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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/624 20210101AFI20231219BHJP
   H01J 49/04 20060101ALI20231219BHJP
   H01J 49/02 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G01N27/624
H01J49/04 220
H01J49/02 500
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022196763
(22)【出願日】2022-12-09
(62)【分割の表示】P 2018146742の分割
【原出願日】2018-08-03
(65)【公開番号】P2023029994
(43)【公開日】2023-03-07
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】氏本 勝也
(72)【発明者】
【氏名】窪田 進一
(72)【発明者】
【氏名】丹 国広
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-525672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0228492(US,A1)
【文献】国際公開第2014/001827(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/60 - G01N 27/70
H01J 40/00 - H01J 49/48
G01N 30/00 - G01N 30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1の電極及び第2の電極を有し、通過するイオンの移動度を制御するイオンフィルタと、
前記イオンフィルタを通過したイオンが接触し、該接触した強さに応じた電気特性値を出力する出力部と、
前記イオンフィルタに導入されるイオンを含む流体の流れを調整する流体調整部と、
を有し、
前記流体調整部は、前記流体の流れのレイノルズ数を、当該流体調整部に供給されたときよりも低下させて前記イオンフィルタに供給し、
前記流体調整部と前記イオンフィルタとの間に絶縁体を有し、
前記流体調整部、前記絶縁体、前記イオンフィルタが層状に積層されており、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、櫛歯状に形成されている
ことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記流体調整部は、前記流体の流れを層流にして前記流体を前記イオンフィルタに供給することを特徴とする請求項に記載の検出装置。
【請求項3】
前記流体調整部が導電性であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項4】
前記流体調整部における前記流体の流路の断面積よりも、前記イオンフィルタにおける前記流体の流路の断面積が小さいことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記流体調整部における前記流体の流路は、前記イオンフィルタから離間するほど広がっていることを特徴とする請求項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記流体調整部及び前記絶縁体に、積層方向に貫通する複数の開口部が形成され、
前記複数の開口部の各々は、前記第1の電極と前記第2の電極との間の間隙と重なることを特徴とする請求項に記載の検出装置。
【請求項7】
前記流体調整部及び前記絶縁体は、櫛歯状に形成され、
前記流体調整部及び前記絶縁体は、積層方向において前記第1の電極及び前記第2の電極と重なり合うこと特徴とする請求項に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界非対称波形イオン移動度分光分析(Field Asymmetric Ion Mobility Spectrometry:FAIMS)システムによる化学物質の検出及び分析について種々の検討が行われている。FAIMSシステムは、非対称の交流信号が印加される1対の電極を備えたイオンフィルタを有しており、イオン化した化学物質をイオンフィルタに流すと、その移動度の差によって選別される。イオンフィルタを通過した化学物質をイオン検出電極に衝突させ、イオン検出電極で発生した電流を検出することで、化学物質を特定できる。
【0003】
従来、FAIMSシステムに関し、分析性能の向上等を目的として種々のイオン移動度分光計が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のFAIMSシステムでは、イオンフィルタへ導入されるイオンの量に見合った十分な信号強度が得られないことがある。
【0005】
開示の技術は、信号強度を向上することができる検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の一態様によれば、検出装置は、対向する第1の電極及び第2の電極を有し、通過するイオンの移動度を制御するイオンフィルタと、前記イオンフィルタを通過したイオンが接触し、該接触した強さに応じた電気特性値を出力する出力部と、前記イオンフィルタに導入されるイオンを含む流体の流れを調整する流体調整部と、を有し、前記流体調整部は、前記流体の流れのレイノルズ数を、当該流体調整部に供給されたときよりも低下させて前記イオンフィルタに供給し、前記流体調整部と前記イオンフィルタとの間に絶縁体を有し、前記流体調整部、前記絶縁体、前記イオンフィルタが層状に積層されており、前記第1の電極及び前記第2の電極は、櫛歯状に形成されている

【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、信号強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す模式図である。
図2】イオン検出装置の一例におけるイオンの移動の軌跡を示す図である。
図3】イオンの移動度の電界強度依存性を示す図である。
図4】イオンフィルタで発生する電界波形の一例を示す図である。
図5】流体調整部の内部での流体の流れを示す模式図である。
図6】第1の実施形態におけるイオンを含む流体の流れを示す模式図である。
図7】第2の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す模式図である。
図8】第2の実施形態におけるイオンを含む流体の流れを示す模式図である。
図9】第3の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す模式図である。
図10】第3の実施形態におけるイオンを含む流体の流れを示す模式図である。
図11】二重開口レンズを示す模式図である。
図12】第4の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す模式図である。
図13】第4の実施形態におけるイオンを含む流体の流れを示す模式図である。
図14】第5の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す分解斜視図である。
図15】第5の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す上面図及び断面図である。
図16】第6の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す分解斜視図である。
図17】第6の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す上面図及び断面図である。
図18】第7の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す分解斜視図である。
図19】第7の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す上面図及び断面図である。
図20】第8の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す分解斜視図である。
図21】第8の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0010】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す模式図である。
【0011】
第1の実施形態に係るイオン検出装置100は、イオンフィルタ110、イオン検出電極(イオン検出部)120及び流体調整部130を含む。イオンフィルタ110は、対向する第1の電極111及び第2の電極112を有し、通過するイオンの移動度を制御する。イオン検出電極120には、イオンフィルタ110を通過した通過イオンが衝突する。
すなわち、通過イオンはイオン検出電極120に接触する。そして、イオン検出電極120は通過イオンを検出し、該接触した強さに応じた電気特性値を出力する。電気特性値としては、例えば、電流値、電圧値及び抵抗値等が挙げられる。イオン検出電極120は出力部の一例である。流体調整部130は、イオンフィルタ110に導入されるイオンを含む流体135の流れを調整する。流体調整部130は、例えば、流体135の流れのレイノルズ数を、流体調整部130に供給されたときよりも低下させてイオンフィルタ110に供給する。好ましくは、流体調整部130は、流体135の流れを層流にして流体135をイオンフィルタ110に供給する。なお、レイノルズ数とは、流体力学において、粘性の流体の流れにおける粘性力と慣性力の比を表している(式は後述)。一般的に、レイノルズ数が小さい流れでは、流体の粘性力が支配的であるため、流れは安定する(層流となる)。一方、レイノルズ数が大きい流れでは、慣性力が支配的であるため、流れは不安定となる(乱流となる)。そこで、本開示においては、上述の通り、流体調整部130に供給されたときよりもレイノルズ数を低下させてイオンフィルタに供給する事で、効果的に層流状態にする事が可能となる。
【0012】
図2は、イオン検出装置100の一例におけるイオンの移動の軌跡を示す図である。図3は、イオンの移動度の電界強度依存性を示す図である。図4は、イオンフィルタで発生する電界波形の一例を示す図である。
【0013】
図2に示すように、上記のように、イオン検出装置100は、互いに対向する第1の電極111及び第2の電極112を備えたイオンフィルタ110と、イオンフィルタ110を通過した通過イオンが衝突するイオン検出電極120とを有する。イオン検出装置100がイオン検出電極120を第1の電極111及び第2の電極112から電気的に絶縁する固体の絶縁材を含んでもよい。
【0014】
イオン検出装置100は、イオン検出電極120にイオン電流検出回路を接続して用いられる。イオン検出電極120に衝突したイオンの量に応じて電流が発生し、この電流がイオン電流検出回路により検出される。なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系を用い、被分析分子の進行方向を+Z方向とし、第2の電極112から第1の電極111が見える方向を+Y方向とする。
【0015】
イオンは、電界Eの環境下では次の(1)式で示される移動速度Vで移動する。ここで、Kは、該イオンの移動度である。
V=K×E ・・・ (1)
【0016】
ところで、イオンの移動度には電界強度依存性がある。そして、この電界強度依存性は、イオンの種類によって異なっている。図3には、一例として、種類が異なる3つのイオン(イオン11、イオン12、イオン13)における移動度の電界強度依存性が示されている。なお、図3では、分かりやすくするため、各イオンの移動度が電界強度0で等しくなるように正規化されている。
【0017】
3つのイオン(イオン11、イオン12、イオン13)の移動度は、電界強度が9kV/cm以下の低電界強度ではほぼ変化なしである。電界強度が約10kV/cmから増すにつれてイオンの種類固有の特性が移動度に現れる。イオン11の移動度は、電界強度が増加するに従って大きく増加し、正の高電界(Emax)で最大となる。イオン12の移動度は電界強度によらずほとんど変化しない。イオン13の移動度は、緩やかに減少する。このように三者三様の特性を示している。イオンフィルタ110は、低電界強度での移動度と高電界強度での移動度との違いを利用してイオンの選別を行う。
【0018】
図2には、イオンフィルタ110の第1の電極111と第2の電極112との間における3つのイオン(イオン11、イオン12、イオン13)の移動の軌跡が示されている。なお、ここでは、分かりやすくするため、便宜的に、第1の電極111及び第2の電極112を導電体でできた平行平板としている。
【0019】
第1の電極111と第2の電極112との間に発生する電界の波形を非対称電界波形とすることによって、任意のイオン(図2では、イオン12)のみをイオン検出電極120に到達させることができる。なお、図2では第1の電極111が接地されているが、第1の電極111に非対称の電圧が印加されてもよい(例えば、図6参照)。
【0020】
図4には、第1の電極111と第2の電極112との間に発生させる電界波形の一例が示されている。この電界波形は、正の高電界(Emax)と負の低電界(Emin)を交互に繰り返している。そして、高電界の期間(t1)は低電界の期間(t2)よりも短く、t1とt2との比は1:3~1:5である。このように電界波形は、上下に関して非対称である。この非対称電界波形は、時間平均電界が零であり、次の(2)式が成り立つように設定されている。
|Emax|×t1=|Emin|×t2 ・・・ (2)
【0021】
すなわち、図4における領域21の面積と領域22の面積が一致するように設定されている。
【0022】
なお、以下では、次の(3)式に示されるように、|Emax|×t1の値、及び|Emin|×t2の値をβとする。
|Emax|×t1=|Emin|×t2=β ・・・ (3)
【0023】
ところで、高電界の期間(t1)に、イオンがY軸方向に関して移動する速度(Vup)は、次の(4)式で示される。ここで、K(Emax)は、高電界(Emax)のときのイオンの移動度である。
Vup=K(Emax)×|Emax| ・・・ (4)
【0024】
例えば、|Emax|が約10kV/cm以上の場合、3つのイオン(イオン11、イオン12、イオン13)では、イオン毎に移動度が異なるので、3つのイオンの移動速度(Vup)は三者三様に異なる。すなわち、図1に示されるように、高電界の期間(t1)では、3つのイオンの移動軌跡の傾斜は互いに異なっている。
【0025】
そして、高電界の期間(t1)に、イオンがY軸方向に関して移動した距離である変位(yup)は、次の(5)式で示される。
yup=Vup×t1 ・・・ (5)
【0026】
一方、低電界の期間(t2)に、イオンがY軸方向に関して移動する速度(Vdown)は、次の(6)式で示される。ここで、K(Emin)は、低電界(Emin)のときのイオンの移動度である。
Vdown=-K(Emin)×|Emin| ・・・ (6)
【0027】
例えば、|Emin|が約5kV/cm以下の場合、3つのイオン(イオン11、イオン12、イオン13)では、移動度がほぼ同一であるので、3つのイオンの移動速度(Vdown)はほぼ同一である。すなわち、図2に示されるように、低電界の期間(t2)では、3つのイオンの移動軌跡の傾斜はほぼ同じである。
【0028】
そして、低電界の期間(t2)に、イオンがY軸方向に関して移動した距離である変位(ydown)は、次の(7)式で示される。
ydown=Vdown×t2 ・・・ (7)
【0029】
非対称電界波形の1周期(T)内では、イオンは、+Z方向に移動しつつ、期間(t1)の間に+Y方向に移動し、期間(t2)の間に-Y方向に移動する。
【0030】
そこで、図2に示されるように、ジグザグ運動を繰り返しながら第1の電極111に向かうもの(イオン11)と、ジグザグ運動を繰り返しながら第2の電極112に向かうもの(イオン13)と、+Y方向の変位と-Y方向の変位とが釣り合い、イオン検出電極120に向かうもの(イオン12)とに分類される。
【0031】
ところで、非対称電界波形における1周期(T)での、イオンのY軸方向に関する平均変位(ΔyRF)は、次の(8)式で表される。
ΔyRF=yup+ydown
=K(Emax)×|Emax|×t1-K(Emin)×|Emin|×t2
・・・ (8)
【0032】
そして、上記(8)式は、上記(3)式を用いて次の(9)式のように表すことができる。
ΔyRF=β{K(Emax)-K(min)} ・・・ (9)
【0033】
ここで、K(Emax)-K(min)をΔKとおくと、上記(9)式は次の(10)式のように表される。
ΔyRF=βΔK ・・・ (10)
【0034】
βは第1の電極111と第2の電極112との間に印加される非対称電界で決まる定数である。そこで、非対称電界波形の1周期(T)あたりのイオンのY軸方向に関する変位は、低電界(Emin)での移動度と高電界(Emax)での移動度の差分であるΔKに依存する。
【0035】
キャリアガスだけがイオンをZ軸方向に移送させると仮定すると、イオンが第1の電極111と第2の電極112との間に滞在しているときの、該イオンのY軸方向に関する変位(Y)は、次の(11)式で示される。ここで、tresは、イオンが第1の電極111と第2の電極112との間に滞在している平均時間(平均イオン滞在時間)である。
【0036】
【数1】
【0037】
平均イオン滞在時間tresは、次の(12)式で表される。ここで、Aはイオンフィルタ110におけるイオンパスの断面積、LはZ軸方向に関する電極の長さ(電極深さ)、Qはキャリアガスの容積流量である。Vはイオンフィルタ110の容積(=A×L)である。
【0038】
【数2】
【0039】
上記(11)式は、上記(12)式及び上記(3)式を用いて、次の(13)式のように表すことができる。ここで、Dは非対称電界波形のデューティであり、D=t1/Tである。
【0040】
【数3】
【0041】
非対称電界波形における高電界(Emax)、イオンフィルタ110におけるイオンパスの容積(V)、非対称電界波形のデューティ(D)、及びキャリアガスの容積流量(Q)について、すべてのイオン種に対して同一の値を用いると、上記(13)式から、変位(Y)は、イオン種固有の低電界(Emin)での移動度と高電界(Emax)での移動度との差分ΔKに比例することがわかる。
【0042】
なお、図2ではイオン12の変位(Y)が最小であり、イオン12のみがイオン検出電極120に到達しているが、デューティ(D)を変化させることによってイオン12とは異なるΔKを有するイオンをイオン検出電極120に到達させることができる。さらに、デューティ(D)を小刻みに変化させていくことで、ΔKが異なる様々なイオンの有無や量を検出することができる。
【0043】
デューティ(D)を一定としながら、高電界(Emax)と低電界(Emin)との差である分散電圧(VDF)を変化させることでも、ΔKが異なる様々なイオンの有無や量を検出することができる。
【0044】
また、イオン検出装置100において、ΔKが異なる様々なイオン種を検出する方法として、非対称電界波形に低強度のDC電界を重畳する方法がある。この方法によると、期間(t1)及び期間(t2)でのY軸方向に関する変位量を変化させることができる。そこで、第1の電極111又は第2の電極112に接触せずにイオン検出電極120に到達することができるイオン種を連続的に変えることができる。なお、非対称電界波形に重畳するDC電界は補償電圧(compensation voltages:CV)とよばれている。この方法では、補償電圧を掃引してΔKが異なる様々なイオン種の有無や量を検出する。
【0045】
前述の分散電圧(VDF)及び補償電圧(CV)を様々な値で組み合わせた条件でイオン検出量のデータを取ることによって、様々なイオン種の有無をより正確に分析することが可能となる。
【0046】
ところで、イオン検出電極120に到達する前に第1の電極111又は第2の電極112に接触したイオンは、中和されてイオンでなくなり検出されない。
【0047】
このようにして、イオン検出装置100により、イオンを選択的に検出することができる。
【0048】
なお、電界の波形が適切に制御された場合であっても、それだけでは、イオン検出電極120に到達させるべきイオン(上記の例ではイオン12)が第1の電極111又は第2の電極112に衝突し、イオンの量に対応する適切な大きさの電流が得られないことがある。
【0049】
その一方で、本実施形態では、流体調整部130が、イオンを含む流体の流れを層流にして流体をイオンフィルタ110に供給するため、イオン検出電極120に到達させるべきイオンを適切にイオン検出電極120に到達させることができる。
【0050】
ここで、流体調整部130について詳細に説明する。流体調整部130は、例えば、Y方向で互いに対向する導電性の第1の電極131及び第2の電極132を備える。第1の電極131は、イオン検出電極120とは反対側で第1の電極111に並び、かつ第1の電極111から離間して配置されている。第2の電極132は、イオン検出電極120とは反対側で第2の電極112に並び、かつ第2の電極112から離間して配置されている。例えば、第1の電極131と第2の電極132との距離は、第1の電極111と第2の電極112との距離に等しい。また、Y方向において、第1の電極131と第2の電極132との間隙の中心は、第1の電極111と第2の電極112との間隙の中心と一致する。また、例えば、X方向において、流体調整部130及びイオンフィルタ110における流体135の流路は壁等(図示せず)により塞がれ、イオンフィルタ110における流路の断面積は流体調整部130における流路の断面積に等しい。例えば、第1の電極131及び第2の電極132の電位は互いに等しく、第1の電極131及び第2の電極132が導電性の筒体の一部であってもよい。
【0051】
図5は、流体調整部130の内部での流体の流れを示す模式図である。図5に示すように、イオンを含む流体135が流体調整部130に供給されると、流体調整部130内で下流に向かうにつれて境界層136が発達する。そして、境界層136の発達につれて流れの速度分布は放物線状に変化する。流体調整部130は、イオンを含む流体135の流れを発達した流れ(層流)137とし、イオンフィルタ110に導く。従って、イオンフィルタ110に導かれる流体135の流れは、イオンフィルタ110の奥行き方向(+Z方向)と平行になる。また、Y方向において、第1の電極131と第2の電極132との間隙の中心が第1の電極111と第2の電極112との間隙の中心と一致していれば、層流となった流体135の流れは第1の電極111と第2の電極112との中心に集中する。
【0052】
なお、流体調整部130における発達した流れ137に至るまでの助走区間の長さXは次の(14)式で示される。(14)式において、Reはレイノルズ数、dは管の半径(ここでは、第1の電極111と第2の電極112との距離の1/2)であり、レイノルズ数Reは次の(15)式で示される。(15)式において、Vは流速、νは動粘度であり、例えば、空気の動粘度は1.512×10-5/sである。
X=(0.065)×Re×d ・・・ (14)
Re=V×d/ν ・・・ (15)
【0053】
図6は、第1の実施形態におけるイオンを含む流体の流れを示す模式図である。図6に示すように、流体調整部130に供給されたイオンを含む流体135の流れは、流体調整部130において層流にされ、第1の電極131と第2の電極132との中心近傍からイオンフィルタ110の第1の電極111と第2の電極112との中心近傍に供給される。また、流体135の流れの方向は、イオンフィルタ110の奥行き方向(+Z方向)と平行になる。従って、第1の電極111と第2の電極112との間の電界を調整することにより、イオン検出電極120に導くべきイオンの第1の電極111又は第2の電極112への衝突の頻度を著しく低減することができる。
【0054】
このように、本実施形態では、流体調整部130が流体135を第1の電極111と第2の電極112との中央近傍に導くため、イオン検出電極120に到達させるべきイオンを適切にイオン検出電極120に到達させることができる。つまり、イオンフィルタ110におけるイオンの損失を低減することができる。このため、イオンの量に対応する適切な大きさの電流を得ることができ、イオンの源となるガスを高感度で検出することができる。
【0055】
また、流体調整部130の第1の電極131及び第2の電極132に電圧を印加することでイオンレンズの効果を得ることができ、流体135をイオンフィルタ110の中央近傍により集中させやすい。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図7は、第2の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す模式図である。
【0057】
第2の実施形態に係るイオン検出装置200は、第1の実施形態と同様に、イオンフィルタ110、イオン検出電極120及び流体調整部130を含む。イオン検出装置200は、更に、流体調整部130を第1の電極111及び第2の電極112から電気的に絶縁する固体の絶縁体240を含む。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0058】
図8は、第2の実施形態におけるイオンを含む流体の流れを示す模式図である。図8に示すように、流体調整部130に供給されたイオンを含む流体135の流れは、流体調整部130において層流にされ、第1の電極131と第2の電極132との中心近傍から第1の電極111と第2の電極112との中心近傍に供給される。また、流体135の流れの方向は、イオンフィルタ110の奥行き方向(+Z方向)と平行になる。従って、第1の電極111と第2の電極112との間の電界を調整することにより、イオン検出電極120に導くべきイオンの第1の電極111又は第2の電極112への衝突の頻度を著しく低減することができる。このため、第1の実施形態と同様に、イオンの量に対応する適切な大きさの電流を得ることができ、イオンの源となるガスを高感度で検出することができる。
【0059】
また、イオン検出装置200では、イオンフィルタ110と流体調整部130との間に固体の絶縁体240が設けられているので、イオンフィルタ110と流体調整部130との距離を短くしても、これらを確実に互いから絶縁することができる。従って、流体調整部130の電位を確実にイオンフィルタ110の電位から独立させることができる。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図9は、第3の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す模式図である。
【0061】
第3の実施形態に係るイオン検出装置300は、第2の実施形態と同様に、イオン検出電極120、流体調整部130及び絶縁体240を含む。イオン検出装置300は、更に、イオンフィルタ110に代えて、流体調整部130よりも流路の開口面積が小さいイオンフィルタ310を含む。例えば、イオンフィルタ310は第1の電極311及び第2の電極312を含み、第1の電極311と第2の電極312との間の距離が、第1の電極131と第2の電極132との距離よりも小さい。また、例えば、X方向において、流体調整部130及びイオンフィルタ310における流体135の流路は壁等(図示せず)により塞がれ、イオンフィルタ310における流路の断面積は流体調整部130における流路の断面積よりも小さい。その他の構成は第2の実施形態と同様である。
【0062】
図10は、第3の実施形態におけるイオンを含む流体の流れを示す模式図である。図10に示すように、流体調整部130に供給されたイオンを含む流体135の流れは、流体調整部130において層流にされ、第1の電極131と第2の電極132との中心近傍から第1の電極311と第2の電極312との中心近傍に供給される。また、流体135の流れの方向は、イオンフィルタ310の奥行き方向(+Z方向)と平行になる。従って、第1の電極311と第2の電極312との間の電界を調整することにより、イオン検出電極120に導くべきイオンの第1の電極311又は第2の電極312への衝突の頻度を著しく低減することができる。このため、第2の実施形態と同様に、イオンの量に対応する適切な大きさの電流を得ることができ、イオンの源となるガスを高感度で検出することができる。
【0063】
また、イオン検出装置300では、第1の電極311と第2の電極312との間の距離が、第1の電極131と第2の電極132との距離よりも小さい。このため、二重開口レンズの効果と同様の効果を得ることもできる。
【0064】
ここで、二重開口レンズについて説明する。図11は、二重開口レンズを示す模式図である。
【0065】
二重開口レンズには、中心軸が一致する2つの円筒状の電極31及び32が含まれる。電極31に電位V1が付与され、電極32に電位V2が付与されるとすると、電極31及び32の間隙直下に電位差V1-V2による等電界が形成され、図11に示すように、左右対称の等電位線33の分布が得られる。このような二重開口レンズ中を荷電粒子が左から右へと加速されながら進む場合、荷電粒子は電界による力を受け、結果的に円筒状の電極31及び32の中心軸に収束していく。
【0066】
このような現象は、大気圧下で、電極31内での移動速度よりも電極32内での移動速度が高い場合にも生じる。例えば、電極32の開口面積が電極31の開口面積より小さい場合は、荷電粒子の移動速度が電極32内にて電極31内よりも高くなる。流路内での流量(L/min)は場所に寄らず一定であり、流速(移動速度)(m/s)は流量を流路の断面積(m)で割った値となるからである。
【0067】
第3の実施形態では、第1の電極311と第2の電極312との距離が、第1の電極131と第2の電極132との距離よりも小さいため、流体135の流速はイオンフィルタ310内にて流体調整部130内よりも高くなる。従って、上記のように、二重開口レンズの効果と同様の効果を得ることができる。従って、流体135をイオンフィルタ110の中央近傍により一層集中させることができる。
【0068】
なお、流体調整部130に印加される電圧は、イオンフィルタ310に印加される電圧以上であることが好ましい。二重開口レンズにおける電圧差に起因する流体135の収束の効果を得るためである。
【0069】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図12は、第4の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す模式図である。
【0070】
第4の実施形態に係るイオン検出装置400は、第3の実施形態と同様に、第1の電極311及び第2の電極312を備えたイオンフィルタ310を含む。イオン検出装置400は、更に、絶縁体240に代えて絶縁体440を、流体調整部130に代えて流体調整部430を含む。流体調整部430は導電性の第1の電極431及び第2の電極432を含む。Y方向において、第1の電極431と第2の電極432との間隙の中心は、第1の電極311と第2の電極312との間隙の中心と一致する。また、第1の電極431と第2の電極432との間隙のイオンフィルタ310側端部における大きさは、第1の電極311と第2の電極312との間隙の大きさと一致する。更に、第1の電極431と第2の電極432との間隙の大きさは、イオンフィルタ310から離間するほど大きくなっている。つまり、第1の電極431と第2の電極432との間隙は、X方向から見たときにテーパ形状になっている。絶縁体440は流体調整部430を第1の電極311及び第2の電極312から電気的に絶縁する。また、例えば、X方向において、流体調整部430及びイオンフィルタ310における流体135の流路は壁等(図示せず)により塞がれ、イオンフィルタ310における流路の断面積は流体調整部430における流路の断面積よりも小さい。更に、流体調整部430における流路は、イオンフィルタ310から離間するほど広がっている。例えば、第1の電極431及び第2の電極432の電位は互いに等しく、第1の電極431及び第2の電極432が導電性の筒体の一部であってもよい。その他の構成は第3の実施形態と同様である。
【0071】
図13は、第4の実施形態におけるイオンを含む流体の流れを示す模式図である。図13に示すように、流体調整部430に供給されたイオンを含む流体135の流れは、流体調整部430において層流にされ、第1の電極431と第2の電極432との中心近傍から第1の電極311と第2の電極312との中心近傍に供給される。また、流体135の流れの方向は、イオンフィルタ310の奥行き方向(+Z方向)と平行になる。従って、第1の電極311と第2の電極312との間の電界を調整することにより、イオン検出電極120に導くべきイオンの第1の電極311又は第2の電極312への衝突の頻度を著しく低減することができる。このため、第3の実施形態と同様に、イオンの量に対応する適切な大きさの電流を得ることができ、イオンの源となるガスを高感度で検出することができる。
【0072】
また、イオン検出装置300では、絶縁体240の流路の大きさとイオンフィルタ310の流路の大きさとが不連続に変化している。これに対し、イオン検出装置400では、流体調整部430から絶縁体440を経てイオンフィルタ310にかけて、流路の大きさが連続的に変化している。従って、第4の実施形態によれば第3の実施形態よりもイオンの損失を低減することができる。
【0073】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。図14は、第5の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す分解斜視図である。図15(a)及び(b)は、それぞれ第5の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す上面図、断面図である。図15(b)は、図15(a)中のI-I線に沿った断面図である。
【0074】
第5の実施形態に係るイオン検出装置500は、図14図15に示すように、SOI(Silicon On Insulator)基板550を有する。SOI基板550は、例えば、導電性を具備したSiの支持層560、支持層560上のSiOの絶縁層570、及び絶縁層570上の導電性を具備したSiの活性層580を含む。支持層560の中央部に、平面視で蛇行する開口部561が形成されている。言い換えると、支持層560は、その中央部に櫛歯状のパターンを有する。絶縁層570の中央部に、平面視で開口部561を取り囲むように開口部571が形成されている。活性層580の中央部に、平面視で開口部561を取り囲むように開口部581が形成されている。例えば、開口部571と開口部581とは平面視で互いに重なり合う。支持層560はイオンフィルタの一例であり、絶縁層570は絶縁体の一例であり、活性層580は流体調整部の一例である。支持層560に開口部561に繋がる2つの溝562が形成されており、開口部561及び溝562により支持層560が2分割されている。分割された支持層560の一方が第1の電極の一例であり、他方が第2の電極の一例である。
【0075】
また、SOI基板550の支持層560に接するようにしてイオン検出電極590が設けられる。図15では、イオン検出電極590を省略してある。
【0076】
ここで、イオン検出装置500の使用方法について説明する。例えば、支持層560の一方を接地電位等に固定し、他方に非対称の交流信号源を接続する。また、イオン検出電極590にイオン電流検出回路を接続する。そして、イオンを含む流体135を活性層580の上方から開口部581に通流させる。この結果、開口部581を通過する間に流体135の流れが層流となり、支持層560を通過する間にイオンが分類され、イオン検出電極590に衝突したイオンの量に応じて電流が発生し、この電流がイオン電流検出回路により検出される。
【0077】
第5の実施形態によっても、流体135の流れの方向は、イオンフィルタ(支持層560)の奥行き方向と平行になる。従って、イオン検出電極590に導くべきイオンの支持層560の側面への衝突の頻度を著しく低減することができる。このため、イオンの量に対応する適切な大きさの電流を得ることができ、イオンの源となるガスを高感度で検出することができる。
【0078】
また、第5の実施形態に係るイオン検出装置500はSOI基板を用いて、イオンフィルタの電極間の距離を狭くすることが容易で、かつ、イオンフィルタの開口面積を広くすることができる。従って、より大きな検出信号を得やすく、ガスの検出感度を向上することができる。
【0079】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。図16は、第6の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す分解斜視図である。図17(a)及び(b)は、それぞれ第6の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す上面図、断面図である。図17(b)は、図17(a)中のI-I線に沿った断面図である。
【0080】
第6の実施形態に係るイオン検出装置600は、図16図17に示すように、SOI基板650を有する。SOI基板650は、第5の実施形態における絶縁層570及び活性層580に代えて、SiOの絶縁層670及び導電性を具備したSiの活性層680を含む。絶縁層670の中央部に複数の矩形の開口部671が並んで形成され、活性層680の中央部に複数の矩形の開口部681が並んで形成されている。例えば、開口部671及び開口部681は平面視で開口部561に重なるように形成されている。絶縁層670は絶縁体の一例であり、活性層680は流体調整部の一例である。他の構成は第5の実施形態と同様である。
【0081】
第6の実施形態によっても、流体135の流れの方向は、イオンフィルタ(支持層560)の奥行き方向と平行になる。従って、イオン検出電極590に導くべきイオンの支持層560の側面への衝突の頻度を著しく低減することができる。このため、イオンの量に対応する適切な大きさの電流を得ることができ、イオンの源となるガスを高感度で検出することができる。
【0082】
更に、第6の実施形態では、開口部671及び開口部681が平面視で開口部561に重なるように形成されているため、流体135の流れの平行化及び中央への集中の効果が高い。従って、より一層イオンの損失を低減し、より大きな検出信号を得やすく、ガスの検出感度を向上することができる。
【0083】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。図18は、第7の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す分解斜視図である。図19(a)及び(b)は、それぞれ第7の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す上面図、断面図である。図19(b)は、図19(a)中のI-I線に沿った断面図である。
【0084】
第7の実施形態に係るイオン検出装置700は、図18図19に示すように、SOI基板750を有する。SOI基板750は、第5の実施形態における絶縁層570及び活性層580に代えて、SiOの絶縁層770及び導電性を具備したSiの活性層780を含む。絶縁層770の中央部に、平面視で蛇行する開口部771が形成され、活性層780の中央部に、平面視で蛇行する開口部781が形成されている。例えば、開口部771及び開口部781は平面視で開口部561と一致する形成されている。絶縁層770は絶縁体の一例であり、活性層780は流体調整部の一例である。他の構成は第5の実施形態と同様である。
【0085】
第7の実施形態によっても、流体135の流れの方向は、イオンフィルタ(支持層560)の奥行き方向と平行になる。従って、イオン検出電極590に導くべきイオンの支持層560の側面への衝突の頻度を著しく低減することができる。このため、イオンの量に対応する適切な大きさの電流を得ることができ、イオンの源となるガスを高感度で検出することができる。
【0086】
更に、第7の実施形態では、開口部771及び開口部781が平面視で開口部561と一致するように形成されているため、流体135の流れの平行化及び中央への集中の効果が高く、また、イオン検出電極590まで到達するイオンの量が第6の実施形態よりも多くなる。従って、より一層イオンの損失を低減し、より大きな検出信号を得やすく、ガスの検出感度を向上することができる。
【0087】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。図20は、第8の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す分解斜視図である。図21は、第8の実施形態に係るイオン検出装置の構成を示す断面図である。
【0088】
第8の実施形態に係るイオン検出装置800は、第5の実施形態におけるSOI基板550及びイオン検出電極590を有する。イオン検出電極590は回路基板810に含まれている。回路基板810上にポゴピン830によりSOI基板550が取り付けられている。支持層560(イオンフィルタ)には、ポゴピン830を介して回路基板810から制御電圧が供給される。また、活性層580上にチップホルダ820が取り付けられている。チップホルダ820には、開口部581よりも大きい開口部821が形成されている。例えば、チップホルダ820は導電性であり、チップホルダ820は導電性ペーストにより活性層580に接着されている。活性層580には、チップホルダ820から電位を供給できる。
【0089】
ここで、測定例について説明する。この測定例では、イオナイザによりガスをイオン化し、これを種々の条件下で測定した。この結果を表1に示す。なお、この測定例では、第5の実施形態と同様の形態にイオンフィルタの平面形状は櫛歯状とした。
【0090】
【表1】
【0091】
イオンフィルタの電圧を0Vにするとイオンはイオンフィルタに衝突しやすい。従って、イオンフィルタの両電極にイオンと同じ極性の電位を、電極間に電位差がつくように印加することが好ましい。また、流体調整部にも、イオンと同じ極性の電位を印加することが好ましい。
【符号の説明】
【0092】
100、200、300、400、500、600、700、800 イオン検出装置
110、310 イオンフィルタ
111、311 第1の電極
112、312 第2の電極
120、590 イオン検出電極
130、430 流体調整部
131、431 第1の電極
132、432 第2の電極
135 流体
240、440 絶縁体
550、650 SOI基板
560 支持層
561 開口部
570、670、770 絶縁層
571、671、771 開口部
580、680、780 活性層
581、681、781 開口部
810 回路基板
820 チップホルダ
821 開口部
830 ポゴピン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【文献】特開2014-194427号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21