(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】組成物、基板の処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20231219BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20231219BHJP
C11D 7/18 20060101ALI20231219BHJP
C11D 7/32 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01L21/304 647Z
H01L21/306 F
C11D7/18
C11D7/32
(21)【出願番号】P 2021574574
(86)(22)【出願日】2021-01-06
(86)【国際出願番号】 JP2021000158
(87)【国際公開番号】W WO2021153171
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】P 2020011382
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】成田 萌
(72)【発明者】
【氏名】水谷 篤史
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-092101(JP,A)
【文献】国際公開第2016/068183(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/150990(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
C11D 7/18
C11D 7/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過ヨウ素酸及びその塩からなる群から選択される1種以上の過ヨウ素酸化合物と、
下記式(1)で表される化合物又はその塩であるアミン化合物と、
水とを含
み、pHが、3.5以上10.5以下(但し、3.5を除く)である、組成物。
R-NH
2 式(1)
式(1)中、Rは、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、炭素鎖中に-O-、-S-及び-NR
1-からなる群より選択される少なくとも1つの連結基を有してもよい。R
1は、水素原子又は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基を表す。ただし、前記置換基はヒドロキシ基を含まない。
【請求項2】
前記アミン化合物の炭素数が1~8である、請求項
1に記載の組成物。
【請求項3】
Rで表される前記脂肪族炭化水素基が置換基を有し、カルボキシ基、アミノ基、オキソ基、ホスホン酸基及びスルホ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を更に有する、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アミン化合物が、β-アラニン、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、コハク酸アミド、マロンアミド、プロパンアミド、ブチルアミド及びアジポアミドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~
3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
過ヨウ素酸及びその塩からなる群から選択される1種以上の過ヨウ素酸化合物と、
下記式(1)で表される化合物又はその塩、β-アラニン、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、コハク酸アミド、マロンアミド、プロパンアミド、ブチルアミド及びアジポアミドからなる群から選択される化合物であるアミン化合物と、
水とを含む、組成物。
R-NH
2
式(1)
式(1)中、Rは、アミノ基、ホスホン酸基及びスルホ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する脂肪族炭化水素基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、炭素鎖中に-O-、-S-及び-NR
1
-からなる群より選択される少なくとも1つの連結基を有してもよい。R
1
は、水素原子又は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基を表す。ただし、前記置換基はヒドロキシ基を含まない。
【請求項6】
過ヨウ素酸及びその塩からなる群から選択される1種以上の過ヨウ素酸化合物と、
β-アラニン、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、コハク酸アミド、マロンアミド、プロパンアミド、ブチルアミド及びアジポアミドからなる群より選択される少なくとも1種であるアミン化合物と、
水とを含む、組成物。
【請求項7】
前記組成物のpHが10.0以下である、請求項
5又は6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物のpHが3.5以上である、請求項
5~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物のpHが3.5~6.0である、請求項
5~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記アミン化合物の含有量に対する前記過ヨウ素酸化合物の含有量の比率が、質量比で1~95である、請求項1~
9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
ルテニウム含有物及び酸化ルテニウム含有物からなる群より選択される少なくとも1種を有する基板を処理するための組成物である、請求項
1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
ルテニウム含有物及び酸化ルテニウム含有物を有する基板を処理するための組成物である、請求項
1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
研磨粒子を実質的に含まない、請求項1~
12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1~
13のいずれか1項に記載の組成物を用いて、基板上の金属含有物及び酸化金属含有物からなる群より選択される少なくとも1種を除去する工程Aを有する、基板の処理方法。
【請求項15】
前記金属含有物がルテニウム含有物を含み、前記酸化金属含有物が酸化ルテニウム含有物を含む、請求項
14に記載の基板の処理方法。
【請求項16】
前記工程Aが、前記組成物を用いて基板上に配置され、金属含有物又は酸化金属含有物からなる配線をリセスエッチング処理する工程A1、前記組成物を用いて金属含有物又は酸化金属含有物からなる膜が配置された基板の外縁部の前記膜を除去する工程A2、前記組成物を用いて金属含有物又は酸化金属含有物からなる膜が配置された基板の裏面に付着する金属含有物又は酸化金属含有物を除去する工程A3、前記組成物を用いてドライエッチング後の基板上の金属含有物又は酸化金属含有物を除去する工程A4、又は、前記組成物を用いて化学的機械的研磨処理後の基板上の金属含有物又は酸化金属含有物を除去する工程A5である、請求項
14又は
15に記載の基板の処理方法。
【請求項17】
基板上の金属含有物に対して酸化剤を接触させる酸化処理工程を更に有し、
前記酸化処理工程で製造された酸化金属含有物を少なくとも有する基板に対して、前記工程Aを行う、請求項
14~
16のいずれか1項に記載の基板の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、及び、基板の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製品の微細化が進む中で、半導体製品製造プロセス中における、基板上の不要な金属含有物を除去する工程を、高効率かつ精度よく実施する需要が高まっている。
【0003】
特許文献1には、基板上の遷移金属含有物を除去するために用いられる薬液であって、過ヨウ素酸及びその塩からなる群から選択される1種以上の過ヨウ素酸類と、IO3-、I-、及び、I3-からなる群から選択される1種以上のアニオンを含む化合物とを特定の含有量で含む薬液に関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、基板上の不要な金属含有物を除去する際、エッチング液として用いる組成物が金属含有物に対する溶解能(エッチング性能)に優れることが、より一層求められている。特に、ルテニウム(Ru)含有物を有する被処理物に対するエッチング性能に優れる組成物が求められている。
一方、金属含有物を除去する工程以前に行う基板の処理等の工程において、金属含有物がその表面から酸化されて酸化物が形成されることがある。従来使用されているエッチング液は、目的とする金属含有物に対する溶解能を有していても、その金属含有物に含まれる金属の酸化物に対しては必ずしも溶解能を有するとは言えず、このような酸化金属(特に、酸化ルテニウム(RuO2))の含有物に対しても十分な溶解能を有する組成物が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能に優れ、且つ、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能にも優れた組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、組成物を用いた基板の処理方法を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
【0008】
〔1〕
過ヨウ素酸及びその塩からなる群から選択される1種以上の過ヨウ素酸化合物と、後述する式(1)で表される化合物又はその塩であるアミン化合物と、水とを含む、組成物。
〔2〕
ルテニウム含有物及び酸化ルテニウム含有物からなる群より選択される少なくとも1種を有する基板を処理するための組成物である、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕
ルテニウム含有物及び酸化ルテニウム含有物を有する基板を処理するための組成物である、〔1〕に記載の組成物。
〔4〕
上記アミン化合物の炭素数が1~8である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕
Rで表される上記脂肪族炭化水素基が置換基を有し、カルボキシ基、アミノ基、オキソ基、ホスホン酸基及びスルホ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を更に有する、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の組成物。
〔6〕
上記アミン化合物が、β-アラニン、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、コハク酸アミド、マロンアミド、プロパンアミド、ブチルアミド及びアジポアミドからなる群より選択される少なくとも1種である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の組成物。
〔7〕
上記アミン化合物の含有量に対する上記過ヨウ素酸化合物の含有量の比率が、質量比で1~95である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の組成物。
〔8〕
上記組成物のpHが10.0以下である、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の組成物。
〔9〕
上記組成物のpHが3.5以上である、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の組成物。
〔10〕
上記組成物のpHが3.5~6.0である、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の組成物。
〔11〕
研磨粒子を実質的に含まない、〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の組成物。
〔12〕
〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の組成物を用いて、基板上の金属含有物及び酸化金属含有物からなる群より選択される少なくとも1種を除去する工程Aを有する、基板の処理方法。
〔13〕
上記金属含有物がルテニウム含有物を含み、上記酸化金属含有物が酸化ルテニウム含有物を含む、〔12〕に記載の基板の処理方法。
〔14〕
上記工程Aが、上記組成物を用いて基板上に配置され、金属含有物又は酸化金属含有物からなる配線をリセスエッチング処理する工程A1、上記組成物を用いて金属含有物又は酸化金属含有物からなる膜が配置された基板の外縁部の上記膜を除去する工程A2、上記組成物を用いて金属含有物又は酸化金属含有物からなる膜が配置された基板の裏面に付着する金属含有物又は酸化金属含有物を除去する工程A3、上記組成物を用いてドライエッチング後の基板上の金属含有物又は酸化金属含有物を除去する工程A4、又は、上記組成物を用いて化学的機械的研磨処理後の基板上の金属含有物又は酸化金属含有物を除去する工程A5である、〔12〕又は〔13〕に記載の基板の処理方法。
〔15〕
基板上の金属含有物に対して酸化剤を接触させる酸化処理工程を更に有し、上記酸化処理工程で製造された酸化金属含有物を少なくとも有する基板に対して、上記工程Aを行う、〔12〕~〔14〕のいずれかに記載の基板の処理方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、金属含有物の溶解能に優れ、且つ、酸化金属含有物の溶解能にも優れた組成物を提供できる。
また、本発明によれば、組成物を用いた基板の処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】工程A1で用いられる被処理物の一例を示す断面上部の模式図である。
【
図2】工程A1を実施した後の被処理物の一例を示す断面上部の模式図である。
【
図3】工程A2で用いられる被処理物の一例を示す模式図である。
【
図4】工程A4で用いられる被処理物の一例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に制限されるものではない。
【0012】
本明細書において、ある成分が2種以上存在する場合、その成分の「含有量」は、それら2種以上の成分の合計含有量を意味する。
本明細書における基(原子群)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。このことは、各化合物についても同義である。
本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、及び、EUV(Extreme ultraviolet)光等による露光のみならず、電子線、及び、イオンビーム等の粒子線による描画も含まれる。
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0013】
本明細書において、「金属」との表記は、特に断らない限り、酸化されていない金属の単体を意味し、「金属含有物」との表記は、金属の単体を主成分として含む材料であることを意味し、「酸化金属含有物」との表記は、金属の酸化物を主成分として含む材料であることを意味する。なお、「主成分として含む」とは、金属含有物を例に挙げると、金属の単体の含有量(2種以上の金属の単体を含む場合又は合金の場合はそれらの合計含有量)が、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物及び金属を含まない成分等の他の成分の含有量のそれぞれよりも多いことを意味する。
【0014】
[組成物]
本発明の組成物は、過ヨウ素酸及びその塩からなる群から選択される1種以上の過ヨウ素酸化合物と、後述する式(1)で表される化合物又はその塩であるアミン化合物(以下、本明細書において「特定アミン」とも記載する)と、水とを含む、組成物である。
本発明の組成物を用いることで本発明の課題が解決されるメカニズムは必ずしも定かではないが、組成物が過ヨウ素酸化合物を含むことで金属含有物に対する優れた溶解能を実現し、また、組成物が過ヨウ素酸化合物とともに含まれる特定アミンが錯体化合物を形成することで、酸化金属含有物に対する優れた溶解能を実現するものと本発明者らは推測している。
本発明の組成物は、金属含有物の溶解能に優れ、且つ、酸化金属含有物の溶解能にも優れるため、例えば、基板の処理に本発明の組成物を適用する場合に、同じ組成物を用いて、金属含有物を単独で有する基板、酸化金属含有物を単独で有する基板、並びに、金属含有物及び酸化金属含有物の両者を有する基板のいずれに対しても好ましく適用することができる。
【0015】
<過ヨウ素酸化合物>
本発明の組成物は、過ヨウ素酸化合物を含む。
本明細書において、過ヨウ素酸化合物とは、過ヨウ素酸及びその塩からなる群から選択される化合物の総称である。
過ヨウ素酸化合物としては、特に制限されないが、ルテニウムに代表される遷移金属含有物の溶解性に優れる点から、オルト過ヨウ素酸(H5IO6)、オルト過ヨウ素酸の塩、メタ過ヨウ素酸(HIO4)、及び、メタ過ヨウ素酸の塩からなる群から選択される1種以上の化合物が好ましく、オルト過ヨウ素酸又はメタ過ヨウ素酸がより好ましい。特に、ナトリウム(Na)のようなアルカリ金属を含まない点、及び組成が安定している点から、オルト過ヨウ素酸が好ましい。
【0016】
過ヨウ素酸化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
過ヨウ素酸化合物の含有量は、金属含有物の溶解能がより優れる点から、組成物の全質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、2.0質量%以上が特に好ましい。
過ヨウ素酸化合物の含有量の上限は特に制限されないが、組成物の全質量に対して、40.0質量%以下が好ましく、30.0質量%以下がより好ましく、20.0質量%以下が更に好ましく、10.0質量%以下が特に好ましい。
【0017】
<特定アミン>
本発明の組成物は、下記式(1)で表される化合物又はその塩であるアミン化合物(特定アミン)を含む。
R-NH2 式(1)
式(1)中、Rは、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基を表す。脂肪族炭化水素基は、炭素鎖中に-O-、-S-及び-NR1-からなる群より選択される少なくとも1つの連結基を有してもよい。R1は、水素原子又は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基を表す。ただし、Rで表される脂肪族炭化水素基が有しうる置換基、又はR1で表される脂肪族炭化水素基が有しうる置換基は、ヒドロキシ基を含まない。
【0018】
Rで表される脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、また、不飽和炭素結合を有していてもよい。脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はシクロアルキル基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基が更に好ましい。
Rで表される脂肪族炭化水素基の炭素数は、特に制限されないが、1~15が好ましく、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能がより優れる点から、1~8がより好ましく、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能がより優れる点から、1~7が更に好ましく、2~7が更により好ましく、金属含有物(特にRu含有物)及び酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能が更に優れる点から、2~6が特に好ましく、3~6が最も好ましい。
【0019】
Rで表される脂肪族炭化水素基が有する置換基としては、ヒドロキシ基及び芳香環を含まない限り特に制限されず、例えば、カルボキシ基、アミノ基、オキソ基、ホスホン酸基、スルホ基及びメルカプト基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基が挙げられる。Rで表される脂肪族炭化水素基は、少なくとも1つの上記官能基を更に有することが好ましい。
上記官能基としては、カルボキシ基、アミノ基、オキソ基、ホスホン酸基又はスルホ基が好ましく、カルボキシ基、アミノ基又はオキソ基がより好ましい。
Rで表される脂肪族炭化水素基が有する上記官能基の個数は、特に制限されないが、1~5が好ましく、1~3がより好ましい。
【0020】
Rは、炭素鎖中に-O-、-S-及び-NR1-からなる群より選択される連結基を有する脂肪族炭化水素基であってもよい。R1は、水素原子又は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基を表す。
R1で表される脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、また、不飽和炭素結合を有していてもよい。R1で表される脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基が更に好ましい。
R1で表される脂肪族炭化水素基の炭素数は、特に制限されないが、1~5が好ましく、1~3がより好ましい。
R1としては、水素原子又は炭素数1~3の直鎖状のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
Rで表される脂肪族炭化水素基が有する上記連結基の個数は、特に制限されないが、1~3が好ましく、1又は2がより好ましい。
Rで表される脂肪族炭化水素基は、炭素鎖中に上記の連結基を有さないか、又は、-NH-を有することが好ましく、炭素鎖中に上記の連結基を有さないことがより好ましい。
【0021】
また、式(1)で表される化合物の塩としては、特に制限されず、例えば、Cl、S、N及びPからなる群より選択される少なくとも1種の非金属が水素と結合してなる無機酸との塩が挙げられ、塩酸塩、硫酸塩、又は硝酸塩が好ましい。
【0022】
特定アミンの炭素数は、特に制限されないが、1~15が好ましく、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能がより優れる点から、1~8がより好ましく、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能がより優れる点から、2~7が更に好ましく、金属含有物(特にRu含有物)及び酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能が更に優れる点から、3~6が特に好ましい。
【0023】
特定アミンの具体例を以下に示す。
置換基を有さない特定アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n-オクチルアミン、及び、2-エチルヘキシルアミンが挙げられる。
【0024】
Rで表される脂肪族炭化水素基が置換基としてカルボキシ基を有する特定アミンとしては、例えば、グリシン、α-アラニン(2-アミノプロピオン酸)、β-アラニン(3-アミノプロピオン酸)、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、7-アミノヘプタン酸、リシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、及びこれらの塩が挙げられる。
Rで表される脂肪族炭化水素基が置換基としてアミノ基を有する特定アミン、即ち、化合物全体でアミノ基を2つ以上有する特定アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-ブタンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン及び1,8-オクタンジアミン等のアルキレンジアミン、並びに、ジエチレントリアミン、ビスヘキサメチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ビス(アミノプロピル)エチレンジアミン及びテトラエチレンペンタミン等のポリアルキルポリアミンが挙げられる。
Rで表される脂肪族炭化水素基が置換基としてオキソ基を有することにより、酸アミド構造を有する特定アミンとしては、例えば、コハク酸アミド、マロンアミド、プロパンアミド、ブチルアミド、アジポアミド、カルバミン酸メチル、及び、尿素が挙げられる。
上記以外の特定アミンとしては、例えば、2-アミノエチルホスホン酸、タウリン、アミノメタンスルホン酸、アミノメタンホスホン酸、N-メチル-1,3-プロパンジアミン、N-エチルエチレンジアミン、及び、N-(2-アミノエチル)ピペラジンが挙げられる。
【0025】
特定アミンとしては、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能がより優れる点から、β-アラニン、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、コハク酸アミド、マロンアミド、プロパンアミド、ブチルアミド、アジポアミド、2-アミノエチルホスホン酸、タウリン、グリシン、7-アミノヘプタン酸、1,8-オクタンジアミン、アミノメタンスルホン酸、アミノメタンホスホン酸又はカルバミン酸メチルが好ましく、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能がより優れる点から、β-アラニン、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、コハク酸アミド、マロンアミド、プロパンアミド、ブチルアミド、アジポアミド、2-アミノエチルホスホン酸、タウリン、グリシン又は7-アミノヘプタン酸がより好ましい。
なかでも、金属含有物(特にRu含有物)及び酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能が更に優れる点から、β-アラニン、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、コハク酸アミド、マロンアミド、プロパンアミド、ブチルアミド又はアジポアミドが更に好ましく、4-アミノ酪酸、1,3-プロパンジアミン又は1,4-ブタンジアミンが特に好ましい。
【0026】
特定アミンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特定アミンの含有量は、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能がより優れる点から、組成物の全質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.06質量%超が更に好ましい。特定アミンの含有量の上限は特に制限されないが、組成物の全質量に対して、30質量%以下が好ましく、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能がより優れる点から、0.90質量%以下がより好ましく、0.50質量%以下が更に好ましい。
【0027】
また、特定アミンの含有量に対する過ヨウ素酸化合物の含有量の比率(過ヨウ素酸化合物の含有量/特定アミンの含有量)は、いずれも質量比で、200以下が好ましく、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能がより優れる点から95以下がより好ましく、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能がより優れる点から50以下が更に好ましく、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能が更に優れる点から45未満が特に好ましく、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能が更に優れる点から40未満が最も好ましい。
上記の含有量の比率の下限は特に制限されないが、いずれも質量比で、0.01以上が好ましく、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能が優れる点から1以上がより好ましく、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能及び酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能がいずれも優れる点から3以上が更に好ましく、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能が優れる点から5以上が特に好ましい。
【0028】
<水>
水としては、特に制限されないが、蒸留水、イオン交換水、又は、超純水といった浄化処理を施された水が好ましく、半導体製造に使用される超純水がより好ましい。組成物に含まれる水は、不可避的な微量混合成分を含んでいてもよい。
組成物中の水の含有量は、特に制限されないが、50質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましい。また、上限値は、特に制限はないが、99.5質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98質量%以下が更に好ましい。
【0029】
<任意成分>
組成物は、上記の成分以外に、他の任意成分を含んでいてもよい。以下、任意成分について説明する。
【0030】
(pH調整剤)
組成物は、pH調整剤を含んでいてもよい。なお、pH調整剤は、上記の特定アミンを含まないものとする。
pH調整剤としては、塩基性化合物及び酸性化合物が挙げられ、目的とする組成物のpHに応じて適宜選択される。
【0031】
-塩基性化合物-
組成物は、pH調整剤として水溶液中でアルカリ性(pHが7.0超)を示す塩基性化合物を含んでいてもよい。塩基性化合物としては、無機塩基及び有機塩基(ただし上記の特定アミンを除く)が挙げられる。
【0032】
有機塩基としては、例えば、第4級アンモニウム塩化合物が挙げられる。第4級アンモニウム化合物は、窒素原子に4つの炭化水素基(好ましくはアルキル基)が置換してなる第4級アンモニウムカチオンを有する化合物又はその塩であれば、特に制限されない。
第4級アンモニウム化合物としては、例えば、第4級アンモニウム水酸化物、第4級アンモニウムフッ化物、第4級アンモニウム臭化物、第4級アンモニウムヨウ化物、第4級アンモニウムの酢酸塩、及び第4級アンモニウムの炭酸塩が挙げられる。
【0033】
第4級アンモニウム化合物としては、第4級アンモニウム水酸化物が好ましく、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
【0034】
【0035】
式(2)中、R4A~R4Dは、それぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基)、炭素数1~6のヒドロキシアルキル基(好ましくは、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシブチル基)、ベンジル基、又は、アリール基(好ましくは、フェニル基、ナフチル基又はナフタレン基)を表す。なかでも、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のヒドロキシエチル基、又は、ベンジル基が好ましい。
【0036】
式(2)で表される化合物としては、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)、エチルトリメチルアンモニウム水酸化物(ETMAH)、テトラエチルアンモニウム水酸化物(TEAH)、テトラブチルアンモニウム水酸化物(TBAH)、ジメチルジプロピルアンモニウム水酸化物、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム水酸化物、メチルトリ(ヒドロキシエチル)アンモニウム水酸化物、テトラ(ヒドロキシエチル)アンモニウム水酸化物、トリメチルベンジルアンモニウム水酸化物、ビスヒドロキシエチルジメチルアンモニウム水酸化物、又は、コリンが好ましく、TMAH、ETMAH、TEAH、又は、TBAHがより好ましい。
また、金属含有物の除去効果、使用後の金属残留の少なさ、経済性、及び、組成物の安定性の点からは、TMAH、ETMAH、TEAH、ジメチルジプロピルアンモニウム水酸化物、ビスヒドロキシエチルジメチルアンモニウム水酸化物、又は、トリメチル(ヒドロキシエチル)アンモニウム水酸化物が好ましい。
更に、特表2015-518068号公報に記載の4級アンモニウムヒドロキシド化合物を使用してもよい。
【0037】
第4級アンモニウム化合物以外の有機塩基としては、例えば、アミンオキシド、ニトロ、ニトロソ、オキシム、ケトオキシム、アルドオキシム、ラクタム、及び、イソシアニド類が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、並びに、アンモニアが挙げられる。
【0038】
塩基性化合物としては、水溶液中で塩基又はノニオンとなるものであれば、上記の化合物の塩を用いてもよい。
また、上記の特定アミンのうち、水溶液中でアルカリ性(pHが7.0超)を示す化合物が、塩基性化合物としての役割を兼ねてもよい。
【0039】
塩基性化合物としては、金属含有物の除去効果、使用後の金属残留の少なさ、経済性、及び、組成物の安定性等の点で、第4級アンモニウム水酸化物が好ましく、TMAH、ETMAH、TEAH又はジメチルジプロピルアンモニウム水酸化物がより好ましく、ETMAH又はTEAHが更に好ましい。
【0040】
-酸性化合物-
組成物は、pH調整剤として水溶液中で酸性(pHが7.0未満)を示す酸性化合物を含んでいてもよい。酸性化合物としては、無機酸及び有機酸(ただし上記の特定アミンを除く)が挙げられる。
【0041】
無機酸としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、フッ酸、過塩素酸及び次亜塩素酸が挙げられ、硫酸、塩酸、リン酸又は硝酸が好ましく、硫酸、塩酸又はリン酸がより好ましい。
有機酸としては、カルボン酸及びスルホン酸が挙げられる。
カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸及び酪酸等の低級(炭素数1~4)脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
スルホン酸としては、メタンスルホン酸(MSA)、ベンゼンスルホン酸、及び、p-トルエンスルホン酸(トシル酸)が挙げられる。
【0042】
酸性化合物としては、水溶液中で酸又は酸イオン(アニオン)となるものであれば、上記の化合物の塩を用いてもよい。
また、上記の特定アミンのうち、カルボキシ基、スルホ基及びホスホン酸基等の配位基を有しており、水溶液中で酸性(pHが7.0未満)を示す化合物、及び/又は、後述するアニオン性界面活性剤が、酸性化合物としての役割を兼ねてもよい。
【0043】
酸性化合物としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸又はスルホン酸もしくはその塩が好ましく、硫酸、塩酸、リン酸、メタンスルホン酸又はp-トルエンスルホン酸がより好ましい。
【0044】
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、pH調整剤は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法によって適宜合成したものを用いてもよい。
pH調整剤の含有量は、組成物の全質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、組成物の全質量に対して、20.0質量%以下が好ましい。
pH調整剤の含有量を、上記の好適な範囲内において、後述する組成物の好適なpHの範囲になるように調整することも好ましい。
【0045】
(界面活性剤)
組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤としては、1分子中に親水基と疎水基(親油基)とを有する化合物であれば特に制限されず、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0046】
界面活性剤が有する疎水基としては特に制限されないが、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びそれらの組合せが挙げられる。疎水基が芳香族炭化水素基を含む場合、炭素数が6以上であることが好ましく、炭素数10以上であることがより好ましい。疎水基が芳香族炭化水素基を含まず、脂肪族炭化水素基のみから構成される場合、炭素数は、8以上が好ましく、10以上がより好ましい。疎水基の炭素数の上限は特に制限されないが、24以下が好ましく、20以下がより好ましい。
【0047】
アニオン性界面活性剤としては、分子内に、スルホン酸基、カルボキシ基、硫酸エステル基及びホスホン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の親水基を有するアニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0048】
分子内にスルホン酸基を有するアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸、脂肪酸アミドスルホン酸、及びそれらの塩が挙げられる。
分子内にカルボン酸基を有するアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルプロピオン酸、脂肪酸、及びそれらの塩が挙げられる。
なお、これらのアニオン性界面活性剤の塩としては、特に制限されず、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、及びテトラメチルアンモニウム塩が挙げられる。
【0049】
カチオン性界面活性剤としては、カチオン性の親水基及び上記の疎水基を有する化合物であれば特に制限されず、例えば、第4級アンモニウム塩系界面活性剤、及びアルキルピリジウム系界面活性剤が挙げられる。
【0050】
界面活性剤は1種を単独で用いても、2種以上を使用してもよい。
組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、組成物の全質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、組成物の泡立ちを抑制する点で、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
【0051】
(水溶性有機溶剤)
組成物は、溶媒として水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。なお、水溶性有機溶剤は、上記の特定アミンを含まないものとする。
水溶性有機溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、含硫黄系溶剤、及びラクトン系溶剤が挙げられる。水溶性有機溶剤は、水と任意の割合で混合できる有機溶剤が好ましい。
【0052】
エーテル系溶剤としては、エーテル結合(-O-)を有する化合物であれば特に制限されず、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及び、ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、並びに、アルキレングリコールジアルキルエーテル(ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、及び、トリエチレングリコールジメチルエーテル)が挙げられる。
エーテル系溶剤の炭素数は、特に制限されないが、3~16が好ましく、4~14がより好ましく、6~12が更に好ましい。
【0053】
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,3-ブタンジオール、及び1,4-ブタンジオールが挙げられる。
アルコール系溶剤の炭素数は、特に制限されないが、1~8が好ましく、1~4がより好ましい。
【0054】
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノンが挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、ホルムアミド、モノメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、モノメチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、モノエチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、及び、N-メチルピロリドンが挙げられる。
含硫黄系溶剤としては、例えば、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、及び、スルホランが挙げられる。
ラクトン系溶剤としては、例えば、γ-ブチロラクトン、及び、δ-バレロラクトンが挙げられる。
【0055】
水溶性有機溶剤は1種を単独で用いても、2種以上を使用してもよい。2種以上の水溶性有機溶剤を使用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
組成物が水溶性有機溶剤を含む場合、水溶性有機溶剤の含有量は特に制限されないが、0.1~10質量%が好ましい。
【0056】
(研磨粒子)
組成物は、研磨粒子を実質的に含まないことが好ましい。
本明細書において、研磨粒子とは、半導体基板の研磨処理に使用する研磨液に含まれる粒子であって、その平均一次粒子径が5nm以上である粒子を意味する。
また、組成物が研磨粒子を実質的に含まないとは、光散乱式液中粒子測定方式における市販の測定装置を用いて組成物を測定した際に、組成物1mLに含まれる平均一次粒子径が5nm以上である研磨粒子が10個以下であることをいう。組成物1mLに含まれる平均一次粒子径が5nm以上である研磨粒子の数は、8個以下であることが好ましく、5個以下であることがより好ましい。
研磨粒子としては、例えば、シリカ(コロイダルシリカ及びヒュームドシリカを含む)、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア、酸化マンガン及び炭化珪素等の無機物砥粒;並びに、ポリスチレン、ポリアクリル及びポリ塩化ビニル等の有機物砥粒が挙げられる。
【0057】
組成物に含まれる研磨粒子の含有量は、レーザを光源とした光散乱式液中粒子測定方式における市販の測定装置を利用して測定される。
また、研磨粒子等の粒子の平均一次粒子径は、日本電子(株)製の透過型電子顕微鏡TEM2010(加圧電圧200kV)を用いて撮影された画像から任意に選択した一次粒子1000個の粒子径(円相当径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、円相当径とは、観察時の粒子の投影面積と同じ投影面積をもつ真円を想定したときの当該円の直径である。
組成物から研磨粒子を除去する方法としては、例えば、フィルタリング等の精製処理が挙げられる。
【0058】
組成物は、本発明の効果及び各成分の機能を阻害しない限り、上記の成分以外の他の成分を含んでいてもよい。
【0059】
<pH>
組成物のpHは、特に制限されず、例えば、1.0~13.0の範囲内であればよい。組成物のpHは、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能がより優れる点から、10.0以下が好ましく、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能がより優れる点から、8.0以下がより好ましく、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能が更に優れる点から、7.0以下が更に好ましく、酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能が更に優れる点から、6.0以下が特に好ましい。
組成物のpHの下限は、金属含有物(特にRu含有物)の溶解能及び酸化金属含有物(特にRuO2含有物)の溶解能がより優れる点から、3.3以上が好ましく、3.4以上がより好ましく、3.5以上が更に好ましい。
組成物のpHは、3.5~6.0であることが好ましい。
本明細書において、組成物のpHは、25℃において、pHメーター(株式会社堀場製作所製、F-51(商品名))を用いて測定することにより得られる。
【0060】
<キット>
組成物は、各成分(原料)を複数に分割したキットとしてもよい。
組成物をキットとする方法としては、例えば、第1液として過ヨウ素酸化合物及び特定アミンを含む液組成物を調製し、第2液として他の成分を含む液組成物を調製する態様が挙げられる。
キットの作製方法は、特に制限されず、例えば、上記の第1液及び第2液を調製した後、それぞれを異なる容器に収容することにより、組成物調製用キットを作製すればよい。
第1液の調製方法は、特に制限されず、例えば、精製して得られる純水に、過ヨウ素酸化合物及び特定アミンを添加した後、撹拌等を行い、均一な水溶液として第1液を調製する方法が挙げられる。
第2液の調製方法も、特に制限されず、第1液の調製方法に準じて行えばよい。
【0061】
<容器>
組成物、並びにキットが備える第1液及び第2液は、任意の容器に充填して保管、運搬、及び使用することができる。容器としては、容器のクリーン度が高く、不純物の溶出が少ないものが好ましい。組成物が充填される容器としては、アイセロ化学(株)製の「クリーンボトル」シリーズ、及び、コダマ樹脂工業(株)製の「ピュアボトル」等が挙げられるが、これらに制限されない。
【0062】
<製造方法>
組成物の製造方法は特に制限されず、例えば、上記の各成分を混合することにより、組成物を製造できる。上記の各成分を混合する順序及び/又はタイミングは特に制限されない。例えば、精製した純水を入れた混合ミキサー等の攪拌機に、過ヨウ素酸化合物、特定アミン基性化合物及び任意成分を順次添加した後、十分に攪拌することにより、各成分を混合して、組成物を製造する方法が挙げられる。
組成物の製造方法としては、pH調整剤を用いて洗浄液のpHを予め調整した後に各成分を混合する方法、及び、各成分の混合後にpH調整剤を用いて設定したpHに調整する方法も挙げられる。
【0063】
また、使用時よりも水の含有量が少ない濃縮液を製造して、使用時に希釈液(好ましくは水)により希釈して各成分の含有量を所定の含有量に調整することにより、組成物を製造してもよい。上記濃縮液を希釈液により希釈した後、pH調整剤を用いて設定したpHに調整することにより、組成物を製造してもよい。濃縮液を希釈する際は、濃縮液に対して所定量の希釈液を添加してもよく、希釈液に所定量の濃縮液を添加してもよい。
【0064】
[被処理物]
上記の組成物の用途は特に制限されない。組成物は、例えば、基板(半導体基板)を被処理物として、基板上の金属含有物及び/又は酸化金属含有物の除去に用いられる。以下、「除去対象物」との表記は、基板上に存在し、組成物を用いて行う除去の対象となる、金属含有物及び酸化金属含有物からなる群より選択される少なくとも1種を意味する。
本明細書における「基板上」とは、例えば、基板の表裏、側面、及び、溝内等の部位のいずれをも含む。また、基板上の除去対象物とは、基板の表面上に除去対象物が存在する場合のみならず、基板上に他の層を介して除去対象物が存在する場合も含む。
【0065】
金属含有物は、金属(金属原子)の単体を主成分として含む材料である。
金属含有物に含まれる金属は、例えば、Ru(ルテニウム)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Co(コバルト)、Cr(クロム)、Hf(ハフニウム)、Os(オスミウム)、Pt(白金)、Ni(ニッケル)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、Zr(ジルコニウム)、Mo(モリブデン)、La(ランタン)、W(タングステン)及びIr(イリジウム)から選択される金属Mが挙げられる。
金属含有物としては、金属M含有物が好ましい。
【0066】
金属含有物としては、例えば、金属Mの単体、及び、金属Mを含む合金が挙げられる。
金属含有物は、これらの化合物のうちの2種以上を含む混合物でもよい。
また、金属含有物は、金属を主成分として含む限り、金属(好ましくは金属M)の酸化物、窒化物又は酸窒化物を含む、複合酸化物、複合窒化物又は複合酸窒化物であってもよい。
金属含有物中の金属原子の含有量は、金属含有物の全質量に対して、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。上限は、金属含有物が金属の単体そのものであってもよいことから、100質量%である。
【0067】
金属含有物としては、Ru含有物がより好ましい。
Ru含有物としては、例えば、Ruの単体及びRuの合金が挙げられる。Ru含有物は、Ruを主成分として含む限り、Ruの酸化物、窒化物又は酸窒化物を含んでいてもよい。
Ru含有物中のRu原子の含有量は、Ru含有物の全質量に対して、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、Ru含有物がRu単体であってもよいことから、100質量%である。
【0068】
酸化金属含有物は、金属の酸化物を主成分として含む材料である。
酸化金属含有物に含まれる金属の酸化物を構成する金属原子としては、上記金属Mが挙げられる。酸化金属含有物は、金属Mの酸化物を含むことが好ましい。
酸化金属含有物は、2種以上の金属酸化物を含む混合物であってもよい。
また、酸化金属含有物は、金属酸化物を主成分として含む限り、金属の単体及び/又は金属の窒化物を含んでいてもよい。
酸化金属含有物中の金属酸化物の含有量は、酸化金属含有物の全質量に対して、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されず、100質量%以下であってよい。
【0069】
酸化金属含有物としては、酸化ルテニウム(RuO2)含有物がより好ましい。
RuO2含有物は、RuO2を主成分として含む限り、Ru単体及び/又はRuの窒化物を含んでいてもよい。
RuO2含有物中のRuO2の含有量は、RuO2含有物の全質量に対して、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されず、100質量%以下であってよい。
【0070】
被処理物としては、例えば、金属含有物及び/又は酸化金属含有物を有する基板が挙げられる。つまり、上記の被処理物は、基板と、基板上にある金属含有物及び酸化金属含有物からなる群より選択される少なくとも1種とを少なくとも含む。
基板の種類は特に制限はないが、半導体基板が好ましい。
上記基板には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、及び、光磁気ディスク用基板等の各種基板が挙げられる。
半導体基板を構成する材料としては、ケイ素、ケイ素ゲルマニウム、及び、GaAs等の第III-V族化合物、又は、それらの任意の組合せが挙げられる。
【0071】
基板上の除去対象物(金属含有物及び/又は酸化金属含有物)の種類は、上記の通りである。
基板上の除去対象物の形態は特に制限されず、例えば、膜状に配置された形態(除去対象膜)、配線状に配置された形態(除去対象配線)、及び、粒子状に配置された形態のいずれであってもよい。
上記のように、金属としてはRu(ルテニウム)が好ましく、酸化金属としてはRuO2(酸化ルテニウム)が好ましい。つまり、被処理物としては、基板と、基板上に配置された除去対象物(除去対象膜、除去対象配線又は粒子状の除去対象物)とを有する被処理物であって、それぞれの除去対象物がRu含有物及びRuO2含有物からなる群より選択される少なくとも1種である被処理物が好ましい。
また、金属としてはCu(銅)又はCo(コバルト)も好ましく、酸化金属としてはCu又はCoの酸化物も好ましく、被処理物としては、基板と、基板上に配置された除去対象膜、除去対象配線又は粒子状の除去対象物とを有する被処理物であって、それぞれの除去対象物がCoもしくはCu含有物及びCoもしくはCuの酸化物の含有物からなる群より選択される少なくとも1種である被処理物が好ましい。
【0072】
基板上に存在する除去対象物は、1種単独であってもよく、2種以上の除去対象物が存在していてもよい。つまり、基板上に、金属含有物のみが存在していてもよく、酸化金属含有物のみが存在していてもよく、金属含有物及び酸化金属含有物の両者が存在していてもよい。より具体的には、基板上にRu含有物(Ru含有膜、Ru含有配線、及び/又は、粒子状のRu含有物等)及びRuO2含有物(RuO2含有膜、RuO2含有配線、及び/又は、粒子状のRuO2含有物等)の両者を有する基板であってもよい。
基板上に2種以上の除去対象物が存在する場合、それらの除去対象物は、同じ形態で存在していてもよく、異なる形態で存在していてもよい。例えば、基板上にRu含有配線とRuO2含有膜とが存在していてもよい。
【0073】
なお、除去対象物が粒子状に配置された形態としては、例えば、後述するように、除去対象物を有する基板に対してドライエッチングを施した後に、残渣として粒子状の除去対象物が付着している基板、及び、除去対象物に対してCMP(chemical mechanical polishing、化学的機械的研磨処理)を施した後に、残渣として粒子状の除去対象物が付着している基板が挙げられる。
【0074】
被処理物が基板上に金属含有物からなる膜(金属含有膜)を含む場合、その金属含有膜の厚みは特に制限されず、用途に応じて適宜選択すればよいが、50nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、1nm以上が好ましい。
被処理物が基板上に酸化金属含有物からなる膜(酸化金属含有膜)を含む場合、その酸化金属含有膜の厚みは特に制限されず、用途に応じて適宜選択すればよいが、50nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、0.3nm以上が好ましい。
【0075】
金属含有膜及び/又は非金属含有膜は、基板の片側の主面上にのみに配置されていてもよいし、両側の主面上に配置されていてもよい。また、金属含有膜及び/又は非金属含有膜は、基板の主面全面に配置されていてもよいし、基板の主面の一部に配置されていてもよい。
【0076】
<被処理物の製造方法>
基板上に金属含有物及び/又は非金属含有物を有する被処理物の製造方法は、特に制限されない。
【0077】
基板上に金属含有物を有する被処理物の製造方法としては、例えば、スパッタリング法、物理気相成長(PVD:Physical vapor deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic layer deposition)法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、及び、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法等の公知の方法で、基板上に金属含有膜を形成できる。なお、スパッタリング法、PVD法、ALD法及びCVD法等により金属含有膜を形成した場合、金属含有膜を有する基板の裏面(金属含有膜側とは反対側の表面)にも、金属含有物が付着する場合がある。
また、所定のマスクを介して上記方法を実施して、基板上に金属含有配線を形成してもよい。
また、基板上に金属含有膜又は金属含有配線を形成した後、この基板を異なる工程又は処理に供してから、本処理方法の被処理物として用いてもよい。
例えば、金属含有膜又は金属含有配線を有する基板をドライエッチングに供して、金属を含むドライエッチング残渣を有する基板を製造してもよい。ドライエッチング残渣とは、ドライエッチング(例えば、プラズマエッチング)を行うことで生じた副生成物のことであり、例えば、フォトレジスト由来の有機物残渣物、Si含有残渣物、及び、金属含有残渣物が挙げられる。また、金属含有膜又は金属含有配線を有する基板をCMPに供して、金属含有物を有する基板を製造してもよい。
【0078】
基板上に酸化金属含有物を有する被処理物の製造方法としては、例えば、スパッタリング法により基板上に酸化金属含有膜を形成する方法、及び、金属含有物を有する基板(例えば上記の方法で製造された金属含有物を有する基板)に対して酸化剤を接触させる酸化処理(以下、単に「酸化処理」とも記載する)を行う方法が挙げられる。
【0079】
酸化処理により形成される酸化金属含有物は、基板上の金属含有物の少なくとも一部が酸化されたものであってよい。すなわち、酸化処理により、金属含有物の表層のみを酸化してもよく、また、金属含有物の全体を酸化してもよい。
金属含有物の表層のみを酸化する酸化処理により形成される酸化金属含有層は、金属含有物の表層の一部のみを酸化してなる層であってもよく、金属含有物の表層の全部を酸化してなる層であってもよい。
金属含有物の表層のみを酸化する酸化処理により形成される酸化金属層の厚みは、特に制限されず、例えば、1~10原子層分である。なお、金属及び酸化金属の1原子層の厚みは、1nm以下(例えば、0.3nm~0.4nm)である。
【0080】
酸化処理の対象としては、金属含有物を有する基板であれば特に制限されず、例えば、被処理物として記載した金属含有物を有する基板が挙げられる。より具体的には、金属含有膜、金属含有配線及び粒子状の金属含有物を有する基板に対して酸化処理を施すことにより、酸化金属含有膜、酸化金属含有配線及び粒子状の酸化金属含有物を有する基板がそれぞれ得られる。
【0081】
金属含有物を酸化させる酸化処理の方法に制限はなく、例えば、上記被処理物に対して、酸化液を接触させる液処理、酸化ガスを接触させるガス処理(後述する基板にオゾンガスを接触させるオゾン処理、及び酸素雰囲気下で加熱する酸素中加熱処理等)、並びに、プラズマを用いるドライエッチング処理及びプラズマアッシング処理が挙げられる。
酸化処理において金属含有物に接触させる酸化剤は、特に制限されず、金属含有物を酸化する機能を有する物質を酸化処理に応じて選択できる。酸化剤としては、例えば、酸化液、酸化ガス、及び、酸素ガスのプラズマが挙げられる。
また、基板上に酸化金属含有物を有する被処理物は、大気下等の酸素ガスが存在する雰囲気下に金属含有物を有する基板を置き、金属含有物の一部を酸化させることにより得られたものであってもよい。
酸化処理は、1種のみを実施してもよいし、2種以上を実施してもよい。
【0082】
なかでも、酸化処理としては、上記被処理物に対して所定の酸化液を接触させる液処理が好ましい。
上記酸化液とは、上記金属含有物を酸化する機能を有する化合物を含む薬液であればよい。
上記化合物としては、特に制限されないが、過酸化水素(H2O2)、FeCl3、FeF3、Fe(NO3)3、Sr(NO3)2、CoF3、MnF3、オキソン(2KHSO5・KHSO4・K2SO4)、過ヨウ素酸、ヨウ素酸、酸化バナジウム(V)、酸化バナジウム(IV、V)、バナジウム酸アンモニウム、アンモニウム多原子塩{例えば、アンモニウムペルオキソモノスルフェート、亜塩素酸アンモニウム(NH4ClO2)、塩素酸アンモニウム(NH4ClO3)、ヨウ素酸アンモニウム(NH4IO3)、硝酸アンモニウム(NH4NO3)、過ホウ酸アンモニウム(NH4BO3)、過塩素酸アンモニウム(NH4ClO4)、過ヨウ素酸アンモニウム(NH4IO4)、過硫酸アンモニウム((NH4)2S2O8)、次亜塩素酸アンモニウム(NH4ClO)、タングステン酸アンモニウム((NH4)10H2(W2O7))}、ナトリウム多原子塩{例えば、過硫酸ナトリウム(Na2S2O8)、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、過ホウ酸ナトリウム}、カリウム多原子塩{例えば、ヨウ素酸カリウム(KIO3)、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、硝酸カリウム(KNO3)、過硫酸カリウム(K2S2O8)、次亜塩素酸カリウム(KClO)}、テトラメチルアンモニウム多原子塩{例えば、亜塩素酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)ClO2)、塩素酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)ClO3)、ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)IO3)、過ホウ酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)BO3)、過塩素酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)ClO4)、過ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)IO4)、過硫酸テトラメチルアンモニウム((N(CH3)4)S2O8)}、テトラブチルアンモニウム多原子塩{例えば、テトラブチルアンモニウムペルオキソモノスルフェート}、ペルオキソモノ硫酸、硝酸鉄(Fe(NO3)3)、過酸化尿素水素((CO(NH2)2)H2O2)、過酢酸(CH3(CO)OOH)、1,4-ベンゾキノン、トルキノン、ジメチル-1,4-ベンゾキノン、クロラニル、アロキサン、N-メチルモルホリンN-オキシド、トリメチルアミンN-オキシド、及び、それらの組み合わせが含まれる。
上記化合物が塩である場合、その塩の水和物及び無水物も使用できる。
酸化液は、上記化合物以外に、酸及びアルカリ等の添加剤を含んでいてもよい。
【0083】
上記酸化液としては、水、過酸化水素水、アンモニア及び過酸化水素の混合水溶液(APM)、フッ酸及び過酸化水素水の混合水溶液(FPM)、硫酸及び過酸化水素水の混合水溶液(SPM)、塩酸及び過酸化水素水の混合水溶液(HPM)、酸素溶存水、オゾン溶存水、過塩素酸、並びに、硝酸からなる群から選択される薬液が好ましい。
【0084】
過酸化水素水の組成は、例えば、H2O2の含有量が過酸化水素水の全質量に対して、0.5~31質量%であり、3~15質量%がより好ましい。
APMの組成は、例えば、「アンモニア水:過酸化水素水:水=1:1:1」~「アンモニア水:過酸化水素水:水=1:3:45」の範囲内(質量比)が好ましい。
FPMの組成は、例えば、「フッ酸:過酸化水素水:水=1:1:1」~「フッ酸:過酸化水素水:水=1:1:200」の範囲内(質量比)が好ましい。
SPMの組成は、例えば、「硫酸:過酸化水素水:水=3:1:0」~「硫酸:過酸化水素水:水=1:1:10」の範囲内(質量比)が好ましい。
HPMの組成は、例えば、「塩酸:過酸化水素水:水=1:1:1」~「塩酸:過酸化水素水:水=1:1:30」の範囲内(質量比)が好ましい。
なお、これらの好ましい組成比の記載は、アンモニア水は28質量%アンモニア水、フッ酸は49質量%フッ酸、硫酸は98質量%硫酸、塩酸は37質量%塩酸、過酸化水素水は30質量%過酸化水素水である場合における組成比を意図する。
好適範囲としての[「A:B:C=x:y:z」~「A:B:C=X:Y:Z」]という記載は、[「A:B=x:y」~「A:B=X:Y」]、[「B:C=y:z」~「B:C=Y:Z」]、及び、[「A:C=x:z」~「A:C=X:Z」]の範囲のうちの少なくとも1個(好ましくは2個、より好ましくは全部)を満たすことが好ましいことを示す。
【0085】
酸素溶存水の組成は、例えば、O2の含有量が酸素溶存水の全質量に対して、20~500質量ppmである水溶液である。
オゾン溶存水の組成は、例えば、O3の含有量がオゾン溶存水の全質量に対して、1~60質量ppmである水溶液である。
過塩素酸は、例えば、HClO4の含有量が溶液の全質量に対して0.001~60質量%の水溶液である。
硝酸は、例えば、HNO3の含有量が溶液の全質量に対して0.001~60質量%の水溶液である。
【0086】
液処理において、被処理物と酸化液とを接触させる方法は特に制限されず、例えば、タンクに入れた酸化液中に被処理物を浸漬する方法、被処理物上に酸化液を噴霧する方法、被処理物上に酸化液を流す方法、及び、それらの任意の組合せが挙げられる。
被処理物と酸化液との接触時間は、例えば、0.25~10分間が好ましく、0.5~5分間がより好ましい。
酸化液の温度は、20~75℃が好ましく、20~60℃がより好ましい。
【0087】
ガス処理において、被処理物に接触させる酸化ガスとしては、例えば、ドライエア、酸素ガス、オゾンガス、及び、これらの混合ガスが挙げられる。酸化ガスは、上述の気体以外の気体を含んでもよい。
ガス処理において、被処理物に接触させる酸化ガスは、酸素ガス、又は、オゾンガスが好ましい。被処理物に酸素ガス、又は、オゾンガスを接触させる場合、酸素雰囲気下、オゾン雰囲気下、又は、酸素及びオゾンの混合ガス雰囲気下で接触させることも好ましい。
【0088】
ガス処理においては、酸化ガスを接触させながら被処理物を加熱(例えば、40~200℃での加熱)する態様も好ましい。
なかでも、ガス処理は、被処理物に対して、オゾンガスを接触させるオゾン処理、又は、酸素雰囲気下で加熱する酸素中加熱処理が好ましい。
上記オゾン処理では、オゾン雰囲気下でオゾンガスを被処理物に接触させてもよいし、オゾンガスとその他の気体(例えば酸素ガス)との混合ガス雰囲気下でオゾンガスを被処理物に接触させてもよい。また、オゾン処理は、オゾンガスを接触させながら被処理物を加熱する処理であってもよい。
【0089】
上記の酸化処理(特に液処理)において、被処理物は、酸化処理によって酸化されて酸化金属含有物となる金属含有物とは異なる他の金属含有物を更に有していてもよく、このような他の金属含有物の一部又は全部が酸化処理(特に液処理)によって意図的又は不可避的に除去されてもよい。
また、上記の酸化処理(特に液処理)において、被処理物の金属含有物の一部が意図的又は不可避的に除去されてもよい。
【0090】
被処理物の基板は、除去対象物以外に、所望に応じた種々の層、及び/又は、構造を有していてもよい。例えば、基板は、金属配線、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、絶縁層、強磁性層、及び/又は、非磁性層等を有していてもよい。
基板は、曝露された集積回路構造、例えば金属配線及び誘電材料等の相互接続機構を有していてもよい。相互接続機構に使用する金属及び合金としては、例えば、アルミニウム、銅アルミニウム合金、銅、チタン、タンタル、コバルト、ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、及び、タングステンが挙げられる。基板は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び/又は、炭素ドープ酸化ケイ素の層を有していてもよい。
【0091】
基板の大きさ、厚さ、形状、及び、層構造等は、特に制限はなく、所望に応じ適宜選択できる。
【0092】
[基板の処理方法]
本発明の基板の処理方法(以下「本処理方法」ともいう)は、上記の組成物(以下「本組成物」ともいう)を用いて、基板上の金属含有物及び/又は酸化金属含有物(除去対象物)を除去する工程Aを有する。
上記のように、特に、除去対象物がRu含有物及びRuO2含有物からなる群より選択される少なくとも1種を含む場合に、本処理方法が好適に用いられる。
また、金属含有物を有する基板に対して酸化処理を施して得られる酸化金属含有物を有する基板に対して、本処理方法は好適に用いられる。
本処理方法で用いられる組成物は、上記の通りである。
また、本処理方法の被処理物である、除去対象物を有する基板に関しても、上記の通りである。
【0093】
工程Aの具体的な方法としては、組成物と、被処理物である金属含有物を有する基板とを接触させる方法が挙げられる。
接触させる方法は特に制限されず、例えば、タンクに入れた組成物中に被処理物を浸漬する方法、基板上に組成物を噴霧する方法、基板上に組成物を流す方法、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。なかでも、被処理物である除去対象物を有する基板を組成物に浸漬する方法が好ましい。
【0094】
更に、組成物の洗浄能力をより増進するために、機械式撹拌方法を用いてもよい。
機械式撹拌方法としては、例えば、基板上で組成物を循環させる方法、基板上で組成物を流過又は噴霧させる方法、及び、超音波又はメガソニックにて組成物を撹拌する方法等が挙げられる。
【0095】
工程Aの処理時間は、基板に組成物を接触させる方法及び組成物の温度等に応じて調整することができる。処理時間(組成物と被処理物との接触時間)は特に制限されないが、0.25~10分間が好ましく、0.5~2分間がより好ましい。
処理の際の組成物の温度は特に制限されないが、20~75℃が好ましく、20~60℃がより好ましい。
【0096】
工程Aにおいて、除去する基板上の除去対象物は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
2種以上の除去対象物を工程Aで除去する場合は、2種以上の除去対象物を一度の処理で同時に除去してもよいし、別々に処理をしてもよい。本組成物は、基板上の2種以上の除去対象物を複数回の除去処理により除去する工程Aにおいて、少なくとも1種の除去対象物を除去するために行われる除去処理に使用されることが好ましい。
2種以上の除去対象物の組合せとしては、上記の金属Mのうちの2種以上の金属を使用した金属含有物又は酸化金属含有物の組合せ、及び、金属原子の種類が同じである金属含有物と酸化金属含有物との組合せが挙げられる。なかでも、上記の組成物を用いて1度の除去処理で2種以上の除去対象物を除去できることから、金属原子の種類が同じである金属含有物と酸化金属含有物との組合せが好ましく、Ru含有物とRuO2含有物との組合せがより好ましい。
【0097】
工程Aにおいては、組成物中の過ヨウ素酸化合物、特定アミン及び/又は任意成分の含有量を測定しながら、必要に応じて、組成物中に溶媒(好ましくは水)を添加する処理を実施してもよい。この処理を実施することにより、組成物中の成分含有量を所定の範囲に安定的に保つことができる。
組成物中の過ヨウ素酸化合物、特定アミン及び任意成分の含有量を測定する方法としては、イオンクロマトグラフ法が挙げられる。具体的な装置としては、例えば、サーモフィッシャー社のDionex ICS-2100が挙げられる。
【0098】
工程Aの具体的な好適態様としては、組成物を用いて基板上に配置され、金属含有物又は酸化金属含有物からなる配線をリセスエッチング処理する工程A1、組成物を用いて金属含有物又は酸化金属含有物からなる膜が配置された基板の外縁部の膜を除去する工程A2、組成物を用いて金属含有物又は酸化金属含有物からなる膜が配置された基板の裏面に付着する金属含有物又は酸化金属含有物を除去する工程A3、組成物を用いてドライエッチング後の基板上の金属含有物又は酸化金属含有物を除去する工程A4、及び、組成物を用いて化学的機械的研磨処理後の基板上の金属含有物又は酸化金属含有物を除去する工程A5が挙げられる。
なかでも、工程Aとしては、工程A1又はA4が好ましく、工程A1がより好ましい。
以下、上記各処理に用いられる本処理方法について説明する。
【0099】
<工程A1>
工程Aとしては、組成物を用いて基板上に配置された金属含有配線をリセスエッチング処理する工程A1が挙げられる。
図1に、工程A1のリセスエッチング処理の被処理物である、金属含有物又は酸化金属含有物からなる配線(以下「除去対象配線」とも記載する)を有する基板(以下「配線基板」とも記載する)の一例を示す断面上部の模式図を示す。
図1に示す配線基板10aは、図示しない基板と、基板上に配置された溝を有する絶縁膜12と、溝の内壁に沿って配置されたバリアメタル層14と、溝内部に充填された除去対象配線16とを有する。
【0100】
配線基板中の基板及び除去対象配線は、上記の通りである。
除去対象配線としては、Ru含有配線(Ruを主成分として含む配線)、RuO
2含有配線(RuO
2を主成分として含む配線)、又は、Ru含有配線及びRuO
2含有配線がいずれも存在する複合体が好ましい。上記の複合体としては、例えば、Ru含有配線と、Ru含有配線の表層に形成されたRuO
2含有層との積層体が挙げられる。
配線基板中のバリアメタル層を構成する材料は特に制限されず、例えば、窒化チタン(TiN)及び窒化タンタル(TaN)が挙げられる。
なお、
図1においては、配線基板がバリアメタル層を有する態様について述べたが、バリアメタル層を有さない配線基板であってもよい。
また、
図1においては図示しないが、バリアメタル層14と、金属含有配線16との間に、ライナー層が配置されていてもよい。ライナー層を構成する材料は特に制限されず、例えば、Ru含有物、Cu含有物及びCo含有物が挙げられる。
【0101】
配線基板の製造方法は特に制限されず、例えば、基板上に絶縁膜を形成する工程と、上記絶縁膜に溝を形成する工程と、絶縁膜上にバリアメタル層を形成する工程と、上記溝を充填するように金属含有膜又は酸化金属含有膜を形成する工程と、金属含有膜又は酸化金属含有膜に対して平坦化処理を施す工程と、を含む方法が挙げられる。
【0102】
工程A1においては、上記の組成物を用いて、配線基板中の除去対象配線に対してリセスエッチング処理を行うことで、除去対象配線の一部を除去して、凹部を形成することができる。
より具体的には、工程A1を実施すると、
図2の配線基板10bに示すように、バリアメタル層14及び除去対象配線16の一部が除去されて、凹部18が形成される。
【0103】
工程A1の具体的な方法としては、組成物と、配線基板とを接触させる方法が挙げられる。
組成物と配線基板との接触方法は、上記の通りである。
組成物と配線基板との接触時間及び組成物の温度の好適範囲は、上記の通りである。
【0104】
(工程A1a及びA1b)
工程A1として、基板上に配置された2種以上の除去対象物のうち、少なくとも1種の除去対象物を除去する工程A1aと、工程A1aで除去した除去対象物とは異なる除去対象物を除去する工程A1bとを実施してもよい。
工程A1a及びA1bは、例えば、除去対象配線とバリアメタル層との間にライナー層が配置されており、上記除去対象配線と上記ライナー層とが、それぞれ異なる除去対象物である配線基板に対して実施される。
除去対象配線とライナー層とが異なる除去対象物で構成されている場合、除去対象配線を構成する成分とライナー層を構成する成分とでは、その種類によって処理溶液の溶解性が異なる場合がある。そのような場合、ライナー層と比較して除去対象配線に対する溶解性がより優れる溶液Aを用いて除去対象配線を除去する工程A1aと、除去対象配線と比較してライナー層に対する溶解性がより優れる溶液Bを用いてライナー層を除去する工程A1bとを実施することが好ましい。工程A1a及びA1bからなる2段階の除去処理を実施することにより、除去対象配線及びライナー層の除去の程度を微細に調整でき、ウエハ面内均一性を担保できるためである。
【0105】
上記除去対象配線とライナー層とを備える配線基板としては、除去対象配線がCu含有配線又はCo含有配線であって、ライナー層がRu含有物である組合せ、又は、除去対象配線がRu含有配線であって、ライナー層がCu含有物又はCo含有物である組合せが好ましく、除去対象配線がCu含有配線又はCo含有配線であって、ライナー層がRu含有物である組合せがより好ましい。
除去対象配線がRu含有配線であって、ライナー層がCu含有物又はCo含有物である場合は、除去対象配線を除去する工程A1aに用いる溶液Aとして、本組成物を使用することが好ましい。除去対象配線がCu含有配線又はCo含有配線であって、ライナー層がRu含有物である場合は、ライナー層を除去する工程A1bに用いる溶液Bとして、本組成物を使用することが好ましい。
【0106】
なお、工程A1として工程A1a及びA1bを実施する場合、上記溶液A又はBの一方が本組成物であり、他方は本組成物以外の溶液である。工程A1a又はA1bにおいて溶液A又はBとして使用できる本組成物以外の溶液としては、特に制限されず、基板上に配置された2種以上の除去対象物の種類、及び、本組成物のエッチング選択性等に応じて公知の溶液が使用できる。
例えば、除去対象配線がCu含有配線又はCo含有配線であって、ライナー層がRu含有物である配線基板に対して、本組成物を用いてライナー層を除去する工程A1bを実施する場合、除去対象配線を除去する工程A1aに使用できる本組成物以外の溶液としては、例えば、硫酸と過酸化水素水との混合液(SPM)、アンモニア水と過酸化水素水との混合液(SC-1又はAPM)、及び、過酸化水素と酸性水溶液の繰り返し処理等が挙げられる。
【0107】
本処理方法においては、工程A1aと工程A1bとを交互に実施してもよい。
工程A1a及び工程A1bを交互に行う場合は、工程A1a及び工程A1bはそれぞれ1~10回実施されることが好ましい。
【0108】
<工程B>
なお、工程A1の前、又は、工程A1の後に、必要に応じて、所定の溶液(以後、「特定溶液」ともいう)を用いて、配線基板を処理する工程Bを実施してもよい。
特に、上記のように、基板上にバリアメタル層が配置されている場合、除去対象配線を構成する成分とバリアメタル層を構成する成分とでは、その種類によって本組成物に対する溶解性が異なる場合がある。そのような場合、バリアメタル層に対してより溶解性が優れる溶液を用いて、除去対象配線とバリアメタル層との溶解の程度を調整することが好ましい。
このような点から、特定溶液は、除去対象配線に対する溶解性が乏しく、バリアメタル層を構成する物質に対して溶解性が優れる溶液が好ましい。
【0109】
特定溶液としては、フッ酸と過酸化水素水との混合液(FPM)、硫酸と過酸化水素水との混合液(SPM)、アンモニア水と過酸化水素水との混合液(APM)、及び、塩酸と過酸化水素水との混合液(HPM)が挙げられる。
FPM、SPM、APM及びHPMの組成は、好適な範囲も含めて、上記の酸化液における各溶液の組成と同じである。
【0110】
工程Bにおいて、特定溶液を用いて基板を処理する方法としては、特定溶液と基板とを接触させる方法が好ましい。特定溶液と基板とを接触させる方法は特に制限されず、例えば、組成物を基板に接触させるのと同様の方法が挙げられる。
特定溶液と基板との接触時間は、例えば、0.25~10分間が好ましく、0.5~5分間がより好ましい。
【0111】
本処理方法においては、工程A1と工程Bとを交互に実施してもよい。
交互に行う場合は、工程A1及び工程Bはそれぞれ1~10回実施されることが好ましい。
【0112】
工程A1が工程A1a及びA1bを含む場合、工程A1a及びA1bの前、又は、工程A1a及びA1bの後に、上述の工程Bを実施してもよい。また、工程A1a及びA1bからなる工程A1と、上述の工程Bとを交互に実施してもよい。
【0113】
<工程A2>
工程Aとしては、組成物を用いて金属含有物又は酸化金属含有物からなる膜(以下「除去対象膜」とも記載する)が配置された基板の外縁部の除去対象膜を除去する工程A2が挙げられる。
図3に、工程A2の被処理物である除去対象膜が配置された基板の一例を示す模式図(上面図)を示す。
図3に示す、工程A2の被処理物20は、基板22と、基板22の片側の主面上(実線で囲まれた全域)に配置された除去対象膜24とを有する積層体である。後述するように、工程A2では、被処理物20の外縁部26(破線の外側の領域)に位置する除去対象膜24が除去される。
【0114】
被処理物中の基板並びに除去対象膜としての金属含有膜及び酸化金属含有膜は、上記の通りである。
除去対象膜としては、Ru含有膜(Ruを主成分として含む膜)、RuO2含有膜(RuO2を主成分として含む膜)、又は、Ru含有膜及びRuO2含有膜とからなる複合体が好ましい。上記の複合体としては、例えば、Ru含有膜と、Ru含有膜の表層に形成されたRuO2含有膜との積層体が挙げられる。
【0115】
工程A2の具体的な方法は特に制限されないが、例えば、上記基板の外縁部の除去対象膜にのみ組成物が接触するように、ノズルから組成物を供給する方法が挙げられる。
工程A2の処理の際には、特開2010-267690号公報、特開2008-080288号公報、特開2006-100368号公報、及び、特開2002-299305号公報に記載の基板処理装置及び基板処理方法を好ましく適用できる。
【0116】
組成物と被処理物との接触方法は、上記の通りである。
組成物と被処理物との接触時間及び組成物の温度の好適範囲は、上記の通りである。
【0117】
<工程A3>
工程Aとしては、組成物を用いて除去対象膜が配置された基板の裏面に付着する除去対象物を除去する工程A3が挙げられる。
工程A3の被処理物としては、工程A2で用いられた被処理物が挙げられる。工程A2で用いられる、基板と、基板の片側の主面上に除去対象膜が配置された被処理物を形成する際には、スパッタリング及びCVD等の方法で除去対象膜を形成する。その際、基板の除去対象膜側とは反対側の表面上(裏面上)に除去対象物が付着する場合がある。このような被処理物中の除去対象物を除去するために、工程A3が実施される。
【0118】
工程A3の具体的な方法は特に制限されないが、例えば、上記基板の裏面にのみ組成物が接触するように、組成物を吹き付ける方法が挙げられる。
【0119】
組成物と被処理物との接触方法は、上記の通りである。
組成物と被処理物との接触時間及び組成物の温度の好適範囲は、上記の通りである。
【0120】
<工程A4>
工程Aとしては、組成物を用いてドライエッチング後の基板上の除去対象物を除去する工程A4が挙げられる。
図4に、工程A4の被処理物の一例を示す模式図を示す。
図4に示す被処理物30は、基板32上に、除去対象膜34、エッチング停止層36、層間絶縁膜38、メタルハードマスク40をこの順に備え、ドライエッチング工程等を経たことで所定位置に除去対象膜34が露出するホール42が形成されている。つまり、
図4に示す被処理物は、基板32と、除去対象膜34と、エッチング停止層36と、層間絶縁膜38と、メタルハードマスク40とをこの順で備え、メタルハードマスク40の開口部の位置において、その表面から除去対象膜34の表面まで貫通するホール42を備える積層物である。ホール42の内壁44は、エッチング停止層36、層間絶縁膜38及びメタルハードマスク40からなる断面壁44aと、露出された除去対象膜34からなる底壁44bとで構成され、ドライエッチング残渣46が付着している。
ドライエッチング残渣は、除去対象物を含む。
【0121】
工程A4における除去対象膜としては、Ru含有膜(Ruを主成分として含む膜)、RuO
2含有膜(RuO
2を主成分として含む膜)、又は、Ru含有膜及びRuO
2含有膜とからなる複合体が好ましい。上記の複合体としては、例えば、Ru含有膜と、Ru含有膜の表層に形成されたRuO
2含有膜との積層体が挙げられる。
工程A4における除去対象物としては、Ru含有物が好ましい。
層間絶縁膜及びメタルハードマスクとしては、公知の材料が選択される。
なお、
図4においては、メタルハードマスクを用いる態様について述べたが、公知のフォトレジスト材料を用いて形成されるレジストマスクを用いてもよい。
【0122】
工程A4の具体的な方法としては、組成物と、上記被処理物とを接触させる方法が挙げられる。
組成物と配線基板との接触方法は、上記の通りである。
組成物と配線基板との接触時間及び組成物の温度の好適範囲は、上記の通りである。
【0123】
<工程A5>
工程Aとしては、組成物を用いて化学的機械的研磨処理(CMP)後の基板上の除去対象物を除去する工程A5が挙げられる。
絶縁膜の平坦化、接続孔の平坦化、及び、ダマシン配線等の製造工程にCMP技術が導入されている。CMP後の基板は、研磨粒子に用いられる粒子及び金属不純物等の多量の汚染物により汚染される場合がある。そのため、次の加工段階に入る前にこれらの汚染物を除去し、洗浄する必要がある。そこで、工程A5を実施することにより、CMPの被処理物が除去対象配線又は除去対象膜を有する場合に発生し、基板上に付着する除去対象物を除去できる。
【0124】
工程A5の被処理物は、上記のように、CMP後の、除去対象物を有する基板が挙げられる。
除去対象物としては、Ru含有物、RuO2含有物、又は、Ru含有物及びRuO2含有物とからなる複合体が好ましい。上記の複合体としては、例えば、Ru含有物と、Ru含有物の表層に形成されたRuO2含有層との積層体が挙げられる。
【0125】
工程A5の具体的な方法としては、組成物と、上記被処理物とを接触させる方法が挙げられる。
組成物と配線基板との接触方法は、上記の通りである。
組成物と配線基板との接触時間及び組成物の温度の好適範囲は、上記の通りである。
【0126】
<工程C>
本処理方法は、上記工程Aの後に、必要に応じて、リンス液を用いて、工程Aで得られた基板に対してリンス処理を行う工程Cを有していてもよい。
本組成物を基板と接触させることで、本組成物に由来するヨウ素化合物が基板の表面上に残存ヨウ素として付着する場合がある。リンス工程を行うことで、基板の表面から残存ヨウ素を除去できる。
【0127】
リンス液としては、例えば、フッ酸、塩酸、過酸化水素水、フッ酸と過酸化水素水との混合液、硫酸と過酸化水素水との混合液、アンモニア水と過酸化水素水との混合液、塩酸と過酸化水素水との混合液、二酸化炭素水、オゾン水、水素水、クエン酸水溶液、硫酸、アンモニア水、イソプロピルアルコール、次亜塩素酸水溶液、王水、超純水、硝酸、過塩素酸、シュウ酸水溶液、又は、オルト過ヨウ素酸水溶液が好ましい。リンス工程の目的を損なわない範囲で、これらのリンス液を混合して使用してもよい。
なお、フッ酸、硝酸、過塩素酸、及び、塩酸は、それぞれ、HF、HNO3、HClO4、及び、HClが、水に溶解した水溶液を意図する。
硫酸は、H2SO4が水に溶解した水溶液であってもよい。
オゾン水、二酸化炭素水、及び、水素水は、それぞれ、O3、CO2、及び、H2を水に溶解させた水溶液を意図する。
【0128】
なかでも、リンス液としては、リンス工程後の基板表面における残存ヨウ素をより減少させる点から、二酸化炭素水、オゾン水、水素水、フッ酸、クエン酸水溶液、塩酸、硫酸、アンモニア水、過酸化水素水、SPM、APM、HPM、IPA、次亜塩素酸水溶液、王水、又は、FPMが好ましく、フッ酸、塩酸、過酸化水素水、SPM、APM、HPM、又は、FPMがより好ましい。
【0129】
工程Cの具体的な方法としては、リンス液と、被処理物である工程Aで得られた基板とを接触させる方法が挙げられる。
接触させる方法としては、タンクに入れたリンス液中に基板を浸漬する方法、基板上にリンス液を噴霧する方法、基板上にリンス液を流す方法、又はそれらの任意の組み合わせた方法で実施される。
【0130】
処理時間(リンス液と被処理物との接触時間)は特に制限されないが、5秒間以上5分間以下である。
処理の際のリンス液の温度は特に制限されないが、16~60℃が好ましく、18~40℃がより好ましい。
【0131】
<工程D>
本処理方法は、工程Cの後に、必要に応じて、乾燥処理を実施する工程Dを有していてもよい。乾燥処理の方法は特に制限されないが、スピン乾燥、基板上での乾燥ガスの流動、基板の加熱手段例えばホットプレート又は赤外線ランプによる加熱、IPA(イソプロピルアルコール)蒸気乾燥、マランゴニ乾燥、ロタゴニ乾燥、又は、それらの組合せが挙げられる。
乾燥時間は、用いる特定の方法に応じて変わるが、通例は30秒間以上数分間以下程度である。
【0132】
本処理方法は、基板について行われるその他の工程の前又は後に組み合わせて実施してもよい。本処理方法を実施する中にその他の工程に組み込んでもよいし、その他の工程の中に本発明の処理方法を組み込んで実施してもよい。
その他の工程としては、例えば、金属配線、ゲート構造、ソース構造、ドレイン構造、絶縁層、強磁性層及び/又は非磁性層等の各構造の形成工程(層形成、エッチング、化学機械研磨、変成等)、レジストの形成工程、露光工程及び除去工程、熱処理工程、洗浄工程、並びに、検査工程等が挙げられる。
本処理方法は、バックエンドプロセス(BEOL:Back end of the line)、ミドルプロセス(MOL:Middle of the line)及び(FEOL:Front end of the line)中のいずれの段階で行ってもよいが、本発明の効果をより発揮できる観点から、フロントエンドプロセス又はミドルプロセス中で行うことが好ましい。
【実施例】
【0133】
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により制限的に解釈されるべきものではない。
【0134】
[組成物の調製]
下記表1に記載の組成を有する組成物を調製し、調製した組成物を使用して以下の試験を行った。
以下に、組成物の調製に用いた過ヨウ素酸化合物(酸化剤)、特定アミン(添加剤)、pH調整剤及び水を記載する。
なお、組成物の調製に使用した以下の成分はいずれも、市場から入手した製品であって、且つ、半導体グレードに分類されるもの、又は、それに準ずる高純度グレードに分類されるものであった。
【0135】
(過ヨウ素酸化合物)
・オルト過ヨウ素酸
・メタ過ヨウ素酸
(過ヨウ素酸化合物に該当しない酸化剤)
・次亜塩素酸ナトリウム
【0136】
(特定アミン)
・1,3-プロパンジアミン
・1,4-ブタンジアミン
・β-アラニン
・4-アミノ酪酸
・5-アミノ吉草酸
・1,6-ヘキサンジアミン
・コハク酸アミド
・マロンアミド
・プロパンアミド
・ブチルアミド
・アジポアミド
・2-アミノエチルホスホン酸
・タウリン
・グリシン
・7-アミノヘプタン酸
・1,8-オクタンジアミン
・アミノメタンスルホン酸
・アミノメタンホスホン酸
・カルバミン酸メチル
・ビスヘキサメチレントリアミン
・ジエチレントリアミン
・N-メチル-1,3-プロパンジアミン
・2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン
・N-エチルエチレンジアミン
・N-(2-アミノエチル)ピペラジン
【0137】
(特定アミンに該当しない添加剤)
・ジグリコールアミン
・モノエタノールアミン
・コハク酸
・アニリン
・2,4,6-トリメチルアニリン
【0138】
(pH調整剤)
・硫酸
・MSA(メタンスルホン酸)
・ETMAH(エチルトリメチルアンモニウム水酸化物)
・TEAH(テトラエチルアンモニウム水酸化物)
・塩酸
・リン酸
・p-トルエンスルホン酸
・硝酸
【0139】
(水)
・超純水
【0140】
表1中、「量(%)」欄は、組成物の全質量に対する各成分の含有量(単位:質量%)を示す。
表1中、「炭素数」欄は、特定アミン又は添加剤として使用した成分の炭素数を示す。
表1中、「比率1」欄の数値は、特定アミン(又は添加剤)の含有量に対する過ヨウ素酸(又は酸化剤)の含有量の比率(質量比)を示す。
各実施例及び各比較例では、組成物のpHが表1の「組成物pH」欄に記載の値となるように、表1に記載の「pH調整剤」の含有量を調整した。
表1中、「水」欄の「残部」は、組成物に含まれる過ヨウ素酸化合物(酸化剤)、特定アミン(添加剤)及びpH調整剤以外の残部が水であることを意味する。
【0141】
[試験]
<Ru溶解能>
市販のシリコンウエハ(直径:12インチ)の一方の表面上に、PVD法によりRu層(Ru単体で構成された層)を形成した基板を準備した。
得られた基板を、各実施例又は各比較例の組成物を満たした容器に入れ、組成物を撹拌してRu層の除去処理を1分間実施した。組成物の温度は25℃であった。
【0142】
<RuO2溶解能>
市販のシリコンウエハ(直径:12インチ)の一方の表面上に、スパッタリング法により、RuO2層(RuO2のみで構成された層)を形成した基板を準備した。
得られた基板を、各実施例又は各比較例の組成物を満たした容器に入れ、組成物を撹拌してRuO2層の除去処理を1分間実施した。組成物の温度は25℃であった。
【0143】
[評価]
<Ru/RuO2溶解能>
処理の前後のRu層又はRuO2層の厚みの差から、Ru層又はRuO2層のエッチングレート(Å/min)を算出した。算出されたRu層又はRuO2層のエッチングレートを、下記基準で評価した。評価結果を表1に示す。
A:エッチングレートが175Å/min以上
B:エッチングレートが100Å/min以上175Å/min未満
C:エッチングレートが50Å/min以上100Å/min未満
D:エッチングレートが50Å/min未満
【0144】
結果を下記表に示す。
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
表に示す結果から、本発明の組成物は、Ru含有層及びRuO2含有層のいずれに対しても優れた溶解能を有することが確認された。
【0149】
なかでも、特定アミンの炭素数が1~8である場合、Ru含有物の溶解能がより優れ(実施例1~25の比較)、特定アミンの炭素数が2~7である場合、RuO2含有物の溶解能がより優れ(実施例1~19の比較)、特定アミンの炭素数が3~6である場合、Ru含有物及びRuO2含有物の溶解能が更に優れる(実施例1~11の比較)ことが確認された。
【0150】
特定アミンの含有量に対する過ヨウ素酸化合物の含有量の比率(比率1)が95以下である場合、Ru含有物の溶解能がより優れ(実施例38と実施例39との比較)、50以下である場合、RuO2含有物の溶解能がより優れ(実施例28と実施例36との比較)、45未満である場合、Ru含有物の溶解能が更に優れ(実施例27と実施例28との比較)、40未満である場合、RuO2含有物の溶解能が更に優れる(実施例26と実施例27との比較)ことが確認された。
また、比率1が1以上である場合、Ru含有物の溶解能がより優れ(実施例40と実施例52との比較)、3以上である場合、Ru有物の溶解能及びRuO2含有物の溶解能がより優れ(実施例29と実施例42との比較)、5以上である場合、RuO2含有物の溶解能が更に優れる(実施例5及び7と実施例31との比較)ことが確認された。
【0151】
組成物のpHが10.0以下である場合、Ru含有物の溶解能がより優れ(実施例46と実施例55との比較)、8.0以下である場合、RuO2含有物の溶解能がより優れ(実施例35と実施例44との比較)、7.0以下である場合、Ru含有物の溶解能が更に優れ(実施例32と実施例33との比較)、6.0以下である場合、RuO2含有物の溶解能が更に優れる(実施例5及び9と実施例34との比較)ことが確認された。
また、組成物のpHが3.3以上である場合、Ru含有物の溶解能及びRuO2含有物の溶解能がより優れることが確認された(実施例3と実施例59との比較)。
【符号の説明】
【0152】
10a 配線のリセスエッチング処理前の配線基板
10b 配線のリセスエッチング処理後の配線基板
12 層間絶縁膜
14 バリアメタル層
16 除去対象配線
18 凹部
20,30 被処理物
22 基板
24 除去対象膜
26 外縁部
32 基板
34 除去対象膜
36 エッチング停止層
38 層間絶縁膜
40 メタルハードマスク
42 ホール
44 内壁
44a 断面壁
44b 底壁
46 ドライエッチング残渣