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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】光ファイバ及びその接続方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/036 20060101AFI20231219BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20231219BHJP
   G02B 6/032 20060101ALI20231219BHJP
   G02B 6/245 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G02B6/036 501
G02B6/02 401
G02B6/02 386
G02B6/032 Z
G02B6/245
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022534514
(86)(22)【出願日】2020-07-06
(86)【国際出願番号】 JP2020026481
(87)【国際公開番号】W WO2022009286
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】廣田 栄伸
(72)【発明者】
【氏名】植松 卓威
(72)【発明者】
【氏名】飯田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】海老根 崇
【審査官】萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0205583(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0235171(US,A1)
【文献】特開昭58-060722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02 - 6/10
G02B 6/245
G02B 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアと、
前記コアよりも屈折率の低いクラッド層と、
前記クラッド層の外周を覆う被覆層と、
を備え、
前記クラッド層は、主成分が前記コアと同じ第1クラッド部と、前記第1クラッド部と主成分が異なり、かつ前記第1クラッド部よりも柔らかい第2クラッド部と、を備え、
前記被覆層は、前記第1クラッド部を覆う第1の被覆層と、前記第2クラッド部を覆う第2の被覆層と、を備え、
前記第1クラッド部及び前記第2クラッド部の境界面が前記コアに接し、
前記コア及び前記第1クラッド部の主成分は純石英ガラスであり、
前記第2クラッド部の主成分はジェル状の樹脂であり、
前記第1の被覆層及び前記第2の被覆層の色又は模様が異なる、
光ファイバ。
【請求項2】
前記第1クラッド部と前記第2クラッド部との境界面が、前記コアに接する部分を底面とする凹形状である、
請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の2本の光ファイバの長手方向の一部の被覆層を剥がし
記2本の光ファイバにおけるジェル状の前記第2クラッド部をふき取ることで、前記コアを露出させ、
露出している前記2本の光ファイバの前記コアどうしを接触させる、
光ファイバの接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光信号を入出射する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバは、図1に示すようにコアガラス111とその周囲を覆うクラッドガラス112から構成されるガラス部、ガラス部を保護するための被覆113の3層構造である。コアガラス111は純石英ガラスが主成分で、添加物として二酸化ゲルマニウムが用いられている。二酸化ゲルマニウムを添加することで屈折率を高くしている。一方で、クラッドガラス112は純石英ガラスのみで構成することで、クラッドガラス112はコアガラス111よりも低い屈折率になるように設計している。コアガラス111とクラッドガラス112で屈折率が異なるため、その境界で全反射が生じ光信号がコア内を伝搬する。
【0003】
光通信は、図2に示すように、光ファイバ92の両端に装置91-1と装置91-2を設置する。その装置から光信号を出力し、光ファイバ92を介することで、互いの装置を認識することで、光通信をさせている。この原理を用いて、お客様にインターネット、電話等のサービスを提供している。新たに装置91-3を接続する場合(図3A)、光ファイバ92-1を切断し(図3B)、信号を分けることができる2分岐スプリッタ93を取り付ける(図3C)。図3Aの状態では、装置91-1、装置91-2から光信号が出力され、通信を維持している。図3Bの状態では光ファイバ92-1を切断したため、装置91-1及び91-2から出力される光信号が停止する。2分岐スプリッタ93を用いて装置91-1、装置91-2、装置91-3が接続されると、はじめてそれぞれの装置から光信号を送受信することができる(図3D)。このように光通信では、新たな装置(図3では装置91-3が該当)を取り付けるためには、光ファイバを切断しなければならない。光ファイバを切断することは、つまり、装置91-1と装置91-2の通信を止めることになるため、ユーザにサービスが提供できなくなる。
【0004】
新しく装置を取り付けるために、光ファイバを切断してサービスを止めていては、ユーザにとって不便である。そこで、実際の配線について、図4を用いて述べる。図4はサービスの提供をするための配線形態である。通信ビル内に光加入者線終端装置(Optical Line Terminal:OLT)82、ユーザ宅に光加入者線ネットワーク装置(Optical Network Unit:ONU)81が設置されている。このOLT82とONU81が装置91-1、装置91-2に該当する。OLT82とONU81間を接続するために、通信ビル内に統合配線架(Integrated Distribution Module : IDM)83、通信ビルの外部に光ファイバケーブル84、8分岐スプリッタ85を用いる。図3では通信を2つに分けるスプリッタ93を例にしたが、8分岐スプリッタ85を用いている。図4ではONU81が1台である例、つまりユーザ1名のみを配線していることを示すが、1台のOLT82に複数のONU81を接続させることができる。
【0005】
8分岐スプリッタ85を配置する位置は、ユーザから申し込みがあったところや、ユーザが申し込みをするであう需要の予測に基づいて決められる。8分岐スプリッタ85は、最大8名のユーザを収容できるが、このような方式では、8名分がすべて使われていることが少ない。使われていなければ、無駄となる。
【0006】
よって、スプリッタを用いないで、光ファイバのコアを伝搬する光信号を、通信を止めることなく、いつでも、どこでも、光ファイバの外側に取り出せる、もしくは、光ファイバの外からコアに入れることが求められている。
【0007】
そこで、我々は、スプリッタを用いないで光信号を入出力する方法を提案してきた(特許文献1、非特許文献1)。光ファイバを曲げて、その曲げ部近傍に光ファイバプローブを配置する形態である。光ファイバ曲げ部とプローブ間で光信号が結合する原理である。つまり、光ファイバのコアを伝搬する光通信は、光ファイバが曲げられることで曲げ部から漏洩するが、その漏洩光をプローブファイバで受光する。また、プローブファイバの先端から出力される光信号は、曲げられた光ファイバのコアに結合する。よって、曲げファイバとプローブ間で、光信号の入力と出力の同時が成立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許6122785号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】H.Hirota, T. Kawano, M. Shinpo, K. Noto, T. Uematsu, N. Honda, T. Kiyokura, and T. Manabe, “Optical Cable Changeover Tool With Light Injection and Detection Technology,” Journal of Lightwave Technology, Vol. 34, No. 14, pp. 3379-3388, 2016.
【文献】立蔵 正男 “厳しい環境での光ファイバ曲がり部の機械的信頼性計算法”, 電子情報通信学会論文誌, B, Vol. J94-B, no.6, pp.738-746, 2011.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
光ファイバの曲げとプローブファイバを用いた通信方法の課題を述べる。光ファイバは、製造時にガラス表面に無数のクラックが生じている。光ファイバを曲げて、長時間放置するとそのクラックが成長することで、光ファイバ自身が破断する(非特許文献2)。そのため、光ファイバを曲げる方法は、短時間でできる試験や作業に限定されている。
【0011】
そこで、本開示は、光ファイバを曲げることなく、光ファイバのコアを伝搬する光信号を入出射可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本開示の光ファイバは、コアとクラッド層とを備える光ファイバにおいて、クラッド層の一部をコアガラス及びクラッドガラスから剥離可能な樹脂材料に置き換えた構造を備える。また本開示の光ファイバの接続方法は、それぞれ樹脂材料を剥離した2本の光ファイバのコアどうしを接触させることにより、光ファイバを接続する。
【0013】
具体的には、本開示の光ファイバは、
コアと、
前記コアよりも屈折率の低いクラッド層と、
前記クラッド層の外周を覆う被覆層と、
を備え、
前記クラッド層は、
主成分が前記コアと同じ第1クラッド部と、
前記第1クラッド部と主成分が異なり、かつ前記第1クラッド部よりも柔らかい第2クラッド部と、
を備え、
前記第1クラッド部及び前記第2クラッド部の境界面が前記コアに接している。
【0014】
具体的には、本開示の光ファイバの接続方法は、
本開示に係る2本の光ファイバの長手方向の一部の被覆層を除去し、
除去された被覆層から前記2本の光ファイバの前記第2クラッド部を除去して前記コアを露出させ、
露出している前記2本の光ファイバの前記コアどうしを接触させる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、光ファイバを曲げることなく、コアに伝搬する光信号を容易に入出射させることができ、光ファイバの長時間の曲げによる破断を避けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】光ファイバの構造の一例を示す。
図2】光通信の構成の一例を示す。
図3A】本開示に関連する光ファイバ接続方法を説明する第1図である。
図3B】本開示に関連する光ファイバ接続方法を説明する第2図である。
図3C】本開示に関連する光ファイバ接続方法を説明する第3図である。
図3D】本開示に関連する光ファイバ接続方法を説明する第4図である。
図4】8分岐スプリッタを用いた配線の一例を示す。
図5】実施形態例1に係る光ファイバの構成例を示す断面図である。
図6】本開示の光ファイバにおける光の伝搬状態の一例を示す説明図である。
図7A】被覆層を除去後の光ファイバの一例を示す。
図7B】第2クラッド部を除去後の光ファイバの一例を示す。
図8】本開示の光ファイバを用いた光信号の出力方法の一例を示す説明図である。
図9】本開示の光ファイバを用いた光信号の入力方法の一例を示す説明図である。
図10】実施形態例2に係る第1の光ファイバの構造の一例である。
図11】第2クラッド部を除去後の光ファイバの一例を示す。
図12】実施形態例2に係る第2の光ファイバの構造の一例である。
図13】第2クラッド部を除去後の光ファイバの一例を示す。
図14】光ファイバが接続されている状態の一例を示す。
図15】本開示に係る光ファイバの構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0018】
(実施形態例1)
光ファイバの構造について、実施例1について述べる。図5は、本開示に係る光ファイバの一例を示す断面図である。中心部にコア11があり、その周辺をクラッド層12で覆っている。さらに、クラッド層12との外側を被覆層13で覆っている。コア11とクラッド層12の屈折率を比べると、コア11の屈折率が高い。このため、コア11とクラッド層12の表面で反射を起こすことで、図6に示すように、光ファイバのコア11に光信号が伝搬する。図6は光ファイバ長手方向の断面図であり、図中に示す破線は光信号を示す。
【0019】
本発明のクラッド層12は、材料の異なる2つのクラッド部12A及び12Bを含む。1つ目のクラッド部12Aの主成分はコア11と同じガラス材料であり、もう1つのクラッド部12Bの主成分はガラス材料以外の材料である。クラッド部12Bに含まれるガラス以外の材料は、例えば、ポリマー樹脂、アクリル樹脂が挙げられ、予め定められた屈折率を有する任意の材料の適用ができる。本開示では、クラッド部12Aを第1クラッド部又はガラスクラッドと称する場合があり、クラッド部12Bを第2クラッド部と称する場合がある。
【0020】
クラッド層12の屈折率について述べる。コア11に光を伝搬させるためには、コア11の屈折率は、クラッド層12の屈折率より高いことが必要である。クラッド層12は2つの異なる材料から構成されるが、2つのクラッド部12A及び12Bの屈折率はコア11の屈折率より低いことが必要である。また、2つのクラッド部12A及び12Bにおいても、屈折率が同一であることが望まれるが、材料が異なるため屈折率が近似していても、コア11とクラッド層12とで反射が生じるため、十分効果は得られる。
【0021】
本開示の光ファイバは、公知の線引き技術を用いて製造することができる。線引き技術とは、光ファイバの母材であるガラスロッドを1000℃以上の高温の環境下に置くことで、ガラスを溶かし、引っ張ることで細くする。本発明の光ファイバは、例えば、コア11とガラスクラッド12Aを構成するための母材を線引き技術を用いて細くする。この際、線引き装置から出てきた光ファイバ素線のクラッド層に境界面14を構成する。境界面14は、コア11の少なくとも一部を露出可能な任意の形状の面であり、例えば平坦面である。そして、その境界面14に屈折率がガラスクラッド12Aと略同一のジェル状の物質を塗布する。これにより、コア11の外周がクラッド層12で覆われた素線が作製される。さらに、クラッド層12の周囲を被覆層13で覆う。これにより、本開示の光ファイバを製造することができる。
【0022】
(実施形態例2)
本実施形態では、光ファイバのコア11を伝搬する光信号を光ファイバの外部に取り出す方法を示す。図5は本開示の光ファイバの一例を示す断面図である。コア11とガラスクラッド12Aは一体化されていてはがれることはない。ガラス以外の異なる材料から構成されるクラッド部12Bは、液体やジェル状の柔らかい物質で構成させているため、コア11と一体化していない、つまりはがれやすい。
【0023】
剥がし方を図7に示す。まずは、図7Aに示すように、ガラス以外の材料からなるクラッド部12Bが露出するよう被覆層13を剥がす。そして、被覆層13の下にあるクラッド層12が露出するが、クラッド部12Bは柔らかい材料で構成されているため、例えば、綿棒のようなものでふき取る。さらにエタノールで清掃をすることで、完全にクラッド部12Bを取り除くことができる。その結果、図7Bに示すように平面な境界面14が構成され、その中心部にコア11が露出する。
【0024】
本開示の光ファイバ10は、境界面14がコア11に接している。このため、クラッド層12からクラッド部12Bを除去すると、クラッド部12Bのうちのコア11に接している部分はコア11の光を反射しない。このため、光ファイバ10のコア11を伝搬する光信号を入出射可能にすることができる。
【0025】
(実施形態例3)
図8に光信号を取り出す方法を示す。本実施形態では光ファイバ10及び20が用いられる。光ファイバ10及び20は図7に示す光ファイバ10と同じ構成を備える。下側の光ファイバ10は図7Bと同じであり、境界面14が形成されている。光信号を取り出すために、図7Bのコア11及びガラスクラッド12Aと同じコア21及びガラスクラッド22Aから構成され、かつ境界面24が露出している光ファイバ20を準備する。二つの光ファイバ10及び20をコア11及び21が接するように配置すると、研磨した側のコア11から張り付けた光ファイバ20のコア21側に光信号が漏れ出す。図面中の矢印がコア11からコア21側に光信号が移ることを示している。よって、光ファイバのコア11を伝搬する光信号をコア21に取り出すことができる。
【0026】
また、図9は、コア21側に光信号が伝搬していることを前提とする。図8と同じく光信号が、コア21からコア11側に伝搬する。つまり、外部から光信号を光ファイバに入れることができる。
【0027】
また、図8では出すこと、図9では入れることを示したが、それぞれのコア11とコア21に同時に光信号を入れれば、光信号の入出斜を同時に行うことができる。
【0028】
(実施形態例4)
図7に示すように、光ファイバ10の境界面14が平面である場合、コア11の露出箇所が判別しにくい。そこで、本実施形態では、図10に示すように、境界面14が溝構造を備える。具体的には、境界面14は、コア11に接する底面141と、底面141に隣接する側面142及び143を備える。本実施形態では、光ファイバ20との接続の際に、図11に示すように、側面142及び143に沿って被覆層13を除去する。
【0029】
図12は張り付ける光ファイバ20の構造を示す。今までの説明では境界面が平面であったが、図10に示す境界面14に整合するよう境界面24に角度を持たせている。例えば、境界面24は、コア21と接する底面241と、底面241に隣接する側面242及び243を備える。本実施形態では、光ファイバ10との接続の際に、図13に示すように、側面242及び243に沿って被覆層23及び第2クラッド部22Bを除去する。
【0030】
図14は、図11の光ファイバ10と図13の光ファイバ20の接続時の状態の一例を示す。境界面14と境界面24が勘合する。このように、本実施形態は、境界面14及び24が溝構造を有するため、コア11とコア21が一致することになる。よって、本実施形態は、コア11とコア21の位置を調節することなく、コア間の光信号を隣接するコアに移動させることができる。
【0031】
本実施形態の光ファイバ10は、境界面14がコの字形状である例を示すが、V字形状やU字形状など、任意の凹形状を採用することができる。また、本実施形態の光ファイバ20についても、境界面24がコの字形状である例を示すが、V字形状やU字形状など、任意の凸形状を採用することができる。
【0032】
また、コア11に接する底面141、及びコア21に接する底面241は、境界面のうちのコアの外周に接する面が平面であり、断面図にした場合にコアの外周の1点のみが露出する構成になっている。しかし、境界面のうちのコアの外周に接する面は、コア11を露出可能な任意の形状を採用することができる。例えば、図15に示すようなコア11の外周の1/4の領域が露出するような境界面14であってもよい。ただし、コア11と第2クラッド部12Bとの接する領域が増えると、コア11内を伝搬する光信号の損失が増えるため、境界面14が露出させるコア11は外周の半分未満であることが好ましい。
【0033】
また、図15に示すように、被覆層13は、第1クラッド部12Aを覆う被覆層13A及び第2クラッド部12Bを覆う被覆層13Bを備えていてもよい。第1クラッド部12A及び第2クラッド部12Bが識別可能であるよう、被覆層13A及び13Bの色や模様が異なる。
【0034】
(得られる効果)
以上のように、今までは光ファイバを曲げることで、光信号を取出してきた。光ファイバを曲げると断線する課題があった。しかし、本考案した構造を用いることで、光ファイバを曲げることなく、コアに伝搬する光信号を取り出す、入れることができるため、長時間設置できる。このため、今までは短時間の作業でしか使えなかった試験用、作業用のみへの適用であったが、本考案方法は光ファイバを曲げなくてよいため、長時間の作業や試験を行なうことができる。
さらに、本開示の光ファイバは、コアを露出させることが容易であり、サービスを使いたいユーザが現れたときに、被覆とクラッドを削り、光ファイバを簡単につなげることができる。
さらに、今までは8分岐のスプリッタを用いており、その8分岐スプリッタも一部は使われていない。本考案は、従来の8分岐スプリッタも不要になる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本開示は情報通信産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
10、20:光ファイバ
11、21:コア
12、22:クラッド層
12A、22A:第1クラッド部
12B、22B:第2クラッド部
13:被覆層
13A:
13B:
14、24:境界面
81:ONU
82:OLT
83:IDM
84:光ファイバケーブル
85:8分岐スプリッタ
91-1、91-2、91-3:装置
92:光ファイバ
93:2分岐プリッタ
111:コアガラス
112:クラッドガラス
113:被覆
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15