいて、手順情報が一意に特定できるか否かを判断し、手順情報が一意に特定できる場合には特定した手順情報のみを通信端末2へダウンロードすることができる。これにより、不必要な手順情報を通信端末2へダウンロードする必要がなくなる。判断部35は、通信端末2から受信した使用品情報に基づいて手順情報が一意に特定できない場合には、通信端末2から受信した使用品情報に対応する全ての手順情報を通信端末2へダウンロードしても良い。これにより、ユーザが搭載機器7のQRコードなどの画像を撮影中に、通信端末2は、必要になる可能性のある手順情報を予めダウンロードできるため、機種情報を特定した後に直ちに手順情報の表示を行うことができる。
【0084】
さらに、判断部25は、通信部28を制御して、手順情報管理装置3に対して、ステップS101で実行した手順情報のダウンロードを、ステップS104の手順情報を特定した後で実行してもよい。この場合、全ての手順情報又は使用品5に関する手順情報をダウンロードする処理に比べて、特定した使用品5及び特定した搭載機器7に関する一の手順情報のみをダウンロードするため、通信端末2のメモリのさらなる節約、並びに通信端末2と手順情報管理装置3との通信に係る通信費用、データ量のさらなる節約も期待できる。より具体的には、送受信部21は、ステップS103によって使用品情報を取得した後、取得した使用品情報を手順情報管理装置3に対して送信する。手順情報管理装置3の判断部35は、通信端末2から受信した使用品情報に基づいて手順情報が一意に特定できない場合には、通信端末2に対して手順情報を送信せずに機種情報を要求する。この場合、通信端末2の撮像部23は、搭載機器のQRコードなどの撮影により機種情報を更に取得して、取得した機種情報と予め取得した使用品情報を手順情報管理装置に対して送受信部21を介して送信する。手順情報管理装置3の送受信部31は、通信端末2から受信した使用品情報と機種情報に基づいて、特定した一の手順情報を通信端末2へ送信する。
【0085】
また、判断部25は手順情報が使用品情報を含む場合は、取得した使用品情報及び機種情報を含む手順情報を特定しても良い。
【0086】
〔実施形態の主な効果〕
以上説明したように、本実施形態に係る情報提供システムにおける通信端末2は、使用品5の種類を識別するための使用品種別ID6を撮影し(S102)、撮影された特定の使用品5の種類を識別するための使用品種別ID6及びその使用品5を搭載する特定の搭載機器7の種類を識別するための搭載機種種別ID8から、特定の使用品5に対する交換及び使用に係る手順情報(マニュアル)を通信端末2のディスプレイ218上に表示する(S105)。これにより、使用品5を搭載する機種が複数種類存在する場合でも、その使用品5を搭載する特定の搭載機器7で利用される適切な手順情報をユーザに提供することができる。
【0087】
また、使用品5を使用する搭載機器7が複数種類存在する場合に、複数種類の搭載機器7を表す機種アイコンをディスプレイ218に表示し(S1203)、複数種類の搭載機器7のうち、特定の搭載機器7の種類を識別するための搭載機種種別ID8を撮影して(S1204)使用品5を搭載する特定の搭載機器7を特定する(S1202)。これにより、情報提供システムは、適切な手順情報が決定されるまでユーザに対して繰り返し情報を提供することができる。
【0088】
上記実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0089】
以上、各実施形態に基づき本実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0090】
2 通信端末
3 手順情報管理装置
4 ネットワーク
5 使用品
6 使用品種別ID(使用品種別情報の一例)
7 搭載機器
8 搭載機種種別ID(搭載機種種別情報の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【文献】特開2014-164482号公報
図1
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図3
図4
図5
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図7
図8
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